JP6766485B2 - モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents

モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Description

本発明は、電動モータに駆動電流を供給するモータ制御装置、及びそれを備えた電動パワーステアリング装置に関する。
従来、電動モータに駆動電流を供給するモータ制御装置には、直流電圧源の電圧をスイッチングして駆動電流を出力する複数のスイッチング素子と、複数のスイッチング素子をオン/オフさせる制御信号を生成する複数の電子部品からなる制御部とを有し、複数のスイッチング素子と制御部の電子部品とが別々の基板に搭載されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のモータ制御装置は、複数のスイッチング素子が金属基板に搭載され、これを制御するマイコン等の電子部品が制御基板に搭載されている。金属基板及び制御基板は、ヒートシンクとして機能するハウジングに固定され、互いに向かい合っている。金属基板にはサーミスタが搭載されおり、制御部はサーミスタによって検出される温度が高くなると、電動モータに供給する電流を制限し、過熱によるスイッチング素子等の損傷を防止する。
特開2004−336975号公報
上記のように構成されたモータ制御装置において、スイッチング素子の温度が上昇すると、その影響により制御基板に搭載された電子部品の温度も上昇するおそれがある。これらの電子部品には、スイッチング素子よりも動作保証温度が低いものが含まれる場合があり、電子部品の熱による損傷を防止するためには、金属基板のみならず、制御基板にもサーミスタを配置し、このサーミスタによって検出される温度が所定温度よりも上昇した場合には、電動モータに供給する電流を制限する制御を行う必要がある。
しかし、サーミスタは、例えば抵抗器やコンデンサあるいはダイオード等に比較して、故障率が高い部品として知られている。一般に、抵抗器やコンデンサ等の故障率は0.0027〜0.0074/10時間であるのに対し、サーミスタの故障率は、例えば0.32/10時間である。サーミスタの故障の原因としては、水分が内部電極物質と反応することや振動等が挙げられる。サーミスタに故障が発生すると、スイッチング素子やマイコン等が損傷しないように、安全サイドで電動モータの制御を行う観点から、実際には温度が上昇していなくても、電動モータに供給する電流を制限しなければならなくなる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、スイッチング素子が搭載された基板、及びスイッチング素子への制御信号を生成する電子部品が搭載された基板のそれぞれにサーミスタが搭載されたモータ制御装置において、サーミスタの故障によって電動モータの制御に制約が生じることを抑制することが可能なモータ制御装置、及びそれを備えた電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は、上記の目的を達成するため、電動モータに駆動電流を供給するモータ制御装置であって、直流電圧源の電圧をスイッチングして前記駆動電流を出力するスイッチング素子と、前記スイッチング素子が搭載された第1の基板と、前記スイッチング素子への制御信号を生成する複数の電子部品からなる制御部と、前記複数の電子部品が搭載された第2の基板と、前記第1の基板に搭載された第1のサーミスタと、前記第2の基板に搭載された第2のサーミスタとを備え、前記制御部は、前記第1のサーミスタの故障が検知されたとき、前記第2のサーミスタによって検出された温度、及び前記スイッチング素子が出力した前記駆動電流の積算値に基づいて前記第1の基板の温度を推定する第1の温度推定手段と、前記第2のサーミスタの故障が検知されたとき、前記第1のサーミスタによって検出された温度、及び前記スイッチング素子が出力した前記駆動電流の積算値に基づいて前記第2の基板の温度を推定する第2の温度推定手段と、前記第1の基板の温度と前記第2の基板の温度との差である差分温度と前記駆動電流の積算値との関係を示す関係情報を記憶する記憶手段とを有前記第1の温度推定手段は、前記駆動電流の積算値に基づいて前記関係情報を参照して前記第1の基板の温度を推定し、前記第2の温度推定手段は、前記駆動電流の積算値に基づいて前記関係情報を参照して前記第2の基板の温度を推定し、前記関係情報は、前記駆動電流の積算値に応じて前記差分温度の正負が切り替わり、前記駆動電流の積算値が大きいほど前記第1の基板の温度が前記第2の基板の温度よりも高くなるように前記差分温度が設定されている、モータ制御装置を提供する。
