JP6767598B1 - 胸腰椎用装具 - Google Patents

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Abstract

【課題】仮止めを含めた装具の装着、取り外しが容易で、これらを短時間ででき、胸腰椎の伸展位を堅固に維持でき、また装具の上下の判別も簡単な胸腰椎用装具を提供する。【解決手段】背面プレート11の上部に、両肩を跨ぐ左,右肩用アーム13,15をそれぞれ連結し、これらのアーム13,15の先端部には左,右胸パッド14,16を配するとともに、この背面プレート14,16の下部には、骨盤を含む腰部に巻き付ける腰ベルト17を連結した。これにより、仮止めを含めた装具10の装着、取り外しが容易かつ短時間で可能であるとともに、胸腰椎の伸展位を堅固に維持でき、また装具1の上下の判別も、左,右肩用アーム13,15の取付側を視認するだけで簡単にできる。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、脊椎圧迫骨折の保存療法の一種である装具療法で使用される胸腰椎用装具に関する。
近年、高齢者に多く見られる胸腰椎圧迫骨折の治療では、受傷後、早期に受傷者(装着者)に体幹装具を処方して在宅復帰させる傾向にある。このような体幹装具の1つとして、例えば、非特許文献1のジュエット型体幹装具(胸腰椎用装具)が知られている。
この装具は、体前面に配される矩形枠に各固定されて、体前中心の胸骨に押し当てられる1つの胸骨パッドと、1つの恥骨パッドと、上下一対の連結ベルトを介して矩形枠に連結される1本の大判の背部ベルト(背面パッド)との3点支持により、胸腰椎の伸展位を維持した状態で体幹を固定し、脊柱に過度な屈曲や回旋ストレスがかからないようにして、圧迫骨折の悪化を防止するものである。
受傷者の着用時には、まず装着前に装具の上下を確認し、装具の右側面を身体の前に回して片手で支持し、この状態のまま、他方の手で背部ベルトの右側に固定された2つのリングに、対応する連結ベルトをそれぞれ通して仮止めを行う。
その後、これを本装着する際には、仮止めした装具を両手で握り、体前中心に、胸骨パッドと恥骨パッドとの各中心が位置するように装具を回すとともに、腸骨を結ぶ線上に恥骨パッドを配置する。次いで、これらが位置ずれのないように片手で装具を身体に押し付けながら、もう一方の手で2本の連結ベルトを前方に強く引っ張ってこれを緊締していた。
[令和1年10月19日検索]、インターネット<URL:http://www.nakamura-brace.co.jp/wp-content/uploads/sites/6/jet-maejime.pdf>
しかしながら、非特許文献1のジュエット型体幹装具は、体側方から装具を上半身に外装する構造のものであったため、その装着にあたっては、まず両手を駆使しながら2本の連結ベルトにより装具を仮止めしなければならず、この仮止め作業が面倒であった。
しかも、装具の本装着時には、まず仮止めした装具を両手で握り、体前中心に、胸骨パッドと恥骨パッドとの各中心が配されるように装具を回し、これに加えて装具を上下方向に動かして、腸骨を結ぶ線上に恥骨パッドを配置しなければならなかった。またその後に、各位置がずれないように片手で装具を押さえながら、もう一方の手で2本の連結ベルトを前方に強く引っ張り、これを緊締する必要があった。その結果、非特許文献1のジュエット型体幹装具の装着が面倒で、装着に長時間を要していた。
また、従来のジュエット型体幹装具では、構造上、装具の上下が判別しにくく、例えば、装着の途中などで間違いに気付いた場合には、初めからこの作業をやり直さなければならなかった。しかし、胸腰椎圧迫骨折後の痛みが強い時期に高齢者が一人で装着することはほぼ不可能で、介助者の手を要することが多い。そのため、一人暮らしの受傷者はジュエット型体幹装具で治療する機会を逸していた。
