JP6768140B2 - 急性尿閉の発生を予防または低減させる方法 - Google Patents

急性尿閉の発生を予防または低減させる方法 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、米国特許出願第15/222,365号(出願日:2016年7月28日、名称:「急性尿閉の発生を予防または低減させる方法」)に基づく優先権を主張し、その内容は全体として参照により本明細書に組み込まれる。
各実施形態は、小ペプチドに基づく化合物および製薬学的に許容し得る担体を含有する組成物を用いて急性尿閉を予防する方法を含む。この方法には、必要な患者に組成物を筋肉内に、経口的に、静脈内に、前立腺内に、腹腔内に、大脳内に(柔組織内に)、脳室内に、病巣内に、眼内に、動脈内に、髄腔内に、腫瘍内に、鼻腔内に、局所的に、経皮的に、皮下に、または皮内に投与することが含まれるが、これらに限定されない。この組成物投与を受けた患者は、急性尿閉(AUR)の発生が劇的に減少する。
多くの医療的治療および処置の本質は、有害なまたは不要な組織の除去または破壊を伴う。そのような治療の例には、癌性または前癌性の成長物の外科的除去、化学療法を介する転移性腫瘍の破壊、および腺性(例えば前立腺)過形成の低減が含まれる。他の例には、不要な顔毛の除去、疣贅の除去、および不要な脂肪組織の除去が含まれる。
良性前立腺過形成(BPH)は高齢男性によく見られ、活動や幸福感の妨害など、生活の質に影響を与える症状がある。BPHは、尿閉、感染症、膀胱結石、および腎不全の危険性を伴って進行性であり得る。軽度から中等度の症状を持つ多くの男性は処置なしで順調であるが、それ以外の男性においては厄介な症状や合併症が進行し、医学療法や手術に至る場合がある。
BPHの合併症の1つは急性尿閉(AUR)であり、これはカテーテル法につながる。急性尿閉は、自発性または誘発性と分類されてもよい。自発性の急性尿閉は、しばしばBPHの最も深刻な帰趨であると患者によって考えられている。自発性の急性尿閉は、BPHに起因する急性尿閉のエピソードであり、誘発的事象には関係していない。5α−レダクターゼ阻害剤フィナステリドは、BPHの治療およびBPHを患う患者における自発性の急性尿閉の大幅な低減に有効であることが示されている(Andersenら,Urology,49(6),839−845(1997年))。
誘発性の急性尿閉は、以下の要因のうちの少なくとも1つによって誘発される急性尿閉のエピソードである:72時間以内の麻酔または手術;脳卒中や鬱血性心不全などの誘発的な医療事象;前立腺炎や尿路感染症などの医学的状態;または例えば、塩酸プソイドエフェドリン、風邪薬、麻酔剤や鎮静剤などの鎮痛剤、またはベナドリルなどの、尿閉を誘発することが知られている医薬品または薬物の摂取。
有害なまたは不要な細胞および組織を破壊し、従ってそれらの除去を容易にするかまたはそれらの更なる成長を阻害する一方で、主に局所効果を有し全身毒性が最小限または皆無であり、急性尿閉の発生を予防または低減させるのに有用である、効果的な組成物が求められている。また、効果的な組成物で治療した後であっても、侵襲的外科的処置の必要性を低減させる必要がある。
有害なまたは不要な細胞および組織を破壊し、従ってそれらの除去を容易にするかまたはそれらの更なる成長を阻害する能力を有することが知られている薬剤は、2015年7月24日に出願された米国特許出願第14/808,731号(「良性前立腺過形成の患者に対する手術の必要性を低減させる方法」)、2015年1月27日に出願された米国特許出願第14/606,683号(「細胞の破壊または除去を必要とする疾患を治療する方法」)、2015年6月12日に出願された米国特許出願第14/738,551号(「望ましくない細胞増殖物の除去または破壊を必要とする疾患を治療するための配合組成物」)、米国特許出願公開第2007/0237780号(放棄済)、米国特許出願公開第2003/0054990号(放棄済)、米国特許出願公開第2003/0096350号(現米国特許第6,924,266号)、米国特許出願公開第2003/0096756号(現米国特許第7,192,929号)、米国特許出願公開第2003/0109437号(現米国特許第7,241,738号)、米国特許出願公開第2003/0166569号(現米国特許第7,317,077号)、米国特許出願公開第2005/0032704号(現米国特許第7,408,021号)、および米国特許出願公開第2015/0148303号(現米国特許第9,243,035号)に開示されており、これらの開示内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
組織の良性の過成長という異常に対しては、生物から細胞を除去することが望ましい。良性腫瘍は、身体全体に転移しないが、しかし病気の症状を引き起こす細胞増殖物である。そのような腫瘍は、脳などの器官のアクセス不能な領域に位置する場合、致死的であり得る。良性腫瘍ができるのは、肺、脳、皮膚、下垂体、甲状腺、副腎皮質および髄質、卵巣、子宮、精巣、結合組織、筋肉、腸、耳、鼻、喉頭、扁桃、口、肝臓、胆嚢、膵臓、前立腺、心臓、および他の臓器である。
多くの場合、手術は癌の治療の第一歩である。手術の目的は様々である。場合によっては、明らかな腫瘍のできるだけ多くを取り除くため、または少なくともそれを「減量」する(腫瘍の大部分を除去して、他の手段で治療する必要性がより少なくなるようにする)ために、手術が行われる。癌の種類や場所によっては、手術によって患者の症状が緩和される場合もある。例えば、外科医が拡大する脳腫瘍の大部分を取り除くことができる場合、頭蓋内の圧力が低下し、患者の症状が改善することが見込まれる。
ただし、全ての腫瘍が手術に適しているわけではない。完全に除去することが不可能となる体の部位に位置するものもある。そうした腫瘍の例は、脳幹(呼吸を制御する脳の部分)の腫瘍、または主要な血管の内部およびその周辺に増殖した腫瘍である。これらの場合、腫瘍除去に伴う高い危険性のため手術の役割は限られている。
一部の症例では、単純に手術が必要でないという理由で、腫瘍組織を減量するために手術は行われない。その一例はホジキンリンパ腫であり、これは化学療法と放射線療法の組み合わせに非常によく反応するリンパ節の癌である。ホジキンリンパ腫では、治癒を達成するために手術はほとんど必要ないが、ほぼ常に診断の確立のために手術が行われる。
化学療法は、がん治療の別の一般的な形態である。本質的に、化学療法は、急速に分裂する細胞(腫瘍に見られるものなど)を身体全体で特異的に攻撃する医薬品(通常は口からまたは注射によって与えられる)の使用を伴う。これにより、化学療法は、既に転移している癌や、血液およびリンパ系を通って広がる可能性が高いが、原発腫瘍から転移した明確な証拠がない腫瘍の治療に有用である。化学療法はまた、手術および放射線療法に対する限局性腫瘍の応答を向上するために使用され得る。これは、例えば頭頚部の癌の一部の場合である。
残念なことに、同様に正常時において急速に分裂するヒトの体内の他の細胞(例えば、胃や髪の内層)も化学療法の影響を受ける。この理由のため、多くの化学療法剤は、悪心、嘔吐、貧血、脱毛または他の症状などの望ましくない副作用を誘発する。これらの副作用は一時的なものであり、これらの副作用の多くを緩和するのに役立つ医薬品が存在する。我々の知見が増え続けるにつれて、研究者らは、癌細胞を殺滅する能力がより優れているだけでなく、患者の副作用がより少ない、新しい化学療法剤を考案した。
化学療法は、様々な方法で患者に施される。丸剤を含むものや、静脈注射または他の注射によって投与されるものがある。注射可能な化学療法の場合、患者は治療のために医院または病院に行く。他の化学療法剤は、血流中への連続注入を1日24時間必要とする。これらのタイプの化学療法では、患者が着用する小型ポンプを埋め込むために、軽微な外科的処置が行われる。その後、ポンプは薬を徐々に投与する。多くの場合、恒久的なポートを患者の静脈内に配置することにより、繰り返し針を刺す必要性がなくなる。
良性腫瘍および先天的異常は、外科手術、放射線療法、薬物療法、熱的または電気的切除、凍結療法などを含む様々な方法によっても治療することができる。良性腫瘍は転移しないが、大きく増殖し、再発する可能性がある。良性腫瘍の外科的摘出は一般に手術の全般的な困難性および副作用を伴い、下垂体腺腫、脳の髄膜腫、前立腺過形成など一部の良性腫瘍に対して繰り返し行わなければならないことが多い。加えて、良性腫瘍によって引き起こされる症状を改善するために非外科的治療を受けている患者の一部は、依然としてその後の侵襲的外科的処置を必要とする。Leporによる「良性前立腺過形成の医療的治療」(泌尿器科レビュー、Vol.13、No.1、.20−33頁(2011年))は、BPHを治療する際の薬物療法の有効性およびその後の侵襲的外科的治療の必要性に関する様々な研究を開示している。
男性における良性前立腺過形成の発症におけるアンドロゲンの役割は十分に実証されている(Wilson,N.Engl.J.Med.317:628−629,1987年)。実際、良性前立腺過形成は精巣の非存在下では発症しない(Wendelら,J.Urol.108:116−119,1972年参照)。
外科的または医療的(LHRHアゴニスト)去勢による精巣アンドロゲン分泌の遮断は、前立腺サイズを減少させることが知られている(Auclairら,Biochem.Biophys.Res.Commun.76:855−862,1977年;Auclairら,Endocrinology 101:1890−1893,1977年;Labrieら,Int.J.Andrology,suppl.2(V.Hansson監修),Scriptor Publisher APR,303−318頁,1978年;Labrieら,J.Andrology 1:209−228,1980年;Tremblay and Belanger,Contraception 30:483−497,1984年;Tremblayら,Contraception 30:585−598,1984年;Dubeら,Acta Endocrinol.(Copenh)116:413−417,1987年;Lacosteら,Mol.Cell.Endocrinol.56:141−147,1988年;White,Ann.Surg.22:1−80,1895年;Faureら,Fertil.Steril.37:416−424,1982年;Labrieら,Endocrine Reviews 7:67−74,1986年;Huggins and Stevens,J.Urol.43:705−714,1940年;Wendelら,J.Urol.108:116−119,1972年;Peters and Walsh,N.Engl.J.Med.317:599−604,1987年;Gabriloveら,J.Clin.Endocrinol.Metab.64:1331−1333,1987年)。
いくつかの研究では、抗アンドロゲンでの治療も前立腺サイズを減少させることが示されている(Neriら,Endocrinology,82:311−317,1968年; Neriら,Investigative Urology,10:123−130,1972年;Tunnら,Acta Endocrinol.(Copenh.)91:373−384,1979年;Seguinら,Mol.Cell.Endocrinol.,21:37−41,1981年;Lefebvreら,The Prostate 3:569−578,1982年;Marchetti and Labrie,J.Steroid Biochem,29:691−698,1988年;Lacosteら,Mol.Cell.Endocrinol.56:141−147,1988年;Tunnら,Invest.Urol.18:289−292,1980年;Scott and Wade,J.Urol.101:81−85,1969年;Caineら,J.Urol.114:564−568,1975年;Stoneら,J.Urol.141:240A,1989年;Clejanら,J.Urol.141:534A,1989年)。
米国特許第3,423,507号は、良性前立腺過形成の治療のための抗アンドロゲン酢酸シプロテロン(1α,2β−メチレン−6−クロロ−17α−アセトキシ−6−デヒドロプロゲステロン)の使用を開示している。純粋な抗アンドロゲン(米国特許第4,329,364号)は、テストステロン分泌の増加を引き起こし、エストロゲンへのより高い程度の芳香族化を生じ得る。これは、現在の知識から、前立腺過形成に負の効果を有すると予想される状況である(Jacobiら,Endocrinology 102:1748−1755,1978年)。いくつかの研究は、化学去勢(LHRHアゴニスト)と抗アンドロゲンの併用による治療が、単独で使用された何れの治療よりも前立腺サイズのより大きな阻害を引き起こすことを示している(Seguinら,Mol.Cell.Endocrinol.21:37−41,1981年;Lefebvreら,The Prostate 3:569−578,1982年;Marchetti and Labrie,J.Steroid Biochem.29:691−698,1988年)。
前立腺および他の多くの組織において、テストステロンは、5α−レダクターゼによって不可逆的により強力なアンドロゲンジヒドロテストステロンに変換される(Bruchovsky and Wilson,J.Biol.Chem.243:2012−2021,1968年;Wilson,Handbook of Physiology 5(第7節),491−508頁,1975年)。5α−レダクターゼの阻害剤は、前立腺成長を阻害することが判明している(Brooksら,Endocrinology 109:830,1981年;Brooksら,Proc.Soc.Exp.Biol.Med.169:67,1982年;Brooksら,Prostate 3:35,1982年;Wenderothら,Endocrinology 113,569−573,1983年;McConnellら,J.Urol.141:239A,1989年);Stoner,E.,良性前立腺肥大における5アルファ−レダクターゼ阻害剤の役割に関する講演、第84回AUA年次総会、ダラス、1989年5月8日)。
思春期前ラットにおける前立腺および精嚢の発達に対する5α−レダクターゼ阻害剤Merck L 652,931の阻害効果は、Proc. 71st Annual Meeting of Endocr.Soc.(abst.#1165,314頁,1989年)に記載されている。男性におけるジヒドロテストステロン形成に対するMK−906の阻害効果は、Gormleyら,Proc.71st Annual Meeting of Endocr.Soc.(abst.#1225,329頁,1989年);Imperato−McGinleyら,Proc.71st Annual Meeting of Endocr.Soc.(abst.#1639,432頁,1989年);Geller and Franson,Proc.71st Annual Meeting of Endocr. Soc.(abst.#1640,432頁,1989年),およびTenoverら,Proc.71st Annual Meeting of Endocr. Soc.(abst.#583,169頁,1989年)に記載されている。5α−レダクターゼ阻害剤であるN,N−ジエチル−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5アルファ−アンドロスタン−17ベータ−カルボキサミド(4−MA)および6−メチレン−4−プレグネン−3,20−ジオン(LY 207320)の活性は、Toomeyら,Proc.71st Annual Meeting of Endocr.Soc.(abst.#1226,329頁,1989年)に記載されている。
前立腺成長に対するアンドロゲンの周知の効果に加えて、エストロゲンが前立腺の増殖においても役割を果たすことを示す多くの研究が存在する(Walsh and Wilson,J.Clin.Invest.57:1093−1097,1976年;Robinetteら,Invest.Urol.15:425−432,1978年;Mooreら,J.Clin.Invest.63:351−257,1979年)。更に、エストロゲンは、イヌにおけるアンドロゲン誘発性前立腺成長を促進することが示されている(Walsh and Wilson,J.Clin.Invest.57:1093−1097,1976年;Jacobiら,Endocrinology 102:1748−1755,1978年;Tunnら,Urol.Int.35:125−140,1980年)。アンドロゲン誘導性前立腺成長に対するエストロゲンのこの促進効果は、17β−エストラジオールがイヌ前立腺におけるアンドロゲン結合を増進させることが示されているという観察によって説明できる(Mooreら,J.Clin.Invest.63:351−357,1979年)。
抗エストロゲン剤であるタモキシフェンは、イヌにおけるステロイド誘発性良性前立腺過形成を改善することが示されている(Funkeら,Acta Endocrinol.100:462−472,1982年)。良性前立腺過形成に罹患した患者におけるステロイド性抗アンドロゲン酢酸シプロテロンと合わせた抗エストロゲン剤であるタモキシフェンの投与は、疾患の症状に対して有益な効果を示した(Di Silverioら,Ipertrofia Prostatica Benigna(F.Di Silverio,F. Neumann and M.Tannenbaum監修),Excerpta Medica,117−125頁,1986年)。米国特許第4,310,523号には、抗アンドロゲンと抗エストロゲンの組み合わせが良性前立腺過形成の予防および/または療法に有効であることが提案されている。しかしながら、タモキシフェンは、その有効性を制限する内因性エストロゲン活性を有する。
アンドロゲンの芳香族化から生じるエストロゲン形成は、いくつかの部位で起こる。男性では、アンドロゲンの芳香族化は、精巣、脂肪組織および筋肉組織、皮膚、肝臓、脳および前立腺において示されている(Schweikertら,J.Clin.Endocrinol.Metab.40:413−417,1975年;Folker and James,J.Steroid Biochem.49:687−690,1983年; Longcopeら,J.Clin.Endocrinol.Metab.46:146−152,1978年;Lacoste and Labrie,未発表データ;Stoneら,The Prostate 9:311−318,1986年;Stoneら,Urol.Res.15:165−167,1987年)。良性前立腺過形成患者の前立腺組織におけるエストロゲン産生増加の証拠がある(Stoneら,The Prostate 9:311−318,1986年)。このようなデータは、エストロゲンの局所形成が、循環エストロゲンによって予測される作用を超えて前立腺成長を刺激する上で決定的な役割を果たす可能性があることを示している。
米国特許第4,472,382号は、抗アンドロゲンおよびLH−RHアゴニストとして作用するある種のペプチドによるBPHの治療を開示している。米国特許第4,596,797号は、前立腺過形成の予防および/または治療の方法としてのアロマターゼ阻害剤を開示している。米国特許第4,760,053号には、LHRHアゴニストと抗アンドロゲンおよび/または抗エストロゲンおよび/または少なくとも1つの性ステロイド生合成阻害剤を組み合わせたある種の癌の治療が記載されている。米国特許第4,775,660号は、卵巣分泌の外科的または化学的予防および抗アンドロゲンおよび抗エストロゲンの投与を含む併用療法で乳癌を治療する方法を開示している。
米国特許第4,659,695号は、精巣ホルモン分泌物が外科的または化学的手段によってブロックされているヒトを含む罹患可能性の高い男性動物における前立腺癌の治療方法を開示している。当該手段は、例えば、LHRHアゴニストの使用であり、抗アンドロゲン剤、例えば、フルタミドを、少なくとも1つの性ステロイド生合成阻害剤、例えば、アミノグルテチミドおよび/またはケトコナゾールと合わせて投与することを含む。上述の各特許(米国特許第4,472,382号、第4,596,797号、第4,760,053号、第4,775,660号、および第4,659,695号)の開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