また、本発明は、上記の目的を達成するため、車両の操舵部材の操舵操作によって転舵輪を転舵させるステアリング機構と、前記操舵部材に付与される操舵トルクを検出するトルクセンサと、前記操舵部材の操舵操作を補助する操舵補助トルクを発生させる電動モータと、前記トルクセンサによって検出された操舵トルクに応じて前記電動モータに駆動電流を供給する制御装置とを備え、当該制御装置が上記のモータ制御装置である、電動パワーステアリング装置を提供する。
本発明に係るモータ制御装置及び電動パワーステアリング装置によれば、サーミスタの故障によって電動モータの制御に制約が生じることを抑制することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の構成例を示す模式図である。 電動モータ、ギヤハウジング、センサハウジング、コントローラハウジング、及びコラムハウジングを示す外観図である。 電動モータ及びコントローラハウジングの内部を電動モータの軸方向に沿った断面で示すと共に、ギヤ機構ならびにギヤハウジングの構成を示す構成図である。 コントローラの概略の構成例を示す回路構成図である。 コントローラの機能構成を示すブロック図である。 メモリに記憶された関係情報の一例を示すグラフである。 関係情報の変形例を示すグラフである。
[実施の形態]
本発明の実施の形態について、図1乃至図7を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
(電動パワーステアリング装置の構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の構成例を示す模式図である。
電動パワーステアリング装置1は、ステアリング機構10と、電動モータ2と、電動モータ2の回転力を操舵補助力としてステアリング機構10に伝達するギヤ機構3と、電動モータ2を制御するコントローラ4とを有している。コントローラ4は、本発明の「モータ制御装置」の一態様である。
ステアリング機構10は、運転者が回転操作する操舵部材としてのステアリングホイール11と、ステアリングホイール11に連結されたステアリングシャフト12と、車両の車幅方向に延在するラックシャフト13とを有して構成され、ステアリングホイール11の操舵操作によって左右の転舵輪19を転舵させる。
ステアリングシャフト12は、ステアリングホイール11が一端部に固定されるコラムシャフト121と、ラックシャフト13のラック歯13aに噛み合うピニオン歯123aを有するピニオンシャフト123と、コラムシャフト121とピニオンシャフト123との間に介在する中間シャフト122とを有している。コラムシャフト121と中間シャフト122とは、自在継手124によって連結され、中間シャフト122とピニオンシャフト123とは、自在継手125によって連結されている。
コラムシャフト121は、アッパシャフト121a及びロアシャフト121bからなり、アッパシャフト121aとロアシャフト121bとがトルクセンサ14のトーションバー140によって連結されている。トルクセンサ14は、運転者がステアリングホイール11に付与する操舵トルクをトーションバー140の捩じれによって検出する。
ラックシャフト13は、筒状のラックハウジング15に軸方向に移動可能に収容されている。ラックシャフト13には、その軸方向に沿って斜歯からなるラック歯13aが形成され、このラック歯13aがピニオンシャフト123のピニオン歯123aに噛み合っている。ラックシャフト13の両端部には、それぞれボールジョイントソケット16が固定され、これらのボールジョイントソケット16に連結されたタイロッド17が、図示しないナックルアームを介して左右の転舵輪19に連結されている。また、ボールジョイントソケット16の外周側には、蛇腹状のゴムや樹脂等からなるベローズ18が配置されている。
