JP6772623B2 - 電荷輸送性組成物 - Google Patents
電荷輸送性組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6772623B2 JP6772623B2 JP2016148422A JP2016148422A JP6772623B2 JP 6772623 B2 JP6772623 B2 JP 6772623B2 JP 2016148422 A JP2016148422 A JP 2016148422A JP 2016148422 A JP2016148422 A JP 2016148422A JP 6772623 B2 JP6772623 B2 JP 6772623B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- formula
- represented
- carbon atoms
- charge
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
- Y02E10/549—Organic PV cells
Landscapes
- Photovoltaic Devices (AREA)
- Light Receiving Elements (AREA)
Description
いずれも軽量・薄膜で、フレキシブル化可能である点、ロール・トゥ・ロールでの生産が可能である点など、現在主流の無機系太陽電池とは異なる特長を持っていることから、新たな市場形成が期待されている。
中でも、有機薄膜太陽電池(以下OPVと略す場合もある)は、電解質フリー、重金属化合物フリー等の特長を持つうえに、最近、UCLAらのグループによって光電変換効率(以下PCEと略す)10.6%の報告がなされたことなどの理由から、大きな注目を集めている(非特許文献3)。
有機光電変換素子は、活性層(光電変換層)、電荷(正孔、電子)捕集層、および電極(陽極、陰極)等を備えて構成される。
これらの中でも活性層および電荷捕集層は、一般に真空蒸着法によって形成されているが、真空蒸着法には、量産プロセスによる複雑性、装置の高コスト化、材料の利用効率等の点で問題がある。
しかもPEDOT/PSS水分散液は、固形分が凝集し易いという性質を有しているため、塗布膜の欠陥が生じやすい、塗布装置の目詰まりや腐食を発生させやすいという問題があるうえ、耐熱性という点でも不十分であり、量産化する上で種々の課題が残されている。
1. 式(1)または式(2)で表されるフェノチアジン誘導体からなる電荷輸送性物質と、溶媒とを含むことを特徴とする電荷輸送性組成物、
2. 前記式(1)および(2)中のAr1およびAr2が、互いに独立して、式(3)で表される基である1の電荷輸送性組成物、
R7〜R10は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のチオアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または炭素数1〜20のアシル基を表す。)
3. 前記式(3)で表される基が、式(4)〜(6)で表されるいずれかの基である1の電荷輸送性組成物、
4. 前記電荷輸送性物質が、式(7)で表されるフェノチアジン誘導体である1の電荷輸送性組成物、
5. 前記X1およびX2が、式(8)で表される基または式(9)で表される基である4の電荷輸送性組成物、
6. 前記R1〜R33が、水素原子である4または5の電荷輸送性組成物、
7. さらに、電子受容性ドーパント物質を含む1〜6のいずれかの電荷輸送性組成物、
8. 前記電子受容性ドーパント物質が、式(D1)で表されるアリールスルホン酸化合物である7の電荷輸送性組成物、
9. 有機光電変換素子の正孔捕集層用である1〜8のいずれかの電荷輸送性組成物、
10. 前記有機光電変換素子が、有機薄膜太陽電池または光センサーである9の電荷輸送性組成物、
11. 9または10の電荷輸送性組成物を用いてなる有機光電変換素子の正孔捕集層、
12. 11の正孔捕集層と、それに接するように設けられた活性層とを有する有機光電変換素子、
13. 前記活性層が、フラーレン誘導体を含む12の有機光電変換素子、
14. 前記活性層が、主鎖にチオフェン骨格を含むポリマーを含む12の有機光電変換素子、
15. 前記活性層が、フラーレン誘導体および主鎖にチオフェン骨格を含むポリマーを含む12の有機光電変換素子、
16. 有機薄膜太陽電池または光センサーである12〜15のいずれかの有機光電変換素子、
17. 式(1)または式(2)で表されることを特徴とするフェノチアジン誘導体、
18. 前記式(1)および(2)中のAr1およびAr2が、互いに独立して、式(3)で表される基である17のフェノチアジン誘導体、
19. 前記式(3)で表される基が、式(4)〜(6)で表されるいずれかの基である18のフェノチアジン誘導体、
20. 式(7)で表される17のフェノチアジン誘導体、
21. 式(11)または(12)で表される17のフェノチアジン誘導体
本発明の電荷輸送性用組成物は、式(1)または(2)で表されるフェノチアジン誘導体からなる電荷輸送性物質と、溶媒とを含む。
