JP6764982B1 - 分布推定システム、分布推定方法、および、分布推定プログラム - Google Patents
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図1および図2を参照して、粒度分布推定システムの構成を説明する。
図1が示す粒度分布推定システム10は、複数の骨材Aから構成される骨材群AGにおける粒度分布を推定するシステムである。骨材Aは、物体の一例である。骨材群AGは、物体群の一例である。粒度分布は、粒体群に含まれる粒体の大きさの分布である。
図2が示すように、処理部12は、学習部21、保持部22、特徴量算出部23、分布推定部24、および、管理部25を備えている。
保持部22は、学習部21の生成した粒度分布モデルMを保持する。
図3から図6を参照して、粒度分布推定方法を説明する。本実施形態の粒度分布推定方法は、以下に説明する学習処理と推定処理とを含む。なお、粒度分布推定方法は、推定処理を含む一方で、学習処理を含まなくてもよい。また以下では、学習処理と推定処理とを順に説明する。
図3から図5を参照して学習処理を説明する。
学習処理は、特徴量を算出することと、特徴量を用いた学習を行うこととを含んでいる。特徴量を算出することでは、学習用データDTについて、骨材群AGの表面における複数の位置を示す三次元点群データから特徴量を算出する。特徴量を用いた学習を行うことでは、特徴量から骨材群AGの粒度分布を出力するように機械学習する。以下、図面を参照して、学習処理について詳しく説明する。
選択工程は、候補となる複数の特徴量の算出手法および複数の回帰分析手法から、高い予測性能を発揮することができる特徴量の算出手法と回帰分析手法との組み合わせを選択する。
図4および図5を参照して、特徴量の算出手法を説明する。
本実施形態において、候補となる特徴量の算出手法は、以下に説明する3つである。
すなわち、図4が示すように、第1特徴量F1を算出する際には、まず、三次元点群データTDから、当該三次元点群データTDに属する複数の点Pを2次元空間に射影することで、平均平面MPを算出する。次いで、三次元点群データTDに属する各点Pと、平均平面MPとの間の距離を算出する。そして、算出された複数の距離において、各距離が発生する頻度からヒストグラムを生成する。この生成されたヒストグラムが、第1特徴量F1である。
より詳しくは、第3特徴量F3を算出する際には、まず、同一の三次元点群データTDから得られた第1特徴量F1、および、第2特徴量F2をそれぞれ正規化する。すなわち、各特徴量としてのヒストグラムに含まれる頻度の総和を1とし、各階級における頻度を頻度の総和によって除算する。そして、正規化された第1特徴量F1と、正規化された第2特徴量F2とを結合することによって、第3特徴量F3を算出する。
粒度分布推定方法では、連続性を有した値である骨材群AGにおける粒度の分布が推定の対象である。そのため、特徴量を用いた粒度分布に関する学習では、連続性を有した値を推定するモデル当てはめが推定に有効である。そのため、学習部21による学習には、回帰分析を用いることが好ましい。
交差判定を行う際には、まず、骨材Aの粒度を選択する。次いで、特徴量の算出手法と回帰分析手法との組み合わせを選択する。そして、選択された特定の組み合わせについて交差判定を行うことによって、予測性能を評価する。交差判定による予測性能の評価は、各粒度について、特徴量の算出手法と回帰分析手法との組み合わせの数だけ行われる。
学習工程では、骨材群AGの粒度分布の推定において推定の対象となる複数の粒度の各々について学習が行われる。これにより、各粒度に対して粒度分布モデルMが生成される。この際に、各粒度に対して特徴量と回帰分析との組み合わせが選択される。
図6を参照して推定処理を説明する。
図6が示すように、推定処理は、特徴量を算出する算出工程(ステップS21)、および、粒度分布を推定する推定工程(ステップS22)を含んでいる。算出工程では、上述した学習処理での選択工程(ステップS11)と同様の方法によって、推定用データDEに対する特徴量の算出が行われ、算出された特徴量が生成される。推定工程では、機械学習の結果である粒度分布モデルMを用いて特徴量から粒度分布を推定する。以下、算出工程および推定工程について、より詳しく説明する。
算出工程では、学習処理と同様に、第1特徴量F1、第2特徴量F2、および、第3特徴量F3の全てが算出される。これにより、算出工程では、複数の粒度の各々について推定用特徴量FEが生成される。なお、各粒度に適用される特徴量F1,F2,F3の算出方法は、当該粒度に対して学習処理の選択工程によって選択された算出方法と同じである。
推定工程では、保持部22に保持された粒度分布モデルMを用いて、推定対象の骨材群AGにおける粒度分布を推定する。学習処理において、粒度分布モデルMは、複数の粒度に含まれる各粒度に対して1つずつ生成される。そのため、推定工程においても、各粒度に対応づけられた粒度分布モデルMを用いて、骨材群AGにおける当該粒度を有した骨材Aの百分率を推定する。上述したように、推定の対象となる複数の粒度が、第1粒度、第2粒度、および、第3粒度の互いに異なる3つの粒度を含む場合には、第1粒度に対する推定、第2粒度に対する推定、および、第3粒度に対する推定がそれぞれ行われる。
