以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の形態に限定されることはない。
(1)第1の形態
図1は、本発明の第1の形態の磁気共鳴装置の概略図である。
磁気共鳴装置(以下、「MR装置」と呼ぶ。MR:Magnetic Resonance)1は、マグネット2、テーブル3、受信RFコイル(以下、「受信コイル」と呼ぶ)4などを有している。
マグネット2は、被検体13が収容される収容空間21を有している。また、マグネット2は、超伝導コイル22、勾配コイル23、およびRFコイル24を有している。超伝導コイル22は静磁場を発生させる。勾配コイル23は、後述するRO方向、PE方向、およびSS方向に勾配磁場(勾配パルス)を印加し、RFコイル24はRFパルスを印加する。尚、超伝導コイルの代わりに、永久磁石を用いてもよい。
テーブル3は、クレードル3aを有している。クレードル3aは、収容空間21内に移動できるように構成されている。クレードル3aによって、被検体13は収容空間21に搬送される。
受信コイル4は、被検体13の頭頸部に取り付けられている。受信コイル4は、被検体13からの磁気共鳴信号を受信する。
MR装置1は、更に、送信器5、勾配磁場電源6、受信器7、コンピュータ8、操作部11、および表示部12などを有している。
送信器5はRFコイル24に電流を供給し、勾配磁場電源6は勾配コイル23に電流を供給する。受信器7は、受信コイル4から受け取った信号に対して、検波などの信号処理を実行する。尚、マグネット2、受信コイル4、送信器5、勾配磁場電源6、および受信器7を合わせたものがスキャン手段に相当する。
コンピュータ8は、表示部12に必要な情報を伝送したり、画像を再構成するなど、MR装置1の各種の動作を実現するように、MR装置1の各部の動作を制御する。コンピュータ8は、プロセッサ9および記憶部10などを有している。
記憶部10には、プロセッサ9により実行されるプログラムなどが記憶されている。尚、記憶部10は、コンピュータで読取り可能な非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体としては、例えば、CD−ROMを用いることができる。プロセッサ9は、記憶部10に記憶されているプログラムを読み出し、プログラムに記述されている処理を実行するための手段を実現する。図2は、プロセッサ9が実現する手段の説明図である。プロセッサ9は、記憶部10に記憶されているプログラムを読み出すことにより、画像作成手段91などを実現する。
画像作成手段91は、後述するイメージングシーケンス(図13、図38参照)により得られたデータに基づいて画像を作成する。
プロセッサ9は、画像作成手段91を構成する一例であり、記憶部10に記憶されたプログラムを実行することによりこれらの手段として機能する。
操作部11は、オペレータにより操作され、種々の情報をコンピュータ8に入力する。表示部12は種々の情報を表示する。
MR装置1は、上記のように構成されている。
第1の形態では、局所励起技術を用いて頭頸部のDWI(Diffusion Weighted Imaging)画像を取得するためのイメージングシーケンスを実行する。以下に、第1の形態において実行されるイメージングシーケンスについて説明する。尚、以下では、第1の形態の効果を明確にするために、先ず、局所励起技術を用いて頭頸部のDWI画像を取得するための通常のイメージングシーケンスの一例について説明し、通常のイメージングシーケンスを説明した後、第1の形態のイメージングシーケンスについて説明する。
図3は、局所励起技術を用いて頭頸部のDWI画像を取得するための通常のイメージングシーケンスの一例を示す図である。
図3には、局所励起技術の一例であるFOCUS(Fov Optimized and Constrained Undistorted Single-shot)で使用されるイメージングシーケンスIS0が示されている。FOCUSでは、2D選択励起と呼ばれるRF励起法が用いられている。
イメージングシーケンスIS1は、2D選択励起を行うための励起セグメントSG1を有している。図4に、励起セグメントSG1の拡大図を示す。励起セグメントSG1は、複数のRFパルスA1を有している。複数のRFパルスA1は、時間とともに大きさが変化するように構成されている。複数のRFパルスA1は、RFコイル24により印加される。
また、励起セグメントSG1は、位相エンコード(PE:Phase Encode)方向に印加される勾配磁場H1を有している。勾配磁場H1は、正の勾配パルスHpおよび負の勾配パルスHnを含んでいる。正の勾配パルスHpおよび負の勾配パルスHnは交互に印加される。また、勾配磁場H1は、リワインダーHrを含んでいる。リワインダーHrは、スピンを収束させるための勾配パルスである。勾配磁場H1は勾配コイル23により印加される。
また、励起セグメントSG1は、スライス選択(SS:Slice Selection)方向に印加される勾配磁場C1を有している。勾配磁場C1は、複数の正の勾配パルスCp1〜Cp14と、スピンを収束させるためのリワインダーCR1とを有している。リワインダーCR1は負の勾配パルスであり、リワインダーCR1の面積の絶対値S1は、複数の正の勾配パルスCp1〜Cp14の面積の絶対値の合計値の半分の値に一致するように設定されている。勾配磁場C1は勾配コイル23により印加される。
励起セグメントSG1を実行することにより、PE方向およびSS方向の励起形状が決定される。
図3に戻って説明を続ける。
励起セグメントSG1を実行した後、リフォーカスパルスRPが印加される。リフォーカスパルスRPは、例えば、180°パルスである。
また、イメージングシーケンスIS1は、読み出し(RO:Read Out)方向に印加される2つの勾配パルスGD11およびGD12を有している。2つの勾配パルスGD11およびGD12は、RO方向の拡散を検出するためのMPG(Motion Probing Gradient)であり、リフォーカスパルスRPの前後に印加される。
また、イメージングシーケンスIS1は、PE方向に印加される2つの勾配パルスGD21およびGD22を有している。2つの勾配パルスGD21およびGD22は、PE方向の拡散を検出するためのMPGであり、リフォーカスパルスRPの前後に印加される。
また、イメージングシーケンスIS1は、SS方向に印加される2つの勾配パルスGD31およびGD32を有している。2つの勾配パルスGD31およびGD32は、SS方向の拡散を検出するためのMPGであり、リフォーカスパルスRPの前後に印加される。
これらのMPGにより、3方向の拡散を検出することができる。
また、イメージングシーケンスIS1は、RO方向に印加される複数の読み出し勾配パルスGrを有している。読み出し勾配パルスGrの前後には、補正用勾配パルスGr1およびGr2が印加されている。また、イメージングシーケンスIS1は、PE方向に印加される複数の位相エンコード勾配パルスGtを有している。位相エンコード勾配パルスGtの前後には、補正用勾配パルスGt1およびGt2が印加されている。更に、イメージングシーケンスIS1は、SS方向に印加されるキラー勾配パルスGkを有している。キラー勾配パルスGkは、横磁化を分散させるための勾配パルスである。
イメージングシーケンスIS1は、1回の2D選択励起で画像再構成に必要なすべてのエコーを収集するシングルショットEPIを実行するシーケンスである。
イメージングシーケンスIS1は、上記のように構成されている。
図5は、イメージングシーケンスIS1により実行される励起を説明するための励起用のk空間を示す図である。
