JP6762980B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関する。
一般に、遊技機(パチンコ機)では、遊技者のハンドル操作により遊技盤内の遊技領域に向かって遊技球が発射され、遊技領域を流下した遊技球が始動口に入球したことを条件に特別図柄に係る抽選が実行される。そして、遊技機では、特別図柄表示器において、特別図柄が変動表示され、さらに、抽選によって決定された特別図柄が停止表示されることで遊技者に抽選結果が報知される。このとき、遊技機では、特別図柄表示器に大当たりであることを示す特定の特別図柄が停止表示されると、通常の遊技に比べて遊技者に有利な大役遊技が開始される。大役遊技が開始された場合、遊技機では、アタッカー装置が所定回数開閉し、大入賞口への遊技球の入球が可能になるため、遊技者が多くの賞球の払い出しを受けることが可能となる。
上述した遊技機においては、遊技の進行を制御する主制御基板と、演出を制御する副制御基板と、を有し、主制御基板から送信されるコマンドに基づき、副制御基板のCPUが演出を制御する構成が知られている。また、上述した遊技機においては、電力の供給が遮断される電断が発生した場合に、副制御基板が実行する演出のうち特定の演出に係るコマンドを主制御基板において記憶し、電断から復旧した際に該特定の演出に係るコマンドを主制御基板から副制御基板に送信することで、電断から復旧した後にも特定の演出を継続して実行可能にする構成が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2004−344474号公報
ここで、遊技機において、近年、副制御手段(副制御部)によって多様な演出を実行可能にすることで、遊技者の演出に対する興趣を向上させることが求められている。このため、特許文献1に記載の遊技機のように、副制御手段によって実行される演出に係る情報を電断の発生時に主制御手段が記憶する場合、演出の種類が多岐にわたることで、主制御手段(主制御部)が記憶する必要が生じる演出に係るコマンドについても種類が増大し、電断に係る制御処理に必要な時間が長くなってしまい、電断に係る制御処理を確実に完了できなくなる虞がある。
そこで、本発明は、電断に係る制御処理を確実に完了しつつ電断時に演出に係る情報を記憶可能な遊技機を提供することを目的としている。
(1)本発明は、遊技の進行を制御する主制御部と、
前記主制御部から送信されるコマンドを受信する副制御部と、を備え、
前記副制御部は、
前記コマンドに基づいて演出に係る制御を実行する演出制御手段と、
電断が発生した場合に実行する制御であり、所定の時間が経過するまでに完了する制御である電断制御を実行する電断制御手段と、を有し、
前記演出制御手段は、前記電断制御手段が前記電断制御を開始した場合に、電断時における演出に係る処理である電断時演出処理を実行し、
前記電断制御手段は、前記電断制御を開始した際に前記電断時演出処理が実行されている場合に、前記所定の時間以内に前記電断制御を完了可能な範囲で前記電断制御の進行を遅延し、
前記電断制御手段は、前記電断制御の進行の遅延を継続可能な範囲内で前記電断時演出処理が終了しない場合に、前記電断時演出処理を終了して前記電断制御の進行を再開する、ことを特徴とする。
(2)また、本発明の遊技機は、遊技の進行を制御する主制御部と、
前記主制御部から送信されるコマンドを受信する副制御部と、を備え、
前記副制御部は、
前記コマンドに基づいて演出に係る制御を実行する演出制御手段と、
電断が発生した場合に実行する制御であり、所定の時間が経過するまでに完了する制御である電断制御を実行する電断制御手段と、を有し、
前記演出制御手段は、前記電断制御手段が前記電断制御を開始した場合に、電断時における演出に係る処理である電断時演出処理を実行し、
前記電断制御手段は、
前記電断制御を開始した際に前記電断時演出処理が実行されている場合に、前記所定の時間以内に前記電断制御を完了可能な範囲で前記電断制御の進行を遅延し、
前記電断制御において、電断から復帰するために必要な情報である復帰情報を生成する復帰情報生成処理を実行し、
前記電断制御を開始した場合に、前記復帰情報生成処理を完了可能な時間を確保できる時点である特定時点まで、前記電断制御の進行を遅延可能であり、
前記電断制御を開始してから前記特定時点となるまでの間に、前記電断時演出処理が終了した場合に、前記特定時点まで遅延することなく前記電断制御の遅延を終了する、ことを特徴とする。
本発明によれば、電断に係る制御処理を確実に完了しつつ電断時に演出に係る情報を記憶可能な遊技機を提供することができる。
本発明の実施形態の遊技機の扉が解放された状態における外観構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態の遊技機の正面図である。 本発明の実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。 本発明の実施形態の遊技機における副制御部の機能ブロックを説明する図である。 本発明の実施形態の遊技機における電断制御及び電断時演出処理の一例を説明する図である。 本発明の実施形態の遊技機における電断制御及び電断時演出処理の一例を説明する図である。 本発明の変形例の遊技機の外観構成を示す斜視図である。 本発明の変形例の遊技機におけるリールの図柄配列を説明する図である。 本発明の変形例の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略するとともに、本発明に直接関係のない要素については、図示を省略する。
1.構成
図1は、本実施形態の遊技機であるパチンコ機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図1に示すように、パチンコ機100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、外枠102にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠104と、中枠104にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠106と、を備えている。
中枠104は、外枠102と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されている。パチンコ機100では、中枠104の囲繞空間に遊技盤108を保持している。また、前枠106には、ガラス製又は樹脂製の透過板110が保持されている。そして、パチンコ機100では、中枠104及び前枠106を外枠102に対して閉じると、遊技盤108と透過板110とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、パチンコ機100の正面側から、透過板110を介して遊技盤108が視認可能となる。
図2は、本実施形態におけるパチンコ機100の正面図である。図2に示すように、前枠106の下部には、パチンコ機100の正面側に突出する操作ハンドル112が設けられている。操作ハンドル112は、遊技者によって回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル112を回転させて発射操作を行うと、操作ハンドル112の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤108に設けられたレール114a、114b間を上昇して遊技領域116に導かれることになる。
遊技領域116は、遊技盤108と透過板110(図1参照)との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下又は転動可能な領域である。遊技盤108には、多数の釘や風車が設けられており、遊技領域116に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
遊技領域116は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする第1遊技領域116a及び第2遊技領域116bを備えている。第1遊技領域116aは、パチンコ機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の左側に位置し、第2遊技領域116bは、パチンコ機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の右側に位置している。パチンコ機100では、レール114a、114bが遊技領域116の左側にあることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球が第1遊技領域116aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球が第2遊技領域116bに進入することになる。
また、遊技領域116には、遊技球が入球可能な一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122が設けられており、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。なお、パチンコ機100において、賞球数は、1個以上であれば何個でもよく、また、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122のそれぞれで払い出す賞球数を異ならせてもよいし、同じ賞球数に設定してもよい。パチンコ機100では、第1始動口120に遊技球が入球して払い出す賞球数を、第2始動口122に遊技球が入球して払い出す賞球数よりも少なく設定することも可能である。
本実施形態のパチンコ機100では、第1始動口120内に第1始動領域が設けられ、第2始動口122内に第2始動領域が設けられている。そして、パチンコ機100では、所定の契機として、第1始動口120又は第2始動口122に遊技球が入球して第1始動領域又は第2始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1つの特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な役物が作動した遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の特典(遊技利益)が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口120又は第2始動口122に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の特典を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
