JP6766101B2 - MoSi2製の発熱体からなるヒーター及び該ヒーターの製造方法 - Google Patents

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本発明は、端子部と発熱部が同一材料からなる一体型MoSi製発熱体であって、従来のヒーターよりも省エネルギーであると共に、均熱性の改善の効果を得ることが可能なMoSi製発熱体及び同発熱体の製造方法に関する。
なお、本明細書で使用するMoSi製板状発熱体は、純MoSi又はMoSiにSiO等の絶縁性酸化物等を含有させて(通常、MoSiは70wt%以上含有する)電気抵抗を増加させたMoSi主成分とする発熱体を含む。
二珪化モリブデン(MoSi)を主成分とする発熱体は、優れた耐酸化特性を有するため、特に大気又は酸化性雰囲気下で使用する超高温発熱体として、1950年〜1960年頃から市販され、現在まで幅広い用途で使用されている。この発熱体は主成分として、MoSiを70wt%以上含有している。
従来、ガラス工業やセラミックス焼成等の多くの分野で使用されている発熱体は、図8で示すように、発熱部(通常、「発熱部」は、通電時に発熱する径が細い部分(端子部以外)を意味する)が1つのU字形を成す形状(2シャンク型)をしており、炉の天井や側壁から宙吊りに取り付けられ、その炉の最高使用温度は1700〜1800℃に達する。
現在、市販されているMoSiを主成分とするU字形ヒーターの規格は、発熱部と端子部の線径が、それぞれ、φ3/φ6、φ4/φ9、φ6/φ12、φ9/φ18、φ12/φ24等になる。これはMoSiヒーターの場合は、基本的に発熱部と端子部は同じ組成であるため、素線の直径(断面積)で電気抵抗を変化させることで、発熱量をコントロールする必要があるためである。従ってヒーターに通電すると、径の細い高抵抗の部分が高温になって加熱体としての役割を担い、径の太い低抵抗の部分は発熱を抑え、給電する部分を低温に保つための端子部の役割を担う。
伝熱には熱伝導、熱対流、熱輻射の3形態あるが、抵抗加熱炉における被熱処理体への伝熱は、ヒーターからの熱輻射の割合が高いと言われている。輻射エネルギーの伝熱量Qは、Q=σ(T −T )・A・Fという式で表され、ここでσはステファン・ボルツマン定数、T1,Tは絶対温度になり、抵抗加熱炉においてはヒーターと被熱処理体の絶対温度に相当し、またAは面積、Fは形態係数になる。
形態係数Fは、二つの面の幾何学的関係を表す数値で、一方の面のすべての位置から発射された輻射線が相手の面内に到達する割合を足し合わせた値を意味し、0〜1で表示される。
従って抵抗加熱炉において同一の表面積を有する被熱処理体に輻射エネルギーの伝熱量Qを多くするには、ヒーターの絶対温度を高くするか、もしくは形態係数を大きくするかになる。しかし、絶対温度を高くする場合は、それだけ多くの電力が必要となるため、省エネルギーの観点からは効果がない。
一方、ヒーターから発射される輻射線が被熱処理体に到達する割合、つまり形態係数を大きくすることができれば、効果的に被熱処理体へ伝熱が可能となり、省エネルギー化が達成できると考えられる。
そこで本発明者らは、発熱部を従来の棒状(円柱状)から断面積は同一のまま板状にすることによって、被熱処理体と対面する発熱部の面積を大きくすることを考えた。発熱部線幅/端子部線幅の比率を従来の0.44〜0.50から0.7〜1.0に大きくすれば、形態係数も大きくなり、同じヒーターの表面温度でも輻射エネルギーの伝熱量が多くなると考えられる。そして、本発明者は、この板状のMoSiヒーターについて、特許出願を行なった。しかしながら、棒状に押し出した後、加熱変形させて板状にする場合(文献1参照)は、形状安定性が非常に難しかった。
また、帯状(板状)に押し出し成形して作製する場合は、端子部も板状となって、炉の構造を見直す必要があり、また端子部周辺の付属品を特別に調達する必要があり、従来の棒状ヒーターからの置き換えが非常に不便であった。
また、板状に押し出し発熱部と棒状の端子部を接合する方法は、溶接が安定しない問題があった。このようなことから最近は、形状安定性に優れ、溶接部の問題がなく、既存ヒーターの容易に置き換え可能なヒーターが要求されていた。
