(本開示の基礎となった知見)
上記のように、多くの無人飛行体が空中を飛行する場合、無人飛行体同士が衝突する可能性が高くなるため、無人飛行体の衝突を防止するための技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、少なくとも高度、機体速度及び機体姿勢をパラメータとして飛翔体の衝突危険性を予測する予測手段と、予測手段により衝突危険性が高いと判定された場合に、機体速度、気体姿勢及び飛行進路を制御することで飛翔体の飛行状態を制御する飛行状態制御手段とを備える飛行状態制御装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1の飛翔体は空中を自由に飛行することが可能であり、多くの飛翔体が空中を飛行する場合、飛翔体同士が衝突する可能性が高くなる。また、特許文献1の飛行状態制御装置では、飛翔体の周囲の全方向に対して衝突予測を行う必要があるため、取得するデータ量及び計算量が非常に大きくなる。
また、従来の飛行状態制御装置は、衝突予測を行う際に複数のデータを用いている。そのため、従来の飛翔体は、複数のデータを取得するために複数のセンサを設ける必要があり、センサの数が多くなると、飛翔体の製造コストが高くなってしまう。
このような課題を解決するため、本開示の一態様に係る飛行制御方法は、無人飛行体の飛行を制御する飛行制御方法であって、前記無人飛行体の進行方向を取得し、複数の進行方向の各々と、互いに高度が異なるとともに互いに重ならない複数の飛行高度範囲の各々とを対応付けた情報に基づいて、前記複数の飛行高度範囲の中から、取得した前記進行方向に応じた飛行高度範囲を決定し、前記無人飛行体の現在の飛行高度を取得し、取得した前記飛行高度が、決定した前記飛行高度範囲内に含まれない場合は、決定した前記飛行高度範囲内で飛行するように前記無人飛行体の飛行を制御する。
この構成によれば、無人飛行体の進行方向が取得される。複数の進行方向の各々と、互いに高度が異なるとともに互いに重ならない複数の飛行高度範囲の各々とを対応付けた情報に基づいて、複数の飛行高度範囲の中から、取得された進行方向に応じた飛行高度範囲が決定される。無人飛行体の現在の飛行高度が取得される。取得された飛行高度が、決定された飛行高度範囲内に含まれない場合は、決定された飛行高度範囲内で飛行するように無人飛行体の飛行が制御される。
したがって、進行方向が互いに異なる無人飛行体は、互いに異なる高度を飛行することになるので、無人飛行体同士が衝突する危険性をより低減することができる。
また、上記の飛行制御方法において、前記無人飛行体の進行方向の状況を取得し、取得した前記進行方向の状況に基づいて、前記無人飛行体が障害物に衝突するか否かを予測し、前記無人飛行体が前記障害物に衝突すると予測した場合、前記進行方向に応じて決定された前記飛行高度範囲内で、前記障害物との衝突を回避する方向に飛行するように前記無人飛行体の飛行を制御してもよい。
この構成によれば、無人飛行体の進行方向の状況が取得される。取得された進行方向の状況に基づいて、無人飛行体が障害物に衝突するか否かが予測される。無人飛行体が障害物に衝突すると予測された場合、進行方向に応じて決定された飛行高度範囲内で、障害物との衝突を回避する方向に飛行するように無人飛行体の飛行が制御される。
進行方向が同じ無人飛行体同士は、同じ飛行高度範囲内を飛行するので、無人飛行体の速度が、進行方向の前方を飛行する無人飛行体の速度よりも速い場合、無人飛行体は、進行方向の前方を飛行する無人飛行体に衝突するおそれがある。しかしながら、無人飛行体の進行方向の状況に基づいて、無人飛行体が障害物に衝突するか否かが予測され、無人飛行体が障害物に衝突すると予測された場合、進行方向に応じて決定された飛行高度範囲内で、障害物との衝突を回避する方向に飛行するように無人飛行体の飛行が制御されるので、進行方向の前方を飛行する無人飛行体に衝突するのをより確実に防止することができる。
また、無人飛行体の周囲の全方向に対して衝突予測を行う必要がなく、進行方向の前方を飛行する無人飛行体のみを検知すればよいので、取得するデータ量及び計算量を大幅に削減することができる。
また、上記の飛行制御方法において、前記進行方向が、北西の方角と北東の方角との間の角度内であれば、第1の飛行高度範囲に決定し、前記進行方向が、北東の方角と南東の方角との間の角度内であれば、前記第1の飛行高度範囲とは高度が異なる第2の飛行高度範囲に決定し、前記進行方向が、南東の方角と南西の方角との間の角度内であれば、前記第1の飛行高度範囲及び前記第2の飛行高度範囲とは高度が異なる第3の飛行高度範囲に決定し、前記進行方向が、南西の方角と北西の方角との間の角度内であれば、前記第1の飛行高度範囲、前記第2の飛行高度範囲及び前記第3の飛行高度範囲とは高度が異なる第4の飛行高度範囲に決定してもよい。
