異なる有利な実施形態は、一以上の異なる検討事項を認識し考慮している。例えば、異なる有利な実施形態は航空機において現在使用されている回避システムが航空管制システムによって提供される観察記録及び方向のバックアップを提供するものであることを認識し考慮している。
異なる有利な実施形態は、現在利用可能な回避システムが2機以上の航空機が互いに異常に接近して飛行していることを航空機に警告することができることを認識し考慮している。さらに、これらの回避システムはまた、一以上の航空機に衝突のリスクを下げうる推奨操作も提供できる。しかしながら、異なる有利な実施形態は、航空機を制御してその航空機と他の航空機との間の衝突のリスクを減らすことができる回避システムを航空機に有することが望ましいことであり得ることを認識し考慮している。
さらに、異なる有利な実施形態は、航空機のオペレータからの入力を必要とせずに、航空機を制御して衝突のリスクを減らすことができる回避システムを有することが望ましいことであり得ることを認識し考慮している。例えば、異なる有利な実施形態は、オペレータの入力を必要とせずにその航空機と他の航空機との間の衝突のリスクが低下するように航空機の飛行経路を変更する、及び/又は航空機が動作するようにさせることができる回避システムを有することが望ましいことであり得ることを認識し考慮している。異なる有利な実施形態は、この種の回避システムに伴うヒューマンエラーの可能性及び/又は衝突のリスクを高める操作をオペレータが行うリスクが低下しうることを認識し考慮している。
加えて、異なる有利な実施形態は、オペレータの入力を必要とせずに航空機を制御して衝突のリスクを減らすことができる航空機の回避システムを使用することによって、人である航空管制官及び航空管制システムの仕事量を減らすことができることを認識し考慮している。この結果、これらの人である航空管制官、及び航空管制システムが、増加した航空機の飛行を管理することができるようになり得る。
さらに、異なる有利な実施形態は、オペレータからの入力を要さずに航空機を制御してその航空機と他の航空機との間の衝突のリスクを減らすことができる回避システムが無人機(UAV)に使用可能であることを認識し考慮している。この結果、民間及び/又は軍事作戦を実施する無人機の飛行を監視するために必要としうる処理リソース及び/又は職員の数が削減される。
したがって、異なる有利な実施形態はビークル間の間隔を管理する方法及び装置を提供する。ある有利な実施形態では、ビークル間の間隔を管理する方法が提供されている。第1経路に沿って移動している第1ビークルと、第2経路に沿って移動している第2ビークル間の最接近点が予測される。第1ビークル及び第2ビークルとの間の最接近点と目標レベルの間隔を使用して、第1ビークルの第1経路を変更する複数の補正命令が生成される。複数の補正命令は第1ビークルに対する複数の制御命令と統合されて、第1ビークルと第2ビークルとの間で目標レベルの間隔を実質的に保つように第1ビークルを操作するための複数の確定制御命令が形成される。複数の確定制御命令への第1ビークルの応答は期待応答である。
ここで図面、特にビークル管理環境を有利な実施形態にしたがってブロック図の形態で示す図1を参照する。これらの実施例では、ビークル管理環境100は複数のビークル102を含む。複数のビークル102のビークルは、航空機、無人機、ヘリコプター、潜水艦、水上艦、ミサイル、宇宙船、地上車、又はその他何らかの好適な種類のビークルの一つから選択することができる。
ある実施例として、複数のビークル102の第1ビークルは第1航空機104であってよく、複数のビークル102の第2ビークルは第2航空機105であってよい。これらビークルのうちの少なくとも一つが作動している間の、第1航空機104と第2航空機105との間の間隔106は、間隔管理モジュール112を使用して管理することができる。間隔管理モジュール112はハードウェア、ソフトウェア、又はこれら両方の組み合わせを使用して実行可能である。
これらの実施例では、間隔管理モジュール112はコンピュータシステム108で実行可能である。コンピュータシステム108はこれらの実施例では複数のコンピュータ110の形態である。本明細書で使用する複数の品目は一以上の品目を意味する。例えば、複数のコンピュータは一以上のコンピュータを意味する。実行形態により、複数のコンピュータ110は第1航空機104、第2航空機105、複数のビークル102の別のビークル、地上局、航空管制局、又はその他何らかの好適な場所のうちの少なくとも一つに位置していて良い。
本明細書で使用する「少なくとも一つの」という表現は、品目のリストとともに使用される場合は、一以上のリスト品目の異なる組み合わせを使用することができ、リストの中の各品目のうちの一つのみが必要であり得ることを意味する。例えば、「品目A、品目B、及び品目Cのうちの少なくとも一つ」は例えば非限定的に、品目A、又は品目A及び品目Bを含むことができる。この実施例はまた、品目A、品目B、及び品目C、又は品目B及び品目Cも含むことができる。その他の実施例では、「少なくとも一つの」は例えば非限定的に、2つの品目A、一つの品目B、及び10個の品目C;4つの品目B及び7つの品目C;及びその他の好適な組み合わせであってよい。
これらの実施例では、間隔管理モジュール112を有するコンピュータシステム108は第1航空機104に位置している。具体的には、間隔管理モジュール112は、第1航空機104が地上及び/又は空中にある時に、第1航空機104と、複数のビークル102のうちの他のビークルとの間の間隔106を提供にする。
これらの実施例では、第1航空機104及び第2航空機105は空域114において飛行している。間隔管理モジュール112は、空域114において第1航空機104が第2航空機105と衝突するリスク115を減らすために、第1航空機104と第2航空機105との間の間隔106を提供にする。さらに、間隔管理モジュール112は、第1航空機104と、複数のビークル102のうちの他のビークルとの間の間隔106を提供にする。
図示したように、間隔管理モジュール112は、第1航空機104の第1経路116と第2航空機105の第2経路118を識別する。第1経路116は第1航空機104の第1飛行経路であってよい。第2経路118は、第2航空機105の第2飛行経路であってよい。これらの実施例では、ビークルの経路を識別するために使用される情報には、速度、速さ、機首方位、進行方向、位置、方位、高度、ルート、航路、回転速度、上昇速度、及びビークルのその他好適な情報のうちの少なくとも一つが含まれうる。速度とは、ビークルの位置の変化の速度及び方向の測定値である。これによると、速度には、ビークルの位置の変更についての大きさ及び方向の両方が含まれる。速度の大きさは、ビークルの速さである。
これらの実施例では、間隔管理モジュール112は複数の情報源から取得した情報を使用して、第1航空機104の第1経路116を識別することができる。これらの情報源には、例えば第1航空機104搭載のフライトコントロールシステム111、第1航空機104搭載のセンサシステム111、第1航空機104搭載のセンサシステム113、航空管制システム、及びその他好適な情報源のうちの少なくとも一つが含まれうる。
フライトコントロールシステム111には、オートパイロットシステム、飛行管理システム、フライト・ディレクタ、ナビゲーションシステム、及び第1航空機104の操作を制御するために使用される複数の好適なシステムのうちの少なくとも一つを含んでいてよい。ある実施例において、間隔管理モジュール112は、フライトコントロールシステム111のナビゲーションシステムに記憶された所定の飛行経路を使用して第1経路116を識別することができる。
さらに、第1航空機104搭載のセンサシステム113は複数のセンサを含む。これらのセンサには、例えば非限定的に、全地球測位システム装置、慣性測定装置、カメラシステム、レーダーシステム、偵察システム、レーダー距離計、位置同定システム、高度計、及びその他好適な種類のセンサのうちの少なくとも一つを含んでいてよい。ある実施例において、間隔管理モジュール112は、センサシステム113によって生成されたセンサデータを使用して、第1航空機104の第1経路116を識別することができる。
さらに、間隔管理モジュール112はまた、複数の異なる情報源から取得した情報を使用して第2航空機105の第2経路118を識別することができる。これらの情報源には例えば非限定的に、第2航空機105搭載のフライトコントロールシステム、第2航空機105搭載のセンサシステム、第1航空機104搭載のセンサシステム113、航空管制システム、及びその他好適な情報源のうちの少なくとも一つが含まれうる。
ある実施例においては、第2航空機105及び/又は航空管制システムから受信した第2航空機105の所定の飛行経路を使用して、第2航空機105の第2経路118を識別することができる。別の実施例においては、第1航空機104搭載のセンサシステム113によって生成されたセンサデータを使用して、第2経路118を識別することができる。
この実施例で示すように、第1経路116は第1航空機104の第1速度122を含む。第2経路118は第2航空機105の第2速度124を含む。いくつかの実施例においては、間隔管理モジュール112はまた相対速度119を識別するように構成されていてよい。相対速度119は、実行形態により、第1航空機104に対する第2航空機105の速度、又は第2航空機105に対する第1航空機104の速度であってよい。
間隔管理モジュール112は、第1航空機104の第1経路116と、第2航空機105の第2経路118を使用して、第1航空機104と第2航空機105の最接近点(CPA)121を予測する。これらの実施例では、第1経路116上を移動している第1航空機104と、第2経路118上を移動している第2航空機105の最接近点121は、第1航空機104が第1経路116に沿って移動し続け、第2航空機105が第2経路118に沿って移動し続けた場合に、第1航空機104と第2航空機105の間の距離123が最小値である時に発生すると予測される。
つまり、最接近点121の予測において、間隔管理モジュール112は、第1航空機104が第1経路116に沿って移動し続け、第2航空機105が第2経路118に沿って移動し続けた場合に最も小さくなると予想される第1航空機104と第2航空機105との間の距離123を予測する。最接近点121において予測された第1航空機104と第2航空機105との間の距離123は、すれ違いの距離とも呼ぶことができる。
さらに、最接近点121の予測において、間隔管理モジュール112はまた第1航空機104に対する第2航空機105の方向127も予測する。方向127とは、第1航空機104と第2航空機105との間の予測距離123が最小値であると予測された時の、第1航空機104に対する第2航空機105の方向である。
これらの実施例では、最接近点121の距離123及び方向127により、最接近点121における第1航空機104と第2航空機105との間のレンジが画定される。このレンジは、2機の航空機がそれぞれの経路に沿って飛行したときに、これらの2機の航空機の間で生じると予測される最小レンジである。さらに、このレンジは、最接近点121における距離123の大きさを有するベクトル、及び最接近点121における方向127である方向として表すことができる。このように、最接近点121はベクトルとして表すことができる。
さらに、間隔管理モジュール112はまた、第1航空機104の第1経路116と第2航空機105の第2経路118を使用して最接近点121までの時間120も予測する。最接近点121までの時間120とは、現在の時刻から最接近点121が生じる時刻までの時間である。すなわち、時間120とは、現在の時刻から第1航空機104と第2航空機105との間の距離123が最小値となる時刻までの時間である。これらの実施例では、最接近点121までの時間120はまた、最接近点121までかかる時間とも呼ぶことができる。
ある実施例において、最接近点121における距離123は、予測された最接近点121までの時間120を使用して予測することができる。その他の実施例では、最接近点に到達するまでにかかる時間120は、予測された第1航空機104と第2航空機105との間の距離123を使用して予測することができる。
これらの実施例では、第1航空機104と第2航空機105の最接近点121を予測するために現在のレンジ125も使われる。現在のレンジ125は第1航空機104と第2航空機105との間の現在の距離126、及び第1航空機104に対する第2航空機105の現在の方向129を含む。
ある実施例においては、第1航空機104の現在の位置と、第2航空機105の現在の位置を使用して、現在のレンジ125を識別することができる。いくつかの実施例では、第2航空機105と第1航空機104の位置の識別を必要とせずに現在のレンジ125を識別することができる。例えば、レーダーシステム、レーザー距離計、及び/又はその他何らかの好適な種類のレンジ識別システムを使用して、現在のレンジ125を識別することができる。
第1航空機104と第2航空機105との間の現在のレンジ125に基づいて、第1航空機104と第2航空機105との間に現在目標レベルの間隔128があるとみなすことができる。しかしながら、第1航空機104と第2航空機105がそれぞれ第1経路116と第2経路118に沿って移動する時に、第1航空機104と第2航空機105との間の目標レベルの間隔128が失われる可能性がある。この目標レベルの間隔128の損失は、第1航空機104と第2航空機105との間の間隔損失と呼ぶことができる。
これらの実施例では、間隔管理モジュール112により、最接近点121において第1航空機104と第2航空機105が、第1航空機104と第2航空機105との間の目標レベルの間隔128を有すると予測されるか否かが判定される。つまり、間隔管理モジュール112によって、最接近点121において予測された第1航空機104と第2航空機105との間の距離123が、目標レベルの間隔128であるか否かが判定される。
第1航空機104と第2航空機105との間の衝突のリスク115を減らす又は除くために、目標レベルの間隔128が選択される。つまり、目標レベルの間隔128は、第1航空機104と第2航空機105との間の衝突の可能性を軽減する及び/又は回避することができるように選択可能である。最接近点121での予測距離123が目標レベルの間隔128ではないとの判定は、第1航空機104及び第2航空機105の飛行中のあるポイントにおいて間隔損失が起こりうることを示す。間隔管理モジュール112は、目標レベルの間隔128が保たれ、間隔損失の発生を防ぐように第1航空機104を制御することができる。
例えば、間隔管理モジュール112は、第1航空機104に対して複数の補正コマンド130を発信するように構成することができる。これらの実施例では、複数の補正コマンド130はまた、複数の回避コマンドとも呼ぶことができる。
複数の補正コマンド130は、第1航空機104に第1経路116を変更させるように構成することができる。例えば、複数の補正コマンド130は、第1航空機104の第1経路116を変更して、最接近点121において予測される第1航空機104と第2航空機105との間の距離123を広げるように構成することができる。最接近点121において予測される第1航空機104と第2航空機105との間の距離123を広げることによって、最接近点121において目標レベルの間隔128を実現することができる。
例えば、複数の補正コマンド130により、第1航空機104が機動操作のセット132を行って第1航空機104と第2航空機105との間の目標レベルの間隔128を保つことができる。本明細書で使用する品目のセットとはゼロ以上の品目を意味する。例えば、機動操作のセットは、ゼロ、一、又はそれ以上の機動操作を意味する。さらにセットとは空又はヌル集合であってよい。
機動操作のセット132の一つの機動操作は、回転機動操作、上昇機動操作、下降機動操作、バンキング機動操作、加速機動操作、減速機動操作、及びその他適切な種類の機動操作のうちの少なくとも1つから選択することができる。これらの実施例では、第1航空機104と第2航空機105との間の予測最接近点121に基づく目標レベルの間隔128が見られる場合には、機動操作のセット132は空集合であってよい。
これらの実施例では、複数の補正コマンド130は第1航空機104の動作を制御するためにフライトコントロールシステム111によって生成された複数の制御コマンド133に統合される。複数の制御コマンド133は、空域114において第1航空機104の飛行を制御するコマンドを含む。
例えば、複数の制御コマンド133は、上昇加速コマンド、旋回率コマンド、上昇率コマンド、高度コマンド、ピッチコマンド、ヨーイングコマンド、ロールコマンド、加速コマンド、減速コマンド、横加速コマンド、及びその他好適なコマンドのうちの少なくとも1つを含むことができる。このように、複数の制御コマンド133は空域114において第1航空機104を機動操作するように構成されている。
複数の補正コマンド130を複数の制御コマンド133に統合して、第1航空機104が機動操作のセット132を行うように複数の制御コマンド133を調節することができる。例えば、間隔管理モジュール112は、第1航空機104の第1経路116を新たな経路131へ変更するために複数の制御コマンド133と統合させることができる複数の補正コマンド130を生成することができる。新たな経路131はまた、変更飛行経路とも呼ぶことができる。新たな経路131は、第1航空機104の新たな速度、新たな速さ、新たな機首方位、及び新たな進行方向のうちの少なくとも1つを含むことができる。
これらの実施例では、複数の補正コマンド130の複数の制御コマンド133への統合により、第1航空機104と第2航空機105との間の目標レベルの間隔128を実質的に保つために第1ビークル105を機動操作するのに使用される複数の確定制御コマンド143が形成されうる。具体的にはこの統合は、複数の確定制御コマンド143に対する第1航空機104の応答が期待応答145となるように行うことができる。さらに具体的には、複数の確定制御コマンド143は、第1航空機104が期待応答145をするように構成される。