(1)骨材群AGの表面に位置する各点Pの位置から、骨材群AGを構成する骨材Aの粒度分布を得ることができる。
(4)骨材群AGにおける粒度の分布を推定することが可能である。
[学習処理]
・粒度分布推定システム10は、学習による粒度分布モデルMの生成を所定の間隔で繰り返し行ってもよい。粒度分布推定システム10は、例えば、所定の時間が経過するごとに学習を行ってもよいし、所定の回数だけ粒度分布の推定を行うごとに学習を行ってもよい。粒度分布推定システム10は、学習ごとに新規の学習用データDTを用いる。粒度分布推定システム10は、学習のたびに粒度分布モデルMを更新し、更新された粒度分布モデルMを骨材群AGに対する粒度分布の推定に用いる。
・学習処理は、選択工程を有しなくてもよい。学習処理が選択工程を有しない場合には、上述した第1特徴量F1から第3特徴量F3のうちで、予め定められた特徴量だけが算出されてもよい。あるいは、上述した実施形態と同様、第1特徴量F1から第3特徴量F3の全てが算出されてもよい。回帰分析手法についても、特徴量と同様に予め定められた回帰手法としてもよい。
・特徴量の算出工程(ステップS21)では、学習処理における選択工程の結果として選択された特徴量のみが算出されてもよい。
・推定処理は、骨材Aが搬送部13上に存在するか否かを判定する存否判定工程を含んでもよい。存否判定工程では、推定処理の対象とされた推定用データDEが、搬送部13が骨材Aを搬送している間にデータ生成部11によって生成されたデータであるか、あるいは、搬送部13が骨材Aを搬送していない間にデータ生成部11によって生成されたデータであるかが判断される。
・分布推定方法は、クラス判定処理を含んでもよい。判定処理では、粒度分布の推定対象である骨材群AGが属するクラスが判定される。クラス判定処理では、骨材群AGが、骨材の分級に用いられる種別であるG1、G2、および、G3のいずれに属するかが判定される。また、クラス判定処理では、骨材Aの種別だけでなく、骨材Aが搬送部13上に存在しないことを判定することも可能である。クラス判定処理では、三次元点群データTDに基づく特徴量から、骨材群AGが属するクラスを出力するように学習した機械学習の結果を用いて、骨材群AGのクラスを判定する。
クラス判定処理は、推定工程と並行して行われてもよいし、推定工程よりも前に行われてもよいし、推定工程よりも後に行われてもよい。
・三次元点群データTDから算出される特徴量は、上述した3つの特徴量以外の特徴量であってもよい。例えば、SHOT特徴量、PFH特徴量、PPF特徴量、CSHOT特徴量、および、Spin Imageなどの局所特徴量から生成されるヒストグラムを特徴量としてもよい。
・粒度分布の推定対象は、上述した骨材A以外の粒体であってもよい。粒体は、例えば、所定の構造物の構成要素である部品や、食品などであってもよい。
・分布推定システムによる推定対象は、上述した粒体の大きさに限らず、粒状以外の所定の形状を有した物体における構造の種別であってよい。なお、構造の種別とは上述したように、物体の大きさおよび形状のいずれかである。
Claims (9)
- 物体群の表面における複数の位置を示す表面点群データから特徴量を算出する特徴量算出部と、
前記特徴量から前記物体群が含む物体の構造における種別の分布を出力するように学習した機械学習器を用いて前記特徴量算出部が算出した前記特徴量から物体の構造における種別の分布を推定する分布推定部と、を備える
分布推定システム。 - 前記特徴量は、前記物体群の前記表面に位置する複数の点での平均平面と、各点との距離を含む
請求項1に記載の分布推定システム。 - 前記特徴量は、前記物体群の前記表面に位置する複数の点によって形成される平面での法線ベクトルと、前記複数の点の一部によって形成される平面での法線ベクトルとが形成する角度を含む
請求項1に記載の分布推定システム。 - 前記特徴量は、前記物体群の前記表面に位置する複数の点での平均平面と、各点との距離を含む第1特徴量と、前記物体群の前記表面を構成する複数の平面での法線ベクトルと、前記複数の点の一部によって形成される平面での法線ベクトルとが形成する角度を含む第2特徴量とに基づき算出される
請求項1に記載の分布推定システム。 - 前記機械学習器は、回帰分析を用いて前記特徴量から前記物体群が含む物体の構造における種別の分布を出力するように学習する
請求項1から4のいずれか一項に記載の分布推定システム。 - 前記物体は、粒体である
請求項1から5のいずれか一項に記載の分布推定システム。 - 前記粒体は、骨材である
請求項6に記載の分布推定システム。 - 物体群の表面における複数の位置を示す表面点群データから特徴量を算出することと、
前記特徴量から前記物体群が含む物体の構造における種別の分布を出力するように機械学習することと、
前記機械学習の結果を用いて前記特徴量から物体の構造における種別の分布を推定することと、を含む
分布推定方法。 - コンピューターを、
物体群の表面における複数の位置を示す表面点群データから特徴量を算出する特徴量算出部と、
前記特徴量から前記物体群が含む物体の構造における種別の分布を出力するように学習した機械学習器を用いて前記特徴量算出部が算出した前記特徴量から物体の構造における種別の分布を推定する分布推定部として機能させる
分布推定プログラム。
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