この構成によれば、進行方向が、北西の方角と北東の方角との間の角度内であれば、第1の飛行高度範囲に決定される。進行方向が、北東の方角と南東の方角との間の角度内であれば、第1の飛行高度範囲とは高度が異なる第2の飛行高度範囲に決定される。進行方向が、南東の方角と南西の方角との間の角度内であれば、第1の飛行高度範囲及び第2の飛行高度範囲とは高度が異なる第3の飛行高度範囲に決定される。進行方向が、南西の方角と北西の方角との間の角度内であれば、第1の飛行高度範囲、第2の飛行高度範囲及び第3の飛行高度範囲とは高度が異なる第4の飛行高度範囲に決定される。
したがって、無人飛行体の進行方向に応じて飛行高度範囲を第1〜第4の飛行高度範囲のうちの1つに決定することができる。
また、上記の飛行制御方法において、複数の進行方向の各々と、前記複数の飛行高度範囲の各々に対して前記無人飛行体が飛行可能な最も低い飛行高度を示す下限飛行高度と、前記複数の飛行高度範囲の各々に対して前記無人飛行体が飛行可能な最も高い飛行高度を示す上限飛行高度とを対応付けたテーブルを参照することにより、取得した前記進行方向に応じた前記下限飛行高度及び前記上限飛行高度を決定してもよい。
この構成によれば、複数の進行方向の各々と、複数の飛行高度範囲の各々に対して無人飛行体が飛行可能な最も低い飛行高度を示す下限飛行高度と、複数の飛行高度範囲の各々に対して無人飛行体が飛行可能な最も高い飛行高度を示す上限飛行高度とを対応付けたテーブルが参照されることにより、取得された進行方向に応じた下限飛行高度及び上限飛行高度が決定される。
したがって、飛行高度範囲内で無人飛行体が飛行可能な最も低い飛行高度を示す下限飛行高度と、飛行高度範囲内で無人飛行体が飛行可能な最も高い飛行高度を示す上限飛行高度との間を飛行させることができる。
また、上記の飛行制御方法において、前記複数の飛行高度範囲は、第1の複数の飛行高度範囲と、前記第1の複数の飛行高度範囲のそれぞれよりも飛行高度が高い第2の複数の飛行高度範囲とを含み、前記無人飛行体の重量が所定の重量以下である場合、前記第1の複数の飛行高度範囲の中から、取得した前記進行方向に応じた飛行高度範囲を決定し、前記無人飛行体の重量が所定の重量より重い場合、前記第2の複数の飛行高度範囲の中から、取得した前記進行方向に応じた飛行高度範囲を決定してもよい。
この構成によれば、複数の飛行高度範囲は、第1の複数の飛行高度範囲と、第1の複数の飛行高度範囲のそれぞれよりも飛行高度が高い第2の複数の飛行高度範囲とを含む。無人飛行体の重量が所定の重量以下である場合、第1の複数の飛行高度範囲の中から、取得された進行方向に応じた飛行高度範囲が決定される。また、無人飛行体の重量が所定の重量より重い場合、第2の複数の飛行高度範囲の中から、取得された進行方向に応じた飛行高度範囲が決定される。
したがって、無人飛行体が軽い場合は、低空を飛行するので、無人飛行体は風の影響を受けにくくなり、効率よく飛行することができる。
また、上記の飛行制御方法において、前記複数の飛行高度範囲は、第1の複数の飛行高度範囲と、前記第1の複数の飛行高度範囲のそれぞれよりも飛行高度が高い第2の複数の飛行高度範囲とを含み、前記無人飛行体が荷物を運搬していない場合、前記第1の複数の飛行高度範囲の中から、取得した前記進行方向に応じた飛行高度範囲を決定し、前記無人飛行体が前記荷物を運搬している場合、前記第2の複数の飛行高度範囲の中から、取得した前記進行方向に応じた飛行高度範囲を決定してもよい。
この構成によれば、複数の飛行高度範囲は、第1の複数の飛行高度範囲と、第1の複数の飛行高度範囲のそれぞれよりも飛行高度が高い第2の複数の飛行高度範囲とを含む。無人飛行体が荷物を運搬していない場合、第1の複数の飛行高度範囲の中から、取得した進行方向に応じた飛行高度範囲が決定される。また、無人飛行体が荷物を運搬している場合、第2の複数の飛行高度範囲の中から、取得した進行方向に応じた飛行高度範囲が決定される。
したがって、無人飛行体が荷物を運んでいない場合は、低空を飛行するので、無人飛行体は風の影響を受けにくくなり、効率よく飛行することができる。
また、上記の飛行制御方法において、前記複数の飛行高度範囲は、第1の複数の飛行高度範囲と、前記第1の複数の飛行高度範囲のそれぞれよりも飛行高度が高い第2の複数の飛行高度範囲とを含み、前記無人飛行体の現在位置の周辺の建物の高さを取得し、取得した前記建物の高さが、前記第1の複数の飛行高度範囲のいずれよりも低い場合、前記第1の複数の飛行高度範囲の中から、取得した前記進行方向に応じた飛行高度範囲を決定し、取得した前記建物の高さが、前記第1の複数の飛行高度範囲の最も低い飛行高度範囲よりも高く、かつ前記第2の複数の飛行高度範囲の最も低い飛行高度範囲よりも低い場合、前記第2の複数の飛行高度範囲の中から、取得した前記進行方向に応じた飛行高度範囲を決定してもよい。
この構成によれば、複数の飛行高度範囲は、第1の複数の飛行高度範囲と、第1の複数の飛行高度範囲のそれぞれよりも飛行高度が高い第2の複数の飛行高度範囲とを含む。無人飛行体の現在位置の周辺の建物の高さが取得される。取得された建物の高さが、記第1の複数の飛行高度範囲のいずれよりも低い場合、第1の複数の飛行高度範囲の中から、取得された進行方向に応じた飛行高度範囲が決定される。また、取得された建物の高さが、第1の複数の飛行高度範囲のうちの最も低い飛行高度範囲よりも高く、かつ第2の複数の飛行高度範囲のうちの最も低い飛行高度範囲よりも低い場合、第2の複数の飛行高度範囲の中から、取得された進行方向に応じた飛行高度範囲が決定される。