すなわち、第1航空機104が望ましい方法で機動操作のセット132を行うように、複数の補正コマンド130を複数の制御コマンド133に統合させる。このため、期待応答145は第1航空機104の望ましい操縦応答とも呼ぶことができる。
期待応答145は、例えば非限定的に、第1航空機104の飛行の望ましい乗り心地、飛行中の乗客の目標レベルの快適性、目標加速レンジ、期待応答時間、目標旋回率、及び第1航空機104の応答のその他の好適な因子のうちの少なくとも1つを含むことができる。期待応答時間は例えば、第1航空機104がどれほど速く複数の確定制御コマンド143に応答することが期待されているかを示すものであってよい。ある場合には、期待応答時間は、複数の確定制御コマンド143が発信された後に、どれだけ速く第1航空機104が機動操作のセット132を開始することが期待されているかを示すものであってよい。
さらに、ある場合には、航空機の期待応答145には、新たな予測最接近点121での第1航空機104と第2航空機105との間の新たな予測間隔が目標レベルの間隔128となるように、第1航空機104の飛行経路116を変更する目標時間も含まれていてよい。その他の場合では、期待応答145には目標時間を含むことができ、この目標時間の後に、予測最接近点において目標レベルの間隔128が得られた後で第1経路116が再取得される。
これらの実施例では、間隔管理モジュール112は第1航空機104と、複数のビークル102のうちのその他のビークルとの間の間隔106を継続的に監視する。その他の実施例では、間隔106は定期的に監視することができる。例えば、間隔管理モジュール112は、十分の一秒ごと、一秒ごと、数秒ごと、又はその他何らかの好適な時間に基づいて第1航空機104と第2航空機105との間の間隔106を監視するように構成することができる。
ある実施例においては、間隔管理モジュール112は、第2航空機105の第2経路118を識別し、最接近点121を予測し、約十分の一秒ごとに最接近点121において目標レベルの間隔128が見られるか否かを判定する操作を行うことができる。その他の実施例では、これらの操作は第1航空機104の人であるオペレータによって開始される、無効にされる及び/又は左右されることが可能である。
図示したように、目標レベルの間隔128は必要レベルの間隔136、安全なレベルの間隔138、規定レベルの間隔140のうちの一つから選択可能である。必要レベルの間隔136は、例えば非限定的に航空管制システムによって付与される要件及び/又は規定に基づくものであってよい。
加えて、必要レベルの間隔136は、航空管制システムによって付与される要件及び/又は規定に加えて、及び/又はこれらの代わりの因子に基づくものであってよい。これらの因子には例えば非限定的に、航空機の種類及び/又は航空機のクラス、動作パラメータ、サイズ、現在の飛行フェーズ、計画飛行フェーズ、高度、及び/又は第1航空機104及び/又は第2航空機105に関するその他の好適な因子が含まれていてよい。
これらの実施例では、必要レベルの間隔136を定義するのに使用されるパラメータは、第1航空機104の飛行に対しては実質的に一定のままでありうる。その他の実施例では、必要レベルの間隔136を定義するのに使用されるパラメータは、第1航空機104の飛行中に変更される可能性がある。例えば、必要レベルの間隔136は、天候状態の変化、視界状態の変化、環境状態の変化、第1航空機104の作戦の変更、空域114の異なる部分、及び/又はその他の種類の事象に応答して、第1航空機104の飛行中に変更される可能性がある。
安全レベルの間隔138は必要レベルの間隔136よりも高いレベルの間隔である。安全レベルの間隔138は、必要レベルの間隔136及び追加の間隔距離を含む。この追加の間隔距離は、最接近点121の予測に関するすべての不確実性又は誤差を考慮することができる。具体的には、安全レベルの間隔138は、最接近点121での距離123の予測に含まれうる全ての不確実性を考慮する。
さらに、規定レベルの間隔140は、安全レベルの間隔138よりも高いレベルの間隔である。規定レベルの間隔140は、安全レベルの間隔138と追加の間隔距離を含む。この追加の間隔距離は、間隔管理モジュール112が開始した第1経路116の変更に対する第1航空機104の応答における予測可能な全ての誤差を考慮することができる。
図1のビークル管理環境100の図は、物理的又はアーキテクチャ制限を暗示するように意図されたものではなく、有利な実施形態が実行可能である。他のコンポーネントを説明したものに加えて、又はそれの代わりに用いてもよい。あるコンポーネントは不必要である場合がある。また、ブロックは幾つかの機能性コンポーネントを説明するために記載されたものである。一以上のこれらのブロックは、有利な実施形態において実行するときに、組み合わせる、あるいは異なるブロックに分割することが可能である。
例えば、別の実施例では、間隔管理モジュール112は、複数のビークル102の第2航空機105に加えて、及び/又はその代わりに、第1航空機104と追加のビークルとの間の間隔106を管理するように構成することができる。さらに、ある実施例では、第1航空機104は第2航空機105が空域114を飛行している間、固定されていてよい又は地上を移動していてよい。
さらに別の実施例では、第1航空機104の代わりに第2航空機105に対する目標レベルの間隔128を定義することができる。例えば、目標レベルの間隔128は、空域114を飛行している間、第1航空機104が維持するべき第2航空機105からの距離として定義することができる。加えて、その他の実施例では、時間120とは、現在の時刻から最接近点121が発生するまでの時間間隔ではなく、最接近点121が発生しうる実際の時刻であってもよい。
ここで、有利な実施形態による目標レベルの間隔の境界線を示す図2を参照する。この実施例では、境界線200により、空域203内を飛行している第1航空機202とその他の航空機との間で目標とされ得る異なるレベルの間隔が画定される。
第1航空機202及び第2航空機204は、図1の第1航空機104及び第2航空機105それぞれの実行形態の例である。この実施例では、図1の間隔管理モジュール112は、第1航空機202と第2航空機204が空域203内を飛行している間、第1航空機202と第2航空機204との間の間隔を管理するように構成することができる。
図示したように、第1航空機202の境界線200は第2航空機204に対して画定されている。例えば、境界線200は、境界線206、境界線208、及び境界線210を含む。これらの境界線は、第1航空機202と第2航空機204の両方が同時にいてはならない、第2航空機204に対する空域203の一部を画定する。
例えば、境界線206により、第1航空機202と第2航空機204との間で必要レベルの間隔が得られる。このレベルの間隔は、図1の必要レベルの間隔136の一例である。境界線206は第2航空機204からの距離207である。距離207は、第2航空機204と第1航空機202との間の間隔に必要な距離、mrequiredである。つまり、距離207は、第1航空機202と第2航空機204との間で必要レベルの間隔を得るために第1航空機202によって保たれるべき第2航空機204からの最小距離である。
これらの実施例では、距離207は例えば、第1航空機202のパイロット、航空管制システム、第1航空機202が所属する航空会社、又はその他何らかの好適な機関によって選択されうる。距離207は例えば、保安規定、第1航空機202のサイズ、第1航空機202の操作パラメータ、第1航空機202の機動操作能力、第1航空機202によって行われる作戦の種類、及び/又はその他好適な因子等の因子に基づいて選択可能である。
境界線208により、第1航空機202と第2航空機204との間の安全レベルの間隔が得られる。このレベルの間隔は、図1の安全レベルの間隔138の一例である。境界線206は第2航空機204から距離209にある。距離209とは、第2航空機204と第1航空機202との間の間隔の安全な距離、msafeである。すなわち、距離209は、第1航空機202と第2航空機204との間で安全レベルの間隔を得るために第1航空機202によって保たれるべき第2航空機204からの距離である。
これらの実施例では、図1の間隔管理モジュール112によって距離207を使用して距離209を計算することができる。例えば、距離209は必要距離の合計、及び推定不確実性とゲインの積として計算することができる。つまり、距離209は下記方程式:
を使用して計算可能であり、上記方程式においてk
mはゲインであり、σ
mは推定不確実性である。
推定不確実性とは、第1航空機202と第2航空機204の最接近点の予測における不確実性の推定値である。具体的には、推定不確実性とは、第1航空機202と第2航空機204との間で予測される最接近点において、第1航空機202と第2航空機204との間で予測される距離220の不確実性の推定値である。距離220はまた、第1航空機202と第2航空機204の最接近点でのすれ違い距離、mとも呼ばれる。
これらの実施例において、不確実性は第1航空機202と第2航空機204の飛行中に発生する偏差に基づくものであってよい。これらの偏差には、例えば第1航空機202と第2航空機204との間のレンジの偏差、第1航空機202及び/又は第2航空機204の機首方位の偏差、第1航空機202に対する第2航空機204の相対速度の偏差、及び/又はその他のパラメータの偏差が含まれうる。これらの偏差は、例えば非限定的に、天候状態、風の状態、センサノイズ、トラッキング誤差、及び/又はその他適切な因子に応じて発生しうる。
さらに、この不確実性は、第1航空機202の飛行経路と第2航空機204の飛行経路の識別における予測誤差に基づくものであってよい。これらの誤差は例えば、第1航空機202及び/又は第2航空機204の速度及び位置の識別について予測される誤差を含んでいてよい。
境界線210により、第1航空機202と第2航空機204との間の規定レベルの間隔が得られる。このレベルの距離は、図1の規定レベルの間隔140の一例である。この実施例では、この規定レベルの間隔は、第1航空機202と第2航空機204との間の目標レベルの間隔である。しかしながら、その他の実施例では、必要レベルの間隔及び/又は安全レベルの間隔を目標レベルの間隔として選択することができる。
境界線210は第2航空機204からの距離211にある。距離211とは、第2航空機204と第1航空機202との間の間隔に対する規定距離、mimposedである。距離211とは、安全距離、msafeを、最接近点を識別するのに使用されるシステムの定常状態応答ゲイン、Cssで割ったものである。すなわち、距離209は:
この実施例では、速度ベクトル212は第1航空機202の速度を表す。さらに、相対速度ベクトル214は、この実施例の第2航空機204に対する第1航空機202の相対速度を表す。
図示したように、レンジベクトル216は第1航空機202と第2航空機204との間の距離だけでなく、第1航空機202の位置に対する第2航空機204の位置方向を示す。角度218は、相対速度ベクトル214とレンジベクトル216によって形成される角度である。
この実施例では、第1航空機202と第2航空機204が同じ速度でそれぞれの飛行経路を継続した場合に、2機の航空機の間で予測される最接近点に到達するまでにかかる時間は下記式:
で定義することができ、上記式においてt
CPAは最接近点に到達するまでにかかる時間であり、Rはレンジベクトル216の大きさであり、θは角度218であり、V
relativeは相対速度ベクトル214の大きさである。
図示したように、ベクトル221は第1航空機202と第2航空機204の最接近点を表す。ベクトル221の大きさは距離220である。前述したように、距離220は第1航空機202と第2航空機204との間のすれ違い距離、mである。つまり、距離220とは、その時点で予測される第2航空機204から最接近点までの第1航空機202の距離である。
距離220が距離211よりも短い時は、最接近点において目標レベルの間隔が生じるとは予測されない。最接近点において目標レベルの間隔を得るために必要な距離は、規定距離からすれ違い距離を引き算して計算することができる。この距離は回復距離とも呼ぶことができる。具体的には、回復距離は、目標レベルの間隔を回復するのに必要な第2航空機204からの追加の距離である。この回復距離は下記方程式:
これらの実施例では、第1航空機202が飛行経路を変更して、第1航空機202と第2航空機204との間の目標レベルの間隔を保つようにするコマンドが発信される場合がある。第1航空機202は、機首方位、上昇、降下、旋回、減速、加速の変更、又はその他何らかの適切な操作を行うことによって飛行経路を変更することができる。
ここで、有利な実施形態による航空交通管理環境を示す図3を参照する。航空交通管理環境300は、図1のビークル管理環境100の一実行形態の例である。
図示したように、第1航空機302と第2航空機304は航空交通管理環境300において空域305を飛行している。第1航空機302は、図1の第1航空機104の一実行形態の例であってよい。第2航空機304は、図1の第2航空機105の一実行形態の一例であってよい。
第1航空機302には、ビークル中心衝突防止システムと呼ばれる衝突防止システムが装備されていてよい。ビークル中心衝突防止システムとは、システムが位置する特定ビークルのために構成されたシステムである。第1航空機302のビークル中心衝突防止システムには、第1航空機302と第2航空機304との間の衝突のリスクを減らす、例えば図1の間隔管理モジュール112等の間隔管理モジュールが含まれていてよい。例えば、第1航空機302のビークル中心衝突防止システムは、航空交通管理環境300において第2航空機304及び/又はその他の航空機(図示せず)との衝突を避けるための回避機動操作を第1航空機302に行わせるように構成することができる。
図示したように、第1航空機302が空域305において飛行経路306を飛行している一方で、第2航空機304は空域305において飛行経路308を飛行している。この実施例において、第1航空機302は現在、飛行経路306に沿って位置307に、第2航空機304は現在、飛行経路308に沿って位置309にいる。
第1航空機302のビークル中心衝突防止システムは、第1航空機302に対する第1航空機302と第2航空機304の最接近点(CPA)310を予測するように構成することができる。最接近点310は、第1航空機302と第2航空機304がそれぞれ飛行経路306及び飛行経路308を継続したときに生じると予測される第1航空機302と第2航空機304との間の最小レンジを示す。
図示したように、最接近点310は、第1航空機302が飛行経路306に沿った予測位置320に、第2航空機304が飛行経路308に沿った予測位置322にいる時に生じると予測される。最接近点310は、第1航空機302に対する大きさ及び方向の両方を有するレンジベクトルとして表すことができる。これらの実施例では、ベクトルの大きさは、最接近点310における第1航空機302と第2航空機304との間の距離を示す。つまり、大きさとは、第1航空機302の予測位置320と、第2航空機304の予測位置322との間の距離である。前述したように、最接近点310における第1航空機302と第2航空機304との間の距離は、最接近点310でのこれら2機の航空機間のすれ違い距離とも呼ぶことができる。
さらに、最接近点310のベクトル方向は、第1航空機302の予測位置320に対する最接近点310での第2航空機304の予測位置322の方向を示す。
加えて、第1航空機302のビークル中心衝突防止システムは、最接近点310までの時間を予測することができる。つまり、第1航空機302のビークル中心衝突防止システムは、第1航空機302と第2航空機304との間に最接近点310が生じると予測される時間を予測することができる。ある実施例においては、最接近点310までの時間は、第1航空機302が最接近点310に到達するまでかかる予測時間、又は予測所要時間と呼ぶことができる。
これらの実施例では、最接近点310の予測には、第1航空機302と第2航空機304との間の現在のレンジを識別することが含まれうる。現在のレンジは、位置307の第1航空機302と、位置309の第2航空機304との間の現在の距離を含む。さらに、現在のレンジは、第1航空機302の位置309に対する第2航空機304の位置309の方向を含むことができる。
図示したように、間隔境界316は、第一航空機302のビークル中心衝突防止システムにおいて事前に画定することができる。間隔境界316は、第1航空機302に対する目標レベルの間隔を画定する境界線であってよい。ある実施例では、この境界線は全方向に実質的に等しい第1航空機302からの距離にあってよい。間隔境界316が三次元である場合、間隔境界316は間隔境界の層とも呼ぶことができる。例えば、間隔境界316は球の形態の第1航空機302周囲の三次元の層又は面として定義することができる。
このように、間隔境界316は、空域305において第1航空機302とその他の航空機との間の目標レベルの間隔を実現する第1航空機302からの様々な方向への距離を示す。第1航空機302のビークル中心衝突防止システムは、第1航空機302とその他の航空機との間のこの目標レベルの間隔を保つように構成される。
したがって、第1航空機302のビークル中心衝突防止システムは、最接近点310における第1航空機302と第2航空機304との間のレンジが、所定の間隔境界316内である、又は所定の間隔境界316に「反する」時に、回避コマンドを発信することができる。つまり、最接近点に到達するまでにかかる時間における第2航空機304の予測位置322が、最接近点310までの時間における第1航空機302の予測位置320に対する第1航空機302の間隔境界316内にある時に、回避コマンドを発信することができる。