本発明において、電荷輸送性とは、導電性と同義であり、正孔輸送性と同義である。電荷輸送性物質とは、それ自体に電荷輸送性があるものでもよく、電子受容性物質と共に用いた際に電荷輸送性があるものでもよい。また、電荷輸送性組成物とは、それ自体に電荷輸送性があるものでもよく、それにより得られる固形膜が電荷輸送性を有するものでもよい。
炭素数1〜20のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、c−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキソキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−エイコサニルオキシ基等が挙げられる。
炭素数1〜20のチオアルコキシ(アルキルチオ)基の具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、n−ヘプチルチオ基、n−オクチルチオ基、n−ノニルチオ基、n−デシルチオ基、n−ウンデシルチオ基、n−ドデシルチオ基、n−トリデシルチオ基、n−テトラデシルチオ基、n−ペンタデシルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基、n−ヘプタデシルチオ基、n−オクタデシルチオ基、n−ノナデシルチオ基、n−エイコサニルチオ基等が挙げられる。
その具体例としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル基、ノナフルオロブチル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、ウンデカフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル基、トリデカフルオロヘキシル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロヘキシル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアシル基の具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
これらの中でも、Ar1およびAr2としては、フェニル基、ジフェニルアミノ基で置換されたフェニル基、フェノチアジン−10−イルで置換されたフェニル基、カルバゾール−9−イル基で置換されたフェニル基が好ましい。なお、これらのフェニル基上の置換基の置換位置は、フェノチアジン環との間に介在するアミノ基に対してパラ位が好ましい。
特に好適なAr1およびAr2としては、例えば、下記式(3)で表される基が挙げられる。
ただし、Ar3およびAr4が同時に水素原子となることはなく、また、Ar3およびAr4がともに芳香族基の場合、それらは互いに単結合で結合していても、ヘテロ原子を介して結合していてもよい。ヘテロ原子を介した結合としては、−O−、−S−、−NH−等が挙げられる。本発明では、Ar3およびAr4は、単結合または−S−で結合することがより好ましい。
これらの中でも、Ar3およびAr4としては、一方がフェニル基で他方が水素原子、同時にフェニル基、2つのフェニル基が単結合で結合した基(窒素原子を含めて、カルバゾール−9−イル基を構成する)、2つのフェニル基が−S−で結合した基(窒素原子を含めて、フェノチアジン−10−イル基を構成する)が好ましい。
これらの中でも、R7〜R10は、いずれも水素原子が好適である。
これらの中でも、R7〜R33は、いずれも水素原子が好適である。
これらの中でも、R1〜R10は、いずれも水素原子が好適である。
X1およびX2は、水素原子、式(8)で表される基、式(9)で表される基または式(10)で表される基を表すが、式(8)で表される基、または式(9)で表される基が好ましい。
これらの中でも、R11〜R33は、いずれも水素原子が好適である。
これらの中でも、得られる薄膜の電荷輸送性および当該薄膜を備えた光電変換素子の光電変換効率等を考慮すると、式(11)または(12)で表される化合物が好ましい。
酸化剤の使用量は、式(15)で表されるアリール化合物1molに対して、2mol程度とすることができるが、3mol程度が好適である。
反応終了後は、常法にしたがって後処理をし、目的とするフェノチアジン誘導体を得ることができる。
特に本発明では、再沈殿やイオン交換等の方法により精製したフェノチアジン誘導体を用いることが好ましい。精製したものを用いることで、当該化合物を含む組成物から得られた薄膜を備えたOPV素子の特性をより高めることができる。
したがって、本発明の電荷輸送性組成物には、これを用いて得られる電荷輸送性薄膜のイオン化ポテンシャルを調節することを目的として、電子受容性ドーパント物質を含んでいてもよい。
電子受容性ドーパント物質としては、使用する少なくとも1種の溶媒に溶解するものであれば、特に限定されない。