また、第2始動口122には、可動片122bが開閉可能に設けられており、可動片122bの状態に応じて、第2始動口122への遊技球の進入容易性が変化するように構成されている。具体的には、可動片122bが閉状態にあるときには、第2始動口122への遊技球の入球が不可能となり、可動片122bが遊技球の直径よりも開いた状態にあるときには、第2始動口122への遊技球の入球が可能となっている。
パチンコ機100では、遊技領域116に設けられたゲート124内の進入領域を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われ、抽選によって当たりに当選すると、可動片122bが所定時間、開状態に制御される。可動片122bが開状態に制御されることで、本実施形態のパチンコ機100では、可動片122bが遊技球を第2始動口122に導く受け皿として機能し、第2始動口122への遊技球の入球が容易となる。なお、パチンコ機100は、可動片122bが閉状態にあるときに、第2始動口122への遊技球の入球が不可能となるように構成されているが、第2始動口122が閉状態にある場合にも一定の頻度で遊技球が入球可能となるように構成されていてもよい。
遊技領域116には、遊技球が入球可能な大入賞口128が設けられている。大入賞口128には、開閉扉128bが開閉可能に設けられており、通常、開閉扉128bが大入賞口128を閉鎖して、大入賞口128への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、パチンコ機100では、役物として役物連続作動装置が作動した遊技(大当たり遊技)が実行されると、開閉扉128bが開放されて、大入賞口128への遊技球の入球が可能となる。そして、パチンコ機100では、大入賞口128に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
遊技領域116の最下部には、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、大入賞口128のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出する排出口130が設けられている。
パチンコ機100には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置200、駆動装置からなる演出役物装置202、様々な点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置204、スピーカからなる楽曲出力装置206、遊技者の演出に関する操作を受け付ける演出操作装置208が設けられている。
演出表示装置200は、遊技盤108の略中央部分において、パチンコ機100の正面側から視認可能な位置に画像を表示する画像表示部としての演出表示部200aを備えている。演出表示装置200は、図2に示すように、演出表示部200aに演出図柄210a〜210cが変動表示され、演出図柄210a〜210cの停止表示態様によって大役抽選結果が遊技者に報知される変動演出が実行されることとなる。
演出役物装置202は、演出表示装置200よりも前方に配置され、通常、遊技盤108の背面側に退避しているが、演出図柄210a〜210cの変動表示中などに、演出表示装置200の前方まで移動して、遊技者に大当たりの期待感を付与するものである。
演出照明装置204は、例えばLED(Light Emitting Diode)から構成され、演出役物装置202や遊技盤108等に設けられており、演出表示装置200に表示される画像等に合わせて、様々に点灯制御される。
楽曲出力装置206は、前枠106の上部位置や外枠102(図1参照)の最下部位置に設けられ、演出表示装置200に表示される画像等に合わせて、パチンコ機100の正面側に向けて様々な楽曲を出力する。なお、楽曲とは、楽音、噪音、音声、擬音等、音に関するすべての概念を含む。
演出操作装置208は、遊技者の押下操作を受け付けるボタンと、遊技者の回転操作を受け付ける回転操作部(例えば、ジョグダイヤル)で構成され、パチンコ機100の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板110(図1参照)よりも下方位置に設けられている。演出操作装置208は、演出表示装置200に表示される画像等に合わせて有効化され、操作有効期間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、様々な演出が実行される。
また、演出操作装置208の後方には、パチンコ機100から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿132が設けられ、上皿132の下方に下皿134が設けられている。パチンコ機100では、上皿132が遊技球で一杯になると、遊技球が下皿134に導かれることとなる。また、下皿134の底面には、下皿134から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ134aを図中左右方向にスライドさせることにより、当該球抜きつまみ134aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿134の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
遊技盤108には、遊技領域116の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、遊技に係る種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170及び右打ち報知表示器172が設けられている。
図3は、本実施形態のパチンコ機100の機能ブロック図である。主制御部300は、遊技の進行を制御し、メインCPU300aと、メインROM300bと、メインRAM300cと、を備えている。メインCPU300aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の制御部に主制御部300で生成したコマンドである第1コマンドを送信したりすることで、遊技の進行に係る制御処理を実行する。メインRAM300cは、メインCPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
主制御部300には、一般入賞口118に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ118sと、第1始動口120に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ120sと、第2始動口122に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ122sと、ゲート124を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ124sと、大入賞口128に遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出スイッチ128sと、が接続されており、各検出スイッチから出力される検出信号が主制御部300に入力されるよう構成されている。
メインCPU300aは、メインROM300bに格納されたプログラムに基づき、メインRAM300cと協働して、各検出スイッチから入力された検出信号をメインコマンドに変換し、払出・発射制御部310や副制御部330に変換したメインコマンドを送信する。
また、主制御部300には、第2始動口122の可動片122bを作動する普通電動役物ソレノイド122cと、大入賞口128を開閉する開閉扉128bを作動する大入賞口ソレノイド128cと、が接続されており、主制御部300によって、第2始動口122及び大入賞口128の開閉制御が実行されるよう構成されている。
また、主制御部300には、第1特別図柄表示器160と、第2特別図柄表示器162と、第1特別図柄保留表示器164と、第2特別図柄保留表示器166と、普通図柄表示器168と、普通図柄保留表示器170と、右打ち報知表示器172と、が接続されており、主制御部300によって、これら各表示器の表示制御が実行される。
本実施形態のパチンコ機100では、主に第1始動口120又は第2始動口122への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート124を遊技球が通過することによって開始される普通遊技と、に遊技の種別が大別される。そして、主制御部300のメインROM300bには、特別遊技及び普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
メインCPU300aでは、例えば、発生させた乱数を用いて実行する特別図柄の当否に係る抽選、普通電動役物ソレノイド122cに信号を出力し可動片122bを作動させる制御、大入賞口ソレノイド128cに信号を出力し開閉扉128bを作動させる制御等、遊技の進行に係る制御を実行する。
また、主制御部300には、払出・発射制御部310及び副制御部330が接続されている。パチンコ機100は、それぞれ独立した制御基板として、主制御部300と、払出・発射制御部310と、副制御部330と、を有している。なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されており、電源基板を介して商用電源から各基板に電力供給が実行されている。
払出・発射制御部310は、遊技球を発射させるための制御及び賞球を払い出すための制御を行う。払出・発射制御部310も、主制御部300と略同様に、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御部300に対して双方向に通信可能に接続されている。払出・発射制御部310には、遊技情報出力端子板312が接続されており、主制御部300から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出・発射制御部310及び遊技情報出力端子板312を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