ステアリングホイール11が回転操作されると、ステアリングホイール11にコラムシャフト121及び中間シャフト122を介して連結されたピニオンシャフト123が回転し、ピニオン歯123aとラック歯13aとの噛み合いによってラックシャフト13がその軸方向に直線運動する。このラックシャフト13の直線運動により、タイロッド17を介して左右の転舵輪19が転舵される。
ギヤ機構3は、電動モータ2の出力回転軸に連結されたウォーム31、及びロアシャフト121bと一体に回転するウォームホイール32からなるウォームギヤ機構である。コントローラ4は、車速及びトルクセンサ14によって検出された操舵トルクに基づいて電動モータ2に駆動電流を供給し、電動モータ2を制御する。電動モータ2は、ステアリングホイール11の操舵操作を補助する操舵補助トルクを発生させる。
図2は、電動モータ2、ギヤ機構3を収容するギヤハウジング51、トルクセンサ14を収容するセンサハウジング52、コントローラ4を収容する有底筒状のコントローラハウジング53、及びコラムシャフト121を収容するコラムハウジング54を示す外観図である。図3は、電動モータ2及びコントローラハウジング53の内部を電動モータ2の軸方向に沿った断面で示すと共に、ギヤ機構3ならびにギヤハウジング51の構成を示す構成図である。
電動モータ2は、有底円筒状のモータハウジング20と、出力回転軸であるシャフト21と、シャフト21と一体に回転するロータ22と、モータハウジング20に固定されたステータ23とを有している。ステータ23は、円筒状のステータコア230と、ステータコア230に挿入されたインシュレータ231と、インシュレータ231に巻き付けられたコイル232とを有している。ロータ22には、複数のセグメント磁石221が設けられている。シャフト21は、モータハウジング20に外輪が固定された第1軸受211、及びコントローラハウジング53に外輪が固定された第2軸受212によって回転可能に支持され、コントローラハウジング53の底部の中心部を貫通している。
電動モータ2の回転速度は、レゾルバ24によって検出される。レゾルバ24は、シャフト21に固定されたレゾルバロータ241、及びコントローラハウジング53に固定されたレゾルバステータ242を有している。レゾルバ24の検出信号は、コントローラ4に送られる。
コントローラハウジング53は、モータハウジング20とギヤハウジング51との間に配置されている。コントローラハウジング53とモータハウジング20とは複数のボルト56によって締結され、コントローラハウジング53とギヤハウジング51とは複数のボルト57によって締結されている。また、ギヤハウジング51とセンサハウジング52とは、複数のボルト58によって締結されている。
コントローラハウジング53には、電源コネクタ531、信号線コネクタ532、及び通信コネクタ533が保持されている。電源コネクタ531は、電源線を介してバッテリーに接続され、バッテリーから電源コネクタ531を介して電動モータ2及びコントローラ4で消費される電力が供給される。信号線コネクタ532には、センサハウジング52から導出された図略の信号線が接続され、トルクセンサ14の検出信号が信号線コネクタ532を介してコントローラ4に出力される。通信コネクタ533には、車両に搭載された複数の装置間の通信を行うCAN(Controller Area Network)の通信線が接続される。コントローラ4は、この通信線を介して、車速や外気温等の各種情報を取得することが可能である。
コラムハウジング54は、アウタチューブ541及びインナチューブ542を有し、アウタチューブ541は、インナチューブ542に対してその軸線方向に沿って相対移動可能である。インナチューブ542の内周面とアッパシャフト121aの外周面との間には、コラムシャフト121を回転可能に支持する軸受543が配置されている。
アウタチューブ541は、車体(図示せず)にブラケット55を介して支持されている。ブラケット55は、運転者による操作レバー551の操作によって作動するカム機構により、アウタチューブ541を車体に対してロック(位置固定)するロック状態と、アウタチューブ541を上下方向に移動可能かつインナチューブ542に対して軸方向移動可能とするアンロック状態とを切り替え可能であり、このアンロック状態において、ステアリングホイール11のチルト調整及びテレスコピック調整を行うことができる。
