JP6765551B2 - はだ焼鋼の鍛造熱処理品 - Google Patents

はだ焼鋼の鍛造熱処理品 Download PDF

Info

Publication number
JP6765551B2
JP6765551B2 JP2019556050A JP2019556050A JP6765551B2 JP 6765551 B2 JP6765551 B2 JP 6765551B2 JP 2019556050 A JP2019556050 A JP 2019556050A JP 2019556050 A JP2019556050 A JP 2019556050A JP 6765551 B2 JP6765551 B2 JP 6765551B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
steel
less
temperature
forging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019556050A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2019102584A1 (ja
Inventor
芳彦 鎌田
芳彦 鎌田
康裕 中西
康裕 中西
智晃 端野
智晃 端野
利信 宮田
利信 宮田
建壮 高橋
建壮 高橋
一樹 松嶌
一樹 松嶌
絢子 服崎
絢子 服崎
隆司 兵恵
隆司 兵恵
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
CHANGZHOU GOHSYU AUTOMOBILE PARTS CO., LTD.
Gohsyu Corp
Original Assignee
CHANGZHOU GOHSYU AUTOMOBILE PARTS CO., LTD.
Gohsyu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by CHANGZHOU GOHSYU AUTOMOBILE PARTS CO., LTD., Gohsyu Corp filed Critical CHANGZHOU GOHSYU AUTOMOBILE PARTS CO., LTD.
Publication of JPWO2019102584A1 publication Critical patent/JPWO2019102584A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6765551B2 publication Critical patent/JP6765551B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D8/00Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/18Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
    • C22C38/40Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
    • C22C38/58Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with more than 1.5% by weight of manganese

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)
  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Description

