JP6770333B2 - ナトリウムイオン二次電池用電極活物質およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、酸化物イオンの固相レドックス反応により容量を発現するナトリウム含有複合酸化物を含むナトリウムイオン二次電池用電極活物質およびその製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池に代わり、資源量が豊富で安価なナトリウムを主要原料とするナトリウムイオン二次電池の開発が進められている。ナトリウムイオン二次電池用の電極活物質としては、NaCrO2のようなナトリウム含有複合酸化物の研究が活発であるが、十分な高容量を得ることはできていない。
一方、ナトリウム含有複合酸化物の酸化物イオンの固相レドックス反応を利用して高容量を達成する試みも成されている(非特許文献1、2)。
Nature Materials, 12, 228(2012) Electrochemistry Communications, 53, 29(2015)
本発明の目的の一つは、酸化物イオンの固相レドックス反応により容量を発現する新規なナトリウム含有複合酸化物を含むナトリウムイオン二次電池用電極活物質を提供することである。
本発明の一局面は、酸化物イオンの固相レドックス反応により容量を発現するナトリウム含有複合酸化物を含み、前記ナトリウム含有複合酸化物が、一般式(I):x[A3MeO4-δ]−(1−x)[AMnO2-γ]で表され、0<x<1、−0.2≦δ≦0.2および−0.1≦γ≦0.1を満たし、Aは、ナトリウムおよびリチウムよりなる群から選択される少なくとも1種であり、かつAの50モル%以上がナトリウムであり、Meは、Nb、Mo、TiおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種である、ナトリウムイオン二次電池用電極活物質に関する。
以下、上記ナトリウム含有複合酸化物を、MeMn複合酸化物とも称する。
本発明の別の局面は、酸化物イオンの固相レドックス反応により容量を発現するナトリウム含有複合酸化物を含むナトリウムイオン二次電池用電極活物質の製造方法であって、(i)酸化物イオンの固相レドックス反応により容量を発現するリチウム含有複合酸化物を調製する工程と、(ii)前記リチウム含有複合酸化物からリチウムの少なくとも一部を電気化学的に放出させる工程と、(iii)前記リチウムの少なくとも一部を放出させたリチウム含有複合酸化物にナトリウムを電気化学的に吸蔵させる工程と、を有し、前記ナトリウム含有複合酸化物が、一般式(I):x[A 3 MeO 4-δ ]−(1−x)[AMnO 2-γ ]で表され、0<x<1、−0.2≦δ≦0.2および−0.1≦γ≦0.1を満たし、Aは、ナトリウムおよびリチウムよりなる群から選択される少なくとも1種であり、かつAの50モル%以上がナトリウムであり、Meは、Nb、Mo、TiおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種であり、前記リチウム含有複合酸化物が、一般式(II):x[Li3MeO4-δ]−(1−x)[LiMnO2-γ]で表される、ナトリウムイオン二次電池用電極活物質の製造方法に関する。
本発明の更に別の局面は、酸化物イオンの固相レドックス反応により容量を発現するナトリウム含有複合酸化物を含むナトリウムイオン二次電池用電極活物質の製造方法であって、(i)ナトリウム、MeおよびMnを含む原料を焼成して、固相反応により、ナトリウム含有複合酸化物を調製する工程、を有し、前記ナトリウム含有複合酸化物が、一般式(III):x[Na3NbO4-δ]−(1−x)[NaMnO2-γ]で表され、0<x<1、−0.2≦δ≦0.2および−0.1≦γ≦0.1を満たし、Meは、Nb、Mo、TiおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種である、ナトリウムイオン二次電池用電極活物質の製造方法に関する。
本発明に係るナトリウム含有複合酸化物を含む電極活物質によれば、酸化物イオンの固相レドックス反応による容量を利用できるため、高容量なナトリウムイオン二次電池の提供が可能となる。
本発明の実施形態に係るナトリウムイオン二次電池の一例の縦断面図である。 Na3NbO4とNaMnO2との混合物のXRDパターン(a)、固相法により得られたMeMn複合酸化物(Na1.3Nb0.3Mn0.42)のXRDパターン(b)およびイオン交換法により得られたMeMn複合酸化物(Na1.3Nb0.3Mn0.42)のXRDパターン(c)を示す図である。 固相反応とメカニカルミリングにより得られたMeMn複合酸化物(Na1.3Nb0.3Mn0.42)を含み、金属ナトリウムを対極とするセルA2の1.2V−4.0Vにおける充放電曲線を示す図である。 Na3NbO4とNaMnO2との混合物を含み、金属ナトリウムを対極とするセルB1の1.2V−4.5Vにおける充放電曲線を示す図である。