したがって、無人飛行体の現在位置の周辺の建物の高さに応じて飛行高度範囲が変更されるので、建物に衝突する危険性が低くなり、より安全に飛行することができる。
本開示の他の態様に係る無人飛行体は、無人飛行体の進行方向を取得する進行方向取得部と、複数の進行方向の各々と、互いに高度が異なるとともに互いに重ならない複数の飛行高度範囲の各々とを対応付けた情報に基づいて、前記複数の飛行高度範囲の中から、取得した前記進行方向に応じた飛行高度範囲を決定する飛行高度範囲決定部と、前記無人飛行体の現在の飛行高度を取得する飛行高度取得部と、取得した前記飛行高度が、決定した前記飛行高度範囲内に含まれない場合は、決定した飛行高度範囲内で飛行するように前記無人飛行体の飛行を制御する飛行制御部と、を備える。
この構成によれば、無人飛行体の進行方向が取得される。複数の進行方向の各々と、互いに高度が異なるとともに互いに重ならない複数の飛行高度範囲の各々とを対応付けた情報に基づいて、複数の飛行高度範囲の中から、取得された進行方向に応じた飛行高度範囲が決定される。無人飛行体の現在の飛行高度が取得される。取得された飛行高度が、決定された飛行高度範囲内に含まれない場合は、決定された飛行高度範囲内で飛行するように無人飛行体の飛行が制御される。
したがって、進行方向が互いに異なる無人飛行体は、互いに異なる高度を飛行することになるので、無人飛行体同士が衝突する危険性をより低減することができる。
以下添付図面を参照しながら、本開示の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本開示を具体化した一例であって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
(実施の形態1)
図1は、本開示の実施の形態1における無人飛行体の構成を示す図である。
無人飛行体1は、予め生成された飛行ルートに基づいて自律飛行する。無人飛行体1は、複数のプロペラを備えており、複数のプロペラのそれぞれの回転数を制御することにより、前方、後方、左方向、右方向、上方向及び下方向に移動する。無人飛行体1は、不図示のGPS(Global Positioning System)により現在位置を取得しながら、予め生成された飛行ルートに沿って自律飛行する。なお、飛行ルートは、例えばスマートフォン、タブレット型コンピュータ又はパーソナルコンピュータなどの飛行ルート生成装置によって生成される。無人飛行体1は、飛行ルート生成装置によって生成された飛行ルートを受信する。
図1に示す無人飛行体1は、進行方向取得部101、高度記憶部102、高度決定部103、高度取得部104、飛行制御部105、進行方向状況取得部106及び衝突予測部107を備える。
進行方向取得部101は、無人飛行体1の進行方向を取得する。進行方向取得部101は、不図示のGPSにより異なる2点の位置を測定することにより、無人飛行体1の進行方向を算出する。なお、進行方向取得部101は、加速度センサ、地磁気センサ(電子コンパス)又は測位センサなどの種々のセンサにより無人飛行体1の進行方向を取得してもよい。また、進行方向取得部101は、現在位置から目的地までのルート情報により無人飛行体1の進行方向を取得してもよい。ルート情報は、予め記憶されていてもよいし、外部から受信してもよい。また、進行方向は、例えば北の方角を基準とした角度(方位角)で表され、北の方角を0度、東の方角を90度、南の方角を180度、西の方角を270度として表す。
高度記憶部102は、無人飛行体1の複数の進行方向の各々と、無人飛行体1の複数の飛行高度範囲の各々とを対応付けて記憶する。高度記憶部102は、複数の進行方向の各々と、複数の飛行高度範囲の各々に対して無人飛行体1が飛行可能な最も低い飛行高度を示す下限飛行高度と、複数の飛行高度範囲の各々に対して無人飛行体1が飛行可能な最も高い飛行高度を示す上限飛行高度とを対応付けたテーブルを記憶する。
図2は、本実施の形態1における飛行高度記憶部に記憶されるテーブルの一例を示す図である。
図2に示すように、高度記憶部102は、無人飛行体1の複数の進行方向の各々と、無人飛行体1の複数の飛行高度範囲の各々とを対応付けて記憶している。飛行高度範囲は、下限飛行高度と上限飛行高度とを含む。例えば、北の進行方向には、141mの下限飛行高度及び150mの上限飛行高度が対応付けられ、東の進行方向には、131mの下限飛行高度及び140mの上限飛行高度が対応付けられ、南の進行方向には、121mの下限飛行高度及び130mの上限飛行高度が対応付けられ、西の進行方向には、111mの下限飛行高度及び120mの上限飛行高度が対応付けられている。