本発明は、はだ焼鋼を素材として使用した鍛造熱処理品に関するものである。
従来、自動車の変速機や差動装置に使用される歯車やプーリーなどの浸炭部品は、はだ焼鋼を用いて熱間鍛造(冷間鍛造が付加される場合もある。以下同じ。)を行い、引き続き行われる機械加工を容易にさせるために焼準処理を行った後、機械加工を施して最終部品の形状に加工し、浸炭焼入れを行って表面硬化し、更に仕上げ加工をして最終部品を得るようにしていた。
ところで、近年、環境対応の観点から、これらの部品に対する小型軽量化、それを実現するための部品形状の複雑化が進んでいる。
すなわち、(1)これらの部品を小型化するためには、高強度化が必要であり、当該鍛造品の硬さが高くなって機械加工時の工具寿命が短くなる、(2)複雑な形状の部品を浸炭焼入れするため、浸炭焼入れ歪も大きくなっており部品としての不良率も増加してきている。
このため、(1)熱間鍛造後に焼準処理を設けて鍛造部品を軟化させて工具寿命の改善を図るようにする試みや、(2)浸炭焼入れ歪による不良率の増加を防ぐため、熱間鍛造後に焼準処理などが行われてきた。
全世界的な自動車の普及に伴い、極めて多量な部品の製造を余儀なくされ、(1)成形面では、熱間鍛造と冷間加工を組み合わせた工法、(2)浸炭処理では、従来のガス浸炭に加え高温ガス浸炭や減圧高温浸炭を行う工法や、浸炭と窒化を組み合わせた工法(浸炭窒化)などが採用されている。前者は機械加工の簡略化、後者は浸炭時間の短縮化や浸炭部品の高機能化を狙ったものであるが、浸炭処理温度によっては、オーステナイト粒の粗大化による部品の強度低下や浸炭焼入れ歪の増加などを招く場合があり、これらの工程の適正化やそれによるコストダウンなどが望まれていた。
そして、この要請に応えるために、未満の文献に示すような各種技術が開発されてきた。
特開2015−160967号公報 国際公開第2015/098528号 特開2004−204263号公報 特開2005−133153号公報 特開2008−189989号公報 国際公開第99/05333号
西沢泰二、「鉄と鋼」、第70年(1984)第15号、p.194〜202 藤松威史、外3名、「鉄と鋼」、Vol.93(2007)No.10、p.35〜40 木下修司、外2名、「鉄と鋼」、第59年(1973)第3号、p.88〜95 柘植敏行、外3名、「鉄と鋼」、’86−S509、p.103 酒井宏明、外4名、「神戸製鋼技報」、Vol.61(Apr.2011)No.1、p.11−15
ところで、特許文献1の技術は、1050−1100℃の減圧高温浸炭処理用鍛造部品及びその製造方法を提供するものであり、当該浸炭処理でオーステナイト結晶粒の粗大化を起こさせないようにするため、炭窒化物の大きさと析出数を規定の範囲に入った鍛造品とその製造方法を規定するものである。1050−1100℃の減圧高温浸炭処理でオーステナイト結晶粒の粗大化を抑制するため適切な大きさで多量の炭窒化物を浸炭処理前に析出させる必要があり、「鍛造用母材を、熱間鍛造の前に1300℃以上の高温に加熱する。この高温加熱によって、鋼中に存在していた炭窒化物、つまり、AlN及びNb炭窒化物等を母相中に固溶させる作用効果が得られる。」としている。このような高温の熱処理を鍛造用母材に施すことは製造コストや製造サイクルタイムを無用に付加するため、実用上の大きな妨げとなっており、「鍛造用母材を、熱間鍛造の前に1300℃以上の高温に加熱する。」ことが、大きな課題となっていた。また、1050−1100℃の減圧高温浸炭処理でのオーステナイト結晶粒の粗大化を防止するため、「Nb添加量が少ない場合、ピン止め効果に寄与するNb炭窒化物の量が不足して異常粒成長を抑制する作用が十分に得られなくなるので、Nb含有量の下限を0.08%とする。」とNbを多量に添加させることにしている。Nbの多量添加は添加コストの増大だけではなく、非特許文献5に記載されているように、連続鋳造鋳片の表面欠陥の増加をもたらし、鋼片手入れの頻度を増加させて製造コスト上昇を招く。当該非特許文献には、連続鋳造の3次冷却時間の延長で鋳造鋳片の組織制御をすることがその対策として記載されている。しかし、表面欠陥指数が半減することは記載されているが、そのための特別な設備を付与し、また製造のサイクルタイムを増加させる一方、完全に撲滅できている訳ではない。そのため、「Nb添加なし、或いは、添加量を極力少なくした鍛造用鋼材で、オーステナイト粒の粗粒化を抑制すること」が、大きな課題となっていた。このため、本発明は、「鍛造用母材を熱間鍛造の前に1300℃以上の高温に加熱すること。」のない、かつ「Nb無添加、或いは、添加量を極力少なくした鍛造用母材」で製造する「鍛造熱処理品を提供する製造方法」を提案するものである。
特許文献2の技術は、「熱間鍛造用鋼材及びその製造方法ならびにその鋼材を用いた熱間鍛造素形材」を提供するものであり、「圧延方向と垂直な断面におけるミクロ組織において、マトリックスが、面積率でベイナイトと、フェライト及びパーライトとで構成され、更に、面積1μm中において、円相当直径が10nm以上のAlNの内で、円相当直径が10−100nmのものが85%以上である熱間鍛造用鋼材」である。一方、本発明は、熱間鍛造用鋼材を用いた浸炭処理前の「鍛造熱処理品」に関わるものである。すなわち、本発明では鍛造と熱処理を施すことにより、特許文献2に規定するマトリックスの金属組織はオーステナイト化を2度繰り返して、その組織を消滅させた後の焼準処理でフェライト+パーライト組織にするものである。またマトリックスの析出物は鍛造加熱時に固溶させて、その析出物を消滅させた後の鍛造後の冷却過程及び焼準処理時に再度形成させたものであり、特許文献2の技術は、本発明の「鍛造熱処理品」とは異なるものである。また、析出物の析出個数についても規定がなく、また析出物が単体で析出する場合、或いは2個或いは2個以上の複合で析出する場合などの析出形態などについての規定もなく、まったく異なる技術であるといえる。また、本発明は当該鋼材の製造方法を規定したものでもない。
特許文献3の技術は、特許文献2と同様に「熱間圧延後の組織のマトリックス中に直径0.1μm以下のAlNの析出物を5個/μm以上とし、・・・冷間加工性と浸炭時の粗大粒防止特性に優れたはだ焼用鋼材とその製造方法」を提供するものである。一方、本発明は、熱間鍛造用鋼材を用いた浸炭処理前の「鍛造熱処理品」に関わるものであり、鋼材のマトリックスの内容を規定したものではなく、当該鋼材の製造方法を規定したものでもない。
特許文献4及び5の技術は、特許文献2や3と同様にはだ焼鋼材やその製造方法を規定するものであり、本発明とは異なるものである。
特許文献6の技術は、「熱間圧延後のNb(CN)の析出量が0.005%以上、AlNの析出量を0.005%以下、鋼の母相中に直径0.1μm以下のNb(CN)を20個/100μm以上、ベイナイトの組織分率を30%以下、フェライト結晶粒度番号を8−11番とすることを特徴とする浸炭時の粗大化防止特性に優れたはだ焼鋼」、又は更に、「熱間鍛造後の鋼のマトリックス中に直径0.1μm以下のNb(CN)を20個/μm以上有することを特徴とする浸炭時の粗大化防止特性に優れた浸炭部品用素形材」を規定したものであり、Nb(CN)析出物を規定するものであり、本発明とは異なるものである。
なお、非特許文献の技術については、本発明の規定に関わる内容を記載するために引用した文献であり、以下の説明文の中で説明する。
本発明は、上記従来の鍛造部品の製造に関する問題点に鑑み、工程の簡略化を種々検討し、(1)熱間鍛造と冷間加工を組み合わせた工法で成形したり、浸炭温度が980℃までの減圧高温浸炭で熱処理時間の短縮を図る場合でも、(2)鍛造前に鍛造用母材を1300℃以上に高温加熱する工程を省略でき、(3)鍛造用鋼材にNbを0.08%以上添加しなくても、(4)鍛造用鋼材の成分と鍛造加熱温度及び焼準条件の最適化を図って、AlN析出物の析出形態の最適化を図れば、(5)実用温度域での浸炭処理でオーステナイト結晶粒の粗大化を生じない、或いは浸炭焼入れ歪の小さなはだ焼鋼の鍛造熱処理品を提供できることを見出したものである。