添加剤の種類としては、所望の効果に応じて公知のものから適宜選択して用いることができるが、得られる薄膜の耐溶剤性および耐水性の向上、電子ブロック性向上、並びにHOMOレベルおよびLUMOレベルを活性層に対して最適な値とするという点から、アルコキシシランやシロキサン系材料を添加することが好ましい。
アルコキシシランとしては、テトラアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、ジアルコキシシランの中から任意の1種以上のアルコキシシランを用いることができるが、特にテトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシランが好ましく、テトラエトキシシランがより好ましい。
シロキサン系材料としては、上記アルコキシシランに対して加水分解等の反応により得られる、ポリ(テトラエトキシシラン)、ポリ(フェニルエトキシシラン)等のポリシロキサンが挙げられる。
アルコキシシランやシロキサン系材料の添加量としては、上記の効果が発揮される量であれば特に限定されないが、本発明で用いるフェノチアジン誘導体に対し、質量比で0.0001〜100倍が好ましく、0.01〜50倍がより好ましく、0.05〜10倍がより一層好ましい。
これらの中でも、水およびアルコール系溶媒から選ばれる少なくとも1種が好ましく、水、エタノール、2−プロパノールがより好ましい。
特に、逆積層型のOPVの正孔捕集層の形成に用いる場合には、活性層に悪影響を与えない、アルコール系溶媒および水から選ばれる1種または2種以上の溶媒のみからなる溶媒を用いることが好ましい。
高粘度有機溶媒としては、特に限定されるものではなく、例えば、シクロヘキサノール、エチレングリコール、1,3−オクチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコール、へキシレングリコール等が挙げられる。
このような溶媒としては、例えば、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルカルビトール、ジアセトンアルコール、γ−ブチロラクトン、エチルラクテート、n−ヘキシルアセテート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、電荷輸送性物質と電子受容性ドーパント物質の質量比も、発現する電荷輸送性、電荷輸送性物質等の種類を考慮して適宜設定されるものではあるが、通常、電荷輸送性物質1に対し、電子受容性ドーパント物質0〜10、好ましくは0.1〜3.0、より好ましくは0.2〜2.0である。
そして、本発明において用いる電荷輸送性組成物の粘度は、作製する薄膜の厚み等や固形分濃度を考慮し、塗布方法に応じて適宜調節されるものではあるが、通常25℃で0.1mPa・s〜50mPa・s程度である。
塗布にあたっては、電荷輸送性組成物の粘度と表面張力、所望する薄膜の厚さ等を考慮し、ドロップキャスト法、スピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、インクジェット法、印刷法(凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等)等といった各種ウェットプロセス法の中から最適なものを採用すればよい。
また、通常、塗布は、常温、常圧の不活性ガス雰囲気下で行われるが、組成物中の化合物が分解したり、組成が大きく変化したりしない限り、大気雰囲気下(酸素存在下)で行ってもよく、加熱しながら行ってもよい。
[陽極層の形成]:透明基板の表面に陽極材料の層を形成し、透明電極を製造する工程
陽極材料としては、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)等の無機酸化物や、金、銀、アルミニウム等の金属、ポリチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体等の高電荷輸送性有機化合物を用いることができる。これらの中ではITOが最も好ましい。また、透明基板としては、ガラスあるいは透明樹脂からなる基板を用いることができる。
陽極材料の層(陽極層)の形成方法は、陽極材料の性質に応じて適宜選択される。通常、難溶性、難分散性昇華性材料の場合には真空蒸着法やスパッタ法等のドライプロセスが選択され、溶液材料あるいは分散液材料の場合には、組成物の粘度と表面張力、所望する薄膜の厚さ等を考慮し、上述した各種ウェットプロセス法の中から最適なものが採用される。
ITO等の無機酸化物を陽極材料として用いて透明陽極基板を形成する場合、上層を積層する前に、洗剤、アルコール、純水等で洗浄してから使用することが好ましい。さらに、使用直前にUVオゾン処理、酸素−プラズマ処理等の表面処理を施すことが好ましい。陽極材料が有機物を主成分とする場合、表面処理を行わなくともよい。
上記方法に従い、陽極材料の層上に、本発明の電荷輸送性組成物を用いて正孔捕集層を形成する。
活性層は、n型半導体材料からなる薄膜であるn層と、p型半導体材料からなる薄膜であるp層とを積層したものであっても、これら材料の混合物からなる非積層薄膜であってもよい。
