JP6762296B2 - ポリマー及びポリマーを含むコンジュゲート - Google Patents

ポリマー及びポリマーを含むコンジュゲート Download PDF

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Description

関連出願
本願は、2015年10月20日に出願された米国仮特許出願第62/059073号及び2015年9月1日に出願された米国仮特許出願第62/212879号の出願日の利益を主張するものである。以上の仮出願の開示内容は、本明細書中に参照により援用される。
免疫組織化学(IHC)及びin situハイブリダイゼーション分析(ISH)を含む細胞染色法は、組織学的診断及び組織形態学の研究における有用なツールである。IHCは、組織試料中に存在し得る目的の抗原を検出するために、特異的結合剤又は部分、例えば抗体を使用する。IHCは、特定の疾病状態又は病状を診断するなどの臨床及び診断用途に広く使用されている。例えば、特定のがん型は、被験体から得られた試料中の特定のマーカー分子の存在に基づいて診断することができる。IHCはまた、異なる組織におけるバイオマーカー分布及び局在を理解するための基礎研究において広く使用されている。生物学的試料はまた、銀in situハイブリダイゼーション(SISH)、発色in situハイブリダイゼーション(CISH)、及び蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)などの、まとめてISHと呼ばれるin situハイブリダイゼーション技術を用いて調べることができる。ISHは組織中の核酸を検出するが、IHCはタンパク質を検出する点で、ISHはIHCとは異なる。
生物のゲノムによって発現される複数のタンパク質の特徴付け及び定量化は、プロテオミクスの中心である。マルチプレックス免疫組織化学(MIHC)は、研究及び診断において幅広い用途を持ち、パラフィン包埋ホルマリン固定組織中の多変量タンパク質標的を検出及び分析するための、主要な未達成の技術的ニーズを代表するものである。マルチプレックス免疫組織化学(MIHC)技術では、ホルマリン固定パラフィン包埋組織における多変量タンパク質標的の検出及び分析のニーズに対応しようとする試みがなされている。効果的なMIHC技術は、研究及び診断において幅広い用途を有する。しかしながら、組織中の複数の(例えば5以上)25のタンパク質標的の同時及び定量的検出を可能にする効率的且つ再現可能な方法は、たとえあるとしても、ごくわずかでしかない。
組織及び細胞学的試料のIHCアッセイ及びISHアッセイなどのin situアッセイ、特に前記試料の多重アッセイの場合、バックグラウンド干渉なしに望ましい結果を提供する方法を同定及び開発することが非常に望ましい。そのような方法の一つは、特許を受けた触媒レポーター堆積(CARD)に基づくTyramide Signal Amplification(TSA)の使用を伴う。「触媒作用によるリポーター堆積の増強(Enhanced catalyzed reporter deposition)」と題された米国特許第6593100号は、標識フェノールコンジュゲートを酵素と反応させることによりCARD又はTSA法で酵素の触媒作用を増強することを開示しており、この反応は増強試薬の存在下で行われる。
生体分子コンジュゲートイムノアッセイは、試料中の特定の標的分子を検出するために有用である。Ventana Medical Systems,Inc.は、この一般的な領域における、「分子コンジュゲート(Molecular Conjugate)」と題された米国特許第11/603425号;「ハプテン、ハプテンコンジュゲート、それらの組成物並びにそれらの調製及び使用のための方法(Haptens, Hapten Conjugates, Compositions Thereof and Method for their Preparation and Use)」と題された米国実用特許出願第11/982627号;及び「免疫組織化学及びin situハイブリダイゼーションのためのポリマー担体(Polymeric Carriers for Immunohistochemistry and in situ hybridization)」と題された米国特許第8486620号含む多くの特許及び出願の譲受人である。これらの先行出願及び特許の各々は、参照により本明細書に援用される。ハプテン及び対応するハプテン−担体コンジュゲートは、高感度の定量的及び定性的イムノアッセイの開発に不可欠であった。ハプテンコンジュゲートの設計において、担体に付着したハプテンの量が新たに作製された抗原決定基に向けられた応答の強度に影響を及ぼす可能性があるため、ハプテン、担体、カップリング方法、及びハプテン密度を考慮する必要がある。しかしながら、特定のコンジュゲートが、例えば立体効果、適切な機能に重要な反応性官能基の不活性化、溶解度の変化、バックグラウンドノイズ等を通してアッセイを妨げる可能性があると考えられている。
本開示の一態様において、式(V):
(式中、「オリゴ」は、1から約50ヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド配列であり、オリゴヌクレオチド配列は70℃未満のTmを有し;「スペーサー」は、分岐又は非分岐状で置換又は無置換の飽和又は不飽和脂肪族基であり、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、4から32個の炭素原子を有し;「リンカー」は、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよ、く、4から18個の炭素原子を有する分岐又は非分岐状で置換又は無置換の飽和又は不飽和脂肪族基であり;「標識」は、ハプテン、フルオロフォア、色素原、酵素、及び量子ドットからなる群から選択され;Rは、末端基であり(非限定的な例は水素、ヒドロキシル基、カルボニル基、アミノ基、リン酸基、ホスホジエステル基又はカチオンを含む);Tは、末端反応性部分を有する基であり;xは、1又は2であり;yは、0、1又は2であり;zは、1から18の整数であり;mは、0、1又は2であり;nは、1又は2であり;aは、1から8の整数であり;bは、1又は2である)のポリマーであって、「オリゴ」、「スペーサー」、「リンカー」又は「標識」のいずれも、相互に直接又は任意の基(例えばリン酸基又はホスホジエステル基)を介して結合され得;yが0の場合、[スペーサー]が結合であり、mが0の場合、[リンカー]が結合である)
のポリマーがある。式(V)のポリマーのいくつかの実施態様において、Tの末端反応性部分は、アミノ基、カルボキシル基若しくはスルフヒドリル基又は特異的結合実体にカップリングし得る他の基である。いくつかの実施態様では、「オリゴ」は、2から約50ヌクレオチドを含む。いくつかの実施態様では、「オリゴ」は、2から約24ヌクレオチドを含む。いくつかの実施態様では、「オリゴ」は、4から約24ヌクレオチドを含み;xは、1であり;yは、1であり;且つaは、1又は2である。yがゼロで[スペーサー]が結合である実施態様では、[リンカー]は、存在する場合、直接又は任意の基(例えばリン酸基又はホスホジエステル基)を介して[オリゴ]にカップリング又は結合されている。mがゼロで[リンカー]が結合である実施態様では、[標識]は、直接又は任意の基(例えばリン酸基又はホスホジエステル基)を介して[スペーサー]にカップリング又は結合されている。yがゼロであり、mもゼロである実施態様では、[標識]は、直接又は任意の基(例えばリン酸基又はホスホジエステル基)を介して[オリゴ]に結合されている。
いくつかの実施態様では、「スペーサー」は、式(VII):
(式中、d及びeは、1から32の整数であり;Qは、結合、O、S又はN(R)(R)であり;R及びRは、独立してH、C−Cのアルキル基、F、Cl、N(R)(R)であり;R及びRは、独立してCH又はHである)
の構造を有する。いくつかの実施態様では、R及びRは、Hであり;Qは、Oであり;dは、1から4であり;eは、2から8である。いくつかの実施態様では、R及びRは、Hであり;Qは、Oであり;dは、2であり;eは、2から8である。いくつかの実施態様では、「スペーサー」は、正味の正電荷を有する。
いくつかの実施態様では、「リンカー」は、式(VII):
(式中、d及びeは、1から32の整数であり;Qは、結合、O、S又はN(R)(R)であり;R及びRは、独立してH、C−Cのアルキル基、F、Cl、N(R)(R)であり;R及びRは、独立してCH又はHである)
の構造を有する。いくつかの実施態様では、「リンカー」は、ポリ(アルキレン)グリコールに由来する。
いくつかの実施態様において、「標識」は、ジ−ニトロフェニル、ビオチン、ジゴキシゲニン、フルオレセイン若しくはそれらの誘導体又はローダミンからなる群から選択される。いくつかの実施態様において、「標識」は、オキサゾール、ピラゾール、チアゾール、ニトロアリール、ベンゾフラン、トリテルペン、尿素、チオ尿素、ロテノイド、クマリン又はシクロリグナンからなる群から選択される。他の実施態様において、「標識」は、5−ニトロ−3−ピラゾール カルバミド、2−(3,4−ジメトキシフェニル)キノリン−4−カルボン酸)、3−ヒドロキシ−2−キノキサリンカルバミド、2,1,3−ベンゾオキサジアゾール−5−カルバミド、及び2−アセトアミド−4−メチル−5−チアゾールスルホンアミドからなる群から選択される。
式(V)のポリマーの他の実施態様では、xは、1であり;yは、1又は2であり;aは、1又は2であり;zは、3から18である。いくつかの実施態様では、xは、1であり;yは、1であり;aは、1又は2であり;zは、3から9である。いくつかの実施態様では、aは、2であり;m、n、及びbは、1である。いくつかの実施態様では、「標識」は、フルオレセインである。いくつかの実施態様では、「オリゴ」は、4から18ヌクレオチドを含み、「リンカー」は4から12個の炭素原子を含む。
式(V)のポリマーのさらに他の実施態様では、xは、1であり;yは、1であり;aは、1であり;m、n、及びbは、1である。いくつかの実施態様では、「標識」は、ジ−ニトロフェニルである。いくつかの実施態様では、「オリゴ」は、4から18ヌクレオチドを含み、「リンカー」は4から12個の炭素原子を含む。
式(V)のポリマーのいくつかの実施態様では、xは、1であり;yは、0であり;aは、1又は2であり;zは、3から9である。いくつかの実施態様では、「標識」は、ジ−ニトロフェニルである。いくつかの実施態様では、「オリゴ」は、4から18ヌクレオチドを含み、「リンカー」は、4から12個の炭素原子を含む。
式(V)のポリマーのいくつかの実施態様では、a:bの比は、2:1又は3:1であり、ポリマー当たりの「標識」基の数は、3から9である。
本開示の別の態様では、約2から約4のポリマーがカップリングしている標的特異的抗体を含む組成物があり、各ポリマーは複数の標識を含み、標的特異的抗体当たりの検出可能な標識の数は、少なくとも6である。いくつかの態様では、各ポリマーは、3から18個の検出可能な標識を含む。いくつかの態様では、ポリマーは、式(V):
(式中、「オリゴ」は、1から約32ヌクレオチドを有する一本鎖オリゴヌクレオチド配列であり、オリゴヌクレオチド配列は70℃未満のTmを有し;「スペーサー」は、分岐又は非分岐状で置換又は無置換の飽和又は不飽和脂肪族基であり、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、4から24個の炭素原子を有し;「リンカー」は、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、4から18個の炭素原子を有する脂肪族基であり;「標識」は、ハプテン、フルオロフォア、及び量子ドットからなる群から選択され;Rは末端基であり(非限定的な例は水素、ヒドロキシル基、カルボニル基、アミノ基、リン酸基、ホスホジエステル基又はカチオンを含む);Tは、抗体にカップリングし得る末端反応性部分を有する基であり;xは、1又は2であり;yは、0、1又は2であり;mは、0、1又は2であり;nは、1又は2であり;zは、1から18の整数であり;aは、1から8の整数であり;bは、1又は2である)の構造を有し、「オリゴ」、「スペーサー」又は「リンカー」のいずれも、相互に直接、又は任意の基(例えばリン酸基又はホスホジエステル基)を介して結合され得;yが0の場合、[スペーサー]が結合であり、mが0の場合、[リンカー]が結合である。yがゼロで[スペーサー]が結合である実施態様では、[リンカー]は、存在する場合、直接又は任意の基(例えばリン酸基又はホスホジエステル基)を介して[オリゴ]にカップリング又は結合されている。mがゼロで[リンカー]が結合である実施態様では、[標識]は、直接又は任意の基(例えばリン酸基又はホスホジエステル基)を介して[スペーサー]にカップリング又は結合されている。yがゼロであり、mもゼロである実施態様では、[標識]は、直接又は任意の基(例えばリン酸基又はホスホジエステル基)を介して[オリゴ]に結合されている。
いくつかの実施態様では、「スペーサー」又は[スペーサー]は、正味の正電荷を有する。いくつかの実施態様では、各ポリマーにおける連続する「標識」間の距離は、約10nm未満である、いくつかの実施態様では、任意の「スペーサー」の少なくとも4個の炭素原子、又は4個の炭素原子とヘテロ原子との組み合わせが、ポリマー骨格の一部を含む。
いくつかの実施態様では、組成物は、式(V)(式中、xは1であり;yは1であり;aは1又は2であり、zは3から9であり;「標識」はフルオレセイン(又はフルオレセイン誘導体)であり;「オリゴ」は4から18ヌクレオチドを含み;「リンカー」は4から12個の炭素原子を含む)のポリマーを含む。いくつかの実施態様では、aは、2である。
他の実施態様では、組成物は、式(V)(式中、xは1であり;yは1であり;aは1又は2であり、zは3から9であり;「標識」はジ−ニトロフェニルであり;「オリゴ」は4から18ヌクレオチドを含み;「リンカー」は4から12個の炭素原子を含む)のポリマーを含む。いくつかの実施態様では、aは、1である。
本開示の別の態様では、式(VId):
(式中、「オリゴ」は、1から約32ヌクレオチドを有する一本鎖オリゴヌクレオチド配列であり、オリゴヌクレオチド配列は70℃未満のTmを有し;「スペーサー」は、分岐又は非分岐状で置換又は無置換の飽和又は不飽和脂肪族基であり、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、4から24個の炭素原子を有し;「リンカー」は、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、4から18個の炭素原子を有する脂肪族基であり;「標識」は、ハプテン、フルオロフォア、及び量子ドットからなる群から選択され;「特異的結合実体」は、抗体、抗体断片、核酸又は薬物/抗体コンジュゲートであり;Rは、末端基であり(非限定的な例は水素、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボニル基、リン酸基、ホスホジエステル基又はカチオンを含む);xは、1又は2であり;yは、0、1又は2であり;mは、0、1又は2であり;nは、1又は2であり;zは、1から18の整数であり;aは、1から8の整数であり;bは、1から8の整数である)による二以上の異なるコンジュゲートであって、「オリゴ」、「スペーサー」又は「リンカー」のいずれも、相互に直接、又は任意の基を介して結合され得;yが0の場合、[スペーサー]が結合であり;mが0の場合、[リンカー]が結合であり、各々が試料内の異なる標的に特異的に結合し、異なる標識を含むコンジュゲートと、ホルマリン固定パラフィン包埋試料(例えば組織試料)とを接触させること;異なる抗体コンジュゲートの標識に特異的で、それぞれが異なる検出可能な部分を含む検出試薬と試料とを接触させること;及び異なる検出可能な部分を用いて複数の標的を検出することを含む、試料中の複数の標的を検出するための方法がある。いくつかの実施態様では、検出試薬の検出可能な部分は、有機染料、フルオロフォア、酵素、量子ドット又はハプテンからなる群から選択される。いくつかの実施態様では、試料内の異なる標的の量は、検出可能な標識からのシグナル出力に基づいて定量化される。いくつかの実施態様では、この方法は、定量化された標的に基づいて試料をスコアリングする工程をさらに含む。
yがゼロで[スペーサー]が結合である実施態様では、[リンカー]は、存在する場合、直接又は任意の基(例えばリン酸基又はホスホジエステル基)を介して[オリゴ]にカップリング又は結合されている。mがゼロで[リンカー]が結合である実施態様では、[標識]は、直接又は任意の基(例えばリン酸基又はホスホジエステル基)を介して[スペーサー]にカップリング又は結合されている。yがゼロであり、mもゼロである実施態様では、[標識]は、直接又は任意の基(例えばリン酸基又はホスホジエステル基)を介して[オリゴ]に結合されている。
本開示の別の態様では、式(VId):
(式中、「オリゴ」は、1から約32ヌクレオチドを有する一本鎖オリゴヌクレオチド配列であり、オリゴヌクレオチド配列は70℃未満のTmを有し;「スペーサー」は、分岐又は非分岐状で置換又は無置換の飽和又は不飽和脂肪族基であり、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、4から24個の炭素原子を有し;「リンカー」は、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、4から18個の炭素原子を有する脂肪族基であり;「標識」は、ハプテン、フルオロフォア、及び量子ドットからなる群から選択され;「特異的結合実体」は、抗体、抗体断片、核酸又は薬物/抗体コンジュゲートであり;Rは末端基であり(非限定的な例は水素、ヒドロキシル基、カルボニル基、アミノ基、リン酸基、ホスホジエステル基又はカチオンを含む);xは、1又は2であり;yは、0、1又は2であり;mは、0、1又は2であり;nは、1又は2であり;aは、1から8の整数であり;bは、1又は2であり;zは、1から18の整数である)のコンジュゲートであって、「オリゴ」、「スペーサー」又は「リンカー」のいずれも、相互に直接、又は任意の基を介して結合され得;yが0の場合、[スペーサー]が結合であり;mが0の場合、[リンカー]が結合であるコンジュゲートがある。yがゼロで[スペーサー]が結合である実施態様では、[リンカー]は、存在する場合、直接又は任意の基(例えばリン酸基又はホスホジエステル基)を介して[オリゴ]にカップリング又は結合されている。mがゼロで[リンカー]が結合である実施態様では、[標識]は、直接又は任意の基(例えばリン酸基又はホスホジエステル基)を介して[スペーサー]にカップリング又は結合されている。yがゼロであり、mもゼロである実施態様では、[標識]は、直接又は任意の基(例えばリン酸基又はホスホジエステル基)を介して[オリゴ]に結合されている。いくつかの実施態様では、任意の「スペーサー」の少なくとも4個の炭素原子、又は4個の炭素原子とヘテロ原子との組み合わせが、ポリマー骨格の一部を含む。
いくつかの実施態様では、特異的結合実体は、抗体、核酸又は薬物/抗体複合体/コンジュゲートである。いくつかの実施態様では、特異的結合実体は、抗体である。いくつかの実施態様では、「オリゴ」は、2から約50ヌクレオチドを含む。いくつかの実施態様では、「オリゴ」は、2から約24ヌクレオチドを含む。いくつかの実施態様では、「オリゴ」は、4から約24ヌクレオチドを含み;xは、1であり;yは、1であり;且つaは、1又は2である。
いくつかの実施態様では、「スペーサー」は、式(VII):
(式中、d及びeは、1から32の整数であり;Qは、結合、O、S又はN(R)(R)であり;R及びRは、独立してH、C−Cのアルキル基、F、Cl、N(R)(R)であり;R及びRは、独立してCH又はHである)
の構造を有する。いくつかの実施態様では、Ra及びRbは、Hであり;Qは、Oであり;dは、1から4であり;eは、2から8である。いくつかの実施態様では、Ra及びRbは、Hであり;Qは、Oであり;dは、2であり;eは、2から8である。いくつかの実施態様では、「スペーサー」は、正味の正電荷を有する。
いくつかの実施態様では、「リンカー」は、式(VII):
(式中、d及びeは、1から32の整数であり;Qは、結合、O、S又はN(R)(R)であり;R及びRは、独立してH、C−Cのアルキル基、F、Cl、N(R)(R)であり;R及びRは、独立してCH又はHである)
の構造を有する。いくつかの実施態様では、「リンカー」は、ポリ(アルキレン)グリコールに由来する。
