JP6766122B2 - 水底微動探査装置 - Google Patents
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Description
水底での微動アレイ探査のために用いられる探査装置であって、
ブイと、微動計と、本体部とを備えており、
前記ブイは、水面に浮遊可能とされており、かつ、前記微動計に連結されており、
前記微動計は、前記水底に設置された状態において、前記水底の微動を検出する構成とされており、
前記本体部は、前記微動計の出力を記録する記録部を備えており、
かつ、前記本体部は、前記ブイに取り付けられており、これによって、前記水面近傍に配置可能とされている
水底微動探査装置。
前記本体部は、さらにGPS信号受信部を備えており、
前記GPS信号受信部は、GPS信号に含まれる時間情報及び/又は位置情報を受け取って前記記録部に記録する構成とされている
項目1に記載の水底微動探査装置。
前記本体部は、さらにバッテリを備えており、
前記バッテリは、前記記録部に電力を供給する構成となっている
項目1又は2に記載の水底微動探査装置。
さらに、前記水底に設置された状態における前記微動計の移動を抑制するためのアンカーを備えており、
前記アンカーは、前記微動計に着脱可能なように取り付けられている
項目1〜3のいずれか1項に記載の水底微動探査装置。
項目1〜4のいずれか1項に記載の水底微動探査装置を用いた水底微動探査方法であって、
前記微動計を水中に投下することによって、前記微動計を水底に配置し、かつ、前記ブイと前記本体部とを水面近傍に配置するステップと、
前記微動計によって検出された振動のデータを前記記録部に記録するステップと、
前記記録部に記録された前記振動のデータを用いて前記水底の状態を探査するステップと
を備えた水底微動探査方法。
項目1〜4のいずれか1項に記載の水底微動探査装置における前記微動計の、水中での位置を推定する方法であって、
音波を所定の位置から水中において伝播させるステップと、
前記音波による振動を、前記水底に設置された前記微動計により受信するステップと、
前記微動計により受信した前記振動を用いて前記微動計自体の位置を推定するステップと
を備える位置推定方法。
項目1〜4のいずれか1項に記載の水底微動探査装置に用いられる前記微動計であって、
前記微動計は、前記水底の微動を受信可能とされた複数の微動計本体を備えている
微動計。
項目1〜4のいずれか1項に記載の水底微動探査装置に用いられる前記微動計であって、
前記微動計は、水底の微動を受信可能とされた微動計本体とフレームとを備えており、
前記フレームには、前記微動計が前記水底に設置された状態において、前記微動計の内部における水流の通過を許容する開口部が形成されている
微動計。
ブイ2は、水面10(図1及び図2参照)に浮遊可能なブイ本体21と、このブイ本体21に信号ケーブル7を取り付けるためのフック22とを備えている(図2及び図3参照)。ブイ本体21は、このブイ本体21に取り付けられた防水容器5及び本体部4を水面上に浮遊させることができるだけの浮力を有するものであることが好ましい。このようなブイ本体21としては、既存のものを使用可能なので、これ以上詳しい説明は省略する。フック22としては、信号ケーブル7をブイ本体21に容易に着脱できる構成のものが好ましい。フック22についても、既存のものを使用できるので、詳しい説明は省略する。以上の構成により、本実施形態のブイ2は、水面10において浮遊可能とされており、かつ、信号ケーブル7を介して微動計3に連結されたものとなっている。
本実施形態の本体部4は、ブイ2に取り付けられており、これによって、水面10の近傍に配置可能とされている。具体的には、本体部4は、ブイ本体21の先端に取り付けられた防水容器5の内部に収納されている。つまり、本体部4は、防水容器5を介してブイ本体21の先端に取り付けられたものとなっている(図3参照)。
本実施形態の微動計3は、フレーム31と、このフレームに支持されたケース32と、このケース32内に収納された第1微動計本体33及び第2微動計本体34とから構成されている(図5〜図12参照)。