また、払出・発射制御部310には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ314が接続されている。払出・発射制御部310は、主制御部300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ314を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、パチンコ機100では、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ316sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるように構成されている。
また、払出・発射制御部310には、下皿134(図2参照)の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ318sが接続されている。皿満タン検出スイッチ318sは、賞球として払い出される遊技球を下皿134に導く通路に設けられており、当該通路を遊技球が通過するたびに、遊技球検出信号を払出・発射制御部310に出力するように構成されている。
そして、皿満タン検出スイッチ318sは、下皿134に所定量以上の遊技球が貯留された状態である満タン状態になると、下皿134に向かう通路内に遊技球が滞留することで、払出・発射制御部310に向けて遊技球検出信号を連続的に出力する。払出・発射制御部310は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿134が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御部300に送信する。払出・発射制御部310は、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御部300に送信する。
なお、皿満タンコマンド及び皿満タン解除コマンドについて、主制御部300は、第1コマンドとして副制御部330に送信するように構成されている。これにより、パチンコ機100では、下皿134が満タン状態となった場合に、演出表示装置200や楽曲出力装置206等を用いて遊技者に下皿134が満タン状態となったことを報知できるとともに、下皿134の満タン状態が解除されたことも演出表示装置200や楽曲出力装置206等を用いて遊技者に報知することができる。
また、払出・発射制御部310には、遊技球の発射制御を行う払出・発射制御回路320が設けられている。払出・発射制御部310には、操作ハンドル112に設けられ、当該操作ハンドル112に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ112sと、操作ハンドル112の操作角度を検出する操作ボリューム112aと、が接続されている。そして、タッチセンサ112s及び操作ボリューム112aから信号が入力されると、払出・発射制御回路320において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド112cを通電して遊技球を発射させる制御が実行される。
次に、副制御部330の詳細について、図3、図4を用いて説明する。図4は、副制御部330におけるサブCPU330aと、サブRAM330cと、の詳細を説明するためのブロック図である。
副制御部330は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御し、サブCPU330aと、サブROM330bと、サブRAM330cと、を備えている。また、副制御部330は、画像に係る制御を実行する画像IC340a、画像ROM340b及び画像RAM340cと、演出役物装置202を動作させる役物ドライバ342と、演出照明装置204を点灯及び消灯させる照明ドライバ344と、楽曲に係る制御を実行する楽曲IC346a及び楽曲ROM346bと、を備えている。パチンコ機100においては、主制御部300に対して、不正防止の観点により、当該主制御部300から副制御部330への一方向にのみ通信可能に接続されている。
副制御部330においては、サブCPU330a、サブRAM330c、画像IC340a、画像ROM340b、画像RAM340c、楽曲IC346a、楽曲ROM346b等の一連の機能部が、SoC(System−on−a−Chip)として1個の集積回路に集積されている。ただし、SoCにいずれの機能部を集積するかは任意に設定することができる。また、サブCPU330a、サブRAM330c、画像IC340a、画像ROM340b、画像RAM340c、楽曲IC346a、楽曲ROM346b等の各機能部がそれぞれ異なる集積回路として集積され、電気的に接続されているとしてもよい。
サブCPU330aは、主制御部300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM330bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出表示装置200に画像を表示させる制御である画像表示制御や、演出役物装置202を駆動させる駆動制御、演出照明装置204を点灯させる点灯制御、楽曲出力装置206から楽曲を出力させる楽曲出力制御等の演出に係る制御を実行する。サブRAM330cは、サブCPU330aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
また、副制御部330には、演出操作装置208への遊技者の操作を検出する押下検出スイッチ208sと回転検出スイッチ209sと、の副操作信号出力手段220が接続されている。押下検出スイッチ208sは、遊技者が演出操作装置208のボタンを押下操作した場合に、遊技者の押下操作を検出し、演出押下操作検出信号を副制御部330に出力する。回転検出スイッチ209sは、遊技者が演出操作装置208の回転操作部を回転操作した場合に、遊技者の回転操作を検出し、演出回転操作検出信号を副制御部330に出力する。
サブCPU330aは、サブROM330bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM330cと協働して、コマンド受信手段400a、演出構築手段400b及び演出出力手段400cを含み、コマンドに基づいて演出に係る制御を実行する演出制御手段400と、電断が発生した場合に実行する制御である電断制御を実行する電断制御手段410と、として機能する。
コマンド受信手段400aは、所定の周期(例えば512μs)でサブCPU330aが実行する割り込み処理の実行時において、主制御部300から送信されるメインコマンドを受信するコマンド受信処理としてのメインコマンド受信処理を実行する。コマンド受信手段400aは、主制御部300から送信されたメインコマンドを受信し、受信したメインコマンドを判別する判別処理を実行する。判別処理において、コマンド受信手段400aは、例えば、コマンドが適正な構成であるか、伝送時にエラーが生じていないか等を判別する。判別処理によって受信したメインコマンドに問題がないと判別された場合、コマンド受信手段400aは、サブRAM330cに設けられたメインコマンド記憶領域としてのコマンドバッファ420aにメインコマンドを格納する。
また、コマンド受信手段400aは、押下検出スイッチ208sから出力される演出押下操作信号や、回転検出スイッチ209sから出力される演出回転操作信号が入力された場合に、入力された操作信号をサブコマンドに変換し、コマンドバッファ420aにサブコマンドを格納する。
演出構築手段400bは、コマンドバッファ420aに格納されたコマンドを読み出して、コマンドに基づく演出を実行する。具体的には、演出構築手段400bは、コマンドバッファ420aから読み出したコマンドを解読することで、解読したコマンドに基づく演出パターン(演出内容)を決定し、決定した演出パターンに基づく演出コマンドを生成する。演出出力手段400cは、画像IC340a、役物ドライバ342、照明ドライバ344、楽曲IC346aのうち演出構築手段400bが生成した演出コマンドに対応する構成に演出コマンドを送信する。
演出構築手段400bは、演出パターンとして画像、つまり演出表示装置200を用いた演出パターンに決定した場合、決定した演出パターンに基づいた画像データを決定し、画像データを特定可能な演出コマンドである画像コマンドを生成する。そして、演出出力手段400cは、画像IC340aに対して、演出構築手段400bが生成した画像コマンドを送信する。画像IC340aは、VDP(Video Display Processor)とも呼ばれ、画像コマンドによって特定される画像データを画像ROM340bから画像RAM(VRAM)340cに読み出し、画像データを、順次、演出表示部200a(図2参照)に出力する。
なお、画像RAM340cは、それぞれ異なるレイヤを有し、各レイヤに異なる画像データを保持させることができる。そして、画像IC340aは、複数のレイヤに保持された画像データを重畳し、重畳された画像データが演出表示装置200に出力される。
また、演出構築手段400bは、演出パターンとして演出役物装置202を用いた演出パターンに決定した場合、決定した演出パターンに基づいた役物パターンを決定し、所定時間間隔で1(ON)又は0(OFF)のデータから構成される演出コマンドである役物コマンドを生成する。演出出力手段400cは、演出構築手段400bが生成した役物コマンドを、役物ドライバ342に送信する。役物ドライバ342は、演出出力手段400cから送信される役物コマンドに従い、演出役物装置202を駆動するFET(Field Effect Transistor)をON又はOFFにする。
また、演出構築手段400bは、演出パターンとして演出照明装置204を用いた演出パターンに決定した場合、決定した演出パターンに基づいた照明パターンを決定し、所定時間間隔で1(ON)又は0(OFF)のデータから構成される演出コマンドである照明コマンドを生成する。演出出力手段400cは、演出構築手段400bが生成した照明コマンドを、照明ドライバ(LEDドライバ)344に送信する。照明ドライバ344は、演出出力手段400cから送信される照明コマンドに従い、演出照明装置204を駆動するFETをON又はOFFにする。
