JP6771697B2 - 移動体観測装置及び移動体観測方法 - Google Patents

移動体観測装置及び移動体観測方法 Download PDF

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Description

この発明は、移動体の輝度分布を推定する移動体観測装置及び移動体観測方法に関するものである。
天体又は飛翔体などの移動体を観測する移動体観測装置は、移動体に反射された光束又は移動体から送信された光束を地上で受信することで、移動体を観測する。
移動体からの光束は、大気の屈折率分布のゆらぎが原因で、光の位相が乱されてしまうために、広がってしまうことがある。
したがって、移動体観測装置は、移動体の観測精度を高めるには、光の位相の等しい面である波面を取得する必要がある。
以下の特許文献1には、波面を計測する波面センサが開示されている。
以下の特許文献1に開示されている波面センサは、望遠鏡を用いて、高速に移動する物体を観察する際、波面のチルト及び焦点のそれぞれを制御することで、物体から送信された光束を追いかけながら、大気断層を撮影するようにしている。
波面センサは、波面のチルト及び焦点のそれぞれを制御するための機構として、高速ステアリングミラー、結像レンズ及びレンズレットアレイにおけるそれぞれの高速移動を実現する制御機構を備えている。
特開2016−118547号公報
波面センサによる波面の計測精度は、高速ステアリングミラー、結像レンズ及びレンズレットアレイにおけるそれぞれの高速移動を実現する制御機構の制御精度に依存している。
したがって、従来の移動体観測装置は、制御機構の制御精度によっては、波面センサにおける波面の計測精度が劣化してしまうことがあるため、波面センサを実装していても、移動体の観測精度が劣化してしまうことがあるという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、レンズレットアレイなどの高速移動を実現する制御機構を実装することなく、移動体の輝度分布を推定することができる移動体観測装置及び移動体観測方法を得ることを目的とする。
この発明に係る移動体観測装置は、移動体に反射された光束又は移動体から送信された光束を集光する結像光学系と、結像光学系により集光された光束を複数の空間領域の光束に分割し、複数の空間領域の光束のそれぞれを集光する空間分割部と、空間分割部により集光されたそれぞれの光束から、移動体の像として、集光スポット像を検出する光検出器と、光検出器により検出された複数の集光スポット像の位置から、結像光学系の開口における光束の波面を推定する波面推定部と、移動体に反射されたレーダ波を受信し、レーダ波に基づいて移動体までの距離を示す距離画像を生成するレーダ装置と、レーダ装置により生成された距離画像から、移動体が存在している領域を検出し、光検出器により検出された複数の集光スポット像のうち、移動体が存在している領域内の集光スポット像と、波面推定部により推定された波面とから、移動体の輝度分布を推定する移動体復元部とを備えるようにしたものである。
この発明によれば、移動体復元部が、レーダ装置により生成された距離画像から、移動体が存在している領域を検出し、光検出器により検出された複数の集光スポット像のうち、移動体が存在している領域内の集光スポット像と、波面推定部により推定された波面とから、移動体の輝度分布を推定するように、移動体観測装置を構成した。したがって、この発明に係る移動体観測装置は、レンズレットアレイなどの高速移動を実現する制御機構を実装することなく、移動体の輝度分布を推定することができる。
実施の形態1による移動体観測装置を示す構成図である。 実施の形態1による移動体観測装置の波面計測部15を示す構成図である。 実施の形態1による移動体観測装置の外観を示す斜視図である。 望遠鏡装置10及びレーダ装置30のそれぞれが移動体1を観測している様子を示す説明図である。 図1に示す移動体観測装置の処理手順である移動体観測方法を示すフローチャートである。 光検出器25により検出される移動体1の像を示す説明図である。 波面が伝搬経路によって異なる場合の光検出器25により検出される移動体1の像を示す説明図である。 光検出器25により検出される移動体1の像と波面の関係を示す説明図である。 光検出器25により検出される移動体1の像と波面の関係を示す説明図である。 波面推定部26の処理手順を示すフローチャートである。 移動体1が望遠鏡装置10と相対的に移動している場合において、結像光学系11の開口と、複数の空間領域におけるそれぞれの開口と、移動体1の像105との関係を示す説明図である。 移動体復元部42の処理手順を示すフローチャートである。 移動体復元部42による移動体1の輝度分布推定処理を示す説明図である。 実施の形態2による移動体観測装置を示す構成図である。 移動体1の軌道を示す説明図である。 移動体復元部70による移動体1の輝度分布推定処理を示す説明図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による移動体観測装置を示す構成図である。
図2は、実施の形態1による移動体観測装置の波面計測部15を示す構成図である。
図1及び図2において、移動体1は、大気の外、あるいは、大気中に存在している天体などの物体である。
移動体1に反射された光束又は移動体1から送信された光束は、大気の屈折率分布のゆらぎが原因で、広がってしまった光束2であり、光束2は、望遠鏡装置10に入射される。
望遠鏡装置10は、結像光学系11の開口における光束2の波面を計測するとともに、移動体1の像を示す強度画像を取得する装置である。
望遠鏡装置10は、結像光学系11、光束分割部12、強度画像取得部13、リレー光学系14、波面計測部15及び指向装置16を備えている。
結像光学系11は、入射された光束2を集光する光学系である。
光束分割部12は、例えば、ビームスプリッタによって実現される。
光束分割部12は、結像光学系11により集光された光束2の光量又は波長を2つに分割することで、光束2を2つに分割する。
光束分割部12は、分割後の一方の光束2を強度画像取得部13に出力し、分割後の他方の光束2をリレー光学系14に出力する。
強度画像取得部13は、例えば、イメージセンサによって実現される。
強度画像取得部13は、光束分割部12から出力された光束2から、移動体1の像を検出し、移動体1の像を示す強度画像を画像変形部41に出力する。
リレー光学系14は、波面計測部15のレンズアレイ23において、光束分割部12から出力された光束2のピントが合うように、レンズアレイ23を結像光学系11の瞳と光学的に等価とする光学系である。
波面計測部15は、空間分割部21、シャッタ24、光検出器25及び波面推定部26を備えている。
空間分割部21は、遮光部22及びレンズアレイ23を備えている。
空間分割部21は、リレー光学系14から出力された光束2を複数の空間領域の光束2aに分割し、複数の空間領域の光束2aを光検出器25の受光面25a(図8又は図9を参照)に集光する。
遮光部22は、リレー光学系14から出力された光束2を部分的に遮光することで、光束2を複数の空間領域の光束2aに分割する。
レンズアレイ23は、複数のレンズ23a(図6から図9を参照)を含んでおり、それぞれのレンズ23aがそれぞれの空間領域の光束2aを光検出器25の受光面25aに集光する。