BPHは、アンドロゲンおよびエストロゲンの両方の活性の増加によって引き起こされる。このようなBPHの2つの病因のために、提案されたホルモン療法は満足のいくものではなく、全て結果が予想できず、しばしば受け入れがたい副作用を引き起こしている。更に、先行技術による治療は、約20〜30%を超える前立腺容積の減少をほとんどもたらさず、症候学に一貫した効果を与えることがなかった(Scott and Wade,J.Urol.101:81−85,1969年;Caineら,J.Urol.114:564−568,1975年;Peters and Walsh,New Engl.J.Med.317:599−604,1987年;Gabriloveら,J.Clin.Endocrinol.Metab.64:1331−1333,1987年;Stoneら,J.Urol.141:240A,1989年;Clejanら,J.Urol.141:534A,1989年;Stoner,E.,良性前立腺過形成における5α−レダクターゼ阻害剤の役割に関する講演、第84回AUA年次総会、ダラス、1989年5月8日)。
以上で要約されたメカニズムの解明は、近年においてBPHの進行を制御する、そして多くの場合、逆転させるための有効な薬剤の開発をもたらした。これらの薬剤の最前線には、Merck&Co.,Inc.の製品PROSCAR(登録商標)(フィナステリド)がある。この化合物の効果は、テストステロンを5α−ジヒドロテステロンに変換する酵素テストステロン5αレダクターゼを阻害し、結果として前立腺肥大率が減少し、多くの場合前立腺質量が減少することである。
これらの例の全てまたは大部分において、従来の療法の危険性および副作用なしに、急性尿閉を引き起こし得る望ましくない状態を除去、破壊、または改善することができる治療、または望ましくない状態をより正確に除去、破壊、または改善することができる治療が必要とされている。また、通常BPHに関連する急性尿閉の発生を予防または低減させることができる療法を開発する必要性もある。
上記した関連技術の説明を含め、本明細書に記載された全ての公に入手可能な文書(全ての米国特許および公開特許出願を含む)は、参照によりその全体が本明細書に具体的に組み込まれる。上記した関連技術の説明は、いかなる形であれ、係属中の米国特許出願を含む上記された文書の何れかが本開示の先行技術であることを認めるものではない。更に、記載された製品、方法、および/または装置に関連する欠点についての本明細書上の記載は、いかなるものであれ、実施形態を限定するものではない。実際に、実施形態の態様は、記載された欠点による害を被ることなく、記載された製品、方法、および/または装置のある種の特徴を含んでもよい。
当技術分野において、急性尿閉の発生を予防または低減させる、新しく、毒性が低く、頻度が少ない(例えば、毎日または毎週医薬品を服用する必要性を回避する)治療の需要が依然として存在する。本明細書に記載の実施形態は、これら需要を満たすものである。
本開示は、アミノ酸配列Ile−Asp−Gln−Gln−Val−Leu−Ser−Arg−Ile−Lys−Leu−Glu−Ile−Lys−Arg−Cys−Leuによって記述される特定のペプチドを含む、ある種のNTPペプチドが、急性尿閉の発生を予防または低減させることができる、という前提に部分的に基づいている。
本開示はまた、アミノ酸配列Ile−Asp−Gln−Gln−Val−Leu−Ser−Arg−Ile−Lys−Leu−Glu−Ile−Lys−Arg−Cys−Leuによって記述される特定のペプチドを含む、ある種のNTPペプチドが、単独で、または哺乳動物における不要な細胞増殖物を治療および/または死滅させることができる付加的な活性剤との組み合わせによって、急性尿閉を患っている、または発症しやすい患者において予期せぬ改善をもたらす、という前提に部分的に基づいている。
一部の実施形態は、哺乳動物における急性尿閉の発生を予防または低減させる方法に関し、当該方法は、単独で、または哺乳動物における望ましくない細胞増殖物を治療および/または死滅させることができる少なくとも1つの付加的な活性剤と組み合わせて、NTPペプチドを含む組成物をそれを必要とする哺乳動物に治療有効量だけ投与することを含む。組成物は、筋肉内に、経口的に、静脈内に、腹腔内に、大脳内に(柔組織内に)、脳室内に、腫瘍内に、病巣内に、皮内に、髄腔内に、鼻腔内に、眼内に、動脈内に、局所的に、経皮的に、エアロゾル、注入、ボーラス注射、植え込み装置、徐放システムなどを介して投与することができる。代替的に、NTPペプチドは、遺伝子組み換えなどのために、NTPペプチドを発現する遺伝子を投与することによって、そのような産生を誘導するワクチンを投与することによって、またはインビボでペプチドを発現する細胞、細菌、またはウイルスを導入することによって、インビボで発現させることができる。
別の実施形態では、NTPペプチドを含む組成物を単独で、または、哺乳動物における望ましくない細胞増殖物を治療および/または死滅させることができる少なくとも1つの付加的な活性剤と組み合わせて投与することにより、NTPペプチドを含まない対照組成物を投与する場合と比較して、急性尿閉の発生を10%を超えて低減させる。
上記した一般的な説明および後述の詳細な説明は何れも、例示的かつ説明的なものであり、特許請求される実施形態の更なる説明を提供することが意図されている。他の目的、利点および特徴は、以下の実施形態の詳細な説明から当業者に容易に明らかになるであろう。
本発明のタンパク質、ヌクレオチド配列、ペプチド、組成物、活性剤など、および方法を閲読する前に、本発明は、特定の方法論、プロトコル、細胞系、ベクター、および試薬に限定されないことを理解されたい。また、本明細書で使用する用語は、専ら特定の実施形態を説明するためのものであり、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本実施形態の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
本明細書で使用される用語および語句は、他に指示されない限り、以下に示すように定義される。 本明細書を通して、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上明らかに別の意味に規定される場合を除き、複数の指示対象への言及を含む。従って、例えば、「宿主細胞」への言及は、複数の宿主細胞を含み、「抗体」への言及は、1つまたは複数の抗体および当業者に知られているその均等物への言及である。
本明細書に記載されるアミノ酸およびアミノ酸残基は、以下の表に示される一般に認められた1文字または3文字のコードに従って参照され得る。
「NTPペプチド」という表現は、文脈によって別の意味を指示されない限り、神経糸タンパク質(Neural Thread Proteins)のアミノ酸配列の少なくとも一部に対応するアミノ酸配列または神経糸タンパク質のフラグメントに対応するアミノ酸配列を含むペプチドを指し、加えてそのようなペプチドの相同体、誘導体、変異体、融合タンパク質、およびペプチド模倣体を含む。また、「NTPペプチド」という表現は、2015年7月24日に出願された米国特許出願第14/808,713号(「良性前立腺過形成の患者に対する手術の必要性を低減させる方法」)、2015年1月27日に出願された米国特許出願第14/606,683号(「細胞の破壊または除去を必要とする疾患を治療する方法」)、2015年6月12日に出願された米国特許出願第14/738,551号(「望ましくない細胞増殖物の除去または破壊を必要とする疾患を治療するための配合組成物」)、米国特許出願公開第2007/0237780号(放棄済)、米国特許出願公開第2003/0054990号(現米国特許第7,172,893号)、米国特許出願公開第2003/0096350号(現米国特許第6,924,266号)、米国特許出願公開第2003/0096756号(現米国特許第7,192,929号)、米国特許出願公開第2003/0109437号(現米国特許第7,241,738号)、米国特許出願公開第2003/0166569号(現米国特許第7,317,077号)、米国特許出願公開第2005/0032704号(現米国特許第7,408,021号)、および米国特許出願公開第2015/0148303号(現米国特許第9,243,035号)の1つ以上で請求されるペプチドまたは他の組成物を指す。これらの特許出願の開示内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。特定のペプチドを以下に列挙する。
1)配列ID番号1:MEFSLLLPRLECNGA または Met−Glu−Phe−Ser−Leu−Leu−Leu−Pro−Arg−Leu−Glu−Cys−Asn−Gly−Ala
2)配列ID番号2:GAISAHRNLRLPGSS または Gly−Ala−Ile−Ser−Ala−His−Arg−Asn−Leu−Arg−Leu−Pro−Gly−Ser−Ser
3)配列ID番号3:DSPASASPVAGITGMCT または Asp−Ser−Pro−Ala−Ser−Ala−Ser−Pro−Val−Ala−Gly−Ile−Thr−Gly−Met−Cys−Thr
4)配列ID番号4:MCTHARLILYFFLVEM または Met−Cys−Thr−His−Ala−Arg−Leu−Ile−Leu−Tyr−Phe−Phe−Leu−Val−Glu−Met
5)配列ID番号5:YFFLVEMEFLH または Tyr−Phe−Phe−Leu−Val−Glu−Met−Glu−Phe−Leu−His
6)配列ID番号6:VGQAGLELPTS または Val−Gly−Gln−Ala−Gly−Leu−Glu−Leu−Pro−Thr−Ser
7)配列ID番号7:DDPSVSASQSARYRTGH または Asp−Asp−Pro−Ser−Val−Ser−Ala−Ser−Gln−Ser−Ala−Arg−Tyr−Arg−Thr−Gly−His
8)配列ID番号8:TGHHARLCLANFCG または Thr−Gly−His−His−Ala−Arg−Leu−Cys−Leu−Ala−Asn−Phe−Cys−Gly
9)配列ID番号9:ANFCGRNRVSLMCPSWS または Ala−Asn−Phe−Cys−Gly−Arg−Asn−Arg−Val−Ser−Leu−Met−Cys−Pro−Ser−Trp−Ser
10)配列ID番号10:PELKQSTCLSLPKCWDYRR または Pro−Glu−Leu−Lys−Gln−Ser−Thr−Cys−Leu−Ser−Leu−Pro−Lys−Cys−Trp−Asp−Tyr−Arg−Arg
11)配列ID番号11:LKQSTCLSLPKCWDYRR または Leu−Lys−Gln−Ser−Thr−Cys−Leu−Ser−Leu−Pro−Lys−Cys−Trp−Asp−Tyr−Arg−Arg
12)配列ID番号12:STCLSLPKCWDYRR または Ser−Thr−Cys−Leu−Ser−Leu−Pro−Lys−Cys−Trp−Asp−Tyr−Arg−Arg
13)配列ID番号13:LSLPKCWDYRR または Leu−Ser−Leu−Pro−Lys−Cys−Trp−Asp−Tyr−Arg−Arg
14)配列ID番号14:KCWDYRRAAVPGL または Lys−Cys−Trp−Asp−Tyr−Arg−Arg−Ala−Ala−Val−Pro−Gly−Leu
15)配列ID番号15:KCWDYRRAAVPGLFILFFL または Lys−Cys−Trp−Asp−Tyr−Arg−Arg−Ala−Ala−Val−Pro−Gly−Leu−Phe−Ile−Leu−Phe−Phe−Leu
16)配列ID番号16:KCWDYRRAAVPGLFILFFLRHRCP または Lys−Cys−Trp−Asp−Tyr−Arg−Arg−Ala−Ala−Val−Pro−Gly−Leu−Phe−Ile−Leu−Phe−Phe−Leu−Arg−His−Arg−Cys−Pro
17)配列ID番号17:KCWDYRRAAVPGLFILFFLRHRCPTLTQDEVQWCDHSS または Lys−Cys−Trp−Asp−Tyr−Arg−Arg−Ala−Ala−Val−Pro−Gly−Leu−Phe−Ile−Leu−Phe−Phe−Leu−Arg−His−Arg−Cys−Pro−Thr−Leu−Thr−Gln−Asp−Glu−Val−Gln−Trp−Cys−Asp−His−Ser−Ser
18)配列ID番号18:WDYRR または Trp−Asp−Tyr−Arg−Arg
19)配列ID番号19:FILFFLRHRCPTL または Phe−Ile−Leu−Phe−Phe−Leu−Arg−His−Arg−Cys−Pro−Thr−Leu
20)配列ID番号20:FILFFLRHRCPTLTQDEVQWCDHSS または Phe−Ile−Leu−Phe−Phe−Leu−Arg−His−Arg−Cys−Pro−Thr−Leu−Thr−Gln−Asp−Glu−Val−Gln−Trp−Cys−Asp−His−Ser−Ser
21)配列ID番号21:HRCPTLTQDEVQWCDHSSLQPSTPEIKHP または His−Arg−Cys−Pro−Thr−Leu−Thr−Gln−Asp−Glu−Val−Gln−Trp−Cys−Asp−His−Ser−Ser−Leu−Gln−Pro−Ser−Thr−Pro−Glu−Ile−Lys−His−Pro
22)配列ID番号22:PASASQVAGTKDMH または Pro−Ala−Ser−Ala−Ser−Gln−Val−Ala−Gly−Thr−Lys−Asp−Met−His
23)配列ID番号23:DMHHYTWLIFIFIFNFLR または Asp−Met−His−His−Tyr−Thr−Trp−Leu−Ile−Phe−Ile−Phe−Ile−Phe−Asn−Phe−Leu−Arg
24)配列ID番号24:HYTWLIFIFIFNFLRQSLN または His−Tyr−Thr−Trp−Leu−Ile−Phe−Ile−Phe−Ile−Phe−Asn−Phe−Leu−Arg−Gln−Ser−Leu−Asn
25)配列ID番号25:SVTQAGVQWRNLGSLQPLPPGFKLFSCPSLLSSWDYRRPPRLANF または Ser−Val−Thr−Gln−Ala−Gly−Val−Gln−Trp−Arg−Asn−Leu−Gly−Ser−Leu−Gln−Pro−Leu−Pro−Pro−Gly−Phe−Lys−Leu−Phe−Ser−Cys−Pro−Ser−Leu−Leu−Ser−Ser−Trp−Asp−Tyr−Arg−Arg−Pro−Pro−Arg−Leu−Ala−Asn−Phe
26)配列ID番号26:PGFKLFSCPSLLSSWDYRR または Pro−Gly−Phe−Lys−Leu−Phe−Ser−Cys−Pro−Ser−Leu−Leu−Ser−Ser−Trp−Asp−Tyr−Arg−Arg
27)配列ID番号27:FKLFSCPSLLSSWDYRRPPRLANF または Phe−Lys−Leu−Phe−Ser−Cys−Pro−Ser−Leu−Leu−Ser−Ser−Trp−Asp−Tyr−Arg−Arg−Pro−Pro−Arg−Leu−Ala−Asn−Phe
28)配列ID番号28:FSCPSLLSSWDYRR または Phe−Ser−Cys−Pro−Ser−Leu−Leu−Ser−Ser−Trp−Asp−Tyr−Arg−Arg
29)配列ID番号29:SLLSSWDYRR または Ser−Leu−Leu−Ser−Ser−Trp−Asp−Tyr−Arg−Arg
30)配列ID番号30:SSWDY または Ser−Ser−Trp−Asp−Tyr
31)配列ID番号31:SSWDYRR または Ser−Ser−Trp−Asp−Tyr−Arg−Arg
32)配列ID番号32:SSWDYRRPPRLANFFVFLVEMGFTM または Ser−Ser−Trp−Asp−Tyr−Arg−Arg−Pro−Pro−Arg−Leu−Ala−Asn−Phe−Phe−Val−Phe−Leu−Val−Glu−Met−Gly−Phe−Thr−Met
33)配列ID番号33:FVFLVEMGFTM または Phe−Val−Phe−Leu−Val−Glu−Met−Gly−Phe−Thr−Met
34)配列ID番号34:MGFTMFARLILISGPCDLPASAS または Met−Gly−Phe−Thr−Met−Phe−Ala−Arg−Leu−Ile−Leu−Ile−Ser−Gly−Pro−Cys−Asp−Leu−Pro−Ala−Ser−Ala−Ser
35)配列ID番号35:ISGPC または Ile−Ser−Gly−Pro−Cys
36)配列ID番号36:DLPASASQSAGITGVSH または Asp−Leu−Pro−Ala−Ser−Ala−Ser−Gln−Ser−Ala−Gly−Ile−Thr−Gly−Val−Ser−His
37)配列ID番号37:GVSHHARLIFNFCLFEM または Gly−Val−Ser−His−His−Ala−Arg−Leu−Ile−Phe−Asn−Phe−Cys−Leu−Phe−Glu−Met
38)配列ID番号38:NFCLFEMESH または Asn−Phe−Cys−Leu−Phe−Glu−Met−Glu−Ser−His
39)配列ID番号39:SVTQAGVQWPNLGSLQPLPPGLKRFSCLSLPSSWDYGHLPPHPANF または Ser−Val−Thr−Gln−Ala−Gly−Val−Gln−Trp−Pro−Asn−Leu−Gly−Ser−Leu−Gln−Pro−Leu−Pro−Pro−Gly−Leu−Lys−Arg−Phe−Ser−Cys−Leu−Ser−Leu−Pro−Ser−Ser−Trp−Asp−Tyr−Gly−His−Leu−Pro−Pro−His−Pro−Ala−Asn−Phe
40)配列ID番号40:PPGLKRFSCLSLPSSWDYG または Pro−Pro−Gly−Leu−Lys−Arg−Phe−Ser−Cys−Leu−Ser−Leu−Pro−Ser−Ser−Trp−Asp−Tyr−Gly
41)配列ID番号41:FSCLSLPSSWDYGH または Phe−Ser−Cys−Leu−Ser−Leu−Pro−Ser−Ser−Trp−Asp−Tyr−Gly−His
42)配列ID番号42:LSLPSSWDY または Leu−Ser−Leu−Pro−Ser−Ser−Trp−Asp−Tyr
43)配列ID番号43:SSWDYGHLPPHPANFCIFIRGGVSPYLSGWSQTPDLR または Ser−Ser−Trp−Asp−Tyr−Gly−His−Leu−Pro−Pro−His−Pro−Ala−Asn−Phe−Cys−Ile−Phe−Ile−Arg−Gly−Gly−Val−Ser−Pro−Tyr−Leu−Ser−Gly−Trp−Ser−Gln−Thr−Pro−Asp−Leu−Arg
44)配列ID番号44:PGFFKLFSCPSLLSSWDYRR または Pro−Gly−Phe−Phe−Lys−Leu−Phe−Ser−Cys−Pro−Ser−Leu−Leu−Ser−Ser−Trp−Asp−Tyr−Arg−Arg
45)配列ID番号45:PELKQSTCLSLPKCWDYRR または Pro−Glu−Leu−Lys−Gln−Ser−Thr−Cys−Leu−Ser−Leu−Pro−Lys−Cys−Trp−Asp−Tyr−Arg−Arg
46)配列ID番号46:PPGLKRFSCLSLPSSWDYG または Pro−Pro−Gly−Leu−Lys−Arg−Phe−Ser−Cys−Leu−Ser−Leu−Pro−Ser−Ser−Trp−Asp−Tyr−Gly
47)配列ID番号47:FSCLSLPSSWDYGH または Phe−Ser−Cys−Leu−Ser−Leu−Pro−Ser−Ser−Trp−Asp−Tyr−Gly−His
48)配列ID番号48:STCLSLPKCWDYRR または Ser−Thr−Cys−Leu−Ser−Leu−Pro−Lys−Cys−Trp−Asp−Tyr−Arg−Arg
49)配列ID番号49:FSCPSLLSSWDYRR または Phe−Ser−Cys−Pro−Ser−Leu−Leu−Ser−Ser−Trp−Asp−Tyr−Arg−Arg
50)配列ID番号50:LSLPSSWDY または Leu−Ser−Leu−Pro−Ser−Ser−Trp−Asp−Tyr
51)配列ID番号51:LSLPKCWDYRR または Leu−Ser−Leu−Pro−Lys−Cys−Trp−Asp−Tyr−Arg−Arg
52)配列ID番号52:SLLSSWDYRR または Ser−Leu−Leu−Ser−Ser−Trp−Asp−Tyr−Arg−Arg
53)配列ID番号53:LPSSWDYRR または Leu−Pro−Ser−Ser−Trp−Asp−Tyr−Arg−Arg
54)配列ID番号54:SSWDYRR または Ser−Ser−Trp−Asp−Tyr−Arg−Arg