図5の励起用のk空間において、横軸はkPE軸であり、縦軸はkSS軸である。kPE軸およびkSS軸は互いに直交している。PE(Phase Encode)方向はkPE軸に対応しており、一方、SS(Slice Selection)方向はkSS軸に対応している。また、k空間には、複数のトラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)が示されている。トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)の各々はkPE軸に平行に延在している。また、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)は、kSS軸に沿う方向(SS方向)にΔkの間隔で並んでいる。トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)のkSS軸上の座標値Pは、P=−7Δk〜7Δkで表されている。例えば、トラジェクトリJ1(0)は、kSS軸上の座標値P=0に存在するトラジェクトリである。
ここで、イメージングシーケンスIS1の2D選択励起を行った直後の時点te(図3および図4参照)における横磁化Mxyについて考える。横磁化Mxyは、以下の式で表すことができる(参考文献:Pauly J, Nishimura D, Macovski A. A k-space analysis of small-tip-angle excitation. J Magn Reson. 1989;81:43-56.)。
式(1)のk(t)は、撮影部位を励起している間に印加される勾配磁場を用いて規定されるk空間を表しており、例えば、以下の式で表される。
ここで、式(2)のG(s)は、時刻sにおける勾配磁場を表す。例えば、励起セグメントSG1(図4参照)により撮影部位を励起する場合、G(s)は、時刻sにおける勾配磁場H1と時刻sにおける勾配磁場C1とを合成することにより得られる勾配磁場を表している。
また、式(1)のB1(t)は、時刻tにおけるRFパルスのエンベロープの値を表しており、例えば、以下の式で表すことができる(参考文献:Marcus T, Alley, John M. Pauly, F. Graham Sommer, Norbert J. Pelc “Angiographic Imaging with 2D RF Pulses”:261)。
図6は、式(1)により求められた横磁化Mxyを表す励起プロファイルE1を示す図である。
2D選択励起を行うと、SS方向の励起の中心位置Q0に、実数成分が支配的で正の値を持つ大きな横磁化を表すメインローブが現れる。しかし、イメージングシーケンスIS1のトラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)は、kSS軸に沿う方向(SS方向)にΔkの間隔で離散的に並んでいるので(図5参照)、2π/Δkで励起が繰り返される。このように励起が繰り返されることにより、SS方向の励起の中心位置Q0から離れた位置QiおよびQ−i(iは1以上の整数)に、横磁化を表すサイドローブが周期的に現れる。図6では、サイドローブとして、Q1およびQ−1、Q2およびQ−2、Qn−1およびQ−(n−1)に現れるサイドローブが示されている。サイドローブは、実数成分が支配的で正の値を有する横磁化を表している。このサイドローブによって、励起部位のSS方向の中心位置Q0から離れた位置(例えば、体表面)でも励起が行われる。したがって、サイドローブの励起により不要な信号がエコーに混入し、エイリアシング(aliasing)が生じるという問題がある。
そこで、本願発明者は、鋭意研究を重ね、サイドローブの影響を軽減する方法を考え出した。以下に、サイドローブの影響を軽減する原理について説明する。
尚、以下では、説明の便宜上、先ず、励起プロファイルE1のサイドローブのうち、n=2、即ち、Q1およびQ−1に現れるサイドローブ(図7参照)の影響を軽減する原理について説明する。
先ず、励起用のk空間において、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)をkSS軸に沿う方向(SS方向)に距離ksft=(1/4)Δkだけ平行移動することを考える。図8に、励起用のk空間において、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)をkSS軸に沿う方向(SS方向)に距離ksft=(1/4)Δkだけ平行移動することにより得られた新たなトラジェクトリを示す。図8では、新たなトラジェクトリは、符号「J1(-7)’」〜「J1(7)’」で示されている。トラジェクトリJ1(-7)’〜J1(7)’はkSS軸に沿う方向にΔkの間隔で並んでいる。また、トラジェクトリJ1(-7)’〜J1(7)’は、それぞれ、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)に対してkSS軸上の座標値が+(1/4)Δkだけずれた位置に存在している。例えば、トラジェクトリJ1(0)’は、トラジェクトリJ1(0)に対してkSS軸上の座標値が+(1/4)Δkだけずれた位置、即ち、P=(1/4)Δkに位置している。
次に、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)により得られる励起プロファイルと、+(1/4)Δkだけ平行移動したトラジェクトリJ1(-7)’〜 J1(7)’の励起プロファイルとの違いについて説明する。
図9は、励起プロファイルの違いの説明図である。
図9(a)は、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)により得られる励起プロファイルE1を示しており、図9(b)は、+(1/4)Δkだけ平行移動したトラジェクトリJ1(-7)’〜 J1(7)’により得られる励起プロファイルE1’を示している。
励起プロファイルE1’は、励起プロファイルE1と同様に、SS方向の励起の中心位置Q0に、実数成分が支配的で正の値を有する横磁化を表すメインローブが現れる。しかし、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)を+(1/4)Δkだけ平行移動すると、フーリエシフト定理により、励起プロファイルE1’には、SS方向の位置Q−1に、虚数成分が支配的で負の値を有する横磁化を表すサイドローブが現れ、SS方向の位置Q1に、虚数成分が支配的で正の値を有する横磁化を表すサイドローブが現れる。
したがって、励起プロファイルE1’は、励起プロファイルE1と比較すると、サイドローブが異なっていることがわかる。
次に、励起用のk空間において、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)をSS方向とは反対方向に距離ksft=(1/4)Δkだけ平行移動することを考える。図10に、励起用のk空間において、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)をSS方向とは反対方向に距離ksft=(1/4)Δkだけ平行移動することにより得られた新たなトラジェクトリを示す。図10では、新たなトラジェクトリは、符号「J1(-7)”」〜「J1(7)”」で示されている。トラジェクトリJ1(-7)”〜J1(7)”はkSS軸に沿う方向にΔkの間隔で並んでいる。また、トラジェクトリJ1(-7)”〜J1(7)”は、それぞれ、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)に対してkSS軸上の座標値が−(1/4)Δkだけずれた位置に存在している。例えば、トラジェクトリJ1(0)”は、トラジェクトリJ1(0)に対してkSS軸上の座標値が−(1/4)Δkだけずれた位置、即ち、P=−(1/4)Δkに位置している。