防水容器5は、内部が水密となるように密閉された箱体状に構成されている(図3参照)。防水容器5の内部には、本体部4が収納されている。信号ケーブル7は、防水容器5の水密性を損なわないような手段、例えばシール部材(図示せず)を用いて、防水容器5を通過して本体部4に接続されている。防水容器5としては、必要に応じて、ある程度の水深でも使用できる耐圧容器を用いることができるが、一般には、水底において使用するほどの耐圧性を有するものでなくてよい。
アンカー6は、アンカー本体61と、フック62と、チェーン63とを備えている(図1及び図13参照)。チェーン63の一端は、微動計3のフレーム31に接続されている。チェーン63の他端は、アンカー本体61の端部に取り付けたフック62に、着脱可能なように取り付けられている。フック62としては、いわゆるカラビナが用いられている。
次に、図14をさらに参照しながら、前記した装置1を用いて水底(以下の例では海底)20の微動を探査する方法の一例を説明する。
本例では、GPS信号を受信可能な船に、必要数の装置1が搭載されているものとする。この状態で、GPS信号に基づいて、微動計3を投下するべき位置を決定する。一般的な微動アレイ探査の場合、図2に示されるように、三角形の頂点の位置と、当該三角形の重心の位置に微動計3を配置することが望ましい。もちろん、それ以外の位置にも微動計3を配置することは可能である。
船が所定位置に到達したら、搭載されている装置1の全体(微動計3を含む全体)を所定位置において水中に投下する。この作業を、必要数の装置1について行う。水中に投下された装置1の状態を図1及び図2に示す。これらの図に示されるように、水中に投下した状態においては、微動計3とアンカー6とが水底(海底)20に配置される。また、ブイ2の上部は水面10よりも上に配置され、これによって、本体部4も水面10より高い位置に配置される。ここで、信号ケーブル7の長さは、予め想定される水深よりも十分長くされている。なお、微動計3の設置位置の正確な推定については後述する。
水底20に接地した微動計3は、水底(つまり地盤)20の微動を受信し、この微動を、本体部4の記録部41に記録する。また、本体部4のGPS信号受信部42は、GPS衛星50からのGPS信号を受信する。本実施形態では、このGPS信号に含まれる時間情報を用いて、振動の記録時間を正確に把握することができる。
所定時間(例えば1時間〜2時間あるいはそれ以上)が経過した後、微動計3を含む装置1の全体を回収する。この回収は、ブイ2の位置を目印とすることにより、船を用いて比較的に容易に行うことができる。
ついで、回収した装置1の本体部4に記録された振動データを解析することにより、地盤の状態、例えばS波速度構造を推定することができる。得られたS波速度構造の一例を図16に示す。
ついで、水底20に設置された微動計3の位置を推定する方法の一例を、図17をさらに参照しながら説明する。
まず、前提として、微動計3は既に水中に投下されているものとする(図1及び図2参照)。この状態において、音波を複数の位置から水中に向けて発信する(図18参照)。具体的には、例えば、適宜な船40に搭載した音波発信装置401(図19参照)を用いて、水中に音波を発信する。そして、当該船40を移動させながら、複数の位置から水中に音波を発信する。図18の例では、設置されたブイ2の外側を反時計回りに周回するように一艘の船40を移動させている。そして、適宜の位置で停船させた後に音波を発信する作業を繰り返すようになっている。ここで、船の位置(したがって音波発信位置)は、船に取り付けたGPS信号受信装置402(図19参照)により把握できるようになっている。本実施形態では、GPS信号受信装置402として、RTK−GPSを用いることにより、位置精度の向上を図っている。
一方、水底20に配置された微動計3は、ステップSB−1の実施中において水中に向けて発信された音波による振動を受信する。一つの音波発信位置において発信された音波の受信波形の例を図20に示す。図20においては、四つの微動計3における受信波形を上から順に記載している。一番下の波形は、発信した音波の波形である。音波発信後、各微動計3において若干の時間差をもって音波が受信されていることがわかる。この受信波形も、本体部4の記録部41に記録される。なお、ここで時間情報は、本体部4のGPS信号受信部42で受信されたものである。