また、演出構築手段400bは、演出パターンとして楽曲出力装置206を用いた演出パターンに決定した場合、決定した演出パターンに基づいた楽曲データを決定し、楽曲データを特定可能な演出コマンドである楽曲コマンドを生成する。そして、演出出力手段400cは、楽曲IC346aに対して、演出構築手段400bが生成した楽曲コマンドを送信する。楽曲IC346aは、楽曲コマンドによって特定される楽曲データを楽曲ROM346bから楽曲IC346aに読み出し、楽曲データを、順次、楽曲出力装置206に出力する。
なお、楽曲IC346aは、複数の楽曲バッファ(バッファ)を有し、各楽曲バッファに異なる楽曲データを保持させることができる。そして、楽曲IC346aは、複数の楽曲バッファに保持された楽曲データを重畳し、重畳された楽曲データが楽曲出力装置206に出力される。
サブRAM330cに設けられたコマンドバッファ420aは、格納された順に読み出される先入先出メモリ(FIFO:First−in First−out)となっている。このため、演出構築手段400bは、コマンドバッファ420aからコマンドを読み出す場合に、コマンドバッファ420aに格納された順にコマンドを呼び出すため、読み出す前の時点ではメインコマンドとサブコマンドとのいずれのコマンドを読み出すかを予測することができない構成となっている。
電断制御手段410は、電源装置の電源スイッチがON状態からOFF状態に切り換わった際や、停電等によって副制御部330への電力の供給が停止されることで、サブCPU330aへの電力レベルが所定のレベルよりも低いLレベルとなった場合に、電断が発生したと判定し、電断制御を開始する。電断制御において、電断制御手段410は、各種デバイスの停止や、電断時に正常にバックアップすることができたか否かを電断からの復帰時に確認するための情報(復帰情報)を生成し、サブRAM330cの復帰情報記憶手段420bに格納する処理である復帰情報生成処理としてのチェックサム計算処理等の、電断から復帰した際に速やかに遊技を再開できるために必要な各種制御処理を実行する。ここで、電断制御は、サブCPU330aが遊技の進行によらず一定の周期で実行する割り込み処理に含まれる制御処理である。
また、電断制御手段410は、電断制御の実行時において、電断の発生時に演出制御手段400によって実行される処理である電断時演出処理の実行を待機するために、サブRAM330cに設けられたタイマである電断管理タイマ420cによる待機する時間の管理を実行する。ここで、電断時演出処理は、サブCPU330aが遊技の進行によらず一定の周期で実行する割り込み処理に含まれる制御処理である。
2.電断制御の詳細
次に、図5、図6を参照して、本実施形態に係るパチンコ機100において、電断制御手段410が実行する電断制御と、演出制御手段400が実行する電断時演出処理と、の詳細について説明する。
<通常の電断制御と電断時演出処理>
図5は、電断制御を電断制御手段410が実行可能な時間である第1の時間T1以内(所定の時間以内、本実施形態では約10ms以内)に電断制御と電断時演出処理との双方が終了する、いわゆる通常の状態における電断制御と電断時演出処理とを示すタイムチャートである。
本実施形態のパチンコ機100において、電断制御手段410は、まず、電断制御として、第1割り込み禁止処理を実行する(S1)。この処理において、電断制御手段410は、電断制御を実行する際におけるサブCPU330aの処理の負荷を軽減するために、電断制御と、演出制御手段400による電断時演出処理として、演出構築手段400bによるトランザクション処理及びコマンド受信手段400aによるメインコマンド受信処理と、以外の割り込み処理の実行を禁止する第1割り込み禁止処理を実行する。
次に、電断制御手段410は、消費電力低減処理を実行する(S2)。この処理において、電断制御手段410は、電断制御を実行可能な時間をより長く確保するために、演出表示装置200や演出役物装置202、演出照明装置204、楽曲出力装置206といった各種演出用デバイスをリセットするとともに、各種演出用デバイスに供給している電力を遮断する。
次に、電断制御手段410は、演出構築手段400bによる電断時演出処理であるトランザクション処理が終了するまで電断制御の進行を遅延させることで、演出構築手段400bによるトランザクション処理の終了を待機する(S3)。この処理において、電断制御手段410は、電断制御を第1の時間T1以内に完了可能な範囲で電断制御の進行を遅延するために、電断管理タイマ420cによる計時を開始する。本実施形態の電断制御手段410は、ステップS3の処理において、電断管理タイマ420cによる計時が特定の時間(約6ms)となるまで電断制御の進行を遅延可能に構成されている。
サブCPU330aにおいては、電断制御手段410の電断制御に並行して、電断時演出処理として演出構築手段400bによる処理が開始されている。演出構築手段400bは、まず、サブCPU330aの処理のリソースを確保するためにセマフォを取得する(S11)。次に、演出構築手段400bは、トランザクション処理を実行する(S12)。
トランザクション処理において、演出構築手段400bは、電断が発生する直前まで生成していた演出を電断から復帰した際に再開できるようにするために必要な情報(演出復帰情報)を、復帰情報記憶手段420bに格納する処理を実行する。具体的には、演出構築手段400bは、演出制御手段400が実行した演出に係る抽選の抽選結果の情報や、大当たり遊技中である場合における大当たり遊技中に獲得した遊技球の数についての情報を、復帰情報記憶手段420bに格納する。
演出構築手段400bは、トランザクション処理において演出復帰情報を復帰情報記憶手段420bに格納し終えた場合に、トランザクション処理を終了することを示すコマンドである終了コマンドを電断制御手段410に送信し、ステップS12の処理を終了する。そして、演出構築手段400bは、取得していたセマフォを開放することで(S13)、演出構築手段400bによる電断時演出処理を終了する。
電断制御手段410は、演出構築手段400bから送信される終了コマンドを受信することで、電断管理タイマ420cで計時する時間が特定の時間を経過することなくトランザクション処理の待機を終了する。次に、電断制御手段410は、コマンド受信手段400aによるメインコマンドの受信が終了するまで電断制御の進行を遅延させることで、コマンド受信手段400aによるメインコマンドの受信を待機する(S4)。この処理において、電断制御手段410は、メインコマンドの受信に必要な時間である約2msが経過するまでの間、電断制御の進行を遅延させる。
サブCPU330aにおいては、電断制御手段410の電断制御に並行して、電断時演出処理としてコマンド受信手段400aによってメインコマンド受信処理が実行されており、演出構築手段400bによるトランザクション処理の終了後において、メインコマンド受信処理の実行中であった場合、該実行中であったメインコマンド受信処理が完了するまで継続して実行される(S21)。上述した通り、本実施形態のコマンド受信手段400aは、サブCPU330aによって所定の周期(例えば512μs)で実行される割り込み処理において、メインコマンド受信処理を実行している。そのため、コマンド受信手段400aは、電断制御手段410による電断制御が開始された際にメインコマンド受信処理を実行中であった場合、受信中であったメインコマンドを復帰情報記憶手段420bに格納する処理を実行する。また、メインコマンド受信処理において、コマンド受信手段400aは、判別処理を実行することなく、主制御部300から送信されたメインコマンドを受信し次第復帰情報記憶手段420bに格納する。これにより、コマンド受信手段400aは、約2ms以内にメインコマンド受信処理を完了することができる。
このように、本実施形態の演出制御手段400は、電断時における演出に係る処理として、演出構築手段400bによるトランザクション処理と、コマンド受信手段400aによるメインコマンド受信処理と、を実行するように構成されている。
メインコマンドの受信に必要な時間である約2msが経過するまでの間、電断制御の進行を遅延した後に、電断制御手段410は、第2割り込み禁止処理を実行する(S5)。この処理において、電断制御手段410は、電断制御を実行する際におけるサブCPU330aの処理の負荷を軽減するために、既にトランザクション処理及びメインコマンド受信処理が終了していることから、演出制御手段400による電断時演出処理の実行を禁止する第2割り込み処理を実行する。
そして、電断制御手段410は、電断から復帰した際に、復帰情報記憶手段420bに記憶されている情報が正常な情報であるか否かを判定する際に用いる情報である復帰情報としての電断時のチェックサム値を算出するために、復帰情報生成処理としてのチェックサム計算処理を実行し(S6)、電断制御を終了する。この処理において、電断制御手段410は、復帰情報記憶手段420bに記憶されている情報をそれぞれ符号値として、各符号値の総和を算出し、算出した値を電断時のチェックサム値として復帰情報記憶手段420bに格納する処理を実行する。
ここで、電断制御手段410は、電断から復帰した際に、復帰情報記憶手段420bに記憶されている情報に対して、ステップS6の処理で実行するチェックサム計算処理と同様のチェックサム計算処理を実行し、復帰時のチェックサム値を算出する。そして、電断制御手段410は、ステップS6の処理で算出した電断時のチェックサム値と、復帰時のチェックサム値と、を比較し、同値であれば正常にバックアップが実行されたと判定し、異なる値であればバックアップが正常に実行されなかったと判定する。
<電断時演出処理を強制終了する場合における電断制御>
図6は、電断時演出処理が完了しないことで電断制御を電断制御手段410が実行可能な時間である第1の時間T1以内に電断制御を終了することができなくなることを防ぐために、電断時演出処理を強制終了する、いわゆる特殊な状態における電断制御と電断時演出処理とを示すタイムチャートである。なお、図5に示す電断制御及び電断時演出処理と略同様の処理については、同一のステップ番号を付すことで説明を省略する。
消費電力低減処理を実行した後、電断制御手段410は、演出構築手段400bによる電断時演出処理であるトランザクション処理が終了するまで電断制御の進行を遅延させることで、演出構築手段400bによるトランザクション処理の終了を待機する(S33)。この処理において、電断制御手段410は、電断制御を第1の時間T1以内に完了可能な範囲で電断制御の進行を遅延するために、電断管理タイマ420cによる計時を開始する。本実施形態の電断制御手段410は、ステップS33の処理において、電断管理タイマ420cによる計時が特定の時間(約6ms)となる特定時点taまで電断制御の進行を遅延可能に構成されている。
