JP6774447B2 - タッチパネル駆動装置、タッチパネル装置、駆動電圧生成方法 - Google Patents
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Description
また下記特許文献2には、X、Y方向の電極配線において電極が交差する部分を設けないようにした、いわゆるシングルレイヤ方式の構造が開示されている。
下記特許文献3には、一体型タッチスクリーンのための電源供給のための電荷ポンプ(チャージポンプ)を備えた構成が開示されている。
そこで本発明は、タッチパネルに適した駆動電圧を供給可能とする技術を提供することを目的とする。
タッチパネルのセンシングに用いる駆動電圧の供給のために、比較的高い電圧を、チャージポンプ回路を用いて生成する。そのチャージポンプ回路を介して得られた電圧をデジタル−アナログ変換器(Digital Analog Converter:以下「DAC」とも表記する)を用いて調整可能にする。この調整された電圧をタッチパネルの駆動電圧とできるようにする。
即ちチャージポンプ回路を用いて生成した電圧を安定化し、例えばこの安定化された電圧がDACを介してタッチパネルの駆動電圧とされるようにする。
即ち安定化回路でもチャージポンプ回路を用いて生成した電圧を変化させることができるようにする。
即ち上記の駆動電圧AVCCを調整可能なタッチパネル駆動装置を用いることで、センシング精度のよいタッチパネル装置を実現する。
タッチパネルには、複数の送信信号線と複数の受信信号線が設けられ、タッチ面上において送信信号線と受信信号線で規定される各位置の容量変化により操作位置を検出するように構成される。駆動電圧は、送信信号線(又は送信信号線と受信信号線)への印加電圧として用いられる。
これによりタッチパネルに適した駆動電圧を設定して供給できるようにする。
<1.タッチパネル装置の構成>
<2.センシング動作>
<3.電源回路構成>
<4.実施の形態の効果及び変形例>
実施の形態のタッチパネル装置1の構成例を図1に示す。
タッチパネル装置1は、各種機器においてユーザインターフェース装置として装着される。ここで各種機器とは、例えば電子機器、通信機器、情報処理装置、製造設備機器、工作機械、車両、航空機、建物設備機器、その他非常に多様な分野の機器が想定される。タッチパネル装置1は、これらの多様な機器製品においてユーザの操作入力に用いる操作入力デバイスとして採用される。
図1ではタッチパネル装置1と製品側MCU(Micro Control Unit)90を示しているが、製品側MCU90とは、タッチパネル装置1が装着される機器における制御装置を示しているものである。タッチパネル装置1は製品側MCU90に対してユーザのタッチパネル操作の情報を供給する動作を行うことになる。
タッチパネル駆動装置3はセンサIC(Integrated Circuit)4とMCU5を有する。
タッチパネル駆動装置3は、タッチパネル側接続端子部31を介してタッチパネル2と接続される。この接続を介してタッチパネル駆動装置3はタッチパネル2の駆動(センシング)を行う。
また操作入力デバイスとして機器に搭載される際には、タッチパネル駆動装置3は製品側接続端子部32を介して製品側MCU90と接続される。この接続によりタッチパネル駆動装置3は製品側MCU90にセンシングした操作情報を送信する。
図2に、送信回路41、受信回路42、マルチプレクサ43とタッチパネル2の接続状態を模式的に示す。
タッチパネル2は、タッチ面を形成するパネル平面に、送信側の電極としてのn本の送信信号線21−1から21−nが配設される。
また同じくパネル平面に、受信側の電極としてのm本の受信信号線22−1から22−mが配設される。
なお送信信号線21−1・・・21−n、受信信号線22−1・・・22−mを特に区別しない場合は、総称として「送信信号線21」「受信信号線22」と表記する。
図では送信信号線21と受信信号線22の間で生じる容量を一部のみ例示している(容量C22,C23,C32,C33)が、タッチ操作面の全体に、送信信号線21と受信信号線22の間で生じる容量(例えば交差位置における容量)が存在し、タッチ操作により容量変化が生じた位置が受信回路42により検出されることとなる。
受信回路42は、マルチプレクサ43により選択された受信信号線22−1・・・22−mからの受信信号を受信する。本実施の形態では、マルチプレクサ43が各タイミングで2本ずつ隣接する受信信号線22を選択していく。