なお、ここでいう「主鎖にチオフェン骨格」とはチオフェンのみからなる2価の芳香環、またはチエノチオフェン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ベンゾジチオフェン、ナフトチオフェン、ナフトジチオフェン、アントラチオフェン、アントラジチオフェン等のような1以上のチオフェンを含む2価の縮合芳香環を表し、これらは上記R1〜R6で示される置換基で置換されていてもよい。
必要に応じて、電荷の移動を効率化すること等を目的として、活性層と陰極層の間に電子捕集層を形成してもよい。
電子捕集層を形成する材料としては、酸化リチウム(Li2O)、酸化マグネシウム(MgO)、アルミナ(Al2O3)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化ストロンチウム(SrF2)、炭酸セシウム(Cs2CO3)、8−キノリノールリチウム塩(Liq)、8−キノリノールナトリウム塩(Naq)、バソクプロイン(BCP)、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BPhen)、ポリエチレンイミン(PEI)、エトキシ化ポリエチレンイミン(PEIE)等が挙げられる。
陰極材料としては、アルミニウム、マグネシウム−銀合金、アルミニウム−リチウム合金、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、バリウム、銀、金等の金属や、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)等の無機酸化物や、ポリチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体等の高電荷輸送性有機化合物が挙げられ、複数の陰極材料を積層したり、混合したりして使用することができる。
陰極層の形成方法も、上記と同様、陰極層材料が難溶性、難分散性昇華性材料の場合には上述した各種ドライプロセスが選択され、溶液材料あるいは分散液材料の場合には、組成物の粘度と表面張力、所望する薄膜の厚さ等を考慮し、上述した各種ウェットプロセス法の中から最適なものが採用される。
必要に応じて、光電流の整流性をコントロールすること等を目的として、任意の層間にキャリアブロック層を設けてもよい。キャリアブロック層を設ける場合、通常、活性層と、正孔捕集層または陽極との間に電子ブロック層を、活性層と、電子捕集層または陰極との間に正孔ブロック層を挿入する場合が多いが、この限りではない。
正孔ブロック層を形成する材料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、バソクプロイン(BCP)、4,7−ジフェニル1,10−フェナントロリン(BPhen)等が挙げられる。
電子ブロック層を形成する材料としては、N,N′−ジ(1−ナフチル)−N,N′−ジフェニルベンジジン(α−NPD)、ポリ(トリアリールアミン)(PTAA)等のトリアリールアミン系材料等が挙げられる。
封止法としては、端部にUV硬化樹脂を付着させた凹型ガラス基板を、不活性ガス雰囲気下、有機薄膜太陽電池素子の成膜面側に付着させ、UV照射によって樹脂を硬化させる方法や、真空下、スパッタリング等の手法によって膜封止タイプの封止を行う方法などが挙げられる。
(1)NMR
装置:Bruker社製 AVANCE III HD
測定周波数:500MHz
測定溶媒:関東化学(株)製 重クロロホルム
内部標準:テトラメチルシラン(δ=0.00ppm)
(2)LC−MS
装置:Waters社製 ZQ2000
カラム:Intersil ODS−3(3.0μm)2.1mm I.D.×750mm
溶離液:アセトニトリル/0.2%ギ酸水溶液(70:30)
(3)グローブボックス:米国VAC社製グローブボックスシステム
(4)蒸着装置:アオヤマエンジニアリング(株)製、真空蒸着装置
(5)ソーラーシミュレータ:分光計器(株)製、OTENTOSUN−III、AM1.5Gフィルター、放射強度:100mW/cm2
(6)ソースメジャーユニット:ケースレーインスツルメンツ(株)製、2612A
(7)膜厚測定装置:(株)小坂研究所製、サーフコーダ ET−4000
(8)イオン化ポテンシャル測定装置:理研計器(株)製、AC−3
すなわち、ジフェニルアミン5.07gと炭酸カリウム2.23gとをジメチルスルホキシド(以下、DMSO)40mLに溶解し、4−フルオロニトロベンゼン6.22gを加え、窒素雰囲気下、150℃で48時間反応させた。反応終了後、室温まで放冷し、0℃の氷水に反応溶液を入れて固体を析出させた。得られた固体を濾過し、45℃に加熱しながら減圧乾燥した。乾燥させた固体をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム−ヘキサン(1:1))により精製し、オレンジ色固体の4−ニトロトリフェニルアミン3.52gを得た(収率40%)。1H−NMRの結果を以下に示す。
1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ 6.64(d,2H),6.91(t,2H),6.95(d,2H),7.02(d,4H),7.19(t,4H).