[発明の実施形態の説明]
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施形態に係るナトリウムイオン二次電池用電極活物質は、酸化物イオンの固相レドックス反応により容量を発現するナトリウム含有複合酸化物を含む。ナトリウム含有複合酸化物は、一般式(I):x[A3MeO4-δ]−(1−x)[AMnO2-γ]で表され、0<x<1、−0.2≦δ≦0.2および−0.1≦γ≦0.1を満たす。Aは、ナトリウムおよびリチウムよりなる群から選択される少なくとも1種であり、かつ少なくともナトリウムを含み、Meは、Nb、Mo、TiおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種である。
(2)上記ナトリウム含有複合酸化物(MeMn複合酸化物)は、通常、カチオン不規則配列型の岩塩型結晶構造を有する。
(3)MeMn複合酸化物において、xの範囲は、酸化物イオンの固相レドックス反応を有効利用する観点からは、0.1≦x<1を満たすことが好ましく、0.1≦x≦0.5を満たすことがより好ましい。
(4)次に、本発明の実施形態に係る酸化物イオンの固相レドックス反応により容量を発現するナトリウム含有複合酸化物を含むナトリウムイオン二次電池用電極活物質の第1の製造方法は、(i)酸化物イオンの固相レドックス反応により容量を発現するリチウム含有複合酸化物を調製する工程と、(ii)リチウム含有複合酸化物からリチウムの少なくとも一部を電気化学的に放出させる工程と、(iii)リチウムの少なくとも一部を放出させたリチウム含有複合酸化物にナトリウムを電気化学的に吸蔵させる工程と、を有する。ここで、リチウム含有複合酸化物は、一般式(II):x[Li3MeO4-δ]−(1−x)[LiMnO2-γ]で表される。ただし、一般式(II)は、0<x<1、−0.2≦δ≦0.2および−0.1≦γ≦0.1を満たし、Meは、Nb、Mo、TiおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種である。すなわち、MeMn複合酸化物は、リチウム含有複合酸化物を原料に用いて、イオン交換法により合成することができる。
(5)また、本発明の実施形態に係る酸化物イオンの固相レドックス反応により容量を発現するナトリウム含有複合酸化物を含むナトリウムイオン二次電池用電極活物質の第2の製造方法は、(i)ナトリウム、MeおよびMnを含む原料を焼成して、固相反応により、一般式(III):x[Na3NbO4-δ]−(1−x)[NaMnO2-γ]で表され、0<x<1、−0.2≦δ≦0.2および−0.1≦γ≦0.1を満たし、Meは、Nb、Mo、TiおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種である、ナトリウム含有複合酸化物を調製する工程、を有する。
(6)第2の製造方法は、更に、(ii)固相反応により得られたナトリウム含有複合酸化物をメカニカルミリングする工程、を有することが望ましい。
[発明の実施形態の詳細]
次に、本発明の実施形態について更に具体的に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
<電極活物質>
酸化物イオンの固相レドックス反応により容量を発現する遷移金属酸化物は、一般的な電荷補償機構である遷移金属イオンのレドックス反応に加え、酸化物イオンのレドックス反応を利用することができるため、高容量を発現する。しかし、明確に容量に寄与する程度の酸化物イオンのレドックス反応を発現する材料は限られている。
本実施形態に係る電極活物質は、酸化物イオンの固相レドックス反応により容量を発現するナトリウム含有複合酸化物(MeMn複合酸化物)を含む。MeMn複合酸化物は、一般式(I):x[A3MeO4-δ]−(1−x)[AMnO2-γ]で表される。ただし、Aは、ナトリウムおよびリチウムよりなる群から選択される少なくとも1種であり、かつ少なくともナトリウムを含み、Meは、Nb、Mo、TiおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種である。δおよびγは、A3MeO4およびAMnO2を基準にした場合の酸素の欠損または過剰量を示す実数であり、特に限定されないが、通常は−0.2≦δ≦0.2および−0.1≦γ≦0.1の範囲内であると考えられる。