以下に、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)により得られる励起プロファイルと、−(1/4)Δkだけ平行移動したトラジェクトリJ1(-7)”〜J1(7)”の励起プロファイルとの違いについて説明する。
図11は、励起プロファイルの違いの説明図である。
図11(a)は、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)により得られる励起プロファイルE1を示しており、図11(b)は、−(1/4)Δkだけ平行移動したトラジェクトリJ1(-7)”〜J1(7)”により得られる励起プロファイルE1”を示している。
励起プロファイルE1”は、励起プロファイルE1と同様に、SS方向の励起の中心位置Q0に、実数成分が支配的で正の値を有する横磁化を表すメインローブが現れる。しかし、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)を−(1/4)Δkだけ平行移動すると、フーリエシフト定理により、励起プロファイルE1”には、SS方向の位置Q−1に、虚数成分が支配的で正の値を有する横磁化を表すサイドローブが現れ、SS方向の位置Q1に、虚数成分が支配的で負の値を有する横磁化を表すサイドローブが現れる。
したがって、励起プロファイルE1”は、励起プロファイルE1と比較すると、サイドローブが異なっていることがわかる。
次に、図9(b)に示す励起プロファイルE1’と、図11(b)に示す励起プロファイルE1”とを合成することを考える。図12に、励起プロファイルE1’およびE1”を合成することにより得られた合成励起プロファイルEcombを示す。
励起プロファイルE1’とE1”とを比較すると、サイドローブの極性が反対になっていることが分かる。したがって、励起プロファイルE1’とE1”とを合成すると、SS方向の中心位置Q0におけるメインローブは加算されるが、SS方向の位置Q−1におけるサイドローブがキャンセルされ、更にSS方向の位置Q1におけるサイドローブもキャンセルされる。このため、合成励起プロファイルEcombには、メインローブの横磁化のみが残るので、エイリアシングの影響を軽減できることが分かる。
次に、上記の原理に基づいてエイリアシングの影響を軽減するために実行されるスキャンについて説明する。
図13は、第1の形態で実行されるスキャンの説明図である。
スキャンでは、イメージングシーケンスIS1’およびIS1”が実行される。以下、イメージングシーケンスIS1’およびIS1”について順に説明する。
図14は、イメージングシーケンスIS1’の説明図である。
イメージングシーケンスIS1’は、2D選択励起を行うための励起セグメントSG1’を有している。尚、イメージングシーケンスIS1’の励起セグメントSG1’の後に印加される各種パルスは、イメージングシーケンスIS1(図3参照)の励起セグメントSG1の後に印加される各種パルスと同じである。したがって、イメージングシーケンスIS1’の説明に当たっては、主に、励起セグメントSG1’について説明する。
図15は、励起セグメントSG1’の拡大図である。励起セグメントSG1’は、複数のRFパルスA1’を有している。複数のRFパルスA1’は、時間とともに大きさが変化するように構成されている。複数のRFパルスA1’は、RFコイル24により印加される。
また、励起セグメントSG1’は、PE方向に印加される勾配磁場H1’を有している。勾配磁場H1’は、正の勾配パルスHpおよび負の勾配パルスHnを含んでいる。正の勾配パルスHpおよび負の勾配パルスHnは交互に印加される。また、勾配磁場H1’は、リワインダーHrを含んでいる。リワインダーHrは、スピンを収束させるための勾配パルスである。勾配磁場H1’は勾配コイル23により印加される。
また、励起セグメントSG1’は、SS方向に印加される勾配磁場C1’を有している。勾配磁場C1’は、複数の正の勾配パルスCp1〜Cp14と、スピンを収束させるための負のリワインダーCR1’とを有している。勾配磁場C1’は勾配コイル23により印加される。
励起セグメントSG1’は、励起セグメントSG1と比較すると、以下の点が異なっている。
(1)励起セグメントSG1’のリワインダーCR1’の面積の絶対値S1’は、励起セグメントSG1のリワインダーCR1の面積の絶対値S1(図4参照)よりも、トラジェクトリの平行移動距離(1/4)Δkに対応した値ΔSだけ小さい値に設定されている。つまり、面積の絶対値S1’は、以下の式で表される
S1’=S1−ΔS・・・(4)
(2)上記のように、励起セグメントSG1’のリワインダーCR1’は、励起セグメントSG1のリワインダーCR1と比較すると、面積がΔSだけ小さい値に設定されている。したがって、励起セグメントSG1’のRFパルスのエンベロープの値B1(t)は、励起セグメントSG1のRFパルスのエンベロープの値B1(t)に対して、ΔSに応じた値だけ変更されている(式(3)参照)。
上記のような励起セグメントSG1’を構成することにより、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)に対してkSS軸上の座標値が+(1/4)ΔkだけずれたトラジェクトリJ1(-7)’〜 J1(7)’を得ることができ(図8参照)、更に、励起プロファイルE1’(図9(b)参照)を実現することができる。
次に、イメージングシーケンスIS1”について説明する。
図16は、イメージングシーケンスIS1”の説明図である。
イメージングシーケンスIS1”は、2D選択励起を行うための励起セグメントSG2”を有している。尚、イメージングシーケンスIS1”の励起セグメントSG1”の後に印加される各種パルスは、イメージングシーケンスIS1(図3参照)の励起セグメントSG1の後に印加される各種パルスと同じである。したがって、イメージングシーケンスIS1”の説明に当たっては、主に、励起セグメントSG1”について説明する。
図17は、励起セグメントSG1”の拡大図である。励起セグメントSG1”は、複数のRFパルスA1”を有している。複数のRFパルスA1”は、時間とともに大きさが変化するように構成されている。複数のRFパルスA1”は、RFコイル24により印加される。
また、励起セグメントSG1”は、PE方向に印加される勾配磁場H1”を有している。励起セグメントSG1”の勾配磁場H1”は、正の勾配パルスHpおよび負の勾配パルスHnを含んでいる。正の勾配パルスHpおよび負の勾配パルスHnは交互に印加される。また、勾配磁場H1”は、負のリワインダーHr1”を含んでいる。リワインダーHr1”は、スピンを収束させるための勾配パルスである。勾配磁場H1”は勾配コイル23により印加される。尚、図17では、励起セグメントSG1”の勾配磁場H1”と、先に説明した励起セグメントSG1’の勾配磁場H1’(図15参照)との違いを明確にするために、PE方向には、勾配磁場H1”の他に、勾配磁場H1’も示されている。勾配磁場H1”は実線で示してあり、勾配磁場H1’は破線で示してある。勾配磁場H1”は、勾配磁場H1’の極性を逆にすることにより得られている。したがって、勾配磁場H1”の極性は、各時刻において、勾配磁場H1’の極性とは逆の極性に設定されている。
また、励起セグメントSG1”は、SS方向に印加される勾配磁場C1”を有している。勾配磁場C1”は、複数の負の勾配パルスCn1〜Cn14と、スピンを収束させるための正のリワインダーCR1”とを有している。勾配磁場C1”は勾配コイル23により印加される。尚、図17では、励起セグメントSG1”の勾配磁場C1”と、先に説明した励起セグメントSG1’の勾配磁場C1’(図15参照)との違いを明確にするために、SS方向には、勾配磁場C1”の他に、勾配磁場C1’も示されている。勾配磁場C1”は実線で示してあり、勾配磁場C1’は破線で示してある。勾配磁場C1”は、勾配磁場C1’の極性を逆にすることにより得られている。したがって、勾配磁場C1”の極性は、各時刻において、勾配磁場C1’の極性とは逆の極性に設定されている。