サブCPU330aにおいては、電断制御手段410の電断制御に並行して、電断時演出処理として演出構築手段400bによる処理が開始されている。演出構築手段400bは、セマフォを取得した後、トランザクション処理を実行する(S42)。本実施形態のパチンコ機100においては、例えば、大当たり遊技が開始された直後等において、演出構築手段400bが作成する演出復帰情報の量が多量になることがある。このような場合において、演出構築手段400bは、特定時点taまで、トランザクション処理を継続して実行し続ける。
演出構築手段400bから終了コマンドが送信されることなく電断管理タイマ420cによる計時が特定の時間となる特定時点taとなった場合、電断制御手段410は、これ以上電断制御の遅延を継続すると第2割り込み禁止処理及びチェックサム計算処理を完了するために必要な時間T2を確保できなくなることから、トランザクション処理の待機を終了する。そして、電断制御手段410は、コマンド受信手段400aによるメインコマンドの受信を待機することなく、第2割り込み禁止処理を実行し(S35)、第2割り込み禁止処理が終了したらチェックサム計算処理を実行し(S36)、電断制御を終了する。
なお、トランザクション処理を強制終了した場合、電断制御手段410は、正常な演出復帰情報が復帰情報記憶手段420bに記憶されていないことから、電断から復帰した際に復帰情報記憶手段420bのうち演出構築手段400bによって管理される領域について初期化するように構成されている。
また、上述した通り、コマンド受信手段400aは、メインコマンド受信処理を完了するために最大で約2msの時間を要するように構成されている。このため、電断制御手段410は、例えば、演出構築手段400bから終了コマンドを受信した時点で電断管理タイマ420cが計時した時間が、2ms電断制御を遅延させコマンド受信手段400aによるメインコマンド受信処理を確実に完了すると時間T2を確保できなくなる時間(本実施形態においては6−2=4ms以上)である場合には、終了コマンドを受信している場合であっても、メインコマンド受信処理を待機することなくステップS33からステップS35に処理を進める。
以上のように、本実施形態のパチンコ機100は、電断制御手段410が電断制御を開始した場合に、第1の時間T1以内に第2割り込み禁止処理及びチェックサム計算処理を完了可能な時間を確保できる範囲で電断制御の進行を遅延することで、電断制御の進行が遅延している間に、演出構築手段400bによるトランザクション処理とコマンド受信手段400aによるメインコマンド受信処理を実行し、演出復帰情報を復帰情報記憶手段420bに格納することができるため、電断から復帰した際に電断時において実行していた演出を再開し、電断の前後で整合性がとれた演出を実行することができるとともに、電断制御を第1の時間T1以内に完了可能な範囲で電断制御を遅延するため、電断制御を確実に完了することができる。
また、本実施形態のパチンコ機100は、電断制御手段410が電断制御を開始した場合に、電断制御の進行が遅延している間に、演出構築手段400bによるトランザクション処理とコマンド受信手段400aによるメインコマンド受信処理を実行し、第2割り込み禁止処理及びチェックサム計算処理を完了可能な時間を確保できる特定時点ta(図6参照)になるまでにトランザクション処理及びメインコマンド受信処理が終了した場合に、特定時点taまで電断制御の進行を遅延させることなく第2割り込み禁止処理を開始するため、特定時点taまでにトランザクション処理及びメインコマンド受信処理が終了した際に確実に電断制御を完了させることができる。
3.変形例
なお、本実施形態において、電断制御手段410は、復帰情報生成処理としてチェックサム処理を実行するように構成されているが、これに限らず、電断から復帰した際に正常にバックアップが実行されたと判定することができる情報を生成する処理であれば、いずれの処理を実行可能に構成されていてもよい。
また、本実施形態において、電断制御手段410は、電断制御として復帰情報生成処理としてのチェックサム計算処理を実行するが、これに限定されない。電断制御手段410は、例えば、電断から復帰した際に必ずサブRAM330cを初期化するように構成された場合には、復帰情報生成処理を実行することなく電断制御を終了するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、コマンド受信手段400aは、電断時演出処理としてメインコマンド受信処理を実行するが、これに限らず、例えば、サブコマンドを含むすべてのコマンドの受信に係る処理を実行するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、コマンド受信手段400aは、電断時演出処理としてメインコマンド受信処理において受信したメインコマンドを復帰情報記憶手段420bに格納するが、これに限らず、例えばコマンドバッファ420aに格納してもよく、サブRAM330c内の予め定められた領域に格納するように構成されていれば、その具体的な領域については、本実施形態に限定されない。
また、本実施形態において、電断制御手段410は、コマンド受信手段400aによるメインコマンドの受信を待機する場合に、予め定められた時間を必ず待機するように構成されているが、これに限らず、例えば、電断管理タイマ420cによる計時が予め定められた時間となる時点まで待機可能に構成されていてもよい。このように構成された場合、電断制御手段410は、コマンド受信手段400aがメインコマンドの受信を終了した場合に、電断管理タイマ420cによる計時が予め定められた時間となる時点を迎える以前であっても速やかに電断制御の遅延を終了するように構成されることが好ましい。
また、本実施形態において、電断制御手段410は、演出構築手段400bから終了コマンドを受信した時点で電断管理タイマ420cが計時した時間が、2ms電断制御を遅延させコマンド受信手段400aによるメインコマンド受信処理を確実に完了すると時間T2を確保できなくなる時間(本実施形態においては6−2=4ms以上)である場合には、終了コマンドを受信している場合であっても、メインコマンド受信処理を待機することなく第2割り込み禁止処理を開始するように構成されているが、これに限らず、時間T2を確実に確保できる範囲内でコマンド受信手段400aによるメインコマンド受信処理の実行を待機するように構成されていてもよい。具体的には、電断制御手段410は、演出構築手段400bから終了コマンドを受信した時点で電断管理タイマ420cが計時した時間が5msである場合、1ms経過するまでコマンド受信手段400aによるメインコマンド受信処理の実行を待機するように構成されていてもよい。
また、本実施形態においては、遊技機として、大当たり図柄を含む複数種類の図柄の中からいずれかを決定する図柄決定手段と、図柄が決定されてから所定の変動時間が経過すると、図柄表示部に図柄を表示させる図柄表示手段と、図柄表示部に大当たり図柄が表示されると、複数回のラウンド遊技で構成される大当たり遊技を実行する大当たり遊技実行手段と、大当たり遊技におけるラウンド遊技のうち予め設定された特定ラウンド遊技中に、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に進入すると、所定の遊技利益を付与する遊技利益付与手段と、大当たり遊技中の演出を実行する演出実行手段と、を備えるいわゆる第一種遊技を可能なパチンコ機100を例示したが、これに限らず、例えば、小当たり遊技中に所定の領域に遊技球が侵入することで小当たり遊技を開始可能な第二種遊技を可能なパチンコ機であっても本発明は適用し得る。また、例えば、外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリールと、遊技者による開始操作を検出するスタートスイッチと、複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出するストップスイッチと、遊技の進行を制御する主制御部と、コマンドに基づき演出を制御する演出制御手段を有する副制御部を備え、主制御部が、複数種類の役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、スタートスイッチによる開始操作の検出に基づいて、複数のリールを回転させ、ストップスイッチによる停止操作の検出及び内部抽選手段により決定された内部抽選の結果に基づいて、回転中のリールを停止させるリール停止制御を行うリール制御手段と、複数のリールが停止した状態で、役ごとに予め定められた入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことに基づいて、役が入賞したと判定する入賞判定手段と、有するスロットマシンにも、本発明は適用できる。以下、スロットマシン1について詳述する。
<スロットマシンの機械的構成>
図7は、スロットマシン1の外観構成を示す斜視図である。スロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
スロットマシン1は、収納箱BX、前面上扉UD及び前面下扉DDからなる箱形の筐体内に複数のリールとしての第1リールR1〜第3リールR3からなるリールユニットが収められている。また、筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット920(図9参照)が収められている。また、スロットマシン1の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板も収められている。
図7に示すように第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で20の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに図8に示す複数種類の図柄のいずれかが配列されている。