炉の構造やヒーター周辺の付属品を変更することなく従来品と置き換えを可能にするには、端子部は従来通り棒状にしておく必要がある。また、U字形のピッチを市販の規格と同一にしておく必要がある。現在、市場で販売されている発熱部と端子部の径がφ4/φ9、φ6/φ12、φ9/φ18のヒーターにおいては、発熱部の標準U字ピッチは、それぞれ25mm(φ4材)、40mm(φ6材)、50mm(φ9材)となっている。
この部分を、端子部の太い材料で25mm(φ9材)、40mm(φ12材)、50mm(φ18材)を用いて通電加熱しながら曲げようとした場合、従来は断線するか、曲がっても湾曲部にクラックが入るために、加工が非常に難しく、行われていなかった。また、仮にU字形に曲がっても、湾曲部が同一平面に乗るのが難しく、そのまま発熱部を研削すると、厚みばらつきが生じ、均一に発熱するヒーターを作製するのは困難であった。
以上から、本出願人は、上記を改良する発明を特許出願した(特許文献2参照)。以上の問題点については、特許文献2に既に記載しているものであるが、本願発明の共通の問題なので、本願においても記述した。
U字形ヒーターは、MoSi材を高温に加熱して軟化させた後に曲げて作製する。この時、湾曲部の内側では圧縮、外側では引っ張りの力が加わり、歪が残った状態になる。これは、母材の直径が太く、且つ、U字部のピッチが狭い場合には特に顕著となる。
端子部と同じ直径のMoSi材をU字に曲げて、発熱部を板状に切削加工して作製するヒーターの場合、上記に説明した製造条件であり、湾曲部には歪が残っている可能性が大きくなる。そして、この状態で使用した場合、歪の残っている湾曲部で破断する可能性が高くなったり、湾曲部が前後に反り上がる等の問題が生じたりして、ヒーターの寿命に大きく影響する。
また、発熱部が上記板状の場合、輻射効率を上げるため端子部とほぼ同等の幅にする。この時、湾曲部の内側と外側では電流経路に距離差(=抵抗値の差)が生じる。これは、湾曲部の内側と外側での温度差につながる。即ち、内側では温度が高く、外側では低い分布になり、ヒーターの均一加熱特性が低下する。
以上の点に鑑み、本発明者らは、さらに改善したMoSi製発熱体及び同発熱体の製造方法を提供するものである。
特許第3947661号 特開2011−90801号公報
本発明は、円柱状端子部と板状発熱部が同一材料からなる一体型MoSi製発熱体であって、棒状素線を通電加熱によりU字曲げ加工した後、研削して、直線部のみを板状の発熱部とすることを特徴とする、U字形ヒーター(MoSi製発熱体)を提供する。このように、湾曲部を発熱部としないために、その部分は発熱しないか、又は発熱を低く抑えることが可能となり、その部分のヒーターの劣化が少なくなり、温度ムラのない特性を得ることができる。
上記の課題を解決するために、本発明は、この知見に基づき、次の発明を提供する。
1)U字形のMoSi製発熱体であって、当該発熱体は、両端の円柱状端子部、湾曲部、及び前記円柱状端子部と湾曲部をつなぐ板状発熱部を備え、前記湾曲部の断面積が、前記板状発熱部の断面積より大きいことを特徴とするMoSi製発熱体。
2)前記湾曲部が、円柱状であることを特徴とする上記1)に記載のMoSi製発熱体。
3)前記板状発熱部の片面が、切削面を備えていることを特徴とする上記1)又は2)に記載のMoSi製発熱体。
4)前記板状発熱部の両面が、切削面を備えていることを特徴とする上記1)又は2)に記載のMoSi製発熱体。
5)前記板状発熱部の板幅が、前記円柱状端子部の直径よりも小さいことを特徴とする上記1)〜4)のいずれかに記載のMoSi製発熱体。
6)前記板状発熱部の片側側面が、切削面を備えていることを特徴とする上記5)に記載のMoSi製発熱体。
7)前記板状発熱部の両側側面が、切削面を備えていることを特徴とする上記5)に記載のMoSi製発熱体。
8)前記円柱状端子部及び/又は湾曲部の一部が、切削によって形成された傾斜面を備えていることを特徴とする上記1)〜7)のいずれか一に記載のMoSi製発熱体。
また、本発明は、上記知見に基づき、次の発明を提供する。
9)U字形のMoSi製発熱体の製造方法であって、円柱状のMoSi製原材料を曲げ加工によりU字形とした後、湾曲部を残し、発熱部となる位置を切削加工して、板状に加工することを特徴とするMoSi製発熱体の製造方法。