ある実施例では、最接近点に到達するまでにかかる時間が選択された時間許容範囲内にある時にのみ回避コマンドを発信することができる。例えば、最接近点310までの時間が5分以上ある場合、第1航空機302のビークル中心衝突防止システムは、最接近点310までの時間が約1分に到達するまで回避コマンドを発信しないようにできる。
発信された回避コマンドは、第1航空機302の飛行経路306を変更するように構成可能である。ある場合には、発信された回避コマンドにより航空機の速さを変更することも可能である。
例えば、第1航空機302のビークル中心衝突防止システムは、第1航空機302が予測位置320を有する時に、第2航空機304の予測位置322が間隔境界316内にあることに応答して、第1航空機302が第1航空機302の飛行経路306を変更飛行経路314に反応的に変更するようにする一又は複数の回避コマンドを発信することができる。このように、第1航空機302のビークル中心衝突防止システムは、間隔境界316によって画定される適切な間隔が実質的に常に第1航空機302と第2航空機304との間で自動的に確実に保たれるようにすることができる。
第1航空機302の飛行経路306が変更飛行経路314に変更されると、第1航空機302のビークル中心衝突防止システムは、最接近点310とは異なる、第1航空機302と第2航空機304との間の新たな最接近点を予測する。新たな最接近点は、第1航空機302が変更飛行経路314に沿った予測位置324にある時に生じると予測される。
第1航空機302が変更飛行経路314に沿った予測位置324にいる時に間隔境界316内に画定される空域305の一部は、第1航空機302が飛行経路306に沿った予測位置322にいる時に間隔境界316内に画定される空域305の一部とは異なっている。第1航空機302が新たな最接近点の予測位置324にいる時に、第2航空機304の新たな最接近点での予測位置が第1航空機302の間隔境界316の外側になるように、第1航空機302の変更飛行経路314を選択することができる。
第1航空機302のビークル中心衝突防止システムは、第1航空機302が変更飛行経路314にいる間、空域305の航空機の交通を継続的に監視することができる。具体的には、第1航空機302のビークル中心衝突防止システムは、第1航空機302と第2航空機304が空域305を飛行する時に、第1航空機302の最接近点を継続的に識別することができる。さらに、ビークル中心衝突防止システムは、最接近点が予測される時刻において、第2航空機304が間隔境界316内の空域305の一部にいるか否かを継続的に予測することができる。
このように、第1航空機302は、第1航空機302と第2航空機304の最接近点が予測される時刻に、第2航空機304がもはや第1航空機302の間隔境界316内にいると予測されなくなるまで、第1航空機302に飛行経路を変更させる回避コマンドを継続的に発信することができる。つまり、第1航空機302は、第1航空機302のビークル中心衝突防止システムによって間隔境界316の侵害の可能性がもはや存在しないと判定された時に、飛行経路306に戻ることができる。
その他の実施例では、第1航空機302のビークル中心衝突防止システムにおいて、複数の間隔境界を事前に画定することができる。例えば、間隔境界316は多様な目標レベルの間隔又は間隔境界層を含むことができる。後にさらに説明するように、複数の間隔境界層は、時間パラメータ、航空機の速度、航空機の運動速度、距離パラメータ、相対速度、相対運動速度、及び/又はその他適切なパラメータに基づいて画定することができる。
ここで、有利な実施形態による別の航空交通管理環境を示す図4を参照する。この実施例では、航空交通管理環境400は、図1のビークル管理環境100の一実行形態の別の例である。
図示したように、図4の航空交通管理環境400は、第1航空機402と第2航空機404を含む。第1航空機402と第2航空機404はいずれもこの実施例において、ビークル中心衝突防止システムが装着されている。第1航空機402と第2航空機404のビークル中心衝突防止システムは、図3の第1航空機302のビークル中心衝突防止システムについて説明したのと同様な方法で動作可能である。
図示したように、第1航空機402は空域405の飛行経路406を飛行し、第2航空機404は空域405の飛行経路408を飛行している。第1航空機402は現在、飛行経路408に沿った位置407にいる。第2航空機404は現在、位置409にいる。
第1航空機402のビークル中心衝突防止システムは、第1航空機402に対する最接近点410を予測するように構成可能である。同様に、第2航空機404のビークル中心衝突防止システムは、第2航空機404に対する最接近点412を予測するように構成可能である。
最接近点410と最接近点412は、第1航空機402と第2航空機404がそれぞれ飛行経路406及び飛行経路408を継続させた時に、これらの航空機の間に生じると予測される最小レンジを示す。この実施例ではm、最接近点410及び最接近点412は、第1航空機402が飛行経路406に沿った予測位置420にいる時、及び第2航空機404が飛行経路408に沿った予測位置422にいる時に生じると予測される。
さらに、第1航空機402のビークル中心衝突防止システムは、第1航空機402の最接近点410までの時間を予測することができ、第2航空機404のビークル中心衝突防止システムは、第2航空機404の最接近点412までの時間を予測することができる。加えて、最接近点410及び最接近点412の予測を行うには、第1航空機402と第2航空機404との間の現在のレンジを識別することが含まれうる。この現在のレンジには、第1航空機402の位置407と第2航空機404の位置409との間の距離だけでなく、第1航空機402の位置407に対する第2航空機404の位置409の方向が含まれる。
第1航空機402の間隔境界414は、第1航空機402のビークル中心衝突防止システムにおいて事前に画定されうる。同様に、第2航空機404の間隔境界416は、第2航空機404のビークル中心衝突防止システムにおいて事前に画定されうる。
したがって、第1航空機402のビークル中心衝突防止システムは、最接近点410における第1航空機402と第2航空機404との間のレンジが、事前に画定された間隔境界414内にある、又は事前に画定された間隔境界414を侵害する時に、回避コマンドを発信することができる。すなわち、第1航空機402が予測位置420にいる時、第2航空機404の予測位置422が第1航空機402の間隔境界414内にある場合に、回避コマンドを発信することができる。
これと対応して、第2航空機404のビークル中心衝突防止システムは、最接近点412における第1航空機402と第2航空機404との間のレンジが、事前に画定された間隔境界416内にある、又は事前に画定された間隔境界416を侵害する時に、回避コマンドを発信することができる。すなわち、第2航空機404が予測位置422にいる時、第1航空機402の予測位置420が第2航空機404の間隔境界414内にある場合に、回避コマンドを発信することができる。
第1航空機402と第2航空機404の各ビークル中心衝突防止システムによって発信された回避コマンドにより、第1航空機402と第2航空機404が飛行経路406及び飛行経路408をそれぞれ変更することができる。さらに、いくつかの実施例では、回避コマンドにより航空機の速さも変更されうる。
例えば、図4に示すように、第1航空機402のビークル中心衝突防止システムは一以上の回避コマンドを発信することができ、これにより、第1航空機402が反応的に飛行経路406を変更飛行経路418に変更する。同様に、第2航空機404のビークル中心衝突防止システムは一以上の回避コマンドを発信することができ、これにより、第2航空機404が飛行経路408を変更飛行経路419に変更する。
第1航空機402と第2航空機404のビークル中心衝突防止システムは、変更飛行経路418と変更飛行経路419に対する新たな最接近点を予測することができる。新たな最接近点は、第1航空機402が予測位置424に、第2航空機404が予測位置426にいる時に生じると予測されうる。図4に示すように、新たな最接近点について予測された時刻において、第1航空機402の予測位置424は第2航空機404の間隔境界416の外側にあり、第2航空機404の予測位置426は第1航空機402の間隔境界414の外側にある。
このように、第1航空機402と第2航空機404のビークル中心衝突防止システムにより、間隔境界414及び間隔境界416それぞれによって画定された適切な間隔が実質的にいつも自動的に確実に維持されうる。しかしながら、第1航空機402及び/又は第2航空機404のビークル中心衝突防止システムにより、間隔境界414及び/又は間隔境界416それぞれの侵害の可能性がもはや存在しないことが判定された時に、これらの航空機は飛行経路406及び/又は飛行経路408にそれぞれ戻ることができる。
その他の実施例では、複数の間隔境界層を第1航空機402及び/又は第2航空機404のビークル中心衝突防止システムにおいて事前に画定することができる。例えば、間隔境界414及び/又は間隔境界416は、多様な間隔境界層を含むことができる。後にさらに詳しく説明するように、複数の間隔境界層は、時間パラメータ、航空機の速度、航空機の運動速度、距離パラメータ、相対運動速度、相対速度、及び/又はその他適切なパラメータに基づいて画定することができる。時間パラメータの一つは、最接近点に到達するまでにかかる時間であってよい。
したがって、航空機の飛行経路を自動的に変更する機能により、ヒューマンエラー、現在の衝突防止システムに伴う伝達不良、及び/又はその他の要因に起因する衝突のリスクを減らす又は除くことができる。加えて、航空機のビークル中心防止システムにより、地上ベースの航空管制官が航空機衝突の可能性を軽減するために関与することが少なくなるため、航空管制官の仕事量を削減することができる。
図3及び図4は限定を暗示するものではなく、異なる有利な実施形態を実行することが可能である。例えば、いくつかの実施例では、第1航空機302と第2航空機304に加えてその他の航空機が航空交通管理環境300に存在していてよい。
ある実施例では、最接近点410が生じると予測される時刻において、第1航空機402の間隔境界414内に2機以上の航空機がいると予測される時は、第1航空機402のビークル中心衝突防止システムは回避コマンドを発信して、第1航空機402の飛行経路406を変更飛行経路418以外の変更飛行経路に変更するように構成可能である。
ここで、有利な実施形態による衝突防止を可能にするアビオニクスシステムのブロック図を示す図5を参照する。アビオニクスシステム500は、例えば図1の第1航空機104、図3の第1航空機302、図4の第1航空機402、及び/又は図4の第2航空機404等の航空機において実行可能である。図3の第1航空機302だけでなく図4の第1航空機402及び第2航空機404に対して記載したビークル中心防止システムをアビオニクスシステム500において実行可能である。
これらの実施例では、アビオニクスシステム500の一以上のコンポーネントをコンピュータシステム501において実行することができる。コンピュータシステム501は、図1のコンピュータシステム108の一実行形態の一例である。コンピュータシステム501はこれらの実施例では、多数のコンピュータの形態である。一よりも多いコンピュータがコンピュータシステム501に含まれる場合、これらのコンピュータは互いに通信可能である。
例えば、アビオニクスシステム500は、ナビゲーションシステム502、飛行経路データベース504、オートパイロット506、フライトディレクタ508、交通センサ510、及び衝突防止コンピュータ512を含むことができる。ナビゲーションシステム502、オートパイロット506、フライトディレクタ508、及び衝突防止コンピュータ512は、コンピュータシステム501の一以上のコンピュータにおいて実行可能である。さらに、一以上のビゲーションシステム502、オートパイロット506、及びフライトディレクタ508を図1のフライトコントロールシステム111において実行可能である。
ナビゲーションシステム502を使用して、飛行中に航空機の地理的な位置を得ることができる。航空機の地理的な位置とは、測地システムを使用して画定された航空機の位置である。ナビゲーションシステム502は、慣性基準システム(IRS)、飛行姿勢方向参照システム(AHRS)、全地球測位システム(GPS)、及びその他同様のシステムを含むことができる。これらのシステムの一部はコンピュータシステム501において実行可能である一方、これらのシステムの別の部分は、コンピュータシステム501の外部のセンサ及び/又はその他のデバイスを含むことができる。
これらの実施例では、ナビゲーションシステム502は航空機搭載の飛行経路データベース504を含むことができる。飛行経路データベース504は、飛行経路情報を航空機に提供する。飛行経路情報は、航空機の所定の飛行経路を含む。ある実施例では、飛行経路情報は航空機の所定の針路を含むことができる。航空機の針路とは、航空機の進行方向又は機首方位である。この進行方向は例えば真北に対する角度として定義することができる。航空機の針路はまた機首方位とも呼ぶことができる。
オートパイロット506は人の介入なしに航空機を操縦するようにおおむね構成されている。様々な実行形態では、オートパイロット506はナビゲーションシステム502から飛行情報を得ることができる。この飛行情報は例えば、位置、機首方位、飛行姿勢、速さ、及び/又はその他適切な種類の航空機の飛行情報を含むことができる。オートパイロット506はまた、飛行経路データベース504から飛行経路情報を得ることもできる。
オートパイロット506は飛行情報を飛行経路情報と比較することによって制御コマンドを発信し、特定の飛行経路上の航空機を維持することができる。例えば、オートパイロット506はスロットルの設定を計算し、飛行操縦面コマンドを発信することができる。
フライトディレクタ508は特定飛行中に一以上のパイロットに対し、航空機の目標飛行経路を計算し表示するようにおおむね構成されている。例えば、あるパイロットが航空機の所定の針路を進んでいるときに、フライトディレクタ508は飛行経路データベース504及びオートパイロット506と通信して、所定の針路に沿って飛行するために必要な飛行機動操作を計算しパイロットに表示することができる。
これらの実施例では、フライトディレクタ508は、フライトディレクタ表示器(FDI)、水平姿勢指示計(HSI)、モードセレクタ、及びフライトディレクタコンピュータを含むことができる。さらに、フライトディレクタ表示器は、姿勢水平儀、固定の航空機識別名、ピッチ及びバンクコマンドバー、グライドスロープ表示器、ローカライザ偏差表示器、及び/又はその他適切な種類の表示器を示すことができる表示装置を含むことができる。
フライトディレクタ508は、目標の針路又は飛行経路を得て維持するために必要なステアリングコマンドをパイロットに提供することができる。ある実施例では、フライトディレクタ508はさらにオートパイロット506にステアリングコマンドを提供することができ、オートパイロット506はこれを航空機の飛行操縦面に対するコマンドに翻訳することができる。
交通センサ510は通行する航空機の位置を得るように構成可能である。通行する航空機には、その航空機が飛行している空域内を飛行している可能性のあるその他任意の数の航空機が含まれる。様々な実施形態によれば、交通センサ510は、交通警報衝突防止装置(TCAS)、自動従属監視(ADS)システム、地上ベースの航空管制(ATC)システム、航空機搭載の航空交通監視レーダーシステム、及び/又はその他の航空交通探知システムから交通データを受信するように構成されていてよい。
この実施例で示すように、衝突防止コンピュータ512は、コンピュータが実行可能な命令を記憶し実行するのに好適な処理機能及びメモリを有する。ある実施形態では、衝突防止コンピュータ512は一以上の処理装置514とメモリ516を含む。
メモリ516は、コンピュータによって読取可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、又はその他のデータ等の情報を記憶するための全ての方法又は技術において実行される、揮発性及び非揮発性メモリ、取外し可能な、及び除去不可能な媒体を含むことができる。上記メモリは非限定的に、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ及びその他のメモリ技術、コンパクトディスク、読取専用メモリ(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)又はその他の光学式ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ、又はその他の磁気ストレージデバイス、リダンダント・アレイ・オブ・インディペンデント・ディスクズ(RAID)ストレージシステム、又は所望の情報を記憶するのに使用でき、コンピュータシステムによってアクセス可能なその他全ての媒体を含む。
メモリ516は、衝突防止コンピュータ512が様々な機能を実施することを可能にするモジュールを含む。これらのモジュールは、オートパイロット・インターフェース・モジュール518、データベース・インターフェース・モジュール520、フライトディレクタ・インターフェース・モジュール522、衝突防止モジュール524、コマンド統合モジュール526、交通センサ・インターフェース・モジュール528、及びデータベース530を含むことができる。
