JP6772806B2 - 光学モジュール及び電子機器 - Google Patents
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Description
しかしながら、昇圧回路を設けた場合、当該昇圧回路のスイッチング動作によって発生するスイッチングノイズの影響により、ギャップ検出器におけるギャップ量の検出精度が低下し、これに伴いギャップ量の調整精度が低下するおそれがある。この場合、波長可変干渉フィルターを高精度に駆動させることが困難である。
本適用例では、第1スイッチがオンの場合に、コンデンサーの入力端及び出力端が接続すなわちショートされる。また、第1スイッチがオフでかつ、第2スイッチがオンの場合に、コンデンサーと波長可変干渉フィルターとが接続され、波長可変干渉フィルターのギャップ量に応じた電荷がコンデンサーに蓄積される。また、第3スイッチがオンの場合に、コンデンサーとサンプルアンドホールド回路とが接続され、当該コンデンサーに蓄積された電荷に応じた電圧が、サンプルアンドホールド回路によって検出される。このような本適用例では、ギャップ検出器は、駆動パルスの非変動期間において、第3スイッチの切り替えを実施する。これにより、サンプルアンドホールド回路が電圧を検出している期間(検出期間)において、駆動パルスの電圧が変動しないため、検出期間における上記ノイズの影響を抑制できる。
本適用例では、ギャップ検出器は、非変動期間に第2スイッチを切り替えるため、ギャップ量に応じた電荷をコンデンサーに蓄積させる際に、上記ノイズの影響を抑制できる。したがって、コンデンサーに蓄積される電荷量、すなわちコンデンサーの電圧を、ギャップ量に応じた適切な値とすることができ、ギャップ量の検出精度を向上させることができる。
本適用例では、コンデンサーの入力端及び出力端を接続し、コンデンサーをショートさせるリセット期間は、駆動パルスの信号変化タイミング以降で、かつ、第2スイッチをオンするまでの間に設定されている。このような構成では、第2スイッチがオンされるまでに、コンデンサーをリセットできるため、第2スイッチをオンした際に、より適切にギャップ量に応じた電荷をコンデンサーに蓄積させることができ、ギャップ量の検出精度を向上させることができる。
本適用例では、駆動パルスの信号変化タイミングから、次の信号変化タイミングの期間において、第1スイッチ、第2スイッチ、及び第3スイッチを切り替える。例えば、駆動パルスが、所定周期のパルス信号である場合、半周期毎に、第1スイッチ、第2スイッチ、及び第3スイッチの切り替えが行われる。このような構成では、駆動パルスの変化タイミングに対して、最短でギャップ検出を行うことができる。したがって、ギャップ量の検出頻度を増大させることができ、ギャップ量の調整精度を向上させることができる。
本適用例では、昇圧回路は、マイコンから入力された基準電圧を昇圧する。このような構成では、例えば、光学モジュールや周辺機器に別途設けられた電源装置から供給された電圧によって、ギャップ変更部を駆動する場合と比べて、電圧変動を抑制でき、ギャップ量の調整精度を向上させることができる。
本適用例では、昇圧回路は、マイコンからの基準電圧を増幅する第1オペアンプを備える。これにより、昇圧回路の構成の簡略化や製造コストの低減を図ることができる。
本適用例では、昇圧回路は、駆動パルスとしてマイコンからの基準パルスが入力される。このような構成では、電圧出力部を制御するために設けられたマイコンを、駆動パルスの出力部としても用いることができる。したがって、昇圧回路や光学モジュールに、駆動パルスを出力する出力部を別途設ける必要がなく、昇圧回路や光学モジュールの構成の簡略化を図ることができる。
本適用例では、昇圧回路は、基準電圧を増幅する第1オペアンプと、基準パルスの電圧値を増幅する第2オペアンプと、のそれぞれの出力値の和に応じた電圧を出力する。これにより、基準電圧を増幅した電圧値に、基準パルスを増幅した電圧値を加算した値に応じた大きさの出力電圧を得ることができ、簡易な構成で、より大きな出力電圧を得ることができる。
本適用例では、昇圧回路としてチャージポンプ回路を用いることにより、例えば昇圧チョッパ回路を用いる場合と比べて、昇圧回路の小型化を図ることができ、ひいては光学モジュールの小型化を図ることができる。また、昇圧回路を光学モジュールに設けることが容易である。
[プリンターの概略構成]