ついで、微動計3を回収した後、微動計3により受信した振動波形を解析することにより、微動計3の位置を推定する。解析手法としては特に制約されないが、例えば、音波発信位置と音波の受信タイミングとを逆解析することによって微動計3の位置を正確に推定することができる。なお、この逆解析の手法は、既存の推定手法に基づいて容易に実施できるので、これ以上詳細な説明は省略する。ここで、微動計3では、水底20の微動と位置推定用の音波とを同時に受信することもあるが、両者は、例えば周波数や受信強度の相違を用いて比較的に精度よく分離することができる。
・アンカーを微動計に固定すると、投入用の装置の準備や、投入作業や、微動計回収の際に、取り回しに手間がかかってしまう。これに対して、アンカーを着脱式にすることにより、これらの問題を軽減ないし解消することができる。
・海底や海流の条件に応じて、アンカーの形状や重量や設置位置(微動計との位置関係)を変更することができ、より適切な設置状態を容易に実現できる。
・これらの理由により、良質な微動データを操作性良く取得できると期待できる。
微動計3を水中に投下することによって、微動計3を水底に配置し、かつ、ブイ2と本体部4とを水面近傍に配置するステップと、
微動計3によって検出された振動のデータ(微動データ)を記録部41に記録するステップと、
記録部41に記録された振動のデータを用いて水底の状態を探査するステップと
を備えた水底微動探査方法。
2 ブイ
21 ブイ本体
22 フック
3 微動計
31 フレーム
311 円環
312 接続板
313・314 開口部
32 ケース
321 基部
322 カバー
323 コネクタ
33 第1微動計本体
34 第2微動計本体
4 本体部
41 記録部
411 増幅器
412 A/D変換器
413 記録媒体
42 GPS信号受信部
43 バッテリ
5 防水容器
6 アンカー
61 アンカー本体
62 フック
63 チェーン
7 信号ケーブル
8 連結具
10 水面(海面)
20 水底(海底)
40 船
401 音波発信装置
402 GPS信号受信装置
50 GPS衛星
Claims (6)
- 水底での微動アレイ探査のために用いられる水底微動探査装置における微動計の、水中での位置を推定する方法であって、
前記水底微動探査装置は、ブイと、微動計と、本体部とを備えており、
前記ブイは、水面に浮遊可能とされており、かつ、前記微動計に連結されており、
前記微動計は、前記水底に設置された状態において、前記水底の微動を検出する構成とされており、
前記本体部は、前記微動計の出力を記録する記録部を備えており、
かつ、前記本体部は、前記ブイに取り付けられており、これによって、前記水面近傍に配置可能とされており、
前記方法は、
前記微動計を前記水底にアレイ状に配置するステップと、
音波を複数の所定位置から水中において伝播させるステップと、
前記音波による振動を、前記水底にアレイ状に設置された前記微動計により受信するステップと、
アレイ状に設置された前記微動計により受信した前記振動を用いて前記微動計自体の位置を推定するステップと
を備える位置推定方法。 - 前記本体部は、さらにGPS信号受信部を備えており、
前記GPS信号受信部は、GPS信号に含まれる時間情報及び/又は位置情報を受け取って前記記録部に記録する構成とされている
請求項1に記載の位置推定方法。 - 前記本体部は、さらにバッテリを備えており、
前記バッテリは、前記記録部に電力を供給する構成となっている
請求項1又は2に記載の位置推定方法。 - さらに、前記水底に設置された状態における前記微動計の移動を抑制するためのアンカーを備えており、
前記アンカーは、前記微動計に着脱可能なように取り付けられている
請求項1〜3のいずれか1項に記載の位置推定方法。 - 前記微動計を前記水底にアレイ状に配置するステップは、前記微動計を、三角形の頂点の位置と、当該三角形の重心の位置とにそれぞれ配置することを含んでいる
請求項1〜4のいずれか1項に記載の位置推定方法。 - 前記所定位置は、前記アレイ状に配置された前記微動計全体の周囲を周回する軌跡上の位置である
請求項1〜5のいずれか1項に記載の位置推定方法。
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