なお、無人飛行体1の進行方向は、北、東、南及び西のいずれかに分類される。実際の進行方向が、北西の方角と北東の方角との間の角度内であれば、進行方向は北に分類され、実際の進行方向が、北東の方角と南東の方角との間の角度内であれば、進行方向は東に分類され、実際の進行方向が、南東の方角と南西の方角との間の角度内であれば、進行方向は南に分類され、実際の進行方向が、南西の方角と北西の方角との間の角度内であれば、進行方向は西に分類される。また、実際の進行方向が北東の方角である場合、進行方向は、北及び東のいずれかに分類される。実際の進行方向が南東の方角である場合、進行方向は、南及び東のいずれかに分類される。実際の進行方向が南西の方角である場合、進行方向は、南及び西のいずれかに分類される。実際の進行方向が北西の方角である場合、進行方向は、北及び西のいずれかに分類される。
また、下限飛行高度及び上限飛行高度は一例であり、図2に示す値に限定されない。
高度決定部103は、複数の進行方向の各々と、互いに高度が異なるとともに互いに重ならない複数の飛行高度範囲の各々とを対応付けた情報に基づいて、複数の飛行高度範囲の中から、進行方向取得部101によって取得された進行方向に応じた飛行高度範囲を決定する。高度決定部103は、複数の進行方向の各々と、複数の飛行高度範囲の各々に対して無人飛行体1が飛行可能な最も低い飛行高度を示す下限飛行高度と、複数の飛行高度範囲の各々に対して無人飛行体1が飛行可能な最も高い飛行高度を示す上限飛行高度とを対応付けたテーブルを参照することにより、進行方向取得部101によって取得された進行方向に応じた下限飛行高度及び上限飛行高度を決定する。
高度決定部103は、進行方向が、北西の方角と北東の方角との間の角度内であれば、第1の飛行高度範囲に決定する。高度決定部103は、進行方向が、北東の方角と南東の方角との間の角度内であれば、第1の飛行高度範囲とは高度が異なる第2の飛行高度範囲に決定する。高度決定部103は、進行方向が、南東の方角と南西の方角との間の角度内であれば、第1の飛行高度範囲及び第2の飛行高度範囲とは高度が異なる第3の飛行高度範囲に決定する。高度決定部103は、進行方向が、南西の方角と北西の方角との間の角度内であれば、第1の飛行高度範囲、第2の飛行高度範囲及び第3の飛行高度範囲とは高度が異なる第4の飛行高度範囲に決定する。
高度取得部104は、無人飛行体1の現在の飛行高度を取得する。高度取得部104は、不図示の高度計によって測定された高度を無人飛行体1の現在の飛行高度として取得する。なお、高度取得部104は、不図示のGPSにより測定された高度を無人飛行体1の現在の飛行高度として取得してもよい。
飛行制御部105は、高度取得部104によって取得された現在の飛行高度が、高度決定部103によって決定された飛行高度範囲内に含まれない場合は、決定された飛行高度範囲内で飛行するように無人飛行体1の飛行を制御する。例えば、飛行制御部105は、上限飛行高度と下限飛行高度との中間の飛行高度で飛行するように無人飛行体1の飛行を制御する。
図3は、本実施の形態1における飛行高度範囲について説明するための模式図である。図3に示すように、高度決定部103は、進行方向が、北西の方角と北東の方角との間の角度内である場合、第1の飛行高度範囲201に決定する。また、高度決定部103は、進行方向が、北東の方角と南東の方角との間の角度内である場合、第2の飛行高度範囲202に決定する。また、高度決定部103は、進行方向が、南東の方角と南西の方角との間の角度内である場合、第3の飛行高度範囲203に決定する。さらに、高度決定部103は、進行方向が、南西の方角と北西の方角との間の角度内である場合、第4の飛行高度範囲204に決定する。
なお、第1の飛行高度範囲201の下限飛行高度と、第2の飛行高度範囲202の上限飛行高度とは、同じであってもよい。このとき、無人飛行体1が第1の飛行高度範囲201内を飛行する場合、無人飛行体1は、第1の飛行高度範囲201の下限飛行高度より上空を飛行する。また、無人飛行体1が第2の飛行高度範囲202内を飛行する場合、無人飛行体1は、第2の飛行高度範囲202の上限飛行高度以下を飛行する。
同様に、第2の飛行高度範囲202の下限飛行高度と、第3の飛行高度範囲203の上限飛行高度とは、同じであってもよく、第3の飛行高度範囲203の下限飛行高度と、第4の飛行高度範囲204の上限飛行高度とは、同じであってもよい。
また、複数の無人飛行体1は、同じ速度で飛行することが好ましい。これにより、無人飛行体が、自身の速度より遅い速度で進行方向の前方を飛行する他の無人飛行体に衝突するのを防止することができる。