衝突防止モジュール524と、その他のメモリ516のモジュールのセットを使用して、図1の間隔管理モジュール112を実行することができる。さらに、オートパイロット・インターフェース・モジュール518、データベース・インターフェース・モジュール520、フライトディレクタ・インターフェース・モジュール522、衝突防止モジュール524、コマンド統合モジュール526、交通センサ・インターフェース・モジュール528、及びデータベース530は、後に説明する機能を実行するために一以上の処理装置514によって実行されるソフトウェア、及び/又はコンピュータが実行可能な命令として実行可能である。
オートパイロット・インターフェース・モジュール518は、衝突防止コンピュータ512のオートパイロット506との通信を可能にする。この通信は、電気接続、光接続等を介して確立されうる。これらの実施例では、オートパイロット・インターフェース・モジュール518は、オートパイロット506が衝突防止コンピュータ512の指示下で衝突防止を実施することを可能にするように構成されていてよい。
データベース・インターフェース・モジュール520により、データベース530からのデータの読取り、及びデータベース530へのデータの書込みが可能になる。これらの実施例では、データベース・インターフェース・モジュール520は、後にさらに説明するようにメモリ516のその他のモジュールによって起動することが可能である。データベース530は、航空機を様々な飛行経路上に維持すると同時に衝突を防止するのに使用できる情報を記憶するように構成することができる。
例えば、データベース530は飛行軌道と速さ規定を含むことができる。飛行軌道と速さ規定により、航空機の性能ケーパビリティ及び機動操作ケーパビリティを指示することができる。さらに、データベース530は、航空機の間隔範囲及び航空機の応答範囲を記憶することもできる。
航空機の間隔範囲を使用して、図3に記載する間隔境界316等の間隔境界を画定することができる。これらの記憶された許容範囲を使用して、間隔境界の寸法及び形状を決定することができる。例えば、パラメータは、半径、幅、長さ、及び高さ、及び/又は間隔境界を画定するためのその他の測定値等の測定値を規定することができる。航空機の応答範囲は、後にさらに説明するように、その航空機と他の航空機との間の最大の目標プロキシミティ、及び衝突の可能性を軽減するために航空機が飛行経路を変更する最短時間を指示することができる。
当然ながら、その他の情報を間隔境界の形状を決定するのに使用することができる。これらの要因は例えば非限定的に、天候状態、飛行姿勢、視界状態、風の状態、航空機が上を飛ぶ地形、航空機の複数の乗客、及び/又はその他の適切な要因を含むことができる。
フライトディレクタ・インターフェース・モジュール522により、フライトディレクタ508と衝突防止モジュール524との間の通信が容易になり得る。したがって、飛行ディレクタ・インターフェース・モジュール522により、フライトディレクタ508がパイロットに必要なステアリングコマンドを提供することが可能になりうる。
交通センサ・インターフェース・モジュール528は、交通センサ510から衝突防止コンピュータ512へ交通センサデータを提供するように構成可能である。衝突防止コンピュータ512の衝突防止モジュール524は、交通センサ・インターフェース・モジュール528から受信した交通センサデータを解析することができる。衝突防止モジュール524は、航空機が現在の飛行経路に沿って、その航空機と他の航空機との間の目標レベルの間隔を保てない場合に、その航空機の現在の飛行経路を変更することができる。
コマンド統合モジュール526は、オートパイロット・インターフェース・モジュール518とフライトディレクタ・インターフェース・モジュール522を使用して、衝突防止のコマンド、飛行経路の変更、及び/又は新たな飛行経路情報をオートパイロット506とフライトディレクタ508へそれぞれ送るように構成可能である。
ここで、有利な実施形態による衝突防止システムのブロック図を示す図6を参照する。この実施例では、システム600は衝突防止システムである。具体的には、システム600を使用して、例えば図1の第1航空機104、図3の第1航空機302、図4の第1航空機402、及び/又は図4の第2航空機404等の航空機のビークル中心衝突防止システムを実行することができる。
図示したように、システム600はフライトコントロールモジュール602と衝突防止モジュール604を含むことができる。フライトコントロールモジュール602は、航空機が様々な目的地間を飛行するときに、航空機を所定の飛行経路上に維持するようにおおむね構成される。衝突防止モジュール604は、衝突防止を可能にすることができる回避コマンドを発信する。衝突防止モジュール604及びフライトコントロールモジュール602はソフトウェア、ハードウェア、又は両方の組合せを使用して実行することができる。
この実施例では、フライトコントロールモジュール602は、飛行軌道生成機能606、制御コマンド機能608、及びコマンド変更機能610を含むことができる。これらの機能は、図5のアビオニクスシステム500の一以上のナビゲーションシステム502、オートパイロット506、及びフライトディレクタ508によって実施可能である。
飛行軌道生成機能606は、航空機の所定のウェイポイントに基づいて航空機の飛行軌道を生成する。これらの実施例では、航空機の飛行軌道とは、航空機が飛行中に通ることにより目的の飛行経路を維持するように、航空機に対して識別された複数のウェイポイントである。ウェイポイントとは空域内の位置である。これらの位置は、例えば測地システムを使用して画定される位置であってよい。
これらの実施例では、飛行軌道によって識別された複数のウェイポイントは、今後通過するウェイポイントを含み、航空機が飛行中にすでに通過したウェイポイントは含まない場合がある。ある場合には、飛行軌道は、航空機が目的の飛行経路を維持する時、航空機が通過すると予測される複数のウェイポイントを含むことができる。
ある実施例では、飛行軌道は航空機が飛行する複数のウェイポイントのうちの各対のウェイポイント間の経路も示すことができる。このように、飛行軌道は目的の飛行経路だけでなく、目的の飛行経路に沿って通過するべき複数のウェイポイントの識別を含み得る。
飛行軌道はまた、航空機が複数のウェイポイントを通過するべき時間も含むことができる。飛行軌道が時間情報を含む時、飛行軌道は四次元(4D)飛行軌道と呼ぶことができる。飛行軌道が時間情報を含まない時は、飛行軌道は三次元飛行軌道と呼ぶことができる。
制御コマンド機能608は、生成された飛行軌道を航空機の現在の位置と現在の速度と比較する。制御コマンド機能608は、航空機が生成された飛行軌道から逸脱している及び/又は逸脱するか否か、また飛行経路の修正が必要か否かを判定する。飛行経路の修正とは、航空機が進んでいる現在の飛行経路及び/又は機首方位の変更である。
飛行経路の修正が必要な場合、制御コマンド機能608は飛行軌道及び速さの制御規則にしたがって飛行経路の修正を実行する制御コマンドを発信することができる。制御コマンドは、航空機の推進システムのスロットルの設定を変更する、及び/又は航空機の飛行操縦面を操作するように構成することができる。
ある実施例では、制御コマンド機能608によって発信された制御コマンドを、推進システム及び各飛行操縦面で実行する前に、コマンド変更機能610によってさらに処理することができる。具体的には、コマンド変更機能610は制御コマンドを、負荷及び/又は制限とも呼ばれる、ゲインを使用した飛行状態の機能として実行するように構成されていてよい。
例えば、コマンド変更機能610は、航空機が飛行経路から大幅に逸脱した時に、一以上の制御コマンドに高い負荷値を割り当てることができる。高い負荷値により、一以上の制御コマンドが高度に適切に実行され、これにより航空機が速やかに指定飛行経路に戻ることができる。
逆に、コマンド変更機能610は、航空機がわずかだけ飛行経路から逸脱した時は、一以上の制御コマンドに低い負荷値を割り当てることができる。上記の場合は、制御コマンドは徐々に実行され、これにより航空機の指定飛行経路への戻りはもっと緩やかで律動的なものとなり得る。さらに、制御コマンドは乗客の快適性、乗り心地、安全要因、及び/又はその他適切な要因を含むように実行することができる。
これらの実施例では、衝突防止モジュール604はフライトコントロールモジュール602と通信して、必要な場合に衝突を防止するために飛行中の航空機の飛行経路を変更することができる。図5の衝突防止コンピュータ512の衝突防止モジュール524を使用して、衝突防止モジュール604で実施される機能を実行することができる。
図示したように、システム600の衝突防止モジュール604は、フライトコントロールモジュール602によって提供される制御コマンドと競い合う回避コマンドを発信することができる。この方法では、回避コマンドにより、航空機の飛行軌道及び/又は飛行経路を変更して衝突を防止することができる。これらの実施例では、衝突防止モジュール604は軌道解析機能612、計算機能616、間隔範囲618、応答範囲620、及び回避変更機能622を含む。
軌道解析機能612は、通行する他の航空機の飛行経路に対して航空機の飛行経路を予測するように構成することができる。軌道解析機能612は、図5の交通センサ・インターフェース・モジュール528を介して交通センサ510から交通情報614を得ることができる。交通情報614は、通行する航空機の位置、速度、機首方位、機首方位の変化率、上昇率、降下率、速度の変化率、及び軌道を含むことができる。
その他の場合では、交通情報614は通行する特定航空機の飛行計画を含むこともできる。飛行計画には、通行する特定航空機の所定の飛行軌道が含まれる。すなわち、飛行計画は、通行する特定航空機の所定の飛行経路、及び所定の飛行経路に沿った異なるウェイポイントに関する時間を含むことができる。
例えば、通行する航空機が飛行計画を提出した場合、軌道解析機能612は例えば、地上ベースの制御局の飛行計画データベース等の地上の情報源から飛行計画を取得することができる。軌道解析機能612は取得した飛行計画から、通行する航空機が特定の時刻にいると思われる位置に関する詳細情報を得ることができる。
しかしながらその他の実施例では、通行する航空機の飛行管理システム(FMS)は、他の航空機に位置と変化率データを伝達することが可能である場合がある。これらの実施例では、軌道解析機能612は、通行する航空機から直接交通情報614を取得することもできる。
加えて、軌道解析機能612は、システム600が実行される航空機の予測飛行経路を軌道生成機能606から得ることができる。システム600が実行される航空機は、これらの実施例では自己航空機とも呼ぶことができる。
軌道解析機能612が様々な情報源から軌道データを受信すると、軌道解析機能612はデータを処理して目標の軌道情報を判別することができる。この目標の軌道情報は、自己航空機の位置、自己航空機の変化率、自己航空機の計画軌道、通行する各航空機の位置、通行する各航空機の変化率、及び通行する各航空機の計画軌道を含むことができる。本明細書に使用される、自己航空機と、通行する各航空機の変化率には、機首方位の変化率、上昇率、降下率、速度、及び速度の変化率が含まれうる。速度の変化率は加速度とも呼ばれる。
このように、軌道解析機能612は、データが提供された各航空機の予想飛行経路を予測することができる。軌道解析機能612は、計算機能616に予測軌道を送るように構成されていてよい。
計算機能616は、異なる航空機の予測軌道を処理し、間隔損失が識別された時に自己航空機に回避コマンドを送るように構成することができる。具体的には、異なる航空機の予測軌道を使用して、自己航空機と通行する各航空機の最接近点において通行する航空機のいずれかが自己航空機の所定の間隔境界を「侵害」するか否かを予測することができる。
例えば、通行する航空機の少なくとも1機が、通行する航空機と自己航空機の最接近点において間隔境界の内側にいると予測された場合、間隔境界が「侵害」されたと予測される。計算機能616がこのような予測をした時に、計算機能616は回避コマンドを発信するように構成することができる。
これらの回避コマンドは、予測最接近点において間隔境界が「侵害」されないように、自己航空機の飛行経路を先制的に変更することができる。このように、計算機能616は、航空機とその他の航空機との間の目標レベルの間隔を得るために必要な回避コマンドを発信する。さらに、衝突防止モジュール604と同様の衝突防止モジュールが、通行する各航空機に搭載されている可能性があり、必要な時に通行する各航空機に回避コマンドを発信することができる。
これらの実施例では、計算機能616は航空機の間隔境界の寸法を判定する間隔範囲618を使用する。ある実施例では、間隔範囲618により全方向に延びる最小間隔距離を画定することができる。この場合、間隔境界は球の形態であってよい。例えば、間隔境界は全方向における1マイルの間隔距離に基づいて確立することができる。すなわち、通行する航空機が、自己航空機と通行する航空機との間で予測される最接近点において、その航空機から1マイルよりも近い距離にあると予測された場合に、通行する航空機は自己航空機の間隔境界を「侵害」したと考える。
その他の実施例では、間隔範囲618は、その他の間隔境界の形状が可能になるように構成可能である。例えば、間隔範囲618により、すべての経度及び緯度方向に延びる半径と、すべての経度及び緯度方向から延びる全てのポイントの縦軸の固定距離を画定することができる。この場合、間隔範囲618は円筒状の空間を画定することができる。
当然ながら、その他の実施例では、間隔範囲618は例えば、楕円体、回転楕円体、半球体、立方体、八面体、及び/又はその他何らかの適切な三次元形状等のその他様々な三次元形状を画定するように構成可能である。つまり、三次元形状は対称でなくてもよい。
ある場合には、最接近点の予測における不確実性は方向に依存しうる。つまり、不確実性は航空機に対する異なる方向において異なっている可能性がある。この結果、間隔範囲618によって画定された形状は、航空機に対する異なる方向において最接近点の予測の不確実性が異なる時は、非対称であり得る。
さらに、間隔範囲618により、異なる種類の航空機に基づいて航空機の間隔境界の異なる三次元形状を画定することができる。例えば、自己航空機が特定の種類の航空機である場合、自己航空機と通行する最初の種類の航空機に対して画定された間隔境界は、自己航空機と通行する第2の種類の航空機に対して画定された間隔境界とは異なる可能性がある。
ある実施例として、間隔範囲618によって画定された間隔境界の三次元形状は、自己航空機のクラス及び/又は通行する航空機のクラスに基づくものであってよい。航空機のクラスは例えば、大型民間航空機、軽量の自家用機、ジェット、ヘリコプター、及び/又はその他何らかの好適なクラスの航空機であってよい。間隔境界の三次元形状は、自己航空機及び/又は通行する航空機の機動操作性だけでなく、自己航空機及び/又は通行する航空機の速さに基づいて画定することができる。
計算機能616はさらに、回避コマンドの生成において応答範囲620を使用するように構成可能である。応答範囲620により、回避コマンドが実施される迅速さを判定することができる。
例えば、自己航空機と通行する航空機との間の予測最接近点が、ある選択閾値とほぼ等しい自己航空機の現在位置からの距離、又はある選択閾値よりも長い自己航空機の現在位置からの距離において生じると予測された場合に、計算機能616が一以上の回避コマンドの提供を遅延させることができるように、応答範囲620を確立することができる。逆に、自己航空機と通行するビークルとの間の予測最接近点が、選択閾値よりも短い自己航空機の現在位置からの距離において生じると予測された場合に、計算機能616は自己航空機によって実行するための一以上の回避コマンドを直ちに提供することができる。
ある実施例では、計算機能616は最接近点(tcpa)までの時間を計算するように構成可能である。この時間は、最接近点までの到達時間とも呼ぶことができる。これらの実施例では、応答範囲620は時間の範囲を含むこともできる。例えば、最接近点に到達するまでにかかる時間がある選択閾値とほぼ等しい、又はある選択閾値よりも後の、今後の時間において生じると予測された場合、計算機能616は回避コマンドの実行を遅らせることができる。
例えば、最接近点に到達するまでにかかる時間は、所定の時間間隔を超える時間であることにより、選択閾値よりも遅い時間であってよい。この所定の時間間隔は例えば、秒、分、時間、及び/又はその他何らかの時間の増加に対する任意の種類の単位であってよい。
反対に、最接近点に到達するまでにかかる時間が切迫している。例えば、最接近点に到達するまでにかかる時間が例えば、所定の時間間隔が経過する前等の、ある選択閾値よりも早い時間に生じると予測された場合、計算機能616は回避コマンドをより迅速に提供して実行することができる。さらに、最接近点に到達するまでにかかる時間がマイナスである場合、最接近点はすでに生じ、航空機は相互から離れ去っている。この場合、回避コマンドはゼロに設定することができる。
このように、計算機能616は、複数の通行する航空機のそれぞれとの潜在的な衝突の切迫性に基づいて、回避コマンドの生成の優先順位を決定することができる。例えば、最接近点に到達するまでにかかる時間の計算と、応答範囲620における時間制限の実行は、最接近点までの到達時間が長い航空機間での衝突防止に好適であり得る。最接近点までのより長い到達時間は、相互に追尾しながら平行する経路に沿って近接レンジの編隊で飛行している、又はゼロに近い最接近点距離を有して相互から遠方レンジの軌道上を進んでいる2機の航空機間で予測されうる。
これらの実施例では、回避変更機能622は計算機能616が生成した一以上の回避コマンドにゲイン、又は回避負荷を割り当てるように構成することができる。回避負荷を使用して、回避及びステアリングコマンドの相対強度を確立することができる。
