JP6766101B2 - MoSi2製の発熱体からなるヒーター及び該ヒーターの製造方法 - Google Patents
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Description
なお、本明細書で使用するMoSi2製板状発熱体は、純MoSi2又はMoSi2にSiO2等の絶縁性酸化物等を含有させて(通常、MoSi2は70wt%以上含有する)電気抵抗を増加させたMoSi2主成分とする発熱体を含む。
従来、ガラス工業やセラミックス焼成等の多くの分野で使用されている発熱体は、図8で示すように、発熱部(通常、「発熱部」は、通電時に発熱する径が細い部分(端子部以外)を意味する)が1つのU字形を成す形状(2シャンク型)をしており、炉の天井や側壁から宙吊りに取り付けられ、その炉の最高使用温度は1700〜1800℃に達する。
形態係数Fは、二つの面の幾何学的関係を表す数値で、一方の面のすべての位置から発射された輻射線が相手の面内に到達する割合を足し合わせた値を意味し、0〜1で表示される。
一方、ヒーターから発射される輻射線が被熱処理体に到達する割合、つまり形態係数を大きくすることができれば、効果的に被熱処理体へ伝熱が可能となり、省エネルギー化が達成できると考えられる。
また、板状に押し出し発熱部と棒状の端子部を接合する方法は、溶接が安定しない問題があった。このようなことから最近は、形状安定性に優れ、溶接部の問題がなく、既存ヒーターの容易に置き換え可能なヒーターが要求されていた。
以上から、本出願人は、上記を改良する発明を特許出願した(特許文献2参照)。以上の問題点については、特許文献2に既に記載しているものであるが、本願発明の共通の問題なので、本願においても記述した。
端子部と同じ直径のMoSi2材をU字に曲げて、発熱部を板状に切削加工して作製するヒーターの場合、上記に説明した製造条件であり、湾曲部には歪が残っている可能性が大きくなる。そして、この状態で使用した場合、歪の残っている湾曲部で破断する可能性が高くなったり、湾曲部が前後に反り上がる等の問題が生じたりして、ヒーターの寿命に大きく影響する。
以上の点に鑑み、本発明者らは、さらに改善したMoSi2製発熱体及び同発熱体の製造方法を提供するものである。
1)U字形のMoSi2製発熱体であって、当該発熱体は、両端の円柱状端子部、湾曲部、及び前記円柱状端子部と湾曲部をつなぐ板状発熱部を備え、前記湾曲部の断面積が、前記板状発熱部の断面積より大きいことを特徴とするMoSi2製発熱体。
2)前記湾曲部が、円柱状であることを特徴とする上記1)に記載のMoSi2製発熱体。
3)前記板状発熱部の片面が、切削面を備えていることを特徴とする上記1)又は2)に記載のMoSi2製発熱体。
4)前記板状発熱部の両面が、切削面を備えていることを特徴とする上記1)又は2)に記載のMoSi2製発熱体。
5)前記板状発熱部の板幅が、前記円柱状端子部の直径よりも小さいことを特徴とする上記1)〜4)のいずれかに記載のMoSi2製発熱体。
6)前記板状発熱部の片側側面が、切削面を備えていることを特徴とする上記5)に記載のMoSi2製発熱体。
7)前記板状発熱部の両側側面が、切削面を備えていることを特徴とする上記5)に記載のMoSi2製発熱体。
8)前記円柱状端子部及び/又は湾曲部の一部が、切削によって形成された傾斜面を備えていることを特徴とする上記1)〜7)のいずれか一に記載のMoSi2製発熱体。
9)U字形のMoSi2製発熱体の製造方法であって、円柱状のMoSi2製原材料を曲げ加工によりU字形とした後、湾曲部を残し、発熱部となる位置を切削加工して、板状に加工することを特徴とするMoSi2製発熱体の製造方法。
10)円柱状のMoSi2製原材料を曲げ加工によりU字形とした後、発熱部となる位置を切削加工する際に、MoSi2製の円柱の一方の曲面から切削を開始して、板状発熱部の一方の面を平面に加工し、板状発熱部の他方の面が円柱の曲面が残るように加工することを特徴とする上記9)に記載のMoSi2製発熱体の製造方法。
11)円柱状のMoSi2製原材料を曲げ加工によりU字形とした後、発熱部となる位置を切削加工する際に、MoSi2製の円柱の双方の曲面を切削して、前記湾曲部と円柱状の端子部をつなぐ板状の発熱部の両面を平面に加工することを特徴とする上記9)に記載のMoSi2製発熱体の製造方法。
12)前記湾曲部と円柱状の端子部をつなぐ板状の発熱部の片面又は両面の側部が、両端の円柱状端子部の径よりも細い板幅を持つように、切削加工することを特徴とする上記9)〜11)のいずれか一に記載のMoSi2製発熱体の製造方法。
13)湾曲部と板状の発熱部の間、及び板状の発熱部と両端の円柱状端子部の間を、切削により傾斜面に加工することを特徴とする上記9)〜12)のいずれか一に記載のMoSi2製発熱体の製造方法。
このように、湾曲部を切削しないために、その部分は発熱しないか又は発熱を低く抑えることが可能となり、その部分のヒーターの劣化が少なくなり、温度ムラのない特性を得ることができる。
円柱状端子部の構造は従来品と同様であり、両端の円柱状端子部の末端に電極部を構成することができる。したがって、市販の付属品を利用して給電できる。
なお、板状発熱部には、発熱部の両面が平坦な面を備えているもののみならず、片面のみが平坦な面であって、他方の面が曲面を備えているもの(半円柱状のもの)も含む。
MoSi2粉とSiO2粉末を94:6wt%の割合で秤量し、粉砕機で平均粒径を2〜5μmになるよう混合粉砕した。それに10wt%のバインダーを添加して、ミキサーにて混合を行った。次に、この混合物を、押し出し機を使用して棒状に成形した後、アルゴン雰囲気下で脱脂、焼結を行った。そして、これを炉から取り出した後、大気中にて通電焼結を行い直径φ9mmの棒材を得た。