励起セグメントSG1”は、図17に示すように構成されている。したがって、励起セグメントSG1”は、励起セグメントSG1’と比較すると、以下の点が異なっている。
(1)励起セグメントSG1”の勾配磁場H1”は、励起セグメントSG1’の勾配磁場H1’と比較すると、極性が逆である。
(2)励起セグメントSG1”の勾配磁場C1”は、励起セグメントSG1’の勾配磁場C1’と比較すると、極性が逆である。
尚、リワインダーCR1”は、リワインダーCR1’と比較すると、極性が逆になっているだけであるので、リワインダーCR1”の面積の絶対値S1”と、リワインダーCR1’の面積の絶対値S1’との間には、以下の関係がある。
S1”=S1’・・・(5)
したがって、式(4)を式(5)に代入すると以下の式が得られる。
S1”=S1−ΔS・・・(6)
上記のような励起セグメントSG1”を構成することにより、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)に対してkSS軸上の座標値が−(1/4)ΔkだけずれたトラジェクトリJ1(-7)”〜J1(7)”を得ることができ(図10参照)、更に、励起プロファイルE1”(図11(b)参照)を実現することができる。
次に、撮影部位の画像を取得するために実行される処理の順序を表すフローについて、図18を参照しながら説明する。
ステップST1では、スキャン条件が設定される。スキャン条件には、各種パラメータの値やスライスの範囲などが含まれる。図19に、設定されたスライスを概略的に示す。図19(a)は、XZ平面内におけるスライスSLを示しており、図19(b)は、YZ平面内におけるスライスSLを示している。第1の形態では、頭頸部にスライスSLが設定された例が示されている。尚、説明の便宜上、スライスSLは1枚のみ設定されたとする。スキャン条件を設定した後、ステップST2に進む。
ステップST2では、イメージングシーケンスIS1’(図14参照)およびイメージングシーケンスIS1”(図16参照)が順に実行される。尚、第1の形態では、イメージングシーケンスIS1’およびIS1”のRO方向、PE方向、およびSS方向は、それぞれ、図19のz方向、x方向、およびy方向に対応している。しかし、RO方向、PE方向、およびSS方向と、x方向、y方向、およびz方向との対応関係は、任意の組み合わせに設定することができる。
これらのイメージングシーケンスにより発生するエコーは受信コイル4で受信され、受信器7に送信される。受信器7は、受信コイル4から受け取った信号に対して検波などの信号処理を行う。これにより、スライスの画像情報を含むイメージングデータ(k空間データ)が得られる。図20に、イメージングシーケンスIS1’により得られたイメージングデータ(k空間データ)ID1と、イメージングシーケンスIS1”により得られたイメージングデータ(k空間データ)ID2とを概略的に示す。
イメージングシーケンスIS1’およびIS1”を実行した後、ステップST3に進む。
ステップST3では、画像作成手段91(図2参照)が、イメージングデータID1とイメージングデータID2とに基づいて、画像を作成する。以下に、画像の作成方法について説明する。尚、ステップST3はステップST31およびST32を有しているので、各ステップについて順に説明する。
ステップST31では、画像作成手段91が、イメージングデータID1とイメージングデータID2とを合成する。図21に、イメージングデータID1とイメージングデータID2とを合成することにより得られた合成イメージングデータIDcombを概略的に示す。イメージングデータを合成した後、ステップST32に進む。
ステップST32では、画像作成手段91が、合成イメージングデータIDcombを逆フーリエ変換し、逆フーリエ変換により得られた複素データからDWI画像を再構成する。図22に、再構成されたDWI画像を概略的に示す。DWI画像を求めたら、フローを終了する。
第1の形態では、イメージングシーケンスIS1’およびIS1”を実行する。イメージングシーケンスIS1’は、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)に対してkSS軸上の座標値が+(1/4)ΔkだけずれたトラジェクトリJ1(-7)’〜 J1(7)’に従って2D選択励起を行う(図8参照)。一方、イメージングシーケンスIS1”は、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)に対してkSS軸上の座標値が−(1/4)ΔkだけずれたトラジェクトリJ1(-7)”〜J1(7)”に従って2D選択励起を行う(図10参照)。そして、これらのイメージングシーケンスIS1’およびIS1”により得られたイメージングデータID1およびID2を合成し(図21参照)、合成イメージングデータIDcombをフーリエ変換することにより、スライスSLのDWI画像を作成する。イメージングデータID1およびID2を合成することにより、サイドローブの横磁化による信号成分をキャンセルすることができるので(図12参照)、エイリアシングが低減され、高品質な画像を得ることができる。また、第1の形態では、トラジェクトリを(1/4)Δkだけずらすことにより、エイリアシングを低減することができる。したがって、エイリアシングによる画像劣化を低減するためにΔkを小さくする必要がないので、2D選択励起の励起時間の延長を防止することができる。このため、TEの延長を防止することができ、更に、T1緩和およびT2緩和によるスライスプロファイルの劣化も低減することができる。
尚、第1の形態では、画像作成手段91は、イメージングデータID1およびID2を合成し、合成イメージングデータに基づいてDWI画像を再構成している。しかし、イメージングデータID1とイメージングデータID2とを合成せずに、イメージングデータID1およびイメージングデータID2の各々を逆フーリエ変換し、逆フーリエ変換により得られた2つの複素データを合成し、合成された複素データからDWI画像を作成してもよい。
また、第1の形態では、トラジェクトリを±(1/4)Δkだけ移動することにより、エイリアシングを低減している。しかし、以下の条件を満たすようにトラジェクトリの移動量ksftを設定すれば、エイリアシングをある程度低減することができる。
ksft=±m・Δk(ただし、0<m<1/2) ・・・(7)
第1の形態では、式(7)のmがm=1/4、即ちksft=±(1/4)・Δkの例が説明されているが、0<m<1/2の範囲内であれば、mはm=1/4に限定されることはない。しかし、ksftが±(1/4)・Δkに近いほど、イメージングシーケンスIS1’およびIS1”によるサイドローブのキャンセル効果は高いので、mはm=1/4に近いことが望ましい。
尚、第1の形態では、励起セグメントのRFパルスは、実数で表されると仮定しているが、本発明は、RFパルスが複素数で表される場合にも適用できる。この場合、励起セグメントSG1の終了直後の時点teにおける横磁化Mxyは、以下の式で表すことができる。
ここで、θ:RFパルスの実部と虚部との間の位相
一方、励起セグメントSG2の終了直後の時点teにおける横磁化Mxyは、以下の式で表すことができる。
したがって、式(8)と式(9)とを比較すると、RFパルスが複素数で表される場合、以下の条件(1)および(2)を満たすように、励起セグメントSG2のRFパルスを設定すればよい。
(1)励起セグメントSG2のRFパルスのエンベロープの値の絶対値|B1(t)|は、励起セグメントSG1のRFパルスのエンベロープの値の絶対値|B1(t)|に等しい。
(2)励起セグメントSG2のRFパルスの位相は、励起セグメントSG1のRFパルスの位相とは逆の極性を有する。
(2)第2の形態