例えば、回避変更機能622は、長レンジの第1間隔境界層の低ゲインと、近接レンジの第2間隔境界層の高ゲインを含むことができる。この実施例では、第1間隔境界層は、遠レンジにおける小規模の経路修正を使用して間隔を実現することができる。またこの実施例では、第2境界層により、回避コマンドが高ゲインを使用して、近接レンジにおいてフライトコントロールモジュール602の制御コマンド機能608が発信した通常の制御コマンドを無効化ことが確実に可能になり得る。
この結果、回避計算機能616と回避変更機能622により、通行する航空機に接近した時に自己航空機が飛行経路を変更する傾向を増加させることができる。さらに当然ながら、回避変更機能622は各間隔境界及び通行する各航空機に対する回避コマンドに様々なゲインを割り当てるように構成することができる。
その他の実施例では、回避変更機能622はさらに回避コマンドの一部を選択的に実行するゲインを割り当てるように構成することができる。例えば、回避変更機能622は、航空機が所定の最低高度を下回る時は、航空機に急降下させる回避コマンドコンポーネントに負荷を割り当てないように構成することができる。これにより、航空機が望ましくない飛行経路の変更を行うことを防止することができる。ある実施例では、回避変更機能622は、例えば右又は左等の特定方向に航空機を方向転換させる回避コマンドコンポーネントにほぼゼロの負荷を割り当てるように構成することができる。
回避変更機能622はさらに、回避コマンドを制御制限で制約するように構成可能である。例えば、回避変更機能622は、飛行経路からの逸脱がごくわずかである時に回避コマンドが実行されないようにする制御制限を提供することができる。その他の実施例では、コマンド変更機能610と回避変更機能622はいずれも制御制限を使用して、航空機の極端な動き、又は航空機のフライトコントロールシステムのコマンドの飽和を防止することができる。
回避変更機能622により回避コマンドに必要なゲイン及び/又は制限が割り当てられると、回避コマンドは例えば図5のコマンド統合モジュール526に送られる。コマンド統合モジュール526は、統合コンポーネント623及びコマンド統合モジュール624によって実施される機能を実行することができる。
具体的には、統合コンポーネント623は制御コマンドに回避コマンドを適用し、これらの統合コマンドをコマンド統合モジュール624へ送る。上述したように、制御コマンドは制御コマンド機能608によって生成され、コマンド変更機能610によって変更される。
生成される回避コマンドには例えば、機首方位変化率の変更コマンド、上昇率又は降下率の変更コマンド、加速及び減速コマンド、及び/又は例えば早さ、高度、及び機首方位変更コマンド等のその他のステアリングコマンドが含まれうる。つまり、回避コマンドは、コマンド統合モジュール624の推進力の計算と飛行制御面の設定に作用するように構成可能である。
様々な実施形態では、コマンド統合モジュール624は回避コマンドを実行して、コマンド変更機能610によって重み付けされ制限されたように、制御コマンド機能608が発信した制御コマンドと競合させることができる。このように、衝突防止モジュール604は、衝突防止モジュール604が間隔境界の「侵害」が予想されると予測した時に、航空機の飛行経路を変更することができる。
加えて、コマンド統合モジュール624は制御コマンド機能608、及び軌道解析機能612に位置と変化率の読取値を供給することも可能である。さらに、位置及び変化率の読取値をオートパイロット506、フライトディレクタ508、及び/又はアビオニクスシステム500のその他何らかのシステムに送ることができる。次に制御コマンド機能608はフィードバックされた位置及び速度の読取値を使用して、上述した同じプロセスにおいてさらなる制御コマンドを生成することができる。同様に、軌道解析機能612はフィードバックされた位置及び速度の読取値を使用して、飛行軌道の予測を継続的にアップデートすることができる。
当然ながら、衝突防止モジュール604は、自己航空機と通行する航空機の飛行軌道を継続的に監視して、その航空機と他の航空機の最接近点による間隔境界の今後の「侵害」を予測するように構成することができる。この継続的な監視により、間隔損失が予測されるたびに航空機の飛行経路が確実に変更されるようにすることができる。
しかしながら、衝突防止モジュール604は、航空機と通行する航空機の飛行軌道が最接近点によって間隔境界がもはや侵害されることはないことを示す時に、回避コマンドの出力を終了することができる。このように、小規模の飛行経路の変更を継続的に行って、潜在的な衝突のリスクを軽減することができる。ある実施例では、衝突防止モジュール604は、パイロットが航空機を制御している時でさえも回避コマンドを生成することができる。
ここで、有利な実施形態による2機の航空機間の最接近点を予測するための方程式を示す図7を参照する。具体的には、第1航空機702と第2航空機704の最接近点を予測するための方程式の例が図示されている。これらの方程式は、図1の第1航空機104と第2航空機105の最接近点121の予測の一実行形態の一例である。さらに、図7は回避コマンドの生成も示す。
図7に示すように、第1航空機702と第2航空機704が一定速度で直線経路に沿って進むと仮定すると、第1航空機702と第2航空機704の最接近点は方程式:
で表すことができ、上記方程式において、
は最接近点ベクトルのベクトル706であり、
は、第1航空機702と第2航空機704との間の現在のレンジのベクトル708であり、
は、現在の時間から最接近点に到達するまでにかかる時間までの間に第1航空機702に対して第2航空機704が飛行する予測距離のベクトル710であり、
は、第1航空機702に対する第2航空機704の速度のベクトル712である。
更に、最接近点での時間は方程式:
で表すことができ、上記方程式において
は最接近点での時間であり、
は、第1航空機702と第2航空機704との間の、飛行すると予測される相対距離
のベクトル710のノルムを、第1航空機702に対する第2航空機704の速度、
のベクトルのノルムで割ったものである。
ビークル中心回避コマンド
の生成についての制御回避の制御法則は方程式:
が成り立ち、pは間隔境界層の数を表し、nは回避コマンドの生成に使用される通行する航空機の数を表す。
加えて、
は、自己航空機による評価段階にある、交通するそれぞれの航空機、nに対する、及び任意の複数の各間隔境界層pに対するそれぞれの制御方向
に適用される制御ゲインであってよい。加えて、
は一以上の回避コマンドの生成に使用される、対応する衝突防止コマンドコンポーネントを含む。
により選択可能であり、上記方程式において、
は、評価された各間隔境界層の目標間隔距離であり、これは最接近点(CPA)距離ベクトル
に沿って測定可能である。
制御ゲインが各制御方向において等しく、交通する各航空機に対して同じである場合、単一の回避ゲインは下記式:
したがってこの実施例において、回避コマンドは下記式:
さらに実施例では、評価段階にある交通する航空機が1機しかいない場合、つまり、n=1である場合、一つの間隔境界のみが評価対象となり(p=1)、回避コマンド、
は下記式:
に変換され、上記式において、
は、ゲイン又は制御負荷を含み、d
1は間隔境界層を構成するものであってよい目標間隔距離であり、
は、最接近点
のベクトルのノルムである。さらに、
は、最接近点の距離である。
図示したように、回避コマンド
により、最接近点の方向に沿って力又は回避コマンド
が提供され、これにより、第1航空機702と第2航空機704の最接近点
が増加する。さらに、上記方程式8によれば、最接近点距離
が次第に短くなるにつれ、回避コマンド
の大きさが比例的に増加する。
すなわち、これらの実施例では、図6の計算機能616は最接近点距離が縮小するにつれ、回避コマンドの大きさを増加させることができる。例えば、計算機能616は、航空機の推力を増加させる加速コマンドの形態の回避コマンドを提供することができる。
回避コマンド関数
は、自己航空機が最接近点に近づく時に制御コマンドを調節する指数関数、二次関数、又はその他の関数であってよい。その他の実施形態では、回避コマンド関数は例えば、相対速度及びレンジ等のその他のパラメータ及びベクトルの関数であってよい。
ある実施形態によれば、上に示す実例となる方程式は、多数の間隔境界層を確立するために実行可能である。各間隔境界層は、値、ゲイン、関数、及び間隔範囲の一意的なセットに基づいて維持することができる。さらに、間隔境界層は時間、距離、変化率、及びこれらの任意の組み合わせに基づいて確立することができる。
例えば、最接近点に到達するまでにかかる時間が特定の間隔範囲よりも短い場合に、時間的な境界層を確立することができる。例えば、回避コマンドの開始が自己航空機と任意の交通する航空機との間の相対変化率及びレンジの大きさの両方に基づく場合には、変化率及び距離の境界層を確立することもできる。さらに、間隔境界の目標間隔距離は、間隔境界の形状を確立する距離、及び基準方向
のセットを含むことができ、基準方向の各方向はそれ自体の回避ゲインを有していてよい。これに関しては、当然ながら自己航空機と交通する各航空機との間に複数の異なる間隔境界層をそれぞれ確立することができる。
ここで、有利な実施形態によるビークル中心防止システムを示す図8を参照する。この実施例では、ビークル中心衝突防止システム800は、フライトコントロールシステムを含むことができる。フライトコントロールシステムは、航空機が様々な目的地の間を移動する際に、航空機を所定の飛行軌道上に保つように構成することができる。
具体的には、フライトコントロールシステムのコンポーネントは、軌道生成機能802及びビークル応答機能804を含むことができる。ビークル中心衝突防止システム800はまた、衝突防止モジュール806も含むことができる。衝突防止モジュール806は、衝突防止を可能にするために軌道生成機能802によって得た飛行軌道を変更するように構成することできる。様々な実行形態によれば、軌道生成機能802及び/又はビークル応答機能804は図5で上述したように、一以上のナビゲーションシステム502、オートパイロット506、及びフライトディレクタ508によって実施可能である。
軌道生成機能802により、航空機の予測飛行軌道が作成される。具体的には、これらの飛行軌道は四次元軌道であってよい。軌道生成機能802は、交通情報808を使用して飛行軌道を予測する。ビークル応答機能804は、生成された飛行軌道を航空機の現在の位置及び速度と比較して全ての偏差を判別し、飛行経路に何らかの修正が必要であるか否かを判定するように構成可能である。
ビークル応答機能804は、軌道及び速さの制御法則、その他の制御法則、ビークル動力学、及び/又はその他の好適なパラメータにしたがって、生成された航空機の飛行軌道を実行する制御コマンドを作成することができる。生成された制御コマンドは、航空機のスロットル設定を変更して、及び/又は航空機の飛行制御面を操作して、航空機が軌道810に沿って飛行するように構成可能である。
衝突防止モジュール806は、航空機を軌道810に沿って飛ばすためにビークル応答機能804によって生成された制御コマンドによって飛行軌道が実行される前に、軌道生成機能802によって生成された航空機の飛行軌道を変更することができる。これらの実施例では、衝突防止モジュール806によって実行される機能を、図5に記載する衝突防止モジュール524によって実施することができる。
ここで、有利な実施形態による衝突防止モジュールを示す図9を参照する。この実施例では、図8の衝突防止モジュール806によって実行される異なる機能をさらに詳しく説明する。
図示したように、衝突防止モジュール806は軌道解析機能902を含む。軌道解析機能902は、交通するその他の航空機の飛行経路に対する航空機の飛行経路を予測するように構成可能である。軌道解析機能902は、図5の交通センサ・インターフェース・モジュール528を介して交通センサ510から交通情報816を取得することができる。
交通情報816は、交通する航空機の位置、速度、機首方位、及び軌道を含むことができる。その他の場合では、交通情報816はまた、交通する特定の航空機の飛行計画又は目的を含むこともできる。例えば、交通する航空機が飛行計画又はアップデートされた目的を申請した場合、軌道解析機能902はデータリンクを使用して、例えば飛行計画データベース等の中央情報源から、又は交通する航空機上の飛行管理システムから飛行計画を取得することができる。軌道解析機能902は飛行計画により、特定の時点における交通する航空機の位置に関する詳細情報を得ることができる。
加えて、軌道解析機能902は、軌道生成機能802から航空機の予測軌道を取得することができる。さらに、軌道解析機能902はまた、図5のオートパイロット506及び/又はフライトディレクタ508のうちの一つから航空機の位置及び速度データ904も取得することができる。
軌道解析機能902が様々な情報源から軌道、位置、及び速度データを受信すると、この機能はデータを処理して目標軌道情報を判定することができる。この軌道情報には、自己航空機の位置及び変化率;自己航空機の計画軌道;交通する各航空機の位置及び変化率;及び交通する各航空機の計画軌道が含まれていてよい。つまり、軌道解析機能902は、データが提供されている各航空機の予想飛行軌道を予測することができる。さらに、軌道解析機能902は予測軌道を計算機能906まで送るように構成可能である。
計算機能906は、航空機の予測軌道を処理し、航空機へ回避コマンドを提供するように構成可能である。具体的には、航空機の予測軌道を使用して、交通する航空機が2機の航空機間の最接近点において自己航空機の間隔境界を「侵害」するか否かを予測することができる。
例えば、交通する航空機が最接近点において間隔境界内にいると予測された場合、間隔境界は「侵害」されたと予測される。計算機能906が上記予測に至った時に、この機能が回避コマンドを発信するように構成可能である。回避コマンドは、航空機の飛行経路を先制的に変更して衝突のリスクを避けることができる。計算機能906によって生成された回避コマンドを使用して、第1航空機302の飛行経路307を図3の変更飛行経路314に変更することができる。
計算機能906は間隔範囲908を使用して、航空機の間隔境界を判定する。つまり、間隔範囲908により間隔境界の寸法を画定することができる。ある実行形態では、間隔範囲908により全方向に延びる最小間隔距離を画定することができる。上記実行形態において、間隔境界は球の形態であってよい。追加の実行形態において、間隔境界は時間、航空機の速度、航空機の運動変化率、及び距離パラメータに基づく複数の層から構成されるものであってよい。
計算機能906はさらに、回避コマンドの計算において応答範囲910を使用するように構成可能である。応答範囲910により、回避コマンドが実施される迅速さが決定されうる。例えば、応答範囲910は、自己航空機と交通する航空機との間の予測最接近点が、ある選択閾値とほぼ等しい、又はある選択閾値よりも長い、自己航空機の現在の位置からの距離において生じると予測された時に、計算機能906は一以上の回避コマンドの提供を遅らせることができるように確立することができる。反対に、自己航空機と交通する航空機との間の予測最接近点が、選択閾値よりも短い自己航空機の現在の位置からの距離において生じると予測された場合に、計算機能906は自己航空機によって実行される一以上の回避コマンドを直ちに提供することができる。
その他の実施形態では、応答範囲822は時間制限も含むことができる。例えば、最接近点が今後ずっと先で、例えば所定の時間間隔を超えて生じる可能性がある場合に、計算機能906は回避コマンドの実行を遅らせることができる。反対に、最接近点が例えば所定の時間間隔が終了する前等、時間的に切迫している場合、計算機能906は実行する回避コマンドをさらに迅速に提供することができる。
このように、計算機能906は交通する複数の航空機の各々との潜在的な衝突の切迫性に基づいて回避を開始することができる。例えば、計算機能906による応答範囲910としての時間制限の実行は、最接近点までの到達時間が長い航空機間での衝突回避に好適であり得る。最接近点までのより長い到達時間は、相互に追尾しながら平行する経路に沿って近接レンジの編隊で飛行している、又はゼロに近い最接近点距離を有して相互から遠方レンジの軌道上を進んでいる2機の航空機間で予測されうる。
回避修正機能912は、計算機能906によって生成された一以上の回避コマンドにゲイン、又は回避負荷を割り当てるように構成されていてよい。回避負荷
は、図7に示すように
で表すことができる。回避負荷を使用して、回避コマンドの強度を判定することができる。
回避修正機能912は、自己航空機と交通する航空機の最接近点が縮小するにつれ、一以上の回避コマンドのゲインを増加させることができる。例えば、間隔境界層の予測される侵害が遠レンジである時は、回避計算、範囲、及びゲインの第1セットは低ゲインの回避コマンドを使用して間隔を実現することができる。別の実施例では、間隔境界層の予測される侵害がせまっている場合に、回避計算、範囲、及びゲインの第2セットは高ゲインの回避コマンドを提供して、図8のビークル応答機能804によって発信される通常の制御コマンドを無効化することができる。
このように、計算機能906と回避修正機能912は、自己航空機が交通する航空機に近づいた時に飛行経路を変更する傾向をさらに強めることができる。さらに当然であるが、回避修正機能912は、侵害されている特定の間隔境界層に基づいて生成されたその他の回避コマンドに異なるゲインを割り当てるように構成することが可能である。
これらの実施例では、軌道修正機能914は軌道生成機能802が生成した飛行軌道を変更する調節アルゴリズムを含む。具体的には、軌道変更機能914は、回避修正機能912からの重み付けされた、また制限された回避コマンドに基づいて、軌道差分とも呼ばれる飛行軌道の変更を生成する。軌道修正機能914は、軌道差分を生成された軌道と統合して、新たな修正軌道を作成することができる。
ある実施例では、回避修正機能912は、機首方位、機首方位変化率、上昇率及び降下率、速さ、加速度、及び/又は減速度を変更する回避コマンドを出力することができる。回避コマンドはその後、航空機のステアリング法則だけでなく、ステアリングコマンドに対する航空機の期待応答に基づいて、差分軌道コマンドに変換される。
