以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.遊技機の構成の概要
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1の外観構成を示す斜視図である。本実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態のスロットマシン1は、筐体BX、前面上扉UD及び前面下扉DDからなる箱形の筐体内に複数のリールとしての第1リールR1~第3リールR3からなるリールユニット310(図2参照)が収められている。また、筐体内のリールユニット310の下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット320(図2参照)が収められている。また、本実施形態のスロットマシン1の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板も収められている。
図1に示す第1リールR1~第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で20の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。
前面上扉UDと前面下扉DDとは、個別に開閉可能に設けられている。前面上扉UDには、第1リールR1~第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1~第3リールR3の停止状態では、第1リールR1~第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
また、本実施形態のスロットマシン1では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによる有効ラインについて、有効ラインL1が設定されている。本実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数がいずれの遊技状態においても3枚に設定されており、規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールR1~第3リールR3の中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
そして、遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインL1上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320からメダルの払い出し等が行われる。
前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、今回の遊技で当選した役の情報、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。
遊技情報表示部DSには、7セグメント表示器から構成される主制御表示装置500が含まれており、規定投入数のメダルが投入されスタートレバーSLが操作された際に、今回の遊技で当選した役の情報である当選情報に基づき作成される制御信号である当選役コマンドに対応する表示である報知表示が表示され、報知表示の表示後第1リールR1~第3リールR3が停止した際に、報知表示が終了するとともにメダルの払出数あるいは獲得数が表示される。本実施形態のスロットマシン1では、当選役コマンドに応じた表示態様で主制御表示装置500の各セグメントが点灯及び消灯する報知表示が実行される。
また、主制御表示装置500には、7セグメント表示器のドットであり、後述するAT制御手段200(図2参照)によって有利区間が開始され、小役の入賞が補助されることでメダルの出玉率が1以上となっている場合に点灯する区間報知部500Aが設けられている。ここで、出玉率とは、一時的な確率の偏りの影響を十分に無視できるだけの遊技回数である所定の遊技回数(例えば17500ゲーム)の遊技が実行された場合において、所定の遊技回数の遊技の間に投入されるメダルの総投入数に対する所定の遊技回数の遊技の間に獲得されるメダルの総払出数の割合であり、内部抽選で当選した役について、遊技機に設定されている入賞確率で入賞する状態で遊技される場合を想定した割合である。本実施形態では、出玉率が1以上となる場合、払出数から投入数を減算した純増枚数が3枚となる。
また、本実施形態のスロットマシン1では、音を用いた演出を行うための音響装置340が前面上扉UDと前面下扉DDとに複数設けられている。音響装置340からは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うための投入操作手段として、1枚のメダルを投入するシングルベットボタンBT及び規定投入数のメダルを投入するマックスベットボタンMB、第1リールR1~第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーSL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1~第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としてのストップボタンB1~ストップボタンB3及びクレジットされたメダルを精算するための精算ボタンBSも設けられている。
また、前面下扉DDの下部には、メダル払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。また、遊技機内にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、精算ボタンBSが押下された場合、精算ボタンBSの押下に伴ってホッパーユニット320からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す精算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルを払い出す。
図2は、本実施形態のスロットマシン1の機能ブロック図である。本実施形態のスロットマシン1は、制御基板としての主制御部10によって制御される。主制御部10は、複数の操作検出手段としてのメダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240、設定変更スイッチ250及びリセットスイッチ260の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて演出装置300、リールユニット310、ホッパーユニット320及び主制御表示装置500等の出力手段の動作を制御する。
また、主制御部10は、設定変更手段100、投入受付手段105、乱数生成手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、主記憶手段190、アシストタイム制御手段(AT制御手段)200及び比率制御手段600を含む。主制御部10を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、主記憶手段190に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
設定変更手段100は、主記憶手段190の設定値記憶手段191に記憶されている設定値を変更する制御(設定変更制御)を行う。設定変更手段100は、前面上扉UD及び前面下扉DDが開放された状態で電源装置290(図7参照)の前面に設けられたキーシリンダ270(図7参照)に挿入された設定キーが回動することでON/OFFの状態が切り換わる設定変更スイッチ250がON状態となり設定変更を許可する状態である設定変更許可状態において、設定変更手段100は、電源装置に設けられているリセットボタン280(図7参照)が押下操作されることでリセットスイッチ260から出力される入力信号を受け付けるごとに、設定値記憶手段191に記憶されている設定値を設定1→設定2・・・設定6→設定1→・・・の順序で循環的に変動させる。また、スロットマシン1では、設定変更許可状態におけるスタートレバーSLの操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて設定値記憶手段191に記憶されている設定値を確定させて設定変更許可状態を終了する。本実施形態のスロットマシン1では、設定値記憶手段191において確定された設定値に応じて、内部抽選手段120による内部抽選で当選可能な当選エリアのうち一部の当選エリアの当選確率が変更される。つまり、設定変更手段100は、内部抽選手段120による内部抽選における役の当選確率を変更可能な値である設定値を変更可能に構成されている。
なお、本実施形態のスロットマシン1においては、設定変更手段100による設定変更制御が実行された場合に、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態に係る制御及びAT制御手段200が実行する有利区間に係る制御が初期化されるように構成されており、遊技状態が後述する非リプレイタイム(以下、リプレイタイムを「RT」とも記載)状態に設定され、通常区間が設定されるように構成されている。このため、スロットマシン1では、設定変更前においてAT制御手段200が実行していた補助遊技に関する制御についても、初期化されるように構成されている。一方、スロットマシン1においては、主制御部10への電力の供給が遮断(電断)され、その後再度電力の供給が再開された場合、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態に係る制御及びAT制御手段200が実行する有利区間に係る制御について、電断前の状態から再開されるように構成されている。このため、スロットマシン1では、電断が発生しその後電力の供給が再開された場合、電断前にAT制御手段200が実行していた補助遊技に関する制御についても、電断前の状態が維持されるように構成されている。
投入受付手段105は、メダルの投入を受け付ける投入受付期間内において、規定投入数(3枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口MI(図1参照)にメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また、投入受付手段105は、メダルがクレジットされた状態でシングルベットボタンBT又はマックスベットボタンMBが押下されるベット操作が実行されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、規定投入数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
なお、本実施形態のスロットマシン1では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技者による遊技の開始操作として受け付けられ、第1リールR1~第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、後述する内部抽選手段120が内部抽選を実行する契機となっている。
乱数生成手段110は、抽選用の乱数を発生させる手段である。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能し得る値も含まれる。
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行し、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理等を行う。
抽選テーブル選択処理では、主記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段192に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを現在の遊技状態に基づき選択する。各内部抽選テーブルでは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、リプレイ、小役及びボーナスなどの各種の役や不当選(ハズレ)が対応付けられている。
なお、以下の記載において、ボーナスとは、入賞することで役物又は役物連続作動装置を作動させる役を意味し、ボーナスが作動とは、ボーナスが入賞し役物又は役物連続作動装置を作動することを意味し、ボーナス状態とは、役物又は役物連続作動装置が作動した状態を意味する。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230から出力されるスタート信号に基づいて、遊技ごとに乱数生成手段110が生成する乱数(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数を抽選テーブル選択処理で選択した内部抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非成立状態(第1のフラグ状態、OFF状態)から成立状態(第2のフラグ状態、ON状態)に設定する。本実施形態のスロットマシン1では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが成立状態に設定される。なお、本実施形態のスロットマシン1では、入賞するまで次回以降の遊技に成立状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に成立状態を持ち越さずに非成立状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)が用意されている。また、抽選フラグの設定情報は、主記憶手段190の抽選フラグ記憶手段193に格納される。
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへ開始操作を実行することにより作動するスタートスイッチ230からスタート信号が出力されたことに基づいて、第1リールR1~第3リールR3の回転駆動を開始し第1リールR1~第3リールR3の回転態様を制御するリール回転制御を実行する。また、リール制御手段130は、第1リールR1~第3リールR3の回転状態が、所定速度(例えば、約80rpm)で定常回転する回転状態となった場合に、各リールに対応するストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されることでストップスイッチ240によって検出される停止操作を有効化する制御を実行する。そして、リール制御手段130は、停止操作を検出したストップスイッチ240からリール停止信号が出力された場合に、停止操作を検出したストップスイッチ240に対応する第1リールR1~第3リールR3の各リールを停止させる制御(リール停止制御)を行う。
なお、以下の記載において、リール制御手段130によって第1リールR1~第3リールR3の回転が開始され、遊技者が有効なストップボタンB1~ストップボタンB3をそれぞれ押下操作することについて、最初の押下操作を第1停止操作、2番目の押下操作を第2停止操作、3番目の押下操作を第3停止操作とも記載する。
本実施形態のスロットマシン1では、第1リールR1~第3リールR3について、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された時点(ストップスイッチ240が停止操作を検出した時点)から所定の期間としての190msが経過するまでに、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止するようになっている。ここで、ストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径及び回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で4コマ分回転可能に構成されている。
このため、本実施形態のスロットマシン1では、第1リールR1~第3リールR3について、ストップボタンの押下時点で有効ラインL1上に表示されているコマから4コマ回転するまでの計5コマが、有効ラインL1上に図柄を引き込み可能な範囲(引き込み範囲)となっている。
リール制御手段130は、リール停止制御の実行時において、抽選フラグが成立状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるように回転中のリールを停止させる引き込み処理と、抽選フラグが非成立状態に設定された役を入賞させることができないように回転中のリールを停止させる蹴飛ばし処理と、を含むロジック演算により予め設定された優先順位に基づき回転中のリールの停止位置を求めるロジック演算処理と、主記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定するテーブル参照処理と、を行い、回転中のリールを停止させ有効ラインL1上に図柄を表示(以下、リール停止制御によって回転中のリールを停止させて有効ラインL1上に図柄を表示することを「停止表示」とも記載)している。
なお、本実施形態のスロットマシン1において、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補の優先度の求め方は、有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先度を求める方法(個数優先制御)と、小役に予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める方法(枚数優先制御)とが存在する。ただし、枚数優先制御を実行する場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度がそれぞれ同一のものとして扱われる。
入賞判定手段140は、第1リールR1~第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、主記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段195に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1~第3リールR3のすべてが停止した時点で有効ラインL1上に表示されている図柄組合せが、それぞれ予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ラインL1上に表示された図柄組合せによって、ボーナス、リプレイ、小役の入賞の有無を判定(以下、「入賞判定」と記載)できるように入賞判定テーブルが用意されている。なお、以下の記載において、役の入賞形態を示す図柄組合せを「入賞図柄組合せ」とも記載する。
本実施形態のスロットマシン1では、入賞判定処理における入賞判定手段140の判定結果に基づいて各処理が実行される。入賞役の判定結果に基づき実行される各処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150にメダルを払い出させる枚数を決定する処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160に次回の遊技においてメダルを消費せずに実行させる処理を行わせ、ボーナス等の遊技状態を移行させる契機となる役が入賞した場合には遊技状態移行制御手段170に遊技状態を移行させる処理が行われる。
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役ごとに予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、払出装置としてのホッパーユニット320に払い出させる制御を行う。
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出すごとに作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられている。払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいて、ホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。なお、メダルのクレジットが許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、主記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段160は、入賞判定手段140により有効ラインL1上に後述する複数種類のリプレイ役のうちいずれかのリプレイの入賞を示す図柄組合せが停止表示されたと判定され、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関してメダルの投入を要さずに遊技を実行可能にする準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、リプレイが入賞した場合、規定投入数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインL1を設定した状態で、次回のスタートレバーSLに対する開始操作を待機する。
