JP6774670B1 - 防水扉装置 - Google Patents

防水扉装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6774670B1
JP6774670B1 JP2020097279A JP2020097279A JP6774670B1 JP 6774670 B1 JP6774670 B1 JP 6774670B1 JP 2020097279 A JP2020097279 A JP 2020097279A JP 2020097279 A JP2020097279 A JP 2020097279A JP 6774670 B1 JP6774670 B1 JP 6774670B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waterproof door
joint portion
waterproof
link member
door
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020097279A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021188457A (ja
Inventor
利典 宇根
利典 宇根
光見寺 進
進 光見寺
Original Assignee
株式会社宇根鉄工所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社宇根鉄工所 filed Critical 株式会社宇根鉄工所
Priority to JP2020097279A priority Critical patent/JP6774670B1/ja
Priority to JP2020161557A priority patent/JP2021188493A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6774670B1 publication Critical patent/JP6774670B1/ja
Publication of JP2021188457A publication Critical patent/JP2021188457A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Barrages (AREA)
  • Special Wing (AREA)
  • Specific Sealing Or Ventilating Devices For Doors And Windows (AREA)
  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)

Abstract

【課題】 水位上昇時に防水扉が浮き上がり開口部を堰き止める防水扉装置において、外部から防水扉に加わる衝撃が緩和されるような防水扉装置を提供することを目的とする。【解決手段】 水より小さい比重を有し、開口部の下辺に沿って設けられた揺動軸41aを中心に倒伏姿勢から起立姿勢まで揺動可能に設けられた防水扉10と、防水扉10の片面と地盤とをつなぐとともに、中間に折れ曲がり可能な関節部20cを形成するよう二つのリンク部材20a,20bが連結されてなるリンク機構20と、防水扉10の揺動に伴う関節部20cの移動を規制する規制手段30とを備え、二つのリンク部材20a,20bのうち少なくともいずれかが弾性的に伸縮可能であり、防水扉10が倒伏姿勢から起立姿勢までの間の少なくともいずれかの姿勢にある場合にリンク機構20に弾性エネルギーが蓄積される。【選択図】 図3