第2の形態は、第1の形態と比較すると、エイリアシングの影響を低減するために使用されるイメージングシーケンスが異なるが、MR装置の構成は同じである。したがって、第2の形態の説明に当たっては、MR装置の構成の説明は省略し、エイリアシングの影響を低減する原理と、エイリアシングを低減するために使用されるイメージングシーケンスについて主に説明する。
先ず、励起用のk空間において、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)(図5参照)をkSS軸に沿う方向(SS方向)に距離ksft=(1/2)Δkだけ平行移動することを考える。図23に、励起用のk空間において、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)をkSS軸に沿う方向(SS方向)に距離ksft=(1/2)Δkだけ平行移動することにより得られた新たなトラジェクトリを示す。図23では、新たなトラジェクトリは、符号「J2(-7)」〜「J2(7)」で示されている。トラジェクトリJ2(-7)〜J2(7)はkSS軸に沿う方向にΔkの間隔で並んでいる。また、トラジェクトリJ2(-7)〜J2(7)は、それぞれ、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)に対してkSS軸上の座標値が+(1/2)Δkだけずれた位置に存在している。例えば、トラジェクトリJ2(0)は、トラジェクトリJ1(0)に対してkSS軸上の座標値が+(1/2)Δkだけずれた位置、即ち、P=(1/2)Δkに位置している。
次に、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)により得られる励起プロファイルと、+(1/2)Δkだけ平行移動したトラジェクトリJ2(-7)〜J2(7)の励起プロファイルとの違いについて説明する。
図24は、励起プロファイルの違いの説明図である。
図24(a)は、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)により得られる励起プロファイルE1を示しており、図24(b)は、+(1/2)Δkだけ平行移動した後のトラジェクトリJ2(-7)〜J2(7)により得られる励起プロファイルE2を示している。
励起プロファイルE2は、励起プロファイルE1と同様に、SS方向の励起の中心位置Q0に、実数成分が支配的で正の値を有する横磁化を表すメインローブが現れる。しかし、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)を+(1/2)Δkだけ平行移動すると、フーリエシフト定理により、励起プロファイルE2には、SS方向の位置Q−1に、実数成分が支配的で負の値を有する横磁化を表すサイドローブが現れ、SS方向の位置Q1に、実数成分が支配的で負の値を有する横磁化を表すサイドローブが現れる。
したがって、励起プロファイルE2は、励起プロファイルE1と比較すると、サイドローブが異なっていることがわかる。
次に、図24(a)に示す励起プロファイルE1と、図24(b)に示す励起プロファイルE2とを合成することを考える。図25に、励起プロファイルを合成することにより得られた合成励起プロファイルEcombを示す。
励起プロファイルE1およびE2を比較すると、サイドローブの極性が反対になっていることが分かる。したがって、励起プロファイルE1とE2とを合成すると、SS方向の中心位置Q0におけるメインローブは加算されるが、SS方向の位置Q−1におけるサイドローブがキャンセルされ、更にSS方向の位置Q1におけるサイドローブもキャンセルされる。このため、合成励起プロファイルEcombには、メインローブの横磁化のみが残るので、エイリアシングの影響を軽減できることが分かる。
次に、上記の原理に基づいてエイリアシングの影響を軽減するために実行されるスキャンについて説明する。
図26は、第2の形態で実行されるスキャンの説明図である。
第2の形態では、イメージングシーケンスIS1およびIS2が実行される。以下、イメージングシーケンスIS1およびIS2について順に説明する。
イメージングシーケンスIS1は、図3に示すイメージングシーケンスIS1と同じである。したがって、イメージングシーケンスIS1の詳細な説明は省略する。イメージングIS1では、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)(図23参照)に従って励起が行われ、図24(a)に示す励起プロファイルE1が得られる。
次に、イメージングシーケンスIS2について説明する。図26には、イメージングシーケンスIS2が具体的に示されている。
イメージングシーケンスIS2は、2D選択励起を行うための励起セグメントSG2を有している。尚、イメージングシーケンスIS2の励起セグメントSG2の後に印加される各種パルスは、イメージングシーケンスIS1(図3参照)の励起セグメントSG1の後に印加される各種パルスと同じである。したがって、イメージングシーケンスIS2の説明に当たっては、主に、励起セグメントSG2について説明する。
図27は、励起セグメントSG2の拡大図である。励起セグメントSG2は、複数のRFパルスA2を有している。複数のRFパルスA2は、時間とともに大きさが変化するように構成されている。複数のRFパルスA2は、RFコイル24により印加される。
また、励起セグメントSG2は、PE方向に印加される勾配磁場H2を有している。勾配磁場H2は、正の勾配パルスHpおよび負の勾配パルスHnを含んでいる。正の勾配パルスHpおよび負の勾配パルスHnは交互に印加される。また、勾配磁場H2は、リワインダーHrを含んでいる。リワインダーHrは、スピンを収束させるための勾配パルスである。勾配磁場H2は勾配コイル23により印加される。勾配磁場H2の極性は、各時刻において、勾配磁場H1(図4参照)の極性と同じ極性に設定されている。
また、励起セグメントSG2は、SS方向に印加される勾配磁場C2を有している。勾配磁場C2は、複数の正の勾配パルスCp1〜Cp14と、スピンを収束させるための負のリワインダーCR2とを有している。勾配磁場C2は勾配コイル23により印加される。勾配磁場C2の極性は、各時刻において、勾配磁場C1(図4参照)の極性と同じ極性に設定されている。
励起セグメントSG2は、励起セグメントSG1と比較すると、以下の点が異なっている。
(1)励起セグメントSG2のリワインダーCR2の面積の絶対値S2は、励起セグメントSG1のリワインダーCR1の面積の絶対値S1(図4参照)よりも、トラジェクトリの平行移動距離(1/2)Δkに対応した値ΔS2だけ小さく設定されている。つまり、S2=S1−ΔS2に設定されている。
(2)上記のように、励起セグメントSG2のリワインダーCR2は、励起セグメントSG1のリワインダーCR1と比較すると、面積がΔS2だけ小さい値に設定されている。したがって、励起セグメントSG2のRFパルスのエンベロープの値B1(t)は、励起セグメントSG1のRFパルスのエンベロープの値B1(t)に対して、ΔS2に応じた値だけ変更されている。
上記のような励起セグメントSG3を構成することにより、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)に対してkSS軸上の座標値が+(1/2)ΔkだけずれたトラジェクトリJ2(-7)〜J2(7)を得ることができ(図23参照)、更に、励起プロファイルE2(図24(b)参照)を実現することができる。
第2の形態では、イメージングシーケンスIS1およびIS2を実行することにより、スライスのDWI画像を取得する。尚、スライスのDWI画像は、第1の形態と同様に、図18に示すフローに従って取得することができる。