遊技状態移行制御手段170は、複数の遊技状態の間で遊技状態を移行させる処理と、ボーナスの作動及び終了に係る処理と、を行う。ここで、各遊技状態の移行条件は、1つの条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうちいずれか1つの条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件のすべてが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
AT制御手段200は、特定役の入賞を補助する入賞補助を実行可能な補助遊技が実行される区間(期間)である有利区間(有利期間)と、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく補助遊技に関する制御が実行されない遊技が実行される区間(期間)である通常区間(非有利期間、非有利区間)と、の間での移行に係る制御を、AT制御データ記憶手段197に記憶されているデータを用いて実行する。AT制御データ記憶手段197には、通常区間において有利区間を開始するか否かを決定する有利区間移行抽選で用いられる有利区間移行抽選テーブルや、有利区間内において実行されるAT状態及び非AT状態を含む複数種類の演出状態に関する各種制御において用いられるデータ(所定の制御処理でON状態又はOFF状態にセットする各種フラグ、カウンタ等)が格納されている。
AT制御手段200は、有利区間において所定条件下で演出状態をAT状態(アシストタイム状態)に設定し、7セグメント表示器からなる主制御表示装置500に当選している特定役を入賞可能にするストップボタンB1~ストップボタンB3の操作順序(正解打順)に対応する情報(操作指示情報の一例)を表示することで、特定役の入賞を補助する入賞補助(正解打順報知)を行う。また、スロットマシン1では、AT制御手段200による入賞補助が実行される場合に、後述する演出制御手段180によって演出表示装置330に正解打順に対応する指標を表示する入賞補助演出を実行する。このように、スロットマシン1では、AT状態において、入賞補助によってストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様が報知されることで、遊技者にとって有利な補助遊技(AT遊技、報知遊技)が実行される。
AT制御手段200は、有利区間を終了する所定の終了条件が成立した際に、有利区間内において設定した各種フラグ、数値等、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了し次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。また、AT制御手段200は、有利区間において、有利区間を開始してから、入賞補助が実行されることで、メダルの出玉率が1以上となる場合であって、入賞補助が実行される遊技までに区間報知部500Aを点灯させる。このため、AT制御手段200は、有利区間を開始している場合であっても、入賞補助が実行されない演出状態である場合には、区間報知部500Aを消灯可能に構成されている。
AT制御手段200は、有利区間を開始した遊技において、第1有利区間カウンタ197aに初期値として値「1500」をセットし、1回の遊技が実行されるごとに、1ゲームに相当する値である値「1」を第1有利区間カウンタ197aに記憶される値(記憶値)から減算し、第1有利区間カウンタ197aの記憶値を累積的にデクリメント更新するゲーム数更新処理を実行する。また、AT制御手段200は、有利区間を開始した遊技からメダルの払出数をメダルの投入数で減算した値(差枚数)を第2有利区間カウンタ197bに累積的に記録する差枚数更新処理を実行する。
本実施形態のAT制御手段200は、有利区間に制御している場合、遊技状態である場合にも、1回の遊技が実行されるごとに1ゲームに相当する値である値「1」ずつ第1有利区間カウンタ197aの記憶値に累積的に減算(更新)するゲーム数更新処理と、メダルの差枚数に相当する値を第2有利区間カウンタ197bの記憶値に累積的に更新する差枚数更新処理と、を実行する。
ここで、AT制御手段200は、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を更新する差枚数更新処理において、当該遊技におけるメダルの払出数が規定投入数未満であることで第2有利区間カウンタ197bの記憶値を減算した際に、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「0」未満となる場合、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を値「0」にセットする。これにより、AT制御手段200は、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が最下点となる際の値について、値「0」に固定することができるため、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を用いた制御処理において、最下点における具体的な数値に応じて判定の閾値となる値を変動させる必要がなくなり、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を用いた制御処理の負荷を軽減させることができる。
AT制御手段200は、1500ゲームの遊技が実行された場合、つまり第1有利区間カウンタ197aの記憶値が第1値としての値「0」になった場合又は有利区間において最もメダルを消費した時点から2400枚を超えるメダルを遊技者が獲得した場合、つまり第2有利区間カウンタ197bの記憶値が最も低い値(最下点)であった時点から値「2401」になった場合に、有利区間を終了させる所定の終了条件として特定終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
AT制御手段200は、所定の初期化処理において、有利区間においてON状態にセットした各フラグや有利区間において設定した値等の有利区間における各種制御処理で用いた情報をすべて初期化し、有利区間中において更新可能ないずれの情報もすべて初期化する。これにより、AT制御手段200は、有利区間を終了し通常区間を開始した場合、通常区間の直前の有利区間において用いられていた有利区間中において更新可能な情報について、通常区間中や次回の有利区間の開始時に引き継ぐことができないように構成されている。
なお、AT制御手段200は、特定終了条件以外の予め設定されている所定の終了条件(通常終了条件)が成立した場合にも有利区間を終了可能であり、通常終了条件が成立した場合にも終了処理を実行する。本実施形態のAT制御手段200が設定する通常終了条件の詳細については、後述する。
比率制御手段600は、主制御部10上に設けられ、遊技の結果に関する比率を本実施形態における表示装置としての比率表示装置610に表示可能にするための各種制御を実行する。比率制御手段600は、遊技に関する比率として、主制御部10の初期稼働から記録される値である稼働記録を用いた制御の結果として算出される比率である稼働比率を比率表示装置610で表示可能にするための各種制御を実行する。ここで、稼働記録の記録を開始する時点である初期稼働とは、スロットマシン1が製造されて完成し、最初の遊技がされた時点を指し、スロットマシン1を製造する工場における出荷検査時に初めて遊技が行われた場合には、当該出荷検査時に初めて遊技が実行された時点を意味し、遊技場に設置されてから遊技が初めて実行された場合には、当該遊技場に設置されてから遊技が初めて実行された時点を意味する。
なお、比率制御手段600は、初期稼働の時点として、出荷検査時に遊技が行われた場合であっても、遊技場に設置されてから遊技が初めて実行された時点を初期稼働の時点として設定してもよく、また、遊技場に設置されてから遊技場の店員が確認(検査)のために遊技を行った場合であっても、遊技場の店員ではなく遊技者によって最初の遊技が実行された時点を初期稼働の時点として設定してもよい。
副制御部20は、主制御部10から送信される各種信号(コマンド)に基づき、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて演出表示装置330、音響装置340を含む演出装置300等の出力手段の動作を制御する。副制御部20の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRWMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。本実施形態の副制御部20は、プロセッサとして、CPU(以下、副制御部20のCPUを「サブCPU」とも記載)を有している。また、副制御部20は、副制御部20のROM上に、演出制御手段180及び副記憶手段181を設けている。副制御部20を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、副記憶手段181に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
演出制御手段180は、副記憶手段181に記憶されている演出データに基づいて、例えば、演出表示装置330を用いて行う画像、映像演出や、音響装置340を用いて行う音響演出等、遊技に関する演出に係る制御を行う。具体的には、メダルの投入、シングルベットボタンBT、マックスベットボタンMB、スタートレバーSL、ストップボタンB1~ストップボタンB3に対する操作等への遊技者によるスロットマシン1の各構成の操作時や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生時に、ランプ及びLEDの点灯あるいは点滅、音響装置340からの音の出力、スタートスイッチ230からスタート信号が出力された状態で第1リールR1~第3リールR3の回転開始を遅延させる第1リールR1~第3リールR3を用いた演出等を実行することにより、遊技を盛り上げる演出や、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。また、演出制御手段180は、各演出状態に基づく演出を演出装置300を構成する各構成に実行させる。
本実施形態において、演出制御手段180は、AT制御手段200による入賞補助の実行時において、入賞補助で報知される内容(例えば、当選エリア「打順ベル1」の当選時に正解打順の報知等)を演出装置300を用いた演出によって報知する入賞補助演出を実行する。
2.本実施形態における遊技機が備える構成
次に、図3~図14を参照して、本実施形態におけるスロットマシン1が備える各構成の詳細について説明する。
<内部抽選手段>
図3は、本実施形態のスロットマシン1における各遊技状態で選択される内部抽選テーブルである内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルCを示す図である。内部抽選テーブルAは、遊技状態が非RT状態である場合に選択される。内部抽選テーブルAでは、小役に当選する当選エリアと、小役とボーナスとが重複して当選する当選エリアと、ボーナスに当選する当選エリアと、リプレイに当選する当選エリアと、に乱数が対応付けられており、小役、リプレイ又はボーナスのいずれかに当選するように構成されている。また、内部抽選テーブルAでは、リプレイの当選確率が、約1/7.3に設定されている。
本実施形態のスロットマシン1では、ボーナスとして第1種特別役物に係る役物連続作動装置としてのレギュラービッグボーナス(以下、レギュラービッグボーナスを「RBB」とも記載)を備えており、当選エリア「RBB&1枚役」と、当選エリア「RBB」と、のいずれかに当選することでRBBが成立状態に設定される。
内部抽選テーブルBは、非RT状態においてRBBに当選し、RBBが成立状態に設定されたことによって移行される遊技状態であるボーナス成立状態である場合に選択される。内部抽選テーブルBは、内部抽選テーブルAにおいて小役に対応付けられていた乱数と、小役とボーナスとが重複して当選する当選エリアに対応付けられていた乱数と、が小役に対応付けられており、内部抽選テーブルAにおいてリプレイに対応付けられていた乱数と、ボーナスに対応付けられていた乱数と、がリプレイに対応付けられている。
内部抽選テーブルCは、RBBが入賞し、RBBが作動した場合に移行される遊技状態であるボーナス状態において選択される。内部抽選テーブルCは、小役の当選確率について、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBのいずれの内部抽選テーブルにおいて設定されている小役の当選確率よりも高くなるように設定されている。
本実施形態のスロットマシン1では、内部抽選で当選した場合に入賞可能な小役(以下、「入賞役」と記載)として、ベルA、ベルB、1枚役A~1枚役F及びレア役が用意されており、複数種類の入賞役が重複して当選する小役の当選エリア(当選態様)として、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」と、当選エリア「RBB&1枚役」と、当選エリア「1枚役」と、当選エリア「JAC1」と、当選エリア「JAC2」と、が設定されている。ここで、「打順」とは、ストップボタンB1~ストップボタンB3に対して押下操作を実行する順番を意味する。また、以下の記載において、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されるタイミングを「押下タイミング」とも記載する。
当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」は、ベルAと、1枚役A~1枚役Fのうち少なくとも1つと、に重複当選する当選エリアであり、それぞれ重複当選する入賞役が異なる構成となっている。当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」には、それぞれベルAを入賞可能にする打順(正解打順)が設定されている。当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」の当選時において、スロットマシン1では、正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、ベルAが入賞し、正解打順とは異なる打順(不正解打順)でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作され、かつ押下タイミングが当選している1枚役A~1枚役Fのいずれかを入賞可能なタイミングである場合に、当選している1枚役A~1枚役Fのいずれかが入賞し、不正解打順でかつ押下タイミングが当選している1枚役A~1枚役Fのいずれかを入賞できないタイミングである場合に、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となる。
当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」は、ベルBと、1枚役A~1枚役Fのうち少なくとも1つと、に重複当選する当選エリアであり、それぞれ重複当選する入賞役が異なる構成となっている。当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」には、それぞれベルBを入賞可能にする打順(正解打順)が設定されている。当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」の当選時において、スロットマシン1では、正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、ベルBが入賞し、正解打順とは異なる打順(不正解打順)でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作され、かつ押下タイミングが当選している1枚役A~1枚役Fのいずれかを入賞可能なタイミングである場合に、当選している1枚役A~1枚役Fのいずれかが入賞し、不正解打順でかつ押下タイミングが当選している1枚役A~1枚役Fのいずれかを入賞できないタイミングである場合に、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となる。
当選エリア「RBB&1枚役」は、RBB、1枚役A~1枚役Fに重複して当選するエリアである。当選エリア「RBB&1枚役」の当選時において、スロットマシン1では、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングが当選している1枚役A~1枚役Fのいずれかを入賞可能なタイミングである場合に、当選している1枚役A~1枚役Fのいずれかが入賞し、不正解打順でかつ押下タイミングが当選している1枚役A~1枚役Fのいずれかを入賞できないタイミングである場合に、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となる。
当選エリア「1枚役」は、それぞれ当選エリア「RBB&1枚役」と同じ小役に重複して当選し、かつストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングが当選している1枚役A~1枚役Fのいずれかを入賞可能なタイミングである場合に、当選している1枚役A~1枚役Fのいずれかが入賞し、不正解打順でかつ押下タイミングが当選している1枚役A~1枚役Fのいずれかを入賞できないタイミングである場合に、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となる。当選エリアであり、RBBが抽選の対象に含まっているか否かの差を有している。
当選エリア「レア役」は、レア役に当選し、ストップボタンB3の押下タイミングが適切な場合にレア役を入賞可能に構成されており、ストップボタンB3の押下タイミングがレア役を入賞させることができないタイミングであった場合には、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となる。なお、本実施形態の内部抽選手段120は、小役を含む各当選態様の当選確率について、当選エリア「レア役」に当選する確率が、他の小役を含む当選態様のいずれかに当選する確率よりも低い確率となる、いわゆるレア役として構成されている。
次に、リプレイを含む当選エリアについて説明する。本実施形態のスロットマシン1では、リプレイのみを含む当選エリアとして、当選エリア「通常リプレイ1」と、当選エリア「通常リプレイ2」と、当選エリア「レアリプレイ」と、が設定されている。
当選エリア「通常リプレイ1」は、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBのそれぞれにおいて設定されている当選エリアであり、リプレイAに当選し、打順及び押下タイミングによらずリプレイAを入賞可能に構成されている。
当選エリア「通常リプレイ2」は、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBのそれぞれにおいて設定されている当選エリアであり、リプレイAと、リプレイBと、に重複して当選し、打順及び押下タイミングによらずリプレイAを入賞可能に構成されている。また、当選エリア「通常リプレイ2」は、内部抽選テーブルAにおいて当選エリア「通常リプレイ2」に対応付けられていた乱数と、当選エリア「RBB」に対応付けられていた乱数と、が、内部抽選テーブルBにおいて対応付けられており、遊技状態が非RT状態からボーナス成立状態に移行することで、当選確率が高くなる当選エリアとして構成されている。
当選エリア「レアリプレイ」は、レアリプレイに当選し、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBのそれぞれにおいて設定されている当選エリアであり、打順及び押下タイミングによらずレアリプレイを入賞可能に構成されている。なお、本実施形態の内部抽選手段120は、リプレイを含む各当選態様の当選確率について、当選エリア「レアリプレイ」に当選する確率が、当選エリア「通常リプレイ1」、当選エリア「通常リプレイ2」に当選する確率よりも低い確率となる、いわゆるレアリプレイとして構成されている。
