JP6764159B2 - セルロースナノファイバー水性分散体を含有する粉粒体 - Google Patents

セルロースナノファイバー水性分散体を含有する粉粒体 Download PDF

Info

Publication number
JP6764159B2
JP6764159B2 JP2016174126A JP2016174126A JP6764159B2 JP 6764159 B2 JP6764159 B2 JP 6764159B2 JP 2016174126 A JP2016174126 A JP 2016174126A JP 2016174126 A JP2016174126 A JP 2016174126A JP 6764159 B2 JP6764159 B2 JP 6764159B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
aqueous dispersion
cellulose nanofiber
nanofiber aqueous
hydrophobic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2016174126A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018039897A (ja
Inventor
陽平 松村
陽平 松村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
San Nopco Ltd
Nippon Paper Industries Co Ltd
Original Assignee
San Nopco Ltd
Nippon Paper Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by San Nopco Ltd, Nippon Paper Industries Co Ltd filed Critical San Nopco Ltd
Priority to JP2016174126A priority Critical patent/JP6764159B2/ja
Publication of JP2018039897A publication Critical patent/JP2018039897A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6764159B2 publication Critical patent/JP6764159B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明はセルロースナノファイバー水性分散体を含有する粉粒体に関する。
近年、セルロース繊維、特に木材由来のセルロース繊維(パルプ)を種々の方法で微細化したセルロースナノファイバーが、その優れた特性とリサイクル性から注目を集めている。セルロースナノファイバーは一般的に水性分散体の状態で製造される。セルロースナノファイバーを種々の用途へ応用する場合、分散体中のセルロースナノファイバーの濃度が高いことが好ましいが、濃度が高い分散体は粘度が非常に高いため取扱い性が悪く、応用する際の大きな障害となっている。
この問題を解決するため、本発明者らは、「HLB8〜18のポリオキシアルキレン化合物(A)の存在下、セルロースを微細化して、セルロースナノファイバー水性分散体を得る微細化工程;又は
HLB8〜18のポリオキシアルキレン化合物(A)の存在下、低濃度のセルロースナノファイバー水性分散体を濃縮して高濃度のセルロースナノファイバー水性分散体を得る濃縮工程を含むことを特徴とするセルロースナノファイバー水性分散体の製造方法」を提案した(特許文献1)。
特開2015−117340号公報
先に提案した製造方法でも、セルロースナノファイバー水性分散体の取り扱い性(特に粘度の観点)が未だ十分でない場合があるという問題ある。
本発明の目的は、さらに取り扱い性に(特に粘度の観点で)優れたセルロースナノファイバー水性分散体を提供することである。
本発明の粉粒体の特徴は、セルロースナノファイバー水性分散体(A)及び疎水性粉体(B)を含有してなり、
セルロースナノファイバー(C)の含有量がセルロースナノファイバー水性分散体(A)の重量に基づいて1〜15重量%であり、
セルロースナノファイバー水性分散体(A)及び疎水性粉体(B)の重量に基づいて、セルロースナノファイバー水性分散体(A)の含有量が70〜98重量%、疎水性粉体(B)の含有量が2〜30重量%であり、
セルロースナノファイバー水性分散体(A)の個数平均粒子径が0.3〜12μmであり、
疎水性粉体(B)のM値(メタノール湿潤性)が50以上であり、
セルロースナノファイバー水性分散体(A)の表面に疎水性粉体(B)が吸着してなる点を要旨とする。
セルロースナノファイバー水性分散体(A)の個数平均粒子径は、光学顕微鏡又はデジタルマイクロスコープを用いて撮影した粉粒体の写真から、セルロースナノファイバー水性分散体(A)粒子の最長径を計測し、20個の平均値を算出することにより得る。