Description

本発明は、水位上昇時に開口部を通る水を堰き止める防水扉装置に関する。
地下空間や生活空間の入り口等の通路を流れる水を堰き止める装置として、浮力により防水扉が起立して通路を堰き止める浮力式防水装置が知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の防水装置は主に市街地で利用されており、短時間で猛烈に降る雨により急な増水が発生した場合でも、人の操作を必要とせず、浮力により防水扉が自動的に起立して水を堰き止めて、通路への水の流入を防止する。防水扉は浮力により起立するため、空圧や油圧等の駆動源を必要とせず、浮力式防水装置はシンプルな構成となっている。
浮力式防水装置は市街地だけでなく、海岸沿いの堤防の開口部等に設置して陸閘として利用することも可能である。これにより、高潮等で潮位が増したときでも防水扉が自動的に起立して開口部を通る水を堰き止め、海水の侵入を防止することができる。
その一方で、陸上における豪雨による増水とは異なり、海には常に波浪が存在する。そのため、浮力式防水装置を海岸沿いに陸閘として設置した場合、防水扉には海の波が打ちつけるなどして衝撃が加わり、防水装置及びその周辺の構造物が破損するおそれが生じる。浮力式防水装置を海岸沿いに設置する場合には、波浪により生じる衝撃を緩和する手段が必要となる。
衝撃を緩和する手段を備える防水装置として、ガスシリンダを備えた水門(特許文献2参照)や、油圧の回路を切り替える弁を備えた水門(特許文献3参照)が知られている。しかし、特許文献2,3に開示された防水装置はいずれも、水門を駆動する装置を緩衝手段として利用したものである。この技術を浮力式防水装置に適用しようとすると、別途空圧装置や油圧装置が必要となるため、駆動源を必要とせずシンプルな構成であるというメリットを活かすことができない。
また、浮力式防水装置の防水扉は浮力及び水圧で揺動するため、水位の上昇及び低下に応じて防水扉が急激に起立したり倒伏することがある。その場合も、防水扉の急激な起立や倒伏に際しても衝撃的な荷重が作用し、これにより防水扉及び周辺の構造物が破損するおそれが生じる。
特開2016−142030号公報 特表2013−540217号公報 特開平7−207648号公報
上記問題点を鑑みて、本発明は、水位上昇時に防水扉が浮き上がり開口部を堰き止める防水扉装置において、外部から防水扉に加わる衝撃が緩和されるような防水扉装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、水位上昇時に防水扉が浮き上がり開口部を通る水を堰き止める防水扉装置であって、水より小さい比重を有し、前記開口部の下辺に沿って設けられた揺動軸を中心に倒伏姿勢から起立姿勢まで揺動可能に設けられた防水扉と、前記防水扉の片面と地盤とをつなぐとともに、中間に折れ曲がり可能な関節部を形成するよう二つのリンク部材が連結されてなるリンク機構と、前記防水扉の揺動に伴う前記関節部の移動を規制する規制手段とを備え、前記二つのリンク部材のうち前記関節部と前記地盤との間の下部リンク部材が、長手方向に伸縮するよう配置されたコイルばねを有し弾性的に伸縮可能であり、前記防水扉が前記倒伏姿勢から前記起立姿勢までの間の少なくともいずれかの姿勢にある場合に前記リンク機構に弾性エネルギーが蓄積され、前記規制手段が、前記地盤に対して固定された平面を有し、前記防水扉が前記起立姿勢から所定の角度倒れるまでは前記関節部の外周と前記平面は離れており、前記防水扉が前記起立姿勢から前記所定の角度倒れたときに前記関節部の外周が前記平面に接触し、この状態からさらに倒れると前記関節部が前記平面に沿って移動するとともに前記下部リンク部材が伸長することを特徴とする防水扉装置である。
請求項1に記載の発明によれば、防水扉に作用した衝撃をリンク機構の弾性エネルギーとして蓄積することで衝撃が緩和され、シンプルな構成のリンク機構によって弾性エネルギーを蓄積することができ、シンプルな構成で関節部の移動を規制し、関節部の移動を規制することで防水扉が倒伏姿勢にあるとき弾性エネルギーが蓄積される防水扉装置を提供することができる。
請求項に記載の発明は、前記防水扉の自重により、前記下部リンク部材が自然長より伸長した状態で、前記防水扉が前記倒伏姿勢をとることを特徴とする請求項に記載の防水扉装置である。
請求項に記載の発明によれば、倒伏姿勢から防水扉が起き上がる際に、すみやかに揺動が開始する防水扉装置を提供することができる。
請求項に記載の発明は、前記防水扉が前記起立姿勢から前記所定の角度倒れたときに前記下部リンク部材が前記平面と平行となることを特徴とする請求項又はに記載の防水扉装置である。
請求項に記載の発明によれば、防水扉の揺動が滑らかで安定する防水扉装置を提供することができる。
