JP6760400B2 - クロマトグラムデータ処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、質量分析装置や吸光分光検出器などを検出器とするクロマトグラフにより収集されたデータを処理するクロマトグラムデータ処理装置に関し、さらに詳しくは、複数の試料についてそれぞれ得られたデータに基づく統計解析を行う等の目的で、それらデータを処理するクロマトグラムデータ処理装置に関する。
質量分析装置を検出器とする液体クロマトグラフ(LC)やガスクロマトグラフ(GC)、つまり液体クロマトグラフ質量分析装置(LC−MS)やガスクロマトグラフ質量分析装置(GC−MS)では、質量分析装置において所定の質量電荷比範囲に亘る質量分析を繰り返すことで、保持時間、質量電荷比、及び信号強度という三つのディメンジョンを持つ3次元クロマトグラムデータを得ることができる。また、フォトダイオードアレイ(PDA)検出器や紫外可視吸光分光検出器を検出器とするLCでは、検出器において所定の波長範囲の吸光スペクトルを繰り返し取得することで、保持時間、波長、及び信号強度(吸光度)という三つのディメンジョンを持つ3次元クロマトグラムデータを得ることができる。
近年、医薬品、食品、環境など様々な分野において、多数の試料について上記のようなクロマトグラフ装置でそれぞれ分析を行うことで得られた大量のデータについて多変量解析の手法を用いた解析が盛んに行われている。こうした多変量解析の際には、ウメトリクス(Umetrics)社製のSIMCA-P等の市販の統計解析計算ソフトウェアがしばしば用いられる。例えば多数の試料についてLC−MSを用いて収集された3次元クロマトグラムデータを上記のような汎用ソフトウェアで処理するためには、データを所定形式で整理して該ソフトウェアに入力する必要がある。こうしたデータ処理のためのソフトウェアとして非特許文献1に記載の「Profiling Solution」が知られている。「Profiling Solution」では、複数の試料についてそれぞれ得られた3次元クロマトグラムデータに対しピークピッキングが行われ、検出された各ピークの保持時間、質量電荷比、及び信号強度がテーブル形式で整理されて出力されるようになっている。
例えばLC−MSで得られたクロマトグラムデータにおいては、LC分離条件(移動相の線速度等)のばらつきや変動によって、異なる試料における同じ成分の溶出時間にずれが生じることがある。上述した非特許文献1に記載のソフトウェアや特許文献1に記載の装置では、保持時間のアライメント機能により、そうした溶出時間のずれが自動的に補正されるようになっている。例えば特許文献1に記載の装置においては、質量電荷比毎に作成されるクロマトグラム、つまりは抽出イオンクロマトグラム上のピークの形状の類似性に基づいて溶出時間が近い成分由来のピークの成分同一性が判定され、同一の成分由来のピークであると判定されると保持時間が揃うように該保持時間の情報が調整される。
しかしながら、質量分析装置の質量精度があまり良好でない(例えば1Da程度のずれがあり得る)場合や、クロマトグラム上で時間方向に近接して質量電荷比が同じピークが出現する場合などには、上述したような保持時間のアライメントが適切に行われないことがある。その結果、テーブル形式のデータリストにおいて、同じ成分由来であって本来は同じ質量電荷比を有するイオンに対応する信号強度が、同じ行ではなく複数の行に分かれてしまうことがある。また逆に、異なる成分由来であって本来は異なる質量電荷比を有するイオンに対応する信号強度が、同じ行に配置されてしまうこともある。このような正確性を欠くテーブル形式のデータリストを多変量解析に供すると、当然のことながら、誤った解析結果を導出するおそれがある。
国際公開特許第2013/001618号
「LCMS-IT-TOF 液体クロマトグラフ質量分析計 LCMS-IT-TOF用メタボロミクスソフトウェア Profiling Solution」、株式会社島津製作所、[online]、[2017年1月18日検索]、インターネット<URL :http://www.an.shimadzu.co.jp/lcms/it-tof6.htm>
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、クロマトグラフ装置で得られた複数の試料についてのデータに対しピークピッキング等を行うことで得られるピーク情報を整理して作成されるテーブル状のデータリストの精度を向上させ、それによって該データリストに基づく統計解析などの解析の正確性を向上させることができるクロマトグラムデータ処理装置を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明は、試料に含まれる複数の成分を時間方向に分離するクロマトグラフと、該クロマトグラフで分離されたあとの試料に対し時間方向とは異なるディメンジョンにおける信号強度を取得する検出部と、を具備する分析装置を用いて収集された、複数の試料についてのデータを処理するクロマトグラムデータ処理装置であって、