いくつかの実施態様において、「標識」は、ジ−ニトロフェニル、ビオチン、ジゴキシゲニン、フルオレセイン若しくはそれらの誘導体又はローダミンからなる群から選択される。他の実施態様において、「標識」は、オキサゾール、ピラゾール、チアゾール、ニトロアリール、ベンゾフラン、トリテルペン、尿素、チオ尿素、ロテノイド、クマリン又はシクロリグナンからなる群から選択される。他の実施態様において、「標識」は、5−ニトロ−3−ピラゾール カルバミド、2−(3,4−ジメトキシフェニル)キノリン−4−カルボン酸)、3−ヒドロキシ−2−キノキサリンカルバミド、2,1,3−ベンゾオキサジアゾール−5−カルバミド、及び2−アセトアミド−4−メチル−5−チアゾールスルホンアミドからなる群から選択される。
式(VId)のコンジュゲートのいくつかの実施態様では、xは、1であり;yは、1又は2であり;aは、1又は2であり;zは、3から18である。いくつかの実施態様では、xは、1であり;yは、1であり;aは、1又は2であり;zは、3から9である。いくつかの実施態様では、aは、2であり;m、n、及びbは、1である。いくつかの実施態様では、「標識」は、フルオレセイン(又はフルオレセイン誘導体)である。いくつかの実施態様では、「オリゴ」は、4から18ヌクレオチドを含み、「リンカー」は4から12個の炭素原子を含む。
式(VId)のコンジュゲートの他の実施態様では、xは、1であり;yは、1又は2であり;aは、1であり;m、n、及びbは、1である。いくつかの実施態様では、「標識」は、ジ−ニトロフェニルである。いくつかの実施態様では、「オリゴ」は、4から18ヌクレオチドを含み、「リンカー」は4から12個の炭素原子を含む。
式(VId)のコンジュゲートの他の実施態様では、xは、1であり;yは、0であり;aは、1又は2であり;zは、3から9である。いくつかの実施態様では、「標識」は、ジ−ニトロフェニルである。いくつかの実施態様では、「オリゴ」は、4から18ヌクレオチドを含み、「リンカー」は4から12個の炭素原子を含む。
式(VId)のコンジュゲートの他の実施態様では、a:bの比は、2:1又は3:1であり、ポリマー当たりの存在する「標識」基の数は3から9である。
本開示の別の態様では、式(I):
の少なくとも二のポリマーを含む、式(IVb):
(式中、[A]は、オリゴヌクレオチド配列と任意のスペーサーとを含むポリマー骨格であり;[B]は、直接又は任意のリンカーを介してポリマー骨格に付着した標識を含み;aは、1から8の整数であり;bは、1から8の整数であり;zは、1から24の整数であり;Rは、水素、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボニル基、リン酸基、ホスホジエステル基又はカチオンであり;特異的結合実体は、抗体、抗体断片、核酸又は薬物/抗体複合体/コンジュゲートである)のコンジュゲートが存在する。いくつかの実施態様では、[A]の長さ又はサイズは、約8nmから約12nmである。いくつかの実施態様では、前記の長さ又はサイズは、約10nm未満である。いくつかの実施態様では、aは、1又は2であり;bは、1又は2であり;zは、3、4、5又は9から選択される整数である。いくつかの実施態様では、a:bの比は、1:1である。他の実施態様では、a:bの比は、2:1である。さらに他の実施態様では、a:bの比は、3:1である。いくつかの実施態様では、特異的結合実体当たりのポリマーの数は、約2から約5である。他の実施態様では、特異的結合実体当たりのポリマーの数は、約2から約4である。いくつかの実施態様では、[A]の構成成分及び[B]に対して[A]が繰り返される回数は、骨格に付着した標識が抗標識抗体である二次抗体の抗原結合部位間の距離に近似する距離を相互に空けるように最適化される。
本開示の別の態様では、試料中の複数の標的について多重診断アッセイを実施する方法又はその自動化された方法が存在する。この実施態様は、典型的には、ホルマリン固パラフィン包埋組織試料を提供すること;自動化システムを使用して、多重標的分析のために組織試料を調製すること;自動システムを使用して、各々が複数の異なる標的に特異的に結合する、式(VId)を有する複数のコンジュゲートで試料を接触させること(ここで、コンジュゲートを構成する各ポリマーは複数の標識を有する);自動化システムを使用して、各検出試薬が異なる検出可能な部分を含む各コンジュゲートの標識を検出するための検出試薬と試料を接触させること(ここで、各検出試薬は、異なる検出可能な部分を含む);及び検出可能な標識を用いて標的を検出することを含む。
本開示の別の態様では、式(IV)の少なくとも一のコンジュゲートと、少なくとも一のコンジュゲートを検出するための検出試薬とを含むキットが存在する。いくつかの実施態様では、キットは、緩衝液などの追加の試薬を含む。
ハプテン化一次抗体は多重IHCアッセイにおいて魅力的な試薬であるが、本出願人は、抗種抗体染色と比較して弱い抗ハプテン抗体によるIHC染色をしばしば観察した。同様に、直接蛍光色素標識一次抗体染色は、抗種抗体による間接的なIHC染色よりも通常弱い。このことを考慮すると、抗体活性の低下を犠牲にして標識化の程度を増加させることがしばしば必要である。
本出願人は、抗体活性に対する有害作用(例えば、抗体の標的に対する結合親和性及び構造への干渉)を防止するために特異的結合実体当たりの標識化の程度が比較的低いコンジュゲート及び前記コンジュゲートを含む組成物を開発した。加えて、本出願人は、標識用の担体としてのポリマー、特にポリマー骨格が制御されたサイズ、長さ、空間配置又は電子配置であるポリマーの使用により、標識が互いに分離され、検出感度が最大化される(例えば検出試薬の立体阻害の防止又は緩和)ことを発見した。全体として、本出願人は、標識用の担体として役立つ新規なポリマーを発見した。このポリマーは、(i)特定の長さ又はサイズを有するオリゴヌクレオチド;(ii)正確な数の標識;(iii)標識間のスペーサーの任意の組み込み;及び(iv)標識間の所定の距離を含むように構成されている。図面の簡単な説明。
以下の図面を参照して、非限定的且つ非網羅的な実施態様を説明する。別段の指定がない限り、様々な図を通して同じ参照番号は、同じ部分又は行為を指す。
オリゴヌクレオチドポリマー骨格と、リンカーを介してポリマー骨格に付着した標識とを含む抗体コンジュゲートの例を示す。 骨格がスペーサーと、リンカーを介してポリマー骨格に付着した標識とをさらに含むオリゴヌクレオチドポリマー骨格を含む抗体コンジュゲートの例を示す。 骨格がスペーサーと、リンカーを介してポリマー骨格に付着した標識とをさらに含むオリゴヌクレオチドポリマー骨格を含む抗体コンジュゲートの例を示す。 抗体を説明するものであり、抗原結合部位間の距離を示す。 コンジュゲート及びコンジュゲートを検出するための二次抗体を使用する第一の検出スキームを示し、二次抗体は酵素を含む。 コンジュゲート及びコンジュゲートを検出するための二次抗体を使用する第一の検出スキームを示し、二次抗体はフルオロフォアを含む。 標的の検出プローブとしてコンジュゲートを使用する方法(単一又は多重)を示すフローチャートを提供する。ここで検出プローブは、検出試薬又は標識コンジュゲート及びシグナル伝達コンジュゲートを用いてを検出される。 一つのポリマー(一つのオリゴヌクレオチドを含む)を抗体にカップリングしてそれぞれのポリマー−抗体コンジュゲートを形成する一つの方法を示す。 ネイティブRb HER2 4b5抗体及びHER2−抗体コンジュゲートが使用されるIHC染色アッセイの結果を比較する。 本開示によるネイティブ抗体及び抗体コンジュゲートが使用されるIHC染色アッセイの結果を比較する。
一般に、本開示は、コンジュゲート及びコンジュゲートを含む組成物、並びに生物学的試料中に存在する一又は複数の標的を検出するためのコンジュゲートを使用する方法に関する。いくつかの実施態様では、コンジュゲート又は組成物は、抗体活性に対する有害作用を防止しながら、組織試料内の複数の標的を同時に又は連続的に検出するための多重アッセイにおいて使用される。
本明細書で使用される場合、単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈から判断して明らかにそうでないと分かる以外は、複数の指示物を含む。同様に、「又は」という語は、文脈から判断して明らかにそうでないと分かる以外は、「及び」を含むことが意図されている。また、本明細書で使用される場合、「含む(comprises)」という用語は、「含む(includes)」を意味する。したがって、「A又はBを含む」とは、A、B、又はA及びBを含むことを意味する。さらに、核酸又はポリペプチド又は他の化合物に対して与えられるすべてのヌクレオチドサイズ又はアミノ酸サイズ及びすべての分子量又は分子量値は近似値であり、説明のために示される。本明細書に記載されているものと類似又は等価な方法及び材料を本開示の実施又は試験に使用することができるが、適切な方法及び材料を下記に記載する。本明細書で言及されたすべての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、その全体が参照により援用される。矛盾する場合には、用語の説明を含む本明細書が支配する。加えて、材料、方法、及び実施例は、例示的なものに過ぎず、限定することを意図するものではない。
AffimersTMは、抗体の特異性及び結合親和性を模倣する遺伝子操作されたタンパク質であるが、はるかに小さく、約14kDaの分子量を有する。AffimersTMは高度に安定であり、特定の標的タンパク質に対する高親和性結合表面を提供するペプチドループを示すように操作されていると考えられている。
本明細書中で使用される場合、用語「抗体」は、所望の生物活性又は結合活性を示す任意の形態の抗体を指す。したがって、それは最も広い意味で使用され、特にモノクローナル抗体(完全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体)、ヒト化完全ヒト抗体、キメラ抗体、及びラクダ化単一ドメイン抗体を包含するがこれらに限定されない。
本明細書で使用される場合、別途指示がない限り、「抗体断片」又は「抗原結合断片」は、抗体の抗原結合断片、すなわち完全長抗体によって結合された抗原に特異的に結合する能力を保持する抗体断片、例えば一又は複数のCDR領域を保持する断片を指す。抗体結合断片の例には、限定されないが、Fab、Fab’、F(ab’)、及びFv断片;ダイアボディ(diabodies);直鎖状抗体;単鎖抗体分子、例えばsc−Fv;ナノボディ、及び抗体断片から形成された多重特異性抗体が含まれる。
本明細書で使用される場合、用語「抗原」は、抗体分子又はT細胞受容体などの特異的体液性又は細胞性免疫の産物によって特異的に結合され得る化合物、組成物又は物質を指す。抗原は、例えばハプテン、単純中間代謝産物、糖(例えばオリゴ糖)、脂質、及びホルモン、並びに複雑な炭水化物(例えば多糖類)、リン脂質、及びタンパク質などの高分子を含む任意の種類の分子であり得る。
本明細書で使用される場合、用語「アッセイ」は、限定されないが、単一及び多重免疫検出アッセイ、例えば免疫組織化学(IHC)、フローサイトメトリー、顕微鏡検査、イメージングi、高含有量スクリーニング(HCS)、免疫細胞化学(ICC)、免疫磁気細胞枯渇(immunomagnetic cellular depletion)、細胞磁気免疫捕捉(immunomagnetic cell capture)、in situハイブリダイゼーション(ISH)、酵素免疫測定法(EIA)、酵素結合免疫測定法(ELISA)、エリスポット(ELISpot)、ビーズアレイ、多重ビーズアレイ、マイクロアレイ、抗体アレイ、セルラーアレイ等のアレイ、溶相捕捉(solution phase capture)、化学発光検出、赤外検出、ブロッティング方法、ウエスタンブロット、サザンブロット、サウスウエスタンブロット、電気泳動システム内の標識化、表面の標識化、アレイ標識化、PCR増幅、PCR増幅が後続するエロンゲーション、免疫沈降法、免疫共沈降法、クロマチン免疫沈降法、プレターゲティングイメージング、治療剤又はそれらの組み合わせを含む。
本明細書で使用される場合、「コンジュゲート」は、より大きなコンストラクトに共有結合した二以上の分子(及び/又はナノ粒子などの物質)を指す。いくつかの実施態様では、コンジュゲートは、例えば一又は複数の他の生体分子などの一又は複数の他の分子に共有結合した一又は複数の生体分子(例えばペプチド、タンパク質、酵素、糖、多糖、脂質、糖タンパク質、及びリポタンパク質)を含む。いくつかの実施態様では、コンジュゲートは、一又は複数の検出可能な標識(例えばフルオロフォア、発光団、蛍光ナノ粒子、ハプテン、酵素、及びそれらの組み合わせ)に共有結合した一又は複数の特異的結合分子(抗体など)を含む。
本明細書で使用される場合、「カップリングする又は「カップリング」という用語は、一つの分子又は原子が別の分子又は原子へ接合、結合(例えば共有結合)又は連結することを指す。
DARPin(設計されたアンキリンリピートタンパク質(designed ankyrin repeat protein))は、典型的には非常に特異的で高親和性の標的タンパク質結合を示す遺伝子操作された抗体模倣タンパク質である。DARPinは、ネイティブなアンキリンタンパク質に由来し、このようなタンパク質の少なくとも3つ、通常は4つ又は5つの反復モチーフからなる。
「多重」、「多重化(される)」、「多重の」は、試料中の複数の標的を同時に、実質的に同時に、又は連続的に検出することを指す。本開示の実施態様は、複数の異なるコンジュゲートを使用して、試料中の複数の標的を実質的に同時に、又は連続的に、所望通りに検出することを可能にする。多重化は、ペプチド、タンパク質の両者を個々に、またあらゆるすべての組み合わせで同定及び/又は定量化することを含み得る。多重化はまた、その解剖学的状況において、細胞中のメッセンジャー及びタンパク質の二以上を検出することを含み得る。
用語「一次抗体」は、組織試料中の標的タンパク質抗原に特異的に結合する抗体を指す。一般に、一次抗体は、免疫組織化学的手法において使用される第一の抗体である。
反応性基:本出願全体を通しての式は、本明細書に記載のように第一のユニットを第二のユニットにカップリングするのに適した様々な基(例えば官能基)のいずれかであり得る「反応性基」、「反応性官能基」、「末端反応性基」等を指す。例えば、反応性基は、イソチオシアネート、イソシアネート、アシルアジド、NHSエステル、塩化スルホニル、アルデヒド、及びグリコールなどの酸塩化物、エポキシド及びオキシラン、カルボネート、アリール化剤、イミドエステル、カルボジイミド、無水物、並びにそれらの組み合わせなどのアミン反応性基であり得る。適切なチオール反応性官能基は、ハロアセチル及びアルキルハライド、マレイミド、アジリジン、アクリロイル誘導体、アリール化剤、ピリジルジスルフィド、TNB−チオール、及びジスルフィド還元剤などのチオール−ジスルフィド交換試薬、並びにそれらの組み合わせを含む。適切なカルボキシレート反応性官能基は、ジアゾアルカン、ジアゾアセチル化合物、カルボニルジイミダゾール化合物、及びカルボジイミドを含む。適切なヒドロキシル反応性官能基は、エポキシド及びオキシラン、カルボニルジイミダゾール、N、N’−ジスクシンイミジルカーボネート又はNヒドロキシスクシンイミジルクロロホルメート、過ヨウ素酸酸化化合物、酵素酸化、アルキルハロゲン、及びイソシアネートを含む。アルデヒド及びケトン反応性官能基は、ヒドラジン、シッフ塩基、還元アミノ化生成物、マンニッヒ縮合物、及びそれらの組み合わせを含む。活性水素反応性化合物は、ジアゾニウム誘導体、マンニッヒ縮合物、ヨウ素化反応生成物、及びそれらの組み合わせを含む。光反応性化学官能基は、アリールアジド、ハロゲン化アリールアジド、ベンゾフォノン、ジアゾ化合物、ジアジリン誘導体、及びそれらの組み合わせを含む。
本明細書において用語「二次抗体」は、一次抗体に特異的に結合し、それにより一次抗体と、もしあれば、その後の試薬(例えば標識、酵素など)との間に架橋を形成する抗体を指す。一般に、二次抗体は、免疫組織化学的手法において使用される第二の抗体である。
試料: 用語「試料」は、標的が存在し得る任意の液体、半固体又は固体物質(又は材料)を指す。特に、試料は、生物学的試料又は生体物質から得られた試料であり得る。生物学的試料の例は、末梢血、尿、唾液、組織生検、外科検体、羊水穿刺試料、及び剖検材料を含む、より具体的な例を伴う組織試料及び細胞学的試料を含む。
本明細書で使用される場合、用語「特異的結合実体(specific binding entity)」は、特異的結合対の一方のメンバーを指す。特異的結合対は、互いに結合して、他の分子との結合の実質的排除を特徴とする(例えば、特異的結合対は、生物学的試料において結合対の二つのメンバーのいずれかの、他の分子との結合定数よりも少なくとも10−1大きい、10−1大きい、又は10−1大きい結合定数を有し得る)分子の対である。特異的結合部分の特定の例には、特異的結合タンパク質(例えば抗体、レクチン、ストレプトアビジンなどのアビジン、及びプロテインA)が含まれる。特異的結合部分はまた、そのような特異的結合タンパク質によって特異的に結合される分子(又はその一部)を含み得る。
標的: 存在、位置、及び/又は濃度が決定される、又は決定することができる任意の分子。標的分子の例には、タンパク質及びハプテン、例えばタンパク質に共有結合したハプテンが含まれる。標的分子は、典型的には、特異的結合分子及び検出可能な標識の一又は複数のコンジュゲートを用いて検出される。
標識用担体としてのポリマー及びその使用
本開示は、ハプテンなどの標識用担体として役立つ新規なポリマーに関する。開示されたポリマーの一又は複数は、それ自体、本明細書に開示の抗体コンジュゲートなどのコンジュゲートを形成するために、抗体などの特異的結合実体にカップリングされ得る。
一般に、ポリマーは、直接又は間接的に(例えばリンカーを介して)ポリマー骨格に付着した標識を含む。例えば、図1、2、及び3に示す化合物は、ポリマー骨格を形成する任意のスペーサー(図2の「C18スペーサー」又は図3の「スペーサー18」)にカップリングされたオリゴヌクレオチドを含むポリマー骨格を提供する。ポリマー骨格にカップリングされるのが標識であり、標識は、任意のリンカー(図1及び2では「ハプテンDNP」、図3では「TEGリンカー」)を介して骨格に接続されている。したがって、少なくとも図1、2、及び3に見られるように、ポリマーは、一又は複数の標識用の担体として役立つ。
ポリマーは、式(I):
(式中、Aはオリゴヌクレオチド配列及び任意のスペーサー(「ポリマー骨格」)を含み、Bは標識及び任意のリンカーを含み;aは1から8の整数であり、bは1又は2であり、zは1から24の整数である)
の構造を有し得る。式(I)に示すように、A及びBは繰り返し基であり、式(I)のポリマーは末端反応性基(例えばアミノ基、カルボキシル基又はスルフヒドリル基)で5’末端で終結してもよく、末端基で3’末端で終結してもよい(末端基の非限定的な例には、水素、ヒドロキシル基、カルボニル基、アミノ基、リン酸基、ホスホジエステル基又はカチオンが含まれる)。任意の基[A]又は[B]、あるいは[A]又[B]を含む任意の成分若しくは構成成分は、相互に直接、又は当業者に知られている任意の基、例えばリン酸基又はホスホジエステル基を介して結合され得る。例えば、「標識」は、スペーサー又は[リンカー]が存在しない場合、[オリゴ]及び[標識]を架橋する基を介して[オリゴ]基に結合され得、このような基は当業者には知られており、限定されないが、リン酸基又はホスホジエステル基を含む。いくつかの実施態様では、式(I)のa:bの比は、1:1、2:1、1:2又は3:1である。いくつかの実施態様では、[A]のサイズ又は長さは、約8nmから約12nmである。他の実施態様では、[A]のサイズ又は長さは、約8nm未満である。他の実施態様では、[A]のサイズ又は長さにより、[B]を含む標識が、抗体(例えば標識に特異的で、その標識を検出するために使用される二次抗体)の抗原結合部位間の距離に近似する間隔を空けることを可能にする。いくつかの実施態様では、[A]は、正味の中性電荷(neutral charge)(例えば正に荷電したスペーサー成分によりほぼ中和され、負に荷電したオリゴヌクレオチド配列)を含む。
いくつかの実施態様では、aは1であり、bは1である。他の実施態様では、aは2であり、bは1である。いくつかの実施態様では、zは1から18の整数である。他の実施態様では、zは2から16の整数である。さらに他の実施態様では、zは2から9の整数である。さらに他の実施態様では、zは3から9の整数である。よりさらなる他の実施態様では、zは3、4、5又は9のうちのいずれか一つである。
いくつかの実施態様では、[A]は、式(II):
(式中、「オリゴ」は、1から約50ヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド配列(例えば一本鎖又は二本鎖)であり、オリゴヌクレオチド配列は70℃未満のTmを有し;「スペーサー」は、分岐又は非分岐状で置換又は無置換の飽和又は不飽和脂肪族基で、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、4から32個の炭素原子を有し;xは1又は2であり、yは0、1又は2である)