本発明によれば、防水扉に作用した衝撃が緩和される防水扉装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る防水扉装置を示す図であって、防水扉が倒伏姿勢にある状態を示す概略側面図である。 本発明の実施形態に係る防水扉装置を示す図であって、防水扉が倒伏姿勢からθ1起き上がった状態を示す概略側面図である。 本発明の実施形態に係る防水扉装置を示す図であって、防水扉が倒伏姿勢からθ2起き上がった状態を示す概略側面図である。 本発明の実施形態に係る防水扉装置を示す図であって、防水扉が倒伏姿勢からθ3起き上がって起立姿勢にある状態を示す概略側面図である。 本発明の実施形態に係る防水扉装置の弾性エネルギーを説明する図であって(a)は防水扉の傾斜角θと下部リンク部材のコイルばねの自然長からの縮み量の関係を概略的に示すグラフであり、(b)は防水扉の傾斜角θと下部リンク部材が蓄積する弾性エネルギーの関係を概略的に示すグラフである。
(実施形態)
次に、本発明を適用した防水扉装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な実施形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
本発明の実施形態に係る防水扉装置の動作及び構成について、図1〜4に基づき説明する。図1〜4は、本発明の実施形態に係る防水扉装置を示す概略側面図であって、図1は防水扉が倒伏姿勢にある状態、図2は防水扉が倒伏姿勢からθ1起き上がった状態、図3は防水扉が倒伏姿勢からθ2起き上がった状態、図4は防水扉が倒伏姿勢からθ3起き上がって起立姿勢にある状態をそれぞれ示す。
まず、本発明に係る浮力式防水装置の基本的な動作について、図1〜4を参照して説明する。図1に示すように、防水扉装置100の防水扉10は、倒伏姿勢において地盤40に設けられた凹部40bに収容されており、防水扉10の上面10aは地面40aと同一面となっている。防水扉10の比重は水より小さく設定されており、また防水扉10はヒンジ金具41の揺動軸41aを中心に回転して揺動可能となっている。
防水扉10の設置場所において水位が上昇すると、グレーチング42を通って凹部40bの中に水が流入する。凹部40bの中に水が十分にたまると、防水扉10の比重は水より小さいため浮力が作用し、防水扉10は揺動軸41aを中心として、図における反時計方向に回転し始める。図2は、防水扉10が、上面10aと地面40aのなす角である傾斜角がθ1となるまで起き上がった状態を示している。
さらに水位が上昇すると、防水扉10には浮力が作用するとともに、水を堰き止めていることから、図における右から左に向けて水圧が作用するため、揺動軸41aを中心として反時計方向にさらに回転する。図3は、防水扉10が、傾斜角がθ2となるまで起き上がった状態を示している。
そしてさらに水位が上昇すると、防水扉10に作用する浮力及び水圧により、防水扉10は揺動軸41aを中心として反時計方向にさらに回転し、回転の限度となる起立姿勢に到達する。図4は、防水扉10が、傾斜角がθ3となるまで起き上がり、起立姿勢となった状態を示している。このとき防水扉10は、防水扉10より右側にある水を堰き止めている。
水位が低下すると、防水扉10に作用する水圧及び浮力が低下し、防水扉10の自重により揺動軸41aを中心として図における時計方向に回転していく。時計方向に限度まで回転すると、図1に示す倒伏姿勢となる。
次に防水扉装置100の具体的な構成について、傾斜角がθ2となった状態の図3に基づき説明する。防水扉装置100は、海岸沿いの堤防等の水が通る開口部に設置されており、水より小さい比重を有する防水扉10を備えている。防水扉10は平面視で矩形であり、その一辺がヒンジ金具41を介して地盤40と結合されている。ヒンジ金具41の揺動軸41aは開口部の底辺に沿うよう配置されており、防水扉10は揺動軸41aを中心に回転して揺動する。なお防水扉10において揺動軸41aに垂直な二つの側辺は、開口部の側壁に隙間なく接触し水密となっている。
防水扉装置100は、防水扉10と地盤40とをつなぐリンク機構20を備えている。リンク機構20は上部リンク部材20aと下部リンク部材20bが関節部20cで折れ曲がるよう構成されている。上部リンク部材20aは防水扉10のブラケット10bと、ヒンジピン29を介して回転可能に結合されており、下部リンク部材20bは地盤40のブラケット40cと、ヒンジピン28を介して回転可能に結合されている。リンク機構20は、防水扉10の揺動に追随して動くとともに防水扉10の揺動を制限する。またリンク機構20は、防水扉10の姿勢に応じて弾性エネルギーを内部に蓄積する。リンク機構20の動き及び弾性エネルギーの詳細については後述する。
地盤40には先述のように凹部40bが設けられており、防水扉10が倒伏姿勢にあるとき、防水扉10及びリンク機構20は凹部40bに収容され、防水扉10の上面10aは地面40aと同一面となる(図1参照)。凹部40bの内部には、先述のブラケット40cが設けられている。また凹部40bには、先述したように水が流入するためのグレーチング42が設けられている。
また、凹部40bの底部には、リンク機構20の関節部20cの移動を規制する規制手段が設けられている。規制手段として水平な平面30が形成されており、防水扉10が揺動すると、それにしたがってリンク機構20は折れ曲がって関節部20cが移動するところ、関節部20cの外周20dが平面30に接触することで、関節部20cの移動が規制される。関節部20cの移動が規制されることで、リンク機構20に弾性エネルギーが蓄積される。規制手段たる平面30の作用の詳細については後述する。