上記目的を達成するため、本発明のはだ焼鋼の鍛造熱処理品は、はだ焼鋼を素材として使用し、下記(1)〜(3)の工程で熱間鍛造及び熱処理を行うことで製造される。
(1)素材を1100〜1280℃で加熱し、950〜1200℃の温度で鍛造する工程。ここで用いる素材は、熱間鍛造前に1300℃以上の高温に加熱処理する必要はない。
(2)鍛造後の冷却は自然空冷、或いは制御冷却したとしても、0.1〜2℃/sの範囲で冷却する工程。
(3)引き続き焼準処理を実施する工程では、焼準の昇温過程では0.10〜0.40℃/sの範囲の昇温速度で昇温し、所定の焼準温度に到達する昇温過程での860℃から焼準温度到達後冷却過程での860℃に冷却されるまでの時間を1800s以下とし、引き続き0.10〜0.60℃/sの冷却速度で550℃まで冷却されて、焼準炉から炉出しされる工程(なお、焼準炉からの炉出しを、常温付近まで冷却した後に行うこともできる。)。ここで、550℃より高い温度でフェライトパーライト変態が完了したことを判断できる場合は、その時点で炉出ししてもよい。
(4)これらの工程を経ることにより、鍛造部品はAlN(Aluminum Nitride(窒化アルミニウム)。以下、「AlN」という。)析出物などの微細析出物の分散が図れて、浸炭時にオーステナイト粒の異常粒成長が抑制され、結果的には浸炭部品の浸炭焼入れ歪が改善されることになる。
(5)なお、用途によっては、従来公知の製造条件で、冷間鍛造する工程を付加することもできる。
ここで、「はだ焼鋼」とは、JIS G 0203に規定される「はだ焼鋼」を意味する。ただし、部品の大きさによっては、焼入れ性向上元素の規格を逸脱する場合があり、それらも対象として含む。また、「昇温速度」或いは「冷却速度」とは800〜500℃間の平均昇温速度或いは平均冷却速度を指す。
このようにして製造された本発明のはだ焼鋼の鍛造熱処理品は、粒子径が1〜100nmのAlN析出物が、1μm当たり、20個以上10000個以下を有し、かつ、1μm当たりの個数をf個、平均粒子径をxnmとした場合にf≧xの相関で微細分散析出したフェライト+パーライト組織鋼であり、かつ、C:0.10〜0.35重量%、Si:0.01〜0.80重量%、Mn:0.30〜1.80重量%、P:0.020重量%以下、S:0.020重量%以下、Cu:0.15重量%以下、Ni:2.50重量%以下、Cr:0.30〜2.50重量%、Mo:1.00重量%以下、Sol.Al:0.020〜0.060重量%、Nb:0.060重量%以下、Ti:0.050重量%以下、N:0.010〜0.025重量%及びO:0.0020重量%以下を含有する(残部は、Fe及びその他不可避な不純物からなる。)ことを特徴とする。
ここで、前記AlN析出物の内、単体で析出している粒子径が5〜40nmのAlN析出物が、1μm当たり、20個以上300個以下であることが好ましい。
本発明のはだ焼鋼の鍛造熱処理品は、自動車や建産機の駆動系部品に使用される浸炭部品、中でも、CVT用プーリー、ミッションギア、デファレンシャルギアなどとして使用される機械部品を、(1)環境配慮(省エネルギ、CO削減)、(2)浸炭焼入れ歪の軽減、(3)浸炭時のオーステナイト粒の異常粒成長抑制、(4)工期短縮、コストダウンに寄与する鍛造熱処理品として提供できるものである。
本発明の鍛造熱処理部品の製造工程の説明図である。 AlN析出物の単位面積(1μm)当たりの個数(f個)と平均粒子径(xnm)との相関を示すグラフである。 鍛造熱処理部品のFE−SEM観察の一例を示す組織写真である。
以下、本発明のはだ焼鋼の鍛造熱処理品の実施の形態を、実施例に基づいて説明する。
本発明のはだ焼鋼の鍛造熱処理品は、鋼に含有されているAlやNなどの微量元素を活用し、熱間鍛造の加熱温度や鍛造温度、更にそれに引き続く熱処理条件を最適化してAlN析出物を粒子径で1〜100nm、単位面積当たり(1μm)20個以上10000個以下を有し、かつ単位面積当たりの個数をf個、平均粒子径をxnmとした場合にf≧xの相関で微細分散析出したフェライト+パーライト組織鋼にすることにより、機械加工前の軟化や浸炭時の粗粒化抑制、浸炭焼入れ歪の低減などを、可能ならしめるものである。
なお、ここで示すAlN析出物は、当該鍛造熱処理品の表層部から10mm角の試験片を採取し、埋め込み研磨後、1.5%ナイタール液で約30秒間腐食し、金蒸着した後、FE−SEM(電界放出形走査型電子顕微鏡(Field Emission - Scanning Electron Microscope))(以下、「FE−SEM」という。)にて観察した。測定は4万倍の倍率で4視野の観察を行い、合計30μmの被検面積からAlN析出物の大きさと個数を測定した。
AlN析出物は短冊状が主体であり、一部塊状のものもあったので、測定したAlN析出物の面積を、円面積に置き換え、その円の直径を粒子径とした。
AlN析出物としての同定はEDX分析(エネルギ分散型X線分析(Energy dispersive X-ray spectrometry))で行ったが、100nm以下の大きさでは判別が困難であった。そのため未固溶と推定される500nmレベルの析出物を同定して、Alのピークが存在するもののみをAlNと判断し、その付近に存在する100nm以下のものをAlN析出物と想定し、その粒子径と個数を計測した。ピン止め力を算出するためには、本来単位体積当たりの個数を測定する必要があるが、FE−SEM観察のため単位面積当たりの個数を測定し、表記としては1μm当たりの個数を用いることとした。
ここで、粒子径は、FE−SEMで観察した画像の電子情報をデジタルマイクロスコープ(キーエンス社製)に取り込み、付属の解析ソフトにより、個々の析出粒子の面積を測定し、相当円の直径に換算して粒子径とした。
なお、100nmを越える大きさのAlN析出物なども存在するが、その数は少なく、1〜100nmの大きさの析出物と比しそのピン止め効果は小さいので、100nmを越える大きさの析出物は対象から除外した。
また、計測した析出物についてはFE−SEM観察試料から100nmを越える大きさの析出物及び100nm以下の大きさの析出物を含む領域をFIB(収束イオンビーム装置(Focused Ion Beam))を用いて採取し、電子線回析でそれぞれ代表の1個ずつ析出物の同定を行ってAlN析出物と確認している。
発明を構成する鍛造熱処理品の析出物の析出形態を規定した理由を以下に示す。
粒子径は1〜100nmとした。浸炭焼入れ処理では、例えば、930℃で6時間とオーステナイト域で高温長時間処理される。浸炭焼入れ処理時のオーステナイト粒の粒成長においては、浸炭焼入れ後の自動車部品の疲労強度や耐摩耗性に影響を及ぼすため粗粒化を生じてはならないとされている。粒成長を抑制するため、AlNなどの微細析出物を活用するが、非特許文献1に記載されているように、このような微細析出物を鋼中に多数析出させ、浸炭処理時の粒界の移動(粒成長)をピン止めすることが効果的な手法として知られている。本検討の中で1nmより小さく析出物の形態を制御することは難しく、加えて100nm以上の大きさでは析出物の数が少なく析出数の多い1〜100nmの大きさの析出物に比しそのピン止め効果への影響は小さいのでその範囲を1〜100nmとした。
単位面積当たり(1μm)の個数は20個以上10000個以下とした。単位面積当たり20個未満の場合、十分なピン止め効果がなく、10000個を超えて析出させるためには鍛造加熱温度で一旦AlNを固溶させて再析出させる必要があるが、固溶させるためには鍛造加熱温度の制約もあり、AlとNの添加量には上限もあるので、析出量はその固溶量に依存し、その上限と下限はおのずと決まってくる。本特許では実用的な面から単位面積当たり(1μm)の個数は20個以上10000個以下とした。
