JP6770280B2 - はんだ継手及び接合方法 - Google Patents

はんだ継手及び接合方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6770280B2
JP6770280B2 JP2017133073A JP2017133073A JP6770280B2 JP 6770280 B2 JP6770280 B2 JP 6770280B2 JP 2017133073 A JP2017133073 A JP 2017133073A JP 2017133073 A JP2017133073 A JP 2017133073A JP 6770280 B2 JP6770280 B2 JP 6770280B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intermetallic compound
solder
joined
βsn
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017133073A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019013957A (ja
Inventor
西村 哲郎
哲郎 西村
スウェットマン キース
スウェットマン キース
貴利 西村
貴利 西村
グーレイ クリストファー
グーレイ クリストファー
マ ザオロン
マ ザオロン
ベリャコフ セルゲイ
ベリャコフ セルゲイ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ip2ipo Innovations Ltd
Original Assignee
Imperial Innovations Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Imperial Innovations Ltd filed Critical Imperial Innovations Ltd
Priority to JP2017133073A priority Critical patent/JP6770280B2/ja
Priority to PCT/JP2018/025799 priority patent/WO2019009427A1/ja
Publication of JP2019013957A publication Critical patent/JP2019013957A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6770280B2 publication Critical patent/JP6770280B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K1/00Soldering, e.g. brazing, or unsoldering
    • B23K1/20Preliminary treatment of work or areas to be soldered, e.g. in respect of a galvanic coating
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K35/00Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting
    • B23K35/22Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting characterised by the composition or nature of the material
    • B23K35/24Selection of soldering or welding materials proper
    • B23K35/26Selection of soldering or welding materials proper with the principal constituent melting at less than 400 degrees C
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/30Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor
    • H05K3/32Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits
    • H05K3/34Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits by soldering