電動モータ2のシャフト21とウォーム31、及びロアシャフト121bとウォームホイール32とは、それぞれギヤハウジング51内で相対回転不能に連結されている。電動モータ2のシャフト21が回転すると、シャフト21と共にウォーム31が回転し、その回転力が減速されてウォームホイール32に伝達され、操舵補助力としてロアシャフト121bに付与される。
(コントローラの構成)
図4は、コントローラ4の概略の構成例を示す回路構成図である。コントローラ4は、第1乃至第4のスイッチング素子411〜414、及び第1乃至第4のスイッチング素子411〜414のそれぞれに対応して設けられた還流ダイオード415〜418からなるインバータ回路41と、第1乃至第4のスイッチング素子411〜414をオン又はオフさせる制御信号を生成する制御部42と、第1乃至第4のスイッチング素子411〜414及び還流ダイオード415〜418が搭載された第1の基板としての金属基板43(図3に示す)と、制御部42の複数の電子部品が搭載された第2の基板としてのプリント基板44(図3に示す)と、金属基板43に搭載された第1のサーミスタ45と、プリント基板44に搭載された第2のサーミスタ46とを有している。
金属基板43は、アルミニウム等の熱伝動率に優れた金属からなり、図略のボルトによってコントローラハウジング53に固定されている。金属基板43は、インバータ回路41で発生する熱をコントローラハウジング53等に放熱させる。プリント基板44は、ガラスエポキシ等の誘電体からなる板状の基材の表面に銅箔からなる配線パターンが形成された配線基板である。
金属基板43とプリント基板44とは、コントローラハウジング53内において互いに平行に配置されている。金属基板43及びプリント基板44の中心部には貫通孔が形成され、この貫通孔に電動モータ2のシャフト21が挿通されている。金属基板43とプリント基板44とは、シャフト21の軸方向に向かい合い、基板間コネクタ431,441によって電気的に接続されている。電動モータ2には、金属基板43に設けられたターミナル432に接続される一対の電線251,252からなるケーブル25を介してインバータ回路41から駆動電流が供給される。
第1乃至第4スイッチング素子の411〜414は、例えばIGBT(ゲートバイポーラトランジスタ)等のパワートランジスタからなり、電源コネクタ531を介して直流電圧源としてのバッテリー100から供給される直流電圧をスイッチングして電動モータ2への駆動電流を出力する。図4に示す回路例では、第1のスイッチング素子411と第3のスイッチング素子413とが電源コネクタ531の正電極531aと負電極531bとの間に直列に接続され、これと並列して第2のスイッチング素子412と第4のスイッチング素子414とが電源コネクタ531の正電極531aと負電極531bとの間に直列に接続されている。電動モータ2に供給される駆動電流は、例えばホールICからなる電流センサ47によって検出される。
ケーブル25の一方の電線251は、第1のスイッチング素子411と第3のスイッチング素子413との間に接続され、他方の電線252は、第2のスイッチング素子412と第4のスイッチング素子414との間に接続されている。制御部42から出力される制御信号により、第1のスイッチング素子411と第4のスイッチング素子414がオン状態となると、電動モータ2に順方向(図4に示す矢印A方向)の駆動電流が供給され、第2のスイッチング素子412と第3のスイッチング素子413がオン状態となると、電動モータ2に逆方向(図4に示す矢印B方向)の駆動電流が供給される。
電動モータ2の回転中に第1乃至第4のスイッチング素子411〜414が全てオフ状態となると、還流ダイオード415〜418を介して電流が回生される。電動モータ2に供給される駆動電流は、第1のスイッチング素子411及び第4のスイッチング素子414がオン、又は第2のスイッチング素子412及び第3のスイッチング素子413がオンとなる時間の割合(デューティー比)が高いほど大きくなる。
制御部42は、複数の電子部品からなり、この複数の電子部品には、CPU(中央演算処理装置)421、及び不揮発性の記憶素子としてのメモリ422が含まれる。メモリ422は、例えばROMあるいはフラッシュメモリからなり、CPU421の動作のためのプログラム422a、及び後述する関係情報422bを記憶している。
CPU421は、第1のサーミスタ45、第2のサーミスタ46、及び電流センサ47の検出信号を取得可能である。なお、制御部42は、CPU421及びメモリ422の他に、図略の抵抗器やコンデンサ等の受動素子、ならびにADコンバータや各種のゲートIC等の電子部品を有して構成されている。
