JP6768845B2 - 円形加速器 - Google Patents

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Description

本発明は陽子または炭素イオン等の重イオンを加速する加速器に関する。
粒子線治療や物理実験などで使用する高エネルギー原子核ビームは加速器を用いて発生させられる。核子当たりの運動エネルギーが200MeV前後のビームを得る加速器には特許文献1や特許文献2に記載のサイクロトロンや特許文献3に記載のシンクロトロンや特許文献4に記載の可変エネルギー加速器が挙げられる。サイクロトロンの特徴は静磁場中を周回するビームを高周波電場で加速する点であり、加速されるにつれてビームはその軌道の曲率半径を増し、外側の軌道に移動し、最高エネルギーまで到達した後に取り出される。そのため取り出すビームのエネルギーは固定される。シンクロトロンはビームを偏向する電磁石の磁場と加速する高周波電場の周波数を時間的に変化させることでビームは一定の軌道を周回する。そのため、設計上の最大エネルギーに到達する前にビームを取り出すことも可能であり、取り出しエネルギーが制御可能である。可変エネルギー加速器は、サイクロトロン同様磁場中を周回するビームを高周波電場で加速しながらも、ビーム軌道が加速に伴い一方向に偏心していくことが特徴である。
特許文献1:特開2014−160613号公報
特許文献2:特開2014−020800号公報
特許文献3:特開2014−186939号公報
特許文献4:国際公開2016092621
特許文献4に記載の可変エネルギー加速器では加速に伴い軌道が一方向に偏心する特性から各エネルギーの軌道が互いに近接しその結果密に集約する領域(集約領域)と、各エネルギーの軌道が互いに離散する領域(離散領域)が存在する。一方で可変エネルギー加速器はサイクロトロンと同様にエネルギーに対して周回時間が不変である等時性磁場を必要とする。等時性磁場の特徴はビーム軌道上の平均磁場がビームの相対論的γファクターに比例させる点にある。したがって、通常高エネルギービームの軌道上の磁場と低エネルギービームの軌道上の磁場を比較すると高エネルギービームの軌道における磁場の方がより大きくなる。すると、ビーム軌道に対して垂直な面内の二方向に沿った磁場の二微分(磁場勾配勾配)が生じ、ビームの安定周回を担保する収束力に対する擾乱となる。そこで、可変エネルギー加速器における周回ビーム量の確保には磁場勾配勾配を考慮したうえで軌道上の磁場を定める必要があるが、従来その指針は与えられていなかった。
上記した目的を達成する本発明の特徴は、等時性磁場中を周回するイオンを高周波電場によって加速し、加速に伴いビームの軌道が特定の方向に変位することでエネルギー毎の軌道が密に集約した集約領域と疎に離散した離散領域を有する加速器であって、前記磁場が前記集約領域においてビーム軌道の径方向に磁場勾配を有し、磁場勾配勾配と前記集約領域を通過するビームサイズの積が前記磁場勾配よりも小さくなる特徴を持つことを特徴とする加速器とする点にある。
本発明によれば、加速器が生成できるビーム量が増大する。
本実施例の加速器1の全体概形である。 本実施例の加速器1の内部構造である。 本実施例の加速器1の設計軌道である。 本実施例の加速器1のビーム軌道に沿った磁場分布である。 本実施例の加速器1の軌道面内の磁場分布である。 本実施例の加速器1のチューンのビームエネルギーの依存性を示す図である。 本実施例の加速器1の加速面内方向ベータ関数を示す図である。 本実施例の加速器1の加速面に垂直な方向ベータ関数を示す図である。 本実施例の加速器1の左右対称軸に沿った磁場分布を示す図である。 本実施例の加速器1の軌道に沿った四極磁場分布を示す図である。 本実施例の加速器1の軌道に沿った六極磁場分布を示す図である。 本実施例の加速器1のトリムコイルの配置を示す図である。
本発明の好適な一実施例である実施例1の加速器を図1〜図12を用いて以下に説明する。本実施例の加速器1はエネルギー可変かつ連続的にビーム出力可能な可変エネルギー加速器である。この加速器1は時間的に一定の磁場中を一定の周波数(等時性)で周回する荷電粒子ビームを高周波電場によって加速する円形加速器である。その外観を図1に示す。加速器1は上下に分割可能な磁石11によってその外殻を形成し、内部は真空引きされている。磁石11には貫通口が複数あり、そのうち加速されたビームを取り出す取り出しビーム用貫通口111、内部のコイルを外部に引き出すための引き出し口112・113、高周波電力入力用貫通口114が上下磁極の接続面上に設けられている。また磁石11の上部にはイオン源12が設置されており、ビーム入射用貫通口115を通してビームが加速器1内部に入射される。