図1は、第1実施形態のプリンター10の外観の構成例を示す図である。図2は、本実施形態のプリンター10の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、プリンター10は、供給ユニット11と、搬送ユニット12と、キャリッジ13と、キャリッジ移動ユニット14と、制御ユニット15(図2参照)と、を備える。このプリンター10は、例えばパーソナルコンピューター等の外部機器30から入力された印刷データに基づいて、各ユニット11,12,14及びキャリッジ13を制御し、媒体Aに画像を印刷する。また、本実施形態のプリンター10は、媒体Aに印刷された画像の分光測定を行い、測定結果に基づく処理を行う(例えば色較正用のカラーパッチの分光測定の測定結果に基づいて色較正処理を行う)。
以下、プリンター10の各構成について具体的に説明する。
なお、本実施形態では、ロール体111に巻装された紙面を供給する例を示すがこれに限定されない。例えば、トレイ等に積載された紙面等の媒体Aをローラー等によって1枚ずつ供給する等、如何なる供給方法によって媒体Aが供給されてもよい。
搬送ローラー121は、図示略の搬送モーターからの駆動力が伝達され、制御ユニット15の制御により搬送モーターが駆動されると、その回転力により回転駆動されて、従動ローラーとの間に媒体Aを挟み込んだ状態でY方向に沿って搬送する。また、搬送ローラー121のY方向の下流側(+Y側)には、キャリッジ13に対向するプラテン122が設けられている。
印刷部16は、例えば下面(媒体Aに対向する面)側に形成されたノズルからインクを吐出して画像を形成する、所謂、インクジェットヘッドである。この印刷部16は、例えば、複数色のインクに対応したインクカートリッジ161と、各ノズルに設けられ対応する色のインクカートリッジ161からインクが供給される圧力室と、圧力室に設けられるピエゾ素子と、を備え、ピエゾ素子の駆動によってノズルから吐出されたインク滴により、媒体Aにインクドットが形成される。
分光器17は、後に詳述するが、一対の反射膜間のギャップ量に応じた波長の光を透過させる波長可変干渉フィルター5と、波長可変干渉フィルターのギャップ量を制御するフィルター制御部18とを含み構成され、光学モジュールに相当する。
また、キャリッジ13は、フレキシブル回路131により制御ユニット15に接続され、制御ユニット15からの指令に基づいて、印刷部16による印刷処理(媒体Aに対する画像形成処理)及び、分光器17による分光測定処理を実施する。
このキャリッジ移動ユニット14は、例えば、キャリッジガイド軸141と、キャリッジモーター142と、タイミングベルト143と、を含んで構成されている。
キャリッジガイド軸141は、X方向に沿って配置され、両端部がプリンター10の例えば筐体に固定されている。キャリッジモーター142は、タイミングベルト143を駆動させる。タイミングベルト143は、キャリッジガイド軸141と略平行に支持され、キャリッジ13の一部が固定されている。そして、制御ユニット15の指令に基づいてキャリッジモーター142が駆動されると、タイミングベルト143が正逆走行され、タイミングベルト143に固定されたキャリッジ13がキャリッジガイド軸141にガイドされて往復移動する。
I/F151は、外部機器30から入力される印刷データをCPU154に入力する。
ユニット制御回路152は、CPU154からの指令信号に基づいて、供給ユニット11、搬送ユニット12、キャリッジ移動ユニット14、印刷部16、分光器17、及びフィルター制御部18をそれぞれ制御する制御回路を備えており、CPU154からの指令信号に基づいて、各部11〜18をそれぞれ制御する。なお、当該制御回路が、制御ユニット15とは別途設けられ、制御ユニット15と接続されていてもよい。
図3は、分光器17の概略構成を示す断面図である。
分光器17は、図3に示すように、光源部171と、波長可変干渉フィルター5を含む光学フィルターデバイス172と、受光部173と、導光部174と、フィルター制御部18(図2参照)と、を備えている。
この分光器17は、光源部171から媒体A上に照明光を照射し、媒体Aで反射された光成分を、導光部174により光学フィルターデバイス172に入射させる。そして、光学フィルターデバイス172は、この反射光から所定波長の光を出射(透過)させて、受光部173により受光させる。また、光学フィルターデバイス172は、制御ユニット15の制御に基づいて、透過波長(出射波長)を選択可能であり、可視光における各波長の光の光量を測定することで、媒体A上の測定領域Rの分光測定が可能となる。
光源部171は、光源171Aと、集光部171Bとを備える。この光源部171は、光源171Aから出射された光を媒体Aの測定領域R内に、媒体Aの表面に対する法線方向から照射する。