(コントローラの機能)
図5は、コントローラ4の機能構成を示すブロック図である。制御部42のCPU421は、プログラム422aを実行することにより、通常制御手段60、第1の温度推定手段61、第2の温度推定手段62、及び過熱抑制制御手段63として機能する。
通常制御手段60は、インバータ回路41及び制御部42が共に高温状態ではない平常時に電動モータ2を制御する手段である。CPU421は、通常制御手段60として、トルクセンサ14によって検出された操舵トルクが大きいほど、また車速が低いほど、大きな操舵補助トルクを発生させるように電動モータ2を制御する。
第1の温度推定手段61は、第1のサーミスタ45の故障が検知されたとき、第2のサーミスタ46によって検出された温度、及び電流センサ47によって検出された駆動電流の積算値に基づいて、金属基板43の温度を推定する。また、第2の温度推定手段62は、第2のサーミスタ46の故障が検知されたとき、第1のサーミスタ45によって検出された温度、及び電流センサ47によって検出された駆動電流の積算値に基づいて、プリント基板44の温度を推定する。
第1のサーミスタ45の故障は、例えば第2のサーミスタ46によって検出される温度が変化しているのに第1のサーミスタ45によって検出される温度が所定時間以上変化しないことや、第1のサーミスタ45によって検出される温度が明らかな異常値であること(異常な低温もしくは高温であること、あるいは第2のサーミスタ46によって検出される温度との差が極めて大きいこと等)により検知される。第2のサーミスタ46の故障についても、第1のサーミスタ45と同様に検知される。第1のサーミスタ45及び第2のサーミスタ46の故障は、制御部42のCPU421の処理によって検知してもよく、あるいは外部の装置から出力される異常を示す信号を受信することにより検知してもよい。
CPU421は、所定の制御周期(例えば0.1秒)ごとに電流センサ47の検出信号を取得し、この検出信号に基づく駆動電流を所定時間(例えば10分から1時間)にわたって積算する。本実施の形態では、この積算の演算結果(積算値)を積算した時間で除して求めた駆動電流の平均値によって、金属基板43及びプリント基板44の温度を推定する。この駆動電流の平均値は、過去の所定時間における駆動電流の移動平均値である。
図6は、メモリ422に記憶された関係情報422bの一例を示すグラフである。この関係情報422bは、金属基板43の温度(T)とプリント基板44の温度(T)との差(T−T)である差分温度(ΔT)と、駆動電流の積算値、すなわち駆動電流の平均値(TAVR)との関係を示す情報である。この関係情報422bは、実験結果等に基づいて定義され、予めメモリ422に記憶されている。メモリ422は、本発明の「記憶手段」に相当する。メモリ422には、関係情報422bが、例えばマップ形式で記憶されている。
図6に示すように、駆動電流の平均値が低い場合には、金属基板43の温度がプリント基板44の温度よりも低く、駆動電流の平均値が高い場合には、金属基板43の温度プリント基板44の温度よりも高い。これは、制御部42はインバータ回路41のデューティー比にかかわらず常に電動モータ2に供給すべき駆動電流を求める演算を行い、この演算処理によってCPU421等が発熱するのに対し、インバータ回路41の温度は、デューティー比に大きく依存するためである。また、インバータ回路41には、制御部42よりも大きな電流が流れるので、金属基板43の温度は、全体的にはプリント基板44の温度よりも高くなる。
第1の温度推定手段61は、第2のサーミスタ46によって検出された温度、及び駆動電流の積算値(より具体的には駆動電流の平均値(TAVR))に基づいて、関係情報422bを参照して金属基板43の温度を推定する。つまり、関係情報422bを参照することにより、駆動電流の積算値(平均値)に応じた金属基板43とプリント基板44との差分温度を求めることができ、第2のサーミスタ46によって検出されたプリント基板44の温度にこの差分温度を加算することにより、金属基板43の温度を推定する。