本発明の製造方法の特徴は、上記に記載された粉粒体を製造する方法であって、
疎水性粉体(B)の存在下で、セルロースナノファイバー水性分散体(A)にせん断力をかけることによって粉粒体を得る粉粒体化工程を含む点を要旨とする。
本発明の粉粒体は、セルロースナノファイバー水性分散体(A)を含有した粉粒体であるため、より粘度の高いセルロースナノファイバー水性分散体であっても取り扱い性に優れる。
本発明の製造方法を用いると、上記の粉粒体を効率的に製造できる。
実施例6で得た粉粒体(6)のデジタルマイクロスコープ(Laica DVM−6、Leica Microsystems GmbH、1000倍)で撮影した写真である。
セルロースナノファイバー水性分散体(A)としては、水を必須成分とする水性媒体(D)にセルロースナノファイバー(C)が分散している水性分散体が用いられる。
セルロースナノファイバー(C)とは、平均繊維径が1〜100nm程度(好ましくは2〜80nm、さらに好ましくは3〜60nm、特に好ましくは4〜40nm)のセルロース微細繊維を意味する。
平均繊維径は、SEMを用いて測定試料を撮影した写真から、20本の繊維について繊維径を読み取り、得られた繊維径のデータから、数平均繊維径を算出することで求めることができる。
セルロースナノファイバー(C)は、公知の方法(再表2009/069641公報、特開2013−155445公報及び特開2008−308802公報等)等によってセルロースを微細化することにより得られる。
セルロースを微細化する方法としては、セルロース及び水性媒体からなる分散体を高圧ホモジナイザー、ビーズミル等により機械的に微細化する方法や、化学処理によってセルロースを微細化しやすい状態にした後に機械的な微細化を行なう方法等が適用できる。
水性媒体(D)としては、水以外に、炭素数1〜3の低級アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロパノール等)、炭素数2〜10のグリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びトリエチレングリコールモノブチルエーテル等)、グリセリン及びアセトン等が含まれる。これらは2種以上を混合して用いることができる。
水の含有量(重量%)は、水性媒体(D)の重量に基づいて、60以上が好ましく、さらに好ましくは80以上、特に好ましくは90以上、最も好ましくは95以上である。
セルロースナノファイバー(C)の含有量(重量%)は、セルロースナノファイバー水性分散体(A)の重量に基づいて、0.01〜15が好ましく、さらに好ましくは0.5〜13、特に好ましくは1〜10である。
疎水性粉体(B)としては、疎水性の粉体であれば特に制限無く使用することができ、シリコーン樹脂粉、フッ素樹脂粉、炭化水素樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、スチレン樹脂及びナイロン樹脂等)粉、金属石鹸(ステアリン酸アルミニウム等)粉、カーボンブラック粉及びこれらの疎水性粉体を公知の方法(特開2014−214286号等)でさらに疎水化させた粉体等が使用できる。また、公知の方法で親水性粉体を疎水化して得られる疎水化粉体を使用することもできる。
親水性粉体としては、無機粉体(シリカ、アルミナ、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、カオリン、雲母、ゼオライト、カーボンブラック、炭酸カルシウム、硫酸バリウム及び金属粉等)が含まれる。
親水性粉体の疎水化に用いる疎水化剤としては特に制限は無いが、シリコーン系疎水化剤(シリコーンオイル、ヘキサメチルジシラン、ヘキサメチルジシラザン、ジクロロジメチルシラン、クロロトリメチルシラン、トリクロロメチルシラン、ジアルキルジクロロシラン、ジアルキルジアルコキシシラン及びシリコーン樹脂等)及びフッ素系疎水化剤(ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキル変性シリコーン及びパーフルオロアルキルトリアルコキシシラン等)等が挙げられる。
親水性粉体を疎水化する疎水化方法として特に制限は無いが、疎水化剤と親水性粉体とを直接添加混合する方法(乾式法)及び疎水性溶媒中で疎水化剤と親水性粉体とを混合する方法(湿式法)等が挙げられる。疎水化時の温度や反応触媒は用いる疎水化剤に応じて、適切な条件にすればよい。
これらの疎水性粉体(B)のうち、親水性粉体(無機粉体が好ましく、さらに好ましくはシリカ、特に好ましくはヒュームドシリカ)を疎水化した疎水性粉体が好ましい。