微細析出物の単位面積(1μm)当たりの個数fと平均粒子径xはf≧xの相関で制御することとした。ここで、fは単位面積当たり(1μm)のAlNなどの微細析出物の個数、xは微細析出物の平均粒子径であり、粒子径の範囲を1〜100nmと規定しているので、平均粒子径も1〜100nmとした。この微細析出物の単位面積当たりの個数と平均粒子径は独立で制御できるものではなく、一定の添加量の中で制御されるものである。一方、ピン止め効果の大きさは粒界成長に際し阻害析出物との接触面積に依存する。つまり、析出物1個当たりのピン止め効果は析出物の粒径が大きいほど大きくなり、小さくなるほどその効果は小さくなるので、析出物の大きさが100nmに近づくほど、1個当たりのピン止め力が大きくなるが、析出物の総数は少なくなる。すなわち、析出物の総体積量が同じ時、析出総数が多い方が析出物の総断面積は大きくなるので、全体のピン止め効果を考慮すると微細な析出物の個数を増やすとピン止め効果は大きくなる。そのため、平均粒子径(x)と単位面積当たりの個数(f)はf≧xの相関で制御することとした。
AlNの析出は、鍛造後の焼準処理で行うのが一般的である。焼準処理の昇温速度や処理時間、冷却速度などは別途説明するが、ここではAlNの析出状態について説明する。非特許文献1にも記され、前述のとおり、AlN析出物は微細に数多く析出させるほど全体のピン止め力が大きくなり、浸炭処理時のオーステナイト粒の成長を抑制するのに効果的である。ただし、その析出形態は大きさに加え、単独析出や複数の析出物が集合して析出する複合析出する場合もあり、ピン止め効果の観点から規定する必要がある。析出する大きさと析出数については前述したが、2つ以上の複合析出する場合の複合析出物では単体析出と同じ大きさでもそのピン止め効果は小さくなることが本検討の中で判明した。図3の写真3に単体析出の例、写真4に2個の複合析出の例、写真5に3個の複合析出の例について、それぞれFE−SEMで観察した観察例を示す。本発明においては、「単体で析出して、その析出粒子径が5〜40nmの析出物が、1μm当たり合計で20〜10000個、好ましくは20〜300個が析出している鍛造熱処理品」を、本発明の効果が最大限生かせる状態と規定した。単位面積当たりの析出数が多い程ピン止め効果が大きいが、AlN析出物を固溶させ得る鍛造加熱に上限があり、また、AlとNの添加量も上限があるので、実用的な面から「好ましくは20〜300個が析出している鍛造熱処理品」と規定した。
本発明の効果を発揮させるための具体的な手法について、以下に説明する。
1.素材鋼
一般に自動車や建産機に用いられる浸炭部品は、JIS G 0203に規定されるはだ焼鋼を用い浸炭焼入れして製造される。
はだ焼鋼とは、具体的には、低炭素鋼及び低炭素合金鋼と規定されており、主として、浸炭焼入れによって表面硬化される鋼で、浸炭部品に使用される鋼の呼称として定義されている。
ここで、素材として使用するはだ焼鋼には、C:0.10〜0.35重量%、Si:0.01〜0.80重量%、Mn:0.30〜1.80重量%、P:0.020重量%以下、S:0.020重量%以下、Cu:0.15重量%以下、Ni:2.50重量%以下、Cr:0.30〜2.50重量%、Mo:1.00重量%以下、Sol.Al:0.020〜0.060重量%、Nb:0.060重量%以下、Ti:0.050重量%以下、N:0.010〜0.025重量%及びO:0.0020重量%以下を含有する(残部は、Fe及びその他不可避な不純物からなる。)はだ焼鋼を使用する。
素材として使用するはだ焼鋼の成分範囲を規定した理由を以下に示す。
[C:0.10〜0.35重量%]
Cは、浸炭焼入れ後の硬さを向上させて、浸炭部品の強度の向上に有効な元素である。この効果は、含有量が0.10重量%未満では乏しく、一方で、0.35重量%を超えると、靭性の低下、衝撃強度の低下を生じる。
[Si:0.01〜0.80重量%]
Siは、鋼の焼入れ性の向上、静的強度の向上に有効な元素である。この効果は、含有量が0.01重量%未満では乏しく、所望の静的強度が確保できず、一方で、0.80重量%を超えると靭性の劣化を招くことになるので、その含有量を0.01〜0.80重量%とした。
[Mn:0.30〜1.80重量%]
Mnは、溶鋼の脱酸作用及び脱硫作用があり、鋼材の靭性向上に不可欠なものであるが、その含有量が0.30重量%未満では所望の効果を得ることができず、他方1.80重量%を超えて含有させると被削性の低下を来すことから、その含有量を0.30〜1.80重量%とした。
[P:0.020重量%以下]
Pは、不純物元素であり、強度低下をもたらす。このため、0.020重量%以下に規制する。
[S:0.020重量%以下]
Sは、不純物元素であり、強度低下をもたらす。このため、0.020重量%以下に規制する。
[Cu:0.15重量%以下]
Cuは、不純物元素であり、かつ焼入れ性向上効果を有するためこれを規制して,鋼の焼入れ性を安定化させる必要がある。そのためには、0.15重量%以下に規制する必要がある。
[Ni:2.50重量%以下]
Niは、鋼の焼入れ性及び焼入れ・焼戻し後の靭性を向上させるのに有効な元素であるが、必ずしも添加しなければならない元素でもない。ただし、2.50重量%を超えて添加してもその効果は飽和し、逆に加工性を損なうため、2.50重量%以下とした。
[Cr:0.30〜2.50重量%]
Crは、鋼の焼入れ性及び焼入れ・焼戻し後の靭性を向上させるのに有効な元素で、0.30以上含有させる。ただし、2.50重量%を超えて添加すると靭性及び加工性を低下させるため、0.30〜2.50重量%とした。
[Mo:1.00重量%以下]
Moは、鋼の焼入れ性及び焼入れ・焼戻し後の靭性を向上させるのに有効な元素であるが、必ずしも添加しなければならない元素でもない。ただし、1.00重量%を超えて添加してもその効果は飽和傾向にあり、添加コストの上昇を招くため、1.00重量%以下とした。
[Sol.Al:0.020〜0.060重量%]
Sol.Al(酸可溶Al)は、鋼中のNと反応してAlNを形成し、浸炭時のオーステナイト結晶粒の粗大化を防止する効果がある。0.020重量%未満では添加効果が少なく、一方、0.060重量%を超えて添加しても、オーステナイト結晶粒粗大化防止効果が飽和してしまう。そこで0.020〜0.060重量%と規定した。
[Nb:0.060重量%以下]
Nbは、添加しなくてもよい元素である。ただし、鋼中の炭素C及び窒素Nと結合して、Nb炭化物及びNb炭窒化物を形成し、浸炭時のオーステナイト結晶粒の粗大化を防止する効果があるため添加してもよい。その効果を発揮させるには、一旦Nbの炭化物や炭窒化物を鍛造加熱温度で固溶させておく必要があり、後の焼準時に微細に析出させる必要がある。これはNbの炭化物や炭窒化物の固溶温度がAlNに比べて高く、鋼材を製造するプロセスの内、連続鋳造設備内で凝固する時に晶出するNbの炭化物や炭窒化物が鍛造加熱時に固溶しにくいことを意味する。このため、特許文献1に記載されるように、0.08重量%を超えて添加させる場合、Nbの炭化物や炭窒化物を固溶させるために熱間鍛造前に一旦1300℃を越える高温に加熱する工程を加える必要が生じ、又は非特許文献5に記載されているが、連続鋳造鋳片の表面欠陥を増加させる。すなわち、Nbはオーステナイト結晶粒の粗大化抑制効果を有するものの、添加した場合の弊害も伴う元素である。しかし、0.060重量%以下の添加であれば、鍛造加熱前に1300℃を超えて加熱しなくても、浸炭時のオーステナイト結晶粒の粗大化を防止する効果を有することを確認している。ただし、非特許文献5に記載の表面欠陥を抑制する意味では、その添加量は0.06重量%より少ないほどよく、その添加量は0.06重量%以下とした。