1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ 6.92(d,2H),7.18−7.22(m,6H),7.37(t,4H),8.40(d,2H).
LC/MS(ESI+) 保持時間 8.4分 m/z;714[M+1]+
1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ 7.02(d,2H),7.27(t,2H),7.38(t,2H),7.45(d,2H),7.50(d,2H),8.05(t,2H).
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ 3.84(s,2H),6.24(d,2H),6.76(d,2H),6.82(t,2H),6.87(d,2H),6.96(d,2H),7.15(d,2H).
LC/MS(ESI+) 保持時間 7.6分 m/z;774[M+1]+
[調製例1]
PTB7(1−Material社製)20mgおよびPC61BM(フロンティアカーボン社製、製品名:nanom spectra E100)30mgが入ったサンプル瓶の中にクロロベンゼン2.0mLを加え、80℃のホットプレート上で15時間撹拌した。この溶液を室温まで放冷した後、1,8−ジヨードオクタン(東京化成工業(株)製)60μLを加えて撹拌し、溶液A1(活性層組成物)を得た。
[実施例1−1]
合成例1で得られたフェノチアジン誘導体A54.7mgに、国際公開第2006/025342号の記載に基づいて合成した上記式(D2)で示されるアリールスルホン酸化合物A69.2mgを加え、ジメチルアセトアミド2.00gとシクロヘキサノール2.00gの混合溶媒に溶解させて青色溶液を得た。得られた青色溶液を、孔径0.20μmのシリンジフィルターでろ過して、正孔捕集層用組成物B1を得た。
フェノチアジン誘導体Aをフェノチアジン誘導体Bに変更した以外は、実施例1−1と同様にして、正孔捕集層用組成物B2を得た。
[実施例2−1]
陽極となるITO透明導電層を2mm×20mmのストライプ状にパターニングした20mm×20mmのガラス基板を15分間UV/オゾン処理した後に、基板上に実施例1−1で調製した正孔捕集層用組成物B1をスピンコート法により塗布した。このガラス基板を、ホットプレートを用いて、230℃10分間加熱して正孔捕集層を形成した。正孔捕集層の膜厚は約30nmであった。
その後、不活性ガスにより置換されたグローブボックス中で、形成した正孔捕集層上に調製例1で得られた溶液A1を滴下してスピンコート法により成膜し、膜厚100nmの活性層を形成した。
次に、有機半導体層が形成された基板と負極用マスクを真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が1×10-3Pa以下になるまで排気し、抵抗加熱法によって、電子捕集層となるリチウム8−ヒドロキシキノリノラート層を1nmの厚さに蒸着した。
最後に、抵抗加熱法によって、負極となるアルミニウム層を80nmの厚さに蒸着することで、ストライプ状のITO層とアルミニウム層とが交差する部分の面積が2mm×2mmであるOPV素子を作製した。
正孔捕集層用組成物B1の代わりに、正孔捕集層用組成物B2を用いた以外は、実施例2−1と同様の方法で、OPV素子を作製した。
正孔捕集層用組成物B1の代わりに、正孔捕集層用組成物B3を用いた以外は、実施例2−1と同様の方法で、OPV素子を作製した。
正孔捕集層を形成していない以外は、実施例2−1と同様の方法で、OPV素子を作製した。
上記実施例2−1〜2−2および比較例2−1で作製した各OPV素子について、短絡電流密度(Jsc〔mA/cm2〕)、開放電圧(Voc〔V〕)、曲線因子(FF)、およびPCE〔%〕の評価を行った。結果を表1に示す。
なおPCE〔%〕は、下式により算出した。
PCE〔%〕=Jsc〔mA/cm2〕×Voc〔V〕×FF÷入射光強度(100〔mW/cm2〕)×100
このように、本発明の正孔捕集層用組成物を用いることで、OPV素子の光電変換特性を向上できることがわかる。
Claims (20)
- 式(2)で表されるフェノチアジン誘導体からなる電荷輸送性物質と、溶媒とを含むことを特徴とする電荷輸送性組成物。
Ar1およびAr2は、互いに独立して、フェニル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、テルフェニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基、ペリレニル基、または式(3)で表される基を表す。
R7〜R10は、水素原子を表す。) - 前記Ar1およびAr2が、互いに独立して、フェニル基、ジフェニルアミノ基で置換されたフェニル基、フェノチアジン−10−イルで置換されたフェニル基、またはカルバゾール−9−イル基で置換されたフェニル基である請求項1記載の電荷輸送性組成物。
- さらに、電子受容性ドーパント物質を含む請求項1〜5のいずれか1項記載の電荷輸送性組成物。
- 有機光電変換素子の正孔捕集層用である請求項1〜7のいずれか1項記載の電荷輸送性組成物。
- 前記有機光電変換素子が、有機薄膜太陽電池または光センサーである請求項8記載の電荷輸送性組成物。
- 請求項8または9記載の電荷輸送性組成物を用いてなる有機光電変換素子の正孔捕集層。
