JP6772096B2 - ガス濃度検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被測定ガス中の特定成分のガス濃度を検出するガス濃度検出装置に関する。
従来から、例えばエンジンの排気管等の排気系に装着され、排気ガス中における特定ガス成分(酸素)の濃度を検出するガスセンサとして、固体電解質体の表面に1対の電極を配置したセンサ素子を有する限界電流式の空燃比センサが知られている。
この空燃比センサは、センサ素子へ印加する印加電圧に応じて一対の電極間に流れる限界電流を検出し、限界電流に基づいて酸素濃度を検出するものである。また、限界電流を示す下限電圧と上限電圧の間の限界電流域は、限界電流が高くなる(つまり酸素濃度が高くなる)ほど、高電圧側にシフトするので、印加電圧を電流に応じて直線的に増加させて限界電流域から外れないように調整している。
しかしながら、限界電流が高くなる(つまり酸素濃度が高くなる)と、遂には印加電圧を示す直線が限界電流域を超え、電子伝導による電流が生じるおそれがある。そしてこの場合は、酸素濃度の増加に対して電流の増加する割合が急激に大きくなるため、センサが測定不能になったり、センサ素子が破損してしまう。
そこで、一対の電極間に流れる電流が所定の値以上になった場合には、印加電圧を一定値に制限し、限界電流域を超えないようにする技術も開発されている(特許文献1)。
特許2655885号公報
ところで、一対の電極間に電圧を印加したときの電流にノイズが重畳されて異常値となることがあり、例えばノイズの重畳により電流が大きくなる場合、この異常値に基づいて印加電圧を増加させてしまうと、限界電流域から大幅に外れた高電圧が印加される可能性がある。この場合には、酸素濃度が高くなくても上述と同様に電子伝導による電流が生じてしまい、センサが測定不能になったり、センサ素子が破損するおそれがある。これは、ノイズにより電流が小さくなり電流がマイナスの値になる場合でも同様である。
一方、電流が急激に変化しても、ノイズではなく雰囲気中の酸素濃度が実際に急変した場合もあり、この場合に異常値と判定して酸素濃度の検出を停止させてしまうことは好ましくない。従って、異常値の可能性があっても酸素濃度の検出を続行したいという要望がある。
そこで、本発明は、電極間の電流が異常値であると判定した場合に、センサが測定不能になったり、センサ素子が破損することを抑制すると共に、ガス濃度の検出を停止させないようにしたガス濃度検出装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のガス濃度検出装置は、固体電解質体と該固体電解質体に設けられる少なくとも一対の電極とを有するセンサ素子を備えた限界電流式のガス濃度センサに適用され、前記一対の電極間に流れる素子電流に基づいて被測定ガス中の特定成分のガス濃度を検出するガス濃度検出装置において、該センサ素子へ印加電圧を印加する電圧印加手段であって、前記素子電流と前記印加電圧との所定の関係に基づき、所定タイミングで印加する電圧の大きさを変更可能な電圧印加手段と、前記素子電流を測定する電流測定手段と、前記素子電流が異常値か否かを判定する判定手段と、前記判定手段が異常値であると判定した場合に、前記印加電圧を、前記関係から前記素子電流に基づいて求めた想定電圧とは異なる印加電圧に変更する印加電圧変更手段と、を備え、前記異常時印加電圧は、前記素子電流が大きい場合の異常値と判断された場合には、判定時の1つ前のタイミングにおける前記素子電流における限界電流領域の範囲内における最大値とし、前記素子電流が小さい場合の異常値と判断された場合には、判定時の1つ前のタイミングにおける前記素子電流における限界電流領域の範囲内における最小値とすることを特徴とする