光源171Aとしては、可視光域における各波長の光を出射可能な光源が好ましい。このような光源171Aとして、例えばハロゲンランプやキセノンランプ、白色LED等を例示でき、特に、キャリッジ13内の限られたスペース内で容易に設置可能な白色LEDが好ましい。集光部171Bは、例えば集光レンズ等により構成され、光源171Aからの光を測定領域Rに集光させる。なお、図3においては、集光部171Bでは、1つのレンズ(集光レンズ)のみを表示するが、複数のレンズを組み合わせて構成されていてもよい。
この導光部174は、測定領域Rで、媒体Aの表面に対して45°で反射された光を反射鏡174Aにより、波長可変干渉フィルター5の光軸上に反射させる。バンドパスフィルター174Bは、可視光域(例えば380nm〜720nm)の光を透過させ、紫外光及び赤外光の光をカットする。これにより、波長可変干渉フィルター5には、可視光域の光が入射されることになり、受光部173において、可視光域における波長可変干渉フィルター5により選択された波長の光が受光される。
図4は、分光器17が備える波長可変干渉フィルター5とフィルター制御部18とを模式的に示す図である。
光学フィルターデバイス172は、図4に示すように、筐体6と、筐体6の内部に収納された波長可変干渉フィルター5とを備えている。
(波長可変干渉フィルターの構成)
波長可変干渉フィルター5は、波長可変型のファブリーペローエタロン素子であり、図4に示すように、透光性の固定基板51及び可動基板52を備え、これらの固定基板51及び可動基板52が、接合膜により接合されることで、一体的に構成されている。
また、波長可変干渉フィルター5は、ギャップG(反射膜間ギャップ)を介して対向配置された固定反射膜54及び可動反射膜55と、ギャップGの寸法(ギャップ量)を調整する静電アクチュエーター56と、を備える。
固定基板51は、可動基板52に対向する面に固定反射膜54と、静電アクチュエーター56を構成する固定電極561と、が設けられる。この固定基板51は、可動基板52に対して厚み寸法が大きく形成されており、静電アクチュエーター56に電圧を印加した際の静電引力や、後述する固定電極561の内部応力による固定基板51の撓みはない。
可動基板52は、可動部521と、可動部521の外に設けられ、可動部521を保持する保持部522とを備えている。
可動部521は、保持部522よりも厚み寸法が大きく形成されている。この可動部521には、可動反射膜55と、静電アクチュエーター56を構成する可動電極562と、が設けられる。
なお、本実施形態では、ダイアフラム状の保持部522を例示するが、これに限定されず、例えば、平面中心点を中心として、等角度間隔で配置された梁状の保持部が設けられる構成などとしてもよい。
筐体6は、図4に示すように、ベース61と、リッド62と、を備えている。これらのベース61及びリッド62は、例えばガラスフリット(低融点ガラス)を用いた低融点ガラス接合、エポキシ樹脂等による接着などにより接合される。これにより、内部に収容空間が形成され、この収容空間内に波長可変干渉フィルター5が収納される。
リッド62は、ガラス平板であり、ベース61の底面とは反対側の端面に接合される。
フィルター制御部18は、電圧制御部に相当し、図4に示すように、フィードバック制御部181、マイコン(マイクロコントローラー)19、昇圧回路20、及びギャップ検出器21を含み構成される。
フィルター制御部18は、ギャップ検出器21により波長可変干渉フィルター5のギャップGの寸法(ギャップ量)を検出した検出結果に基づいて、ユニット制御回路152からの波長設定指令に基づく値(目標波長に対応する値)にギャップ量を設定する。すなわち、フィルター制御部18は、ギャップ量の検出結果と波長設定指令とに基づいて、静電アクチュエーター56の駆動電圧を調整し、波長可変干渉フィルター5の透過光の波長が目標波長となるようにギャップGの寸法を設定する。
フィードバック制御部181は、電圧出力部に相当し、マイコン19から入力されたギャップGを所定の目標値に設定する旨の目標指令に基づいて、昇圧回路20からの出力電圧Voutを変調し、静電アクチュエーター56に駆動電圧(印加電圧)を印加する。
具体的には、図4に示すように、フィードバック制御部181は、波長可変干渉フィルター5の固定電極561及び可動電極562に接続されている。そして、フィードバック制御部181は、マイコン19からの目標指令信号(電圧値)と、ギャップ検出器21からの検出信号(電圧値)との偏差が所定閾値以下となるように、出力電圧Voutを変調して、静電アクチュエーター56の駆動電圧を調整する、フィードバック制御を実施する。