55)配列ID番号55:SSWDY または Ser−Ser−Trp−Asp−Tyr
56)配列ID番号56:SSWDYRRFILFFL または Ser−Ser−Trp−Asp−Tyr−Arg−Arg−Phe−Ile−Leu−Phe−Phe−Leu
57)配列ID番号57:WDYRRFIFNFL または Trp−Asp−Tyr−Arg−Arg−Phe−Ile−Phe−Asn−Phe−Leu
58)配列ID番号58:FNFCLF または Phe−Asn−Phe−Cys−Leu−Phe
59)配列ID番号59:FIFNFL または Phe−Ile−Phe−Asn−Phe−Leu
60)配列ID番号60:PASASPVAGITGM または Pro−Ala−Ser−Ala−Ser−Pro−Val−Ala−Gly−Ile−Thr−Gly−Met
61)配列ID番号61:PASASQVAGTKDM または Pro−Ala−Ser−Ala−Ser−Gln−Val−Ala−Gly−Thr−Lys−Asp−Met
62)配列ID番号62:PASASQSAGITGV または Pro−Ala−Ser−Ala−Ser−Gln−Ser−Ala−Gly−Ile−Thr−Gly−Val
63)配列ID番号63:PASASPVAG または Pro−Ala−Ser−Ala−Ser−Pro−Val−Ala−Gly
64)配列ID番号64:FFLVEM または Phe−Phe−Leu−Val−Glu−Met
65)配列ID番号65:SVTQAGVQW または Ser−Val−Thr−Gln−Ala−Gly−Val−Gln−Trp
66)配列ID番号66:IDQQVLSRIKLEIKRCL または Ile−Asp−Gln−Gln−Val−Leu−Ser−Arg−Ile−Lys−Leu−Glu−Ile−Lys−Arg−Cys−Leu
67)配列ID番号67:LSRIKLEIK または Leu−Ser−Arg−Ile−Lys−Leu−Glu−Ile−Lys
68)配列ID番号68:GDHGRPNLSRLKLAIKYEVKKM または Gly−Asp−His−Gly−Arg−Pro−Asn−Leu−Ser−Arg−Leu−Lys−Leu−Ala−Ile−Lys−Tyr−Glu−Val−Lys−Lys−Met
69)配列ID番号69:QQSIAVKFLAVFGVSI または Gln−Gln−Ser−Ile−Ala−Val−Lys−Phe−Leu−Ala−Val−Phe−Gly−Val−Ser−Ile
70)配列ID番号70:GLLFPVFSVCYLIAPKSPLGL または Gly−Leu−Leu−Phe−Pro−Val−Phe−Ser−Val−Cys−Tyr−Leu−Ile−Ala−Pro−Lys−Ser−Pro−Leu−Gly−Leu
71)配列ID番号71:MMVCWNRFGKWVYFI または Met−Met−Val−Cys−Trp−Asn−Arg−Phe−Gly−Lys−Trp−Val−Tyr−Phe−Ile
72)配列ID番号72:SAIFNFGPRYLYHGV または Ser−Ala−Ile−Phe−Asn−Phe−Gly−Pro−Arg−Tyr−Leu−Tyr−His−Gly−Val
73)配列ID番号73:PFYFLILVRIISFLI または Pro−Phe−Tyr−Phe−Leu−Ile−Leu−Val−Arg−Ile−Ile−Ser−Phe−Leu−Ile
74)配列ID番号74:GDMEDVLLNCTLLKR または Gly−Asp−Met−Glu−Asp−Val−Leu−Leu−Asn−Cys−Thr−Leu−Leu−Lys−Arg
75)配列ID番号75:SSRFRFWGALVCSMD または Ser−Ser−Arg−Phe−Arg−Phe−Trp−Gly−Ala−Leu−Val−Cys−Ser−Met−Asp
76)配列ID番号76:SCRFSRVAVTYRFIT または Ser−Cys−Arg−Phe−Ser−Arg−Val−Ala−Val−Thr−Tyr−Arg−Phe−Ile−Thr
77)配列ID番号77:LLNIPSPAVWMARNT または Leu−Leu−Asn−Ile−Pro−Ser−Pro−Ala−Val−Trp−Met−Ala−Arg−Asn−Thr
78)配列ID番号78:MAQSRLTATSASRVQ または Met−Ala−Gln−Ser−Arg−Leu−Thr−Ala−Thr−Ser−Ala−Ser−Arg−Val−Gln
79)配列ID番号79:AILLSQPPKQLGLRA または Ala−Ile−Leu−Leu−Ser−Gln−Pro−Pro−Lys−Gln−Leu−Gly−Leu−Arg−Ala
80)配列ID番号80:PANTPLIFVFSLEAG または Pro−Ala−Asn−Thr−Pro−Leu−Ile−Phe−Val−Phe−Ser−Leu−Glu−Ala−Gly
81)配列ID番号81:FHHICQAGLKLLTSG または Phe−His−His−Ile−Cys−Gln−Ala−Gly−Leu−Lys−Leu−Leu−Thr−Ser−Gly
82)配列ID番号82:DPPASAFQSAGITGV または Asp−Pro−Pro−Ala−Ser−Ala−Phe−Gln−Ser−Ala−Gly−Ile−Thr−Gly−Val
83)配列ID番号83:SHLTQPANLDKKICS または Ser−His−Leu−Thr−Gln−Pro−Ala−Asn−Leu−Asp−Lys−Lys−Ile−Cys−Ser
84)配列ID番号84:NGGSCYVAQAGLKLLASCNPSK または Asn−Gly−Gly−Ser−Cys−Tyr−Val−Ala−Gln−Ala−Gly−Leu−Lys−Leu−Leu−Ala−Ser−Cys−Asn−Pro−Ser−Lys
85)配列ID番号85:MWTLKSSLVLLLCLT または Met−Trp−Thr−Leu−Lys−Ser−Ser−Leu−Val−Leu−Leu−Leu−Cys−Leu−Thr
86)配列ID番号86:CSYAFMFSSLRQKTS または Cys−Ser−Tyr−Ala−Phe−Met−Phe−Ser−Ser−Leu−Arg−Gln−Lys−Thr−Ser
87)配列ID番号87:EPQGKVPCGEHFRIR または Glu−Pro−Gln−Gly−Lys−Val−Pro−Cys−Gly−Glu−His−Phe−Arg−Ile−Arg
88)配列ID番号88:QNLPEHTQGWLGSKW または Gln−Asn−Leu−Pro−Glu−His−Thr−Gln−Gly−Trp−Leu−Gly−Ser−Lys−Trp
89)配列ID番号89:LWLLFAVVPFVILKC または Leu−Trp−Leu−Leu−Phe−Ala−Val−Val−Pro−Phe−Val−Ile−Leu−Lys−Cys
90)配列ID番号90:QRDSEKNKVRMAPFF または Gln−Arg−Asp−Ser−Glu−Lys−Asn−Lys−Val−Arg−Met−Ala−Pro−Phe−Phe
91)配列ID番号91:LHHIDSISGVSGKRMF または Leu−His−His−Ile−Asp−Ser−Ile−Ser−Gly−Val−Ser−Gly−Lys−Arg−Met−Phe
92)配列ID番号92:EAYYTMLHLPTTNRP または Glu−Ala−Tyr−Tyr−Thr−Met−Leu−His−Leu−Pro−Thr−Thr−Asn−Arg−Pro
93)配列ID番号93:KIAHCILFNQPHSPR または Lys−Ile−Ala−His−Cys−Ile−Leu−Phe−Asn−Gln−Pro−His−Ser−Pro−Arg
94)配列ID番号94:SNSHSHPNPLKLHRR または Ser−Asn−Ser−His−Ser−His−Pro−Asn−Pro−Leu−Lys−Leu−His−Arg−Arg
95)配列ID番号95:SHSHNRPRAYILITI または Ser−His−Ser−His−Asn−Arg−Pro−Arg−Ala−Tyr−Ile−Leu−Ile−Thr−Ile
96)配列ID番号96:LPSKLKLRTHSQSHH または Leu−Pro−Ser−Lys−Leu−Lys−Leu−Arg−Thr−His−Ser−Gln−Ser−His−His
97)配列ID番号97:NPLSRTSNSTPTNSFLMTSSKPR または Asn−Pro−Leu−Ser−Arg−Thr−Ser−Asn−Ser−Thr−Pro−Thr−Asn−Ser−Phe−Leu−Met−Thr−Ser−Ser−Lys−Pro−Arg
98)配列ID番号98:SSSLGLPKCWDYRHE または Ser−Ser−Ser−Leu−Gly−Leu−Pro−Lys−Cys−Trp−Asp−Tyr−Arg−His−Glu
99)配列ID番号99:LLSLALMINFRVMAC または Leu−Leu−Ser−Leu−Ala−Leu−Met−Ile−Asn−Phe−Arg−Val−Met−Ala−Cys
100)配列ID番号100:TFKQHIELRQKISIV または Thr−Phe−Lys−Gln−His−Ile−Glu−Leu−Arg−Gln−Lys−Ile−Ser−Ile−Val
101)配列ID番号101:PRKLCCMGPVCPVKI または Pro−Arg−Lys−Leu−Cys−Cys−Met−Gly−Pro−Val−Cys−Pro−Val−Lys−Ile
102)配列ID番号102:ALLTINGHCTWLPAS または Ala−Leu−Leu−Thr−Ile−Asn−Gly−His−Cys−Thr−Trp−Leu−Pro−Ala−Ser
103)配列ID番号103:MFVFCLILNREKIKG または Met−Phe−Val−Phe−Cys−Leu−Ile−Leu−Asn−Arg−Glu−Lys−Ile−Lys−Gly
104)配列ID番号104:GNSSFFLLSFFFSFQ または Gly−Asn−Ser−Ser−Phe−Phe−Leu−Leu−Ser−Phe−Phe−Phe−Ser−Phe−Gln
105)配列ID番号105:NCCQCFQCRTTEGYA または Asn−Cys−Cys−Gln−Cys−Phe−Gln−Cys−Arg−Thr−Thr−Glu−Gly−Tyr−Ala
106)配列ID番号106:VECFYCLVDKAAFECWWFYSFDT または Val−Glu−Cys−Phe−Tyr−Cys−Leu−Val−Asp−Lys−Ala−Ala−Phe−Glu−Cys−Trp−Trp−Phe−Tyr−Ser−Phe−Asp−Thr
107)配列ID番号107:MEPHTVAQAGVPQHD または Met−Glu−Pro−His−Thr−Val−Ala−Gln−Ala−Gly−Val−Pro−Gln−His−Asp
108)配列ID番号108:LGSLQSLLPRFKRFS または Leu−Gly−Ser−Leu−Gln−Ser−Leu−Leu−Pro−Arg−Phe−Lys−Arg−Phe−Ser
109)配列ID番号109:CLILPKIWDYRNMNT または Cys−Leu−Ile−Leu−Pro−Lys−Ile−Trp−Asp−Tyr−Arg−Asn−Met−Asn−Thr
110)配列ID番号110:ALIKRNRYTPETGRKS または Ala−Leu−Ile−Lys−Arg−Asn−Arg−Tyr−Thr−Pro−Glu−Thr−Gly−Arg−Lys−Ser
111)配列ID番号111:IDQQVLSRI または Ile−Asp−Gln−Gln−Val−Leu−Ser−Arg−Ile
112)配列ID番号112:KLEIKRCL または Lys−Leu−Glu−Ile−Lys−Arg−Cys−Leu
113)配列ID番号113:VLSRIK または Val−Leu−Ser−Arg−Ile−Lys
114)配列ID番号114:RIKLEIK または Arg−Ile−Lys−Leu−Glu−Ile−Lys
115)配列ID番号115:VLSRIKLEIKRCL または Val−Leu−Ser−Arg−Ile−Lys−Leu−Glu−Ile−Lys−Arg−Cys−Leu; および
116)配列ID番号116:IDQQVLSRIKLEI または Ile−Asp−Gln−Gln−Val−Leu−Ser−Arg−Ile−Lys−Leu−Glu−Ile
また、「NTPペプチド」という表現は、配列ID番号1から116のアミノ酸配列を含むことが好ましいが、これらには限定されない。
「フラグメント」という用語は、タンパク質またはペプチドのアミノ酸配列の連続した部分配列からなり、スプライス変異体などの天然に存在するフラグメントおよび天然に存在するインビボプロテアーゼ活性から生じるフラグメントを含むタンパク質またはポリペプチドを指す。こうしたフラグメントは、アミノ末端、カルボキシ末端、および/または内部(天然スプライシングによるなど)で、一部切除(truncated)されていてもよい。こうしたフラグメントは、アミノ末端メチオニンを伴いまたは伴わずに調製されてもよい。「フラグメント」という用語は、直接またはリンカーを介して連結される、共通の隣接アミノ酸配列を含む、または含まない、同じタンパク質またはペプチド由来の同一または異なる、フラグメントを含む。当業者は、本明細書に概説されたガイドラインおよび手順を用いて、過度の実験をすることなく、実施形態で使用するのに適したフラグメントを選択することができるであろう。
「変異体」という用語は、本明細書記載のタンパク質またはペプチドのアミノ酸配列に比較した際、1つ以上のアミノ酸置換、欠失、および/または挿入が存在している、タンパク質またはポリペプチドを指し、該用語には、タンパク質またはペプチドの天然に存在するアレル変異体または選択的スプライス変異体が含まれる。「変異体」という用語には、類似のまたは相同のアミノ酸あるいは似ていないアミノ酸による、ペプチド配列中の1つ以上のアミノ酸の置換が含まれる。どのアミノ酸を類似または相同と認定可能であるかに関する多くの基準がある(Gunnar von Heijne、Sequence Analysis in Molecular Biology、123−39頁(Academic Press、ニューヨーク州ニューヨーク1987年)。好ましい変異体には、1つ以上のアミノ酸位でのアラニン置換が含まれる。他の好ましい置換には、タンパク質の全体の正味電荷、極性、または疎水性に対してほとんどまたはまったく影響しない、保存的置換が含まれる。保存的置換を、以下の表2に示す。
表3は、アミノ酸置換の別のスキームを示す。
他の変異体は、より保存的でないアミノ酸置換からなることも可能であり、(a)例えばシートまたはらせんコンフォメーションとしての、置換領域のポリペプチド主鎖の構造、(b)標的部位での分子の電荷または疎水性、あるいは(c)側鎖の大きさの維持に対して、影響がより有意に異なる残基を選択することなどがある。一般的に、機能に対して、より有意な影響を有すると期待される置換は、(a)グリシンおよび/またはプロリンが別のアミノ酸に置換されるか、あるいは欠失されるかまたは挿入されるもの;(b)親水性残基、例えばセリルまたはスレオニルが、疎水性残基、例えばロイシル、イソロイシル、フェニルアラニル、バリル、またはアラニルに対して(またはこれらによって)置換されるもの;(c)システイン残基が任意の他の残基に対して(またはこれらによって)置換されるもの;(d)電気的陽性側鎖を有する残基、例えばリジル、アルギニル、またはヒスチジルが、陰性電荷を有する残基、例えばグルタミルまたはアスパルチルに対して(またはこれらによって)置換されるもの;あるいは(e)大きな側鎖を有する残基、例えばフェニルアラニンが、こうした側鎖を持たないもの、例えばグリシンに対して(またはこれらによって)置換されるものである。他の変異体には、新規グリコシル化部位および/またはリン酸化部位を生成するように設計されたもの、あるいは存在するグリコシル化部位および/またはリン酸化部位を欠失させるように設計されたものの何れかが含まれる。変異体には、グリコシル化部位、タンパク質分解的切断部位および/またはシステイン残基での少なくとも1つのアミノ酸置換が含まれる。変異体にはまた、リンカーペプチド上のタンパク質またはペプチド・アミノ酸配列の前または後に付加的なアミノ酸残基を含む、タンパク質およびペプチドも含まれる。例えば、ジスルフィド結合形成によるペプチドの環化を可能にするため、NTPペプチドのアミノ末端およびカルボキシ末端両方に、システイン残基を付加することも可能である。「変異体」という用語はまた、NTPペプチドの3’端または5’端の何れかに隣接する、少なくとも1つで、そして25まで、またはそれより多い付加的なアミノ酸を持つNTPペプチドのアミノ酸配列を有するポリペプチドも含む。
「誘導体」という用語は、プロセシングおよび他の翻訳後修飾などの天然プロセスによるだけでなく、例えば1つ以上のポリエチレングリコール分子、糖、ホスフェート、および/または他のこうした分子が、野生型タンパク質またはNTPペプチドに天然に付着していない場合に、こうした分子を付加するなどの、化学的修飾技術によって化学的に修飾されている、化学的修飾タンパク質またはポリペプチドを指す。誘導体には塩が含まれる。こうした化学的修飾は、基本的教科書に、そしてより詳細なモノグラフに、並びに多量の研究文献によく記載され、そしてこれらは当業者に周知である。同じ種類の修飾が、所定のタンパク質またはポリペプチドのいくつかの部位に同じ度合いでまたは異なる度合いで存在してもよいことが認識されるであろう。また、所定のタンパク質またはポリペプチドが、多くの種類の修飾を含有してもよい。修飾は、タンパク質またはポリペプチドのどの部位で生じることも可能であり、そうした部位には、ペプチド主鎖、アミノ酸側鎖、およびアミノ末端またはカルボキシ末端が含まれる。修飾には、例えば、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有架橋の形成、システインの形成、ピログルタメートの形成、ホルミル化、ガンマ−カルボキシ化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨード化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解プロセシング、ホスホリル化、プレニル化、ラセミ化、グリコシル化、脂質付着、硫酸化、グルタミン酸残基のガンマ−カルボキシル化、ヒドロキシル化およびADP−リボシル化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化などのトランスファーRNAが仲介するタンパク質へのアミノ酸の付加、およびユビキチン化が含まれる。例えばProteins−−Structure And Molecular Properties,第2版,T.E.Creighton,W.H.Freeman and Company,ニューヨーク(1993年)およびWold,F.,“Posttranslational Protein Modifications:Perspectives and Prospects,”Posttranslational Covalent Modification Of Proteins中,1−12頁,B.C.Johnson監修,Academic Press,ニューヨーク(1983年);Seifterら,Meth.Enzymol.182:626−646(1990年)およびRattanら,“Protein Synthesis:Posttranslational Modifications and Aging,”Ann.N.Y.Acad.Sci.663:48−62(1992年)を参照されたい。「誘導体」という用語には、分枝する、あるいは分枝して環状に、または分枝せずに環状になる、タンパク質またはポリペプチドを生じる化学的修飾が含まれる。環状、分枝および分枝環状タンパク質またはポリペプチドは、翻訳後天然プロセスから生じる可能性があり、そしてまた、完全に合成的な方法で作成することも可能である。
