JP6763675B2 - ギアユニットのエンドプレー測定方法およびエンドプレー測定装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示されているエンドプレー測定装置は、ギアユニットを回転軸が水平方向になるようにしてテーブル上に配置し、ギアユニットの少なくとも一部がテーブルの面と非接触になるように、回転軸を水平方向に維持した状態で上昇させて回転軸を固定し、回転軸の軸方向であってギアケースの一方側から他方側の方向へ向けてギアケースに荷重を加えたときのギアケースの第一の位置と、回転軸の軸方向でギアケースの他方側から一方側の方向にギアケースに荷重を加えたときのギアケースの第二の位置との相対的な移動量からテーパローラ軸受(円錐コロ軸受け)のエンドプレー値を検出するというものである。
円錐コロ軸受けを介して回転軸に歯車が装着されているギアユニットにおける前記歯車のエンドプレー値を測定するエンドプレー測定方法において、
前記回転軸が水平方向になるように前記回転軸の両端部を、少なくとも軸方向移動可能に支持する回転軸支持工程と、
前記回転軸に垂下された状態の前記ギアユニットを昇降させて昇降量を測定し、測定結果に応じて前記ギアユニットを変位させて前記歯車の中心を前記回転軸の中心に一致させる歯車芯出し工程と、
前記歯車の中心を前記回転軸の中心に一致させた状態で前記ギアユニットを移動不能に固定するギアユニット固定工程と、
前記ギアユニットを固定した状態で前記回転軸に対してその軸方向に荷重を印加して前記回転軸を変位させ軸方向変位量を計測する変位量計測工程と、
を含み、
前記歯車芯出し工程は、
前記回転軸に垂下された状態の前記ギアユニットを上昇させて上昇量を測定するギアユニット上昇量測定工程と、
最上昇位置から前記上昇量の2分の1の量だけ下がった位置に前記ギアユニットを変位させるギアユニット位置合わせ工程と、
を含むようにしたものである。
上記方法によれば、回転軸の中心とギアユニット内の歯車の中心とが一致した状態で回転の軸方向変位量を測定するので、高い精度でギアユニットのエンドプレー値を測定することができる。
前記回転軸に対してその軸方向に一方の側から他方の側へ荷重を印加して前記回転軸を変位させ軸方向変位量を計測する第1変位量計測工程と、
前記回転軸に対してその軸方向に前記他方の側から前記一方の側へ荷重を印加して前記回転軸を変位させ軸方向変位量を計測する第2変位量計測工程と、
を含むようにする。
これにより、より確実にギアユニットのエンドプレー値を測定することができる。
円錐コロ軸受けを介して回転軸に歯車が装着されているギアユニットにおける前記歯車のエンドプレー値を測定するエンドプレー測定装置において、
前記回転軸が水平方向になるように前記回転軸の両端部を、少なくとも軸方向移動可能に支持する一対の回転軸支持手段と、
前記ギアユニットの一部に接触して前記ギアユニットを昇降可能なギアユニット昇降手段と、
前記ギアユニット昇降手段による前記ギアユニットの昇降量を測定可能な昇降量測定手段と、
前記ギアユニットのケースを挟持して固定可能なギアユニット固定手段と、
前記回転軸に対してその軸方向に一方の側から他方の側へ荷重を印加可能な第1荷重印加手段と、
前記回転軸に対してその軸方向に前記他方の側から前記一方の側へ荷重を印加可能な第2荷重印加手段と、
前記第1荷重印加手段と前記第2荷重印加手段によりそれぞれ荷重を印加した際における前記回転軸の軸方向変位量を計測可能な計測手段と、
を備え、
前記一対の回転軸支持手段は、前記回転軸の端部を前後および左右に移動可能に支持する支持テーブルと、移動した前記支持テーブルを初期位置に復帰させる方向へ付勢する復元手段とを有するように構成したものである。
前記支持テーブルの下面に設けられて該支持テーブルを前後左右に移動可能に支持する複数個のフリーボールベアリングと、
軸心が前記回転軸の軸心と平行をなすように前記支持テーブルの上面に設けられて前記回転軸の端部を支持可能な一対または複数対の支持ローラと、
を有するように構成する。
これにより、容易に入手することができる部品を用いて測定対象物をエンドプレー測定装置の所定位置にセットさせる機構を構成することができるため、かかる機構を設けることに伴い発生するコストアップを抑制することができる。
かかる構成によれば、測定対象物をエンドプレー測定装置にセットする際に、測定対象物の回転軸から大きくはみ出しているギアユニットが、測定装置を構成する部品としてのギアユニット固定手段に接触して部品が損傷する事故が発生するのを防止することができる。
図1および図2は、ギアユニットのエンドプレー測定装置の全体構成を示す正面図および平面図である。
ギアユニット93は、図12(A)に示すように、円錐コロ軸受け94を介して回転軸92に装着された大歯車95と、該大歯車95と噛み合う小歯車96と、該小歯車96を支承する円錐コロ軸受け97と、これらを囲繞するケース98とを備え、小歯車の回転軸99に図示しないモータの回転力が入力され、大歯車95を介して回転軸92に回転力が伝達されるように構成されている。図12(B)は、ギアユニット93を側方から見た図であり、符号98Aが付されているのは、ギアユニット93を図示しない車両の台車に固定するための固定用アームである。
そして、上記支持台11A,11Bと、大歯車芯出し兼ギアケース固定ユニット20と、計測ユニット30は、鉄鋼のような剛性の高い材料で形成された上面視矩形状をなす基台70上に、それぞれボルト等で強固に固定されている。
また、上記支持台11A(11B)上には、輪軸90の回転軸92の端部に対応して、一対のレール方向ガイド片63a,63b(64a,64b)および車軸方向ガイド片63c(64c)を有する搬入搬出ガイド部材63(64)が設けられている。ガイド片63a,63b,63c(64a,64b,64c)はそれぞれ下部が互いに近づく方向へ向かって傾斜するように形成されている。なお、搬入搬出ガイド部材63(64)は、図2においては図示が省略されている。
以下、上記各ユニットの機能、構成および作用について順次詳しく説明する。
図3〜図5は、エンドプレー測定装置10を構成する上記大歯車芯出し兼ギアケース固定ユニット20の詳細な構成を示す正面図、平面図および左右の側面図である。なお、図3〜図5においては、図1に示されている大歯車芯出し兼ギアケース固定ユニット20を右側方から見た方向を正面としている。
支持脚21A,21Bと支持脚21C,21Dの外側面にはそれぞれ上下方向のスライドレール24A,24Bと24C,24Dが設けられ、可動ステージ23の左右両端には上記スライドレール24A,24Bと24C,24Dに沿ってそれぞれ上下動するスライドプレート25A,25Bが装着されている。
さらに、上記スライドプレート25Aには、図5(A)に示すように、支軸28aによって約90度の範囲で回動可能に作動アーム28bが取り付けられ、該作動アーム28bの先端にボールネジなどからなるクランプ用ジャッキ28c(図4参照)が設けられている。
図3および図4において、符号28dで示されているのは上記クランプ用ジャッキ28cの操作ハンドルであり、該操作ハンドル28dを時計回りまたは反時計回りに回すことにより、クランプ用ジャッキ28c先端のクランプブロック28g(図4参照)を上記クランプロッド28fに向かって前後進させることができるように構成されている。従って、上記クランプ用ジャッキ28cと、操作ハンドル28dと、クランプブロック28gと、クランプロッド28fとが、ギアユニット93のケース98を挟持するためのクランプ装置28として機能する。
さらに、特に限定されるものではないが、上記可動ステージ23と上記固定プレート22との間には、芯出し用ジャッキ27により可動ステージ23を上昇させる際に、補助力を付与する圧縮バネ29A,29B(図3参照)が設けられている。
図6に示すように、計測ユニット30は、装置に載置された輪軸の車輪91Aの裏面に近接する位置に立設された断面コの字状の支柱31と、該支柱31の上端部に取り付けられた計測器32と、該計測器32を左右方向へ移動させる計測用エアシリンダ33と、該エアシリンダ33の伸張、収縮を切り替える切替え器34とを備え、切替え器34は図示しない装置制御ユニットからの制御信号により電磁弁を作動させることでエアの供給を切り替える。支柱31はベース38にてボルト39によって基台70に固定されている。
計測器32は、エアシリンダ33のロッド33aの移動量を測定する機能と、測定値を表示する機能と、表示値をリセットするリセット機能(リセットボタン)を有する。計測器32によるエンドプレー値の測定方法については、後に詳しく説明する。
図7(A),(B)は加圧ユニット40Bの詳細な構成を示す正面図および平面図、図8は図7(A)の左側から見た側面図である。なお、図7(A)の正面図は、図1のエンドプレー測定装置10の正面図と一致している。また、図8の側面図では、支持テーブルユニット50Aの図示を省略してある。
図9は支持テーブルユニット50Aの詳細な構成を示す側面図、図10(A),(B)はその平面説明図および断面側面図である。図9では、加圧ユニット40Aの図示を省略してある。図10(A)は、図9に示されている可動テーブル53を省略して示した平面図である。なお、支持テーブルユニット50Aの正面図は図7に示されているので、単独での正面図の図示は省略する。
また、図10に示すように、該可動テーブル53の下面には下方へ向かって突出する4つのバネ係止片53a〜53dがテーブル各辺の縁部に設けられているとともに、アジャストプレート51の上面中部には上方へ向かって突出する4つのバネ係止片51a〜51dが設けられている。そして、上記バネ係止片53a〜53dと51a〜51dとの間には、4本の引っ張りバネ54A〜54Dがそれぞれ張架されており、可動テーブル53に対して前後または左右方向に移動させるように力を加えて移動させると、引っ張りバネ54A〜54Dの復元力で可動テーブル53が元の位置に復帰するように構成されている。
先ず、大歯車芯出し兼ギアケース固定ユニット20の作動アーム28bを垂直にした状態で、エンドプレー測定装置10の支持テーブルユニット50A,50B上に輪軸90の回転軸93の両端を載置する(ステップS1)。次に、固定ユニットの作動アーム28bを90度回して水平な姿勢にする(ステップS2)。続いて、操作ハンドル28dを回すことによりクランプ用ジャッキ28cでギアユニット93を挟持して固定する(ステップS3)。次に、操作ハンドル27aを回すことにより可動ステージ23を昇降させて、前述した手順で大歯車芯出し兼ギアケース固定ユニット20によって、大歯車の芯出しを行う(ステップS4)。
また、前記実施形態では、芯出し用ジャッキ27の操作ハンドル27aを時計回りまたは反時計回りに回すことにより、可動ステージ23およびこれに載置されているギアユニットを手動で昇降させるように構成しているが、芯出し用ジャッキ27を回転させるモータと制御装置を設けて、自動でギアユニットの昇降量の測定および芯出しのために位置合わせを行うように構成しても良い。加圧ユニット40A,40Bについても同様に駆動手段により自動的に変位のための荷重を加圧可能に構成しても良い。
11A,11B 支持台
20 大歯車芯出し兼ギアケース固定ユニット
30 計測ユニット
40A,40B 加圧ユニット
50A,50B 支持テーブルユニット
90 輪軸
92 回転軸
93 ギアユニット
94 円錐コロ軸受け
95 大歯車
Claims (5)
- 円錐コロ軸受けを介して回転軸に歯車が装着されているギアユニットにおける前記歯車のエンドプレー値を測定するエンドプレー測定方法において、
前記回転軸が水平方向になるように前記回転軸の両端部を、少なくとも軸方向移動可能に支持する回転軸支持工程と、
前記回転軸に垂下された状態の前記ギアユニットを昇降させて昇降量を測定し、測定結果に応じて前記ギアユニットを変位させて前記歯車の中心を前記回転軸の中心に一致させる歯車芯出し工程と、
前記歯車の中心を前記回転軸の中心に一致させた状態で前記ギアユニットを移動不能に固定するギアユニット固定工程と、
前記ギアユニットを固定した状態で前記回転軸に対してその軸方向に荷重を印加して前記回転軸を変位させ軸方向変位量を計測する変位量計測工程と、
を含み、
前記歯車芯出し工程は、
前記回転軸に垂下された状態の前記ギアユニットを上昇させて上昇量を測定するギアユニット上昇量測定工程と、
最上昇位置から前記上昇量の2分の1の量だけ下がった位置に前記ギアユニットを変位させるギアユニット位置合わせ工程と、
を含むことを特徴とするギアユニットのエンドプレー測定方法。 - 前記変位量計測工程は、
前記回転軸に対してその軸方向に一方の側から他方の側へ荷重を印加して前記回転軸を変位させ軸方向変位量を計測する第1変位量計測工程と、
前記回転軸に対してその軸方向に前記他方の側から前記一方の側へ荷重を印加して前記回転軸を変位させ軸方向変位量を計測する第2変位量計測工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のギアユニットのエンドプレー測定方法。 - 円錐コロ軸受けを介して回転軸に歯車が装着されているギアユニットにおける前記歯車のエンドプレー値を測定するエンドプレー測定装置において、
前記回転軸が水平方向になるように前記回転軸の両端部を、少なくとも軸方向移動可能に支持する一対の回転軸支持手段と、
前記ギアユニットの一部に接触して前記ギアユニットを昇降可能なギアユニット昇降手段と、
前記ギアユニット昇降手段による前記ギアユニットの昇降量を測定可能な昇降量測定手段と、
前記ギアユニットのケースを挟持して固定可能なギアユニット固定手段と、
前記回転軸に対してその軸方向に一方の側から他方の側へ荷重を印加可能な第1荷重印加手段と、
前記回転軸に対してその軸方向に前記他方の側から前記一方の側へ荷重を印加可能な第2荷重印加手段と、
前記第1荷重印加手段と前記第2荷重印加手段によりそれぞれ荷重を印加した際における前記回転軸の軸方向変位量を計測可能な計測手段と、
を備え、
前記一対の回転軸支持手段は、前記回転軸の端部を前後および左右に移動可能に支持する支持テーブルと、移動した前記支持テーブルを初期位置に復帰させる方向へ付勢する復元手段とを有することを特徴とするギアユニットのエンドプレー測定装置。 - 前記一対の回転軸支持手段は、
前記支持テーブルの下面に設けられて該支持テーブルを前後左右に移動可能に支持する複数個のフリーボールベアリングと、
軸心が前記回転軸の軸心と平行をなすように前記支持テーブルの上面に設けられて前記回転軸の端部を支持可能な一対または複数対の支持ローラと、
を有することを特徴とする請求項3に記載のギアユニットのエンドプレー測定装置。 - 前記ギアユニット固定手段は、前記一対の回転軸支持手段により前記回転軸の両端部を支持した状態で前記ギアユニットの側方に位置する第1状態と、前記ギアユニットの側方に位置しない第2状態とに変換可能に構成されていることを特徴とする請求項3または4に記載のギアユニットのエンドプレー測定装置。
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