このガス濃度検出装置によれば、素子電流にノイズ等が重畳されて異常値となっても、この異常値に基づいて印加電圧を増加させることがなく、所定の異常時印加電圧に留めることができる。その結果、限界電流域から大幅に外れた電圧が印加され、センサが測定不能になったり、センサ素子が破損することを抑制できる。
また、電流が急激に変化しても、ノイズではなく雰囲気中の酸素濃度が実際に急変した場合もあり、この場合に異常値と判定して酸素濃度の検出を停止させることなく、上限印加電圧にて酸素濃度の検出を続行することができる。
又、少なくともノイズ等が重畳されない正常値の素子電流が得られたときの限界電流域の限界値を印加電圧に採用するので、限界電流域から大幅に外れた電圧が印加されるおそれがさらに少なくなる。
本発明のガス濃度検出装置において、異常時印加電圧は、前記素子電流が大きい場合の異常値と判断された場合には前記想定電圧よりも低く、前記素子電流が小さい場合の異常値と判断された場合には前記想定電圧よりも高くてもよい。
このガス濃度検出装置によれば、素子電流が大きくなる異常と、素子電流が小さくなる異常とに共に対処することができる。
本発明のガス濃度検出装置において、前記印加電圧変更手段は、前記異常時印加電圧を、前記被測定ガス中の酸素濃度又は前記センサ素子の温度に応じて変更してもよい。
このガス濃度検出装置によれば、センサの検出精度が向上する。特に、リーン雰囲気の環境下において限界電流域から外れた高電圧が印加される場合や、リッチ雰囲気の環境下において限界電流域から外れた低電圧(マイナス電圧)が印加される場合には、ブラックニングと称される、固体電解質体のイオン伝導性が劣化する不具合が生じやすいが、酸素濃度に応じて印加電圧の限界である異常時印加電圧を変更すれば、ブラックニングを抑制できる。
本発明のガス濃度検出装置において、前記判定手段は、判定時の素子電流と前記関係から求めた判定想定電圧と、所定の異常判定閾値との比較に基づいて、前記異常値であると判定してもよい。
このガス濃度検出装置によれば、印加電圧手段により印加予定の電圧を実際に算出して異常判定するため、異常な電圧が印加される前に異常判定を行い、異常な電圧が印加されるのを確実に抑制できる。
本発明のガス濃度検出装置において、前記判定手段は、判定時の1つ前のタイミングにおける前記素子電流と、判定時のタイミングにおける前記素子電流との間の変動が閾値を超えた場合に、前記異常値であると判定してもよい。
このガス濃度検出装置によれば、時系列的な素子電流の変動を監視すればよいので、コンピュータ処理の軽減ができる。
この発明によれば、電極間の素子電流が異常値であると判定した場合に、センサが測定不能になったり、センサ素子が破損することを抑制すると共に、ガス濃度の検出を停止させないようにすることができる。
本発明の実施形態に係るガス濃度検出装置と、ガス濃度センサとを含むシステムのブロック図である。 厚み方向から見たときのセンサ素子の部分破断図である。 図2のA−A線に沿うセンサ素子の断面とガス濃度検出装置の構成を示す図である。 空燃比センサの印加電圧とポンプ電流との関係(V−I特性)を示す図である。 印加電圧を設定する具体的方法を示す図である。
以下に、本発明を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態におけるガス濃度検出装置7と、ガス濃度センサ5とを含むシステムのブロック図、図2は厚み方向から見たときのセンサ素子9の部分破断図、図3は図2のA−A線に沿うセンサ素子9の断面とガス濃度検出装置7の構成を示す図である。
図1において、例えば車両のエンジン1の排気管3に、空燃比センサ(ガス濃度センサ)5が取付けられており、ガス濃度検出装置7は、この空燃比センサ5からの出力に基づいて、エンジン1から排出される排気ガス(被測定ガス)中の特定成分のガス濃度(本実施形態では酸素濃度、従って、空燃比)を検出する。