の構造を有する。yが0である実施態様では、[スペーサー]は結合であり、隣接する[オリゴ]基及び/又は[B]基(「標識」及び/又は「リンカー」)を[オリゴ]にカップリングすることができる。いくつかの実施態様では、xは1であり、yは1である。他の実施態様では、xは1であり、yは1である。さらに他の実施態様ではxは1であり、yは2である。
いくつかの実施態様では、[B]は、式(III):
(式中、「リンカー」は、分岐又は非分岐状で置換又は無置換の飽和又は不飽和脂肪族基であり、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有し、4から18個の炭素原子を有してもよく;「標識」は、ハプテン、色素原、酵素、フルオロフォア、及び量子ドットからなる群から選択され;mは0、1又は2であり、nは1又は2である)の構造を有し、mが0である場合、[リンカー]は結合であり、その結果「標識」がポリマー骨格[A].にカップリングし得る。いくつかの実施態様では、mは1であり、nは1である。
いくつかの実施態様において、式(I)の少なくとも一のポリマーは、特異的結合実体にカップリングされ、式(IVa)及び(IVb):
(式中、「特異的結合実体」は、用語が本明細書に定義されているような特異的結合実体(例えば抗体、抗体断片、薬物/抗体複合体、核酸)を表し;Rは末端基(例えば水素、ヒドロキシル基、カルボニル基、カチオン、アミノ基、リン酸基、ホスホジエステル基)であり;a及びbは、それぞれ独立して1から8の整数であり;zは1から24の整数である)
に示されるようなコンジュゲートを形成する。
いくつかの実施態様では、複数のポリマーが特異的結合実体にカップリングされる。他の実施態様では、式(I)の約1から約5個のポリマーが単一の特異的結合実体にカップリングされる(式(IVa)及び(IVb)は特異的結合実体への単結合のみを示すが、これは説明の目的のみのためであり、当業者であれば、複数のポリマーがカップリングされて得ることがわかるであろう)。いくつかの実施態様では、特異的結合実体は抗体であり、この場合抗体の任意の部分(例えば抗体のFc部分)にポリマーをカップリングすることができる。いくつかの実施態様では、2から5のポリマーが抗体にカップリングし、各ポリマーは約3から約18の標識を含む。当業者は、低い数のポリマー(すなわち低度の標識化)が抗体活性への有害作用を防止又は緩和することを理解するであろう。
いくつかの実施態様では、aは、1であり、bは1である。他の実施態様では、aは、2であり、bは1である。さらに他の実施態様では、zは、1から18の整数である。他の実施態様では、zは、2から16の整数である。さらに他の実施態様では、zは、2から9の整数である。さらに他の実施態様では、zは、3から9の整数である。よりさらなる他の実施態様では、zは、3、4、5又は9のうちのいずれか一つである。
いくつかの実施態様では、ポリマーは、式(V):
(式中、
「オリゴ」は、1から約50ヌクレオチドを有する一本鎖オリゴヌクレオチド配列であり、オリゴヌクレオチド配列は70℃未満のTmを有し;
「スペーサー」は、分岐又は非分岐状で置換又は無置換の飽和又は不飽和脂肪族基であり、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有し、4から32個の炭素原子を有してもよく;
「リンカー」は、分岐又は非分岐状で置換又は無置換の飽和又は不飽和脂肪族基であり、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、4から18個の炭素原子を有し;
「標識」は、ハプテン、フルオロフォア、色素原、及び酵素からなる群から選択され;
Rは、末端基であり(非限定的例は水素、ヒドロキシル基、カルボニル基、アミノ基、リン酸基、ホスホジエステル基又はカチオンを含む);
Tは、末端反応性部分を有する基であり;
xは、1又は2であり;yは、0、1又は2であり;zは、1から24の整数であり;
mは、0、1又は2であり;nは、1又は2であり;
aは、1から8の整数であり;bは、1又は2である)の構造を有し、
「オリゴ」、「スペーサー」又は「リンカー」のいずれも、相互に直接、又はリン酸基若しくはホスホジエステル基を含むがこれらに限定されない任意の基又は反応性基を介して結合され得、yが0の場合、[スペーサー]が結合であり、mが0の場合、[リンカー]が結合である。
yがゼロで[スペーサー]が結合である実施態様では、[リンカー]は、存在する場合、直接又は任意の基(例えばリン酸基又はホスホジエステル基)を介して[オリゴ]にカップリング又は結合されている。mがゼロで[リンカー]が結合である実施態様では、[標識]は、直接又は任意の基(例えばリン酸基又はホスホジエステル基)を介して[スペーサー]にカップリング又は結合されている。yがゼロであり、mもゼロである実施態様では、[標識]は、直接又は任意の基(例えばリン酸基又はホスホジエステル基)を介して[オリゴ]に結合されている。
いくつかの実施態様では、aは1であり、bは1である。他の実施態様では、aは2であり、bは1である。いくつかの実施態様では、zは1から18の整数である。他の実施態様では、zは2から16の整数である。さらに他の実施態様では、zは2から9の整数である。さらに他の実施態様では、zは3から9の整数である。よりさらなる他の実施態様では、zは3、4、5又は9のうちのいずれか一つである。
いくつかの実施態様では、xは1であり、yは1であり、mは1であり、nは1であり、aは1又は2であり、bは1であり、zは1から18の整数である。他の実施態様では、xは1であり、yは0であり、mは1であり、nは1であり、aは1又は2であり、bは1であり、zは1から18の整数である。さらなる実施態様では、xは1であり、yは2であり、mは1であり、nは1であり、zは3、4、5又は9であり、標識はフルオレセイン又はルオレセイン誘導体である。他の実施態様では、xは1であり、yは2であり、mは1であり、nは1であり、zは3、4、5又は9であり、標識はフルオレセイン又はルオレセイン誘導体であり、スペーサーは4から12個の炭素原子を含む。なおさらなる実施態様では、xは1であり、yは1であり、mは1であり、nは1であり、aは1又は2であり、bは1であり、zは1から18の整数であり、標識はハプテンである。なおさらなる実施態様では、xは1であり、yは1であり、mは1であり、nは1であり、aは1又は2であり、bは1であり、zは1から18の整数であり、標識はハプテンであり、スペーサーは4から12個の炭素原子を含む。いくつかの実施態様では、式(V)のa:bの比は、1:1である。他の実施態様では、式(V)のa:bの比は、2:1である。さらなる他の実施態様では、式(V)のa:bの比は、3:1である。いくつかの実施態様では、[オリゴ]は、2から24merを有するオリゴヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施態様では、[オリゴ]は、2から12merを有するオリゴヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施態様では、Tは、2から8個の炭素原と、特異的結合部分の適切な官能基(例えばアミノ基)と反応する末端官能基(例えば反応性基)とを含む脂肪族基である。いくつかの実施態様では、Tは、特異的結合実体(例えば抗体、核酸、薬物/抗体複合体/コンジュゲート)にカップリング、結合又は付着するのに必要な官能性を有する。他の実施態様では、Tは、抗体のアミノ基、スルフヒドリル基又は炭水化物基にカップリングするのに必要な官能性を有する。
他の実施態様では、ポリマーは、以下の式(VIa)の構造を有する。
いくつかの実施態様では、式(VIa)のポリマーは、2から12個の炭素原子を有するスペーサーと、ハプテン又はフルオレセインのうちの一つから選択される標識とを含み、xは1であり、yは1である。他の実施態様では、式(VIa)のポリマーは、2から12個の炭素原子を有するスペーサーと、ハプテン又はフルオレセインのうちの一つから選択される標識とを含み、xは1であり、yは1であり、aは1又は2であり、bは1又は2であり、zは3、4、5又は9のうちの一つである。他の実施態様では、式(VIa)のポリマーは、2から12個の炭素原子を有するスペーサーと、ハプテン又はフルオレセインのうちの一つから選択される標識とを含み、xは1であり、yは2である。他の実施態様では、式(VIa)のポリマーは、2から12個の炭素原子を有するスペーサーと、ハプテン又はフルオレセインのうちの一つから選択される標識とを含み、xは1であり、yは2であり、aは1又は2であり、bは1又は2であり、zは3、4、5又は9のうちの一つである。いくつかの実施態様では、[オリゴ]は、2から24merを有するオリゴヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施態様では、[オリゴ]は、2から12merを有するオリゴヌクレオチド配列を含む。
さらに他の実施態様では、ポリマーは、以下の式(VIb)の構造を有する。
いくつかの実施態様では、式(VIb)のポリマーは、2から12個の炭素原子を有するスペーサーと、ハプテン又はフルオレセインのうちの一つから選択される標識とを含み;zは3、4、5又は9のうちの一つである。いくつかの実施態様では、[オリゴ]は、2から24merを有するオリゴヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施態様では、[オリゴ]は、2から12merを有するオリゴヌクレオチド配列を含む。
さらに他の実施態様では、ポリマーは、以下の式(VIc)の構造を有する。
いくつかの実施態様では、式(VIc)のポリマーは、2から12個の炭素原子を有するスペーサーと、ハプテン又はフルオレセインのうちの一つから選択される標識とを含み;zは3、4、5又は9のうちの一つである。いくつかの実施態様では、[オリゴ]は、2から24merを有するオリゴヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施態様では、[オリゴ]は、2から12merを有するオリゴヌクレオチド配列を含む。
無論、式(V)、(VIa)、(VIb)、及び(VIc)のポリマーのいずれの5’末端の末端反応性基も、当該技術分野で知られている合成手順により、特異的結合実体の適切な官能基と反応しカップリングし、それぞれのコンジュゲートを形成し得る。いくつかの実施態様では、Tの末端反応性部分は、アミノ基、カルボキシル基又はスルフヒドリル基である。いくつかの実施態様では、Rは、水素、ヒドロキシル基、カルボニル基、アミノ基、リン酸基、ホスホジエステル基又はカチオンから選択される。いくつかの実施態様では、Rは、Na、K、Ca2+、Mg2+、Mn2+、Zn2+、NH 、Hから選択されるものを含むカチオンである。いくつかの実施態様では、Rは、カルボン酸である。例にすぎないが、Rは、ORであってもよく、この場合、Rはカチオンである。
いくつかの実施態様では、式(I)、式(V)又は式(VIaからVIc)の少なくとも一のポリマー又はそれらの任意の組合せを特異的結合実体にカップリングさせ、例えば以下の式(VId)
(式中、「オリゴ」は、1から約32ヌクレオチドを有する一本鎖又は二本鎖オリゴヌクレオチド配列であり、オリゴヌクレオチド配列は70℃未満のTmを有し;「スペーサー」は、分岐又は非分岐状で置換又は無置換の飽和又は不飽和脂肪族基であり、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、4から24個の炭素原子を有し;「リンカー」は、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、4から18個の炭素原子を有する脂肪族基であり;「標識」は、ハプテン、酵素、色素原、フルオロフォア、及び量子ドットからなる群から選択され;「特異的結合実体」は、抗体、抗体断片、核酸又は薬物/抗体コンジュゲートであり;Rは、末端基であり(非限定的な例は水素、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボニル基、リン酸基、ホスホジエステル基又はカチオンを含む);xは、1又は2であり;yは、0、1又は2であり;zは、1から8の整数であり;aは、1から8の整数であり;bは、1から8の整数である)に示されるようなコンジュゲートであって、「オリゴ」、「スペーサー」又は「リンカー」のいずれも、相互に直接、又は任意の基を介して結合され得;yが0の場合、[スペーサー]が結合であり;mが0の場合、[リンカー]が結合であるコンジュゲートを形成することができる。yがゼロで[スペーサー]が結合である実施態様では、[リンカー]は、存在する場合、直接又は任意の基(例えばリン酸基又はホスホジエステル基)を介して[オリゴ]にカップリング又は結合されている。mがゼロで[リンカー]が結合である実施態様では、[標識]は、直接又は任意の基(例えばリン酸基又はホスホジエステル基)を介して[スペーサー]にカップリング又は結合されている。yがゼロであり、mもゼロである実施態様では、[標識]は、直接又は任意の基(例えばリン酸基又はホスホジエステル基)を介して[オリゴ]に結合されている。
いくつかの実施態様では、xは1であり、yは1であり、mは1であり、nは1であり、aは1又は2であり、bは1であり、zは1から18の整数である。他の実施態様では、xは1であり、yは0であり、mは1であり、nは1であり、aは1又は2であり、bは1であり、zは1から18の整数である(この場合[スペーサー]は結合であり、[リンカー]は[オリゴ]にカップリングされている)。さらなる実施態様では、xは1であり、yは2であり、mは1であり、nは1であり、zは3、4、5又は9であり、標識はフルオレセイン又はルオレセイン誘導体である。他の実施態様では、xは1であり、yは2であり、mは1であり、nは1であり、zは3、4、5又は9であり、標識はフルオレセイン又はルオレセイン誘導体であり、スペーサーは4から12個の炭素原子を含む。なおさらなる実施態様では、xは1であり、yは1であり、mは1であり、nは1であり、aは1又は2であり、bは1であり、zは1から18の整数であり、標識はハプテンである。なおさらなる実施態様では、xは1であり、yは1であり、mは1であり、nは1であり、aは1又は2であり、bは1であり、zは1から18の整数であり、標識はハプテンであり、スペーサーは4から12個の炭素原子を含む。いくつかの実施態様では、式(V)のa:bの比は、1:1である。他の実施態様では、式(V)のa:bの比は、2:1である。さらなる他の実施態様では、式(V)のa:bの比は、3:1である。いくつかの実施態様では、[オリゴ]は、2から24merを有するオリゴヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施態様では、[オリゴ]は、2から12merを有するオリゴヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施態様では、複数のポリマーが特異的結合実体にカップリングされる。他の実施態様では、式V、VIa、VIb、VIc又はVId(又はそれらの任意の組み合わせ)の約1から約5のポリマーが単一の特異的結合実体にカップリングされる。いくつかの実施態様では、式(VId)のコンジュゲートは、提供された特異的結合実体によって組織試料中の標的と(例えばコンジュゲート−標的複合体を形成するために)結合する検出プローブとして使用される。無論、当業者であれば、複数の標的(例えば複数の遺伝子発現産物及び/又は複数の標的核酸配列)の検出を容易にするために、式(VId)の複数の異なるコンジュゲートが相互のコンジュゲーションにおいて使用され得ることを認めるであろう。
オリゴヌクレオチド
本開示のポリマーは、本明細書に記載されているように、ポリマー骨格の構成部分としてオリゴヌクレオチドを利用するのであり、ポリマー骨格はポリマーが一又は複数の標識用の担体として役立つことを可能にする。いくつかの実施態様では、オリゴヌクレオチド配列は、約1から約50ヌクレオチド(「mer」)又は約2から約50mer(すなわち[オリゴ]の[オリゴ]は1から50は1〜50merを含み、この場合xは1より大きく、[オリゴ]x基は50mer超を含有し得る)。いくつかの実施態様では、オリゴヌクレオチド配列は、約70°C未満の溶融温度(T)を有する。他の実施態様では、オリゴヌクレオチド配列は、約37°C未満の溶融温度(T)を有する。他の実施態様では、オリゴヌクレオチド配列は、35mer未満を含む。さらに他の実施態様では、オリゴヌクレオチド配列は、2から24merを含む。なおさらなる実施態様では、オリゴヌクレオチド配列は、20mer以下を含む。いくつかの実施態様では、オリゴヌクレオチドは六量体である。いくつかの実施態様では、配列は、自己相補的構造を形成しないように選択される。
一般に、オリゴヌクレオチド配列は、限定されず、任意の配列を有し得る。いくつかの実施態様では、オリゴヌクレオチド配列は均一であり、すなわち単一のヌクレオチド(例えばポリT配列)を含む。他の実施態様では、オリゴヌクレオチド配列は不均一であり、すなわち複数のヌクレオチドを含み、このヌクレオチドは無作為に又は繰り返し基内に編成することができる。さらに他の実施態様では、この配列は、担体としてのみ機能するのではなく、バーコードなどの特定の情報をコードするように設計することができる。特定の例示的に開示された実施態様は、ビルディングブロックオリゴヌクレオチドとしてTATTTTを使用することに関し、特定の開示されたオリゴヌクレオチドの実施態様は以下を含む。
24−mer: TATTTT TATTTT TATTTT TATTTT (T 36.9℃)
30−mer: TATTTT TATTTT TATTTT TATTTT TATTTT (T 42.5℃)
42−mer:: TATTTT TATTTT TATTTT TATTTT TATTTT TATTTT TATTTT (T 48.9℃)
64−mer: TATTTT TATTTT TATTTT TATTTT TATTTT TATTTT TATTTT TATTTT TATTTT (T 52.4℃)
いくつかの実施態様では、オリゴヌクレオチド配列は一本鎖である。他の実施態様では、オリゴヌクレオチド配列は二本鎖である。さらに他の実施態様では、オリゴヌクレオチド配列は、化学的に修飾することができる。なおさらなる実施態様では、オリゴヌクレオチドは、目的の配列に対してアンチセンスである。
オリゴヌクレオチドを構成するヌクレオチドは、天然又は合成であり得る。適切なオリゴヌクレオチドは、天然に存在するヌクレオシドアデノシン、グアノシン、シチジン、チミジン、及びウリジン、修飾ヌクレオシド、置換ヌクレオシド又は無置換ヌクレオシド、プリン又はピリミジン塩基、又はそれらの組み合わせから構成され得る。そのようなプリン及びピリミジン塩基には、限定されないが、天然プリン、及びアデニン、シトシン、チミン、グアニン、ウラシル等のピリミジン、又はイソシトシン、6−メチルウラシル、4,6−ジ−ヒドロキシピリミジン、ヒポキサンチン、キサンチン、2,6−ジアミノプリン、5−アザシトシン、5−メチル システイン等の他のプリン及びピリミジンが含まれる。ヌクレオシドは、非天然ヌクレオシドであってもよい。ヌクレオシドは、天然に存在するホスホジエステル結合又は修飾結合により接合されていてもよい。ヌクレオシドはまた、ホスホロチオエート結合又はメチルホスホネート結合により接合されていてもよい。
標識
ポリマー骨格にカップリングされた標識(例えば式(I)参照)は、ハプテン、フルオロフォア、色素原、酵素、リガンド、リン光若しくは化学発光剤、又は量子ドット、又は他の任意の適切な実体から選択することができる。選択する標識の種類は、合成するポリマーと、適切な特異的結合実体へのコンジュゲーション後のポリマーの最終的な役割とによって決まる。例えば、いくつかの実施態様では、標識は、ポリマーを抗体にコンジュゲートする場合、直接検出され得るように選択することができる(例えばフルオレセイン又はフルオレセイン誘導体若しくは類似体)。他の実施態様では、標識は、ポリマーを抗体にコンジュゲートする場合、間接的に検出され得るように選択することができる(例えばハプテンに特異的な二次抗体を用いることによるハプテン標識の検出。この場合二次抗体は、検出可能な部分にコンジュゲートされる)。様々な目的に適した標識の選択についてのガイダンスが、例えばSambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)及びAusubel ら, Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing Associates and Wiley-Intersciences (1987)に記載されており、これらの開示は参照により本明細書に援用される。