送信回路41、受信回路42によるセンシング動作については後述する。
またインターフェース・レジスタ回路44には、受信回路42により検出された検出値(説明上「RAW値」ともいう)を記憶し、MCU5が取得できるようにしている。
また受信回路42は、センシング動作の際に、マルチプレクサ43によって選択された受信信号線22に対して駆動電圧AVCCを印加することも行う。
電源回路45の構成については後に詳述する。
またMCU5は受信回路42からのRAW値をインターフェース・レジスタ回路44から読み出すことで取得する。そしてMCU5は、RAW値を用いて座標計算を行い、ユーザのタッチ操作位置情報としての座標値を製品側MCU90に送信する処理を行う。
以上の構成のタッチパネル装置1によるセンシング動作について説明する。
まず図3によりタッチパネル2に対する送信回路41,受信回路42の動作を説明する。図ではタッチパネル2において2つの送信信号線21−2、21−3と、2つの受信信号線22−2、22−3を示している。
本実施の形態の場合、先の図2に示したような送信信号線21、受信信号線22に対して、送信回路41と受信回路42が、それぞれ隣接する2本ずつ送信、受信を行っていくことでタッチ操作の検出を行うものとなる。つまり送信信号線21、受信信号線22の2本×2本を基本セルとして、順次セル単位で検出走査を行う。図3では、その1つのセル部分を示していることになる。
なお、駆動電圧AVCC1は、図1の電源回路45が生成する駆動電圧AVCC自体、もしくは駆動電圧AVCCに基づく電圧である。
この場合、送信回路41は、ドライバ411からの送信信号T+は図示のように、アイドル(Idle)期間をロウレベル(以下「Lレベル」と表記)とする。例えば0Vとする。そして続くアクティブ(Active)期間にはハイレベル(以下「Hレベル」と表記)とする。この場合、Hレベルの信号として具体的には駆動電圧AVCC1の印加を行う。
また送信回路41は、もう一つのドライバ412からの送信信号T−は、アイドル期間をHレベル(駆動電圧AVCC1の印加)とし、続くアクティブ期間はLレベルとする。
ここで、アイドル期間は受信信号R+、R−の電位を安定させる期間であり、アクティブ期間は受信信号R+、R−の電位変化をセンシングする期間となる。
そしてコンパレータ421は、受信信号R+、R−の電位を比較して、その比較結果をHレベル又はLレベルで出力する。
基準容量部422を構成するコンデンサの一端には駆動電圧AVCC2が印加されている。駆動電圧AVCC2は、図1の電源回路45が生成する駆動電圧AVCC自体、もしくは駆動電圧AVCCに基づく電圧である。基準容量部422を構成するコンデンサの他端はスイッチ423の端子Taを介してコンパレータ421の+入力端子に接続されている。
また計測用容量部424の一端には駆動電圧AVCC2が印加されている。この計測用容量部424の他端はスイッチ425の端子Taを介してコンパレータ421の−入力端子に接続されている。
スイッチ423、425は、アクティブ期間には端子Taが選択される。従ってアクティブ期間にはコンパレータ421の+入力端子(受信信号線22−3)、−入力端子(受信信号線22−2)には基準容量部422又は計測用容量部424を介して駆動電圧AVCC2が印加される。
アクティブ期間となるとスイッチ423、425が端子Taを選択することで、受信信号線22−3,22−2に駆動電圧AVCC2が印加される。これにより受信信号R+、R−の電位がΔV上昇する。非タッチの状態では、このΔVの電位上昇は、受信信号R+、R−共に発生する。
一方、送信回路41側では、アクティブ期間となると、上述のように送信信号T+が立ち上がり、送信信号T−が立ち下がる。これにより、タッチ操作があった場合には、受信信号R+、R−の電位上昇の程度が変化する。
仮に容量C22に影響を与えるA1位置がタッチされた場合、受信信号R−の電位がアクティブ期間において破線で示すようにΔVHだけ上昇する。
また仮に容量C32が変化するA2位置がタッチされた場合、受信信号R−の電位がアクティブ期間において破線で示すΔVLだけ上昇する。
これらのように当該セルに対するタッチ操作位置に応じて、受信信号R−の電位変化量が受信信号R+の電位変化量(ΔV)よりも大きくなったり小さくなったりする。