図2及び図3に示すように、空燃比センサ5は、酸素濃度を検出する積層型のセンサ素子9を備えている。このセンサ素子9は長尺の素子であり、図示しないハウジング等に収容されている。
詳しくは、センサ素子9は、層状の固体電解質体(固体電解質層)11と、拡散抵抗層13と、中間絶縁層15と、第1外側絶縁層17と、第2外側絶縁層19と、を備えると共に、測定室21と基準酸素室23とを備えている。
このうち、固体電解質層11は、例えば部分安定化ジルコニア等の酸素イオン導電性を有する電解質体からなる矩形板状をなしている。そして、固体電解質層11の測定室21に対向する表面(図3の上面)に第1電極25が配置され、基準酸素室23に対向する表面(図3の下面)に第2電極27が配置されている。つまり、一対の両電極25、27は、固体電解質層11を挟んで対向して配置されている。なお、両電極25、27は例えば白金からなる。
また、両電極25、27及び固体電解質層11を素子部10と称する。
拡散抵抗層13は、固体電解質層11と第1外側絶縁層17との間に配置された多孔質層であり、例えばアルミナ、ジルコニア等からなる。この拡散抵抗層13により、外部(排気管3内の空間)から測定室21内に導入される排気ガス(酸素)の量が律速され、両電極25、27に流れる素子電流が限界電流となる。
中間絶縁層15は、固体電解質層11と第1外側絶縁層17との間に配置された緻密な(ガス不透過性の)層であり、例えばアルミナ、ジルコニア等からなる。この中間絶縁層15は、拡散抵抗層13と共に測定室21の周囲を囲むように配置され、中間絶縁層15の外周の一部が形成されず、その部位に拡散抵抗層13が介在している。
第1外側絶縁層17は、測定室21、中間絶縁層15及び拡散抵抗層13を、図3の上方から覆うように配置された緻密な層であり、例えばアルミナ、ジルコニア等からなる。
第2外側絶縁層19は、基準酸素室23の周囲を覆うように配置された緻密な層であり、例えばアルミナ、ジルコニア等からなる。なお、図示しないが第2外側絶縁層19には、センサ素子9を加熱するヒータが埋設されている。
測定室21は、外部から拡散抵抗層13を介して排気ガスが導入される直方体形状の空間であり、その内部の固体電解質層11に第1電極25が配置されている。
基準酸素室23は、大気が導入される長尺の空間であり、図3の上方に開口し、その内部の固体電解質層11に第2電極27が配置されている。
次に、ガス濃度検出装置7の電気的構成について説明する。
図3に示すように、ガス濃度検出装置7は、センサ素子9(従って、空燃比センサ5)の動作を制御して、排気ガスの酸素濃度(従って、空燃比)を検出する装置であり、マイコン31と電気制御回路33とを備えている。
マイコン31は、周知のCPU,ROM,RAM等を備えた電子制御装置である。ROMには、後述する印加電圧線やヒステリシスなど、制御に必要なデータが記憶されている。
電気制御回路33は、マイコン31によって制御され、両電極25、27間に電圧(印加電圧Vp)を印加すると共に、両電極25、27に流れる素子電流(ポンプ電流Ip)を測定する。
マイコン31及び電気制御回路33は、電圧印加手段7a、電流測定手段7b、判定手段7c、印加電圧変更手段7dをそれぞれ実現する。
次に、空燃比センサ5の基本的な動作のうち、酸素のポンピングについて説明する。
図3に示すように、センサ素子9の周囲の排気ガスは、拡散抵抗層13を介して測定室21内に導入される。なお、ここでは第1電極25が正、第2電極27が負となるように電圧を印加する場合について説明する。