a)複数の試料についてのクロマトグラムデータに対しピーク検出を実行し、検出された各ピークについて保持時間を含むピーク情報を収集するピーク検出部と、
b)異なる試料に由来する複数のピークの少なくとも保持時間が同じ又は所定範囲以内であるとき、前記ディメンジョンの方向に沿った信号強度波形の類似性に基づいて同一成分由来のピークであるか否か判定し、同一成分由来であると判定された複数のピークについての保持時間及び/又は前記ディメンジョンの値が異なる場合にそれを揃えるように修正する、という処理を行う同一成分判定部と、
c)前記同一成分判定部による処理がなされた後のデータに基づいて、保持時間及び前記ディメンジョンを列方向又は行方向の一方、複数の試料を識別するための情報を列方向又は行方向の他方に並べ、或る試料の或る保持時間及び或るディメンジョンの値における信号強度値を行列要素としたテーブル形式のデータリストを作成するデータリスト作成部と、
を備えることを特徴としている。
上記「クロマトグラフ」は通常、LC又はGCである。また、上記「検出部」が質量分析装置である場合、上記「ディメンジョン」は質量電荷比であり、上記「検出部」がPDA検出器や紫外可視吸光分光検出器、或いは分光蛍光検出器である場合には上記「ディメンジョン」とは波長である。また、上記「検出部」が質量分析装置である場合、該質量分析装置はタンデム四重極型質量分析装置のようにMS/MS分析又はMSn分析が可能な質量分析装置を含み、その場合、マススペクトルはMS/MSスペクトル又はMSnスペクトルを含む。また、上記保持時間は保持指標でもよい。
本発明に係るクロマトグラムデータ処理装置において、ピーク検出部は、複数の試料についてのクロマトグラムデータに対しそれぞれ、少なくとも時間方向にピーク検出を実行する。そして、検出された各ピークについて保持時間や信号強度値などのピーク情報を収集する。ピーク検出のアルゴリズムは従来用いられているものでよい。同一成分判定部は、それぞれ異なる試料に由来するピークについて少なくとも保持時間(又は保持時間に相当する保持指標など)を比較し、保持時間が同一である又は所定範囲以内である複数のピークを抽出する。なお、保持時間のみならず、上記の異なるディメンジョンの値について同一であるか又は所定範囲以内であるかを併せて判定することで、複数のピークを抽出してもよい。
同一成分判定部は、上述したように抽出された複数のピークについて、時間方向とは異なるディメンジョンの方向に沿った信号強度波形の類似性に基づいて、同一成分由来のピークであるか否か判定する。例えば上記「検出部」が質量分析装置であり、上記「ディメンジョン」が質量電荷比である場合、時間方向とは異なるディメンジョンの方向に沿った信号強度波形はマススペクトル波形であるから、複数のピークにそれぞれ対応する複数のマススペクトルのスペクトルパターンの類似性に基づいて、その複数のピークが同一成分由来のピークであるか否か判定すればよい。そして、同一成分由来のピークであると判定された複数のピークの保持時間、或るいは上記ディメンジョンの値(例えば質量電荷比値)が異なる場合には、それらを揃えるように修正する。
上記処理によって、異なる試料に対する同一成分由来のピークの保持時間やディメンジョン値は同一になるので、データリスト作成部は、こうして修正された後のデータに基づいてテーブル形式のデータリストを作成する。その結果、異なる試料に対する同じ成分についての情報が、データリスト上で異なる行又は列に配置されることがなくなり、整理された精度の高いデータリストを得ることができる。
本発明に係るクロマトグラムデータ処理装置の一態様において、前記同一成分判定部は、異なる試料に由来する複数のピークそれぞれのピークトップの保持時間における前記ディメンジョンの方向の信号強度波形の類似度を算出し、その類似度に基づいて同一成分由来のピークであるか否かを判定する構成とすることができる。
この態様は、上述したマススペクトル或いは吸光スペクトルのように、各保持時間において時間とは異なるディメンジョンの方向の実質的に連続的な信号強度が得られる場合に有効である。
ここで類似度としては例えば、ピアソンの積率相関係数や、ユークリッド距離などの様々な空間における距離を利用することができる。
また本発明に係るクロマトグラムデータ処理装置の別の態様において、前記同一成分判定部は、異なる試料に由来する複数のピークそれぞれのピークトップの保持時間における一つ又は複数のディメンジョン値に対する信号強度値の差又は距離を算出し、その差又は距離に基づいて同一成分由来のピークであるか否かを判定する構成としてもよい。