無機粉体を疎水化した疎水性粉体は市場から入手でき、商品名として、Nipsil SS−10、SS−40、SS−50及びSS−100(疎水性沈降シリカ、東ソー・シリカ株式会社、「Nipsil」は東ソー・シリカ株式会社 の登録商標である。)、AEROSIL R805、R812、RX200及びRY200(疎水性ヒュームドシリカ、日本アエロジル株式会社、「AEROSIL」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。 )、SIPERNAT D10、D13及びD17(疎水性沈降シリカ、デグサジャパン株式会社、「SIPERNAT」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。 )、JMT−150IB(疎水性酸化チタン、テイカ株式会社)、AEROXIDE Alu C 805(疎水性アルミナ、日本アエロジル株式会社、「AEROXIDE」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。等が挙げられる。
疎水性粉体(B)のメタノール湿潤性(M値)は、50以上が好ましく、さらに好ましくは52以上、特に好ましくは53以上、最も好ましくは54以上である。
M値は、微粒子の疎水性の程度を表す概念であり、M値が高いほど親水性が低いことを示し、水・メタノール混合溶液に微粒子を均一分散させる際、必要最低量のメタノールの容量割合で表され、次の方法で求めることができる。
<M値算出法>
測定試料(疎水性粉体(B))0.2gを容量250mLのビーカーに入れた50mLの水に添加し、続いてメタノールをビュレットから測定試料の全量が懸濁するまで滴下する。この際ビーカー内の溶液をマグネティックスターラーで常時撹拌し、測定試料の全量が溶液中に均一懸濁された時点を終点とし、終点におけるビーカー中の液体混合物のメタノールの容量百分率をM値とする。
セルロースナノファイバー水性分散体(A)の表面に疎水性粉体(B)が吸着して粉粒体を形成できれば、疎水性粉体(B)の大きさ及び形状に制限はない。
疎水性粉体(B)のBET比表面積(m/g、窒素ガス吸着による)は、1〜1000が好ましく、さらに好ましくは10〜700、特に好ましくは20〜400である。
BET比表面積(m/g、窒素ガス吸着による)は、ISO5794−1/アネックスDに基づき、BET比表面積測定装置(たとえば、TRISTAR3000、Micromeritics社)を用いてDIN ISO9277による多点測定に従って測定する。
セルロースナノファイバー水性分散体(A)の含有量(重量%)は、セルロースナノファイバー水性分散体(A)及び疎水性粉体(B)の重量に基づいて、10〜99が好ましく、さらに好ましくは30〜98.8、特に好ましくは50〜98.5、最も好ましくは70〜98である。
疎水性粉体(B)の含有量(重量%)は、セルロースナノファイバー水性分散体(A)及び疎水性粉体(B)の重量に基づいて、1〜90が好ましく、さらに好ましくは1.2〜70、特に好ましくは1.5〜50、最も好ましくは2〜30である。
本発明の粉粒体は、上記のセルロースナノファイバー水性分散体(A)及び疎水性粉体(B)を含有していればよく、添加剤(増粘剤、ゲル化剤及び防腐剤等を含んでもよい。
増粘剤及びゲル化剤としては、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロース等)、完全けん化ポリビニルアルコール、部分けん化ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ジェランガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グァーガム、カラギーナン、アルギン酸及びこの塩、トラガントガム、ゼラチン、寒天、マグネシウムアルミニウムシリケート、ベントナイト、合成含水珪酸、並びにカルボキシル基を含む合成高分子型増粘剤(商品名として、SNシックナー636、SNシックナー641等;サンノプコ株式会社)、ポリオキシエチレン鎖を含む会合型増粘剤(商品名として、SNシックナー625N、SNシックナー665T等)等が挙げられる。
防腐剤としては、防菌・防黴剤辞典(日本防菌防黴学会昭和61年第1版発行、1−32頁等)に記載されたもの等が使用でき、ホルマリン及び5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。
本発明の粉粒体は、セルロースナノファイバー水性分散体(A)が疎水性粉体(B)によって粉粒化されており、セルロースナノファイバー水性分散体(A)及び疎水性粉体(B)から粉粒体を形成している。そして、本発明の粉粒体は、セルロースナノファイバー水性分散体(A)の表面に疎水性粉体(B)が吸着してなることが好ましい。
セルロースナノファイバー水性分散体(A)の表面に疎水性粉体(B)が吸着していることは光学顕微鏡やデジタルマイクロスコープを用いた観察によって確認できる(たとえば、図1)。
本発明の粉粒体中のセルロースナノファイバー水性分散体(A)の個数平均粒子径(μm)は、0.01〜100が好ましく、さらに好ましくは0.1〜60、特に好ましくは0.3〜12である。