一般式(I)は、A3MeO4-δとAMnO2-γとの混合物を意味するものではなく、AとMeとMnとを含む化合物を表している。すなわち、一般式(I)は、MeMn複合酸化物が、xモルのA3MeO4-δと(1−x)モルのAMnO2-γとの複合物であり、当該複合物に特有の結晶構造を有する化合物であることを表現している。なお、一般式(II)および(III)についても、同様に、混合物ではなく、特有の結晶構造を有する化合物を表現している。
Meは、ナトリウムを含んだ複合酸化物を形成しても電気化学的な高活性を得られないことがあるが、マンガン化合物と複合化すると、酸化物イオンの固相レドックス反応による容量を発現するようになる。例えば、Na3NbO4はほとんど不活性であるが、NaMnO2と複合化すると高活性を有する新規な材料が得られる。Na3NbO4とNaMnO2とを複合化した材料は、典型的なMeMn複合酸化物である。Meは、Nb、Mo、TiおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種であればよいが、中でも、Nbが有望であることが見出されている。
酸化物イオンの固相レドックス反応により容量を発現するMeMn複合酸化物の結晶構造は、A3MeO4の結晶構造と異なり、AMnO2の結晶構造とも異なる。例えば、典型的なMeMn複合酸化物であるx[Na3NbO4-δ]−(1−x)[NaMnO2-γ]の結晶構造は、典型的なナトリウムニオブ複合酸化物(Na3NbO4)の結晶構造とも、典型的なナトリウムマンガン複合酸化物(NaMnO2)の結晶構造とも異なる。MeMn複合酸化物のX線回折分析(XRD)の結果は、MeMn複合酸化物の結晶構造が、カチオン種であるNa、MeおよびMnが不規則に配列した岩塩型結晶構造であることを示している(図2(b)、(c)参照)。
MeMn複合酸化物に帰属される代表的なXRDのピークは、例えば2θ=32°〜36°の範囲に観測される(111)面、2θ=38°〜41°の範囲に観測される(200)面、2θ=54°〜59°の範囲に観測される(202)面のピークである。MeMn複合酸化物の結晶構造は、空間群Fm―3mに帰属される。
MeMn複合酸化物に含まれるナトリウムは、金属ナトリウムに対して、例えば2.0V〜4.0Vの範囲でファラデー反応を伴ってMeMn複合酸化物から放出され、同様の電位窓域で、ファラデー反応を伴ってMeMn複合酸化物に吸蔵される。このとき、概ね3V〜3.5Vの電位領域で、Mnが関与するレドックス反応と、酸化物イオンが関与するレドックス反応とが入れ替わる。高電位領域では、酸化物イオンのレドックス反応が進行していると考えられる。
xは、MeMn複合酸化物をA3MeO4-δとAMnO2-γとの複合物と捉えた場合のA3MeO4-δとAMnO2-γとの含有割合をモル比で示している。酸化物イオンの固相レドックス反応を発現させるには、0<x<1を満たせばよいが、更なる高容量を望む場合には、0.1≦x<1が好ましく、0.1≦x≦0.65がより好ましく、0.1≦x≦0.6もしくは0.1≦x≦0.5が更に好ましい。
ナトリウム資源を有効活用する観点からは、Aのうち、50モル%以上がナトリウムであることが望ましく、80モル%以上がナトリウムであることがより望ましい。また、MeMn複合酸化物は、事実上、リチウムを含まず、x[Na3NbO4-δ]−(1−x)[NaMnO2-γ]で表されることが更に望ましい。なお、MeMn複合酸化物にリチウムが含まれるか否かは、MeMn複合酸化物の製造方法に依存する。イオン交換法を採用してリチウム含有複合酸化物からMeMn複合酸化物を得る場合には、Aの一部としてリチウムが残存する。一方、ナトリウム、MeおよびMnを含む原料の固相反応によりMeMn複合酸化物を得る場合には、Aは実質的にリチウムを含まず、ナトリウムで占められる。
(平均一次粒子径)
MeMn複合酸化物の平均一次粒子径は、特に限定されないが、十分にカチオン不規則配列型の岩塩型結晶構造を発達させる観点から、例えば0.1μm以上であり、0.2μm以上が好ましく、0.3μm以上がより好ましい。また、平均一次粒子径は、例えば5μm以下であり、3μm以下が好ましく、2μm以下がより好ましい。平均一次粒子径は、MeMn複合酸化物の走査型電子顕微鏡(SEM)像において10〜30個の一次粒子を任意に選択し、選択した一次粒子の最大径の平均値として求めればよい。
(MeMn複合酸化物の製造方法)
<第1の製造方法>
次に、イオン交換法を利用するMeMn複合酸化物の第1の製造方法について説明する。
第1の製造方法は、(i)酸化物イオンの固相レドックス反応により容量を発現するリチウム含有複合酸化物を調製する工程と、(ii)リチウム含有複合酸化物からリチウムの少なくとも一部を電気化学的に放出させる工程と、(iii)リチウムの少なくとも一部を放出させたリチウム含有複合酸化物にナトリウムを電気化学的に吸蔵させる工程と、を有する。