10)円柱状のMoSi製原材料を曲げ加工によりU字形とした後、発熱部となる位置を切削加工する際に、MoSi製の円柱の一方の曲面から切削を開始して、板状発熱部の一方の面を平面に加工し、板状発熱部の他方の面が円柱の曲面が残るように加工することを特徴とする上記9)に記載のMoSi製発熱体の製造方法。
11)円柱状のMoSi製原材料を曲げ加工によりU字形とした後、発熱部となる位置を切削加工する際に、MoSi製の円柱の双方の曲面を切削して、前記湾曲部と円柱状の端子部をつなぐ板状の発熱部の両面を平面に加工することを特徴とする上記9)に記載のMoSi製発熱体の製造方法。
12)前記湾曲部と円柱状の端子部をつなぐ板状の発熱部の片面又は両面の側部が、両端の円柱状端子部の径よりも細い板幅を持つように、切削加工することを特徴とする上記9)〜11)のいずれか一に記載のMoSi製発熱体の製造方法。
13)湾曲部と板状の発熱部の間、及び板状の発熱部と両端の円柱状端子部の間を、切削により傾斜面に加工することを特徴とする上記9)〜12)のいずれか一に記載のMoSi製発熱体の製造方法。
本発明は、U字形のMoSi製発熱体であって、当該発熱体は、両端の円柱状端子部、湾曲部、及び前記円柱状の端子部と湾曲部をつなぐ板状の発熱部を備えており、従来よりも高効率で使用できるMoSi製発熱体(ヒーター)を提供するものである。上記から明らかなように、湾曲部を平坦に切削せずに、U字形の直線部のみを切削して発熱部としたフラットヒーターとするものである。
このように、湾曲部を切削しないために、その部分は発熱しないか又は発熱を低く抑えることが可能となり、その部分のヒーターの劣化が少なくなり、温度ムラのない特性を得ることができる。
円柱状端子部と板状発熱部が同一材料からなる一体型MoSi製発熱体であり、発熱部が板状であり、端子部が円柱状である従来型のMoSi製板状発熱体の例を示す模式図である。 本発明のU字形のMoSi製発熱体であり、両端の円柱状端子部、湾曲部、及び前記円柱状の端子部と湾曲部とをつなぐ板状の発熱部を、備えているMoSi製発熱体の代表例を示す模式図である。 両端の円柱状端子部、湾曲部及び前記円柱状の端子部と湾曲部をつなぐ板状の発熱部を持つU字形のMoSi製発熱体であり、円柱状の端子部と湾曲部をつなぐ板状の発熱部が、両端の円柱状端子部の径よりも細い板幅を持つMoSi製発熱体の模式図である。 両端の円柱状端子部、湾曲部及び前記円柱状の端子部と湾曲部をつなぐ板状の発熱部を持つU字形のMoSi製発熱体であり、円柱状の端子部と湾曲部をつなぐ板状の発熱部の両面が平面を備えているMoSi製発熱体の代表例を示す模式図である。 両端の円柱状端子部、湾曲部及び前記円柱状の端子部と湾曲部をつなぐ板状の発熱部を持つU字形のMoSi製発熱体であり、円柱状の湾曲部と円柱状の端子部をつなぐ板状の発熱部の両面が平面を備え、かつ板状の発熱部が、両端の円柱状端子部の径よりも細い板幅を持つMoSi製発熱体の代表例を示す模式図である。 円柱状端子部と板状発熱部が同一材料からなる一体型MoSi製発熱体であり、発熱部が板状であり、端子部が円柱状である従来型のMoSi製板状発熱体の通電加熱状況を示す写真である。 本発明のU字形のMoSi製発熱体であり、両端の円柱状端子部、湾曲部、及び前記円柱状の端子部と湾曲部とをつなぐ板状の発熱部を備えているMoSi製発熱体の通電加熱状況を示す写真である。 通常のU字型ヒーターの発熱部と端子部を示す模式図である。
本発明のMoSi製板状発熱体を製造するには、まず発熱体の原料粉末をバインダーと混合し、この混合物を型から押出して円柱状の成形体(グリーン)とする。そして、脱脂を行なった後、一次焼結及び通電焼結により原料粉末を焼結させて、緻密で直進性の良い円柱状の発熱体基材を作製する。
円柱状端子部の構造は従来品と同様であり、両端の円柱状端子部の末端に電極部を構成することができる。したがって、市販の付属品を利用して給電できる。