ここで、本実施形態のスロットマシン1では、持越可能フラグが対応付けられる役としては、RBBがあり、小役及びリプレイは、持越不可フラグに対応付けられている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、内部抽選でRBBを含む当選エリアに当選すると、当選したRBBの抽選フラグの成立状態を、RBBが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき、内部抽選手段120は、RBBの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技でも、小役及びリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、RBBの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているRBBの抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを成立状態に設定する。
<リール制御手段>
本実施形態のスロットマシン1では、いずれの遊技状態である場合にも、リール停止制御において有効ラインL1上に停止させる役の優先順序が「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。つまり、リール制御手段130は、ボーナスと小役又はボーナスとリプレイが重複して当選している場合、ボーナスに優先して小役又はリプレイを入賞させる停止制御を実行する。
<小役の配当>
本実施形態において、ベルA、ベルBの配当は、規定投入数(3枚)よりも多い枚数の払出数(例えば10枚)に設定されている。また、1枚役A~1枚役F及びレア役の配当は、規定投入数よりも少ない枚数の払出数(例えば1枚)に設定されている。
<遊技状態移行制御手段>
図4(A)は、本実施形態の遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態の移行に係る制御において、各遊技状態から移行可能な遊技状態を示す状態遷移図である。
図4(A)に示すように、非RT状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態(初期遊技状態、通常遊技状態)であり、ボーナスが作動及び成立していない非ボーナス状態となっている。非RT状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120にリプレイの当選確率が約1/7.3に設定されている内部抽選テーブルAを用いた内部抽選を実行させる。
ボーナス成立状態は、非RT状態における内部抽選で当選エリア「RBB」、当選エリア「RBB&1枚役」のいずれかに当選し、RBBが成立状態に設定された場合に移行する遊技状態である。ボーナス成立状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120にリプレイの当選確率が約1/7.3に設定されている内部抽選テーブルBを用いた内部抽選を実行させる。
ボーナス状態は、RBBが入賞しRBBが作動することで移行される遊技状態である。ボーナス状態において、遊技状態移行制御手段170は、払い出されたメダルの合計数によって作動しているRBBの終了条件が成立したかを判定し、予め定められた所定の払出数(例えば、100枚)を超えるメダルが払い出された場合に、RBBの作動を終了させることでボーナス状態を終了させて、遊技状態を非ボーナス状態である非RT状態へ移行させる。ボーナス状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120に内部抽選テーブルCを用いた内部抽選を実行させる。
図3に示すように、内部抽選テーブルCでは、ベルA、ベルB、1枚役A~1枚役F、レア役のすべての小役に当選する当選エリア「JAC1」と、1枚役A~1枚役F、レア役のすべての1枚役に当選する当選エリア「JAC2」と、に乱数が対応付けられている。
図3を用いてボーナス状態について詳細に説明する。本実施形態のスロットマシン1において、内部抽選テーブルCが選択されるボーナス状態において当選エリア「JAC1」又は当選エリア「JAC2」に当選する確率は、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBにおいて小役を含む当選エリアのいずれかに当選する確率よりも高い、つまりボーナス状態において小役に当選する確率がボーナス状態以外のRBB非作動時の遊技状態においていずれかの小役に当選する確率よりも高い確率に設定されている。また、内部抽選テーブルCにおいて、当選エリア「JAC1」に当選する確率は、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBにおいて当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」のそれぞれに当選する確率よりも高い確率に設定されている。
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1は、ボーナス状態において、ボーナスの非作動時である非RT状態及びボーナス成立状態である場合よりもすべての小役の当選確率が上昇するとともに、いずれかの小役に当選する確率も上昇するように構成されている。
また、スロットマシン1は、ボーナス状態において、当選エリア「JAC1」に当選する確率が、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」のいずれかに当選する確率(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」の各当選確率を合算した当選確率)及び当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」のいずれかに当選する確率(当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」の各当選確率を合算した当選確率)よりも高く、かつ、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」のいずれかに当選する確率(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の各当選確率を合算した当選確率)よりも低くなるように構成されている。
このように、本実施形態のスロットマシン1は、遊技を開始する際に必要となる遊技価値の投入数よりも多い配当に設定された複数種類の第1小役(ベルA、ベルB)が互いに重複せずに他の小役と重複当選する複数種類の第1当選態様(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」)と、複数種類の第1小役が重複して当選する第2当選態様(当選エリア「JAC1」)と、を有し、内部抽選手段120が、通常遊技状態(非RT状態)及びボーナス成立状態において、複数種類の第1当選態様が存在するように内部抽選を行うとともに、ボーナス状態(ボーナス状態)において、第2当選態様が存在するように内部抽選を行うように構成されている。また、スロットマシン1において、ボーナス状態における内部抽選で第2当選態様に当選する確率は、通常遊技状態及びボーナス成立状態における内部抽選で複数種類の第1当選態様のいずれかに当選する確率よりも低く、ボーナス状態における内部抽選でのすべての小役それぞれの当選確率は、通常遊技状態及びボーナス成立状態における内部抽選でのすべての小役それぞれの当選確率以上となるように構成されている。
このため、本実施形態のスロットマシン1は、ボーナス状態について、メダルの獲得率の期待値が100%未満となっている。
ここで、ボーナス状態以外の遊技状態においては、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の当選時に、正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3を押下操作しないとベルA、ベルBを入賞させることができない構成であることから、ベルA、ベルBのいずれかが入賞する確率は、6種類の打順から正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3を押下操作できた場合に限定される。一方、後述するAT制御手段200によって入賞補助制御が実行されるAT遊技が実行された場合には、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の当選時に、正解打順が報知されるため、ベルA、ベルBのいずれかが入賞する確率について、入賞補助制御が実行されない場合に対して最大で6倍まで高めることができる。
このように、本実施形態においては、正解打順で停止操作した場合に入賞する規定投入枚数よりも多くのメダルを払い出す入賞役(特定役)として、ベルA、ベルBの2種類を設定している。そして、ボーナス状態において特定役を含む当選態様が得られる確率を、ボーナス状態以外の遊技状態において特定役を含む当選態様が得られる確率の約1/2に圧縮している。このように構成することで、ボーナス状態以外の遊技状態においてN種類の特定役を互いに重複せずに当選させる態様を設けて内部抽選を行い、ボーナス状態においてN種類の特定役を重複して当選させる態様を設けて内部抽選を行うことによって、ボーナス状態において特定役を含む当選態様が得られる確率を、ボーナス状態以外の遊技状態において特定役を含む当選態様が得られる確率の約1/Nに圧縮することができる。これにより、ボーナス状態でのメダルの獲得率の期待値の下限を100%未満にまで引き下げた上でAT遊技に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
<AT制御手段>
図4(B)は、本実施形態のAT制御手段200よって制御される通常区間及び有利区間と、有利区間中に制御される演出状態と、についての詳細を示す状態遷移図である。
上述した通り、通常区間は、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく補助遊技に関する制御が実行されない期間である。AT制御手段200は、通常区間内における遊技において、内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアに基づき、通常区間を終了し有利区間を開始するか否かを決定する抽選である有利区間抽選を実行する。
有利区間抽選において、AT制御手段200は、まず、AT制御データ記憶手段197から、複数の乱数のそれぞれに対して「有利区間の開始」、「ハズレ(不当選)」が対応付けられているデータテーブルである有利区間移行抽選テーブルを取得する。そして、AT制御手段200は、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数を有利区間移行抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき、有利区間を開始するか否かを決定する。
AT制御手段200は、内部抽選で当選した当選エリアの当選確率と、有利区間抽選における「有利区間の開始」の当選確率と、を乗算した確率について、1/17500以上となるように有利区間抽選を実行する。
本実施形態のAT制御手段200は、非RT状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」、当選エリア「レア役」、当選エリア「通常リプレイ1」、当選エリア「レアリプレイ」、当選エリア「RBB」、当選エリア「RBB&1枚役」に当選した場合と、ボーナス成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」、当選エリア「レア役」、当選エリア「通常リプレイ1」、当選エリア「レアリプレイ」、当選エリア「1枚役」に当選した場合と、に、有利区間抽選を実行し、他の当選エリアに当選した場合には、有利区間抽選を実行しないように構成されている。また、AT制御手段200は、略100%の確率で「有利区間の開始」に当選する有利区間抽選を実行する。
有利区間において、AT制御手段200は、補助遊技を実行しない非AT状態として、通常非AT状態と、CZ状態と、の複数種類の演出状態を有し、補助遊技を実行可能なAT状態を有している。また、本実施形態のスロットマシン1は、全体の遊技における有利区間の滞在比率が、7割以上となりうる構成となっている。
通常非AT状態は、他の演出状態に移行していない場合に設定される、複数種類の演出状態の中で通常状態に相当する演出状態(通常演出状態)である。AT制御手段200は、演出状態が通常非AT状態に移行した場合、通常非AT状態における遊技回数をカウントする通常非ATゲーム数カウンタ(不図示)に初期値として値「700」をセットする。AT制御手段200は、通常非AT状態において、遊技が実行される都度、通常非ATゲーム数カウンタの記憶値を1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。そして、AT制御手段200は、通常非ATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」となった場合に、CZ状態への移行条件が成立したと判定し、演出状態を通常非AT状態からCZ状態に移行する。
また、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、において、AT状態への移行を決定するか否かを抽選する通常中AT抽選を実行する。通常中AT抽選において「AT状態への移行」に当選した場合、AT制御手段200は、AT状態への移行条件(AT移行条件)が成立したと判定し、演出状態を通常非AT状態からAT状態に移行する。
CZ状態は、遊技者にとって有利な特典である入賞補助が実行されるAT状態に移行する確率が通常非AT状態よりも高く、通常非AT状態よりも有利な演出状態である。AT制御手段200は、CZ状態の開始時にAT制御データ記憶手段197のCZゲーム数カウンタ(不図示)に所定の遊技回数に対応する値(例えば、32ゲーム)をセットし、遊技が実行される都度、CZゲーム数カウンタの記憶値を1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
AT制御手段200は、CZ状態が開始された遊技において、AT状態への移行を決定するか否かを抽選するCZ中AT抽選を実行するように構成されている。CZ中AT抽選において「AT状態への移行」に当選した場合、AT制御手段200は、CZ状態の開始から32ゲームの遊技が実行された後に、演出状態をCZ状態からAT状態に移行する。一方、CZ中AT抽選で「AT状態への移行」に当選しなかった場合、AT制御手段200は、CZ状態の開始から32ゲームの遊技が実行された後に、CZ状態を終了する。AT制御手段200は、AT移行条件が成立していない状態でCZ状態を終了した場合、有利区間の終了条件のうち通常終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
CZ中AT抽選において、AT制御手段200は、内部抽選の結果によらず、通常非AT状態において実行される通常中AT抽選よりも高い確率で「AT状態への移行」に当選可能な抽選を実行する。また、CZ中AT抽選において、AT制御手段200は、内部抽選で当選した当選エリアを参照して抽選テーブルを取得することで、内部抽選で当選した当選エリアによって「AT状態への移行」に当選する確率が変化するように構成されている。AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「レア役」又は当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合に、他の当選エリアに当選した場合よりも高い確率で「AT状態への移行」に当選可能な抽選テーブルを取得する。
このように、CZ状態は、開始時における遊技において、内部抽選の結果によらず「AT状態への移行」に当選可能なCZ中AT抽選が実行されるとともに、CZ中AT抽選について、内部抽選で当選エリア「レア役」又は当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合に、他の当選エリアに当選した場合よりも高い確率で「AT状態への移行」に当選可能に構成されており、当選エリア「レア役」又は当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合に限り「AT状態への移行」に決定される可能性を有する通常非AT状態よりも、遊技者にとって有利な演出状態として構成されている。
AT状態は、入賞補助が実行される補助遊技を実行可能な状態である。AT状態において、AT制御手段200は、内部抽選手段120による内部抽選において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によって入賞役が変化する当選エリアに当選したことに基づき入賞補助を実行可能に構成されている。ここで、入賞補助によって入賞する確率が上がる役(特定役)は、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の当選時のベルA、ベルBである。AT制御手段200は、入賞補助として、正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。
AT制御手段200は、AT状態の開始時にAT制御データ記憶手段197のATゲーム数カウンタ(不図示)に所定の遊技回数に対応する初期値(例えば、50ゲーム)をセットし、遊技が実行される都度、ATゲーム数カウンタの記憶値を1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
また、AT制御手段200は、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「レア役」又は当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合に、ATゲーム数カウンタの記憶値に抽選により決定された値を加算するか否かを決定することで、AT状態が継続する期間を加算(上乗せ)するか否かを決定する上乗せ抽選を実行するように構成されている。
AT制御手段200は、AT状態における毎回の遊技の実行の都度実行するデクリメント更新によってATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合と、AT状態において第1有利区間カウンタ197aの記憶値が値「1500」に達した場合と、AT状態において第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「2400」を超えた場合と、に、AT状態の終了条件(AT終了条件)が成立したと判定し、AT状態を終了する。
AT制御手段200は、ATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になったことに基づきAT状態を終了した場合、有利区間の終了条件のうち通常終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。また、AT制御手段200は、AT状態において第1有利区間カウンタ197aの記憶値が値「1500」に達したことに基づきAT状態を終了した場合と、AT状態において第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「2400」を超えたことに基づきAT状態を終了した場合と、において、有利区間の終了条件のうち特定終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
<比率制御手段>
次に、比率制御手段600が実行する稼働記録を用いた制御のうち、比率表示装置610で表示する稼働比率に係る演算処理について説明する。本実施形態の比率制御手段600は、稼働比率に係る演算処理によって、遊技機が払い出したメダルの数に対する第1種特別役物の作動中に遊技機が払い出したメダルの数の比率である連続役物比率と、遊技機が払い出したメダルの数に対する役物の作動中に遊技機が払い出したメダルの数の比率である役物比率と、役物の作動中に遊技機が払い出したメダルの数と指示機能作動遊技(報知遊技、補助遊技)で遊技機が払い出したメダルの数との合計を遊技機が払い出したメダルの数で割ることで算出される比率である指示込役物比率と、を算出する。