まず、排気ガス中の燃料がストイキ(理論空燃比:A/F=14.6)より少ない場合(いわゆるリーンの場合)には、排気ガス中の酸素は、両電極25、27間に印加電圧Vpを印加することにより、第1電極25にて酸素イオンとなる。これにより、酸素イオンが第1電極25から固体電解質層11を通過して第2電極27へ移動することができ、この酸素イオンは第2電極27で酸素となって基準酸素室23に排出される。つまり、測定室21から酸素の汲み出しが行われ、第2電極27から第1電極25に正電流である素子電流(以下、ポンプ電流Ipともいう)が流れる。
一方、排気ガス中の燃料がストイキより多い場合(いわゆるリッチの場合)には、リーンの場合とは逆に、基準酸素室23内の酸素は、第2電極27にて酸素イオンとなる。これにより、酸素イオンが第2電極27から固体電解質層11を通過して第1電極25へ移動することができ、この酸素イオンは第1電極25で酸素となって測定室21に排出される。つまり、測定室21へ酸素の汲み入れが行われ、第1電極25から第2電極27に負電流である素子電流(ポンプ電流Ip)が流れる。
従って、後述するように、ポンプ電流Ipに基づいて排気ガス中の空燃比を検出することができる。
次に、印加電圧Vpとポンプ電流Ipとの関係、及びガス濃度検出に用いる印加電圧線IDについて説明する。なお、印加電圧線IDが特許請求の範囲の「所定の関係」に相当する。
図4に示すように、印加電圧Vpとポンプ電流Ipとの関係を示すグラフ(特性ラインTL)は、印加電圧Vpの増加に比例してポンプ電流Ipが変化する比例部分HBと、電圧軸に平行な平坦部分、及びこの平坦部分よりも印加電圧Vpが高い領域で印加電圧Vpの増加に比例してポンプ電流Ipが増加する高電圧部分HCとを有している。
高電圧部分HCでは、電子伝導による電流が生じ、酸素濃度の増加に対して電流の増加する割合が急激に大きくなるため、ガス濃度センサ5が測定不能になったり、センサ素子9が破損するので、高電圧部分HCでセンサ素子9を動作させないようにする必要がある。
比例部分HBは、センサ素子9の素子部10(詳しくは固体電解質層11)の直流内部抵抗Ri(以下、単にインピーダンスRともいう)に影響される抵抗支配領域である。つまり、抵抗支配領域では、印加電圧Vpの増加に比例してポンプ電流Ipが増加する。なお、インピーダンスRは、センサ素子9(固体電解質層11)の温度(素子温度)によっても変化する。
また、平坦部分は、印加電圧Vpが変化してもポンプ電流Ipが実質的に変化せず一定の値(限界電流)を保つ領域である。この平坦部分は、酸素濃度(従って、空燃比)に対応したポンプ電流Ipを示す限界電流域GDであり、限界電流の変化が、空燃比の変化に対応している。
つまり、空燃比がリーン側になるほど、ポンプ電流Ipが示す限界電流は増加し、空燃比がリッチ側になるほど、限界電流は減少するので、限界電流から空燃比を求めることができる。
例えば、図4に示す特性ラインTLにおいて、各空燃比に応じた各限界電流域GDのすべてを通るように、印加電圧特性を示す1本の直線状の印加電圧線IDを設定し、印加電圧線IDに従って所定の印加電圧Vpを印加し、その際に得られる(限界電流を示す)ポンプ電流Ipに基づいて、空燃比を求めることができる。
次に、図5を参照し、印加電圧Vpを設定する具体的な手順について説明する。
まず、電圧印加手段7aは、両電極25、27間に初期の印加電圧V0を印加する。この印加電圧V0は、特性ラインTL0の限界電流域GDの範囲内であり、電流測定手段7bは、ポンプ電流I0を限界電流として測定し、限界電流I0に対応する酸素濃度(空燃比)を求める。
次の測定タイミングにて、電圧印加手段7aは、直前のタイミングで測定されたポンプ電流I0に応じた印加電圧線IDに基づき、両電極25、27間に印加電圧V1を印加する。例えば、印加電圧線IDとしては、以下の一次式を用いることができる。
印加電圧Vp=α×(ポンプ電流Ip)+β (1)