この例は、発熱体の原料粉末をバインダーと混合し、この混合物を型から押出して板状の成形体(グリーン)を作製したものである。しかし、この原料となる円柱状の成形体の製造方法は、円柱状の成形体を得ることができれば、押し出しに限定される必要はないことは容易に理解できるであろう。例えば、プレス成型により円柱状の成型体とすることもできる。密度の高いより精密な焼結体を得ることができれば、いずれの原材料を使用しても良い。
このように作製した円柱状の発熱体基材は、通電加熱し、高温下で曲げ加工することができる。円柱状のMoSi製発熱体基材を、所定のピッチに曲げ加工によりU字形とした後、両端の円柱状端子部と湾曲部を残して、その間(U字形の直線部)を切削し、板状の発熱部とする。すなわち、本発明のU字形のMoSi製発熱体は、1)両端の円柱状端子部、2)湾曲部、及び3)前記円柱状端子部と湾曲部をつなぐ板状の発熱部を備える構造を有する。具体的には、円柱状端子部は、アルミニウム溶射端部から傾斜面終了部までであり、板状発熱部は、円柱状端子部の傾斜面終了部から湾曲部の傾斜面開始部までであり、湾曲部は、片側の板状発熱部の傾斜面開始部から反対側の傾斜面終了部までである。
なお、板状発熱部には、発熱部の両面が平坦な面を備えているもののみならず、片面のみが平坦な面であって、他方の面が曲面を備えているもの(半円柱状のもの)も含む。
図2は、側部を除き、円柱状の端子部と湾曲部をつなぐ板状の発熱部の片面のみが平坦な面を備えているMoSi製発熱体を示す。すなわち、片面のみを切削加工したものである。MoSi製発熱体の湾曲部は研削されておらず、平面形状を有していないので、湾曲部の断面積は、発熱部の断面積よりも大きくなり、この部分は発熱が極めて小さく、主に発熱する部分は板状の発熱部のみである。これにより、湾曲部の劣化が少なく、この結果温度ムラのない特性を得ることができる。

なお、比較のために従来のMoSi製発熱体を図1に示す。この図1においては、湾曲部も切削により、平板形となっている。このため、平板状の湾曲部の劣化が激しくなり、温度ムラが生ずるという問題を発生する。
図3は、前記湾曲部と円柱状の端子部をつなぐ板状の発熱部の片面の側部が、両端の円柱状端子部の径よりも細い板幅を持つMoSi製発熱体を示す。この場合は、図2と同様に、側部を除き、湾曲部と円柱状の端子部をつなぐ板状の発熱部の片面のみがフラットな面を備え、かつ湾曲部は研削されておらず、平面形状を有していないので、この部分は発熱が極めて小さく、主に発熱する部分は、板状の発熱部のみとなる。これにより、図2と同様に、湾曲部の劣化が少なく、この結果温度ムラのない特性を得ることができる。
図4は、湾曲部と円柱状の端子部とをつなぐ板状の発熱部の両面が平坦面(フラットな面)を備えているMoSi製発熱体を示す。この場合も、図2と同様に、側部を除き、湾曲部と円柱状の端子部とをつなぐ板状の発熱部の両面がフラットな面を備え、かつ湾曲部は研削されておらず、平面形状を有していないので、この部分は発熱が極めて小さく、主に発熱する部分は、板状の発熱部のみとなる。これにより、図2と同様に、湾曲部の劣化が少なく、この結果温度ムラのない特性を得ることができる。
図5は、湾曲部と円柱状の端子部とをつなぐ板状の発熱部の両面の側部が、両端の円柱状端子部の径よりも細い板幅を持つと共に、湾曲部と円柱状の端子部とをつなぐ板状の発熱部の両面がフラットな面を備えているMoSi製発熱体を示す。この場合も、図2と同様に、側部を除き、湾曲部と円柱状の端子部とをつなぐ板状の発熱部の両面がフラットな面を備え、かつ湾曲部は研削されておらず、平面形状を有していないので、この部分は発熱せず、発熱する部分は、板状の発熱部のみとなる。これにより、図2と同様に、湾曲部の劣化が少なく、この結果温度ムラのない特性を得ることができる。
また必要に応じて、湾曲部と板状の発熱部の間、及び板状の発熱部と両端の円柱状端子部の間を、切削により傾斜面に加工することができる。これにより、各部間の温度勾配が緩やかになり、発熱体への負荷を和らげ、寿命を長くするという効果を得ることができる。
次に、実施例について説明する。なお、この実施例は、発明の理解を容易にするためのものであって、以下の実施例に、本発明が限定されるものでないことは理解されるべきものである。
(実施例1)