次にリンク機構20の構成の詳細について説明する。リンク機構20は、上部リンク部材20aと下部リンク部材20bを有しており、関節部20cで折れ曲がるよう構成されている。上部リンク部材20aはアーム21から構成され、上端はヒンジピン29を介して防水扉10のブラケット10bと回転可能に連結されている。
下部リンク部材20bは、アーム23、ロッド24、ピストン25、コイルばね26及びシリンダー27から構成されている。アーム23とロッド24は一直線上に並び、アーム23の下端はロッド24の上端と剛結合されている。ロッド24の下端には円板状のピストン25が剛結合されており、ピストン25は円筒状のシリンダー27の中に収容されている。ロッド24は、シリンダー27の蓋27aに設けられた貫通孔を通り、長手方向に進退可能に配置されている。シリンダー27の内部にはコイルばね26が収容されており、コイルばね26はピストン25と蓋27aに挟まれて圧縮ばねとして機能する。コイルばね26は図3に示す自然長の状態から縮んだ場合(図4参照)に復元力が発生し、弾性エネルギーを蓄積する。シリンダー27の下端はヒンジピン28を介してブラケット40cと回転可能に連結されている。
下部リンク部材20bの上端すなわちアーム23の上端は、上部リンク部材20aすなわちアーム21の下端とヒンジピン22を介して回転可能に連結されている。アーム21とアーム23とが連結されている部分が、リンク機構20の関節部20cを形成している。上部リンク部材20a及び下部リンク部材20bの端部がそれぞれヒンジピンで回転可能に連結されていることで、リンク機構20は関節部20cで折れ曲がることが可能となる。なお、アーム21の下端及びアーム23の上端には、ヒンジピン22を中心にアールが形成されている。
下部リンク部材20bは、圧縮ばねであるコイルばね26を有するため、その全長(ヒンジピン22からヒンジピン28までの距離)は弾性的に伸長することが可能となる。図3に示す状態は下部リンク部材20bの自然長の状態であり、この状態の防水扉10に対して図における右から左に向けて外力が作用すると、下部リンク部材20bが弾性的に伸長して防水扉10が反時計方向に回転し、図4に示す起立姿勢となる。図4に示す起立姿勢は、コイルばね26が圧縮限度まで縮められた状態であり、下部リンク部材20bが最も伸長した状態である。下部リンク部材20bが自然長さから伸長した状態では、コイルばね26はピストン25及び蓋27aにより圧縮されており、ピストン25及び蓋27aに対して復元力(自然長に戻ろうとする力)を作用している。すなわち、下部リンク部材20bは全体として長手方向に伸縮するばねとして働く。
次に、防水扉10の揺動とリンク機構20の動きの関係について、図3に示すように傾斜角θ2の状態を基準にして説明する。このときの下部リンク部材20bの長さは自然長である。図3に示す状態では、水位が十分に高く、防水扉10が浮力及び水圧により反時計方向に回転しようとするモーメントと、自重により時計方向に回転しようとするモーメントが平衡している。水位が上昇すると、浮力及び水圧が増し、防水扉10はモーメントが釣り合う位置まで反時計方向に回転する。さらに水位が上昇すると、防水扉10は反時計方向にさらに回転し、下部リンク部材20bが最も伸長した状態となり図4の起立姿勢(傾斜角θ3)に到達して、そこで揺動が止まる。
図4に示す起立姿勢においては、コイルばね26は圧縮限度まで縮められた状態であり、下部リンク部材20bには弾性エネルギーが蓄積されている。この状態におけるリンク機構20は、防水扉10を倒す方向に力を加えている。
図3に示す状態から水位が低下すると、防水扉10は、自重により時計方向に回転する。このとき、下部リンク部材20bの長さは自然長であり、これより短くならないので、リンク機構20は関節部20cで折れ曲がって、防水扉10が時計方向に回転していく。そして関節部20cは、ヒンジピン28を中心とする円弧状の経路をたどり下に移動していく。
水位が低下するにつれて防水扉10は時計方向に回転していき、図2に示すように防水扉10が傾斜角θ1となると、関節部20cの外周20dが、規制手段の平面30に接触する。関節部20cはヒンジピン28を中心とする円弧状の経路をたどって下に移動してきたが、下への移動はここで制限される。図2に示すように関節部20cの外周20dが平面30に接触している状態でも、防水扉10の自重は上部リンク部材20aの長手方向に伝わるため、防水扉10は時計方向への回転を続けつつ関節部20cは水平な平面30に沿って図における左に移動し、コイルばね26は圧縮されて短くなり下部リンク部材20bが伸長する。そして図1に示すように防水扉10が倒伏姿勢となり、防水扉10の回転は終了する。なお、図2に示すように、関節部20cの外周20dが平面30に接触したときに、下部リンク部材20bと平面30は平行となっており、防水扉10がさらに時計方向に回転すると、外周20dが平面30の上を、図における左に向けて滑らかに移動する。
図1に示す倒伏姿勢においては、コイルばね26は自然長から縮んだ状態であり、下部リンク部材20bには弾性エネルギーが蓄積されている。この状態における下部リンク部材20bは関節部20cを図における右に移動させる力を加えており、関節部20cが右に移動すると上部リンク部材20aは防水扉10を反時計方向に回転させる。すなわち、倒伏姿勢においてリンク機構20は防水扉10を起立させる方向に力を加えている。
