JP6771249B1 - 口腔内マッサージ器 - Google Patents
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Description
また、口腔内マッサージ器において、把持部の空気流通路を流通する空気の圧力値は、空気供給源側において予め設定されている。このとき、口腔内マッサージ器の使用途中において、凹部分の吐出口から吐出される空気の圧力が高過ぎる場合や、口腔内のマッサージ対象部位に応じて凹部分の吐出口から吐出される空気の圧力を弱める等の調整を行いたい場合が考えられる。しかし、そのような場合であっても、口腔内マッサージ器の使用時は把持部を把持した状態であるため、空気供給源側の設定を変更して空気の圧力を低下させることは困難である。そこで、本構成では、把持部は空気流通路から分岐する分岐孔を有し、分岐孔は把持部の外面に設けられた開閉可能な分岐口を含んでいる。本構成によれば、把持部の外面の分岐口を開操作することで、空気流通路を流通する空気の一部を分岐口から外部に排出することができる。これにより、空気供給源側で圧力の設定を変更しなくても、ヘッド部の凹部分の吐出口から吐出される空気の圧力を容易に低下させることができる。その結果、口腔内マッサージ器の操作性が向上する。
図1に示すように、口腔内マッサージ器10は、(以下、マッサージ器10と称する)は、例えば、歯科用診療装置1(以下、診療装置1と称する)に取り付けられる。施術者は、診療装置1にマッサージ器10を取り付けることで、被施術者に対してマッサージ器10による口腔内のマッサージを行なうことができる。
なお、空気供給源5の本体5aは診療装置1に内蔵されておらず、診療装置1とは別体に構成されていてもよい。
以上のように構成されたマッサージ器10の使用方法を説明する。施術者は、マッサージ器10を空気供給源5のホース5bに接続した後、例えば空気供給源5側の制御弁を操作して、把持部30の空気流通路31への空気の供給量(圧力)を設定する。その後、把持部30を持ち、ヘッド20を被施術者の口腔内に入れて、口腔内粘膜に凹部分25の周縁部分28を押し当てる。これにより、凹部分25と口腔内粘膜との間に貯留空間Sが形成される。この状態でフットスイッチ4をオンにすると、設定された圧力の空気が空気流通路31から吐出孔26及び吐出口27を介して貯留空間Sに供給される。空気が供給され続けることにより、貯留空間Sの圧力が高まる。このとき、貯留空間S内の口腔内粘膜と凹部分25の周縁部分28とが当該圧力を受ける。ここで、施術部22のうち凹部分25の周縁部分28が変形可能に構成されているので、貯留空間Sの圧力が所定値以上に高くなると、圧力を受けた周縁部分28は少なくとも一部が口腔内粘膜から離間する方向に変形する。周縁部分28が変形して周縁部分28と口腔内粘膜との間に間隙が生じると、貯留空間Sの空気が当該間隙から外部に排出されるので貯留空間Sの圧力が低下する。そうなると、口腔内粘膜から一時的に離間した周縁部分28は変形前の状態に戻るようになり、再び周縁部分28の全体が口腔内粘膜に当接し、貯留空間Sの圧力が高まる。貯留空間Sに空気が供給され続けて貯留空間Sにおいてこのような圧力変化が繰り返し発生することで、凹部分25の周縁部分28は口腔内粘膜に対して当接と離間とを短時間で繰り返して振動する。すなわち、ヘッド20は、貯留空間Sの圧力変化に応じて振動する。このとき、ヘッド20の周縁部分28の振動により、周縁部分28と対向する口腔内粘膜が繰り返し押圧刺激を受ける。また、それと同時に、貯留空間Sを構成している口腔内粘膜、すなわち、周縁部分28の内側の口腔内粘膜も貯留空間Sの空気圧の変動により繰り返し押圧刺激を受ける。これにより、口腔内粘膜に対してヘッド20の手動操作では実現できない細やかな押圧力をヘッド20の振動によって与えることができ、安定的なヘッド20の振動によるマッサージを行うことができる。また、貯留空間Sの圧力変化を利用してヘッド20を振動させる構成であるので、超音波振動や電気的刺激を用いることなく、口腔内粘膜においてマッサージ効果を得ることができる。その結果、マッサージ器10は安全な構成によって口腔内粘膜をマッサージすることができる。
