JP6769814B2 - 散布装置 - Google Patents
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Description
この部隊訓練では、毒ガスの代わりに無毒のガスや液体(以下、散布剤と記す。)が散布され、その後、訓練者が視認でき、また検知手段を使用して、その散布剤の成分を検知する。
部隊訓練で使用する散布剤の散布装置には、弾着音あるいは弾着音の疑似音を発生させ、散布剤が均一に散布されることが要求される。
この要求に対して、筐体と、この筐体の内部に充填された散布剤と、燃焼することで散布剤を飛散させる火薬とが備えられている散布装置が開発されている。この散布装置は、筐体の内部で火薬を燃焼させたときの発火音を弾着音の疑似音として利用でき、火薬が燃焼した際に発生するガス圧によって散布剤を散布装置の周囲に飛散させることができる。
さらに、ガス発生剤を空中で発火させることで、発火音が生じるため、この発火音を弾着音の疑似音として利用できる。
この散布装置は、例えば、部隊訓練の際に訓練者が視認でき、また検知手段によって検知できる成分を含む散布剤を散布するために使用される。
散布装置1は、図1に示すように、点火装置が付属された発射薬2と、点火装置の上から取り付けられる発射筒4と、この発射筒4の内部に設けられている発射体3と、ガス発生剤6が充填され、発射体3の内部に取り付けられている収容筒8と、発射体3の内部に充填されている散布剤5と、発射体3の下端部に設けられている間座7とを備えている。
発射薬2は、点火、燃焼されることで、ガスを発生し、このガス圧が発射体3に推進力を加えることにより、発射体3が空中に発射される。発射薬2には、例えば、黒色火薬などを使用することができる。発射薬2の仕込み量は、散布剤5やガス発生剤6を含めた発射体3の重量、発射体3の飛行距離等を考慮して、適宜決定することができる。
また、本実施形態では、点火装置が付属されている発射薬2を使用する。この点火装置は、円盤状の台座9を有し、遠隔からの操作によって、発射薬2に点火できる機能を有する。
発射筒4は、円筒状のものであり、この発射筒4には、紙製のものを使用することができ、例えば、強度の大きいボール紙を使用できる。
発射筒4の直径は、台座9の直径とほぼ等しく設計され、発射筒4は点火装置の台座9に取り付けられる。
発射体3は、円筒状であり、蓋部3A、胴体部3Bおよび底部3Cから構成されている。この発射体3には、樹脂製のものを使用できる。
蓋部3Aは、その中心から下側に向けて拡径し、テーパ状に形成されている。一方、底部3Cは、胴体部3Bと連結している円縁から、中心に向けて上側に縮径している。また、底部3Cの中心には、貫通孔10が形成されている。
間座7は、円盤状であり、その直径は、発射筒4の直径とほぼ等しく設計され、中心に取付け孔11が形成されている。間座7は紙製又はフェルト製であり、この間座7には、例えば、ボール紙を積層させたものや、ボール紙の間にフェルトを挟んだものを使用することができる。
間座7は、発射体3の底部3Cを覆うように、発射体3に取り付けられている。発射体3の底部3Cは、内側に凹んでいるため、この底部3Cと間座7との間には空間が形成され、この空間に延期薬12が充填されている。延期薬12には、例えば、過酸化バリウム、鉛丹、クロム酸鉛に各種金属または合金の粉末が混合された混合物などを使用することができる。
収容筒8は、樹脂性であり、底部にガス発生剤挿入口13が形成されている。このガス発生剤挿入口13から収容筒8にガス発生剤6が充填される。ガス発生剤6の充填後、ガス発生剤挿入口13に塞栓14が設けられる。この収容筒8は発射体3の内部かつ発射方向に沿って収容され、その下部が貫通孔10を介して、発射体3の底部3Cから外部に露出されている。そして、収容筒8の下端部は間座7の取付け孔11に取り付けられている。
ガス発生剤6は、収容筒8に収容されることで、散布剤5から完全に隔離されている。このガス発生剤6は、燃焼することで発生するガス圧で発射体3を炸裂させる。ガス発生剤6には、例えば、シングルベース、ダブルベース、トリプルベースおよびマルチベース等の無煙火薬などを使用することができ、ガス発生剤6の充填量は、散布剤5が散布される範囲を考慮して決定される。本実施形態の散布装置1では、散布剤5の散布半径は3mから5mである。
散布剤5には、訓練者が視認でき、また検知手段で検知する成分が含有されているものを使用する。散布剤5は、収容筒8の周囲に充填される。
この散布剤5には、固体、液体、気体、又はこれらの混合物を使用できる。例えば、液体状の散布剤5には、ポリエチレングリコール水溶液、ポリビニルアルコール水溶液を使用することができる。これらの水溶液は、粘性を有するため、地面に粘着させやすい。また、散布剤5を着色したり、散布剤5に特有の臭いを有する成分を含有させたりすることもできる。散布剤5の種類や状態等は、部隊訓練で想定する状況に応じて、適宜決定する。