「ハプテン」は、抗体と特異的組み合わせることができる小分子であるが、通常、担体分子との組み合わせの場合を除いて、実質的に免疫原性であり得ない。いくつかの実施態様では、ハプテンは、限定されないが、ピラゾール(例えばニトロピラゾール;ニトロフェニル化合物;ベンゾフラザン;トリテルペン;尿素(例えばフェニル尿素);チオ尿素(例えばフェニルチオ尿素);ロテノン及びロテノン誘導体;オキサゾール(例えばオキサゾールスルホンアミド);チアゾール(例えばチアゾールスルホンアミド);クマリン及びクマリン誘導体;及びシクロリグナンを含む。ハプテンのさらなる非限定的な例には、チアゾール;ニトロアリール;ベンゾフラン;トリテペン(triperpene);及びシクロリグナンが含まれる。ハプテンの特定の例には、ジ−ニトロフェニル、ビオチン、ジゴキシゲニン、及びフルオレセイン、並びにそれらの任意の誘導体又は類似体が含まれる。他のハプテンは、米国特許第8846320号;第8618265号;第7695929号;第8481270号;及び第9017954号に記載されており、これらの開示は全体が参照により本明細書に援用される。ハプテン自体は、直接的な検出に適している場合があり、すなわち検出に適したシグナルを発する場合がある。
フルオロフォアは、クマリン、フルオレセイン(又はフルオレセイン誘導体及び類似体)、ローダミン、レゾルフィン、発光団、及びシアニンを含む複数の一般的な化学クラスに属する。蛍光分子のさらなる例は、オレゴン州ユージーンMolecular ProbesのThe Handbook - A Guide to Fluorescent Probes and Labeling Technologiesに見出すことができる。
標識が酵素を含む場合、発色部分、蛍光発生化合物又は発光化合物などの検出可能な基質(すなわち酵素の基質)を酵素と組み合わせて使用して、検出可能なシグナル(多種多様な前記化合物は、例えばオレゴン州ユージーンのInvitrogen Corporationから市販されている)を発生させることができる。発色性化合物/基質の特定の例には、ジアミノベンジジン(DAB)、4−ニトロフェニルホスフェート(pNPP)、ファストレッド、ブロモクロロインドリルホスフェート(BCIP)、ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)、BCIP/NBT、ファストレッド、APオレンジ、APブルー、テトラメチルベンジジン(TMB)、2,2’−アジノ−ジ−[3−エチルベンゾチアゾリン スルホネート](ABTS)、o-ジアニシジン、4−クロロナフトール(4−CN)、ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド(ONPG)、o−フェニレンジアミン(OPD)、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β-ガラクトピラノシド(X−Gal)、メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトピラノシド(MU−Gall)、p−ニトロフェニル−α−D−ガラクトピラノシド(PNP)、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β-D−グルクロニド(X−Gluc)、3−アミノ−9−エチル カルバゾール(AEC)、フクシン、ヨードニトロテトラゾリウム(INT)、テトラゾリウムブルー、及びテトラゾリウムバイオレットが含まれる。
あるいは、酵素を金属組織学的検出スキームにおいて使用することができる。金属組織学的検出法は、水溶性金属イオン及び酵素の酸化還元不活性基質と組み合わせて、アルカリホスファターゼなどの酵素を使用することを含む。いくつかの実施態様では、基質は酵素によって酸化還元活性剤に変換され、酸化還元活性剤は金属イオンを還元して、検出可能な沈殿物を形成する。(例えば、2004年12月20日に出願された米国特許出願第11/015646号,、PCT公開第2005/003777号、及び米国特許出願公開第2004/0265922号を参照されたい。なお、これらの各々は参照により本明細書に援用される。)金属組織学的検出法は、水溶性金属イオン、酸化剤、及び還元剤とともに酸化還元酵素(ホースラディッシュペルオキシダーゼなど)を用いて、やはり検出可能な沈殿物を形成することを含む。(例えば、参照により本明細書に援用される米国特許第6670113号を参照されたい。)
いくつかの実施態様において、「標識」は、ジ−ニトロフェニル、ビオチン、ジゴキシゲニン、フルオレセイン、ローダミン又はそれらの組み合わせからなる群から選択される。他の実施態様において、「標識」は、オキサゾール、ピラゾール、チアゾール、ニトロアリール、ベンゾフラン、トリテルペン、尿素、チオ尿素、ロテノイド、クマリン、シクロリグナン又はそれらの組み合わせからなる群から選択される。さらなる他の実施態様において、「標識」は、5−ニトロ−3−ピラゾール カルバミド、2−(3,4−ジメトキシフェニル)キノリン−4−カルボン酸)、3−ヒドロキシ−2−キノキサリンカルバミド、2,1,3−ベンゾオキサジアゾール−5−カルバミド、及び2−アセトアミド−4−メチル−5−チアゾールスルホンアミドからなる群から選択される。
当業者は、ポリマーへの取り込みのための適切な数の標識を選択することができ、標識の数は、検出が直接的であるか間接的であるかに基づいて変化し得る。いくつかの実施態様では、標識の数は、ポリマー当たり1から36標識である。他の実施態様では、標識の数は、式(I)のポリマー当たり3から24標識である。さらなる他の実施態様では、標識の数は、式(I)のポリマー当たり3から18標識である。なおさらなる他の実施態様では、標識の数は、式(I)のポリマー当たり3から12標識である。他の実施態様では、標識の数は、式(I)のポリマー当たり3標識、5標識、9標識、12標識、及び18標識から選択される。無論、複数のポリマーが単一の特異的結合部分にカップリングされると、特異的結合部分当たりの標識の数は、ポリマーの数及びポリマーにコンジュゲートした標識の数の関数として増加する。例えば、4つのカップリングされたポリマーを有する抗体に関して、各ポリマーが9つの標識を有する場合、この予見的抗体コンジュゲートは、直接的に検出され得るか又は間接的に検出され得る36の標識を有する。
スペーサー
ポリマーは、一又は複数のスペーサーを含んでもよい。いくつかの実施態様では、「スペーサー」は、分岐又は非分岐状で置換又は無置換の飽和又は不飽和基(例えば脂肪族基)であり、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、4から32個の炭素原子を有する。他の実施態様では、「スペーサー」は、分岐又は非分岐状で置換又は無置換の飽和又は不飽和基(例えば脂肪族基)であり、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、4から24個の炭素原子を有する。さらなる他の実施態様では、「スペーサー」は、置換又は無置換であり得、O、N又はSから選択される1つ以上のヘテロ原子を有してもよく、4から24個の炭素原子を有する線状鎖である。
いくつかの実施態様では、「スペーサー」全体がポリマー骨格の一部を構成する。例えば、「スペーサー」が本明細書の式(IX)のスペーサーの構造を有すると仮定すると、「スペーサー」の両末端は、[オリゴ]基にカップリングされ、「スペーサー」の他の官能基が[B]基([標識]及び/又は[リンカー])を[スペーサー]にカップリングする。「スペーサー」全体がポリマー骨格の一部を構成するいくつかの実施態様では、[B]基([標識]及び/又は[リンカー])は、「スペーサー」の末端又は3’部分にカップリングされる。
「スペーサー」が分岐している場合、又は「スペーサー」が置換されている場合などの他の実施態様では、「スペーサー」のいくつかの構成部分が骨格[A]の一部を形成することができ、他の構成部分は側鎖を形成するか、又は[B]基の「スペーサー」へのカップリングを補助する。他の実施態様では、任意の「スペーサー」の少なくとも4個の炭素原子、又は4個の炭素原子とヘテロ原子との組み合わせが、ポリマー骨格の一部を含む(例えば式(I)の[A]を参照)。他の実施態様では、少なくとも6個の炭素原子、又は6個の炭素原子と任意の「スペーサー」のヘテロ原子との組み合わせが、ポリマー骨格の一部を含む。
いくつかの実施態様では、「スペーサー」は、以下の式(VII):
(式中、d及びeは、各々独立して1から32の整数であり;Qは、結合、O、S、N(R)(R)又は第4級アミン(NH(R)(R))であり;R及びRは、独立してH、C−Cアルキル基、F、Cl又はN(Rc)(R)であり;R及びRは、独立してCH又はHである)
に示す構造を有する。いくつかの実施態様では、d及びeは、各々独立して2から18の整数である。いくつかの実施態様では、dは1から8の整数であり;eは2から16の整数である。他の実施態様では、dは2から8の整数であり;eは2から12の整数である。いくつかの実施態様では、式(VII)の「スペーサー」全体がポリマー骨格[A]内に組み込まれる。
他の実施態様では、「スペーサー」は、以下の式(VIII):
(式中、d及びeは、各々独立して1から32の整数であり;Qは、結合、O、S又はN(R)(R)であり;R及びRは、独立してCH又はH.である)
に示す構造を有する。いくつかの実施態様では、QはOである。いくつかの実施態様では、dは1から8の整数であり;eは2から16の整数である。他の実施態様では、dは2から8の整数であり;eは2から12の整数である。いくつかの実施態様では、式(VIII)の「スペーサー」全体がポリマー骨格[A]内に組み込まれる。
さらなる他の実施態様では、「スペーサー」は、以下の式(IX):
(式中、d及びeは、各々独立して1から32の整数である)
に示す構造を有する。いくつかの実施態様では、dは1から4であり;eは1から8である。いくつかの実施態様では、dは1から8の整数であり;eは2から16の整数である。他の実施態様では、dは2から8の整数であり;eは2から12の整数である。いくつかの実施態様では、式(IX)の「スペーサー」全体がポリマー骨格[A]内に組み込まれる。
本開示の特定の開示された実施態様を実施するために有用な、さらなるヘテロ二官能性ポリアルキレングリコールスペーサーは、2006年4月28日出願の米国特許出願第11/413778号の「ナノ粒子コンジュゲート」;2006年4月27日出願の米国出願第11/413415号の「抗体コンジュゲート」;及び2005年11月23日出願の米国仮特許出願第60/739794号の「分子コンジュゲート」を含む、譲受人の同時係属中の出願に記載されており、これらの出願のすべては参照により本明細書に援用される。
いくつかの実施態様では、「スペーサー」の構成成分は、「スペーサー」が正味の正電荷を有するように選択される。いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、正味の正電荷を有する「スペーサー」は、典型的にはポリマーのオリゴヌクレオチド配列に関連する正味の負電荷を均衡させることができると考えられる。したがって、[スペーサー]又は[オリゴ]−[スペーサー]の電荷は、ポリマー骨格が特定の電子配置を提供し得るように修飾することができると考えられる。
いくつかの実施態様では、適切なスペーサーは、標識を含むポリマー骨格成分間の立体阻害が最小限に抑えられるような、十分な長さ及び/又はサイズのものである。同様に、特定の官能基は、立体相互作用又は他の化学的及び/若しくは物理的相互作用を最小にするように選択され得る。いくつかの実施態様では、スペーサーは、例えば連続するオリゴヌクレオチド成分又は標識成分間の立体阻害を最小限にするように選択され得る。
いくつかの実施態様では、「スペーサー」及び「オリゴ」成分並びにこれらの成分のそれぞれが繰り返し基ごとに繰り返される回数は、−([オリゴ]x−[スペーサー]y)a−のサイズ又は長さが最適化されるように選択される。「最適化される」とは、「オリゴ」及び「スペーサー」成分(又はこれらの基の構成部分)及び/又はそれぞれが繰り返される回数が、ポリマー骨格の構造により、そこに付着した標識が抗体(例えば二次抗標識抗体)の抗原結合部位間の距離に近似した間隔を空けてか又はそのような間隔で並ぶような配置(例えば特定の空間配置又は電子配置を有すること)であるように選択される。また、例えば式(I)に関連して、いくつかの実施態様では、[A]の構成成分及び[B]に対して[A]が繰り返される回数は、ポリマー骨格に付着した標識が二次抗体の抗原結合部位間の距離に近似する距離を相互に空けるように最適化され、この場合二次抗体は標識の検出のために用いられる抗標識抗体である。無論、−([オリゴ]−[スペーサー]−は、サイズ又は長さが抗原結合部位間の距離よりも多くても少なくてもよいが、ポリマー骨格内に「柔軟性」があり、それにより空間適合され、抗原結合部位間の距離に「順応」し得ることを当業者は認めるであろう。
例えば、いくつかの実施態様では、-([オリゴ]−[スペーサー]−の構成部分は、-([オリゴ]−[スペーサー]−の長さが抗体の抗原結合部位間の距離とほぼ同じであるように選択される(図4参照)。他の実施態様では、-([オリゴ]−[スペーサー]−の構成部分は、-([オリゴ]−[スペーサー]−の長さが抗体の抗原結合部位間の距離に満たないように選択される。他の実施態様では、-([オリゴ]−[スペーサー]−の構成部分は、-([オリゴ]−[スペーサー]−の長さが約12nm未満であるように選択される。他の実施態様では、-([オリゴ]−[スペーサー]−の構成部分は、-([オリゴ]−[スペーサー]−の長さが約10nm未満であるように選択される。他の実施態様では、-([オリゴ]−[スペーサー]−の構成部分は、-([オリゴ]−[スペーサー]−の長さが約9.5nm未満であるように選択される。他の実施態様では、-([オリゴ]−[スペーサー]−の構成部分は、-([オリゴ]−[スペーサー]−の長さが約8nmから12nmであるように選択される。さらなる他の実施態様では、-([オリゴ]−[スペーサー]−の構成部分は、-([オリゴ]−[スペーサー]−の長さがが1nmから約3nmであるように選択される。無論、当業者は、選択された−([オリゴ]−[スペーサー]−の構成部分及び得られる長さが利用される特定の抗体に基づくことを認めるであろう。そのような距離を−([オリゴ]−[スペーサー]−に導入することにより、最大検出感度及び/又は他の特異的結合実体(例えば二次抗体)による標識の結合のために、標識を最適な位置に置き、最適な間隔を保つことが可能になると考えられている(図4参照)。
リンカー
ポリマーは、一又は複数のリンカーを含んでもよい。いくつかの実施態様では、「リンカー」は、分岐又は非分岐状で置換又は無置換の飽和又は不飽和基(例えば脂肪族基)であり、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、4から18個の炭素原子を有する。
いくつかの実施態様では、「リンカー」全体がポリマー骨格[A]を架橋して「標識」にカップリングする。例えば、「リンカー」が本明細書の式(IX)のリンカーの構造を有すると仮定すると、「リンカー」の一方の末端はポリマー骨格[A]にカップリングされており、他方の末端は「標識」にカップリングされており、「リンカー」は、ポリマー骨格[A]又は「標識」のいずれかに直接又はリン酸基若しくはホスホジエステル基を含むがこれらに限定されない任意の基を介してカップリングされてもよい。いくつかの実施態様では、任意の「リンカー」の少なくとも4個の炭素原子、又は4個の炭素原子とヘテロ原子との組み合わせが、ポリマー骨格を「標識」にカップリングしている「架橋」の一部を含む。
いくつかの実施態様では、「リンカー」は、以下の式(VII):
(式中、d及びeは、各々独立して4から18の整数であり;Qは、結合、O、S又はN(R)(R)であり;R及びRは、独立してH、C−Cアルキル基、F、Cl又はN(Rc)(R)であり;R及びRは、独立してCH又はHである)
に示す構造を有する。いくつかの実施態様では、d及びeは、各々独立して4から12の整数である。
他の実施態様では、「リンカー」は、以下の式(VIII):
(式中、d及びeは、各々独立して4から18の整数であり;Qは、結合、O、S又はN(R)(R)であり;R及びRは、独立してCH又はHである)
に示す構造を有する。いくつかの実施態様では、QはOである。
さらなる他の実施態様では、「リンカー」は、以下の式(IX):
(式中、d及びeは、各々独立して4から18の整数である)
に示す構造を有する。いくつかの実施態様では、dは4から8の整数である。
アルキレンオキシド「リンカー」は、エチレングリコールなどのグリコールを参考にして本明細書に示す。本開示のハプテンコンジュゲートは、「リンカー」の親水性が該コンジュゲートの炭化水素鎖に対して増加している場合に特に有用であることが判明している。結果として、グリコールなどのアルキレンオキシドは、この開示を実施するために有用であることが判明している。当業者であれば、酸素原子の数が増加するにつれて、化合物の親水性もまた増加し得ることを理解するであろう。したがって、本開示の「リンカー」は一般に、Qが酸素である式(VII)、(VIII)、及び(IX)によって表される構造を有する。本開示の特定の開示された実施態様を実施するために有用な、さらなるヘテロ二官能性ポリアルキレングリコールスペーサーは、2006年4月28日出願の米国特許出願第11/413778号の「ナノ粒子コンジュゲート」;2006年4月27日出願の米国出願第11/413415号の「抗体コンジュゲート」;及び2005年11月23日出願の米国仮特許出願第60/739794号の「分子コンジュゲート」を含む、譲受人の同時係属中の出願に記載されており、これらの出願のすべては参照により本明細書に援用される。
ポリマーの例
ポリマーの例1
一つの特定の実施態様において、ポリマーは、以下の式(Xa):
5’(アミノC6)−TATTTT[DNP]TATTTT[DNP]TATTTT[DNP]T (Xa)
に示される構造を有し、
上式中、アミノC6は、6個の炭素原子を有する末端官能基(例えば反応性基)及び特異的結合実体にカップリングし得る第一級又は第二級アミンを表し;[TATTTT]は、オリゴヌクレオチド配列であり;DNPはハプテンである。この特定の例では、「スペーサー」は存在せず、DNPは「リンカー」(図示せず)を介してポリマー骨格にカップリングされている。この例では、オリゴヌクレオチド配列を[TATTT]として表しているが、ヌクレオチドの任意の組み合わせを有するより長い又はより短い配列を利用することもできる。この特定の実施態様は、3つの標識及び3つのオリゴヌクレオチド配列を含むものとして示されている。無論、この特定の実施態様は、スペーサーを含むように変更することができる。
ポリマーの例2
5’(アミノC6)−TATTTT[DNP]TATTTT[DNP]TATTTT[DNP]TATTTT[DNP]T (Xb)
例2は、4つの標識及び4つのオリゴヌクレオチド配列を含有すること以外は、例1のポリマーと同様である。例1と同様に、この特定の実施態様は、スペーサーを含むように変更することができ、リンカーを介して骨格にDNPをカップリングすることができる。
ポリマーの例3
別の特定の実施態様において、ポリマーは、以下の式(Xc):
5’(アミノC6)−TATTTT[DNP]TATTTT[DNP]TATTTT[DNP]TATTTT[DNP]TATTTT[DNP]T (Xc)
に示される構造を有し、
上式中、アミノC6は、特異的結合実体にカップリングし得る末端官能基を表し;[TATTTT]は、オリゴヌクレオチド配列であり;DNPはハプテンである。この特定の例では、「スペーサー」は存在せず、DNPは「リンカー」(図示せず)を介してポリマー骨格にカップリングされている。この例では、オリゴヌクレオチド配列を[TATTT]として表しているが、ヌクレオチドの任意の組み合わせを有するより長い又はより短い配列を利用することもできる。この特定の実施態様は、5つの標識及び5つのオリゴヌクレオチド配列を含むものとして示されているが、以下の例4で示すように、9つの標識及び9つのオリゴヌクレオチド配列を含む変異体も考えられる。例3及び4は、スペーサーを含むように変更することができる。
ポリマーの例4
例4は、9つの標識及び9つのオリゴヌクレオチド配列を含有すること以外は、例3のポリマーと同様である。例3と同様に、この特定の実施態様は、スペーサーを含むように変更することができ、リンカーを介して骨格にDNPをカップリングすることができる。
5’(アミノC6)−TATTTT[DNP]TATTTT[DNP]TATTTT[DNP]TATTTT[DNP]TATTTT[DNP]TATTTT[DNP]TATTTT[DNP] TATTTT[DNP]TATTTT[DNP]T (Xd)
ポリマーの例5
別の特定の実施態様において、ポリマーは、以下の式(Xe):
5’(アミノC6)−TA[Sp〜C18][DNP]TA[Sp〜C18][DNP]TA[Sp〜C18][DNP]
TA[Sp〜C18][DNP]TA[Sp〜C18][DNP]TA[Sp〜C18][DNP]TA[Sp〜C18][DNP]TA[Sp〜C18][DNP]TA[Sp〜C18][DNP]T (Xe)
に示される構造を有し、