コンパレータ421はこのような受信信号R+、R−を比較することになる。
なお図4はスイッチ423,425が端子Taに接続された状態(アクティブ期間)での等価回路として示しており、スイッチ423,425の図示は省略している。
各コンデンサCM0〜CM7は、駆動電圧AVCC2の電位とコンパレータ421の−入力端子の間に並列に接続されている。また各コンデンサCM0〜CM7に対してはそれぞれ直列にスイッチSW0〜SW7が接続されている。つまりスイッチSW0〜SW7のオン/オフにより、受信信号R−に影響を与えるコンデンサを変更できる構成である。
コンデンサCM0からCM7は、ビット“0”からビット“7”の8ビットの値で選択される。コンデンサCM0及びスイッチSW0がビット0、コンデンサCM1及びスイッチSW1がビット“1”、・・・コンデンサCM7及びスイッチSW7がビット“7”として機能する。
そして8ビットの値として0(=「00000000」)から255(=「11111111」)の容量設定値が与えられる。容量設定値はMCU5がインターフェース・レジスタ回路44に書き込む設定情報の一つである。
受信回路42では、この8ビットの容量設定値に応じてスイッチSW0〜SW7がオン/オフされる。即ちスイッチSW0〜SW7は対応するビットが「0」であればオフ、「1」であればオンとなる。これにより計測用容量部424の全体の容量値が0fF〜510fFの範囲で256段階に可変されることになる。
図4の構成では、計測用容量部424の容量設定値を変更していくことで受信信号R−の波形の電位上昇程度を変化させることができ、例えば受信信号R+と同等となる計測用容量部424の容量設定値を見つけ出すことができる。
例えば図4の受信信号R−の破線で示す波形Sg1が初期状態であったとしたときに、計測用容量部424の容量を小さくすれば受信信号R−は波形Sg2のように波形Sg1より小さくなる。また、計測用容量部424の容量を大きくすれば受信信号R−は波形Sg3のように波形Sg1より大きくなる。
つまり、コンパレータ421で受信信号R+、R−の電圧レベルが同等となったときの計測用容量部424の容量設定値は、タッチによる受信信号R−の電圧変化に相当する値と等価となる。従って、コンパレータ421の出力をみながら計測用容量部424の容量設定値を変化させていき、受信信号R+、R−のアクティブ期間の電圧が同等となる容量設定値を探索する。すると探索された容量設定値を、タッチ操作のセンシング情報としてのRAW値とできることになる。
図5においてステップS100からS109のループ処理は、1つのセル(2つの送信信号線21と2つの受信信号線22の組)に対するセンシングの手順を示している。なお、RAW値を得るまでに容量設定値は8段階の異なる値を取る(初期状態から7回変更される)。
送信回路41ではドライバ411からの送信信号T+はLレベル、送信信号T−はHレベル(=駆動電圧AVCC1)とする。
受信回路42では、スイッチ423,425が端子Tiに接続される。これによりコンパレータ421の+入力端子、−入力端子はグランド接続される。
送信回路41ではドライバ411からの送信信号T+はHレベル(=駆動電圧AVCC1)、ドライバ412からの送信信号T−はLレベルとする。
受信回路42では、スイッチ423,425が端子Taに接続される。これによりコンパレータ421の+入力端子は基準容量部422を介して駆動電圧AVCC2に接続され、−入力端子は計測用容量部424を介して駆動電圧AVCC2に接続される。
ステップS103ではコンパレータ421が受信信号R+、R−を比較し、比較結果を出力する。コンパレータ421からは、(受信信号R+)>(受信信号R−)であればHレベル出力が得られ、(受信信号R+)<(受信信号R−)であればLレベル出力が得られる。
コンパレータ421の出力がHレベルであれば、ステップS105で計測用容量部424の容量切替が行われる。この場合、ビット“n”のスイッチをオンにしたまま、ビット“n−1”のスイッチをオンとする。
それまで上記のように初期状態で容量設定値=「10000000」とされてビット“7”のみオンとしていたときは、続いて容量設定値=「11000000」とされてビット“7”とビット“6”がオンとされる。即ちスイッチSW7,SW6がオンとされ、計測用容量部424の容量値は384fFとなる。