工程(i)では、MeMn複合酸化物の原料として、まず、一般式(II):x[Li3MeO4-δ]−(1−x)[LiMnO2-γ]で表されるリチウム含有複合酸化物を調製する。ここで、一般式(II)は、0<x<1、−0.2≦δ≦0.2および−0.1≦γ≦0.1を満たし、Meは、Nb、Mo、TiおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種である。すなわち、MeMn複合酸化物の原料は、Aのサイトが全てリチウムで占められている点以外、MeMn複合酸化物と同様の組成を有するリチウム含有複合酸化物である。
リチウム含有複合酸化物は、リチウム、MeおよびMnを含む原料を焼成する固相反応により製造することができる。原料は、例えば、リチウム、MeおよびMnよりなる群から選択される少なくとも1種を含む化合物の混合物である。化合物としては、酸化物、水酸化物、オキシ水酸化物、炭酸水素塩、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、有機酸塩(例えばシュウ酸塩)などが適している。原料は、これらを適宜組み合わせて混合することで調製される。
具体的には、例えば、Li2CO3(炭酸リチウム)、Nb25、Mn23を混合し、混合物を不活性ガス雰囲気中で、950℃前後で焼成することで、カチオン不規則配列型の岩塩型結晶構造を有するリチウム含有複合酸化物を合成することができる。
工程(ii)では、リチウム含有複合酸化物からリチウムの少なくとも一部を電気化学的に放出させる工程が行われる。この工程は、例えば、リチウム含有複合酸化物を正極、金属リチウムを負極とするセルを構成し、リチウムイオン伝導性を有する非水電解質中で、充電反応を進行させることにより行うことができる。当該セルでは、充電によって、リチウム含有複合酸化物からリチウムが電気化学的に放出される。
次に、工程(iii)では、リチウムの少なくとも一部を放出させたリチウム含有複合酸化物にナトリウムを電気化学的に吸蔵させる工程が行われる。この工程は、例えば、リチウムの少なくとも一部を放出させたリチウム含有複合酸化物を正極、金属ナトリウムを負極とするセルを構成し、ナトリウムイオン伝導性を有する非水電解質中で、放電反応を進行させることにより行うことができる。
<第2の製造方法>
次に、固相反応によるMeMn複合酸化物の第2の製造方法について説明する。
第2の製造方法は、(i)ナトリウム、MeおよびMnを含む原料を焼成して、固相反応により、一般式(III):x[Na3NbO4-δ]−(1−x)[NaMnO2-γ]で表され、0<x<1、−0.2≦δ≦0.2および−0.1≦γ≦0.1を満たし、Meは、Nb、Mo、TiおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種である、ナトリウム含有複合酸化物を調製する工程、を有する。
ナトリウム、MeおよびMnを含む原料は、例えば、ナトリウム、MeおよびMnよりなる群から選択される少なくとも1種を含む化合物の混合物である。化合物としては、酸化物、水酸化物、オキシ水酸化物、炭酸水素塩、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、有機酸塩(例えばシュウ酸塩)などが適している。原料は、これらを適宜組み合わせて混合することで調製される。原料は、例えばナトリウム化合物と、Me化合物と、Mn化合物とを含む混合物であればよい。ナトリウム化合物としては、Na2CO3、NaHCO3、Na2Oなどを用いることができる。中でも、Na2CO3の取り扱いが容易である。Me化合物としては、Nb25、Mo25、MoO3、TiO2、Al23などを用いることができる。Mn化合物としては、MnO2、Mn23などを用いることができる。
より具体的には、例えば、Na2CO3(炭酸ナトリウム)、Nb25およびMn23を混合し、混合物を不活性ガス雰囲気中で、所定の焼成温度で焼成することで、x[Na3NbO4-δ]−(1−x)[NaMnO2-γ]で表されるMeMn複合酸化物を合成することができる。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの少なくとも1種を用いることができる。空気または不活性ガス雰囲気の圧力は、特に限定されないが、例えば0.9×105Pa〜1.1×105Paであればよい。
焼成温度は、例えば600℃〜1100℃が好ましく、700℃〜950℃がより好ましい。焼成温度とは、昇温過程および降温過程を除く期間(以下、本焼成期間)の平均的な温度である。よって、本焼成期間中に瞬間的に、もしくは短時間だけ600℃未満になったり、1100℃を超えたりすることは許容される。ただし、本焼成期間の80%以上は、焼成雰囲気の温度が上記温度範囲に維持されることが好ましい。本焼成期間は、例えば6時間〜48時間である。