実施例1と同様に作製した直径φ9mmの棒材をU字曲げ機にセットして通電し、1500〜1550℃まで加熱した後、ピッチ25mmのU字形状に曲げた。これを湾曲部の先端から67mmまで直線部の内側および外側を各々0.5mm切削した。内側及び外側の両側面を研削することにより、円柱状端子部と発熱部の幅の関係は、円柱状端子部>発熱部になる。また、内側及び外側の両側面を研削することにより、発熱部の幅方向の端が鋭角にならずに、欠けにくくなる効果がある。
実施例1と同様に作製した直径φ9mmの棒材をU字曲げ機にセットして通電し、1500〜1550℃まで加熱した後、ピッチ25mmのU字形状に曲げた。これを湾曲部の先端から20mm離れた直線部40mmを両面から各々3.5mm切削し、その部分の厚さを2.0mmとし発熱部を形成した。両面から同量切削するため、円柱状端子部と発熱部の幅は同じになる。尚、この切削で、円柱状端子部(元の棒材)の断面積と発熱部(切削部)の断面積の比率は4:1になるようにしたが、3:1程度でもよい。また、円柱状端部と発熱部の境が傾斜になるよう切削している。最後に円柱状端子部の両端にアルミニウムを溶射し、完成となる。図43に本実施例の構造を示す。
実施例1と同様に作製した直径φ9mmの棒材をU字曲げ機にセットして通電し、1500〜1550℃まで加熱した後、ピッチ25mmのU字形状に曲げた。これを湾曲部の先端から65mmまでU字部の外側のみを3.5mm切削し、発熱部の幅を円柱状端子部の幅よりも狭くした。次に湾曲部の先端から20mm離れた直線部40mmを、両面から3.0mm切削し、その部分の厚さを3.0mmとし発熱部を形成した。尚、この切削で、円柱状端子部(元の棒材)の断面積と発熱部(切削部)の断面積の比率は4:1になるようにしたが、3:1程度でもよい。また、円柱状端部と発熱部の境が傾斜になるよう切削している。最後に円柱状端子部の両端にアルミニウムを溶射し、完成となる。図5に本実施例の構造を示す。
実施例1と同様に作製した直径φ9mmの棒材をU字曲げ機にセットして通電し、1500〜1550℃まで加熱した後、ピッチ25mmのU字形状に曲げた。これを湾曲部の先端から100mmまで、片面から6.3mm切削し、その部分の厚さを2.7mmとし発熱部を形成した。片側からのみ切削しているため、円柱状端子部と発熱部の幅の関係は、円柱状端子部>発熱部になる。この切削で、円柱状端子部(元の棒材)の断面積と発熱部(切削部)の断面積の比率は4:1になるようにしている。また、円柱状端部と発熱部の境が傾斜になるよう切削している。
2:板状発熱部
3:切削によって形成された傾斜面
4:湾曲部
5:切削面(平面)
6:非切削面(円柱曲面)
7:給電部に接合できる構造(アルミニウム溶射部)
8:側面切削
Claims (11)
- U字形のMoSi2製発熱体からなるヒーターであって、当該発熱体は、両端の円柱状端子部、湾曲部、及び前記円柱状の端子部と湾曲部とをつなぐ板状発熱部を備え、前記湾曲部の断面積が、前記板状発熱部の断面積よりも大きいことを特徴とするヒーター。
- 前記湾曲部が、円柱状であることを特徴とする請求項1に記載のヒーター。
- 前記板状発熱部の片面が、切削面を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のヒーター。
- 前記板状発熱部の両面が、切削面を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のヒーター。
- 前記板状発熱部の板幅が、前記円柱状端子部の直径よりも小さいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のヒーター。
- 前記円柱状端子部及び/又は湾曲部の一部が、切削によって形成された傾斜面を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のヒーター。
- U字形のMoSi2製発熱体からなるヒーターの製造方法であって、円柱状のMoSi2製原材料を曲げ加工によりU字形とした後、湾曲部を残し、発熱部となる位置を切削加工して、板状に加工することを特徴とするヒーターの製造方法。
- 円柱状のMoSi2製原材料を曲げ加工によりU字形とした後、発熱部となる位置を切削加工する際に、MoSi2製の円柱の一方の曲面から切削を開始して、板状発熱部の一方の面を平面に加工し、板状発熱部の他方の面が円柱の曲面が残るように加工することを特徴とする請求項7に記載のヒーターの製造方法。
- 円柱状のMoSi2製原材料を曲げ加工によりU字形とした後、発熱部となる位置を切削加工する際に、MoSi2製の円柱の双方の曲面を切削して、前記湾曲部と円柱状の端子部をつなぐ板状の発熱部の両面をフラットな面に加工することを特徴とする請求項7に記載のヒーターの製造方法。
- 前記湾曲部と円柱状の端子部をつなぐ板状の発熱部の板幅が、前記円柱状端子部の直径よりも小さくなるように、切削加工することを特徴とする請求項7又は8に記載のヒーターの製造方法。
- 湾曲部と板状の発熱部の間、及び板状の発熱部と両端の円柱状端子部の間を、切削により傾斜面に加工することを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載のヒーターの製造方法。
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