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C13/00Alloys based on tin

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)

Description

本発明は、Snを含む鉛フリーはんだ合金を用いて少なくとも2つの被接合部材を接合させたはんだ継手及び接合方法に関する。
はんだ付けを用いた電気的及び電子的接合においてはβSnが主な相となる。しかし、βSnはその熱物理的特性が非常に異方的である。例えば、熱膨張係数、剛性、溶質の拡散係数はβSnの方向によって大きく異なる。また、はんだ接合の信頼性に対する研究では、熱サイクル能力、せん断疲労寿命及び電子移動能力が、はんだ付けが行われる基板の面に対するβSnの[001]方向の配向に左右されることが知られている。
電子移動能力の場合は、βSn粒子の[001]方向が電流の方向と略平行である、すなわち基板の面に対して垂直方向であるはんだ継手において、電子移動が非常に良好である。これは、Cu、Ni、Ag又はAuのような溶質原子の[001]方向(c軸)に沿う拡散率が高いからである。換言すれば、βSn粒子の[001]方向を基板の面に平行するようにすることにより、電子移動を最小化することが出来る。
熱サイクル能力に対するβSn粒子配向の影響は、はんだ継手の応力状態、形状を含む因子に左右される。せん断疲労において、[001]方向を基板の面に有し、且つせん断方向に対して略35〜65°に配向されたβSnを有するはんだ継手は、疲労損傷の影響を受け難いことが報告されている。
一方、特許文献1においては、製造工程における焼鈍雰囲気あるいは焼鈍後の酸洗方法を適宜選択し、かつ表面において圧延方向に直角な方向にて測定した結晶粒径が30μm以下となるようにすることにより、その表面をX線光電子分光法によって測定したときの定量分析のピ−クエリア面積比のSn3d/Cu2p比が0.3以下である、はんだ付け性に優れたSn含有銅合金材料を得ることについて開示されている。
特開2000−144285号公報
以上のように、はんだ継手の特性の決定において、βSn粒子の配向が重要な役割を果たしているにも関わらず、はんだ接合の際に形成されるβSn粒子の配向を制御すること、及び、βSn粒子の構造を制御することについては工夫されていなかった。これらについては、特許文献1のSn含有銅合金材料に係る技術においても、開示も工夫もされていない。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、希望する特定の方向にβSn粒子が配向され、かつβSn粒子が希望する構造を有するはんだ継手と、該はんだ継手に係る接合方法を提供することにある。
本発明に係るはんだ継手は、Snを含む鉛フリーはんだ合金を用いて少なくとも2つの被接合部材を接合させたはんだ継手において、前記鉛フリーはんだ合金に係るはんだ部分は、はんだ付けの際に形成された金属間化合物の層と、前記金属間化合物の層に接合された金属間化合物の核生成粒子と、[100]又は[010]方向が前記金属間化合物の層の厚み方向と交差し、[001]方向が前記被接合部材の接合面と略平行するように結晶配向された単粒βSnとを含むことを特徴とする。
本発明に係るはんだ継手は、前記単粒βSnはその[001]方向が前記被接合部材の面と略平行するように配向されていることを特徴とする。
本発明に係るはんだ継手は、前記金属間化合物の核生成粒子は、PtSn、PdSn、βIrSn又はαCoSnのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする。
本発明に係るはんだ継手は、αCoSnの金属間化合物に対しては、核生成粒子の最小寸法は、幅(図1の最長寸法)が25μmで、厚みが0.2μm(交差方向において)である。最大寸法は、被接合部材の面(例えば、図2の銅基板)より小さくしないといけない。
本発明に係るはんだ継手は、PtSn、PdSn、又はβIrSnの金属間化合物に対しては、核生成粒子の最小寸法は、幅(図1の最長寸法)が10μmで、厚みが0.2μm(交差方向において)である。最大寸法は、被接合部材の面(例えば、図2の銅基板)より小さくしないといけない。
本発明に係るはんだ継手は、前記被接合部材は板形状であり、前記核生成粒子の最大サイズは 前記被接合部材の前記接合面のサイズと同じであることを特徴とする。
本発明に係るはんだ継手は、前記金属間化合物の層は何れかの被接合部材と前記はんだ部分との接合界面に形成されていることを特徴とする。