進行方向状況取得部106は、無人飛行体1の進行方向の状況を取得する。例えば、進行方向状況取得部106は、レーザ光を無人飛行体1の進行方向に向けて照射するとともに、障害物によって反射されたレーザ光を受光することにより、無人飛行体1の進行方向に存在する障害物を検知するとともに、障害物までの距離を検知する。なお、進行方向状況取得部106は、超音波センサにより無人飛行体1の進行方向に存在する障害物を検知してもよい。また、進行方向状況取得部106は、カメラから無人飛行体1の進行方向の画像を取得し、取得した画像を解析することにより、無人飛行体1の進行方向に存在する障害物を検知してもよい。また、進行方向状況取得部106は、無人飛行体1の進行方向に存在する障害物を検知することが可能であれば、種々のセンサを用いてもよい。例えば、進行方向状況取得部106は、ミリ波センサ、赤外線センサ、LIDAR(Light Detection and Ranging)又はGPSにより無人飛行体1の進行方向に存在する障害物をリアルタイムに検知してもよい。さらに、進行方向状況取得部106は、現在位置から目的地までのルート情報により無人飛行体1の進行方向に存在する障害物を検知してもよい。ルート情報は、予め記憶されていてもよいし、外部から受信してもよい。
衝突予測部107は、進行方向状況取得部106によって取得された進行方向の状況に基づいて、無人飛行体1が障害物に衝突するか否かを予測する。衝突予測部107は、無人飛行体1の進行方向に障害物が検知された場合、無人飛行体1が障害物に衝突すると予測する。また、衝突予測部107は、無人飛行体1の進行方向に存在する障害物と無人飛行体1との距離が所定の距離以下である場合、無人飛行体1が障害物に衝突すると予測してもよい。また、衝突予測部107は、無人飛行体1の進行方向に存在する障害物と無人飛行体1との距離を所定時間毎に取得し、無人飛行体1が障害物に近づいている場合、無人飛行体1が障害物に衝突すると予測してもよい。
飛行制御部105は、衝突予測部107によって無人飛行体が障害物に衝突すると予測された場合、進行方向に応じて決定された飛行高度範囲内で、障害物との衝突を回避する方向に飛行するように無人飛行体1の飛行を制御する。例えば、飛行制御部105は、衝突予測部107によって無人飛行体が障害物に衝突すると予測された場合、進行方向に応じて決定された飛行高度範囲内で、障害物の上方又は下方を飛行するように無人飛行体1の飛行を制御する。
なお、進行方向状況取得部106は、無人飛行体1の進行方向のみの状況を取得することが好ましい。すなわち、無人飛行体1の進行方向に応じて飛行高度範囲が決定されているので、同じ飛行高度範囲内を飛行する無人飛行体1は同じ方向へ移動することになる。そのため、無人飛行体1の進行方向に存在する建物、又は自身とは異なる速度で進行方向の前方を飛行する他の無人飛行体を検知することにより、他の無人飛行体との衝突をより確実に防止することができる。
また、本実施の形態1では、無人飛行体1の進行方向のみの状況を取得すればよいので、無人飛行体1に設けるセンサの数を従来の無人飛行体よりも削減することができ、無人飛行体1の製造コストを削減することができる。
続いて、本実施の形態1における無人飛行体1の動作について説明する。
図4は、本実施の形態1における無人飛行体の動作について説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS1において、飛行制御部105は、無人飛行体1の飛行を開始する。このとき、飛行制御部105は、現在位置(出発地)から目的地までの飛行ルートに沿って無人飛行体1を飛行させる。
次に、ステップS2において、進行方向取得部101は、無人飛行体1の進行方向を取得する。
次に、ステップS3において、高度決定部103は、複数の進行方向の各々と、互いに高度が異なるとともに互いに重ならない複数の飛行高度範囲の各々とを対応付けた情報に基づいて、複数の飛行高度範囲の中から、進行方向取得部101によって取得された進行方向に応じた飛行高度範囲を決定する。
次に、ステップS4において、高度取得部104は、無人飛行体1の現在の飛行高度を取得する。
次に、ステップS5において、飛行制御部105は、高度取得部104によって取得された現在の飛行高度が、高度決定部103によって決定された飛行高度範囲内であるか否かを判断する。ここで、現在の飛行高度が、決定された飛行高度範囲内であると判断された場合(ステップS5でYES)、ステップS6において、飛行制御部105は、現在の飛行高度を維持するように無人飛行体1の飛行を制御する。
一方、現在の飛行高度が、決定された飛行高度範囲内ではないと判断された場合(ステップS5でNO)、ステップS7において、飛行制御部105は、決定された飛行高度範囲内に移動するように無人飛行体1の飛行を制御する。
次に、ステップS8において、飛行制御部105は、無人飛行体1が目的地に到着したか否かを判断する。飛行制御部105は、例えばGPSにより取得した無人飛行体1の現在位置が目的地の位置と一致する場合、無人飛行体1が目的地に到着したと判断する。ここで、無人飛行体1が目的地に到着したと判断された場合(ステップS8でYES)、処理を終了する。一方、無人飛行体1が目的地に到着していないと判断された場合(ステップS8でNO)、ステップS2の処理へ戻る。
なお、本実施の形態1において、飛行制御部105は、例えばGPSにより無人飛行体1の現在位置を取得し、取得した現在位置に基づいて無人飛行体1の周辺の地図情報を取得してもよい。そして、飛行制御部105は、取得した地図情報に基づいて、道路の上空を飛行するように無人飛行体1の飛行を制御してもよい。なお、地図情報は、ネットワークを介してサーバから取得してもよいし、予め無人飛行体1に記憶されていてもよい。