例えば、航空機のステアリング法則は、ゲインKを用いて比例制御法則に基づき、機首方位の変更を機首方位変化率コマンドに変換するように構成可能である。上記の場合には、自己航空機の間隔境界が交通する航空機によって侵害されると予測される時、軌道修正機能914のステアリング調節アルゴリズムは、衝突防止機首方位変化率コマンドをKで割ることによって、機首方位差分又は変化を作成することができる。この場合、ステアリング法則はこの結果を再び機首方位変化率コマンドに変換する。
別の実施例では、軌道生成機能802によって生成された所定の軌道がウェイポイントのセットを含む時、軌道修正機能914は一以上の回避コマンドに基づいて軌道の次のウェイポイントを移動させる調節アルゴリズムを含むことができる。このように、目標の機種方位変更を作成して、間隔境界が侵害された場合に衝突防止を可能にすることができる。
軌道修正の次に、新たな修正軌道916を図8のビークル応答機能804に送って実行することができる。ビークル応答機能804は、ステアリング法則とビークル応答を含むことができる。このように、衝突防止モジュール806は、図4に記載したように、航空機の制御コマンドを修正する必要なく衝突防止を可能にすることができる。すなわち、衝突防止モジュール806は、航空機のステアリング及びフライトコントロール機能とは別の、例えば軌道生成機能802とビークル応答機能804とは別の分離した機能として実行可能である。
当然ながら、衝突防止モジュール806は、自己航空機と交通する航空機の軌道を継続的に監視して、航空機間の最接近点回避計算を使用して、間隔境界の今後の「侵害」を予測するように構成可能である。軌道修正機能914は応答において、「侵害」が起きると予測された時にいつでも、飛行軌道の調節を継続的に行って、航空機間の適切な間隔が保たれるようにすることができる。
ここで、有利な実施形態による動的軌道ジェネレータを示す図10を参照する。この実施例では、動的軌道ジェネレータ1002は、複数の航空機に「十分距離が離れた」飛行軌道を提供する地上ベースの軌道ジェネレータであってよい。航空機の、十分距離が離れた飛行軌道とは、間隔境界の潜在的な侵害が起きないと予測される飛行軌道である。つまり、動的軌道ジェネレータ1002によって提供される航空機の軌道は、常に航空機間で目標レベルの間隔を保つように構成されている。
具体的には、ビークルの動力学、各ビークルの間隔制御法則又は機構、及び風予測のモデルを含むシミュレーションを介して個別では最適だが衝突する軌道を実行することによって、十分距離が離れた軌道を生成することができる。これらの軌道を動的軌道ジェネレータ1002で処理することによって、十分に距離が離れた軌道が得られる。
例えば、動的軌道ジェネレータ1002は、交通情報1004、間隔範囲1006、応答範囲1008、ルック・アヘッド・タイム1010、風予測1012、及び航空機モデル1014を含むデータを受信するように構成可能である。その後、動的軌道ジェネレータ1002は最接近点の計算に基づいて複数の航空機の飛行軌道を生成することができる。これらの飛行軌道は、三次元軌道だけでなく、特定時点の航空機の位置を示す四次元軌道を含むことができる。
交通情報1004は、交通する複数の航空機の位置及び飛行軌道を含むことができる。これらの実施例では、交通情報1004は、交通警報衝突防止装置(TCAS)、自動従属監視(ADS)システム、地上の航空管制(ATC)システム、又は航空機搭載の航空交通監視センサシステム、及びその他の航空交通探知システムから受信した交通データを含むことができる。その他の実施形態では、交通情報1004は、飛行計画の飛行軌道、現在の航空機の位置及び速度から予測される飛行軌道、及びその他所定の飛行軌道を含むことができる。
間隔範囲1006により、複数の航空機の間隔境界の寸法を画定することができる。ある実施例では、間隔範囲1006により、全方向に延びる各航空機の最小間隔距離を画定することができる。上記実行形態では、間隔境界は球の形態であってよい。
例えば、間隔境界は全方向における1マイルの間隔距離に基づいて確立することができる。この実施例では、通行する航空機が最接近点において1マイルよりも近い距離にいる場合に、通行する航空機は間隔境界を「侵害」したと見なす。その他の実施例では、間隔範囲1006は上述したように、その他の間隔境界形状だけでなく、多重間隔層を提供するように構成可能である。
応答範囲1008により、回避コマンドが実施される迅速さを判定することができる。ある実施例では、応答範囲1008は回避コマンドを実行する時間範囲を含むことができる。
ルック・アヘッド・タイム1010は、動的軌道ジェネレータ1002が複数の航空機の飛行軌道を生成する特定の計画対象期間を含む。風予測1012は、動的軌道ジェネレータ1002が使用して飛行軌道を描画することができる風データを含む。ある実施例では、風予測1012は、例えば、METAR予報、国立気象局(NWS)のターミナル飛行場予報(TAF)等の航空気象予報だけでなく、その他の気象予報情報源から入手可能である。
航空機モデル1014は航空機のパーフォーマンスデータを含むことができる。上記パーフォーマンスデータは航空機のステアリング法則、航空機の制御法則、及びパーフォーマンス動力学及びケーパビリティを含むことができる。
動的軌道ジェネレータ1002は、交通情報1004、間隔範囲1006、応答範囲1008、ルック・アヘッド・タイム1010、風予測1012、及び航空機モデル1014を使用してシミュレーションを行い、複数の航空機に対して十分距離が離れた飛行軌道を生成することができる。例えば、動的軌道ジェネレータ1002は交通情報1004から生成された飛行軌道を使用して、複数の航空機が最接近点において、間隔範囲1006によって決定された所定の間隔境界を「侵害」すると予想されるか否かを予測することができる。
これらの予測に基づいて、動的軌道ジェネレータ1002は飛行軌道を変更して、これらの間隔境界の侵害を防止する、十分距離が離れた軌道を生成することができる。様々な実行形態では、シミュレーションは図7に示す実例となる方程式を使用して行うことができる。さらに、動的軌道ジェネレータ1002は応答範囲1008を使用して軌道の変更を調整することができる。ある実行形態では、動的軌道ジェネレータ1002は風予測1012も考慮に入れる場合がある。例えば、軌道の変更は風予測1012を使用して修正し、飛行軌道に対する風の好ましくない影響に対応する、及び/又は好ましくない影響を無効にすることができる。さらなる実施形態では、動的軌道ジェネレータ1002は、航空機モデル1014を考慮に入れて、航空機のパーフォーマンスケーパビリティに順応した飛行軌道を構成することも可能である。
複数の航空機に対して十分距離が離れた軌道が判定されたら、動的軌道ジェネレータ1002は航空機モデル1014を使用して、十分距離が離れた軌道を制御コマンドに翻訳して、複数の航空機の各航空機内で実行することができる。制御コマンドは、機首方位変化率の変更コマンド、上昇又は降下率変更コマンド、加速及び減速コマンド、及び例えば速さ、高度、及び機首方位変更コマンド等のその他のステアリングコマンドを含むことができる。
あるいは、動的軌道ジェネレータ1002は、各航空機に搭載されたオートパイロット又は飛行管理システムで実行するために、飛行軌道を航空機へ提供することができる。例えば、飛行軌道を航空機1016、航空機1018、航空機1020、及び航空機1022へ提供することができる。当然であるが、現在の航空機の状態情報及び推奨軌道又は目的を使用して、特定の計画対象期間に動的軌道ジェネレータ1002によって継続的にシミュレーションを行うことができる。
ここで、有利な実施形態による航空機の衝突回避を可能にするシステムを示す図11を参照する。この実施例では、システム1100はフライトコントロールモジュール1102及び衝突防止モジュール1104を含む。フライトコントロールモジュール1102は、図5の一以上のナビゲーションシステム502、オートパイロット506、及び/又はフライトディレクタ508を使用して実行することができる。さらに、衝突防止モジュール1104は図5の衝突防止モジュール524、図6の衝突防止モジュール604、及び/又は図8の衝突防止モジュール806を使用して実行することができる。
この実施例では、フライトコントロールモジュール1102及び衝突防止モジュール1104に図示されている制御回路を使用して、システム1100が実行される航空機の高度を制御する上昇加速コマンドが生成される。
図示したように、フライトコントロールモジュール1102は、減算器1109を使用して現高度コマンド1108から実測高度1106を減算して結果1110を引き出す。実測高度1106は、航空機に搭載されたセンサを使用して検出された及び/又は測定された航空機の高度であってよい。
現高度コマンド1108は、航空機のパイロット及び/又は航空機のオートパイロットによって現在選択されている航空機の高度である。例えば、現高度コマンド1108は、アビオニクスシステム500が実行される航空機のオートパイロット506、フライトディレクタ508、及び/又は航空機のパイロットによって生成されうる。
結果1110は高度補正コンポーネント1112へ送られる。高度補正コンポーネント1112は航空機の上昇加速コマンド1114を生成する。この実施例では、上昇加速コマンドとは、目標上昇加速度に到達するために航空機の飛行制御面のアクチュエータに送られるコマンドである。さらに、この実施例では、高度補正コンポーネント1112における補正はゲイン、kaに設定することができる。
目標上昇加速度とは、航空機に現高度コマンド1108によって表示される高度まで上昇させる又は降下させる加速度である。このように、上昇加速コマンド1114は、実測高度1106と現高度コマンド1108の偏差を埋めるために、航空機に目標加速度で上昇又は降下させるものである。
上昇加速コマンド1114に第1制限関数1116が適用されて、第1制限加速コマンド1118が生成される。第1制限関数1116により上昇加速コマンド1114が制限される。ある実施例として、第1制限関数1116を、航空機の飛行中に起こりうる乗客の乗り心地の悪さを軽減する及び/又はなくすように設定することができる。
この実施例では、実測上昇率1120とは、航空機に搭載されたセンサを使用して検出された及び/又は測定された航空機の上昇率である。減算器1123を使用して現上昇率コマンド1122から実測上昇率1120を減算して結果1124を引き出す。
現上昇率コマンド1122とは、航空機のパイロット及び/又は航空機のオートパイロットによって現在選択されている航空機の上昇率である。例えば、現上昇率コマンド1122は、アビオニクスシステム500が実行される航空機のオートパイロット506、フライトディレクタ508、及び/又はパイロットによって生成されうる。
図示したように、結果1124は上昇率補正コンポーネント1126へ送られる。上昇率補正コンポーネント1126は、航空機の上昇加速コマンド1128を生成する。この実施例では、上昇率補正コマンド1126における補正はゲイン、krに設定することができる。上昇加速コマンド1128は、実測上昇率1120と現上昇率コマンド1122の差を埋めるために、航空機に目標加速度で上昇又は降下させるものである。
この実施例では、上昇加速コマンド1128に第2制限関数1130を適用して、第2制限加速コマンド1132を生成する。第2制限関数1130は上昇加速コマンド1114を制限するものである。
実測高度1106と実測上昇率1120が単一の応答規模を有すると考えられ、高度補正ゲインがkaに設定され、上昇率補正ゲインがkrに設定された時、現高度コマンド1108に対する無制限の応答は下記方程式:
のように簡易化することができる。上記方程式において、高度は実測高度1106であり、高度コマンドとは現高度コマンド1108である。
この実施例では、衝突防止モジュール1104の上昇高度コンポーネント1134も実測上昇率1120を使用する。上昇高度コンポーネント1134は、実測上昇率1120と、その航空機と交通する航空機として識別された別の航空機の最接近点に到達するまでにかかる時間を使用して、上昇高度距離1136を生成する。この実施例では、最接近点に到達するまでにかかる時間とは、現在の時間と最接近点が生じると予測される時間との間の時間間隔である。
上昇高度距離1136は、実測上昇率1120が測定される現在の時間と最接近する時間との間の時間間隔において上昇すると予測される高度距離であってよい。ある実施例では、上昇高度距離1136はマイナスの値であってよい。この場合、航空機は上昇した高度距離分だけ降下すると予測される。
衝突防止モジュール1104の加算器1138により、上昇高度距離1136が実測高度1106に加算されて、予測高度1140が生成される。予測高度1140とは、その航空機と交通する航空機の最接近点の時点におけるその航空機の予測される高度である。
図示したように、衝突防止モジュール1104の減算器1142により、予測高度1140から予測交通高度1144が減算されて、すれ違い距離1146が生成される。予測交通高度1144とは、交通する航空機の予測された高度である。予測交通高度1144は、交通する航空機が取得した飛行計画、トラッキングデータ、センサデータ、交通する航空機の衝突防止システムから受信した情報、交通する航空機からの共有データ、及び/又はその他の好適な情報に基づくものであってよい。
すれ違い距離1146とは、最接近点の時点において予測される航空機と交通する航空機との間の高度の距離である。すれ違い距離1146がこの実施例においてプラスである場合、交通する航空機はその航空機の下にいる可能性がある。すれ違い距離1146がマイナスである場合、交通する航空機はその航空機の上にいる可能性がある。
絶対値コンポーネント1148は、すれ違い距離1146を使用して絶対すれ違い距離1150を生成する。絶対すれ違い距離1150とは、この実施例におけるすれ違い距離1146の絶対値である。
この実施例では、衝突防止モジュール1104により、すれ違い距離1146は目標レベルの間隔をもたらすか否かが判定される。具体的には、目標レベルの間隔とは、例えば図1の規定レベルの間隔140等の規定レベルの間隔である。つまり、衝突防止モジュール1104は、すれ違い距離1146が少なくとも規定レベルの間隔をもたらす距離と実質的に等しいものであるか否かを判定する。
図示したように、衝突防止モジュール1104は必要距離1152と不確実性1154を使用して、規定レベルの間隔の距離を識別する。不確実性1154とは、予測される最接近点の時点の予測高度1140の計算に含まれる不確実性の推定値である。
衝突防止モジュール1104は、不確実性1154にゲイン1156を適用して結果1158を得る。加算器1160を使用して結果1158を必要距離1152に加算して安全距離1162を得る。安全距離1162を次に、定常状態コンポーネント1164の定常状態応答ゲインで割って、規定距離1166を引き出す。規定距離1166とは、目標となる規定レベルの間隔の境界線を画定する距離である。
この実施例では、定常状態応答ゲインは下記方程式:
が成り立ち、Cは定常状態応答ゲインであり、K
pは比例ゲインであり、K
1は積分ゲインであり、bは積分リークゲインであり、sは複素変数である。
この実施例では、衝突防止モジュール1104は減算器1167を使用して、規定距離1166から絶対すれ違い距離1150を減算して結果的な距離1168を得る。衝突防止モジュール1104は関数1170を使用して結果的な距離1168を処理する。
具体的には、関数1170は結果的な距離1168がゼロよりも大きいか否かに基づいて、回復距離1172を生成する。回復距離1172とは、目標レベルの間隔を得るためにさらに必要な距離である。結果的な距離1168が実質的にゼロに等しい、又はゼロ未満である時は、回復距離1172はゼロ又はヌル値であってよい。つまり、結果的な距離1168が実質的にゼロに等しい、又はゼロ未満である時は目標レベルの間隔が存在する。
結果的な距離1168がゼロより大きい場合は、回復距離1172は目標レベルの間隔を回復するのに必要な距離と等しいプラスの値である。つまり、結果的な距離1168がゼロよりも大きい場合、最接近点の時点において目標レベルの間隔はないものと予測される。
この実施例では、回復距離1172は上昇率コマンドコンポーネント1174を使用して処理される。上昇率コマンドコンポーネント1174は、すれ違い距離1146の符号を回復距離1172に適用して、この値を2機の航空機が最接近点に到達するまでにかかる時間で割って、上昇率コマンド1176を生成する。
プラスの値の上昇率コマンド1176は、目標レベルの間隔を持つために航空機が上昇する必要があることを示す。上昇率コマンド1176のマイナスの値は、目標レベルの間隔を持つために航空機が降下する必要があることを示す。上昇率コマンド1176の値がゼロであることは、目標レベルの間隔がすでにあるということを示す。
図示したように、上昇率コマンド1176に第4制限関数1178を適用して、上昇率制限コマンド1180を生成する。第4制限関数1178は、このコマンドが原因で航空機が目標よりも速く上昇又は降下しないようにするものである。
ある実施例では、間隔損失が予測される時に、第4制限関数1178を第1制限関数1116及び/又は第3制限関数1190よりも大きい値に設定して、上昇率制限コマンド1180の定常状態コマンドを作成することができる。
上昇率制限コマンド1180は、間隔補正コンポーネント1182に送られる。間隔補正コンポーネント1182は、上昇率制限コマンド1180を使用して上昇加速コマンド1184を生成する。上昇加速コマンド1184は、目標レベルの間隔が最接近点の時点において見られると予測されるか否かを考慮に入れている。