図8は、スロットマシン1における第1リールR1〜第3リールR3の周面に配列された各図柄を示す図である。図8に示すように、第1リールR1〜第3リールR3の外周面に、赤7図柄「赤7」、白7図柄「白7」、青7図柄「青7」、BAR図柄「BAR」、リプレイ図柄「RP」、ベル図柄「BL」、チェリー図柄「CH」、スイカA図柄「WMA」、スイカB図柄「WMB」、及びブランク図柄「BLK」が配列されている。また、第1リールR1〜第3リールR3の周面には、それぞれ20コマの図柄が配列されており、それぞれ停止番号0番〜停止番号19番のいずれかの停止番号が割り当てられている。
第1リールR1〜第3リールR3は、リール駆動手段としてのステッピングモータ(図示省略)に軸支されており、それぞれステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち、スロットマシン1では、ステッピングモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステッピングモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
前面上扉UDと前面下扉DDとは、個別に開閉可能に設けられている。前面上扉UDには、第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
また、スロットマシン1では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインL1が設定されている。なお、スロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が、遊技状態に応じてそれぞれ2枚(第2規定投入数)又は3枚(第1規定投入数)に設定されており、各遊技状態に設定された規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールR1〜第3リールR3の中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
そして、遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインL1上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット920からメダルの払い出し等が行われる。
前面上扉UDには、主制御表示装置500を含む遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、今回の遊技で当選した役の情報、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1〜ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。主制御表示装置500には、規定投入数のメダルが投入されスタートレバーSLが操作された際に、今回の遊技で当選した役の情報である当選情報に基づき作成される制御信号である当選コマンドに対応する表示である報知表示が表示される。また、主制御表示装置500には、7セグメント表示器のドットであり、後述する有利期間制御手段610によって有利期間が開始されている場合に点灯し、有利期間が開始されていない、つまり非有利期間が開始されている場合に消灯することで有利期間が開始されているか否かを報知する有利期間報知部500Aが設けられている。
また、前面上扉UDには、演出を行うための演出表示装置930が設けられている。演出表示装置930は、例えば液晶ディスプレイから構成され、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像や画像が表示される。また、スロットマシン1では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、演出を行うためのスピーカ(図示省略)が複数設けられている。スピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うための投入操作手段として、1枚のメダルを投入するシングルベットボタンBT及び規定投入数のメダルを投入するマックスベットボタンMB、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーSL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としてのストップボタンB1〜ストップボタンB3及びクレジットされたメダルを精算するための精算ボタンBS、遊技者の演出に関する操作を受け付ける演出操作装置JGも設けられている。
演出操作装置JGは、左右に回転可能なリング状の回転操作部JGDと、回転操作部JGDの回転中心に設けられ押下操作することができるボタンJGBとから構成されている。回転操作部JGDは、回転方向及び回転量(角度)を検知し、検知した情報を出力することで遊技者の回転操作を受け付けることができる。ボタンJGBは、押下操作された場合に副制御部20(図9参照)へ信号を出力することで遊技者の押下操作を受け付ける。演出操作装置JGは、演出表示装置930に表示される画像等に合わせて有効化され、操作有効期間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、様々な演出が実行される。
スロットマシン1では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、メダルが規定投入数以上にクレジットされている場合に、規定投入数と同じ回数シングルベットボタンBTを押下するシングルベット操作又はマックスベットボタンMBを押下するマックスベット操作を行うことで、規定投入数のメダルが投入状態に設定され、第1リールR1〜第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行すると、制御基板において第1リールR1〜第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇し定常回転になったことを条件に、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下操作が許可、すなわちストップボタンB1〜ストップボタンB3による停止操作が有効化される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜ストップボタンB3を押下(以下、「押下タイミング」と記載)していくと、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のそれぞれに内蔵されている停止信号出力手段としてのストップスイッチ840がON動作を行い、制御基板へ出力するリール停止信号をOFF状態からON状態へ変化させる。
また、遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜ストップボタンB3を解放すると、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のそれぞれに対応するストップスイッチがOFF動作を行い、制御基板へ出力するリール停止信号をON状態からOFF状態に変化させる。そして、制御基板は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のOFF状態からON状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
また、前面下扉DDの下部には、メダル払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。また、遊技機内にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、精算ボタンBSが押下された場合、精算ボタンBSの押下に伴ってホッパーユニット920からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す精算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルを払い出す。
<スロットマシンの電気的構成>
図9は、スロットマシン1の機能ブロック図である。スロットマシン1は、それぞれ独立した制御基板である主制御部10と副制御部20とによって制御される。主制御部10は、複数の主操作検出手段としてのメダル投入スイッチ810、ベットスイッチ820、スタートスイッチ830、ストップスイッチ840、設定変更スイッチ850及びリセットスイッチ860の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット910、ホッパーユニット920、遊技情報表示部DS等の出力手段の動作を制御する。また、スロットマシン1においては、主制御部10と副制御部20とについて、主制御部10から副制御部20への短方向通信のみを可能に構成され、主制御部10から副制御部20へ各種信号を送信可能であるものの、副制御部20から主制御部10へ各種信号を送信することができないように通信接続されている。
主制御部10は、遊技の進行を制御し、メインCPU11と、メインROM12と、メインRAM13と、を備えている。メインCPU11は、各入力手段からの入力信号に基づいて、メインROM12に格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の制御部に主制御部10で生成したコマンドである第1コマンドを送信したりすることで、遊技の進行に係る制御処理を実行する。メインRAM13は、メインCPU11の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
メインCPU11は、メインROM12に格納されたプログラムに基づき、メインRAM13と協働して、設定変更手段601、投入受付手段602、乱数生成手段603、内部抽選手段604、リール制御手段605、入賞判定手段606、払出制御手段607、リプレイ処理手段608、遊技状態移行制御手段609、有利期間制御手段610、指示機能状態制御手段611及びコマンド送信手段612として機能する。
設定変更手段601は、メインRAM13に記憶されている設定値を変更する制御を行う。スロットマシン1では、収納箱BX内に収められた電源装置に設けられている設定変更スイッチ850から出力される信号である設定信号が入力されることで、設定変更が実行される。スロットマシン1では、設定変更手段601によって確定された設定値に応じて、内部抽選手段604による内部抽選で当選可能な当選エリアのうち一部の当選エリアの当選確率が変更される。