同様に、第2の温度推定手段62は、第1のサーミスタ45によって検出された温度、及び駆動電流の積算値(より具体的には駆動電流の平均値(TAVR))に基づいて、関係情報422bを参照してプリント基板44の温度を推定する。つまり、関係情報422bを参照して得られた駆動電流の積算値(平均値)に応じた金属基板43とプリント基板44との差分温度を、第1のサーミスタ45によって検出された金属基板43の温度から減算することにより、プリント基板44の温度を推定する。
過熱抑制制御手段63は、金属基板43の温度とプリント基板44の温度のうち高い方の温度が所定値(例えば80℃)を超えたときに電動モータ2に供給する駆動電流を抑制する。具体的には、通常制御手段60によって電動モータ2を制御する場合に比較して、インバータ回路41のデューティー比を半分程度に下げる。これにより、第1乃至第4のスイッチング素子411〜414の発熱が抑えられることにより金属基板43の温度が低下し、第1乃至第4のスイッチング素子411〜414や電動モータ2の発熱の影響を受けるプリント基板44の温度も低下する。
過熱抑制制御手段63は、第1のサーミスタ45の故障が検知されていないときには、上記「金属基板43の温度」として、第1のサーミスタ45によって検出された温度を用い、第1のサーミスタ45の故障が検知されたときには、上記「金属基板43の温度」として、第1の温度推定手段61によって推定された温度を用いる。また、過熱抑制制御手段63は、第2のサーミスタ46の故障が検知されていないときには、上記「プリント基板44の温度」として、第2のサーミスタ46によって検出された温度を用い、第2のサーミスタ46の故障が検知されたときには、上記「プリント基板44の温度」として、第2の温度推定手段62によって推定された温度を用いる。
これにより、過熱抑制制御手段63は、第1のサーミスタ45もしくは第2のサーミスタ46の何れかが故障したときにも、インバータ回路41及び制御部42の過熱を抑制する制御を継続して実行することができる。
(変形例)
図7は、関係情報422bの変形例を示すグラフである。図4のグラフでは、金属基板43とプリント基板44との差分温度と駆動電流の平均値との関係が1本の曲線で示される場合について説明したが、図7に示す変形例では、メモリ422に、外気温に応じた複数の関係情報が記憶された場合について図示している。また、図7では、一例として、外気温0℃、20℃、及び40℃の場合に参照すべき関係情報を、それぞれ一点鎖線、実線、及び破線で示している。なお、外気温の情報は、前述のように車内の通信網であるCANから取得することができる。
この場合、第1の温度推定手段61は、これら複数の関係情報のうち外気温に応じた関係情報を参照して金属基板43の温度を推定し、第2の温度推定手段62は、これら複数の関係情報のうち外気温に応じた関係情報を参照してプリント基板44の温度を推定する。なお、第1の温度推定手段61及び第2の温度推定手段62は、複数の関係情報のうち、取得した外気温に最も近い1つの関係情報を選択して参照してもよく、複数の関係情報を補間して参照してもよい。
(実施の形態の効果)
以上説明した実施の形態によれば、第1のサーミスタ45が故障したときにも第1の温度推定手段61によって金属基板43の温度を推定することができ、第2のサーミスタ46が故障したときにも第2の温度推定手段62によってプリント基板44の温度を推定することができる。これにより、金属基板43のみならずプリント基板44にもサーミスタを配置して、制御部42の温度を監視しながらも、サーミスタの故障によって電動モータの制御に制約が生じることを抑制することが可能となる。
また、実施の形態によれば、第1の温度推定手段61は、第2のサーミスタ46によって検出されたプリント基板44の温度、及び駆動電流の積算値に応じた関係情報422bを参照し、金属基板43の温度を推定する。また、第2の温度推定手段62は、第2のサーミスタ45によって検出された金属基板43の温度、及び駆動電流の積算値に応じた関係情報422bを参照し、プリント基板44の温度を推定する。これにより、温度推定の精度を高めることが可能となる。
(付記)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、上記に記載した各実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態では、本発明のモータ制御装置を電動パワーステアリングに適用した場合について説明したが、これに限らず、電動モータを駆動源とする各種の機器に本発明のモータ制御装置を適用することが可能である。