そしてステップS107で変数n>0であれば、ステップS108で変数nをデクリメントしてステップS101に戻る。つまり、計測用容量部424の容量を大きくした上で、アイドル期間、アクティブ期間の動作を行ってコンパレータ421の出力を確認する。
それまで初期状態で容量設定値=「10000000」とされてビット“7”のみオンとしていたとすると、続いて容量設定値=「01000000」とされてビット“7”がオフとされ、ビット“6”がオンとされる。即ちスイッチSW7がオフとされスイッチSW6がオンとされ、計測用容量部424の容量値は128fFとなる。
そしてステップS107で変数n>0であれば、ステップS108で変数nをデクリメントしてステップS101に戻る。つまり、計測用容量部424の容量を小さくした上で、アイドル期間、アクティブ期間の動作を行ってコンパレータ421の出力を確認する。
なお変数n=0のときのステップS105,S106においては、ビット“n−1”は存在しないので、ビット“n−1”の処理は行わない。
ステップS107で変数n=0となっていたらステップS109に進み、受信回路42はRAW値を算出する。これは計測用容量部424においてオンとなっているスイッチSWのビットの2のべき乗の総和をとるという処理となる。例えば仮に最終的にスイッチSW5、SW3、SW2がオンになっていたとしたら、25+23+22=44ということになり、RAW値=44となる。
タッチパネル2における各セル(2本の送信信号線21と2本の受信信号線22の組)について同様に図5の処理が行われ、RAW値が求められる。
MCU5は各セルについてのRAW値を取得し、タッチ操作位置の座標計算を行い、求めた座標値を製品側MCU90に送信する。
特に非タッチ時には受信信号R+、R−の電位のバランスがとれているようにし、タッチによる容量変化によって受信信号R+、R−の電位に差が生ずるようにしている。これを計測用容量部424の容量を順次変化させて受信信号R+、R−のバランスがとれる容量値を探索し、その容量値を指定する容量設定値からRAW値を得るようにしている。これによりタッチ操作による容量変化に起因する受信信号R+、R−の差分を正確に検出できる。
1つはタッチパネル2がシングルレイヤ構造の場合の事情である。シングルレイヤ構造の場合、非タッチの状態では、送信信号線21と受信信号線22の間で容量がほとんど生じない。つまり送信信号線21と受信信号線22の間(電極間)は絶縁状態にある。しかし非タッチ状態でも、アクティブ期間に受信信号波形が立ち上がるようにすることが必要である。このために駆動電圧AVCC2を送信することによって、シングルレイヤの場合にも対応して上記のセンシング動作が良好にできるようにしている。
またもう1つの理由はシングルレイヤに限ったことではない。上記のセンシング方式ではアクティブ期間に移行したときからの、受信信号R−の電位上昇幅を見ることになるが、送信信号T−の立ち下がりによる影響も把握したい。つまり図3に破線で示したΔVLの電位上昇も観測する必要がある。もしアクティブ期間での非タッチ状態での受信信号R+、R−の電位が0Vだと、立ち下がりの影響を受ける場合、受信信号R−の電位がマイナス値になってしまい、受信回路42において扱いにくいものとなる。そこで受信信号R−の電位が0V以下にならないように持ち上げておくようにし、送信信号T−の立ち下がりの影響による受信波形の電位を容易かつ適切に観測しやすくするために駆動電圧AVCC2を印加している。
続いて以上のタッチパネル装置1において駆動電圧AVCCを生成する電源回路45について説明する。
図6はインターフェース・レジスタ回路44と電源回路45を示している。電源回路45にはチャージポンプ回路451、LDO(Low Drop Out:低損失低電圧レギュレータ)452、DAC453が設けられている。
なおインターフェース・レジスタ回路44に書き込まれる設定情報CPは、チャージポンプ回路451のオン/オフ設定の情報である。
チャージポンプ回路451からの電圧VCPが差動アンプ71の正電源として供給される。差動アンプ71の非反転入力端には基準電圧生成回路70で生成された基準電圧が入力される。差動アンプ71の出力端と反転入力端には帰還抵抗として可変抵抗部72が挿入されている。この構成により差動アンプ71の出力として、電圧VCPを安定化した電圧VLDOを得ることができる。電圧VLDOはDAC453に供給される。