シャッタ24は、光検出器25により受光される光束2aの光量を調整するために、レンズアレイ23から出力された光束2aの通過を時間的に制限する。
光検出器25は、例えば、イメージセンサによって実現される。
光検出器25は、シャッタ24を通過してきた複数の空間領域の光束2aのそれぞれを受光する受光面25aを有している。
光検出器25は、受光面25aで受光されるそれぞれの光束2aから、移動体1の像として、集光スポット像を検出し、それぞれの集光スポット像を示す強度画像を波面推定部26及び移動体復元部42に出力する。
波面推定部26は、パーソナルコンピュータなどの計算機、あるいは、波面推定回路などによって実現される。
波面推定部26は、光検出器25から出力された強度画像が示す複数の集光スポット像の位置から、結像光学系11の開口における光束の波面を推定する処理を実施する。
即ち、波面推定部26は、複数の集光スポット像の位置から、結像光学系11の開口における光束2の波面の概算値を算出する。
指向装置16は、制御装置49から出力された制御信号に従って結像光学系11の指向方向を変更する装置である。
レーダ装置30は、例えば、逆合成開口レーダ(ISAR:Inverse Synthetic Aparture Radar)によって実現される。
レーダ装置30は、送受信部31、距離画像取得部32及び指向装置33を備えている。
送受信部31は、アンテナ、変調器、復調器及び無線機などによって実現される。
送受信部31は、マイクロ波又はミリ波などのレーダ波を移動体1に向けて送信する一方、移動体1に反射されたレーダ波を反射波として受信する。
距離画像取得部32は、送受信部31からレーダ波が送信されてから、反射波を受信するまでの時間に基づいて、移動体1までの距離を示す距離画像を生成し、距離画像を画像変形部41に出力する処理を実施する。
指向装置33は、制御装置49から出力された制御信号に従って送受信部31の指向方向を変更する装置である。
運用装置40は、画像変形部41、移動体復元部42、記録装置43、時刻校正部44、カウンタ45、軌道情報記録部46、軌道計算部47、計画装置48及び制御装置49を備えている。
画像変形部41は、パーソナルコンピュータなどの計算機、あるいは、画像変形回路などによって実現される。
画像変形部41は、距離画像取得部32から出力された距離画像が、強度画像取得部13から出力された強度画像と整合するように、距離画像を変形し、変形後の距離画像を移動体復元部42に出力する処理を実施する。
移動体復元部42は、パーソナルコンピュータなどの計算機、あるいは、移動体復元回路などによって実現される。
移動体復元部42は、画像変形部41から出力された変形後の距離画像から、移動体1が存在している領域を検出する処理を実施する。
移動体復元部42は、強度画像取得部13から出力された強度画像のうち、移動体1が存在している領域内の画像と、光検出器25から出力された強度画像が示す複数の集光スポット像あるいは波面推定部26により推定された波面とから、移動体1の輝度分布を推定する処理を実施する。
記録装置43は、例えば、記録処理回路によって実現される。
記録装置43は、波面推定部26により推定された波面及び移動体復元部42により推定された移動体1の輝度分布などを記録する装置である。
時刻校正部44は、クロックを内蔵しており、GPS(Global Positioning System)衛星から発信されるGPS信号又はNTP(Network Time Protocol)を用いて、クロックの時刻を校正する。
カウンタ45は、時刻校正部44により校正されたクロックの時刻が或る時刻になると、或る時刻からの経過時間を計測する。
軌道情報記録部46は、例えば、記録処理回路によって実現される。
軌道情報記録部46は、移動体1の軌道を示す軌道情報などを記録している。
軌道計算部47は、パーソナルコンピュータなどの計算機、あるいは、軌道計算回路などによって実現される。
軌道計算部47は、軌道情報記録部46に記録されている軌道情報に基づいて、移動体1が存在している将来の時刻の位置を予測する処理を実施する。
計画装置48は、パーソナルコンピュータなどの計算機によって実現される。
計画装置48は、軌道計算部47により予測された位置に基づいて、将来の時刻における結像光学系11の指向方向及び送受信部31の指向方向などを計算する装置である。
制御装置49は、パーソナルコンピュータなどの計算機によって実現される。
制御装置49は、カウンタ45により計測された経過時間及び計画装置48の計算結果に基づいて、結像光学系11の指向方向を示す制御信号を指向装置16に出力するとともに、送受信部31の指向方向を示す制御信号を指向装置33に出力する。
また、制御装置49は、カウンタ45により計測された経過時間に基づいて、強度画像取得部13、波面計測部15、距離画像取得部32及び画像変形部41のそれぞれを制御する装置である。
ここで、波面推定回路、画像変形回路、移動体復元回路及び軌道計算回路のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
また、記録処理回路は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、あるいは、DVD(Digital Versatile Disc)が該当する。
図3は、実施の形態1による移動体観測装置の外観を示す斜視図である。
図3において、図1及び図2と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
筐体51は、結像光学系11、光束分割部12、強度画像取得部13、リレー光学系14、空間分割部21、シャッタ24及び光検出器25を実装している。
筐体52は、波面推定部26、距離画像取得部32、画像変形部41、移動体復元部42、記録装置43、時刻校正部44、カウンタ45、軌道情報記録部46、軌道計算部47、計画装置48及び制御装置49を実装している。
レンズなどの光学部品及び人間の瞳などは、光が透過する。また、鏡などの光学部品は、光を反射させる。光が光学部品等を透過することで、光の位相分布が変化し、光が光学部品に反射されることで、光の位相分布が変化する。
地球の大気は、酸素、窒素及び水蒸気などの媒質によって構成されており、レンズなどの光学部品と同様に、光が透過する。
酸素等の媒質は、温度の変化及び気圧の変化に伴って屈折率が変動するため、地球の大気を透過する光の位相分布は、温度の変化及び気圧の変化に伴って変化する。光は、電磁波であるため、光の位相分布は、波面として捉えることが可能である。
図1に示す望遠鏡装置10は、大気の外、あるいは、大気中に存在している移動体1に反射された光束2又は移動体1から送信された光束2を受信することで、波面を推定する装置であり、望遠鏡装置10により推定される波面は、酸素等の媒質の屈折率が変化することで変化する。
媒質の屈折率の変化自体は小さいが、光が伝搬される光路が長くなると、屈折率の変化は、光の波長と比較して、無視できない大きさとなるため、波面の推定においては、大気のゆらぎの影響を強く受ける。
また、地上の大気は、太陽からの輻射の影響及び熱輸送の影響を受けるとともに、地球の自転の影響を受けるため、地上と上空の間には、大気の層が形成される。大気の層を透過してくる光の波面は、複雑に乱れる。
一方、レーダ装置30により送受信されるレーダ波は、大気ゆらぎの影響をほとんど受けない。
図4は、望遠鏡装置10及びレーダ装置30のそれぞれが移動体1を観測している様子を示す説明図である。