この態様は、上述したように各保持時間において時間とは異なるディメンジョンの方向の実質的に連続的な信号強度が得られる場合にも有効であるが、所定の一又は複数(通常は少数)のディメンジョンの値においてのみしか信号強度が得られない場合に有効である。
本発明に係るクロマトグラムデータ処理装置によれば、LC−MS、GC−MS、或いはPDA検出器を検出器として用いたLCなどの分析装置で得られた複数の試料に対するデータについて、同一成分由来のピークの保持時間や質量電荷比値などがずれている場合でも、これを的確に修正し精度の高いデータリストを作成することができる。特に、異なる成分に由来する、質量電荷比や波長が近い複数のピークが近い保持時間に現れるような場合であっても、マススペクトルや吸光スペクトル全体の類似性に基づいて成分の同一性を判定することで、的確に異なる成分であることを認識することができる。こうして、従来に比べて正確なデータリストを統計解析に提供することで、統計解析の正確性を向上させることができる。
本発明に係るクロマトグラムデータ処理装置を用いたLC−MSの一実施例の概略構成図。 本実施例のLCーMSのデータ処理部で実施される特徴的なデータ処理の手順を示すフローチャート。 本実施例のLCーMSにおけるデータ処理を説明するための概念図。 データ配列テーブルの一例を示す図。
本発明に係るクロマトグラムデータ処理装置を用いた分析装置の一実施例であるLC−MSについて、添付図面を参照して説明する。
図1は本実施例のLC−MSの概略構成図である。
本実施例のLC−MSは、試料に対する測定を実行する測定部1と、データ処理部2と、ユーザーインターフェイスである入力部3及び表示部4と、を含む。
測定部1は、液体クロマトグラフ部(LC部)11と、質量分析装置(MS部)12とを含む。図示しないが、LC部11は、移動相を一定流速で送給するポンプと、送給された移動相中に試料を注入するインジェクタと、試料に含まれる各種成分を時間的に分離するカラムと、を含む。一方、MS部12は、前段のLC部11のカラム出口から溶出する溶出液中の成分をイオン化するイオン源と、生成されたイオンを質量電荷比に応じて分離する四重極マスフィルタ、飛行時間型質量分離器等である質量分離器と、分離されたイオンを検出する検出器と、を含む。
データ処理部2は、機能ブロックとして、データ格納部20、ピーク検出部21、同一成分候補抽出部22、スペクトル類似性判定部23、保持時間・m/z値修正部24、データ配列テーブル作成部25、及び、多変量解析処理部26、を備える。データ格納部20には、試料毎に、保持時間、質量電荷比の二つのパラメータを有する信号強度値のデータ、つまりは3次元クロマトグラムデータが格納されたデータファイルが保存される。
なお、データ処理部2の実体はパーソナルコンピュータである。そして、そのパーソナルコンピュータにインストールされた専用のデータ処理ソフトウェアを該コンピュータで実行することにより、上記各部の機能が実現されるものとすることができる。
図2は本実施例のLCーMSのデータ処理部2で実施される特徴的なデータ処理の手順を示すフローチャート、図3はそのデータ処理を説明するための概念図、図4はデータ配列テーブルの一例を示す図である。
これら図を参照しつつ、本実施例のLC−MSにおける特徴的なデータ処理を説明する。このデータ処理は、データ格納部20に予め格納されている、複数の試料に対するデータファイルに基づいて、試料間の相違性や類似性を調べる多変量解析を行うものである。
操作者(ユーザー)は入力部3から、多変量解析処理する対象の複数のデータファイルを指定する(ステップS1)。処理が開始されると、ピーク検出部21は指定されたデータファイルをデータ格納部20から読み出す。そして、各データファイルに格納されている3次元クロマトグラムデータに対し所定の基準に従ってピークピッキングを行い、ピークのピークトップにおける保持時間、質量電荷比、及び信号強度値をピーク情報として収集する(ステップS2)。通常、一つの試料に対応する一つのデータファイル中のデータから多数のピークが検出される。
同一成分候補抽出部22は、異なるデータファイルから抽出された複数のピークについて、保持時間の差が所定許容値以内で且つ質量電荷比の差が所定の許容値以内であるピークを抽出する。それら許容値は予め適宜に定めておけばよい。保持時間の許容値は例えばLC部11における移動相の流速のばらつきや変動などを考慮して決めておけばよい。一方、質量電荷比の許容値は主としてMS部12の質量精度など、装置の性能を考慮して決めておけばよい。上記のように異なるデータファイルからそれぞれ抽出されたピークの組は同一成分由来であるピークの候補である。