本実施形態において、比率制御手段600は、連続役物比率及び役物比率について、遊技6000回における値及び総遊技回数における値を算出する。また、比率制御手段600は、指示込役物比率について、総遊技回数における値を算出する。ここで、役物とは、入賞を容易にするための特別の装置であり、役物としては第1種特別役物(レギュラーボーナス(RB))、第2種特別役物(チャレンジボーナス(CB))、普通役物(シングルボーナス(SB))などが存在する。すなわち、連続役物比率は、遊技機が払い出したメダルの数に対するRBの作動中に遊技機が払い出したメダルの数の比率であり、役物比率は、遊技機が払い出したメダルの数に対するRB、CB又はSBの作動中に遊技機が払い出したメダルの数の比率であり、指示込役物比率は、遊技機が払い出したメダルの数に対するRB、CB、SB又はATの作動中に遊技機が払い出したメダルの数の比率である。
連続役物比率、役物比率及び指示込役物比率を算出する手法について説明する。本実施形態のスロットマシン1では、ボーナスとしてRBBが設けられている。RBBは、RBの入賞図柄組合せの表示によらずにRBが連続で作動するものとなっている。そして、本実施形態の比率制御手段600は、連続役物比率、役物比率及び指示込役物比率を算出するためのデータとして、スロットマシン1が払い出したメダルの数である払出数、第1種特別役物の作動中に遊技機が払い出したメダルの数である連続役物払出数、役物の作動中に遊技機が払い出したメダルの数である役物払出数、役物の作動中に遊技機が払い出したメダルの数と指示機能作動遊技(報知遊技、補助遊技)で遊技機が払い出したメダルの数との合計である指示込役物払出数を集計する。
具体的には、比率制御手段600は、RBBの入賞に伴って移行するボーナス状態である場合、すべての遊技において第1種特別役物であるRBが作動している状態であることから、ボーナス状態における払出数を連続役物払出数、役物払出数及び指示込役物払出数として集計する。
さらに、本実施形態の比率制御手段600は、連続役物比率及び役物比率について、総遊技回数における連続役物比率及び役物比率の他に、遊技6000回(所定集計期間の一例)における連続役物比率及び役物比率を算出するように構成されており、指示込役物比率については、総遊技回数における指示込役物比率のみを算出し、遊技6000回における指示込役物比率について、算出しないように構成されている。
比率制御手段600は、遊技6000回(所定集計期間の一例)における連続役物比率及び役物比率を算出するためのデータとして、遊技6000回を15分割したうちの1セット分の遊技回数である遊技400回(予め定められた基準集計期間の一例)における上記3種類のメダルの払出数を集計しつつ、遊技400回を1セットとして15セット分の上記3種類のメダルの払出数を1セットごとに個別に集計する。
本実施形態の主記憶手段190は、図5に示すように、払出数、連続役物払出数及び役物払出数のそれぞれについて遊技400回における累計を記憶する400回累計記憶手段198(基準集計期間累計記憶手段の一例)と、払出数、連続役物払出数及び役物払出数のそれぞれについて遊技400回を1セットとして15セット分のデータを1セットごとに個別に記憶する15セット個別記憶手段201(基準集計期間累計個別記憶手段の一例)と、払出数、連続役物払出数及び役物払出数のそれぞれについて15セットの累計を記憶する15セット累計記憶手段202(所定集計期間累計記憶手段の一例)と、払出数、連続役物払出数及び役物払出数のそれぞれについて総累計を記憶する総累計記憶手段203と、を備えている。
また、400回累計記憶手段198は、遊技400回における払出数の累計を記憶する400回累計第1カウンタ198a、遊技400回における連続役物払出数の累計を記憶する400回累計第2カウンタ198b及び遊技400回における役物払出数の累計を記憶する400回累計第3カウンタ198cを備えている。これらのカウンタは、主制御部10のRWMに予め設定された各2バイトの記憶領域により構成されている。
比率制御手段600は、1回の遊技が行われた場合、リプレイが入賞した場合を除き、400回累計第1カウンタ198aの記憶値にスロットマシン1が払い出すメダル数に相当する値(例えば、1枚の払い出しが発生する場合であれば、1枚分のメダルの払出数に相当する値「1」)を加算する処理を行う。なお、本実施形態の比率制御手段600は、400回累計第1カウンタ198aの記憶値を加算する処理を実行する場合には、遊技状態移行制御手段170が制御する遊技状態及びAT制御手段200が制御する通常区間、有利区間及び有利区間中における演出状態に関わらず、400回累計第1カウンタ198aの記憶値を加算する。
また、比率制御手段600は、遊技状態がボーナス状態である場合に、400回累計第2カウンタ198bの記憶値と第3カウンタ198cの記憶値と、にスロットマシン1が払い出すメダル数に相当する値(例えば、1枚の払い出しが発生する場合であれば、1枚分のメダルの払出数に相当する値「1」)を加算する処理を行う。
比率制御手段600は、400回の遊技が行われるごとに400回累計記憶手段198のデータを15セット個別記憶手段201に転送し、総累計記憶手段203のデータが更新された後に400回累計記憶手段198を初期化するために、主記憶手段190のカウンタであり、初期化されてから400ゲーム分のデータを400回累計記憶手段198に記録したか否かを判定するためのカウンタである遊技400回カウンタ199(図2参照)の記憶値に、メダルの払い出しの有無によらず、1回の遊技が行われるごとに1回分の遊技に相当する一定値(例えば、値「1」)を加算するインクリメント更新を行う。比率制御手段600は、400回カウンタ199の記憶値が値「400」となった場合に、初期化されている400回累計記憶手段198に400ゲーム分のデータを記録したと判定し、400回累計記憶手段198のデータを15セット個別記憶手段201に転送し、総累計記憶手段203のデータが更新された後に400回累計記憶手段198と遊技400回カウンタ199とを初期化する。
このようにして、比率制御手段600は、遊技400回における累計を400回累計記憶手段198に記憶する。なお、比率制御手段600は、400回の遊技が行われたか否かの判定について、遊技400回カウンタ199の記憶値に基づいて判定する構成に限らず、例えば、総遊技回数を記憶する総遊技回数カウンタ205(総遊技回数記憶手段の一例)の記憶値に基づいて判定するよう構成されていてもよい。
15セット個別記憶手段201は、図5に示すように、払出数、連続役物払出数及び役物払出数のそれぞれについて遊技400回を1セットとして15セット分のデータを1セットごとに個別に記憶する記憶領域として、それぞれの払出数について、主制御部10のRWMに予め設定された各2バイトの領域を15個ずつ備えている。15セット個別記憶手段201の各記憶領域では、遊技400回(1セット)における累計のデータを記憶するようになっている。
払出数についてセットごとの個別累計を15セット分個別に記憶する15個の記憶領域、連続役物払出数についてセットごとの個別累計を15セット分個別に記憶する15個の記憶領域及び役物払出数についてセットごとの個別累計を15セット分個別に記憶する15個の記憶領域のそれぞれは、記憶領域の先頭から順次データを記憶して当該記憶領域の最後まできたら最初に戻って記憶するリングバッファとして構成されている。このため、例えば、1~15セット目までのデータを15セット個別記憶手段201が記憶している状態で16セット目のデータを記憶する場合には、1セット目のデータを記憶した記憶領域に16セット目のデータが上書きされ、これにより最新のデータが最先に記憶されたデータに上書きされて記憶される。
また、15セット累計記憶手段202は、払出数、連続役物払出数及び役物払出数のそれぞれについて15セットの累計を記憶する記憶領域として主制御部10のRWMに予め設定された各3バイトの領域を備え、総累計記憶手段203は、払出数の総累計を記憶する総累計第1カウンタ203a、連続役物払出数の総累計を記憶する総累計第2カウンタ203b、役物払出数の総累計を記憶する総累計第3カウンタ203c及び後述する指示込役物払出数の総累計を記憶する総累計第4カウンタ203dを備えている。総累計第1カウンタ203a~総累計第4カウンタ203dは、主制御部10のRWMに予め設定された各3バイトの記憶領域により構成されており、記憶可能な値の上限となる上限値が、主制御部10のRWMに予め設定された容量(3バイト)より、3バイトの記憶領域に記憶させることができる値(例えば、値「16777215」)となっている。
そして、比率制御手段600は、400回の遊技が行われるごとに、400回累計記憶手段198に記憶されている払出数、連続役物払出数及び役物払出数のそれぞれに関する遊技400回における累計のデータ(400回累計第1カウンタ198a、400回累計第2カウンタ198b及び400回累計第3カウンタ198cの記憶値)を15セット個別記憶手段201に転送して記憶させる。このように、本実施形態の比率制御手段600は、400回の遊技が行われるごとに、400回累計記憶手段198に記憶されている払出数、連続役物払出数及び役物払出数のそれぞれに関する遊技400回における累計のデータを15セット個別記憶手段201に記憶させ、遊技6000回が経過した以降、400回の遊技が経過するごとに、400回累計記憶手段198に記憶されている払出数に関する遊技400回における累計のデータを、15セット個別記憶手段201に最先に記憶された払出数に関する遊技400回における累計のデータに上書きして記憶させ、400回累計記憶手段198に記憶されている連続役物払出数に関する遊技400回における累計のデータを、15セット個別記憶手段201に最先に記憶された連続役物払出数に関する遊技400回における累計のデータに上書きして記憶させ、400回累計記憶手段198に記憶されている役物払出数に関する遊技400回における累計のデータを、15セット個別記憶手段201に最先に記憶された役物払出数に関する遊技400回における累計のデータに上書きして記憶させる。
また、比率制御手段600は、400回の遊技が行われるごとに、払出数、連続役物払出数及び役物払出数のそれぞれについて15セットの累計を更新する。具体的には、比率制御手段600は、15セット個別記憶手段201に最新のデータが記憶されると、15セット個別記憶手段201に記憶されている、15セット分の払出数の総和、15セット分の連続役物払出数の総和及び15セット分の役物払出数の総和を算出し、算出した15セットの累計を15セット累計記憶手段202の所定の記憶領域に上書きして記憶させることによって15セットの累計を更新する。
そして、比率制御手段600は、15セット累計記憶手段202に記憶されている、払出数の15セットの累計(A1)及び連続役物払出数の15セットの累計(A2)に基づいて、「(A2×100)/A1」の演算を行って遊技6000回における連続役物比率(%)を算出する処理並びに15セット累計記憶手段202に記憶されている、払出数の15セットの累計(A1)及び役物払出数の15セットの累計(A3)に基づいて、「(A3×100)/A1」の演算を行って遊技6000回における役物比率(%)を算出する処理を行い、算出した連続役物比率及び役物比率を比率記憶手段204の所定の記憶領域に上書きして記憶させる。
このように、本実施形態の比率制御手段600は、400回の遊技が行われるごとに、払出数、連続役物払出数及び役物払出数のそれぞれについて15セットの累計を更新してから算出することで、遊技6000回における連続役物比率及び役物比率を算出する。
比率制御手段600は、1回の遊技が行われた場合、リプレイが入賞した場合を除き、総累計記憶手段203の総累計第1カウンタ203aの記憶値にスロットマシン1が払い出すメダル数に相当する値(例えば、1枚のメダルの払い出しが発生する場合であれば、1枚分のメダルの払出数に相当する値「1」)を加算する処理を行う。なお、本実施形態の比率制御手段600は、総累計第1カウンタ203aの記憶値に払出数を加算しても上限値以下となり、総累計第1カウンタ203aに払出数に相当する値を加算可能である状態であり、かつ総累計第1カウンタ203aの記憶値に払出数を加算する処理を実行する場合には、遊技状態移行制御手段170が制御する遊技状態及びAT制御手段200が制御する通常区間、有利区間及び有利区間中における演出状態に関わらず、総累計第1カウンタ203aの記憶値を加算する。
また、本実施形態のスロットマシン1では、ボーナスとしてRBBのみを有していることから、遊技状態がボーナス状態である場合に、総累計第2カウンタ203bの記憶値と、総累計第3カウンタ203cの記憶値と、総累計第4カウンタ203dの記憶値と、にスロットマシン1が払い出すメダル数に相当する値(例えば、1枚のメダルの払い出しが発生する場合であれば、1枚分のメダルの払出数に相当する値「1」)を加算する処理を比率制御手段600が行う。
そして、比率制御手段600は、演出状態がAT状態であり、指示機能作動遊技(報知遊技、補助遊技)が実行された場合に、総累計第4カウンタ203dの記憶値にスロットマシン1が払い出すメダル数に相当する値(例えば、10枚のメダルの払い出しが発生する場合であれば、10枚分のメダルの払出数に相当する値「10」)を加算する処理を行う。
このように、比率制御手段600は、総累計記憶手段203に払出数、連続役物払出数、役物払出数及び指示込役物払出数のそれぞれを累積してカウントすることによって総累計(払出総数、連続役物払出総数、役物払出総数及び指示込役物払出数)を記憶し、リプレイが入賞しなかった場合には、1回の遊技が行われるごとに総累計を更新可能な処理を実行する。
比率制御手段600は、総累計第1カウンタ203aに記憶されている払出数の総累計(B1)及び総累計第2カウンタ203bに記憶されている連続役物払出数の総累計(B2)に基づいて、「(B2×100)/B1」の演算を行って総遊技回数における連続役物比率(%)を算出する処理と、総累計第1カウンタ203aに記憶されている払出数の総累計(B1)及び総累計第3カウンタ203cに記憶されている役物払出数の総累計(B3)に基づいて、「(B3×100)/B1」の演算を行って総遊技回数における役物比率(%)を算出する処理と、総累計第1カウンタ203aに記憶されている払出数の総累計(B1)及び総累計第4カウンタ203dに記憶されている役物払出数の総累計(B4)に基づいて、「(B4×100)/B1」の演算を行って総遊技回数における指示込役物比率(%)を算出する処理と、を行い、算出した連続役物比率、役物比率及び指示込役物比率を比率記憶手段204の所定の記憶領域に上書きして記憶させる。
このように、本実施形態の比率制御手段600は、総累計記憶手段203の記憶値を加算する処理を実行するごとに、総遊技回数における連続役物比率、総遊技回数における役物比率及び総遊技回数における指示込役物比率を算出する。
なお、本実施形態の比率制御手段600は、リプレイが入賞した場合を除き1回の遊技が行われるごとに総累計を更新する場合に限られず、1枚以上のメダルの払い出しが発生するごとに総累計を更新するようにしてもよく、この場合、メダルの払い出しが発生するごとに総累計第1カウンタ203aを必ず更新し、遊技状態がボーナス状態である場合において、メダルの払い出しが発生するごとに総累計第2カウンタ203b、総累計第3カウンタ203c及び総累計第4カウンタ203dを更新し、演出状態がAT状態でかつ指示機能作動遊技(報知遊技、補助遊技)が実行された場合において、メダルの払い出しが発生するごとに総累計第4カウンタ203dを更新するようにしてもよい。また、比率制御手段600は、400回の遊技が実行される都度、400回累計記憶手段198に記憶されている各値を総累計記憶手段203に加算することで、400回の遊技が実行される都度総累計記憶手段203を更新するようにしてもよい。
また、本実施形態の400回累計記憶手段198は、上述したように、400回の遊技が行われるごとに比率制御手段600によって初期化されるが、それ以外の契機では、主制御部10のRWMの異常エラーや、主制御部10のRWMのバックアップエラーといった、主制御部10のRWMに関するエラーが発生した場合を除き初期化されないことでデータが保持されるように構成されており、例えば、ボーナス状態の開始又は終了、有利区間の開始又は終了といった契機によって初期化されないことで、データが保持されるように構成されている。
また、15セット個別記憶手段201、15セット累計記憶手段202、総累計記憶手段203、比率記憶手段204及び総遊技回数カウンタ205については、主制御部10のRWMに関するエラーが発生した場合を除き、どのような状況においても初期化されることが無く、常にデータを保持するように構成されており、例えば、ボーナス状態の開始又は終了、有利区間の開始又は終了等を含むいずれの契機が発生しても初期化されずにデータが保持されるように構成されている。
主制御部10のRWMに関するエラーが発生した場合に、400回累計記憶手段198、15セット個別記憶手段201、15セット累計記憶手段202、総累計記憶手段203、比率記憶手段204及び総遊技回数カウンタ205を初期化することで、本実施形態のスロットマシン1は、エラーの発生により信頼度が低下したRWMの値を用いた演算が実行されてしまうことを防ぐことができる。
また、400回累計記憶手段198、15セット個別記憶手段201、15セット累計記憶手段202、総累計記憶手段203、比率記憶手段204及び総遊技回数カウンタ205は、遊技機に設けられた操作手段に対する操作によって初期化されずにデータが保持されるように構成されており、例えば、設定値が変更された場合でも初期化されずにデータが保持され、電源のON/OFFによっても初期化されずにデータが保持されるようになっている。
次に、比率制御手段600が実行する演算処理の結果を比率表示装置610に送信し比率表示装置610に表示させる制御について説明する。本実施形態の比率制御手段600は、主制御部10上に設けられた比率表示装置610の表示を制御する。
図6は、主制御部10と、主制御部10を収納する基板ケース350と、を示す図である。図6に示すように、主制御部10の表面には、比率表示装置610が設けられている。また、主制御部10は、ケース本体352及びケース蓋体354により構成される透明又は半透明な基板ケース350に収納される。
ケース本体352には、貫通する穴であるピン係止孔362を有する本体側連結部358が長手方向一方側に設けられている。また、ケース蓋体354は、貫通する穴であるピン挿通孔を有する蓋体側連結部360が、長手方向一方側のうち短手方向の位置がケース本体352の本体側連結部358と略同一の位置に設けられている。
基板ケース350は、ケース本体352とケース蓋体354とが連結する場合、本体側連結部358が蓋体側連結部360の内部に収納され、ピン係止孔362とピン挿通孔とのそれぞれの中心軸の位置が略同一の位置となる。この状態において、基板ケース350は、先端部分の形状が、先端から後端へ向かって互いに離れる方向へ広がる矢じり形状に形成され、弾性変形可能なピンである連結ピン356がピン挿通孔を介してピン係止孔362に挿通される。ここで、ピン係止孔362の直径は、連結ピン356の先端部分の形状のうち最も広がる両端部間の距離よりも短いものとなっている。
このため、基板ケース350では、連結ピン356がピン係止孔362を通過する際に弾性変形し、先端部分の形状のうち最も広がる両端部間の距離がピン係止孔362の直径と略同一となる。また、基板ケース350では、連結ピン356の先端部分がピン係止孔362を通過した場合、連結ピン356の先端部分が自身の弾性力により元の形状に復元されることで、先端部分の形状のうち最も広がる両端部間の距離がピン係止孔362の直径よりも長い形状に復元され、再度ピン係止孔362を通過することができなくなる。
これにより、基板ケース350は、ケース本体352とケース蓋体354とが連結ピン356、本体側連結部358及び蓋体側連結部360によって連結されることで、基板ケース350内に収納している主制御部10及び主制御部10の表面に設けられた比率表示装置610を、封印することができる。
図7は、主制御部10を内包する基板ケース350を収納箱BXに取り付けた状態を示す図である。図7に示すように、スロットマシン1では、主制御部10を内包する基板ケース350を収納箱BXに取り付けた場合、主制御部10上に設けられた比率表示装置610の表示が、前面上扉UDを開放した状態で正面から視認可能となるように、リールユニット310の上方に設置される。なお、上述したキーシリンダ270及びリセットボタン280は、図7に示すように、リールユニット310の下方に設けられた電源装置290の前面に設けられているが、例えば主制御部10上に設けられていてもよい。