この実施例では、上昇加速コマンド1184が上昇加速コマンド1114よりも大きくなるように第4制限関数1178を設定することができる。このように、航空機は現高度コマンド1108に反して、現在の経路を離れるように制御することができる。
この実施例では、上昇加速コマンド1184、上昇加速コマンド1114、及び上昇加速コマンド1128を加算器1186を使用して加算して、確定上昇加速コマンド1188を生成する。第3制限関数1190を確定上昇加速コマンド1188に適用して確定制限上昇加速コマンド1192を生成する。第3制限関数1190は、航空機の最高の安全性能の値に設定することができる。つまり、第3制限関数1190は、確定上昇加速制限コマンド1192が原因で航空機が好ましくない方法で機動操作されることがないように、確定上昇加速制限コマンド1192を制限することができる。
確定上昇加速制限コマンド1192は例えば、航空機のオートパイロット、及び/又は航空機の飛行管理システムに送ることができる。これにより、確定上昇加速制限コマンドが航空機の確定制御コマンドとなる。これらのシステムは、確定上昇加速制限コマンド1192を使用して航空機の飛行制御面のアクチュエータを制御することができる。
図示したように、航空機応答コンポーネント1194は、確定上昇加速制限コマンド1192に対する航空機の実際の応答である。この制御システムにおいては、航空機応答コンポーネント1194の出力は、航空機の実際の上昇率1195及び実際の高度1196であってよい。センサコンポーネント1197は航空機の上昇率を計測して、実測上昇率1120を生成することができる。センサコンポーネント1198は航空機の高度を計測して、実測高度1106を生成することができる。
この実施例では、第1制限関数1116、第2制限関数1130、第3制限関数1190、及び第4制限関数1178を調節して、確定上昇加速コマンド1188の目標値を得ることができる。具体的にはこれらの値を調節して、確定上昇加速コマンド1188を形成するのに使用する異なる上昇加速コマンドに目標制限を課すことができる。
このように、システム1100により、最接近点での予測すれ違い距離が航空機と交通する航空機との間に目標レベルの間隔をもたらさない時に、航空機が飛行経路を変更するケーパビリティが得られる。
ここで、有利な実施形態による間隔補正コンポーネントを示す図12を参照する。この実施例では、図11の間隔補正コンポーネント1182をより詳細に示す。
図示したように、間隔補正コンポーネント1182は、比例ゲイン1202、積分ゲインコンポーネント1204、積分リークゲイン1206、及び加算器1208を含む。この実施例では、減算器1209を使用して図11の上昇率制限コマンド1180から積分リークゲイン1206の出力を減算して、結果1210を生成する。積分ゲインコンポーネント1204を結果1210に適用して結果1211を生成する。結果1211に積分リークゲイン1206を適用して、出力1212を生成し、上昇率制限コマンド1180からこの出力1212を減算する。
さらに、上昇率制限コマンド1180に比例ゲイン1202を適用して結果1214を生成する。結果1211と結果1214を加算器1208を使用して加算し、図11に記載する上昇加速コマンド1184を形成する。
図11のシステム1100と、図11及び12の間隔補正コンポーネント1182により、回復距離1172を第4制限関数1178によって制限される出力変化率に統合することができる。上昇加速コマンド1184は、航空機に現高度コマンド1108によって指示された高度から離れるように指示することができる。しかしながら、上昇加速コマンド1184は、上昇加速コマンド1114が第1制限関数1116によって識別された限界に達した時に、上昇加速コマンド1114と競合し、上昇加速コマンド1114を無効化することができる。
あるいは、上昇加速コマンド1114のゲインをゼロに設定する、又は、衝突防止モジュール1104によって生成された上昇加速コマンド1184により目標レベルの間隔が回復可能になるように上昇加速コマンド1114を制限することによって、衝突防止モジュール1104によって提供されたフィードバックが上昇加速コマンド1114を無効化するように構成可能である。
これらの実施例では、規定距離1166に対するすれ違い距離1146の移動応答関数は下記方程式:
さらに、高度補正が制限された場合、移動応答関数は
2機の航空機が空域を飛行している時、2機間の最接近点に到達するまでの時間は初期には長くてよい。この結果、移動応答関数は下記方程式:
ある実施例では、積分ゲイン、K1は下記:
積分リークゲイン、bがゼロに設定された場合、移動応答関数は
この関係を用いて比例ゲイン、Kpを設定して、目標レベルの間隔保持における応答の時定数を確立することができる。例えば、ある実施例では、積分リークゲイン、bは下記:
が成り立ち、上記方程式において定常状態応答ゲインは下記:
この実施例では、比例ゲイン、Kpはkrの係数として表すことができる。具体的には、
が得られ、上記式においてkはk
rの選択ゲイン係数である。
この実施例では、定常状態応答ゲインは1未満である。この結果、定常状態コンポーネント1164を使用して安全距離1162を定常状態応答ゲインで割った時に、規定距離1166を安全距離1162の長さよりも大きい値に設定することができる。
規定距離1166を長くすることで、航空機が回避機動操作を行って現在の飛行経路を変更し、それから目的飛行軌道を保つために現行の飛行状態に戻すことを何度も繰り返すことが防止されうる。具体的には、規定距離1166は定常状態がこの境界線内で保たれるように設定される。
これらの実施例では、比例ゲイン、Kpが増加すると、衝突防止モジュール1104の定常状態エラーが減少し、最接近点の時点においてないと予測される目標レベルの間隔に到達するための機動操作の応答性が上がる可能性がある。
加えて、これらの実施例では、航空機の確定上昇加速制限コマンド1192に対する応答が期待応答となるように、衝突防止モジュール1104で使用される複数のパラメータを選択することができる。例えば、結果として得られる上昇率補正コンポーネント1174のゲインも制限されるように、最接近点に到達するまでの時間の値を制限することができる。
別の実施例として、航空機が確定上昇加速制限コマンド1192に対して望ましい方法で応答するように、比例ゲインKp、積分ゲインK1、及び選択ゲイン係数kを選択することができる。当然ながら実行形態によっては、航空機の機動操作が要望通りになるように、衝突防止モジュール1104は、衝突防止モジュール1104内の異なるコンポーネントに対し任意の数のパラメータの値及び/又は範囲で構成することができる。
図11のシステム1100と、図12の間隔補正コンポーネント1182の図は、物理的又はアーキテクチャ制限を暗示するように意図されたものではなく、有利な実施形態が実行可能である。他のコンポーネントを説明したものに加えて、又はそれの代わりに用いてもよい。あるコンポーネントは不必要である場合がある。さらに、システム1100は高度に関して示したが、その他の方向での補正も同様の形で実行することができる。
ここで、有利な実施形態による2機の航空機間の接近遭遇を示す図13を参照する。この実施例では、航空機1300と交通する航空機1302は空域を飛行している。
図示したように、レンジベクトル1304、Rの大きさは、航空機1300と交通する航空機1302との間の現在の距離を示す。すれ違い距離ベクトル1306の大きさは、航空機1300と交通する航空機1302について予測される最接近点でのすれ違い距離である。つまり、すれ違い距離ベクトル1306の大きさとは、最接近点での航空機1300と交通する航空機1302との間の予測される距離である。さらに、相対速度ベクトル1308、Vrelの大きさは、交通する航空機1302に対する航空機1300の速さである。
この実施例では、相対速度ベクトル1308の方向を変更してすれ違い距離を増加することができる。例えば、航空機1300を、ベクトル1310の方向及びベクトル1312の方向、(Vrel×R)を統合して機動操作してもよい。これら2つのベクトル、ベクトル1310及びベクトル1312はこの実施例においては直交ベクトルである。ベクトル1312は、相対速度ベクトル1308とレンジベクトル1304のクロス乗積ベクトル、又はVrel×Rである。ベクトル1310は、相対速度ベクトル1308とベクトル1312のクロス乗積ベクトル、又はVrel×Vrel×Rである。
ベクトル1310の方向は、すれ違い距離ベクトル1306の方向と実質的に同じであってよい。ベクトル1310の方向において航空機1300の相対速度を変えることによって航空機1300の飛行経路を変更し目標レベルの間隔を得るのに必要な速度変更は、ベクトル1312の方向において航空機1300の相対速度を変更する時よりも小さくてよい。
さらに、ベクトル1312の方向において航空機1300の相対速度の方向を変更することによって、航空機1300の相対運動が交通する航空機1302周囲でのらせん運動となり得るため好ましくない。ある実施例では、ベクトル1310の方向は飛行している時には方向が制約されている場合がある。この場合、制約が除かれるまで航空機はベクトル1312の方向に機動操作されうる。
当然ながら、航空機の機動操作の方向を選択するときにはその他の要因も考慮される可能性がある。例えば、航空機はある特定方向において他の方向に比べより迅速に速度を変更できる場合がある。例えば、航空機は旋回するのに比べてより効率的に降下することができる場合がある。
ここで、有利な実施形態による別の2機の航空機間の接近遭遇を示す図14を参照する。この実施例では、航空機1400と交通する航空機1402との接近遭遇は、すれ違い距離がゼロの接近遭遇である。つまり、最接近点に到達する時点での航空機1400と交通する航空機1402との間の予測される距離はほぼゼロであり得る。
図示したように、航空機1400は速度ベクトル1404、Vを有する。交通する航空機1402は速度ベクトル1406、Vtrafficを有する。さらに、相対速度ベクトル1408の大きさは、交通する航空機1402に対する航空機1400の相対速さである。レンジベクトル1410、Rの大きさは、航空機1400と交通する航空機1402との間の現在の距離である。
この実施例では、相対速度ベクトル1408がゼロに近い、又は相対速度ベクトル1408とレンジベクトル1410が実質的に整列している、またはほぼ整列している時に、相対速度ベクトル1408とレンジベクトル1410のクロス乗積ベクトル、Vrel×R、及び相対速度ベクトル1408のクロス乗積ベクトルと、相対速度ベクトル1408とレンジベクトル1410のクロス乗積ベクトル、Vrel×(Vrel×R)は実質的にゼロである、又はゼロに近い可能性がある。Vrel×Rがほぼゼロに近い場合、Vrel×Rがゼロに近い値でなくなるまで、相対速度ベクトル1408の代わりに航空機1400の速度ベクトル1404を使用することができる。
目標レベルの間隔を得るために、航空機1400はベクトル1412の方向とベクトル1414の方向を統合した方向に移動することによって、飛行経路を変更することができる。ベクトル1414は、レンジベクトル1410と速度ベクトル1404のクロス乗積ベクトル、又はR×Vである。ベクトル1412は、レンジベクトル1410とベクトル1414のクロス乗積、又はR×(R×V)である。この実施例において、好適な方向はベクトル1412の方向であってよい。
ここで、有利な実施形態による2機の航空機間の接近遭遇を示す図15を参照する。この実施例では、航空機1500と航空機1502の接近遭遇は、相対速度ゼロの接近遭遇である。すなわち、航空機1500と航空機1502との間の相対速さは実質的にゼロである。
例えば、航空機1500と航空機1502が実質的に平行の飛行経路に沿って移動していてよい。図示したように、航空機1500は速度ベクトル1504、Vを有し、航空機1502は速度ベクトル1506、Vtrafficを有する。
この実施例では、速度ベクトル1504及び速度ベクトル1506は、実質的に同じ大きさ及び実質的に同じ方向を有する。つまり、航空機1502に対する航空機1500の相対速度はこの実施例では実質的にゼロである。図示したように、レンジベクトル1508、Rの大きさは、航空機1500と航空機1502との間の現在の距離である。
目標レベルの間隔を得るために、航空機1500はベクトル1510、RX(R×V)の方向とベクトル1512、R×Vの方向を統合した方向に移動することによって、飛行経路を変更することができる。この実施例において、好適な方向はベクトル1510の方向であってよい。ベクトル1512は、レンジベクトル1508と速度ベクトル1504のクロス乗積ベクトル、又はR×Vである。ベクトル1510は、レンジベクトル1508とベクトル1512のクロス乗積、又はR×(R×V)である。
ある場合には、好適な方向は速度ベクトル1504を乗算した航空機1500のレンジベクトル1508と速度ベクトル1504のドット積の符号であってよい。このように、航空機1500は交通する航空機1502とすれ違う、又は交通する航空機1502の後ろを通ることができる。
ここで、有利な実施形態による2機の航空機間の接近遭遇を示す図16を参照する。この実施例では、航空機1600と航空機1602との間の接近遭遇は、正面又は追い越し接近遭遇であってよい。つまり、航空機1600と航空機1602は互いに向かって飛行していてよい。
この実施例では、航空機1600は速度ベクトル1604、Vを有し、航空機1602は速度ベクトル1606、Vtrafficを有する。相対速度ベクトル1608の大きさは、航空機1602に対する航空機1600の相対速さである。レンジベクトル1610、Rの大きさは、航空機1600と航空機1602との間の現在の距離である。
この種の接近遭遇では、相対速度ベクトル1608とレンジベクトル1610のクロス乗積、又はVrel×Rと、レンジベクトル1610と速度ベクトル1604のクロス乗積、又はR×Vはいずれも実質的にゼロである。この結果、ベクトル1612、R×(−R×Z)の方向、及びベクトル1614、R×Zの方向を使用して機動操作を行い、目標レベルの間隔を得ることができる。ベクトル1614は、レンジベクトル1610とZ方向のマイナスのクロス乗積である。ベクトル1612は、レンジベクトル1610とベクトル1614のクロス乗積である。
ここで、有利な実施形態による空域を飛行している2機の航空機を示す図17を参照する。この実施例では、航空機1700と航空機1702は空域1704を飛行している。相対速度ベクトル1706の大きさは、航空機1702に対する航空機1700の相対速さである。レンジベクトル1708の大きさは、航空機1700と航空機1702との間の現在の距離である。
この実施例では、航空機1700の間隔境界1710が画定されている。航空機1700は現在、間隔境界1710内の位置1705にいる。通常、航空機1700と航空機1702の最接近点に到達するまでの時間がマイナスの時は2機の航空機が相互から離れて移動していることを示し、航空機を機動操作するために生成される回避コマンドはゼロコマンドであってよい。
しかしながら、航空機1702が間隔境界1710内にいる時は、航空機1700からさらに離れるように機動操作することが望ましくあり得る。具体的には、航空機1702は変更相対速度1714ベクトルを使用して、最接近点に到達するまでの時間と、衝突防止コマンドを生成するのに使用できるその他のパラメータを計算することができる。変更相対速度ベクトル1714は、最接近点に到達するまでの時間をプラス又はゼロに保つように選択される。つまり、変更相対速度ベクトル1714は、最接近点に到達するまでの時間を非マイナスに保つために選択される。具体的には、
が成り立ち、上記式において、d
minは航空機1700と航空機1702の間の目標レベルの間隔の最小距離であり、V
relは相対速度ベクトル1706であり、Rはレンジベクトル1708であり、V
rel_modは変更相対速度ベクトル1714である。この実施例では、最小距離、d
mは間隔境界1710を画定する。
ここで、有利な実施形態によるビークルを管理するプロセスのフロー図を示す図18を参照する。図18に示すプロセスは、図1の間隔管理モジュール112を使用して実行可能である。
このプロセスは、第1ビークルの第1経路を識別することによって開始される(操作1800)。このプロセスは次に、第2ビークルの第2経路を識別する(操作1802)。第1経路は、第1ビークルの速度を含む。第2経路は、第2ビークルの速度を含む。
このプロセスは次に、第1経路に沿って移動している第1ビークルと、第2経路に沿って移動している第2ビークルの最接近点を予測する(操作1804)。第1ビークルと第2ビークルの最接近点は、第1ビークルが継続的に第1経路に沿って移動し、第2ビークルが継続的に第2経路に沿って移動した場合に、第1ビークルと第2ビークルの間の距離が最小値になったときに生じると予測される。
その後、このプロセスは最接近点での第1ビークルと第2ビークルのすれ違い距離を識別する(操作1806)。このプロセスは次に、第1ビークルと第2ビークルの間の目標レベルの間隔がすれ違い距離に基づいて最接近点において予測されるか否かを判定する(操作1808)。目標レベルの間隔は、必要レベルの間隔、安全レベルの間隔、及び規定レベルの間隔のうちの一つから選択可能である。
目標レベルの間隔が最接近点において予測されない場合、このプロセスは次に、最接近点と、第1ビークルと第2ビークルの間の目標レベルの間隔を使用して第1ビークルの第1経路を変更するための複数の補正コマンドを生成する(操作1810)。その後、このプロセスは複数の補正コマンドを第1ビークルの複数の制御コマンドと統合して、第1ビークルと第2ビークルの間の目標レベルの間隔が実質的に維持されるように第1ビークルを機動操作するように構成される複数の確定制御コマンドを形成する(操作1812)。さらに、複数の確定制御コマンドは、複数の確定制御コマンドに対する第1ビークルの応答が期待応答であるように構成される。