セルロースナノファイバー水性分散体(A)の個数平均粒子径は、光学顕微鏡又はデジタルマイクロスコープを用いて撮影した粉粒体の写真から、セルロースナノファイバー水性分散体(A)粒子の最長径を計測し、20個の平均値を算出することにより得られる。
本発明の粉粒体は、疎水性粉体(B)の存在下で、セルロースナノファイバー水性分散体(A)にせん断力をかけることによって粉粒体を得る粉粒化工程を含む製造方法によって容易に得られる。
せん断力は、セルロースナノファイバー水性分散体(A)を分断して粉粒体にできる程度の力であれば制限がない。
せん断力をかけるための装置としては、公知のせん断力装置等が使用でき、ディスパー、ホモミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、ロッキングミキサー及びシェーカー等が挙げられる。
せん断力をかける際の温度に特に制限は無いが、セルロースナノファイバー水性分散体の粘度が高い場合、温度を上げることにより(40〜80℃程度)混合しやすくなるので好ましい。
粉粒体に添加剤を含む場合、セルロースナノファイバー水性分散体(A)と混合してから、せん断力をかけることが好ましい。また、ゲル化剤として多糖類やゼラチン等を用いる場合、多糖類やゼラチン等とセルロースナノファイバー水性分散体(A)とを加熱混合して(40〜80℃程度)、これらのゲル化剤をセルロースナノファイバー水性分散体(A)に均一溶解させた後、ゲル化剤が溶解する温度を保ったまま疎水性粉体(B)を添加して粉粒化させる粉粒化工程(1);多糖類やゼラチン等のゲル化剤、セルロースナノファイバー水性分散体(A)及び疎水性粉体(B)を加熱混合し、ゲル化剤のセルロースナノファイバー水性分散体(A)への均一溶解と、粉粒化とを同時に行う粉粒化工程(2);または多糖類やゼラチン等のゲル化剤とセルロースナノファイバー水性分散体(A)とを加熱混合して(40〜80℃程度)、これらのゲル化剤をセルロースナノファイバー水性分散体(A)に均一溶解させた後、セルロースナノファイバー水性分散体(A)を冷却してゲル化させ、ゲル化したセルロースナノファイバー水性分散体(A)に疎水性粉体(B)を添加して粉粒体化させる粉粒化工程(3)のいずれかの工程によって、ゲル化したセルロースナノファイバー水性分散体(A)を含む粉粒体を得ることが好ましい。この場合、セルロースナノファイバー水性分散体(A)がゲル化しているため、より安定な粉粒体となる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、特記しない限り、部は重量部を、%は重量%を意味する。
<製造例1>
親水性粉体(j1)(親水性ヒュームドシリカ、BET比表面積300m/g、アエロジル300、日本アエロジル株式会社)100部をヒーター付きヘンシェルミキサー(株式会社三井三池製作所、以下、同様である。)に入れ、低速撹拌(750rpm)しながら、常温(25℃、以下、同じである。)で、疎水化剤(k1)(ヘキサメチルジシラザン)4.5部を噴霧した。次いでヘンシェルミキサーを常温にて15分間高速回転(2000rpm)して均一混合した。次いでヒーターでヘンシェルミキサーを加熱し、高速回転のまま80℃にて3時間加熱処理を行って、疎水性粉体(b1)を得た。疎水性粉体(b1)のM値は55、BET比表面積は160m/gであった。
<製造例2>
親水性粉体(j2)(親水性ヒュームドシリカ、BET比表面積130m/g、アエロジル130、日本アエロジル株式会社)100部をヒーター付きヘンシェルミキサーに入れ、低速撹拌(750rpm)しながら、常温で、疎水化剤(k2)(ポリジメチルシロキサン、25℃での動粘度10mm/s)9部を添加した。次いでヘンシェルミキサーを常温にて15分間高速回転(2000rpm)して均一混合した。次いでヒーターでヘンシェルミキサーを加熱し、高速回転のまま230℃にて1時間加熱処理を行って、疎水性粉体(b2)を得た。疎水性粉体(b2)のM値は70、BET比表面積は70m/gであった。
<製造例3>
親水性粉体(j2)を親水性粉体(j3)(ヒュームドアルミナ、BET比表面積100m/g、アエロキシドAluC、日本アエロジル株式会社)に変更したこと、疎水化剤(k2)9部を疎水化剤(k3)(アルコキシ変性ポリジメチルシロキサン、X−40−9225、信越化学工業株式会社)25部に変更したこと以外、実施例2と同様にして、疎水性粉体(b3)を得た。疎水性粉体(b3)のM値は60、BET比表面積は50m/gであった。
<製造例4>
親水性粉体(j2)を親水性粉体(j4)(沈降法シリカ、BET比表面積120m/g、ニップシールE220、東ソー・シリカ株式会社)に変更したこと以外、実施例2と同様にして、疎水性粉体(b4)を得た。疎水性粉体(b4)のM値は72、BET比表面積は60m/gであった。
<製造例5>
親水性粉体(j2)を親水性粉体(j5)(ゲル法シリカ、BET比表面積700m/g、サイリシア710、富士シリシア化学株式会社)に変更したこと以外、実施例2と同様にして、疎水性粉体(b5)を得た。疎水性粉体(b5)のM値は67、BET比表面積は400m/gであった。