第2の形態では、イメージングシーケンスIS1およびIS2を実行する。イメージングシーケンスIS1は、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)に従って2D選択励起を行う。一方、イメージングシーケンスIS2は、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)に対してkSS軸上の座標値が+(1/2)ΔkだけずれたトラジェクトリJ2(-7)〜J2(7)に従って2D選択励起を行う(図23参照)。そして、これらのイメージングシーケンスIS1およびIS2により得られたイメージングデータを合成し、合成イメージングデータをフーリエ変換することにより、スライスSLのDWI画像を作成する。イメージングシーケンスIS1およびIS2により得られたイメージングデータを合成することにより、サイドローブの横磁化による信号成分をキャンセルすることができるので(図25参照)、エイリアシングが低減され、高品質な画像を得ることができる。また、第2の形態でも、第1の形態と同様に、Δkを小さくする必要がないので、2D選択励起の励起時間の延長を防止することができる。
尚、上記の説明では、n=2、即ち、励起プロファイルE1に現れるサイドローブのうち、Q1およびQ−1に現れるサイドローブ(図7参照)を消すための方法について説明されている。次に、n≧3、即ち、Q1およびQ−1だけでなく、Q2およびQ−2、・・・Q(n−1)およびQ−(n−1)に現れるサイドローブ(図6参照)も消す方法について考察する。
以下では、説明の便宜上、先ず、n=3について考察する。図28は、n=3、即ち、励起プロファイルE1に現れるサイドローブのうち、Q−1およびQ1に現れるサイドローブR1(-1)およびR1(1)と、Q−2およびQ2に現れるサイドローブR1(-2)およびR1(2)が示されている。以下に、これらのサイドローブR1(-1)およびR1(1)並びにサイドローブR1(-2)およびR1(2)を消す方法について説明する。
先ず、励起用のk空間において、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)をkSS軸に沿う方向(SS方向)に距離ksft=(1/3)Δkだけ平行移動することを考える。図29に、励起用のk空間において、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)をkSS軸に沿う方向(SS方向)に距離ksft=(1/3)Δkだけ平行移動することにより得られた新たなトラジェクトリを示す。図29では、新たなトラジェクトリは、符号「J2(-7)」〜「J2(7)」で示されている。トラジェクトリJ2(-7)〜J2(7)はkSS軸に沿う方向にΔkの間隔で並んでいる。また、トラジェクトリJ2(-7)〜J2(7)は、それぞれ、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)に対してkSS軸上の座標値が+(1/3)Δkだけずれた位置に存在している。例えば、トラジェクトリJ2(0)は、トラジェクトリJ1(0)に対してkSS軸上の座標値が+(1/3)Δkだけずれた位置、即ち、P=(1/3)Δkに位置している。
次に、(1/3)Δkだけ平行移動したトラジェクトリJ2(-7)〜J2(7)の励起プロファイルE2について説明する。
図30は、図29のトラジェクトリJ2(-7)〜J2(7)により得られる励起プロファイルE2を示す図である。
図30では、励起プロファイルE2は、実数成分(a)と虚数成分(b)に分けて示されている。
実数成分の励起プロファイルE2_Rは、SS方向の励起の中心位置Q0に、正の値を有する横磁化を表すメインローブML2が現れる。そして、SS方向の位置Q−2、Q−1、Q1、およびQ2には、それぞれ、負の値を有する横磁化を表すサイドローブR2(-2)、R2(-1)、R2(1)、およびR2(2)が現れる。
一方、虚数成分の励起プロファイルE2_Iは、SS方向の位置Q−2、Q−1、Q1、およびQ2に、それぞれ、サイドローブI2(-2)、I2(-1)、I2(1)、およびI2(2)が現れる。サイドローブI2(-2)およびI2(1)は正の値を有しており、サイドローブI2(-1)およびI2(2)は負の値を有している。
次に、励起用のk空間において、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)をkSS軸に沿う方向(SS方向)に距離ksft=(2/3)Δkだけ平行移動することを考える。図31に、励起用のk空間において、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)をkSS軸に沿う方向(SS方向)に距離ksft=(2/3)Δkだけ平行移動することにより得られた新たなトラジェクトリを示す。図31では、新たなトラジェクトリは、符号「J3(-7)」〜「J3(7)」で示されている。トラジェクトリJ3(-7)〜J3(7)はkSS軸に沿う方向にΔkの間隔で並んでいる。また、トラジェクトリJ3(-7)〜J3(7)は、それぞれ、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)に対してkSS軸上の座標値が+(2/3)Δkだけずれた位置に存在している。例えば、トラジェクトリJ3(0)は、トラジェクトリJ1(0)に対してkSS軸上の座標値が+(2/3)Δkだけずれた位置、即ち、P=(2/3)Δkに位置している。
図32は、図31のトラジェクトリJ3(-7)〜J3(7)により得られる励起プロファイルE3を示す図である。
図32では、励起プロファイルE3は、実数成分(a)と虚数成分(b)に分けて示されている。
実数成分の励起プロファイルE3_Rは、SS方向の励起の中心位置Q0に、正の値を有する横磁化を表すメインローブML3が現れる。そして、SS方向の位置Q−2、Q−1、Q1、およびQ2には、それぞれ、負の値を有する横磁化を表すサイドローブR3(-2)、R3(-1)、R3(1)、およびR3(2)が現れる。
一方、虚数成分の励起プロファイルE3_Iは、SS方向の位置Q−2、Q−1、Q1、およびQ2に、それぞれ、サイドローブI3(-2)、I3(-1)、I3(1)、およびI3(2)が現れる。サイドローブI3(-1)およびI3(2)は正の値を有しており、サイドローブI3(-2)およびI3(1)は負の値を有している。
実数成分の励起プロファイルE3_Rは、実数成分の励起プロファイルE2_R(図30(a)参照)と同じである。一方、虚数成分の励起プロファイルE3_Iは、虚数成分の励起プロファイルE2_I(図30(b)参照)と比較すると、サイドローブの正負が逆であるが、サイドローブの絶対値は同じ値になる。
次に、図28に示す励起プロファイルE1と、図30に示す励起プロファイルE2と、図32に示す励起プロファイルE3とを合成することを考える。図33に、励起プロファイルE1、E2、およびE3と、これらのプロファイルを合成することにより得られた合成励起プロファイルEcombとを示す。
図33の上段には、励起プロファイルE1、実数成分の励起プロファイルE2_R、実数成分の励起プロファイルE3_R、および合成励起プロファイルEcombが示されており、図33の下段には、虚数成分の励起プロファイルE2_IとE3_Iが示されている。
先ず、虚数成分の励起プロファイルE2_IおよびE3_Iを比較する。虚数成分の励起プロファイルE2_Iは、虚数成分の励起プロファイルE3_Iと比較すると、サイドローブの極性が逆であるが、サイドローブの絶対値は同じである。したがって、励起プロファイルE1、E2、およびE3を合成すると、虚数成分の励起プロファイルE2_IとE3_Iは、互いにキャンセルされる。
次に、励起プロファイルE1、実数成分の励起プロファイルE2_R、および実数成分の励起プロファイルE3_Rを比較する。