また、本実施の形態1では、北、東、南及び西の4方向の進行方向のそれぞれに対して飛行高度範囲が対応付けられているが、本開示は特にこれに限定されず、北、東、南、西、北東、南東、南西及び北西の8方向の進行方向のそれぞれに対して飛行高度範囲が対応付けられてもよい。
また、無人飛行体1は、飛行高度が制限されている飛行高度制限領域を示す飛行高度制限領域情報をサーバから取得してもよい。飛行高度制限領域内を飛行する場合、高度決定部103は、制限されている飛行高度を複数の飛行高度範囲に分割し、分割した複数の飛行高度範囲の中から、取得された進行方向に応じた飛行高度範囲を決定してもよい。
また、本実施の形態1において、無人飛行体1は、飛行が禁止されている飛行禁止領域を示す飛行禁止領域情報をサーバから取得してもよい。この場合、飛行制御部105は、飛行禁止領域内を無人飛行体1が飛行しないように無人飛行体1の飛行を制御してもよい。
また、本実施の形態1における無人飛行体1は、予め生成された飛行ルートに基づいて自律飛行するが、本開示は特にこれに限定されず、無人飛行体1は、操縦器を用いてユーザにより遠隔制御されてもよい。
また、本実施の形態1において、進行方向取得部101、高度記憶部102、高度決定部103、高度取得部104、進行方向状況取得部106及び衝突予測部107は、無人飛行体1とネットワークを介して通信可能に接続されたサーバが備えてもよい。この場合、無人飛行体1は、センサによって測定された現在位置、高度及び進行方向の状況を示す情報をサーバに送信してもよい。サーバは、無人飛行体1が飛行する飛行高度範囲を示す情報を無人飛行体1に送信してもよい。そして、無人飛行体1は、サーバから受信した飛行高度範囲を示す情報に基づいて、飛行してもよい。
また、本実施の形態1では、互いに高度が異なるとともに互いに重ならない複数の飛行高度範囲の中から、取得した進行方向に応じた飛行高度範囲が決定されるが、本開示は特にこれに限定されず、無人飛行体の飛行を制御する飛行制御方法は、無人飛行体の進行方向を取得し、互いに高度が異なるとともに互いに重ならない複数の飛行高度の中から、取得した進行方向に応じた飛行高度を決定し、無人飛行体の現在の飛行高度を取得し、取得した飛行高度が、決定した飛行高度と一致しない場合は、決定した飛行高度で飛行するように無人飛行体の飛行を制御してもよい。
(実施の形態2)
続いて、本開示の実施の形態2における無人飛行体について説明する。無人飛行体は、機体の重量が軽くなると、風の影響を受けやすくなる。そこで、本実施の形態2では、無人飛行体1の重量に応じて飛行高度範囲を変更する。
図5は、本開示の実施の形態2における無人飛行体の構成を示す図である。図5に示す無人飛行体11は、進行方向取得部101、高度記憶部102、高度取得部104、飛行制御部105、進行方向状況取得部106、衝突予測部107、重量取得部108及び高度決定部1031を備える。なお、実施の形態2の無人飛行体11において、実施の形態1の無人飛行体1と同じ構成については、同じ符号を付し、説明を省略する。
重量取得部108は、無人飛行体11の重量を取得する。重量取得部108は、不図示のメモリに記憶された無人飛行体11の重量を取得する。無人飛行体11の重量は、例えば飛行開始前に計測され、無人飛行体11が備える不図示のメモリに記憶される。
高度決定部1031は、無人飛行体11の重量が所定の重量以下である場合、第1の複数の飛行高度範囲の中から、進行方向取得部101によって取得された進行方向に応じた飛行高度範囲を決定する。
また、高度決定部1031は、無人飛行体11の重量が所定の重量より重い場合、第1の複数の飛行高度範囲のそれぞれよりも飛行高度が高い第2の複数の飛行高度範囲の中から、進行方向取得部101によって取得された進行方向に応じた飛行高度範囲を決定する。
図6は、本実施の形態2における飛行高度範囲について説明するための模式図である。図6に示すように、高度決定部1031は、無人飛行体11の重量が所定の重量以下である場合、第1の複数の飛行高度範囲301の中から、無人飛行体11の進行方向に応じた飛行高度範囲を決定する。高度決定部1031は、無人飛行体11の重量が所定の重量以下であり、かつ、進行方向が、北西の方角と北東の方角との間の角度内である場合、第1の飛行高度範囲201に決定する。また、高度決定部1031は、無人飛行体11の重量が所定の重量以下であり、かつ、進行方向が、北東の方角と南東の方角との間の角度内である場合、第2の飛行高度範囲202に決定する。また、高度決定部1031は、無人飛行体11の重量が所定の重量以下であり、かつ、進行方向が、南東の方角と南西の方角との間の角度内である場合、第3の飛行高度範囲203に決定する。さらに、高度決定部1031は、無人飛行体11の重量が所定の重量以下であり、かつ、進行方向が、南西の方角と北西の方角との間の角度内である場合、第4の飛行高度範囲204に決定する。