そこで、発明者は鋭意研究の結果、装具本体となる背当てパッド付の背面プレートの上部に、肩部を跨ぐ左,右肩用アームをそれぞれ連結し、これらのアームの先端部に左,右胸パッドを配するとともに、この背面プレートの下部には、骨盤を含む腰部に巻き付けられる腰ベルトを連結した、新規な3点支持の胸腰椎用装具とすれば、上述した課題はすべて解消されることを知見し、この発明を完成させた。
本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、仮止めを含めた装具の装着、および、取り外しが容易で、これらの作業を短時間で行うことができるとともに、胸腰椎の伸展位を堅固に維持することができ、また装具の上下の判別も簡単にできる胸腰椎用装具を提供することを目的としている。
請求項1に記載の本発明は、胸腰椎の伸展位を維持して体幹を固定する胸腰椎用装具において、背中から胸腰椎を支持する背面プレートと、該背面プレートの内面に取り付けられた背当てパッドと、前記背面プレートの左側の上部に基端部が連結されて、左肩部を跨ぐように前方へ湾曲した左肩用アームと、該左肩用アームの先端部に設けられて、左胸部に押し当てられる左胸パッドと、前記背面プレートの右側の上部に基端部が連結されて、右肩部を跨ぐように前方へ湾曲した右肩用アームと、該右肩用アームの先端部に設けられて、右胸部に押し当てられる右胸パッドと、前記背面プレートの下部に連結されて、骨盤を含む腰部に巻き付けられる腰ベルトとを備えたことを特徴とする胸腰椎用装具である。
背面プレートの素材は、硬質のものであれば任意である。例えば、各種の合成樹脂(ポリエチレン、塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート等)、各種のプラスター、各種の金属(アルミニウム合金、ステンレス等)などを採用することができる。
背面プレートの形状およびサイズは、胸腰椎を支持可能であればそれぞれ任意である。ただし、両腕の可動領域を狭めないように、背面プレートの上部の幅は下部の幅より狭い方が好ましい。
背当てパッドの素材は、クッション性を有するものであれば任意である。例えば、各種の軟質合成樹脂、このうちでも発泡性軟質合成樹脂(テンパーフォーム(登録商標)、ウレタンフォーム等)が好ましい。その他、各種の布帛(織布、不織布、網布)などでもよい。なお、左,右胸パッドの素材も、背当てパッドの素材と同様である。
背当てパッドの形状は任意である。例えば、円形、楕円形、三角形、四角形以上の多角形などを採用することができる。
背当てパッドが当接される最適な部位は、胸椎から胸腰椎移行部の領域である。その理由は、解剖学的に胸椎は後弯しており、三点支持の原理から背面プレートからの支持が必要で、また痛みの緩和のためにクッション性を必要としている部位だからである。
左,右肩用アームの素材は、硬質のものであれば任意である。例えば、各種の金属(アルミニウム合金、ステンレス等)、各種の合成樹脂(ポリカーボネート等)でもよい。なお、左,右肩用アームが金属製の場合には、その表面全体をダブルラッセル地のようなクッション性に富んだ布地などで被覆してもよい。
左,右肩用アームは、例えば、板材でも棒材でもよい。
左,右肩用アームの側面視した形状は、対応する肩部を跨ぐように前方へ湾曲していれば任意である。例えば、逆U字状、逆J字状、下向きコの字状でもよい。これらの肩用アームは、装具の装着時に対応する肩に当接しても、当接しなくてもよい。ただし、当接しないように高さ調整した方が、腕を動かした際に、対応する肩用アームが邪魔にならない。
ここでいう「肩部を跨ぐように前方へ湾曲した」とは、胸腰椎用装具の装着時において、各肩用アームが、対応する背中側から肩越しに胸の前まで延びている状態を意味する。
左,右肩用アームの基端部は、背面プレートの上部に対して、分離不能に固定するだけでなく、背面プレートの高さ方向や幅方向へ取付位置を調整可能に設けてもよい。その際に利用される取付位置調整手段としては、例えば、各種のねじ止め構造、各種のスライドロック構造などを採用することができる。