1…電動パワーステアリング装置 10…ステアリング機構
11…ステアリングホイール(操舵部材) 14…トルクセンサ
2…電動モータ 4…コントローラ(制御装置)
411〜414…第1乃至第4のスイッチング素子 42…制御部
422…メモリ 422b…関係情報
43…金属基板(第1の基板) 44…プリント基板(第2の基板)
45…第1のサーミスタ 46…第2のサーミスタ
61…第1の温度推定手段 62…第2の温度推定手段
63…過熱抑制制御手段

Claims (4)

  1. 電動モータに駆動電流を供給するモータ制御装置であって、
    直流電圧源の電圧をスイッチングして前記駆動電流を出力するスイッチング素子と、
    前記スイッチング素子が搭載された第1の基板と、
    前記スイッチング素子への制御信号を生成する複数の電子部品からなる制御部と、
    前記複数の電子部品が搭載された第2の基板と、
    前記第1の基板に搭載された第1のサーミスタと、
    前記第2の基板に搭載された第2のサーミスタとを備え、
    前記制御部は、
    前記第1のサーミスタの故障が検知されたとき、前記第2のサーミスタによって検出された温度、及び前記スイッチング素子が出力した前記駆動電流の積算値に基づいて前記第1の基板の温度を推定する第1の温度推定手段と、
    前記第2のサーミスタの故障が検知されたとき、前記第1のサーミスタによって検出された温度、及び前記スイッチング素子が出力した前記駆動電流の積算値に基づいて前記第2の基板の温度を推定する第2の温度推定手段と、
    前記第1の基板の温度と前記第2の基板の温度との差である差分温度と前記駆動電流の積算値との関係を示す関係情報を記憶する記憶手段とを有
    前記第1の温度推定手段は、前記駆動電流の積算値に基づいて前記関係情報を参照して前記第1の基板の温度を推定し、
    前記第2の温度推定手段は、前記駆動電流の積算値に基づいて前記関係情報を参照して前記第2の基板の温度を推定し、
    前記関係情報は、前記駆動電流の積算値に応じて前記差分温度の正負が切り替わり、前記駆動電流の積算値が大きいほど前記第1の基板の温度が前記第2の基板の温度よりも高くなるように前記差分温度が設定されている、
    モータ制御装置。
  2. 前記制御部は、前記第1の基板の温度と前記第2の基板の温度のうち高い方の温度が所定値を超えたときに前記駆動電流を抑制する過熱抑制制御手段をさらに有し、
    前記過熱抑制制御手段は、前記第1のサーミスタの故障が検知されたとき、前記第1の基板の温度として第1の温度推定手段によって推定された温度を用い、前記第2のサーミスタの故障が検知されたとき、前記第2の基板の温度として第2の温度推定手段によって推定された温度を用いる、
    請求項に記載のモータ制御装置。
  3. 車両の操舵部材の操舵操作によって転舵輪を転舵させるステアリング機構と、
    前記操舵部材に付与される操舵トルクを検出するトルクセンサと、
    前記操舵部材の操舵操作を補助する操舵補助トルクを発生させる電動モータと、
    前記トルクセンサによって検出された操舵トルクに応じて前記電動モータに駆動電流を供給する制御装置とを備え、
    当該制御装置が、請求項1又は2に記載のモータ制御装置である、
    電動パワーステアリング装置。
  4. 車両の操舵部材の操舵操作によって転舵輪を転舵させるステアリング機構と、
    前記操舵部材に付与される操舵トルクを検出するトルクセンサと、
    前記操舵部材の操舵操作を補助する操舵補助トルクを発生させる電動モータと、
    前記トルクセンサによって検出された操舵トルクに応じて前記電動モータに駆動電流を供給する制御装置とを備え、
    当該制御装置が、請求項に記載のモータ制御装置であり、
    前記記憶手段は、外気温に応じた複数の前記関係情報を記憶し、
    前記第1の温度推定手段は、複数の前記関係情報のうち外気温に応じた前記関係情報を
    参照して前記第1の基板の温度を推定し、
    前記第2の温度推定手段は、複数の前記関係情報のうち外気温に応じた前記関係情報を参照して前記第2の基板の温度を推定する、
    電動パワーステアリング装置。
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