帰還抵抗値を7段階に変化できることで、電圧VLDOを7段階に可変設定可能である。例えば電圧VLDOとしては、設定情報CLDOにより、6.0V、7.5V、9.0V、10.5V、12.0V、13.5V、15.0Vに可変することができる。
可変抵抗部74にはLDO452からの電圧VLDOが供給され、可変抵抗部74で分圧された電圧がバッファアンプ75を介して駆動電圧AVCCとして出力される。
ここで可変抵抗部72は、8ビットの設定情報CDACにより分圧点を可変できる構成とされている。例えば抵抗配列とスイッチ素子により構成され、8ビットの設定情報CDACに応じてスイッチ素子が制御されて分圧ポイントが選択されることで、分圧出力電圧を最大256段階に可変できる。
図7には駆動電圧AVCCの電圧値の調整範囲を示している。縦軸は駆動電圧AVCCとしての電圧値[V]、横軸は8ビットの設定情報CDACの値としての「0」〜「255」(「00000000」〜「11111111」)を示している。
これらの電圧VLDOは、DAC453で256段階に微調整される。その電圧値が各ラインSV1〜SV7で示されている。
特には3ビットの設定情報CLDOにより、LDO452において大まかに7段階に電圧を設定でき、さらに8ビットの設定情報CDACにより、256段階に微調整できる。
これにより、駆動電圧AVCCを、広い電圧範囲で、かつ精細に設定できることになる。
また設定情報LBPは、LDO452の出力とDAC453を接続するか否かを選択する設定情報である。図6には示していないが、DAC453の入力は、LDO452の出力と外部電源入力とで切り替えることのできる構成とすることができる。従って例えば設定情報LBPによりDAC453には外部から供給された電源を入力し、DAC453で電圧値を調整して駆動電圧AVCCを生成することもできる。
これらの設定情報によりMCU5は電源回路45においてLDO452やDAC453の機能を発揮させるか否かの動作設定を行うこともできる。
以上の構成のタッチパネル装置1又はタッチパネル駆動装置3によれば次のような効果が得られる。
タッチパネル駆動装置3では、タッチパネルのセンシングに用いる駆動電圧を生成する電源回路45において、入力電圧Vinを昇圧した電圧VCPを出力するチャージポンプ回路451と、チャージポンプ回路451を経て得られた電圧(例えば電圧VLDO)を、所定ビット数の設定情報CDACに応じて可変して出力することができるDAC453を備えている。
即ちタッチパネル2のセンシングに用いる駆動電圧AVCCの供給のために、比較的高い電圧を、チャージポンプ回路451を用いて生成する。そしてDAC453で微調整された電圧をタッチパネル2の駆動電圧AVCCとすることができる。
このように電源回路45が、チャージポンプ回路451の後段側にDAC453を備える構成を採ることで、DAC453に対する設定情報CDACの値により出力される駆動電圧AVCCを微調整できる。
従ってタッチパネル2の想定される使用状況や製品仕様などに応じて適切な駆動電圧AVCCを提供できるセンサIC4を実現できる。
また、放射ノイズや消費電力の低減を考慮すると、駆動電圧AVCCは低い方が望ましい。通常のタッチセンシングの場合、ホバーセンシングの場合ほど電圧を上げなくてもよいところ、本実施の形態の場合、タッチセンシングを想定する場合は、DAC453の設定情報CDACにより、駆動電圧AVCCを低く設定することが可能である。つまり不必要な高電圧設定を避けることができる。
タッチパネル2として円形、台形、不定形などの異形のタッチ面を有する異形パネルを用いる場合、長方形(正方形を含む)のパネルと異なり、送信信号線21又は受信信号線22の長さがライン毎に異なり、タッチ面の各位置での容量状況も変動する。即ち送信信号線21又は受信信号線22に負荷の差が生じる。ここで、負荷の重いラインに合わせて駆動電圧AVCCを設定すると、負荷の軽いラインでのセンシングレンジが狭くなってしまい、センシング精度が悪化する。本実施の形態ではDAC453により駆動電圧AVCCを可変できることで、センシングスキャンの際に細かく(例えばライン毎、領域毎など)駆動電圧AVCCを変化させ、2本毎の各スキャンの際に適した駆動電圧AVCCを与えることも可能である。従って、異形パネルでもセンシング精度を高く維持することができる。
またDAC453の場合、電圧変化の応答性が高い。例えばLDO452による電圧可変よりも早い応答性で電圧可変が可能である。従ってDAC453を備えることで、例えばスキャン過程での細かなタイミングでの駆動電圧AVCCの可変調整にも適している。