上記焼成を行う前に、上記と同様の雰囲気中で、400℃以上、600℃未満の温度範囲で原料の仮焼成を行ってもよい。仮焼成により、原料に含まれる揮発成分(例えば水分)を緩やかに除去することができる。これにより、その後の本焼成期間での結晶成長が進行しやすくなる。
固相反応で得られたMeMn複合酸化物は、通常、Na3NbO4とNaMnO2との混合物の相を含んでいる。そこで、カチオン不規則配列型の岩塩型結晶構造の含有割合を大きくするために、第2の製造方法は、更に、(ii)固相反応により得られたナトリウム含有複合酸化物をメカニカルミリングする工程、を有することが望ましい。メカニカルミリングとは、不活性ガス雰囲気中で、ボールミルを用いて、ボールの衝突エネルギーを利用して、材料に繰り返しせん断力を印加し、材料を混合する方法である。メカニカルミリングによれば、原子オーダーでの混合も可能である。メカニカルミリングを行う装置としては、ボールミル、スタンプミル、ジェットミルなどを用いることができる。混合は、乾式でもよく、湿式でもよい。
<ナトリウムイオン二次電池>
次に、ナトリウムイオン二次電池について説明する。ナトリウムイオン二次電池は、上記電極活物質を含む正極と、負極と、ナトリウムイオン伝導性を有する非水電解質と、を具備する。図1は、本発明の一実施形態に係るナトリウムイオン二次電池100を概略的に示す縦断面図である。ナトリウムイオン二次電池100は、積層型の電極群、非水電解質(図示せず)およびこれらを収容する角型の電池ケース10を具備する。電池ケース10は、例えばアルミニウム製であり、上部が開口した有底の容器本体12と、上部開口を塞ぐ蓋体13とで構成されている。
蓋体13の中央には、電池ケース10の内圧が上昇したときに内部で発生したガスを放出するための安全弁16が設けられている。安全弁16を中央にして、蓋体13の一方側寄りには、蓋体13を貫通する外部負極端子14が設けられ、蓋体13の他方側寄りの位置には、蓋体13を貫通する外部正極端子が設けられる。
積層型の電極群は、いずれもシート状の複数の正極2と複数の負極3およびこれらの間に介在する複数のセパレータ1により構成されている。各正極2の一端部には、正極リード片2aが形成されている。複数の正極2の正極リード片2aは束ねられ、電池ケース10の蓋体13に設けられた外部正極端子に接続されている。同様に、各負極3の一端部には、負極リード片3aが形成されている。複数の負極3の負極リード片3aは束ねられ、電池ケース10の蓋体13に設けられた外部負極端子14に接続される。
外部正極端子および外部負極端子14は、いずれも柱状であり、少なくとも外部に露出する部分が螺子溝を有する。各端子の螺子溝にはナット7が嵌められ、ナット7を回転することにより蓋体13に対してナット7が固定される。各端子の電池ケース10内部に収容される部分には、鍔部8が設けられており、ナット7の回転により、鍔部8が、蓋体13の内面に、O−リング状のガスケット9を介して固定される。
(正極)
正極は、正極集電体と、正極集電体に担持された正極活物質(または正極合剤)とを含む。正極集電体は、金属箔でもよく、金属多孔体でもよい。正極集電体の材質としては、正極電位での安定性の観点から、アルミニウム、アルミニウム合金などが好ましい。
正極活物質は、MeMn複合酸化物を単独で用いてもよく、他のナトリウムイオンを吸蔵および放出(または挿入および脱離)する材料(以下、第2正極活物質)と併用してもよい。第2正極活物質は、特に限定されないが、亜クロム酸ナトリウム(NaCrO)、ニッケルマンガン酸ナトリウム(NaNi0.5Mn0.52、Na2/3Ti1/6Ni1/3Mn1/2など)、鉄コバルト酸ナトリウム(NaFe0.5Co0.5など)、鉄マンガン酸ナトリウム(Na2/3Fe1/3Mn2/32など)などが挙げられる。
正極合剤は、正極活物質に加え、さらに導電助剤および/またはバインダを含むことができる。正極は、正極集電体に正極合剤を塗布または充填し、乾燥し、必要に応じて、乾燥物を厚み方向に圧延することにより得られる。正極合剤は、通常、分散媒を含むスラリーの形態で使用される。
導電助剤としては、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維などが挙げられる。バインダとしては、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、ゴム状重合体、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂(ポリアミドイミドなど)、セルロースエーテルなどが挙げられる。分散媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP:N-methyl-2-pyrrolidone)などの有機溶媒の他、水などが用いられる。