「相同体」という用語は、2つのポリペプチドのアミノ酸の位における類似性を比較するのに一般的に用いられる標準法によって決定されるように、NTPペプチドのアミノ酸配列と少なくとも60%同一であるタンパク質を指す。2つのタンパク質の間の類似性または同一性の度合いは、限定されるわけではないが、Computational Molecular Biology,Lesk,A.M.監修,Oxford Unversity Press,ニューヨーク,1988年; Biocomputing: Informatics and Genome Projects,Smith,D.W.監修,Academic Press,ニューヨーク,1993年;Computer Analysis of Sequence Data,第I部,Griffin,A.M.,and Griffin,H.G.監修,Humana Press,ニュージャージー州,1994年;Sequence Analysis in Molecular Biology,von Heinje,G.,Academic Press,1987年;Sequence Analysis Primer,Gribskov,M.and Devereux,J.監修,M Stockton Press,ニューヨーク,1991年;ならびにCarillo H.and Lipman,D.,SIAM,J.Applied Math.,48:1073(1988年)に記載されるものを含む、既知の方法によって、容易に計算可能である。同一性を決定する好ましい方法は、試験する配列間で最大のマッチを生じさせるように設計される。同一性および類似性を決定する方法は、公的に利用可能なコンピュータプログラムに体系化されている。
2つの配列間の同一性および類似性を決定する際に有用な好ましいコンピュータプログラム法には、限定されるわけではないが、GCGプログラムパッケージ(Devereux,J.ら,Nucleic Acids Research,12(1):387(1984年))、BLASTP、BLASTN、およびFASTA、Atschul,S.F.ら,J.Molec.Biol.,215:403−410(1990年)が含まれる。BLAST Xプログラムは、NCBIおよび他の供給源から公的に入手可能である(BLAST Manual,Altschul,S.ら,NCBI NLM NIH Bethesda,Md.20894;Altschul,S.ら,J.Mol.Biol.,215:403−410(1990年))。例えば、GAP(ウィスコンシン大学遺伝子コンピュータグループ、ウィスコンシン州マディソン)などのコンピュータアルゴリズムを用いて、配列同一性パーセントを決定しようとする2つのタンパク質またはポリペプチドを、各々のアミノ酸が最適にマッチするように、並列させる(アルゴリズムに決定されるような「マッチしたスパン」)。
ギャップオープニングペナルティ(平均対角の3倍として計算;「平均対角」は、用いる比較マトリックスの対角の平均であり;「対角」は、特定の比較マトリックスによる、各完全アミノ酸マッチに割り当てられたスコアまたは数字である)およびギャップ伸長ペナルティ(通常、ギャップオープニングペナルティの1/10)、ならびにPAM250またはBLOSUM62などの比較マトリックスを、アルゴリズムと組み合わせて用いる。標準比較マトリックス(PAM250比較マトリックスに関しては、Dayhoffら:Atlas of Protein Sequence and Structure,vol.5,supp.3を参照されたい;BLOSUM62比較マトリックスに関しては、Henikoffら,Proc.Natl.Acad.Sci USA,89:10915−10919を参照されたい)もまた、アルゴリズムに使用可能である。次いで、アルゴリズムによってパーセント同一性が計算される。相同体は、場合によって、対応するタンパク質またはペプチドと比較した際、典型的には、1つ以上のアミノ酸置換、欠失、および/または挿入を有するであろう。
「融合タンパク質」という用語は、1つ以上のペプチドが、抗体、またはF.sub.abフラグメントまたは短鎖Fvのような抗体フラグメントなどの(これに限定されるわけではない)タンパク質に組換え融合しているまたは(共有結合および非共有結合を含めた)化学的に複合している(conjugated)タンパク質を意味する。「融合タンパク質」という用語は、更に、ペプチドの多量体(すなわち、二量体、三量体、四量体およびそれより多い多量体)を意味する。このような多量体は、1つのペプチドを含むホモマー多量体;2つ以上のペプチドを含むヘテロマー多量体;および少なくとも1つのペプチドおよび少なくとも1つの他のタンパク質を含むヘテロマー多量体を含む。このような多量体は、疎水性、親水性、イオン性および/または共有結合の会合、結合またはリンクの結果であってもよく、リンカー分子を用いた架橋結合によって形成されてもよく、または間接的に、例えば、リポソーム形成によって連結されていてもよい。
「ペプチド模倣体(mimetic)」または「模倣体」という用語は、ペプチドまたはタンパク質の生物学的活性を模倣するが、もはや化学的性質はペプチド性でない、すなわちもはやペプチド結合(すなわちアミノ酸間のアミド結合)をまったく含有しない、生物学的活性化合物を指す。本明細書において、ペプチド模倣体という用語は、より広い意味で用いられ、事実上、もはや完全にペプチド性でない分子、例えば偽ペプチド、半ペプチドおよびペプトイドなどが含まれる。この、より広い意味でのペプチド模倣体の例(ペプチドの一部が、ペプチド結合を欠く構造と交換されている場合)を以下に記載する。完全な非ペプチドであれ、また部分的な非ペプチドであれ、本発明の実施形態のペプチド模倣体は、そのペプチド模倣体の基となるペプチドの活性基の三次元配置を緊密に真似る、反応性化学部分の空間的配置を提供する。活性部位の幾何学的形状がこのように類似である結果、ペプチド模倣体は、ペプチドの生物学的活性に似た、生物学的系に対する影響を有する。
本発明の実施形態のペプチド模倣体は、好ましくは、三次元形状および生物学的活性両方において、本明細書記載のペプチドに実質的に類似である。当該技術分野に知られるペプチドを構造的に修飾してペプチド模倣体を生成する方法の例には、D−アミノ酸残基構造を導く、主鎖キラル中心の反転が含まれ、D−アミノ酸残基構造は、特にN末端で、不都合に影響を及ぼす活性を伴わずに、タンパク質分解的分解に対して、増進した安定性を導く。この例は、論文“Tritriated D−ala1−Peptide T Binding”,Smith C.S.ら,Drug Development Res.,15,371−379頁(1988年)に記載される。第二の方法は、NからCの鎖間イミドおよびラクタムなどの、安定性のための環状構造の改変である(Edeら,Smith and Rivier(監修)“Peptides:Chemistry and Biology”,Escom,Leiden(1991年)中,268−270頁)。これの一例は、Goldstein,G.らによる米国特許第4,457,489号(1985年)に開示されているようなコンフォメーション的に制約されたチモペンチン様化合物に示されている。前記特許の開示内容は引用によってその全体を本明細書に援用する。第三の方法は、ペプチド内のペプチド結合を、タンパク質分解に耐性を与える偽ペプチド結合によって置換することである。
ペプチド構造および生物学的活性に概して影響を与えない、いくつかの偽ペプチド結合が記載されている。このアプローチの1つの例は、逆反転(retro−inverso)偽ペプチド結合で置換することである(“Biologically active retroinverso analogues of thymopentin”,Sisto A.ら,Rivier,J.E.and Marshall,G.R.(監修)“Peptides,Chemistry,Structure and Biology”,Escom,Leiden(1990年)中,722−773頁、およびDalpozzoら(1993年),Int.J.Peptide Protein Res.,41:561−566、本明細書に援用される)。この修飾に従って、ペプチドのアミノ酸配列は、1つ以上のペプチド結合が、逆反転偽ペプチド結合と交換されていることを除いて、上述のペプチドの配列と同一であってもよい。好ましくは、最もN末端のペプチド結合が置換されており、これはこうした置換が、N末端に作用するエキソペプチダーゼによるタンパク質分解に対して、耐性を与えるであろうためである。アミノ酸の化学基を類似構造の他の化学基で置換することによって更に修飾することもできる。生物学的活性をまったく損失させないか、またはほとんど損失させずに、酵素的切断に対する安定性を増進させることが知られる、別の適切な偽ペプチド結合は、還元アイソスター偽ペプチド結合である(Couderら(1993年),Int.J.Peptide Protein Res.,41:181−184、本明細書にその全体が援用される)。
従って、これらのペプチドのアミノ酸配列は、1つ以上のペプチド結合が、アイソスター偽ペプチド結合によって交換されていることを除いて、ペプチドの配列と同一であることも可能である。好ましくは、最もN末端のペプチド結合が置換されており、これはこうした置換が、N末端に作用するエキソペプチダーゼによるタンパク質分解に対して、耐性を与えるであろうためである。1つ以上の還元アイソスター偽ペプチド結合を持つペプチドの合成が当該技術分野に知られる(Couderら(1993年)、上記引用)。他の例は、ケトメチレンまたはメチルスルフィド結合の導入によるペプチド結合の置換などである。
本明細書記載のペプチドのペプトイド誘導体は、生物学的活性に重要な構造的決定基を保持するが、ペプチド結合が取り除かれ、それによってタンパク質分解に対する耐性が与えられた、別の種類のペプチド模倣体に相当する(Simonら,1992年,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:9367−9371、本明細書にその全体が援用される)。ペプトイドは、N−置換グリシンのオリゴマーである。いくつかのN−アルキル基が記載されており、各々は天然アミノ酸の側鎖に対応する(Simonら(1992年)、上記引用)。ペプチドのアミノ酸のいくつかまたは全てを、交換されるアミノ酸に対応するN−置換グリシンと交換することが可能である。
「ペプチド模倣体」または「模倣体」という用語にはまた、以下に定義するような、逆Dペプチドおよび鏡像異性体も含まれる。
「逆Dペプチド」という用語は、ペプチドのL−アミノ酸配列に比較した際、逆の順に配置されたD−アミノ酸からなる、生物学的活性タンパク質またはペプチドを指す。従って、L−アミノ酸ペプチドのカルボキシ末端残基は、D−アミノ酸ペプチドのアミノ末端になるなどである。例えば、ペプチドETESHは、Hdddddになり、ここで、Ed、Hd、Sd、およびTdは、それぞれ、L−アミノ酸、E、H、S、およびTに対応するD−アミノ酸である。
「鏡像異性体」という用語は、あるペプチドのアミノ酸配列中の1つ以上のL−アミノ酸残基が、対応するD−アミノ酸残基で置き換えられている生物学的に活性なタンパク質またはペプチドを意味する。
本明細書中で用いられる「組成物」は、挙げられたペプチドまたはアミノ酸配列、および場合によっては付加的な活性剤を含有する任意の組成物を広く意味する。その組成物は、乾燥配合物、水溶液または滅菌組成物を含むことができる。ペプチドを含む組成物は、ハイブリダイゼーションプローブとして用いることができる。それらプローブは、凍結乾燥された形で貯蔵することができ、また、炭水化物などの安定剤と会合させることができる。ハイブリダイゼーションの場合、プローブは、塩類、例えば、NaCl;界面活性剤、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS);および他の成分、例えば、デンハート溶液、脱脂乳、サケ精子DNA等を含有する水溶液中に配置することができる。
「急性尿閉」という表現は、哺乳動物が突然排尿できなくなる状態を意味する。急性尿閉は典型的には痛みを伴い、尿道カテーテルによる緊急治療を必要とする。男性では、AURはBPH、外尿道口狭窄症、嵌頓包茎、陰茎絞扼バンド、包茎、および前立腺癌によって引き起こされる可能性がある。女性では、AURは脱出症(膀胱瘤、直腸瘤、子宮脱)、骨盤内腫瘤(婦人科悪性腫瘍、子宮筋腫、卵巣嚢胞)、または後傾妊娠子宮によって引き起こされる可能性がある。男性と女性の両方では、AURは膀胱結石、膀胱癌、宿便、胃腸または後腹膜の悪性腫瘍、尿道狭窄、異物、および結石によって引き起こされる可能性がある。AURはBPHの合併症であり、前立腺切除術を受ける男性の20%から30%の手術理由となっている。AURは自発性であることもあれば、麻酔、医薬品、そして別の手術などの、BPHに罹患した男性におけるいくつかの要因によって誘発されることもある。
付加的な活性剤がNTPペプチドとともに使用される代替的な実施形態では、「活性剤」という表現は、不要な細胞増殖物および/または組織成長物を除去することができる任意の薬剤を示すために用いられる。適切な活性剤には、(i)抗癌活性剤(アルキル化剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、RNA/DNA代謝拮抗剤、および抗有糸分裂剤など)、(ii)良性成長物を治療するための活性剤、例えば、抗ニキビおよび抗疣贅活性剤、(iii)抗アンドロゲン化合物(酢酸シプロテロン(1α,2β−メチレン−6−クロロ−17α−アセトキシ−6−デヒドロプロゲステロン)タモキシフェン、アロマターゼ阻害剤)、(iv)アルファ1−アドレナリン受容体遮断薬(タムスロシン、テラゾシン、ドキサゾシン、プラゾシン、ブナゾシン、インドラミン、アルフゾシン、シロドシン)、(v)5α−レダクターゼ阻害剤(フィナステリド、デュタステリド)、(vi)ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)阻害剤(タダラフィル)およびそれらの組み合わせ、が含まれ得るが、これらに限定されない。
本発明の実施形態は、急性尿閉の発生を予防または低減させる方法に関し、当該方法は、単独で、または哺乳動物における望ましくない細胞増殖物を治療および/または死滅させることができる少なくとも1つの付加的な活性剤と組み合わせて、NTPペプチドを含む組成物をそれを必要とする哺乳動物に治療有効量だけ投与することを含む。一実施形態において、治療される哺乳動物は、BPHを罹患しやすいものである。他の実施形態において、治療される哺乳動物は、BPHと診断され、現在、タムスロシン、テラゾシン、ドキサゾシンなどのアルファ遮断薬、またはフィナステリド、デュタステリドなどの5−アルファレダクターゼ阻害剤、またはタダラフィルなどのホスホジエステラーゼ5型阻害剤(PDE5阻害剤)を用いて治療されているものである。別の実施形態では、組成物は2回以上投与される。
細胞死を引き起こすのに有効な薬剤であることが判明したNTPペプチド由来の他のペプチド配列もまた、本明細書に記載のNTPペプチドと組み合わせて付加的な活性剤として使用することができる。当業者は、本明細書中に提供されるガイドラインを使用して、他の有効なペプチド配列を同定するために、そのタンパク質のアミノ酸配列全体にわたる有効なペプチドのフラグメントを過度の実験なしに合成することができる。
本発明者は、望ましくない細胞要素の除去または破壊を必要とする哺乳動物の治療におけるNTPペプチドの使用が、急性尿閉の発生の予期せぬ優れた低下をもたらすことを予期せず発見した。本発明者は、BPHを治療するための臨床試験を実施する際、単独でまたは他の活性剤と組み合わせてNTPペプチドを投与すると、対照と比較して、そしてNTPペプチドは受けないが、同様にタムスロシン、テラゾシン、ドキサゾシンなどのアルファ遮断薬、またはフィナステリド、デュタステリドなどの5−アルファレダクターゼ阻害剤、またはタダラフィルなどのホスホジエステラーゼ5型阻害剤(PDE5阻害剤)から選択される活性剤を受けた哺乳動物と比較して、急性尿閉の発生が劇的に低減されることを予期せず発見した。本発明者は、臨床試験中に、特許請求されている組成物を単独でまたは他の活性剤と組み合わせて用いて治療した場合、BPHに罹患した男性における急性尿閉の発生率が約0%から約3%、または約0%から約2.5%、または約0%から約2.1%、または約0%から約1.7%、または約0%から約1%、または0%から3%の間の任意の値または範囲であることを発見した。
本発明の組成物を用いて治療した患者は、急性尿閉の発生の劇的な低減を示した。実施形態の方法は、対照と比較して、急性尿閉の発生を防止する(発生率は0%)か、または発生率を10%を超えて低減させることができる。一実施形態において、本明細書に記載の組成物を投与した後、タムスロシン、テラゾシン、ドキサゾシンなどの従来のアルファ遮断薬、またはフィナステリド、デュタステリドなどの5−アルファレダクターゼ阻害剤、またはホスホジエステラーゼ5型阻害剤(PDE5阻害剤)などの付加的な活性剤を投与することによって、対照組成物を受けた後、上記から選択される付加的な活性剤を投与された対照と比較して、急性尿閉の発生が劇的に減少した。急性尿閉の減少は、約10%から完全予防(100%)まで、または約25%から100%まで、または約40%から100%まで、または約40%から約95%まで、または約45%から約90%まで、または約50%から約80%まで、約60%から約75%まで、または約10%から約100%の間の任意の値または範囲であり得る。
また、本発明者は、別の疾患であるBPHを治療するための臨床試験を実施した際に、NTPペプチドを単独でまたは他の活性剤との組み合わせて投与することにより、急性尿閉を発症する危険性がある患者における急性尿閉の発生を劇的に低減および/または予防することを予期せず発見した。急性尿閉を発症する危険性がある患者は、BPHを患う患者、タムスロシン、テラゾシン、ドキサゾシンなどの従来のアルファ遮断薬、またはフィナステリド、デュタステリドなどの5−アルファレダクターゼ阻害剤、またはホスホジエステラーゼ5型阻害剤(PDE5阻害剤)を用いて治療されているBPHに罹患した患者、急性尿路前立腺炎を患う患者、抗コリン作用剤、三環系抗うつ剤、経口鬱血除去剤、非ステロイド系抗炎症薬などの医薬品を服用している哺乳動物、または以下の表に記載されている条件のうち1つ以上を有する任意の哺乳動物であり得る。
Selius BA,Subedi R.,成人における尿閉:診断と初期管理 Am Fam Physician.2008年3月1日;77(5):643−50を参照のこと。
本発明者は、この患者の母集団について、実施形態の組成物を投与すると、急性尿閉の発生が、約0%から約3%、または約0%から約2.5%、または約0%から約2.1%、または約0%から約1.7%、または約0%から約1%、または0%から3%の間の任意の値または範囲に低減されることを発見した。本発明者は更に、この患者の母集団について、実施形態の組成物を投与すると、急性尿閉の発生が、実施形態の組成物を投与されずに同様に治療された患者と比較して、約10%から完全予防(100%)まで、または約25%から100%まで、または約40%から100%まで、または約40%から約95%まで、または約45%から約90%まで、または約50%から約80%まで、約60%から約75%まで、または約10%から約100%の間の任意の値または範囲に低減されることを発見した。
本発明の実施形態は、急性尿閉を招く可能性のある状態に罹患した哺乳動物を治療する方法を含み、当該方法は、NTPペプチドを単独で、または付加的な活性剤の投与と組み合わせて、哺乳動物に1回または2回以上投与することを含む。この方法には、NTP−ペプチドを筋肉内に、経口的に、静脈内に、腹腔内に、大脳内に(柔組織内に)、脳室内に、病巣内に、眼内に、動脈内に、髄腔内に、腫瘍内に、鼻腔内に、局所的に、経皮的に、皮下に、または皮内に、単独で、または担体に複合された形で投与することが含まれるが、これらには限定されない。急性尿閉を招く可能性のある状態は、とりわけ良性および悪性腫瘍、腺(例えば前立腺)過形成、および癌を含む望ましくない細胞増殖物の存在を含み得る。好ましいNTPペプチドは以下のうちの1つ以上を含む。
配列ID番号66:IDQQVLSRIKLEIKRCL Ile−Asp−Gln−Gln−Val−Leu−Ser−Arg−Ile−Lys−Leu−Glu−Ile−Lys−Arg−Cys−Leu
配列ID番号111:IDQQVLSRI Ile−Asp−Gln−Gln−Val−Leu−Ser−Arg−Ile
配列ID番号115:VLSRIKLEIKRCL Val−Leu−Ser−Arg−Ile−Lys−Leu−Glu−Ile−Lys−Arg−Cys−Leu
配列ID番号116:IDQQVLSRIKLEI Ile−Asp−Gln−Gln−Val−Leu−Ser−Arg−Ile−Lys−Leu−Glu−Ile
いかなる哺乳動物も本発明の使用により利益を得ることができる。哺乳動物には、ヒト、マウス、ウサギ、イヌ、ヒツジおよび他の家畜、更には獣医師、動物園の飼育係、または野生動物保護作業員によって治療されたまたは治療可能な任意の哺乳動物が含まれる。好ましい哺乳動物は、ヒト、ヒツジ、およびイヌである。本明細書の記載を通して、哺乳動物および患者の語は互換的に使用される。