[Ti:0.050重量%以下]
Tiは、Nbと同じく、鋼中の炭素C及び窒素Nと結合して、Ti炭化物及びTi炭窒化物或いはNbTi炭化物及びNbTi炭窒化物を形成し、浸炭時のオーステナイト結晶粒の粗大化を防止する効果があるがNb元素と同様添加しなくともよい。Tiは0.050重量%を超えて添加してもその効果は飽和し、逆にコスト上昇を招くだけであり、その添加量は0.050重量%以下とした。
[N:0.010〜0.025重量%]
Nは、鋼中のSol.Alと反応してAlNを形成し、浸炭時のオーステナイト結晶粒の粗大化を防止する効果がある。0.010重量%未満では添加効果が少なく、一方、0.025重量%を超えて添加しても、オーステナイト結晶粒粗大化防止効果が飽和してしまう。また、NbやTiとも窒化物等を形成し、同様にオーステナイト結晶粒の粗大化抑制に効果を及ぼす。その効果を発揮させるのは0.010〜0.025重量%が必要とされている。これらより、Nの添加量は0.010〜0.025重量%と規定した。
[O:0.0020重量%以下]
Oは、鋼中ではAlなどの硬い酸化物として存在し、浸炭歯車や浸炭焼入れされたプーリーなどの摺動面の転動疲労強度を低下させ、自動車部品としての強度を低下させることになる。そのため、Oは鋼の精錬プロセスや鋳造プロセスの製造工程でAlなどの酸化物として除去し、その含有量を0.0020重量%以下にしている。
2.熱間鍛造熱処理
はだ焼鋼を用いて製造されるCVT用プーリー、ミッションギア、デファレンシャルギアなどの製造工程は、(1)熱間鍛造、(2)焼準処理、(3)機械加工、(4)浸炭処理、(5)ショットピーニングや仕上げ加工、など複数の工程で構成されている。
そして、本発明はCVT用プーリー、ミッションギア、デファレンシャルギアなどを対象部品としており、上記(1)〜(5)の工程の内、(1)及び(2)の工程で構成される熱間鍛造熱処理品を対象とする。図1にその概要を簡単に示す。
以下に、工程ごとに定められている製造条件について、その制約条件について説明する。
(1)熱間鍛造
(a)昇温時間
熱間鍛造する場合、例えば、高周波加熱で素材鋼を室温から所定の温度に加熱して鍛造するが、10〜120秒の昇温時間で行うのが一般である。装置の能力及び素材の大きさにより変化するために、ここでは目安のみ記載する。
(b)加熱温度(1100〜1280℃)
鍛造荷重を考慮すると、荷重を低くするために1100℃以上に加熱することが必要であるが、AlN析出物など微細析出物を浸炭時におけるオーステナイト結晶粒のピン止め効果を発揮させるためには、一旦固溶させて適切な温度域で再析出させる必要がある。そのためには、1150℃以上を越える温度域で加熱するのが好ましい。一方、1280℃を越えて加熱すると、これらピン止め効果の有する微細析出物の固溶量を増加させることができ、ピン止め効果を有する析出物の再析出量を増加させることができるが、1280℃を越える温度域で加熱する場合の高周波加熱装置のコイルの寿命劣化が激しく、加熱温度は1100〜1280℃と規定した。
(c)鍛造温度(950〜1200℃)
熱間鍛造は熱間で金属を成形することと、金属組織の大きさを整える(整粒化)ことを目的に実施することが多い。金属組織を整粒化するには、熱間鍛造による再結晶を活用して行うのが一般で、950℃以上で行うのが好ましい。また、950℃未満の温度で熱間鍛造を行う場合、添加元素によっては(i)再結晶が大きく抑制され、整粒化できない場合がある。また、(ii)950℃未満のような低温γ域での鍛造は、AlN、Nb(CN)、NbTi(CN)などの析出物を比較的大きな析出物として加工誘起析出させてしまうので、ピン止め効果に有効な微細窒化物や炭窒化物の析出量を減じてしまうことになる。一方、1200℃を超えて鍛造すると、析出物の析出は伴わないが鍛造後の粒成長が著しく速く、異常粒成長する場合があり、せっかく熱間鍛造で再結晶させて整粒化しても、結果として混粒になる場合もあるので、鍛造温度は950℃〜1200℃とした。
(d)熱間鍛造後の冷却速度
はだ焼鋼の熱間鍛造後の組織はフェライト+パーライト+一部ベイナイトの混合組織が一般である。熱間鍛造工程を用いて製造されるCVT用プーリー、ミッションギア、デファレンシャルギアなどの自動車部品は、熱間鍛造後に機械加工で成形され、浸炭焼入れなどの表面硬化処理を施されて、仕上げ加工の後自動車部品として使用される。この過程の内、熱間鍛造のままの状態ではベイナイト組織など硬い金属組織が混入される場合が多く、機械加工性を劣化(工具摩耗の増加や切り屑の切断性低下)させるので、機械加工前に焼準処理を行って機械加工性を改善するのが一般である。
非特許文献2には、浸炭処理前の金属組織に差があるとオーステナイト初期粒に大きく影響を受け、初期粒が小さくなるとオーステナイト結晶粒の粒成長の駆動力が大きくなるので、浸炭処理時の異常粒成長を抑制するには、浸炭処理前のフェライト+パーライト組織を大きくし、浸炭処理時のオーステナイト初期粒を大きくすることにより粒成長駆動力を低下させることが重要としている。ここで、単に浸炭前組織を大きくすることだけでなく、焼準処理で均一で大きなフェライト+パーライト組織を得るためには鍛造後の組織を整粒に整える必要がある。すなわち、浸炭後の焼入組織が前組織の混粒を引き継ぐと、浸炭焼入品の疲労強度の低下や摩耗が促進されたり、浸炭焼入歪を生じるとされており、鍛造後の冷却速度は金属組織制御を目的に自然冷却、或いは0.1〜2℃/sの範囲で制御する必要がある。すなわち、2℃/sより速い速度で冷却する場合、ベイナイトやマルテンサイト組織が導入され、焼準後の組織が混粒となり、浸炭時のオーステナイト結晶粒の異常粒成長を引き起こしやすくなる。一方、0.10℃/sより遅く冷却されると粗いフェライト+パーライト組織がより得られやすくなるが、この粗くなる効果は限定的でコストのみ増えるため、0.10℃/sを下限とした。これらより、熱間鍛造後の冷却速度は自然冷却、或いは0.10〜2℃/sとした。
(2)焼準処理
焼準熱処理は上記(d)でも説明したように、機械加工の上でフェライト+パーライト組織とする必要があり、熱間鍛造後には焼準熱処理を行うのが一般である。
(a)焼準処理時の昇温速度
所定の焼準温度まで昇温する時の昇温速度は、0.10〜0.40℃/sの速度で実施する必要がある。すなわち、焼準熱処理の昇温過程では非特許文献3に示すようにAlN析出物が析出しやすく、特に600℃〜700℃でAlNの析出処理を施すとオーステナイト結晶粒の粗大化開始温度が高くなって、粗大化しにくいことが知られている(非特許文献4参照。)。この粗大化防止効果のあるAlN析出物を微細に数多く析出させるためには、非特許文献3に記載されているように降温過程より昇温過程での析出が効果的である。これらの析出には0.40℃/sより遅い昇温速度で昇温しなければピン止めに必要なAlNの析出量を確保できない。一方,0.10℃/sより更に遅い速度で昇温しても、ピン止め効果が飽和する一方、コストの上昇を招くため、0.10℃/sを下限とした。
(b)焼準処理時の焼準温度
焼準温度は定めはない。コロナ社の鉄鋼材料(岡本正三著)の教科書によると「亜共析組織の鋼ならばAc3点以上の温度まで加熱してオーステナイト化する」程度の記述である。一般に、焼準温度は部品を使用する側(例えば、カーメーカー)と部品素材を納入する側(例えば、鍛造メーカー)の間で、実用的な範囲で決めるのが通常で、900〜950℃の範囲で都度決められている。はだ焼鋼の場合、910℃或いは920℃がよく使用されている。本特許では900〜950℃の範囲を焼準温度と想定するが、焼準温度の規定は特には定めない。
(c)焼準温度に到達する昇温過程の860℃から降温過程の860℃までの処理時間