図4において、図1及び図3と同一符号は同一又は相当部分を示している。
図4では、移動体1は、照明光源60である太陽からの光が照射されている。
移動体1により反射された太陽光である波長λの反射光は、地上と上空の間の大気層を透過して、望遠鏡装置10に到達する。図4は、地上と上空の間に2つの大気層がある例を示しており、101は第1の大気層、102は第2の大気層である。
結像光学系11が、入射された波長λの光束2を光検出器25の受光面25aに集光することで、光検出器25の受光面25aには、移動体1の像が形成される。
光束2が第1の大気層101及び第2の大気層102を透過する際に波面が乱されるため、移動体1の像は、仮に移動体1が点とみなせる物体であっても、広がってしまう。
したがって、結像光学系11の収差を要因とする移動体1の像の広がり及び光検出器25の分解能を要因とする移動体1の像の広がりを除外すれば、移動体1の像の広がりの要因は、大気ゆらぎである。移動体1が、広がりを有する物体である場合、結像光学系11の収差及び光検出器25の分解能を要因とする広がりを除外すれば、移動体1の像の広がりは、物体自体の広がりと、大気ゆらぎによる広がりで表される。数学的には物体自体の広がりが、波面が等しいとみなせる角度範囲及びアイソプラナテック角を満たす場合、像1の広がりは物体自体の広がりと大気揺らぎによる広がりの畳み込みで表される。
以上より、光検出器25により検出された複数の集光スポット像のそれぞれは、大気ゆらぎによって広がっており、複数の集光スポット像を示す強度画像は、図4に示すような強度画像62となる。
図4において、61は、望遠鏡装置10及びレーダ装置30から、移動体1を見たときの移動体1の形状を示している。
レーダ装置30は、波長λのレーダ波を送信してから、移動体1に反射されたレーダ波である反射波を受信するまでの時間から、移動体1までの距離を算出することができる。
図4において、L,L,Lのそれぞれは、移動体1におけるそれぞれの部位までの距離を示している。
レーダ装置30は、移動体1におけるそれぞれの部位までの距離を算出することで、図4に示すような距離画像63を得ることができる。
波長λのレーダ波は、大気ゆらぎの影響をほとんど受けないため、距離画像63は、大気ゆらぎによる像の広がりが生じていない画像となっている。
次に、図1に示す移動体観測装置について説明する。
図5は、図1に示す移動体観測装置の処理手順である移動体観測方法を示すフローチャートである。
指向装置16は、移動体1が望遠鏡装置10と相対的に移動している場合でも、結像光学系11が、移動体1に反射された光束2又は移動体1から送信された光束2を集光することができるようにするため、結像光学系11の指向方向を変更する。
指向装置33は、移動体1がレーダ装置30と相対的に移動している場合でも、送受信部31が、移動体1からの反射波を受信することができるようにするため、送受信部31の指向方向を変更する。
例えば、移動体1が恒星である場合、移動体1は、日周運動によって、1秒間に15秒角(=15/3600度)ほど、移動する。したがって、移動体1の追尾を可能にするには、指向装置16及び指向装置33のそれぞれが、指向方向を秒角精度で制御できる必要がある。
時刻校正部44は、指向装置16及び指向装置33のそれぞれが、指向方向を秒角精度で制御できるようにするため、GPS衛星から発信されるGPS信号又はNTPを用いて、内蔵のクロックの時刻を校正する。
カウンタ45は、時刻校正部44により校正されたクロックの時刻が或る時刻になると、或る時刻からの経過時間を計測する。
軌道計算部47は、軌道情報記録部46に記録されている軌道情報に基づいて、移動体1が存在している将来の時刻の位置を予測する。軌道情報が示す移動体1の軌道から、移動体1が存在している将来の時刻の位置を予測する処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
計画装置48は、軌道計算部47により予測された位置に基づいて、将来の時刻における結像光学系11の指向方向及び送受信部31の指向方向などを計算する。
移動体1の予測位置から指向方向を計算する処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
制御装置49は、カウンタ45により計測された経過時間と、計画装置48により計算された将来の時刻における結像光学系11の指向方向とに基づいて、結像光学系11の指向方向を示す制御信号を指向装置16に出力する。
また、制御装置49は、カウンタ45により計測された経過時間と、計画装置48により計算された将来の時刻における送受信部31の指向方向とに基づいて、送受信部31の指向方向を示す制御信号を指向装置33に出力する。
指向装置16は、制御装置49から出力された制御信号に従って結像光学系11の指向方向を変更する。
指向装置33は、制御装置49から出力された制御信号に従って送受信部31の指向方向を変更する。
結像光学系11は、移動体1に反射された光束2又は移動体1から送信された光束2が入射されると、光束2を集光する(図5のステップST1)。
光束分割部12は、結像光学系11により集光された光束2の光量等を2つに分割することで、光束2を2つに分割する。
光束分割部12は、分割後の一方の光束2を強度画像取得部13に出力し、分割後の他方の光束2をリレー光学系14に出力する。
強度画像取得部13は、光束分割部12から光束2を受けると、光束2から移動体1の像を検出し、移動体1の像を示す強度画像を画像変形部41に出力する(図5のステップST9)。
強度画像取得部13から画像変形部41に出力される強度画像には、移動体1の像の検出時刻を示す時刻情報が付加されている。
リレー光学系14は、空間分割部21のレンズアレイ23を結像光学系11の瞳と光学的に等価とする光学系であり、光束分割部12から光束2を受けると、光束2を空間分割部21の遮光部22に出力する。
空間分割部21は、リレー光学系14から光束2を受けると、光束2を複数の空間領域の光束2aに分割し、複数の空間領域の光束2aをシャッタ24に出力する(図5のステップST2)。
即ち、遮光部22は、リレー光学系14から光束2を受けると、光束2を部分的に遮光することで、光束2を複数の空間領域の光束2aに分割する。
遮光部22は、複数の空間領域の光束2aをレンズアレイ23に出力する。
レンズアレイ23に含まれているそれぞれのレンズ23aは、遮光部22からそれぞれの空間領域の光束2aを受けると、それぞれの空間領域の光束2aを光検出器25の受光面25aに集光する。
シャッタ24は、光検出器25により受光される光束2aの光量を調整するために、制御装置49から出力される制御信号に従ってレンズアレイ23から出力された光束2aの通過を時間的に制限する。
光検出器25での光束2aの露光時間がコヒーレンス時間よりも長くなると、大気の状態が変わるため、光検出器25により検出される移動体1の像の広がりが大きくなる。コヒーレンス時間は一般に1〜10ms程度である。
移動体1が高速で移動している場合、制御装置49は、光検出器25での光束2aの露光時間がコヒーレンス時間よりも短くなるように、シャッタ24における光束2aの通過時間を制御する。
制御装置49が、上記のように、シャッタ24における光束2aの通過時間を制御する場合、光検出器25により受光される光束2aの光量が少なくなってしまうことがある。光束2aの光量が少なくなってしまう場合、制御装置49が、シャッタ24において、光束2aの通過と遮光が複数回繰り返されるように制御することで、光検出器25が、複数回、移動体1の像を検出できるようにする。