当業者には、上記NTPペプチドの他のより小さなフラグメントを、これらのペプチドが同じまたは類似の生物活性を有するように選択し得ることは明白であろう。当業者は、NTPペプチドの他のフラグメントも、これらのペプチドが同じまたは類似の生物活性を有するように選択することができる。本発明のNTPペプチドはこれらの他のフラグメントも包含する。一般に、本発明のペプチドは少なくとも4つのアミノ酸、好ましくは少なくとも5つのアミノ酸、更に好ましくは少なくとも6つのアミノ酸を有する。
また、本発明の実施形態は、2つ以上のNTPペプチドを連結してなるNTPペプチドを含む組成物を付加的な活性剤とともに投与することを含む、急性尿閉の発生を防止または低減させる方法を包含する。1つのNTPペプチドが所望の生物活性を有する限り、2つのそのようなNTPペプチドも、所望の生物活性を有することになろう。
本発明の実施形態に包含されるNTPペプチド、並びにそれらのフラグメント、変異体、誘導体、相同体、融合タンパク質、および模倣体は、当業者に公知の方法を用いて製造できる。例えば、組換えDNA技術、タンパク質合成、および天然のペプチド、タンパク質、AD7c−NTPタンパク質、並びにそれらのフラグメント、変異体、誘導体、および相同体の単離などの方法を用いることができる。
NTPペプチド、並びにそれらのフラグメント、変異体、誘導体、相同体、融合タンパク質、および模倣体は、当業者に公知の方法を用いて他のペプチド、タンパク質、並びにそれらのフラグメント、変異体、誘導体、および相同体から製造することができる。そのような方法は、ペプチドまたはタンパク質を切断して所望のNTPペプチドにするプロテアーゼの使用を含むが、それに限定されない。
NTPペプチドは、周知の組換えDNA技術による方法を用いて製造できる。例えば、Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(分子クローニング:実験室マニュアル),Cold Spring Harbor Laboratory Press,コールドスプリングハーバー、ニューヨークおよび/またはAusubelら監修,Current Protocols in Molecular Biology(分子生物学におけるカレントプロトコル),Green Publishers Inc.and Wiley and Sons,ニューヨークに記載されているような方法である。
NTPペプチドをコードする遺伝子またはcDNAは、例えばゲノムまたはcDNAライブラリーをスクリーニングすることによって、またはPCR増幅によって得ることができる。ライブラリーのスクリーニングに有用なプローブまたはプライマーは、例えば他のペプチドまたはタンパク質に見出される保存モチーフなどの、同じまたは関連ファミリーの遺伝子由来の他の公知遺伝子または遺伝子フラグメントに関する配列情報に基づいて生成することができる。加えて、NTPペプチドをコードしている遺伝子が確認されている場合、その遺伝子の全部または一部をプローブとして使用して相同遺伝子を同定することができる。該プローブまたはプライマーを使用すれば、NTPペプチドの遺伝子を発現すると考えられる様々な組織源由来のcDNAライブラリーをスクリーニングすることができる。典型的には、高度にストリンジェントな条件をスクリーニングに適用し、スクリーニングから得られる偽陽性の数を最小限にする。
NTPペプチドをコードする遺伝子を作製する別の手段は、当業者に周知の、例えばEngelsらがAngew.Chem.Intl.Ed.,28:716−734に記載している方法のような化学合成法の使用である。これらの方法に含まれるのは、とりわけ、核酸合成のためのホスホトリエステル法、ホスホロアミダイト法、およびH−ホスホネート法である。そのような化学合成に好適な方法は、標準的ホスホロアミダイト化学を用い、ポリマーを支持体とする合成法である。典型的には、ペプチドまたはタンパク質をコードするDNAは、数百ヌクレオチドの長さになるであろう。約100ヌクレオチドを超える核酸はこれらの方法を用いるといくつかのフラグメントとして合成できる。次に該フラグメントを繋ぎ合わせれば全長のペプチドまたはタンパク質が作製できる。通常、タンパク質のアミノ末端をコードするDNAフラグメントはメチオニン残基をコードするATGを持つ。このメチオニンは、宿主細胞で産生されるタンパク質が該細胞から分泌されるように設計されているかどうかによって、成熟形のタンパク質またはペプチドに存在する場合と存在しない場合とがある。
NTPペプチドをコードする遺伝子、cDNA、またはそのフラグメントは、標準の連結技術を用いて適当な発現または増幅ベクターに挿入することができる。ベクターは典型的には用いられる特定の宿主細胞で機能を発揮するように選ばれる(すなわち、ベクターは宿主細胞の機構に適合し、遺伝子の増幅および/または遺伝子の発現を起こすことができる)。NTPペプチドをコードする遺伝子、cDNA、またはそのフラグメントは、原核、酵母、昆虫(バキュロウィルス系)および/または真核宿主細胞で増幅/発現され得る。宿主細胞の選択は、部分的には、NTPペプチドがグリコシル化および/またはリン酸化されるかどうかによって決まるであろう。その場合、酵母、昆虫、または哺乳動物の宿主細胞が好ましい。
典型的には、何れかの宿主細胞で使用されるベクターは、少なくとも5’フランキング配列(プロモーターとも呼ばれる)および他の調節エレメントも含有する。例えば、エンハンサー、複製起点エレメント、転写終結エレメント、供与および受容スプライス部位を含有する完全イントロン配列、シグナルペプチド配列、リボソーム結合部位エレメント、ポリアデニル化配列、発現されるポリペプチドをコードする核酸を挿入するためのポリリンカー領域、および選択マーカーエレメントなどである。これらの各エレメントは以下で説明する。場合により、ベクターはタグ配列、すなわち、タンパク質またはペプチドをコードする配列の5’または3’末端に位置するオリゴヌクレオチド分子を含有することもある。該オリゴヌクレオチド分子は、ポリHis(例えばヘキサHis)、またはFLAG、HA(ヘマグルチニンインフルエンザウィルス)もしくはmyc(これらに対する抗体は市販されている)のような他のタグをコードする。このタグは、典型的には、ポリペプチドの発現時にポリペプチドに融合され、タンパク質またはペプチドの宿主細胞からのアフィニティー精製の手段としての役割を果たすことができる。アフィニティー精製は、例えば、タグに対する抗体をアフィニティーマトリックスとして用いるカラムクロマトグラフィーによって達成できる。場合により、タグはその後、精製されたタンパク質またはペプチドから、ある種のペプチダーゼを用いるといった様々な手段によって除去することができる。
ヒト免疫グロブリンのヒンジ部とFc領域は、当業者であれば、NTPペプチドのN末端またはC末端の何れかに融合させることができる。その結果のFc−融合タンパク質は、プロテインAのアフィニティーカラムを用いて精製できる。Fcはインビボで長い薬物動態半減期を示すことが知られているので、Fcに融合したタンパク質は、融合していないものよりインビボでの半減期が実質的に長くなることがわかっている。また、Fc領域への融合は、一部の分子の生物活性にとって有用となりうる分子の二量体化/多量体化を可能にする。
5’フランキング配列は、同種(すなわち宿主細胞と同じ種および/または系統由来)、異種(すなわち宿主細胞の種または系統以外の種由来)、ハイブリッド(すなわち2つ以上の供給源由来の5’フランキング配列の組合せ)、合成であっても、または天然のタンパク質もしくはペプチド遺伝子の5’フランキング配列であってもよい。従って、5’フランキング配列の供給源は、5’フランキング配列が宿主細胞の機構の中で機能的であり、該機構によって活性化され得るならば、何れの単細胞原核または真核生物、何れの脊椎または無脊椎動物、あるいは何れの植物であってもよい。
本発明のベクターに有用な5’フランキング配列は、当該技術分野で周知のいくつかの方法の何れかから得ることができる。典型的には、本発明で有用な、タンパク質またはペプチド遺伝子のフランキング配列以外の5’フランキング配列は、マッピングおよび/または制限エンドヌクレアーゼ消化によって予め確認されているであろうから、適当な制限エンドヌクレアーゼを用いて適当な組織源から単離することができる。場合によっては、5’フランキング配列の全ヌクレオチド配列がわかっていることもある。ここでは、5’フランキング配列は、核酸合成またはクローニングについて前述した方法を用いて合成され得る。5’フランキング配列の全てまたは一部のみがわかっている場合、5’フランキング配列は、PCRを用いておよび/または適切なオリゴヌクレオチドおよび/または同種または別種由来の5’フランキング配列のフラグメントを用いてゲノムライブラリーをスクリーニングすることによって得ることができる。
5’フランキング配列が不明の場合、5’フランキング配列を含有するDNAのフラグメントを、例えばコード配列または別の遺伝子までも含有していると思われる大きなDNAフラグメントから単離すればよい。単離は、適切なDNAフラグメントを単離するために注意深く選んだ1つ以上の酵素を用いて、制限エンドヌクレアーゼ消化によって達成できる。消化後、所望のフラグメントは、アガロースゲル精製、Qiagen(登録商標)カラムまたは当業者に公知の他の方法によって単離できる。この目的を達成するための適切な酵素の選択は当業者には容易にわかるであろう。
複製起点エレメントは、典型的には市販されている原核発現ベクターの一部であり、宿主細胞におけるベクターの増幅に役割を果たす。ベクターをある複製数に増幅することは、場合によってはタンパク質またはペプチドの最適発現のために重要であり得る。選択したベクターが複製起点部位を含有していなければ、公知配列に基づいて化学的に合成し、ベクターに連結すればよい。転写終結エレメントは、典型的にはタンパク質またはペプチドをコードする配列の3’末端に位置し、タンパク質またはペプチドの転写を終結させる役割を果たしている。通常、原核細胞中の転写終結エレメントは、ポリT配列の前のG−Cに富むフラグメントである。エレメントは、ライブラリーからクローン化しても、ベクターの一部として市販品を購入してもよいが、前述のような核酸合成法を用いて容易に合成することもできる。
選択マーカー遺伝子エレメントは、選択的培地で成長させた宿主細胞の生存および成長に必要なタンパク質をコードする。典型的な選択マーカー遺伝子は、(a)原核宿主細胞に抗生物質または他の毒素、例えばアンピシリン、テトラサイクリン、またはカナマイシンに対する耐性を付与する、(b)細胞の栄養要求性欠乏を補完する、または(c)複合培地からは得られない重要な栄養素を供給する、タンパク質をコードする。好適な選択マーカーは、カナマイシン耐性遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、およびテトラサイクリン耐性遺伝子である。
一般的にシャイン・ダルガーノ配列(原核生物)またはコザック配列(真核生物)と呼ばれているリボソーム結合エレメントは、通常mRNAの翻訳開始に必要である。該エレメントは典型的には、プロモーターの3’側、および合成されるタンパク質またはペプチドのコード配列の5’側に位置する。シャイン・ダルガーノ配列は多様であるが、典型的にはポリプリン(すなわちA−Gの含有量が高い)である。多くのシャイン・ダルガーノ配列は同定されており、それぞれは上記の方法を用いて容易に合成でき、原核ベクターに使用できる。
NTPペプチドが宿主細胞から分泌されるのが望ましい場合、シグナル配列を用いて、NTPペプチドを、それが合成される宿主細胞の外に出るように誘導することができる。そして、タンパク質のカルボキシ末端部分を削除し、膜に係留されないようにすればよい。典型的には、シグナル配列は、NTPペプチドの遺伝子またはcDNAのコード領域に、またはNTPペプチドの遺伝子のコード領域の5’末端に直接位置する。多くのシグナル配列が同定されており、選択した宿主細胞で機能的なシグナル配列は何れも、NTPペプチドの遺伝子またはcDNAと共に使用できる。従って、シグナル配列はNTPペプチドの遺伝子またはcDNAに対して同種または異種であってよく、NTPペプチドの遺伝子またはcDNAに対して同種または異種であり得る。更に、シグナル配列は前述の方法を用いて化学合成することもできる。ほとんどの場合、シグナルペプチドの存在を介しての宿主細胞からのポリペプチドの分泌は、該ポリペプチドからアミノ末端のメチオニンを除去することになるであろう。
多くの場合、NTPペプチドの遺伝子またはcDNAの転写は、ベクターに1つ以上のイントロンが存在することによって増大する。このことは、NTPペプチドが真核宿主細胞、特に哺乳動物の宿主細胞で産生される場合、特にそうである。使用されるイントロンは、NTPペプチドの遺伝子内に天然に存在し得る。特に、使用される遺伝子が全長ゲノム配列またはそのフラグメントの場合はそうである。イントロンが遺伝子内に天然に存在しない場合(ほとんどのcDNAの場合)、イントロンは別の供給源から得ることができる。フランキング配列およびNTPペプチドの遺伝子に関するイントロンの位置は、イントロンが有効であるように転写されなければならないため、一般的に重要である。従って、発現ベクターに挿入されたNTPペプチドの遺伝子がcDNA分子の場合、イントロンの好適な位置は、転写開始部位の3’側、およびポリA転写終結配列の5’側である。好ましくは、NTPペプチドのcDNAの場合、イントロン(1つまたは複数)は、cDNAの一方の側または他方の側(すなわち5’または3’)に位置しているのでこのコード配列を妨害しない。任意のウィルス、原核および真核生物(植物または動物)などいかなる供給源のいかなるイントロンも、それが挿入される宿主細胞と適合する限り、本発明の実施に使用できる。また合成イントロンも本発明に包含される。場合により、2つ以上のイントロンがベクターに使用され得る。
使用されるベクターに前述のエレメントの1つ以上がまだ存在していない場合、それらを個々に得てベクターに連結することができる。各エレメントを得るのに使用される方法は当業者に周知であり、また前述の方法とほぼ同等である(すなわち、DNAの合成、ライブラリースクリーニングなど)。
本発明の実施に使用される最終ベクターは、市販のベクターのような出発ベクターから構築され得る。そのようなベクターは、完成したベクターに包含されるべきエレメントの一部を含有することもしないこともある。出発ベクターに所望のエレメントが全く存在しない場合、各エレメントを個々にベクターに連結すればよい。その方法は、ベクターを適当な制限エンドヌクレアーゼで切断し、連結されるエレメントの末端とベクターの末端とを連結に適合するようにする。場合によっては、十分な連結を得るために、一緒に連結される末端を平滑化することが必要なこともある。平滑化は、クレノウDNAポリメラーゼまたはT4 DNAポリメラーゼを用い、全4種類のヌクレオチドの存在下で、(一本鎖の)「付着末端」をまず補充することによって達成される。この方法は当該技術分野では周知であり、例えば上記Sambrookらに記載されている。代替的に、ベクターに挿入される2つ以上のエレメントを最初に一緒に連結し(互いに隣接して配置されることになる場合)、それからベクターに連結することもできる。
ベクターを構築する別の方法は、各種エレメントの全ての連結を1つの反応混合物中で同時に実施することである。この場合、エレメントの不適切な連結や挿入のために、無意味なまたは機能しない多くのベクターが生じることになろう。しかしながら、機能するベクターは、制限エンドヌクレアーゼ消化によって確認および選択することができる。
本発明の実施に好適なベクターは、細菌、昆虫、および哺乳動物の宿主細胞と適合性のあるものである。そのようなベクターは、とりわけ、pCRII、pCR3、およびpcDNA3.1(Invitrogen Company、カリフォルニア州サンジエゴ)、pBS II(Stratagene Company、カリフォルニア州ラ・ホーヤ)、pET15b(Novagen、ウィスコンシン州マディソン)、PGEX(Pharmacia Biotech、ニュージャージー州ピスカタウェイ)、pEGFP−N2(Clontech、カリフォルニア州パロアルト)、pETL(BlueBacI;Invitrogen)、およびpFastBacDual(Gibco/BRL、ニューヨーク州グランドアイランド)などである。
ベクターが構築され、全長のまたは切断されたタンパク質またはペプチドをコードする核酸分子がベクターの適正な部位に挿入された後、完成したベクターを増幅および/またはポリペプチド発現のために適切な宿主細胞に挿入できる。宿主細胞は、原核宿主細胞(例えば大腸菌E.coli)または真核宿主細胞(例えば、酵母細胞、昆虫細胞、または脊椎動物細胞)であり得る。宿主細胞は適当な条件下で培養されると、タンパク質またはペプチドを合成できるので、次にそれを培地から採集するか(宿主細胞がそれを培地に分泌する場合)、またはそれを産生している宿主細胞から直接採集すればよい(分泌されない場合)。
採集後、NTPペプチドは、分子ふるいクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなどの方法を用いて精製できる。タンパク質またはペプチドの産生にふさわしい宿主細胞の選択は、一部は、NTPペプチドがグリコシル化されるのかまたはリン酸化されるのか(この場合は真核宿主細胞が好ましい)ということと、生物活性を有するNTPペプチドによって生物学的に活性なタンパク質が製造されるように、宿主細胞がNTPペプチドをその天然の三次構造(例えばジスルフィド結合の正しい配向など)に折りたたむことができるやり方によるであろう。NTPペプチドは、合成後、以下に記載するような適当な化学条件を用いて折りたたむことができる。適切な細胞または細胞系は、哺乳動物細胞、例えばチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)、ヒト胎性腎(HEK)293、293T細胞、または3T3細胞であろう。適切な哺乳動物宿主細胞の選択および形質転換、培養、増幅、スクリーニングおよび生成物産生、並びに精製の各方法は、当該技術分野で公知である。他の適切な哺乳動物細胞系は、サルCOS−1およびCOS−7細胞系、並びにCV−1細胞系などである。哺乳動物宿主細胞の更なる例は、霊長類細胞系および齧歯類細胞系で形質転換細胞系も含む。正常二倍体細胞、一次組織のインビトロ培養物由来の細胞株、並びに一次外植片も適切である。候補の細胞は、選択遺伝子に遺伝子型的欠陥があっても、または優性に作用する選択遺伝子を含有していてもよい。他の適切な哺乳動物細胞系は、マウス神経芽細胞腫N2A細胞、HeLa、マウスL−929細胞、Swiss、Balb−cまたはNIHマウス由来の3T3系、BHKまたはHaKハムスター細胞系などであるが、これらに限定されない。
本発明に適切な宿主細胞として同様に有用なのは細菌細胞である。例えば、大腸菌の様々な株(例えば、HB101、DH5.アルファ、DH10、およびMC1061)は、宿主細胞としてバイオテクノロジーの分野でよく知られている。様々な系統の枯草菌(B.subtilis)、シュードモナス属(Pseudomonas spp.)、他のバシラス属(Bacillus spp.)、ストレプトミセス属(Streptomyces spp.)なども本方法に使用できる。当業者に公知の多くの系統の酵母細胞も、本発明のポリペプチドの発現用宿主細胞として利用できる。
更に、所望であれば、昆虫細胞系も本発明の方法に利用できる。そのような系は、例えばKittsら,(Biotechniques,14:810−817)、Lucklow(Curr.Opin.Biotechnol.,4:564−572)およびLucklowら(J.Virol.,67:4566−4579)に記載されている。好適な昆虫細胞はSf−9およびHi5(Invitrogen、カリフォルニア州カールズバッド)である。
ベクターの選択宿主細胞への挿入(形質転換またはトランスフェクションとも呼ばれる)は、塩化カルシウム、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、リポフェクション、またはDEAE−デキストラン法のような方法を用いて達成できる。選択される方法は、一部は使用される宿主細胞の種類によって決まることになろう。これらの方法および他の適切な方法は当業者に周知であり、例えば上記Sambrookらによる文献に記載されている。