左,右胸パッドの形状は任意である。例えば、円形、楕円形、三角形、四角形以上の多角形でもよい。
これらの左,右胸パッドが押し当てられる胸部の位置は限定されない。例えば、左右の鎖骨付近でもよい。ただし、左,右胸パッドが当接される最適な部位は、各胸パッドの上縁位置が、鎖骨より2〜3cm下となる位置である。その理由は、これより上方位置であれば胸部の支持力が低下し、それより下方位置であれば、特に女性の場合に、乳房によって左,右胸パッドの固定性が低下するためである。
左,右胸パッドは、左,右肩用アームの先端部に対して、分離不能に固定、または、取付位置を変更可能に掛止してもよい。掛止部材としては、例えば面ファスナなどを採用することができる。
腰ベルトの素材は任意である。例えば、各種の布帛、各種の合成樹脂などを採用することができる。特に、低伸縮性のものが好ましい。
腰ベルトは、1本の長尺なベルトでも、左右一対の部分ベルトからなるものでもよい。ベルトの締結部材(掛止部材)としては、例えば、面ファスナ、バックルなどを採用してもよい。
腰ベルトが巻き付けられるのは、腰部であれば限定されない。特に、骨盤周りの方が、腰ベルトによる胸腰椎用装具の固定力が高まるため好ましい。
請求項2に記載の本発明は、前記背面プレートは合成樹脂製で、前記背当てパッドは、胸椎と腰椎との連結部分の一帯に配され、前記背面プレートのうち、前記背当てパッドの真裏の領域には、胸椎と腰椎との連結部分を両側方から支持する左右一対の金属製の補強部材が配設されたことを特徴とする請求項1に記載の胸腰椎用装具である。
補強部材の素材としては、各種の金属(アルミニウム合金、ステンレス、鉄等)を採用することができる。
補強部材の形状は任意である。例えば、棒材でも、板材でもよい。
補強部材の長さ(背面プレートの高さ方向の長さ)は任意である。ただし、少なくとも胸椎と腰椎との連結部分を支持するための長さは必要である。
補強部材の背面プレート上での取り付け位置は任意である。ただし、背当てパッドの反対側(真裏の位置)が、背当てパッドおよび左,右胸パッドによる3点支持を補強する上でも好ましい。
請求項3に記載の本発明は、前記左肩用アームおよび前記右肩用アームは、それぞれ側面視して逆U字状のもので、前記左肩用アームと前記右肩用アームとの間隔は、首が通される頂上部間が広く、この頂上部間に比べて基端部間および先端部間の方が狭いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の胸腰椎用装具である。
左,右肩用アームの頂上部のアーム内縁間の間隔は、例えば、11cm〜17cmである。11cm未満では、成人において首の可動域が狭くなり易い。また、17cmを超えれば、成人の両腕の可動域が狭くなり易い。
また、左,右肩用アームの基端部の間隔は、例えば、5cm〜10cmである。5cm未満では、成人の首の可動域が狭くなり易い。また、10cmを超えれば、成人の両腕の可動域が狭くなり易い。
さらに、左,右肩用アームの先端部の間隔は、例えば、6cm〜14cmである。6cm未満では、左,右胸パッドの間隔が狭くなりすぎて、成人における背当てパッドと両胸パッドとによる胸腰椎の伸展位を維持する3点支持力が低下する。また、14cmを超えれば、左,右胸パッドの間隔が広くなりすぎて、成人での背当てパッドと両胸パッドとによる3点支持力が低下するとともに、左,右胸パッドが邪魔になり、両腕の可動域が狭くなり易い。
請求項1に記載の本発明によれば、胸腰椎用装具の装着時には、まず、背中側から左,右肩用アームを両肩に引っ掛け、この状態で、腰部、特に骨盤の周りに腰ベルトを緩く巻き付けて装具を仮止めする。
その後、この仮止め状態で、左,右胸パッドと、背当てパッドとをそれぞれ位置合わせし、位置合わせ完了後は、腰ベルトを骨盤などに強く巻き付ける。これにより、左,右胸パッドが、対応する左,右の胸部に押し当てられる一方、背当てパッドが背中に当てがわれる。すなわち、前方の左,右胸パッド、後方の背当てパッドの3点支持により、体幹が直立するように、胸腰椎用装具が身体にしっかりと固定され、胸腰椎の伸展位が維持される。こうして、脊柱には過度な屈曲や回旋ストレスが作用しにくくなり、その結果、圧迫骨折の悪化を防止することができる。