<実施例1>
セルロースナノファイバー水性分散体(a1){セルロースナノファイバー(平均繊維径4nm)の1%水分散液}95部及び疎水性粉体(b1)5部を、ディスパー羽根を装着したホモジナイザー(ハイフレックスディスパーサーHG−92−G、タイテック株式会社、以下、同様である。)を用いて、40℃以下、5000rpmで攪拌混合して、本発明の粉粒体(1)を得た。粉粒体(1)中のセルロースナノファイバー水性分散体の個数平均粒子径は、2μmであった。
<実施例2>
60℃に加熱したセルロースナノファイバー水性分散体(a1)92部及び疎水性粉体(b2)8部を、ディスパー羽根を装着したホモジナイザーを用いて、60℃、5000rpmで攪拌混合した後、攪拌しながら20℃まで冷却して、本発明の粉粒体(2)を得た。粉粒体(2)中のセルロースナノファイバー水性分散体の個数平均粒子径は、4μmであった。
<実施例3>
80℃に加熱したセルロースナノファイバー水性分散体(a2){セルロースナノファイバー(平均繊維径4nm)の2%水分散液}98部に疎水性粉体(b3)2部及びジェランガム2部を添加して、ホモジナイザーを用いて、80℃、5000rpmで攪拌混合した後、攪拌しながら20℃まで冷却して、本発明の粉粒体(3)を得た。粉粒体(3)中のセルロースナノファイバー水性分散体の個数平均粒子径は、2μmであった。
<実施例4>
セルロースナノファイバー水性分散体(a3){セルロースナノファイバー(平均繊維径40nm)の1%水分散液}70部にジェランガム1部を添加し、攪拌しながら80℃に加熱してジェランガムを均一溶解させた後、さらに疎水性粉体(b4)30部を加え、ホモジナイザーを用いて、80℃、5000rpmで攪拌混合した後、攪拌しながら20℃まで冷却して、本発明の粉粒体(4)を得た。粉粒体(4)中のセルロースナノファイバー水性分散体の個数平均粒子径は、6μmであった。
<実施例5>
セルロースナノファイバー水性分散体(a4){セルロースナノファイバー(平均繊維径40nm)の10%水分散液}90部に疎水性粉体(b5)10部を加え、混練機(ハイビスミックス2P−03型、プライミクス株式会社)を用いて、40℃以下、150rpmで15分間攪拌混合して、本発明の粉粒体(5)を得た。粉粒体(5)中のセルロースナノファイバー水性分散体の個数平均粒子径は、0.3μmであった。
<実施例6>
セルロースナノファイバー水性分散体(a1)90部に疎水性粉体(b6){疎水性ヒュームドシリカ、M値65、BET比表面積140m/g、アエロジルRX200、日本アエロジル株式会社)10部を加え、ホモジナイザーを用いて、40℃以下、5000rpmで攪拌混合して、本発明の粉粒体(6)を得た。粉粒体(6)中のセルロースナノファイバー水性分散体の個数平均粒子径は、2μmであった。
<実施例7>
疎水性粉体(b6)を疎水性粉体(b7){疎水性ヒュームドシリカ、M値54、BET比表面積110m/g、アエロジルR972、日本アエロジル株式会社)に変更したこと以外、実施例6と同様にして、本発明の粉粒体(7)を得た。粉粒体(7)中のセルロースナノファイバー水性分散体の個数平均粒子径は、2μmであった。
<実施例8>
80℃に加熱したセルロースナノファイバー水性分散体(a2)80部にジェランガム2部を添加して、均一に溶解させた後、20℃まで冷却してセルロースナノファイバー水性分散体(a2)をゲル化させた。次いで、疎水性粉体(b8){疎水性軽質炭酸カルシウム、M値50、BET比表面積20m/g、白艶華CCR、白石カルシウム株式会社)20部を加え、ホモジナイザーを用いて、40℃以下、5000rpmで攪拌混合して、本発明の粉粒体(8)を得た。粉粒体(8)中のセルロースナノファイバー水性分散体の個数平均粒子径は、12μmであった。
本発明の製造方法を用いると、高粘度であったセルロースナノファイバー水性分散体を取り扱いしやすい粉粒体とすることが出来た。すなわち、本発明の粉粒体を用いれば、セルロースナノファイバー水性分散体の取り扱い性が向上し、種々の用途への応用も容易になることが期待できる。
なお、実施例で使用したセルロースナノファイバー水性分散体(a1)〜(a4)のずり速度1/s及び0.1/sにおける各粘度(コーンプレート型粘度計:ANTONPAAR社製粘弾性測定装置MCR−310、コーンプレート:CP25−2、プレート径25mm、コーン角度2°を用いて測定開始後30秒の粘度を読み取った。)を表1に示した。いずれも粘度が高く、取り扱い性が悪かった。
また、比較として、「セルロースナノファイバーの2%水分散液(平均繊維径40nm、BiNFi−s、株式会社スギノマシン)」を「セルロースナノファイバー水性分散体(a1)」に変更したこと以外、特許文献1の実施例1の記載に準拠して調製したセルロースナノファイバー水性分散体(a5)についても、同様にずり速度1/s及び0.1/sにおける各粘度を表1に示した。粘度が高く、取り扱い性が悪かった。