ベクターを含有する(すなわち形質転換またはトランスフェクトされた)宿主細胞は、当業者に周知の標準培地を用いて培養できる。培地は通常、細胞の成長と生存に必要な全ての栄養素を含有している。大腸菌の培養に適切な培地は、例えばルリアブロス(Luria Broth,LB)および/またはテリフィックブロス(Terrific Broth,TB)である。真核細胞の培養に適切な培地は、RPMI 1640、MEM、DMEMで、何れも培養されている特定の細胞系の必要に応じて血清および/または成長因子を補充してもよい。昆虫培養に適切な培地は、必要に応じてイーストレート(yeastolate)、ラクトアルブミン加水分解物(lactalbumin hydrolysate)、および/またはウシ胎仔血清を補充したグレース(Grace)の培地である。典型的には、形質転換細胞のみの選択的成長に有用な抗生物質または他の化合物をサプリメントとして培地に加える。使用される化合物は、宿主細胞が形質転換を受けたプラスミド上に存在する選択マーカーエレメントによって決定されることになろう。例えば、選択マーカーエレメントがカナマイシン耐性の場合、培地に添加される化合物はカナマイシンになる。
宿主細胞で産生されるNTPペプチドの量は、当該技術分野で公知の標準法を用いて評価できる。そのような方法は、ウェスタンブロット分析、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動、非変性ゲル電気泳動、HPLC分離、質量分析、免疫沈降法、および/またはDNA結合ゲルシフト法のような活性アッセイなどであるが、これらに限定されない。
タンパク質またはペプチドが宿主細胞から分泌されるように設計されている場合、大部分のタンパク質またはペプチドは細胞培養の培地に見出すことができる。このようにして製造されたタンパク質は、典型的にはアミノ末端のメチオニンを持たない。細胞から分泌されるときに除去されるからである。しかしながら、タンパク質またはペプチドが宿主細胞から分泌されない場合、細胞質および/または細胞核内(真核宿主細胞の場合)、またはサイトゾル内(グラム陰性菌の宿主細胞の場合)に存在することになり、アミノ末端のメチオニンを有し得る。
宿主細胞の細胞質および/または細胞核内にあるNTPペプチドについては、典型的には、まず宿主細胞を機械的にまたは界面活性剤で破壊し細胞内の内容物を緩衝溶液中に放出させる。その後、この溶液からNTPペプチドを単離することができる。
溶液からのNTPペプチドの精製は各種の技術を用いて達成できる。NTPペプチドが、ヘキサヒスチジン(例えばペプチド/ヘキサHis)またはFLAG(Sigma−Aldritch、ミシガン州セントルイス)もしくはカルモジュリン結合ペプチド(Stratagene、カリフォルニア州ラ・ホーヤ)のような他の小ペプチドなどのタグをカルボキシルまたはアミノ末端の何れかに含有するように合成されている場合、溶液をアフィニティーカラムに通すことによりワンステッププロセスで本質的に精製できる。アフィニティーカラムは、カラムマトリックスがタグに対してまたは直接タンパク質に対して(すなわちペプチドを特異的に認識するモノクロナール抗体)高親和性を有しているカラムである。例えば、ポリヒスチジンは、ニッケル、亜鉛およびコバルトに非常に親和的かつ特異的に結合する。従って、ニッケルベースのアフィニティー樹脂(QiagenのQIAexpress systemまたはInvitrogenのXpress Systemに使用されている)またはコバルトベースのアフィニティー樹脂(BD Bioscience−CLONTECHのTalon systemに使用されている)を採用している固定化金属イオンアフィニティークロマトグラフィーを使用すれば、ペプチド/ポリHisの精製ができる(例えば、Ausubelら監修、Current Protocols in Molecular Biology,Section 10.11.8,John Wiley & Sons、ニューヨーク参照)。
NTPペプチドがタグを結合せずに製造され、利用できる抗体もない場合、他の周知の精製法が使用できる。そのような方法は、イオン交換クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、分子ふるいクロマトグラフィー、HPLC、ゲル溶離と組み合わせた天然ゲル電気泳動、および分取用等電点電気泳動(Isoprime machine/technique,Hoefer Scientific)などであるが、これらに限定されない。場合により、これらの2つ以上の技術を組み合わせることで純度向上を達成できることもある。
NTPペプチドが主として細胞内に見出されると考えられる場合、細胞内物質(グラム陰性菌の場合の封入体も含む)は、当業者に公知の任意の標準技術を用いて宿主細胞から抽出できる。例えば、宿主細胞を、フレンチプレス、ホモジナイズ、および/または超音波処理とその後の遠心分離によって溶解し、ペリプラズム/細胞質の内容物を放出させればよい。NTPペプチドがサイトゾル内で封入体を形成している場合、該封入体は内側および/または外側の細胞膜に結合できることが多いので、主として遠心分離後のペレット物質中に見出されるであろう。次に、該ペレット物質を、両極端のpHで、またはアルカリ性pHのジチオトレイトールもしくは酸性pHのトリスカルボキシエチルホスフィンのような還元剤の存在下、界面活性剤、グアニジン、グアニジン誘導体類、尿素、または尿素誘導体類のようなカオトロープ剤で処理すると、封入体を放出、分断、および可溶化することができる。次に、可溶性の形態になったNTPペプチドは、ゲル電気泳動、免疫沈降法などを用いて分析できる。NTPペプチドの単離が所望であれば、単離は、以下およびMarstonらによるMeth.Enz.,182:264−275に記載のような標準法を用いて達成できる。
場合によって、NTPペプチドが単離時に生物学的に活性でないことがあり得る。ポリペプチドをその三次構造にリフォールディングまたは変換し、ジスルフィド結合を生じさせる種々の方法を使用すれば、生物活性を回復させることができる。そのような方法は、可溶化ポリペプチドを、特定濃度のカオトロープの存在下、通常7を超えるpHに暴露することを含む。カオトロープの選択は、封入体の可溶化に使用した選択とほとんど同じであるが、通常はそれより低い濃度で、また必ずしも可溶化に使用したのと同じカオトロープでなくてもよい。ほとんどの場合、リフォールディング/酸化溶液は、還元剤または還元剤とある特定比のその酸化形も含有し、ある特別の酸化還元(レドックス)電位を生じるであろうから、タンパク質のシステインブリッジ形成時にジスルフィドのシャッフリングが起こることが可能になる。よく使用されるレドックスカップルをいくつか挙げると、システイン/シスタミン、グルタチオン(GSH)/ジチオビスGSH、塩化第二銅、ジチオトレイトール(DTT)/ジチアンDTT、2−メルカプトエタノール(bME)/ジチオ−b(ME)などである。多くの場合、リフォールディングの効率を上げるために共溶媒が必要であり、この目的のためによく使用される試薬は、グリセロール、種々の分子量のポリエチレングリコール、およびアルギニンを含む。
NTPペプチドの封入体が宿主細胞にあまり形成されていない場合、NTPペプチドは、主として細胞ホモジネートの遠心後の上清中に見出されうる。該NTPペプチドは、以下に記載のような方法を用いて上清から単離できる。
NTPペプチドの部分的または完全単離が好ましい状況においては、精製は当業者に周知の標準法を用いて達成できる。そのような方法は、電気泳動による分離とその後のエレクトロエルーション、各種クロマトグラフィー(免疫アフィニティー、分子ふるい、および/またはイオン交換)、および/または高圧液体クロマトグラフィーを含むが、これらに限定されない。場合により、完全な精製のためにこれらの方法の複数を使用するのが好ましいこともある。
組換えDNA技術を用いるNTPペプチドの製造および精製法のほか、NTPペプチド、並びにそれらのフラグメント、変異体、相同体、融合タンパク質、ペプチド模倣体、および誘導体は、当該技術分野で公知の技術を用いる化学合成法(例えば固相ペプチド合成)によって製造することもできる。例えば、Merrifieldら,J.Am.Chem.Soc.,85:2149、Houghtenら,Proc Natl Acad.Sci.USA,82:5132、およびStewart and Young,Solid Phase Peptide Synthesis(固相ペプチド合成),Pierce Chemical Co.,イリノイ州ロックフォードに記載のような技術である。そのようなポリペプチドは、アミノ末端にメチオニンを持つようにも持たないようにも合成できる。化学合成されたNTPペプチドは、これらの文献に記載の方法を用いて酸化され、ジスルフィド結合を形成することができる。該NTPペプチドは、組換え製造された、または天然源から精製されたNTPペプチドに匹敵する生物活性を有すると考えられるので、組換えまたは天然NTPペプチドと互換的に使用できる。
NTPペプチドがポリマーに連結されている化学修飾されたNTPペプチド組成物も、本発明の範囲に包含される。選択されるポリマーは、ポリマーが結合しているタンパク質が生理的環境のような水性環境中で沈殿しないように、典型的には水溶性である。選択されるポリマーは、通常1つの反応基、例えばアシル化のための活性エステルまたはアルキル化のためのアルデヒドを有するように修飾されているため、本方法で提供されているように重合度が制御できる。ポリマーはいかなる分子量のものでもよく、また枝分かれしていてもいなくてもよい。ペプチドポリマーの範囲にはポリマー混合物も含まれる。
場合によっては、天然のNTPペプチドの核酸および/またはアミノ酸変異体を製造するのが望ましいこともある。核酸変異体は、部位特異的突然変異誘発、PCR増幅、または他の適切な方法を用いて製造できる。その場合、プライマーは所望の点変異を有する(突然変異誘発技術の解説については上記Sambrookら,および上記Ausubelら参照)。上記Engelsらによる方法を用いる化学合成を利用してもそのような変異体が製造できる。当業者に公知の他の方法も同様に使用できる。
好適な核酸変異体は、NTPペプチドの産生に使用される宿主細胞においてコドン選択に関わるヌクレオチド置換を含有するものである。そのようなコドンの最適化は、ウィスコンシン州マディソンのGenetics Computer GroupによるUniversity of Wisconsin Package Version 9.0によって提供されているような、高度に発現された細菌遺伝子のコドン選択を求めるEcohigh.Codのようなコドン頻度表を組み込んだコンピュータアルゴリズムによって決定できる。他の有用なコドン頻度表は、Celegans_high.cod、Celegans_low.cod、Drosophila_high.cod、Human_high.cod、Maize_high.cod、およびYeast_high.codを含む。他の好適な変異体は、野生型と比較して前述のように保存的アミノ酸変化(例えば、天然アミノ酸側鎖の電荷または極性が、異なるアミノ酸置換によって実質的に変化しない)をコードするもの、および/または新規のグリコシル化および/またはリン酸化部位を生じるように設計されたもの、または既存のグリコシル化および/またはリン酸化部位を削除するように設計されたものである。
NTPペプチド、そのフラグメント、相同体、変異体、融合タンパク質、ペプチド模倣体、誘導体および塩は、当業者に公知の従来のペプチド合成技術を用いて製造することもできる。これらの技術は、化学カップリング法(Wunsch,E:“Methoden der organischen Chemie(有機化学の方法)”,Volume 15,Band 1+2,Synthese von Peptiden,thime Verlag,シュトゥットガルト(1974年)、およびBarrany,G.;Marrifield,R.B.:“The Peptides(ペプチド)”、監修E.Gross,J.Meienhofer,Volume 2,Chapter 1,1−284頁,Academic Press(1980年)参照)、酵素カップリング法(Widmer,F.Johansen,J.T.,Carlsberg Res.Commun.,Vol.44,37−46頁(1979年);Kullmann,W.:“Enzymatic Peptide Synthesis(酵素的ペプチド合成)”,CRC Press Inc.フロリダ州ボカラトン(1987年);およびWidmer,F.,Johansen,J.T.“Synthetic Peptides in Biology and Medicines(生物学および医学における合成ペプチド)”、監修Alitalo,K.,Partanen,P.,Vatieri,A.,79−86頁,Elsevier,アムステルダム(1985年)参照)、または化学および酵素法の組合せ(これがプロセス設計および経済にとって好都合な場合)などである。本明細書中に提供したガイドラインを用いて、当業者は、NTPペプチドのペプチド配列を変えて、もとのまたは天然のNTPペプチドと同じまたは類似の生物活性を有する相同体を製造することができる。
所定のNTPペプチドの模倣体を使用する方が該ペプチド自体を使用するより好都合である。一般に、ペプチド模倣体の方が天然のタンパク質およびペプチドよりも生体内利用性が高く、作用期間が長く、そして安価に製造できる。
NTPペプチドのペプチド模倣体は、コンビナトリアルケミストリー技術および当該技術分野で公知の他の技術を用いて開発できる(例えば、Proceedings of the 20th European Peptide Symposium(第20回欧州ペプチドシンポジウム会報)、監修G.Jung,E.Bayer,289−336頁およびそれに収載されている参考文献参照)。ペプチド模倣体を製造するために当該技術分野で知られているペプチドの構造修飾法の例は、主鎖キラル中心の反転によるD−アミノ酸残基構造への変換などである。この構造は、活性に悪影響を及ぼすことなく特にN末端でのタンパク質分解に対する安定性を増大させ得る。一例が、論文“Tritiated D−ala.1−Peptide T Binding(トリチウム化D−ala.1−ペプチドT結合)”,Smith C.S.ら,Drug Development Res.,15,371−379頁(1988年)に記載されている。
第二の方法は、NからCの鎖間イミドおよびラクタムなどの、安定性のための環状構造の改変である(Edeら,Smith and Rivier(監修)“Peptides:Chemistry and Biology”,Escom,Leiden(1991年)中,268−270頁)。これの一例は、Goldstein,G.らによる米国特許第4,457,489号(1985年)に開示されているようなコンフォメーション的に制約されたチモペンチン様化合物に示されている。前記特許の開示内容は引用によってその全体を本明細書に援用する。
第三の方法は、NTPペプチド内のペプチド結合を、タンパク質分解に耐性を与える偽ペプチド結合によって置換することである。ペプチド構造および生物学的活性に概して影響を与えない、いくつかの偽ペプチド結合が記載されている。このアプローチの1つの例は、逆反転(retro−inverso)偽ペプチド結合で置換することである(“Biologically active retroinverso analogues of thymopentin”, Sisto A.ら, Rivier,J.E. and Marshall,G.R.(監修)“Peptides, Chemistry, Structure and Biology”,Escom,Leiden(1990年)中,722−773頁,およびDalpozzoら(1993年),Int.J.Peptide Protein Res.,41:561−566、本明細書に援用される)。この修飾に従って、ペプチドのアミノ酸配列は、1つ以上のペプチド結合が、逆反転偽ペプチド結合と交換されていることを除いて、上述のペプチドの配列と同一であってもよい。好ましくは、最もN末端のペプチド結合が置換されており、これはこうした置換が、N末端に作用するエキソペプチダーゼによるタンパク質分解に対して、耐性を与えるであろうためである。
1つ以上の還元型逆反転偽ペプチド結合を有するペプチドの合成は当該技術分野で知られている(Sisto(1990年)およびDalpozzoら(1993年)、上記引用)。このように、ペプチド結合は非ペプチド結合で置き換えることができ、それによってペプチド模倣体が元のペプチドと類似の構造、従って類似の生物活性を取ることが可能になる。アミノ酸の化学基を類似構造の他の化学基で置換することによって更に修飾することもできる。生物活性を全くまたはほとんど喪失せずに酵素切断に対する安定性を増大させることが知られている別の適切な偽ペプチド結合は、還元アイソスター偽ペプチド結合である(Couderら(1993),Int.J.Peptide Protein Res.,41:181−184、引用によってその全体を本明細書に援用する)。従って、これらのペプチドのアミノ酸配列は、1つ以上のペプチド結合が、アイソスター偽ペプチド結合によって交換されていることを除いて、ペプチドの配列と同一であることも可能である。好ましくは、最もN末端のペプチド結合が置換されており、これはこうした置換が、N末端に作用するエキソペプチダーゼによるタンパク質分解に対して、耐性を与えるであろうためである。1つ以上の還元アイソスター偽ペプチド結合を持つペプチドの合成が当該技術分野に知られる(Couderら(1993年)、上記引用)。他の例は、ケトメチレンまたはメチルスルフィド結合の導入によるペプチド結合の置換などである。
本明細書記載のNTPペプチドのペプトイド誘導体は、生物学的活性に重要な構造的決定基を保持するが、ペプチド結合が取り除かれ、それによってタンパク質分解に対する耐性が与えられた、別の種類のペプチド模倣体に相当する(Simonら,1992年,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:9367−9371、本明細書にその全体が援用される)。ペプトイドは、N−置換グリシンのオリゴマーである。いくつかのN−アルキル基が報告されており、それぞれ天然アミノ酸の側鎖に対応する(Simonら(1992年)、上記、引用によってその全体を本明細書に援用する)。ペプチドの一部または全てのアミノ酸が、置換されるアミノ酸に対応するN−置換グリシンで置換されている。
ペプチド模倣体の開発は、元のペプチドの三次構造を、NMR分光法、結晶学および/またはコンピュータ支援分子モデリングによって決定することによって支援することができる。これらの技術は、元のペプチドより高い有効性および/または高い生体内利用性および/または高い安定性を有する新規組成物の開発に役立つ(Dean(1994年),BioEssays,16:683−687;Cohen and Shatzmiller(1993年),J.Mol.Graph.,11:166−173;Wiley and Rich(1993年),Med.Res.Rev.,13:327−384;Moore(1994年),Trends Pharmacol.Sci.,15:124−129;Hruby(1993年),Biopolymers,33:1073−1082;Buggら(1993年),Sci.Am.,269:92−98、何れも引用によってその全体を本明細書に援用する)。
可能性あるペプチド模倣体化合物が確認されたら、合成し、以下の実施例に概要を記載した方法を用いて検定してその活性を評価することができる。上記方法によって得られ、ペプチドの生物活性および類似の三次元構造を有するペプチド模倣体化合物は本発明に包含される。当業者には、ペプチド模倣体が、前述の1つ以上の修飾を有するペプチドの何れからも作製できることは容易に理解されよう。また、本発明のペプチド模倣体が、治療用化合物としての用途のほかに、更に強力な非ペプチド化合物の開発にも利用できることは明白であろう。
本明細書中に記載のペプチドを合成できる機関が今日いくつかある。例えば、NTPペプチドの配列が与えられると、そうした機関で該ペプチドを合成し、合成したペプチドを文書とペプチドの同定証明書を添付して発送してくれる。
本発明の実施形態は、例えば良性および悪性腫瘍、腺(例えば前立腺)過形成、または癌などの細胞の除去を必要とする状態であり得る、急性尿閉をもたらす可能性のある状態にある哺乳動物を治療する方法に関する。この治療方法は、急性尿閉の発生を低減させ、場合によっては急性尿閉を予防する(すなわち、しかも発生率0%)。そのような方法は、投与の必要がある哺乳動物に治療上有効量のNTPペプチドを単独でまたは付加的な活性剤と組み合わせて投与することを含む。投与を必要とする哺乳動物は、前立腺癌を発症する危険性が高いもしくは発症する危険性が高くない良性前立腺過形成に罹患した哺乳動物、または、前立腺癌を発症する危険性のある哺乳動物であり得る。投与を必要とする哺乳動物はまた、急性尿閉の発生の低減から恩恵を受けるであろう任意の哺乳動物、例えば、上記の表4から表6に列挙された状態のうち1つ以上の状態を有する哺乳動物であってもよい。