α、βとしては定数を用いることができるが、本実施形態ではα=Riとする。従って、印加電圧線IDは直流内部抵抗Ri(すなわち、センサ素子9の温度)によっても変化する。このように、ポンプ電流Ipから印加電圧線IDによって求められ、次のタイミングで印加される印加電圧Vpを、適宜「想定電圧」という。
上記式(1)にIp=I0を代入すると、印加電圧(想定電圧)V1は、印加電圧線IDが特性ラインTL0と丁度交わるときの値となる。このとき、排気ガス中の酸素濃度(空燃比)が変化しなければ、印加電圧V1に対してポンプ電流(限界電流)I0が検出される。
一方、排気ガス中の酸素濃度(空燃比)が増えた場合、印加電圧V1に対するポンプ電流I1はI0より大きくなる。従って、電流測定手段7bは、ポンプ電流I1を限界電流として測定し、限界電流I1に対応する酸素濃度(空燃比)を求める。次いで、電圧印加手段7aは、上記式(1)にIp=I1を代入したときの印加電圧V2を印加する。印加電圧V2は、印加電圧線IDが特性ラインTL1と丁度交わるときの値であり、特性ラインTL1は特性ラインTL0よりも酸素濃度が高いときのラインである。
このようにして、酸素濃度が高くなるほど、限界電流域GDが高電圧側にシフトするのに応じ、印加電圧を増加させて限界電流域GDから外れないようにしている。
又、排気ガス中の酸素濃度(空燃比)が減った場合、印加電圧V1に対するポンプ電流I1'はI0より小さくなる。従って、電流測定手段7bは、ポンプ電流I1'を限界電流として測定し、限界電流I1'に対応する酸素濃度(空燃比)を求める。次いで、電圧印加手段7aは、上記式(1)にIp=I1'を代入したときの印加電圧V2'を印加する。印加電圧V2'は、印加電圧線IDが特性ラインTL1'と丁度交わるときの値であり、特性ラインTL1'は特性ラインTL0よりも酸素濃度が低いときのラインである。
このようにして、酸素濃度が低くなるほど、限界電流域GDが低電圧側にシフトするのに応じ、印加電圧を減少させて限界電流域GDから外れないようにしている。
ところが、上述の印加電圧V1を印加したタイミングで、得られたポンプ電流I1にノイズが重畳され、過大なポンプ電流Ieが検出されることがある。このとき、上記式(1)にIp=Ieを代入すると、印加電圧Veも高くなり過ぎるので、特性ラインTL0、TL1の限界電流域GDの上限を大幅に超えた高電圧Veが印加される可能性がある。なお、特性ラインTLeは、ポンプ電流Ieを限界電流とするラインである。
そこで、判定手段7cがポンプ電流Ieを異常値であると判定した場合には、図5に示すように、印加電圧変更手段7は、次のタイミングで印加する印加電圧を、印加電圧線IDからポンプ電流Ieに基づいて求めた想定電圧Veよりも低い上限印加電圧Vuに変更する。そして、電圧印加手段7aは、この印加電圧Vuを印加する。
これにより、ポンプ電流I1にノイズ等が重畳されて異常値Ieとなっても、この異常値Ieに基づいて印加電圧をVeに増加させることがなく、前回の測定タイミング(特性ラインTL0)の限界電流域GDの上限印加電圧Vuに留めることができる。その結果、限界電流域GDから大幅に外れた高電圧が印加され、センサが測定不能になったり、センサ素子が破損することを抑制できる。
また、電流が急激に大きくなっても、ノイズではなく雰囲気中の酸素濃度が実際に急増した場合もあり、この場合に異常値と判定して酸素濃度の検出を停止させることなく、上限印加電圧Vuにて酸素濃度の検出を続行することができる。
一方、上述の印加電圧V1を印加したタイミングで、得られたポンプ電流I1'にノイズが重畳され、非常に小さなポンプ電流Ie'が検出されることがある。このとき、上記式(1)にIp=Ie'を代入すると、印加電圧Ve'も低くなり過ぎるので、特性ラインTL0、TL1'の限界電流域GDの上限を大幅に超えた低電圧Ve'が印加される可能性がある。なお、特性ラインTLe'は、ポンプ電流Ie'を限界電流とするラインである。