また、この装具の取り外し時には、上述した操作とは反対に、骨盤を含む腰部に巻き付けられた腰ベルトを外し、その後、両肩から左,右肩用アームを外せばよい。
このように胸腰椎用装具を構成したため、仮止めを含む装具の装着、および、取り外しの作業が容易で、これらの作業を短時間で行うことができるとともに、胸腰椎の伸展位を堅固に維持することができる。
また、この胸腰椎用装具は、このように装具の装着当初に、左,右肩用アームを両肩に引っ掛けた仮止めの姿勢をとることができる。そのため、胸腰椎用装具に配された左,右胸パッド、背当てパッドによる胸腰椎の支持位置の調整が容易となる。しかも、この調整後は、骨盤を含む腰部の周りに腰ベルトを強く巻き付けるだけで、胸腰椎用装具の装着を完了することができる。
さらには、胸腰椎用装具の装着時にあっては、左,右肩用アームの位置を視認するだけで、装具の上下を容易に判別することができる。
特に、請求項2に記載の本発明によれば、背面プレートの素材として合成樹脂を採用したため、装具の装着感が良好となる。
また、背面プレートのうち、背当てパッドの真裏の領域には、胸椎と腰椎との連結部分を両側方から支持する左右一対の金属製の補強部材を配設している。これにより、体幹ギブスおよび金属製のコルセットに比べて装着者の上半身の自由度が大きいにも拘わらず、前方の左,右胸パッド、後方の背当てパッドの3点支持による胸腰椎の伸展位の維持力は高まる。
また、請求項3に記載の本発明によれば、左,右肩用アームの形状を側面視して逆U字状としたため、装具の装着時に、左,右肩用アームを対応する肩に沿って配することができる。これにより、装具の装着感が高まるとともに、装具のコンパクト化も図れる。
さらに、左,右肩用アームの間隔を、首が通される頂上部間が広く、この頂上部間に比べて基端部間および先端部間の方が狭くなるようにしたため、首の大きな可動域と、両腕の大きな可動域とを同時に確保することができる。
本発明の実施例1に係る胸腰椎用装具の斜視図である。 本発明の実施例1に係る胸腰椎用装具の正面図である。 本発明の実施例1に係る胸腰椎用装具の側面図である。 本発明の実施例1に係る胸腰椎用装具の平面図である。 本発明の実施例1に係る胸腰椎用装具の使用状態を示す正面図である。 本発明の実施例1に係る胸腰椎用装具の使用状態を示す背面図である。 本発明の実施例1に係る胸腰椎用装具の使用状態を示す側面図である。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
図1において、10は本発明の実施例1に係る胸腰椎用装具で、これは胸腰椎の伸展位を維持して体幹を固定するものである。
図1〜図4に示すように、この胸腰椎用装具10は、背中から胸腰椎を支持する背面プレート11と、背面プレート11の内面に取り付けられた背当てパッド12と、背面プレート11の左側の上部に基端部が連結されて、左肩部を跨ぐように前方へ湾曲した左肩用アーム13と、左肩用アーム13の先端部に設けられて、左胸部に押し当てられる左胸パッド14と、背面プレート11の右側の上部に基端部が連結されて、右肩部を跨ぐように前方へ湾曲した右肩用アーム15と、右肩用アーム15の先端部に設けられて、右胸部に押し当てられる右胸パッド16と、背面プレート11の下部に連結されて、骨盤を含む腰部に巻き付けられる腰ベルト17とを備えている。
以下、これらの構成体を具体的に説明する。
図1、図2および図6に示すように、背面プレート11はポリエチレン(合成樹脂)製のもので、その内面全体にプラスター板Pが張設されている。この背面プレート11は、胸椎および腰椎の略全域を支持可能な高さを有している。