次に、防水扉10の揺動によってリンク機構20に蓄積される弾性エネルギーについて、図5に基づき説明する。図5は、本発明の実施形態に係る防水扉装置の弾性エネルギーを説明する図であって(a)は防水扉の傾斜角θと下部リンク部材のコイルばねの自然長からの縮み量の関係を概略的に示すグラフであり、(b)は防水扉の傾斜角θと下部リンク部材が蓄積する弾性エネルギーの関係を概略的に示すグラフである。以下、図5と図1〜4を対照しつつ説明する。
先述の通り、防水扉10は倒伏姿勢にある場合(図1参照)、下部リンク部材20bのコイルばね26は自然長より縮んでおり、弾性エネルギーが蓄積されている。この状態から防水扉10が図における反時計方向に回転して起き上がるにつれて、コイルばね26は自然長に戻っていき、傾斜角θ1となった場合に(図2参照)、コイルばね26は自然長となり、弾性エネルギーがゼロとなる。そしてここから傾斜角θ2となるまでは(図3参照)、コイルばね26は自然長のまま変わらず、弾性エネルギーはゼロである。傾斜角θ2の状態から防水扉10が図における反時計方向に回転してさらに起き上がっていくと、コイルばね26は自然長より縮んでいき、傾斜角θ3の起立姿勢となるまで(図4参照)コイルばね26は縮み、蓄積される弾性エネルギーは大きくなっていく。
すなわち、本実施形態に係る防水扉装置100は、防水扉10が倒伏姿勢付近にある場合と起立姿勢付近にある場合に、リンク機構20に弾性エネルギーが蓄積される。先述したように、起立姿勢付近にあるときは倒伏させる方向に弾性エネルギーを蓄積しており、倒伏姿勢付近にあるときは起立させる方向に弾性エネルギーを蓄積している。したがって、水位上昇により防水扉10が倒伏姿勢から起き上がる場合、水位が十分に高くなく小さな浮力しか作用していなくても、蓄積されている弾性エネルギーを利用してすみやかに起立動作を始めることができる。また、水位低下により防水扉10が起立姿勢から倒れる場合、水位の低下が十分でなく防水扉10に水圧が作用していても、蓄積されている弾性エネルギーを利用して倒伏動作を始めることができる。
海岸沿いに陸閘として設置された防水扉に作用する水圧は、海の波浪により絶えず変動するが、本実施形態に係る防水扉装置100においては、図3に示すように防水扉10が傾斜角θ2にあって、図における右から左に向けて波が打ちつけた場合でも、防水扉10の半時計方向への回転にともなってコイルばね26が圧縮されるため、防水扉10に作用する衝撃は緩和される。そのため防水扉装置100及び周辺の構造物が破損するおそれは少なくなる。
また防水扉装置100は、防水扉10が起き上がって起立姿勢に移る場合、及び倒れていき倒伏姿勢に移る場合それぞれの局面で、外部からの力はコイルばね26の圧縮を引き起こし、弾性エネルギーが蓄積される。これにより、防水扉10が、起立動作を完了して起立姿勢をとるする際、及び倒伏動作を完了して倒伏姿勢をとる際に速度を落とすことができ、衝撃的な荷重を発生させることがなく、構造物の負担を軽減することができる。
(その他の実施形態)
先述の実施形態では、下部リンク部材20bが弾性的に伸縮するよう構成されていたが、上部リンク部材の一部をコイルばねで構成するなどして弾性的に伸縮するよう構成することも可能である。このように構成することでも、防水扉の姿勢に応じてリンク機構に弾性エネルギーを蓄積させることができる。
また、先述の実施形態においては、関節部20cの移動を規制する規制手段が水平な平面30で構成されていたが、これに代えて任意の形状とすることができる。例えば水平面ではなく傾斜した平面としたり曲面とすることもでき、これにより関節部20cの移動経路を設定することができ、関節部20cの移動とコイルばね26の縮み方との関係を設定することができる。また、関節部20cの外周に接触することで関節部20cの移動を規制する構成の規制手段に代えて、任意の方法で関節部20cの移動を規制することができ、例えば関節部に突起を設け、その突起を案内するガイドレールを設ける構成とすることも可能である。
また、規制手段を変更することで、図5に示した防水扉の傾斜角θとコイルばねの縮み量及び弾性エネルギーの関係についても変更することができる。防水扉の傾斜角θとコイルばねの縮み量及び弾性エネルギーの関係については、上部リンク部材と下部リンク部材の長さ、コイルばねの長さ、コイルばねのばね係数等を適宜調整して設定することができる。また、防水扉装置を設置する環境に応じて、防水扉の重量を調整したり、防水扉に浮力材を付加するなどして、防水扉の挙動を設定することができる。
100 防水扉装置
10 防水扉
10a 上面
10b ブラケット
20 リンク機構
20a 上部リンク部材
20b 下部リンク部材
20c 関節部
20d 外周
21 アーム
22 ヒンジピン
23 アーム
24 ロッド
25 ピストン
26 コイルばね
27 シリンダー
28 ヒンジピン
29 ヒンジピン
30 平面(規制手段)
40 地盤
40a 地面
40b 凹部
40c ブラケット
41 ヒンジ金具
41a 揺動軸
42 グレーチング