そこで、判定手段7cがポンプ電流Ie'を異常値であると判定した場合には、図5に示すように、印加電圧変更手段7は、次のタイミングで印加する印加電圧を、印加電圧線IDからポンプ電流Ie'に基づいて求めた想定電圧Ve'よりも高い下限印加電圧Vu'に変更する。そして、電圧印加手段7aは、この印加電圧Vu'を印加する。
これにより、ポンプ電流I1'にノイズ等が重畳されて異常値Ie'となっても、この異常値Ie'に基づいて印加電圧をV'eに低下させることがなく、前回の測定タイミング(特性ラインTL0)の限界電流域GDの下限印加電圧Vu'に留めることができる。その結果、限界電流域GDから大幅に外れた低電圧が印加され、センサが測定不能になったり、センサ素子が破損することを抑制できる。
また、電流が急激に小さくなっても、ノイズではなく雰囲気中の酸素濃度が実際に急減した場合もあり、この場合に異常値と判定して酸素濃度の検出を停止させることなく、下限印加電圧Vu'にて酸素濃度の検出を続行することができる。
ここで、本実施形態では、上限印加電圧Vuは、判定手段7cの判定時(つまり、印加電圧V1を印加し、ポンプ電流Ieが生じたとき)の1つ前のタイミング(つまり、印加電圧V0を印加し、ポンプ電流I0が生じたとき)におけるポンプ電流I0を、限界電流とみなしたときの限界電流域GDの上限値である。
又、下限印加電圧Vu'は、判定手段7cの判定時(つまり、印加電圧V1を印加し、ポンプ電流Ie'が生じたとき)の1つ前のタイミング(つまり、印加電圧V0を印加し、ポンプ電流I0が生じたとき)におけるポンプ電流I0を、限界電流とみなしたときの限界電流域GDの下限値である。
このようにすると、少なくともノイズが重畳されない正常値のポンプ電流I0が得られたときの特性ラインTL0に基づき、限界電流域GDの上限値を上限印加電圧Vuに採用するか、又は限界電流域GDの下限値を下限印加電圧Vu'に採用するので、限界電流域GDから大幅に外れた高電圧又は低電圧が印加されるおそれがさらに少なくなる。
また、低酸素の環境下では、限界電流域GDから外れた高電圧が印加されると、ブラックニングと称される、固体電解質体に含まれる金属酸化物が還元されて金属が生成され、イオン伝導性が劣化する不具合が生じやすい。そこで、本実施形態では、上限印加電圧Vuが限界電流域GDから決められ、酸素濃度に応じて印加電圧の限界である上限印加電圧が変更されるので、リッチ(低酸素)になるほど上限印加電圧Vuも小さくなる。その結果、低酸素下で高電圧が印加されることをより一層抑制し、ブラックニングを抑制できる。
また、本実施形態では、判定手段7cは、想定電圧Veが上限印加電圧Vuよりも高い場合、又は想定電圧Ve'が下限印加電圧Vu'よりも低い場合に、それぞれポンプ電流Ie、Ie'が異常値であると判定する。ここで、上限印加電圧Vu又は下限印加電圧Vu'が特許請求の範囲の「異常時印加電圧」に相当する。さらに本実施形態では、この上限印加電圧Vu又は下限印加電圧Vu'が「異常判定閾値」にも相当する。
但し、異常値の判定方法はこれに限定されず、例えば、判定時の素子電流と、所定の異常判定閾値との比較に基づいて、異常値であると判定してもよい。判定時の1つ前のタイミングにおけるポンプ電流I0と、判定時のタイミングにおけるポンプ電流Ieとの間の変動が閾値を超えた場合に、異常値であると判定してもよい。これは、通常の測定では、ポンプ電流が変動する幅(つまり、排気ガス中の酸素濃度が変化する幅)はある程度の範囲内であるので、この範囲を超えた場合には、ポンプ電流が異常値であるとみなしてもよいからである。
同様に、1つ前のタイミングにおける想定電圧と、判定時の想定電圧との間の変動が閾値を超える場合に、異常値であると判定してもよい。又、異常判定閾値を、ガス濃度センサが使用される環境に応じて(素子温度等)、予め定めておいてもよい。