次いで、スペクトル類似性判定部23は、データファイル中のデータに基づいて、上記のように抽出された、つまりは同一成分由来の候補である一つのピークの組に含まれる複数のピークの保持時間におけるマススペクトルをそれぞれ作成する。そして、そのマススペクトルのスペクトルパターンの類似度を所定のアルゴリズムに従って算出する(ステップS3)。仮に複数のピークが真に同一成分由来のピークであるとすると、それら複数のピークにそれぞれ対応するマススペクトルのスペクトルパターンは高い類似度を示す筈である。そこで、算出された類似度が所定の閾値以上であるか否かを判定し(ステップS4)、類似度が閾値以上であればそれら複数のピークは同一成分由来のピークであると判断する(ステップS5)。
図3(a)に示すように、試料1における或るピークと試料2における或るピークとの保持時間RT1、RT2の差ΔRTが所定の許容値以内であり、且つ質量電荷比m/z1、m/z2の差ΔMが所定の許容値以内であるとする。この場合、これらピークは同一成分由来のピークの候補として抽出される。それぞれのピークの保持時間RT1、RT2におけるマススペクトルを作成したとき、図3(b)に示すように、その二つのマススペクトルのスペクトルパターンが全体として類似していれば類似度は高くなる。一方、図3(c)に示すように、その二つのマススペクトルのスペクトルパターンが全体として類似していなければ類似度は低くなる。図3(b)の場合には、それら二つのピークは同一成分由来である可能性が高いと判断できる。一方、図3(c)の場合には、マススペクトル上で質量電荷比の差ΔMが小さいm/z1、m/z2にそれぞれピークが偶然存在しているものの、それ以外のピークは殆ど一致しないため、それら二つのピークは同一成分由来でない可能性が高いと判断できる。
複数のピークが同一成分由来のピークであると判断された場合、その複数のピークに保持時間のずれがあれば、それは本来同じにすべきものである。そこで、保持時間・m/z値修正部24は、いずれか一方又は両方の保持時間を用いて保持時間を揃える。例えば複数の保持時間の平均を計算し、その平均値に保持時間を揃えればよい。一方、複数のピークに質量電荷比のずれがあった場合にも、それは本来同じにすべきものであるから、保持時間・m/z値修正部24は、保持時間と同様に、いずれか一方又は両方の質量電荷比を用いて質量電荷比を揃える(ステップS6)。
そして、保持時間及び質量電荷比に基づいて抽出された、同一成分由来のピーク候補である全てのピークについて、ステップS3〜S6の処理を実行したか否かを判定し(ステップS7)、未処理のピークがあればステップS7からS3へと戻る。したがって、ステップS3〜S7の処理の繰り返しによって、保持時間及び質量電荷比に基づいて抽出された全てのピークについて同一成分由来のピークであるか否かを判定し、同一成分由来であるとみなせる複数のピークについては保持時間及び質量電荷比を揃える処理が実施される。
ステップS7でYesと判定されると、データ配列テーブル作成部25が、保持時間及び質量電荷比が修正された後のピーク情報に基づいて、図4に示すように、縦方向に保持時間及び質量電荷比を、横方向に試料の識別情報(例えば試料番号や試料名など)をそれぞれ並べ、信号強度値を各欄の要素としたデータ配列テーブル又は行列を作成する(ステップS8)。上述したように、異なる試料であっても同一成分由来のピークの保持時間及び質量電荷比は同じになっているので、同一成分由来のピークの信号強度値は同じ行に配置される。多変量解析処理部26はこうして作成されたデータ配列テーブルを読み込み、このテーブルに基づいて所定の多変量解析処理を実行する(ステップS9)。
以上のようにして、本実施例のLC−MSでは、異なる試料に対して得られたデータにおいて同一成分の保持時間ずれや質量電荷比ずれがあった場合でも、それらずれを適切に修正して同じピークとして扱うことができる。それによって、データ配列テーブルに基づく多変量解析結果の精度が向上する。
上記ステップS3において複数のマススペクトルの類似度としては様々なものを利用することができるが、例えばピアソンの積率相関係数を用いることができる。よく知られているように、ピアソンの積率相関係数は二つのベクトルの余弦(cos)と同じである。また、そのほか、ユークリッド距離、マハラノビス距離、ミンコフスキー距離、チェビシェフ距離、マンハッタン距離などを類似度として用いることもできる。
また、マススペクトルのスペクトルパターンの類似度ではなく、特定の質量電荷比における信号強度値や複数の質量電荷比における信号強度値の比などについての類似度、つまりは差や距離を用いて同一成分由来であるか否かを判定してもよい。