付加的な活性剤を使用する場合には、当該付加的な活性剤として、以下から選択される1つ以上の活性剤を使用できる。(i)抗癌活性剤(アルキル化剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、RNA/DNA代謝拮抗剤、および抗有糸分裂剤など)、(ii)良性成長物を治療するための活性剤、例えば、抗ニキビおよび抗疣贅活性剤(サリチル酸)、(iii)抗アンドロゲン化合物(酢酸シプロテロン(1α,2β−メチレン−6−クロロ−17α−アセトキシ−6−デヒドロプロゲステロン)タモキシフェン、アロマターゼ阻害剤)、(iv)アルファ1−アドレナリン受容体遮断薬(タムスロシン、テラゾシン、ドキサゾシン、プラゾシン、ブナゾシン、インドラミン、アルフゾシン、シロドシン)、(v)5α−レダクターゼ阻害剤(フィナステリド、デュタステリド)、(vi)ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)阻害剤(タダラフィル)およびそれらの組み合わせ。好ましくは、付加的な活性剤は、タムスロシン、フィナステリド、テラゾシン、ドキサゾシン、プラゾシン、タダラフィル、アルフゾシン、シロドシン、デュタステリド、デュタステリドとタムスロシンの組み合わせ、およびこれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される。
該状態は、例えば、肺、乳房、胃、膵臓、前立腺、膀胱、骨、卵巣、皮膚、腎臓、洞、結腸、腸、胃、直腸、食道、血液、脳およびその外皮、脊髄およびその外皮、筋肉、結合組織、副腎、副甲状腺、甲状腺、子宮、精巣、脳下垂体、生殖器官、肝臓、胆嚢、眼、耳、鼻、咽頭、扁桃、口、リンパ節およびリンパ系、並びに他の器官の腫瘍であり得る。他の状態には、脳卒中もしくは鬱血性心不全、前立腺炎もしくは尿路感染症のような医学的状態、または例えば塩酸プソイドエフェドリン、風邪薬、麻酔剤または鎮静剤などの鎮痛剤、またはベナドリルなどの、尿閉を誘発することが知られている医薬品または薬物の摂取、または上記の表4〜6に列挙されているオスまたはメスの何れかの哺乳動物に関するその他の状態を含む。ある実施形態において、その状態は良性前立腺過形成である。
本明細書中で使用している「悪性腫瘍」という用語は、分化不良の、中等度に分化した、およびよく分化した形態で発生する全ての形態のヒトの癌種、肉腫および黒色腫を包含するものとする。
NTPペプチドの治療用組成物は、治療上有効量のNTPペプチドを製薬学的に許容し得る担体と混合して含んでもよい。一部の代替的な実施形態において、付加的な活性剤をNTPペプチドと同じ組成物に含ませて投与することができ、また他の実施形態において、NTPペプチドを含む組成物が注射として投与され、一方で付加的な活性剤が経口医薬品(ゲル、カプセル、錠剤、液体など)の形態で処方される。担体材料は、注射用の水、好ましくは哺乳動物への投与用溶液に通常含まれている他の材料を補充した水であり得る。典型的には、治療用のNTPペプチドは、精製されたペプチドと1つ以上の生理学的に許容し得る担体、賦形剤、または希釈剤とを共に含む組成物の形態で投与されることになろう。中性緩衝生理食塩水または血清アルブミンを混合した生理食塩水は適当な担体の例である。好ましくは、製品は適当な賦形剤(例えばショ糖)を用いて凍結乾燥物として処方される。所望であれば他の標準的担体、希釈剤、および賦形剤を含んでもよい。本発明の組成物は、当業者に公知の適当な範囲のpH値を有する緩衝液、例えばpH約7.0〜8.5のトリス緩衝液、またはpH約4.0〜5.5の酢酸緩衝液も含み得る。これに更にソルビトールまたはその適切な代替物が加わってもよい。
未治療の哺乳動物における不要な細胞要素を標的にするために、抗体、抗体フラグメント、抗体様分子、または特異的腫瘍マーカー(例えば細胞受容体、シグナルペプチドまたは過剰発現酵素)に対して高親和性を有する分子と複合または連結または結合させたNTPペプチドの使用も本発明の範囲に包含される。抗体、抗体フラグメント、抗体様分子、または特異的腫瘍マーカーに対して高親和性を有する分子は、NTPペプチド複合体(conjugate)を、特定の細胞または組織標的を標的にするために使用される。例えば、独特の表面抗原または発現抗原を有する腫瘍は、抗体、抗体フラグメント、または抗体様結合分子の標的となり得るので、腫瘍細胞をNTPペプチドで殺すことができる。抗体ターゲティングを用いるこのような手法は、用量の低減、標的細胞による結合と取込みの可能性の増大、並びに転移腫瘍および顕微鏡サイズの微小腫瘍を標的にするおよび治療するための有用性の増大、といった利点が期待される。
本発明は、組成物を形成するためのタンパク質または他の分子に複合または連結または結合させたNTPペプチドの使用も包含する。すなわち、該組成物は、腫瘍または他の不要細胞の部位もしくはその近辺で、腫瘍特異的または部位特異的酵素もしくはプロテアーゼによって、または腫瘍もしくは他の不要細胞を標的にする抗体複合体によって分解されると、該腫瘍または他の不要細胞の部位もしくはその近辺でNTPペプチドを放出する。
本発明はまた、組成物を形成するためのタンパク質または他の分子に複合または連結または結合させたNTPペプチドの使用も包含する。すなわち、該組成物は、治療される組織を光(レーザー療法または他の光力学もしくは光活性化療法におけるような)、他の形態の電磁放射線照射、例えば赤外線照射、紫外線照射、X線またはγ線照射、局在熱、アルファまたはベータ線照射、超音波放射、または他の局在エネルギー源に暴露すると、NTPペプチドまたはNTPペプチドの何らかの生物活性フラグメントを放出する。
本発明は、デンドリマー、フラーレン、並びに他の合成分子、ポリマーおよび巨大分子を用いるNTPペプチドの治療用組成物も包含する。すなわち、NTPペプチドおよび/またはその対応するDNA分子が、単独でまたは腫瘍特異的マーカーのような他の分子種と共に、該分子、ポリマーまたは巨大分子に複合、結合または封入されている組成物である。例えば、米国特許第5,714,166号「生物活性および/または標的指向デンドリマー複合体(Bioactive and/or Targeted Dendrimer Conjugates)」は、とりわけ、標的誘導物を有する少なくとも1つのデンドリマーとそれに結合した少なくとも1つの生物活性薬で構成される樹状ポリマー複合体の製造法および使用法を提供している。米国特許第5,714,166号の開示はその全体を引用によって本明細書に援用する。
本発明はまた、NTPペプチドおよび/または遺伝子と、脂質エマルジョン、ミセルポリマー、ポリマーミクロスフェア、電気活性ポリマー、ヒドロゲルおよびリポソームのような薬物送達賦形剤との治療用組成物を付加的な活性剤と組み合わせて用いて、哺乳動物を治療する方法を包含する。
哺乳動物における不要な細胞に伝達されるNTPペプチドまたは関連遺伝子または遺伝子等価物の使用も本発明に包含される。腫瘍内でのNTPペプチドの過剰発現は、腫瘍内の細胞の死を誘発し、ひいては腫瘍細胞数を削減するのに使用できる。望ましくない細胞要素を治療するためにNTPペプチドの遺伝子または遺伝子等価物を伝達することは、低用量で済む、標的細胞要素の細胞子孫に継代される、従って治療頻度が少なくて済む、および総体的治療が低減されるといった利点を持つと期待される。本実施形態はまた、NTPペプチドを含有する融合タンパク質をコードする遺伝子を不要細胞または隣接細胞に伝達することも包含する。この場合、遺伝子の発現と融合タンパク質の産生および/または分泌の後、該融合タンパク質が天然酵素もしくはプロテアーゼによってまたはプロドラッグによって分解され、NTPペプチドが不要細胞の中、その部位またはその近辺に放出される。
未治療の哺乳動物に投与するための、クローン組換えペプチド−抗体複合体、クローン組換えペプチド−抗体フラグメント複合体、およびクローン組換えペプチド−抗体様タンパク質複合体の使用も実施形態の範囲に包含される。ターゲティング複合体(例えば抗体、抗体フラグメント、抗体様分子、または癌特異的受容体もしくは他の腫瘍マーカーに対する親和性の高い分子)と結合させたクローンNTPペプチドの利点は、そのような分子が、前述のターゲティングの利点とクローン複合体分子の製造および標準化産生の利点を合わせ持っているということである。
本発明はまた、NTPペプチドまたはNTP遺伝子または遺伝子等価物の治療用組成物を、不要細胞の増殖または蓄積を除去、阻害または防止するためにステントのような医療器具のコーティング成分として、付加的な活性剤と組み合わせて使用することも包含する。
経口投与用の固体剤形は、カプセル、錠剤、ピル、散剤および顆粒剤を含むが、これらに限定されない。そのような固体剤形の場合、付加的な活性剤、および/またはNTPペプチドは以下の少なくとも1つと混合され得る:(a)クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムのような1つ以上の不活性賦形剤(または担体);(b)デンプン、乳糖、ショ糖、ブドウ糖、マンニトール、およびケイ酸のような充填剤または増量剤;(c)カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖およびアカシアのような結合剤;(d)グリセロールのような保湿剤;(e)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種の複合ケイ酸塩、および炭酸ナトリウムのような崩壊剤;(f)パラフィンのような溶液凝固遅延剤;(g)第四級アンモニウム化合物のような吸収促進剤;(h)アセチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールのような湿潤剤;(i)カオリンおよびベントナイトのような吸着剤;および(j)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール類、ラウリル硫酸ナトリウム、またはそれらの混合物のような滑沢剤。カプセル、錠剤、およびピルの場合、剤形は緩衝剤も含み得る。
経口投与用の液体剤形は、製薬学的に許容し得るエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシルを含む。液体剤形は、活性化合物のほかに、当該技術分野で通常使用されている不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤、および乳化剤を含み得る。乳化剤の例は、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油類、例えば綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール類、ソルビタンの脂肪酸エステル類、またはこれらの物質の混合物などである。
そのような不活性希釈剤のほかに、該組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味料、風味料および着香料などのアジュバントを含むこともできる。
本発明の組成物中の活性成分の実際の用量レベルは、特定の組成物および投与法にとって所望の治療的応答を得るのに有効な量のNTPペプチドおよび付加的な活性剤を得るために、変動し得る。従って、選択される用量レベルは、所望の治療効果、投与経路、所望の治療期間、および他の要因によって決まる。
ヒトを含む哺乳動物の場合、体表面積に基づいて有効量を投与できる。様々な大きさ、種の動物、およびヒトに関する用量の相互関係(mg/M2体表面積に基づく)は、E.J.Freireichらによって、Cancer Chemother.Rep.,50(4):219(1966年)に報告されている。体表面積は、個体の身長および体重からおよそ決定できる(例えば、Scientific Tables,Geigy Pharmaceuticals,ニューヨーク州アーズリー,537−538頁(1970年)参照)。
宿主に投与されるNTPペプチドおよび付加的な活性剤の総日用量は、1回量でも分割量でもよい。用量単位組成物は、1日量を構成するのに使用されてもよいようにその量の約数に相当する量を含有しうる。しかしながら、任意の特定の患者に対する特定の用量レベルは、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与時間および経路、投与薬物の効力、吸収および排出速度、他の薬物との組合せ、および治療される特定の疾患の重症度などの様々な要因によって異なるであろうことは理解されよう。組成物は注射または注入の形態で1回のみ投与されることが好ましく、また他の好ましい実施形態においては、組成物は2回投与される。この実施形態において、組成物の投与の間隔は、2ヶ月から10年まで、または8ヶ月から4年まで、または約1年を超える(例えば、1年から2年の間)範囲で変動し得る。
本発明にかかるNTPペプチド組成物を投与する方法は、当該化合物を、エアロゾル、注入、ボーラス注射、植え込み装置、徐放システムなどによって、筋肉内、経口、静脈内、腹腔内、大脳内(柔組織内)、脳室内、腫瘍内、病巣内、皮内、髄腔内、鼻腔内、眼内、動脈内、局所、経皮投与することを含むが、これには限定されない。
本発明のNTPペプチドの別の投与法は、経皮(transdermal)または経皮(transcutaneous)経路による方法である。付加的な活性剤はNTPペプチドとともに用いられてもよく、上述のように別途投与されてもよく、またはまったく投与されなくてもよい。そのような態様の一例はパッチの使用である。特に、パッチは、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)またはDMSOと綿実油の混合物中に細かく懸濁させたNTPペプチドの微細懸濁液を用いて製造でき、腫瘍を持つ哺乳動物の皮膚と、腫瘍部位から離れた皮膚ポーチ(skin pouch)内で接触させる。他の溶媒および固体支持体を用いた他の媒体またはその混合物も同等に機能するであろう。該パッチは、溶液または懸濁液の形態のNTPペプチド化合物を含有できる。次にパッチを患者の皮膚に適用するが、その手段は、例えば患者の皮膚を折りたたみ、縫合糸、クリップまたは他の保持装置で皮膚を保持することによって形成した皮膚ポーチ内に該パッチを挿入する方法を取る。このポーチは、哺乳動物に妨害されずに皮膚との連続接触を確保するような様式で使用されるべきである。皮膚ポーチの使用以外にも、皮膚と接触しているパッチを確実に固定する任意のデバイスが使用できる。例えば絆創膏を用いてパッチを皮膚の適所に保持するなどである。
NTPペプチドおよびそれと任意に組み合わせられる付加的な活性剤は徐放性配合物または製剤の形態で投与してもよい。適切な徐放性製剤の例は、成形品、例えばフィルムまたはマイクロカプセルの形態の半透性ポリマーマトリックスなどである。徐放性マトリックスは、ポリエステル類、ヒドロゲル類、ポリラクチド類(米国特許第3,773,919号、EP58,481)、L−グルタミン酸とガンマ−L−グルタミン酸エチルのコポリマー類(Sidmanら,Biopolymers,22:547−556)、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)(Langerら,J.Biomed.Mater.Res.,15:167−277およびLanger,Chem.Tech.,12:98−105)、エチレン酢酸ビニル(Langerら,上記)またはポリ−D(−)−3−ヒドロキシ酪酸(EP133,988)などである。徐放性組成物はリポソームも含み得る。リポソームは当該技術分野で公知のいくつかの方法の何れかによって製造できる(例えば、Eppsteinら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82:3688−3692;EP36,676;EP88,046;およびEP143,949)。
本発明のNTPペプチドの別の投与法は、NTPペプチドを治療すべき腫瘍または他の組織に直接または間接的に注入することによる。そのような態様の一例は、NTPペプチドを治療すべき腫瘍または他の組織に直接注射することである。該治療法は、1回注射、一時に複数回注射、または数時間、数日もしくは数ヶ月にわたる一連の注射からなり得るが、治療される腫瘍または他の組織の退縮または破壊は、生検、画像化または他の組織成長モニター法によってモニターされる。治療される腫瘍または他の組織への注射は、鼻、口、耳、膣、直腸または尿道のような開口部に挿入したデバイスによるか、またはインビボの腫瘍または組織に到達するために切開を通じてなされるが、適当な注射部位を確認するために超音波または光ファイバースコープのような画像化または光学システムと組み合わせて実施され得る。そのような態様の別の例は、NTPペプチドを組織に時間をかけて一定注入できるデバイスの使用である。
本発明のNTPペプチドの別の投与法は、除去または破壊が必要とされるまたは求められる腫瘍または他の組織または細胞要素を物理的に切除、剥離、またはそうでなければ殺滅もしくは破壊するために用いられる外科的または同様の処置との組合せである。その場合、本発明のNTPペプチドは、腫瘍または他の組織が除去された領域に直に接している周辺領域に投与され、処置によって除去または破壊されなかった腫瘍細胞または他の細胞要素があればその成長を破壊または妨害する。
本発明のNTPペプチドの別の投与法は、治療される腫瘍または他の組織内にデバイスを移植することによる。この態様において、付加的な活性剤は、典型的にはNTPペプチドとは異なる経路で投与される。そのような態様の一例は、NTPペプチドを含有するウェハを治療される腫瘍または他の組織に移植し、付加的な活性剤を経口投与することである。該ウェハは、組織に治療量のNTPペプチドを時間をかけて放出する。代替的にまたは更に、NTPペプチドを吸収させた膜、スポンジ、または他の適切な材料を患部に移植することによって組成物を局所投与することもできる。移植デバイスが使用される場合、該デバイスは任意の適切な組織または器官に移植でき、NTPペプチドの送達はデバイスを通じて、ボーラスにより、または連続投与により、またはカテーテルを用いる連続注入により直接的になされ得る。
代替的な投与法は、NTPペプチドをコードする遺伝子の1つ以上のコピーを標的細胞に導入し、必要であれば、該遺伝子のコピーに、NTPペプチドの細胞内での産生開始を誘発する。この態様において、付加的な活性剤は、典型的にはNTPペプチドとは異なる経路で投与される。遺伝子療法が適用できる1つの方法は、NTPペプチドをコードする遺伝子(NTPペプチド(またはそのフラグメント、変異体、相同体もしくは誘導体)をコードするゲノムDNA、cDNA、および/または合成DNA)の使用で、これを構成または誘発プロモーターに機能可能に連結し、遺伝子療法のDNA構成体を形成させればよい。プロモーターは、該構成体が挿入される細胞または組織型で活性であれば、内因性のNTPペプチドコード遺伝子と同種でも異種でもよい。遺伝子療法のDNA構成体の他の成分は、場合により、必要に応じて、部位特異的組込み用に設計されたDNA分子(例えば相同的組換えに有用な内因性フランキング配列)、組織特異的プロモーター、エンハンサー、またはサイレンサー、親細胞に優る選択的利点を提供できるDNA分子、形質転換細胞を確認する標識として有用なDNA分子、負の選択システム、細胞特異的結合剤(例えば細胞ターゲティング用)、細胞特異的インターナリゼーション(細胞内取込み)因子、およびベクターによる発現を増強する転写因子並びにベクターの製造を可能にする因子を含み得る。
インビボまたはエクスビボで細胞または組織に遺伝子を送達する手段は、裸のDNAの直接注入、弾道法(ballistic methods)、リポソーム介在型伝達、受容体介在型伝達(リガンド−DNA複合体)、エレクトロポレーション、およびリン酸カルシウム沈殿などである(これらに限定されない)。米国特許第4,970,154号、WO96/40958、米国特許第5,679,559号、米国特許第5,676,954号、および米国特許第5,593,875号参照。前記各特許の開示内容は引用によってその全体を本明細書に援用する。また、レトロウィルス、アデノウィルス、アデノ随伴ウィルス、ポックスウィルス、レンチウィルス、パピローマウィルスまたは単純ヘルペスウィルスのようなウィルスベクターの使用、DNA−タンパク質複合体の使用、およびリポソームの使用も含まれる。遺伝子療法のベクターの使用については、例えば米国特許第5,672,344号、米国特許第5,399,346号、米国特許第5,631,236号、および米国特許第5,635,399号に記載されている。前記各特許の開示内容は引用によってその全体を本明細書に援用する。