電源回路45においてチャージポンプ回路451の後段側にLDO452を備える構成を採ることで、チャージポンプ回路451の出力電圧が安定化される。
タッチパネル装置1では、もし駆動電圧AVCCが低いと、受信信号線22の受信信号R+、R−が、駆動電圧AVCCの立ち上がり、立ち下がりの影響を受けにくくなり、センシング精度が低下する。これはタッチパネル2をシングルレイヤ構造とし、容量が小さくなった場合に顕著となる。このようなことを考慮すると、チャージポンプ回路451を用いて比較的大きな駆動電圧AVCCを生成することは有用である。
ところが一般にチャージポンプ方式を用いた電源回路では、特にチャージポンプ出力電圧の倍率を大きくした場合、電流負荷の大きさにより出力電圧が変化し、その変化が駆動電圧AVCCに影響することで、センシング精度が低下することがある。
本実施の形態ではLDO452によりチャージポンプ回路451からの出力電圧VCPを安定化した出力電圧VLDOを得ているため、駆動電圧AVCCが安定する。従って高精度のセンシングを実現できることになる。
これにより、チャージポンプ回路451からの出力電圧VCPは、LDO452及びDAC453で可変設定されて駆動電圧AVCCとされる。具体的には図7で説明したように、LDO452によって大まかに電圧を調整したうえで、DAC453により精密にかつ応答性よく電圧調整することができる。従って、駆動電圧AVCCとしては広範囲でかつ精細な電圧設定が可能となっており、多様なタッチパネル2に好適に対応できる。
センサIC4からの駆動電圧AVCCがタッチパネル2の送信信号線21に印加される電圧となるということは、送信信号線21に印加される電圧がLDO452、DAC453により調整できることになる。従って各送信信号線21−1〜21−nでの電流負荷や、タッチパネル2の検出態様(タッチセンシングとホバーセンシングの別など)に応じた電圧調整が有効となる。
電源回路45は図6に示した構成に限らず、例えばLDO452を設けない例も考えられる。即ちチャージポンプ回路451からの電圧VCPを直接DAC453に供給して、DAC453で調整可能とする例である。
また設定情報CLDOが3ビット、設定情報CDACが8ビットは一例であり、他のビット数でもよい。即ち調整可能な段階数は、可変抵抗部72,74の構成や設定情報CLDO、CDACのビット数により多様に考えられる。
Claims (4)
- タッチパネルのセンシングに用いる駆動電圧を生成する電源回路として、
入力電圧を昇圧した電圧を出力するチャージポンプ回路と、
低損失低電圧レギュレータにより構成され、前記チャージポンプ回路で得られた電圧を安定化し、かつ設定情報に応じて可変する安定化回路と、
前記安定化回路から出力された電圧を、所定ビット数の設定情報に応じて可変して出力することができるデジタル−アナログ変換器と、を備えた電源回路を有する
タッチパネル駆動装置。 - タッチパネルと、
前記タッチパネルに駆動電圧を供給し、センシングを行うタッチパネル駆動装置を備え、
前記タッチパネル駆動装置は、タッチパネルのセンシングに用いる駆動電圧を生成する電源回路として、
入力電圧を昇圧した電圧を出力するチャージポンプ回路と、
低損失低電圧レギュレータにより構成され、前記チャージポンプ回路で得られた電圧を安定化し、かつ設定情報に応じて可変する安定化回路と、
前記安定化回路から出力された電圧を、所定ビット数の設定情報に応じて可変して出力することができるデジタル−アナログ変換器と、
を備えた電源回路を有する
タッチパネル装置。 - 前記駆動電圧は、前記タッチパネルの送信信号線に印加する電圧とされる
請求項2に記載のタッチパネル装置。 - タッチパネルのセンシングに用いる駆動電圧を生成する駆動電圧生成方法として、
チャージポンプ回路により入力電圧を昇圧した電圧を生成し、
低損失低電圧レギュレータにより構成された安定化回路により、前記チャージポンプ回路で得られた電圧を安定化するとともに、設定情報に応じて可変し、
デジタル−アナログ変換器により、前記安定化回路から出力された電圧を所定ビット数の設定情報に応じて可変して前記駆動電圧を生成する
駆動電圧生成方法。
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