光検出器25は、シャッタ24を通過してきたそれぞれの光束2から、移動体1の像として、集光スポット像を検出し、複数の集光スポット像を示す強度画像を波面推定部26に出力する(図5のステップST3)。
ここで、図6は、光検出器25により検出される移動体1の像を示す説明図である。
図6は、地上と上空の間に3つの大気層がある例を示しており、101は第1の大気層、102は第2の大気層、103は第3の大気層である。
図6では、結像光学系11及びリレー光学系14による光束の変化を省略している。
レンズアレイ23に含まれているそれぞれのレンズ23aが、それぞれの空間領域の光束2aを光検出器25の受光面25aに集光することで、光検出器25の受光面25aには、空間領域の個数分だけ、移動体1の像104が形成される。
光検出器25の受光面25aに形成される複数の像104は、大気のゆらぎを要因とする広がりを持っており、波面の推定に用いることができる。
移動体1が望遠鏡装置10と相対的に移動している場合、地上から移動体1を見る方向が異なると、光束2の伝搬経路が等しくなくなり、波面が、伝搬経路によって異なるようになる。
図7は、波面が伝搬経路によって異なる場合の光検出器25により検出される移動体1の像を示す説明図である。図7において、図6と同一符号は同一又は相当部分を示している。
光束4、光束5及び光束6のそれぞれは、移動体1に反射された光束又は移動体1から送信された光束である。光束4、光束5及び光束6は、途中の大気層の揺らぎの寄与が互いに異なっており、光束4の伝搬経路、光束5の伝搬経路及び光束6の伝搬経路は、互いに異なっている。
レンズアレイ23によって、光検出器25の受光面25aに集光される複数の空間領域の光束2aが、光束4、光束5及び光束6のそれぞれであるとみなすと、受光面25aには、光束4、光束5及び光束6のそれぞれによって移動体1の像105が形成される。
光検出器25の受光面25aに形成される複数の像105は、大気のゆらぎを要因とする広がりを持っており、波面の推定に用いることができる。
図8及び図9は、光検出器25により検出される移動体1の像と波面の関係を示す説明図である。
図8は、光束2が進行方向に対して広がらずに伝搬されている例を示し、図9は、光束2が進行方向に対して広がりながら伝搬されている例を示している。
図8及び図9において、105aは、光束2が進行方向に対して広がらずに伝搬されている場合の移動体1の像であり、105bは、光束2が進行方向に対して広がりながら伝搬されている場合の移動体1の像である。
光束2が進行方向に対して広がらずに伝搬されている場合、図8に示すように、レンズアレイ23のそれぞれのレンズ23aにより集光される移動体1の像105aの位置は、遮光部22により分割された複数の空間領域のそれぞれの位置と一致している。
光束2が進行方向に対して広がりながら伝搬されている場合、図9に示すように、レンズアレイ23のそれぞれのレンズ23aにより集光される移動体1の像105bの位置は、遮光部22により分割された複数の空間領域のそれぞれの位置とずれている。
波面106aは、移動体1の複数の像105aの位置から求められ、波面106bは、移動体1の複数の像105bの位置から求められる。
図8及び図9では、遮光部22により分割された複数の空間領域が格子状に配置されている例を示している。しかし、これに限るものではなく、例えば、複数の空間領域の配置がハニカム配置であってもよい。
図8及び図9では、遮光部22において、光束2が遮光される遮光領域、即ち、光束2が透過する透過領域以外の領域が、黒く塗られている例を示している。しかし、遮光部22において、遮光領域は、不要な光を透過させなければよく、黒以外の色が塗られていてもよい。
また、遮光部22において、遮光領域は、不要な光を吸収する着色又は加工が施されていてもよいし、不要な光を散乱する着色又は加工が施されていてもよい。
波面推定部26は、光検出器25から複数の集光スポット像を示す強度画像を受けると、強度画像が示す複数の集光スポット像の位置から、結像光学系11の開口における光束2の波面を推定する(図5のステップST4)。
図10は、波面推定部26の処理手順を示すフローチャートである。
以下、図10を参照しながら、波面推定部26の処理内容を具体的に説明する。
まず、波面推定部26は、光検出器25から複数の集光スポット像を示す強度画像を受けると、強度画像が示す複数の集光スポット像の位置から、結像光学系11の開口における光束2の波面の概算値を算出する(図10のステップST11)。
複数の集光スポット像の位置から、波面の概算値を算出する処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
複数の集光スポット像の位置から波面を推定する方法は、例えば、以下の非特許文献1に開示されている。
[非特許文献1]国立天文台報 vol.2 No.2
ここでは、制御装置49が、シャッタ24において、光束2aの通過と遮光が複数回繰り返されるように制御することで、光検出器25からN枚の強度画像が波面推定部26に出力されているものとする。
そして、波面推定部26は、N枚の強度画像のうち、n(n=1,2,・・・,N)枚目の強度画像が示す複数の集光スポット像の位置から、波面の概算値を算出しているものとする。
なお、移動体1が点像である場合、あるいは、移動体1が点像と近似できる場合、集光スポット像の位置として、点像の重心の位置を求める態様が考えられる。
また、移動体1が広がりのある物体である場合、波面は、複数の集光スポット像の間隔又は複数の集光スポット像の相対位置から求めることができる。したがって、集光スポット像の位置として、複数の集光スポット像の相互相関又は複数の集光スポット像の特徴的な位置の間隔を求める態様が考えられる。
波面推定部26は、n枚目の強度画像が示す複数の集光スポット像の位置から算出した概算値である波面の位相をΦ0,nとする。
波面推定部26は、以下の式(1)に示すように、結像光学系11の開口における光束2の波面の位相Φ(u,v)の初期値として、位相Φ0,nを用いることで、概算値よりも高精度な波面を推定する。(u,v)は、瞳空間の座標である。
Figure 0006771697
以下、高精度な波面の推定処理を説明する前に、高精度な波面の推定処理の原理及び移動体1の輝度分布推定処理の原理を説明する。
図11は、移動体1が望遠鏡装置10と相対的に移動している場合において、結像光学系11の開口と、複数の空間領域におけるそれぞれの開口と、移動体1の像105との関係を示す説明図である。
(u,v)は、結像光学系11の開口である。
(u,v)、M(u,v)、・・・、M(u,v)のそれぞれは、複数の空間領域におけるそれぞれの開口である。M(u,v)における添え字のMは、2以上の整数であり、例えば、m=1,2,・・・,Mである。
波面収差と瞳上の振幅分布で表される瞳関数Gm,n(u,v)は、以下の式(2)に示すように、n枚目の強度画像に対応する、結像光学系11の開口における光束2の波面の位相Φ(u,v)と、開口M(u,v)とで表される。
Figure 0006771697
開口M(u,v)は、既知であり、位相Φ(u,v)の初期値は、概算値である波面の位相Φ0,nであるため、瞳関数Gm,n(u,v)は、位相Φ(u,v)と開口M(u,v)から算出される。