本発明に係る接合方法は、少なくとも2つの被接合部材に対してSnを含む鉛フリーはんだ合金を用いてはんだ付けを行い、前記鉛フリーはんだ合金に係るはんだ部分によって前記2つの被接合部材が接合される接合方法において、前記はんだ部分を形成すべき箇所に金属間化合物の結晶を配置する配置ステップと、前記はんだ部分が前記金属間化合物の結晶を含むように、前記はんだ付けを行うはんだ付けステップとを含むことを特徴とする。
本発明に係る接合方法は、前記配置ステップは、前記金属間化合物の結晶の最も大きいファセット面が特定方向になるように、前記金属間化合物の結晶を何れかの被接合部材に固定するステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る接合方法は、前記配置ステップは、前記何れかの被接合部材において前記金属間化合物の結晶を固定すべき箇所にSn被覆を行うステップを含み、前記金属間化合物の結晶は被覆されたSn上に固定されることを特徴とする。
本発明に係る接合方法は、過度液相接合法によって、前記金属間化合物の結晶はSnで被覆された箇所の上に固定されることを特徴とする。
本発明に係る接合方法は、前記はんだ付けステップでは、リフロー法が用いられることを特徴とする。
本発明に係る接合方法は、前記金属間化合物の結晶は矩形の板状をなすことを特徴とする。
本発明に係る接合方法は、前記金属間化合物は、PtSn、PdSn、βIrSn又はαCoSnのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする。
本発明によれば、必要に応じて、特定の方向にβSn粒子を配向させ、かつβSn粒子に希望する構造をもたらすことが出来る。
抽出された核生成粒子の一例を示す。 本実施の形態に係る接合方法を用いて、本実施の形態に係るはんだ継手を製造する工程を説明する説明図である。 核生成粒子が固定された銅基板にはんだ付けが行われた場合における、銅基板と核生成粒子との間を拡大した拡大写真である。 核生成粒子にPtSnを用いた場合における、はんだ継手を反射電子像及び電子線後方散乱回折法(EBSD)によって分析した結果である。 核生成粒子としてPtSn、βIrSn及びαCoSnを用いた場合における、はんだ継手を電子線後方散乱回折法によって分析した結果である。 本実施の形態に係る接合方法にて製造された、本実施の形態に係るはんだ継手の一例を示す。 核生成粒子の寸法がβSnの核生成及び結晶配向の制御に及ぼす影響を調べた結果である。 はんだ付けの数がβSnの核生成及び結晶配向の制御に及ぼす影響を調べた結果である。 はんだ付けの数がβSnの核生成及び結晶配向の制御に及ぼす影響を調べた他の結果である。 本実施の形態に係るはんだ継手に核生成粒子としてαCoSnが用いられ、鉛フリーはんだ合金としてSn‐3.5Ag合金が用いられた場合、はんだ継手を電子線後方散乱回折法によって分析した結果である。 本実施の形態に係るはんだ継手に核生成粒子としてαCoSnが用いられ、鉛フリーはんだ合金としてSn‐0.7Cu‐0.05Ni‐Ge合金が用いられた場合、はんだ継手を電子線後方散乱回折法によって分析した結果である。
Snを含む鉛フリーはんだ合金を用いてはんだ付けを行う際に形成されるβSnと比較的に良好な格子整合性を有する結晶はβSnの結晶成長に重要な役割を成し得ると期待されていた。すなわち、斯かる結晶がいわゆる種となり、その上でβSn結晶が成長すると考えられている。詳しいメカニズムは、これら結晶の最も大きいファセット面の上でβSnの(100)面が特定の配向関係にて核を形成する。ここでファセット面とは、結晶における扁平表面を指す。
以上のような事実に基づいて本実施の形態においては、はんだ継手におけるβSnの核生成及び配向の制御を試みた。
格子整合分析に基づく考察の結果、上述したように、βSnの核生成及び配向に用いられる結晶(以下、核生成粒子と言う。)としては、PtSn、PdSn、βIrSn又はαCoSnのような金属間化合物が考えられた。
これら金属間化合物の核生成粒子の生成方法について説明する。
モールド内で、過共晶のSn‐Pt、Sn‐Pd、Sn‐Ir、又はSn‐Co合金を凝固する一連の処理で希望の核生成面をファセット面として成長させる。次いで、蒸留水にo−ニトロフェノール及び水酸化ナトリウムを加えた溶液中又は塩酸の溶液中で、βSnを除去することによって、金属間化合物の核生成粒子単結晶を抽出する。
図1は抽出された核生成粒子の一例を示す。上述した方法によって成長された核生成粒子の殆どは略矩形であり、形成された最も大きいファセット面がβSnの核生成する希望の面である。図1に示しているように、核生成粒子は1μm〜200μmの幅まで成長している。
