JP6760809B2 - 圧電部品 - Google Patents

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Description

本開示は、例えば発振子として用いられる圧電部品に関するものである。
マイコンのクロック用発振子として、支持基板の上に圧電素子を搭載した圧電発振子(圧電部品)が知られている。この圧電部品における支持基板を構成する基板本体の下面には、一対の入出力端子電極が設けられ、この一対の入出力端子電極の間にグランド端子電極が設けられている。一方、支持基板の上面には、グランド端子電極との間で負荷容量を形成する一対の容量電極が設けられている(例えば、特許文献1を参照)。
特開平11−097965号公報
ここで、グランド端子電極を形成する際のグランド端子電極の熱収縮によって基板本体に歪が生じたり、支持基板を外部回路基板に実装する際に基板本体と外部回路基板との熱膨張差によって基板本体に歪が生じたりして、圧電部品の負荷容量が変動することがある。
また、使用時の温度変化によって基板本体に歪が生じて、圧電部品の負荷容量が変動することもある。
これらの負荷容量の変動により、外部回路基板への実装時および使用時に発振周波数がばらついて、当該発振周波数を高精度に維持することが困難であった。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたもので、実装時および使用時において発振周波数を高精度に維持することのできる圧電部品を提供することを目的とする。
本開示の圧電部品は、互いに対向する一対の励振電極を有する直方体状の圧電素子と、該圧電素子の長手方向の両端部を固定して支持する支持基板とを備え、該支持基板は、基板本体の上面に、前記一対の励振電極と電気的に接続された一対の容量電極を有しているとともに、前記基板本体の下面に、前記一対の容量電極と電気的に接続された一対の入出力端子電極と、該一対の入出力端子電極の間に前記一対の容量電極それぞれにまたがって対向するように配置され、基板本体を介してそれぞれ対向する領域において負荷容量を形
成するグランド端子電極とを有しており、前記一対の入出力端子電極の厚みが前記グランド端子電極の厚みよりも厚い。
本開示の圧電部品によれば、実装時および使用時において発振周波数を高精度に維持することができる。
圧電部品の実施形態の一例を示す概略斜視図である。 (a)は図1に示す圧電部品の一部省略平面図、(b)は図1に示す圧電部品のA−A線で切断した断面図、(c)は図1に示す圧電部品の底面図である。 (a)は圧電部品の実施形態の他の例を示す断面図、(b)は(a)に示す圧電部品の底面図である。 (a)は圧電部品の実施形態の他の例を示す断面図、(b)は(a)に示す圧電部品の底面図である。 (a)〜(c)は圧電部品の実施形態の他の例のバリエーションを示す底面図である。
以下、添付図面を参照して、圧電部品の実施形態の例について説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は圧電部品の実施形態の一例を示す概略斜視図であり、図2(a)は図1に示す圧電部品の一部省略平面図、図2(b)は図1に示す圧電部品のA−A線で切断した断面図、図2(c)は図1に示す圧電部品の底面図である。
図1および図2に示す圧電部品100は、互いに対向する一対の励振電極21を有する直方体状の圧電素子2と、圧電素子2の長手方向の両端部を固定して支持する支持基板1とを備えている。支持基板1は、基板本体11の上面に、一対の励振電極21と電気的に接続された一対の容量電極12を有している。また、支持基板1は、基板本体11の下面に、一対の容量電極12と電気的に接続された一対の入出力端子電極14と、一対の入出力端子電極14の間に配置されたグランド端子電極13とを有している。そして、一対の入出力端子電極14の厚みがグランド端子電極13の厚みよりも厚い。