また、位相Φ(u,v)と、波面W(u,v)との関係は、以下の式(3)で表される。
Figure 0006771697
式(3)において、λは、波長である。
振幅広がり関数am,n(u,v)は、以下の式(4)に示すように、瞳関数Gm,n(u,v)が逆フーリエ変換されることで得られる。
Figure 0006771697
式(4)において、F−1は、逆フーリエ変換を表す記号である。
点像強度分布を示す点広がり関数km,n(x,y)は、以下の式(5)に示すように、振幅広がり関数am,n(u,v)と、振幅広がり関数am,n(u,v)の複素共役との積で表される。(x,y)は、実空間の座標である。
Figure 0006771697
移動体1の輝度分布がo(p,q)、光検出器25で生じるノイズがem,n(x,y)で表されるとすると、m番目の空間領域の開口M(u,v)に対応する移動体1の像im,n(x,y)は、以下の式(6)で表される。(p,q)は、移動体1が存在している位置を示す実空間の座標である。
移動体1の輝度分布o(p,q)は、移動体1に反射される光束2の強度又は移動体1から送信される光束2の強度である。
Figure 0006771697
式(6)における畳み込み積分を“*”の記号で表記すると、式(6)は、以下の式(7)で表される。
Figure 0006771697
一般的には、移動体1の像im,n(x,y)は、点広がり関数km,n(x,y)と、移動体1の輝度分布o(p,q)との畳み込み積分で得られるが、式(6)及び式(7)には、光検出器25で生じるノイズem,n(x,y)が付加されている。
以下の式(8)は、移動体1の輝度分布o(p,q)と点像強度分布を示す点広がり関数km,n(x,y)とから得られる移動体1の像であるo(p,q)*km,n(x,y)と、移動体1の実測の像であるim,n(x,y)との差分の二乗和eを示している。
Figure 0006771697
式(8)において、点広がり関数km,n(x,y)は、式(2)、式(4)及び式(5)から得られる。したがって、式(8)において、未知の値は、移動体1の輝度分布o(p,q)のみである。
移動体1の輝度分布o(p,q)は、差分の二乗和eが最小になるo(p,q)を探索することで求まる。
移動体1は、望遠鏡装置10に対して相対的に運動しており、指向装置16が結像光学系11の指向方向を変更しても、移動体1と望遠鏡装置10の相対運動は、完全にはキャンセルできないものとする。
したがって、時刻tが変わることで、移動体1の相対位置が変わる。
時刻tが変わる回数と、波面推定部26が得る強度画像の枚数であるフレーム数とは、同じである必要はないが、フレーム数が例えば10であれば、10点の時刻の強度画像が得られることになるため、フレームの番号は、時刻の番号と対応する。
ここでは、移動体1の輝度分布o(p,q)は、フレームに依存しておらず、変化していないものとする。ただし、波面は、フレーム毎に、変化しているものとする。
移動体1の輝度分布o(p,q)を探索する際、差分の二乗和は、位相空間で考えることができる。
以下の式(9)は、式(8)がフーリエ変換されたものであり、式(8)に示す差分の二乗和eが、位相空間での差分の二乗和Eになっている。
Figure 0006771697
式(9)において、Im,n(u,v)は、im,n(x,y)のスペクトルであり、以下の式(10)のように表される。
Figure 0006771697
式(10)において、Fは、フーリエ変換を表す記号である。
式(9)において、O(u,v)は、o(p,q)のスペクトルであり、以下の式(11)のように表される。
Figure 0006771697
光検出器25で生じるノイズem,n(x,y)があるために、O(u,v)=im,n(u,v)/Km,n(u,v)のように表現することができないので、式(11)のように、表されている。
式(11)において、γは、解の安定化のために導入している係数である。
m,n(u,v)は、瞳関数Gm,n(u,v)の自己相関であり、以下の式(12)で表される。Km,n(u,v)は、規格化されていないが、光学伝達関数である。
Figure 0006771697
式(11)を式(9)に代入すると、以下の式(13)が得られる。
Figure 0006771697
式(13)に示す差分の二乗和Eは、開口M(p,q)と、位相Φ(p,q)と、移動体1の像im,n(x,y)のスペクトルIm,n(u,v)とで表されており、未知である移動体1の輝度分布o(p,q)のスペクトルO(u,v)に依存していない。
波面W(u,v)は、以下の式(14)に示す差分の二乗和Errが最小になる位相Φ(u,v)を求めれば、式(2)よって推定することができる。
Figure 0006771697
差分の二乗和Errが最小になる位相Φ(u,v)を求めることで、波面W(u,v)を推定する場合でも、移動体1の輝度分布o(p,q)を求めることが可能であるが、式(14)は、移動体1の輝度分布o(p,q)に依存していない。したがって、移動体1の輝度分布o(p,q)が実空間で0よりも大きい実数であるという、計算上の強い制約を与えられない。
移動体1の輝度分布o(p,q)が実空間で0よりも大きい実数であるという制約を与えるには、実空間における差分の二乗和eを示す式(8)に対して、さらに制約を与えればよい。
以下の式(15)は、実空間における差分rm,n(x,y)を示している。
Figure 0006771697
光検出器25が、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などのイメージセンサである場合、主なノイズは、ショットノイズと読み出しノイズである。
読み出しノイズは、正規分布に従い、中央値が0で、標準偏差がσであるとする。ショットノイズは、取得したフレームの輝度分布に比例する。
したがって、式(15)をノイズで規格化すると、式(16)のようになる。
Figure 0006771697
ノイズに対する実空間における差分rm,n(x,y)の比が、1よりも大きければ、ずれが大きく、1であれば、ずれがなく、1よりも小さければ、ずれが小さいことを意味する。
式(8)の代わりに、以下の式(17)に示す尤度関数を導入する。
Figure 0006771697
式(17)において、d(x,y)は、差分rm,n(x,y)に与える重みであり、例えば、ずれが大きいフレームは、信頼度が低いので、小さい重みが与えられる。
また、実空間上において、計算する領域の重みを1、計算を省略する領域の重みを0として、計算量を減らすことが可能である。
以上が、波面の推定処理の原理及び移動体1の輝度分布推定処理の原理である。
波面推定部26は、概算値である波面の位相をΦ0,nとすると、Φ0,nを、式(2)に示すΦ(u,v)の初期値に設定する。
波面推定部26は、式(2)、式(4)及び式(5)を算出することで、点像強度分布を示す点広がり関数km,n(x,y)を算出する(図10のステップST12)。
波面推定部26は、点広がり関数km,n(x,y)及び移動体1の像im,n(x,y)のそれぞれをフーリエ変換することで、光学伝達関数Km,n(u,v)及び移動体1の像im,n(x,y)のスペクトルIm,n(u,v)を得る(図10のステップST13)。
波面推定部26は、光学伝達関数Km,n(u,v)及びスペクトルIm,n(u,v)を式(14)に代入し、差分の二乗和Errを算出する(図10のステップST14)。