このプロセスは、第1ビークルと第2ビークルの移動を監視し(操作1814)、その後上述したようにプロセスは操作1804に戻る。再び操作1808を参照すると、最接近点において目標レベルの間隔が予測される場合、このプロセスは操作1814へ進む。
異なる実施形態のフロー図及びブロック図は、有利な実施形態の装置及び方法の幾つかの可能な実行形態のアーキテクチャ、機能性、及び操作を示すものである。これに関しては、フロー図又はブロック図の各ブロックは、モジュール、セグメント、機能、及び/又は操作又はステップの一部を表しうる。例えば、一以上のブロックをプログラムコードとして、ハードウェアにおいて、又はプログラムコードとハードウェアを組み合わせて実行することが可能である。ハードウェアにおいて実行する時は、ハードウェアは例えば、フロー図又はブロック図の一以上の操作を実行するように製造された又は構成された集積回路の形態であってよい。
有利な実施形態の幾つかの代替実行形態において、ブロックに注記された一つの機能又は複数の機能は、図面に注記された順番以外の順番で実施可能である。例えば、ある場合には、関連する機能性に依存して、連続して示す2つのブロックは実質的に同時に実行可能である、又はブロックはしばしば逆の順に実行することができる。また、フロー図又はブロック図に図示されたブロック以外に他のブロックを加えることができる。
ここで、有利な実施形態によるデータ処理システムを示す図19に注目する。この実施例においては、データ処理システム1900を使用して、図1のコンピュータシステム108の一以上の数のコンピュータ110を実行することができる。さらに、データ処理システム1900を使用して、図5の一以上のオートパイロット506、フライトディレクタ508、衝突防止コンピュータ512、及び/又は処理装置514を実行することができる。
図示したように、データ処理システム1900は通信ファブリック1902を含む。通信ファブリック1902は、データ処理システム1900の処理装置1904、メモリ1906、永続記憶装置1908、通信装置1910、入力/出力(I/O)装置1912、及び表示装置1914間の通信を可能にする。
処理装置1904はメモリ1906にロード可能なソフトウェアの命令を実行する。処理装置1904は、特定の実行形態によって、複数の処理装置、又はマルチプロセッサコア、又はその他何らかのタイプの処理装置であってよい。ある品目を参照して本明細書で使用する複数の、という言葉は一又は複数の品目を意味する。さらに、処理装置1904は、二次処理装置を単一チップ上に有するメイン処理装置が設置された複数の異機種環境の処理装置システムを使用して実行可能である。別の有利な実施例として、処理装置1904は同じ種類の多重処理装置を含む対称なマルチ処理装置システムであってよい。
メモリ1906及び永続記憶装置1908は、メモリ素子1916の実施例である。メモリ素子は、例えば非限定的に、データ、関数形式のプログラムコード、及び/又は一時的及び/又は永続的のいずれかのその他好適な情報等の情報を記憶できる任意のハードウェアである。メモリ素子1916はまた、これらの実施例では、コンピュータによって読取可能なメモリ素子とも呼ぶことができる。メモリ1906はこれらの実施例では例えば、ランダム・アクセス・メモリ、又は他の任意の好適な揮発性又は非揮発性メモリ素子であってよい。永続記憶装置1908は、特定の実行形態によって様々な形態をとることができる。
例えば、永続記憶装置1908は一以上のコンポーネント又はデバイスを含むことができる。例えば、永続記憶装置1908は、ハードドライブ、フラッシュメモリ、書き換え可能な光ディスク、書き換え可能な磁気テープ、又は上記の幾つかの組み合わせであってよい。永続記憶装置1908によって使用される媒体はまた取り外し可能であってよい。例えば、取り外し可能なハードドライブを永続記憶装置1908に使用することが可能である。
通信装置1910はこれらの実施例では、その他のデータ処理システム又はデバイスとの通信を可能にする。これらの実施例では、通信装置1910はネットワークインターフェースカードである。通信装置1910は物理的及び無線通信リンクのいずれかあるいは両方の使用を通して通信を可能にすることができる。
入力/出力装置1912により、データ処理システム1900に接続可能なその他のデバイスとのデータの入力及び出力が可能になる。例えば、入力/出力装置1912は、キーボード、マウス、及び/又はその他何らかの好適な入力デバイスを介してユーザ入力するための接続部を提供しうる。さらに、入力/出力装置1912は出力をプリンタに送ることができる。表示装置1914は、ユーザに情報を表示する機構を提供する。
オペレーティングシステム、アプリケーション、及び/又はプログラムの命令は、通信ファブリック1902を通して処理装置1904と通信しているメモリ素子1916に位置しうる。これらの実施例では、命令は永続記憶装置1908において関数形式である。これらの命令は、メモリ1906にロードされ処理装置1904によって実行可能である。異なる実施形態のプロセスは、例えばメモリ1906等のメモリに位置しうるコンピュータによって実行される命令を使用して、処理装置1904によって実施可能である。
これらの命令は、処理装置1904のうちの一つの処理装置によって読み取り及び実行可能なプログラムコード、コンピュータが使用可能なプログラムコード、又はコンピュータによって読取可能なプログラムコードと呼ばれる。異なる実施形態のプログラムコードは、例えばメモリ1906又は永続記憶装置1908等の異なる物理的な又はコンピュータによって読取可能な記憶媒体上に具現化することができる。
プログラムコード1918は、選択的に取り外し可能で、データ処理システム1900にロードする又は転送して処理装置1904によって実行可能なコンピュータによって読取可能な媒体1920上に関数形式で位置している。プログラムコード1918及びコンピュータによって読取可能な媒体1920はこれらの実施例においてコンピュータプログラム製品1922を形成する。ある実施例では、コンピュータによって読取可能な媒体1920は、コンピュータによって読取可能な記憶媒体1924又はコンピュータによって読取可能な信号媒体1926であってよい。コンピュータによって読取可能な記憶媒体1924は例えば、永続記憶装置1908の一部であるハードドライブ等のメモリ素子に転送するために、永続記憶装置1908の一部であるドライブ又はその他のデバイスに挿入されるあるいは配置される光又は磁気ディスクを含むことができる。コンピュータによって読取可能な記憶媒体1924はまた、データ処理システム1900に接続された、例えばハードドライブ、サムドライブ、又はフラッシュメモリ等の永続記憶装置の形態をとることもできる。ある場合には、コンピュータによって読取可能な記憶媒体1924は、データ処理システム1900から取り外し可能でなくてよい。これらの実施例では、コンピュータによって読取可能な記憶媒体1924はプログラムコード1918を伝播させる又は送信する媒体の代わりに、プログラムコード1918を記憶するのに使用される物理的又は有形メモリ素子である。コンピュータによって読取可能な記憶媒体1924はまた、コンピュータによって読取可能な有形メモリ素子、又はコンピュータによって読取可能な物理的記憶媒体とも呼ばれる。つまり、コンピュータによって読取可能な記憶媒体1924は人が触ることができる媒体である。
あるいは、プログラムコード1918はコンピュータによって読取可能な信号媒体1926を使用して、データ処理システム1900に転送することができる。コンピュータによって読取可能な信号媒体1926は例えば、プログラムコード1918を含む伝播されたデータ信号であってよい。例えば、コンピュータによって読取可能な信号媒体1926は、電磁気信号、光信号、及び/又はその他任意の好適な種類の信号であってよい。これらの信号は、例えば無線通信リンク、光ファイバーケーブル、同軸ケーブル、金属線、及び/又はその他何らかの好適な種類の通信リンク等の通信リンクを介して伝達可能である。つまり、通信リンク及び/又は接続はこの実施例において物理的又は無線であってよい。
ある有利な実施形態では、プログラムコード1918は、データ処理システム1900内で使用するために、コンピュータによって読取可能な信号媒体1926を介して、別のデバイス又はデータ処理システムから永続記憶装置1908へネットワークを介してダウンロードすることができる。例えば、サーバデータ処理システムのコンピュータによって読取可能な記憶媒体に記憶されたプログラムコードは、サーバからデータ処理システム1900までネットワークを介してダウンロードすることができる。プログラムコード1918を提供するデータ処理システムは、サーバコンピュータ、クライアントコンピュータ、又はプログラムコード1918を記憶し送信することができるその他何らかのデバイスであってよい。
データ処理システム1900について示した異なるコンポーネントは、アーキテクチャ制限をもたらすように意図されたものではなく、異なる実施形態を実行可能である。異なる有利な実施形態は、データ処理システム1900について示したコンポーネントに追加の、あるいは代わりのコンポーネントを含むデータ処理システムにおいて実行可能である。図19に示す他のコンポーネントは、図示した実施例から変更することができる。異なる実施形態は、プログラムコードを実行できるいかなるハードウェア装置又はシステムを使用して実行することができる。一例として、データ処理システムは無機コンポーネントと統合された有機コンポーネントを含むことができる、及び/又は全体的に人間以外の有機コンポーネントからなるものであってよい。例えば、メモリは有機半導体からなるものであってよい。
別の実施例では、処理装置1904は特定使用のために製造された又は構成された回路を有するハードウェア装置の形態であってよい。この種のハードウェアは、メモリ素子からメモリへプログラムコードをロードして操作を行うように構成する必要なく、操作を行うことができる。
例えば、処理装置1904がハードウェア装置の形態である時、処理装置1904は、回路システム、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理素子、又は複数の操作を行うその他何らかの好適な種類のハードウェアであってよい。プログラマブル論理素子については、デバイスは複数の操作を行うように構成されている。デバイスは後の時点で再構成することができる、又は恒久的に複数の操作を行うように構成することができる。プログラマブル論理素子の例は例えば、プログラマブル論理アレイ、フィールド・プログラマブル・論理・アレイ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、及びその他好適なハードウェアデバイスが挙げられる。この種の実行形態では、異なる実施形態のプロセスはハードウェア装置において実行されるため、プログラムコード1918は省くことができる。
さらに別の実施例では、処理装置1904はコンピュータ及びハードウェア装置に含まれる処理装置の組み合わせを使用して実行可能である。処理装置1904は、プログラムコード1918を実行する複数のハードウェア装置及び複数の処理装置を有していて良い。この実施例では、幾つかのプロセスは複数のハードウェア装置で実行することができ、それと同時にその他のプロセスは複数の処理装置で実行することができる。
別の実施例では、バスシステムを使用して通信ファブリック1902を実行することができ、バスシステムは例えばシステムバス又は入力/出力バス等の一以上のバスからなるものであってよい。当然ながら、バスシステムは、バスシステムに装着された異なるコンポーネント又はデバイスの間のデータの送信を可能にする任意の好適な種類のアーキテクチャを使用して実行することができる。
加えて、通信装置はデータを送信する、データを受信する、又はデータを送受信する複数の装置を含むことができる。通信装置は、例えばモデム又はネットワークアダプタ、2つのネットワークアダプタ、又はこれらのいくつかの組み合わせであってよい。さらに、メモリは例えば通信ファブリック1902に含まれていて良いインターフェース及びメモリコントローラハブに含まれる等のメモリ1906、又はキャッシュであってよい。
ここで、有利な実施形態による航空機の側面図を示す図20を参照する。この実施例では、航空機2000は、図1の第1航空機104、図1の第2航空機105、図3の第1航空機302、図3の第2航空機304、図4の第1航空機402、及び/又は図4の第2航空機404の一実行形態の一例である。
図示したように、航空機2000は、機体2002に連結した一以上の推進ユニット2004、機体2002の操縦席2006、翼アセンブリ2008、尾部アセンブリ2010、着陸アセンブリ2012、制御システム(図示せず)、及び航空機2000の適切な操作を可能にするその他の好適な種類のシステムを含む。ビークル中心衝突防止システムの少なくとも一つのコンポーネントは機体2002内部に位置していて良い。しかしながら、衝突防止システムのコンポーネントは、航空機2000の様々な部分全体に分散されていてよい。
上記文章及び図面に示すように、第1経路116及び第2経路118を使用して、第1経路116に沿って移動している第1ビークルと第2経路118に沿って移動している第2ビークルの最接近点121を予測し、第1ビークル及び第2ビークルとの間の最接近点121と目標レベルの間隔106を使用して、第1ビークルの第1経路116を変更するための複数の補正コマンド130を生成する間隔管理モジュール112を含むシステムが開示されている。
さらに、このシステムは複数の補正コマンド130を第1ビークルの複数の制御コマンド133に統合して、第1ビークルと第2ビークルとの間に目標レベルの間隔106を実質的に保つように第1ビークルを機動操作する複数の確定制御コマンド143を形成することができ、この複数の確定制御コマンド143に対する第1ビークルの応答は期待応答145である。
加えて、このシステムは複数の補正コマンド130を生成するようにさらに構成することができ、間隔管理モジュール112は第1ビークルと第2ビークルとの間の最接近点121、目標レベルの間隔106、及び最接近点121に到達するまでの時間を使用して第1ビークルの第1経路116を変更するための複数の補正コマンド130を生成するように構成されている。
ある変形例において、システムは第1ビークルが第1航空機104であり、第2ビークルが第2航空機105であることを含むことができ、さらにフライトコントロールモジュール602を含み、このフライトコントロールモジュール602は複数の制御コマンド133を生成して第1セットの制限関数を複数の制御コマンド133に適用し、間隔管理モジュール112は複数の補正コマンド130に第2セットの制限関数を適用するように構成されており、第1セットの制限関数と第2セットの制限関数は第1航空機140が好ましくない方法で飛行する可能性を軽減するように構成されている。
さらに別の代替例では、目標レベルの間隔106は、必要レベルの間隔136、安全レベルの間隔138、及び規定レベルの間隔140のうちの一つから選択される。ある変形例では、複数の補正コマンド130を生成するように構成されている間隔管理モジュール112は、複数の確定制御コマンド143に対する第1ビークルの応答が期待応答145であるように選択された複数のパラメータを使用して、複数の補正コマンド130を生成するように構成されている。さらに別の変形例では、期待応答145は望ましい乗り心地、目標レベルの乗客の快適性、目標レンジの加速、期待応答時間、及び目標旋回率のうちの少なくとも一つを含む。
したがって、異なる有利な実施形態によりビークル間の間隔を管理する方法及び装置が提供される。ある有利な実施形態では、ビークル間の間隔を管理する方法が提供されている。第1経路に沿って移動している第1ビークルと、第2経路に沿って移動している第2ビークルの最接近点が予測される。第1ビークルの第1経路を変更するための複数の補正コマンドは、第1ビークルと第2ビークルとの間の最接近点と目標レベルの間隔を使用して生成される。複数の補正コマンドは第1ビークルの複数の制御コマンドに統合されて、第1ビークルと第2ビークルとの間の目標レベルの間隔を実質的に保持するために第1ビークルを機動操作するように構成された複数の確定制御コマンドが形成される。複数の確定制御コマンドに対する第1ビークルの応答は期待応答である。
本発明によるシステム及び方法の実施形態により、従来技術を超える重要な利点が提供されうる。様々な実施形態によるビークル中心衝突防止システムは、航空機の予測最接近点(CPA)が所定の間隔境界を侵害すると予想される時に基づいて一以上の航空機の飛行経路を変更することができるため、有利である。この方法では、衝突防止は人間の介入なしに行うことができる。自動衝突防止により、ヒューマンエラー又は不適切な衝突防止操作の実施の可能性が軽減される又は除去されうる。さらに、様々な実施形態によるビークル中心衝突防止システムにより、地上の航空管制官が航空機の間隔を指示する必要性を減らすことができる。上記労力の節約により、航空管制官が以前可能だったよりも多くの航空機を管理することが可能になり得る。最後に、ビークル中心衝突防止システムは無人航空機においてもより良い制御とパーフォーマンスを可能にするために実行可能である。
異なる有利な実施形態の記載は、図示及び説明の目的のために提示されたものであり、包括的、又は開示された形の実施形態に限定するように意図されたものではない。当業者には多数の修正及び変形例が明らかである。さらに、他の有利な実施形態と比較して、異なる有利な実施形態により異なる利点を得ることが可能である。選択された一又は複数の実施形態は、実施形態及び実際の応用形態の原理を最適に説明するため、また、当業者が、考えられる特定の使用に好適である様々な修正を施した様々な実施形態の開示を理解できるように選択され記載されたものである。