支持基板1は、圧電素子2の長手方向の両端部を上面に固定して支持する基板である。例えば、長さが2.5mm〜7.5mm、幅が1.0mm〜3.0mm、厚みが0.1mm〜1mmの長方形状の平板として形成された誘電体からなる基板本体11を有している。
基板本体11としては、アルミナやチタン酸バリウム等のセラミック材料、ガラスエポキシ等の樹脂系材料を用いることができる。
支持基板1は、基板本体11の上面に、一対の励振電極21と電気的に接続された一対の容量電極12を有している。
支持基板1を構成する基板本体11の上面には一対の容量電極(第1容量電極121および第2容量電極122)が設けられている。この第1容量電極121および第2容量電極122は、圧電素子2の励振電極21と電気的に接続されるとともに、後述するグランド端子電極13との間で容量を形成するための電極である。この第1容量電極121は、基板本体11の長手方向の一方の端部側(図の左側)に配置されて当該基板本体11の幅方向(短手方向)に延びた領域と、基板本体11の長手方向の一方の端部側から中央部に向かって延びて配置された領域とを有している。また、第2容量電極122は、基板本体11の長手方向の他方の端部側(図の右側)に配置されて当該基板本体11の幅方向(短手方向)に延びた領域と、支持基板1の長手方向の他方の端部側から中央部に向かって延びて配置された領域とを有している。なお、第1容量電極121の第2容量電極領域122とは、基板本体11の上面の長手方向の中央部に間隔をあけて配置されている。
また、支持基板1は、基板本体11の下面に、一対の容量電極12と電気的に接続された一対の入出力端子電極14と、一対の入出力端子電極14の間に配置されたグランド端子電極13とを有している。
一対の入出力端子電極14は、電気信号の入り口または出口となる端子電極であって、
基板本体11の下面に当該基板本体11の幅方向に延びて設けられている。また、一対の入出力端子電極14は、基板本体11の上面に設けられた容量電極12と電気的に接続されているとともに、外部回路基板に実装された際に外部回路と電気的に接続される。
グランド端子電極13は、基板本体11の下面における一対の入出力端子電極14の間に配置され、当該基板本体11の幅方向に延びて設けられている。また、グランド端子電極13は、基板本体11を挟んで第1容量電極121と第2容量電極122とにまたがって対向して、静電容量(負荷容量)を形成している。
本例のように、第1容量電極121および第2容量電極122とグランド端子電極13とが基板本体11を介して対向する場合は、第1容量電極121とグランド端子電極13とが対向する領域および第2容量電極122とグランド端子電極13とが対向する領域の面積が等しくなるように設定されることにより、それぞれの対向する領域で得られる静電容量が等しくなる。また、第1容量電極121および第2容量電極122とグランド端子電極13とが基板本体11を介して対向する場合は、第1容量電極121とグランド端子電極13とが対向する領域および第2容量電極122とグランド端子電極13とが対向する領域を大きくすることができるので、静電容量を大きく形成することができる。なお、それぞれの対向する領域で得られる静電容量は、圧電部品2が接続されてともに発振回路を構成する増幅回路素子の特性によって定められる。
さらに、支持基板1の側面には、第1容量電極121または第2容量電極122と入出力端子電極14とを電気的に接続する側面電極15が設けられている。また、支持基板1の側面には、外部回路基板へのはんだ接合などの関係で、支持基板1の側面において、グランド端子電極13と電気的に接続された側面電極16も設けられている。
第1容量電極121,第2容量電極122,グランド端子電極13,入出力端子電極14,側面電極15、16の材料としては、金,銀,銅,アルミニウム,タングステン等の金属粉末を樹脂中に分散させた導電性樹脂(導電性ペースト)や、それら金属粉末にガラス等の添加物を加えて焼き付けた厚膜導体等を用いることができる。必要に応じてNi/Au、Ni/Sn等のめっきを形成したものでもよい。