次に、比率表示装置610の詳細について説明する。図8は、主制御部10に設けられた比率表示装置610を示す図である。図8(A)に示すように、本実施形態の比率表示装置610は、7セグメント表示器のセグメントを駆動する回路であるセグメントドライバと、4桁の数字を表示可能な7セグメント表示器と、から構成されている。比率表示装置610を構成する7セグメント表示器は、図8(B)に示すように、4桁の数字のうち1桁目を表示する第1表示領域611と、2桁目を表示する第2表示領域612と、3桁目を表示する第3表示領域613と、4桁目を表示する第4表示領域614と、を有している。
第1表示領域611は、数字の「8」の字状に配置された7つのセグメント611A~セグメント611Gと、セグメント611A~セグメント611Gの右下に配置されたドット形状のセグメント611Hと、のそれぞれ点灯及び消灯可能な複数の表示部から構成されている。第2表示領域612は、数字の「8」の字状に配置された7つのセグメント612A~セグメント612Gと、セグメント612A~セグメント612Gの右下に配置されたドット形状のセグメント612Hと、のそれぞれ点灯及び消灯可能な複数の表示部から構成されている。第3表示領域613は、数字の「8」の字状に配置された7つのセグメント613A~セグメント613Gと、セグメント613A~セグメント613Gの右下に配置されたドット形状のセグメント613Hと、のそれぞれ点灯及び消灯可能な複数の表示部から構成されている。第4表示領域614は、数字の「8」の字状に配置された7つのセグメント614A~セグメント614Gと、セグメント614A~セグメント614Gの右下に配置されたドット形状のセグメント614Hと、のそれぞれ点灯及び消灯可能な複数の表示部から構成されている。
比率表示装置610では、セグメントドライバが、比率制御手段600からの表示制御信号に応答して7セグメント表示器の各セグメントを駆動するセグメント駆動信号を出力して7セグメント表示器の表示態様を変化させる。これにより、比率制御手段600は、8ビットのデータで8つのセグメントのそれぞれの点灯・消灯を制御し、比率表示装置610による数字や記号等の種々の表示が可能となっている。
本実施形態の比率制御手段600は、遊技6000回における連続役物比率(%)及び役物比率(%)と、総遊技回数における連続役物比率(%)、役物比率(%)及び指示込役物比率(%)と、を比率表示装置610に順次表示させる制御を行う。具体的には、比率制御手段600は、電源が投入されると、比率表示装置610の各セグメントが正常に動作するか否かを確認するテストパターンの表示を行った後に、比率記憶手段204のデータに基づいて、総遊技回数における指示込役物比率の数値と、遊技6000回における連続役物比率の数値と、遊技6000回における役物比率の数値と、総遊技回数における連続役物比率の数値と、総遊技回数における役物比率の数値と、のそれぞれの表示制御信号について、各数値が表示される時間である表示時間(例えば5秒)が経過するごとに各数値の表示態様を示す表示制御信号を比率表示装置610に送信することで、各数値を比率表示装置610に順次表示させる。
図9は、本実施形態における比率表示装置610に表示される表示態様の一例を示す図である。図9に示すように、本実施形態の比率表示装置610に表示される表示態様では、指示込役物比率を示す識別子記号として「7P.」、遊技6000回における連続役物比率を示す識別子記号として「6y.」、遊技6000回における役物比率を示す識別子記号として「7y.」、総遊技回数における連続役物比率を示す識別子記号として「6A.」、総遊技回数における役物比率を示す識別子記号として「7A.」が予め設定されている。
比率表示装置610は、4桁の数字を表示可能な第1表示領域611~第4表示領域614のうち、上位2桁の第1表示領域611、第2表示領域612を指示込役物比率等の識別子記号を表示する表示領域として設定され、下位2桁の第3表示領域613、第4表示領域614を指示込役物比率等の数値を表示する表示領域として設定されている。このため、本実施形態の比率制御手段600は、比率表示装置610の下位2桁の第3表示領域613、第4表示領域614の表示に対応する識別子記号を、比率表示装置610の上位2桁の第1表示領域611、第2表示領域612に表示させることによって、下位2桁の第3表示領域613、第4表示領域614の表示が、遊技6000回における連続役物比率、遊技6000回における役物比率、総遊技回数における連続役物比率、遊技回数における役物比率又は総遊技回数における指示込役物比率のいずれであるかが明確となるように、比率表示装置610に表示させることができる。なお、本実施形態の比率制御手段600は、比率表示装置610の下位2桁の第3表示領域613、第4表示領域614を指示込役物比率等の数値を表示する表示領域としているため、指示込役物比率等の数値を表示させる場合に、小数点以下を切り捨てた数値を比率表示装置610に表示させる。
3.比率表示装置の動作確認に係る処理
次に、本実施形態の比率制御手段600が、比率表示装置610の動作が正常であるか否かを判定するために実行する各種制御処理の詳細について説明する。図10は、スロットマシン1に電源が投入され、主制御部10への電力の供給が復旧した際に実行される電源投入時メインループ処理を示すフローチャートである。
電源投入時メインループ処理において、主制御部10は、供給される電力が安定するまで待機する電源安定待ち処理を実行する(S1)。この処理において、主制御部10は、電源が投入され、供給される電力が安定するまで電源投入時メインループ処理の進行を遅延する。
次に、主制御部10は、チェックサム確認処理を実行する(S2)。本実施形態の主制御部10は、電源が停止される電断発生時において、正常にバックアップすることができたか否かを電断からの復帰時に確認するための情報として、メインRWMに記憶されている情報をそれぞれ符号値として、各符号値の総和を算出し、算出した値をチェックサム値としてメインRWMに記憶している。ステップS2の処理において、主制御部10は、メインRWMに記憶されている情報を符号値として各符号値の総和を算出し、算出した値と、電断時にメインRWMに記憶させたチェックサム値と、を比較するチェックサム確認処理を実行する。
次に、主制御部10は、主記憶手段190に設けられたタイマであり、電源が投入されてから所定の時間(本実施形態では4768ms)が経過するまで計時するタイマである点灯確認パターン表示タイマ206に値「800」を設定する(S3)。この処理において、主制御部10は、電源投入時メインループ処理の終了後において、比率制御手段600によって実行される処理であり、電断復帰時において比率表示装置610の各セグメントが正常に点灯及び消灯可能か否かを確認するための動作確認として実行される処理である電断復帰時動作確認処理において用いられる点灯確認パターン表示タイマ206に、所定の時間を計時するための値「800」を設定する。電断復帰時動作確認処理及び点灯確認パターン表示タイマ206による所定の時間の計時の詳細については、後述する。
次に、主制御部10は、バックアップ異常が発生しているか否かを判定する(S4)。この処理において、主制御部10は、ステップS2の処理において実行したチェックサム確認処理において、電断時に記憶したチェックサム値と、ステップS2の処理において算出した値と、が異なる値である場合に、バックアップ異常が発生していると判定し、電断時に記憶したチェックサム値と、ステップS2の処理において算出した値と、が同値である場合に、電断時にバックアップが正常に行われておりバックアップ異常が発生していないと判定する。
ステップS4の処理において、バックアップ異常が発生していないと判定した場合(NO)、主制御部10は、設定変更が行われたか否かを判定する(S5)。この処理において、主制御部10は、設定変更スイッチ250がON状態となっているか否かを判定している。なお、設定変更が行われている場合、スロットマシン1では、現在の設定値が遊技情報表示部DSに表示された状態となる。
ステップS5の処理において、設定変更が行われていないと判定した場合には(NO)、主制御部10は、電断復帰処理を実行する(S6)。この処理において、主制御部10は、バックアップに異常がなく、かつ設定変更も行われていないことから、スロットマシン1の状態を電断前の状態に復帰する電断復帰処理を実行する。
そして、主制御部10は、割込み処理の実行を許可し(S7)、電断発生前に実行していた処理に移行することで、電源投入時メインループ処理を終了する。ステップS7の処理において、主制御部10は、予め定められた周期(例えば、1.49msごと)で実行する処理である割込み処理の実行を許可し、以降、周期的に割込み処理を実行していく。
ステップS4の処理において、バックアップ異常が発生していると判定した場合には(YES)、主制御部10は、メインRWMのリードライトチェックを実行する(S8)。この処理において、主制御部10は、メインRWMの各領域について、データの読み込みと、データの書き込みと、を実行し、メインRWMに記憶されているデータの読み込み又はメインRWMへのデータの書き込みに異常が生じているか否かを確認している。
次に、主制御部10は、メインRWMのすべての領域を初期化する(S9)。この処理において、主制御部10は、ステップS3の処理で設定した点灯確認パターン表示タイマ206を含むメインRWMのすべての領域を初期化し、異常が発生しているバックアップデータを初期化する。
次に、主制御部10は、ステップS3の処理と略同様に、点灯確認パターン表示タイマ206に値「800」を設定する(S10)。次に、主制御部10は、ステップS5の処理と略同様に、設定変更が行われたか否かを判定する(S11)。ステップS11の処理において、設定変更が行われていないと判定した場合には(NO)、主制御部10は、ステップS7の処理と略同様に、割込み処理の実行を許可し(S12)、バックアップエラー発生時に実行する処理であるエラー停止処理に処理を移行する。
ステップS5又はステップS11の処理において、設定変更が行われたと判定した場合には(YES)、主制御部10は、設定変更時RWM初期化処理を実行する(S13)。この処理において、主制御部10は、点灯確認パターン表示タイマ206や比率表示装置610に表示する比率に関するデータを除くデータについて初期化する設定変更時RWM初期化処理を実行する。設定変更時RWM初期化処理で初期化される情報には、例えば、遊技状態にかかる情報や、有利区間に係る情報が含まれている。
このため、スロットマシン1では、設定変更時RWM初期化処理が実行されることで、遊技状態が通常状態に設定され、AT制御手段200によって制御される区間が通常区間に設定される。また、スロットマシン1では、設定変更時RWM初期化処理において、点灯確認パターン表示タイマ206が初期化されないため、以降の処理で点灯確認パターン表示タイマ206を用いるために再度値「800」を設定する必要がなく、点灯確認パターン表示タイマ206に値「800」を再設定する分のプログラム容量を削減することができる。
次に、主制御部10は、ステップS7、ステップS12の処理と略同様に、割込み処理の実行を許可する(S14)。次に、主制御部10は、設定値データ決定処理を実行する(S15)。この処理において、主制御部10は、スタートレバーSLへの操作が実行されスタートスイッチ230から出力されるスタート信号が入力されるまで待機し、スタート信号が入力されたことに基づき、設定値記憶手段191に記憶されている設定値を確定する。また、主制御部10は、設定値記憶手段191に記憶されている設定値が確定した後に設定変更スイッチ250がOFF状態に切り替わるまでステップS15で処理の進行を待機する。
ステップS15の処理を終了した後、主制御部10は、設定変更時RWM初期化処理を実行し(S16)、初期起動処理へ移行する。ステップS16の処理において、主制御部10は、遊技情報表示部DSに表示していた設定値の情報をクリアする。
<比率表示装置データ設定処理>
図11は、比率表示装置610に表示するデータを設定するために比率制御手段600が実行する比率表示装置データ設定処理を示すフローチャートである。本実施形態において、比率制御手段600は、主制御部10によって1.49msごとに実行される割込み処理の実行時において、比率表示装置データ設定処理を実行するように構成されている。
比率表示装置データ設定処理において、比率制御手段600は、まず、点灯確認パターン表示タイマ206の記憶値が値「0」か否かを判定する(S21)。この処理において、比率制御手段600は、主制御部10による電源投入時メインループ処理(図10参照)において点灯確認パターン表示タイマ206に値が設定され、点灯確認パターン表示タイマ206の記憶値が値「0」になる以前か否かを判定し、今回の割込み処理が電源投入時から所定の時間(本実施形態では4768ms)が経過する前か又は経過した後かを判定している。
ステップS21の処理において、点灯確認パターン表示タイマ206の記憶値が値「0」ではないと判定した場合には(NO)、比率制御手段600は、電源投入から所定の時間が経過していないと判定し、電断復帰時において比率表示装置610の各セグメントが正常に点灯及び消灯可能か否かを確認するためのテストパターンの表示に係る処理である電断復帰時動作確認処理を開始する。電断復帰時動作確認処理において、比率制御手段600は、まず、全消灯パターンデータを取得する(S22)。この処理において、比率制御手段600は、比率表示装置610のセグメント611A~セグメント614Hのすべてを消灯状態にするパターンデータである全消灯パターンデータを主記憶手段190から取得する。
次に、比率制御手段600は、点灯確認パターン表示タイマ206の記憶値を値「1」で減算した結果を値「50」で除算する(S23)。次に、比率制御手段600は、除算した結果が偶数か否かを判定する(S24)。これらの処理において、比率制御手段600は、例えば、点灯確認パターン表示タイマ206に値「800」が設定されている場合、値「800」から1減算した値「799」を値「50」で除算し、除算した結果として、商に相当する値「15」と、余りに相当する値「49」と、を取得し、商に相当する値「15」が偶数か否かを判定する。
ステップS24の処理において、除算した結果が奇数であると判定した場合には(NO)、比率制御手段600は、全点灯パターンデータを取得する(S25)。この処理において、比率制御手段600は、比率表示装置610のセグメント611A~セグメント614Hのすべてを点灯状態にするパターンデータである全点灯パターンデータを主記憶手段190から取得する。
ステップS25の処理を実行した後又はステップS24の処理において、除算した結果が偶数であると判定した場合には(YES)、比率制御手段600は、役比表示イメージに取得しているパターンデータを設定する(S26)。この処理において、比率制御手段600は、比率表示装置610に出力し比率表示装置610に表示させる表示態様となる役比表示イメージとして、ステップS26の処理の実行時において取得しているパターンデータを設定する。具体的には、比率制御手段600は、ステップS24の処理において、除算した結果が偶数であると判定した場合には(YES)、ステップS22の処理で取得した全消灯パターンデータを役比表示イメージに設定し、ステップS24の処理において、除算した結果が奇数であると判定し(NO)、ステップS25の処理を実行した場合には、ステップS25の処理で取得した全点灯パターンデータを役比表示イメージに設定する。
ステップS21の処理において、点灯確認パターン表示タイマ206の記憶値が値「0」であると判定した場合には(YES)、比率制御手段600は、エラー番号を取得する(S27)。この処理において、比率制御手段600は、エラー停止処理が実行された場合に設定されるエラー番号を取得する。
なお、本実施形態の比率制御手段600は、エラー停止処理が実行されていない場合、エラーが発生していないことを示すエラー番号を取得するように構成されているが、エラー停止処理が実行されていない場合において、ステップS27の処理を省略するように構成されていてもよい。
次に、比率制御手段600は、バックアップエラーが発生しているか否かを判定する(S28)この処理において、比率制御手段600は、ステップS27の処理で取得したエラー番号が、バックアップエラーの発生を示す番号(例えば「E7」)であるか否かを判定している。
ステップS28の処理において、バックアップエラーが発生していないと判定した場合には(NO)、比率制御手段600は、比率表示データ生成処理を実行する(S29)。この処理において、比率制御手段600は、比率記憶手段204に記憶されている各比率のうち、今回表示する比率に対応する値と識別子記号とを取得し、比率表示データとして生成する。比率制御手段600は、例えば、今回の比率表示装置データ設定処理において総遊技回数における指示込役物比率を表示する場合、比率表示データのうち指示込役物比率を示す識別子記号である「7P.」に対応するデータとして、第1表示領域611のセグメント611A~セグメント611C、セグメント611Fと、第2表示領域612のセグメント612A、セグメント612B、セグメント612E~セグメント612Hと、を点灯させるデータを生成し、比率として、比率記憶手段204に記憶されている指示込役物比率の値に対応する第3表示領域613のセグメント及び第4表示領域614のセグメントを点灯させるデータを生成する。
次に、比率制御手段600は、役比表示イメージにステップS29の処理で生成した比率表示データを設定する(S30)。この処理において、比率制御手段600は、比率表示装置610に出力し比率表示装置610に表示させる表示態様となる役比表示イメージとして、ステップS29の処理で生成した比率表示データを設定する。
ステップS28の処理において、バックアップエラーが発生していると判定した場合には(YES)、比率制御手段600は、動作確認データを取得する(S31)。この処理において、比率制御手段600は、比率表示装置610のセグメント611A~セグメント614Hについて、より詳しくは後述するが、順次点灯させるデータである動作確認データを主記憶手段190から取得する。
次に、比率制御手段600は、役比表示イメージにステップS31の処理で取得した動作確認データを設定する(S32)。この処理において、比率制御手段600は、比率表示装置610に出力し比率表示装置610に表示させる表示態様となる役比表示イメージとして、ステップS31の処理で取得した動作確認データを設定する。
ステップS26、ステップS30又はステップS32の処理を実行した後、比率制御手段600は、役比表示イメージをポートへ出力する(S33)。この処理において、比率制御手段600は、ステップS26、ステップS30又はステップS32の処理で設定した役比表示イメージを、主制御部10と比率表示装置610とが接続されたポートへ出力する。主制御部10と比率表示装置610とが接続されたポートに役比表示イメージが出力されることで、スロットマシン1では、比率表示装置610に向けて役比表示イメージが出力される。
次に、比率制御手段600は、点灯確認パターン表示タイマ206の記憶値を減算する点灯確認パターン表示タイマ減算処理を実行し(S34)、比率表示装置データ設定処理を終了する。この処理において、比率制御手段600は、1.49msごとに実行される割込み処理の実行時に実行される比率表示装置データ設定処理を4回実行するごとに、点灯確認パターン表示タイマ206の記憶値を値「1」で減算するデクリメント更新を実行する点灯確認パターン表示タイマ減算処理を実行する。
つまり、スロットマシン1では、点灯確認パターン表示タイマ206に値「1」以上の記憶値がセットされている場合、割込み処理が4回実行されるまで点灯確認パターン表示タイマ206の記憶値が更新されないことから、点灯確認パターン表示タイマ206の記憶値が更新されるまでの4回の割込み処理の実行時において、同じパターンデータが比率表示装置610に出力されるように構成されている。
<全点灯、全消灯パターンデータの表示態様と動作確認データの表示態様>
図12は、比率制御手段600によって電断復帰時動作確認処理が実行される場合における比率表示装置610の表示態様であるテストパターンの表示例を示す図である。図12に示すように、比率表示装置610では、セグメント611A~セグメント614Hのすべてのセグメントが点灯状態となる全点灯パターンデータに基づく表示(全点灯パターン)と、セグメント611A~セグメント614Hのすべてのセグメントが消灯状態となる全消灯パターンデータ(全消灯パターン)に基づく表示と、からなるテストパターンの表示が実行される。