また、高度決定部1031は、無人飛行体11の重量が所定の重量より重い場合、第2の複数の飛行高度範囲302の中から、無人飛行体11の進行方向に応じた飛行高度範囲を決定する。高度決定部1031は、無人飛行体11の重量が所定の重量より重く、かつ、進行方向が、北西の方角と北東の方角との間の角度内である場合、第5の飛行高度範囲205に決定する。また、高度決定部1031は、無人飛行体11の重量が所定の重量より重く、かつ、進行方向が、北東の方角と南東の方角との間の角度内である場合、第6の飛行高度範囲206に決定する。また、高度決定部1031は、無人飛行体11の重量が所定の重量より重く、かつ、進行方向が、南東の方角と南西の方角との間の角度内である場合、第7の飛行高度範囲207に決定する。さらに、高度決定部1031は、無人飛行体11の重量が所定の重量より重く、かつ、進行方向が、南西の方角と北西の方角との間の角度内である場合、第8の飛行高度範囲208に決定する。
このように、無人飛行体11が軽い場合は、低空を飛行するので、無人飛行体11は風の影響を受けにくくなり、効率よく飛行することができる。
なお、本実施の形態2では、高度決定部1031は、無人飛行体1の重量に応じて飛行高度範囲を変更しているが、本開示は特にこれに限定されず、無人飛行体1の大きさに応じて飛行高度範囲を変更してもよい。すなわち、高度決定部1031は、無人飛行体11の大きさが所定の大きさ以下である場合、第1の複数の飛行高度範囲の中から、進行方向取得部101によって取得された進行方向に応じた飛行高度範囲を決定する。また、高度決定部1031は、無人飛行体11の大きさが所定の大きさより大きい場合、第1の複数の飛行高度範囲のそれぞれよりも飛行高度が高い第2の複数の飛行高度範囲の中から、進行方向取得部101によって取得された進行方向に応じた飛行高度範囲を決定する。
このように、無人飛行体11が小さい場合は、低空を飛行するので、無人飛行体11は風の影響を受けにくくなり、効率よく飛行することができる。
さらに、高度決定部1031は、無人飛行体1の飛行速度に応じて飛行高度範囲を変更してもよい。すなわち、高度決定部1031は、無人飛行体11の飛行速度が所定の飛行速度より速い場合、第1の複数の飛行高度範囲の中から、進行方向取得部101によって取得された進行方向に応じた飛行高度範囲を決定する。また、高度決定部1031は、無人飛行体11の飛行速度が所定の飛行速度以下である場合、第1の複数の飛行高度範囲のそれぞれよりも飛行高度が高い第2の複数の飛行高度範囲の中から、進行方向取得部101によって取得された進行方向に応じた飛行高度範囲を決定する。
このように、無人飛行体11の飛行速度が速い場合は、低空を飛行するので、無人飛行体11は風の影響を受けにくくなり、効率よく飛行することができる。
また、無人飛行体11は、無人飛行体11の現在位置における風向き又は風速などの天候に関する情報をサーバから取得してもよい。この場合、高度決定部1031は、無人飛行体11の現在位置における風向き又は風速に応じて飛行高度範囲を変更してもよい。すなわち、高度決定部1031は、無人飛行体11の現在位置の風速が所定の速度より速い場合、第1の複数の飛行高度範囲の中から、進行方向取得部101によって取得された進行方向に応じた飛行高度範囲を決定する。また、高度決定部1031は、無人飛行体11の現在位置の風速が所定の速度以下である場合、第1の複数の飛行高度範囲のそれぞれよりも飛行高度が高い第2の複数の飛行高度範囲の中から、進行方向取得部101によって取得された進行方向に応じた飛行高度範囲を決定する。
このように、無人飛行体11の現在位置の風速が速い場合は、低空を飛行するので、無人飛行体11は風の影響を受けにくくなり、効率よく飛行することができる。
また、高度決定部1031は、無人飛行体11が荷物を運搬しているか否かに応じて飛行高度範囲を変更してもよい。高度決定部1031は、無人飛行体11が荷物を運搬しているか否かを判断する。無人飛行体11が備えるメモリは、無人飛行体11が荷物を運搬しているか否かを示すフラグを記憶してもよく、高度決定部1031は、フラグの有無により無人飛行体11が荷物を運搬しているか否かを判断してもよい。また、高度決定部1031は、重量取得部108によって取得された無人飛行体11の重量が所定の重量以下である場合、無人飛行体11が荷物を運搬していないと判断し、無人飛行体11の重量が所定の重量より重い場合、無人飛行体11が荷物を運搬していると判断してもよい。高度決定部1031は、無人飛行体11が荷物を運搬していない場合、第1の複数の飛行高度範囲の中から、進行方向取得部101によって取得された進行方向に応じた飛行高度範囲を決定する。また、高度決定部1031は、無人飛行体11が荷物を運搬している場合、第1の複数の飛行高度範囲のそれぞれよりも飛行高度が高い第2の複数の飛行高度範囲の中から、進行方向取得部101によって取得された進行方向に応じた飛行高度範囲を決定する。
(実施の形態3)