実質的なオーステナイト温度域の処理時間を規定するものである。はだ焼鋼で製造された熱間鍛造部品を確実に焼準炉の中でオーステナイト化するには、860℃以上の温度に加熱する必要がある。一方、オーステナイト域に加熱されると、AlN析出物はその一部が鋼中に固溶し、保持時間とともに凝集・粗大化することが報告されている(非特許文献2及び3参照。)。すなわち、この温度域で長時間処理することはAlN析出物の凝集・粗大化を促進し、非特許文献1に示されるように、オーステナイト結晶粒の粒成長のピン止め効果を低下させることになる。すなわち、浸炭処理時のオーステナイト結晶粒の粒成長抑制の観点からは、この処理時間を極力短くすることが好ましい。
ところで、オーステナイト化された状態で保持される場合、大気中の酸素から完全に遮断されるか、或いは真空雰囲気中に保持されない限り、その表面には酸化物(スケール)が生成される。この酸化物は場合によっては厚く生成される場合もあり、機械加工後も残存し、最終部品での摺動面の粗さを粗くして、強度低下や摩耗促進することが想定される。この意味においても、長時間処理は好ましくなく、よってこの間の処理時間を1800s以下とした。
(d)焼準処理時の冷却速度
焼準温度から550℃までの冷却速度は0.10〜0.60℃/sとした。これはフェライト+パーライト組織を得るための冷却速度を意味する。更に説明すれば、この冷却速度を遅くすればするほど、高温からの相変態となるため、より粗いフェライト+パーライト組織が得られる。非特許文献2によれば、浸炭前の金属組織が粗いフェライト+パーライト組織ほど浸炭処理時の初期オーステナイト結晶粒の成長の駆動力を低下させ、オーステナイト結晶粒の粗粒化開始温度を高くすることができるとしている。ここで対象となるはだ焼鋼は、フェライト+パーライト組織を得るには0.60℃/sより遅くすることが必要である。しかし、0.10℃/sを超えて遅くしても熱処理に要する処理時間が長くなり、処理コストの増加を招く。よって、0.10〜0.60℃/sの冷却速度とした。ただし、550℃まで必ず炉内で規定の冷却速度で徐冷する必要はなく、フェライト+パーライト組織が完了したことを判断できる手段がある場合は、その時点で空冷してもよい。
以下、より具体的な実施例及び比較例を示しながら本発明の効果を説明する。
表1に、実施例及び比較例に使用した供試材(鋼材)の化学成分を示す。A鋼からC鋼及びE鋼は本特許の成分範囲に含まれる鋼材であるが、D鋼はAlとNの添加量が本特許の成分範囲から大きく外れ、F鋼からH鋼まではNb或いはTiの添加量が本特許の範囲から大きく外れた鋼材である。
Figure 0006765551
素材鋼は、真空溶解炉を用いて溶解し、鋳型に鋳込んだ後、型抜きして熱間鍛造により直径80mmの丸棒に鍛造した、この時の鍛造加熱は重油バーナーで加熱する加熱炉中で実施した。1250℃加熱したこの加熱炉中に、型抜きした鋳塊を装入して、約1時間加熱した後、鋳塊が1250℃に到達したことを確認後、ハンマー式の鍛造機で丸鋼に仕上げた。その後、ピーリング加工により直径70mmの丸棒に皮むきして、本発明の効果を実証するための試作に用いた。
表2に、具体的な鍛造熱処理試作例を示す。
Figure 0006765551
本試作は直径70mm素材鋼を用い、表2に示す条件でCVT部品に鍛造熱処理した後、金属組織と表面硬度を調査した。ここで、試作に用いた素材鋼は特許文献1に規定される鍛造前に1300℃以上の加熱処理を実施しておらず、しかも鋳塊から80mmの棒鋼に鍛造する際も1250℃で1時間程度の加熱で準備したものである。本発明の開発鋼は表1に示すように素材鋼のNbの含有量を0.06重量%以下に抑えており、1300℃を越える高温加熱の前処理を実施しなくてもAlNなどの微細析出物は、本特許に示す鍛造加熱温度で十分固溶され、鍛造後の焼準処理時に微細析出することを確認している。
ここで、試作品の金属組織は、部品の表面から3mm付近の内部組織を、硬度は表面硬度(HB)を測定した。ただし、表2中にはHRB硬度に換算して表記した。金属組織と硬度は機械加工性の判断に用い、金属組織にベイナイトが混じりHRB87以上の硬さになると、切粉が繋がり自動加工ラインの運転障害になるので、フェライト+パーライト組織でかつHRB<87を判断基準とした。また、鍛造熱処理後はショットブラスト処理を行い、従来法で実施していた処理時間(目視観察で表面スケール除去までの時間)に比較して、本焼準処理での処理時間の比率を求めることで、その改善効果を示した。
ショットブラストは0.8mm径の鋼球を用い、その投射時間の削減割合で効果を示した。機械加工後浸炭焼入を行い、浸炭焼入粒度を測定した。
浸炭焼入粒度に関しては、通常のガス浸炭焼入で実施して測定した。なお、浸炭温度は表中に記載したが、焼入温度は850℃で30分保持した後実施した。ここで浸炭処理時間は2時間としたが、拡散時間を合わせて処理時間は6時間とした。表中にはピクラルで腐食して測定した浸炭焼入粒度を記載したが、50μm以上の粗大粒が観察された場合は、×で示し、粗粒化したと判断しNGとした。
表2に実施例及び比較例を具体的に示すが、以下にその説明をする。
表2の試作例1〜3及び9〜11に本発明の実施例を、表2の試作例4〜8及び12〜16に比較例を示す。
表2に示すように、試作例No.1〜3は本特許の鋼材の成分を満足し、鍛造条件、熱処理条件も満足している本特許の実施例である。いずれも、得られた金属組織はフェライト+パーライト組織であり、機械加工性に関してもHRB硬度で80〜85の範囲で推移しており、問題ないレベルであった。また、ショットブラスト処理も50〜60%であり、通常のショットブラスト処理に比較して約半分の処理時間に簡略化できた。表2、図1に示す焼準時間を1800s以下と短くすることにより、浸炭焼入れ粒度に関しても25μm以下のサイズであり、粗粒化を生じていなかった。
試作例No.4はAlとNの含有量が本特許の成分から高めに外れた成分系であり、本特許の製造条件で実施しても粗粒化を抑制することができなかったのでNGとした。これは、1250℃加熱でもAlNの固溶が十分に図れなかったためと考えられる。
試作例No.5は鍛造温度が940℃と低く、鍛造時に加工誘起析出したAlN析出物が100nm程度の比較的大きく析出した結果、浸炭処理時のピン止め効果が薄れたためと思われる。また、本試作は焼準後の冷却速度が0.90℃/sと速く、表面硬度がHRB87、金属組織がフェライト+パーライト+ベイナイトとなっている。焼準時の冷却速度は0.60℃/sより遅くしないと金属組織にベイナイトが混入し、硬い組織になることが判明し、機械加工性が劣化するのでNGとした。
試作例No.6は焼準時の860℃以上の処理時間が3000sとなっており、1800sを大幅に超えた条件で試作している。1050℃鍛造加熱・900℃鍛造した本試作では、860℃以上の温度域で1800s以上の処理を行うと、ピン止め効果を発揮するAlNの析出物が、f=5、x=180とf≧xの関係を満たさず、固溶・凝集化されてピン止め効果を失い、浸炭焼入れγ粒の粗粒化を招いている。加えて、ショットブラスト時間が300%となっており、スケール生成量増加により脱スケールに時間を要することが判明し、NGとしている。
試作例No.7は細粒化元素のNbとTiを併せて添加した成分系にもかかわらず、鍛造加熱温度を1000℃と低くし、鍛造温度を940℃まで低くすると他の製造条件を満足しても粗粒化を防げない結果となっており、NGとした。
試作例No.8は、焼準時の昇温速度を1.00℃/sと速くし、かつ焼準時の冷却速度を0.85℃/sと速めたものである。鋼材の成分はAlとNが高めに外れた成分系であり、1200℃鍛造加熱でも十分なAlNの固溶が図れず、加えて焼準時の昇温速度と冷却速度を速めた試作条件である。鍛造加熱時に十分なAlNの固溶が図れず、かつ焼準時にAlNの析出を図れなかった結果、浸炭焼入れγ粒が粗粒化している。