波面推定部26は、差分の二乗和Errを算出すると、位相の探索処理が収束しているか否かを判定する(図10のステップST15)。
位相の探索処理の収束判定として、例えば、算出した差分の二乗和Errが事前に設定されている第1の許容誤差以下であれば、収束していると判定する方法がある。収束していると判定したときの算出した差分の二乗和Errは、最小の二乗和Errである。第1の許容誤差は、例えば、波面推定部26の内部メモリ又は記録装置43に格納されているものとする。
また、位相の探索処理の収束判定として、例えば、位相Φ(u,v)を変更しながら、事前に設定された回数だけ差分の二乗和Errを算出し、算出した二乗和Errの中で、最小の二乗和Errを特定したら、収束していると判定する方法がある。
波面推定部26は、位相の探索処理が収束していなければ(図10のステップST15:NOの場合)、式(2)に示す位相Φ(u,v)を変更し(図10のステップST16)、変更後の位相Φ(u,v)を式(2)に設定する。
波面推定部26は、ステップST12〜ST15の処理を再度実施する。
変更後の位相Φ(u,v)は、未だ式(2)に設定していない位相であれば、どのような位相でもよいが、差分の二乗和Errが小さくなるような位相であることが望ましい。
波面推定部26は、位相の探索処理が収束していれば(図10のステップST15:YESの場合)、位相の探索処理を終了する。
波面推定部26は、位相の探索処理が終了すると、最小の二乗和Errが算出された位相Φ(u,v)を式(3)に代入することで、結像光学系11の開口における光束2の波面W(u,v)を推定する(図10のステップST17)。
推定された波面W(u,v)は、ステップST11で算出された概算値としての波面よりも高精度な波面である。
波面推定部26は、波面W(u,v)を記録装置43に出力する。波面推定部26から記録装置43に出力される波面W(u,v)には、波面W(u,v)の算出時刻を示す時刻情報が付加されている。
また、波面推定部26は、最小の二乗和Errが算出された位相Φ(u,v)に対応する点広がり関数km,n(x,y)を移動体復元部42に出力する。波面推定部26から移動体復元部42に出力される点広がり関数km,n(x,y)には、点広がり関数km,n(x,y)の算出時刻を示す時刻情報が付加されている。
ここでは、波面推定部26が、点広がり関数km,n(x,y)を移動体復元部42に出力しているが、波面W(u,v)を移動体復元部42に出力するようにしてもよい。
レーダ装置30は、移動体1に反射されたレーダ波を受信し、レーダ波に基づいて移動体1までの距離を示す距離画像を生成する(図5のステップST5)。
以下、レーダ装置30による距離画像の生成処理を具体的に説明する。
送受信部31は、マイクロ波又はミリ波などのレーダ波を移動体1に向けて送信するとともに、レーダ波を距離画像取得部32に出力する。
送受信部31は、移動体1に反射されたレーダ波を反射波として受信し、反射波を距離画像取得部32に出力する。
レーダ装置30から移動体1までの距離は、レーダ装置30がレーダ波を送信してから、反射波を受信するまでの時間に正比例する。
距離画像取得部32は、送受信部31からレーダ波が送信されてから、反射波を受信するまでの時間を計測する。
距離画像取得部32は、計測した時間に基づいて、移動体1までの距離を示す距離画像を生成し、距離画像を画像変形部41に出力する。
計測時間に基づいて距離画像を生成する処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
距離画像取得部32から画像変形部41に出力される距離画像には、距離画像の生成時刻を示す時刻情報が付加されている。
画像変形部41は、距離画像取得部32から出力された距離画像が、強度画像取得部13から出力された強度画像と整合するように、距離画像を変形し、変形後の距離画像を移動体復元部42に出力する(図5のステップST6)。
以下、画像変形部41による距離画像の変形処理を具体的に説明する。
まず、画像変形部41は、強度画像取得部13から異なる時刻の強度画像を順次取得し、距離画像取得部32から異なる時刻の距離画像を順次取得する。
画像変形部41は、例えば、生成時刻tの距離画像の変形処理を行う場合、取得した複数の強度画像の中から、検出時刻tが生成時刻tと最も近い強度画像を選択する。
次に、画像変形部41は、制御装置49から、望遠鏡装置10のステータス情報を取得するとともに、レーダ装置30のステータス情報を取得する。
望遠鏡装置10のステータス情報は、結像光学系11の指向方向及び強度画像の縮尺などを示す情報である。
レーダ装置30のステータス情報は、送受信部31の指向方向及び距離画像の縮尺などを示す情報である。
画像変形部41は、結像光学系11の指向方向を参照して、強度画像の向きを確認し、送受信部31の指向方向を参照して、距離画像の向きを確認する。
画像変形部41は、生成時刻tの距離画像の向きが、選択した強度画像の向きと一致するように、距離画像を回転等させるアフィン変換処理などを実施する。
また、画像変形部41は、アフィン変換処理などを実施した距離画像の縮尺が、選択した強度画像の縮尺と一致するように、当該距離画像の拡大処理又は当該距離画像の縮小処理を実施する。
ここでは、画像変形部41が、距離画像を変形させる処理として、アフィン変換処理と拡大処理又は縮小処理とを実施している。しかし、これは一例に過ぎず、画像変形部41が、距離画像を距離画像と整合させるために、距離画像を変形させる処理であれば、どのような処理でもよい。
また、画像変形部41が、距離画像取得部32から出力された距離画像が、強度画像取得部13から出力された強度画像と整合するように、距離画像を変形している。しかし、これは一例に過ぎず、画像変形部41が、距離画像取得部32から出力された距離画像が、光検出器25から出力された強度画像と整合するように、距離画像を変形するものであってもよい。
移動体復元部42は、画像変形部41から出力された距離画像と、強度画像取得部13から出力された強度画像と、光検出器25により検出された複数の集光スポット像あるいは波面推定部26から出力された点広がり関数km,n(x,y)とから、移動体1の輝度分布o(p,q)を推定する(図5のステップST7)。
ここでは、移動体復元部42が、点広がり関数km,n(x,y)を用いて、移動体1の輝度分布o(p,q)を推定しているが、波面推定部26から出力された波面W(u,v)を用いて、移動体1の輝度分布o(p,q)を推定するようにしてもよい。
移動体復元部42は、波面W(u,v)を用いて、移動体1の輝度分布o(p,q)を推定する場合、波面W(u,v)を式(3)に代入することで、位相Φ(u,v)を算出する。そして、移動体復元部42は、位相Φ(u,v)を式(2)に代入し、式(2)、式(4)及び式(5)を算出することで、点広がり関数km,n(x,y)を算出する。
移動体復元部42は、距離画像と、強度画像と、複数の集光スポット像あるいは算出した点広がり関数km,n(x,y)とから、移動体1の輝度分布o(p,q)を推定する。
以下、移動体復元部42による移動体1の輝度分布の推定処理を具体的に説明する。
図12は、移動体復元部42の処理手順を示すフローチャートである。
図13は、移動体復元部42による移動体1の輝度分布推定処理を示す説明図である。
図13において、距離画像111は、画像変形部41から出力された変形後の距離画像である。