支持基板1の上には、直方体状の圧電素子2が長手方向の両端部を固定されて搭載されている。支持基板1の上には、必要により第1の支持部31および第2の支持部32が設けられていて、圧電素子2の長手方向の両端部が第1の支持部31および第2の支持部32によって支持されるようにして、圧電素子2が振動可能に搭載されている。
第1の支持部31および第2の支持部32は、例えば金,銀,銅,アルミニウム,タングステン等の金属粉末を樹脂中に分散させてなる突起状の部位である。例えば、縦、横方向の長さ(径)が0.1mm〜1.0mm、厚みが10μm〜100μmで、角柱状、円柱状などに形成される。第1の支持部31および第2の支持部32は、それぞれ1本ずつであっても、複数本ずつであってもよい。
また、第1の支持部31および第2の支持部32の上に導電性接合材4が設けられていて、圧電素子2の両端部の少なくとも下面と第1の支持部31および第2の支持部32とが接合されている。そして、第1の支持部31および第2の支持部32が導電性を有する材料で形成されているため、圧電素子2の振動電極21と第1容量電極121および第2容量電極122とは導通され、振動電極21から第1容量電極121または第2容量電極122まで電気的に接続されている。このような導電性接合材4としては、例えばはんだや導電性接着剤等が用いられ、はんだであれば、例えば銅,錫,銀からなる鉛を含まない材料等を用いることができ、導電性接着剤であれば、銀,銅,ニッケル等の導電性粒子を
75〜95質量%含有したエポキシ系の導電性樹脂またはシリコーン系の樹脂を用いることができる。
図示しないが、導電性接合材4は、必要により第1の支持部31および第2の支持部32の側方にあって振動電極21と第1容量電極121および第2容量電極122とを直接電気的に接続していたり、圧電素子2の端面を這い上がって設けられたりしている。
圧電素子2は、圧電体22と、圧電体22の一方主面(上面)および他方主面(下面)にそれぞれ互いに対向する領域(交差領域)を有するように設けられた一対の振動電極21とを備えている。
圧電素子2を構成する圧電体22は、例えば、長さが1.0mm〜4.0mm、幅が0.2mm〜2mm、厚みが40μm〜1mmの直方体に形成されたものである。この圧電体22は、例えばチタン酸鉛,チタン酸ジルコン酸鉛,タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸ナトリウム,ニオブ酸カリウム,ビスマス層状化合物等を基材とする圧電セラミックスを用いて形成することができる。
また、圧電体22の一方主面(上面)に設けられた振動電極21は長手方向の一方の端部から他方の端部側に向けて延びるように設けられ、圧電体22の他方主面(下面)に設けられた振動電極21は長手方向の他方の端部から一方の端部側に向けて延びるように設けられ、それぞれ互いに対向する領域を有している。この振動電極21は、例えば金,銀,銅,アルミニウム,クロム,ニッケル等の金属を用いることができ、それぞれ圧電体22の表面に例えば0.1μm〜3μmの厚みに被着される。そして、図に示すように、圧電素子2の両端面には端面電極23が設けられており、この端面電極23,導電性接合材4および第1の支持部31を介して上面の振動電極21が第1容量電極121と電気的に接続されている。また、導電性接合材4および第2の支持部32を介して下面の励振電極21が第2容量電極122と電気的に接続されている。
このような圧電素子2は、一対の振動電極21間に電圧を印加したとき、振動電極21が対向する領域(交差領域)において、特定の周波数で厚み縦振動もしくは厚みすべり振動の圧電振動を発生させるようになっているものである。
なお、図1、図2(b)に示すように、圧電素子2を覆うように支持基板1の上に蓋体5が設けられていてもよい。蓋体5は、支持基板1の上面の外周部に、例えばエポキシ系やアクリル系の接着剤、リフロー耐熱性の観点から好ましくはエポキシ系の接着剤で接合されている。これにより、支持基板1とともに形成した内部空間に収容されている圧電素子2を外部からの物理的な影響や化学的な影響から保護する機能と、支持基板1とともに形成した空間内への水等の異物の浸入を防ぐための気密封止機能を有している圧電部品100とすることができる。なお、蓋体5の材料として、例えば、ステンレス鋼などの金属、アルミナなどのセラミックス,樹脂,ガラス等を用いることができる。また、エポキシ樹脂等の絶縁性樹脂材料に無機フィラーを25〜80質量%の割合で含有させたものでもよい。
そして、圧電部品100は、一対の入出力端子電極14の厚みがグランド端子電極13の厚みよりも厚い。
一般に、グランド端子電極13の形成時には当該グランド端子電極13の熱収縮によって基板本体11に歪が生じたり、支持基板1を外部回路基板に実装する際に基板本体11と外部回路基板との熱膨張差によって基板本体11に歪が生じたりして、圧電部品100の負荷容量が変動しやすい。これに対し、グランド端子電極13の厚みを薄くすることで
、グランド端子電極13にかかる応力を低減でき、基板本体11の歪を抑制して、負荷容量の変動が抑制される。
一方、圧電部品100を外部回路基板へ実装する際、室温→高温(250℃程度)→室温の温度変化が生じる。ここで、支持基板1と外部回路基板との熱膨張差により、外部回路基板に実装した後の支持基板1には、特に長手方向の応力が印加され、歪が生じて、圧電部品100の負荷容量が変動しやすい。これに対し、外部回路基板への実装時に熱応力がより多く加わる支持基板1の長手方向の一方端部側および他方端部側の位置に設けられた入出力端子電極14の厚みを厚くすることで、外部回路基板への実装時の支持基板1に印加される応力が入出力端子電極14の変形で緩和される。これにより、外部回路基板への実装後の基板本体11の歪を抑制して、負荷容量の変動が抑制される。
また、グランド端子電極13の厚みを薄く、入出力端子電極14の厚みを厚くすることで、使用時の温度変化によって基板本体11に歪が生じて、圧電部品100の負荷容量の変動も抑制することができる。
すなわち、支持基板1の長手方向の中央部に設けられたグランド端子電極13の厚みを薄くし、支持基板1の長手方向の中央部ではなく一方端部側および他方端部側の位置に設けられた一対の入出力端子電極14の厚みを厚くすることで、実装時および使用時において発振周波数を高精度に維持することのできる圧電部品100が得られる。
グランド端子電極13の厚みが例えば5〜50μmである場合に、一対の入出力端子電極14の厚みはグランド端子電極13の厚みの例えば1.1〜3.0倍に設定される。
ここで、図3に示すように、支持基板1を長手方向に沿って切断した断面で見たときに、一対の入出力端子電極14およびグランド端子電極13の下面が凸曲面である構成とすることができる。一対の入出力端子電極14およびグランド端子電極13の下面が丸みを帯びた凸曲面の形状であることで、一対の入出力端子電極14およびグランド端子電極13とこれらを外部回路基板に接合する接合材(半田等)との境界に発生する応力を様々な方向に向けて分散できるようになるため、冷熱サイクルにおける接合材の破壊を抑制して信頼性を向上できる。
また、図4に示すように、支持基板1を長手方向に沿って切断した断面で見たときに、一対の入出力端子電極14のそれぞれの幅がグランド端子電極13の幅よりも広い構成とする構成とすることができる。
グランド端子電極13の幅を狭くすることで、グランド端子電極13にかかる応力を低減でき、グランド端子電極13および使用時の基板本体11の歪をさらに抑制して、負荷容量の変動がさらに抑制される。また、熱応力がより多く加わる支持基板1の長手方向の一方端部側および他方端部側の位置に設けられた入出力端子電極14の幅を広くすることで、入出力端子電極14にかかる応力を当該入出力端子電極14の変形で緩和することから、外部回路基板への実装時および使用時の基板本体11の歪をさらに抑制して、負荷容量の変動がさらに抑制される。したがって、実装時および使用時において圧電部品100の発振周波数をより高精度に維持することができる。
また、グランド端子電極13と入出力端子電極14との間隔を広くできるため、実装時の半田ブリッジが低減され、グランド端子電極13と入出力端子電極14との間の短絡を抑制できる。
グランド端子電極13の幅が例えば0.3〜0.5mmである場合に、一対の入出力端
子電極14の幅はグランド端子電極13の幅の例えば1.1〜2.0倍に設定される。また、グランド端子電極13と入出力端子電極14との間隔は、例えば0.3〜0.8mmとされる。このとき、第1容量電極121および第2容量電極122は、基板本体11の長手方向の一方の端部側または他方の端部側から中央部に向かって延びて配置された領域をそれぞれ延ばして、互いの間隔を狭くするようにして、グランド端子電極13と対向する領域を確保するようにしてもよい。
また、図5(a)に示すように、グランド端子電極13は、基板本体11の幅方向に沿った方向の両端部の幅が狭くなっている構成とすることもできる。また、図5(b)に示すように、グランド端子電極13は、基板本体11の幅方向に沿った方向の両端部が、内側にくり抜かれた部分を有することによって幅が狭くなっている構成とすることもできる。また、図5(c)に示すように、グランド端子電極13は、基板本体11の幅方向に沿った方向の一方の端部のみ取り除かれた構成とすることもできる。
これらの構成においても、圧電部品100の負荷容量の変動を抑制でき、実装時および使用時において圧電部品100の発振周波数を高精度に維持することができる。
なお、基板本体11がチタン酸バリウム、チタン酸鉛およびチタン酸ジルコン酸鉛のうちのいずれかを主成分とする材料からなる構成とするのがよい。これにより、圧電部品100の小型化に伴ってグランド端子電極13の面積を小さくした場合でも、基板本体11の比誘電率が大きいことで負荷容量を高くできる。したがって、発振周波数の変動を小さくでき、より高精度の圧電部品が得られる。
次に、圧電部品100の製造方法の一例について説明する。
まず、支持基板1を作製するための多数個取り基板を作製する。例えば、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウムなどの原料粉末を水や分散剤と共にボールミルを用いて混合した後に、バインダ、可塑剤等を加え、乾燥、整粒する。このようにして得られた原料をプレス成型し、必要により孔加工を施した後、所定温度で脱脂後、例えば900℃〜1600℃のピーク温度で焼成し、所定の厚みに研磨加工を実施する。その後、例えば、銀、ニッケル等の金属粉末とガラスを含む導電性ペーストを印刷し、所定の温度で焼成し、第1容量電極121、第2容量電極122、グランド端子電極13、入出力端子電極14などを形成して支持基板1を得る。
ここで、グランド端子電極13と入出力端子電極14との厚みの差をつけるには、同一製版でグランド端子電極13と入出力端子電極14を印刷し、乾燥させた後、入出力端子電極14のみ再度印刷し、乾燥することで作製できる。
また、一対の入出力端子電極14およびグランド端子電極13の下面が凸曲面である構成とするには、溶媒と砥粒およびメディアと共に支持基板をミルに入れ、バレル研磨することで作製できる。
また、グランド端子電極13と入出力端子電極14との幅の差をつけるには、印刷時の幅を異ならせればよい。
得られた支持基板1に、スクリーン印刷等を用いて導電性ペーストによる支持部を厚み1μm〜100μm程度に形成する。具体的には、第1容量電極121の上に例えば金属粉末を樹脂中に分散させて固化させてなるバンプ状の第1の支持部31を設けるとともに、第2容量電極122の上に例えば金属粉末を樹脂中に分散させて固化させてなるバンプ状の第2の支持部32を設ける。
次に、圧電素子2を構成する圧電体22は、例えば、原料粉末を水や分散剤と共にボールミルを用いて混合した後に、バインダ、可塑剤等を加え、乾燥、整粒する。このようにして得られた原料をプレス成型後、焼成し、圧電磁器を得る。得られた圧電磁器の端面に電極を形成し、例えば25℃〜300℃の温度にて端面方向に例えば0.4kV/mm〜6kV/mmの電圧をかけて分極処理を行う。
圧電体22の上下面に形成される振動電極21は、得られた圧電体22に、真空蒸着法,PVD法,スパッタリング法等を用いて圧電体22の上下面に金属膜を被着させ、厚みが1μm〜10μm程度のフォトレジスト膜をそれぞれの金属膜上にスクリーン印刷等を用いて形成した後に、フォトエッチングによってパターニングすることによって、形成することができる。パターンニングされた圧電体22を所定のサイズにダイシング等でカットすることにより圧電素子2が作製される。
次に、導電性接合材4を用いて、圧電素子2を支持基板1の第1の支持部31および第2の支持部32の上に搭載し、固定する。ここで、導電性接合材4が金属粉末を樹脂中に分散させてなる導電性接着剤の場合は、ディスペンサ等を用いてこの導電性接着剤を第1の支持部31および第2の支持部32の上に塗布しておいて、圧電素子2を第1の支持部31および第2の支持部32の上に載せ、加熱または紫外線照射により導電性接着剤の樹脂を硬化させればよい。
そして、必要により、圧電素子2を覆うようにして、蓋体5の開口周縁面を支持基板1の上面の周縁部に接合する。蓋体5としては、複数の凹部を有する多数個取りの集合蓋体シートを用いて、凹部が圧電素子2を覆うようにして集合蓋体シートを多数個取り基板の上に乗せ、蓋体5の開口周縁面となる集合蓋体シートの凸部を支持基板1の上面の周縁部に接合する。例えば、準備しておいた蓋体5の開口周縁面となる集合蓋体シートの凸部に熱硬化性の絶縁性接着剤を塗布し、蓋体5を支持基板1の上面に載せる。しかる後に、蓋体5または支持基板1を加熱することにより絶縁性接着剤を100〜150℃に温度上昇させて硬化させ、蓋体5を支持基板1の上面に接合する。
最後に、各圧電部品(個片)の境界にそってダイシング等で切断した後、個片となった各圧電部品の側面にスクリーン印刷等を用いて導電性ペーストを印刷し、100〜150℃に温度上昇させて硬化させて側面電極15、16を形成することで圧電部品100を得ることができる。なお、この後に側面電極15、16の表面上にNiやAu等のめっきを形成してもかまわない。
以上の方法により、本例の圧電部品100が作製される。以上のような方法によれば、実装時および使用時において発振周波数を高精度に維持することができる圧電部品を作製することができる。
100:圧電部品
1:支持基板
11:基板本体
12:容量電極
13:グランド端子電極
14:入出力端子電極
15、16:側面電極
2:圧電素子
21:励振電極
22:圧電体
23:端面電極
31:第1の支持部
32:第2の支持部
4:導電性接合材
5:蓋体

Claims (4)

  1. 互いに対向する一対の励振電極を有する直方体状の圧電素子と、該圧電素子の長手方向の両端部を固定して支持する支持基板とを備え、該支持基板は、基板本体の上面に、前記一対の励振電極と電気的に接続された一対の容量電極を有しているとともに、前記基板本体の下面に、前記一対の容量電極と電気的に接続された一対の入出力端子電極と、該一対の入出力端子電極の間に前記一対の容量電極それぞれにまたがって対向するように配置され、基板本体を介してそれぞれ対向する領域において負荷容量を形成するグランド端子電極とを有しており、前記一対の入出力端子電極の厚みが前記グランド端子電極の厚みよりも厚いことを特徴とする圧電部品。
  2. 前記支持基板を前記長手方向に沿って切断した断面で見たときに、前記一対の入出力端子電極および前記グランド端子電極の下面が凸曲面であることを特徴とする請求項1に記載の圧電部品。
  3. 前記支持基板を前記長手方向に沿って切断した断面で見たときに、前記一対の入出力端子電極のそれぞれの幅が前記グランド端子電極の幅よりも広いことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の圧電部品。
  4. 前記支持基板の前記基板本体は、チタン酸バリウム、チタン酸鉛およびチタン酸ジルコン酸鉛のうちのいずれかを主成分とする材料からなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちのいずれかに記載の圧電部品。
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