(負極)
負極は、負極集電体と、負極集電体に担持された負極活物質(または負極合剤)とを含む。負極集電体は、正極集電体と同様に、金属箔または金属多孔体であってもよい。負極集電体の材質としては、ナトリウムと合金化せず、負極電位で安定であることから、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス鋼などが好ましい。
負極活物質としては、ナトリウムイオンを可逆的に吸蔵および放出(もしくは挿入および脱離)する材料、ナトリウムと合金化する材料などの少なくとも1種を用いることができる。具体的には、ナトリウム、チタン、亜鉛、インジウム、スズ、ケイ素などの金属またはその合金もしくは化合物;炭素材料などが例示できる。金属化合物としては、チタン酸リチウム(Li2Ti37、Li4Ti512など)、チタン酸ナトリウム(Na2Ti37、Na4Ti12など)が例示できる。炭素材料としては、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)などが例示できる。
負極は、例えば、正極の場合に準じて、負極集電体に、負極活物質を含む負極合剤を塗布または充填し、乾燥し、乾燥物を厚み方向に圧延することにより形成できる。負極活物質には、必要に応じて、ナトリウムイオンをプレドープしてもよい。
(セパレータ)
セパレータとしては、樹脂製の微多孔膜、不織布などが使用できる。セパレータの材質は、ポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などが例示できる。
(非水電解質)
非水電解質は、ナトリウムイオン伝導性を有する限り特に限定されない。例えば、有機溶媒にナトリウム塩を溶解させた有機電解質を用いることができる。このとき、非水電解質におけるナトリウム塩の濃度は、例えば0.3〜3mol/リットルであればよい。また、ナトリウムイオンおよびアニオンを含むイオン液体を用いてもよい。なお、「イオン液体」とは、溶融状態の塩(溶融塩)である。
ナトリウム塩を構成するアニオンの種類は特に限定されないが、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF )、テトラフルオロホウ酸イオン(BF )、過塩素酸イオン(ClO )、ビス(オキサラト)ボレートイオン(B(C )、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CFSO )、ビススルホニルアミドアニオンなどの少なくとも1種が用いられる。
有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどの環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;γ−ブチロラクトンなどの環状炭酸エステルなどを好ましく用いることができる。これらは適宜組み合わせて用いられる。
イオン液体は、ナトリウムイオン(第1カチオン)に加え、さらに第2カチオンを含んでいてもよい。第2カチオンとしては、有機カチオンが好ましく、中でも、窒素含有オニウムカチオンが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する。ただし、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
《実施例1》
本実施例では、以下の要領で、イオン交換法により、MeMn複合酸化物を調製した。
<リチウム含有複合酸化物の合成>
Li2CO3、Nb25およびMn23を、所定のモル比で混合し、600rpmのボールミルで12時間混合して原料を得た。得られた原料をペレットに成形した後、空気中で、950℃で24時間焼成し、x[Li3NbO4-δ]−(1−x)[LiMnO2-γ]で表され、x=0.43を満たすリチウム含有複合酸化物を得た。このとき、リチウム含有複合酸化物の組成式は、概ねLi1.3Nb0.3Mn0.42で表すことができる。
<MeMn複合酸化物の合成(1)>
合成されたリチウム含有複合酸化物(Li1.3Nb0.3Mn0.42)と、導電助材としてのアセチレンブラックと、バインダとしてのポリフッ化ビニリデンとを質量比80:13:7で含み、適量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を分散媒として含むスラリーを調製した。得られたスラリーを集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に塗布した。塗膜の厚さは40μmとした。塗膜を十分に乾燥させた後、アルミニウム箔とともに打ち抜いて、直径1.0cmのコイン形の電極を得た。