強度画像112は、強度画像取得部13から出力された強度画像である。
まず、移動体復元部42は、画像変形部41から距離画像111を受けると、距離画像111から、移動体1が存在している領域を検出する(図12のステップST21)。
即ち、移動体復元部42は、距離画像111から、移動体1の輪郭を抽出する輪郭抽出処理を実施する。輪郭抽出処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
移動体復元部42は、抽出した輪郭の内側の領域を移動体1が存在している領域とし、輪郭の外側の領域を移動体1が存在していない領域とする。
次に、移動体復元部42は、図13に示すように、移動体1が存在している領域を包含する領域のみが、移動体1の輝度分布推定処理に用いる処理対象領域である旨を示すマスク画像113を生成する(図12のステップST22)。
処理対象領域は、移動体1が存在している領域を包含する領域であり、処理対象領域は、移動体1が存在している領域と一致する領域であってもよいし、移動体1が存在している領域も大きい領域であってもよい。移動体1が存在している領域も大きい領域としては、移動体1の影に対応するマージンだけ、抽出した移動体1の輪郭よりも大きい領域などが考えられる。マージンとしては、例えば、移動体1が存在している領域の約10%の大きさが考えられる。
移動体復元部42は、強度画像112から、マスク画像113における処理対象領域内の移動体1の像im,n(x,y)を抽出する(図12のステップST23)。図13に示す強度画像114は、強度画像112から抽出された処理対象領域内の移動体1の像im,n(x,y)を示す強度画像である。
移動体復元部42は、処理対象領域に含まれている1つ以上の移動体1の像im,n(x,y)の中から、1つの移動体1の像im,n(x,y)を選択する。
移動体復元部42は、選択した移動体1の像im,n(x,y)と、選択した移動体1の像im,n(x,y)に対応する点広がり関数km,n(x,y)とを式(16)に代入して、差分rm,n(x,y)を算出する。
移動体復元部42は、処理対象領域に含まれている1以上の移動体1の像im,n(x,y)をすべて選択して、差分rm,n(x,y)の算出が終了するまで、上記の処理を繰り返し実施する。
また、移動体復元部42は、算出した全ての差分rm,n(x,y)を式(17)に代入して、差分の二乗和eを算出する(図12のステップST24)。
移動体復元部42は、式(17)において、処理対象領域内の差分rm,n(x,y)に対応する重みd(x,y)を1とし、処理対象領域外の差分rm,n(x,y)に対応する重みd(x,y)を0とする。
移動体復元部42は、差分の二乗和eを算出すると、移動体1の輝度分布推定処理が収束しているか否かを判定する(図12のステップST25)。
移動体1の輝度分布推定処理の収束判定として、例えば、算出した差分の二乗和eが事前に設定されている第2の許容誤差以下であれば、収束していると判定する方法がある。収束していると判定したときの算出した差分の二乗和eは、最小の二乗和eである。第2の許容誤差は、例えば、移動体復元部42の内部メモリ又は記録装置43に格納されているものとする。
また、移動体1の輝度分布推定処理の収束判定として、例えば、移動体1の輝度分布o(p,q)を変更しながら、事前に設定された回数だけ差分の二乗和eを算出し、算出した二乗和eの中で、最小の二乗和eを特定したら、収束していると判定する方法がある。
移動体復元部42は、移動体1の輝度分布推定処理が収束していなければ(図12のステップST25:NOの場合)、式(16)に示す移動体1の輝度分布o(p,q)を変更し(図12のステップST26)、ステップST24〜ST25の処理を再度実施する。
変更後の輝度分布o(p,q)は、未だ式(16)に設定していない輝度分布であれば、どのような輝度分布でもよいが、差分の二乗和eが小さくなるような輝度分布であることが望ましい。
移動体復元部42は、移動体1の輝度分布推定処理が収束していれば(図12のステップST25:YESの場合)、移動体1の輝度分布推定処理結果として、最小の二乗和eが算出された移動体1の輝度分布o(p,q)を記録装置43に出力する(図12のステップST27)。
以上の実施の形態1は、移動体復元部42が、レーダ装置30により生成された距離画像から、移動体1が存在している領域を検出し、光検出器25により検出された複数の集光スポット像のうち、移動体1が存在している領域内の集光スポット像と、波面推定部26により推定された波面とから、移動体1の輝度分布を推定するように、移動体観測装置を構成した。したがって、移動体観測装置は、レンズレットアレイなどの高速移動を実現する制御機構を実装することなく、移動体1の輝度分布を推定することができる。
実施の形態2.
実施の形態1の移動体観測装置では、移動体復元部42が、距離画像111から、移動体1の輪郭を抽出し、輪郭の内側の領域を移動体1が存在している領域としている。
実施の形態2では、移動体復元部70が、距離画像111に含まれている複数の画素の中で、第1の閾値よりも大きく、かつ、第2の閾値よりも小さい距離値を有する画素が集まっている領域を移動体1が存在している領域として検出する移動体観測装置を説明する。
図14は、実施の形態2による移動体観測装置を示す構成図である。
図14において、図1と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
移動体復元部70は、パーソナルコンピュータなどの計算機、あるいは、移動体復元回路などによって実現される。
移動体復元部70は、軌道情報記録部46から軌道情報を取得し、軌道情報に基づいて、距離の下限を示す第1の閾値Lref1及び距離の上限を示す第2の閾値Lref2をそれぞれ決定する処理を実施する。
移動体復元部70は、距離画像111に含まれている複数の画素の中で、第1の閾値Lref1よりも大きく、かつ、第2の閾値Lref2よりも小さい距離値を有する画素が集まっている領域を移動体1が存在している領域として検出する処理を実施する。
移動体復元部70は、光検出器25により検出された複数の集光スポット像のうち、移動体1が存在している領域内の集光スポット像と、波面推定部26により推定された波面とから、移動体1の輝度分布を推定する処理を実施する。
次に、図14に示す移動体観測装置について説明する。ただし、移動体復元部70以外は、図1に示す移動体観測装置と同様であるため、ここでは、移動体復元部70の処理内容だけを説明する。
まず、移動体復元部70は、軌道情報記録部46から軌道情報を取得する。
移動体1が、地球の軌道を周回している隕石、宇宙ゴミ、人工衛星などである場合、移動体1に対する重力は、主に地球による重力である。
移動体1と地球の2対問題であると仮定すると、移動体1の運動の軌跡は、図15に示すように、二次曲線で表される。移動体1の運動の軌跡は、軌道に相当する。二次曲線は、例えば、法物線、双曲線又は楕円のいずれかである。
図15は、移動体1の軌道を示す説明図である。
ここで、恒星及び彗星などの天体の軌道を示す軌道情報は、既知とする。また、人工衛星及び国際宇宙ステーションなどの移動体の軌道を示す軌道情報も、ここでは既知とする。
図16は、移動体復元部70による移動体1の輝度分布推定処理を示す説明図である。
図16において、図13と同一符号は同一又は相当部分を示している。