マイコン19は、記憶部191を備え、例えばギャップ検出器21で検出される検出信号(電圧値)とギャップGの寸法との関係(ギャップ相関データ)が記憶されている。また、マイコン19は、図4に示すように、基準電圧出力部192、基準信号出力部193、ギャップ検出制御部194、及び、フィードバック指令部195として機能する。
図5は、昇圧回路20の構成を模式的に示す図である。
昇圧回路20は、マイコン19から基準電圧Voと基準信号Soとが入力され、基準信号Soに基づいて基準電圧Voを増幅した出力電圧Voutを、フィードバック制御部181に出力する。
本実施形態では、昇圧回路20は、第1非反転増幅回路201と、第2非反転増幅回路202と、平滑コンデンサーCsと、フライングコンデンサーCfaと、出力コンデンサーCoと、第1ダイオードD1と、第2ダイオードD2と、を含むチャージポンプ回路として構成される。
平滑コンデンサーCsは、第1非反転増幅回路201の出力側に接続され、第1電圧V1が印加される。
出力コンデンサーCoは、第2非反転増幅回路202の出力側に、フライングコンデンサーCfa及び第2ダイオードD2を介して接続される。
第1非反転増幅回路201は、基準電圧Voを増幅した第1電圧V1を平滑コンデンサーCsに印加する。また、第2非反転増幅回路202は、マイコン19からの基準信号Soを増幅し、第2電圧V2を出力する。この基準信号SoがLowの時に、フライングコンデンサーCfaに、第1ダイオードD1を介して第1電圧V1が印加される。そして、基準信号SoがHighの時に、第2非反転増幅回路202の出力である第2電圧V2ppに、フライングコンデンサーCfaの電圧を加算した電圧が、第2ダイオードD2を介して、出力コンデンサーCoに印加される。この出力コンデンサーCoの印加電圧が、昇圧回路20の出力電圧Voutである。出力電圧Voutは、下記式(1)によって算出される。
なお、V2ppは、第2電圧V2の最大値と最小値との差であり、本実施形態では第2電圧V2の最大値である。また、下記式(1)において、Vfは、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2の順方向の電圧である。
Vout=V1+V2pp−2×Vf ・・・(1)
図6は、ギャップ検出器21の構成を模式的に示す図である。図7は、ギャップ検出器21の動作を模式的に示すタイミングチャートである。
ギャップ検出器21は、図6に示すように、容量検出回路211と、減算回路212と、サンプルアンドホールド回路213と、を備える。このギャップ検出器21は、昇圧回路20の出力電圧Voutによって駆動され、基準信号Soに応じたタイミングで反射膜54,55間の静電容量Cxに応じた検出信号(直流電圧)を、フィードバック制御部181に出力する。
スイッチSW1〜SW3は、ギャップ検出制御部194からの制御信号に基づいて、接続(オン)と切断(オフ)とが切り替えられる。これらスイッチSW1〜SW3は、トランジスターやMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)により構成される。
スイッチSW2は、第1スイッチに相当し、帰還コンデンサーCfbの入力端及び出力端の接続及び切断を切り替える。すなわち、スイッチSW2は、オン状態において帰還コンデンサーCfbをショートして初期化する。このスイッチSW2がオン状態(High)である期間をリセット期間T1(図7参照)とも称する。
Vcp={(Vb−Va)×Cx/Cf}+Vb ・・・(2)
Vdp=(Vb−Va)×Cx/Cf ・・・(3)
スイッチSW4は、第3スイッチに相当し、スイッチSW1〜SW3同様に構成され、ギャップ検出制御部194からの制御信号に基づいて、接続と切断とが切り替えられる。このスイッチSW4は、本実施形態では、図7に示すように、入力電圧Vdがピーク電圧Vdpとなる期間内の所定期間(以下、検出期間T3とも称する)においてオンされる。サンプルアンドホールド回路213は、当該検出期間T3においてピーク電圧Vdpを検出し、直流電圧である検出電圧Veを出力する。なお、検出電圧Veの大きさは、ピーク電圧Vdpである。