次に、対極である金属リチウム箔と、リチウムイオン伝導性の非水電解質とを用いて、コイン形セルを作製した。リチウムイオン伝導性の非水電解質には、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)との体積比1:1の混合溶媒にLiPF6を1mol/L濃度で溶解させたものを用いた。
コイン形セルを、上限電圧4.8Vまで、電極の単位面積あたりの電流密度11.6mA/cm2で充電し、リチウム含有複合酸化物から電気化学的にリチウムイオンを放出させた。このとき、リチウムイオンが引き抜かれたリチウム含有複合酸化物の組成式は、概ねLi0.15Nb0.3Mn0.42で表すことができる。
次に、コイン形セルを分解し、電極を取り出して、リチウム塩を含まないECとDMCとの混合溶媒で洗浄した。そして、対極となる金属ナトリウム箔と、ナトリウムイオン伝導性の非水電解質とを用いて、再びコイン形セルを作製した。ナトリウムイオン伝導性の非水電解質には、ECとDMCとの体積比1:1の混合溶媒にNaPF6を1mol/L濃度で溶解させたものを用いた。
再び組まれたコイン形セルを、下限電圧1.2Vまで、11.6mA/cm2の定電流で放電し、Li0.15Nb0.3Mn0.42にナトリウムイオンを電気化学的に吸蔵させた。このとき、ナトリウムイオンが吸蔵されることで生成したMeMn複合酸化物の組成式は、概ねNa0.9Li0.15Nb0.3Mn0.42で表すことができる。
<ナトリウムイオン二次電池の作製(1)>
再びコイン形セルを分解し、電極を取り出して、ECとDMCとの混合溶媒で洗浄した。そして、対極である金属ナトリウム箔と、上記と同じナトリウムイオン伝導性の非水電解質とを用いて、再びコイン形セル(A1)を作製した。
《実施例2》
本実施例では、以下の要領で、固相法により、MeMn複合酸化物を調製した。
<MeMn複合酸化物の合成(2)>
Na2CO3、Nb25およびMn23を、所定のモル比で混合し、600rpmのボールミルで12時間混合して原料を得た。得られた原料をペレットに成形した後、空気中で、950℃で24時間焼成し、更に、焼成物をボールミルに投入して、直径10mmのアルミナ製のボール100mLとともに36時間攪拌(メカニカルミリング)し、x[Na3NbO4-δ]−(1−x)[NaMnO2-γ]で表され、x=0.43を満たすMeMn複合酸化物を得た。MeMn複合酸化物の組成式は、概ねNa1.3Nb0.3Mn0.42で表すことができる。
<ナトリウムイオン二次電池の作製(2)>
合成されたMeMn複合酸化物(Na1.3Nb0.3Mn0.42)と、導電助材としてのアセチレンブラックと、バインダとしてのポリフッ化ビニリデンとを質量比80:13:7で含み、適量のNMPを分散媒として含むスラリーを調製した。得られたスラリーを集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に塗布した。塗膜の厚さは40μmとした。塗膜を十分に乾燥させた後、アルミニウム箔とともに打ち抜いて、直径1.0cmのコイン形の電極を得た。次に、対極である金属ナトリウム箔と、実施例1と同じナトリウムイオン伝導性の非水電解質とを用いて、コイン形セル(A2)を作製した。
《比較例1》
予め調製されたNa3NbO4とNaMnO2とを、モル比0.43:0.57で混合し、600rpmのボールミルで12時間混合して、比較例1の電極活物質(混合物)を得た。これを用いて、実施例1と同様にコイン形の電極を作製し、対極である金属ナトリウム箔と、実施例1と同じナトリウムイオン伝導性の非水電解質とを用いて、コイン形セル(B1)を作製した。
[評価1]
実施例1(イオン交換法)、実施例2(固相反応による複合物)および比較例1(混合物)の電極活物質の粉末X線回折測定を下記条件で行い、結晶構造の同定を行った。測定装置は、株式会社リガク製の粉末X線回折測定装置(MultiFlex)を用いた。比較例1(混合物)の電極活物質のXRDパターンを図2(a)、実施例2(固相反応による複合物)の電極活物質のXRDパターンを図2(b)、実施例1(イオン交換法)の電極活物質のXRDパターンを図2(c)に示す。
XRDパターンの解析の結果、実施例1、2の電極活物質((b)、(c))は、空間群Fm―3mに属するMeMn複合酸化物で現れる代表的なXRDのピーク((111)面、(200)面、(202)面に帰属されるピーク)を示し、カチオン不規則配列型の岩塩型結晶構造を有することが判明した。