第1実施形態のマッサージ器10では、図2及び図7に示されるように、施術部22において凹部分25の基端側の内壁部25aが首部21によって支持されている。この場合、凹部分25の周縁部分28のうち首部21に近い部位は首部21によって振動が規制されることがある。そこで、第2実施形態では、図8に示すように、施術部22の第二面24に首部21の先端側が接続されている。ヘッド20は施術部22が椀状に形成され、施術部22の第一面23に凹部分25が形成されている。第二面24は湾曲しており、第二面24の頂部24aに首部21の先端側が接続されている。第1実施形態の第三面29に相当する面はない。吐出孔26は、首部21及び施術部22の第二面24の内部に亘って形成され、凹部分25の底部25bに吐出口27が設けられる。本構成により、凹部分25の周縁部分28は、全周に亘って施術部22の支持部分である首部21から大きく離間する。その結果、貯留空間Sの圧力変化を受けたとき、周縁部分28は、全周に亘って振動し易くなる。なお、第2実施形態のマッサージ器10の把持部30の構成は、第1実施形態と同様であるため、図及び説明を省略する。
図9に示すように、第3実施形態では、施術部22は、凹部分25が形成された第一面23と、第一面23の裏側に形成された第二面24と、第一面23と第二面24とに挟まれ第一面23と第二面24に垂直な第三面29とを有し、側面視において第二面24が湾曲している。湾曲した第二面24は、首部21よりも下方に膨らんで突出している。また、第二面24は図9の紙面に垂直な方向にも湾曲している。すなわち、第二面24は、球面のように、最も下方に突出した部分から全方向に凸に湾曲している。また、首部21は、施術部22の基端部22aに接続されている。本構成によれば、マッサージ器10は、凹部分25を有する第一面23とは別に、湾曲する第二面24を口腔内粘膜に押し当てることで口腔内粘膜をマッサージすることもできる。すなわち、マッサージ器10は、凹部分25の周縁部分28による第一面23によるマッサージと、湾曲する第二面24によるマッサージとを併用することができる。第二面24を使用してマッサージを行う場合、空気によるマッサージはできないが、湾曲する第二面24を口腔内粘膜に押し付けて刺激を与えるマッサージが可能になる。また、このような構成であれば、マッサージ器10と空気供給源5との接続を解除する等、凹部分25に空気が供給できない状態であっても、第二面24を用いることで口腔内粘膜をマッサージすることもできる。その結果、マッサージ器10は、マッサージ機能を向上させることができる。
図10に示すように、第4実施形態では、施術部22において、凹部分25の周縁部分28が凹部28aと凸部28bとが繰り返される凹凸形状で構成されている。本構成によれば、口腔内粘膜に対して凸部28bによる押圧を行うことができる。これにより、口腔内粘膜に対して周縁部分28の接触面積が減少するので、凸部28bによる押圧力が増すことになり、口腔内粘膜に対し押圧刺激を増大させることができる。
第4実施形態のヘッド20の変形例について図11を参照して説明する。図11に示すように、本変形例では、ヘッド20は、施術部22において凹部分25の周縁部分28に半球状の凹部28cが所定間隔毎に形成されている。本構成によれば、周縁部分28に凹部28cを設けるだけでよいので、周縁部分28において凹凸形状を容易に形成することができる。また、凹部28cのサイズや凹部28cの配置を適宜変更することで、周縁部分28において口腔内粘膜に当接する部位の面積を容易に調整することができる。
図12に示すように、第5実施形態では、側面視で、施術部22の第一面23が凹部分25の底部25bに近づく方向に湾曲している。すなわち、周縁部分28は、第一面23が平面であるときの仮想線Fを基準とした場合に、凹部分25の底部25b寄りに湾曲する形状である。また、第二面24も、首部21よりも下方に膨らんで突出しており、第3実施形態と同様、球面のように、最も下方に突出した部分から全方向に凸に湾曲している。凹部分25の周縁部分28をこのような形状にすることで、例えば口腔内粘膜において盛り上がった部位等の局所にマッサージを行う場合に、当該局所に凹部分25の周縁部分28を当接させ易くなる。したがって、口腔内粘膜と凹部分25の周縁部分28とによって貯留空間Sを確実に形成することができる。さらに、施術部22は全体として、先端側に向かうにつれて、首部21の延設方向の軸線Xに対して第一面23の側に向けて軸線Xから離れる方向に反る形状で構成されている。こうすると、口腔内の奥側の粘膜等の局所に対してマッサージをするときに、首部21が邪魔にならず、施術部22を当接させ易くなる。また、図示しないが、施術部22は、図12と同じ形状のまま、先端側に向かうにつれて、首部21の延設方向の軸線Xに対して第二面24の側に向けて軸線Xから離れる方向に反る形状であってもよいし、第1実施形態等と同様に、軸線Xに沿う形状であってもよい。