まず、散布剤5を散布したい位置に散布装置1を設置する。次に、遠隔から点火装置を操作し、発射薬2に着火する。着火された発射薬2が燃焼されることで、ガスが発生し、このガスからの圧力が、間座7に加わる。間座7は発射体3に取り付けられているため、間座7がガス圧を受けることで、発射体3が散布装置1の真上に発射される。そして、間座7を介して、発射薬2の発生した火炎が延期薬12に伝わり、延期薬12が着火される。
発射体3が空中に発射された後、延期薬12が燃焼し、その燃焼熱が収容筒8の内部に伝わることで、ガス発生剤6が着火される。ガス発生剤6が燃焼すると、それによって発生するガス圧によって、発射体3が炸裂される。
そうすると、発射体3の散布剤5は、空中で飛散され、地面に散布される。
散布剤5が地面に散布された後、訓練者は、散布剤5が散布された位置まで向かい、散布剤5の成分を視認または検知手段で調べる。
散布装置1によれば、発射筒4から発射された発射体3は、空中で炸裂するため、散布剤5は発射筒4に妨げられることなく飛散される。そのため、散布剤5を地面に均一に散布することができる。
また、散布剤5は、空中で飛散されるため、発射薬2に着火する操作を遠隔から行った場合でも、散布剤5の散布状況を確認できる。この散布剤5には、毒ガス成分の代わりに安全な化学物質を使用するため、安全に部隊訓練を遂行することができる。
また、発射体3の蓋部3Aは、テーパ状に形成されているため、発射体3が空中を飛行しているときに発射体3に加わる空気抵抗を小さくすることができる。そのため、発射体3の蓋部3Aをテーパ状に形成していないものと比較し、発射体3を所定の高さまで到達させるための発射薬2の仕込み量を削減できる。また、発射体3の底部3Cを内側に凹ませ、その底部3Cの下側に間座7を設けることで、延期薬12を充填できる空間を容易に形成できる。また、間座7は、延期薬12を充填する空間を形成することに加え、収容筒8を支持し、発射薬2からのガス圧を受ける役割を担う。
例えば、散布装置1には、発射筒4を固定し、地面に対する角度が変更可能な設置台を設けることもできる。この設置台の角度を変更することで、発射体3を任意の方向に発射させることもできる。
また、本実施形態では、点火装置が設けられている台座9の上から発射筒4を設けた散布装置について説明したが、発射筒は、底部を設けて一体的に形成することもできる。この場合、底部の上に発射薬2を設ける。
2 発射薬
3 発射体
3A 蓋部
3B 胴体部
3C 底部
4 発射筒
5 散布剤
6 ガス発生剤
7 間座
8 収容筒
9 台座
10 貫通孔
11 取付け孔
12 延期薬
13 ガス発生剤挿入口
14 塞栓
Claims (6)
- 発射薬が燃焼することで空中に発射される発射体と、
前記発射体に収容された散布剤と、
前記発射体に収容され、燃焼することで前記発射体を炸裂させると共に前記散布剤を空中で散布するガス発生剤と、
前記発射体が設けられた発射筒と、
前記発射体に取り付けられ、前記発射薬の燃焼により生じるガス圧を受ける間座と、
前記ガス発生剤が充填され、前記発射体の底部を貫通し、前記発射体に設けられ、かつ前記間座に支持される収容筒と、
が備えられた、
ことを特徴とする散布装置。 - 前記発射体の底部と、前記間座との間に延期薬が設けられ、
前記収容筒の底部に形成されたガス発生剤挿入口に塞栓が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の散布装置。 - 点火装置を有し、
この点火装置が遠隔から操作されることで、前記発射薬が発火される、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の散布装置。 - 前記発射体の先端がテーパ状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の散布装置。 - 前記発射筒および前記間座が、紙製又はフェルト製であり、
前記発射体が、樹脂製である、
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の散布装置。 - 前記発射筒を固定し、設置面に対する角度が変更可能な設置台を備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の散布装置。
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JP2018059643A JP2018059643A (ja) | 2018-04-12 |
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2016
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