図10に示したように、スロットマシン1では、点灯確認パターン表示タイマ206に、電断からの復帰時に値「800」が設定される。また、図11に示したように、スロットマシン1では、比率制御手段600によって点灯確認パターン表示タイマ206の記憶値を値「1」で減算した後に値「50」で除算された結果が奇数である場合に、セグメント611A~セグメント614Hのすべてのセグメントが点灯状態となる全点灯パターンとなり、点灯確認パターン表示タイマ206の記憶値を値「1」で減算した後に値「50」で除算された結果が偶数である場合に、セグメント611A~セグメント614Hのすべてのセグメントが消灯状態となる全消灯パターンとなる。スロットマシン1では、点灯確認パターン表示タイマ206の記憶値が値「800」から電断復帰時動作確認処理が開始されることから、最初の除算の結果が奇数であり値「15」となり、セグメント611A~セグメント614Hのすべてが点灯状態となる。
上述した通り、点灯確認パターン表示タイマ206の記憶値のデクリメント更新は、1.49msごとに実行される割込み処理の実行時に実行される比率表示装置データ設定処理を4回実行するごとに行われるように構成されていることから、点灯確認パターン表示タイマ206の記憶値が5.96msに1回の頻度で値「1」でデクリメント更新される。また、比率表示装置610の表示態様は、点灯確認パターン表示タイマ206の記憶値を値「1」で減算した後に値「50」で除算された結果が偶数か奇数かで、すべてのセグメントの状態について、点灯状態と消灯状態とが切り替わるように構成されていることから、比率表示装置データ設定処理が50回実行されるごとに、すべてのセグメントの状態について、点灯状態と消灯状態とが切り替わるように構成されている。
このような構成であることから、スロットマシン1では、5.96msに1回実行される処理が50回、つまり298ms(約0.3秒)に1回の頻度で、比率表示装置610のセグメント611A~セグメント614Hの状態について、点灯状態と消灯状態とが切り替わるように構成されている。
図13は、バックアップエラーが発生した場合に比率制御手段600が比率表示装置610に表示する動作確認データの表示態様を示す図である。図13に示すように、比率表示装置610では、まず、セグメント611A、セグメント612A、セグメント613A、セグメント614Aの、第1表示領域611~第4表示領域614のそれぞれにおける同じ位置の1つのセグメントが点灯状態となり、他のセグメントが消灯状態となる動作確認データに基づく表示(動作確認パターン)となる。
本実施形態において、比率制御手段600は、1つの動作確認データに基づく表示について、比率表示装置データ設定処理を134回実行した後に次の動作確認データを取得するように構成されている。このような構成であることから、スロットマシン1では、1.49msに1回実行される処理が134回、つまり199.66ms(約0.2秒)に1回の頻度で、動作確認データが更新される。
比率制御手段600は、動作確認データを更新することで、各表示領域について、セグメントA→セグメントB→セグメントC→・・・セグメントG→セグメントHの順に、点灯状態に設定するセグメントを変更していく。図13に示すように、比率制御手段600は、セグメント611A、セグメント612A、セグメント613A、セグメント614Aを点灯状態に設定する動作確認データから次の動作確認データに取得する動作確認データを更新することで、セグメント611A、セグメント612A、セグメント613A、セグメント614Aが消灯状態になり、かつセグメント611B、セグメント612B、セグメント613B、セグメント614Bが点灯状態になる動作確認データを取得し、取得した動作確認パターンの表示を比率表示装置610に実行させる。
4.本実施形態のまとめ
上述したように、本実施形態の比率制御手段600は、電源が投入された際に主制御部10によって実行される電源投入時メインループ処理(図10参照)において、点灯確認パターン表示タイマ206に値「800」が設定された場合、1.49msに1回の頻度で実行する比率表示装置データ設定処理(図11参照)を4回実行するごと、つまり5.96msに1回の頻度で点灯確認パターン表示タイマ206の記憶値を値「1」ずつ減算するように構成されている。
また、比率制御手段600は、点灯確認パターン表示タイマ206に1以上の値が設定されている場合、点灯確認パターン表示タイマ206の記憶値が値「0」になるまで、図11のステップS22~ステップS26、ステップS33に示す電断復帰時動作確認処理を実行するように構成されている。
このような構成であることから、比率制御手段600は、5.96msに1回の頻度で点灯確認パターン表示タイマ206の記憶値を値「1」でデクリメント更新する点灯確認パターン表示タイマ減算処理(図11のステップS34)によって点灯確認パターン表示タイマ206の記憶値が800回デクリメント更新されるまで、つまり、4768ms(約4.8秒)経過するまで電断復帰時動作確認処理を実行するように構成されている。
また、電断復帰時動作確認処理において、比率制御手段600は、比率表示装置610が有するそれぞれ点灯及び消灯可能な複数の表示部としてのセグメント611A~セグメント614Hについて、セグメント611A~セグメント614Hのすべてを点灯状態にする全点灯パターン(第1パターン)と、セグメント611A~セグメント614Hのすべてを消灯状態にする全消灯パターン(第2パターン)と、を約0.3秒周期で交互に繰り返すように構成されている。
全点灯パターンと全消灯パターンとを交互に繰り返すことにより、スロットマシン1では、比率表示装置610が正常に動作している場合にはセグメント611A~セグメント614Hのすべてが点灯及び消灯し、いずれかのセグメントに不具合が生じている場合には、該不具合が生じたセグメントが他のセグメントとは異なる挙動を示すため、比率表示装置610が正常に動作しているか否かについて容易に確認することができる。
また、本実施形態の比率制御手段600は、点灯確認パターン表示タイマ206の記憶値が値「0」になり、かつバックアップエラーが発生していない場合、比率表示データの生成を開始し、遊技6000回における連続役物比率(%)及び役物比率(%)と、総遊技回数における連続役物比率(%)、役物比率(%)及び指示込役物比率(%)と、の各比率を比率表示装置610に順次表示させる制御を開始可能に構成されている。
この構成により、本実施形態のスロットマシン1では、電断復帰時における比率表示装置610の動作確認が終了した後に、速やかに各比率の表示を開始することができ、正常に動作する比率表示装置610によって、動作確認の終了後に直ちに役物比率等が一定の範囲内に収まっているか否かをチェックすることができる。
また、本実施形態において、比率制御手段600は、電断復帰時動作確認処理で全点灯パターンと全消灯パターンとのいずれにするかを決定する場合において、比率表示装置610の動作が正常か否かを確認するために設定された所定の時間(4768ms)を計時する点灯確認パターン表示タイマ206に記憶された値を用いて、所定の演算として、点灯確認パターン表示タイマ206の記憶値を値「1」で減算した後に値「50」で除算することで商を算出する演算(図11のステップS23参照)を行い、算出した商が奇数(第1結果)である場合には全点灯パターンに決定し、算出した商が偶数(第2結果)である場合には全消灯パターンに決定するように構成されている。
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、全点灯パターンと全消灯パターンとの各パターンの表示時間を計時するタイマを別に設けずに、比率表示装置610の動作が正常か否かを確認する所定の時間を計時する点灯確認パターン表示タイマ206を用いた所定の演算によって全点灯パターンと全消灯パターンとを交互に繰り返すことで、1つのタイマによって比率表示装置610の動作確認の時間の管理と点滅制御とを実現することができ、比率表示装置610の動作確認の時間の管理と点滅制御とに必要となる主制御部10のメインRWMの容量を削減することができる。
また、本実施形態において、比率制御手段600は、電断復帰時動作確認処理について、主制御部10が実行する遊技の進行に係る制御処理と並行して所定の間隔(1.49ms)で実行される割込み処理内において実行するため、電断復帰時動作確認処理によって比率表示装置610に全点灯パターンと全消灯パターンとが交互に表示されている間に遊技が実行された場合においても、遊技の進行に影響を与えることなく比率表示装置610に全点灯パターンと全消灯パターンとを交互に表示することができる。
また、上述した通り、点灯確認パターン表示タイマ206は、設定変更時RWM初期化処理によって初期化されないように構成されている。このため、スロットマシン1では、設定変更が実行されている間においても、割込み処理が許可された以降であれば、電断復帰時動作確認処理によって比率表示装置610に全点灯パターンと全消灯パターンとを交互に表示することができ、設定変更中に比率表示装置610が正常に動作しているか否かを確認することができる。
また、比率制御手段600は、バックアップエラーが発生した場合において、セグメント611A~セグメント611H、セグメント612A~セグメント612H、セグメント613A~セグメント613H、セグメント614A~セグメント614Hを順次点灯する動作確認パターンを比率表示装置610に表示するように構成されている。
この構成により、スロットマシン1では、バックアップエラーが発生した場合において、電断復帰時動作確認処理において実行される全点灯パターンと全消灯パターンを交互に繰り返す動作確認では確認できないセグメント単位の動作の確認、例えば、全点灯パターンではセグメント611A~セグメント611Hのすべてが点灯状態になってしまうため、セグメント611Aのみを点灯させる際にセグメント611Bも同時に点灯してしまう、とった動作の異常を確認できないが、動作確認パターンを表示することで、セグメント単位で正常に動作しているか否かを確認することができる。
以上のように、本実施形態の遊技機(1)は、
遊技の進行を制御する主制御部と、
遊技の結果に関する比率を少なくとも表示可能な表示装置と、を備え、
前記表示装置は、それぞれ点灯及び消灯可能な複数の表示部を有し、
前記主制御部は、電源投入後に前記複数の表示部の動作確認を行い、
前記動作確認では、所定の時間が経過するまでにおいて、
前記複数の表示部のすべてを点灯状態にする第1パターンと、
前記複数の表示部のすべてを消灯状態にする第2パターンと、が繰り返され、
前記主制御部は、前記所定の時間が経過した後に前記比率の表示を開始可能である。
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、比率表示装置610が正常に動作している場合にはセグメント611A~セグメント614Hのすべてが点灯及び消灯し、いずれかのセグメントに不具合が生じている場合には、該不具合が生じたセグメントが他のセグメントとは異なる挙動を示すため、比率表示装置610が正常に動作しているか否かについて容易に確認することができる。
また、本実施形態の遊技機は、
前記所定の時間を計時するタイマ(206)を備え、
前記主制御部は、
所定の間隔で割込み処理を実行し、
前記割込み処理において、前記タイマに記憶された値を用いて所定の演算を実行し、
前記所定の演算の結果が第1結果である場合に、前記第1パターンに決定し、
前記所定の演算の結果が第2結果である場合に、前記第2パターンに決定する。
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、全点灯パターンと全消灯パターンとの各パターンの表示時間を計時するタイマを別に設けずに、比率表示装置610の動作が正常か否かを確認する所定の時間を計時する点灯確認パターン表示タイマ206を用いた所定の演算によって全点灯パターンと全消灯パターンとを交互に繰り返すことで、1つのタイマによって比率表示装置610の動作確認の時間の管理と点滅制御とを実現することができ、比率表示装置610の動作確認の時間の管理と点滅制御とに必要となる主制御部10のメインRWMの容量を削減することができる。
5.変形例
なお、本実施形態において、比率制御手段600は、バックアップエラーの発生時に動作確認データを用いた比率表示装置610の動作確認を実行するように構成されているが、これに限定されない。比率制御手段600は、例えば、設定変更が実行されている場合や、設定変更スイッチ250がON状態となり設定が確認されている場合において、動作確認データを用いた比率表示装置610の動作確認を実行するように構成されていてもよく、バックアップエラーの発生時、設定変更時、設定確認時を含む所定の状態において動作確認データを用いた任意の動作確認パターンを表示するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、比率制御手段600は、動作確認パターンとして、各表示領域における同じ位置のセグメントを同時に点灯する表示(例えば、セグメント611A、セグメント612A、セグメント613A、セグメント614Aを同時に点灯させる等)を実行するように構成されているが、これに限定されない。比率制御手段600は、セグメント単位で比率表示装置610の動作を確認可能であれば、いずれの表示態様となる動作確認パターンを用いた表示を行ってもよく、例えば、セグメント611A→セグメント611B→・・・→セグメント611H→セグメント612A→セグメント612B→・・・→セグメント614G→セグメント614Hと、第1表示領域611から順に1つのセグメントを順次点灯させていくように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、比率制御手段600は、電断復帰時動作確認処理として、4768msの間、比率表示装置610に全点灯パターンと全消灯パターンとを交互に繰り返す表示を実行するように構成されているが、これに限定されない。比率制御手段600は、比率表示装置610に全点灯パターンと全消灯パターンとを交互に繰り返す動作確認について、4.5秒~5.5秒の範囲の所定の時間が経過するまで実行するように構成されていればよい。
また、本実施形態において、比率制御手段600は、電断復帰時動作確認処理において、比率表示装置610に全点灯パターンと全消灯パターンとを、298msごとに切り替えるように構成されているが、これに限定されない。比率制御手段600は、全点灯パターンと全消灯パターンとをそれぞれ表示する期間について、270ms~330msの範囲内の期間に設定されていればよい。
また、本実施形態において、比率制御手段600は、電源が投入されてから電断復帰時動作確認処理を実行する、つまり、電源投入の直後に電断復帰時動作確認処理を実行するように構成されているが、これに限定されない。比率制御手段600は、電源投入後における所定の契機(例えば、電源投入から5秒経過した後や、各比率を順次表示させる制御の開始時等)において、電断復帰時動作確認処理を実行するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、遊技の結果に関する比率として、指示込役物比率を表示するように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、指示込役物比率に替わり、総遊技回数における有利区間滞在比率を表示するように構成されていてもよい。このように構成される場合、比率制御手段600は、有利区間滞在比率の識別子記号として、「7U.」と表示する。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、総累計第1カウンタ203a~総累計第4カウンタ204d及び総遊技回数カウンタ205について、それぞれ3バイトの記憶領域によって構成されているが、これに限らず、少なくとも1つのカウンタについて、4バイトで構成されていてもよく、5バイト以上の記憶領域によって構成されていてもよい。
また、本実施形態において、比率制御手段600は、指示機能、連続役物、役物の3つの要素に関する比率を算出するように構成されているが、これに限定されない。比率制御手段600は、スロットマシン1が有しない要素については、該有していない要素の比率を算出するための処理を実行しないように構成されていてもよく、また、いずれの要素も有している場合であっても、比率を算出する要素について、予め定められていれば、算出する要素を任意の要素に限定するように構成されていてもよい。このように構成された場合、比率制御手段600は、算出していない要素の表示について、値「--」を比率表示装置610に表示するように構成されていればよい。具体的には、例えばスロットマシン1がRBB及びRBを有していない場合、比率制御手段600は、遊技6000回における連続役物比率の表示時において、遊技6000回における連続役物比率を示す識別子記号「6y.」を比率表示装置610の上位2桁の第1表示領域611、第2表示領域612に表示するとともに、遊技6000回における連続役物比率の数値として値「--」を比率表示装置610の下位2桁の第3表示領域613、第4表示領域614に表示する。
また、本実施形態において、比率制御手段600は、電源が投入されたことに基づいて総遊技回数における指示込役物比率等の識別子記号及び数値を比率表示装置610に順次表示させるように構成されているが、これに限らず、例えば、電源が投入されている状態で前面上扉UD又は前面下扉DDが開放されたことに基づいて総遊技回数における指示込役物比率等の識別子記号及び数値の表示を開始し、前面上扉UD又は前面下扉DDが閉じられたことに基づいて総遊技回数における指示込役物比率等の識別子記号及び数値の表示を終了するようにしてもよい。
また、比率制御手段600は、例えば、入賞判定処理が行われて遊技の結果が確定してから次回の遊技を行うためにメダルが投入状態に設定されるまでの間(非遊技中)にリセットボタン280が押下されたことに基づいて総遊技回数における指示込役物比率等の識別子記号及び数値の表示を開始し、前面上扉UD又は前面下扉DDが閉じられたことに基づいて総遊技回数における指示込役物比率等の識別子記号及び数値の表示を終了するようにしてもよい。
具体的には、本実施形態のスロットマシン1では、リセットボタン280を操作するには前面下扉DDを開放する必要があり、電源が投入されている状態で前面下扉DDが開放されると、スロットマシン1がエラー状態に制御され、ドア開放エラー以外のエラーが発生していないことを条件としてエラーの種別がドア開放エラーに設定される。なお、本実施形態のスロットマシン1では、エラーとして、前面下扉DDの開放によるドア開放エラーの他に、ホッパーユニット320にメダルが無くなることによるホッパーエンプティエラー、メダル投入口MIから投入されたメダルを検出するセレクター(図示省略)内にメダルが詰まることによるセレクターエラーなどが存在し、ドア開放エラーよりも他のエラーが優先されるようになっており、ドア開放エラーを含む複数種類のエラーが発生している場合には他のエラーを解消しなければドア開放エラーに設定されないようになっている。
そして、本変形例における比率制御手段600は、非遊技中であってエラー状態においてエラーの種別がドア開放エラーに設定されている場合に、リセットボタン280が押下されたことに基づいて総遊技回数における指示込役物比率等の識別子記号及び数値の表示を開始し、前面上扉UD又は前面下扉DDが閉じられたことに基づいて総遊技回数における指示込役物比率等の識別子記号及び数値の表示を終了するように構成されていてもよい。
なお、比率制御手段600による遊技の結果に関する比率の表示の開始契機は、リセットボタン280の操作に限られるものではなく、例えば、非遊技中の前面下扉DDの開放に基づくエラー状態における、スタートレバーSL、ストップボタンB1~ストップボタンB3、シングルベットボタンBT、マックスベットボタンMB又は精算ボタンBSの操作に基づいて総遊技回数における指示込役物比率等の表示を開始するようにしてもよい。