Claims (3)

  1. 水位上昇時に防水扉が浮き上がり開口部を通る水を堰き止める防水扉装置であって、
    水より小さい比重を有し、前記開口部の下辺に沿って設けられた揺動軸を中心に倒伏姿勢から起立姿勢まで揺動可能に設けられた防水扉と、
    前記防水扉の片面と地盤とをつなぐとともに、中間に折れ曲がり可能な関節部を形成するよう二つのリンク部材が連結されてなるリンク機構と、
    前記防水扉の揺動に伴う前記関節部の移動を規制する規制手段とを備え、
    前記二つのリンク部材のうち前記関節部と前記地盤との間の下部リンク部材が、長手方向に伸縮するよう配置されたコイルばねを有し弾性的に伸縮可能であり、前記防水扉が前記倒伏姿勢から前記起立姿勢までの間の少なくともいずれかの姿勢にある場合に前記リンク機構に弾性エネルギーが蓄積され
    前記規制手段が、前記地盤に対して固定された平面を有し、
    前記防水扉が前記起立姿勢から所定の角度倒れるまでは前記関節部の外周と前記平面は離れており、
    前記防水扉が前記起立姿勢から前記所定の角度倒れたときに前記関節部の外周が前記平面に接触し、この状態からさらに倒れると前記関節部が前記平面に沿って移動するとともに前記下部リンク部材が伸長する
    ことを特徴とする防水扉装置。
  2. 前記防水扉の自重により、前記下部リンク部材が自然長より伸長した状態で、前記防水扉が前記倒伏姿勢をとる
    ことを特徴とする請求項に記載の防水扉装置。
  3. 前記防水扉が前記起立姿勢から前記所定の角度倒れたときに前記下部リンク部材が前記平面と平行となる
    ことを特徴とする請求項又はに記載の防水扉装置。
JP2020097279A 2020-06-03 2020-06-03 防水扉装置 Active JP6774670B1 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020097279A JP6774670B1 (ja) 2020-06-03 2020-06-03 防水扉装置
JP2020161557A JP2021188493A (ja) 2020-06-03 2020-09-27 防水扉装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020097279A JP6774670B1 (ja) 2020-06-03 2020-06-03 防水扉装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020161557A Division JP2021188493A (ja) 2020-06-03 2020-09-27 防水扉装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6774670B1 true JP6774670B1 (ja) 2020-10-28
JP2021188457A JP2021188457A (ja) 2021-12-13