MoSi粉とSiO粉末を94:6wt%の割合で秤量し、粉砕機で平均粒径を2〜5μmになるよう混合粉砕した。それに10wt%のバインダーを添加して、ミキサーにて混合を行った。次に、この混合物を、押し出し機を使用して棒状に成形した後、アルゴン雰囲気下で脱脂、焼結を行った。そして、これを炉から取り出した後、大気中にて通電焼結を行い直径φ9mmの棒材を得た。
次にこの棒材をU字曲げ機にセットして通電し、1500〜1550℃まで加熱した後、ピッチ25mmのU字形状に曲げた。これを湾曲部の先端から20mm離れた直線部40mmを片面から6.3mm切削し、その部分の厚さを2.7mmとし発熱部を形成した。尚、この切削で、湾曲部及び円柱状端子部(元の棒材)の断面積と発熱部(切削部)の断面積の比率は4:1になるようにしたが、3:1程度でもよい。また、円柱状端部と発熱部の境が傾斜になるよう切削している。
最後に円柱状端子部の両端にアルミニウムを溶射し、完成となる。図2に本実施例の構造を示す。図7は、このヒーターに電流を流し、発熱させた状態である。湾曲部は目的通り赤熱していないことが分かる。
(実施例2)
実施例1と同様に作製した直径φ9mmの棒材をU字曲げ機にセットして通電し、1500〜1550℃まで加熱した後、ピッチ25mmのU字形状に曲げた。これを湾曲部の先端から67mmまで直線部の内側および外側を各々0.5mm切削した。内側及び外側の両側面を研削することにより、円柱状端子部と発熱部の幅の関係は、円柱状端子部>発熱部になる。また、内側及び外側の両側面を研削することにより、発熱部の幅方向の端が鋭角にならずに、欠けにくくなる効果がある。
次に湾曲部の先端から20mm離れた直線部40mmを片面から6.2mm切削し、その部分の厚さを2.8mmとし発熱部を形成した。尚、この切削で、円柱状端子部(元の棒材)の断面積と発熱部(切削部)の断面積の比率は4:1になるようにしたが、3:1程度でもよい。また、円柱状端部と発熱部の境が傾斜になるよう切削している。最後に円柱状端子部の両端にアルミニウムを溶射し、完成となる。図3に本実施例の構造を示す。
(実施例3)
実施例1と同様に作製した直径φ9mmの棒材をU字曲げ機にセットして通電し、1500〜1550℃まで加熱した後、ピッチ25mmのU字形状に曲げた。これを湾曲部の先端から20mm離れた直線部40mmを両面から各々3.5mm切削し、その部分の厚さを2.0mmとし発熱部を形成した。両面から同量切削するため、円柱状端子部と発熱部の幅は同じになる。尚、この切削で、円柱状端子部(元の棒材)の断面積と発熱部(切削部)の断面積の比率は4:1になるようにしたが、3:1程度でもよい。また、円柱状端部と発熱部の境が傾斜になるよう切削している。最後に円柱状端子部の両端にアルミニウムを溶射し、完成となる。図43に本実施例の構造を示す。
(実施例4)
実施例1と同様に作製した直径φ9mmの棒材をU字曲げ機にセットして通電し、1500〜1550℃まで加熱した後、ピッチ25mmのU字形状に曲げた。これを湾曲部の先端から65mmまでU字部の外側のみを3.5mm切削し、発熱部の幅を円柱状端子部の幅よりも狭くした。次に湾曲部の先端から20mm離れた直線部40mmを、両面から3.0mm切削し、その部分の厚さを3.0mmとし発熱部を形成した。尚、この切削で、円柱状端子部(元の棒材)の断面積と発熱部(切削部)の断面積の比率は4:1になるようにしたが、3:1程度でもよい。また、円柱状端部と発熱部の境が傾斜になるよう切削している。最後に円柱状端子部の両端にアルミニウムを溶射し、完成となる。図5に本実施例の構造を示す。
(比較例1)
実施例1と同様に作製した直径φ9mmの棒材をU字曲げ機にセットして通電し、1500〜1550℃まで加熱した後、ピッチ25mmのU字形状に曲げた。これを湾曲部の先端から100mmまで、片面から6.3mm切削し、その部分の厚さを2.7mmとし発熱部を形成した。片側からのみ切削しているため、円柱状端子部と発熱部の幅の関係は、円柱状端子部>発熱部になる。この切削で、円柱状端子部(元の棒材)の断面積と発熱部(切削部)の断面積の比率は4:1になるようにしている。また、円柱状端部と発熱部の境が傾斜になるよう切削している。