背面プレート11の下部は、骨盤の左右一対の腸骨を支持できるように、幅広でかつ左,右端部がそれぞれ内側に湾曲している(図3および図4も参照)。背面プレート11の下部の長軸方向の中間部は、上方へ円弧状に凹んでいる。
また、背面プレート11の下部の左端部付近には、腰ベルト17の一部を構成し、かつ先部の表面全体に雌面ファスナ18が張設された左側部分腰ベルト17Aの基端部がビス止めされている(図6も参照)。一方、背面プレート11の下部の右端部付近には、腰ベルト17の一部を構成し、かつ先端部の裏面全体に雄面ファスナ19が張設された右側部分腰ベルト17Bの基端部がビス止めされている(同じく図6も参照)。これらの部分腰ベルト17A,17Bは、骨盤を含む腰部に対する固定力が高まるように、それぞれのベルト本体部分に伸縮性の低いメッシュ布20が使用されている。
このように左,右側部分腰ベルト17A,17Bは、一般的な腰ベルトより幅狭で、かつそれぞれの基端部が、背面プレート11の下部の左,右端部付近に連結されている。そのため、各部分腰ベルト17A,17Bの基端部より下方に、背面プレート11の下部の左,右端部が突出している。この構成により、装着者が座ったとき、腰ベルト17が大腿部に食い込みにくくなる。
また、図2および図6に示すように、背面プレート11のうち、背当てパッド12の真裏(反対側)の領域には、胸椎と腰椎との連結部分を両側方(左右方向)から支持する左右一対の補強バー(補強部材)21が配設されている。各補強バー21は、それぞれ縦方向に細長いステンレス(金属)製のものである。
背面プレート11の高さ方向の中間部(ウエスト部分)は、体への接触面積を減らすように幅狭に形成されている。
さらに、背面プレート11の上部については、両腕の可動域を大きく確保できるように、同じく幅狭に形成されている。
さらにまた、図1および図2に示すように、背面プレート11の内面のうち、胸椎と腰椎との連結部分の一帯には、各コーナー部が丸い略矩形状をした大判な背当てパッド12が、図示しない面ファスナを介して、着脱自在に取り付けられている。この面ファスナを使用し、背当てパッド12を掛脱自在とすることで、装着者の装着感に応じて、背面プレート11に対する背当てパッド12の取り付け位置を適宜変更することができる。
背当てパッド12は、衝撃吸収材である厚肉な軟質合成樹脂フォームをストッキングネットにより被覆したものである。
また、図1および図6に示すように、背面プレート11のうち、左上部と右上部とには、4つの背面側ビス孔22が、背当てパッド12の取り付け位置の中心点から斜め上方へ延びた、図示しない左右一対の仮想放射線上に、それぞれ所定ピッチ(例えば、5mm〜30mmの間隔)で穿孔されている。
図1,図3および図6に示すように、左,右肩用アーム13,15は、それぞれ側面視して逆U字状に湾曲した高強度アルミニウム合金製の板材である。左,右肩用アーム13,15の表面は皮革により被われ、各肩用アーム13,15の内面には緩衝材となるプラスター板P1が展張されている。
また、左,右肩用アーム13,15の基端部は丸く加工され、その幅方向の中間部には、上下一対のアーム側ビス孔23が配設されている(図6を参照)。各アーム側ビス孔23の間隔は、対応する背面側ビス孔22の2ピッチ分である。
また、左,右肩用アーム13,15は、背面プレート11の対応する仮想放射線上に配された4つの背面側ビス孔22のうちの2つと、各アーム側ビス孔23とをそれぞれ重ね合わせた後、これらに一対のアーム用ビス24をそれぞれねじ込むことにより、背面プレート11の左,右上部に対して、それぞれ高さ調整可能に連結されている。
前記左,右肩用アーム13,15の先端部には、一対の取付板25がそれぞれビス止めされている。これらの取付板25は、ポリエチレン製の小判な矩形状のものである。
また、左,右胸パッド16は、対応する取付板25より若干大判な矩形状で厚肉な軟質合成樹脂フォームを、ストッキングネットにより被覆したものである。左,右胸パッド16は、図示しない面ファスナを介して、対応する取付板25にそれぞれ位置調整可能に掛止されている。