また、比率制御手段600は、リセットボタン280等の操作が行われるごとに、総遊技回数における指示込役物比率の識別子記号及び数値から順に表示を切り替えるように構成されていてもよい。また、比率制御手段600は、電源が投入されている状態で前面上扉UD又は前面下扉DDが開放されたことや、非遊技中であってエラー状態においてエラーの種別がドア開放エラーに設定されている場合に所定の操作手段(例えば、リセットボタン280等)に対する操作が行われたことに基づいて遊技6000回又は総遊技回数における連続役物比率及び役物比率、総遊技回数における指示込役物比率を算出するようにしてもよい。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、主制御部10上に設けられた比率表示装置610に総遊技回数における指示込役物比率等の識別子記号及び数値を表示させるように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、主制御部10が動作を制御するデバイスである遊技情報表示部DSにおいて総遊技回数における指示込役物比率等の識別子記号及び数値を表示させるように構成されていてもよい。このように構成された場合、スロットマシン1は、例えば、遊技情報表示部DSのうち払出数を表示する表示部に総遊技回数における指示込役物比率等の数値を表示し、遊技情報表示部DSのうちクレジット数を表示する表示部に総遊技回数における指示込役物比率等の識別子記号を表示するように構成されていてもよい。
このように構成された場合、比率制御手段600は、非遊技中のドア開放エラーに基づくエラー状態において所定の操作手段(例えば、リセットボタン280等)に対する操作が行われたことに基づいて総遊技回数における指示込役物比率の識別子記号及び数値から順に、循環的に総遊技回数における指示込役物比率等の識別子記号及び数値を表示させ、表示時間(例えば、5秒)が経過するごとに遊技情報表示部DSの表示を切り替え、前面下扉DDが閉じられたことに基づいて表示を終了するようにしてもよい。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、主制御部10上に比率表示装置610を設けることとしたが、比率表示装置610を搭載する基板(以下、比率表示装置基板)を主制御部10とは別に設け、主制御部10及び比率表示装置基板をハーネスで接続し、主制御部10、比率表示装置610が搭載された比率表示装置基板及びこれらの基板を接続するハーネスを、基板ケース350に収納して封印するように構成されていてもよい。
また、本実施形態の比率制御手段600は、遊技6000回における連続役物比率又は役物比率を表示させる場合に、総遊技回数が6000回未満であった場合には、遊技6000回における連続役物比率を示す識別子記号「6y.」又は遊技6000回における役物比率を示す識別子記号「7y.」を点滅表示させることで、遊技回数が6000回に達していないこと報知するように構成されていてもよい。すなわち、比率制御手段600は、総遊技回数が6000回以上であった場合には遊技6000回における連続役物比率を示す識別子記号「6y.」又は遊技6000回における役物比率を示す識別子記号「7y.」を点灯表示(第1の態様又は通常の態様で表示)させ、総遊技回数が6000回未満であった場合には、遊技6000回における連続役物比率を示す識別子記号「6y.」又は遊技6000回における役物比率を示す識別子記号「7y.」を点滅表示(第2の態様又は特定の態様で表示)させるように構成されていてもよい。
また、比率制御手段600は、総遊技回数における連続役物比率、役物比率又は指示込役物比率を表示させる場合に、総遊技回数が所定回数(例えば175000回)未満であった場合(総遊技回数における連続役物比率、役物比率又は指示込役物比率が収束するのに十分な量のデータを集計していない場合)には、総遊技回数における指示込役物比率を示す識別子記号「7P.」、総遊技回数における連続役物比率を示す識別子記号「6A.」又は総遊技回数における役物比率を示す識別子記号「7A.」を点滅表示させるように構成されていてもよい。すなわち、比率制御手段600は、総遊技回数が所定回数以上であった場合には、総遊技回数における指示込役物比率を示す識別子記号「7P.」、総遊技回数における連続役物比率を示す識別子記号「6A.」、又は総遊技回数における役物比率を示す識別子記号「7A.」を点灯表示(第1の態様又は通常の態様で表示)させ、総遊技回数が所定回数(例えば、175000回)未満であった場合には、総遊技回数における指示込役物比率を示す識別子記号「7P.」、総遊技回数における連続役物比率を示す識別子記号「6A.」、又は総遊技回数における役物比率を示す識別子記号「7A.」を点滅表示(第2の態様又は特定の態様で表示)させるように構成されていてもよい。
また、比率制御手段600は、比率表示装置610に表示する各比率について、算出した比率の数値が当該比率に対して予め定められた上限値(総遊技回数における指示込役物比率、遊技6000回における役物比率、総遊技回数における役物比率は70%、遊技6000回における連続役物比率、総遊技回数における連続役物比率は60%、)未満であった場合には当該比率の数値を点灯表示(第1の態様又は通常の態様で表示)させ、算出した比率の数値が当該比率に対して予め定められた上限値以上であった場合には当該比率の数値を点滅表示(第2の態様又は特定の態様で表示)させるように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、比率制御手段600は、払出数、連続役物払出数及び役物払出数のそれぞれについて、所定集計期間である遊技6000回における累計を記憶して遊技6000回における連続役物比率及び役物比率を算出することとしたが、所定集計期間は遊技6000回に限られるものではなく任意に定めることができる。
また、本実施形態において、比率制御手段600は、400回の遊技が行われるごとに、払出数、連続役物払出数及び役物払出数のそれぞれについて15セットの累計及び総累計を更新してから連続役物比率及び役物比率を算出するように構成されているが、これに限らず、400回の遊技が行われるごとに15セットの累計及び総累計を更新しつつ、1回の遊技が行われるごとに連続役物比率及び役物比率を算出するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、比率制御手段600は、毎回の遊技の実行ごとに総遊技回数カウンタ205を1ずつ加算することで総遊技回数カウンタ205の記憶値を更新するように構成されているが、これに限らず、例えば、初期値として値「175000」をセットし、毎回の遊技の実行ごとに1ずつ減算するように更新してもよく、初期値、初期値から離れる方向に更新する処理及び初期値に近づく方向に更新する際の計算方法については、本実施形態に限定されるものではない。また、比率制御手段600は、他のカウンタについても同様に、その更新方法については特に限定されない。
また、本実施形態のスロットマシン1においては、基板ケース350の前面にシール等を貼り付ける場合、比率表示装置610の表示の視認を妨げない位置に貼り付けることが望ましい。
また、本実施形態においては、遊技機として、外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリールと、遊技者による開始操作を検出するスタートスイッチと、複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出するストップスイッチと、遊技の進行を制御する主制御部と、演出を制御する演出制御手段を有する副制御部を備え、主制御部が、複数種類の役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、スタートスイッチによる開始操作の検出に基づいて、複数のリールを回転させ、ストップスイッチによる停止操作の検出及び内部抽選手段により決定された内部抽選の結果に基づいて、回転中のリールを停止させるリール停止制御を行うリール制御手段と、複数のリールが停止した状態で、役ごとに予め定められた入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことに基づいて、役が入賞したと判定する入賞判定手段と、を有するスロットマシン1を例示したが、これに限らず、例えば、大当たり図柄を含む複数種類の図柄の中からいずれかを決定する図柄決定手段と、図柄が決定されてから所定の変動時間が経過すると、図柄表示部に図柄を表示させる図柄表示手段と、図柄表示部に大当たり図柄が表示されると、複数回のラウンド遊技で構成される大役遊技を実行する大役遊技実行手段と、大役遊技におけるラウンド遊技のうち予め設定された特定ラウンド遊技中に、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に進入すると、所定の遊技利益を付与する遊技利益付与手段と、大役遊技中の演出を実行する演出実行手段と、を備えるいわゆる第一種遊技を可能なパチンコ機や、小当たり遊技中に所定の領域に遊技球が侵入することで大役遊技を開始可能な第二種遊技を可能なパチンコ機であっても本発明は適用し得る。以下、パチンコ機101について詳述する。
<パチンコ機の機械的構成>
図14は、遊技価値(遊技球)を用いた遊技を行う遊技機であるパチンコ機101の斜視図である。図14に示すように、パチンコ機101は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠2と、外枠2にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠4と、中枠4にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠6と、を備えている。
中枠4は、外枠2と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されている。パチンコ機101では、中枠4の囲繞空間に遊技盤30(図15参照)を保持している。また、前枠6には、ガラス製又は樹脂製の透過板11が保持されている。そして、パチンコ機101では、中枠4及び前枠6を外枠2に対して閉じると、遊技盤30においてベースとなり、パチンコ機101を正面視した場合における中枠4の前面に設置される遊技板31(図15参照)と透過板11とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、パチンコ機101の正面側から、透過板11を介して遊技盤30が視認可能となる。
前枠6の下部には、パチンコ機101の正面側に突出する操作ハンドル12が設けられている。操作ハンドル12には、遊技者によって回転操作可能な発射操作レバー12aが設けられており、遊技者が発射操作レバー12aを回転させて発射操作を行うと、発射操作レバー12aの回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技価値としての遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤30の遊技板31の表面である遊技盤面31a(図15参照)に設けられたレール32,33(図15参照)間を上昇して遊技領域40(図15参照)に導かれることになる。
図15は、本実施形態に係る遊技盤30の正面図である。図15に示すように、遊技領域40は、遊技盤面31aと透過板11(図14参照)との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下又は転動可能な領域である。遊技盤30には、遊技盤面31aに多数の釘や風車が設けられており、遊技領域40に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
遊技領域40は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする第1遊技領域40L及び第2遊技領域40Rを備えている。第1遊技領域40Lは、パチンコ機101に正対した遊技者から見て遊技領域40の左側に位置し、第2遊技領域40Rは、パチンコ機101に正対した遊技者から見て遊技領域40の右側に位置している。パチンコ機101では、レール33が遊技領域40の左側の上部で途切れていることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球が第1遊技領域40Lに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球が第2遊技領域40Rに進入することになる。
また、遊技領域40には、遊技球が入球可能な第1始動口51、第2始動口52、複数の第1一般入賞口58、第2一般入賞口59、が設けられており、詳細には、第1遊技領域40Lに進入した遊技球は、第1始動口51、複数の第1一般入賞口58に入球可能であり、第2遊技領域40Rに進入した遊技球は、第2始動口52、第2一般入賞口59に入球可能であるように構成されている。第1始動口51、第2始動口52、第1一般入賞口58、第2一般入賞口59のそれぞれに遊技球が入球すると、それぞれに設定された所定の賞球が遊技者に払い出される。なお、パチンコ機101において、賞球数は、1個以上であれば何個でもよく、また、第1始動口51、第2始動口52、第1一般入賞口58、第2一般入賞口59のそれぞれで払い出す賞球数を異ならせてもよいし、同じ賞球数に設定してもよい。パチンコ機101では、第1始動口51に遊技球が入球して払い出す賞球数を、第2始動口52に遊技球が入球して払い出す賞球数よりも少なく設定することも可能である。
本実施形態のパチンコ機101では、第1始動口51内に第1始動領域が設けられ、第2始動口52内に第2始動領域が設けられている。そして、パチンコ機101では、第1始動口51又は第2始動口52に遊技球が入球して第1始動領域又は第2始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1つの特別図柄を決定するための内部抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な特別遊技状態としての大当たり遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の特典(遊技利益)が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口51又は第2始動口52に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の特典を受ける権利獲得の抽選の機会を獲得することとなる。
また、第2始動口52には、可動片52aが開閉可能に設けられており、可動片52aの状態に応じて、第2始動口52への遊技球の進入容易性が変化するように構成されている。具体的には、可動片52aが閉状態にあるときには、第2始動口52への遊技球の入球が不可能となり、可動片52aが開き、遊技球の直径よりも開いた状態にあるときには、第2始動口52への遊技球の入球が可能となっている。
パチンコ機101では、第2遊技領域40Rに設けられたゲート53内の進入領域を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われ、抽選によって当たりに当選すると、可動片52aが所定時間、開状態に制御される。可動片52aが開状態に制御されることで、本実施形態のパチンコ機101では、可動片52aが遊技球を第2始動口52に導く受け皿として機能し、第2始動口52への遊技球の入球が容易となる。なお、パチンコ機101は、可動片52aが閉状態にあるときに、第2始動口52への遊技球の入球が不可能となるように構成されているが、第2始動口52が閉状態にある場合にも一定の頻度で遊技球が入球可能となるように構成されていてもよい。
なお、第2遊技領域40Rの上部には、ワープ導入口56及びワープ排出口57が設けられており、第2遊技領域40Rに進入した遊技球のうち、右側を流下する遊技球はワープ導入口56から遊技盤30の背面側を通過してワープ排出口57に導かれ、再度、ゲート53の上部で第2遊技領域40Rに戻される。
第2遊技領域40Rの下方側には、遊技球が入球可能な大入賞口65を有する大入賞口装置60が設けられている。大入賞口装置60には、開閉扉61が大入賞口65を開閉可能となるように設けられており、通常、開閉扉61が大入賞口65を閉鎖して、大入賞口65への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、パチンコ機101では、大当たり遊技が実行されると、開閉扉61が開放されて、大入賞口65への遊技球の入球が可能となる。なお、大入賞口装置60には、開閉扉61の開閉と連動して上下に回動する回動部材62が設けられており、開閉扉61が開放された際に回動部材62が上方に回動して、上方から流下してくる遊技球を受け止めて大入賞口65に導き易くなる入賞補助を行うように構成されている。
そして、大入賞口65に遊技球が入球すると、大入賞口検出センサ67により遊技球の通過が検出され、所定の賞球が遊技者に払い出される。そして、大入賞口65から入球した遊技球は、下方側に配置された排出口69を通過して大入賞口装置60の背面側から外部に排出される。なお、大入賞口検出センサ67を通過した遊技球は、遊技球検出センサである大入賞口排出検出センサ68により通過が検出され、所定時間以内に大入賞口装置60の排出口69から遊技盤30の背面に適切に排出されたか否かが検出される。
また、第2始動口52及び大入賞口65に入球しなかった遊技球は、大入賞口装置60をそのまま通過して、第2一般入賞口59の上方に導かれ、第2一般入賞口59に入賞するか、或いはそのまま下方に流下する。なお、第2一般入賞口59は、例えば賞球を1個に設定し、第1遊技領域40Lを狙って遊技球を発射すべき状態で入賞を検出した際に、第1遊技領域40Lを狙うべき旨(つまり左打ちの推奨)を報知するように構成しておくことが可能である。
そして、遊技領域40の最下部には、第1一般入賞口58、第1始動口51、第2始動口52、大入賞口65、第2一般入賞口59、のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域40から遊技盤30の背面側に排出する排出口55が設けられている。
また、図14及び図15に示すように、パチンコ機101には、遊技状態の変化や各入賞口への入球の有無、各種抽選結果等の遊技の進行に応じた演出を実行する演出装置として、液晶表示装置からなる画像を表示する表示装置(表示部)としての演出表示装置4000、演出役物装置4100、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置4200、スピーカからなる楽曲出力装置4300、遊技者の演出に関する操作を受け付ける演出操作装置4500が設けられている。
演出表示装置4000は、遊技盤30の略中央部分において、パチンコ機101の正面側から視認可能な位置に画像を表示する画像表示装置としての画像表示部4000aを備えており、パチンコ機101を正面視した場合において中枠4の背面側に設置されることで遊技板31よりも奥側に設けられている。つまり、本実施形態のパチンコ機101では、画像表示部4000aよりも手前に遊技板31が位置している。
演出表示装置4000は、図15に示すように、画像表示部4000aに左側、中央、右側にそれぞれ配置された演出図柄401L、401C,401Rが変動表示され、演出図柄401L、401C,401Rの停止表示態様によって大当たり抽選結果が遊技者に報知される変動演出が実行されることとなる。
また、演出表示装置4000の表面には、表面に微細な半円筒型が並んだシートであるレンチキュラーレンズ4000bが配置されている。パチンコ機101では、レンチキュラーレンズ4000bを介して演出表示装置4000に表示される画像を遊技者に表示することで、演出表示装置4000に3次元画像を表示する際に、3次元画像を構成する左目用3次元画像と右目用3次元画像とに視差が生じ、遊技者の左目に左目用3次元画像が視認され、遊技者の右目に右目用3次元画像が視認されるため、遊技者に3次元の画像を視認させることができるように構成されている。
演出役物装置4100は、演出表示装置4000の画像表示部4000aよりも前方に配置され、通常、画像表示部4000aの表示を邪魔しないように縮退しているが、演出図柄401L、401C,401Rの変動表示中等に、画像表示部4000aの前方に進出するように移動する等して、遊技者に大当たりの期待感を付与するものである。
図14及び図15に示すように、演出照明装置4200は、例えば光源としてのLEDやLEDから照射される光を拡散するレンズ等を有して構成され、演出役物装置4100や遊技盤30等に設けられており、演出表示装置4000に表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。
図14に示すように、楽曲出力装置4300は、前枠6の上部位置や外枠2の最下部位置に設けられた、いわゆるスピーカであって、演出表示装置4000に表示される画像等に合わせて、パチンコ機101の正面側に向けてさまざまな楽曲を出力する。なお、楽曲とは、楽音、噪音、音声、擬音等、音に関するすべての概念を含む。