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
例えば、ポンプ電流Ipの測定と共に、センサ素子9の温度(直流内部抵抗Ri)を測定し、式(1)で印加電圧Vpを求める際に、Riによる補正を加えてもよい。これにより、センサの検出精度が向上する。
ポンプ電流に応じた印加電圧を示す所定の関係は、上記印加電圧線IDに限られず、例えば直線以外の曲線や、ROM等に格納したマップ等であってもよい。
又、上記実施形態では、式(1)でポンプ電流Ipから印加電圧Vpを求め、求めたVpを電極間に印加したが、電極間の印加電圧がVpとなるようにポンプ電流を調整してもよい。この場合は、印加電圧を直接調整するのではなく、ポンプ電流を調整することで、間接的に電極間の電圧が所定電圧となるようにしている。この場合でも、電極間の電圧とその時のポンプ電流との関係から、酸素濃度を測定することができる。
5 ガス濃度センサ
7 ガス濃度検出装置
7a 電圧印加手段
7b 電流測定手段
7c 判定手段
7d 印加電圧変更手段
9 センサ素子
11 固体電解質体
25,27 一対の電極
Vp,V0,V1 印加電圧
Ip、I0,I1 素子電流(ポンプ電流)
Ie 異常値
Ve 想定電圧
Vu、Vu' 異常判定閾値(上限印加電圧又は下限印加電圧)
ID 所定の関係
GD 限界電流域

Claims (5)

  1. 固体電解質体と該固体電解質体に設けられる少なくとも一対の電極とを有するセンサ素子を備えた限界電流式のガス濃度センサに適用され、いずれか1つの前記一対の電極間に流れる素子電流に基づいて被測定ガス中の特定成分のガス濃度を検出するガス濃度検出装置において、
    該センサ素子へ印加電圧を印加する電圧印加手段であって、前記素子電流と前記印加電圧との所定の関係に基づき、所定タイミングで印加する電圧の大きさを変更可能な電圧印加手段と、
    前記素子電流を測定する電流測定手段と、
    前記素子電流が異常値か否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段が異常値であると判定した場合に、前記印加電圧を、前記関係から前記素子電流に基づいて求めた想定電圧とは異なる異常時印加電圧に変更する印加電圧変更手段と、
    を備え
    前記異常時印加電圧は、前記素子電流が大きい場合の異常値と判断された場合には、判定時の1つ前のタイミングにおける前記素子電流における限界電流領域の範囲内における最大値とし、前記素子電流が小さい場合の異常値と判断された場合には、判定時の1つ前のタイミングにおける前記素子電流における限界電流領域の範囲内における最小値とすることを特徴とするガス濃度検出装置。
  2. 前記異常時印加電圧は、前記素子電流が大きい場合の異常値と判断された場合には前記想定電圧よりも低く、前記素子電流が小さい場合の異常値と判断された場合には前記想定電圧よりも高いことを特徴とする請求項1記載のガス濃度検出装置。
  3. 前記印加電圧変更手段は、前記異常時印加電圧を、前記被測定ガス中の酸素濃度又は前記センサ素子の温度に応じて変更することを特徴とする請求項1又は2に記載のガス濃度検出装置。
  4. 前記判定手段は、判定時の素子電流と前記関係から求めた判定想定電圧と、所定の異常判定閾値との比較に基づいて、前記異常値であると判定する請求項1〜3のいずれか一項に記載のガス濃度検出装置。
  5. 前記判定手段は、判定時の1つ前のタイミングにおける前記素子電流と、判定時のタイミングにおける前記素子電流との間の変動が閾値を超えた場合に、前記異常値であると判定する請求項1又は2に記載のガス濃度検出装置。
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