次に、図5〜図7を参照して、本発明の実施例1に係る胸腰椎用装具10の使用法を説明する。
図5〜図7に示すように、胸腰椎用装具10の使用に際しては、あらかじめ医師の処方のもと、義肢装具士が胸腰椎用装具10を装着者の体型に合わせるフィッティングを行う。ここでのフィッティング作業は、背面プレート11に対する左,右肩用アーム13,15の高さ調整を行うのみで完了する。
具体的には、まず、腰ベルト17を装着者の骨盤の周りに巻き付けて、背面プレート11の下部を装着者の腰部に仮止めする。この状態のままで、義肢装具士が、背面プレート11の対応する仮想放射線上に配された4つの背面側ビス孔22のうち、選出された2つと、左,右肩用アーム13,15の各アーム側ビス孔23とをそれぞれ重ね合わせ、これらのビス孔22,23にアーム用ビス24をそれぞれねじ込み、装着者に装具の装着感を確認する(図6を参照)。その後は、上述した作業を繰り返すことで、背面プレート11の左,右上部に対する左,右肩用アーム13,15の高さ調整を行う。これだけの作業を行うことで、装着者に対する胸腰椎用装具10のフィッティングが終了する。
このとき、図7に示すように、左,右肩用アーム13,15の形状を側面視して逆U字状としたため、装具の装着時には、左,右肩用アーム13,15を、対応する肩に沿って配置することができる。これにより、装具10の装着感が高まるとともに、装具10のコンパクト化も図れる。
また、図6に示すように、左,右肩用アーム13,15は、各基端部が、背面プレート11のうち、背当てパッド12の取り付け位置の中心点から斜め上方へ延びる左右一対の仮想放射線上に配された2つの背面側ビス孔22を介して各々ビス止めされている。そのため、左,右肩用アーム13,15は、首が通される頂上部間(ここでは13cm)aが広く、この頂上部間aに比べて、左,右肩用アーム13,15の基端部間(ここでは5.5cm)bおよび先端部間(ここでは7cm)cの方が狭くなる(図2を参照)。その結果、首の大きな可動域と、両腕の大きな可動域とを同時に確保することができる。
次に、図5〜図7を参照して、この胸腰椎用装具10の装着作業について説明する。
胸腰椎用装具10の装着時には、まず、装具10の装着当初に、剛体である左,右肩用アーム13,15を両肩に引っ掛け、この状態で、腰部、特に骨盤の周りに腰ベルト17を緩く巻き付けて装具10の仮止めを行う。
その後、この仮止め状態で、体前方に配された左,右胸パッド14,16を、対応する左右の胸部に位置合わせするとともに、体後方に配された背当てパッド12を、胸椎と腰椎との連結部分の一帯に位置合わせる。さらには、左右一対の補強バー21を、この胸椎と腰椎との連結部分の両側方に配置する。
位置合わせ完了後は、腰ベルト17を骨盤の周りに強く巻き付ける。これだけの作業で、胸腰椎用装具10の装着は完了する。すなわち、左,右胸パッド14,16が、対応する左,右の胸部に押し当てられる一方、背当てパッド12が背中に当てがわれる。これにより、前方の左,右胸パッド14,16、後方の背当てパッド12の3点支持を介して、体幹が直立するように、胸腰椎用装具10は身体にしっかりと固定され、胸腰椎の伸展位が維持される。その結果、脊柱には過度な屈曲や回旋ストレスが作用しにくくなり、圧迫骨折の悪化を防止することができる。
また、胸腰椎用装具10の取り外し時には、上述した操作とは反対に、骨盤の周りに巻き付けられた腰ベルト17を外し、その後、両肩から左,右肩用アーム13,15を外すだけでよい。
このように胸腰椎用装具10を構成したため、仮止めを含む装具10の装着、および、取り外しの作業が容易で、これらの作業を短時間で行うことができるとともに、胸腰椎の伸展位を堅固に維持することができる。
また、この胸腰椎用装具10は、このように装具10の装着当初に、左,右肩用アーム13,15を両肩に引っ掛けた仮止めの姿勢をとることができる。そのため、装具10に配された左,右胸パッド14,16、背当てパッド12による胸腰椎の支持位置の調整が容易となる。しかも、この調整後は、骨盤を含む腰部の周りに腰ベルト17を強く巻き付けるだけで、胸腰椎用装具10の装着を完了することができる。