ここで、昇圧回路20では、基準信号Soの立上がりタイミングにおいて、第1ダイオードD1に、導通状態から阻止状態への遷移(逆回復)が生じる。また、基準信号Soの立下がりタイミングにおいて、第2ダイオードD2に、導通状態から阻止状態への遷移が生じる。したがって、昇圧回路20では、基準信号Soの立ち上がりや、立ち下がりのタイミングにおいて、配線のインダクタ成分と、各ダイオードD1,D2の容量成分による共振によりノイズが生じる。これに対して、本実施形態では、ギャップ検出器21は、図8に示すように、基準信号Soの電圧が変化しない非変動期間T4、すなわち基準信号SoがHighである立ち上がり期間と、基準信号SoがLowである立ち下がり期間と、において状態検出動作を実施する。これにより、ギャップ検出器21は、上記ノイズの影響を抑制でき、波長可変干渉フィルター5のギャップGの寸法に応じた検出電圧Veを高精度に検出することができる。
なお、変換期間T2の長さは、リセット期間T1と同じでもよく、リセット期間T1よりも短くてもよい。
本実施形態では以下の作用効果を得ることができる。
フィードバック制御部181は、基準信号Soに基づいて駆動する昇圧回路20からの出力電圧Voutによって駆動し、ギャップ検出器21のギャップ量の検出値に基づいて、静電アクチュエーター56への印加電圧を出力する。ギャップ検出器21は、基準信号Soの電圧が変化しない非変動期間T4にギャップ量を検出する。このような構成では、所定の基準信号Soで駆動される昇圧回路20において、基準信号Soの変化に応じたノイズが生じたとしても、当該ノイズの影響を抑制でき、ギャップ量の検出精度を向上させることができる。したがって、ギャップ量の調整精度を向上させることができる。
これに対して、昇圧回路20は、マイコン19から入力された基準電圧Voを昇圧する。そして、フィードバック制御部181は、昇圧回路20の出力電圧Voutによって駆動される。これにより、静電アクチュエーター56の駆動電圧の電圧変動を抑制でき、ギャップ量の調整精度を向上させることができる。
また、昇圧回路20は、マイコン19からの基準電圧Voを増幅する第1オペアンプOP1を備える。これにより、昇圧回路20の構成の簡略化や、製造コストの低減を図ることができる。
これに対して、本実施形態では、昇圧回路20として上述のように構成されるチャージポンプ回路を用いることにより、昇圧回路20の小型化を図ることができ、ひいてはフィルター制御部18の小型化を図ることができる。また、昇圧回路20を分光器17に設けることも容易である。
なお、本発明は上述の実施形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、及び実施形態を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。
上記実施形態では、基準信号Soとして、同一の長さの立ち上がり期間と、立ち下がり期間と、を有する所定周期のパルス信号を用いる場合を例示したが、これに限定されない。例えば、立ち上がり期間と立ち下がり期間とが異なる長さであってもよい。
また、昇圧回路20は、マイコン19から入力される基準信号Soに基づいて駆動されていたが、これに限定されない。例えば、昇圧回路20は、別途設けられた信号発生装置からの駆動パルスに基づいて駆動されてもよい。この場合、ギャップ検出器21は、上記信号発生装置から出力された駆動パルスの非変動期間に、ギャップ量を検出する。
例えば、フィルター制御部18は、ギャップ検出器21を備えず、マイコン19からの目標指令に基づいて、昇圧回路20からの出力電圧Voutを変調し、波長可変干渉フィルター5の駆動電圧を出力する電圧出力部を備える構成とされてもよい。このような構成でも、上述のように、マイコン19からの基準電圧Voを昇圧して出力電圧Voutを出力する昇圧回路20を設けることにより、駆動電圧の変動を抑制できる。
また、この場合、昇圧回路20からの出力電圧Voutによって第2の電圧出力部を駆動させることにより、第2の駆動電圧の変動を抑制できる。
例えば、波長可変干渉フィルター5は、ギャップ変更部として、固定基板51及び可動基板52の間に圧電素子を備え、当該圧電素子の駆動により、ギャップ量が変更されてもよい。
また、固定基板51及び可動基板52の2つの基板を備える構成に限らず、例えば、1つの基板上に犠牲層を介して2つの反射膜を積層し、犠牲層をエッチング等により除去して反射膜間のギャップが形成された波長可変干渉フィルターを用いてもよい。
また、筐体6に波長可変干渉フィルター5が収納された光学フィルターデバイス172を例示したが、波長可変干渉フィルター5が分光器17に直接設けられる構成などとしてもよい。
また、インクジェット方式のものに限定されず、例えば熱転写方式を用いたサーマルプリンターや、レーザープリンター、ドットインパクトプリンター等、如何なる印刷方式のプリンターに対しても適用できる。