上式中、アミノC6は、特異的結合実体にコンジュゲートし得る末端官能基を表し;[TA]は、オリゴヌクレオチド配列であり;[SP〜C18]は、少なくとも18個の原子を含むスペーサーであり; DNPはハプテンである。DNPは、「リンカー」(図示せず)を介してポリマー骨格にカップリングされている。この例では、オリゴヌクレオチド配列を[TA]として表しているが、ヌクレオチドの任意の組み合わせを有するより長い配列を利用することもできる。この特定の実施態様は、9つの標識、9つのスペーサー、及び9つのオリゴヌクレオチド配列を含むが、5つの標識、5つのスペーサー、及び5つのオリゴヌクレオチド配列を含む同様の変異体;並びに3つの標識、3つのスペーサー、及び3つのオリゴヌクレオチド配列を含む同様の変異体のものも考えられる。
ポリマーの例6
別の特定の実施態様において、ポリマーは、以下の式:
5’(アミノC6)−TA[Sp〜C18][Fl]TA[Sp〜C18][Fl]TA[Sp〜C18][Fl]TA[Sp〜C18][Fl]TA[Sp〜C18][Fl]TA[Sp〜C18][Fl]TA[Sp〜C18][Fl]TA[Sp〜C18][Fl]TA[Sp〜C18][Fl]T (Xf)
(Xf)により示される構造を有し、
上式中、アミノC6は、特異的結合実体にカップリングし得る末端官能基を表し;[TA]は、オリゴヌクレオチド配列であり;[SP〜C18]は、少なくとも18個の原子を含むスペーサーであり;[FI]はフルオレセイン(又はフルオレセイン誘導体)などのフルオロフォアである。FIは、「リンカー」(図示せず)を介してポリマー骨格にカップリングされている。この例では、オリゴヌクレオチド配列を[TA]として表しているが、ヌクレオチドの任意の組み合わせを有するより長い配列を利用することもできる。この特定の実施態様は、9つの標識、9つのスペーサー、及び9つのオリゴヌクレオチド配列を含むが、5つの標識、5つのスペーサー、及び5つのオリゴヌクレオチド配列を含む同様の変異体;4つの標識、4つのスペーサー、及び4つのオリゴヌクレオチド配列を含む同様の変異体のもの;並びに3つの標識、3つのスペーサー、及び3つのオリゴヌクレオチド配列を含む同様の変異体のものも考えられる。
ポリマーの例7
別の特定の実施態様において、ポリマーは、以下の式(Xg):
5’(アミノC6)−T[Sp〜C18]T[Sp〜C18][FI]T[Sp〜C18]T[Sp〜C18][FI]T[Sp〜C18]T[Sp〜C18][FI]T[Sp〜C18]T[Sp〜C18][FI]T[Sp〜C18]T[Sp〜C18][FI]T[Sp〜C18]T[Sp〜C18][FI]T[Sp〜C18]T[Sp〜C18][FI]T[Sp〜C18]T[Sp〜C18][FI]T[Sp〜C18]T[Sp〜C18][FI]T (Xg)
により示される構造を有し、
上式中、アミノC6は、特異的結合実体にカップリングし得る末端官能基を表し;[T]は、オリゴヌクレオチド配列であり;[SP〜C18]は、少なくとも18個の原子を含むスペーサーであり;[FI]はフルオレセイン(又はフルオレセイン誘導体)などのフルオロフォアである。FIは、「リンカー」(図示せず)を介してポリマー骨格にカップリングされている。この特定の実施態様では、ポリマー骨格は、2つのオリゴヌクレオチド配列と2つのスペーサーを交互配置で含む。[FI]基は、このポリマー骨格にコンジュゲートされる。この例では、オリゴヌクレオチド配列を[T]として表しているが、ヌクレオチドの任意の組み合わせを有するより長い配列を利用することもできる。この特定の実施態様は、9つの標識、9つのスペーサー、及び9つのオリゴヌクレオチド配列を含むが、5つの標識、5つのスペーサー、及び5つのオリゴヌクレオチド配列を含む同様の変異体;4つの標識、4つのスペーサー、及び4つのオリゴヌクレオチド配列を含む同様の変異体のもの;並びに3つの標識、3つのスペーサー、及び3つのオリゴヌクレオチド配列を含む同様の変異体のものも考えられる。
ポリマーコンジュゲート
いくつかの実施態様では、本明細書に記載のポリマーは、式(IVa)、(IVb)又は(VId)に示すような特異的結合実体にカップリングすることができる。いくつかの実施態様では、少なくとも一のポリマーが特異的結合実体にカップリングされる。他の実施態様では、式(I)、(V)、(VIa)、(VIb)又は(VIc)のいずれかの又は式(XaからXg)におけるポリマーを含めた複数のポリマーが特異的結合実体にカップリングされている。いくつかの実施態様では、特異的結合実体は、核酸配列である。他の実施態様では、特異的結合実体は、抗体、例えば一次抗体である。さらなる他の実施態様では、特異的結合実体は、薬物/抗体コンジュゲートである。
本明細書に開示されるコンジュゲートは、検出プローブとしての役割を果たし、ISH、IHC、及び他のアッセイ(例えば免疫検出アッセイ、フローサイトメトリー、顕微鏡検査、イメージング、高コントラスト含有量スクリーニング(high contrast content screening)、免疫細胞化学アッセイ、免疫磁気細胞枯渇 アッセイ、免疫磁気細胞捕捉アッセイ、酵素免疫アッセイ、酵素結合免疫アッセイ等)において利用することができる。いくつかの実施態様では、ポリマーコンジュゲートは、多重検出アッセイにおける使用に適している。いくつかの実施態様では、本明細書に記載のコンジュゲートは、組織試料内の標的を検出できるような検出プローブとして役立つ。例えば、ポリマー−抗体コンジュゲートを使用して、特定の遺伝子発現産物を検出することができる。例えば、ポリマー−抗体コンジュゲートは、がんに関連するタンパク質、例えばHER2/neu(又はHER2タンパク質)、c−Myc、n−Myc、Abl、EGFRタンパク質、TOP2A、Bcl2、Bcl6、Rb1、p53又はc−Met一次抗体を検出する抗体を含んでもよい。本開示のコンジュゲート(抗体コンジュゲート及び核酸コンジュゲートを含む)で検出することができる他の標的は、本明細書にさらに記載される(ただし本明細書に示される例に限定されない)。
いくつかの実施態様では、一又は複数のポリマーを一次抗体にカップリングさせて、ポリマー−抗体−コンジュゲート(「コンジュゲート」又は「抗体コンジュゲート」)を形成する。任意の特定の一次抗体にカップリングすることができるポリマーの数は、当然、選択した特定の抗体と、その物理的及び/又は化学的特性に依存する。いくつかの実施態様では、標識化の程度である抗体当たりのポリマーの数は、当該コンジュゲート抗体の吸収スペクトルによって決定され、約2から約4の範囲である。他の実施態様において、標識化の程度は、約2より大きい。他の実施態様において、標識化の程度は、約2.5又は2.3又は2.1である。さらに他の実施態様において、標識化の程度は、約4である。いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、比較的低い程度の標識化は、抗体の機能性(例えば標識化抗体の抗原結合性又は長期安定性)への有害作用を防止又は緩和すると考えられる。例えば、特異的結合実体に付着した少数のポリマー(本明細書中に記載の構造を有する)は、立体相互作用を防止又は緩和するのを妨げると考えられる。
ポリマーは、抗体の任意の部分にカップリングすることができる。抗体における3つの官能基は、共有結合修飾部位である、アミン(−NH2)、チオール基(−SH)、及び炭水化物残基である(Shrestha D、et al、2012)。そのため、本明細書に開示のポリマーのいずれも、アミン残基、チオール残基、及び炭水化物残基又はそれらの任意の組み合わせにカップリングすることができる。いくつかの実施態様では、ポリマーは、抗体のFc部分にカップリングされる。他の実施態様では、ポリマーは、抗体のヒンジ領域にカップリングされる。いくつかの実施態様では、ポリマーは、抗体の一又は複数のFc領域及び抗体の一又は複数のヒンジ領域にカップリングされる。実際、任意の組み合わせが、本開示により企図されている。
抗体中にこれらの部分が豊富であることを主な理油として、アミノ基が一般に好ましい。リジン、アルギニン、及びヒスチジンは、アミン側鎖を含み、全タンパク質組成のほぼ10%を構成する3つの主要アミノ酸である。しかしながら、アミノ基のランダム性は、抗体が失活する危険性をもたらす。(Adamczyk M, et al, 1999, Bioconjug Chem ; Jeanson A, et al, 1988, J Immunol Methods; Vira S, et al, 2010, Anal Biochem; Pearson JE et al, 1998, J Immunol Methods)。いくつかの実施態様では、一又は複数のポリマーは、抗体のアミノ基とカップリングされている。
他方、適切な反応条件下で、スルフヒドリル標識化は、ヒンジ領域における抗体の二つの重鎖間のジスルフィド結合の高い特異性を標的とする。ヒンジ領域は抗原結合部位から離れているため、この修飾は抗体の結合親和性をより良好に保持すると考えられる。しかしながら、その欠点は、比較的低いレベルの標識化(例えば通常、抗体当たり3つ未満の標識)である。いくつかの実施態様では、一又は複数のポリマーは、抗体のチオール基とカップリングされている。
抗体のFc部分に存在する炭水化物部分でのコンジュゲーションは、チオール基のそれと同様であり、その結果抗原結合部位から離れた−CHO基で修飾が起こる。ここでもまた、いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、炭水化物でのコンジュゲーションは、抗体の抗原結合親和性に対する負の影響が少ないと考えられる。標識化の程度は、特異的抗体のグリコシル化状態に依存して変化する。しかし、それにもかかわらず、抗体親和性の損失は、Jeanson Aら, 1988, J Immunol Methodsにより報告されている。いくつかの実施態様では、一又は複数のポリマーは、抗体の炭水化物基とカップリングされている。
いくつかの実施態様では、(検出プローブとして使用される)複数の異なるポリマー−抗体コンジュゲートを、組織試料内の複数の標的を検出するための多重アッセイにおいて使用することができる。
いくつかの実施態様では、コンジュゲート及びゆえに標的は、直接検出することができる(フルオレセイン又はフルオレセイン誘導体などの標識)。他の実施態様では、コンジュゲートは、直接検出することができる。
検出試薬
ポリマーコンジュゲートが間接的に検出される実施態様では、コンジュゲート及びゆえに標的の検出を可能にするために特異的試薬が利用される。いくつかの実施態様では、ポリマーコンジュゲートの標識に特異的な検出試薬が利用される。いくつかの実施態様では、検出試薬は、ポリマーコンジュゲートの標識に特異的な二次抗体を含む。すなわち、二次抗体は抗標識抗体である。二次抗体は、ポリマーコンジュゲートの検出を達成するために「検出可能な部分」にコンジュゲートしてもよい。
いくつかの実施態様では、検出試薬は、米国特許公開第2013/0260379号に記載されているような「標識コンジュゲート」及び「シグナル伝達コンジュゲート」を含み、その開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
検出可能な部分
「検出可能な部分」は、試料中の標識の存在(すなわち定性分析)及び/又は濃度(すなわち定量分析)を示す、(例えば視覚的に、電子的に又は他の方法で)検出可能なシグナルを生成し得る分子又は材料である。検出可能なシグナルは、光子(無線周波数、マイクロ波周波数、赤外周波数、可視周波数、及び紫外周波数の光子を含む)の吸収、放射、及び/又は散乱を含めた、任意の知られている機構又は未だ発見されていない機構により生成することができる。
いくつかの実施態様では、検出可能な部分は、本明細書において識別される「標識」として列挙した薬剤から選択され得る。他の実施態様では、検出可能な部分は、発色性、蛍光性、リン光性、及び発光性分子並びに材料、一つの物質を別の物質に変換して、(例えば、無色物質を着色物質に変換するか若しくはその逆によって、又は沈殿物を生成することによって、又は試料の濁度を増加させることによって)検出可能な相違をもたらす触媒(例えば酵素)、追加の検出可能に標識された抗体コンジュゲートを使用し、抗体−ハプテン結合相互作用によって検出することができるハプテン(例えば、本明細書では「標識」として列挙したもの)、並びに常磁性及び磁性分子又は材料を含む。
他の実施態様において、検出可能な部分は、酵素である。例えば、ポリマーコンジュゲートの標識に特異的であり、それ自体が酵素(例えば標識コンジュゲート)にコンジュゲートしている検出試薬を利用することができる。特定の例として、二次抗体(例えば抗標識抗体)は、二次抗体が標識に特異的である酵素にコンジュゲートすることができる。いくつかの実施態様では、適切な酵素は、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、B−ガラクトシダーゼ、B−グルクロニダーゼ又はB−ラクタマーゼが含むが、これらに限定されない。他の実施態様では、酵素は、オキシドレダクターゼ

又はペルオキシダーゼ(例えばHRP、AP)を含む。これらの実施態様では、検出試薬(例えば標識コンジュゲート)にコンジュゲートされた酵素は、発色基質(又はシグナル伝達コンジュゲート)の、標的に近位の試料に又は標的に直接共有結合する反応性部分への変換を触媒する。
無論、検出可能な部分自体も間接的に検出することができる。例えば、検出可能な部分がハプテンである場合、当業者に知られているように、その検出可能な部分に特異的なさらに別の抗体を検出可能な部分の検出に利用することができる。
検出キット
いくつかの実施態様では、本開示のコンジュゲートは、「検出キット」の一部である。一般に、いずれの検出キットも、コンジュゲート(検出プローブ)及びコンジュゲートを検出するための検出試薬(検出可能な部分を含む)を含む。
検出キットは、検出キットを介して標的を検出できるように、コンジュゲート(例えば抗体コンジュゲート)を含む第一の組成物と、その第一の組成物に特異的な検出試薬を含む第二の組成物とを含み得る。いくつかの実施態様では、検出キットは、異なる標的を検出するための複数のコンジュゲートを含み、各キットはキット内に含まれるコンジュゲートのそれぞれに特異的な検出試薬も含む。
一例として、キットは、第一の標識を有する第一の標的に特異的な抗体コンジュゲート(第一の検出プローブ)と、第二の標識を有する第二の標的に特異的な抗体コンジュゲート(第二の検出プローブ)とを有する第一の標的に特異的な抗体コンジュゲートを含み得る。この特定の実施態様において、第一及び第二の検出プローブの抗体及び標識は変化し得るが、コンジュゲートのオリゴヌクレオチド、スペーサー、及び/又はリンカーの選択は、同じであっても異なっていてもよい。すなわち、各コンジュゲートのポリマー骨格は、同じであっても異なっていてもよい。キットは、検出プローブの各々に特異的な検出試薬をさらに含んでもよい。例えば、標識が酵素である場合、酵素の基質が含まれてもよい。一方、これも一例にすぎないが、標識がハプテンである場合、抗ハプテン抗体は、ハプテンに結合するために任意のキット内に含まれていてもよく、抗ハプテン抗体は、検出のための検出可能な部分を含む(例えば、図5A参照)。
キットは、手動又は自動の標的検出のために必要に応じて、緩衝液;対比染色剤;酵素不活性化組成物;脱パラフィン溶液等を含めた他の薬剤を含んでもよい。
検出方法
本開示はまた、本明細書に記載のコンジュゲートのいずれかを用いて標的を検出する方法も企図する。特定の実施態様では免疫組織化学のための抗体又は抗体コンジュゲートの使用に触れているものの、他の特異的結合実体(例えばin situハイブリダイゼーションのための核酸)も企図されており、当業者に知られている方法に従って使用してもよい。
本開示はまた、自動多重検出を含む多重検出の方法を提供する。図6及び7には、本開示の方法の特定の実施態様の工程の概要を表すフロー模式図が提供されており、コンジュゲートは、間接的に検出される標識を含む。特に本方法は、工程1において、試料が本明細書に開示のコンジュゲート(検出プローブ)と接触される連続多重検出スキームを記載する。コンジュゲートが試料に導入されると、コンジュゲートはコンジュゲート標的複合体を形成するであろう。続く工程2は、試料を検出試薬と接触させることを含む。検出試薬は、図7の工程3a及び3bに示すように、標識コンジュゲート及び発色基質又はシグナル伝達コンジュゲートを含むことができる。さらに続く工程4(任意)は、試料を酵素阻害組成物と接触させることを含む。破線は、工程1から4のプロセスが1回以上繰り返されて、組織試料内の標的の連続的な多重検出を提供し得ることを示す。この方法はまた、試料を光で照らす工程5と、工程6で標的を検出することとを含む。図6及び図7は、すべての標的が同時に検出されることを示しているが、これらの標的は、本明細書に開示の多重方法中の任意の時点で検出され得る。さらに、本開示の多重検出アッセイは、同時又は連続的であってもよい。例えば、異なるコンジュゲートの各々は、同時に又は連続して添加してもよいが、それは検出試薬を添加する前である。別の例として、検出試薬を導入する前に、工程1で三のコンジュゲートを連続的に適用してもよい。
本開示による多重アッセイのさらなる例として、第一の標識を含む第一の標的に特異的な第一の抗体コンジュゲートを試料に導入する。いくつかの実施態様では、第一の抗体コンジュゲートは、検出可能な第一の標的−抗体コンジュゲート複合体を形成する。同時に又はその後に、第二の標識を含む第二の標的に特異的な第二の抗体コンジュゲートを試料に導入し、第二の標的−抗体コンジュゲートを形成する。ここで第一のコンジュゲートの第一の標識は、第二のコンジュゲートの第二の,標識とは異なる。(「n」個の標的抗体−複合体を形成する)他の標的に特異的であり、且つさらに異なる標識を有する第三、第四、及び第nのさらなる抗体コンジュゲートを連続的に、又は第一及び/若しくは第二の抗体コンジュゲートと同時に、またさらに導入してもよい。抗体コンジュゲートは、沈着した後、当然コンジュゲートの標識に応じて、直接又は間接的に検出することができる。いくつかの実施態様では、さらなる試薬が標的の検出を可能にするために導入され、そのさらなる試薬は、本明細書に記載の検出可能な部分を含む。いくつかの実施態様では、標識は、直接検出可能なフルオレセイン である。他の実施態様では、標識が酵素である場合、着色沈殿物を検出できるように、酵素の基質(検出可能な部分)を導入することができる。さらに他の実施態様では、抗標識抗体(二次抗体)を導入して検出を誘導する。ここで抗標識抗体は、コンジュゲートの標識に特異的である。例えば、標識がハプテンである場合、ハプテン標識に特異的な抗ハプテン抗体が導入され、抗ハプテン抗体は検出可能な部分を含む。いくつかの実施態様では、抗ハプテン抗体の検出可能な部分は酵素であり、酵素の基質をさらに導入してコンジュゲート及び標的を検出する。
複数の発色試薬が連続的に検出され、検出で酵素が用いられる多重アッセイの場合、連続する検出工程間の任意の試薬又は内因性酵素を不活性にすることが望ましい。その結果、どれか一つの検出工程に存在する酵素が、後の検出工程において酵素と干渉しないであろうと考えられる。これは、ひいては多重アッセイで使用される異なる検出可能な部分の視覚化及び検出に対する改善になると考えられている。当該技術分野で周知の任意の酵素不活性化組成物をこの目的のために使用することができる。いくつかの実施態様では、酵素不活性化組成物を適用して、各検出工程後に試薬又は内因性酵素を不活性にする。例示的な酵素不活性化組成物は、同時係属中の米国特許出願第62/159297号に開示されており、その開示は、その全体が参照により本明細書に援用される。
いくつかの実施態様では、変性工程は、第一の検出試薬セットにおいて使用される酵素が第二の基質に作用するのを妨げる。いくつかの実施態様では、変性剤は、第一の検出試薬セット中の酵素を変性させる物質である。いくつかの実施態様では、変性剤は、例えばホルムアミド、アルキル置換アミド、尿素若しくは尿素系変性剤、チオウレア、塩酸グアニジン又はそれらの誘導体である。アルキル置換アミドの例には、N−プロピルホルムアミド、N−ブチルホルムアミド、N−イソブチルホルムアミド、及びN、N−ジプロピルホルムアミドが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様では、変性剤は緩衝液中に提供される。例えば、ホルムアミドは、20mMの硫酸デキストラン(50〜57%の%ホルムアミド(UltraPureホルムアミドストック)、2×SSC(0.3Mのクエン酸塩及び3MのNaCl含有20×SSCストック)、2.5mMのEDTA(0.5MのEDTAストック)、5mMのトリス(pH7.4)(1mMのトリス、pH7.4ストック)、0.05%のBrij−35(ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル含有10%ストック)(pH7.4)を含むハイブリダイゼーション緩衝液中に提供されてもよい。いくつかの実施態様では、第一の標的プローブ検出酵素、例えばアルカリホスファターゼを変性させるのに十分な時間及び条件下で、変性剤で試料を処理する。いくつかの実施態様では、試料は、約37℃で約15から約30分間、好ましくは約20から24分間変性剤で処理される。いくつかの実施態様では、第二の核酸プローブの標的へのハイブリダイゼーションを維持しながら、標的酵素を変性させるのに十分な時間及び条件下で、変性剤で試料を処理する。
別の実施態様、及び図5Bに関連して図示されている実施態様では、第一の標的としてCD3などの標的を選択することを示す。抗CD3−ポリマーハプテン1コンジュゲートを試料に添加して、CD3標的と結合させる。二次抗ハプテン1抗体(検出試薬)を試料に適用して、ハプテン1と結合させる。二次抗ハプテン1はまた、それ(検出可能な部分)にカップリングされた、既知の波長で蛍光を発するフルオロフォアを含み、それにより標的識別子としての役割を果たし、CD3標的に関連するアセンブリされた抗体−ポリマーハプテン1複合体の可視化が可能になる。図5Bの実施態様は4つのハプテンが利用されることを示しているが、本明細書に開示しているように、任意の数のハプテンを組み込むことができる。
この方法は、多重アッセイで継続することができる。図5Bは、CD8を検出するために抗CD8−ポリマーハプテン2抗体を;CD20を検出するために抗CD20−ポリマーハプテン3抗体を;CD68を検出するために抗CD68−オリゴヌクレオチドハプテン4抗体を;FoxP3を検出するために抗FoxP3−ポリマーハプテン5抗体使用することを図解している。多重アッセイにおける抗体検出可能な部分のアセンブリに必要な試薬は、手動アッセイを用いて、又は自動染色装置を用いて、試料に同時に又は連続的に適用することができる。
標本処理装置は、Ventana Medical Systems、Inc.により販売されているBENCHMARK XT装置及びSYMPHONY装置などの自動装置とすることができる。Ventana Medical Systems、Inc.は、自動分析を実行するためのシステム及び方法を開示している、米国特許第5650327号、第5654200号、第6296809号、第6352861号、第6827901号及び第6943029号、並びに米国特許出願公開第20030211630号及び第20040052685号を含めた複数の米国特許の譲受人であり、これらの各々は、全体が参照により本明細書に援用される。あるいは、標本を手動で処理することもできる。
いくつかの実施態様において、標本がパラフィン包埋された試料である場合、適切な脱パラフィン液を用いて試料を脱パラフィン化することができる。廃棄物除去剤が脱パラフィン液を除去した後、任意の数の物質を標本に連続的に適用することができる。前記物質は、前処理(例えばタンパク質架橋、核酸の曝露など)、変性、ハイブリダイゼーション、洗浄(例えばストリンジェンシー洗浄)、検出(例えば視覚的又はマーカー分子をプローブに連結する)、増幅(タンパク質、遺伝子などの増幅)、対比染色、カバースリッピングなどのためである。
標本を処理した後、ユーザは、解析又は他の下流の処理のために標本搭載スライドを画像化装置に移してもよい。例えば、画像化装置は、明視野イメージャスライドスキャナーであってもよい。一つの明視野イメージャは、Ventana Medical Systems、Inc.により販売されているiScan CoreoTM明視野スキャナーである。自動化の実施態様では、画像化装置は、画像化システム及び技術(IMAGING SYSTEM AND TECHNIQUES)と題された国際特許出願番号:PCT/US2010/002772(特許公開番号: 国際公開第2011/049608号)、又は画像化システム、カセット、及びそれらの使用方法(IMAGING SYSTEMS, CASSETTES, AND METHODS OF USING THE SAME)と題された、2011年9月9日出願の米国特許出願第61/533114号に開示されているようなデジタル病理装置である。国際特許出願番号:PCT/US2010/002772及び米国特許出願第61/533114号は、全体が参照により援用される。他の実施態様では、画像化装置は、顕微鏡にカップリングされたデジタルカメラを含む。
合成
本開示は、ポリマー−抗体コンジュゲートを作製するための方法の例示的な実施態様を提供する。適切なコンジュゲーション方法もまた、当業者に一般的に知られているであろう。例えば、参照により本明細書に援用される米国特許出願第2013/0184184号を参照されたい。特定の例示的な実施態様では、コンジュゲーションは、抗体のヒンジ又はFc領域で達成することができる。抗体のヒンジ領域におけるジスルフィド結合は、典型的にはDTTを使用する穏やかな還元を用いて選択的に減少させることができる。次いで、得られたスルフヒドリル結合を、マレイミド−dPEG8−ハプテンエステルリンカーなどで標識化する。単なる一例として、ポリマー−抗体コンジュゲートを形成するための一つの方法を以下のスキーム1に示す。この方法は一般に、抗体2を5−HyNic4と反応させ、5−HyNic−抗体コンジュゲート6を形成させることを含む。別個に、(ポリマーの一部である)3’−又は5’−アミノ修飾オリゴヌクレオチド8をS−4FB10と反応させ、4FB−ポリマー12を形成する。次いで、触媒の存在下で5−HyNic−抗体コンジュゲート6を4FB−オリゴ12にカップリングさせ、bus−アリールヒドラジンによりポリマーのオリゴヌクレオチド部分にカップリングされた抗体を含むコンジュゲート14を形成する。代替合成スキームを図8に示す。
スキーム1: 本開示のポリマーに抗体をカップリングし、ポリマー−抗体コンジュゲートを提供する合成方法。
特定の実施態様では、式(I)のポリマーにコンジュゲートされる抗体は、目的の特異的抗原に対するモノクローナル抗体であり得る。モノクローナル抗体は、式(I)のポリマーのようなポリマーにコンジュゲートされ、コンジュゲートを形成し得る。適切な末端反応性基(例えばアミノ基)を有するポリマーは、固相ホスホラミダイト化学を用いて調製することができる。スルホ−スクシンイミジル活性化4−ホルミルベンゾエート(S−4FB)のN−ヒドロキシスクシンイミドを用いて、ポリマー(例えばポリマーの[オリゴ]部分)を修飾し、活性化することができる。あるいは、オリゴヌクレオチドを含むポリマーは、末端4FBホスホラミダイトモノマーを用いた固相ホスホラミダイト化学を用いて調製することができる。ポリマーのオリゴヌクレオチド骨格は、例えば代替的な骨格、塩基又は不活性リンカー又は幾何学構造を組み込むために、異なる長さ、異なる化学的性質を有し得る。さらに、4FB部分は、複数の代替的な化学によって、又は酵素を用いる生化学的手段によって組み込まれ得る。4FB部分は、オリゴヌクレオチドの3‘末端又は5’末端のいずれかに、又はその中間に、又はいずれかの末端の近くに配置することができる。
並行して、スルホ−スクシンイミジル活性化6−ヒドラジノピリジン−3−カルボキシレート(SHyNic)のN−ヒドロキシスクシンイミドと第一級アミン(例えばリジンアミノ酸イプシロンアミノ基(Lysine amino acid epsilon amino group))との反応を介して、抗体又は他のタンパク質、生体分子、核酸又は他のプローブが合成され、タンパク質の表面に多く認められる一又は複数のHyNic部分を組み込むであろう。抗体の各モル当量に対するS−HyNicの過剰当量を使用することができる。精製された4FB修飾ポリマー(上記)及びHyNic修飾抗体は、典型的には抗体に対してモル過剰のポリマーを用いて組み合わされる。ビスアリールヒドラゾン結合が形成され、抗体−ポリマーコンジュゲートが提供される。本明細書に開示しているような複数のポリマーの抗体へのコンジュゲーションは、電気泳動によって決定することができる。この方法は、HyNic−修飾抗体、4FBポリマー、及び各抗体にカップリングされた一又は複数のポリマーとの抗体−ポリマーコンジュゲートの混合物を生じる。抗体に対するS−HyNicのモル比、及びHyNic修飾抗体に対する4FB修飾ポリマーのモル比を変化させることによって、抗体の本質的にすべて又はほぼすべてをそれぞれのコンジュゲートに変換することができる。抗体−ポリマーコンジュゲートは、例えば磁気親和性ビーズを使用することによって単離され得る。
抗体−ポリマーコンジュゲートを形成するためのコンジュゲーション反応の化学量論は、1当量の修飾抗体及び少なくとも0.5当量の修飾ポリマーを含むことができる。当業者は、前記化学量論が上記以外、例えば、抗体に対して少なくとも1.0当量、少なくとも1.5当量、少なくとも2.0当量、少なくとも2.5当量、少なくとも3.0当量、少なくとも3.5当量又は少なくとも4.0当量のポリマーであってもよいことを理解するであろう。抗体当たりのポリマーの数も、希望に応じて調節することができる。特定の操作理論に限定されることを望むものではないが、抗体機能を維持するために、抗体当たりのオリゴヌクレオチドの数を制限することによって最良の結果が得られると現在考えられている。
抗体−ポリマーコンジュゲートは、カラムの固定相内に固定化されたアガロース及び金属イオン(「磁気アガロース」又は「磁気アフィニティービーズ」と呼ばれる)を含むカラムに結合させるなどの任意の適切な手段を用いて精製することができる。抗体−ポリマーコンジュゲートは、固定相に固定化された金属イオンに結合するヒスチジンリッチ領域のような部分を含み得る。この方法は、類似のキレート化様式で金属イオンに結合し得る官能基を有さない過剰の修飾ポリマーを分離するために使用することができる。過剰の修飾ポリマーを連続した溶出により洗浄し、結合した抗体−ポリマー結合体を、例えばEDTAなどの置換剤で溶出することによって放出させる。
本開示のポリマーを含むオリゴヌクレオチドは、当業者に周知の任意の方法に従って調製することができる。例えば、合成中のオリゴヌクレオチドの3’−ヌクレオシドが付着する固相合成を使用することができる。オリゴヌクレオチド合成は、3’塩基から開始する。合成サイクル中、オリゴヌクレオチドは、5’末端に向かって伸長する。各カップリング工程について、ヌクレオチドは、反応性ホスホラミダイト基が3’−OHに位置し、且つ5’−OHがジメトキシトリチル保護基(DMT)で修飾されているヌクレオシドホスホラミダイトとして送達される。反応性ホスホラミダイト基は、付着したオリゴヌクレオチドの5’−OHと反応する。一般に、オリゴヌクレオチド合成サイクルは、次の工程:脱トリチル化(DMT保護基を元の塩基から開裂し、5’反応性ヒドロキシル官能基を形成する工程);カップリング(5’−OH基が次の塩基を有する付加された活性化ホスホラミダイトと反応し、その結果、両方のヌクレオシドが繋ぎ合わさる);キャッピング(次のヌクレオチドにカップリングしなかった任意の遊離5’−OH基が次のカップリング工程から除外されなければならず;キャッピング工程でアセチル化を用いてすべての反応性5’−OH基をブロックする);及び酸化(ヌクレオチドが、ヨウ素溶液を用いてリン基を酸化するカップリング工程において作られたリン含有結合を介してカップリングされる)を含む。酸化工程の後、新しい合成サイクルを開始し、次のヌクレオチドを付加する。このサイクルは、所望の配列が合成されるまで繰り返される。合成が行われ、所望の長さに達した後、オリゴヌクレオチドは最後の一つの脱トリチル化反応に供する。次いでオリゴヌクレオチドを固体支持体から開裂させ、残りの保護基を開裂させて生物学的に機能的なオリゴヌクレオチドを得る。
いったん合成されたオリゴヌクレオチドは、ヌクレオチドの活性基を利用するか又はヌクレオチド類似体を作製することによって、いくつかの異なる方法で修飾することができる。オリゴヌクレオチド修飾は、本明細書で提供される適切なスペーサー又は他のポリマー骨格成分へのカップリングにしばしば必要である。最も一般的なオリゴヌクレオチド修飾を以下に示す:
3’及び5’OH基を利用する末端修飾(例えばC6及びC7アミノ修飾因子、ビオチン−OT、ビオチン−TEG、コレステロール−TEG、フルオレセイン、チオール修飾、リン酸);
塩基修飾(例えば5−ブロモ−dU、5−ブロモ−dC、5−フルオロ−dU、デオキシイノシン、5−ヨード−dC、5−ヨードU、5−メチル−dC、5−ニトロインドール、デオキシウリジン);
配列中のT残基を置換するチミジン類似体(例えばC2dT及びC6dTアミノ修飾因子、ビオチン−dT、ダブシル−dT、フルオレセイン−dT、TAMRA−dT);
合成後修飾(適切なアミノ修飾因子を選択することにより、該修飾をオリゴヌクレオチドの異なる位置に加えることができる);
リン酸基の修飾(例えばホスホロチオエート化);及び
2’修飾(2’−O−メチルA/C/G/U、リボA/C/G/U)。
いくつかの実施態様では、オリゴヌクレオチド(及び一度完全に合成されたポリマー)が特異的結合実体にコンジュゲートされ得るように、末端5’修飾を行って官能基を組み込む(例えばアミノC6基の付加)。同様に、オリゴヌクレオチドがリンカー(標識を含む)又はスペーサーにカップリングされ得るように、末端3’修飾を行って官能基を組み込む。5’及び/又は3’修飾は、オリゴヌクレオチド合成中又は合成後に行うことができる。
修飾オリゴヌクレオチドは、任意の適切な手段によって調製することができる。例えば、修飾オリゴヌクレオチドは、アミノ−オリゴヌクレオチドを適切な緩衝液中に懸濁させること;例えば吸光光度測定によってオリゴヌクレオチド濃度を決定すること;及びジメチルホルムアミド(DMF)などの適切な溶媒を用いて、例えばS−4FBと修飾されたオリゴヌクレオチドを反応させることによって調製することができる。反応混合物を濃縮し、修飾オリゴヌクレオチド(4FB修飾オリゴヌクレオチド)濃度を吸光光度測定によって測定することができる。
いくつかの実施態様では、オリゴヌクレオチドの固相合成はまた、固相オリゴヌクレオチド合成中のリンカー又はスペーサーの直接組み込みを含み得る。
いくつかの実施態様では、標識は、スペーサーを使用することなく、リンカーを介してポリマーのオリゴヌクレオチドにカップリングされる。例えば、DNPハプテン(リンカーにカップリングされている)は、本明細書のスキーム2及び3に例示される方法によってオリゴヌクレオチドにカップリングすることができる。
スキーム2: スペーサーがポリマー骨格に組み込まれていない、オリゴヌクレオチドにDNPハプテンを(PEGリンカーを用いて)カップリングする方法。
スキーム3: スペーサーがポリマー骨格に組み込まれていない、オリゴヌクレオチドにDNPハプテンを(ACAリンカーを用いて)カップリングする方法。
ハプテン−リンカーコンジュゲートは、PEGベースのリンカーを用いて形成されている。そのような化合物の一例を下記に示す。以下の構造のカルボン酸官能基は、実施例において他の反応性官能基に変換されてもよい。例えば、カルボン酸官能基は、以下に示すように、NHSエステルなどの活性エステルに変換することができる。また、活性エステルは、以下に示すように、ヒドラジドなどの他の有用な反応性官能基に変換することができる。
スペーサーは、リンカーについて上に示したのと同じ様式で(例えば、同様に官能化されたスペーサーを使用して)オリゴヌクレオチドにカップリングすることができる。他の実施態様では、予め合成されたオリゴヌクレオチド及び予め合成されたスペーサーを、適切な触媒又は熱の存在下で一緒に反応させて、所望の[オリゴ]−[スペーサー]ポリマー骨格を形成することができる(PEGスペーサーにカップリングされたオリゴヌクレオチドを含む、以下のスペーサー9及びスペーサー18を参照)。あるいは、以下に示す「スペーサー9」及び「スペーサー18」骨格を、本明細書で概説した工程を用いて、リンカー/標識成分(上記)にカップリングすることができる。適切な方法は、当業者に知られている。次いで、リンカーにカップリングされた標識を[オリゴ]−[スペーサー]に付着させることができる。
試料及び標的
試料は、生物学的成分を含み、一般に一又は複数の目的の標的分子を含むと思われる。標的分子は、細胞の表面上に存在し得、細胞は、懸濁液中又は組織切片中に存在し得る。標的分子はまた、細胞内に存在し得、プローブによる細胞溶解又は細胞侵入の際に検出され得る。当業者は、試料中の標的分子を検出する方法が使用される試料及びプローブの種類に応じて変化することを理解するであろう。試料を収集し調製する方法は、当技術分野で既知である。
本方法の実施態様において使用するための、また本明細書に開示の組成物と共に使用するための試料(例えば組織又は他の生物学的試料)は、当業者に既知の任意の方法を用いて調製することができる。試料は、常套的なスクリーニングのために被験体から、又は遺伝的異常、感染若しくは新生物などの障害を有すると疑われる被験体から得ることができる。本開示の方法の記載されている実施態様は、「正常」試料と呼ばれる、遺伝的異常、疾患、障害等を有しない試料にも適用することができる。そのような正常試料は、他の試料と比較するためのコントロールなどとして有用である。試料は、さまざまな目的で分析できる。例えば、試料は、科学的研究において、又は疑いのある疾患の診断のために、又は治療の成功、生存等の予後指標として使用することができる。
試料は、プローブ又はレポーター分子によって特異的に結合され得る複数の標的を含み得る。標的は、核酸配列又はタンパク質であってもよい。本開示を通して、標的タンパク質について言及する場合、そのタンパク質に関連する核酸配列もまた標的として使用できることが理解される。いくつかの例では、標的は、ウイルスゲノムからのような、ウイルス、細菌又は細胞内寄生体等の病原体に由来するタンパク質又は核酸分子である。例えば、標的タンパク質は、疾患に関連する(例えば相関関係、因果関係など)標的核酸配列から産生され得る。
標的核酸配列は、実質的にサイズが変化し得る。核酸配列は、制限なく、可変数の核酸残基を有し得る。例えば、標的核酸配列は、少なくとも約10核酸残基、又は少なくとも約20、30、50、100、150、500、1000残基を有し得る。同様に、標的ポリペプチドは、実質的にサイズが変化し得る。制限なく、標的ポリペプチドは、ペプチド特異的抗体又はその断片に結合する少なくとも一つのエピトープを含む。いくつかの実施態様では、標的ポリペプチドは、ペプチド特異的抗体又はその断片に結合する少なくとも二つのエピトープを含み得る。
特定の非限定的な例では、標的タンパク質は、新生物(例えばたん)に関連する標的核酸配列(例えばゲノム標的核酸配列)によって産生される。新生細胞、特にB細胞及びT細胞白血病、リンパ腫、乳がん、結腸がん、神経学的がん等のがん細胞において、多数の染色体異常(転座及び他の再構成、増幅又は欠失を含む)が同定されている。したがって、いくつかの例において、標的分子の少なくとも一部は、試料中の少なくとも細胞のサブセットにおいて増幅又は欠失された核酸配列(例えばゲノム標的核酸配列)によって産生される。
発がん遺伝子は、いくつかのヒト悪性腫瘍の原因であることが知られている。例えば、染色体18q11.2のブレークポイント領域に位置するSYT遺伝子が関与する染色体再編成は、滑膜肉腫軟組織腫瘍に共通する。t(18q11.2)転座は、例えば異なる標識を有するプローブを用いて同定され得:第一のプローブは、SYT遺伝子から遠位に伸びる標的核酸配列から生成されるFPC核酸分子を含み、第二のプローブは、SYT遺伝子の3′又は近位に伸びる標的核酸配列から生成されるFPC核酸を含む。これらの標的核酸配列(例えばゲノム標的核酸配列)に対応するプローブがin situハイブリダイゼーション手順において使用される場合、SYT遺伝子領域においてt(18q11.2)を欠く正常細胞は、SYTの2つのインタクトなコピーを反映する、二つの融合(近接する二つの標識により生成された)シグナルを示す。t(18q11.2)を有する異常細胞は、単一の融合シグナルを示す。
他の例では、悪性細胞において欠損(喪失)している腫瘍抑制遺伝子である核酸配列(例えばゲノム標的核酸配列)から産生された標的タンパク質が選択される。例えば、染色体9p21上に位置するp16領域(D9S1749、D9S1747、p16(INK4A)、p14(ARF)、D9S1748、p15(INK4B)、及びD9S1752を含む)は、特定の膀胱がんにおいて欠失される。染色体1(例えばSHGC57243、TP73、EGFL3、ABL2、ANGPTL1、及びSHGC−1322を包含する)の短腕の遠位領域及び染色体19(例えばMAN2B1、ZNF443、ZNF44、CRX、GLTSCR2、及びGLTSCR1を包含する)のペリセントロメア領域(例えば19p13〜19q13)を含む染色体欠失は、中枢神経系のある種の固形腫瘍の特徴的な分子的特性である。
上記の例は、説明のためにのみ提供されており、限定することを意図するものではない。腫瘍性形質転換及び/又は増殖と相関する多数の他の細胞遺伝学的異常が、当業者に知られている。新生物形質転換と相関しており、本開示の方法において有用である核酸配列(例えばゲノム標的核酸配列)によって産生される標的タンパク質はまた、EGFR遺伝子(7p12;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000007、ヌクレオチド55054219−55242525)、C−MYC遺伝子(8q24.21;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000008、ヌクレオチド128817498−128822856)、D5S271(5p15.2)、リポタンパク質リパーゼ(LPL)遺伝子(8p22;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000008、ヌクレオチド19841058−19869049)、RB1(13q14;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000013、ヌクレオチド47775912−47954023)、p53(17p13.1;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000017、補体、ヌクレオチド7512464−7531642))、N−MYC(2p24;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000002、補体、ヌクレオチド151835231−151854620)、CHOP(12q13;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000012、補体、ヌクレオチド56196638−56200567)、FUS(16p11.2;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000016、ヌクレオチド31098954−31110601)、FKHR(13p14;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000013、補体、ヌクレオチド40027817−40138734)の他、例えば:ALK(2p23;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000002、補体、ヌクレオチド29269144−29997936)、Ig重鎖、CCND1(11q13;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000011、ヌクレオチド69165054.69178423)、BCL2(18q21.3;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000018、補体、ヌクレオチド58941559−59137593)、BCL6(3q27;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000003、補体、ヌクレオチド188921859−188946169)、MALF1、AP1(1p32−p31;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000001、補体、ヌクレオチド59019051−59022373)、TOP2A(17q21−q22;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000017、補体、ヌクレオチド35798321−35827695)、TMPRSS(21q22.3;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000021、補体、ヌクレオチド41758351−41801948)、ERG(21q22.3;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000021、補体、ヌクレオチド38675671−38955488);ETV1(7p21.3;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000007、補体、ヌクレオチド13897379−13995289)、EWS(22q12.2;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000022、ヌクレオチド27994271−28026505);FLI1(11q24.1−q24.3;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000011、ヌクレオチド128069199−128187521)、PAX3(2q35−q37;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000002、補体、ヌクレオチド222772851−222871944)、PAX7(1p36.2−p36.12;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000001、ヌクレオチド18830087−18935219)、PTEN(10q23.3;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000010、ヌクレオチド89613175−89716382)、AKT2(19q13.1−q13.2;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000019、補体、ヌクレオチド45431556−45483036)、MYCL1(1p34.2;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000001、補体、ヌクレオチド40133685−40140274)、REL(2p13−p12;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000002、ヌクレオチド60962256−61003682)、及びCSF1R(5q33−q35;例えばGENBANKTMアクセッション番号NC-000005、補体、ヌクレオチド149413051−149473128)を含む。
他の例において、標的タンパク質は、疾患又は状態に関連するウイルス又は他の微生物から選択される。細胞又は組織試料中のウイルス又は微生物由来標的核酸配列(例えばゲノム標的核酸配列)の検出は、生物の存在を示す。例えば、標的ペプチド、ポリペプチド又はタンパク質は、発がん性又は病原性ウイルス、細菌又は細胞内寄生体(例えば熱帯熱マラリア原虫及び他のマラリア原虫種、リーシュマニア属(種)、クリプトスポリジウム属パルバム、赤痢アメーバ、及びランブル鞭毛虫、並びにトキソプラズマ属、エイメリア属、タイレリア属、及びバベシア属種)のゲノムから選択され得る。
いくつかの例において、標的タンパク質は、ウイルスゲノムからの核酸配列(例えばゲノム標的核酸配列)から産生される。例示的ウイルス及び対応するゲノム配列(GENBANKTM参照配列(RefSeq)括弧内はアクセッション番号)は、ヒトアデノウイルスA(NC-001460)、ヒトアデノウイルスB(NC-004001)、ヒトアデノウイルスC(NC-001405)、ヒトアデノウイルスD(NC-002067)、ヒトアデノウイルスE(N-003266)、ヒトアデノウイルスF(NC-001454)、ヒトアストロウイルス(NC-001943)、ヒトBKポリオーマウイルス(V01109;GI:60851)ヒトボカウイルス(NC-007455)、ヒトコロナウイルス229E(NC-002645)、ヒトコロナウイルスHKU1(NC-006577)、ヒトコロナウイルスNL63(NC-005831)、ヒトコロナウイルスOC43(NC-005147)、ヒトエンテロウイルスA(NC-001612)、ヒトエンテロウイルスB(NC-001472)、ヒトエンテロウイルスC(NC-001428)、ヒトエンテロウイルスD(NC-001430)、ヒトエリスロウイルスV9(NC-004295)、ヒトフォーミーウイルス(NC-001736)、ヒトヘルペスウイルス1(単純ヘルペスウイルス1型)(NC-001806)、ヒトヘルペスウイルス2(単純ヘルペスウイルス2型)(NC-001798)、ヒトヘルペスウイルス3(水痘帯状疱疹ウイルス)(Nc-001348)、ヒトヘルペスウイルス4 1型(エプスタイン・バーウイルス1型)(NC-007605)、ヒトヘルペスウイルス4 2型(エプスタイン・バーウイルス2型)(NC-009334)、ヒトヘルペスウイルス5 AD169株(NC-001347)、ヒトヘルペスウイルス5 Merlin株(NC-006273)、ヒトヘルペスウイルスA(NC-001664)、ヒトヘルペスウイルス6B(NC-000898)、ヒトヘルペスウイルス7(NC-001716)、ヒトヘルペスウイルス8 M型(NC-003409)、ヒトヘルペスウイルス8 P型(NC-009333)、ヒト免疫不全ウイルス1(NC-001802)、ヒト免疫不全ウイルス2(NC-001722)、ヒトメタニューモウイルス(NC-004148)、ヒトパピローマウイルス−1(NC-001356)、ヒトパピローマウイルス−18(NC-001357)、ヒトパピローマウイルス−2(NC-001352)、ヒトパピローマウイルス−54(NC-001676)、ヒトパピローマウイルス−61(NC-001694)、ヒトパピローマウイルス cand90(NC-004104)、ヒトパピローマウイルス RTRX7(NC-004761)、ヒトパピローマウイルス10型(NC-001576)、ヒトパピローマウイルス101型(NC-008189)、ヒトパピローマウイルス103型(NC-008188)、ヒトパピローマウイルス107型(NC-009239)、ヒトパピローマウイルス16型(NC-001526)、ヒトパピローマウイルス24型(NC-001683)、ヒトパピローマウイルス26型(NC-001583)、ヒトパピローマウイルス32型(NC-001586)、ヒトパピローマウイルス34型(NC-001587)、ヒトパピローマウイルス4型(NC-001457)、ヒトパピローマウイルス41型(NC-001354)、ヒトパピローマウイルス48型(NC-001690)、ヒトパピローマウイルス49型(NC-001591)、ヒトパピローマウイルス5型(NC-001531)、ヒトパピローマウイルス50型(NC-001691)、ヒトパピローマウイルス53型(NC-001593)、ヒトパピローマウイルス60型(NC-001693)、ヒトパピローマウイルス63型(NC-001458)、ヒトパピローマウイルス6b型(NC-001355)、ヒトパピローマウイルス7型(NC-001595)、ヒトパピローマウイルス71型(NC-002644)、ヒトパピローマウイルス9型(NC-001596)、ヒトパピローマウイルス92型(NC-004500)、ヒトパピローマウイルス96型(NC-005134)、ヒトパラインフルエンザウイルス1(NC-003461)、ヒトパラインフルエンザウイルス2(NC-003443)、ヒトパラインフルエンザウイルス3(NC-001796)、ヒトパレコウイルス(NC-001897)、ヒトパルボウイルス4(NC-007018)、ヒトパルボウイルスB19(NC-000883)、ヒト呼吸器合胞体ウイルス(NC-001781)、ヒトライノウイルスA(NC-001617)、ヒトライノウイルスB(NC-001490)、ヒトスプーマレトロウイルス(spumaretrovirus)(NC-001795)、ヒトT−リンホトロピックウイルス1(NC-001436)、ヒトT−リンホトロピックウイルス2(NC-001488)を含む。
特定の例では、標的タンパク質は、エプスタイン・バーウイルス(EBV)又はヒトパピローマウイルス(HPV、例えばHPV16、HPV18)などの発がん性ウイルス由来の核酸配列(例えばゲノム標的核酸配列)から産生される。他の例では、核酸配列(例えばゲノム標的核酸配列)から産生される標的タンパク質は、呼吸器合胞体ウイルス、肝炎ウイルス(例えばC型肝炎ウイルス)、コロナウイルス(例えばSARSウイルス)、アデノウイルス、ポリオーマウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)又は単純ヘルペスウイルス(HSV)等の病原性ウイルス由来である。
対比染色
対比染色は、標的の構造が顕微鏡下でより容易に視覚化され得るように、一又は複数の標的を検出するための薬剤で既に染色した後の試料を後処理する方法である。例えば、対比染料をカバースリッピングの前に任意選択的に使用し、免疫組織化学染色をより明瞭にする。対比染料は、一次染料と色が異なる。多くの対比染料、例えばヘマトキシリン、エオシン、メチルグリーン、メチレンブルー、ギムザ、アルシアンブルー、及びニュークリアファストレッド(Nuclear Fast Red)がよく知られている。
いくつかの例では、対比染色を生じさせるために一より多い染料を混合することができる。これにより、染料選択能及び融通性がもたらされる。例えば、特定の属性を有するが別の所望の属性を有さない混合物に対して、第一の染料を選択することができる。不足している所望の属性を示す混合物に第二の染料を加えることができる。例えば、トルイジンブルー、DAPI、及びポンタミン(pontamine)スカイブルーを混合して対比染料を形成することができる。
イメージング
本開示の実施態様のすべて又は特定の態様は、コンピュータ解析及び/又は画像解析システムによって自動化され、容易にされ得る。いくつかのアプリケーションでは、正確な色の比率が測定される。いくつかの実施態様では、画像解析のために光学顕微鏡法が利用される。特定の本開示の実施態様は、デジタル画像を取得することを伴う。これは、デジタルカメラを顕微鏡に連結することにより行うことができる。染色した試料から得られたデジタル画像は、画像解析ソフトウェアを用いて解析する。色は、いくつかの異なる方法で測定することができる。たとえば、色は、赤、青、緑の値;色相、彩度、強度の値として、及び/又はスペクトルイメージングカメラを使用して特定の波長又は波長の範囲を測定することによって測定することができる。
本開示の一実施態様は、発色染料を用いた明視野イメージングの使用を伴う。可視スペクトルの白色光が染料を透過する。染料は特定の波長の光を吸収し、他の波長を透過する。これは、透過される光の特定の波長に応じて、光を白色から有色に変化させる。
また、試料を定性的及び半定量的に評価することができる。定性的評価は、染色強度を評価すること、陽性染色細胞及び染色に関与する細胞内区画を同定すること、試料全体又はスライドの品質を評価することを含む。試験試料に対して別々の評価が行われるため、この解析は、試料が異常な状態を表すかどうかを決定するための既知の平均値との比較を含み得る。
実施例1
アミノ残基上で式Xbのポリマーにより無作為に標識した抗HER−2/neu(4B5)ウサギ抗体及びHER2 4B5ウサギ抗体を用いるHER2タンパク質の染色をBenchMark ULTRA自動染色装置で実施した。簡単に説明すると、厚さ約4mmの未染色の乳房腫瘍切片を切って、SuperFrost Plusガラススライドに乗せた。BenchMark ULTRA自動染色装置は、約72℃でのオンライン式脱パラフィン及び抗原回収(約95℃で約36分間)を含む。抗HER−2/neu(4B5)ウサギ抗体(約6μg/ml)又はウサギ抗HER−2/neu(4B5)抗体を式Xbのポリマー(1μg/ml)により無作為に標識し、約37℃で約12分間インキュベートした。抗HER−2/neu(4B5)抗体の場合、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)で標識された約25μg/mlのヤギ抗ウサギ抗体で抗原検出を行った。アミノ残基上で式Xbのポリマーにより無作為に標識した抗HER−2/neu(4B5)抗体の場合、約0.5〜1.0mg/mlの魚DNAをブロッキング試薬として塊状にした。抗原検出は、約10μg/mlのマウス抗DNP−HRP抗体を用いて行った。色素原としてジアミノベンジジン(DAB)を用い、対比染料としてヘマトキシリンを用いた。次いで、それぞれの別個の組織切片を0〜3+の強度スケール(1+=弱く不完全な膜染色、2+=適度に強く且つ完全な膜染色、3+=強く/強烈且つ完全な膜染色)で4B5染色についてスコアをつけた。
式Xbのポリマーにより無作為に標識したHER2 4B5−4DNPは、ネイティブHER2 4B5抗体よりも弱く染色された(図9参照)。いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、標識抗体は、CDR内のリジン残基上の無作為標識が原因で低下した親和性を有する可能性がある。
実施例2
ヒンジ領域のチオール残基上で式Xdのポリマーにより標識した抗HER−2/neu(4B5)ウサギ抗体及びHER2 4B5ウサギ抗体を用いるHER2タンパク質の染色をBenchMark ULTRA自動染色装置で行った。簡単に説明すると、厚さ約4mmの未染色の乳房腫瘍切片を切って、SuperFrost Plusガラススライドに乗せた。BenchMark ULTRA自動染色装置は、約72℃でのオンライン式脱パラフィン及び抗原回収(約95℃で約36分間)を含む。ヒンジ領域のチオール残基上で式Xdのポリマー(1μg/ml)により標識した抗HER−2/neu(4B5)ウサギ抗体(約6μg/ml)又はウサギ抗HER−2/neu(4B5)抗体を約37℃で約12分間インキュベートした。抗HER−2/neu(4B5)抗体の場合、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)(ULTRAVIEW UNIVERSAL DAB DETECTION KIT、760−500から調製)で標識された約25μg/mlのヤギ抗ウサギ抗体で抗原検出を行った。ヒンジ領域のチオール残基上で式Xdのポリマーにより標識した抗HER−2/neu(4B5)抗体の場合、約0.5〜1.0mg/mlの魚DNAをブロッキング試薬として塊状にした。約10μg/mlのマウス抗DNP−HRP抗体(DISCOVERY抗DNP HRP Multimer RUO、760−4821から調製)を用いて抗原検出を行った。色素原としてジアミノベンジジン(DAB)を用い、対比染料としてヘマトキシリンを用いた。次いで、それぞれの別個の組織切片を0〜3+の強度スケール(1+=弱く不完全な膜染色、2+=適度に強く且つ完全な膜染色、3+=強く/強烈且つ完全な膜染色)で4B5染色についてスコアをつけた。
式Xdのポリマーにより無作為に標識したHER2 4B5−4DNPは、ネイティブHER2 4B5抗体よりも強く染色された(図10及び11参照)。いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、標識抗体は、CDRから離れているヒンジ領域内のジスルフィド結合への低度の標識が原因で、その親和性を保持していると考えられる。同じ抗DNP検出システムが実施例1及び2において使用されていることから、本出願人は、ヌクレオチドポリマーで標識されたHER2抗体によるより強い染色は抗ウサギ抗体(ネイティブHER2抗体の場合)と抗DNP抗体(ヌクレオチドポリマーで標識されたHER2抗体の場合)との差異によるものではないと考える。
実施例3
ネイティブ抗CD3、CD8、CD20、CD68、FoxP3ウサギ抗体及びヒンジ領域のチオール残基上で式(Xe)のポリマーで標識したウサギ抗体を用いるCD3、CD8、CD20、CD68、FoxP3タンパク質の染色をBenchMark ULTRA自動染色装置で行った。簡単に説明すると、厚さ約4mmの未染色の扁桃切片を切って、SuperFrost Plusガラススライドに乗せた。BenchMark ULTRA自動染色装置は、約72℃でのオンライン式脱パラフィン及び抗原回収(約95℃で約64分間)を含む。ネイティブなウサギ抗体(約1μg/ml)又はそれぞれの抗体コンジュゲート(約1μg/ml)を約37℃で約16分間インキュベートした。ネイティブなウサギ抗体の場合、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)(ULTRAVIEW UNIVERSAL DAB DETECTION KIT、760−500から調製)で標識された約25μg/mlのヤギ抗ウサギ抗体で抗原検出を行った。式(Xe)のポリマーを含むそれぞれの抗体コンジュゲートの場合、約1.0mg/mlの魚DNAをブロッキング試薬として塊状にした。約20μg/mlのマウス抗DNP−HRP抗体(DISCOVERY抗DNP HRP Multimer RUO、760−4821から調製)を用いて抗原検出を行った。色素原としてジアミノベンジジン(DAB)を用い、対比染料としてヘマトキシリンを用いた。
CD3、CD20、CD68、及び式(Xe)のポリマーにカップリングされたFoxP3抗体はすべて、抗DNP−HRP及びuV GaR−HRP検出で処理した。抗ウサギ抗体での染色と同様の抗DNP抗体での染色は、大部分が、非コンジュゲート抗体ではなく、コンジュゲート抗体−式(Xe)のポリマーの複合体であることを示唆している。抗DNP検出の最適化がなく、抗DNP染色を伴うCD3及びCD20は、ネイティブコントロール染色に近かったが、抗DNP染色を伴うFoxP3及びCD68は、ネイティブコントロールより弱かった。
実施例4
本実施例は、Ventana Medical Systems、Inc.のBenchmark Instrumentを用いて、ポリハプテニル化(polyhaptenylated)オリゴヌクレオチド−一次抗体コンジュゲートと結合した二次抗体を認識するために量子ドットを用いて扁桃上のKi−67などの組織エピトープを検出することに関する。パラフィン被覆組織をスライド上で75℃まで4分間加熱し、EZPrep容積アジャスト(volume adjust)(VMSI)により75℃で2回処理した後、EZPrep容積アジャストと共に液体カバースリップ(VMSI)を適用する。75℃で4分後、スライドをすすぎ、EZPrep容積アジャストを液体カバースリップと共に添加し、前記組織を76℃で4分間脱パラフィンする。スライドを40℃に冷却し、3回すすいだ後、抗Ki67 15(100μL、VMSI)抗体−ハプテン化ポリマーコンジュゲート(例えば式(I))、続いて液体カバースリップを添加し、40℃で16分間インキュベーベーションを行う。スライドをすすいだ後、組織を抗ハプテン抗体(100μL)、続いて液体カバースリップで処理し、40℃で8分間のインキュベーションを行う。スライドを緩衝液で2回すすぎ、続いて液体カバースリップを適用する。スライドを緩衝液で3回すすぎ、洗剤洗浄で処理した後、スライドにカバースリップを手動で適用し、その後スライドを顕微鏡で観察する。
実施例5
本実施例は、発色染色(すなわちDABのHRP媒介沈着)又はポリハプテニル化ポリマーとコンジュゲートされた抗体を認識するための量子ドットのいずれかを用いて組織エピトープ、特に扁桃上のKi−67を検出することに関する。以下は、Ventana Benchmark Instrumentの適用手順である。パラフィン被覆組織をスライド上で75℃まで4分間加熱し、EZPrep容積アジャスト(VMSI)により75℃で2回処理した後、EZPrep容積アジャストと共に液体カバースリップ(VMSI)を適用する。75℃で4分後、スライドをすすぎ、EZPrep容積アジャストを液体カバースリップと共に添加し、前記組織を76℃で4分間脱パラフィンする。スライドを40℃に冷却し、3回すすいだ後、マウス抗Ki67(100μL、VMSI)抗体、続いて液体カバースリップを添加し、40℃で16分間インキュベーベーションを行う。スライドをすすいだ後、組織をヤギ抗マウス−ポリマー−DNP抗体(100μL)、続いて液体カバースリップで処理し、40℃で8分間のインキュベーションを行う。スライドを緩衝液で2回すすいだ後、液体カバースリップを適用し、655nm QDot:抗DNP MAbコンジュゲート(100μL、20nmol)を添加し、37°Cで16分間のインキュベーションを行う。スライドを緩衝液20で3回すすぎ、洗剤洗浄で処理した後、スライドにカバースリップを手動で適用し、その後スライドを顕微鏡で観察する。
実施例6
本実施例は、ホースラディッシュペルオキシダーゼ−抗体コンジュゲートを評価すること、特にSISH検出のためのFcコンジュゲートポリマー−ビオチンコンジュゲートを用いる様々な組織におけるHPVの評価に関する。以下は、Ventana Benchmark Instrumentの適用手順である。パラフィン被覆組織をスライド上で75℃まで4分間加熱し、EZPrep容積アジャスト(VMSI)により75℃で2回処理した後、EZPrep容積アジャストと共に液体カバースリップ(VMSI)を適用する。75℃で4分後、スライドをすすぎ、EZPrep容積アジャストを液体カバースリップと共に添加し、前記組織を76℃で4分間脱パラフィンする。Cell Conditioner#2(VMSI)を添加し、スライドを90°Cに加温し、8分間インキュベートする。これにCell Conditioner#2の別の適用及び90℃で12分間のインキュベーションが続く。スライドをReaction Buffer(VMSI)ですすぎ、37℃に冷却し、ISH−プロテアーゼ3(100μL、VMSI)を添加する。4分間のインキュベーションの後、スライドを3回すすぎ、iView+HybReady(100μL、VMSI)を適用し、これを4分間インキュベートする。HPVプローブ(200μL、VMSI)の添加後、37℃で4分間、95℃で12分間及び52℃で124分間のインキュベーションを行う。次いで、スライドを2回すすぎ、72℃に加温する。この直前の工程をさらに2回繰り返しスライドを37℃に冷却し、iView+Anti−DNP(100μL、VMSI)を添加する。一次抗体を20分間インキュベートし、次いでスライドを2回すすいだ後、オリゴヌクレオチド−ビオチン化二次抗体 (例えばヤギ抗ウサギ、100μL、10μg/mL)を手動で添加する。二次抗体のインキュベーションを8分間行い、スライドを2回すすぐ。次いで、ウサギ抗ビオチン抗体を適用し(100μL)、インキュベーションをさらに20分間行う。さらに2回のすすぎ工程の後、HRP多量体を適用し(100μL、10μg/mL)、8分間インキュベートする。さらに4回のすすぎ工程に続き、4分間のインキュベーションでSISH Chromagen A(100μL、VMSI)を、4分間のインキュベーションでSISH Chromagen B(100μL、VMSI)を、及び4分間のインキュベーションでSISH Chromagen C(100μL、VMSI)を適用する。スライドを3回すすぎ、ヘマトキシリンII(100μL、VMSI)を添加する。対比染色で4分間インキュベートした後、スライドをすすぎ、Bluing Reagent(100μL、VMSI)を適用し、4分間インキュベートする。次いで、スライドをさらに3回すすぎ、器具から取り外す。スライドを洗剤洗浄で処理した後、エタノール、アセトン、及びキシレンで脱水し、次にカバースリップをスライドに適用し、その後スライドを顕微鏡で観察する。

Claims (21)

  1. 標的特異的抗体にカップリングされた式(V)
    (式中、
    「オリゴ」は、1から約50ヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド配列であり、オリゴヌクレオチド配列は70℃未満のTを有し;
    「スペーサー」は、分岐又は非分岐状で置換又は無置換の飽和又は不飽和脂肪族基であり、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、4から32個の炭素原子を有し;
    「リンカー」は、分岐又は非分岐状で置換又は無置換の飽和又は不飽和脂肪族基であり、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、4から18個の炭素原子を有し;
    「標識」は、ハプテン、フルオロフォア、色素原、酵素、及び量子ドットからなる群から選択され;
    Rは、末端基であり;
    Tは、末端反応性部分を有する基であり;
    xは、1又は2であり;
    yは、1又は2であり;
    zは、1から18の整数であり;
    mは、0、1又は2であり;
    nは、1又は2であり;
    aは、1から8の整数であり;
    bは、1又は2である)
    のポリマーであって、
    「オリゴ」、「スペーサー」、「リンカー」又は「標識」のいずれも、相互に直接、又は任意の基を介して結合され得;且つ
    mが0の場合、[リンカー]が結合である、
    ポリマーの少なくとも一を含む抗体コンジュゲートであって、
    「スペーサー」が式(VII)
    (式中、d及びeは、1から32の整数であり;Qは、結合、O、S又はN(R)(R)であり;R及びRは、独立してH、C−Cのアルキル基、F、Cl、N(R)(R)又は第4級アミンであり;R及びRは、独立してCH又はHである)
    の構造を有する、抗体コンジュゲート。
  2. 及びRがHであり;QがOであり;dが1から4であり;eが2から8である、請求項1に記載の抗体コンジュゲート。
  3. 「スペーサー」が正味の正電荷を有する、請求項1に記載の抗体コンジュゲート。
  4. 標的特異的抗体にカップリングされた式(V)
    (式中、
    「オリゴ」は、1から約50ヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド配列であり、オリゴヌクレオチド配列は70℃未満のTを有し;
    「スペーサー」は、分岐又は非分岐状で置換又は無置換の飽和又は不飽和脂肪族基であり、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、4から32個の炭素原子を有し;
    「リンカー」は、分岐又は非分岐状で置換又は無置換の飽和又は不飽和脂肪族基であり、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、4から18個の炭素原子を有し;
    「標識」は、ハプテン、フルオロフォア、色素原、酵素、及び量子ドットからなる群から選択され;
    Rは、末端基であり;
    Tは、末端反応性部分を有する基であり;
    xは、1又は2であり;
    yは、0、1又は2であり;
    zは、1から18の整数であり;
    mは、1又は2であり;
    nは、1又は2であり;
    aは、1から8の整数であり;
    bは、1又は2である)
    のポリマーであって、
    「オリゴ」、「スペーサー」、「リンカー」又は「標識」のいずれも、相互に直接、又は任意の基を介して結合され得;且つ
    yが0の場合、[スペーサー]が結合であり、[リンカー]が直接又は任意の基を介して[オリゴ]に結合する、
    ポリマーの少なくとも一を含む抗体コンジュゲートであって、
    「リンカー」が式(VII)
    (式中、d及びeは、1から32の整数であり;Qは、結合、O、S又はN(R)(R)であり;R及びRは、独立してH、C−Cのアルキル基、F、Cl又はN(R)(R)であり;R及びRは、独立してCH又はHである)
    の構造を有する、抗体コンジュゲート。
  5. 標的特異的抗体にカップリングされた式(V)
    (式中、
    「オリゴ」は、1から約50ヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド配列であり、オリゴヌクレオチド配列は70℃未満のTを有し;
    「スペーサー」は、分岐又は非分岐状で置換又は無置換の飽和又は不飽和脂肪族基であり、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、4から32個の炭素原子を有し;
    「リンカー」は、分岐又は非分岐状で置換又は無置換の飽和又は不飽和脂肪族基であり、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、4から18個の炭素原子を有し;
    「標識」は、ハプテン、フルオロフォア、色素原、酵素、及び量子ドットからなる群から選択され;
    Rは、末端基であり;
    Tは、末端反応性部分を有する基であり;
    xは、1又は2であり;
    yは、0、1又は2であり;
    zは、1から18の整数であり;
    mは、1又は2であり;
    nは、1又は2であり;
    aは、1から8の整数であり;
    bは、1又は2である)
    のポリマーであって、
    「オリゴ」、「スペーサー」、「リンカー」又は「標識」のいずれも、相互に直接、又は任意の基を介して結合され得;且つ
    yが0の場合、[スペーサー]が結合であり、[リンカー]が直接又は任意の基を介して[オリゴ]に結合する、
    ポリマーの少なくとも一を含む抗体コンジュゲートであって、
    「リンカー」がポリ(アルキレン)グリコールに由来する、抗体コンジュゲート。
  6. 標的特異的抗体にカップリングされた式(V)
    (式中、
    「オリゴ」は、1から約50ヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド配列であり、オリゴヌクレオチド配列は70℃未満のTを有し;
    「スペーサー」は、分岐又は非分岐状で置換又は無置換の飽和又は不飽和脂肪族基であり、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、4から32個の炭素原子を有し;
    「リンカー」は、分岐又は非分岐状で置換又は無置換の飽和又は不飽和脂肪族基であり、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、4から18個の炭素原子を有し;
    「標識」は、ハプテン、フルオロフォア、色素原、酵素、及び量子ドットからなる群から選択され;
    Rは、末端基であり;
    Tは、末端反応性部分を有する基であり;
    xは、1であり;
    yは、1又は2であり;
    zは、3から18の整数であり;
    mは、0、1又は2であり;
    nは、1又は2であり;
    aは、1又は2であり;
    bは、1又は2である)
    のポリマーであって、
    「オリゴ」、「スペーサー」、「リンカー」又は「標識」のいずれも、相互に直接、又は任意の基を介して結合され得;且つ
    が0の場合、[リンカー]が結合である、
    ポリマーの少なくとも一を含む抗体コンジュゲート。
  7. aが2であり;m、n、及びbが1であり、「標識」がフルオレセイン又はフルオレセイン誘導体であり、「オリゴ」が4から18ヌクレオチドを含み、「リンカー」が4から12個の炭素原子を含む、請求項6に記載の抗体コンジュゲート。
  8. aが1であり;m、n、及びbが1であり、「標識」がジ−ニトロフェニルであり、「オリゴ」が4から18ヌクレオチドを含み、「リンカー」が4から12個の炭素原子を含む、請求項6に記載の抗体コンジュゲート。
  9. 標的特異的抗体にカップリングされた式(V)
    (式中、
    「オリゴ」は、4から18ヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド配列であり、オリゴヌクレオチド配列は70℃未満のTを有し;
    「スペーサー」は、分岐又は非分岐状で置換又は無置換の飽和又は不飽和脂肪族基であり、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、4から32個の炭素原子を有し;
    「リンカー」は、分岐又は非分岐状で置換又は無置換の飽和又は不飽和脂肪族基であり、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、4から12個の炭素原子を有し;
    「標識」は、ジ−ニトロフェニルであり;
    Rは、末端基であり;
    Tは、末端反応性部分を有する基であり;
    xは、1であり;
    yは、0であり;
    zは、3から9の整数であり;
    mは、又は2であり;
    nは、1又は2であり;
    aは、1又は2であり;
    bは、1又は2である)
    のポリマーであって、
    「オリゴ」、「スペーサー」、「リンカー」又は「標識」のいずれも、相互に直接、又は任意の基を介して結合され得;且つ
    [スペーサー]が結合であり、[リンカー]が直接又は任意の基を介して[オリゴ]に結合る、
    ポリマーの少なくとも一を含む、抗体コンジュゲート。
  10. 標的特異的抗体にカップリングされた式(V)
    (式中、
    「オリゴ」は、1から約50ヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド配列であり、オリゴヌクレオチド配列は70℃未満のTを有し;
    「スペーサー」は、分岐又は非分岐状で置換又は無置換の飽和又は不飽和脂肪族基であり、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、4から32個の炭素原子を有し;
    「リンカー」は、分岐又は非分岐状で置換又は無置換の飽和又は不飽和脂肪族基であり、O、N又はSから選択される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、4から18個の炭素原子を有し;
    「標識」は、ハプテン、フルオロフォア、色素原、酵素、及び量子ドットからなる群から選択され;
    Rは、末端基であり;
    Tは、末端反応性部分を有する基であり;
    xは、1又は2であり;
    yは、0、1又は2であり;
    zは、1から18の整数であり;
    mは、0、1又は2であり;
    nは、1又は2であり;
    aは、1から8の整数であり;
    bは、1又は2である)
    のポリマーであって、
    「オリゴ」、「スペーサー」、「リンカー」又は「標識」のいずれも、相互に直接、又は任意の基を介して結合され得;且つ
    yが0の場合、[スペーサー]が結合であり、[リンカー]が直接又は任意の基を介して[オリゴ]に結合し;mが0の場合、[リンカー]が結合である、
    ポリマーの少なくとも一を含む抗体コンジュゲートであって、
    a:bの比が2:1又は3:1であり、ポリマー当たりの存在する「標識」基の数が3から9である、抗体コンジュゲート。
  11. 「標識」がジ−ニトロフェニル、ビオチン、ジゴキシゲニン、フルオレセイン若しくはそれらの誘導体又はローダミンからなる群から選択される、又は「標識」がオキサゾール、ピラゾール、チアゾール、ニトロアリール、ベンゾフラン、トリテルペン、尿素、チオ尿素、ロテノイド、クマリン又はシクロリグナンからなる群から選択される、又は「標識」が5−ニトロ−3−ピラゾール カルバミド、2−(3,4−ジメトキシフェニル)キノリン−4−カルボン酸)、3−ヒドロキシ−2−キノキサリンカルバミド、2,1,3−ベンゾオキサジアゾール−5−カルバミド、及び2−アセトアミド−4−メチル−5−チアゾールスルホンアミドからなる群から選択される、請求項1〜6、9、及び10のいずれか1項に記載の抗体コンジュゲート。
  12. Tの末端反応性部分がアミノ基、カルボキシル基又はスルフヒドリル基である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の抗体コンジュゲート。
  13. 少なくとも一のポリマーが抗体のFc領域又はヒンジ領域の一つにカップリングされる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の抗体コンジュゲート。
  14. 少なくとも二のポリマーが標的特異的抗体にカップリングされる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の抗体コンジュゲート。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の抗体コンジュゲートと、試料中の標識を検出するための検出試薬とを含むキット。
  16. 標識を検出するための検出試薬が標識に特異的な抗体であり、前記標識に特異的な抗体が検出可能な部分を含む、請求項15に記載のキット。
  17. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の抗体コンジュゲートと試料を接触させること、及び標識を用いて標的を検出することを含む、試料中の標的を検出する方法。
  18. 試料が二以上の異なる抗体コンジュゲートと接触され、各抗体コンジュゲートは異なる標的に特異的な抗体及び異なる標識を含み、試料を異なる標識を検出するための検出試薬と接触させる工程をさらに含み、任意に試料が前記二以上の異なる抗体コンジュゲートと同時に又は連続的に接触される、請求項17に記載の方法。
  19. 異なる標識を検出するための検出試薬が異なる標識のそれぞれに特異的な抗標識抗体であり、各抗標識抗体が検出可能な部分を含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記抗体コンジュゲートの標識がハプテンであり、ハプテンを検出するための特異的試薬が、異なる抗体コンジュゲートのそれぞれに特異的な抗ハプテン抗体であり、各抗ハプテン抗体が検出可能な部分を含み、任意にハプテンがジ−ニトロフェニル、フルオレセイン、ビオチン、ジゴキシゲニン、及びローダミンからなる群より選択され、任意に抗体コンジュゲートの第一のハプテンがジ−ニトロフェニルであり、第一の抗ハプテン抗体が抗ジ−ニトロフェニル抗体である、請求項19に記載の方法。
  21. 標識が酵素であり、検出試薬が各酵素に特異的な基質であり、又は抗体コンジュゲートの標識がフルオロフォアであり、直接検出される、請求項18に記載の方法。
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