励起プロファイルE1、E2_R、およびE3_Rは、SS方向の位置Q−2、Q−1、Q1、Q2にサイドローブが現れる。ここで、先ず、位置Q−2に現れるサイドローブについて考える。
励起プロファイルE1は、SS方向の位置Q−2に正のサイドローブR1(-2)を有している。一方、実数成分の励起プロファイルE2_Rは、SS方向の位置Q−2に負のサイドローブR2(-2)を有しており、実数成分の励起プロファイルE3_Rは、SS方向の位置Q−2に負のサイドローブR3(-2)を有している。また、サイドローブR2(-2)およびR3(-2)の絶対値は、サイドローブR1(-2)の絶対値の半分の値である。したがって、励起プロファイルE1、E2、およびE3を合成すると、励起プロファイルE1のサイドローブR1(-2)は、実数成分の励起プロファイルE2_RおよびE3_RのサイドローブR2(-2)およびR3(-2)により、キャンセルされる。
以下同様に、励起プロファイルE1の位置Q−1、Q1、Q2に現れるサイドローブR1(-1)、R1(1)、R1(2)も、実数成分の励起プロファイルE2_RおよびE3_Rのサイドローブによりキャンセルされる。
したがって、励起プロファイルE1、E2、およびE3を合成すると、メインロープML0のみが残る合成プロファイルEcombを得ることができる。
上記の説明から、図28に示す励起プロファイルE1のサイドローブR1(-2)、R1(-1)、R1(1)、およびR1(2)を消すためには、以下の3つのイメージングシーケンスを実行すればよいことがわかる(図34参照)。
図34は、励起プロファイルE1のサイドローブR1(-2)、R1(-1)、R1(1)、およびR1(2)を消すために実行される3つのイメージングシーケンスを示す図である。
イメージングシーケンスIS1は、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)(図5参照)に従って励起を行うためのイメージングシーケンスである。イメージングシーケンスIS2は、トラジェクトリJ2(-7)〜J2(7)(図29参照)に従って励起を行うためのイメージングシーケンスである。イメージングシーケンスIS3は、トラジェクトリJ3(-7)〜J3(7)(図31参照)に従って励起を行うためのイメージングシーケンスである。次に、イメージングシーケンスIS1、IS2、およびIS3の具体的なシーケンスチャートについて説明する。
尚、イメージングシーケンスIS1は、図3に示すイメージングシーケンスIS1と同じであるので説明は省略し、イメージングシーケンスIS2およびIS3について順に説明する。
先ず、イメージングシーケンスIS2について説明する。図35には、イメージングシーケンスIS2が具体的に示されている。
イメージングシーケンスIS2は、2D選択励起を行うための励起セグメントSG2を有している。尚、イメージングシーケンスIS2は、イメージングシーケンスIS1と比較すると、励起セグメントの構成が異なっているが、励起セグメントの実行後に印加される各種パルスは同じである。したがって、イメージングシーケンスIS2の説明に当たっては、主に、励起セグメントSG2について説明する。
図36は、イメージングシーケンスIS2の励起セグメントSG2の拡大図である。
励起セグメントSG2は、複数のRFパルスA2を有している。複数のRFパルスA2は、時間とともに大きさが変化するように構成されている。複数のRFパルスA2は、RFコイル24により印加される。
また、励起セグメントSG2は、PE方向に印加される勾配磁場H2を有している。勾配磁場H2は、正の勾配パルスHpおよび負の勾配パルスHnを含んでいる。正の勾配パルスHpおよび負の勾配パルスHnは交互に印加される。また、勾配磁場H2は、リワインダーHrを含んでいる。リワインダーHrは、スピンを収束させるための勾配パルスである。勾配磁場H2は勾配コイル23により印加される。
また、励起セグメントSG2は、SS方向に印加される勾配磁場C2を有している。勾配磁場C2は、複数の正の勾配パルスCp1〜Cp14と、スピンを収束させるための負のリワインダーCR2とを有している。勾配磁場C2は勾配コイル23により印加される。
励起セグメントSG2は、励起セグメントSG1(図4参照)と比較すると、以下の点が異なっている。
(1)励起セグメントSG2のリワインダーCR2の面積の絶対値S2は、励起セグメントSG1のリワインダーCR1の面積の絶対値S1(図4参照)よりも、トラジェクトリの平行移動距離(1/3)Δkに対応した値ΔS2だけ小さく設定されている。つまり、S2=S1−ΔS2に設定されている。
(2)励起セグメントSG2のRFパルスのエンベロープの値B1(t)は、励起セグメントSG1のRFパルスのエンベロープの値B1(t)に対して、ΔS2に応じた値だけ変更されている。
図36に示す励起セグメントSG2を構成することにより、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)に対してkSS軸上の座標値が+(1/3)ΔkだけずれたトラジェクトリJ2(-7)〜J2(7)を得ることができ(図29参照)、更に、励起プロファイルE2(図30参照)を実現することができる。
次に、イメージングシーケンスIS3について説明する。尚、イメージングシーケンスIS3は、イメージングシーケンスIS1と比較すると、励起セグメントの構成が異なっているが、励起セグメントの実行後に印加される各種パルスは同じである。したがって、イメージングシーケンスIS3の説明に当たっては、主に、励起セグメントについて説明する。
図37は、イメージングシーケンスIS3の励起セグメントSG3の拡大図である。
励起セグメントSG3は、複数のRFパルスA3を有している。複数のRFパルスA3は、時間とともに大きさが変化するように構成されている。複数のRFパルスA3は、RFコイル24により印加される。
また、励起セグメントSG3は、PE方向に印加される勾配磁場H3を有している。勾配磁場H3は、正の勾配パルスHpおよび負の勾配パルスHnを含んでいる。正の勾配パルスHpおよび負の勾配パルスHnは交互に印加される。また、勾配磁場H3は、リワインダーHrを含んでいる。リワインダーHrは、スピンを収束させるための勾配パルスである。勾配磁場H3は勾配コイル23により印加される。
また、励起セグメントSG3は、SS方向に印加される勾配磁場C3を有している。勾配磁場C3は、複数の正の勾配パルスCp1〜Cp14と、スピンを収束させるための負のリワインダーCR3とを有している。勾配磁場C3は勾配コイル23により印加される。
励起セグメントSG3は、励起セグメントSG1(図4参照)と比較すると、以下の点が異なっている。
(1)励起セグメントSG3のリワインダーCR3の面積の絶対値S3は、励起セグメントSG1のリワインダーCR1の面積の絶対値S1(図4参照)よりも、トラジェクトリの平行移動距離(2/3)Δkに対応した値ΔS3だけ小さく設定されている。つまり、S3=S1−ΔS3に設定されている。
(2)励起セグメントSG3のRFパルスのエンベロープの値B1(t)は、励起セグメントSG1のRFパルスのエンベロープの値B1(t)に対して、ΔS3に応じた値だけ変更されている。
図37に示す励起セグメントSG3を構成することにより、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)に対してkSS軸上の座標値が+(2/3)ΔkだけずれたトラジェクトリJ3(-7)〜J3(7)を得ることができ(図31参照)、更に、励起プロファイルE3(図32参照)を実現することができる。
上記のイメージングシーケンスIS1、IS2、およびIS3を実行することにより、SS方向の位置Q−2、Q−1、Q1、およびQ2におけるサイドローブをキャンセルすることができるので(図33参照)、高品質な画像を得ることができる。