次に、加速器の内部構造について図2を用いて説明する。磁石11の内部は円筒状内壁で形成される円筒状の空間20があり、円環状のコイル13が内壁に沿って設置されている。コイル13に電流を流すことによって磁石11が磁化し、磁石11の内部に所定の分布で磁場を励起する。コイル13の内側には磁極121〜124が設置されており、コイル13の外側は円筒状のリターンヨーク14を備える。内部空間20中をビームが周回し、加速する。取り出しビームのエネルギーは最小70MeVから最大235MeVであり、ビームの周回周波数は19.82MHzである。
磁極121〜124によってビームの軌道に沿って4組の凹凸が形成され、ビームに作用する磁場は凹部では低磁場、凸部では高磁場となる。このようにビーム軌道に沿って磁場の強弱をつけ、さらに軌道に沿った磁場の平均値をビームの相対論的γファクターに比例させることで、周回ビームの周回時間をエネルギーに依らず一定としつつ、ビームの軌道面内と軌道面に対して垂直な方向に対して安定にベータトロン振動する。磁極凹部には高周波電場を励起する高周波空胴31・32、取り出し用セプタム電磁石40、キッカ磁場発生用のコイル50が備えられている。キッカ磁場は後に説明するように特定の位置にのみ磁場を印加するマスレスセプタムの方式を採用し、ビームに対して軌道面に対し垂直な方向に対称に設置されたコイルに電流を流すことで磁場を励起する。
ビームは入射点130から低エネルギーのイオンの状態で加速器1に入射される。入射されたビームは高周波空胴によって励起される高周波電場によって電場ギャップを通過する毎に加速される。この加速器1はビームの加速に従ってビームの軌道中心が同一面内上で一方向に移動するようにビーム軌道を定めている。従って、中心面において磁場は面内成分が0となるように、磁極形状とコイル配置は中心面に対して鏡面対称としている。また、磁場分布は中心面内の軸AA’に対して左右対称の分布とした結果、磁極121と124、122と123がそれぞれ左右対称の形状となっている。各磁極には磁場の微調整用のトリムコイルが設けられており、等時性とベータトロン振動の安定を確保するように運転前にトリムコイル電流が調整されている。
次に、本加速器中を周回するビームの軌道について述べる。各エネルギーの軌道は図3に示す。図3は中心面をXY平面として軌道の形状を図示したものである。周回軌道は最大エネルギー235MeVから磁気剛性率0.04Tmおきに50エネルギー種の軌道を実線で示している。点線は各軌道の同一の周回位相を結んだ線であり、等時性線と呼ぶ。等時性線は集約領域から周回位相π/20ごとにプロットしている。加速ギャップは等時性線に沿って設置される。50MeV以下の低エネルギー領域ではサイクロトロン同様にイオンの入射点付近を中心とする軌道をとなるが、50MeVよりも大きなエネルギーの軌道は取り出し用セプタム電磁石40の入射点近くで密に集まっており、逆にマスレスセプタム50が設置されている凹部では各軌道が互いに離れた位置関係にある。この軌道が密に集まっている点を集約領域、離散した領域を軌道離散領域と呼ぶこととする。軌道離散領域においては中心面内の広い領域にエネルギーに応じてビームが広がっており、マスレスセプタムによる磁場の励磁位置を適当に定めることで、その励磁位置に対応するエネルギーのビームがキックを受ける。このキックによって所定の平衡軌道からずらされたビームは半周下流の集約領域に設置されたセプタム電磁石に入射される。セプタム電磁石40は取り出すビームを取り出し経路140上の定められた設計軌道に乗せるのに必要な偏向をビームに対して与える。具体的には主電磁石磁場を打ち消す方向の磁場を励起し、取り出し経路140にビームを導いている。
上記のような軌道構成と軌道周辺での安定なベータトロン振動を生じさせるために、本実施例の加速器1においてはビーム軌道に沿って磁場の極小と極大が一周当たり4回現れる磁場分布を採用している。図4に軌道に沿った磁場分布を示す。図4にはエネルギー235MeV、202MeV,157MeV、75.5MeV,11.5MeVの軌道に沿った磁場分布が示され、横軸は軌道集約領域において0で、半周下流の軌道離散領域を1とした軌道方向距離、縦軸は磁場である。このようにエネルギーにたいして平均的な磁場を上げつつ、振幅を適切に定めることで本加速器のような偏心した軌道配置においても等時性かつベータトロン振動する磁場分布を実現できる。また、中心面上の磁場分布を等磁場線図として図5に示す。図5は中心面における磁場を最大磁場2.54T、最小磁場0.32Tの間を16段階に分けて等磁場線で表現している。図3同様、XY平面の原点が入射点であり、Y軸が離散領域と集約点を結ぶ左右対称軸AA’に相当する。図3・図2および図5の破線で示した円は半径1526mmの円でありこの内部に全エネルギーの軌道が内包されている。