図13及び図14に示すように、第6実施形態では、第5実施形態と異なり、側面視で、施術部22の第一面23が凹部分25の底部25bから離れる方向に湾曲している。すなわち、周縁部分28は、第一面23が平面であるときの仮想線Fを基準とした場合に、凹部分25の底部25bから離間するように湾曲する形状である。一方、第二面24は、首部21よりも下方に膨らんで突出しており、第3実施形態と同様、球面のように、最も下方に突出した部分から全方向に凸に湾曲している。凹部分25の周縁部分28をこのような形状にすると、例えば口腔内粘膜において窪みがある部位等の局所にマッサージを行う際に、当該局所に凹部分25の周縁部分28を当接させ易くなる。これにより、口腔内粘膜の局所に貯留空間Sを形成して口腔内粘膜をマッサージすることができる。
図15及び図16に示すように、第7実施形態では、ヘッド20の施術部22において凹部分25が先端寄りに形成されている。図15に示す例では、施術部22の先端の部分を点A、施術部22の基端の部分を点B、軸線X上で点Aからの距離と点Bからの距離とが等しい位置を点Cで表している(AC=BC)。第一面23には、吐出口27を有し吐出孔26と連通した凹部分25と、吐出孔26とは連通していない第2凹部分40が形成されている。施術部22において凹部分25が先端寄りとは、平面視において、点Cを通って軸線Xに垂直な仮想線Yを引いたときに、仮想線Yよりも点A側にある凹部分25の占有領域の方が仮想線Yよりも点B側にある凹部分25の占有面積よりも大きいことを意味する。本実施形態のように、凹部分25が施術部22の先端寄りに形成されることで、ヘッド20の先端側に凹部分25が配置されることになる。これにより、凹部分25を口腔内の奥側の粘膜等の局所に容易に移動操作して凹部分25の周縁部分28によるマッサージを行うことができる。また、施術部22の先端側を用いて口腔内粘膜の局所を集中的にマッサージすることもできる。その結果、マッサージ器10の操作性が向上する。図15及び図16に示す例では、施術部22には凹部分25と首部21との間に第2凹部分40が形成されている。第2凹部分40は、周縁部分28のうち凹部分25の首部21寄りの部位28eの振動を確保するために設けられている。施術部22は第2凹部分40を設けずに構成してもよい。
(1)上記の実施形態では、平面視において、凹部分25が施術部22の先端側が幅広の涙滴形状に形成した例(図4)や、凹部分25が涙滴形状を半分にした形状に形成された例(図15)を示したが、凹部分25の形状は円形でもよく、他の形状であってもよい。
図17に示すように、凹部分25の形状は、例えば三角形状であってもよい。
10 :口腔内マッサージ器
20 :ヘッド
21 :首部
22 :施術部
22a :基端部
23 :第一面
24 :第二面
24a :頂部
25 :凹部分
26 :吐出孔
27 :吐出口
28 :周縁部分
30 :把持部
31 :空気流通路
32 :基端部
33 :軸孔
35 :外面
36 :分岐孔
37 :分岐口
38 :蓋部
39 :操作部
F :仮想線
S :貯留空間
X :軸線
Y :仮想線
Claims (5)
- ヘッドと、前記ヘッドの基端側に接続された把持部と、を備えた口腔内マッサージ器であって、
前記把持部は、空気供給源に接続可能であり、内部に前記空気供給源から供給される空気が流通可能な空気流通路を有し、
前記ヘッドは、内方に窪んだ凹部分を含む施術部を有するとともに、前記空気流通路に連通する吐出孔を有し、前記吐出孔は前記凹部分に設けられ前記空気流通路を流通した空気が吐出する吐出口を含んでおり、
前記施術部における前記凹部分の周縁部分を口腔内粘膜に押し当てることで、前記凹部分と前記口腔内粘膜とは前記吐出口から吐出された空気の貯留空間を形成し、
前記ヘッドは、前記貯留空間の圧力変化に応じて振動可能に構成され、
前記把持部は前記空気流通路から分岐する分岐孔を有し、前記分岐孔は前記把持部の外面に設けられた開閉可能な分岐口を含んでいる口腔内マッサージ器。 - 前記ヘッドの先端側は、前記凹部分の開口部を上方に向けた状態での平面視で湾曲している請求項1に記載の口腔内マッサージ器。
- 前記凹部分は、前記凹部分の開口部を上方に向けた状態での平面視において、前記ヘッドの延設方向に沿う前記施術部の長さを二等分するように前記ヘッドの延設方向に対して垂直な仮想線を引いたときに、前記仮想線よりも前記施術部の先端側にある前記凹部分の占有面積が前記仮想線よりも前記施術部の基端側にある前記凹部分の占有面積よりも大きい請求項1又は2に記載の口腔内マッサージ器。
- 前記分岐孔は、前記把持部の外面における開口面積を変更可能に構成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の口腔内マッサージ器。
- 前記施術部は、前記凹部分が形成された第一面と、前記第一面の裏側に形成された第二面とを有し、
前記第二面が湾曲している請求項1から4のいずれか一項に記載の口腔内マッサージ器。
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