すなわち、本発明は、特定の成分と製造条件に従って鍛造焼準処理を実施すれば、適切なAlNの微細分散が図れて、浸炭焼入れγ粒の粗粒化が排除でき、結果として浸炭歪の軽減された、疲労強度の高いCVT用プーリー、ミッションギア、デファレンシャルギアなどが製造できることが判明した。
ちなみに試作例No.1〜8のAlN析出物の析出状況は、表2にも併記しているが、No.1:x=20nm、f=500個/μm、No.2:x=15nm、f=130個/μm、No.3:x=25nm、f=100個/μm、No.4:x=200nm、f=4個/μm、No.5:x=100nm、f=10個/μm、No.6:x=180nm、f=5個/μm、No.7:x=500nm、f=3個/μm、No.8:x=300nm、f=3個/μmであった。
図2に、AlN析出物の単位面積(1μm)当たりの個数(f個)と平均粒子径(xnm)との相関を示す。
ここで、xを平均粒子径として用いたのは、すべての析出物の粒子径を図2にプロットできないので、平均粒子径を各サンプルの代表の粒子径として用いた。
また、図3に示す写真1には表2の試作例3(実施例)のFE−SEM観察の一例を、写真2には表2の試作例8(比較例)のFE−SEM観察の一例を示す。
また、E鋼を用い、焼準処理時の860℃以上のオーステナイト域の処理時間によるAlN析出物の析出形態の変化を調べた。処理時間は300s、3000s、6000sの3条件である。その時の析出物のFE−SEM観察写真が、図3に示す、写真3(No.9)、写真4(No.10)、写真5(No.11)に相当する。析出形態の違いによるピン止め効果の差異を評価するためには、実用温度の中でも高い浸炭温度の980℃で実施した。浸炭時間を2時間、拡散時間と合わせて6時間とした。No.9はAlN析出物は単独析出が主体で平均粒子径xが16nm、単位面積(1μm)当たりの個数fが150個で、オーステナイト粒径が15μmであり粗粒化しない。No.10はx=33nm、f=70個であり、同じ980℃浸炭でオーステナイト粒径が24μmと粒成長していた。写真4は3000sの長時間処理した場合であり、2個の複合析出した析出物が観察された。300s処理で析出した析出物が部分的に固溶し、再析出・凝集化しており平均粒子径は33nmと大きくなり、析出個数はf=70個と低下し、ピン止め効果が減じられていた。No.11は更に6000sという長時間処理したサンプルである。3個以上複合析出した析出物も認められ凝集化が更に促進されていた。長時間処理のため析出物は51nmと平均粒子径が大きくなるが、析出個数はf=100個と増加しているが、ピン止め効果は改善されずオーステナイト粒径が29μmと更に粒成長するも粗粒化は回避されていた。すなわち、860℃以上の温度域で長時間保持されるとAlN析出物は固溶、再析出・凝集の工程を経て、単独析出から2個或いは2個以上の複合析出物として析出し、同じ大きさの析出物でもピン止め効果が小さくなることが判り、AlN析出物の内、単体で析出している粒子径が5〜40nmのAlN析出物が、1μm当たり、20個以上300個以下であることが好ましいことがいえる。
試作例No.12〜No.16は、Nb或いはTiの添加量が本特許から大きく外れた比較鋼であるF鋼、G鋼、H鋼を用い、本発明の条件に従って試作した実施例であるが、AlNよりNbやTiの方が窒化物の生成傾向が強く、NbやTiの窒化物や炭窒化物或いはNbとTiの複合窒化物や複合炭窒化物と推定される大きな未固溶の析出物が観察され、浸炭焼入材には50μm以上のオーステナイト結晶粒の粗大粒が認められNGと判定された。
試作例No.12〜16の析出物の析出状況を表2、図2に示すが、No.12:x=1000nm、f=1個/μm、No.14:x=2000nm、f=1個/μm、No.15:x=3000nm、f=1個/μm、No.16:x=4000nm、f=1個/μmであった。No.13は観察視野内で析出物が認められず、f=0個/μmであり、表2、図2にデータを示すことができなかった。
従来より議論されているように、はだ焼鋼は基本的には浸炭時の粗粒化に配慮した成分系とする必要があり、成分系の配慮された鋼で本発明のはだ焼鋼の鍛造熱処理品の製造が可能であることはいうまでもないことである。
以上、本発明のはだ焼鋼の鍛造熱処理品について、その実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明のはだ焼鋼の鍛造熱処理品は、(1)熱間鍛造と熱処理を最適化し、(2)鍛造熱処理品の微細析出物の析出形態を制御すれば、機械加工性に優れ、浸炭時のオーステナイト粒粗大化を抑制でき、併せて、浸炭焼入れ歪の軽減を実現できることから、自動車や建産機の駆動系部品に使用される浸炭部品、中でも、CVT用プーリー、ミッションギア、デファレンシャルギアなどとして使用される機械部品を製造する用途に好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 鍛造工程、冷却工程及び焼準処理工程を経て実施されるはだ焼鋼の鍛造熱処理品の製造方法において、前記焼準処理工程が、所定の焼準温度に到達する昇温過程での860℃から焼準温度到達後冷却過程での860℃に冷却されるまでの時間を1800s以下とし、前記はだ焼鋼の鍛造熱処理品の粒子径が1〜100nmのAlN析出物が、1μm当たり、20個以上10000個以下を有し、かつ、1μm当たりの個数をf個、平均粒子径をxnmとした場合にf≧xの相関で微細分散析出したフェライト+パーライト組織鋼であり、かつ、C:0.10〜0.35重量%、Si:0.01〜0.80重量%、Mn:0.30〜1.80重量%、P:0.020重量%以下、S:0.020重量%以下、Cu:0.15重量%以下、Ni:2.50重量%以下、Cr:0.30〜2.50重量%、Mo:1.00重量%以下、Sol.Al:0.020〜0.060重量%、Nb:0.060重量%以下、Ti:0.050重量%以下、N:0.010〜0.025重量%及びO:0.0020重量%以下を含有することを特徴とするはだ焼鋼の鍛造熱処理品の製造方法。
  2. 前記AlN析出物の内、単体で析出している粒子径が5〜40nmのAlN析出物が、1μm当たり、20個以上300個以下であることを特徴とする請求項1に記載のはだ焼鋼の鍛造熱処理品の製造方法。
  3. 前記焼準処理工程の昇温過程で、0.10〜0.40℃/sの範囲の昇温速度で昇温するようにすることを特徴とする請求項1又は2に記載のはだ焼鋼の鍛造熱処理品の製造方法。
  4. 前記焼準処理工程の所定の焼準温度が、900〜950℃であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のはだ焼鋼の鍛造熱処理品の製造方法。
  5. 前記鍛造工程が、素材を1100〜1280℃で加熱し、950〜1200℃の温度で鍛造するようにすることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載のはだ焼鋼の鍛造熱処理品の製造方法。
JP2019556050A 2017-11-24 2017-11-24 はだ焼鋼の鍛造熱処理品 Active JP6765551B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2017/042212 WO2019102584A1 (ja) 2017-11-24 2017-11-24 はだ焼鋼の鍛造熱処理品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2019102584A1 JPWO2019102584A1 (ja) 2020-08-20
JP6765551B2 true JP6765551B2 (ja) 2020-10-07