以上の条件のもと、軌道周りのベータトロン振動数(チューン)の評価結果を図6に示す。軌道上の磁場と前後のエネルギーの磁場から得られる磁場勾配を元にチューンを計算した。低エネルギーにおいては軌道面内のチューンがほぼ1であり、加速とともにおおきくなっていく。また軌道面に垂直な方向のチューンは低エネルギーではほぼ0であり、全エネルギー領域で0以上0.5未満の範囲に存在する。また、ベータトロン振動振幅に対応するベータトロン関数βは加速面内方向(r)と加速面に垂直な方向(z)それぞれに存在し、その振る舞いを図・図に示す。図と図に示したように、βはr方向に比べz方向に大きくなる傾向がある。例えば最大値を比較するとr方向βは離散領域でとり、最大でも10m以下である。一方、z方向βは集約領域で最大値を取り、その大きさは35m程度である。ベータトロン振動起因のビームサイズはエミッタンスεとβの積の平方根√(εβ)で計算される。すると、r方向とz方向で同じ値のエミッタンスを持つビームが加速器1内を周回した場合、集約領域におけるz方向のビームサイズが軌道中最大となる。例えばエミッタンスが1πmm・mradであった場合、集約領域におけるz方向ビームサイズは6mm程度である。よって、ビームを安定に周回させる、すなわち周回するビームのチューンが図6に示した値に対して大きくずれないようにするためには、ビームサイズの領域中でビームが受ける収束力のばらつきを低減する必要がある。ビームに対する収束力はビーム軌道に垂直な方向の磁場勾配(四極磁場)に比例する。四極磁場は図5に示す磁場分布においては±4T/mの範囲を振動的に分布しており、周回中に収束・発散の作用を受けた結果安定なベータトロン振動となる。よって、軌道上の四極磁場に対して十分ビームサイズ起因の四極磁場変化を小さくする必要がある。有限のサイズを持つビームがビーム内での四極磁場が変化する要因として、ビーム軌道に対して垂直な方向に沿った磁場の二階微分、すなわち磁場勾配勾配があげられる。ビーム軌道に対して垂直な方向に沿った磁場の二階微分を六極磁場と呼び、六極磁場が存在する領域ではビームを構成する粒子が受ける収束力がビーム内の位置によって変化し、その結果各粒子のベータトロン振動の振動数がばらつく。ビーム内部での四極磁場の差は六極磁場とビームサイズの積に比例する。さらに、軌道のある点に生じた四極磁場の変化がベータトロン振動数に与える影響の感度はその点でのβに比例することが知られている。よって、ベータトロン振動のばらつきはβの3/2乗(すなわちビームサイズの3乗)と六極磁場の積の軌道全周に渡る積分値に比例する。
以上の気づきを踏まえ、本発明ではベータトロン関数が大きくなる集約領域における六極磁場に着目し、ベータトロン振動のばらつきを抑える磁場分布を構築した。本実施例の磁場分布においては集約領域における磁場分布をビーム軌道に対して垂直な方向(Y軸に平行な方向)に対して略線形な磁場分布とした点に特徴がある。すなわち、加速器1の左右対称軸AA’上において、磁場は図9に示す如く、集約点側では一次関数で近似できる形状を取る。言い換えると、ビーム軌道に対して垂直な面内の二方向に沿った磁場の二微分(磁場勾配勾配)が生じるのを抑制するような磁場分布とする。すなわち、軌道径方向に、入射点(Y=0mm)における磁場-1.3Tから集約領域の最外周まで-0.7T/mの磁場勾配で単調に磁場の大きさが減少する分布となっている。このような磁場では六極磁場およびさらに高次の多極磁場が0となり、ビーム内おける収束力のばらつきが生じない磁場分布である。
これを確認するために、軌道に沿った四極磁場と六極磁場の値を図10・図11に示す。図10に示すように、ビーム軌道に沿って、四極磁場が正の領域と負の領域を交互に遷移する。四極磁場が正の領域ではz方向の収束力、負の領域ではr方向の収束力が課されており、全体としてr方向にもz方向にも安定に周回する。さらに、図11に示したように六極磁場は集約領域(横軸が0の領域)において0である。これによって有限サイズのビームの安定が達成できる。仮に、本発明を適用しない可変エネルギー加速器では集約領域において100T/m2程度の六極磁場が生じ得る。その場合、ビームサイズに相当する6mmの領域内で±0.6T/mの四極磁場偏差が生じる。すると、集約点での四極磁場0.7T/mに対して同程度のばらつきとなるため、設計通りの収束力が得られない。よって、本発明にかかる主磁場分布によってビームの安定性、ひいては周回するビーム電流量の増加に寄与できる。