以下においては、上述した金属間化合物の核生成粒子を用いて、本実施の形態に係るはんだ継手を製造する方法について説明する。便宜上、2枚の銅基板を、Snを含む鉛フリーはんだ合金を用いて接合する場合を例に挙げて説明する。例えば、斯かる鉛フリーはんだ合金はSn‐3Ag‐0.5Cu合金である。図2は本実施の形態に係る接合方法を用いて、本実施の形態に係るはんだ継手10を製造する工程を説明する説明図である。
まず、何れか一方の銅基板2において、はんだ付けが行われるべき箇所、特に後述するように核生成粒子4を固定すべき箇所をSnで被覆する。例えば、Snの被覆層3の厚みは略1μmである。
被覆されたSnの上に、少なくとも何れか一つの核生成粒子4を固定する。詳しくは、Snの被覆層3の上に核生成粒子4を載置し、過度液相接合法を用いて固定する。過度液相接合法は240℃〜300℃の温度で、5〜180分間行われる。
この際、金属間化合物の核生成粒子4の最も大きいファセット面が斯かる銅基板2においてはんだ付けされる面21(接合面)と平行するように載置する。これによって、はんだ付けの際に生成されるβSnは、その[001]方向が核生成粒子4のファセット面に対して平行するように、換言すれば、銅基板2の面21と略平行な方向に核生成されて結晶成長していく。すなわち、βSnは[100]方向又は[010]方向が金属間化合物の層(図2参照)の厚み方向と交差するように核生成されて結晶成長していく。
以上においては、核生成粒子4のファセット面が銅基板2の面21と平行するように載置する場合を例に挙げて説明したが、本実施の形態はこれに限るものでない。必要に応じて、すなわち、希望するβSnの核生成及び結晶成長の方向に応じて、核生成粒子4のファセット面の配置を適宜調整しても良い。
続いて、核生成粒子4が固定された銅基板2の面21上にSn‐3Ag‐0.5Cu合金を用いてはんだ付けを行い、直径600μm程度のはんだボール(はんだ部分)1が形成される。この際、核生成粒子4ははんだボール1内に含まれ、はんだボール1はβSn相を含む。斯かるはんだ付けは、例えばリフロー法を用いる。
図3は核生成粒子4が固定された銅基板2にはんだ付けが行われた場合における、銅基板2と核生成粒子4との間を拡大した拡大写真である。詳しくは、図3は、図2の丸い点線部分の拡大写真である。図3の(a)、(b)、(c)は、核生成粒子4が夫々αCoSn、PtSn及びβIrSnである場合を示す。図2及び図3から分かるように、核生成粒子4に係る層がはんだボール1(βSn)と銅基板2との接合界面に形成されている。また、銅基板2と核生成粒子4との間には、CuSn及びCuSnの金属間化合物の層が生成されている。CuSn及びCuSnの金属間化合物の層ははんだ付けの際に生成された金属間化合物の層である。
以後、他方の銅基板2をはんだボール1と接合させるために、再びリフロー法を用いたはんだ付けが行われる。これによって、はんだボール1を介して2つの銅基板2が接合され、本実施の形態に係るはんだ継手が製造される。
以上においては、核生成粒子4の固定には過度液相接合法を用い、はんだ付けにはリフロー法を用いる場合を例として説明したが、これに限るものでなく、他の方法用いても良い。
このように製造されたはんだ継手10の微細構造を観察した。図4は核生成粒子4にPtSnを用いた場合における、はんだ継手10を反射電子像及び電子線後方散乱回折法(EBSD)によって分析した結果である。(a)はEBSDによるマッピング像であり、(b)〜(d)ははんだボール1の微細構造を示しており、(e)〜(h)は夫々βSn、PtSn、CuSn及び銅基板2(Cu)のZ方向に対するEBSDのIPF(Inverse Pole Figure)マップである。
図4の(a)は4つの相(βSn、PtSn、CuSn及びCu)の分布を、夫々緑色、赤色、青色、黄色にて示している。図4の(b)〜(d)からはんだボール1内にはβSnデンドライト相が形成されており、デンドライトアーム間にはβSn、AgSn、CuSnの共晶混合物が形成されている。また、図4の(e)〜(h)は結晶の配向を色で表している。
図4の(e)においてはんだボール1は緑色の単色を示しており、βSnがZ方向にて<100>方向(すなわち、銅基板2に垂直方向)に配向された単結晶であることを表している。従って、βSnの[001]方向は銅基板2の面21に平行である。
また、図4の(e)〜(f)から、βSnの[100]方向とPtSnの[001]方向とが平行しており(□印参照)、βSnの[010]方向とPtSnの[010]方向とが平行しており(○印参照)、βSnの[001]方向とPtSnの[100]方向とが平行していることが分かる(△印参照)。このようなことから、βSn粒子はPtSn結晶から結晶配向を受け継いでいるように見られる。
更に、このような構造は、電子移動損傷を最も少なくする構造として報告されている。