演出操作装置4500は、遊技者の押下操作を受け付ける演出押下ボタン4510と、遊技者の演出操作装置4500全体を回動させる回動操作を受け付ける演出回動レバー4520を有しており、パチンコ機101の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板11よりも下方位置に設けられている。演出操作装置4500は、演出表示装置4000に表示される画像等に合わせて有効化され、操作有効期間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、演出表示装置4000や演出役物装置4100を用いたさまざまな演出が実行される。
また、演出操作装置4500の後方には、パチンコ機101から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿22が設けられ、上皿22の下方に下皿24が設けられている。パチンコ機101では、上皿22が遊技球で一杯になると、上皿22に進入できない遊技球が下皿24に導かれることとなる。また、下皿24の底面には、下皿24から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きボタン24aを押下操作することにより、上記開閉板がスライド移動する等して球抜き孔が開放され、球抜き孔から下皿24の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
そして、図15に示すように、遊技盤30には、遊技領域40の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、遊技に係る種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示器71、第2特別図柄表示器72、第1特別図柄保留表示器73、第2特別図柄保留表示器74、普通図柄表示器75、普通図柄保留表示器76及び右打ち報知表示器77(図16参照)を有する情報表示装置70が設けられている。
<パチンコ機の制御的構成>
図16は、本実施形態に係るパチンコ機101の各部を示すブロック図である。主制御基板で構成される主制御部1000は、遊技の進行を制御し、メインCPU1000aと、メインROM1000bと、メインRAM1000cと、を備えている。メインCPU1000aは、各検出スイッチや払出・発射制御部3000からの入力信号に基づいて、メインROM1000bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の制御部に主制御部1000で生成したコマンドを送信したりすることで、遊技の進行に係る制御処理を実行する。メインRAM1000cは、メインCPU1000aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
主制御部1000には、第1一般入賞口58に遊技球が入球したことを検出する第1一般入賞口検出スイッチ58sと、第2一般入賞口59に遊技球が入球したことを検出する第2一般入賞口検出スイッチ59sと、第1始動口51に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ51sと、第2始動口52に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ52sと、ゲート53を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ53sと、大入賞口65に遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ67(図15参照)に設けられた大入賞口検出スイッチ65sと、大入賞口65から遊技球が排出されたことを検出する大入賞口排出検出センサ68(図15参照)に設けられた大入賞口排出検出スイッチ68sとが接続されており、各検出スイッチから出力される検出信号が主制御部1000に入力されるよう構成されている。
また、主制御部1000には、第2始動口52の可動片52aを作動する普通電動役物ソレノイド52soと、大入賞口65を開閉する開閉扉61を作動する大入賞口ソレノイド61soと、回動部材62を作動する大入賞口補助ソレノイド62soとが接続されており、主制御部1000によって、第2始動口52及び大入賞口65の開閉制御、大入賞口65への入賞補助制御が実行されるよう構成されている。
また、主制御部1000には、第1特別図柄表示器71と、第2特別図柄表示器72と、第1特別図柄保留表示器73と、第2特別図柄保留表示器74と、普通図柄表示器75と、普通図柄保留表示器76と、右打ち報知表示器77と、が接続されており、主制御部1000によって、これら各表示器の表示制御が実行される。
本実施形態のパチンコ機101では、主に第1始動口51又は第2始動口52への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート53を遊技球が通過することによって開始される普通遊技と、に遊技の種別が大別される。そして、主制御部1000のメインROM1000bには、特別遊技及び普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
メインCPU1000aでは、例えば、発生させた乱数を用いて実行する特別図柄の当否に係る内部抽選、普通電動役物ソレノイド52soに信号を出力し可動片52aを作動させる制御、大入賞口ソレノイド61soに信号を出力し開閉扉61を作動させる制御、大入賞口補助ソレノイド62soに信号を出力し回動部材を作動させる制御、内部抽選における特別図柄の当選確率を変更する制御等、遊技の進行に係る制御を実行する。メインCPU1000aは、各制御の結果や、各検出スイッチから入力された検出信号をコマンド(主制御コマンド)に変換し、払出・発射制御部3000や副制御部2000に送信する。なお、特別図柄の当選確率を変更する制御とは、大当たり遊技の終了後の遊技状態を、内部抽選における特別図柄の当選確率を、通常の確率とする通常状態と、通常の確率よりも上昇する確変状態と、のいずれかに決定する遊技状態決定制御のことを指している。
払出・発射制御部3000は、遊技球を発射させるための制御及び賞球を払い出すための制御を行う。払出・発射制御部3000も、主制御部1000と略同様に、図示を省略したCPU、ROM、RAMを備えており、主制御部1000に対して双方向に通信可能に接続されている。払出・発射制御部3000には、遊技情報出力端子板3110が接続されており、主制御部1000から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出・発射制御部3000及び遊技情報出力端子板3110を介して、外部カウンタや遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
また、払出・発射制御部3000には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ3120が接続されている。払出・発射制御部3000は、主制御部1000から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ3120を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、パチンコ機101では、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ3130sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるように構成されている。
また、払出・発射制御部3000には、下皿24の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ3140sが接続されている。皿満タン検出スイッチ3140sは、遊技球を上皿22から下皿24に導く通路に設けられており、皿満タン検出スイッチ3140sにおける遊技球の有無を遊技球検出信号として払出・発射制御部3000に出力するように構成されている。即ち、払出・発射制御部3000は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿24が満タン状態であると判断し、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断する。なお、下皿24が満タン状態であると判断される場合、例えば副制御部2000が演出表示装置4000や楽曲出力装置4300等を用いて遊技者に下皿24が満タン状態であることを報知する。
また、払出・発射制御部3000には、遊技球の発射制御を行う払出・発射制御回路3010が設けられている。払出・発射制御部3000には、操作ハンドル12に設けられ、当該操作ハンドル12に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ12sと、発射操作レバー12aの操作角度を検出する操作ボリューム12vと、が接続されている。そして、タッチセンサ12s及び操作ボリューム12vから信号が入力されると、払出・発射制御回路3010において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド12soを通電して遊技球を発射させる制御が実行される。
副制御基板で構成され、遊技に関する演出を制御する演出制御部としての副制御部2000は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御し、サブCPU2000aと、サブROM2000bと、サブRAM2000cと、を備えている。なお、パチンコ機101においては、主制御部1000に対して、不正防止の観点により、当該主制御部1000から副制御部2000への一方向にのみ通信可能に接続されている。
サブCPU2000aは、主制御部1000から送信されたコマンド等に基づいて、サブROM2000bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出表示装置4000に画像を表示させる制御である画像表示制御や、演出役物装置4100を駆動させたり発光させたりする演出役物制御、演出照明装置4200を点灯させる点灯制御、楽曲出力装置4300から楽曲を出力させる楽曲出力制御等の演出に係る制御を実行する。サブRAM2000cは、サブCPU2000aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
また、副制御部2000には、演出操作装置4500の演出押下ボタン4510への遊技者の押下操作を検出する押下操作検出スイッチ4510sと演出回動レバー4520への遊技者の回動操作を検出する回動操作検出スイッチ4520sとが接続されている。押下操作検出スイッチ4510sは、遊技者による演出押下ボタン4510の押下操作を検出すると、演出押下操作検出信号を副制御部2000に出力し、また、回動操作検出スイッチ4520sは、遊技者による演出回動レバー4520の回動操作を検出すると、演出回動操作検出信号を副制御部2000に出力する。そして、副制御部2000は、これら演出押下操作検出信号や演出回動操作検出信号等の副制御部2000に入力される信号や、遊技の進行等に基づき、演出表示装置4000、演出役物装置4100、演出照明装置4200、楽曲出力装置4300等を用いた演出を実行する。
なお、パチンコ機101には、例えば1000Vの電圧からなる商用電源の電力を入力し、電源として機能する不図示の電源ユニットが備えられており、電源ユニットは、商用電源の1000Vの電圧を、例えば24V(或いは12Vでもよい)の電圧に降圧して各部に供給する第1降圧回路と、例えば5Vの電圧に降圧して各部に供給する第2降圧回路とを有している。なお、島設備に供給されている例えば24Vの電圧からなる電力をそのまま入力するものでもよく、その場合、第1降圧回路は不要である。
第1降圧回路からの例えば24Vの電圧の電力は、主制御部1000、副制御部2000、普通電動役物ソレノイド52so、大入賞口ソレノイド61so、大入賞口補助ソレノイド62so、第1特別図柄表示器71、第2特別図柄表示器72、第1特別図柄保留表示器73、第2特別図柄保留表示器74、普通図柄表示器75、普通図柄保留表示器76、右打ち報知表示器77、払出モータ3120、発射用ソレノイド12so、演出表示装置4000、演出役物装置4100、演出照明装置4200、楽曲出力装置4300等に送電され、それらの駆動電力や発光電力として用いられる。
また、第2降圧回路からの例えば5Vの電圧の電力は、第1一般入賞口検出スイッチ58s、第2一般入賞口検出スイッチ59s、第1始動口検出スイッチ51s、第2始動口検出スイッチ52s、ゲート検出スイッチ53s、大入賞口検出スイッチ65s、大入賞口排出検出スイッチ68s、払出球計数スイッチ3130s、皿満タン検出スイッチ3140s、タッチセンサ12s、操作ボリューム12v、押下操作検出スイッチ4510s、回動操作検出スイッチ4520s等に送電され、それらのセンサやスイッチの駆動電力として用いられる。
また、主制御部1000においては、第1降圧回路からの例えば24Vの電圧の電力をさらに例えば5Vの電圧の電力に降圧し、この例えば5Vの電圧の電力は、メインCPU1000a、メインROM1000b、メインRAM1000c、払出・発射制御回路3010の駆動電力として用いられる。
そして、副制御部2000においても、第1降圧回路からの例えば24Vの電圧の電力をさらに例えば3.3V(或いは1.2Vでもよい)の電圧の電力に降圧し、この例えば3.3Vの電圧の電力は、サブCPU2000a、サブROM2000b、サブRAM2000cの駆動電力として用いられる。
パチンコ機101は、メインRAM1000c内に主制御部1000の初期稼働から記録される値である稼働記録として、遊技領域40に発射された遊技球のうち大当たり中に発射された遊技球を除く遊技球の数の合計(通常時における総発射数)と、第1始動口51、第2始動口52、複数の第1一般入賞口58、第2一般入賞口59及び大入賞口65から払い出された遊技球のうち大当たり中に払い出された遊技球を除く遊技球(通常時に付与された遊技価値)の数の合計(通常時における総払出数)と、を記録する記憶領域を備えている。また、パチンコ機101においては、メインROM1000bに格納されたプログラムに基づき、メインCPU1000aがメインROM1000bとメインRAM1000cと協働して、メインRAM1000cに記憶されている稼働記録から遊技に関する比率を算出し比率表示装置78に表示する制御を実行する比率制御手段1001aとして機能するように構成されている。
比率制御手段1001aは、通常時において遊技球を発射する都度、発射数カウンタ1001cに値「1」を加算するインクリメント更新を実行する。また、比率制御手段10001aは、発射数カウンタ1001cの記憶値が値「0」~値「59999」の範囲内である場合において、通常時において遊技球が払い出される都度、払い出された遊技球の数に相当する値を計測中払出数カウンタ1002cに加算するインクリメント更新を実行する。
比率制御手段1001aは、発射数カウンタ1001cの記憶値が値「60000」になった場合、第2払出数カウンタ1004cの記憶値を第3払出数カウンタ1005cに上書きし、第1払出数カウンタ1003cの記憶値を第2払出数カウンタ1004cに上書きし、計測中払出数カウンタ1002cの記憶値を第1払出数カウンタ1003cに上書きする。このように計測中払出数カウンタ1002c、第1払出数カウンタ1003c~第3払出数カウンタ1005cの記憶値を更新することで、比率制御手段1001aは、通常時における遊技球の発射数60000発を1セットとして、通常時における発射数に対する払出数の比率(ベース値)を4セット分算出することができる。
比率制御手段1001aは、計測中払出数カウンタ1002cの記憶値を発射数カウンタ1001cの記憶値で除算及び100倍し、小数点以下を切り捨てることで、計測中の発射数60000発に対するベース値(計測中のベース値)を算出し、第1払出数カウンタ1003cの記憶値を値「60000」で除算及び100倍し、小数点以下を切り捨てることで、1回前の発射数60000発に対するベース値(1回前のベース値)を算出し、第2払出数カウンタ1004cの記憶値を値「60000」で除算及び100倍し、小数点以下を切り捨てることで、2回前の発射数60000発に対するベース値(2回前のベース値)を算出し、第3払出数カウンタ1005cの記憶値を値「60000」で除算及び100倍し、小数点以下を切り捨てることで、3回前の発射数60000発に対するベース値(3回前のベース値)を算出する。
この、計測中のベース値、1回前のベース値、2回前のベース値及び3回前のベース値が、パチンコ機101における遊技の結果に関する比率を構成する。
比率制御手段1001aは、算出した各ベース値について、比率記憶手段1006cに記憶させる。そして、比率制御手段1001aは、比率表示装置78に、比率記憶手段1006cに記憶されているベース値と、現在表示しているベース値が計測中のベース値、1回前のベース値、2回前のベース値又は3回前のベース値のいずれであるかを示す識別子記号と、を表示する。
比率表示装置78は、主制御部1000の表面に設けられ、主制御部1000を覆い比率表示装置78を視認可能にするケースによって外部から隔離されている。比率表示装置78は、7セグメント表示器のセグメントを駆動する回路であるセグメントドライバと、4桁の数字を表示可能な7セグメント表示器と、から構成されている。比率表示装置78は、1桁の数字を表示可能な表示領域を4つ有し、各表示領域において、数字の「8」の字状に配置された7つのセグメントと、7つのセグメントの右下に配置されたドット形状のセグメントと、を有している。
比率表示装置78では、セグメントドライバが、比率制御手段1001aからの表示制御信号に応答して7セグメント表示器の各セグメントを駆動するセグメント駆動信号を出力して7セグメント表示器の表示態様を変化させる。これにより、比率制御手段1001aは、8ビットのデータで複数の表示部としての8つのセグメントのそれぞれの点灯・消灯を制御し、比率表示装置78による数字や記号等の種々の表示が可能となっている。
比率表示装置78に表示される表示態様では、計測中のベース値を示す識別子記号として「bl.」、1回前のベース値を示す識別子記号として「b1.」、2回前のベース値を示す識別子記号として「b2.」、3回前のベース値を示す識別子記号として「b3.」が予め設定されている。
メインCPU1000aは、主制御部1000への電力の供給が復旧した後に、比率表示装置78を構成する各セグメントの動作確認を行う際に、メインRAMに設けられたタイマであり、電源が投入されてから所定の時間(例えば5秒)が経過するまで計時するタイマである点灯確認パターン表示タイマ1007cに値「1250」を設定し、所定の周期(例えば4.0ms)ごとに実行する割込み処理の実行の都度、値「1」で減算してく。また、比率制御手段1001aは、点灯確認パターン表示タイマ1007cの記憶値が値「0」ではない場合、割込み処理の実行の都度、比率表示装置78の各セグメントをすべて点灯させる全点灯パターン(第1パターン)と、各セグメントをすべて消灯させる全消灯パターン(第2パターン)と、を交互に繰り返すことで、比率表示装置78が正常に動作しているか確認可能にする電断復帰時動作確認処理を行う。
電断復帰時動作確認処理において、比率制御手段1001aは、点灯確認パターン表示タイマ1007cの記憶値を値「1」で減算し、減算した結果を値「75」で割ることで商を算出する所定の演算を実行する。比率制御手段1001aは、所定の演算の結果として、算出された商が奇数(第1結果)である場合に、全点灯パターンに決定し、算出された商が偶数(第2結果)である場合に、全消灯パターンに決定する。
このような構成により、パチンコ機101は、比率表示装置78が正常に動作している場合にはすべてのセグメントが点灯及び消灯し、いずれかのセグメントに不具合が生じている場合には、該不具合が生じたセグメントが他のセグメントとは異なる挙動を示すため、比率表示装置78が正常に動作しているか否かについて容易に確認することができる。
また、パチンコ機101は、全点灯パターンと全消灯パターンとの各パターンの表示時間を計時するタイマを別に設けずに、比率表示装置78の動作が正常か否かを確認する所定の時間を計時する点灯確認パターン表示タイマ1007cを用いた所定の演算によって全点灯パターンと全消灯パターンとを交互に繰り返すことで、1つのタイマによって比率表示装置78の動作確認の時間の管理と点滅制御とを実現することができ、比率表示装置78の動作確認の時間の管理と点滅制御とに必要となる主制御部1000のメインRAM1000cの容量を削減することができる。