距離画像111において、L,L,Lのそれぞれは、図4に示すように、レーダ装置30から移動体1におけるそれぞれの部位までの距離を示している。L<L<Lである。
移動体復元部70は、軌道情報を参照して、移動体1の位置を特定する。
移動体復元部70は、レーダ装置30の位置と移動体1の位置とから、レーダ装置30から移動体1までの距離の概算値を算出する。
移動体復元部70は、移動体1における外形寸法の最大値の1.0〜2.5倍などをαとして、(距離の概算値−α)を第1の閾値Lref1に設定し、(距離の概算値+α)を第2の閾値Lref2に設定する。この設定は、一例に過ぎず、第1の閾値Lref1及び第2の閾値Lref2は、他の方法で設定してもよいことは言うまでもない。
移動体1における外形寸法の最大値は、例えば、移動体1が横長の物体であれば、移動体1の横寸法であり、例えば、移動体1が縦長の物体であれば、移動体1の縦寸法である。
ここでは、説明の便宜上、Lref1<L<L<L<Lref2であるものとする。
移動体復元部70は、図16に示すように、距離画像111に含まれている複数の画素の中で、第1の閾値Lref1よりも大きく、かつ、第2の閾値Lref2よりも小さい距離値を有する画素が集まっている領域を特定する。
移動体復元部70は、特定した領域の内側の領域を移動体1が存在している領域とし、特定した領域の外側の領域を移動体1が存在していない領域とする。
次に、移動体復元部70は、図16に示すように、移動体1が存在している領域を包含する領域のみが、移動体1の輝度分布推定処理に用いる処理対象領域である旨を示すマスク画像113を生成する。
処理対象領域は、移動体1が存在している領域を包含する領域であり、処理対象領域は、移動体1が存在している領域と一致する領域であってもよいし、移動体1が存在している領域も大きい領域であってもよい。移動体1が存在している領域も大きい領域としては、移動体1の影に対応するマージンだけ、抽出した移動体1の輪郭よりも大きい領域などが考えられる。
以下、移動体復元部70は、図1に示す移動体復元部42と同様に、移動体1が存在している領域内の集光スポット像と、波面推定部26から出力された点広がり関数km,n(x,y)とから、移動体1の輝度分布o(p,q)を推定する。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
この発明は、移動体の輝度分布を推定する移動体観測装置及び移動体観測方法に適している。
1 移動体、2,2a,4,5,6 光束、10 望遠鏡装置、11 結像光学系、12 光束分割部、13 強度画像取得部、14 リレー光学系、15 波面計測部、16 指向装置、21 空間分割部、22 遮光部、23 レンズアレイ、23a レンズ、24 シャッタ、25 光検出器、25a 光検出器の受光面、26 波面推定部、30 レーダ装置、31 送受信部、32 距離画像取得部、33 指向装置、40 運用装置、41 画像変形部、42 移動体復元部、43 記録装置、44 時刻校正部、45 カウンタ、46 軌道情報記録部、47 軌道計算部、48 計画装置、49 制御装置、51,52 筐体、60 照明光源、61 移動体1の形状、62 強度画像、63 距離画像、70 移動体復元部、101 第1の大気層、102 第2の大気層、103 第3の大気層、104,105,105a,105b 移動体の像、106a,106b 波面、111 距離画像、112,114 強度画像、113 マスク画像。

Claims (7)

  1. 移動体に反射された光束又は前記移動体から送信された光束を集光する結像光学系と、
    前記結像光学系により集光された光束を複数の空間領域の光束に分割し、前記複数の空間領域の光束のそれぞれを集光する空間分割部と、
    前記空間分割部により集光されたそれぞれの光束から、前記移動体の像として、集光スポット像を検出する光検出器と、
    前記光検出器により検出された複数の集光スポット像の位置から、前記結像光学系の開口における光束の波面を推定する波面推定部と、
    前記移動体に反射されたレーダ波を受信し、前記レーダ波に基づいて前記移動体までの距離を示す距離画像を生成するレーダ装置と、
    前記レーダ装置により生成された距離画像から、前記移動体が存在している領域を検出し、前記光検出器により検出された複数の集光スポット像のうち、前記移動体が存在している領域内の集光スポット像と、前記波面推定部により推定された波面とから、前記移動体の輝度分布を推定する移動体復元部と
    を備えた移動体観測装置。
  2. 前記結像光学系により集光された光束から、前記移動体の像を検出し、前記移動体の像を示す強度画像を出力する強度画像取得部を備え、
    前記レーダ装置により生成された距離画像が前記強度画像と整合するように、前記距離画像を変形し、変形後の距離画像を前記移動体復元部に出力する画像変形部を備えたことを特徴とする請求項1記載の移動体観測装置。
  3. 前記レーダ装置により生成された距離画像が前記光検出器により検出された複数の集光スポット像を示す強度画像と整合するように、前記距離画像を変形し、変形後の距離画像を前記移動体復元部に出力する画像変形部を備えたことを特徴とする請求項1記載の移動体観測装置。
  4. 前記移動体復元部は、前記レーダ装置により生成された距離画像から、前記移動体の輪郭を抽出し、前記輪郭の内側の領域を前記移動体が存在している領域として検出することを特徴とする請求項1記載の移動体観測装置。
  5. 前記移動体復元部は、
    前記移動体の軌道を示す軌道情報に基づいて、距離の下限を示す第1の閾値及び距離の上限を示す第2の閾値をそれぞれ決定し、
    前記距離画像に含まれている複数の画素の中で、前記第1の閾値よりも大きく、かつ、前記第2の閾値よりも小さい距離値を有する画素が集まっている領域を前記移動体が存在している領域として検出することを特徴とする請求項1記載の移動体観測装置。
  6. 前記波面推定部は、前記光検出器により検出された複数の集光スポット像の位置から、前記結像光学系の開口における光束の波面の概算値を算出し、前記概算値を用いて、前記複数の集光スポット像の点像強度分布を算出し、前記点像強度分布と前記複数の集光スポット像とから、前記波面を推定することを特徴とする請求項1記載の移動体観測装置。
  7. 結像光学系が、移動体に反射された光束又は前記移動体から送信された光束を集光し、
    空間分割部が、前記結像光学系により集光された光束を複数の空間領域の光束に分割して、前記複数の空間領域の光束のそれぞれを集光し、
    光検出器が、前記空間分割部により集光されたそれぞれの光束から、前記移動体の像として、集光スポット像を検出し、
    波面推定部が、前記光検出器により検出された複数の集光スポット像の位置から、前記結像光学系の開口における光束の波面を推定し、
    レーダ装置が、前記移動体に反射されたレーダ波を受信し、前記レーダ波に基づいて前記移動体までの距離を示す距離画像を生成し、
    移動体復元部が、前記レーダ装置により生成された距離画像から、前記移動体が存在している領域を検出し、前記光検出器により検出された複数の集光スポット像のうち、前記移動体が存在している領域内の集光スポット像と、前記波面推定部により推定された波面とから、前記移動体の輝度分布を推定する
    移動体観測方法。
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