投入受付手段602は、メダルの投入を受け付ける投入受付期間において、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ810が作動することに伴って、投入受付手段602が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また、投入受付手段602は、メダルがクレジットされた状態でシングルベットボタンBT又はマックスベットボタンMBが押下されるベット操作が実行されると、ベットスイッチ820が作動することに伴って、規定投入数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
なお、スロットマシン1では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技者による遊技の開始操作として受け付けられ、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、後述する内部抽選手段604が内部抽選を実行する契機となっている。
乱数生成手段603は、抽選用の乱数を発生させる手段である。乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段604は、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行し、スタートスイッチ830が開始操作を検出することで出力されるスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理等を行う。
抽選テーブル選択処理では、メインROM12に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを現在の遊技状態に基づき選択する。各内部抽選テーブルでは、複数の乱数(例えば、0〜65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、リプレイ、小役及びボーナスなどの各種の役やハズレ(不当選)が対応付けられている。
乱数判定処理では、スタートスイッチ830から出力されるスタート信号に基づいて、遊技ごとに乱数生成手段603が生成する乱数(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数を抽選テーブル選択処理で選択した内部抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非成立状態(第1のフラグ状態、OFF状態)から成立状態(第2のフラグ状態、ON状態)に設定する。スロットマシン1では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが成立状態に設定される。なお、抽選フラグの設定情報は、メインRAM13に格納される。
リール制御手段605は、遊技者がスタートレバーSLへ開始操作を実行することにより作動するスタートスイッチ830から、スタート信号が出力されたことに基づいて、ステッピングモータにより第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動を開始する。また、リール制御手段605は、第1リールR1〜第3リールR3の回転状態が、所定速度(例えば、約80rpm)で定常回転する回転状態となった場合に、各リールに対応するストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作されることでストップスイッチ840によって検出される停止操作を有効化する制御を実行する。そして、リール制御手段605は、停止操作の検出に基づきストップスイッチ840からリール停止信号が出力された場合に、リールユニット910のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。このとき、リール制御手段605は、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3を抽選フラグの設定状態、すなわち内部抽選の結果に応じた態様で停止させる制御を行う。つまり、リール制御手段605は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の各ボタンが押下されるごとに、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたストップボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。
また、スロットマシン1では、第1リールR1〜第3リールR3について、ストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止するようになっている。ここで、ストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径及び回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で4コマ分回転可能に構成されている。リール制御手段605は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効ラインL1上の表示位置に対して0コマ〜4コマの範囲内に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄を有効ラインL1上の表示位置に表示するように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
リール制御手段605は、スタートスイッチ830が開始操作を検出することで出力されるスタート信号を受信し、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始して1回の遊技を開始した場合に、一般にウェイト(又はウェイト時間)と称される待機時間(約4.1秒)を設定するように構成されている。そして、リール制御手段605は、待機時間の設定から待機時間が経過するまでの期間内にスタート信号をスタートスイッチ830から受信した場合に、待機時間が経過した後に第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始するように構成されている。この構成により、リール制御手段605は、1回の遊技の開始から次の遊技の開始までに一定の時間として最小遊技時間(約4.1秒)を経過してから遊技を開始させることができる。
入賞判定手段606は、第1リールR1〜第3リールR3のすべてが停止した時点で有効ラインL1上に表示されている図柄組合せ(第1リールR1〜第3リールR3の停止態様)が、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する入賞判定処理を行う。スロットマシン1では、入賞判定処理における入賞判定手段606の判定結果に基づいて各処理が実行される。入賞役の判定結果に基づき実行される各処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段607にメダルを払い出させる枚数を決定する処理が行われ、リプレイが入賞した場合には、リプレイ処理手段608に次回の遊技においてメダルを消費せずに実行させる処理を行わせ、ボーナスが入賞した場合には遊技状態移行制御手段609に入賞したボーナスを作動させる処理が行われる。
払出制御手段607は、入賞判定手段606による入賞判定処理の結果に基づき、払出数に相当するメダルを、払出装置としてのホッパーユニット920に払い出させる払出制御を行う。ホッパーユニット920には、メダルを1枚払い出すごとに作動する払出メダル検出スイッチ925が備えられている。払出制御手段607は、払出メダル検出スイッチ925からの入力信号に基づいて、ホッパーユニット920から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。なお、メダルのクレジットが許可されている場合には、ホッパーユニット920によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、メインRAM13のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段608は、入賞判定手段606により有効ラインL1上に複数種類のリプレイのうちいずれかのリプレイの入賞を示す図柄組合せが停止表示されたと判定され、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関してメダルの投入を要さずに遊技を実行可能にする準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち、スロットマシン1では、リプレイが入賞した場合、規定投入数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインL1を設定した状態で、次回のスタートレバーSLに対する開始操作を待機する。
遊技状態移行制御手段609は、リプレイの当選態様がそれぞれ異なる複数の遊技状態の間での遊技状態の移行と、内部抽選手段604による内部抽選で、抽選フラグが成立状態に設定された場合に、入賞するまで成立状態が維持されるボーナスに当選した場合に、現在の遊技状態からボーナス成立状態への遊技状態の移行と、入賞したボーナスを作動させるとともに作動させたボーナスに対応する遊技状態であるボーナス状態への遊技状態の移行と、の遊技状態移行制御を行う。
有利期間制御手段610は、特定役の入賞を補助する入賞補助制御を実行可能な遊技が実行される期間である有利期間(有利区間)と、入賞補助制御が実行されない遊技が実行される期間である非有利期間(非有利区間)と、の間での移行に係る制御を実行する。有利期間制御手段610は、有利期間と非有利期間との間での移行に係る制御として、非有利期間内における遊技において、ボーナスが非成立状態であり、かつボーナスの非作動中である場合に設定差がない当選エリアに当選した場合に、非有利期間を終了し有利期間を開始するか否かを決定する抽選である有利期間抽選を実行する。