尚、図28〜図37では、n=3、即ち、励起プロファイルE1に現れるサイドローブのうち、Q−1およびQ1に現れるサイドローブR1(-1)およびR1(1)と、Q−2およびQ2に現れるサイドローブR1(-2)およびR1(2)とを消す方法について説明されているが、n≧4の場合も同様に考えることができる。したがって、励起プロファイルE1において、位置Q1およびQ−1、位置Q2およびQ−2、・・・、位置Q(n−1)およびQ−(n−1)に現れるサイドローブを消すためには、以下の条件を満たすようにイメージングシーケンスを実行すればよい。
(1)イメージングシーケンスをn回実行する。
(2)n回のイメージングシーケンスのうちの第i(i=1〜n)のイメージングシーケンスでは、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)に対して{(i−1)/n}Δkだけ平行移動したトラジェクトリJi(-7)〜Ji(7)に従って励起が行われるように、励起セグメントを設定する。
図38〜図40は、上記の条件を満たすように実行されるn回のイメージングシーケンスの説明図である。
図38は、n回のイメージングシーケンスIS1〜ISnを示す図である。尚、図38には、第iのイメージングシーケンス(i=1〜n)の一例が具体的に示されている。
イメージングシーケンスISiは、2D選択励起を行うための励起セグメントSGiを有している。図39は、励起セグメントSGiによるトラジェクトリJi(-7)〜Ji(7)を示す図である。
トラジェクトリJi(-7)〜Ji(7)は、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)に対して距離ksftだけ平行移動したトラジェクトリである。距離ksftは、以下の式で表される。
ksft={(i−1)/n}Δk ・・・(10)
1≦i≦nであるので、ksftは、以下の条件を満たす値であることが分かる。
0≦ksft<Δk
図40は、励起セグメントSGiの拡大図である。励起セグメントSGiは、複数のRFパルスAiを有している。複数のRFパルスAiは、時間とともに大きさが変化するように構成されている。
また、励起セグメントSGiは、PE方向に印加される勾配磁場Hiを有している。勾配磁場Hiは、正の勾配パルスHpおよび負の勾配パルスHnを含んでいる。正の勾配パルスHpおよび負の勾配パルスHnは交互に印加される。また、勾配磁場Hiは、リワインダーHrを含んでいる。リワインダーHrは、スピンを収束させるための勾配パルスである。
また、励起セグメントSGiは、SS方向に印加される勾配磁場Ciを有している。勾配磁場Ciは、複数の正の勾配パルスCp1〜Cp14と、スピンを収束させるための負のリワインダーCRiとを有している。
励起セグメントSGiは、励起セグメントSG1(図4参照)と比較すると、以下の点が異なっている。
(1)励起セグメントSGiのリワインダーCRiの面積の絶対値Siは、励起セグメントSG1のリワインダーCR1の面積の絶対値S1(図4参照)よりも、トラジェクトリの平行移動距離ksft={(i−1)/n}Δkに対応した値ΔSiだけ小さい値に設定されている。つまり、面積の絶対値Siは、以下の式で表される。
Si=S1−ΔSi ・・・(11)
尚、i=1の場合、式(11)の右辺第2項ΔSiは、ΔS1=0である。
(2)励起セグメントSGiのRFパルスのエンベロープの値B1(t)は、励起セグメントSG1のRFパルスのエンベロープの値B1(t)に対して、ΔSiに応じた値だけ変更されている。
ここで、iの値に応じて、トラジェクトリJi(-7)〜Ji(7)がどれだけ平行移動するかを説明するために、i=1、2、3、・・・nの場合のksftについて順に説明する。
i=1、即ち、イメージングシーケンスIS1では、ksft=0である。したがって、イメージングシーケンスIS1は、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)に従って励起を行う。
次に、i=2、即ち、イメージングシーケンスIS2の場合について説明する。
イメージングシーケンスIS2では、ksft=(1/n)Δkである。したがって、イメージングシーケンスIS2は、図41に示すように、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)に対して(1/n)Δkだけ平行移動したトラジェクトリJ2(-7)〜J2(7)に従って励起が行われる。
次に、i=3、即ち、イメージングシーケンスIS3の場合について説明する。
イメージングシーケンスIS3では、ksft=(2/n)Δkである。したがって、イメージングシーケンスIS3は、図42に示すように、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)に対して(2/n)Δkだけ平行移動したトラジェクトリJ3(-7)〜J3(7)に従って励起が行われる。
以下同様に、iの値が増加するたびに、ksftの値は(1/n)Δkづつ増加する。したがって、i=n、即ち、イメージングシーケンスISnでは、ksft={(n−1)/n}Δkとなる。このため、イメージングシーケンスISnは、図43に示すように、トラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)に対して{(n−1)/n}Δkだけ平行移動したトラジェクトリJn(-7)〜Jn(7)に従って励起が行われる。
上記のように、{(i−1)/n}Δkだけトラジェクトリをずらすことにより、位置Q1およびQ−1、位置Q2およびQ−2、・・・、位置Q(n−1)およびQ−(n−1)に現れるサイドローブ(図6参照)を消すことができる。
また、第2の形態では、イメージングシーケンスISiのトラジェクトリJ1(-7)〜J1(7)の座標値Pは、以下の式で表される。
P=q・Δk+{(i−1)Δk}/n ・・・(12)
式(12)のqは、−7≦q≦7を満たす整数である。しかし、イメージングシーケンスISiのトラジェクトリの座標値Pは、式(12)に限定されることはなく、以下の式(13)を満たせばよい。
P=q・Δk+{(i−1)Δk}/n+k0 ・・・(13)
ここで、k0は、−Δk/2≦k0≦Δk/2の範囲の値である。
k0=0は、式(12)の例に該当する。式(13)を満たすようにイメージングシーケンスISiのトラジェクトリの座標値Pを決定することにより、エイリアシングが低減され、高品質な画像を得ることができる。
尚、第2の形態では、イメージングシーケンスISiは、iの値の小さい順に実行されている(つまり、図38に示すように、イメージングシーケンスIS1、IS2、・・・ISnの順に実行されている)。しかし、n回のイメージングシーケンスIS1〜ISnが実行されるのであれば、イメージングシーケンスISiは任意の順序で実行することができる。例えば、iの値の大きい順(つまり、イメージングシーケンスISn、ISn−1、・・・IS2、IS1の順)に実行してもよよいし、iの値が奇数となるイメージングシーケンスを実行した後に、iの値が偶数となるイメージングシーケンスを実行してもよい。
また、第2の形態では、トラジェクトリJi(0)よりも座標値が大きいトラジェクトリとして7本のトラジェクトリJi(1)〜Ji(7)が設けられており、トラジェクトリJi(0)よりも座標値が小さいトラジェクトリとして7本のトラジェクトリJi(-1)〜Ji(-7)が設けられている。したがって、トラジェクトリJi(0)よりも座標値が大きいトラジェクトリの数N1と、トラジェクトリJi(0)よりも座標値が小さいトラジェクトリの数N2は、同じ値(N1=N2)に設定されている。しかし、N1はN2とは異なる値に設定されていてもよい。
尚、第1および第2の形態では、DWI画像を取得する例について説明されている。しかし、本発明は、DWI画像とは異なる画像を取得する場合にも適用することができる。