Claims (11)
- 反射膜間ギャップを介して対向する2つの反射膜、及び印加電圧に応じたギャップ量に前記反射膜間ギャップを変更するギャップ変更部を備えた波長可変干渉フィルターと、
所定の駆動パルスによって駆動され、基準電圧を昇圧する昇圧回路と、
前記ギャップ量を検出するギャップ検出器と、
前記昇圧回路の出力電圧により駆動され、前記ギャップ検出器の検出値に応じた前記印加電圧を出力する電圧出力部と、を備え、
前記ギャップ検出器は、前記駆動パルスの電圧が変動しない非変動期間に前記ギャップ量を検出する
ことを特徴とする光学モジュール。 - 請求項1に記載の光学モジュールにおいて、
前記ギャップ検出器は、
前記ギャップ量に応じた電荷を保持するコンデンサーと、
前記電荷が保持された前記コンデンサーの電圧を検出するサンプルアンドホールド回路と、
前記コンデンサーの入力端及び出力端の接続及び切断を切り替える第1スイッチと、
前記コンデンサーと前記波長可変干渉フィルターとの接続及び切断を切り替える第2スイッチと、
前記コンデンサーと前記サンプルアンドホールド回路との接続及び切断を切り替える第3スイッチと、を備え、
前記駆動パルスの前記非変動期間において、前記第3スイッチの切り替えを実施する
ことを特徴とする光学モジュール。 - 請求項2に記載の光学モジュールにおいて
前記ギャップ検出器は、前記駆動パルスの前記非変動期間において、前記第2スイッチを切り替えて、前記コンデンサーと前記波長可変干渉フィルターとを接続する
ことを特徴とする光学モジュール。 - 請求項2又は請求項3に記載の光学モジュールにおいて、
前記ギャップ検出器は、前記駆動パルスの信号変化タイミング以降で、前記第2スイッチを切り替えて前記コンデンサーと前記波長可変干渉フィルターとを接続するまでの間に、前記第1スイッチにおける入力端及び出力端の接続と、前記第1スイッチにおける入力端及び出力端の切断と、を実施する
ことを特徴とする光学モジュール。 - 請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の光学モジュールにおいて、
前記ギャップ検出器は、前記駆動パルスの信号変化タイミングから次の信号変化タイミングの期間において、前記第1スイッチ、前記第2スイッチ、及び前記第3スイッチの切り替えを実施する
ことを特徴とする光学モジュール。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光学モジュールにおいて、
前記電圧出力部を制御するマイコンを備え、
前記昇圧回路は、前記マイコンから入力された前記基準電圧を昇圧する
ことを特徴とする光学モジュール。 - 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光学モジュールにおいて、
前記昇圧回路は、前記基準電圧を増幅する第1オペアンプを有する
ことを特徴とする光学モジュール。 - 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の光学モジュールにおいて、
前記電圧出力部を制御するマイコンを備え、
前記駆動パルスは、前記マイコンのクロック周波数に基づく基準パルスである
ことを特徴とする光学モジュール。 - 請求項8に記載の光学モジュールにおいて、
前記昇圧回路は、前記基準電圧を増幅する第1オペアンプと、前記基準パルスの電圧値を増幅する第2オペアンプと、を有し、前記第1オペアンプ及び前記第2オペアンプのそれぞれ出力値の和に応じた電圧を出力する
ことを特徴とする光学モジュール。 - 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の光学モジュールにおいて、
前記昇圧回路は、チャージポンプ回路である
ことを特徴とする光学モジュール。 - 反射膜間ギャップを介して対向する2つの反射膜、及び印加電圧に応じたギャップ量に前記反射膜間ギャップを変更するギャップ変更部を備えた波長可変干渉フィルターと、
所定の駆動パルスによって駆動され、基準電圧を昇圧する昇圧回路と、
前記ギャップ量を検出するギャップ検出器と、
前記昇圧回路の出力電圧により駆動され、前記ギャップ検出器の検出値に応じた前記印加電圧を出力する電圧出力部と、
前記電圧出力部を制御する制御部と、を備え、
前記ギャップ検出器は、前記駆動パルスの電圧が変動しない非変動期間に前記ギャップ量を検出する
ことを特徴とする電子機器。
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