有利期間制御手段610は、予め設定された有利期間を終了する条件が成立した場合や、有利期間を開始してから所定の遊技回数の遊技(例えば1500ゲーム)の遊技が実行された場合に、有利期間を終了し次ゲームから非有利期間を開始するとともに、有利期間中に使用した指示機能に係る全パラメータを初期化する処理である終了処理を実行する。また、有利期間制御手段610は、有利期間を開始した場合に有利期間報知部500Aを点灯させ、非有利期間を開始した場合に有利期間報知部500Aを消灯させる。
指示機能状態制御手段611は、有利期間制御手段610によって有利期間が開始されている場合に、入賞補助制御を実行可能な状態であるAT状態を含む複数の指示機能状態の間での指示機能状態の移行に係る制御を含む指示機能に係る制御(アシストタイム制御)を行う。指示機能状態制御手段611は、指示機能状態が入賞補助制御を実行可能な状態である場合に、特定役が入賞する確率を上げるための制御として、内部抽選手段604に当選した当選エリアに応じてそれぞれ異なる当選コマンドを作成させ、作成させた当選コマンドを主制御表示装置500に送信させることで、内部抽選で当選した当選エリアがいずれの当選エリアであるかを報知し、遊技者にストップボタンB1〜ストップボタンB3の操作方法を指示する機能(指示機能)である報知表示が主制御表示装置500に実行される制御である入賞補助制御を実行可能となるように構成されている。
コマンド送信手段612は、各入力手段から入力された入力信号に基づく各手段による演算処理の結果を、予め定められた形式のメインコマンド(例えば5バイト)に変換し、変換したメインコマンドを、予め定められた周期である第1周期(例えば1.49ms)で実行するタイマ割り込み処理の実行2回ごとに、1コマンドずつ副制御部20に送信する。
副制御部20は、主制御部10から送信されるメインコマンドに基づき演出を制御し、サブCPU21と、サブROM22と、サブRAM23と、を備えている。サブCPU21は、主制御部10から送信された第1コマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM22に格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出表示装置930や音響装置940を含む演出装置900に演出を実行させる演出に係る制御を実行する。サブRAM23は、サブCPU21の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
サブCPU21は、サブROM22に格納されたプログラムに基づき、サブRAM23と協働して、コマンド受信手段701a、演出構築手段701b及び演出出力手段701cを含む演出制御手段701と、電断制御手段702と、として機能する。
副制御部20のサブCPU21では、第1周期よりも短い間隔の周期である第2周期(例えば512μs)で、コマンド送信手段612からのメインコマンドの送信の有無を監視するコマンド受信手段701aによるポーリング処理と、受信したメインコマンドを判別する判別処理と、判別処理で問題がないと判別されたメインコマンドをコマンドバッファ703aに格納するメインコマンド格納処理を含むコマンド転送処理と、が実行される。
また、サブCPU21では、演出操作装置JGのボタンJGBへの遊技者の押下操作を検出する押下検出スイッチ870や演出操作装置JGの回転操作部JGDへの遊技者の回転操作を検出する回転検出スイッチ880を含む副操作信号出力手段800から副入力信号(操作信号)が入力された場合に、コマンド受信手段701aによって、入力された副入力信号が、メインコマンドと同じデータ容量(例えば5バイト)のサブコマンドに変換され、コマンドバッファ703aに格納される。
演出構築手段701bは、コマンドバッファ703aに格納されたコマンドを読み出して、コマンドに基づく演出を実行する。具体的には、演出構築手段701bは、コマンドバッファ703aから読み出したコマンドを解読することで、解読したコマンドに基づく演出パターン(演出内容)を決定し、決定した演出パターンに基づく演出内容を生成する。演出出力手段701cは、演出表示装置930や音響装置940を含む演出装置900のうち演出構築手段701bが生成した演出内容に対応する構成に演出内容を送信し、演出を実行させる。
電断制御手段702は、電源装置の電源スイッチがON状態からOFF状態に切り換わった際や、停電等によって副制御部20への電力の供給が停止されることで、サブCPU21への電力レベルが所定のレベルよりも低いLレベルとなった場合に、電断が発生したと判定し、電断制御を開始する。電断制御において、電断制御手段702は、各種デバイスの停止や、電断時に正常にバックアップすることができたか否かを電断からの復帰時に確認するための情報(復帰情報)を生成してサブRAM23の復帰情報記憶手段703bに格納する処理である復帰情報生成処理としてのチェックサム計算処理等の、電断から復帰した際に速やかに遊技を再開できるために必要な各種制御処理を実行する。ここで、電断制御は、サブCPU21が遊技の進行によらず一定の周期で実行する割り込み処理に含まれる制御処理である。
また、電断制御手段702は、電断制御の実行時において、電断の発生時に演出制御手段701によって実行される処理である電断時演出処理の実行を待機するために、サブRAM23に設けられたタイマである電断管理タイマ703cによる待機する時間の管理を実行する。ここで、電断時演出処理は、サブCPU21が遊技の進行によらず一定の周期で実行する割り込み処理に含まれる制御処理である。
電断制御の実行時において、電断制御手段702は、所定の時間(例えば約10ms)以内に電断制御を完了可能な範囲で電断制御の進行を遅延する。電断制御手段410は、電断制御の進行の遅延を開始した時点で電断管理タイマ703cによる計時を開始し、チェックサム計算処理を完了可能な時間を確保できる特定時点(例えば計時開始から6msとなる時点)まで計時を実行する。
電断制御の進行が遅延している間において、演出構築手段701bは、電断時に実行していた演出内容を作成する処理について、電断から復帰した際に再開できるようにするために、作成中のデータを判別可能にするデータを作成し復帰情報記憶手段703bに格納するトランザクション処理を実行する。トランザクション処理において保存される演出内容としては、例えば、ボーナス中の払出数を表示する演出に係るデータが含まれる。
また、電断制御手段410は、電断制御の進行が遅延している間において、コマンド受信手段701aは、電断時に受信中であったメインコマンドを受信し復帰情報記憶手段703bに格納するメインコマンド受信処理を実行する。
なお、電断制御手段410は、電断管理タイマ703cによる計時を開始し、コマンド受信手段701aによるメインコマンド受信処理が終了するのに必要な時間(例えば2ms)を確保できない時間まで演出構築手段701bによるトランザクション処理が終了しなかった場合には、トランザクション処理が終了し次第コマンド受信手段701aによるメインコマンド受信処理の実行を待機することなく電断制御の進行を再開する。また、電断制御手段410は、電断管理タイマ703cによる計時を開始してから特定の時点となるまで演出構築手段701bによるトランザクション処理が終了しなかった場合には、その時点で電断制御の遅延を終了し電断制御の進行を再開するとともに、演出構築手段701bによるトランザクション処理を強制的に終了させる。
なお、上述したパチンコ機100におけるコマンド受信手段400a、演出構築手段400b及び演出出力手段400cを含む演出制御手段400と、電断制御手段410と、コマンドバッファ420aと、復帰情報記憶手段420bと、電断管理タイマ420cと、は、それぞれスロットマシン1におけるコマンド受信手段701a、演出構築手段701b及び演出出力手段701cを含む演出制御手段701と、電断制御手段702と、コマンドバッファ703aと、復帰情報記憶手段703bと、電断管理タイマ703cと、において機能する。
1 スロットマシン(遊技機)
10,300 主制御部
20,330 副制御部
100 パチンコ機(遊技機)
400,701 演出制御手段
410,702 電断制御手段

Claims (2)

  1. 遊技の進行を制御する主制御部と、
    前記主制御部から送信されるコマンドを受信する副制御部と、を備え、
    前記副制御部は、
    前記コマンドに基づいて演出に係る制御を実行する演出制御手段と、
    電断が発生した場合に実行する制御であり、所定の時間が経過するまでに完了する制御である電断制御を実行する電断制御手段と、を有し、
    前記演出制御手段は、前記電断制御手段が前記電断制御を開始した場合に、電断時における演出に係る処理である電断時演出処理を実行し、
    前記電断制御手段は、前記電断制御を開始した際に前記電断時演出処理が実行されている場合に、前記所定の時間以内に前記電断制御を完了可能な範囲で前記電断制御の進行を遅延し、
    前記電断制御手段は、前記電断制御の進行の遅延を継続可能な範囲内で前記電断時演出処理が終了しない場合に、前記電断時演出処理を終了して前記電断制御の進行を再開する、
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 遊技の進行を制御する主制御部と、
    前記主制御部から送信されるコマンドを受信する副制御部と、を備え、
    前記副制御部は、
    前記コマンドに基づいて演出に係る制御を実行する演出制御手段と、
    電断が発生した場合に実行する制御であり、所定の時間が経過するまでに完了する制御である電断制御を実行する電断制御手段と、を有し、
    前記演出制御手段は、前記電断制御手段が前記電断制御を開始した場合に、電断時における演出に係る処理である電断時演出処理を実行し、
    前記電断制御手段は、
    前記電断制御を開始した際に前記電断時演出処理が実行されている場合に、前記所定の時間以内に前記電断制御を完了可能な範囲で前記電断制御の進行を遅延し、
    前記電断制御において、電断から復帰するために必要な情報である復帰情報を生成する復帰情報生成処理を実行し、
    前記電断制御を開始した場合に、前記復帰情報生成処理を完了可能な時間を確保できる時点である特定時点まで、前記電断制御の進行を遅延可能であり、
    前記電断制御を開始してから前記特定時点となるまでの間に、前記電断時演出処理が終了した場合に、前記特定時点まで遅延することなく前記電断制御の遅延を終了する、
    ことを特徴とする遊技機。
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