本実施例の加速器1において図5に示す磁場分布を励磁するため、電磁石11に付属したトリムコイルを用いる。図12にトリムコイルの形状を示す。磁極凸部121〜124と集約領域にトリムコイル151〜155が設置される。各トリムコイルは独立に励磁量の調整が可能な複数の系統を持っている。トリムコイルとはビームが周回する面に対してz方向に離れた領域に設置される磁場を補正するためのコイルである。加速器1は磁極凸部に磁場分布調整用のトリムコイル152〜155が設置されており、これらのトリムコイル152〜155は電源に接続され、別途得られる磁場測定の結果や、ビームモニタの測定結果や磁場測定の結果から所定の磁場分布に近付けるように励磁量を制御する。さらに、本実施例の特徴である、集約領域で直線的な磁場分布を得るための集約領域用トリムコイル151が別途備えられている。このトリムコイル151もトリムコイル152〜155同様に磁場測定の結果や、周回ビーム量の測定結果から集約領域の磁場を調整する目的で励磁量を調整する。
具体的には、前述のように、集約領域における四極磁場(磁場勾配)に対して十分ビームサイズ起因の四極磁場変化を小さくなるようにトリムコイルを調整する。ビーム内部での四極磁場の変化は、六極磁場(磁場勾配勾配)とビームサイズとの積に比例し、さらに、ビーム内部でのベータトロン振動数の広がりは六極磁場とビームサイズの3乗との積の軌道全周に渡る積分値に比例する。そのため、トリムコイルは、z方向ビームサイズが最大となる集約点において、磁場勾配勾配と少なくとも集約領域を通過するビームのビームサイズの積が磁場勾配よりも小さくなるように設定することでビームを安定に周回する効果が最も大きく得られる。以上によって、ビーム量の増加が見込める可変エネルギー加速器を実現できる。
1 加速器
11 磁石
12 イオン源
13 コイル
14 リターンヨーク
20 内部空間
31〜32 高周波空胴
40 取り出し用セプタム電磁石
50 マスレスセプタム用コイル
111 取り出しビーム用貫通口
112〜113 コイル接続用貫通口
114 高周波入力用貫通口
115 ビーム入射用貫通口
121〜124 磁極凸部
130 入射点
140 ビーム取り出し経路
151〜155 トリムコイル

Claims (7)

  1. 等時性磁場中を周回するイオンを高周波電場によって加速し、加速に伴いビームの軌道が特定の方向に変位することでエネルギー毎の軌道が密に集約した集約領域と疎に離散した離散領域を有する加速器であって、
    前記磁場が前記集約領域においてビーム軌道の径方向に磁場勾配を有し、前記磁場勾配の勾配と前記集約領域を通過するビームサイズの積が前記磁場勾配よりも小さくなることを特徴とする加速器。
  2. 請求項1に記載の加速器であって、
    前記集約領域における径方向の磁場勾配が、線形であることを特徴とする加速器。
  3. 請求項1に記載の加速器であって、
    前記集約領域における六極磁場がゼロであることを特徴とする加速器。
  4. 互いに対向して設置され、間に磁場を形成する一対の磁石と、
    イオンビームを加速する高周波空胴とを有し、
    前記磁石は、異なるエネルギーの前記イオンビームがそれぞれ周回する環状の複数のビーム周回軌道が、一方において集約するように磁場を形成し、
    前記磁石が形成する磁場は、前記周回軌道の径方向に磁場勾配を有し、
    前記磁石が形成する磁場は、前記磁場勾配の勾配と前記イオンビームのサイズとの積が前記磁場勾配より小さくなることを特徴とする加速器。
  5. 請求項4に記載の加速器であって、
    前記磁石が形成する磁場は、前記周回軌道が集約する領域の径方向の磁場勾配が、線形であることを特徴とする加速器。
  6. 請求項4に記載の加速器であって、
    前記周回軌道が集約する領域に、集約領域用のトリムコイルを有することを特徴とする加速器。
  7. 互いに対向して設置され、間に磁場を形成する一対の磁石と、
    イオンビームを加速する高周波空胴とを有し、
    前記磁石は、異なるエネルギーの前記イオンビームがそれぞれ周回する環状の複数のビーム周回軌道が、一方において集約するように磁場を形成し、
    前記磁石が形成する磁場は、前記周回軌道が集約する領域の径方向の磁場勾配が、線形であることを特徴とする加速器。
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