Family

ID=72916090

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020097279A Active JP6774670B1 (ja) 2020-06-03 2020-06-03 防水扉装置
JP2020161557A Pending JP2021188493A (ja) 2020-06-03 2020-09-27 防水扉装置

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020161557A Pending JP2021188493A (ja) 2020-06-03 2020-09-27 防水扉装置

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP6774670B1 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021188457A (ja) 2021-12-13
JP2021188493A (ja) 2021-12-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10174474B2 (en) Movable tsunami buffer dam
KR101680172B1 (ko) 부체식 플랩 게이트
US7140180B2 (en) Wave energy converter (WEC) device and system
JP6774670B1 (ja) 防水扉装置
JP2016065447A (ja) フラップゲート
JP5503072B1 (ja) フラップゲート
CN108026708A (zh) 水闸
JP2017166128A (ja) フラップゲート及びゲート設備
CA3096276A1 (en) Gate, leaf, and method for controlling water levels in a body of water
WO2005085632A1 (en) Improved wave energy converter (wec) device and system
JP4203798B2 (ja) 回転式ゲート
JP6117280B2 (ja) 浮体式フラップゲート
JP3957212B2 (ja) 起伏式ゲート設備の作動装置
JP4987751B2 (ja) フラップゲート
CN108442337A (zh) 一种液压式并联驱动闸门及通流控制方法
GB2466978A (en) Gate for controlling the flow of water through a flood defence
KR101183727B1 (ko) 발전용 파력구동장치
KR102273556B1 (ko) 교량 시설물
JP2016205077A (ja) 浮体式フラップゲート
JP4066860B2 (ja) フラップゲート
JP4440222B2 (ja) 起伏式ゲート
JP6840657B2 (ja) 起伏ゲート
JP5503075B1 (ja) フラップゲート
JP2007211459A (ja) 起伏式ゲート
JP6696681B2 (ja) 浮体式フラップゲート設備

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200604

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20200604

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20200623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200701

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200707

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200911

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200927

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6774670

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250