続いて、本開示の実施の形態3における無人飛行体について説明する。無人飛行体の周辺にビルなどの高い建物がある場合、無人飛行体が低空で飛行すると、建物に衝突する可能性が高くなる。そこで、本実施の形態3では、無人飛行体1の現在位置の周辺の建物の高さに応じて飛行高度範囲を変更する。
図7は、本開示の実施の形態3における無人飛行体の構成を示す図である。図7に示す無人飛行体12は、進行方向取得部101、高度記憶部102、高度取得部104、飛行制御部105、進行方向状況取得部106、衝突予測部107、建物情報取得部109及び高度決定部1032を備える。なお、実施の形態3の無人飛行体12において、実施の形態1の無人飛行体1と同じ構成については、同じ符号を付し、説明を省略する。
建物情報取得部109は、無人飛行体12の現在位置の周辺の建物の高さを取得する。建物情報取得部109は、例えばGPSにより無人飛行体12の現在位置を取得し、取得した現在位置に基づいて無人飛行体12の周辺の地図情報を取得してもよい。地図情報は、地図上の建物の高さに関する情報を含んでいる。
なお、地図情報は、ネットワークを介してサーバから取得してもよいし、予め無人飛行体12に記憶されていてもよい。また、無人飛行体12の周辺とは、例えば、無人飛行体12を中心とした所定の半径を有する円内の領域を示す。また、建物情報取得部109は、無人飛行体12の進行方向に存在する建物の高さを取得してもよい。さらに、建物情報取得部109は、飛行ルート上に存在する建物の高さを取得してもよい。
高度決定部1032は、建物情報取得部109によって取得された建物の高さが、第1の複数の飛行高度範囲のいずれよりも低い場合、第1の複数の飛行高度範囲の中から、進行方向取得部101によって取得された進行方向に応じた飛行高度範囲を決定する。
また、高度決定部1032は、建物情報取得部109によって取得された建物の高さが、第1の複数の飛行高度範囲のうちの最も低い飛行高度範囲よりも高く、かつ第2の複数の飛行高度範囲のうちの最も低い飛行高度範囲よりも低い場合、第1の複数の飛行高度範囲のそれぞれよりも飛行高度が高い第2の複数の飛行高度範囲の中から、進行方向取得部101によって取得された進行方向に応じた飛行高度範囲を決定する。
なお、本実施の形態3における第1の複数の飛行高度範囲及び第2の複数の飛行高度範囲は、図6で説明した第1の複数の飛行高度範囲301及び第2の複数の飛行高度範囲302と同じである。
すなわち、図6に示すように、高度決定部1032は、無人飛行体12の現在位置の周辺の建物の高さが第1の複数の飛行高度範囲301のいずれよりも低く、かつ進行方向が、北西の方角と北東の方角との間の角度内である場合、第1の飛行高度範囲201に決定する。また、高度決定部1032は、無人飛行体12の現在位置の周辺の建物の高さが第1の複数の飛行高度範囲301のいずれよりも低く、かつ進行方向が、北東の方角と南東の方角との間の角度内である場合、第2の飛行高度範囲202に決定する。また、高度決定部1032は、無人飛行体12の現在位置の周辺の建物の高さが第1の複数の飛行高度範囲301のいずれよりも低く、かつ進行方向が、南東の方角と南西の方角との間の角度内である場合、第3の飛行高度範囲203に決定する。さらに、高度決定部1032は、無人飛行体12の現在位置の周辺の建物の高さが第1の複数の飛行高度範囲301のいずれよりも低く、かつ進行方向が、南西の方角と北西の方角との間の角度内である場合、第4の飛行高度範囲204に決定する。
また、高度決定部1032は、無人飛行体12の現在位置の周辺の建物の高さが、第1の複数の飛行高度範囲301のうちの最も低い飛行高度範囲よりも高く、かつ第2の複数の飛行高度範囲302のうちの最も低い飛行高度範囲よりも低く、かつ進行方向が、北西の方角と北東の方角との間の角度内である場合、第5の飛行高度範囲205に決定する。また、高度決定部1032は、無人飛行体12の現在位置の周辺の建物の高さが、第1の複数の飛行高度範囲301のうちの最も低い飛行高度範囲よりも高く、かつ第2の複数の飛行高度範囲302のうちの最も低い飛行高度範囲よりも低く、かつ進行方向が、北東の方角と南東の方角との間の角度内である場合、第6の飛行高度範囲206に決定する。
また、高度決定部1032は、無人飛行体12の現在位置の周辺の建物の高さが、第1の複数の飛行高度範囲301のうちの最も低い飛行高度範囲よりも高く、かつ第2の複数の飛行高度範囲302のうちの最も低い飛行高度範囲よりも低く、かつ進行方向が、南東の方角と南西の方角との間の角度内である場合、第7の飛行高度範囲207に決定する。さらに、高度決定部1032は、無人飛行体12の現在位置の周辺の建物の高さが、第1の複数の飛行高度範囲301のうちの最も低い飛行高度範囲よりも高く、かつ第2の複数の飛行高度範囲302のうちの最も低い飛行高度範囲よりも低く、かつ進行方向が、南西の方角と北西の方角との間の角度内である場合、第8の飛行高度範囲208に決定する。
このように、無人飛行体11の現在位置の周辺の建物の高さに応じて飛行高度範囲が変更されるので、建物に衝突する危険性が低くなり、より安全に飛行することができる。