核生成粒子4としてPtSnでなくβIrSn又はαCoSnを用いた場合においても、図4の場合と同様の結果が得られた。図5は核生成粒子4としてPtSn、βIrSn及びαCoSnを用いた場合における、はんだボール1と銅基板2とを含むはんだ継手10を電子線後方散乱回折法によって分析した結果である。鉛フリーはんだ合金としてはSn‐3Ag‐0.5Cu合金が用いられている。
図5の(a)〜(c)は夫々核生成粒子4がPtSn、βIrSn及びαCoSnである場合におけるβSnのマッピング像であり、図5の(d)はβSnの結晶配向を定量的にまとめたものである。
図5の(a)〜(c)から、全てのはんだボール1は一つのβSn結晶配向(緑色)を表している。すなわち、βSnはZ方向に沿って<100>方向に配向されている。
また、図5の(d)から、全てのはんだボール1がX‐Y面、すなわち、銅基板2の面21に<001>方向を有すると共に、全てのはんだボール1において<100>方向中の一つの方向がZ方向、すなわち、銅基板2に垂直方向に存在する。
更に、図5の(d)は、全てのはんだボール1が、X‐Y面、すなわち、銅基板2の面21に対して15°以内に[001]方向を有することが分かる。
以上のことから、はんだ付けの際に生成されるβSnの核生成及び結晶配向は、核生成粒子4の最も大きいファセット面に沿って行われることが分かる。換言すれば、核生成粒子4のファセット面の配置を制御することにより、βSnの核生成及び結晶配向を制御することができる。また、βSnを選択的に単結晶又は多結晶にすることもできる。
ひいては、βSnの核生成及び結晶配向を制御できるので、はんだ継手の特性(例えば、熱サイクル能力、せん断疲労寿命及び電子移動能力等)を、その用途に応じて制御することが出来る。
図6は本実施の形態に係る接合方法にて製造された、本実施の形態に係るはんだ継手10の一例を示す。斯かるはんだ継手10においては、核生成粒子4としてαCoSnが用いられており、その用途に応じてβSnの核生成及び結晶配向が制御されている。また、鉛フリーはんだ合金としてはSn‐3Ag‐0.5Cu合金が用いられている。
図6の(a)は、4つの銅基板2上に核生成粒子4が固定されている状態を示している。また、図6の(b)ははんだ付け後における、4つのはんだ継手10の微細構造を示している。また、図6の(c)は前記4つのはんだ継手10を電子線後方散乱回折法によって分析した結果であり、X方向及びY方向におけるβSnのマッピング像である。更に、図6の(d)は(c)に対応する結晶方位マップである。
図6に係る本実施の形態の接合方法(はんだ継手)では、各核生成粒子4は、夫々のc/b軸が、X‐Y面上であって、X方向に対して約45°に位置されるように固定されている(図6の(a)参照)。
その結果、図6の(c)及び(d)から分かるように、4つの全てのはんだ継手10(はんだボール1)において、βSnは、c軸([001]方向)が銅基板2の面21上に、かつ、主なせん断方向(X方向)に対して約45°に位置している。このような構造は、最も長いせん断疲労寿命が得られる構造として報告されている(図6の(d)における赤い領域参照)。
すなわち、核生成粒子4(ファセット面)の配置を制御することによって、βSnの[001]方向を制御し、斯かるはんだ継手10(はんだボール1)に最も長いせん断疲労寿命をもたらせることができた。
図2においては、2つの銅基板2のうち、下側の銅基板2に核生成粒子4を固定する場合を例に挙げているが、本実施の形態はこれに限るものでない。上側の銅基板2に核生成粒子4を固定しても同じ効果を得ることは言うまでもない。
βSnの核生成及び結晶配向の制御に及ぼす核生成粒子4の寸法の影響について調べた。図7は核生成粒子4の寸法がβSnの核生成及び結晶配向の制御に及ぼす影響を調べた結果である。図7の(a)〜(d)は核生成粒子4としてαCoSnを用いた場合において、銅基板2上に核生成粒子4が固定されている状態を示している。また、図7の(e)〜(h)は、(a)〜(d)に係るはんだ継手10を電子線後方散乱回折法によって分析した結果であり、Z方向におけるβSnのマッピング像である。鉛フリーはんだ合金としてはSn‐3Ag‐0.5Cu合金が用いられている。
核生成粒子4としてαCoSnを用いた場合は、核生成粒子4の寸法が幅(最長寸法)25μm以下である場合は、βSnの核生成及び結晶配向の制御はできなくなることが分かった(図7の(d)及び(h)参照)。
より詳しくは、核生成粒子4としてαCoSn用いた場合、核生成粒子4の最小寸法は、幅(銅基板2の面21に沿う方向の最長寸法)が25μmで、厚みが0.2μm(交差方向において)である(図1参照)。この際、核生成粒子4の最大サイズは、銅基板2の面21のサイズと同じである。
また、図7の(i)、(j)は核生成粒子4としてPtSnを用いた場合におけるはんだ継手10を電子線後方散乱回折法によって分析した結果であり、βSnのマッピング像である。この際、PtSnの寸法は幅(最長寸法)10〜20μmであり、βSnの核生成及び結晶配向の制御が有効に可能であった。
より詳しくは、核生成粒子4としてPtSn、PdSn、又はβIrSnを用いた場合、核生成粒子4の最小寸法は、幅(銅基板2の面21に沿う方向の最長寸法)が10μmで、厚みが0.2μm(交差方向において)である(図1参照)。この際、核生成粒子4の最大サイズは、銅基板2の面21のサイズと同じである。
αCoSnは核生成粒子4のうち最も早い速度で銅及び液相と反応して(Cu、Co)Snを形成する。また、αCoSn付近の(Cu、Co)Sn層はαCoSnと液相との接触を防止する。従って、核生成粒子4としてαCoSnを用いた場合は、はんだ付け(リフロー法)回数がβSnの核生成及び結晶配向の制御に影響を及ぼすことがあり得る。
図8ははんだ付けの数がβSnの核生成及び結晶配向の制御に及ぼす影響を調べた結果である。核生成粒子4としてαCoSnが用いられ、リフロー法によるはんだ付けが行われた。図8の(a)、(b)と、図8の(c)、(d)とは、夫々はんだ付けが2回及び5回行われた場合におけるはんだ継手10を電子線後方散乱回折法によって分析した結果であり、Z方向におけるβSnのマッピング像である。また、図8の(e)は(a)〜(d)をまとめたものである。鉛フリーはんだ合金としてはSn‐3Ag‐0.5Cu合金が用いられている。
核生成粒子4としてαCoSnを用いた際には、2回のリフロー法によるはんだ付けの場合、βSnの核生成及び結晶配向の制御が100%有効であった(図8の(a)、(b)、(e)参照)。しかし、5回のリフロー法によるはんだ付けの場合、βSnの核生成及び結晶配向の制御は50%しかできなかった(図8の(c)、(d)、(e)参照)。
一方、核生成粒子4としてPtSn又はβIrSnを用いた際には、図9に示しているように、10回以上のリフロー法によるはんだ付けの場合でも、βSnの核生成及び結晶配向の制御が100%有効であった。図9において、鉛フリーはんだ合金としてはSn‐3Ag‐0.5Cu合金が用いられている。
また、銅基板2が停止している状態でリフロー法によるはんだ付けが行われた場合と、対流オーブン内で銅基板2を移動させながらリフロー法によるはんだ付けが行われた場合とでは、βSnの核生成及び結晶配向の制御に違いは見られなかった。
以上においては、鉛フリーはんだ合金としてはSn‐3Ag‐0.5Cu合金が用いられた場合を例として説明したが、本実施の形態はこれに限るものでない。例えば、鉛フリーはんだ合金としてはSn‐3.5Ag合金であっても良く、Sn‐0.7Cu‐0.05Ni‐Ge合金であっても良い。
図10及び図11は本実施の形態に係るはんだ継手10に核生成粒子4としてαCoSnが用いられ、鉛フリーはんだ合金として夫々Sn‐3.5Ag合金及びSn‐0.7Cu‐0.05Ni‐Ge合金が用いられた場合、はんだ継手10を電子線後方散乱回折法によって分析した結果であり、Z方向におけるβSnのマッピング像である。
図10及び図11の何れの場合においても、βSnの核生成及び結晶配向の制御が有効に行われていることが見て取れる。
以上においては、核生成粒子4として、PtSn、PdSn、βIrSn又はαCoSnの何れか一つを銅基板2の一ヶ所に固定する場合を例に挙げて説明したが、本実施の形態はこれに限るものでない。
例えば、二つ以上の同一の核生成粒子4を銅基板2の複数箇所に固定しても良い。また、異なる複数の核生成粒子4を銅基板2の複数の箇所に固定しても良い。この場合は、部分的にβSnの核生成及び結晶配向の制御が可能である。
以上においては、銅基板2を用いた場合を例に挙げて説明したが、本実施の形態はこれに限るものでない。銅の代わりに、銅のような遷移金属の基板を用いても良い。
1 はんだボール(はんだ部分)
2 銅基板(被接合部材)
3 被覆層
4 核生成粒子
10 はんだ継手
21 (銅基板の)面

Claims (14)

  1. Snを含む鉛フリーはんだ合金を用いて少なくとも2つの被接合部材を接合させたはんだ継手において、
    前記鉛フリーはんだ合金に係るはんだ部分は、
    接合の際に形成された金属間化合物の層と、
    [100]方向又は[010]方向が前記金属間化合物の層の厚み方向と交差するように結晶配向された単粒βSnと、
    前記金属間化合物の層及び前記単粒βSnの間に介在し、該単粒βSnの結晶配向に関わる核生成粒子と
    を含むことを特徴とするはんだ継手。
  2. 前記単粒βSnは[001]方向が前記被接合部材の接合面に沿うように配向されていることを特徴とする請求項1に記載のはんだ継手。
  3. 前記核生成粒子は、PtSn、PdSn、βIrSn又はαCoSnのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項2に記載のはんだ継手。
  4. 前記αCoSnの核生成粒子は、前記被接合部材の前記接合面に沿う方向における最長寸法が25μm以上で、該方向との交差方向における寸法が0.2μm以上であることを特徴とする請求項3に記載のはんだ継手。
  5. 前記PtSn、PdSn、又はβIrSnの核生成粒子は、前記被接合部材の前記接合面に沿う方向における最長寸法が10μm以上で、該方向との交差方向における寸法が0.2μm以上であることを特徴とする請求項3に記載のはんだ継手。
  6. 前記被接合部材は板形状であり、
    前記核生成粒子の最大サイズは 前記被接合部材の前記接合面のサイズと同じであることを特徴とする請求項2から5の何れか一項に記載のはんだ継手。
  7. 前記金属間化合物の層は何れかの被接合部材と前記はんだ部分との接合界面に形成されていることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載のはんだ継手。
  8. 少なくとも2つの被接合部材に対してSnを含む鉛フリーはんだ合金を用いてはんだ付けを行い、前記鉛フリーはんだ合金に係るはんだ部分によって前記2つの被接合部材が接合される接合方法において、
    前記はんだ部分を形成すべき箇所に、前記はんだ部分の結晶配向に関わる金属間化合物の核生成粒子を少なくとも一つ配置する配置ステップと、
    前記はんだ部分が前記金属間化合物の核生成粒子を含むように、前記はんだ付けを行うはんだ付けステップとを含むことを特徴とする接合方法。
  9. 前記配置ステップは、
    前記金属間化合物の核生成粒子の最も大きいファセット面が特定方向になるように、前記金属間化合物の核生成粒子を何れかの被接合部材に固定するステップを含むことを特徴とする請求項8に記載の接合方法。
  10. 前記配置ステップは、前記何れかの被接合部材において前記金属間化合物の核生成粒子を固定すべき箇所にSn被覆を行うステップを含み、
    前記金属間化合物の核生成粒子はSnで被覆された箇所の上に固定されることを特徴とする請求項9に記載の接合方法。
  11. 過度液相接合法によって、前記金属間化合物の核生成粒子は被覆されたSn上に固定されることを特徴とする請求項10に記載の接合方法。
  12. 前記はんだ付けステップでは、リフロー法が用いられることを特徴とする請求項8から11の何れか一項に記載の接合方法。
  13. 前記金属間化合物の核生成粒子は矩形の板状をなすことを特徴とする請求項8から12の何れか一項に記載の接合方法。
  14. 前記金属間化合物は、PtSn、PdSn、βIrSn又はαCoSnのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項8から13の何れか一項に記載の接合方法。


JP2017133073A 2017-07-06 2017-07-06 はんだ継手及び接合方法 Active JP6770280B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017133073A JP6770280B2 (ja) 2017-07-06 2017-07-06 はんだ継手及び接合方法
PCT/JP2018/025799 WO2019009427A1 (ja) 2017-07-06 2018-07-02 はんだ継手及び接合方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017133073A JP6770280B2 (ja) 2017-07-06 2017-07-06 はんだ継手及び接合方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019013957A JP2019013957A (ja) 2019-01-31
JP6770280B2 true JP6770280B2 (ja) 2020-10-14

Family

ID=64950112

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017133073A Active JP6770280B2 (ja) 2017-07-06 2017-07-06 はんだ継手及び接合方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6770280B2 (ja)
WO (1) WO2019009427A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110193642A (zh) * 2019-06-04 2019-09-03 北京理工大学 一种调控焊锡接头晶粒取向及组织的焊接工艺
JP7481285B2 (ja) 2021-03-23 2024-05-10 株式会社デンソー 半導体装置およびその製造方法
CN114192918B (zh) * 2021-12-31 2023-09-19 北京工业大学 一种获取晶粒取向为交叉晶的互连焊点的方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3479702B2 (ja) * 1996-08-30 2003-12-15 石原薬品株式会社 スズ及びスズ―鉛合金メッキによる表面被覆材料、並びに当該被覆材料を利用した電子部品
JP4650220B2 (ja) * 2005-11-10 2011-03-16 パナソニック株式会社 電子部品の半田付け方法および電子部品の半田付け構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019013957A (ja) 2019-01-31
WO2019009427A1 (ja) 2019-01-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI226854B (en) Lead-free tin-silver-copper alloy solder composition
JP6770280B2 (ja) はんだ継手及び接合方法
JP2005517535A5 (ja)
US20220093549A1 (en) Hybrid bonding structures, semiconductor devices having the same, and methods of manufacturing the semiconductor devices
JP2014027122A (ja) 無鉛はんだバンプ接合構造
WO2017002704A1 (ja) はんだ材料、はんだ継手およびはんだ材料の検査方法
CN104668792B (zh) 一种锡铟互连焊点金属间化合物的可控制备方法
US7784669B2 (en) Method and process for reducing undercooling in a lead-free tin-rich solder alloy
CN108422116A (zh) 通过添加Bi和In制备多晶结构无铅互连焊点的方法
TWI761683B (zh) Cu核球、焊接頭、焊膏及泡沫焊料
CN108422117B (zh) 通过施加电流制备多晶结构无铅互连焊点的方法
US9999945B2 (en) Solder alloy
JP6439893B1 (ja) ハンダボール、ハンダ継手および接合方法
US20100092335A1 (en) Pb-free solder alloy
CN106688085B (zh) Cu柱、Cu芯柱、钎焊接头及硅穿孔电极
EP3414039B1 (en) Thermal treatment for preconditioning or restoration of a solder joint
CN110193642A (zh) 一种调控焊锡接头晶粒取向及组织的焊接工艺
TW202405196A (zh) 焊料合金、焊料球、焊料膏及焊料接頭
Sujan et al. Ball shear strength and fracture mode of lead-free solder joints prepared using nickel nanoparticle doped flux
JP6459621B2 (ja) 錫合金スパッタリングターゲット
CN103476540B (zh) 焊料合金
Tegehall Impact of Surface Finish, Solder Volume and Solder Composition on the Grain Structure of SnAgCu Solder Joints
CN114211069B (zh) 一种基于imc焊盘的多晶结构焊点制取方法
JP2008274316A (ja) めっき部材およびその製造方法
TWI795778B (zh) 無鉛焊料合金、焊料球、焊膏及半導體裝置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180703

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200825

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200915

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6770280

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250