Family

ID=66630993

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019556050A Active JP6765551B2 (ja) 2017-11-24 2017-11-24 はだ焼鋼の鍛造熱処理品

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6765551B2 (ja)
WO (1) WO2019102584A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019183266A (ja) * 2018-03-30 2019-10-24 株式会社神戸製鋼所 肌焼用鋼
CN110284069A (zh) * 2019-07-30 2019-09-27 马鞍山钢铁股份有限公司 一种中碳车轮钢及其热处理方法及车轮的制备方法
JP7464822B2 (ja) 2020-02-14 2024-04-10 日本製鉄株式会社 軸受軌道用鋼材、および軸受軌道

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5858204B2 (ja) * 2013-12-24 2016-02-10 新日鐵住金株式会社 熱間鍛造用鋼材およびその製造方法ならびにその鋼材を用いた熱間鍛造素形材の製造方法
JP6148995B2 (ja) * 2014-02-26 2017-06-14 愛知製鋼株式会社 減圧高温浸炭処理用鍛造部品及びその製造方法
JP6551657B2 (ja) * 2015-04-09 2019-07-31 大同特殊鋼株式会社 結晶粒粗大化防止特性に優れた高温浸炭部品用素材及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2019102584A1 (ja) 2019-05-31
JPWO2019102584A1 (ja) 2020-08-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4956146B2 (ja) 鍛造性と結晶粒粗大化防止特性に優れた肌焼鋼およびその製造方法並びに浸炭部品
JP5778055B2 (ja) 熱間鍛造用圧延棒鋼および熱間鍛造素形材ならびにコモンレールおよびその製造方法
CN102378822B (zh) 冷加工性、切削性、渗碳淬火后的疲劳特性优良的表面硬化钢及其制造方法
JP5927868B2 (ja) 冷間鍛造性に優れた浸炭用鋼およびその製造方法
JP4352261B2 (ja) 歯車
CN102884212A (zh) 表面硬化钢及其制造方法
JP6468365B2 (ja) 鋼、浸炭鋼部品、及び浸炭鋼部品の製造方法
JP6468366B2 (ja) 鋼、浸炭鋼部品、及び浸炭鋼部品の製造方法
JP6765551B2 (ja) はだ焼鋼の鍛造熱処理品
CN111601908B (zh) 渗碳轴承钢部件及渗碳轴承钢部件用棒钢
KR101138043B1 (ko) 공구용 강과 그 제조방법
JP2018035408A (ja) 高周波焼入用の機械構造用鋼及び高周波焼入鋼部品
JPWO2019198415A1 (ja) 浸炭処理が行われる部品用の鋼材
WO2015147067A1 (ja) スポーリング強度および低サイクル疲労強度に優れた高温浸炭用鋼製部品
JP5886119B2 (ja) 肌焼鋼鋼材
JP2010163666A (ja) 浸炭時の粗大粒防止特性と疲労特性に優れた肌焼鋼とその製造方法
WO2015146837A1 (ja) 優れた冷間鍛造性を有し、浸炭処理時の異常粒発生が抑制可能な肌焼鋼
JP6525115B1 (ja) 窒化用棒鋼および機械部品
JP2018035423A (ja) 浸炭用鋼、浸炭鋼部品及び浸炭鋼部品の製造方法
JP2008069436A (ja) 減圧浸炭部品およびその製造方法
JP6521089B2 (ja) 機械構造用鋼及び高周波焼入鋼部品
WO2018061396A1 (ja) はだ焼鋼の鍛造熱処理品
JP2007107046A (ja) 高周波焼入れ用鋼材
JP2018035420A (ja) 浸炭用鋼、浸炭鋼部品及び浸炭鋼部品の製造方法
JP6172378B2 (ja) 肌焼鋼鋼線

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200422

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20200422

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20200610

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200819

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200915

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6765551

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250