比較例1の電極活物質のXRDパターンは、Na3NbO4とNaMnO2の混合物の特徴を示しており、明らかに実施例1、2のXRDパターンとは相違している。
X線:CuKα
電圧−電流:40kV−20mA
測定角度範囲:2θ=10〜70°
ステップ:0.02°
スキャンスピード:6°/分
[評価2]
実施例2および比較例1のコイン形セルの充放電を、正極の単位面積あたりの電流密度0.2mA/cm2で、50℃の恒温室内で行った。図3にセルA2の初期(5サイクル)の充放電曲線(1.2V〜4.0V)を示す。図4にセルB1の初期(5サイクル)の充放電曲線(1.2V〜4.5V)を示す。
セルA2では、セルB1に比べて充放電容量が顕著に増加している。この増加分は、酸化物イオンの固相レドックス反応によって発現していると考えられる。なお、Na3NbO4は不活性であるため、セルB1で得られた容量のほとんどはNaMnO2のマンガンのレドックス反応によると考えられる。
本発明に係るナトリウムイオン二次電池用電極活物質は、酸化物イオンの固相レドックス反応により容量を発現するため、高容量が期待される次世代ナトリウムイオン二次電池の材料として有用である。
1:セパレータ、2:正極、2a:正極リード片、3:負極、3a:負極リード片、7:ナット、8:鍔部、9:ガスケット、10:電池ケース、12:容器本体、13:蓋体、14:外部負極端子、16:安全弁、100:ナトリウムイオン二次電池

Claims (6)

  1. 酸化物イオンの固相レドックス反応により容量を発現するナトリウム含有複合酸化物を含み、
    前記ナトリウム含有複合酸化物が、
    一般式(I):
    x[A3MeO4-δ]−(1−x)[AMnO2-γ
    で表され、0<x<1、−0.2≦δ≦0.2および−0.1≦γ≦0.1を満たし、
    Aは、ナトリウムおよびリチウムよりなる群から選択される少なくとも1種であり、かつAの50モル%以上がナトリウムであり
    Meは、Nb、Mo、TiおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種である、ナトリウムイオン二次電池用電極活物質。
  2. 前記ナトリウム含有複合酸化物が、カチオン不規則配列型の岩塩型結晶構造を有する、請求項1に記載のナトリウムイオン二次電池用電極活物質。
  3. 0.1≦x<1を満たす、請求項1または請求項2に記載のナトリウムイオン二次電池用電極活物質。
  4. 酸化物イオンの固相レドックス反応により容量を発現するナトリウム含有複合酸化物を含むナトリウムイオン二次電池用電極活物質の製造方法であって、
    (i)酸化物イオンの固相レドックス反応により容量を発現するリチウム含有複合酸化物を調製する工程と、
    (ii)前記リチウム含有複合酸化物からリチウムの少なくとも一部を電気化学的に放出させる工程と、
    (iii)前記リチウムの少なくとも一部を放出させたリチウム含有複合酸化物にナトリウムを電気化学的に吸蔵させる工程と、を有し、
    前記ナトリウム含有複合酸化物が、一般式(I):
    x[A 3 MeO 4-δ ]−(1−x)[AMnO 2-γ
    で表され、0<x<1、−0.2≦δ≦0.2および−0.1≦γ≦0.1を満たし、
    Aは、ナトリウムおよびリチウムよりなる群から選択される少なくとも1種であり、かつAの50モル%以上がナトリウムであり、
    Meは、Nb、Mo、TiおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記リチウム含有複合酸化物が、一般式(II):
    x[Li3MeO4-δ]−(1−x)[LiMnO2-γ
    で表される、ナトリウムイオン二次電池用電極活物質の製造方法。
  5. 酸化物イオンの固相レドックス反応により容量を発現するナトリウム含有複合酸化物を含むナトリウムイオン二次電池用電極活物質の製造方法であって、
    (i)ナトリウム、MeおよびMnを含む原料を焼成して、固相反応により、
    一般式(III):
    x[Na3NbO4-δ]−(1−x)[NaMnO2-γ
    で表され、0<x<1、−0.2≦δ≦0.2および−0.1≦γ≦0.1を満たし、
    Meは、Nb、Mo、TiおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種であるナトリウム含有複合酸化物を調製する工程、を有する、ナトリウムイオン二次電池用電極活物質の製造方法。
  6. 更に、(ii)前記ナトリウム含有複合酸化物をメカニカルミリングする工程、を有する、請求項5に記載のナトリウムイオン二次電池用電極活物質の製造方法。
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