さらに、胸腰椎用装具10の装着時にあっては、左,右肩用アーム13,15の位置を視認するだけで、装具の上下を容易に判別することができる。
さらにまた、ここでは、背面プレート11の素材として合成樹脂の一種であるポリエチレンを採用したため、装具の装着感が良好となる。
また、背面プレート11のうち、背当てパッド12の真裏の領域には、胸椎と腰椎との連結部分を両側方から支持するステンレス製の2本の補強バー21を平行に配設している。これにより、体幹ギブスおよび金属製のコルセットに比べて装着者の上半身の自由度が大きいにも拘わらず、これらの補強バー21により、胸腰椎の伸展位の維持力はさらに高まる。
さらには、左,右肩用アーム13,15の形状を側面視して逆U字状としたため、装具の装着時に、左,右肩用アーム13,15を対応する肩に沿って配することができる。これにより、装具10の装着感が高まるとともに、装具10のコンパクト化も図れる。
胸腰椎用装具10は、背板付きの胸腰椎コルセットでありながら、骨盤を締める腰ベルト17と、先端部が左,右胸部に当接される左,右側肩アーム13,15とによる上半身支持のみで、胸腰椎の支持が足りる。
その理由は、このように胸腰椎用装具10が三点支持の原理を用いて、骨盤部と上半身とを強度のある背面プレート11に固定することで、胸腰椎部の動きを制限することができるためである。
実際に、この胸腰椎用装具10のサンプルを作製して患者に装着させ、レントゲン撮影・画像解析を行ったところ、胸腰椎部の椎体の動きが抑制され、支持性があることが判明した。
本発明は、胸腰椎の伸展位を維持して体幹を固定する胸腰椎用装具の技術として有用である。
10 胸腰椎用装具
11 背面プレート
12 背当てパッド
13 左肩用アーム
14 左胸パッド
15 右肩用アーム
16 右胸パッド
17 腰ベルト
21 補強バー(補強部材)
a 頂上部
b 基端部
c 先端部

Claims (3)

  1. 三点支持の原理により胸腰椎の伸展位を維持して体幹を固定する胸腰椎用装具において、
    背中から胸腰椎を支持する背面プレートと、
    該背面プレートの内面に取り付けられた背当てパッドと、
    前記背面プレートの左側の上部に基端部が連結されて、左肩部を跨ぐように前方へ湾曲した左肩用アームと、
    該左肩用アームの先端部に設けられて、左胸部に押し当てられる左胸パッドと、
    前記背面プレートの右側の上部に基端部が連結されて、右肩部を跨ぐように前方へ湾曲した右肩用アームと、
    該右肩用アームの先端部に設けられて、右胸部に押し当てられる右胸パッドと、
    前記背面プレートの下部に連結されて、骨盤を含む腰部に巻き付けられる腰ベルトとを備え、
    前記左肩用アームの先端部は、前記右肩用アームの先端部と分離状態で、
    前記左胸パッドは、前記右胸パッドと離間していることを特徴とする胸腰椎用装具。
  2. 前記背面プレートは合成樹脂製で、
    前記背当てパッドは、胸椎と腰椎との連結部分の一帯に配され、
    前記背面プレートのうち、前記背当てパッドの真裏の領域には、胸椎と腰椎との連結部分を両側方から支持する左右一対の金属製の補強部材が配設されたことを特徴とする請求項1に記載の胸腰椎用装具。
  3. 前記左胸パッドは、左胸部のうち、この左胸パッドの上縁位置が、鎖骨より2〜3cm下となる位置に押し当てられるもので、
    前記右胸パッドは、右胸部のうち、この右胸パッドの上縁位置が、鎖骨より2〜3cm下となる位置に押し当てられるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の胸腰椎用装具。
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