最後に円柱状端子部の両端にアルミニウムを溶射し、完成となる。図1に構造を示す。また、図6は、このヒーターに電流を流し、発熱させた状態である。湾曲部と直線部を比較すると、湾曲部先端が暗くなっている。これは湾曲部先端の温度が低いということを示しており、発熱部に温度にムラがあるということである。また炉温1500℃まで加熱後に室温まで冷却して発熱体の状態を観察したところ、湾曲部先端が炉壁側に反る問題が発生していた。
本発明は、U字形のMoSi製発熱体であって、当該発熱体は、両端の円柱状端子部、湾曲部及び前記円柱状の端子部とU字形湾曲部とをつなぐ板状の発熱部を、備え、前記湾曲部の断面積が、前記板状発熱部の断面積より大きいことを特徴とするMoSi製発熱体。また、本発明は、U字形のMoSi製発熱体の製造方法であって、円柱状のMoSi製原材料を曲げ加工によりU字形とした後、湾曲部を残し、直線部を平坦面となるように切削加工して発熱部とすることを特徴とするMoSi製発熱体の製造方法を提供するものである。
本発明は、上記の通り、U字形のMoSi製発熱体の湾曲部を切削しないため、その部分は発熱しないか又は発熱を低く抑えることが可能となり、その部分のヒーターの劣化が少なくなり、さらに、被熱処理体を均一に輻射加熱することができ、温度ムラのない特性を得ることができる。したがって、低エネルギーで高温加熱が可能となり、特に電気炉などに使用されるヒーターとして有用である。
1:円柱状端子部
2:板状発熱部
3:切削によって形成された傾斜面
4:湾曲部
5:切削面(平面)
6:非切削面(円柱曲面)
7:給電部に接合できる構造(アルミニウム溶射部)
8:側面切削

Claims (11)

  1. U字形のMoSi2製発熱体からなるヒーターであって、当該発熱体は、両端の円柱状端子部、湾曲部、及び前記円柱状の端子部と湾曲部とをつなぐ板状発熱部を備え、前記湾曲部の断面積が、前記板状発熱部の断面積よりも大きいことを特徴とするヒーター。
  2. 前記湾曲部が、円柱状であることを特徴とする請求項1に記載のヒーター。
  3. 前記板状発熱部の片面が、切削面を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のヒーター。
  4. 前記板状発熱部の両面が、切削面を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のヒーター。
  5. 前記板状発熱部の板幅が、前記円柱状端子部の直径よりも小さいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のヒーター。
  6. 前記円柱状端子部及び/又は湾曲部の一部が、切削によって形成された傾斜面を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のヒーター。
  7. U字形のMoSi2製発熱体からなるヒーターの製造方法であって、円柱状のMoSi2製原材料を曲げ加工によりU字形とした後、湾曲部を残し、発熱部となる位置を切削加工して、板状に加工することを特徴とするヒーターの製造方法。
  8. 円柱状のMoSi2製原材料を曲げ加工によりU字形とした後、発熱部となる位置を切削加工する際に、MoSi2製の円柱の一方の曲面から切削を開始して、板状発熱部の一方の面を平面に加工し、板状発熱部の他方の面が円柱の曲面が残るように加工することを特徴とする請求項7に記載のヒーターの製造方法。
  9. 円柱状のMoSi2製原材料を曲げ加工によりU字形とした後、発熱部となる位置を切削加工する際に、MoSi2製の円柱の双方の曲面を切削して、前記湾曲部と円柱状の端子部をつなぐ板状の発熱部の両面をフラットな面に加工することを特徴とする請求項7に記載のヒーターの製造方法。
  10. 前記湾曲部と円柱状の端子部をつなぐ板状の発熱部の板幅が、前記円柱状端子部の直径よりも小さくなるように、切削加工することを特徴とする請求項7又は8に記載のヒーターの製造方法。
  11. 湾曲部と板状の発熱部の間、及び板状の発熱部と両端の円柱状端子部の間を、切削により傾斜面に加工することを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載のヒーターの製造方法。

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