NTPペプチドをコードする遺伝子は、本明細書中に記載のような方法を用いて、NTPペプチド、またはそのフラグメント、変異体、相同体、もしくは誘導体を発現および分泌するようにエクスビボで遺伝子工学的に操作されたある種の細胞を患者に移植することによって送達することもできる。そのような細胞は、動物またはヒトの細胞で、患者自身の組織由来かヒトまたはヒト以外の別の供給源由来であり得る。場合により、該細胞は不死化細胞または幹細胞であり得る。しかしながら、免疫反応の機会を減らすために、該細胞を被包して周囲組織の浸潤を回避するのが好適である。被包材料は、典型的には、タンパク質生成物は放出させるが、患者の免疫系または周囲組織の他の有害因子による細胞の破壊を防止する生体適合性、半透性のポリマー性エンクロージャーまたは膜である。膜による細胞の被包化に使用される方法は当業者には周知であり、被包化細胞の製造と患者へのその移植は、必要以上の実験をせずとも達成できる。例えば、米国特許第4,892,538号;5,011,472号;および5,106,627号参照。前記各特許の開示内容は引用によってその全体を本明細書に援用する。生細胞の被包化システムは、PCT WO91/10425に記載されている。他の各種の持続または制御送達手段、例えばリポソーム担体、生腐食性粒子またはビーズの製剤化技術も当業者には公知であり、例えば、米国特許第5,653,975号に記載されている。前記特許の開示内容は引用によってその全体を本明細書に援用する。被包の有無にかかわらず、細胞は患者の適切な体組織または器官に移植され得る。
実施形態は、BPHおよび/または表4〜6に列挙した状態の何れかに罹患した哺乳動物を含む哺乳動物における急性尿閉の発生を低減させる方法を含み、この方法は、前記哺乳動物に対して、配列ID番号66のアミノ酸配列(Ile−Asp−Gln−Gln−Val−Leu−Ser−Arg−Ile−Lys−Leu−Glu−Ile−Lys−Arg−Cys−Leu)を含む治療有効量のNTPペプチド、特に単離ペプチドを少なくとも1回投与する工程を含む。別の実施形態は、BPHおよび/または表4〜6に列挙した状態の何れかに罹患した哺乳動物を含む哺乳動物における急性尿閉の発生を低減させる方法を含み、この方法は、前記哺乳動物に対して、配列ID番号66のアミノ酸配列(Ile−Asp−Gln−Gln−Val−Leu−Ser−Arg−Ile−Lys−Leu−Glu−Ile−Lys−Arg−Cys−Leu)を含む治療有効量のNTPペプチド、特に単離ペプチドを投与した後、続いて急性尿閉の治療に有用であることが知られている1つ以上の活性成分を投与する工程を含む。別の実施形態は、BPHに罹患していない哺乳動物における急性尿閉の発生を低減させる方法を含み、他の実施形態においては、哺乳動物は、外尿道口狭窄症、嵌頓包茎、陰茎絞扼バンド、包茎、前立腺癌、臓器脱出症(膀胱瘤、直腸瘤、子宮脱から選択される)、骨盤内腫瘤(婦人科悪性腫瘍、子宮筋腫、卵巣嚢胞から選択される)、後傾嵌頓妊娠子宮、動脈瘤性拡張、膀胱結石、膀胱腫瘍、宿便、胃腸または後腹膜の悪性腫瘍塊、尿道狭窄、結石、浮腫、亀頭炎、前立腺膿瘍、前立腺炎、急性外陰膣炎、膣扁平苔癬、膣硬化性苔癬、膣天疱瘡、ビルハルツ住血吸虫症、膀胱炎、エキノコックス症、ギラン・バレー症候群、単純疱疹ウイルス、ライム病、尿道周囲膿瘍、横断性脊髄炎、結核性膀胱炎、尿道炎、水痘帯状疱疹ウイルス、陰茎外傷、陰茎骨折、陰茎裂傷、およびファウラー症候群からなる群から選択される1つ以上の状態に罹患している。
ある実施形態において、配列ID番号66のアミノ酸配列を含む単離されたペプチドは、以下の(1)−(40)からなる群から選択される少なくとも1つの活性剤と組み合わせて投与される。(1)5α−レダクターゼ阻害剤および/または抗エストロゲン、(2)5α−レダクターゼ阻害剤および/またはアロマターゼ阻害剤、(3)5α−レダクターゼ阻害剤および/または17β−HSD阻害剤、(4)5α−レダクターゼ阻害剤、抗エストロゲン、およびアロマターゼ阻害剤、(5)5α−レダクターゼ阻害剤、抗エストロゲン、および17β−HSD阻害剤、(6)5α−レダクターゼ阻害剤、アロマターゼ阻害剤、抗エストロゲン、および17β−HSD阻害剤、(7)5α−レダクターゼ阻害剤、抗アンドロゲン、および抗エストロゲン、(8)5α−レダクターゼ阻害剤、抗アンドロゲン、およびアロマターゼ阻害剤、(9)5α−レダクターゼ阻害剤、抗アンドロゲン、および17β−HSD阻害剤、(10)5α−レダクターゼ阻害剤、抗アンドロゲン、抗エストロゲン、およびアロマターゼ阻害剤、(11)5α−レダクターゼ阻害剤、抗アンドロゲン、アロマターゼ阻害剤、および17β−HSD阻害剤、(12)5α−レダクターゼ阻害剤、抗アンドロゲン、アロマターゼ阻害剤、抗エストロゲン、および17β−HSD阻害剤、(13)17β−HSD阻害剤、および抗エストロゲン、(14)17β−HSD阻害剤、およびアロマターゼ阻害剤、(15)17β−HSD阻害剤、アロマターゼ阻害剤、および抗エストロゲン、(16)17β−HSD阻害剤、抗アンドロゲン、および抗エストロゲン、(17)17β−HSD阻害剤、抗アンドロゲン、およびアロマターゼ阻害剤、(18)17β−HSD阻害剤、抗アンドロゲン、抗エストロゲン、およびアロマターゼ阻害剤、(19)抗エストロゲン、およびアロマターゼ阻害剤、(20)抗エストロゲン、アロマターゼ阻害剤、および抗アンドロゲン、(21)LHRHアゴニストまたはアンタゴニスト、5α−レダクターゼ阻害剤、および抗エストロゲン、(22)LHRHアゴニストまたはアンタゴニスト、5α−レダクターゼ阻害剤、およびアロマターゼ阻害剤、(23)LHRHアゴニストまたはアンタゴニスト、5α−レダクターゼ阻害剤、および17β−HSD阻害剤、(24)LHRHアゴニストまたはアンタゴニスト、5α−レダクターゼ阻害剤、抗エストロゲン、およびアロマターゼ阻害剤、(25)LHRHアゴニストまたはアンタゴニスト、5α−レダクターゼ阻害剤、抗エストロゲン、および17β−HSD阻害剤、(26)LHRHアゴニストまたはアンタゴニスト、5α−レダクターゼ阻害剤、アロマターゼ阻害剤、抗エストロゲン、および17β−HSD阻害剤、(27)LHRHアゴニストまたはアンタゴニスト、5α−レダクターゼ阻害剤、抗アンドロゲン、および抗エストロゲン、(28)LHRHアゴニストまたはアンタゴニスト、5α−レダクターゼ阻害剤、抗アンドロゲン、およびアロマターゼ阻害剤、(29)LHRHアゴニストまたはアンタゴニスト、5α−レダクターゼ阻害剤、抗アンドロゲン、および17β−HSD阻害剤、(30)LHRHアゴニストまたはアンタゴニスト、5α−レダクターゼ阻害剤、抗アンドロゲン、抗エストロゲン、およびアロマターゼ阻害剤、(31)LHRHアゴニストまたはアンタゴニスト、5α−レダクターゼ阻害剤、抗アンドロゲン、アロマターゼ阻害剤、および17β−HSD阻害剤、(32)LHRHアゴニストまたはアンタゴニスト、5α−レダクターゼ阻害剤、抗アンドロゲン、アロマターゼ阻害剤、抗エストロゲン、および17β−HSD阻害剤、(33)LHRHアゴニストまたはアンタゴニスト、17β−HSD阻害剤、および抗エストロゲン、(34)LHRHアゴニストまたはアンタゴニスト、17β−HSD阻害剤、およびアロマターゼ阻害剤、(35)LHRHアゴニストまたはアンタゴニスト、17β−HSD阻害剤、アロマターゼ阻害剤、および抗エストロゲン、(36)LHRHアゴニストまたはアンタゴニスト、17β−HSD阻害剤、抗アンドロゲン、および抗エストロゲン、(37)LHRHアゴニストまたはアンタゴニスト、17β−HSD阻害剤、抗アンドロゲン、およびアロマターゼ阻害剤、(38)LHRHアゴニストまたはアンタゴニスト、17β−HSD阻害剤、抗アンドロゲン、抗エストロゲン、およびアロマターゼ阻害剤、(39)LHRHアゴニストまたはアンタゴニスト、抗エストロゲン、およびアロマターゼ阻害剤、および(40)LHRHアゴニストまたはアンタゴニスト、抗エストロゲン、アロマターゼ阻害剤、および抗アンドロゲン。
他の実施形態において、配列ID番号66のアミノ酸配列を含む単離ペプチドは、アルフゾシンまたはタムスロシンなどのアルファ−アドレナリン遮断薬、デュタステリド、タダラフィル、テラゾシン、フィナステリド、ドキサゾシン、フィナステリドとドキサゾシンの組み合わせ、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの活性剤と組み合わせて投与される。
以下の実施例は本発明を説明するために提供する。しかしながら、本発明はこれらの実施例中に記載されている特定の条件または詳細に制限されないことは理解されるべきである。本明細書全体を通じて、米国特許を含む公的に入手可能な文献への何れかまたは全ての参照は、引用によって特に本明細書に援用する。特に、本発明の実施形態は、係属中の2015年7月24日に出願された米国特許出願第14/808,713号(「良性前立腺過形成の患者に対する手術の必要性を低減させる方法」)、2015年1月27日に出願された米国特許出願第14/606,683号(「細胞の破壊または除去を必要とする疾患を治療する方法」)、2015年6月12日に出願された米国特許出願第14/738,551号(「望ましくない細胞増殖の除去または破壊を必要とする疾患を治療するための配合組成物」)、米国特許出願公開第2007/0237780号(放棄済)、米国特許出願公開第2003/0054990号(現米国特許第7,172,893号)、米国特許出願公開第2003/0096350号(現米国特許第6,924,266号)、米国特許出願公開第2003/0096756号(現米国特許第7,192,929号)、米国特許出願公開第2003/0109437号(現米国特許第7,241,738号)、米国特許出願公開第2003/0166569号(現米国特許第7,317,077号)、米国特許出願公開第2005/0032704号(現米国特許第7,408,021号)、および米国特許出願公開第2015/0148303号(現米国特許第9,243,035号)に記載された実施例を参照により明示的に組み入れる。これらの各々は、その中で特定されたある種のペプチドが、正常な齧歯類の筋肉組織、皮下結合組織、真皮およびその他の組織においてインビボで細胞死を発生させるのに有効な薬剤であることを示している。
実施例1
超音波誘導下の診療所の泌尿器科医による二重盲検条件下で、BPHを患う患者に、a)配列ID番号66(Ile−Asp−Gln−Gln−Val−Leu−Ser−Arg−Ile−Lys−Leu−Glu−Ile−Lys−Arg−Cys−Leu)含有のpH7.2のリン酸緩衝生理食塩水(「PBS」)またはb)PBS単独、の何れかの前立腺内注射を与えた。患者は1〜6年間、定期的な身体診察、臨床検査、および症状の評価を受けて追跡された。両群の被験者に対して、続いて、1)これ以上の治療を行わない;2)アルファ遮断薬または5−アルファレダクターゼ阻害剤などの従来の経口医薬品を投与;3)配列ID番号66を2.5mg、前立腺内注射により投与、または4)上記の2つ以上、の何れかの処置を行った。2年後、配列ID番号66を2.5mgの前立腺内投与を受けた全患者における急性尿閉の全体的な発生率は、同様の条件で配列ID番号66を受けなかった患者よりも驚くほど低かった。これらの結果を以下の表1に示す。
これらの検討の結果に基づき、本発明のNTPペプチドを急性尿閉の治療を必要とする、または急性尿閉を発症しやすい患者に投与することは、急性尿閉を発症しやすい患者における急性尿閉の発生を予防または低減させるのにより一層顕著な効果を有すると予想される。従って、本発明の組成物は、BPHに罹患している患者とは異なる患者母集団を治療する際にも有用であり、この患者母集団の急性尿閉の発生を予防または低減させるのに有用である。対照と比較した場合、本発明の組成物および方法は、急性尿閉の発生率を約60%を超えて低減させることができる。
実施例2
超音波誘導下の診療所の泌尿器科医による二重盲検条件下で、BPHを患う患者にpH7.2のPBS賦形剤単独の前立腺内注射を与えた。患者は1〜6年間、定期的な身体診察、臨床検査、症状の評価、および治療を受けて追跡された。二重盲検PBS賦形剤単独注射を受け、続いてタムスロシン、テラゾシン、ドキサゾシンなどのアルファ遮断薬、またはフィナステリド、デュタステリドなどの5−アルファレダクターゼ阻害剤、またはタダラフィルなどのホスホジエステラーゼ5型阻害剤(PDE5阻害剤)を含むBPHの治療に用いられる従来の経口医薬品を受けた患者は、驚くべきことに、続いて配列ID番号66(Ile−Asp−Gln−Gln−Val−Leu−Ser−Arg−Ile−Lys−Leu−Glu−Ile−Lys−Arg−Cys−Leu)の前立腺内注射を受けた患者よりも、尿路カテーテル法を必要とする急性尿閉の罹患率がより高い割合ことが分かった。これらの結果を、以下の表2に示す。
これらの検討の結果に基づき、本発明のNTPペプチドを急性尿閉の治療を必要とする、または急性尿閉を発症しやすい患者に投与することは、急性尿閉を発症しやすい患者における急性尿閉の発生を予防または低減させるのにより一層顕著な効果を有すると予想される。従って、本発明の組成物は、BPHに罹患している患者とは異なる患者母集団を治療する際にも有用であり、この患者母集団の急性尿閉の発生を予防または低減させるのに有用である。対照と比較した場合、本発明の組成物および方法は、急性尿閉の発生率を約50%を超えて低減させることができる。
実施例3
本実施例において、超音波誘導下の診療所の泌尿器科医による二重盲検条件下で、BPHを患う患者に、pH7.2のPBS賦形剤単独の前立腺内注射、または2.5mgの配列ID番号66(Ile−Asp−Gln−Gln−Val−Leu−Ser−Arg−Ile−Lys−Leu−Glu−Ile−Lys−Arg−Cys−Leu)含有のPBSの注射を与えた。患者は1〜6年間、定期的な身体診断、臨床検査、症状の評価、および治療を受けて追跡された。二重盲検PBS賦形剤単独注射を受け、続いてタムスロシン、テラゾシン、ドキサゾシンなどのアルファ遮断薬、またはフィナステリド、デュタステリドなどの5−アルファレダクターゼ阻害剤、またはタダラフィルなどのホスホジエステラーゼ5型阻害剤(PDE5阻害剤)を含むBPHの治療に用いられる従来の経口医薬品を受けた患者は、驚くべきことに、配列ID番号66を受け、続いて上記に列挙された種類の認可医薬品などのBPH治療に用いられる従来の経口医薬品を受けた患者よりも、尿路カテーテル法を必要とする急性尿閉の罹患率がかなり高い割合ことが分かった。これらの結果を、以下の表3に示す。
これらの検討の結果に基づき、急性尿閉の治療を必要とする、または急性尿閉を発症しやすい患者に、本発明のNTPペプチドを投与した後、続いてタムスロシン、テラゾシン、ドキサゾシンなどのアルファ遮断薬、またはフィナステリド、デュタステリドなどの5−アルファレダクターゼ阻害剤、またはタダラフィルなどのホスホジエステラーゼ5型阻害剤(PDE5阻害剤)を含むBPHの治療に用いられる従来の経口医薬品を投与することは、急性尿閉を発症しやすい患者における急性尿閉の発生を予防または低減させるのにより一層顕著な効果を有すると予想される。従って、本発明の組成物は、BPHに罹患している患者とは異なる患者母集団を治療する際にも有用であり、この患者母集団の急性尿閉の発生を予防または低減させるのに有用である。
実施例4
超音波誘導下の診療所の泌尿器科医による二重盲検条件下で、BPHを患う患者に、a)配列ID番号66(Ile−Asp−Gln−Gln−Val−Leu−Ser−Arg−Ile−Lys−Leu−Glu−Ile−Lys−Arg−Cys−Leu)含有のpH7.2のリン酸緩衝生理食塩水(「PBS」);またはb)配列ID番号66含有のpH7.2のリン酸緩衝生理食塩水投与の1ヶ月から2年後に2.5mgの配列ID番号66の第2の注射;またはc)PBS賦形剤単独投与後、タムスロシン、テラゾシン、ドキサゾシンなどのアルファ遮断薬、またはフィナステリド、デュタステリドなどの5−アルファレダクターゼ阻害剤、またはタダラフィルなどのホスホジエステラーゼ5型阻害剤(PDE5阻害剤)を含むBPHの治療に用いられる従来の経口BPH医薬品、の何れかの前立腺内注射を与えた。患者は2年間、定期的な身体診断、臨床検査、および症状の評価を受けて追跡された。驚くべきことに、先に配列ID番号66の注射を受けた後、従来の医薬品を与えられた、または配列ID番号66の更なる注射を受けた被験者において、賦形剤単独の対照注射のみを投与された被験者と比較して、急性尿閉の事例が最大75%少なかった。これらの結果を、以下の表4に示す。
これらの検討の結果に基づき、急性尿閉の治療を必要とする、または急性尿閉を発症しやすい患者に、本発明のNTPペプチドを投与した後、続いてNTPペプチドまたはタムスロシン、テラゾシン、ドキサゾシンなどのアルファ遮断薬、またはフィナステリド、デュタステリドなどの5−アルファレダクターゼ阻害剤、またはタダラフィルなどのホスホジエステラーゼ5型阻害剤(PDE5阻害剤)を含むBPHの治療に用いられる従来の経口医薬品を投与することは、対照と比較して、急性尿閉を発症しやすい患者における急性尿閉の発生を予防または低減させるのにより一層顕著な効果を有すると予想される。
実施例5
超音波誘導下の診療所の泌尿器科医による二重盲検条件下で、BPHを患う患者に、a)配列ID番号66(Ile−Asp−Gln−Gln−Val−Leu−Ser−Arg−Ile−Lys−Leu−Glu−Ile−Lys−Arg−Cys−Leu)含有のpH7.2のリン酸緩衝生理食塩水(「PBS」)投与後、タムスロシン、テラゾシン、ドキサゾシンなどのアルファ遮断薬、またはフィナステリド、デュタステリドなどの5−アルファレダクターゼ阻害剤、またはタダラフィルなどのホスホジエステラーゼ5型阻害剤(PDE5阻害剤)を含むBPHの治療に用いられる従来の経口BPH医薬品、患者は最長6年間、定期的な身体診断、臨床検査、および症状の評価を受けて追跡された;b)配列ID番号66含有のpH7.2のリン酸緩衝生理食塩水投与後、1ヶ月から2年後に2.5mgの配列ID番号66の第2の注射;またはc)PBS賦形剤単独、の何れかの前立腺内注射を与えた。驚くべきことに、先に配列ID番号66の注射を受けた後、従来の医薬品を与えられた、または配列ID番号66の更なる注射を受けた被験者において、賦形剤単独の対照注射のみを投与された被験者と比較して、急性尿閉の事例が最大75%少なかった。これらの結果を、以下の表5に示す。
前述の各実施例の結果は、急性尿閉を発症しやすい患者における急性尿閉の発生を予防または減少させることにおける本発明のNTPペプチドの予期せぬ優れた効果を実証するものである。当業者には、本発明の方法および組成物において、本発明の精神または範囲に反することなく多様な変更および変形が可能であることは明白であろう。

Claims (10)

  1. 急性尿閉の治療を必要とする、または急性尿閉を発症しやすいヒトにおいて急性尿閉の発生を防止または低減させるための薬剤であって、
    配列ID番号66(Ile−Asp−Gln−Gln−Val−Leu−Ser−Arg−Ile−Lys−Leu−Glu−Ile−Lys−Arg−Cys−Leu)のアミノ酸配列を含むペプチドを含み、
    前記ヒトに前記ペプチドを含む組成物が治療有効量だけ前立腺内投与されることにより、前記ペプチドを含まないこと以外は前記組成物と同じ対照組成物の投与を受けたヒトと比較して、急性尿閉の発生率を10%を超えて低減させる、薬剤。
  2. 前記治療有効量のペプチドは、担体とともに投与される、請求項1に記載の薬剤。
  3. 前記ペプチドが、2回以上投与される、請求項1に記載の薬剤
  4. 前記投与が、前記対照組成物の投与を受けたヒトと比較して、前記急性尿閉の発生率を40%から100%の範囲内で低減させる、請求項1に記載の薬剤。
  5. 前記投与が、前記対照組成物の投与を受けたヒトと比較して、前記急性尿閉の発生率を45%から90%の範囲内で低減させる、請求項4に記載の薬剤。
  6. 前記投与が、前記対照組成物の投与を受けたヒトと比較して、前記急性尿閉の発生率を45%から75%の範囲内で低減させる、請求項4に記載の薬剤。
  7. 前記投与が、急性尿閉の発生率を0〜3%とする、請求項1に記載の薬剤。
  8. 前記投与が、急性尿閉の発生率0%〜2.5%とする、請求項1に記載の薬剤。
  9. 前記投与が、急性尿閉の発生率0%〜1.7%とする、請求項1に記載の薬剤。
  10. 前記ヒトに、アルフゾシン、タムスロシン、デュタステリド、タダラフィル、テラゾシン、フィナステリド、ドキサゾシン、フィナステリドとドキサゾシンの組み合わせ、およびそれらの混合物からなる群から選択される付加的な治療薬とともに投与される、請求項1に記載の薬剤。
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