- 請求項10の正孔捕集層と、それに接するように設けられた活性層とを有する有機光電変換素子。
- 前記活性層が、フラーレン誘導体を含む請求項11記載の有機光電変換素子。
- 前記活性層が、主鎖にチオフェン骨格を含むポリマーを含む請求項11記載の有機光電変換素子。
- 前記活性層が、フラーレン誘導体および主鎖にチオフェン骨格を含むポリマーを含む請求項11記載の有機光電変換素子。
- 有機薄膜太陽電池または光センサーである請求項11〜14のいずれか1項記載の有機光電変換素子。
- 式(2)で表されることを特徴とするフェノチアジン誘導体。
Ar1およびAr2は、互いに独立して、フェニル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、テルフェニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基、ペリレニル基、または式(3)で表される基を表す。
R7〜R10は、水素原子を表す。)〕 - 前記Ar1およびAr2が、互いに独立して、フェニル基、ジフェニルアミノ基で置換されたフェニル基、フェノチアジン−10−イルで置換されたフェニル基、またはカルバゾール−9−イル基で置換されたフェニル基である請求項16記載のフェノチアジン誘導体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016148422A JP6772623B2 (ja) | 2016-07-28 | 2016-07-28 | 電荷輸送性組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016148422A JP6772623B2 (ja) | 2016-07-28 | 2016-07-28 | 電荷輸送性組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018018967A JP2018018967A (ja) | 2018-02-01 |
JP6772623B2 true JP6772623B2 (ja) | 2020-10-21 |
Family
ID=61075975
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016148422A Active JP6772623B2 (ja) | 2016-07-28 | 2016-07-28 | 電荷輸送性組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6772623B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN118044352A (zh) * | 2021-09-29 | 2024-05-14 | 保土谷化学工业株式会社 | 具有磺酸盐基的化合物、空穴传输材料、光电转换元件用空穴传输材料组合物、光电转换元件及太阳能电池 |
-
2016
- 2016-07-28 JP JP2016148422A patent/JP6772623B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018018967A (ja) | 2018-02-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6696510B2 (ja) | 有機光電変換素子の正孔捕集層用組成物 | |
TW201945513A (zh) | 電荷輸送性組成物 | |
WO2014119782A1 (ja) | 有機薄膜太陽電池用バッファ層及び有機薄膜太陽電池 | |
JP7180379B2 (ja) | 有機光電変換素子の正孔捕集層用組成物 | |
KR102252204B1 (ko) | 유기 박막 태양전지의 양극 버퍼층용 조성물 및 유기 박막 태양전지 | |
JP6988483B2 (ja) | 電荷輸送性ワニス | |
JP7243636B2 (ja) | 有機光電変換素子の正孔捕集層用組成物 | |
JP6772623B2 (ja) | 電荷輸送性組成物 | |
TW201703303A (zh) | 光感測元件之電洞捕獲層形成用組成物及光感測元件 | |
TW201903069A (zh) | 電荷輸送性薄膜之製造方法 | |
WO2021246351A1 (ja) | 有機光電変換素子の正孔捕集層用組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200520 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200602 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200721 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200901 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200914 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6772623 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |