JP6770010B2 - 複合型回転熱処理炉及びそれを使用した熱処理方法 - Google Patents

複合型回転熱処理炉及びそれを使用した熱処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱風を循環させてアルミニウム合金などの被加熱物に溶体化処理と時効処理を施す複合型の回転式熱処理炉及びそれを使用した熱処理方法に関するものである。
従来から、アルミニウム合金等の被加熱物に溶体化処理や時効処理などの熱処理を施す熱風循環式の回転式熱処理炉が使用されている。
例えば、特許文献1には、焼入れ水槽の中で第1のワークに焼入れ処理を施している間に、溶体化炉への第2のワークの搬入及び時効炉からの第3のワークの搬出を行うことによって、焼入れ処理の時間を有効に活用し、熱処理全体のサイクルタイムを短縮する方法が記載され、この方法に使用される熱処理炉(溶体化炉)が開示されている。
この特許文献1に記載の熱処理炉は、図6に示すように、一つの回転体(載置台)70に対して二つのバーナ71(および二つのファン72)が設けられおり、一つの回転体に対して二つのバーナを使用して熱処理を行うようにしている。
また、特許文献1以外のこれまでの熱処理炉は、一つの回転体に対して少なくとも一つのバーナを設けられ、回転体に搭載した被加熱物に充分な加熱処理を施すようにしている。
特開2010−196152号公報
しかしながら、特許文献1に記載の熱処理炉を含むこれまでの熱処理炉は、前記したように一つの回転体に対して二つ又は一つのバーナを設けているので、被加熱物に充分な熱処理を施すことができるという利点がある反面、製造コストの点で改善の余地がある。
すなわち、回転体に搭載した被加熱物に充分な加熱処理を施すことができる構造で、かつ、一つの回転体に対するバーナの数をこれまでより減らすことができれば熱処理炉の製造コストを低減することができる。また、それにより、バーナを設置する部分を削減できるので熱処理炉の小型化を図ることが可能となる。従って、熱処理炉を構成する鋼材や炉材の量を削減でき、製造コストの低減を図ることができる。また、小型化によって熱処理炉の設置面積を削減することができ、工場の敷地を有効に活用することができる。さらに、溶体化処理と時効処理を一つの熱処理炉で同時に行うことができれば作業効率を高めることができる。
そこで、本発明の目的とするところは、回転体に搭載した被加熱物に充分な加熱処理を施しつつ、一つの回転体に対するバーナの数をこれまでより減らして製造コストを低減すことができ、かつ、溶体化処理と時効処理の双方を同時に行うことができる熱処理炉を提供することにある。また、それを使用した熱処理方法を併せて提供する。
上記の目的を達成するために、本発明の複合型回転熱処理炉(1)は、第一被加熱物に溶体化処理を施し、第二被加熱物に時効処理を施す回転式の熱処理炉であって、
炉壁(2)で囲まれるとともに、仕切り壁(3)を介して相互に隣接して配置された溶体化室(4)及び時効室(5)と、前記溶体化室(4)及び時効室(5)の近傍に配置された熱源室(10)と、
前記熱源室(10)を、前記溶体化室(4)へ寄った側の第一熱源室11と、前記時効室(5)に寄った側の第二熱源室(12)に分離するとともに、前記仕切り壁(3)の端部まで延びる放熱板(20)と、
前記放熱板(20)の前記第二熱源室(12)の側に配置された開閉自在の防熱壁(30)と、
前記溶体化室(4)に設けられ、前記第一被加熱物を搭載して回転する第一回転体(31)と、
前記時効室(5)に設けられ、前記第二被加熱物を搭載して回転する第二回転体(32)と、
前記第一熱源室(11)に設けられた一つのバーナ(40)と、
前記第一熱源室(11)の前記バーナ(40)の側に設けられ、前記溶体化室(4)に向かって送風するように配置された一つの第一ファン(41)と、
前記第二熱源室(12)に設けられ、前記時効室(5)に向かって送風するように配置された一つの第二ファン(42)を備え、
前記バーナ(40)による熱風を、前記第一ファン(41)を介して、前記第一熱源室(11)から前記溶体化室(4)へ送り、前記第一回転体(31)の前記第一被加熱物に溶体化処理を施して前記第一ファン(41)まで戻すように循環させるとともに、
前記第一熱源室(11)の熱によって、前記第二熱源室(12)を、前記放熱板(20)を介して加熱し、その熱風を、前記第二ファン(42)によって前記時効室(5)に送り、前記第二回転体(32)の前記第二被加熱物に時効処理を施して前記第二ファン(42)まで戻すように循環させてなることを特徴とする。
また、本発明は、前記第一回転体(31)及び第二回転体(32)が、同一形状及び同一の大きさで、いずれも、径方向に延びる側壁で仕切られた略等しい大きさで、前記第一被加熱物及び第二被加熱物を格納する格納室(R)が周方向に複数かつ多段状に形成されるとともに、中央部には空洞(D)が形成されてなる平面視略ドーナツ状であり、
前記第一ファン(41)及び第二ファン(42)を介して前記第一回転体(31)及び第二回転体(32)に送風される熱風は、前記第一回転体(31)及び第二回転体(32)の周面から前記空洞(D)に導かれ下方から排出され、前記第一ファン(41)及び第二ファン(42)まで戻すように循環させられることを特徴とする。
また、本発明は、前記第一回転体(31)及び第二回転体(32)を平面視円形状とし、前記炉壁(2)の前記溶体化室(4)を囲む部分を前記第一回転体(31)に近接させて円弧形状とするとともに、前記炉壁(2)の前記時効室(5)を囲む部分を前記第二回転体(32)に近接させて円弧形状としたことを特徴とする。
また、本発明は、前記バーナ(40)および第一ファン(41)を、前記炉壁(2)の前記第一熱源室(11)を囲む側壁に取付けるとともに、前記第二ファン(42)を、前記炉壁(2)の前記第二熱源室(12)を囲む側壁に取付けたことを特徴とする。
さらに、本発明は、前記第一ファン(41)を、熱風が前記第一回転体(31)の前記仕切り壁(3)の側の略半分に、より多く当たるように配置するとともに、前記第二ファン(42)を、熱風が前記第二回転体(32)の前記仕切り壁(3)の側の略半分に、より多く当たるように配置したことを特徴とする。
本発明の複合型回転熱処理炉を使用した熱処理方法は、上記いずれか一つの複合型回転熱処理炉(1)を使用し、前記第一回転体(31)及び第二回転体(32)のうち、熱風が、より多く当たる前記仕切り壁(3)の側の略半分を、前記第一被加熱物及び第二非加熱物を加熱する加熱帯(H)とし、残りの略半分を前記第一被加熱物及び第二被加熱物の加熱状態を均一化させる均一帯(U)としたことを特徴とする。
上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
本発明の複合型回転熱処理炉によれば、第一回転体及び第二回転体という二つの回転体に対して一つのバーナのみを設ける構成としたので、これまでよりも一つの回転体に対するバーナの数を削減することができる。これにより、製造コストを低減することができる。
また、バーナを設置する部分を削減することができるので、より小型の複合型回転熱処理炉を提供することができる。従って、複合型回転熱処理炉を構成する鋼材や炉材の量を削減でき、製造コストの低減を図ることができる。また、小型化を図ったことにより、工場の敷地を有効利用することができる。
さらに、この複合型回転熱処理炉は、それのみで溶体化処理と時効処理という異なる二つの熱処理を同時に行うことができるので、作業の効率化を図ることができる。
また、本発明によれば、第一回転体及び第二回転体における第一被加熱物及び第二被加熱物を格納する格納室が、周方向に複数かつ多段状に形成され、中央部には空洞が形成された平面視略ドーナツ状であり、第一ファン及び第二ファンによって第一回転体及び第二回転体に送風される熱風が、その第一回転体及び第二回転体の周面からその空洞に導かれて下方から排出され、第一ファン及び第二ファンまで戻されて循環するので、これら第一回転体及び第二回転体に搭載した第一被加熱物及び第二被加熱物に充分な加熱処理(溶体化処理及び時効処理)を効果的に施すことができる。
また、本発明によれば、第一回転体及び第二回転体を平面視円形状とし、炉壁の溶体化室を囲む部分を第一回転体に近接させて円弧形状とするとともに、炉壁の時効室を囲む部分を第二回転体に近接させて円弧形状としたので、炉壁と第一回転体及び第二回転体との間の空間(距離)を小さくすることができる。これにより、熱風を、第一回転体及び第二回転体の第一被加熱物及び第二被加熱物に、より効果的に作用させることができ、さらに充分な加熱処理を施すことができる。
また、本発明は、バーナおよび第一ファンを、炉壁の第一熱源室を囲む側壁に取付けるとともに、第二ファンを、炉壁の第二熱源室を囲む側壁に取付けたので、熱源室(第一熱源室及び第二熱源室)の高さを低く設定することができ、その上部空間を有効利用することができる。
さらに、本発明は、第一ファンを、熱風が第一回転体の仕切り壁側の略半分に、より多く当たるように配置するとともに、第二ファンを、熱風が第二回転体の前記仕切り壁側の略半分に、より多く当たるように配置したので、より多く当たる略半分を、第一被加熱物及び第二被加熱物を加熱する加熱帯とし、残りの略半分を、第一被加熱物及び第二被加熱物の加熱状態を均一化させる均一帯とすることができる。これにより、第一被加熱物及び第二被加熱物に加熱処理と均一化処理を効果的に施すことができる。
本発明による複合型回転熱処理炉を使用した熱処理方法によれば、上記本実施形態に係る複合型回転熱処理炉を使用し、第一回転体及び第二回転体のうち、熱風が、より多く当たる仕切り壁側の略半分を、第一被加熱物及び第二非加熱物を加熱する加熱帯とし、残りの略半分を第一被加熱物及び第二被加熱物の加熱状態を均一化させる均一帯としたので、第一被加熱物及び第二被加熱物に効果的な加熱処理と均一化処理を提供することができる。
このように、第一回転体及び第二回転体という二つの回転体に対して一つのバーナと二つのファンを設けて溶体化処理と時効処理を同時に施すようにした点は、特許文献1には一切記載されていない。
本発明の実施形態による複合型回転熱処理炉を示す一部断面平面図である。 図1に示す複合型回転熱処理炉の溶体化処理側を示す一部断面側面図である(溶体化処理側を示す)。 図1に示す複合型回転熱処理炉の時効処理側を示す一部断面側面図である(時効処理側を示す)。 図1に示す複合型回転熱処理炉の防熱壁部分を示す一部断面側面図である。 図1に示す複合型回転熱処理炉の他の態様を示す一部断面平面図である。 従来例に係る熱処理炉を示す一部断面平面図である。
図1乃至図4を参照して、本発明の実施形態に係る複合型回転熱処理炉を説明する。
本実施形態に係る複合型回転熱処理炉1は、第一被加熱物に溶体化処理を施すと同時に第二被加熱物に時効処理を施すことができる回転式の熱処理炉である。なお、溶体化処理では、アルミ合金などの第一被加熱物を高温で加熱してオーステナイト組織を生成し、時効処理では、溶体化処理が完了した第二被加熱物を比較的低温で加熱して、微細析出物を析出させその強度を高める。
上記した加熱処理を行う本実施形態に係る複合型回転熱処理炉1は、溶体化室4、時効室5、平面視矩形状の熱源室10、放熱板20、防熱壁30、第一回転体31、第二回転体32、一つのバーナ40、第一ファン41および第二ファン42を備える。この複合型回転熱処理炉1は、平面視略左右対称であり、左側部分(図1の上側部分)で溶体化処理を行い、右側部分(図1の下側部分)で時効処理を行う。
すなわち、溶体化室4及び時効室5は、炉壁2で囲まれるとともに、仕切り壁3を介して相互に隣接して配置される。熱源室10は、同じく炉壁2で囲まれ、溶体化室4及び時効室5の近傍に配置される。この炉壁2は、底壁、側壁(周壁)及び天壁で構成され、従って、溶体化室4、時効室5及び熱源室10は、この炉壁2によって密閉状態で囲まれる。
放熱板20は、炉壁2の前端部(図1の左側端部)から仕切り壁3の端部まで延出されて固定され、熱源室10を、溶体化室4へ寄った側の第一熱源室11と、時効室5へ寄った側の第二熱源室12とに分離する。この放熱板20は、金属などの熱伝導性に優れた材料で構成され、第一熱源室11の熱を第二熱源室12に効果的に伝達する。この放熱板20は、仕切り壁3と同じ高さに設定することもできるし、その高さの例えば半分程度とすることもできる。
防熱壁30は、第二熱源室12において放熱板20の片面に近接した状態で開閉自在に配置される。本実施形態の防熱壁30は一対の扉体30aで構成され、それぞれがエアーシリンダー30bによっていわゆる観音開き式に取り付けられる。この防熱壁30は断熱性に優れ、閉状態では放熱板20からの熱を遮断する。なお、この防熱壁30は、図4に示すように、仕切り壁3と同じ高さに設定した放熱板20の略上半部のみに対向して設けることもできるし、その全体に対向して設けることもできる。また、この防熱壁30は、スライド式の扉など、他の開閉構造とすることもできる。
第一回転体31は、溶体化室4に設けられ、溶体化処理される第一被加熱物を搭載して、連続的かつ間欠的に時計回り方向(図1に示した矢印A方向)に回転する。
第二回転体32は、時効室5に設けられ、時効処理される第二被加熱物を搭載して、連続的かつ間欠的に反時計回り方向(図1に示した矢印B方向)に回転する。
なお、第一回転体31及び第二回転体32の回転方向はこれらに限定されない。
本実施形態の第一回転体31及び第二回転体32は、同一形状の平面視円形状とし、かつ同一の大きさとしている。また、いずれも、径方向に延びる側壁で仕切られた略等しい大きさで、第一被加熱物及び第二被加熱物を格納する格納室Rが周方向に複数かつ多段状に形成される。また、その中央部には空洞Dが形成される。従って、第一回転体31及び第二回転体32は共に、平面視略ドーナツ状を構成する。
また、本実施形態の第一回転体31は、上記したように平面視円形状とし、かつ、炉壁2の溶体化室4を囲む部分をその第一回転体31に近接させて円弧形状としている。同様に、第二回転体32も平面視円形状とすると共に、炉壁2の時効室5を囲む部分をその第二回転体32に近接させて円弧形状としている。
バーナ40は(本実施形態ではガスバーナ)は一つのみであり、第一熱源室11のみに設けられ、第二熱源室12には設けられない。このバーナ40は、炉壁2の第一熱源室11を囲む側壁に取り付けられる。
このバーナ40の性能は30×104(kcal/H)である。
第一ファン41は、第一熱源室11のバーナ40の側、すなわちバーナ40の近傍でその上位に設けられ、溶体化室4に向かって送風するように配置される。
この第一ファン41は、炉壁2の第一熱源室11を囲む側壁に取り付けられ、かつ、熱風が第一回転体31の仕切り壁3の側の略半分に、より多く当たるように配置される。なお、第一ファン41に連続して、第一回転体31に熱風を案内する第一案内筒43を設けている。
この第一ファン41はRCファンあり、その性能は、1300(m3/min)×22(kw)である。
第二ファン42は、第二熱源室12に設けられ、時効室5に向かって送風するように配置される。
この第二ファン42は、炉壁2の第二熱源室12を囲む側壁に取り付けられ、第二回転体32の仕切り壁3の側の略半分に、より多く当たるように配置される。なお、第二ファン42に連続して、第二回転体32に熱風を案内する第二案内筒44を設けている。
なお、第二ファン42はRCファンであり、その性能は、第一ファンのそれを下回る800(m3/min)×22(kw)である。
また、炉壁2の溶体化室4を囲む部分の一部には、第一被加熱物の出し入れを行う第一出入口6が形成され、炉体の時効室5を囲む部分の一部には、第二被加熱物の出し入れを行う第二出入口7が形成される。また、炉壁2の外側で、第一出入口6及び第二出入口7の近傍には、第一被加熱物及び第二被加熱物を掴んで出し入れを行うロボット60が配置される。
本実施形態に係る複合型回転熱処理炉を使用した溶体化処理及び時効処理は、次のように同時に行うことができる。
まず、バーナ40によって第一熱源室11の内部の空気を加熱すると共に、第一ファン41によって熱風を溶体化室4に送り、溶体化室4を充分に加熱する。それと同時に、防熱壁30を開放状態とし、放熱板20によって、第一熱源室11の熱を第二熱源室12に伝達させ、第二熱源室12及び時効室5を充分に加熱する。この際、防熱壁30は開いた状態とするが、第二熱源室12の温度調整を行うために、適宜、閉状態あるいは半開き状態などとする。
それに前後して、第一回転体31の格納室Rに第一被加熱物を搭載すると共に、第二回転体32に第二被加熱物を搭載する。この搭載は、ロボット60によって、第一出入口6及び第二出入口7を介して行う。
次に、第一回転体31及び第二回転体32をそれぞれ連続的かつ間欠的に回転させる。本実施形態では、前記したように、第一回転体31を時計回り方向に回転させ、第二回転体32をそれとは逆の反時計回り方向に回転させる。この状態で、第一ファン41から第一熱源室11の熱風を溶体化室4に送り続ける。第一ファン41からの熱風は、第一案内筒43を通った後、第一回転体31の周面から複数の格納室Rを通過して第一被加熱物を加熱し、その後、空洞Dに導かれ、その下方から排出される。
同様に、第二ファン42から第二熱源室12の熱風を時効室5に送り続ける。第二ファン42からの熱風は、第二案内筒44を通った後、第二回転体32の周面から複数の格納室Rを通過して第二被加熱物を加熱し、その後、空洞Dに導かれ、その下方から排出される。
ここで、第一回転体31及び第二回転体32を平面視円形状とし、炉壁2の溶体化室4を囲む部分を第一回転体31に近接させて円弧形状とし、炉壁2の時効室5を囲む部分を第二回転体32に近接させて円弧形状としているので、炉壁2と第一回転体31及び第二回転体32との間の空間(距離)を小さく設定することができる。従って、第一被加熱物に効果的な溶体化処理を施し、第二被加熱物に効果的な時効処理を施すことができる。
また、ここで使用する複合型回転熱処理炉1は、第一ファン41を、熱風が第一回転体31の仕切り壁3の側の略半分に、より多く当たるように配置しているので、その略半分を、第一被加熱物を加熱する加熱帯Hとし、残りの略半分を、加熱状態を均一化させる均一帯Uとすることができる。これにより、第一被加熱物に、より効果的な溶体化処理を施すことができる。
同様に、第二ファン42を、熱風が第二回転体32の仕切り壁3の側の略半分に、より多く当たるように配置しているので、その略半分を、第二被加熱物を加熱する加熱帯Hとし、残りの略半分を、加熱状態を均一化させる均一帯Uとすることができる。これにより、第二被加熱物に、より効果的な時効処理を施すことができる。
第一回転体31及び第二回転体32のそれぞれの空洞Dから下方に排出された熱風(使用された熱風)は、第一熱源室11及び第二熱源室12に戻され、そこで再び加熱される。第一熱源室11で再加熱された熱風は、第一ファン41によって、再び、溶体化室4の第一回転体3131に送られて、第一非加熱物に溶体化処理を施す。また、第二熱源室12で再加熱された熱風は、第二ファン42によって、再び、時効室5の第二回転体32に送られて、第二非加熱物に時効処理を施す。
第一被加熱物は、第一回転体31に搭載されて一回転し、加熱処理と均一化処理による溶体化処理が施された後、ロボット60によって第一出入口6から外に取り出される。その後、そのロボット60によって新たな第一被加熱物が第一出入口6から第一回転体31に搭載されて、溶体化処理が施される。こうした行程を繰り返すことにより、多数の第一被加熱物を連続的に溶体化処理する。
同様に、第二被加熱物は、第二回転体32に搭載されて一回転し、加熱処理と均一化処理による時効処理が施された後、ロボット60によって第二出入口7から外に取り出される。その後、そのロボット60によって新たな第二被加熱物が第二出入口7から第二回転体32に搭載されて、時効処理が施される。こうした行程を繰り返すことにより、多数の第二被加熱物を連続的に時効処理する。
本発明の実施形態による複合型回転熱処理炉1によれば、溶体化処理を行う第一回転体31と、時効処理を行う第二回転体32という二つの回転体に対して一つのバーナ40のみを設ける構成とているので、従来の熱処理と比較して、バーナ40の数を削減することができ、製造コストを低減することができる。
また、バーナ40が一つのみであるため、それを設置する部分を削減することができ、より小型の複合型式回転熱処理炉1を提供することができる。従って、それを構成する鋼材や炉材の量を削減でき、製造コストの低減を図ることができる。また、小型化により、工場の敷地を有効利用することができるという利点もある。
さらに、本実施形態に係る複合型回転熱処理炉1は、それのみで溶体化処理と時効処理という異なる二つの熱処理を同時に行うことができるので、作業の効率化を図ることができる。
また、第一回転体31及び第二回転体32に、格納室Rを周方向に複数かつ多段状に形成し、中央部に空洞Dを形成した平面視略ドーナツ状としているので、熱風を、第一回転体31及び第二回転体32の周面からそれぞれの空洞Dに導いて下方から排出して、循環させることができる。これにより、第一回転体31及び第二回転体32に搭載した第一被加熱物及び第二被加熱物に充分な熱風を供給して、溶体化処理及び時効処理を効果的に施すことができる。
また、バーナ40および第一ファン41を、炉壁2の第一熱源室11を囲む側壁に取付けるとともに、第二ファン42を、炉壁2の第二熱源室12を囲む側壁に取付けたので、第一熱源室11及び第二熱源室12の高さを低く設定することができる。その結果、それらの上部空間を有効利用することができる。
本発明による複合型回転熱処理炉を使用した熱処理方法によれば、上記本実施形態に係る複合型回転熱処理炉1を使用し、第一回転体31及び第二回転体32のうち、熱風が、より多く当たる仕切り壁3の側の略半分を、第一被加熱物及び第二非加熱物を加熱する加熱帯Hとし、残りの略半分を第一被加熱物及び第二被加熱物の加熱状態を均一化させる均一帯Uとしたので、上記と同様に、第一被加熱物及び第二被加熱物に効果的な加熱処理と均一化処理を提供することができる。
なお、上記実施形態における複合型回転熱処理炉1の第一回転体31及び第二回転体32は平面視円形状としているが、これに限定されるものではない。例えば、第一回転体31及び第二回転体32をそれぞれが異なる形状と大きさに設定することができる。また、平面視円形状に代えて、平面視矩形状や、六角形状あるいは八角形状などの平面視多角形状とすることもできる。
また、バーナ40と第一ファン41及び第二ファン42は、炉壁22の側壁に取付けているが、炉壁22の天壁に取り付けることもできる。
さらに、熱源室10は平面視矩形状としているが(バーナ40と第一ファン41及び第二ファン42の取付け等を考慮したもの)、これに限定されず、例えば、平面視円弧形状とすることもできる。
なお、上記実施形態では、放熱板20を介して第一熱源室11から第二熱源室12へ熱を伝達させているが、これに代えて、あるいはこれに加えて、図5に示すように、送風ファン51などを備えたダクト50によって第一熱源室11の熱を第二熱源室12に送ることもできる。
1 複合型回転熱処理炉
2 炉壁
3 仕切り壁
4 溶体化室
5 時効室
6 第一出入口
7 第二出入口
10 熱源室
11 第一熱源室
12 第二熱源室
20 放熱板
30 防熱壁
30a 扉体
30b エアーシリンダー
31 第一回転体
32 第二回転体
40 バーナ
41 第一ファン
42 第二ファン
43 第一案内筒
44 第二案内筒
50 ダクト
51 送風ファン
60 ロボット
R 格納室
D 空洞
H 加熱帯
U 均一帯

Claims (6)

  1. 第一被加熱物に溶体化処理を施し、第二被加熱物に時効処理を施す回転式の熱処理炉であって、
    炉壁で囲まれるとともに、仕切り壁を介して相互に隣接して配置された溶体化室及び時効室と、前記溶体化室及び時効室の近傍に配置された熱源室と、
    前記熱源室を、前記溶体化室寄りの第一熱源室と、前記時効室寄りの第二熱源室に分離するとともに、前記仕切り壁の端部まで延びる放熱板と、
    前記放熱板の前記第二熱源室側に配置された開閉自在の防熱壁と、
    前記溶体化室に設けられ、前記第一被加熱物を搭載して回転する第一回転体と、
    前記時効室に設けられ、前記第二被加熱物を搭載して回転する第二回転体と、
    前記第一熱源室に設けられた一つのバーナと、
    前記第一熱源室の前記バーナ側に設けられ、前記溶体化室に向かって送風するように配置された一つの第一ファンと、
    前記第二熱源室に設けられ、前記時効室に向かって送風するように配置された一つの第二ファンを備え、
    前記バーナによる熱風を、前記第一ファンを介して、前記第一熱源室から前記溶体化室へ送り、前記第一回転体の前記第一被加熱物に溶体化処理を施して前記第一ファンまで戻すように循環させるとともに、
    前記第一熱源室の熱によって、前記第二熱源室を、前記放熱板を介して加熱し、その熱風を、前記第二ファンによって前記時効室に送り、前記第二回転体の前記第二被加熱物に時効処理を施して前記第二ファンまで戻すように循環させてなることを特徴とする複合型回転熱処理炉。
  2. 前記第一回転体及び第二回転体は、同一形状及び同一の大きさで、いずれも、径方向に延びる側壁で仕切られた略等しい大きさで、前記第一被加熱物及び第二被加熱物を格納する格納室が周方向に複数かつ多段状に形成されるとともに、中央部には空洞が形成されてなる平面視略ドーナツ状であり、
    前記第一ファン及び第二ファンを介して前記第一回転体及び第二回転体に送風される熱風は、前記第一回転体及び第二回転体の周面から前記空洞に導かれ下方から排出され、前記第一ファン及び第二ファンまで戻すように循環させられることを特徴とする請求項1に記載の複合型回転熱処理炉。
  3. 前記第一回転体及び第二回転体を平面視円形状とし、前記炉壁の前記溶体化室を囲む部分を前記第一回転体に近接させて円弧形状とするとともに、前記炉壁の前記時効室を囲む部分を前記第二回転体に近接させて円弧形状としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の複合型回転熱処理炉。
  4. 前記バーナおよび第一ファンを、前記炉壁の前記第一熱源室を囲む側壁に取付けるとともに、前記第二ファンを、前記炉壁の前記第二熱源室を囲む側壁に取付けたことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の複合型回転熱処理炉。
  5. 前記第一ファンを、熱風が前記第一回転体の前記仕切り壁側の略半分に、より多く当たるように配置するとともに、前記第二ファンを、熱風が前記第二回転体の前記仕切り壁側の略半分に、より多く当たるように配置したことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の複合型回転熱処理炉。
  6. 請求項1乃至5のうちいずれか一つの複合型回転熱処理炉を使用し、前記第一回転体及び第二回転体のうち、熱風が、より多く当たる前記仕切り壁側の略半分を、前記第一被加熱物及び第二非加熱物を加熱する加熱帯とし、残りの略半分を前記第一被加熱物及び第二被加熱物の加熱状態を均一化させる均一帯としたことを特徴とする複合型回転熱処理炉を使用した熱処理方法。
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