1 セルロースナノファイバー水性分散体(A){その他の白色の部分もセルロースナノファイバー水性分散体(A)である。}
2 疎水性粉体(B){その他のグレー部分も疎水性粉体(B)である。}

Claims (4)

  1. セルロースナノファイバー水性分散体(A)及び疎水性粉体(B)を含有してなり、
    セルロースナノファイバー(C)の含有量がセルロースナノファイバー水性分散体(A)の重量に基づいて1〜15重量%であり、
    セルロースナノファイバー水性分散体(A)及び疎水性粉体(B)の重量に基づいて、セルロースナノファイバー水性分散体(A)の含有量が70〜98重量%、疎水性粉体(B)の含有量が2〜30重量%であり、
    セルロースナノファイバー水性分散体(A)の個数平均粒子径が0.3〜12μmであり、
    疎水性粉体(B)のM値(メタノール湿潤性)が50以上であり、
    セルロースナノファイバー水性分散体(A)の表面に疎水性粉体(B)が吸着してなることを特徴とする粉粒体。
    セルロースナノファイバー水性分散体(A)の個数平均粒子径は、光学顕微鏡又はデジタルマイクロスコープを用いて撮影した粉粒体の写真から、セルロースナノファイバー水性分散体(A)粒子の最長径を計測し、20個の平均値を算出することにより得る。
  2. セルロースナノファイバー(C)の平均繊維径が、1〜100nmである請求項に記載の粉粒体。
  3. 疎水性粉体(B)が疎水性シリカである請求項1又は2に記載の粉粒体。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載された粉粒体を製造する方法であって、
    疎水性粉体(B)の存在下で、セルロースナノファイバー水性分散体(A)にせん断力をかけることによって粉粒体を得る粉粒体化工程を含むことを特徴とする製造方法。
JP2016174126A 2016-09-06 2016-09-06 セルロースナノファイバー水性分散体を含有する粉粒体 Expired - Fee Related JP6764159B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016174126A JP6764159B2 (ja) 2016-09-06 2016-09-06 セルロースナノファイバー水性分散体を含有する粉粒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016174126A JP6764159B2 (ja) 2016-09-06 2016-09-06 セルロースナノファイバー水性分散体を含有する粉粒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018039897A JP2018039897A (ja) 2018-03-15
JP6764159B2 true JP6764159B2 (ja) 2020-09-30