また、上記説明から明らかであるように、マススペクトルのスペクトルパターンが単純過ぎると同一成分由来のピークであるか否かを判定しにくい。そのため、例えばプロトン付加(又はプロトン脱離)イオンのみが観測されるようなマススペクトルは同一成分由来の判定にはあまり適さず、例えば電子イオン化(EI)法によるフラグメントを利用したマススペクトルやインソース解離(ISD)を利用したISDスペクトルなど、化合物の構造が反映されるマススペクトルがより適している。また、同じ理由から、MS/MS分析やMSn分析により得られるMS/MS(MSn)スペクトルも同一成分由来の判定に適している。
また、本発明に係るクロマトグラムデータ処理装置は、LC−MSやGC−MSのみならず、他の様々なクロマトグラフ装置で得られたデータの処理に適用することができる。具体的には、PDA検出器、紫外可視吸光分光検出器、分光蛍光検出器、示差屈折率検出器、電気伝導度検出器などを検出器とするLC、或いは、熱伝導度検出器、電子捕獲型検出器、炎光光度検出器、水素炎イオン化検出器などを検出器とするGCで得られたデータを処理する際にも適用が可能である。
また、上記実施例は本発明の一例にすぎず、上記記載した以外の点において、本発明の趣旨の範囲で適宜変形、修正、追加などを行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
1…測定部
11…液体クロマトグラフ部(LC部)
12…質量分析装置(MS部)
2…データ処理部
20…データ格納部
21…ピーク検出部
22…同一成分候補抽出部
23…スペクトル類似性判定部
24…保持時間・m/z値修正部
25…データ配列テーブル作成部
26…多変量解析処理部
3…入力部
4…表示部

Claims (6)

  1. 試料に含まれる複数の成分を時間方向に分離するクロマトグラフと、該クロマトグラフで分離されたあとの試料に対し時間方向とは異なるディメンジョンにおける信号強度を取得する検出部と、を具備する分析装置を用いて収集された、複数の試料についてのデータを処理するクロマトグラムデータ処理装置であって、
    a)複数の試料についてのクロマトグラムデータに対しピーク検出を実行し、検出された各ピークについて保持時間を含むピーク情報を収集するピーク検出部と、
    b)異なる試料に由来する複数のピークの少なくとも保持時間が同じ又は所定範囲以内であるとき、前記ディメンジョンの方向に沿った信号強度波形の類似性に基づいて同一成分由来のピークであるか否か判定し、同一成分由来であると判定された複数のピークについての保持時間及び/又は前記ディメンジョンの値が異なる場合にそれを揃えるように修正する、という処理を行う同一成分判定部と、
    c)前記同一成分判定部による処理がなされた後のデータに基づいて、保持時間及び前記ディメンジョンを列方向又は行方向の一方、複数の試料を識別するための情報を列方向又は行方向の他方に並べ、或る試料の或る保持時間及び或るディメンジョンの値における信号強度値を行列要素としたテーブル形式のデータリストを作成するデータリスト作成部と、
    を備えることを特徴とするクロマトグラムデータ処理装置。
  2. 請求項1に記載のクロマトグラムデータ処理装置であって、
    前記同一成分判定部は、異なる試料に由来する複数のピークそれぞれのピークトップの保持時間における前記ディメンジョンの方向の信号強度波形の類似度を算出し、その類似度に基づいて同一成分由来のピークであるか否かを判定することを特徴とするクロマトグラムデータ処理装置。
  3. 請求項1に記載のクロマトグラムデータ処理装置であって、
    前記類似性は前記ディメンジョンの方向に沿ったスペクトルパターンの類似性であることを特徴とするクロマトグラムデータ処理装置。
  4. 請求項1に記載のクロマトグラムデータ処理装置であって、
    前記類似性は前記ディメンジョンの方向に沿った複数のディメンジョン値における信号強度値の比の類似性であることを特徴とするクロマトグラムデータ処理装置。
  5. 請求項1に記載のクロマトグラムデータ処理装置であって、
    前記検出部は質量分析装置であり、前記同一成分判定部は、マススペクトル波形の類似性に基づいて同一成分由来のピークであるか否か判定することを特徴とするクロマトグラムデータ処理装置。
  6. 請求項1に記載のクロマトグラムデータ処理装置であって、
    前記検出部はフォトダイオードアレイ検出器又は紫外可視吸光分光検出器であり、前記同一成分判定部は、吸光スペクトル波形の類似性に基づいて同一成分由来のピークであるか否か判定することを特徴とするクロマトグラムデータ処理装置。
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