Family

ID=61625360

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016174126A Expired - Fee Related JP6764159B2 (ja) 2016-09-06 2016-09-06 セルロースナノファイバー水性分散体を含有する粉粒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6764159B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7036336B2 (ja) * 2017-09-28 2022-03-15 富士シリシア化学株式会社 複合スラリーの製造方法
JP7175717B2 (ja) * 2018-11-07 2022-11-21 松本油脂製薬株式会社 セルロース複合粉体
JP7282339B2 (ja) * 2021-06-03 2023-05-29 美津濃株式会社 複合粉体及びその製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5626828B2 (ja) * 2009-09-07 2014-11-19 第一工業製薬株式会社 化粧品組成物およびそれを用いた乾燥物
JP6507962B2 (ja) * 2015-09-17 2019-05-08 王子ホールディングス株式会社 微細繊維状セルロース含有組成物
JP7007099B2 (ja) * 2016-03-30 2022-02-10 株式会社コーセー 固形粉末化粧料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018039897A (ja) 2018-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zhang et al. Microencapsulation of phase change materials with polystyrene/cellulose nanocrystal hybrid shell via Pickering emulsion polymerization
Oguzlu et al. Colloidal behavior of aqueous cellulose nanocrystal suspensions
Palkovits et al. Polymerization of w/o microemulsions for the preparation of transparent SiO2/PMMA nanocomposites
Li et al. Cellulose nanoparticles as modifiers for rheology and fluid loss in bentonite water-based fluids
JP6764159B2 (ja) セルロースナノファイバー水性分散体を含有する粉粒体
Zhang et al. Interfacial activity of nonamphiphilic particles in fluid–fluid interfaces
Demilecamps et al. Cellulose–silica composite aerogels from “one-pot” synthesis
Martins et al. A dry and fully dispersible bacterial cellulose formulation as a stabilizer for oil-in-water emulsions
Ren et al. Temperature and CO2 dual-responsive Pickering emulsions using Jeffamine M2005-modified cellulose nanocrystals
Elhaei et al. Stability, flocculation, and rheological behavior of silica suspension-augmented polyacrylamide and the possibility to improve polymer flooding functionality
TW200844164A (en) Cellulose fine particle, dispersion liquid thereof and dispersion body thereof
Capuano et al. Universal features of the melt elasticity of interacting polymer nanocomposites
Xu et al. Preparation of vinyl silica-based organic/inorganic nanocomposites and superhydrophobic polyester surfaces from it
Mihai et al. Autotemplate microcapsules of CaCO3/pectin and nonstoichiometric complexes as sustained tetracycline hydrochloride delivery carriers
Mihai et al. Calcium carbonate/polymers microparticles tuned by complementary polyelectrolytes as complex macromolecular templates
Palantöken et al. A novel nonchemical approach to the expansion of halloysite nanotubes and their uses in chitosan composite hydrogels for broad‐spectrum dye adsorption capacity
Torlopov et al. Regulation of structure, rheological and surface properties of chitin nanocrystal dispersions
Madhavan et al. Porous ceramics via processable Pickering emulsion stabilized by oppositely charged colloids
Wang et al. Dual-functional emulsifying/antifogging coumarin-containing polymeric micelle
Zheng et al. Adjustable rheology of fumed silica dispersion in urethane prepolymers: Composition-dependent sol and gel behaviors and energy-mediated shear responses
Guo et al. Hydrophobic inorganic oxide pigments via polymethylhydrosiloxane grafting: Dispersion in aqueous solution at extraordinarily high solids concentrations
Yuan et al. The effects of graphene oxide on the properties and drug delivery of konjac glucomannan hydrogel
Kawaguchi Rheological properties of silica suspensions in polymer solutions
BR112020025486A2 (pt) Ativo eliminador de espuma, método de fabricação do mesmo, e formulação desespumante
Mihai et al. Calcium carbonate–magnetite–chondroitin sulfate composite microparticles with enhanced pH stability and superparamagnetic properties

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20180416

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180418

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190520

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200319

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200331

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200513

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200825

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200904

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6764159

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees