〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るパチンコ機の正面図である。
パチンコ機10は、遊技機の一種であるパチンコ遊技機である。このパチンコ機10は、図1に示すように、パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方(正面側)に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを備えている。
遊技機本体12は、左右両側部のうち一方を支持側として回動可能となるように外枠11に支持される内枠(図示略)と、内枠の前方に配置されるとともに、左右両側部のうち一方を支持側として前方へ回動可能となるように内枠に支持される前扉枠13と、内枠の後方に配置されるとともに、左右両側部のうち一方を支持側として後方へ回動可能となるように内枠に支持される裏パックユニット(図示略)とを備えている。
なお、遊技機本体12は、その回動先端部に設けられた施錠装置(図示略)を備えている。この施錠装置は、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能な施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠13を内枠に対して開放不能な施錠状態とする機能を有している。これらの施錠状態は、パチンコ機10の前面に露出させて設けられたシリンダ錠14に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことによって解除される。
前扉枠13は、内枠の前面側全体を覆うようにして設けられた略楕円形状の窓部21と、窓部21に嵌め込まれた窓パネル22とを有している。なお、本実施形態では、窓パネル22は、ガラスによって無色透明に形成されているが、合成樹脂などによって無色透明に形成されていてもよい。
また、前扉枠13は、窓部21の周囲に設けられた各種ランプ部等にて構成される発光手段の一部として窓部21の上方に設けられた表示ランプ部23と、表示ランプ部23の左右両側に設けられるとともに、遊技状況に応じた効果音などを出力するスピーカ部24と、窓部21の下方に設けられた上側膨出部25および下側膨出部26とを備えている。
上側膨出部25および下側膨出部26は、上下に並設されるとともに、共に前方へ膨出するように設けられている。
上側膨出部25は、上方に開口するようにして内側に設けられた上皿25aを有している。上皿25aは、裏パックユニットに設けられた払出装置71(図6参照)にて払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構81(図6参照)側へ導くための機能を有している。
下側膨出部26は、同じく上方に開口するようにして内側に設けられた下皿26aを有している。下皿26aは、上皿25a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有している。
さらに、前扉枠13は、下皿26aの右方に設けられた発射手段としての発射ハンドル27を備えている。この発射ハンドル27は、パチンコ機10の遊技者に操作されることによって、内枠の下方に設けられた遊技球発射機構81から内枠の上方に設けられた遊技領域に向けて遊技球を発射する。発射ハンドル27は、その回転操作量を変更することによって、遊技領域に向けて発射する遊技球の発射強度、すなわち発射の勢いを変更する。
図2は、遊技盤の正面図である。
遊技盤31は、図2に示すように、その表面に取り付けられた内レール部32および外レール部33を有し、内枠に搭載されている。前述した遊技領域は、内レール部32および外レール部33によって区画されるようにして遊技盤31に形成されている。この遊技領域は、窓部21を介して略全域を前方から視認することができる。
内レール部32および外レール部33は、遊技領域への遊技球の誘導レール34を構成し、この誘導レール34は、遊技者が発射ハンドル27を回転操作したことによって遊技球発射機構81から発射された遊技球を遊技領域の上部に案内する。
誘導レール34は、その出口部分が遊技領域の一方の側部に配置されるとともに、遊技領域の上部中央を向くようにして形成されている。このため、遊技領域の上部における遊技球の到達位置は、遊技者による発射ハンドル27の回転操作量が大きくなるにしたがって、誘導レール34の出口部分が形成された側部の側からその反対側の側部の側へとシフトしていく。なお、本実施形態では、誘導レール34の出口部分は、遊技領域の左側部に設けられている。
遊技盤31は、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通するように形成された大小複数の開口部を遊技領域に有している。また、遊技盤31は、各開口部に設けられた一般入賞口35、上作動口(入球手段)36、下作動口37、可変入賞装置38、およびアウト口39を有している。また、遊技盤31は、中央部左側および中央部右側のそれぞれに設けられたスルーゲート41と、上部右側に設けられた主表示装置42と、中央部に設けられた可変表示ユニット43等とを有している。さらに、遊技盤31は、遊技球の落下方向を適宜分散させるために、または調整等するために植設された多数の釘44や、風車等の各種部材(役物)を遊技領域に有している。
図3は、上作動口を拡大した図である。
上作動口36は、図3に示すように、左側の開口部に設けられた左上作動口361と、右側の開口部に設けられた右上作動口362とを有している。また、上作動口36は、左上作動口361および右上作動口362の上方に植設されるとともに、左右方向に沿って遊技球1個分よりも広い間隔を隔てて植設された2本の釘44aと、左上作動口361および右上作動口362の間に植設された1本の釘44bと、釘44bの左側に取り付けられた左上作動口ユニット363と、釘44bの右側に取り付けられた右上作動口ユニット364とを有している。
左上作動口ユニット363は、釘44aのうち左側の釘44aの下方に位置するとともに、上下方向に沿って直線状に延在する側壁部363Aと、この側壁部363Aの下端から釘44bにかけて左下方向に膨出するように湾曲して延在する湾曲壁部363Bとを有している。
右上作動口ユニット364は、釘44aのうち右側の釘44aの下方に位置するとともに、上下方向に沿って直線状に延在する側壁部364Aと、この側壁部364Aの下端から釘44bにかけて右下方向に膨出するように湾曲して延在する湾曲壁部364Bとを有している。
ここで、左上作動口ユニット363および右上作動口ユニット364は、釘44bを挟んで左右対称となるように遊技盤31に取り付けられている。換言すれば、湾曲壁部363Bおよび湾曲壁部364Bは、それぞれ個別の部材として形成されるとともに、釘44bを挟んで左右対称となるように遊技盤31に取り付けられている。
なお、本実施形態では、湾曲壁部363Bおよび湾曲壁部364Bは、釘44bを挟んで左右対称となるように遊技盤31に取り付けられているが、左右対称となるように遊技盤31に取り付けられていなくてもよい。
2本の釘44aの間を通過して上作動口36に入球した遊技球は、左上作動口ユニット363の側壁部363Aと、右上作動口ユニット364の側壁部364Aとの間を通って、釘44bに向かって落下する。換言すれば、左上作動口ユニット363の側壁部363Aと、右上作動口ユニット364の側壁部364Aとの左右方向の間隔は、遊技球1個分よりも広くなるように設定されている。
したがって、本実施形態では、側壁部363Aおよび側壁部364Aは、上作動口36に入球した遊技球を釘44bに案内する振分案内部として機能し、遊技領域を流下する遊技球の流下方向に沿って直線状に延在するとともに、自己の延在方向と直交する方向に沿って遊技球1個分よりも広い間隔となるように配設されている。
ここで、側壁部363Aの内壁および側壁部364Aの内壁は、凹凸面状に形成されている。これによれば、遊技球は、側壁部363Aおよび側壁部364Aの間を通るときに側壁部363Aの内壁および側壁部364Aの内壁に形成された凹凸に接触し、その流下方向は様々に変化する。
なお、本実施形態では、側壁部363Aの内壁および側壁部364Aの内壁は、凹凸面状に形成されているが、凹凸面状に形成されていなくてもよく、例えば、平面状や湾曲面状などの他の形状に形成されていてもよい。
そして、釘44bは、この遊技球を左上作動口361または右上作動口362のいずれかに振り分けて入球させる振分手段として機能する。
具体的には、釘44bの左側を通過した遊技球は、左上作動口361に向かって落下し、左上作動口ユニット363の湾曲壁部363Bに案内されることによって、左上作動口361に入球することになる。また、釘44bの右側を通過した遊技球は、右上作動口362に向かって落下し、右上作動口ユニット364の湾曲壁部364Bに案内されることによって、右上作動口362に入球することになる。
したがって、釘44bに向かって落下してきた遊技球が釘44bの右側を通過しやすくなるように釘44bを設定することによって、釘44bは、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合を高くするとともに、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合を低くすることができる(第1の状態)。
また、釘44bに向かって落下してきた遊技球が釘44bの左側を通過しやすくなるように釘44bを設定することによって、釘44bは、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合を高くするとともに、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合を低くすることができる(第2の状態)。
換言すれば、釘44bは、第1の状態と、第2の状態とを設定可能に構成されることによって、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合とを同時に設定可能に構成されている。
なお、遊技場の管理者は、前述した前扉枠13を前方へ回動させて開放することによって、容易に釘44bを設定することができる。
なお、本実施形態では、振分手段は、1本の釘44bによって遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合とを同時に設定可能に構成されていた。これに対して、振分手段は、複数の要素によって遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合とを別々に設定可能に構成されていてもよい。
具体的には、例えば、振分手段は、釘44bに代えて2本の釘を利用することによって、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合とを別々に設定可能に構成してもよい。これによれば、一方の釘を設定することによって、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合を設定することができ、他方の釘を設定することによって、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合を設定することができる。
しかしながら、このような構成において、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合とをともに低く設定した場合には、2本の釘の間隔は広くなってしまうことになる。このような場合には、遊技球は、2本の釘の上に乗ってしまって左上作動口361および右上作動口362のいずれにも入球しなくなってしまうことになるので、振分手段は、1本の釘44bによって遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合とを同時に設定可能に構成されることが好ましい。
また、本実施形態では、釘44bは、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合とを設定可能に構成されていたが、これらの割合を設定不可能に構成されていてもよい。例えば、振分手段は、これらの割合を設定不可能に構成された役物などを釘44bに代えて採用してもよい。要するに、振分手段は、2本の釘44aの間を通過して上作動口36に入球した遊技球を左上作動口361または右上作動口362のいずれかに振り分けて入球させることができればよい。
遊技盤31の説明に戻り、図2および図3を参照して各種入賞口のそれぞれについて説明する。
一般入賞口35、左上作動口361、右上作動口362、下作動口37、および可変入賞装置38の各種入賞口のそれぞれは、遊技球の入球を検知する検知センサ50a〜50e(図6参照)を備え、これらの検知センサ50a〜50eは、遊技盤31の背面側に配設されている。具体的には、一般入賞口35は、検知センサ50aを備え、左上作動口361は、検知センサ50bを備え、右上作動口362は、検知センサ50cを備え、下作動口37は、検知センサ50dを備え、可変入賞装置38は、検知センサ50eを備えている。パチンコ機10は、検知センサ50a〜50eの検知結果に基づいて、所定数の賞球の払い出しを実行する。なお、検知センサ50a〜50eは、遊技球の入賞を個別に検知できるものであれば、どのようなものであってもよく、例えば、電磁誘導型の近接センサなどを採用することができる。
具体的には、パチンコ機10は、一般入賞口35への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しを実行する。パチンコ機10は、左上作動口361への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しを実行し、右上作動口362への入球が発生した場合には5個の賞球の払い出しを実行する。パチンコ機10は、下作動口37への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しを実行する。パチンコ機10は、可変入賞装置38への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しを実行する。ここで、左上作動口361および右上作動口362は、賞球数を除いて同様の機能を有している。具体的には、パチンコ機10は、左上作動口361への入賞に基づいて内部抽選を実行し、右上作動口362への入賞に基づいて左上作動口361への入賞に基づく内部抽選と同様の内部抽選を実行する。換言すれば、左上作動口361および右上作動口362は、遊技球の入球に際して同様の内部抽選を実行する。したがって、以下の説明では、左上作動口361または右上作動口362への入球を上作動口36への入球とも表現する。なお、これら賞球の個数は任意であり、例えば、各作動口36,37の賞球個数を相違させてもよい。
したがって、本実施形態では、右上作動口362は、遊技球の入球に際して所定数の遊技球(5個)の遊技球を払い出すことによって、遊技者に高い価値を付与する高価値入球部として機能する。
また、本実施形態では、左上作動口361は、遊技球の入球に際して右上作動口362にて払い出される所定数の遊技球(5個)よりも少ない数の遊技球(3個)を払い出すことによって、遊技者に右上作動口362にて付与される価値よりも低い価値を付与する低価値入球部として機能する。
そして、本実施形態では、湾曲壁部363Bは、釘44bにて左上作動口361に振り分けられた遊技球を左上作動口361に案内する低価値案内部として機能し、湾曲壁部364Bは、釘44bにて右上作動口362に振り分けられた遊技球を右上作動口362に案内する高価値案内部として機能する。
なお、本実施形態では、右上作動口362は、5個の遊技球を払い出すことによって、遊技者に高い価値を付与していたが、これ以外の数の遊技球を払い出してもよい。また、左上作動口361は、右上作動口362にて払い出される5個の遊技球よりも少ない数の3個の遊技球を払い出すことによって、遊技者に右上作動口362にて付与される価値よりも低い価値を付与していたが、右上作動口362にて払い出される所定数の遊技球よりも少ない数であれば、これ以外の数の遊技球を払い出してもよい。要するに、高価値入球部は、所定数の遊技球を遊技球の入球に際して払い出すことによって、遊技者に高い価値を付与し、低価値入球部は、高価値入球部にて払い出される所定数の遊技球よりも少ない数の遊技球を遊技球の入球に際して払い出すことによって、遊技者に高価値入球部にて付与される価値よりも低い価値を付与すればよい。
また、本実施形態では、右上作動口362は、所定数の遊技球(5個)の遊技球を払い出すことによって、遊技者に高い価値を付与し、左上作動口361は、右上作動口362にて払い出される所定数の遊技球(5個)よりも少ない数の遊技球(3個)を払い出すことによって、遊技者に右上作動口362にて付与される価値よりも低い価値を付与していた。換言すれば、パチンコ機10は、遊技球の入球に際して払い出される遊技球の数の差によって、左上作動口361および右上作動口362の価値の差を設けていた。
これに対して、例えば、遊技機は、遊技球の入球に際して実行する内部抽選の差によって、高価値入球部および低価値入球部の価値の差を設けてもよく、遊技球の入球に際して払い出される遊技球の数の差および遊技球の入球に際して実行する内部抽選の差の双方によって、高価値入球部および低価値入球部の価値の差を設けてもよく、これ以外の差によって、高価値入球部および低価値入球部の価値の差を設けてもよい。要するに、遊技機は、遊技球の入球に際して遊技者に高い価値を付与する高価値入球部と、遊技球の入球に際して遊技者に高価値入球部にて付与される価値よりも低い価値を付与する低価値入球部とを備えていればよい。
ここで、前述したように、釘44bを第1の状態に設定した場合には、釘44bは、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合を高くするとともに、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合を低くすることができるので、2本の釘44aの間を通過した遊技球に基づく賞球数は増加する。
また、前述したように、釘44bを第2の状態に設定した場合には、釘44bは、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合を高くするとともに、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合を低くすることができるので、2本の釘44aの間を通過した遊技球に基づく賞球数は減少する。
具体的には、例えば、釘44bを第1の状態に設定し、2本の釘44aの間を通過した5個の遊技球のうち、約3個の遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させるとともに、約2個の遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させるようにした場合には、2本の釘44aの間を通過した遊技球に基づく賞球数の期待値は約4.2個になる。
また、例えば、釘44bを第2の状態に設定し、2本の釘44aの間を通過した5個の遊技球のうち、約3個の遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させるとともに、約2個の遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させるようにした場合には、2本の釘44aの間を通過した遊技球に基づく賞球数の期待値は約3.8個になる。
換言すれば、釘44bは、第1の状態と、第2の状態とを設定可能に構成されることによって、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合とを同時に設定可能に構成されているので、2本の釘44aの間を通過した遊技球に基づく賞球数の期待値を増減させることができる。
ここで、釘44bは、その傾斜の状態を設定することによって、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合とを無段階に設定することができるので、2本の釘44aの間を通過した遊技球に基づく賞球数の期待値も無段階に設定することができる。
ところで、従来の遊技機は、1つの上作動口を備え、この上作動口は、その上方に植設されるとともに、左右方向に沿って遊技球1個分よりも広い間隔を隔てて植設された2本の釘を有していた。そして、2本の釘の間を通過した遊技球は、そのまま上作動口に入球していた。遊技機は、上作動口に遊技球が入球することによって、所定数の遊技球を払い出すとともに、大当たり抽選などの内部抽選を実行しているので、上作動口に遊技球が入球したときの遊技機の挙動は単調になってしまっていた。
具体的には、2本の釘の間隔を設定することによって、上作動口に遊技球が入球しやすいようにした場合には、遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する内部抽選の実行回数は増加し、遊技球の払い出しは増加する。これに対して、2本の釘の間隔を設定することによって、上作動口に遊技球が入球しにくいようにした場合には、遊技領域に発射された一定数の遊技球の数に対する内部抽選の実行回数は減少し、遊技球の払い出しは減少する。
しかしながら、本実施形態のパチンコ機10では、前述したように、釘44bは、第1の状態と、第2の状態とを設定可能に構成されることによって、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合とを同時に設定可能に構成されているので、2本の釘44aの間を通過した遊技球に基づく賞球数の期待値を増減させることができる。
これによれば、例えば、2本の釘44aの間隔を設定することによって、上作動口36に遊技球が入球しやすいようにして遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する内部抽選の実行回数を増加させた場合において、釘44bを第1の状態に設定して賞球数の期待値を増加させたり、釘44bを第2の状態に設定して賞球数の期待値を減少させたりすることができる。
また、例えば、2本の釘44aの間隔を設定することによって、上作動口36に遊技球が入球しにくいようにして遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する内部抽選の実行回数を減少させた場合において、釘44bを第1の状態に設定して賞球数の期待値を増加させたり、釘44bを第2の状態に設定して賞球数の期待値を減少させたりすることができる。
換言すれば、パチンコ機10は、遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する内部抽選の実行回数と、遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する遊技球の払い出しとを独立して調整可能に構成されている。
なお、本実施形態では、上作動口36は、左上作動口361および右上作動口362の上方に植設されるとともに、左右方向に沿って遊技球1個分よりも広い間隔を隔てて植設された2本の釘44aを有しているが、2本の釘44aを有していなくてもよい。この場合には、遊技球は、左上作動口ユニット363の側壁部363Aと、右上作動口ユニット364の側壁部364Aとの間に入球し、これらの間を通って、釘44bに向かって落下することになる。
また、前述したように、従来の遊技機は、2本の釘の間隔を設定することによって、遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する内部抽選の実行回数と、遊技球の払い出しとを独立して設定することはできないので、これらを独立して設定する場合には、2本の釘の間隔を設定することに加えて、例えば、上作動口とは異なる場所に設けられた一般入賞口に遊技球を入球させる割合を設定すること等の他の設定をしなければならない。換言すれば、従来の遊技機は、1つの入賞口の設定のみによって、遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する内部抽選の実行回数と、遊技球の払い出しとを独立して設定することはできないので、これらの設定に手間がかかっていた。
これに対して、本実施形態のパチンコ機10は、2本の釘44aの間隔と、釘44bの状態とを設定することによって、遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する内部抽選の実行回数と、遊技球の払い出しとを独立して設定することができる。換言すれば、本実施形態のパチンコ機10は、1つの入賞口(上作動口36)の設定のみによって、遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する内部抽選の実行回数と、遊技球の払い出しとを独立して設定することができるので、これらの設定を容易にすることができる。
アウト口39は、遊技盤31の遊技領域の最下部に設けられている。各種入賞口等に入球しなかった遊技球は、このアウト口39を通って遊技領域から排出される。また、アウト口39は、遊技球の入球を検知する検知センサ50f(図6参照)を備え、この検知センサ50fは、遊技盤31の背面側に配設されている。なお、パチンコ機10は、アウト口39への入球が発生した場合には、各種入賞口への入球が発生した場合と異なり、賞球の払い出しを実行しない。
各スルーゲート41は、遊技球の入球を検知する検知センサ50g(図6参照)を備え、この検知センサ50gは、遊技盤31の背面側に配設されている。なお、パチンコ機10は、各スルーゲート41への入球が発生した場合には、各種入賞口への入球が発生した場合と異なり、賞球の払い出しを実行しない。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することをいい、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されずに遊技領域の流下を継続する態様も含む。ただし、以下の説明では、アウト口39への遊技球の入球と明確に区別するために、各種入賞口への遊技球の入球を入賞とも表現する。また、スルーゲート41への入球とは、遊技領域に設けられたゲートを通過した後に遊技領域から排出されずに遊技領域の流下を継続することをいう。このスルーゲート41への入球についても各種入賞口への入球と同様に入賞とも表現する。
上作動口36および下作動口37は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤31に設置されている。各作動口36,37は、遊技領域を流下する遊技球を入球可能とすべく共に上向きに開口するとともに、上作動口36を上方に配置し、下作動口37を下方に配置するようにして鉛直方向に並設されている。
図4は、上作動口の断面を示す図である。具体的には、図4(a)は、左上作動口361の断面を示す図であり、釘44b側から図3のAA断面を見た図である。また、図4(b)は、右上作動口362の断面を示す図であり、釘44b側から図3のBB断面を見た図である。なお、図4は、各部位の位置関係を明確にするために、左上作動口ユニット363の側壁部363A、右上作動口ユニット364の側壁部364A、および釘44bを二点鎖線で示している。
左上作動口ユニット363は、図4(a)に示すように、遊技盤31に形成された開口部に遊技盤31の前面側から嵌め込まれることによって遊技盤31に取り付けられている。この左上作動口ユニット363は、前述した側壁部363Aおよび湾曲壁部363Bの他、釘44bの左側を通過した遊技球を開口部に導くために背面側に形成された通路363Cを有している。また、左上作動口ユニット363は、この通路363Cを通過した遊技球が必ず通過する位置に形成された入賞用通過部363Dを有している。
また、左上作動口361は、左上作動口ユニット363の入賞用通過部363Dを通過する遊技球を検知する前述の検知センサ50bを備えている。
ここで、検知センサ50bは、入賞用通過部363Dの下面に固定された検知センサ取付部501bに取り付けられている。そして、左上作動口ユニット363は、遊技盤31に形成された開口部に遊技盤31の前面側から嵌め込まれた後、この検知センサ取付部501bを入賞用通過部363Dの下面に固定することによって、遊技盤31に固定される。
右上作動口ユニット364は、図4(b)に示すように、遊技盤31に形成された開口部に遊技盤31の前面側から嵌め込まれることによって遊技盤31に取り付けられている。この右上作動口ユニット364は、前述した側壁部364Aおよび湾曲壁部364Bの他、釘44bの右側を通過した遊技球を開口部に導くために背面側に形成された通路364Cを有している。また、右上作動口ユニット364は、この通路364Cを通過した遊技球が必ず通過する位置に形成された入賞用通過部364Dを有している。
また、右上作動口362は、右上作動口ユニット364の入賞用通過部364Dを通過する遊技球を検知する前述の検知センサ50cを備えている。
ここで、検知センサ50cは、入賞用通過部364Dの下面に固定された検知センサ取付部501cに取り付けられている。そして、右上作動口ユニット364は、遊技盤31に形成された開口部に遊技盤31の前面側から嵌め込まれた後、この検知センサ取付部501cを入賞用通過部364Dの下面に固定することによって、遊技盤31に固定される。
遊技盤31の説明に戻り、図2を参照して下作動口37について説明する。
下作動口37は、左右一対の可動片によって構成されたガイド片(サポート片)としての電動役物37aを有している。
電動役物37aは、遊技盤31の背面側に搭載された電動役物駆動部37bに連結されている。この電動役物37aは、電動役物駆動部37bにて駆動されることによって、閉鎖状態(非サポート状態または非ガイド状態)および開放状態(サポート状態またはガイド状態)のいずれかに設定される。閉鎖状態は、電動役物37aの上端を左右方向に近接させることによって、下作動口37を閉鎖した状態である。開放状態は、電動役物37aの上端を左右方向に離間させることによって、下作動口37を開放した状態である。
ここで、電動役物37aを閉鎖状態に設定した場合には、この電動役物37aの上端と、上作動口36の下端との間隔は、遊技球1個分よりも狭くなる。また、電動役物37aを開放状態に設定した場合には、この電動役物37aの上端と、上作動口36の下端との間隔は、遊技球1個分よりも広くなる。したがって、遊技球は、電動役物37aを閉鎖状態に設定した場合には、下作動口37に入賞することができず、開放状態に設定した場合には、下作動口37に入賞することができる。
なお、電動役物37aは、前述した閉鎖状態および開放状態に代えて、下作動口37に遊技球が入賞しにくい状態(閉鎖状態とは異なり遊技球の入球は可能な状態)と、下作動口37に遊技球が入賞しやすい状態とを切り換える構成としてもよい。また、下作動口37は、このような切り換えを電動役物37aの設定によって行うのではなく、下作動口37の変位によって行う構成としてもよく、このように構成した場合には、下作動口37は、電動役物37aを備えていなくてもよい。
可変入賞装置38は、遊技領域を流下する遊技球を入球可能とすべく上向きに開口する大入賞口38aと、大入賞口38aを開閉するための開閉扉38bと、開閉扉38bを駆動する可変入賞駆動部38cとを備えている。
なお、遊技者は、発射ハンドル27の回転操作量を最大とし、遊技領域の上部における遊技球の到達位置を誘導レール34の出口部分が形成された側部の側からその反対側の側部の側へとシフトさせることによって、可変表示ユニット43等を避けて可変入賞装置38に遊技球を導くことができる。
ここで、遊技盤31は、可変入賞装置38の前面側を覆うようにして設けられたカバー381を備えている。このカバー381は、可変入賞装置38を前面側から視認可能とすべく透明(または半透明)に形成された透明パネル381aと、この透明パネル381aの周囲に設けられるとともに、不透明に形成された不透明パネル381bとを備えている。
したがって、遊技者は、透明パネル381aおよび窓部21を介して可変入賞装置38を前方から視認することができる。
大入賞口38aは、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通するように遊技領域に形成された開口部に設けられている。この大入賞口38aは、前述したように、遊技球の入球を検知する検知センサ50eを備えている。パチンコ機10は、その検知結果に基づいて、所定数の賞球の払い出しを実行する。
開閉扉38bは、矩形板状に形成されるとともに、大入賞口38aの開口を閉鎖するようにして遊技盤31に設けられている。この開閉扉38bは、窓パネル22に向かって前進して遊技盤31から突出することによって、大入賞口38aの開口を閉鎖する閉鎖状態と、遊技盤31の内部に向かって後退して遊技盤31に埋没することによって、大入賞口38aの開口を開放する開放状態とを有している。
可変入賞駆動部38cは、開閉扉38bを駆動することによって、開閉扉38bを開放状態および閉鎖状態のいずれかに設定する。
具体的には、開閉扉38bは、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態に設定されている。そして、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選し、開閉実行モードに移行した場合には、開閉扉38bは、遊技球が入賞できる開放状態に設定される。
なお、開閉実行モード(特定制御状態)とは、開閉扉38bを開放状態に設定し、大入賞口38aに遊技球を入球可能とするモードをいう。また、開閉実行モードにおいて、開閉扉38bを開放状態に設定した後、再び閉鎖状態に設定するまでを1回のラウンド遊技という。
主表示装置42は、メイン表示部45と、役物用表示部46とを有し、複数のセグメント発光部を所定の態様で配列したセグメント表示器や、ドット表示器などの複数の表示装置を配置して構成されている。
なお、主表示装置42は、その前面側に設けられた窓パネル22に向かって膨出するようにして遊技盤31に設けられている。すなわち、主表示装置42は、窓パネル22を介してパチンコ機10の前方から視認可能となっている。また、主表示装置42と、窓パネル22との間の距離は、遊技球1個分よりも狭くなっている。これによって、パチンコ機10は、主表示装置42と、窓パネル22との間を遊技球が落下していくのを防止している。換言すれば、パチンコ機10は、主表示装置42の前方を遊技球が落下していくのを防止している。
メイン表示部45は、上作動口36への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示するための第1結果表示部45aと、下作動口37への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示するための第2結果表示部45bとを備えている(図6参照)。なお、メイン表示部45は、開閉実行モードとなった場合(または開閉実行モードとなる場合)に、その開閉実行モードにおけるラウンド遊技の回数を明示するためのラウンド表示部を更に備えていてもよい。
第1結果表示部45aは、上作動口36への入賞をトリガとして絵柄の変動表示を実行するとともに、その変動表示の停止結果として、上作動口36への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。この内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した結果であった場合には、第1結果表示部45aは、所定の停止結果を表示する。その後、パチンコ機10は、開閉実行モードへ移行する。
第2結果表示部45bは、下作動口37への入賞をトリガとして絵柄の変動表示を実行するとともに、その変動表示の停止結果として、下作動口37への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。この内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した結果であった場合には、第2結果表示部45bは、所定の停止結果を表示する。その後、パチンコ機10は、開閉実行モードへ移行する。
役物用表示部46は、各スルーゲート41への入賞をトリガとして絵柄の変動表示を実行するとともに、その変動表示の停止結果として、各スルーゲート41への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。役物用表示部46は、内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した結果であった場合には、所定の停止結果を表示する。その後、パチンコ機10は、電役開放状態へ移行する。この電役開放状態では、下作動口37に設けられた電動役物37aは、所定の態様で開放状態となる。
なお、本実施形態では、メイン表示部45および役物用表示部46は、セグメント表示器や、ドット表示器などの複数の表示装置を配置して構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等の他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部45および役物用表示部46に変動表示させる絵柄としては、複数種の文字を変動表示させる構成、複数種の記号を変動表示させる構成、複数種のキャラクタを変動表示させる構成、または複数種の色を切り換えて表示させる構成などを採用できる。
可変表示ユニット43は、絵柄の一種である図柄を変動表示(可変表示または切換表示)する図柄表示装置51を備えている。また、可変表示ユニット43は、図柄表示装置51を囲むようにして配設されたセンターフレーム52を備えている。このセンターフレーム52の上部は、その前面側に設けられた窓パネル22に向かって膨出するようにして設けられている。これによって、パチンコ機10は、図柄表示装置51の表示画面Gの前方を遊技球が落下していくのを防止し、遊技球の落下によって表示画面Gの視認性が低下するといった不都合を生じない構成となっている。
図柄表示装置51は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されている。この図柄表示装置51は、上作動口36または下作動口37への入賞に基づいて図柄の変動表示を開始する。すなわち、図柄表示装置51は、メイン表示部45の第1結果表示部45aにて変動表示を実行する場合およびメイン表示部45の第2結果表示部45bにて変動表示を実行する場合には、それに合わせて変動表示を実行する。
なお、図柄表示装置51は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置、またはCRT等の他の表示装置であってもよい。
センターフレーム52は、図柄表示装置51の左下側の領域に設けられた第1保留ランプ部53と、図柄表示装置51の右下側の領域に設けられた第2保留ランプ部54と、図柄表示装置51の上側の領域に設けられた第3保留ランプ部55とを備えている。
第1保留ランプ部53は、上作動口36に入賞した遊技球の保留個数を表示する部位であり、保留個数に応じて点灯する。この第1保留ランプ部53は、遊技球を最大4個まで保留することができ、第1結果表示部45aおよび図柄表示装置51の変動表示に対応している。
第2保留ランプ部54は、下作動口37に入賞した遊技球の保留個数を表示する部位であり、保留個数に応じて点灯する。この第2保留ランプ部54は、遊技球を最大4個まで保留することができ、第2結果表示部45bおよび図柄表示装置51の変動表示に対応している。
第3保留ランプ部55は、各スルーゲート41に入賞した遊技球の保留個数を表示する部位であり、保留個数に応じて点灯する。この第3保留ランプ部55は、遊技球を最大4個まで保留することができ、役物用表示部46の変動表示に対応している。
なお、各保留ランプ部53〜55は、後述する図柄表示装置51の一部に画像として表示される等の他の構成であってもよい。
図5は、図柄表示装置の表示画面を示す図である。
図柄表示装置51の表示画面Gは、図5に示すように、3列の表示領域に区画されており、各表示領域には、左から順に左図柄列Z1、中図柄列Z2、および右図柄列Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3は、「1」〜「8」の数字からなる8種類の図柄を下方から上方に向かって昇順となるとともに、「8」の次は「1」となるように配列して構成されている。なお、図5では、各表示領域の中心線を一点鎖線で示している。
図柄表示装置51は、上作動口36または下作動口37への入賞に基づいて、各図柄列Z1〜Z3の図柄を所定の向き(本実施形態では上向き)に周期的にスクロールさせるようにして図柄の変動表示を開始することによって、表示画面Gにおいて遊技回用の演出を実行する。この遊技回用の演出は、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から停止表示に切り換わり、最終的には、有効ラインL上に所定の図柄を停止表示した状態で終了する。
すなわち、遊技回とは、各作動口36,37への入賞に基づいて、メイン表示部45および図柄表示装置51にて変動表示が開始された後、所定の停止結果を表示するまでをいう。
なお、図柄表示装置51における図柄の変動表示の態様は、これに限定されることはなく任意である。例えば、図柄列の列数、各図柄列のスクロールの方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、各図柄列の図柄は、数字のみの態様に代えて、絵と数字とを組み合わせた態様としてもよく、絵のみの態様としてもよい。
<パチンコ機10の電気的構成>
図6は、パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
パチンコ機10は、図6に示すように、主制御装置60と、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備え、これらの装置は、内枠の背面側に搭載されている。また、パチンコ機10は、前述した払出装置71に遊技球の払い出しをさせる払出制御を実行する払出制御装置70と、前述した遊技球発射機構81に遊技球を発射させる発射制御を実行する電源・発射制御装置80とを備え、これらの装置は、裏パックユニットに搭載されている。
主制御装置60は、遊技の主たる制御(主制御)を司る主制御基板61と、電源を監視する停電監視基板65とを備えている。なお、主制御装置60は、主制御基板61などを収容する基板ボックスを備えている。この基板ボックスは、その開放に際して痕跡を残す痕跡手段を備えていてもよく、その開放に際して痕跡を残す痕跡構造を備えていてもよい。具体的には、痕跡手段としては、複数のケース体を結合することによって基板ボックスを構成し、各ケース体の分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)を設ける構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成などを採用することができる。また、痕跡構造としては、これらのケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成などを採用することができる。
主制御基板61は、主制御基板61に実装されたMPU62と、このMPU62を構成しているROM63およびRAM64とを備えている。ここで、MPU62は、ROM63およびRAM64の他、CPU、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、および乱数発生器としてのカウンタ回路などを複合的にチップ化した素子である。
なお、本実施形態では、ROM63およびRAM64は、MPU62に対して1チップ化されているが、個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置60以外の他の制御装置のMPUについても同様である。
ROM63は、各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要としない不揮発性記憶手段である。このROM63は、当否テーブル記憶エリア63aや、振分テーブル記憶エリア63bなどの各種エリアを有している。これらのエリアについては後に詳細に説明する。
RAM64は、ROM63に記憶された制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要とする揮発性記憶手段である。このRAM64は、各種カウンタエリア64aや、保留球格納エリア64bや、電役保留エリア64cなどの各種エリアを有している。これらのエリアについては後に詳細に説明する。
MPU62は、入力ポートおよび出力ポートを備えている。MPU62の入力ポートは、主制御装置60に設けられた停電監視基板65と、複数の検知センサ50a〜50gとに接続されている。MPU62の出力ポートは、停電監視基板65と、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とに接続されている。この音声発光制御装置90と、音声発光制御装置90に接続される表示制御装置100については後に詳細に説明する。また、MPU62の出力ポートは、下作動口37の電動役物37aを開閉動作させる電動役物駆動部37bと、可変入賞装置38の開閉扉38bを開閉動作させる可変入賞駆動部38cと、メイン表示部45と、役物用表示部46とに接続されている。
なお、主制御基板61は、ドライバ回路を有している。MPU62は、このドライバ回路を通じて各種駆動部などの駆動制御を実行する。具体的には、電役開放状態では、MPU62は、電動役物駆動部37bの駆動制御を実行して電動役物37aを開閉させる。また、開閉実行モードでは、MPU62は、可変入賞駆動部38cの駆動制御を実行して大入賞口38aを開閉させる。また、各遊技回では、MPU62は、メイン表示部45の表示制御を実行して各作動口36,37への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。さらに、MPU62は、役物用表示部46の表示制御を実行して各スルーゲート41への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。
停電監視基板65は、主制御基板61と、動作電力を供給する機能を有する電源・発射制御装置80とを中継し、電源・発射制御装置80から出力される直流安定24ボルトの電圧を監視する。したがって、MPU62は、停電監視基板65を介して電力を受給する。
検知センサ50a〜50gは、一般入賞口35、左上作動口361、右上作動口362、下作動口37、および可変入賞装置38の各種入賞口や、アウト口39や、各スルーゲート41に1対1で対応して設けられている。MPU62は、検知センサ50a〜50gの検知結果に基づいて、各種入賞口や、アウト口39や、各スルーゲート41への入賞判定(入球判定)を行っている。なお、MPU62は、上作動口36または下作動口37への入賞判定に基づいて、内部抽選を実行する。
払出制御装置70は、主制御装置60から送信されるコマンド(制御命令)に基づいて、払出装置71に賞球や貸し球(遊技に際して遊技者に貸し出す遊技球)の払い出しをさせる払出制御を実行する。
電源・発射制御装置80は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、電源・発射制御装置80は、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板61や払出制御装置70等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。なお、電源・発射制御装置80は、バックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部を備えている。この電断時用電源部は、パチンコ機10への電力供給が遮断された電断時においても主制御装置60のRAM64に記憶保持用の電力を供給する。
また、電源・発射制御装置80は、遊技球発射機構81に遊技球を発射させる発射制御を実行する。ここで、遊技球発射機構81は、遊技盤31の誘導レール34に向けて延びる発射レールと、上皿25aに貯留されている遊技球を発射レール上に供給する球送り装置と、発射レール上に供給された遊技球を誘導レール34に向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイドとを備えている。電源・発射制御装置80は、所定の発射条件が整っている場合に、このソレノイドに対して駆動信号(発射許可信号)を供給し、遊技球を発射させる。
<主制御装置60のMPU62にて内部抽選を実行するための電気的構成>
図7は、内部抽選に用いられる各カウンタの内容を示す図である。
MPU62は、図7に示すように、各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4の値(情報)を用いることによって、内部抽選などを実行する。具体的には、MPU62は、大当たり発生の抽選に大当たり乱数カウンタC1を使用し、大当たり発生に際し、その大当たりの種別の抽選に大当たり種別カウンタC2を使用し、リーチ表示を発生させるか否かの抽選にリーチ乱数カウンタC3を使用する。また、MPU62は、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に乱数初期値カウンタCINIを使用し、メイン表示部45および図柄表示装置51における表示継続時間の決定に変動種別カウンタCSを使用する。さらに、MPU62は、下作動口37の電動役物37aを電役開放状態とするか否かの抽選に電動役物開放カウンタC4を使用する。なお、各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、RAM64の各種カウンタエリア64a(図6参照)に設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後、0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは、定期的に更新され、その更新された値は、RAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファに適宜格納される。抽選カウンタ用バッファに格納された値のうち、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値は、上作動口36または下作動口37に遊技球が入賞したタイミングでRAM64に取得情報記憶手段として設けられた保留球格納エリア64b(図6参照)に格納される。また、抽選カウンタ用バッファに格納された値のうち、電動役物開放カウンタC4の値は、各スルーゲート41に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の電役保留エリア64c(図6参照)に格納される。
保留球格納エリア64bは、第1結果表示部用保留エリアRaと、第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEとを備えている。
第1取得情報記憶手段として設けられた第1結果表示部用保留エリアRaは、第1エリアRa1〜第4エリアRa4の4つの記憶エリアを備えている。各エリアRa1〜Ra4は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を格納可能な記憶容量に設定されている。MPU62は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を保留情報として上作動口36への遊技球の入賞に合わせて各エリアRa1〜Ra4に時系列的に格納していく。具体的には、MPU62は、上作動口36への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRa1→第2エリアRa2→第3エリアRa3→第4エリアRa4の順に保留情報を時系列的に格納していく。
このように、第1結果表示部用保留エリアRaは、4つの記憶エリアを備えているので、上作動口36への遊技球の入賞は、最大4個まで保留されるようになっている。また、第1結果表示部用保留エリアRaは、各エリアRa1〜Ra4に格納されている保留個数を書き込むための記憶エリアを備えている。
なお、上作動口36に係る保留個数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個、または5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
第2取得情報記憶手段として設けられた第2結果表示部用保留エリアRbは、第1エリアRb1〜第4エリアRb4の4つの記憶エリアを備えている。各エリアRb1〜Rb4は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を格納可能な記憶容量に設定されている。MPU62は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を保留情報として下作動口37への遊技球の入賞に合わせて各エリアRb1〜Rb4に時系列的に格納していく。具体的には、MPU62は、下作動口37への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRb1→第2エリアRb2→第3エリアRb3→第4エリアRb4の順に保留情報を時系列的に格納していく。
このように、第2結果表示部用保留エリアRbは、4つの記憶エリアを備えているので、下作動口37への遊技球の入賞は、最大4個まで保留されるようになっている。また、第2結果表示部用保留エリアRbは、各エリアRb1〜Rb4に格納されている保留個数を書き込むための記憶エリアを備えている。
なお、下作動口37に係る保留個数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個、または5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、各結果表示部45a,45bの変動表示を開始する際に、第1結果表示部用保留エリアRa、または第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された保留情報を移動させるためのエリアである。
電役保留エリア64cは、第1結果表示部用保留エリアRaおよび第2結果表示部用保留エリアRbと同様に4つの記憶エリアを備えている。したがって、各スルーゲート41への遊技球の入賞は、最大4個まで保留されるようになっている。
なお、各スルーゲート41に係る保留個数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個、または5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
<各カウンタの詳細な説明>
以下、各カウンタの詳細について説明する。
まず、電動役物開放カウンタC4について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値250に達した後、0に戻ることによって、0〜250の範囲内でループするループカウンタとなっている。
電動役物開放カウンタC4は、定期的に更新され、その更新された値は、各スルーゲート41に遊技球が入賞したタイミングで抽選カウンタ用バッファを介してRAM64の電役保留エリア64cに格納される。
そして、MPU62は、電役保留エリア64cに格納された電動役物開放カウンタC4の値に基づいて、下作動口37の電動役物37aを電役開放状態とするか否かの抽選(電動役物開放抽選)を実行する。
ここで、パチンコ機10は、電動役物37aを開放状態に設定することによって、下作動口37への遊技球の入賞を可能とする頻度が互いに異なる複数のサポートモードを有している。具体的には、パチンコ機10は、電動役物37aを開放状態に設定する頻度が相対的に低い低頻度サポートモード(低頻度ガイド状態)と、電動役物37aを開放状態に設定する頻度が相対的に高い高頻度サポートモード(高頻度ガイド状態)とを有している。
低頻度サポートモードおよび高頻度サポートモードは、電動役物開放抽選において、電役開放状態に当選する確率は同一(例えば、共に4/5)となっている。しかしながら、高頻度サポートモードは、低頻度サポートモードと比較して、電役開放状態に当選した際に、電動役物37aを開放状態に設定する回数が多く、電動役物37aを開放状態に設定する1回の開放時間も長くなっている。また、高頻度サポートモードでは、1回の電役開放状態における各回の開放の間に、電動役物37aを閉鎖状態に設定する閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短くなっている。さらに、高頻度サポートモードは、低頻度サポートモードと比較して、電動役物開放抽選を終えてから次回の電動役物開放抽選を行うまでに待機する時間として最低限確保される確保時間(役物用表示部46における1回の変動表示の継続時間)が短くなっている。
したがって、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードと比較して、遊技球は、下作動口37に入賞しやすくなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、遊技球は、下作動口37よりも上作動口36に入賞する確率が高くなる。また、高頻度サポートモードでは、遊技球は、上作動口36よりも下作動口37に入賞する確率が高くなる。
そして、下作動口37への入賞を検知した場合には、所定数の賞球の払い出しが実行されるので、高頻度サポートモードでは、遊技者は、遊技球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、低頻度サポートモードおよび高頻度サポートモードの構成は、これに限定されることはない。例えば、高頻度サポートモードは、電動役物開放抽選にて電役開放状態に当選する確率を低頻度サポートモードと比較して高くするように構成してもよい。また、例えば、複数種類の確保時間を用意し、高頻度サポートモードは、低頻度サポートモードと比較して、短い確保時間を選択し易いように構成してもよく、選択される確保時間の平均を短くするように構成してもよい。さらに、電動役物37aを開放状態に設定する回数、開放時間、および確保時間の各条件を組み合わせることによって、高頻度サポートモードは、電動役物37aを開放状態に設定する頻度を低頻度サポートモードと比較して相対的に高くするように構成してもよい。
次に、大当たり乱数カウンタC1について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値599に達した後、0に戻ることによって、0〜599の範囲内でループするループカウンタとなっている。また、大当たり乱数カウンタC1は、1周ループするごとに、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値を初期値として読み込む。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様に0〜599の範囲内でループするループカウンタである。
大当たり乱数カウンタC1は、定期的に更新され、その更新された値は、上作動口36または下作動口37に遊技球が入賞したタイミングで抽選カウンタ用バッファを介してRAM64の保留球格納エリア64bに格納される。具体的には、大当たり乱数カウンタC1の値は、上作動口36に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口37に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
そして、MPU62は、保留球格納エリア64bに格納された大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、大当たり発生の抽選(当否抽選)を実行する。
図8は、大当たり発生に当選する乱数の値を記憶した当否テーブルを示す図である。
大当たり乱数カウンタC1の値のうち、大当たり発生に当選する乱数の値は、図8に示すように、当否情報群記憶手段として設けられたROM63の当否テーブル記憶エリア63a(図6参照)に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。
ここで、パチンコ機10は、大当たり発生に当選しにくい低確率モード(低確率状態)と、大当たり発生に当選しやすい高確率モード(高確率状態)との2つの当否抽選モードを有している。また、当否テーブルは、図8(a)に示す低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図8(b)に示す高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とを備えている。
MPU62は、これらの当否テーブルと、保留球格納エリア64bに格納された大当たり乱数カウンタC1の値とを比較することによって、大当たり発生の抽選を実行する。
これらの当否テーブルは、「大当たり当選」、「特別外れ結果」、および「通常外れ結果」の複数の大当たり発生の抽選の結果(当否結果)を有している。
具体的には、大当たり発生の抽選に際して低確率モード用の当否テーブルを参照することになる遊技状態下では、図8(a)に示すように、「大当たり当選」となる乱数の値は2個である。
これに対して、大当たり発生の抽選に際して高確率モード用の当否テーブルを参照することになる遊技状態下では、図8(b)に示すように、「大当たり当選」となる乱数の値は21個である。ここで、低確率モード用の当否テーブルに記憶された大当たり当選となる乱数の値は、高確率モード用の当否テーブルに記憶された「大当たり当選」となる乱数の値に含まれている。
なお、各当否テーブルに記憶される乱数の値や個数は任意であり、高確率モードは、低確率モードと比較して「大当たり当選」となる確率が高くなっていればよい。また、高確率モード用の当否テーブルに記憶された「大当たり当選」となる乱数の値は、低確率モード用の当否テーブルに記憶された「大当たり当選」となる乱数の値を含んでいなくてもよく、低確率モード用の当否テーブルに記憶された「大当たり当選」となる乱数の値の一部を含んでいてもよい。
また、各当否抽選モードにおいて、「大当たり当選」となる乱数の値以外は、大当たり発生に当選せずに外れ結果となる。
ここで、パチンコ機10は、前述したように、「特別外れ結果(小当たり結果)」と、「通常外れ結果」との2種類の外れ結果を有している。これらの外れ結果は、いずれも当否抽選モードや、サポートモードの移行契機とはならない点で共通している。しかしながら、「特別外れ結果」は、開閉実行モードへの移行契機となるのに対して、「通常外れ結果」は、開閉実行モードへの移行契機とはならない点で異なっている。
次に、大当たり種別カウンタC2について説明する。大当たり種別カウンタC2は、例えば、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値29に達した後、0に戻ることによって、0〜29の範囲内でループするループカウンタとなっている。
大当たり種別カウンタC2は、定期的に更新され、その更新された値は、上作動口36または下作動口37に遊技球が入賞したタイミングで抽選カウンタ用バッファを介してRAM64の保留球格納エリア64bに格納される。具体的には、大当たり種別カウンタC2の値は、上作動口36に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口37に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
そして、MPU62は、保留球格納エリア64bに格納された大当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり発生に際し、その大当たりの種別の抽選(振分抽選)を実行する。
図9は、大当たりの種別の振分先に係る乱数の値を記憶した振分テーブルを示す図である。
大当たりの種別の振分先に係る乱数の値は、図9に示すように、振分情報群記憶手段として設けられたROM63の振分テーブル記憶エリア63b(図6参照)に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。振分テーブルは、図9(a)に示す第1振分テーブル(第1振分情報群)と、図9(b)に示す第2振分テーブル(第2振分情報群)とを備えている。
MPU62は、これらの振分テーブルと、保留球格納エリア64bに格納された大当たり種別カウンタC2の値とを比較することによって、大当たりの種別の抽選を実行する。
第1振分テーブルは、第1結果表示部用保留エリアRaから実行エリアAEにシフトされた大当たり種別カウンタC2の値、すなわち上作動口36への入賞に基づく大当たり種別カウンタC2の値に対して大当たりの種別の抽選を行う場合に参照されるテーブルである。
第1振分テーブルは、図9(a)に示すように、「低確結果(低確率対応の特別振分結果)」、「非明示少ラウンド高確結果(少ラウンド対応の潜伏高確率結果)」、「明示少ラウンド高確結果(少ラウンド対応の高確率結果)」、および「最有利結果(高確率対応の特別振分結果)」の複数の振分結果を振分先としている。具体的には、第1振分テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の値「0〜29」のうち、「0〜9」を「低確結果」に振り分け、「10〜14」を「非明示少ラウンド高確結果」に振り分け、「15〜19」を「明示少ラウンド高確結果」に振り分け、「20〜29」を「最有利結果」に振り分けている。
第2振分テーブルは、第2結果表示部用保留エリアRbから実行エリアAEにシフトされた大当たり種別カウンタC2の値、すなわち下作動口37への入賞に基づく大当たり種別カウンタC2の値に対して大当たりの種別の抽選を行う場合に参照されるテーブルである。
第2振分テーブルは、図9(b)に示すように、「低確結果」および「最有利結果」の2つの振分結果を振分先としている。具体的には、第2振分テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の値「0〜29」のうち、「0〜9」を「低確結果」に振り分け、「10〜29」を「最有利結果」に振り分けている。
各振分結果は、以下の(1)〜(3)の条件の少なくともいずれかに差異を有している。
(1)開閉実行モード終了後の当否抽選モード
(2)開閉実行モード終了後のサポートモード
(3)開閉実行モードにおける可変入賞装置38の開閉制御の態様
まず、(1)の当否抽選モードの相違について説明する。
「低確結果」は、開閉実行モード終了前の当否抽選モードに関わらず開閉実行モード終了後に当否抽選モードが低確率モードに設定される振分結果である。この低確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
「非明示少ラウンド高確結果」、「明示少ラウンド高確結果」、および「最有利結果」は、開閉実行モード終了前の当否抽選モードに関わらず開閉実行モード終了後に当否抽選モードが高確率モードに設定される振分結果である。この高確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
次に、(2)のサポートモードの相違について説明する。
「低確結果」は、開閉実行モード終了前のサポートモードに関わらず開閉実行モード終了後にサポートモードが高頻度サポートモードに設定される振分結果である。この高頻度サポートモードは、遊技回が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合には低頻度サポートモードに移行する。
「非明示少ラウンド高確結果」は、開閉実行モード終了前のサポートモードをそのまま維持する振分結果である。ここで、開閉実行モード終了前のサポートモードが高頻度サポートモードであった場合には、高頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
「明示少ラウンド高確結果」および「最有利結果」は、開閉実行モード終了前のサポートモードに関わらず開閉実行モード終了後にサポートモードが高頻度サポートモードに設定される振分結果である。この高頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
なお、(3)の開閉実行モードにおける可変入賞装置38の開閉制御の態様の相違については後に詳細に説明する。
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値238に達した後、0に戻ることによって、0〜238の範囲内でループするループカウンタとなっている。
リーチ乱数カウンタC3は、定期的に更新され、その更新された値は、上作動口36または下作動口37に遊技球が入賞したタイミングで抽選カウンタ用バッファを介してRAM64の保留球格納エリア64bに格納される。具体的には、リーチ乱数カウンタC3の値は、上作動口36に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口37に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
そして、MPU62は、保留球格納エリア64bに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値に基づいて、リーチ表示を発生させるか否かの抽選(リーチ発生抽選)を実行する。
リーチ表示は、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「通常外れ結果」となった場合に発生する期待演出である。
具体的には、MPU62は、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「通常外れ結果」となった場合に、リーチ用テーブルと、保留球格納エリア64bに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値とを比較することによって、リーチ表示を発生させるか否かの抽選を実行し、この抽選においてリーチ表示を発生させるとなった場合にリーチ表示を発生させる。なお、リーチ用テーブルは、リーチ表示の発生に係る乱数の値を記憶したテーブルであり、ROM63のリーチ用テーブル記憶エリア(図示略)に記憶されている。
ここで、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「最有利結果」に振り分けられた場合には、図柄表示装置51は、停止結果として、同一の奇数の数字または同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示する。また、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「低確結果」に振り分けられた場合には、図柄表示装置51は、停止結果として、同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示する。さらに、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「非明示少ラウンド高確結果」または「明示少ラウンド高確結果」に振り分けられた場合や、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「特別外れ結果」となった場合には、図柄表示装置51は、停止結果として、同一の数字を有する図柄の組み合わせではなく、当否抽選において「通常外れ結果」となった場合に選択されることのない互いに異なる数字を有する特別な図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示する。
リーチ表示は、同一の数字を有する図柄の組み合わせを最終的に停止表示させる場合(当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「最有利結果」または「低確結果」に振り分けられた場合)には、リーチ乱数カウンタC3の値に関わらず発生する。また、リーチ表示は、特別な図柄の組み合わせを最終的に停止表示させる場合(当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「非明示少ラウンド高確結果」または「明示少ラウンド高確結果」に振り分けられた場合や、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「特別外れ結果」となった場合)には、リーチ乱数カウンタC3の値に関わらず発生しない。
リーチ表示の態様は、図柄表示装置51の表示画面Gに表示される複数の図柄列Z1〜Z3のうち、一部の図柄列(例えば、図柄列Z1および図柄列Z3)を有効ラインL上に停止表示させることによって、同一の図柄の組み合わせを表示して停止結果を示唆し、その状態で残りの図柄列(例えば、図柄列Z2)を変動表示する。
したがって、パチンコ機10は、リーチ表示を発生させることによって、図柄表示装置51にて変動表示が開始された後、所定の停止結果を表示する前に、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「低確結果」または「最有利結果」に振り分けられたのではないかと遊技者に期待させることができる。
なお、リーチ表示の態様は、これに限定されることはなく、一部の図柄列を停止表示させた上で残りの図柄列を変動表示させるとともに、所定のキャラクタなどを動画として背景に表示してもよく、各図柄列を縮小表示または非表示にした上で所定のキャラクタなどを動画として表示画面Gの略全体に表示してもよい。
ここで、パチンコ機10は、図柄表示装置51の変動表示の一種として期待演出を有している。期待演出とは、図柄表示装置51にて変動表示が開始された後、所定の停止結果を表示する前に、当否抽選において「大当たり当選」となったのではないかと遊技者に期待させるような演出をいう。具体的には、パチンコ機10は、前述したリーチ表示と、予告表示との2種類の期待演出を有している。
予告表示は、当否抽選において「大当たり当選」となった場合や、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「特別外れ結果」となった場合に、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「通常外れ結果」となった場合よりも演出を発生しやすくする期待演出である。この予告表示は、演出を発生しやすくする代わりに、出現率の低い演出を選択しやすくするようにしてもよく、これらを組み合わせるようにしてもよい。
なお、リーチ表示を発生させるか否かの抽選は、主制御装置60にて実行されていたのに対し、予告表示を発生させるか否かの抽選は、音声発光制御装置90にて実行される。
予告表示の態様は、図柄表示装置51の表示画面Gに表示される複数の図柄列Z1〜Z3のうち、全ての図柄列Z1〜Z3を変動表示させている、または一部の図柄列(例えば、図柄列Z1)を有効ラインL上に停止表示させた上で複数の図柄列(例えば、図柄列Z2,Z3)を変動表示させている状況において、所定のキャラクタなどを動画として表示画面Gに表示する。この予告表示は、リーチ表示を発生させる場合およびリーチ表示を発生させない場合のいずれの場合においても発生するが、リーチ表示を発生させない場合よりもリーチ表示を発生させる場合に発生しやすくなるように設定されている。
なお、予告表示は、これに限定されることはなく、例えば、背景を変更して表示してもよく、図柄列Z1〜Z3の形態を変更して表示してもよい。
最後に、変動種別カウンタCSについて説明する。変動種別カウンタCSは、例えば、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値198に達した後、0に戻ることによって、0〜198の範囲内でループするループカウンタとなっている。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理の実行ごとに少なくとも1回更新され、その更新の都度、抽選カウンタ用バッファに格納される。
そして、MPU62は、抽選カウンタ用バッファに格納された変動種別カウンタCSの値に基づいて、メイン表示部45における図柄の表示継続時間と、図柄表示装置51における図柄の表示継続時間とを決定する。なお、これらの表示継続時間については後に詳細に説明する。
<主制御装置60にて実行される各種処理について>
主制御装置60のMPU62は、遊技を進行させるタイマ割込み処理および通常処理や、電源投入に伴って起動するメイン処理を実行する。以下、タイマ割込み処理、通常処理、およびメイン処理について順に説明する。
なお、MPU62は、タイマ割込み処理、通常処理、およびメイン処理の他、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力によって起動するNMI割込み処理を実行するが、この処理についての説明は省略する。
<タイマ割込み処理>
図10は、タイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。
タイマ割込み処理では、MPU62は、図10に示すように、ステップS101〜S105を定期的に(例えば、2msec周期で)実行する。
ステップS101では、MPU62は、複数の検知センサ50a〜50gの読み込み処理を実行する。この読み込み処理では、MPU62は、複数の検知センサ50a〜50gの状態を読み込み、その状態を判定して入賞検知情報としてRAM64に保存する。MPU62は、各種入賞口に対応した検知センサ50a〜50eが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、賞球の払い出し指示を行うための賞球コマンドを設定し、この設定したコマンドを払出制御装置70に送信する。例えば、MPU62は、左上作動口361に対応した検知センサ50bが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、3個の賞球を指示するための賞球コマンドを払出制御装置70に送信し、右上作動口362に対応した検知センサ50cが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、5個の賞球を指示するための賞球コマンドを払出制御装置70に送信する。また、MPU62は、可変入賞装置38に対応した検知センサ50eが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、特定単位個数である15個の賞球を指示するための賞球コマンドを払出制御装置70に送信する。
なお、払出制御装置70は、MPU62から送信される賞球コマンドに基づいて、払出装置71に賞球の払い出しを実行させる払出制御を行う。
ステップS102では、MPU62は、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、MPU62は、前述したように、乱数初期値カウンタCINIの前回値に1を加算して更新するとともに、更新後の値をRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファに格納する。なお、MPU62は、乱数初期値カウンタCINIの前回値に1を加算する際に最大値に達していた場合には、乱数初期値カウンタCINIの値を0に戻してクリアする。
ステップS103では、MPU62は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、MPU62は、前述したように、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および電動役物開放カウンタC4の前回値にそれぞれ1を加算して更新するとともに、更新後の値をRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファに格納する。なお、MPU62は、各カウンタC1〜C4の前回値にそれぞれ1を加算する際に最大値に達していた場合には、各カウンタC1〜C4の値を0に戻してクリアする。
ステップS104では、MPU62は、スルー用の入賞処理を実行する。このスルー用の入賞処理では、MPU62は、各スルーゲート41に対応した検知センサ50gが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリア64cに格納する。また、MPU62は、第3保留ランプ部55を点灯させるためのコマンドを設定し、この設定したコマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるコマンドに基づいて、第3保留ランプ部55を点灯させる。また、スルーゲート41に入賞した遊技球の保留個数は、前述したように、最大4個であり、第3保留ランプ部55は、この保留個数と対応する数だけ点灯する。
ステップS105では、MPU62は、作動口用の入賞処理を実行する。
以下、作動口用の入賞処理について詳細に説明する。
<作動口用の入賞処理>
図11は、作動口用の入賞処理のフローチャートを示す図である。
作動口用の入賞処理では、MPU62は、図11に示すように、ステップS201〜S208を実行する。
ステップS201では、左上作動口361に対応した検知センサ50bが遊技球の入賞を検知したか否かを判定することによって、左上作動口361に遊技球が入賞(始動入賞)したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS201にて左上作動口361に遊技球が入賞したと判定した場合には、ステップS202において、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留個数を把握し、その保留個数を第1始動保留記憶数RaNとして第1結果表示部用保留エリアRaにおける所定の記憶エリアにセットする。その後、MPU62は、ステップS206以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS201にて左上作動口361に遊技球が入賞していないと判定した場合には、ステップS203において、右上作動口362に対応した検知センサ50cが遊技球の入賞を検知したか否かを判定することによって、右上作動口362に遊技球が入賞(始動入賞)したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS203にて右上作動口362に遊技球が入賞したと判定した場合には、前述したステップS202以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS203にて右上作動口362に遊技球が入賞していないと判定した場合には、ステップS204において、下作動口37に対応した検知センサ50dが遊技球の入賞を検知したか否かを判定することによって、下作動口37に遊技球が入賞(始動入賞)したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS204にて下作動口37に遊技球が入賞していないと判定した場合には、作動口用の入賞処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS204にて下作動口37に遊技球が入賞したと判定した場合には、ステップS205において、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留個数を把握し、その保留個数を第2始動保留記憶数RbNとして第2結果表示部用保留エリアRbにおける所定の記憶エリアにセットする。その後、MPU62は、ステップS206以降の処理を実行する。
ステップS202またはステップS205の処理を実行した後、MPU62は、ステップS206において、ステップS202またはステップS205にてセットした始動保留記憶数N(RaNまたはRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS206にて始動保留記憶数Nが上限値未満でないと判定した場合には、作動口用の入賞処理を終了する。また、MPU62は、ステップS206にて始動保留記憶数Nが上限値未満であると判定した場合には、ステップS207において、その始動保留記憶数Nの値に1を加算して更新する。
ステップS208では、MPU62は、タイマ割込み処理のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を結果表示部用保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS207にて更新した始動保留記憶数Nと対応する記憶エリアに保留情報として格納する。
例えば、MPU62は、ステップS202にて第1始動保留記憶数RaNをセットした場合には、タイマ割込み処理のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を第1結果表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS207にて更新した第1始動保留記憶数RaNと対応する記憶エリアに保留情報として格納する。例えば、MPU62は、ステップS202にて第1始動保留記憶数RaNに「3」をセットした場合には、ステップS207にて更新した第1始動保留記憶数RaNの「4」と対応する記憶エリアである第4エリアRa4に保留情報を格納する。
また、例えば、MPU62は、ステップS205にて第2始動保留記憶数RbNをセットした場合には、タイマ割込み処理のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を第2結果表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS207にて更新した第2始動保留記憶数RbNと対応する記憶エリアに保留情報として格納する。例えば、MPU62は、ステップS205にて第2始動保留記憶数RbNに「3」をセットした場合には、ステップS207にて更新した第2始動保留記憶数RbNの「4」と対応する記憶エリアである第4エリアRb4に保留情報を格納する。
また、ステップS208では、MPU62は、第1保留ランプ部53または第2保留ランプ部54を点灯させるためのコマンドを設定し、この設定したコマンドを音声発光制御装置90に送信する。その後、MPU62は、作動口用の入賞処理を終了する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるコマンドに基づいて、第1保留ランプ部53または第2保留ランプ部54を点灯させる。また、上作動口36または下作動口37に入賞した遊技球の保留個数は、前述したように、最大4個であり、第1保留ランプ部53または第2保留ランプ部54は、この保留個数と対応する数だけ点灯する。
<通常処理>
図12は、通常処理のフローチャートを示す図である。
MPU62は、電源投入に伴って起動する後述のメイン処理を実行した後、遊技を進行させるための主要な処理である通常処理を実行する。この通常処理では、MPU62は、図12に示すように、ステップS301〜S313を実行する。具体的には、MPU62は、ステップS301〜S308を4msec周期で定期的に実行し、残余時間が発生した場合にステップS307〜S310を繰り返し実行し、ステップS307の判定結果に応じてステップS311以降を実行する。
ステップS301では、MPU62は、タイマ割込み処理または前回の通常処理で設定したコマンドをサブ側の各制御装置(音声発光制御装置90等)に送信するための外部出力処理を実行する。この外部出力処理では、例えば、MPU62は、賞球コマンドが設定されているか否かを判定し、賞球コマンドが設定されていると判定した場合には、その賞球コマンドを払出制御装置70に送信する。また、例えば、MPU62は、遊技回用の演出に対応したコマンドや、開閉実行モード用の演出に対応したコマンドなどの演出用のコマンドが設定されているか否かを判定し、演出用のコマンドが設定されていると判定した場合には、その演出用のコマンドを音声発光制御装置90に送信する。
ステップS302では、MPU62は、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、MPU62は、前述したように、変動種別カウンタCSの前回値に1を加算して更新するとともに、更新後の値をRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファに格納する。なお、MPU62は、変動種別カウンタCSの前回値に1を加算する際に最大値に達していた場合には、変動種別カウンタCSの値を0に戻してクリアする。
ステップS303では、MPU62は、遊技回を進行させるための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、MPU62は、当否抽選および振分抽選を実行するとともに、図柄表示装置51に最終的に停止表示させる図柄に係る情報の決定およびメイン表示部45に最終的に停止表示させる絵柄に係る情報の決定などを実行する。
ステップS304では、MPU62は、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、MPU62は、開閉実行モード、高確率モード、および高頻度サポートモードなどの各遊技状態への移行処理を実行する。
なお、ステップS303の遊技回制御処理およびステップS304の遊技状態移行処理については後に詳細に説明する。
ステップS305では、MPU62は、下作動口37に設けられた電動役物37aの駆動制御を実行するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、MPU62は、RAM64の電役保留エリア64cに格納された電動役物開放カウンタC4の値に基づいて、電動役物開放抽選を実行するとともに、電動役物開放抽選に当選した場合には、電動役物37aの開閉処理を実行する。また、MPU62は、電動役物開放抽選の結果を表示するように、役物用表示部46の表示制御を実行する。
ステップS306では、MPU62は、遊技球発射制御処理を実行する。この遊技球発射制御処理では、MPU62は、遊技者が発射ハンドル27を回転操作したことに基づいて、電源・発射制御装置80に遊技球を発射させる発射制御を実行させる。具体的には、電源・発射制御装置80は、所定の周期(本実施形態では0.6sec)で遊技球発射機構81のソレノイドを励磁することによって、遊技球発射機構81に遊技球を発射させる。なお、ソレノイドは、発射ハンドル27の回転操作量に応じた発射強度で遊技球を発射するように励磁される。また、電源・発射制御装置80は、所定の発射条件が整っている場合に、遊技球発射機構81のソレノイドに対して駆動信号を供給し、遊技球を発射させる。
ステップS307では、MPU62は、RAM64の停電フラグ格納エリア(図示略)に停電フラグがセットされているか否かを判定する。この停電フラグは、MPU62のNMI端子に対して停電監視基板65から停電信号が入力されることによってRAM64にセットされる。停電監視基板65は、停電の発生を確認した場合に、この停電信号を出力する。なお、この停電フラグは、次回のメイン処理の実行時にクリアされる。
ここで、パチンコ機10は、RAM64等の所定のエリアに1を代入することによって各種のフラグをセットし、0を代入することによって各種のフラグをクリアする。以下の説明においても同様である。例えば、パチンコ機10は、RAM64の停電フラグ格納エリアに1を代入することによって停電フラグをセットし、RAM64の停電フラグ格納エリアに0を代入することによって停電フラグをクリアする。
MPU62は、ステップS307にて停電フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS308以降の処理を実行することなく、ステップS311以降の電断時処理を実行する。具体的には、ステップS311では、MPU62は、タイマ割込み処理の発生を禁止する。ステップS312では、MPU62は、RAM判定値(RAM64のチェックサム)を算出して保存する。ステップS313では、MPU62は、RAM64へのアクセスを禁止する。その後、MPU62は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
これに対して、MPU62は、ステップS307にて停電フラグがセットされていないと判定した場合には、ステップS308において、次回の通常処理を実行するタイミングに至ったか否か、すなわち現在の通常処理を開始したときから所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS308にて次回の通常処理を実行するタイミングに至っていないと判定した場合、すなわち残余時間が発生した場合には、ステップS309において、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行し、ステップS310において、変動種別カウンタCSの更新を実行する。なお、MPU62は、ステップS308にて次回の通常処理を実行するタイミングに至ったと判定するまでステップS307〜S310を繰り返し実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS308にて次回の通常処理を実行するタイミングに至ったと判定した場合、すなわち残余時間が発生していない場合には、ステップS301を再び実行することによって、次回の通常処理を開始する。
<メイン処理>
図13は、メイン処理のフローチャートを示す図である。
メイン処理では、MPU62は、図13に示すように、ステップS401〜S412を実行する。
ステップS401では、MPU62は、電源投入に伴って立ち上げ処理を実行する。この立ち上げ処理では、MPU62は、サブ側の音声発光制御装置90等の制御基板が動作可能な状態になるのを待つために、電源投入後、所定の時間(例えば、500msec程度)が経過するまで待機する。
ステップS402では、MPU62は、許可禁止用期間である1secが経過したか否かを判定する。MPU62は、ステップS402にて1secが経過していないと判定した場合には、ステップS402の処理を繰り返し実行する。また、MPU62は、ステップS402にて1secが経過したと判定した場合には、ステップS403以降の処理を実行する。
ここで、MPU62は、ステップS402の処理の実行回数をカウントすることによって1secが経過したか否かを判定する。例えば、ステップS402の処理を繰り返し実行する間隔が0.1msecである場合には、MPU62は、ステップS402の処理の実行回数をカウントして10000回に達したときに1secが経過したと判定する。なお、許可禁止用期間を測定する構成は任意であり、例えば、リアルタイムクロックを用いて許可禁止用期間を測定してもよい。
ステップS403では、MPU62は、RAM64へのアクセスを許可する。
ステップS404では、MPU62は、電源・発射制御装置80に設けられたRAM消去スイッチ(図示略)がオンになっているか否かを判定する。
MPU62は、ステップS404にてRAM消去スイッチがオンになっていると判定した場合には、ステップS409以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS404にてRAM消去スイッチがオンになっていないと判定した場合には、ステップS405において、RAM64の停電フラグ格納エリアに停電フラグがセットされているか否かを判定する。
そして、MPU62は、ステップS405にて停電フラグがセットされていないと判定した場合には、ステップS409以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS405にて停電フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS406において、RAM判定値を算出する。
ステップS407では、MPU62は、ステップS406にて算出したRAM判定値が正常であるか否かを判定することによって、RAM64に記憶されたデータの有効性を確認する。具体的には、MPU62は、ステップS406にて算出したRAM判定値と、通常処理のステップS312(電断時処理)にて保存されたRAM判定値とを比較し、これらが一致した場合には、RAM判定値は正常であると判定し、一致しない場合には、RAM判定値は異常であると判定する。
そして、MPU62は、ステップS407にてRAM判定値が正常でないと判定した場合には、ステップS409以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS407にてRAM判定値が正常であると判定した場合には、ステップS408において、RAM64の停電フラグ格納エリアに格納されている停電フラグをクリアする。
なお、RAM64に記憶されたデータの有効性は、RAM判定値の整合性を確認する方法とは異なる方法によって判定してもよく、例えば、電断時処理にてRAM64の所定のエリアにキーワードを書き込み、このキーワードが正常に書き込まれているか否かをメイン処理にて判定することによって、RAM64に記憶されたデータの有効性を確認してもよい。
前述したように、MPU62は、ステップS404にてRAM消去スイッチがオンになっていると判定した場合、ステップS405にて停電フラグがセットされていないと判定した場合、またはステップS407にてRAM判定値が正常でないと判定した場合には、ステップS409以降の処理を実行する。
具体的には、MPU62は、ステップS409において、RAM64の作業領域をクリアし、ステップS410において、RAM64の初期化を実行する。
したがって、例えば、遊技場の管理者は、遊技場の営業開始時にRAM消去スイッチを押下しながらパチンコ機10の電源を投入することによって、RAM64に記憶されたデータを初期化することができる。また、パチンコ機10は、停電監視基板65にて停電の発生を確認していない場合や、RAM判定値が異常であった場合には、RAM64に記憶されたデータを初期化する。
ステップS408またはステップS410の処理を実行した後、MPU62は、ステップS411において、サブ側の音声発光制御装置90等の制御基板に対して初期コマンドを送信し、ステップS412において、タイマ割込み処理の発生を許可し、前述した通常処理に移行する。
なお、サブ側の音声発光制御装置90等の制御基板は、ステップS411にて送信された初期コマンドを受信することによって、主制御基板61との通信が正常に行われていることを認識するとともに、自己の初期化を実行する。
<遊技回制御処理>
図14は、遊技回制御処理のフローチャートを示す図である。
遊技回制御処理では、MPU62は、図14に示すように、ステップS501〜S509を実行する。
ステップS501では、MPU62は、開閉実行モード中であるか否かを判定する。MPU62は、ステップS501にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS502以降の処理を実行することなく、遊技回制御処理を終了する。したがって、開閉実行モード中であると判定した場合には、MPU62は、各作動口36,37への遊技球の入賞を検知しているか否かに関わらず遊技回の進行を開始しない。
なお、MPU62は、RAM64に記憶された開閉実行モード中フラグを参照することによって、開閉実行モード中であるか否かを判定している。以下の各処理においても同様である。MPU62は、開閉実行モードへの移行時に開閉実行モード中フラグをセットし、開閉実行モードの終了時に開閉実行モード中フラグをクリアする。
これに対して、MPU62は、ステップS501にて開閉実行モード中でないと判定した場合には、ステップS502において、メイン表示部45が変動表示中であるか否か、すなわち遊技回を進行中であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS502にてメイン表示部45が変動表示中でないと判定した場合には、ステップS503〜S505の遊技回開始用処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS502にてメイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には、ステップS506〜S509の遊技回進行用処理を実行する。
まず、ステップS503〜S505の遊技回開始用処理について説明する。
ステップS503では、MPU62は、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留個数と、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留個数とを把握し、これらの保留個数の合計数CRNが「0」以下であるか否かを判定する。MPU62は、ステップS503にて合計数CRNが「0」以下であると判定した場合には、遊技回制御処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS503にて合計数CRNが「0」以下でないと判定した場合には、ステップS504において、第1結果表示部用保留エリアRaまたは第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報を遊技回の消化用に設定するためのデータ設定処理を実行する。その後、MPU62は、ステップS505において、メイン表示部45および図柄表示装置51に変動表示を開始させて遊技回を消化するための変動開始処理を実行し、遊技回制御処理を終了する。
以下、ステップS504のデータ設定処理およびステップS505の変動開始処理について詳細に説明する。
図15は、データ設定処理のフローチャートを示す図である。
データ設定処理では、MPU62は、図15に示すように、ステップS601〜S611を実行する。
ステップS601では、MPU62は、作動口用の入賞処理のステップS205にてセットされた第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNが「0」以下であるか否かを判定する。MPU62は、ステップS601にて第2始動保留記憶数RbNが「0」以下であると判定した場合には、ステップS602〜S606の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、ステップS601にて第2始動保留記憶数RbNが「0」以下でないと判定した場合には、ステップS607〜S611の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
このように、データ設定処理は、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された保留情報を遊技回の消化用に設定する第1結果表示部用のデータ設定処理と、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報を遊技回の消化用に設定する第2結果表示部用のデータ設定処理とを有している。
そして、MPU62は、ステップS601にて第2始動保留記憶数RbNが「0」以下でないと判定した場合には、第1結果表示部用のデータ設定処理を実行することなく、第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。換言すれば、MPU62は、下作動口37への遊技球の入賞に基づいて第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報があると判定した場合には、上作動口36への遊技球の入賞に基づいて第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された保留情報があるか否かに関わらず第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報を優先的に遊技回の消化用に設定する。
まず、ステップS602〜S606の第1結果表示部用のデータ設定処理について説明する。
ステップS602では、MPU62は、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNの値に1を減算して更新する。
ステップS603では、MPU62は、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアRa1に格納された保留情報を実行エリアAEに移動する。
ステップS604では、MPU62は、第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納された保留情報をシフトするデータシフト処理を実行する。このデータシフト処理は、各エリアRa1〜Ra4に格納されている保留情報を第1エリアRa1側に順にシフトする処理である。具体的には、MPU62は、第2エリアRa2の保留情報を第1エリアRa1にシフトし、第3エリアRa3の保留情報を第2エリアRa2にシフトし、第4エリアRa4の保留情報を第3エリアRa3にシフトする。
ステップS605では、MPU62は、RAM64に記憶された第2結果表示部フラグをクリアする。この第2結果表示部フラグは、遊技回の消化に際して第1結果表示部45aおよび第2結果表示部45bのうち、どちらのメイン表示部45に変動表示を開始させているかを特定するためのフラグである。このステップS605では、MPU62は、第2結果表示部フラグをクリアしているので、遊技回の消化に際し、上作動口36への遊技球の入賞に基づいて、第1結果表示部45aに変動表示を開始させることを示している。
ステップS606では、MPU62は、保留情報のシフトを実行したことを認識させるためのシフト時コマンドを設定し、この設定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90に送信し、データ設定処理を終了する。このシフト時コマンドは、上作動口36への遊技球の入賞に基づいて第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された保留情報を対象として保留情報のシフトを実行したことを音声発光制御装置90に認識させるための情報を含んでいる。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるシフト時コマンドに基づいて、第1保留ランプ部53の点灯状態を変更する。具体的には、音声発光制御装置90は、上作動口36に入賞した遊技球の保留個数の減少に伴って、第1保留ランプ部53の点灯個数を減少させる。
次に、ステップS607〜S611の第2結果表示部用のデータ設定処理について説明する。
ステップS607では、MPU62は、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNの値に1を減算して更新する。
ステップS608では、MPU62は、第2結果表示部用保留エリアRbの第2エリアRb1に格納された保留情報を実行エリアAEに移動する。
ステップS609では、MPU62は、第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された保留情報をシフトするデータシフト処理を実行する。このデータシフト処理は、各エリアRb1〜Rb4に格納されている保留情報を第1エリアRb1側に順にシフトする処理である。具体的には、MPU62は、第2エリアRb2の保留情報を第1エリアRb1にシフトし、第3エリアRb3の保留情報を第2エリアRb2にシフトし、第4エリアRb4の保留情報を第3エリアRb3にシフトする。
ステップS610では、MPU62は、RAM64に第2結果表示部フラグをセットする。このステップS610では、MPU62は、第2結果表示部フラグをセットしているので、遊技回の消化に際し、下作動口37への遊技球の入賞に基づいて、第2結果表示部45bに変動表示を開始させることを示している。
ステップS611では、MPU62は、保留情報のシフトを実行したことを認識させるためのシフト時コマンドを設定し、この設定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90に送信し、データ設定処理を終了する。このシフト時コマンドは、下作動口37への遊技球の入賞に基づいて第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報を対象として保留情報のシフトを実行したことを音声発光制御装置90に認識させるための情報を含んでいる。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるシフト時コマンドに基づいて、第2保留ランプ部54の点灯状態を変更する。具体的には、音声発光制御装置90は、下作動口37に入賞した遊技球の保留個数の減少に伴って、第2保留ランプ部54の点灯個数を減少させる。
図16は、変動開始処理のフローチャートを示す図である。
変動開始処理では、MPU62は、図16に示すように、ステップS701〜S718を実行する。
ステップS701では、MPU62は、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS701にて当否抽選モードが高確率モードでないと判定した場合には、ステップS702において、低確率モード用の当否テーブル(図8(a)参照)をROM63の当否テーブル記憶エリア63aから読み出し、ステップS701にて当否抽選モードが高確率モードであると判定した場合には、ステップS703において、高確率モード用の当否テーブル(図8(b)参照)をROM63の当否テーブル記憶エリア63aから読み出す。
ステップS702またはステップS703の処理を実行した後、MPU62は、ステップS704において、当否判定処理を実行する。この当否判定処理では、MPU62は、実行エリアAEに格納された大当たり乱数カウンタC1の値と、ステップS702またはステップS703にて読み出した当否テーブルとを比較することによって、当否抽選の結果(当否結果)を判定する。なお、前述したように、当否結果は、「大当たり当選」、「特別外れ結果」、および「通常外れ結果」のいずれかであり、当否抽選モードが低確率モードであっても高確率モードであっても同様である。
ステップS705では、MPU62は、ステップS704にて判定した当否結果が「大当たり当選」であるか否かを判定する。MPU62は、ステップS705にて当否結果が「大当たり当選」であると判定した場合には、ステップS706以降の処理を実行し、ステップS705にて当否結果が「大当たり当選」でないと判定した場合には、ステップS712以降の処理を実行する。
まず、ステップS705において、MPU62にて当否結果が「大当たり当選」であると判定された場合の処理(ステップS706以降の処理)について説明する。
ステップS706では、MPU62は、RAM64に第2結果表示部フラグがセットされているか否かを判定する。
MPU62は、ステップS706にてRAM64に第2結果表示部フラグがセットされていないと判定した場合には、上作動口36への遊技球の入賞に基づく第1結果表示部45aに変動表示を開始させることを示しているので、ステップS707において、第1振分テーブル(図9(a)参照)をROM63の振分テーブル記憶エリア63bから読み出す。
これに対して、MPU62は、ステップS706にてRAM64に第2結果表示部フラグがセットされていると判定した場合には、下作動口37への遊技球の入賞に基づく第2結果表示部45bに変動表示を開始させることを示しているので、ステップS708において、第2振分テーブル(図9(b)参照)をROM63の振分テーブル記憶エリア63bから読み出す。
ステップS707またはステップS708の処理を実行した後、MPU62は、ステップS709において、振分判定処理を実行する。この振分判定処理では、MPU62は、実行エリアAEに格納された大当たり種別カウンタC2の値と、ステップS707またはステップS708にて読み出した振分テーブルとを比較することによって、振分抽選の結果(振分結果)を判定する。
ステップS710では、MPU62は、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。この大当たり結果用の停止結果設定処理では、MPU62は、メイン表示部45の第1結果表示部45aまたは第2結果表示部45bに最終的に停止表示させる絵柄に係る情報をステップS709にて判定した振分結果に応じて決定し、その決定した情報をRAM64に記憶させる。ここで、MPU62は、ステップS709にて判定した振分結果と、ROM63に予め記憶された大当たり結果用の停止結果テーブルとを比較することによって、メイン表示部45に最終的に停止表示させる絵柄に係る情報を決定する。この大当たり結果用の停止結果テーブルは、メイン表示部45に停止表示させる絵柄の態様を振分結果ごとに相違させて規定している。
ステップS711では、MPU62は、ステップS709にて判定した振分結果に応じたフラグをRAM64にセットする。具体的には、MPU62は、振分結果が「低確結果」であることを特定した場合には、低確結果フラグをセットし、「非明示少ラウンド高確結果」であることを特定した場合には、非明示少ラウンド高確結果フラグをセットし、「明示少ラウンド高確結果」であることを特定した場合には、明示少ラウンド高確結果フラグをセットし、「最有利結果」であることを特定した場合には、最有利結果フラグをセットする。その後、MPU62は、ステップS716以降の処理を実行する。
なお、以下の各処理において、MPU62は、これらのフラグを参照することによって、振分結果の判定を実行する。
次に、ステップS705において、MPU62にて当否結果が「大当たり当選」でないと判定された場合の処理(ステップS712以降の処理)について説明する。
ステップS712では、MPU62は、ステップS704にて判定した当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS712にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、ステップS713以降の処理を実行し、ステップS712にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合には、ステップS715以降の処理を実行する。
ステップS713では、MPU62は、特別外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。この特別外れ結果用の停止結果設定処理では、MPU62は、メイン表示部45の第1結果表示部45aまたは第2結果表示部45bに最終的に停止表示させる絵柄に係る情報を決定し、その決定した情報をRAM64に記憶させる。ここで、MPU62は、ROM63に予め記憶された特別外れ結果用の停止結果テーブルを参照することによって、メイン表示部45に最終的に停止表示させる絵柄に係る情報を決定する。この特別外れ結果用の停止結果テーブルに設定された絵柄の態様は、大当たり結果用の停止結果テーブルに設定された絵柄の態様とは異なっている。
ステップS714では、MPU62は、特別外れフラグをRAM64にセットする。
なお、以下の各処理において、MPU62は、この特別外れフラグを参照することによって、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かの判定を実行する。
これに対して、ステップS715では、MPU62は、通常外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。この通常外れ結果用の停止結果設定処理では、MPU62は、メイン表示部45の第1結果表示部45aまたは第2結果表示部45bに最終的に停止表示させる絵柄に係る情報を決定し、その決定した情報をRAM64に記憶させる。ここで、MPU62は、ROM63に予め記憶された通常外れ結果用の停止結果テーブルを参照することによって、メイン表示部45に最終的に停止表示させる絵柄に係る情報を決定する。この通常外れ結果用の停止結果テーブルに設定された絵柄の態様は、大当たり結果用の停止結果テーブルおよび特別外れ結果用の停止結果テーブルに設定された絵柄の態様とは異なっている。
ステップS711、ステップS714、およびステップS715のいずれかの処理を実行した後、MPU62は、ステップS716において、表示継続時間(表示継続期間)の設定処理を実行する。
表示継続時間の設定処理では、MPU62は、RAM64の抽選カウンタ用バッファにおける変動種別カウンタ用バッファに格納された変動種別カウンタCSの値を取得する。
また、表示継続時間の設定処理では、MPU62は、図柄表示装置51にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、MPU62は、ステップS709にて判定した振分結果が「低確結果」または「最有利結果」である場合、並びにステップS704にて判定した当否結果が「通常外れ結果」であるとともに、リーチ発生抽選に当選した場合には、リーチ表示が発生すると判定する。なお、MPU62は、ROM63に予め記憶されたリーチ用テーブルと、保留球格納エリア64bに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値とを比較することによって、リーチ発生抽選を実行する。
MPU62は、リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM63に記憶されたリーチ発生用表示継続時間テーブルを参照することによって、変動種別カウンタ用バッファから取得した変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間を決定し、その決定した表示継続時間をRAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた表示継続時間カウンタにセットする。
これに対して、MPU62は、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、ROM63に記憶されたリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照することによって、変動種別カウンタ用バッファから取得した変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間を決定し、その決定した表示継続時間をRAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた表示継続時間カウンタにセットする。
具体的には、リーチ非発生用表示継続時間テーブルは、保留個数が多くなるほど表示継続時間を短くするように設定されている。したがって、上作動口36に係る保留情報を消化する際の表示継続時間は、上作動口36に係る保留個数が多くなるほど短くなるように設定されている。そして、下作動口37に係る保留情報を消化する際の表示継続時間は、下作動口37に係る保留個数が多くなるほど短くなるように設定されている。また、リーチ非発生用表示継続時間テーブルは、サポートモードが高頻度サポートモードである場合には、低頻度サポートモードである場合と比較して、表示継続時間を短くするように設定されている。換言すれば、保留個数が同じであれば、高頻度サポートモードである場合の表示継続時間は、低頻度サポートモードである場合のそれよりも短い。
さらに、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照することによって決定される表示継続時間は、リーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照することによって決定される表示継続時間とは異なっている。
なお、リーチ非発生用表示継続時間テーブルは、保留個数が多くなるほど表示継続時間を長くなる等のように前述した関係とは逆の関係に設定されていてもよく、保留個数やサポートモードに応じて変動しない構成としてもよい。また、リーチ発生用表示継続時間テーブルおよびリーチ非発生用表示継続時間テーブルは同一であってもよい。さらに、当否結果および振分結果のそれぞれに対して個別に表示継続時間テーブルを設定してもよい。
ステップS717では、MPU62は、変動開始コマンドおよび種別コマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS717にて設定した変動開始コマンドおよび種別コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される変動開始コマンドおよび種別コマンドに基づいて、所定の処理を実行する。この処理については後に詳細に説明する。
変動開始コマンドは、表示継続時間に係る情報を含んでいる。また、変動開始コマンドは、リーチ表示が発生するか否かの情報を含んでいない。
ここで、前述したように、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照することによって決定される表示継続時間と、リーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照することによって決定される表示継続時間とは互いに異なっている。
したがって、リーチ表示が発生するか否かの情報を変動開始コマンドに含めなかったとしても、表示継続時間に係る情報に基づいて、サブ側の制御装置である音声発光制御装置90にてリーチ表示が発生するか否かを判定することは可能である。この意味では、変動開始コマンドは、リーチ表示が発生するか否かの情報を間接的に含んでいるとも言える。なお、変動開始コマンドは、リーチ表示が発生するか否かの情報を直接的に含んでいてもよい。
種別コマンドは、当否結果に係る情報を含んでいる。換言すれば、種別コマンドは、当否結果に係る情報として、「大当たり当選」、「特別外れ結果」、および「通常外れ結果」に係る各情報を含んでいる。また、種別コマンドは、振分結果に係る情報を含んでいる。換言すれば、種別コマンドは、振分結果に係る情報として、「低確結果」、「非明示少ラウンド高確結果」、「明示少ラウンド高確結果」、および「最有利結果」に係る各情報を含んでいる。
なお、以下の説明では、当否結果および振分結果を総称して遊技結果とする。換言すれば、種別コマンドは、遊技結果に係る情報を含んでいる。
ステップS718では、MPU62は、RAM64に第2結果表示部フラグがセットされているか否かを判定し、その判定結果に基づいてメイン表示部45に変動表示を開始させる。その後、MPU62は、変動開始処理を終了する。
具体的には、MPU62は、RAM64に第2結果表示部フラグがセットされていないと判定した場合には、遊技回の消化に際し、上作動口36への遊技球の入賞に基づいて、第1結果表示部45aに変動表示を開始させることを示しているので、第1結果表示部45aに変動表示を開始させる。
これに対して、MPU62は、RAM64に第2結果表示部フラグがセットされていると判定した場合には、遊技回の消化に際し、下作動口37への遊技球の入賞に基づいて、第2結果表示部45bに変動表示を開始させることを示しているので、第2結果表示部45bに変動表示を開始させる。
遊技回制御処理の説明に戻り、図14を参照してステップS506〜S509の遊技回進行用処理について説明する。
MPU62は、ステップS502において、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定し、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には、ステップS506〜S509の遊技回進行用処理を実行する。
ステップS506では、MPU62は、変動開始処理のステップS716にてセットした表示継続時間が経過したか否かを判定する。具体的には、MPU62は、RAM64の表示継続時間カウンタにセットされた値が「0」以下になったか否かを判定する。なお、この表示継続時間カウンタの値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
MPU62は、ステップS506にて表示継続時間が経過していないと判定した場合には、ステップS507において、変動表示用処理を実行する。この変動表示用処理では、MPU62は、変動表示中のメイン表示部45の表示を更新する。その後、MPU62は、遊技回制御処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS506にて表示継続時間が経過していると判定した場合には、ステップS508において、変動終了処理を実行する。この変動終了処理では、MPU62は、メイン表示部45に変動表示を開始させる際に実行された変動開始処理のステップS710、ステップS713、およびステップS715のいずれかの処理においてRAM64に記憶した情報(メイン表示部45に最終的に停止表示させる絵柄に係る情報)を特定する。そして、MPU62は、遊技回の終了に際し、この特定した情報に対応した絵柄を変動表示中のメイン表示部45に表示させるようにメイン表示部45の表示制御を実行する。
ここで、メイン表示部45に最終的に停止表示させる絵柄は、遊技結果の種類ごとに異なっている。したがって、遊技場の管理者などは、遊技回の終了に際してメイン表示部45を目視することによって、遊技結果を確認することができる。これによれば、遊技場の管理者などは、例えば、大当たり発生の抽選に当選した場合と同様の挙動をパチンコ機10に行わせようとする不正行為が行われているか否かの確認を簡易的に行うことができる。
また、メイン表示部45は、図柄表示装置51の表示画面Gと比較して表示領域が狭く、メイン表示部45に停止表示させる絵柄は、図柄表示装置51の表示画面Gに停止表示させる図柄列Z1〜Z3と比較して遊技者にとって認識しにくいものとなっている。したがって、遊技者は、遊技回の終了に際し、メイン表示部45ではなく図柄表示装置51の表示画面Gを確認することによって、大当たり発生に当選したか否か等を判断することになるので、表示画面Gへの注目度を高めることができる。
ステップS509では、MPU62は、変動終了コマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS509にて設定した変動終了コマンドを音声発光制御装置90に送信する。その後、MPU62は、遊技回制御処理を終了する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される変動終了コマンドに基づいて、その遊技回の演出を終了させるための処理を実行する。ここで、音声発光制御装置90は、変動終了コマンドの受信を必要とすることなく、独自に遊技回の演出を終了するように構成されていてもよい。
<遊技状態移行処理>
図17は、遊技状態移行処理のフローチャートを示す図である。
遊技状態移行処理では、MPU62は、図17に示すように、ステップS801〜S814を実行する。
ステップS801では、MPU62は、開閉実行モード中であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS801にて開閉実行モード中でないと判定した場合には、ステップS802以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS801にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS811以降の処理を実行する。
まず、ステップS801において、MPU62にて開閉実行モード中でないと判定された場合の処理(ステップS802以降の処理)について説明する。
ステップS802では、MPU62は、メイン表示部45の変動表示が終了したか否かを判定する。MPU62は、ステップS802にてメイン表示部45の変動表示が終了していないと判定した場合には、遊技状態移行処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS802にてメイン表示部45の変動表示が終了したと判定した場合には、ステップS803において、当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、MPU62は、当否結果が「大当たり当選」または「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS803にて当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであると判定した場合には、RAM64に開閉実行モード中フラグをセットした後、ステップS804以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS803にて当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものでないと判定した場合(当否結果が「通常外れ結果」であると判定した場合)には、遊技状態移行処理を終了する。
ステップS804では、MPU62は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS804にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、ステップS805において、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた開閉カウンタSOCに「2」をセットする。この開閉カウンタSOCは、開閉実行モードへの移行に際して可変入賞装置38の大入賞口38aを開閉する総回数をMPU62にて特定するためのカウンタである。
これに対して、MPU62は、ステップS804にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合、すなわち当否結果が「大当たり当選」であると判定した場合には、ステップS806において、振分結果が少ラウンド高確結果(「非明示少ラウンド高確結果」または「明示少ラウンド高確結果」)であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS806にて振分結果が少ラウンド高確結果であると判定した場合には、ステップS807において、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられたラウンドカウンタRCに「2」をセットする。また、MPU62は、ステップS806にて振分結果が少ラウンド高確結果でないと判定した場合、すなわち振分結果が「低確結果」または「最有利結果」であると判定した場合には、ステップS808において、ラウンドカウンタRCに「15」をセットする。このラウンドカウンタRCは、開閉実行モードへの移行に際してラウンド遊技の回数をMPU62にて特定するためのカウンタである。
ここで、パチンコ機10は、終了条件が互いに異なる複数の開閉実行モードを有している。具体的には、パチンコ機10は、開閉実行モードとして、当否結果が「大当たり当選」である場合に移行するラウンド数規定モードと、当否結果が「特別外れ結果」である場合に移行する開閉数規定モードとを有している。
ラウンド数規定モードは、予め定められた回数のラウンド遊技を実行したことを条件として終了する。ここで、ラウンド遊技の回数は、ラウンドカウンタRCにセットした値に対応している。
開閉数規定モードは、予め定められた総回数の大入賞口38aの開閉を実行したこと、または予め定められた個数の遊技球が大入賞口38aに入賞したことを条件として終了する。ここで、大入賞口38aの開閉の総回数は、開閉カウンタSOCにセットした値に対応している。この開閉数規定モードは、ラウンド遊技の実行回数を条件として終了することはない。
なお、パチンコ機10は、1回のラウンド遊技につき、1回の大入賞口38aの開閉を実行する。また、1回のラウンド遊技は、以下の2つの条件のうち、いずれかの条件を満たすまで継続する。換言すれば、パチンコ機10は、開閉扉38bを開放状態に設定した後、以下の2つの条件のうち、いずれかの条件を満たすことによって、開閉扉38bを再び閉鎖状態に設定する。
(1)予め定められた上限継続時間(上限継続期間)が経過すること
(2)大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数が予め定められた上限個数に達すること
ステップS805、ステップS807、およびステップS808のいずれかの処理を実行した後、MPU62は、ステップS809において、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられたタイマカウンタTにオープニング用の待機時間(待機期間)として「1000」をセットする。このタイマカウンタTにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、オープニング用の待機時間は2secとなる。なお、オープニング用の待機時間は、これに限定されることはなく任意である。
このように、MPU62は、ステップS803において、当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであると判定した場合には、遊技結果の種類に関わらずタイマカウンタTにオープニング用の待機時間をセットする。換言すれば、オープニング用の待機時間は、遊技結果の種類に関わらず同一である。
なお、オープニング用の待機時間は、これに限定されることはなく、例えば、遊技者には同様と認識される程度に遊技結果の種類に応じて微妙に相違させる構成としてもよい。また、例えば、オープニング用の待機時間は、「低確結果」または「最有利結果」の遊技結果である場合と、これら以外の遊技結果である場合とで大きく相違する等のように、遊技結果の種類に応じて大きく相違させる構成としてもよい。
ステップS810では、MPU62は、オープニングコマンドを設定する。その後、MPU62は、遊技状態移行処理を終了する。このオープニングコマンドは、開閉実行モードへの移行の契機となった遊技結果の情報を含んでいる。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS810にて設定したオープニングコマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードへの移行を認識し、所定の処理を実行する。この処理については、後に詳細に説明する。
次に、ステップS801において、MPU62にて開閉実行モード中であると判定された場合の処理(ステップS811以降の処理)について説明する。
ステップS811では、MPU62は、大入賞口開閉処理を実行する。
図18は、大入賞口開閉処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開閉処理では、MPU62は、図18に示すように、ステップS901〜S924を実行する。
ステップS901では、MPU62は、大入賞口38aが開放中であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS901にて大入賞口38aが開放中でないと判定した場合には、ステップS902以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS901にて大入賞口38aが開放中であると判定した場合には、ステップS906以降の処理を実行する。
まず、ステップS901において、MPU62にて大入賞口38aが開放中でないと判定された場合の処理(ステップS902以降の処理)について説明する。
ステップS902では、MPU62は、開閉カウンタSOCの値が「0」以下であり、かつラウンドカウンタRCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS902にて開閉カウンタSOCの値およびラウンドカウンタRCの値の双方が「0」以下であると判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS902にて開閉カウンタSOCの値およびラウンドカウンタRCの値の少なくともいずれか一方が「0」以下ではないと判定した場合には、ステップS903において、タイマカウンタTの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS903にてタイマカウンタTの値が「0」以下ではないと判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS903にてタイマカウンタTの値が「0」以下であると判定した場合には、ステップS904において、大入賞口開放処理を実行する。
以下、ステップS904の大入賞口開放処理について詳細に説明する。
図19は、大入賞口開放処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開放処理では、MPU62は、図19に示すように、ステップS1001〜S1007を実行する。
ステップS1001では、MPU62は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1001にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、ステップS1002において、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた入賞カウンタPCに「8」をセットし、ステップS1003において、タイマカウンタTに「85」をセットする。前述したように、タイマカウンタTは、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、タイマカウンタTにセットされた時間は0.17secとなる。
これに対して、MPU62は、ステップS1001にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合には、ステップS1004において、入賞カウンタPCに「8」をセットし、ステップS1005において、振分結果が少ラウンド高確結果(「非明示少ラウンド高確結果」または「明示少ラウンド高確結果」)であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1005にて振分結果が少ラウンド高確結果であると判定した場合には、前述したステップS1003において、タイマカウンタTに「85」をセットする。
これに対して、MPU62は、ステップS1005にて振分結果が少ラウンド高確結果でないと判定した場合には、ステップS1006において、タイマカウンタTに「15000」をセットする。前述したように、タイマカウンタTは、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、タイマカウンタTにセットされた時間は30secとなる。
ステップS1003またはステップS1006の処理を実行した後、MPU62は、ステップS1007において、大入賞口38aの開放実行処理を実行する。この開放実行処理では、MPU62は、可変入賞駆動部38cの駆動制御を実行することによって、開閉扉38bを開放状態に設定する。その後、MPU62は、大入賞口開放処理を終了する。
なお、ステップS1002またはステップS1004にて入賞カウンタPCにセットされた値は、大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数の上限を規定している。
また、ステップS1003またはステップS1006にてタイマカウンタTにセットされた値は、開閉扉38bを開放状態に設定した後、再び閉鎖状態に設定するまでの上限継続時間を規定している。したがって、MPU62は、前述したように、タイマカウンタTに「85」または「15000」をセットすることによって、長さの異なる2種類の上限継続時間を設定している。具体的には、MPU62は、上限継続時間を30secに設定した長時間態様(長期間態様)と、上限継続時間を長時間態様のそれよりも短い0.17secに設定した短時間態様(短期間態様)とを設定している。
ここで、パチンコ機10は、前述したように、0.6secの周期で遊技球発射機構81のソレノイドを励磁することによって、遊技球発射機構81に遊技球を発射させる。また、MPU62は、前述したように、入賞カウンタPCに「8」をセットすることによって、大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数の上限を8個に設定している。
したがって、長時間態様の上限継続時間は、大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数の上限と、遊技球の発射周期との積よりも十分に長いので、上限である8個の遊技球を大入賞口38aに入賞させることは容易である。
これに対して、短時間態様の上限継続時間は、大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数の上限と、遊技球の発射周期との積よりも短い(更に言及すれば遊技球の発射周期よりも短い)ので、遊技球を大入賞口38aに入賞させることは困難である。なお、タイミングによっては1個程度の遊技球を大入賞口38aに入賞させることは可能である。
大入賞口開閉処理の説明に戻り、図18を参照してステップS905以降の処理について説明する。
MPU62は、ステップS904の大入賞口開放処理を実行した後、ステップS905において、開放コマンドを設定する。また、MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS905にて設定した開放コマンドを音声発光制御装置90に送信する。その後、MPU62は、大入賞口開閉処理を終了する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される開放コマンドに基づいて、開閉扉38bを開放状態に設定したことを認識し、所定の処理を実行する。
次に、ステップS901において、MPU62にて大入賞口38aが開放中であると判定された場合の処理(ステップS906以降の処理)について説明する。
ステップS906では、MPU62は、タイマカウンタTの値が「0」以下であるか否かを判定する。すなわち、MPU62は、大入賞口開放処理のステップS1003またはステップS1006にてタイマカウンタTにセットされた上限継続時間が経過したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS906にてタイマカウンタTの値が「0」以下でないと判定した場合には、ステップS907以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS906にてタイマカウンタTの値が「0」以下であると判定した場合には、ステップS918以降の処理を実行する。
まず、ステップS906において、MPU62にてタイマカウンタTの値が「0」以下でないと判定された場合の処理(ステップS907以降の処理)について説明する。
ステップS907では、MPU62は、大入賞口38aへの入賞が発生したか否かを判定する。なお、大入賞口38aへの入賞が発生したか否かの判定は、大入賞口38aに対応した検知センサ50eの検知結果に基づいて実行される。
MPU62は、ステップS907にて大入賞口38aへの入賞が発生していないと判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS907にて大入賞口38aへの入賞が発生したと判定した場合には、ステップS908において、入賞カウンタPCの値に1を減算して更新する。
ステップS909では、MPU62は、入賞カウンタPCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS909にて入賞カウンタPCの値が「0」以下でないと判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS909にて入賞カウンタPCの値が「0」以下であると判定した場合には、ステップS910において、閉鎖実行処理を実行する。この閉鎖実行処理では、MPU62は、可変入賞駆動部38cの駆動制御を実行することによって、開閉扉38bを閉鎖状態に設定する。
ステップS911では、MPU62は、閉鎖コマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS911にて設定した閉鎖コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される閉鎖コマンドに基づいて、開閉扉38bを閉鎖状態に設定したことを認識し、所定の処理を実行する。
ステップS912では、MPU62は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS912にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、後述するステップS923以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS912にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合には、ステップS913以降の処理を実行する。
ステップS913では、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値に1を減算して更新し、ステップS914において、ラウンドカウンタRCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS914にてラウンドカウンタRCの値が「0」以下でないと判定した場合には、ステップS915において、タイマカウンタTの値に「500」をセットする。その後、MPU62は、大入賞口開閉処理を終了する。
ここで、ステップS915にてタイマカウンタTにセットされた値は、開閉扉38bを開放状態に設定した後、再び閉鎖状態に設定してから再び開閉扉38bを開放状態に設定するまでの開放待機時間を規定している。なお、本実施形態では、開放待機時間は1secである。この開放待機時間は、開閉実行モードの種類や進行状況に関わらず同一である。
これに対して、MPU62は、ステップS914にてラウンドカウンタRCの値が「0」以下であると判定した場合には、ステップS916以降の処理を実行する。
ステップS916では、MPU62は、タイマカウンタTにエンディング用の待機時間(待機期間)として「2000」をセットする。このタイマカウンタTにセットされた値は、前述したように、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、エンディング用の待機時間は4secとなる。なお、エンディング用の待機時間は、これに限定されることはなく任意である。
エンディング用の待機時間は、オープニング用の待機時間と同様に、遊技結果の種類に関わらず同一である。すなわち、このエンディング用の待機時間は、開閉実行モードの種類に関わらず同一である。
なお、エンディング用の待機時間は、これに限定されることはなく、例えば、遊技者には同様と認識される程度に遊技結果の種類に応じて微妙に相違させる構成としてもよい。また、例えば、エンディング用の待機時間は、「低確結果」または「最有利結果」の遊技結果である場合と、これら以外の遊技結果である場合とで大きく相違する等のように、遊技結果の種類に応じて大きく相違させる構成としてもよい。
ステップS917では、MPU62は、エンディングコマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS917にて設定したエンディングコマンドを音声発光制御装置90に送信する。その後、MPU62は、大入賞口開閉処理を終了する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モードの終了を認識し、所定の処理を実行する。
次に、ステップS906おいて、MPU62にてタイマカウンタTの値が「0」以下であると判定された場合の処理(ステップS918以降の処理)について説明する。
ステップS918では、MPU62は、前述したステップS910と同様に閉鎖実行処理を実行する。
ステップS919では、MPU62は、前述したステップS911と同様に閉鎖コマンドを設定する。
ステップS920では、MPU62は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS920にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合、すなわち当否結果が「大当たり当選」であると判定した場合には、ステップS921以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS920にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、ステップS923以降の処理を実行する。
まず、ステップS920において、MPU62にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定された場合の処理(ステップS921以降の処理)について説明する。
ステップS921では、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値に1を減算して更新する。
ステップS922では、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS922にてラウンドカウンタRCの値が「0」以下でないと判定した場合には、前述したステップS915以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS922にてラウンドカウンタRCの値が「0」以下であると判定した場合には、前述したS916以降の処理を実行する。
次に、ステップS912またはステップS920において、MPU62にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定された場合の処理(ステップS923以降の処理)について説明する。
ステップS923では、MPU62は、開閉カウンタSOCの値に1を減算して更新する。
ステップS924では、MPU62は、開閉カウンタSOCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS924にて開閉カウンタSOCの値が「0」以下でないと判定した場合には、前述したステップS915以降の処理を実行する。
また、MPU62は、ステップS924にて開閉カウンタSOCの値が「0」以下であると判定した場合には、前述したS916以降の処理を実行する。
遊技状態移行処理の説明に戻り、図17を参照してステップS812以降の処理について説明する。
MPU62は、ステップS811の大入賞口開閉処理を実行した後、ステップS812において、開閉カウンタSOCの値が「0」以下であり、かつラウンドカウンタRCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS812にて開閉カウンタSOCの値およびラウンドカウンタRCの値の少なくともいずれか一方が「0」以下ではないと判定した場合には、遊技状態移行処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS812にて開閉カウンタSOCの値およびラウンドカウンタRCの値の双方が「0」以下であると判定した場合には、ステップS813において、タイマカウンタTの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS813にてタイマカウンタTの値が「0」以下でないと判定した場合には、遊技状態移行処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS813にてタイマカウンタTの値が「0」以下であると判定した場合には、ステップS814において、RAM64に記憶された開閉実行モード中フラグをクリアした後、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。その後、MPU62は、遊技状態移行処理を終了する。
以下、開閉実行モード終了時の移行処理について詳細に説明する。
図20は、開閉実行モード終了時の移行処理のフローチャートを示す図である。
開閉実行モード終了時の移行処理では、MPU62は、図20に示すように、ステップS1101〜S1112を実行する。
ステップS1101では、MPU62は、振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1101にて振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」であると判定した場合には、ステップS1102以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1101にて振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」でないと判定した場合には、ステップS1105以降の処理を実行する。
まず、ステップS1101において、MPU62にて振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」であると判定された場合の処理(ステップS1102以降の処理)について説明する。
ステップS1102では、MPU62は、高頻度サポートフラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に高頻度サポートフラグがセットされている場合には、これを維持する。これによって、MPU62は、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。
ステップS1103では、MPU62は、RAM64に記憶された回数制限フラグをクリアする。
ここで、高頻度サポートモードは、RAM64に高頻度サポートフラグがセットされているとともに、回数制限フラグがセットされていない場合には、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
ステップS1104では、MPU62は、高確率モードフラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に高確率モードフラグがセットされている場合には、これを維持する。これによって、MPU62は、当否抽選モードを高確率モードに設定する。この高確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。その後、MPU62は、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
なお、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する際には、MPU62は、振分結果に応じてRAM64にセットしたフラグ(低確結果フラグ、非明示少ラウンド高確結果フラグ、明示少ラウンド高確結果フラグ、および最有利結果フラグ)や、特別外れフラグをクリアする。また、前述した変動開始処理のステップS701では、MPU62は、RAM64に高確率モードフラグがセットされているか否かを判定することによって、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定している。
次に、ステップS1101において、MPU62にて振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」でないと判定された場合の処理(ステップS1105以降の処理)について説明する。
ステップS1105では、MPU62は、振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1105にて振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」であると判定した場合には、ステップS1106以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1105にて振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」でないと判定した場合には、ステップS1108以降の処理を実行する。
まず、ステップS1105において、MPU62にて振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」であると判定された場合の処理(ステップS1106以降の処理)について説明する。
ステップS1106では、MPU62は、RAM64に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1106にてRAM64に高頻度サポートフラグがセットされていると判定した場合には、前述したステップS1103以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1106にてRAM64に高頻度サポートフラグがセットされていないと判定した場合には、ステップS1107において、高確率モードフラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に高確率モードフラグがセットされている場合には、これを維持する。これによって、MPU62は、当否抽選モードを高確率モードに設定する。この高確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。その後、MPU62は、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
次に、ステップS1105において、MPU62にて振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」でないと判定された場合の処理(ステップS1108以降の処理)について説明する。
ステップS1108では、MPU62は、振分結果が「低確結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1108にて振分結果が「低確結果」でないと判定した場合(当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合)には、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1108にて振分結果が「低確結果」であると判定した場合には、ステップS1109以降の処理を実行する。
ステップS1109では、MPU62は、高確率モードフラグをクリアする。これによって、MPU62は、当否抽選モードを低確率モードに設定する。この低確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となって、振分結果が「低確結果」以外になるまで継続する。
ステップS1110では、MPU62は、高頻度サポートフラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に高頻度サポートフラグがセットされている場合には、これを維持する。これによって、MPU62は、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。
ステップS1111では、MPU62は、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた遊技回数カウンタの値に「100」をセットする。
ステップS1112では、MPU62は、回数制限フラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に回数制限フラグがセットされている場合には、これを維持する。その後、MPU62は、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
ここで、高頻度サポートモードは、RAM64に高頻度サポートフラグがセットされているとともに、回数制限フラグがセットされている場合には、遊技回数カウンタにセットされた終了基準回数である100回の遊技回を消化するまで継続する。MPU62は、100回の遊技回を消化した場合には、高頻度サポートフラグおよび回数制限フラグをクリアする。これによって、MPU62は、サポートモードを低頻度サポートモードに設定する。
なお、MPU62は、これらの処理を通常処理のステップS305において、電役サポート用処理として実行するが、詳細な説明は省略する。
このように、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」となった場合には、遊技状態は、現在の遊技状態に関わらず開閉実行モード(すなわち、ラウンド数規定モード)の終了後に、高確率モードに移行するとともに、高頻度サポートモードに移行する。高確率モードおよび高頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
また、現在のサポートモードが高頻度サポートモードであるときに当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」となった場合には、遊技状態は、開閉実行モード(すなわち、ラウンド数規定モード)の終了後に、高確率モードに移行するとともに、高頻度サポートモードに移行する。高確率モードおよび高頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
これに対して、現在のサポートモードが低頻度サポートモードであるときに当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」となった場合には、遊技状態は、開閉実行モード(すなわち、ラウンド数規定モード)の終了後に、高確率モードに移行するとともに、低頻度サポートモードに移行する。高確率モードおよび低頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
また、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において振分結果が「低確結果」となった場合には、遊技状態は、現在の遊技状態に関わらず開閉実行モード(すなわち、ラウンド数規定モード)の終了後に、低確率モードに移行するとともに、高頻度サポートモードに移行する。低確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続し、高頻度サポートモードは、当否抽選において「大当たり当選」となることなく、100回の遊技回を消化した場合には、低頻度サポートモードに移行する。
また、当否抽選において「大当たり当選」とならなかった場合、すなわち当否抽選において当否結果が「特別外れ結果」または「通常外れ結果」となった場合には、遊技状態は移行しない。
<音声発光制御装置90および表示制御装置100の電気的構成>
図21は、音声発光制御装置および表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
音声発光制御装置90は、図21に示すように、音声発光制御基板91と、この音声発光制御基板91に実装されたMPU92と、このMPU92を構成しているROM93およびRAM94とを備えている。ここで、MPU92は、ROM93およびRAM94の他、CPU、割込回路、タイマ回路、およびデータ入出力回路などを複合的にチップ化した素子である。
ROM93は、各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要としない不揮発性記憶手段である。
RAM94は、ROM93に記憶された制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要とする揮発性記憶手段である。
MPU92は、入力ポートおよび出力ポートを備えている。MPU92の入力ポートは、前述したように、主制御装置60に接続されている。MPU92の出力ポートは、各種ランプ部23,53〜55と、スピーカ部24と、表示制御装置100とに接続されている。
MPU92は、主制御装置60から送信されるコマンドに基づいて、各種ランプ部23,53〜55や、スピーカ部24の駆動制御を実行する。
また、MPU92は、これらのコマンドを解析した結果のコマンドを表示制御装置100に送信する。なお、音声発光制御装置90は、信号線の両端にコネクタが設けられたコネクタユニット(接続ユニット)を介して表示制御装置100と電気的に接続されている。
表示制御装置100は、表示制御基板101と、MPU102と、このMPU102を構成しているプログラムROM103およびワークRAM104と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とを備えている。ここで、MPU102は、プログラムROM103およびワークRAM104の他、CPU、割込回路、タイマ回路、およびデータ入出力回路などを複合的にチップ化した素子である。なお、MPU102、VDP105、キャラクタROM106、およびビデオRAM107は、表示制御基板101に実装されている。
MPU102は、音声発光制御装置90から送信されるコマンドを解析するとともに、このコマンドに基づいて所定の演算処理を行ってVDP105の制御を実行する。具体的には、MPU102は、VDP105に対するコマンドを生成することによってVDP105の制御を実行する。
プログラムROM103は、各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要としない不揮発性記憶手段である。
ワークRAM104は、プログラムROM103に記憶された制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要とする揮発性記憶手段である。
VDP105は、図柄表示装置51に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP105は、ICチップ化されているため、「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。このVDP105は、MPU102にて生成されたコマンドの内容に基づいて、キャラクタROM106から画像データを読み出し、この画像データをビデオRAM107に記憶させることによって、図柄表示装置51の表示制御を実行する。
キャラクタROM106は、図柄表示装置51に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとして機能する。このキャラクタROM106は、各種図柄のビットマップ形式画像データや、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等を保持している。
ビデオRAM107は、図柄表示装置51に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、図柄表示装置51の表示内容は、このビデオRAM107の内容を書き替えることによって変更される。
<音声発光制御装置90にて実行される演出決定処理について>
図22は、演出決定処理のフローチャートを示す図である。
音声発光制御装置90のMPU92は、遊技回用の演出や、開閉実行モード用の演出などを実行するために演出決定処理を実行する。この演出決定処理では、MPU92は、図22に示すように、ステップS1201〜S1213を定期的に(例えば、2msec周期で)実行する。
ステップS1201では、MPU92は、MPU62から送信された変動開始コマンドおよび種別コマンドを受信しているか否かを判定する。
MPU92は、ステップS1201にて各コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1209以降の処理を実行する。
これに対して、MPU92は、ステップS1201にて各コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1202において、種別コマンドの内容に基づいて、遊技結果が「最有利結果」または「低確結果」であるか否かを判定する。
MPU92は、ステップS1202にて遊技結果が「最有利結果」または「低確結果」であると判定した場合には、ステップS1203において、遊技結果の種類に対応した図柄決定処理を実行する。この図柄決定処理では、MPU92は、遊技結果が「最有利結果」であると判定した場合には、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として同一の奇数の数字または同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせに係る情報を決定し、遊技結果が「低確結果」であると判定した場合には、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせに係る情報を決定する。なお、奇数および偶数の数字は、抽選などによってランダムに決定される。
これに対して、MPU92は、ステップS1202にて遊技結果が「最有利結果」または「低確結果」でないと判定した場合には、ステップS1204において、種別コマンドの内容に基づいて、遊技結果が「通常外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU92は、ステップS1204にて遊技結果が「通常外れ結果」でないと判定した場合、すなわち遊技結果が「特別外れ結果」、「非明示少ラウンド高確結果」、および「明示少ラウンド高確結果」のいずれかである場合には、ステップS1205において、共通用の図柄決定処理を実行する。この共通用の図柄決定処理では、MPU92は、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として特別な図柄の組み合わせに係る情報を決定する。具体的には、MPU92は、同一の数字を有する図柄の組み合わせではなく、当否抽選において「通常外れ結果」となった場合に選択されることのない互いに異なる数字を有する特別な図柄の組み合わせ(例えば「3・4・1」)を決定する。なお、この特別な図柄の組み合わせは、遊技結果の種類に関わらず同一である。
これに対して、MPU92は、ステップS1204にて遊技結果が「通常外れ結果」であると判定した場合には、ステップS1206において、通常外れ用の図柄決定処理を実行する。この通常外れ用の図柄決定処理では、MPU92は、変動開始コマンドの内容に基づいて、リーチ表示が発生するか否かを判定する。
MPU92は、リーチ表示が発生すると判定した場合には、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果としてリーチ表示の図柄の組み合わせに係る情報を決定する。なお、リーチ表示の図柄の組み合わせは、抽選などによってランダムに決定される。
これに対して、MPU92は、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として前述した各図柄の組み合わせとは異なる図柄の組み合わせに係る情報を決定する。具体的には、MPU92は、同一の数字を有する図柄の組み合わせ、特別な図柄の組み合わせ、およびリーチ表示の図柄の組み合わせのいずれとも異なる組み合わせの図柄を抽選などによってランダムに決定する。
ステップS1203、ステップS1205、およびステップS1206のいずれかの処理を実行した後、MPU92は、ステップS1207において、演出パターンの決定処理を実行する。この演出パターンの決定処理では、MPU92は、ROM93に予め記憶された演出用のテーブルを参照することによって、変動開始コマンドおよび種別コマンドに対応する演出パターンを選択する。具体的には、MPU92は、演出パターンとして、演出継続時間(演出継続期間)および演出の内容を選択する。また、MPU92は、選択した演出パターンに基づいて、表示ランプ部23の発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。なお、ステップS1207では、MPU92は、予告表示を発生させるか否かの抽選も実行する。
ステップS1208では、MPU92は、ステップS1203、ステップS1205、およびステップS1206のいずれかの処理にて決定した停止結果に係る情報を含む停止結果コマンドと、ステップS1207にて選択した演出パターンを含むパターンコマンドとを表示制御装置100に送信する。
表示制御装置100のMPU102は、MPU92から送信された停止結果コマンドおよびパターンコマンドに基づいて、遊技回用の演出を図柄表示装置51にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM103から読み出す。そして、MPU102は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP105に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置51は、音声発光制御装置90のMPU92にて選択された演出パターンに基づく遊技回用の演出を実行するとともに、MPU92にて決定された停止結果を有効ラインL上に最終的に停止表示させる。
MPU92は、ステップS1208の処理を実行した後、またはステップS1201にて変動用コマンドおよび種別コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1209以降の処理を実行する。
ステップS1209では、MPU92は、オープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。
MPU92は、ステップS1209にてオープニングコマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1213以降の処理を実行する。
これに対して、MPU92は、ステップS1209にてオープニングコマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1210において、オープニングコマンドの内容に基づいて、遊技結果の種類を判定する。
ステップS1211では、MPU92は、ステップS1210にて判定した遊技結果の種類に対応する開閉実行モード用の演出の決定処理を実行する。開閉実行モード用の演出の決定処理では、MPU92は、ステップS1210にて遊技結果が「特別外れ結果」または「非明示少ラウンド高確結果」であると判定した場合には、開閉実行モード用の演出として演出Aを選択する。また、MPU92は、遊技結果が「明示少ラウンド高確結果」であると判定した場合には、開閉実行モード用の演出として演出Bを選択する。また、MPU92は、遊技結果が「最有利結果」であると判定した場合には、開閉実行モード用の演出として演出Cまたは演出Dを選択する。また、MPU92は、遊技結果が「低確結果」であると判定した場合には、開閉実行モード用の演出として演出Dを選択する。
なお、演出Aおよび演出Bの継続時間は、開閉実行モードに際して大入賞口38aの開閉を短時間態様で2回実行する場合の時間と対応している。また、演出Cおよび演出Dの継続時間は、開閉実行モードに際して大入賞口38aの開閉を長時間態様で15回実行する場合の時間と対応している。
さらに、ステップS1211では、MPU92は、演出A〜演出Dの選択結果に基づいて、表示ランプ部23の発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。
ステップS1212では、MPU92は、ステップS1211にて選択した開閉実行モード用の演出に係る情報を含む開閉実行モード用コマンドを表示制御装置100に送信する。
表示制御装置100のMPU102は、MPU92から送信された開閉実行モード用コマンドに基づいて、開閉実行モード用の演出を図柄表示装置51にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM103から読み出す。そして、MPU102は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP105に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置51は、音声発光制御装置90のMPU92にて選択された開閉実行モード用の演出を実行する。
MPU92は、ステップS1212の処理を実行した後、またはステップS1209にてオープニングコマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1213以降の処理を実行する。
ステップS1213では、MPU92は、その他の処理を実行する。その他の処理では、MPU92は、例えば、MPU62から送信された開放コマンド、閉鎖コマンドおよびエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モード用の演出を進行させるための処理を実行する。その後、MPU92は、演出決定処理を終了する。
<遊技結果と遊技状態等との関係について>
以下、遊技結果と、各種処理の実行に基づく遊技状態等との関係について説明する。
図23は、遊技結果と、遊技状態等との関係を示す図である。具体的には、図23は、「通常外れ結果」を除く遊技結果と、遊技状態等との関係を示す図であり、遊技結果を列方向に並べ、遊技状態等を行方向に並べている。
パチンコ機10は、図23に示すように、「通常外れ結果」を除く遊技結果として、「大当たり当選」および「特別外れ結果」の当否結果と、「非明示少ラウンド高確結果」、「明示少ラウンド高確結果」、「最有利結果」、および「低確結果」の振分結果とを有している。
ここで、「特別外れ結果」は、図23の表2列目に示すように、当否抽選において「大当たり当選」とならなかった場合(図中記号×)に選択される遊技結果である。また、振分結果は、当否抽選において「大当たり当選」となった場合(図中記号○)に選択される遊技結果である。
以下、「通常外れ結果」を除く遊技結果と、遊技状態等との関係について説明する。なお、本実施形態では、パチンコ機10は、遊技結果と、遊技状態等との関係を以下のように設定しているが、遊技結果と、遊技状態等との組み合わせ、遊技結果の内容、および遊技状態等の内容については任意である。
「特別外れ結果」では、開閉実行モードは、ラウンド数規定モードではなく、開閉数規定モードに移行し、大入賞口38aの開閉は、短時間態様で2回実行される。また、「特別外れ結果」では、当否抽選モードは移行しない。
「非明示少ラウンド高確結果」では、開閉実行モードは、2回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、大入賞口38aの開閉は、短時間態様で2回実行される。また、「非明示少ラウンド高確結果」では、当否抽選モードは、高確率モードに移行する。
このように、「特別外れ結果」および「非明示少ラウンド高確結果」は、開閉実行モードの種類は異なるが、大入賞口38aの開閉が短時間態様で2回実行される点においては共通している。
また、「特別外れ結果」および「非明示少ラウンド高確結果」では、停止結果は、特別な図柄の組み合わせとなるとともに、開閉実行モード用の演出は、演出Aとなる。さらに、「特別外れ結果」および「非明示少ラウンド高確結果」では、サポートモードは移行しない。また、開閉実行モード終了後の遊技回では、図柄表示装置51は、高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示しない。
したがって、遊技者は、停止結果や、開閉実行モード用の演出を確認することによって、遊技結果が「特別外れ結果」および「非明示少ラウンド高確結果」のいずれであるかを把握することはできない。換言すれば、振分抽選において「非明示少ラウンド高確結果」となって高確率モードに移行した場合であっても、図柄表示装置51は、開閉実行モード終了後の遊技回では、当否抽選モードは移行していないかのごとく偽装を施す。
このため、遊技者は、当否抽選モードが高確率モードに移行したか否かの予測を楽しみながら遊技を行うことができる。
「明示少ラウンド高確結果」では、開閉実行モードは、2回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、大入賞口38aの開閉は、短時間態様で2回実行される。また、「明示少ラウンド高確結果」では、当否抽選モードは、高確率モードに移行する。また、「明示少ラウンド高確結果」では、停止結果は、特別な図柄の組み合わせとなるとともに、開閉実行モード用の演出は、演出Bとなる。また、「明示少ラウンド高確結果」では、サポートモードは、高頻度サポートモードに移行する。さらに、開閉実行モード終了後の遊技回では、図柄表示装置51は、高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示する。
したがって、遊技者は、停止結果や、開閉実行モード用の演出を確認することによって、遊技結果が「明示少ラウンド高確結果」であることを把握することができる。
「最有利結果」および「低確結果」では、開閉実行モードは、15回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、大入賞口38aの開閉は、長時間態様で15回実行される。
ここで、「最有利結果」では、停止結果は、同一の奇数の数字または同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせとなるとともに、当否抽選モードは、高確率モードに移行し、開閉実行モード用の演出は、演出Cまたは演出Dとなる。具体的には、停止結果が同一の奇数の数字を有する図柄の組み合わせとなった場合には、開閉実行モード用の演出は、演出Cとなり、停止結果が同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせとなった場合には、開閉実行モード用の演出は、演出Dとなる。
また、「低確結果」では、停止結果は、同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせとなるとともに、当否抽選モードは、低確率モードに移行し、開閉実行モード用の演出は、演出Dとなる。さらに、「最有利結果」および「低確結果」では、サポートモードは、高頻度サポートモードに移行する。
したがって、遊技者は、停止結果が同一の奇数の数字を有する図柄の組み合わせとなった場合には、遊技結果が「最有利結果」であることを把握することができる。しかしながら、遊技者は、停止結果が同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせとなった場合には、停止結果や、開閉実行モード用の演出を確認することによって、遊技結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであるかを把握することはできない。
そして、開閉実行モード終了後の遊技回では、開閉実行モード用の演出が最終的に演出Dであれば、図柄表示装置51は、高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示しない。
具体的には、図柄表示装置51は、高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示することなく、高頻度サポートモードは、遊技回が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合には低頻度サポートモードに移行することを報知する画像を表示画面Gに表示する。換言すれば、振分抽選において「最有利結果」となった場合であっても、図柄表示装置51は、開閉実行モード終了後の遊技回では、開閉実行モード用の演出が最終的に演出Dであれば、遊技結果が「低確結果」であったかのごとく偽装を施す。
そして、振分結果が「最有利結果」であった場合には、図柄表示装置51は、当否抽選において「大当たり当選」となることなく、100回の遊技回を消化した後に高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示する。換言すれば、図柄表示装置51は、遊技結果が「低確結果」であったかのごとく施していた偽装を解除する。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)上作動口36に入球した遊技球は、釘44bにて振り分けられることによって、左上作動口361および右上作動口362のいずれかに入球することになるので、上作動口36に遊技球が入球したときのパチンコ機10の挙動を多様化することができる。また、右上作動口362は、遊技球の入球に際して遊技者に高い価値を付与し、左上作動口361は、遊技球の入球に際して遊技者に右上作動口362にて付与される価値よりも低い価値を付与するので、遊技者は、遊技球の行方に注目することになる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(2)左上作動口361および右上作動口362は、遊技球の入球に際して同様の内部抽選を実行するので、パチンコ機10は、上作動口36への入球を契機とした内部抽選を実行することができる。
(3)パチンコ機10は、遊技球の入球に際して払い出される遊技球の数の差によって、左上作動口361および右上作動口362の価値の差を明確にすることができるので、上作動口36の構成を簡素にすることができる。
(4)パチンコ機10は、右上作動口362に多くの遊技球を振り分けるように釘44bを設定した場合には、左上作動口361に多くの遊技球を振り分けるように釘44bを設定した場合と比較して、上作動口36への遊技球の入球に際して遊技者に付与する価値を増加させることができる。また、パチンコ機10は、左上作動口361に多くの遊技球を振り分けるように釘44bを設定した場合には、右上作動口362に多くの遊技球を振り分けるように釘44bを設定した場合と比較して、上作動口36への遊技球の入球に際して遊技者に付与する価値を減少させることができる。換言すれば、パチンコ機10は、左上作動口361に遊技球を振り分けて入球させる割合と、右上作動口362に遊技球を振り分けて入球させる割合とを釘44bにて設定することによって、上作動口36への遊技球の入球に際して遊技者に付与する価値を増減させて調整することができる。
(5)釘44bは、第1の状態と、第2の状態とを設定可能に構成されることによって、左上作動口361に遊技球を振り分けて入球させる割合と、右上作動口362に遊技球を振り分けて入球させる割合とを同時に設定することができる。したがって、本発明のパチンコ機10によれば、振分手段の構成を簡素にすることができる。
(6)上作動口36は、側壁部363Aおよび側壁部364Aを備えるので、上作動口36に入球した遊技球は、側壁部363Aおよび側壁部364Aにて釘44bに案内される。したがって、パチンコ機10は、上作動口36に入球した遊技球を左上作動口361および右上作動口362のいずれかに確実に振り分けて入球させることができる。
(7)側壁部363Aの内壁および側壁部364Aの内壁は、凹凸面状に形成されているので、遊技球は、側壁部363Aおよび側壁部364Aの間を通るときに側壁部363Aの内壁および側壁部364Aの内壁に形成された凹凸に接触し、その流下方向は様々に変化する。したがって、パチンコ機10は、上作動口36に入球した遊技球を側壁部363Aおよび側壁部364Aにて釘44bに案内する際に遊技球の流下方向に変化を付与することができるので、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
(8)上作動口36は、湾曲壁部363Bおよび湾曲壁部364Bを備えるので、釘44bにて振り分けられた遊技球は、左上作動口361および右上作動口362のいずれかに確実に案内される。したがって、パチンコ機10は、上作動口36に入球した遊技球を左上作動口361および右上作動口362のいずれかに確実に振り分けて入球させることができる。
(9)湾曲壁部363Bおよび湾曲壁部364Bは、それぞれ個別の部材として形成されるとともに、釘44bを挟んで対称となるように遊技盤31に取り付けられるので、湾曲壁部363Bおよび湾曲壁部364Bを同一形状の部材とすることができ、ひいては上作動口36の製造コストを低減することができる。
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本実施形態では、上作動口36は、側壁部363Aおよび側壁部364Aを備え、側壁部363Aおよび側壁部364Aは、上作動口36に入球した遊技球を釘44bに案内する振分案内部として機能していた。これに対して、振分案内部は、側壁部363Aおよび側壁部364Aを備えた構成とは異なる構成であってもよい。要するに、振分案内部は、入球手段に入球した遊技球を振分手段に案内することができれば、どのような構成であってもよい。この点については、他の実施形態においても同様である。
図24は、振分案内部の他の態様を示す図である。
上作動口36Xは、図24に示すように、左側の開口部に設けられた左上作動口361と、右側の開口部に設けられた右上作動口362とを有している。また、上作動口36Xは、左上作動口361および右上作動口362の上方に植設されるとともに、左右方向に沿って遊技球1個分よりも広い間隔を隔てて植設された2本の釘44aと、この2本の釘44aの下方に植設されるとともに、左右方向に沿って2本の釘44aの間隔よりも広い間隔を隔てて2列に植設された6本の釘44xと、左上作動口361および右上作動口362の間に植設された1本の釘44bと、釘44bの左側に取り付けられた左上作動口ユニット363Xと、釘44bの右側に取り付けられた右上作動口ユニット364Xとを有している。
左上作動口ユニット363Xは、6本の釘44xのうち左側の3本の釘44xの下方に位置するとともに、この左側の3本の釘44xの下方から釘44bにかけて左下方向に膨出するように湾曲して延在している。
右上作動口ユニット364Xは、6本の釘44xのうち右側の3本の釘44xの下方に位置するとともに、この右側の3本の釘44xの下方から釘44bにかけて右下方向に膨出するように湾曲して延在している。
ここで、左上作動口ユニット363Xおよび右上作動口ユニット364Xは、釘44bを挟んで左右対称となるように遊技盤31に取り付けられている。換言すれば、左上作動口ユニット363Xおよび右上作動口ユニット364Xは、それぞれ個別の部材として形成されるとともに、釘44bを挟んで左右対称となるように遊技盤31に取り付けられている。
2本の釘44aの間を通過して上作動口36Xに入球した遊技球は、6本の釘44xの間を通って、釘44bに向かって落下する。換言すれば、6本の釘44xの左右方向の間隔は、遊技球1個分よりも広くなるように設定されている。
したがって、本変形例では、6本の釘44xのうち左側の3本の釘44xは、遊技領域を流下する遊技球の流下方向に沿って直線状に延在する側壁部として機能する。また、6本の釘44xのうち右側の3本の釘44xは、遊技領域を流下する遊技球の流下方向に沿って直線状に延在する側壁部として機能する。そして、各側壁部は、複数の釘44xを配設することによって形成されるとともに、自己の延在方向と直交する方向に沿って遊技球1個分よりも広い間隔となるように配設されているので、6本の釘44xは、上作動口36Xに入球した遊技球を釘44bに案内する振分案内部として機能する。
ここで、遊技球は、6本の釘44xの間を通るときに6本の釘44xに接触し、その流下方向は様々に変化する。
したがって、2本の釘44aの間を通過して上作動口36Xに入球した遊技球が釘44bの右側を通過しやすくなるように6本の釘44xを設定することによって、6本の釘44xは、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合を高くするとともに、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合を低くすることができる。
また、2本の釘44aの間を通過して上作動口36Xに入球した遊技球が釘44bの左側を通過しやすくなるように6本の釘44xを設定することによって、6本の釘44xは、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合を高くするとともに、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合を低くすることができる。
換言すれば、6本の釘44xは、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合とを設定可能に構成されている。
そして、釘44bは、この遊技球を左上作動口361または右上作動口362のいずれかに振り分けて入球させる振分手段として機能する。
具体的には、釘44bの左側を通過した遊技球は、左上作動口361に向かって落下し、左上作動口ユニット363Xに案内されることによって、左上作動口361に入球することになる。また、釘44bの右側を通過した遊技球は、右上作動口362に向かって落下し、右上作動口ユニット364Xに案内されることによって、右上作動口362に入球することになる。換言すれば、本変形例では、左上作動口ユニット363Xは、釘44bにて左上作動口361に振り分けられた遊技球を左上作動口361に案内する低価値案内部として機能し、右上作動口ユニット364Xは、釘44bにて右上作動口362に振り分けられた遊技球を右上作動口362に案内する高価値案内部として機能する。
これによれば、6本の釘44xは、2つの側壁部を有しているので、上作動口36Xに入球した遊技球は、各側壁部の間を通って、釘44bに案内される。そして、各側壁部は、複数の釘44xを配設することによって形成されているので、遊技球は、各側壁部の間を通るときに各側壁部を形成する複数の釘44xに接触し、その流下方向は様々に変化する。したがって、本変形例によれば、パチンコ機10は、上作動口36Xに入球した遊技球を6本の釘44xにて釘44bに案内する際に遊技球の流下方向に変化を付与することができるので、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
また、本変形例によれば、パチンコ機10は、6本の釘44xと、釘44bとをそれぞれ独立して設定することによって、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合とを設定することができる。したがって、パチンコ機10は、釘44bのみを設定することによって、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合とを設定する場合と比較して上作動口36Xに入球した遊技球の流下方向に多様な変化を付与することができる。
なお、本変形例では、パチンコ機10は、6本の釘44xを設定することによって、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合とを設定することができるので、釘44bを有していなくてもよい。
また、例えば、本実施形態では、上作動口36は、湾曲壁部363Bおよび湾曲壁部364Bを備え、湾曲壁部363Bおよび湾曲壁部364Bは、それぞれ個別の部材として形成されるとともに、釘44bを挟んで対称となるように遊技盤31に取り付けられていた。これに対して、湾曲壁部363Bおよび湾曲壁部364Bは、それぞれ個別の部材として形成されていなくてもよい。この点については、他の実施形態においても同様である。
図25は、上作動口の他の態様を示す図である。
上作動口36Yは、図25に示すように、左側の開口部に設けられた左上作動口361と、右側の開口部に設けられた右上作動口362とを有している。また、上作動口36は、左上作動口361および右上作動口362の上方に植設されるとともに、左右方向に沿って遊技球1個分よりも広い間隔を隔てて植設された2本の釘44aと、左上作動口361および右上作動口362の間に植設された1本の釘44bと、釘44bの左側に取り付けられた左上作動口ユニット363と、釘44bの右側に取り付けられた右上作動口ユニット364と、左上作動口ユニット363および右上作動口ユニット364を接続する接続部365とを有している。
左上作動口ユニット363は、釘44aのうち左側の釘44aの下方に位置するとともに、上下方向に沿って直線状に延在する側壁部363Aと、この側壁部363Aの下端から釘44bにかけて左下方向に膨出するように湾曲して延在する湾曲壁部363Bとを有している。
右上作動口ユニット364は、釘44aのうち右側の釘44aの下方に位置するとともに、上下方向に沿って直線状に延在する側壁部364Aと、この側壁部364Aの下端から釘44bにかけて右下方向に膨出するように湾曲して延在する湾曲壁部364Bとを有している。
接続部365は、湾曲壁部363Bの釘44b側の端部と、湾曲壁部364Bの釘44b側の端部とを接続している。また、釘44bは、接続部365に取り付けられている。換言すれば、左上作動口ユニット363、右上作動口ユニット364、接続部365、および釘44bは、一体の部材として形成されるとともに、遊技盤31に取り付けられている。
図26は、上作動口の断面を示す図である。具体的には、図26は、接続部365および釘44bの断面を示す図であり、右上作動口ユニット364側から図25のCC断面を見た図である。
接続部365は、図25および図26に示すように、矩形板状に形成されている。また、その厚さ(遊技盤31から見た高さ)は、左上作動口ユニット363および右上作動口ユニット364の高さよりも低く設定されている。さらに、接続部365は、その中央部位に形成されるとともに、釘44bの外径よりも僅かに小さい内径を有する断面円形の穴を有している。そして、釘44bは、この穴の内部に挿入されることによって、接続部365に取り付けられている。
これによれば、湾曲壁部363Bおよび湾曲壁部364Bは、釘44bとともに遊技盤31に取り付けられるので、左上作動口ユニット363、右上作動口ユニット364、接続部365、および釘44bを容易に取り付けることができる。したがって、本変形例によれば、上作動口36Yは、遊技盤31に容易に取り付けることができる。
また、例えば、本実施形態では、右上作動口362は、遊技球の入球に際して内部抽選を実行し、左上作動口361は、右上作動口362にて実行される内部抽選と同様の内部抽選を遊技球の入球に際して実行していた。これに対して、低価値入球部および高価値入球部は、遊技球の入球に際して内部抽選を実行しなくてもよい。この点については、後述の第3実施形態および第4実施形態においても同様である。
図27は、上作動口の他の態様を示す図である。
本実施形態では、上作動口36は、左上作動口361と、右上作動口362とを有していた。
これに対して、本変形例では、上作動口36Zは、図27に示すように、左上作動口361と、右上作動口362と、上作動口ゲート36Z1とを有し、左上作動口361および右上作動口362は、遊技球の入球に際して内部抽選を実行しない点で異なる。
具体的には、上作動口36Zは、左側の開口部に設けられた左上作動口361と、右側の開口部に設けられた右上作動口362とを有している。また、上作動口36Zは、左上作動口361および右上作動口362の上方に植設されるとともに、左右方向に沿って遊技球1個分よりも広い間隔を隔てて植設された2本の釘44aと、左上作動口361および右上作動口362の間に植設された1本の釘44bと、釘44bの左側に取り付けられた左上作動口ユニット363と、釘44bの右側に取り付けられた右上作動口ユニット364とを有している。さらに、上作動口36Zは、2本の釘44aの下方に設けられた上作動口ゲート36Z1を有している。
上作動口ゲート36Z1は、左上作動口ユニット363の側壁部363Aと、右上作動口ユニット364の側壁部364Aとの間を通って、釘44bに向かって落下する遊技球を検知する検知センサ50z(図28参照)を備えている。換言すれば、上作動口ゲート36Z1は、上作動口36Zへの入球を検知する。ここで、検知センサ50zは、遊技盤31の背面側に配設されている。したがって、本変形例では、上作動口ゲート36Z1は、入球手段への入球を検知する入球検知部として機能する。なお、パチンコ機10は、上作動口ゲート36Z1への入球が発生した場合には、各種入賞口への入球が発生した場合と異なり、賞球の払い出しを実行しない。
図28は、本変形例に係るパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
MPU62の入力ポートは、図28に示すように、主制御装置60に設けられた停電監視基板65と、複数の検知センサ50a〜50g,50zとに接続されている。
検知センサ50a〜50g,50zは、一般入賞口35、左上作動口361、右上作動口362、下作動口37、および可変入賞装置38の各種入賞口や、アウト口39や、各スルーゲート41や、上作動口ゲート36Z1に1対1で対応して設けられている。MPU62は、検知センサ50a〜50g,50zの検知結果に基づいて、各種入賞口や、アウト口39や、各スルーゲート41や、上作動口ゲート36Z1への入賞判定(入球判定)を行っている。なお、MPU62は、上作動口ゲート36Z1または下作動口37への入賞判定に基づいて、内部抽選を実行する。
また、本変形例では、主制御装置60は、本実施形態とは異なる処理を実行する。具体的には、本変形例では、タイマ割込み処理および作動口用の入賞処理は、本実施形態とは異なっている。以下、本変形例における各処理の内容について順を追って説明する。
<タイマ割込み処理>
図29は、タイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。
タイマ割込み処理では、MPU62は、本実施形態と略同様に、ステップS101Z〜S105を定期的に(例えば、2msec周期で)実行する。なお、本変形例では、MPU62は、図29に示すように、ステップS101Zの読み込み処理を実行した後、その他のステップを本実施形態と同様に実行する。
ステップS101Zでは、MPU62は、複数の検知センサ50a〜50g,50zの読み込み処理を実行する。この読み込み処理では、MPU62は、複数の検知センサ50a〜50g,50zの状態を読み込み、その状態を判定して入賞検知情報としてRAM64に保存する。MPU62は、各種入賞口に対応した検知センサ50a〜50eが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、賞球の払い出し指示を行うための賞球コマンドを設定し、この設定したコマンドを払出制御装置70に送信する。例えば、MPU62は、左上作動口361に対応した検知センサ50bが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、3個の賞球を指示するための賞球コマンドを払出制御装置70に送信し、右上作動口362に対応した検知センサ50cが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、3個の賞球を指示するための賞球コマンドを払出制御装置70に送信する。また、MPU62は、可変入賞装置38に対応した検知センサ50eが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、特定単位個数である15個の賞球を指示するための賞球コマンドを払出制御装置70に送信する。
なお、払出制御装置70は、MPU62から送信される賞球コマンドに基づいて、払出装置71に賞球の払い出しを実行させる払出制御を行う。
<作動口用の入賞処理>
図30は、作動口用の入賞処理のフローチャートを示す図である。
作動口用の入賞処理では、MPU62は、本実施形態と略同様に、ステップS201Z〜S208を実行する。なお、本変形例では、MPU62は、図30に示すように、本実施形態のステップS201,S202に代えてステップS201Zを実行し、その他のステップを本実施形態と同様に実行する。
ステップS201Zでは、上作動口ゲート36Z1に対応した検知センサ50zが遊技球の入賞を検知したか否かを判定することによって、上作動口36Zに遊技球が入賞(始動入賞)したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS201Zにて上作動口36Zに遊技球が入賞したと判定した場合には、ステップS202において、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留個数を把握し、その保留個数を第1始動保留記憶数RaNとして第1結果表示部用保留エリアRaにおける所定の記憶エリアにセットする。その後、MPU62は、本実施形態と同様に、ステップS206以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS201Zにて上作動口36Zに遊技球が入賞していないと判定した場合には、ステップS204において、下作動口37に対応した検知センサ50dが遊技球の入賞を検知したか否かを判定することによって、下作動口37に遊技球が入賞(始動入賞)したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS204にて下作動口37に遊技球が入賞していないと判定した場合には、作動口用の入賞処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS204にて下作動口37に遊技球が入賞したと判定した場合には、ステップS205において、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留個数を把握し、その保留個数を第2始動保留記憶数RbNとして第2結果表示部用保留エリアRbにおける所定の記憶エリアにセットする。その後、MPU62は、本実施形態と同様に、ステップS206以降の処理を実行する。
このように、本変形例では、上作動口ゲート36Z1は、遊技球の入球に際して内部抽選を実行するので、パチンコ機10は、上作動口36Zへの入球を契機とした内部抽選を実行することができる。また、上作動口36Zに入球した遊技球の振り分け先(左上作動口361または右上作動口362)に関わらず、同様の内部抽選を実行することができる。したがって、本変形例によれば、入球手段の構成を簡素にすることができる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図31は、本発明の第2実施形態に係る上作動口を拡大した図である。
前記第1実施形態では、遊技盤31は、上作動口36を備え、この上作動口36は、左上作動口361と、右上作動口362とを有していた。
これに対して、本実施形態では、遊技盤31は、図31に示すように、上作動口36Aを備え、この上作動口36Aは、左上作動口361と、右上作動口366とを有し、パチンコ機10は、左上作動口361への入賞を契機とした内部抽選とは異なる内部抽選を右上作動口366への入賞に基づいて実行する点で異なる。
具体的には、上作動口36Aは、左側の開口部に設けられた左上作動口361と、右側の開口部に設けられた右上作動口366とを有している。また、上作動口36Aは、左上作動口361および右上作動口366の上方に植設されるとともに、左右方向に沿って遊技球1個分よりも広い間隔を隔てて植設された2本の釘44aと、左上作動口361および右上作動口366の間に植設された1本の釘44bと、釘44bの左側に取り付けられた左上作動口ユニット363と、釘44bの右側に取り付けられた右上作動口ユニット364とを有している。
左上作動口ユニット363は、釘44aのうち左側の釘44aの下方に位置するとともに、上下方向に沿って直線状に延在する側壁部363Aと、この側壁部363Aの下端から釘44bにかけて左下方向に膨出するように湾曲して延在する湾曲壁部363Bとを有している。
右上作動口ユニット364は、釘44aのうち右側の釘44aの下方に位置するとともに、上下方向に沿って直線状に延在する側壁部364Aと、この側壁部364Aの下端から釘44bにかけて右下方向に膨出するように湾曲して延在する湾曲壁部364Bとを有している。
ここで、左上作動口ユニット363および右上作動口ユニット364は、釘44bを挟んで左右対称となるように遊技盤31に取り付けられている。換言すれば、湾曲壁部363Bおよび湾曲壁部364Bは、それぞれ個別の部材として形成されるとともに、釘44bを挟んで左右対称となるように遊技盤31に取り付けられている。
なお、本実施形態では、湾曲壁部363Bおよび湾曲壁部364Bは、釘44bを挟んで左右対称となるように遊技盤31に取り付けられているが、左右対称となるように遊技盤31に取り付けられていなくてもよい。
2本の釘44aの間を通過して上作動口36Aに入球した遊技球は、左上作動口ユニット363の側壁部363Aと、右上作動口ユニット364の側壁部364Aとの間を通って、釘44bに向かって落下する。換言すれば、左上作動口ユニット363の側壁部363Aと、右上作動口ユニット364の側壁部364Aとの左右方向の間隔は、遊技球1個分よりも広くなるように設定されている。
したがって、本実施形態では、側壁部363Aおよび側壁部364Aは、上作動口36Aに入球した遊技球を釘44bに案内する振分案内部として機能し、遊技領域を流下する遊技球の流下方向に沿って直線状に延在するとともに、自己の延在方向と直交する方向に沿って遊技球1個分よりも広い間隔となるように配設されている。
ここで、側壁部363Aの内壁および側壁部364Aの内壁は、凹凸面状に形成されている。これによれば、遊技球は、側壁部363Aおよび側壁部364Aの間を通るときに側壁部363Aの内壁および側壁部364Aの内壁に形成された凹凸に接触し、その流下方向は様々に変化する。
なお、本実施形態では、側壁部363Aの内壁および側壁部364Aの内壁は、凹凸面状に形成されているが、凹凸面状に形成されていなくてもよく、例えば、平面状や湾曲面状などの他の形状に形成されていてもよい。
図32は、パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
前記第1実施形態では、右上作動口362は、遊技球の入球を検知する検知センサ50cを備えていた。
これに対して、本実施形態では、右上作動口366は、遊技球の入球を検知する検知センサ50hを備えている点で異なる。なお、検知センサ50hは、遊技盤31の背面側に配設されている。
パチンコ機10は、検知センサ50hの検知結果に基づいて、所定数の賞球の払い出しを実行する。なお、検知センサ50hは、遊技球の入賞を個別に検知できるものであれば、どのようなものであってもよく、例えば、電磁誘導型の近接センサなどを採用することができる。
具体的には、パチンコ機10は、右上作動口366への入球が発生した場合には、左上作動口361への入球が発生した場合と同様に3個の賞球の払い出しを実行する。したがって、本実施形態では、右上作動口366は、所定数の遊技球(3個)を遊技球の入球に際して払い出し、左上作動口361は、右上作動口366にて払い出される所定数の遊技球と同数の遊技球(3個)を遊技球の入球に際して払い出している。
ここで、パチンコ機10は、左上作動口361への入賞を契機とした内部抽選とは異なる内部抽選を右上作動口366への入賞に基づいて実行する。右上作動口366への入賞を契機とした内部抽選については後に詳述する。換言すれば、本実施形態では、遊技球の入球に際して払い出される遊技球の数の差に起因する左上作動口361および右上作動口366の価値の差はない。
本実施形態では、主制御装置60は、前記第1実施形態とは異なる処理を実行する。具体的には、本実施形態では、タイマ割込み処理および作動口用の入賞処理は、前記第1実施形態とは異なっている。以下、本実施形態における各処理の内容について順を追って説明する。
<タイマ割込み処理>
図33は、タイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。
タイマ割込み処理では、MPU62は、前記第1実施形態と略同様に、ステップS101A〜S105を定期的に(例えば、2msec周期で)実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、図33に示すように、ステップS101Aの読み込み処理を実行した後、その他のステップを前記第1実施形態と同様に実行する。
ステップS101Aでは、MPU62は、複数の検知センサ50a,50b,50d〜50hの読み込み処理を実行する。この読み込み処理では、MPU62は、複数の検知センサ50a,50b,50d〜50hの状態を読み込み、その状態を判定して入賞検知情報としてRAM64に保存する。MPU62は、各種入賞口に対応した検知センサ50a,50b,50d,50e,50hが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、賞球の払い出し指示を行うための賞球コマンドを設定し、この設定したコマンドを払出制御装置70に送信する。例えば、MPU62は、左上作動口361に対応した検知センサ50bが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、3個の賞球を指示するための賞球コマンドを払出制御装置70に送信し、右上作動口366に対応した検知センサ50hが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、3個の賞球を指示するための賞球コマンドを払出制御装置70に送信する。また、MPU62は、可変入賞装置38に対応した検知センサ50eが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、特定単位個数である15個の賞球を指示するための賞球コマンドを払出制御装置70に送信する。
なお、払出制御装置70は、MPU62から送信される賞球コマンドに基づいて、払出装置71に賞球の払い出しを実行させる払出制御を行う。
<作動口用の入賞処理>
図34は、作動口用の入賞処理のフローチャートを示す図である。
作動口用の入賞処理では、MPU62は、前記第1実施形態と略同様に、ステップS201〜S208を実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、図34に示すように、前記第1実施形態のステップS203に代えてステップS203Aを実行し、その他のステップを前記第1実施形態と同様に実行する。
ステップS201では、左上作動口361に対応した検知センサ50bが遊技球の入賞を検知したか否かを判定することによって、左上作動口361に遊技球が入賞(始動入賞)したか否かを判定する。MPU62は、ステップS201にて左上作動口361に遊技球が入賞したと判定した場合には、ステップS202において、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留個数を把握し、その保留個数を第1始動保留記憶数RaNとして第1結果表示部用保留エリアRaにおける所定の記憶エリアにセットする。その後、MPU62は、前記第1実施形態と同様に、ステップS206以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS201にて左上作動口361に遊技球が入賞していないと判定した場合には、ステップS203Aにおいて、右上作動口366に対応した検知センサ50hが遊技球の入賞を検知したか否かを判定することによって、右上作動口366に遊技球が入賞(始動入賞)したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS203Aにて右上作動口366に遊技球が入賞したと判定した場合には、ステップS205において、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留個数を把握し、その保留個数を第2始動保留記憶数RbNとして第2結果表示部用保留エリアRbにおける所定の記憶エリアにセットする。その後、MPU62は、前記第1実施形態と同様に、ステップS206以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS203Aにて右上作動口366に遊技球が入賞していないと判定した場合には、ステップS204において、下作動口37に対応した検知センサ50dが遊技球の入賞を検知したか否かを判定することによって、下作動口37に遊技球が入賞(始動入賞)したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS204にて下作動口37に遊技球が入賞していないと判定した場合には、作動口用の入賞処理を終了する。また、MPU62は、ステップS204にて下作動口37に遊技球が入賞したと判定した場合には、前述したステップS205以降の処理を実行する。
なお、MPU62は、ステップS203Aにて右上作動口366に遊技球が入賞したと判定した場合には、ステップS205において、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留個数を把握し、その保留個数を第2始動保留記憶数RbNとして第2結果表示部用保留エリアRbにおける所定の記憶エリアにセットするので、上作動口36Aへの遊技球の入賞は、第1結果表示部用保留エリアRaの4つの記憶エリアと、第2結果表示部用保留エリアRbの4つの記憶エリアとを合わせて最大8個まで保留されるようになっている。
このように、パチンコ機10は、左上作動口361への入賞を契機とした内部抽選とは異なる内部抽選を右上作動口366への入賞に基づいて実行する。具体的には、パチンコ機10は、下作動口37への入賞を契機とした内部抽選と同様の内部抽選を右上作動口366への入賞に基づいて実行する。
ここで、前述したように、左上作動口361への入賞に基づく大当たり種別カウンタC2の値に対して大当たりの種別の抽選を行う場合に参照される第1振分テーブルと、右上作動口366への入賞に基づく大当たり種別カウンタC2の値に対して大当たりの種別の抽選を行う場合に参照される第2振分テーブルとを比較すると、第2振分テーブルは、第1振分テーブルよりも遊技者に高い価値を付与している。具体的には、第2振分テーブルは、振分結果が「最有利結果」となりやすく第1振分テーブルにて遊技者に付与される価値よりも高い価値を遊技者に付与している。
したがって、本実施形態では、右上作動口366は、内部抽選を遊技球の入球に際して実行するとともに、所定数の遊技球(3個)の遊技球を払い出すことによって、遊技者に高い価値を付与する高価値入球部として機能する。具体的には、右上作動口366は、所定の期待度を有する内部抽選を遊技球の入球に際して実行することによって、遊技者に高い価値を付与している。
また、本実施形態では、左上作動口361は、右上作動口366への入賞を契機とした内部抽選にて付与される価値よりも低い価値を付与する内部抽選を遊技球の入球に際して実行するとともに、所定数の遊技球(3個)を払い出すことによって、遊技者に右上作動口366にて付与される価値よりも低い価値を付与する低価値入球部として機能する。具体的には、左上作動口361は、右上作動口366への入球を契機とした内部抽選の期待度よりも低い期待度を有する内部抽選を遊技球の入球に際して実行することによって、遊技者に右上作動口366にて付与される価値よりも低い価値を付与している。
ここで、内部抽選の結果の期待度とは、当否抽選において「大当たり当選」となった場合に払い出される遊技球の数の期待値をいうものとする。
換言すれば、右上作動口366は、遊技球の入球に際して第2振分テーブルを参照することによって内部抽選を実行し、左上作動口361は、遊技球の入球に際して第2振分テーブルにて付与される価値よりも低い価値を付与する第1振分テーブルを参照することによって内部抽選を実行している。
なお、本実施形態では、左上作動口361および右上作動口366は、遊技球の入球に際して払い出される遊技球の数を同一(3個)としていた。これに対して、高価値入球部および低価値入球部は、遊技球の入球に際して払い出される遊技球の数を相違させてもよい。要するに、高価値入球部は、遊技球の入球に際して内部抽選を実行するとともに、遊技者に高い価値を付与し、低価値入球部は、高価値入球部への入球を契機とした内部抽選にて付与される価値よりも低い価値を付与する内部抽選を遊技球の入球に際して実行することによって、遊技者に高価値入球部にて付与される価値よりも低い価値を付与すればよい。
また、本実施形態では、右上作動口366および下作動口37は、遊技球の入球に際して同様の内部抽選を実行するとともに、払い出される遊技球の数を同一(3個)としていた。これに対して、右上作動口366および下作動口37は、遊技球の入球に際して払い出される遊技球の数を相違させてもよい。これによれば、パチンコ機10は、第2振分テーブルを参照することによって内部抽選を実行する2つの作動口366,37を備えているので、遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する内部抽選(第2振分テーブルに基づく内部抽選)の実行回数と、遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する遊技球の払い出しとを独立して調整することができる。
具体的には、例えば、右上作動口366への遊技球の入球に際して払い出される遊技球の数を5個とし、下作動口37への遊技球の入球に際して払い出される遊技球の数を3個とした場合において、右上作動口366に遊技球が入球しやすく、下作動口37に遊技球が入球しにくいようにすることによって、遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する内部抽選の実行回数を変えることなく、賞球数の期待値を増加させることができる。
また、例えば、この場合において、右上作動口366に遊技球が入球しにくく、下作動口37に遊技球が入球しやすいようにすることによって、遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する内部抽選の実行回数を変えることなく、賞球数の期待値を減少させることができる。
そして、釘44bは、この遊技球を左上作動口361または右上作動口366のいずれかに振り分けて入球させる振分手段として機能する。
具体的には、釘44bの左側を通過した遊技球は、左上作動口361に向かって落下し、左上作動口ユニット363の湾曲壁部363Bに案内されることによって、左上作動口361に入球することになる。また、釘44bの右側を通過した遊技球は、右上作動口366に向かって落下し、右上作動口ユニット364の湾曲壁部364Bに案内されることによって、右上作動口366に入球することになる。
したがって、釘44bに向かって落下してきた遊技球が釘44bの右側を通過しやすくなるように釘44bを設定することによって、釘44bは、遊技球を右上作動口366に振り分けて入球させる割合を高くするとともに、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合を低くすることができる(第1の状態)。
また、釘44bに向かって落下してきた遊技球が釘44bの左側を通過しやすくなるように釘44bを設定することによって、釘44bは、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合を高くするとともに、遊技球を右上作動口366に振り分けて入球させる割合を低くすることができる(第2の状態)。
換言すれば、釘44bは、第1の状態と、第2の状態とを設定可能に構成されることによって、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口366に振り分けて入球させる割合とを同時に設定可能に構成されている。
なお、遊技場の管理者は、前述した前扉枠13を前方へ回動させて開放することによって、容易に釘44bを設定することができる。
なお、本実施形態では、振分手段は、1本の釘44bによって遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口366に振り分けて入球させる割合とを同時に設定可能に構成されていた。これに対して、振分手段は、複数の要素によって遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口366に振り分けて入球させる割合とを別々に設定可能に構成されていてもよい。
具体的には、例えば、振分手段は、釘44bに代えて2本の釘を利用することによって、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口366に振り分けて入球させる割合とを別々に設定可能に構成してもよい。これによれば、一方の釘を設定することによって、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合を設定することができ、他方の釘を設定することによって、遊技球を右上作動口366に振り分けて入球させる割合を設定することができる。
しかしながら、このような構成において、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口366に振り分けて入球させる割合とをともに低く設定した場合には、2本の釘の間隔は広くなってしまうことになる。このような場合には、遊技球は、2本の釘の上に乗ってしまって左上作動口361および右上作動口366のいずれにも入球しなくなってしまうことになるので、振分手段は、1本の釘44bによって遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口366に振り分けて入球させる割合とを同時に設定可能に構成されることが好ましい。
また、本実施形態では、釘44bは、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口366に振り分けて入球させる割合とを設定可能に構成されていたが、これらの割合を設定不可能に構成されていてもよい。例えば、これらの割合を設定不可能に構成された役物などを釘44bに代えて振分手段として採用してもよい。要するに、振分手段は、2本の釘44aの間を通過して上作動口36に入球した遊技球を左上作動口361または右上作動口366のいずれかに振り分けて入球させることができればよい。
ここで、釘44bを第1の状態に設定した場合には、釘44bは、遊技球を右上作動口366に振り分けて入球させる割合を高くするとともに、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合を低くすることができるので、2本の釘44aの間を通過した遊技球に基づく内部抽選の結果は「最有利結果」となりやすく遊技者にとって有利になる。換言すれば、釘44bは、第1の状態に設定することによって、パチンコ機10は、内部抽選の結果の期待度を増加させることができる。
また、前述したように、釘44bを第2の状態に設定した場合には、釘44bは、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合を高くするとともに、遊技球を右上作動口366に振り分けて入球させる割合を低くすることができるので、2本の釘44aの間を通過した遊技球に基づく内部抽選の結果は「最有利結果」となりにくく遊技者にとって不利になる。換言すれば、釘44bは、第2の状態に設定することによって、パチンコ機10は、内部抽選の結果の期待度を減少させることができる。
換言すれば、釘44bは、第1の状態と、第2の状態とを設定可能に構成されることによって、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口366に振り分けて入球させる割合とを同時に設定可能に構成されているので、2本の釘44aの間を通過した遊技球に基づく内部抽選の結果の期待度を増減させることができる。
ここで、釘44bは、その傾斜の状態を設定することによって、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口366に振り分けて入球させる割合とを無段階に設定することができるので、2本の釘44aの間を通過した遊技球に基づく内部抽選の結果の期待度も無段階に設定することができる。
ところで、従来の遊技機は、1つの上作動口を備え、この上作動口は、その上方に植設されるとともに、左右方向に沿って遊技球1個分よりも広い間隔を隔てて植設された2本の釘を有していた。そして、2本の釘の間を通過した遊技球は、そのまま上作動口に入球していた。遊技機は、上作動口に遊技球が入球することによって、所定数の遊技球を払い出すとともに、大当たり抽選などの内部抽選を実行しているので、上作動口に遊技球が入球したときの遊技機の挙動は単調になってしまっていた。
具体的には、2本の釘の間隔を設定することによって、上作動口に遊技球が入球しやすいようにした場合には、遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する内部抽選の実行回数は増加し、遊技球の払い出しは増加する。これに対して、2本の釘の間隔を設定することによって、上作動口に遊技球が入球しにくいようにした場合には、遊技領域に発射された一定数の遊技球の数に対する内部抽選の実行回数は減少し、遊技球の払い出しは減少する。
しかしながら、本実施形態のパチンコ機10では、前述したように、釘44bは、第1の状態と、第2の状態とを設定可能に構成されることによって、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口366に振り分けて入球させる割合とを同時に設定可能に構成されているので、2本の釘44aの間を通過した遊技球に基づく内部抽選の結果の期待度を増減させることができる。
これによれば、例えば、2本の釘44aの間隔を設定することによって、上作動口36Aに遊技球が入球しやすいようにして遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する内部抽選の実行回数を増加させた場合において、釘44bを第1の状態に設定して内部抽選の結果の期待度を増加させたり、釘44bを第2の状態に設定して内部抽選の結果の期待度を減少させたりすることができる。
また、例えば、2本の釘44aの間隔を設定することによって、上作動口36Aに遊技球が入球しにくいようにして遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する内部抽選の実行回数を減少させた場合において、釘44bを第1の状態に設定して内部抽選の結果の期待度を増加させたり、釘44bを第2の状態に設定して内部抽選の結果の期待度を減少させたりすることができる。
換言すれば、パチンコ機10は、遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する内部抽選の実行回数と、遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する内部抽選の結果の期待度とを独立して調整可能に構成されている。
なお、本実施形態では、上作動口36Aは、左上作動口361および右上作動口366の上方に植設されるとともに、左右方向に沿って遊技球1個分よりも広い間隔を隔てて植設された2本の釘44aを有しているが、2本の釘44aを有していなくてもよい。この場合には、遊技球は、左上作動口ユニット363の側壁部363Aと、右上作動口ユニット364の側壁部364Aとの間に入球し、これらの間を通って、釘44bに向かって落下することになる。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)上作動口36Aに入球した遊技球は、釘44bにて振り分けられることによって、左上作動口361および右上作動口366のいずれかに入球することになるので、上作動口36Aに遊技球が入球したときのパチンコ機10の内部抽選を多様化することができる。また、右上作動口366は、遊技球の入球に際して遊技者に高い価値を付与し、左上作動口361は、遊技球の入球に際して遊技者に右上作動口366にて付与される価値よりも低い価値を付与するので、遊技者は、遊技球の行方に注目することになる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(2)パチンコ機10は、遊技球の入球に際して実行される内部抽選の期待度の差によって、左上作動口361および右上作動口366の価値の差を明確にすることができるので、上作動口36Aの構成を簡素にすることができる。
(3)パチンコ機10は、遊技球の入球に際して払い出される遊技球の数の差に起因する左上作動口361および右上作動口366の価値の差はないので、遊技球の入球に際して実行される内部抽選の差に起因する左上作動口361および右上作動口366の価値の差のみとすることができる。したがって、本発明のパチンコ機10によれば、遊技者は、左上作動口361および右上作動口366の価値の差を容易に把握することができる。
(4)パチンコ機10は、右上作動口366に多くの遊技球を振り分けるように釘44bを設定した場合には、左上作動口361に多くの遊技球を振り分けるように釘44bを設定した場合と比較して、上作動口36Aへの遊技球の入球に際して遊技者に付与する価値を増加させることができる。また、パチンコ機10は、左上作動口361に多くの遊技球を振り分けるように釘44bを設定した場合には、右上作動口366に多くの遊技球を振り分けるように釘44bを設定した場合と比較して、上作動口36Aへの遊技球の入球に際して遊技者に付与する価値を減少させることができる。換言すれば、パチンコ機10は、左上作動口361に遊技球を振り分けて入球させる割合と、右上作動口366に遊技球を振り分けて入球させる割合とを釘44bにて設定することによって、上作動口36Aへの遊技球の入球に際して遊技者に付与する価値を増減させて調整することができる。
(5)釘44bは、第1の状態と、第2の状態とを設定可能に構成されることによって、左上作動口361に遊技球を振り分けて入球させる割合と、右上作動口366に遊技球を振り分けて入球させる割合とを同時に設定することができる。したがって、本発明のパチンコ機10によれば、釘44bの構成を簡素にすることができる。
(6)上作動口36Aは、側壁部363Aおよび側壁部364Aを備えるので、上作動口36Aに入球した遊技球は、側壁部363Aおよび側壁部364Aにて釘44bに案内される。したがって、パチンコ機10は、上作動口36Aに入球した遊技球を左上作動口361および右上作動口366のいずれかに確実に振り分けて入球させることができる。
(7)側壁部363Aの内壁および側壁部364Aの内壁は、凹凸面状に形成されているので、遊技球は、側壁部363Aおよび側壁部364Aの間を通るときに側壁部363Aの内壁および側壁部364Aの内壁に形成された凹凸に接触し、その流下方向は様々に変化する。したがって、パチンコ機10は、上作動口36Aに入球した遊技球を側壁部363Aおよび側壁部364Aにて釘44bに案内する際に遊技球の流下方向に変化を付与することができるので、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
(8)上作動口36Aは、湾曲壁部363Bおよび湾曲壁部364Bを備えるので、釘44bにて振り分けられた遊技球は、左上作動口361および右上作動口366のいずれかに確実に案内される。したがって、パチンコ機10は、上作動口36Aに入球した遊技球を左上作動口361および右上作動口366のいずれかに確実に振り分けて入球させることができる。
(9)湾曲壁部363Bおよび湾曲壁部364Bは、それぞれ個別の部材として形成されるとともに、釘44bを挟んで対称となるように遊技盤31に取り付けられるので、湾曲壁部363Bおよび湾曲壁部364Bを同一形状の部材とすることができ、ひいては上作動口36Aの製造コストを低減することができる。
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本実施形態では、右上作動口366は、第2振分テーブルを参照することによって、遊技球の入球に際して内部抽選を実行し、左上作動口361は、第2振分テーブルにて付与される価値よりも低い価値を付与する第1振分テーブルを参照することによって、遊技球の入球に際して内部抽選を実行していた。これに対して、左上作動口361および右上作動口366は、これとは異なる構成であってもよい。要するに、高価値入球部は、所定の期待度を有する内部抽選を遊技球の入球に際して実行することによって、遊技者に高い価値を付与し、低価値入球部は、高価値入球部への入球を契機とした内部抽選の期待度よりも低い期待度を有する内部抽選を遊技球の入球に際して実行することによって、遊技者に高価値入球部にて付与される価値よりも低い価値を付与すればよい。
例えば、右上作動口366は、高確率モード用の当否テーブルを参照することによって、遊技球の入球に際して内部抽選を実行し、左上作動口361は、高確率モード用の当否テーブルにて付与される価値よりも低い価値を付与する低確率モード用の当否テーブルを参照することによって、遊技球の入球に際して内部抽選を実行してもよい。
また、例えば、右上作動口366は、遊技球の入球に際して内部抽選を実行するとともに、この内部抽選に当選した場合(例えば、振分結果が「最有利結果」である場合)に移行する開閉実行モードにて所定回数(例えば、15回)のラウンド遊技を実行し、左上作動口361は、遊技球の入球に際して内部抽選を実行するとともに、この内部抽選に当選した場合(例えば、振分結果が「最有利結果」である場合)に移行する開閉実行モードにて右上作動口366にて実行される所定回数のラウンド遊技よりも少ない回数(例えば、12回)のラウンド遊技を実行してもよい。
また、本実施形態では、右上作動口366は、所定の期待度を有する内部抽選を遊技球の入球に際して実行することによって、遊技者に高い価値を付与し、左上作動口361は、右上作動口366への入球を契機とした内部抽選の期待度よりも低い期待度を有する内部抽選を遊技球の入球に際して実行することによって、遊技者に右上作動口366にて付与される価値よりも低い価値を付与していた。これに対して、例えば、高価値入球部は、遊技球の入球に際して遊技者に有用な情報を付与することによって、遊技者に高い価値を付与し、低価値入球部は、遊技球の入球に際して遊技者に有用な情報を付与しないこと、または高価値入球部にて付与される情報よりも有用でない情報を付与することによって、遊技者に高価値入球部にて付与される価値よりも低い価値を付与してもよい。要するに、高価値入球部は、遊技球の入球に際して遊技者に高い価値を付与し、低価値入球部は、遊技球の入球に際して遊技者に高価値入球部にて付与される価値よりも低い価値を付与することができればよい。
具体的には、例えば、右上作動口366は、振分結果が「最有利結果」または「低確結果」である場合に移行した開閉実行モードの終了後100回の遊技回を消化するまでの期間において、遊技球の入球に際して振分結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであったかを遊技者に報知するか否かの内部抽選を当否抽選および振分抽選とは別に実行し、この内部抽選に当選した場合に偽装を解除するように構成してもよい。
また、例えば、右上作動口366は、遊技結果が「特別外れ結果」または「非明示少ラウンド高確結果」である場合に移行した開閉実行モードの終了後において、遊技球の入球に際して振分結果が「特別外れ結果」および「非明示少ラウンド高確結果」のいずれであったかを遊技者に報知するか否かの内部抽選を当否抽選および振分抽選とは別に実行し、この内部抽選に当選した場合に偽装を解除するように構成してもよい。
これによれば、右上作動口366は、遊技球の入球に際して遊技者に高い価値を付与し、左上作動口361は、遊技球の入球に際して遊技者に右上作動口366にて付与される価値よりも低い価値を付与するので、遊技者は、遊技球の行方に注目することになる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
〔第3実施形態〕
以下、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図35は、本発明の第3実施形態に係る上作動口を拡大した図である。
前記第1実施形態では、遊技盤31は、上作動口36を備え、この上作動口36は、左上作動口361および右上作動口362の間に植設された1本の釘44bを有していた。
これに対して、本実施形態では、遊技盤31は、図35に示すように、上作動口36Bを備え、この上作動口36Bは、左上作動口361および右上作動口362の間に植設された1本の釘44bと、この釘44bに取り付けられた風車ユニット48とを有している点で異なる。
具体的には、上作動口36Bは、左側の開口部に設けられた左上作動口361と、右側の開口部に設けられた右上作動口362とを有している。また、上作動口36Bは、左上作動口361および右上作動口362の上方に植設されるとともに、左右方向に沿って遊技球1個分よりも広い間隔を隔てて植設された2本の釘44aと、左上作動口361および右上作動口362の間に植設された1本の釘44bと、釘44bの左側に取り付けられた左上作動口ユニット367と、釘44bの右側に取り付けられた右上作動口ユニット368と、釘44bに取り付けられた風車ユニット48とを有している。
左上作動口ユニット367は、釘44aのうち左側の釘44aの下方に位置するとともに、上下方向に沿って直線状に延在する側壁部367Aと、この側壁部367Aの下端から釘44bにかけて左下方向に膨出するように湾曲して延在する湾曲壁部367Bとを有している。
右上作動口ユニット368は、釘44aのうち右側の釘44aの下方に位置するとともに、上下方向に沿って直線状に延在する側壁部368Aと、この側壁部368Aの下端から釘44bにかけて右下方向に膨出するように湾曲して延在する湾曲壁部368Bとを有している。
ここで、左上作動口ユニット367および右上作動口ユニット368は、釘44bを挟んで左右対称となるように遊技盤31に取り付けられている。換言すれば、湾曲壁部367Bおよび湾曲壁部368Bは、それぞれ個別の部材として形成されるとともに、釘44bを挟んで左右対称となるように遊技盤31に取り付けられている。
なお、本実施形態では、湾曲壁部367Bおよび湾曲壁部368Bは、釘44bを挟んで左右対称となるように遊技盤31に取り付けられているが、左右対称となるように遊技盤31に取り付けられていなくてもよい。
また、本実施形態では、湾曲壁部367Bおよび湾曲壁部368Bの形状は、前記第1実施形態における湾曲壁部363Bおよび湾曲壁部364Bの形状とは異なっている。具体的には、湾曲壁部367Bの釘44b側の端部は、風車ユニット48と接触しないように前記第1実施形態における湾曲壁部363Bの釘44b側の端部よりも左側に位置している。また、湾曲壁部368Bの釘44b側の端部は、風車ユニット48と接触しないように前記第1実施形態における湾曲壁部364Bの釘44b側の端部よりも右側に位置している。
2本の釘44aの間を通過して上作動口36Bに入球した遊技球は、左上作動口ユニット367の側壁部367Aと、右上作動口ユニット368の側壁部368Aとの間を通って、釘44bに向かって落下する。換言すれば、左上作動口ユニット367の側壁部367Aと、右上作動口ユニット368の側壁部368Aとの左右方向の間隔は、遊技球1個分よりも広くなるように設定されている。
したがって、本実施形態では、側壁部367Aおよび側壁部368Aは、上作動口36Bに入球した遊技球を釘44bに案内する振分案内部として機能し、遊技領域を流下する遊技球の流下方向に沿って直線状に延在するとともに、自己の延在方向と直交する方向に沿って遊技球1個分よりも広い間隔となるように配設されている。
ここで、側壁部367Aの内壁および側壁部368Aの内壁は、凹凸面状に形成されている。これによれば、遊技球は、側壁部367Aおよび側壁部368Aの間を通るときに側壁部367Aの内壁および側壁部368Aの内壁に形成された凹凸に接触し、その流下方向は様々に変化する。
なお、本実施形態では、側壁部367Aの内壁および側壁部368Aの内壁は、凹凸面状に形成されているが、凹凸面状に形成されていなくてもよく、例えば、平面状や湾曲面状などの他の形状に形成されていてもよい。
図36は、風車ユニットの断面を示す図である。具体的には、図36は、図35のAA断面を示す図である。
風車ユニット48は、図36に示すように、遊技盤31に形成された開口部に遊技盤31の背面側から嵌め込まれることによって遊技盤31に取り付けられている。この風車ユニット48は、中空円柱状の基部481と、円筒状の回転軸482と、基部481および回転軸482の間に介在して取り付けられるラチェット部483とを備え、回転軸482を釘44bにて基部481に回転自在に取り付けることによって構成されている。
基部481は、背面側の周縁に沿って形成されるとともに、遊技盤31の背面に当接するフランジ部481Aと、前面側の中心位置に形成された断面円形状の貫通孔481Bと、背面側の中心位置に形成されるとともに、釘44bを固定する円筒状の釘固定部481Cとを有している。
フランジ部481Aは、遊技盤31の背面に当接することによって、基部481の前後方向の位置を規定している。これによって、基部481の前面および遊技盤31の前面は面一となっている。なお、基部481は、フランジ部481Aをネジや接着剤などを介して遊技盤31の背面に固定することによって、遊技盤31に取り付けられている。
貫通孔481Bは、回転軸482を基部481の内部に挿入する部位である。したがって、貫通孔481Bの内径は、回転軸482の回転を妨げることのないように回転軸482の外径よりも大きくなっている。
釘固定部481Cは、釘44bを固定する部位である。この釘固定部481Cは、釘44bの外径よりも僅かに小さい内径を有する円筒状に形成されている。したがって、釘固定部481Cの内部に釘44bを挿入して固定することによって、釘44bの脱落や傾きを抑制することができる。
回転軸482は、円筒状の本体部482Aと、本体部482Aの外周面に形成された3つの球受部482B(図35参照)と、本体部482Aの前面側の端面に形成された円盤部482C(図35参照)と、本体部482Aの背面側の端部に形成された歯車部482Dとを有している。
本体部482Aは、内部に釘44bを挿入した後、この釘44bを釘固定部481Cの内部に挿入して固定することによって、基部481に取り付けられている。この本体部482Aは、釘44bの外径よりも僅かに大きい内径を有する円筒状に形成されているので、釘44bに対して回転自在となっている。
球受部482Bは、本体部482Aの外周面に形成された3つの平板状の部位である。これらの球受部482Bは、本体部482Aの径方向に沿って延在するとともに、均等な間隔(120度間隔)となるように形成されている。
円盤部482Cは、本体部482Aの前面側の端面に形成された円盤状の部位である。この円盤部482Cは、透光性を有する合成樹脂を円盤状に形成したものである。したがって、遊技者は、円盤部482Cを介して球受部482Bを視認することができる(図35参照)。
なお、本実施形態では、球受部482Bおよび円盤部482Cは、本体部482Aに別体として形成しているが、一体として形成してもよい。これによれば、球受部482Bの強度を向上させることができる。
図37は、歯車部の断面と、ラチェット部とを示す図である。具体的には、図37は、歯車部482Dの中心軸と直交する面に沿って歯車部482Dを切断し、これを前面側から見た断面図である。
歯車部482Dは、図37に示すように、本体部482Aの直径と同径の歯底円直径を有するラチェット状に形成されている。
ラチェット部483は、図35および図36に示すように、歯車部482Dと噛み合うラチェット爪483Aと、ラチェット爪483Aを歯車部482Dの中心軸と平行な軸を中心として回動自在に支持するとともに、基部481に固定される回動支持部483Bとを有している。
回動支持部483Bは、内部にバネ(図示略)を有し、ラチェット爪483Aを歯車部482Dの中心に向かって付勢している。
ここで、歯車部482Dは、図36に示すように、本体部482Aの背面側の端面から所定の距離を隔てて形成されている。具体的には、本体部482Aの背面側の端面から歯車部482Dまでの距離は、ラチェット爪483Aの厚さ(歯車部482Dの軸方向の厚さ)よりも大きくなっている。また、本体部482Aの背面側の端面と、基部481の釘固定部481Cとの間隔は、ラチェット爪483Aの厚さよりも十分に広くなっている。さらに、球受部482Bと、基部481の前面との間隔は、ラチェット爪483Aの厚さよりも十分に広くなっている。
したがって、回転軸482は、図36に示すように、遊技盤31の前面側に向かって引き出すことによって、歯車部482Dおよびラチェット爪483Aを噛み合わせない状態とすることができる。
ラチェット爪483Aは、歯車部482Dと噛み合わせていない状態では、本体部482Aの周面を滑るのみとなるので、回転軸482は、正面側から見て時計回りであっても反時計回りであっても回転することができる(自由回転状態)。
このように、風車ユニット48は、遊技球を自己の回転方向に倣った方向に振り分けることによって、左上作動口361または右上作動口362のいずれかに振り分けて入球させる回転振分手段として機能する。
具体的には、球受部482Bは、回転軸482の本体部482Aの外周面に形成されているので、左上作動口ユニット367の側壁部367Aと、右上作動口ユニット368の側壁部368Aとの間を通って、釘44bに向かって落下してきた遊技球を受け止めた場合に、その遊技球に押されることによって、正面側から見て時計回り、または反時計回りに回転軸482を回転させようとする。
そして、風車ユニット48を時計回りに回転させた遊技球は、右上作動口362に向かって落下し、右上作動口ユニット368の湾曲壁部368Bに案内されることによって、右上作動口362に入球することになる。また、風車ユニット48を反時計回りに回転させた遊技球は、左上作動口361に向かって落下し、左上作動口ユニット367の湾曲壁部367Bに案内されることによって、左上作動口361に入球することになる。
したがって、本実施形態では、湾曲壁部367Bは、風車ユニット48にて左上作動口361に振り分けられた遊技球を左上作動口361に案内する低価値案内部として機能し、湾曲壁部364Bは、風車ユニット48にて右上作動口362に振り分けられた遊技球を右上作動口362に案内する高価値案内部として機能する。
図38は、遊技盤の背面側に向かって回転軸を押し込んだ状態の風車ユニットの断面を示す図である。
これに対して、回転軸482は、図38に示すように、遊技盤31の背面側に向かって押し込むことによって、歯車部482Dおよびラチェット爪483Aを噛み合わせた状態とすることができる。
ラチェット爪483Aは、歯車部482Dと噛み合わせた状態では、正面側から見て反時計回りに回転軸482を回転させようとした場合に歯車部482Dの歯を乗り越えて行くので、回転軸482は、反時計回りに回転することができる。しかしながら、ラチェット爪483Aは、歯車部482Dと噛み合わせた状態では、正面側から見て時計回りに回転軸482を回転させようとした場合に歯車部482Dの歯を乗り越えて行けないので、回転軸482は、時計回りに回転することができない。換言すれば、歯車部482Dおよびラチェット爪483Aを噛み合わせた状態では、回転軸482は、正面側から見て反時計回りにのみ回転することができる(規制回転状態)。
したがって、風車ユニット48は、ラチェット機構(回転軸482およびラチェット部483)を備え、規制回転状態では、ラチェット機構にて左上作動口361に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなる方向の一方向にのみ回転する。
なお、本実施形態では、風車ユニット48は、規制回転状態では、ラチェット機構にて左上作動口361に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなる方向の一方向にのみ回転していた。これに対して、風車ユニット48は、これ以外の機構にて左上作動口361に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなる方向の一方向にのみ回転してもよい。
このように、風車ユニット48は、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合を高くするとともに、右上作動口362に振り分けて入球させる割合を低くすることができる。
具体的には、球受部482Bは、回転軸482の本体部482Aの外周面に形成されているので、左上作動口ユニット367の側壁部367Aと、右上作動口ユニット368の側壁部368Aとの間を通って、釘44bに向かって落下してきた遊技球を受け止めた場合に、その遊技球に押されることによって、正面側から見て時計回り、または反時計回りに本体部482Aを回転させようとする。そして、風車ユニット48を時計回りに回転させた遊技球は、右上作動口362に入球し、反時計回りに回転させた遊技球は、左上作動口361に入球することになる。しかしながら、回転軸482は、規制回転状態では、正面側から見て反時計回りにのみ回転することができるので、左上作動口ユニット367の側壁部367Aと、右上作動口ユニット368の側壁部368Aとの間を通って、釘44bに向かって落下してきた遊技球は、左上作動口361に入球しやすく、右上作動口362に入球しにくくなる。
したがって、風車ユニット48は、自由回転状態(第1の回転状態)に設定することによって、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合を高くするとともに、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合を低くすることができる。
また、風車ユニット48は、規制回転状態(第2の回転状態)に設定することによって、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合を高くするとともに、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合を低くすることができる。
換言すれば、風車ユニット48は、自由回転状態と、規制回転状態とを切り替えて設定することによって、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合とを設定可能に構成されている。
なお、遊技場の管理者は、前述した前扉枠13を前方へ回動させて開放することによって、容易に風車ユニット48を設定することができる。
なお、本実施形態では、風車ユニット48は、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合とを設定可能に構成されていたが、これらの割合を設定不可能に構成されていてもよい。例えば、風車ユニット48は、自由回転状態のみの構成としてもよく、規制回転状態のみの構成としてもよい。要するに、回転振分手段は、2本の釘44aの間を通過して上作動口36に入球した遊技球を自己の回転方向に倣った方向に振り分けることによって、左上作動口361または右上作動口362のいずれかに振り分けて入球させることができればよい。
また、風車ユニット48は、自由回転状態では、右上作動口362に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなる方向と、左上作動口361に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなる方向との双方向に回転し、規制回転状態では、左上作動口361に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなる方向の一方向にのみ回転する。
なお、本実施形態では、風車ユニット48は、規制回転状態では、左上作動口361に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなる方向の一方向にのみ回転するように構成されていた。これに対して、例えば、風車ユニット48は、規制回転状態では、右上作動口362に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなる方向と、左上作動口361に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなる方向との双方向に回転するとともに、右上作動口362に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなる方向に回転しにくいように構成されていてもよい。要するに、回転振分手段は、高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなるとともに、低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合が低くなるように回転する第1の回転状態と、高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合が低くなるとともに、低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなるように回転する第2の回転状態とを切り替えて設定可能に構成されていればよい。
このように、風車ユニット48を自由回転状態に設定した場合には、風車ユニット48は、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合を高くするとともに、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合を低くすることができるので、2本の釘44aの間を通過した遊技球に基づく賞球数は増加する。
また、風車ユニット48を規制回転状態に設定した場合には、風車ユニット48は、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合を高くするとともに、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合を低くすることができるので、2本の釘44aの間を通過した遊技球に基づく賞球数は減少する。
具体的には、例えば、風車ユニット48を自由回転状態に設定し、2本の釘44aの間を通過した6個の遊技球のうち、3個の遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させるとともに、3個の遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させるようにした場合には、2本の釘44aの間を通過した遊技球に基づく賞球数の期待値は約4個になる。
また、例えば、風車ユニット48を規制回転状態に設定し、2本の釘44aの間を通過した6個の遊技球のうち、6個の遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させるとともに、0個の遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させるようにした場合には、2本の釘44aの間を通過した遊技球に基づく賞球数の期待値は約3個になる。なお、風車ユニット48を規制回転状態に設定した場合には、風車ユニット48は、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合を著しく低くすることができるが、遊技球の動きによっては、右上作動口362に遊技球が入球することもある。
換言すれば、風車ユニット48は、自由回転状態と、規制回転状態とを切り替えて設定することによって、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合とを設定可能に構成されているので、2本の釘44aの間を通過した遊技球に基づく賞球数の期待値を増減させることができる。
ところで、従来の遊技機は、1つの上作動口を備え、この上作動口は、その上方に植設されるとともに、左右方向に沿って遊技球1個分よりも広い間隔を隔てて植設された2本の釘を有していた。そして、2本の釘の間を通過した遊技球は、そのまま上作動口に入球していた。遊技機は、上作動口に遊技球が入球することによって、所定数の遊技球を払い出すとともに、大当たり抽選などの内部抽選を実行しているので、上作動口に遊技球が入球したときの遊技機の挙動は単調になってしまっていた。
具体的には、2本の釘の間隔を設定することによって、上作動口に遊技球が入球しやすいようにした場合には、遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する内部抽選の実行回数は増加し、遊技球の払い出しは増加する。これに対して、2本の釘の間隔を設定することによって、上作動口に遊技球が入球しにくいようにした場合には、遊技領域に発射された一定数の遊技球の数に対する内部抽選の実行回数は減少し、遊技球の払い出しは減少する。
しかしながら、本実施形態のパチンコ機10では、前述したように、風車ユニット48は、自由回転状態と、規制回転状態とを切り替えて設定することによって、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合とを設定可能に構成されているので、2本の釘44aの間を通過した遊技球に基づく賞球数の期待値を増減させることができる。
これによれば、例えば、2本の釘44aの間隔を設定することによって、上作動口36Bに遊技球が入球しやすいようにして遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する内部抽選の実行回数を増加させた場合において、風車ユニット48を自由回転状態に設定して賞球数の期待値を増加させたり、風車ユニット48を規制回転状態に設定して賞球数の期待値を減少させたりすることができる。
また、例えば、2本の釘44aの間隔を設定することによって、上作動口36Bに遊技球が入球しにくいようにして遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する内部抽選の実行回数を減少させた場合において、風車ユニット48を自由回転状態に設定して賞球数の期待値を増加させたり、風車ユニット48を規制回転状態に設定して賞球数の期待値を減少させたりすることができる。
換言すれば、パチンコ機10は、遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する内部抽選の実行回数と、遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する遊技球の払い出しとを独立して調整可能に構成されている。
なお、本実施形態では、上作動口36Bは、左上作動口361および右上作動口362の上方に植設されるとともに、左右方向に沿って遊技球1個分よりも広い間隔を隔てて植設された2本の釘44aを有しているが、2本の釘44aを有していなくてもよい。この場合には、遊技球は、左上作動口ユニット367の側壁部367Aと、右上作動口ユニット368の側壁部368Aとの間に入球し、これらの間を通って、釘44bに向かって落下することになる。
また、前述したように、従来の遊技機は、2本の釘の間隔を設定することによって、遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する内部抽選の実行回数と、遊技球の払い出しとを独立して設定することはできないので、これらを独立して設定する場合には、2本の釘の間隔を設定することに加えて、例えば、上作動口とは異なる場所に設けられた一般入賞口に遊技球を入球させる割合を設定すること等の他の設定をしなければならない。換言すれば、従来の遊技機は、1つの入賞口の設定のみによって、遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する内部抽選の実行回数と、遊技球の払い出しとを独立して設定することはできないので、これらの設定に手間がかかっていた。
これに対して、本実施形態のパチンコ機10は、2本の釘44aの間隔と、風車ユニット48の状態とを設定することによって、遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する内部抽選の実行回数と、遊技球の払い出しとを独立して設定することができる。換言すれば、本実施形態のパチンコ機10は、1つの入賞口(上作動口36B)の設定のみによって、遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する内部抽選の実行回数と、遊技球の払い出しとを独立して設定することができるので、これらの設定を容易にすることができる。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)上作動口36Bに入球した遊技球は、風車ユニット48にて振り分けられることによって、左上作動口361および右上作動口362のいずれかに入球することになるので、上作動口36Bに遊技球が入球したときのパチンコ機10の内部抽選を多様化することができる。また、風車ユニット48は、上作動口36Bに入球した遊技球を自己の回転方向に倣った方向に振り分けることによって、左上作動口361および右上作動口362のいずれかに振り分けて入球させるので、遊技者は、風車ユニット48の回転方向に注目することになる。さらに、右上作動口362は、遊技球の入球に際して遊技者に高い価値を付与し、左上作動口361は、遊技球の入球に際して遊技者に右上作動口362にて付与される価値よりも低い価値を付与するので、遊技者は、遊技球の行方に注目することになる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(2)左上作動口361および右上作動口362は、遊技球の入球に際して同様の内部抽選を実行するので、パチンコ機10は、上作動口36Bへの入球を契機とした内部抽選を実行することができる。
(3)パチンコ機10は、遊技球の入球に際して払い出される遊技球の数の差によって、左上作動口361および右上作動口362の価値の差を明確にすることができるので、上作動口36Bの構成を簡素にすることができる。
(4)パチンコ機10は、右上作動口362に多くの遊技球を振り分けるように風車ユニット48を設定した場合には、左上作動口361に多くの遊技球を振り分けるように風車ユニット48を設定した場合と比較して、上作動口36Bへの遊技球の入球に際して遊技者に付与する価値を増加させることができる。また、パチンコ機10は、左上作動口361に多くの遊技球を振り分けるように風車ユニット48を設定した場合には、右上作動口362に多くの遊技球を振り分けるように風車ユニット48を設定した場合と比較して、上作動口36Bへの遊技球の入球に際して遊技者に付与する価値を減少させることができる。換言すれば、遊技機は、右上作動口362に遊技球を振り分けて入球させる割合と、左上作動口361に遊技球を振り分けて入球させる割合とを風車ユニット48にて設定することによって、上作動口36Bへの遊技球の入球に際して遊技者に付与する価値を増減させて調整することができる。
(5)風車ユニット48は、自由回転状態と、規制回転状態とを切り替えて設定することによって、右上作動口362に遊技球を振り分けて入球させる割合と、左上作動口361に遊技球を振り分けて入球させる割合とを設定することができる。したがって、本発明のパチンコ機10によれば、風車ユニット48の構成を簡素にすることができる。
(6)風車ユニット48は、第2の回転状態では、左上作動口361に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなる方向の一方向にのみ回転するので、風車ユニット48の構成を簡素にすることができる。
(7)風車ユニット48は、第2の回転状態において、ラチェット機構にて右上作動口362に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなる方向に回転させないようにすることができるので、風車ユニット48の構成を簡素にすることができる。
(8)上作動口36Bは、側壁部367Aおよび側壁部368Aを備えるので、上作動口36Bに入球した遊技球は、側壁部367Aおよび側壁部368Aにて風車ユニット48に案内される。したがって、パチンコ機10は、上作動口36Bに入球した遊技球を左上作動口361および右上作動口362のいずれかに確実に振り分けて入球させることができる。
(9)側壁部367Aの内壁および側壁部368Aの内壁は、凹凸面状に形成されているので、遊技球は、側壁部367Aおよび側壁部368Aの間を通るときに側壁部367Aの内壁および側壁部368Aの内壁に形成された凹凸に接触し、その流下方向は様々に変化する。したがって、パチンコ機10は、上作動口36Bに入球した遊技球を側壁部367Aおよび側壁部368Aにて風車ユニット48に案内する際に遊技球の流下方向に変化を付与することができるので、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
(10)上作動口36Bは、湾曲壁部367Bおよび湾曲壁部368Bを備えるので、風車ユニット48にて振り分けられた遊技球は、左上作動口361および右上作動口362のいずれかに確実に案内される。したがって、パチンコ機10は、上作動口36Bに入球した遊技球を左上作動口361および右上作動口362のいずれかに確実に振り分けて入球させることができる。
(11)湾曲壁部367Bおよび湾曲壁部368Bは、それぞれ個別の部材として形成されるとともに、風車ユニット48を挟んで対称となるように遊技盤31に取り付けられるので、湾曲壁部367Bおよび湾曲壁部368Bを同一形状の部材とすることができ、ひいては上作動口36Bの製造コストを低減することができる。
〔第4実施形態〕
以下、本発明の第4実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図39は、本発明の第4実施形態に係る上作動口を拡大した図である。
前記第1実施形態では、遊技盤31は、上作動口36を備え、この上作動口36は、左上作動口ユニット363と、右上作動口ユニット364とを有していた。
これに対して、本実施形態では、遊技盤31は、図39に示すように、上作動口36Cを備え、この上作動口36Cは、左上作動口ユニット363と、右上作動口ユニット364と、左上作動口ユニット363および右上作動口ユニット364を接続する接続部365Cとを有している点で異なる。
具体的には、上作動口36Cは、左側の開口部に設けられた左上作動口361と、右側の開口部に設けられた右上作動口362とを有している。また、上作動口36Cは、左上作動口361および右上作動口362の上方に植設されるとともに、左右方向に沿って遊技球1個分よりも広い間隔を隔てて植設された2本の釘44aと、左上作動口361および右上作動口362の間に植設された1本の釘44bと、釘44bの左側に取り付けられた左上作動口ユニット363と、釘44bの右側に取り付けられた右上作動口ユニット364と、左上作動口ユニット363および右上作動口ユニット364を接続する接続部365Cとを有している。
左上作動口ユニット363は、釘44aのうち左側の釘44aの下方に位置するとともに、上下方向に沿って直線状に延在する側壁部363Aと、この側壁部363Aの下端から釘44bにかけて左下方向に膨出するように湾曲して延在する湾曲壁部363Bとを有している。
右上作動口ユニット364は、釘44aのうち右側の釘44aの下方に位置するとともに、上下方向に沿って直線状に延在する側壁部364Aと、この側壁部364Aの下端から釘44bにかけて右下方向に膨出するように湾曲して延在する湾曲壁部364Bとを有している。
2本の釘44aの間を通過して上作動口36に入球した遊技球は、左上作動口ユニット363の側壁部363Aと、右上作動口ユニット364の側壁部364Aとの間を通って、釘44bに向かって落下する。換言すれば、左上作動口ユニット363の側壁部363Aと、右上作動口ユニット364の側壁部364Aとの左右方向の間隔は、遊技球1個分よりも広くなるように設定されている。
したがって、本実施形態では、側壁部363Aおよび側壁部364Aは、上作動口36に入球した遊技球を釘44bに案内する振分案内部として機能し、遊技領域を流下する遊技球の流下方向に沿って直線状に延在するとともに、自己の延在方向と直交する方向に沿って遊技球1個分よりも広い間隔となるように配設されている。
ここで、側壁部363Aの内壁および側壁部364Aの内壁は、凹凸面状に形成されている。これによれば、遊技球は、側壁部363Aおよび側壁部364Aの間を通るときに側壁部363Aの内壁および側壁部364Aの内壁に形成された凹凸に接触し、その流下方向は様々に変化する。
なお、本実施形態では、側壁部363Aの内壁および側壁部364Aの内壁は、凹凸面状に形成されているが、凹凸面状に形成されていなくてもよく、例えば、平面状や湾曲面状などの他の形状に形成されていてもよい。
そして、釘44bは、この遊技球を左上作動口361または右上作動口362のいずれかに振り分けて入球させるとともに、遊技球の振り分け状態を設定することによって、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合と設定する振分設定手段として機能する。
具体的には、釘44bの左側を通過した遊技球は、左上作動口361に向かって落下し、左上作動口ユニット363の湾曲壁部363Bに案内されることによって、左上作動口361に入球することになる。また、釘44bの右側を通過した遊技球は、右上作動口362に向かって落下し、右上作動口ユニット364の湾曲壁部364Bに案内されることによって、右上作動口362に入球することになる。
したがって、釘44bに向かって落下してきた遊技球が釘44bの右側を通過しやすくなるように釘44bを設定することによって、釘44bは、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合を高くするとともに、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合を低くすることができる(第1の状態)。
また、釘44bに向かって落下してきた遊技球が釘44bの左側を通過しやすくなるように釘44bを設定することによって、釘44bは、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合を高くするとともに、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合を低くすることができる(第2の状態)。
換言すれば、釘44bは、第1の状態と、第2の状態とを設定可能に構成されることによって、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合とを同時に設定可能に構成されている。
なお、遊技場の管理者は、前述した前扉枠13を前方へ回動させて開放することによって、容易に釘44bを設定することができる。
なお、本実施形態では、振分設定手段は、1本の釘44bによって遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合とを同時に設定可能に構成されていた。これに対して、振分設定手段は、複数の要素によって遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合とを別々に設定可能に構成されていてもよい。
具体的には、例えば、振分設定手段は、釘44bに代えて2本の釘を利用することによって、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合とを別々に設定可能に構成してもよい。これによれば、一方の釘を設定することによって、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合を設定することができ、他方の釘を設定することによって、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合を設定することができる。
しかしながら、このような構成において、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合とをともに低く設定した場合には、2本の釘の間隔は広くなってしまうことになる。このような場合には、遊技球は、2本の釘の上に乗ってしまって左上作動口361および右上作動口362のいずれにも入球しなくなってしまうことになるので、振分設定手段は、1本の釘44bによって遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合とを同時に設定可能に構成されることが好ましい。
接続部365Cは、湾曲壁部363Bの釘44b側の端部と、湾曲壁部364Bの釘44b側の端部とを接続している。換言すれば、左上作動口ユニット363、右上作動口ユニット364、および接続部365Cは、透光性を有していない合成樹脂製の一体の部材として形成されるとともに、遊技盤31に取り付けられている。
なお、本実施形態では、湾曲壁部363Bおよび湾曲壁部364Bは、接続部365Cとともに遊技盤31に取り付けられているが、湾曲壁部363Bおよび湾曲壁部364Bと、接続部365Cとは別々の部材であってもよい。
図40は、上作動口の断面を示す図である。具体的には、図40は、接続部365Cおよび釘44bの断面を示す図であり、右上作動口ユニット364側から図39のAA断面を見た図である。
接続部365Cは、図39および図40に示すように、矩形板状に形成されている。また、その厚さ(遊技盤31から見た高さ)は、左上作動口ユニット363および右上作動口ユニット364の高さよりも低く設定されている。さらに、接続部365Cは、その中央部位に形成されるとともに、釘44bの釘頭の外径よりも僅かに大きい内径を有する断面円形の穴365C1を有している。そして、釘44bは、この穴365C1を介して遊技盤31に取り付けられている。
したがって、左上作動口ユニット363、右上作動口ユニット364、および接続部365Cは、釘44bを遊技盤31に取り付けたまま遊技盤31から取り外すことができる。
図41は、左上作動口ユニット、右上作動口ユニット、および接続部を遊技盤から取り外した状態を示す図である。
遊技盤31は、図41に示すように、接続部365Cにて覆われていた領域に表示された目盛部31Cを有している。
この目盛部31Cは、釘44bの取り付け位置を中心として円環状に表示された円環目盛部31C1と、円環目盛部31C1の右上側に表示された円弧状の円弧目盛部31C2と、円環目盛部31C1の左上側に表示された円弧状の円弧目盛部31C3とを備えている。
なお、図41では、説明のために釘44bの図示を省略している。
円環目盛部31C1は、釘44bの釘頭の外径を模った円環状のマークである。遊技場の管理者などは、釘44bの釘頭の位置を円環目盛部31C1に合わせて設定することによって、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合と、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合とを同じ割合に設定することができる。したがって、本実施形態では、釘44bの釘頭の位置を円環目盛部31C1に合わせて設定した場合には、2本の釘44aの間を通過した遊技球に基づく賞球数の期待値は4個になる。
円弧目盛部31C2は、釘44b側に表示された「−1」の目盛と、側壁部364Aの下端側に表示された「−2」の目盛との2つの目盛を有している。各目盛は、釘44bの釘頭の位置と、2本の釘44aの間を通過した遊技球に基づく賞球数の期待値との関係を示している。
具体的には、釘44bの釘頭の位置を円弧目盛部31C2の「−1」または「−2」の目盛に合わせて設定することによって、釘44bは、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合を高くするとともに、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合を低くすることができる。本実施形態では、釘44bの釘頭の位置を円弧目盛部31C2の「−1」に合わせて設定した場合には、2本の釘44aの間を通過した遊技球に基づく賞球数の期待値は3.8個になり、釘44bの釘頭の位置を円弧目盛部31C2の「−2」に合わせて設定した場合には、2本の釘44aの間を通過した遊技球に基づく賞球数の期待値は3.6個になる。
円弧目盛部31C3は、釘44b側に表示された「+1」の目盛と、側壁部363Aの下端側に表示された「+2」の目盛との2つの目盛を有している。各目盛は、釘44bの釘頭の位置と、2本の釘44aの間を通過した遊技球に基づく賞球数の期待値との関係を示している。
具体的には、釘44bの釘頭の位置を円弧目盛部31C3の「+1」または「+2」の目盛に合わせて設定することによって、釘44bは、遊技球を左上作動口361に振り分けて入球させる割合を低くするとともに、遊技球を右上作動口362に振り分けて入球させる割合を高くすることができる。本実施形態では、釘44bの釘頭の位置を円弧目盛部31C3の「+1」に合わせて設定した場合には、2本の釘44aの間を通過した遊技球に基づく賞球数の期待値は4.2個になり、釘44bの釘頭の位置を円弧目盛部31C3の「+2」に合わせて設定した場合には、2本の釘44aの間を通過した遊技球に基づく賞球数の期待値は4.4個になる。
したがって、本実施形態では、目盛部31Cは、遊技盤31に設けられるとともに、釘44bにて遊技球の振り分け状態を設定するための目標を示唆する目標示唆手段として機能し、上作動口36Cに入球した遊技球に基づく賞球数の期待値を示唆する。
また、接続部365Cは、遊技盤31に着脱自在に設けられるとともに、遊技盤31に取り付けることによって、目盛部31Cを遮蔽し、遊技盤31から取り外すことによって、目盛部31Cを露出させる遮蔽手段として機能する。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)接続部365Cは、遊技盤31に取り付けることによって、目盛部31Cを遮蔽するので、遊技球の振り分け状態の設定を遊技者には見えないようにすることができる。また、接続部365Cは、遊技盤31から取り外すことによって、目盛部31Cを露出させるので、遊技場の管理者などは、目盛部31Cを見ることによって、遊技球の振り分け状態を容易に設定することができる。
(2)上作動口36Cに入球した遊技球は、釘44bにて振り分けられることによって、左上作動口361および右上作動口362のいずれかに入球することになるので、上作動口36Cに遊技球が入球したときのパチンコ機10の挙動を多様化することができる。また、右上作動口362は、遊技球の入球に際して遊技者に高い価値を付与し、左上作動口361は、遊技球の入球に際して遊技者に右上作動口362にて付与される価値よりも低い価値を付与するので、遊技者は、遊技球の行方に注目することになる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(3)パチンコ機10は、右上作動口362に多くの遊技球を振り分けるように釘44bを設定した場合には、左上作動口361に多くの遊技球を振り分けるように釘44bを設定した場合と比較して、上作動口36への遊技球の入球に際して遊技者に付与する価値を増加させることができる。また、パチンコ機10は、左上作動口361に多くの遊技球を振り分けるように釘44bを設定した場合には、右上作動口362に多くの遊技球を振り分けるように釘44bを設定した場合と比較して、上作動口36への遊技球の入球に際して遊技者に付与する価値を減少させることができる。換言すれば、パチンコ機10は、左上作動口361に遊技球を振り分けて入球させる割合と、右上作動口362に遊技球を振り分けて入球させる割合とを釘44bにて設定することによって、上作動口36Cへの遊技球の入球に際して遊技者に付与する価値を増減させて調整することができる。
(4)釘44bは、遊技球の振り分け状態を設定することによって、左上作動口361に遊技球を振り分けて入球させる割合と、右上作動口362に遊技球を振り分けて入球させる割合とを設定するので、これらの割合を目盛部31Cにて明確に示唆することができる。
(5)釘44bは、第1の状態と、第2の状態とを設定可能に構成されることによって、左上作動口361に遊技球を振り分けて入球させる割合と、右上作動口362に遊技球を振り分けて入球させる割合とを同時に設定することができる。したがって、本発明のパチンコ機10によれば、振分設定手段の構成を簡素にすることができる。
(6)左上作動口361および右上作動口362は、遊技球の入球に際して同様の内部抽選を実行するので、パチンコ機10は、上作動口36への入球を契機とした内部抽選を実行することができる。
(7)パチンコ機10は、遊技球の入球に際して払い出される遊技球の数の差によって、左上作動口361および右上作動口362の価値の差を明確にすることができるので、上作動口36Cの構成を簡素にすることができる。
(8)目盛部31Cは、上作動口36Cに入球した遊技球に基づく賞球数の期待値を示唆するので、遊技場の管理者などは、目盛部31Cを見ることによって、上作動口36Cに入球した遊技球に基づく賞球数の期待値を容易に調整することができる。
(9)上作動口36Cは、側壁部363Aおよび側壁部364Aを備えるので、上作動口36Cに入球した遊技球は、側壁部363Aおよび側壁部364Aにて釘44bに案内される。したがって、パチンコ機10は、上作動口36Cに入球した遊技球を左上作動口361および右上作動口362のいずれかに確実に振り分けて入球させることができる。
(10)側壁部363Aの内壁および側壁部364Aの内壁は、凹凸面状に形成されているので、遊技球は、側壁部363Aおよび側壁部364Aの間を通るときに側壁部363Aの内壁および側壁部364Aの内壁に形成された凹凸に接触し、その流下方向は様々に変化する。したがって、パチンコ機10は、上作動口36Cに入球した遊技球を側壁部363Aおよび側壁部364Aにて釘44bに案内する際に遊技球の流下方向に変化を付与することができるので、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
(11)上作動口36Cは、湾曲壁部363Bおよび湾曲壁部364Bを備えるので、釘44bにて振り分けられた遊技球は、左上作動口361および右上作動口362のいずれかに確実に案内される。したがって、パチンコ機10は、上作動口36Cに入球した遊技球を左上作動口361および右上作動口362のいずれかに確実に振り分けて入球させることができる。
(12)接続部365Cは、湾曲壁部363Bおよび湾曲壁部364Bを接続しているので、湾曲壁部363Bおよび湾曲壁部364Bとともに遊技盤31に容易に取り付けることができる。
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本実施形態では、目盛部31Cは、円環目盛部31C1と、円弧目盛部31C2と、円弧目盛部31C3とを備えていたが、これ以外の構成であってもよい。例えば、目標示唆手段は、模様や色彩などを用いることによって、振分設定手段にて遊技球の振り分け状態を設定するための目標を示唆してもよい。また、本実施形態では、目盛部31Cは、上作動口36Cに入球した遊技球に基づく賞球数の期待値を示唆していたが、例えば、遊技領域に発射された一定数の遊技球に対する内部抽選の実行回数などの他の目標を示唆してもよい。要するに、目標示唆手段は、振分設定手段にて遊技球の振り分け状態を設定するための目標を示唆すればよい。
また、本実施形態では、接続部365Cは、矩形板状に形成されていたが、目盛部31Cを遮蔽することができる形状および大きさを有していれば、どのような形状および大きさであってもよい。要するに、遮蔽手段は、遊技盤に着脱自在に設けられるとともに、遊技盤に取り付けることによって、目標示唆手段を遮蔽することができればよい。
また、本実施形態では、釘44bは、遊技球の振り分け状態を設定することによって、左上作動口361に遊技球を振り分けて入球させる割合と、右上作動口362に遊技球を振り分けて入球させる割合とを設定していたが、これ以外の構成であってもよい。例えば、振分設定手段は、1つの入賞口に遊技球を振り分けて入球させる割合のみ(1つの入賞口に遊技球を振り分けるか否か)を設定してもよい。また、例えば、振分設定手段は、遊技領域に設けられた役物などであってもよい。要するに、振分設定手段は、遊技領域に設けられるとともに、遊技領域を流下する遊技球の振り分け状態を設定することができればよい。
〔各実施形態の変形例〕
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
(1)前記各実施形態では、パチンコ機10は、1回のラウンド遊技につき、1回の大入賞口38aの開閉を実行していた。これに対して、パチンコ機10は、1回のラウンド遊技につき、複数回の大入賞口38aの開閉を実行してもよい。
(2)前記各実施形態では、パチンコ機10は、開閉扉38bを開放状態に設定した後、予め定められた上限継続時間(上限継続期間)が経過すること、または大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数が予め定められた上限個数に達することによって、開閉扉38bを再び閉鎖状態に設定していた。これに対して、例えば、上限個数は、上限継続時間に応じて変動するようにしてもよく、開閉扉38bを再び閉鎖状態に設定するための条件は任意である。
(3)前記各実施形態では、パチンコ機10は、開閉扉38bを開放状態に設定した後、大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数が予め定められた上限個数である8個に達することによって、開閉扉38bを再び閉鎖状態に設定していた。これに対して、例えば、パチンコ機10は、上限個数を8個以外の任意の個数に設定してもよい。また、例えば、パチンコ機10は、振分結果に応じて上限個数を相違させて設定してもよい。さらに、例えば、パチンコ機10は、1回の開閉実行モード中におけるラウンドごとに上限個数を相違させて設定してもよい。
(4)前記各実施形態では、パチンコ機10は、開閉扉38bを開放状態に設定した後、大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数が予め定められた上限個数に達することによって、開閉扉38bを再び閉鎖状態に設定していた。これに対して、例えば、パチンコ機10は、遊技球が入球したことを契機として開閉扉38bを閉鎖状態に設定する終了契機口を備え、予め定められた時間が経過することによって、この終了契機口への入球を可能とするように構成されていてもよい。
(5)前記各実施形態では、パチンコ機10は、開閉扉38bを開放状態に設定した後、予め定められた上限継続時間(上限継続期間)が経過することによって、開閉扉38bを再び閉鎖状態に設定していた。これに対して、例えば、パチンコ機10は、開閉扉38bを開放状態に設定した後、大入賞口38aへの入賞が発生したときから予め定められた時間が経過することによって、開閉扉38bを再び閉鎖状態に設定してもよい。
(6)前記各実施形態では、パチンコ機10は、開閉扉38bを開放状態に設定した後、開閉扉38bを再び閉鎖状態に設定していた。これに対して、例えば、パチンコ機10は、開閉扉38bを開放状態に設定した後、開閉扉38bを再び閉鎖状態に設定することなく、次回のラウンド遊技に移行するようにしてもよい。
(7)前記各実施形態では、短時間態様の上限継続時間は、遊技球の発射周期よりも短く設定されていた。これに対して、例えば、短時間態様の上限継続時間は、遊技球の発射周期以上の時間であって、遊技球の発射周期のn倍(n=1,2,3のいずれか)以下の時間に設定されていてもよい。
(8)前記各実施形態では、パチンコ機10は、2種類の開閉実行モードを有していた。具体的には、パチンコ機10は、短時間態様の上限継続時間でラウンド遊技を2回実行する開閉実行モードと、長時間態様の上限継続時間でラウンド遊技を15回実行する開閉実行モードとを有していた。これに対して、パチンコ機10は、上限継続時間の態様や、ラウンド遊技の実行回数について、これらとは相違する開閉実行モードを有していてもよい。また、パチンコ機10は、上限継続時間の態様を相違させることによって、複数種類の開閉実行モードを設定する構成に代えて、半開や全開といったように開閉扉38bの開放の度合いを相違させることによって、複数種類の開閉実行モードを設定する構成としてもよい。さらに、上限継続時間の態様は、遊技者からは同一の態様に見えるものの正確な上限継続時間は相違するように設定してもよい。
(9)前記各実施形態では、遊技結果と、開閉実行モード用の演出とは、1対1で対応するように予め設定されていた。これに対して、例えば、開閉実行モード用の演出は、遊技結果に対応させることなく、複数種類の演出からランダムに選択して設定するようにしてもよく、複数種類の演出から抽選などによって選択して設定し、その選択率を遊技結果に応じて相違させるようにしてもよい。
(10)前記各実施形態では、MPU92は、遊技結果が「特別外れ結果」、「非明示少ラウンド高確結果」、および「明示少ラウンド高確結果」のいずれかである場合には、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として特別な図柄の組み合わせに係る情報を決定し、この特別な図柄の組み合わせは、遊技結果の種類に関わらず同一であった。これに対して、MPU92は、停止結果に係る情報をランダムに決定し、いずれの遊技結果であるかを遊技者に把握しにくいようにしてもよい。
(11)前記各実施形態では、MPU62は、大当たり発生の抽選に大当たり乱数カウンタC1を使用し、大当たり発生に際し、その大当たりの種別の抽選に大当たり種別カウンタC2を使用していた。これに対して、MPU62は、大当たり発生に際し、その大当たりの種別の抽選に大当たり乱数カウンタC1を使用してもよい。この場合には、大当たり種別カウンタC2は、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられていなくてもよい。
(12)前記各実施形態では、パチンコ機10は、「特別外れ結果」と、「通常外れ結果」との2種類の外れ結果を有し、MPU62は、大当たり発生に当選する乱数の値を記憶した当否テーブルと、保留球格納エリア64bに格納された大当たり乱数カウンタC1の値とを比較することによって、大当たり発生の抽選を実行していた。換言すれば、MPU62は、大当たり乱数カウンタC1の値を使用することによって、「特別外れ結果」に係る抽選を実行していた。これに対して、MPU62は、「特別外れ結果」に係る抽選を実行するためにRAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた大当たり乱数カウンタC1とは異なる新たなカウンタを使用することによって、「特別外れ結果」に係る抽選を実行してもよい。
(13)前記各実施形態では、大当たり発生の抽選に際して低確率モード用の当否テーブルを参照することになる遊技状態下では、「特別外れ結果」となる乱数の値は2個であり、大当たり発生の抽選に際して高確率モード用の当否テーブルを参照することになる遊技状態下では、「特別外れ結果」となる乱数の値は1個であった。換言すれば、「特別外れ結果」となる確率は、低確率モードでは、高確率モードよりも高くなるように設定されていた。これに対して、「特別外れ結果」となる確率は、低確率モードでは、高確率モードよりも低くなるように設定されていてもよく、低確率モードおよび高確率モードで同一となるように設定されていてもよい。また、「特別外れ結果」となる確率は、低確率モードおよび高確率モードの少なくともいずれかで0となるように設定されていてもよい。
(14)前記各実施形態では、パチンコ機10は、当否抽選モードおよびサポートモードを設定することによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出していたが、これら以外の遊技状態を設定することによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードを継続させる遊技回の回数を相違させることによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。また、例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードに移行させるか否かによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。さらに、例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高確率モードを継続させる遊技回の回数を相違させることによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。
(15)前記各実施形態では、パチンコ機10は、左上作動口361および右上作動口362に係る保留情報を第1結果表示部用保留エリアRaに格納し、下作動口37および右上作動口366に係る保留情報を第2結果表示部用保留エリアRbに格納することによって、左上作動口361および右上作動口362に係る保留情報と、下作動口37および右上作動口366に係る保留情報とを別々に格納していた。これに対して、パチンコ機10は、左上作動口361および右上作動口362に係る保留情報と、下作動口37および右上作動口366に係る保留情報とを一緒に格納してもよい。
(16)前記各実施形態では、MPU62は、左上作動口361および右上作動口362に係る保留情報があるか否かに関わらず下作動口37および右上作動口366に係る保留情報を優先的に遊技回の消化用に設定していた。これに対して、MPU62は、左上作動口361および右上作動口362に係る保留情報と、下作動口37および右上作動口366に係る保留情報とを、それぞれの保留情報の入賞順に遊技回の消化用に設定してもよい。
(17)前記各実施形態では、主制御装置60は、音声発光制御装置90にコマンドを送信し、音声発光制御装置90は、そのコマンドを解析した結果のコマンドを表示制御装置100に送信することによって、表示制御装置100の制御を実行していた。これに対して、主制御装置60は、表示制御装置100にコマンドを送信し、表示制御装置100は、そのコマンドを解析した結果のコマンドを音声発光制御装置90に送信することによって、音声発光制御装置90の制御を実行してもよい。なお、主制御装置60から音声発光制御装置90に送信されるコマンドや、音声発光制御装置90から表示制御装置100に送信されるコマンドは、前記各実施形態に記載したコマンドに限らず任意である。
(18)前記各実施形態では、パチンコ機10は、主制御装置60と、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを別々の制御装置として備えていた。これに対して、例えば、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを同一の制御装置として備えていてもよく、音声発光制御装置90および表示制御装置100の少なくともいずれかの制御装置を主制御装置60と同一の制御装置として備えていてもよい。
(19)前記各実施形態では、図柄表示装置51は、上作動口36,36A〜36C,36X〜36Zまたは下作動口37への入賞に基づいて、各図柄列Z1〜Z3の図柄を所定の向きに周期的にスクロールさせるようにして図柄の変動表示を開始することによって、表示画面Gにおいて遊技回用の演出を実行していた。これに対して、遊技回用の演出は、前記各実施形態に記載した演出に限らず任意である。例えば、パチンコ機10は、遊技盤31に設けられた可動式の装飾部材を動作させることによって、遊技回用の演出を実行してもよい。また、例えば、パチンコ機10は、遊技盤31に設けられた発光手段を発光させることによって、遊技回用の演出を実行してもよい。さらに、例えば、パチンコ機10は、図柄表示装置51と、これらの装飾部材および発光手段とを組み合わせて動作させることによって、遊技回用の演出を実行してもよい。
(20)前記各実施形態では、パチンコ機10は、上作動口36,36A〜36C,36X〜36Zまたは下作動口37への入賞に基づいて、内部抽選(当否抽選および振分抽選)を実行し、その後、メイン表示部45および図柄表示装置51は、変動表示を実行するとともに、その変動表示の停止結果として、上作動口36,36A〜36C,36X〜36Zまたは下作動口37への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示していた。これに対して、例えば、メイン表示部45および図柄表示装置51は、内部抽選を実行する前に変動表示を開始し、その変動表示の停止結果として、変動表示を開始した後に行われた内部抽選の結果を表示してもよい。この場合には、変動表示を開始した後、その変動表示を停止する前に、内部抽選を実行するとともに、停止結果等の設定を実行すればよい。
(21)前記各実施形態では、図柄表示装置51は、上作動口36,36A〜36C,36X〜36Zまたは下作動口37への入賞に基づいて、各図柄列Z1〜Z3の図柄を所定の向きに周期的にスクロールさせるようにして図柄の変動表示を開始することによって、表示画面Gにおいて遊技回用の演出を実行していた。これに対して、図柄表示装置51は、内部抽選の結果を明示する図柄(絵柄)を表示することによって、表示画面Gにおいて遊技回用の演出を実行してもよい。
例えば、図柄表示装置51は、各図柄列Z1〜Z3の図柄を表示する領域よりも狭い領域および各図柄列Z1〜Z3の図柄を表示する領域の周縁の領域の少なくともいずれかに所定の領域を設定し、各図柄列Z1〜Z3の図柄の変動表示を停止する際に、この所定の領域に内部抽選の結果を明示する図柄を表示してもよい。この所定の領域に表示する図柄は、各図柄列Z1〜Z3の図柄の変動表示中には、変動表示を実行していてもよく、非表示となっていてもよい。
ここで、所定の領域に表示する図柄は、遊技者にとって識別しにくい文字や、色や、模様を採用してもよく、これらの組み合わせを採用してもよい。また、遊技者にとって識別しにくい文字や、色や、模様ではなくても、相互に類似する図柄や、その組み合わせを採用することによって、遊技者にとって識別しにくいようにしてもよい。これによれば、遊技場の管理者などは、例えば、遊技回の終了に際してメイン表示部45を目視することなく、図柄表示装置51を目視することによって、大当たり発生の抽選に当選した場合と同様の挙動をパチンコ機10に行わせようとする不正行為が行われているか否かの確認を簡易的に行うことができる。
(22)前記各実施形態では、パチンコ機10は、単独で動作するように構成されていたが、携帯電話機などの外部機器と連動させることによって、情報を送受信するように構成されていてもよい。例えば、遊技者が遊技機に設けられたボタン等を操作することによって、光学コードを出力することができるように遊技機を構成するとともに、この光学コードの情報を携帯電話等に設けられたカメラにて撮像して読み取り、ウェブサイトにアクセスすることによって、遊技機の情報をウェブサーバーに送信できるように遊技機を構成してもよい。また、遊技者がウェブサイトにアクセスすることによって発行されたパスワードを遊技機に設けられたボタン等を操作して遊技機に入力することによって、ウェブサーバーの情報を受信できるように遊技機を構成してもよい。
(23)前記各実施形態では、本発明の遊技機としてパチンコ機10を例示して説明していた。これに対して、本発明の遊技機は、パチンコ機10とは異なる他のタイプのパチンコ機であってもよく、例えば、本発明の遊技機は、特定の領域に遊技球が入球すると、電動役物を所定の回数だけ開放させるパチンコ機や、特定の領域に遊技球が入球すると、大当たりの権利を発生させるパチンコ機などであってもよい。また、本発明の遊技機は、アレンジボール機や、雀球等の他のタイプの遊技機であってもよい。
〔各実施形態から抽出される発明群〕
以下、前記各実施形態から抽出される発明群の特徴を説明する。なお、本発明群の特徴のうち、前記各実施形態において対応する構成を括弧書きで示すが、本発明群の特徴は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明群の特徴の目的を達成できる範囲での変形、改良等や、各特徴の組み合わせは本発明群の特徴に含まれるものである。
<特徴A群>
特徴A1.
遊技盤に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル27)と、前記遊技領域に設けられるとともに、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球手段(上作動口36)とを備える遊技機(パチンコ機10)であって、
前記入球手段は、
遊技球の入球に際して遊技者に高い価値を付与する高価値入球部(右上作動口362)と、
遊技球の入球に際して遊技者に前記高価値入球部にて付与される価値よりも低い価値を付与する低価値入球部(左上作動口361)と、
当該入球手段に入球した遊技球を前記高価値入球部および前記低価値入球部のいずれかに振り分けて入球させる振分手段(釘44b)とを備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A1によれば、入球手段に入球した遊技球は、振分手段にて振り分けられることによって、高価値入球部および低価値入球部のいずれかに入球することになるので、入球手段に遊技球が入球したときの遊技機の挙動を多様化することができる。また、高価値入球部は、遊技球の入球に際して遊技者に高い価値を付与し、低価値入球部は、遊技球の入球に際して遊技者に高価値入球部にて付与される価値よりも低い価値を付与するので、遊技者は、遊技球の行方に注目することになる。したがって、本発明群の特徴A1によれば、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴A2.
本発明群の特徴A1に記載された遊技機において、
前記高価値入球部は、遊技球の入球に際して内部抽選を実行し、
前記低価値入球部は、前記高価値入球部にて実行される内部抽選と同様の内部抽選を遊技球の入球に際して実行することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A2によれば、高価値入球部および低価値入球部は、遊技球の入球に際して同様の内部抽選を実行するので、遊技機は、入球手段への入球を契機とした内部抽選を実行することができる。
特徴A3.
本発明群の特徴A1に記載された遊技機において、
前記入球手段は、当該入球手段への入球を検知する入球検知部を備え、
前記入球検知部は、遊技球の入球に際して内部抽選を実行することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A3によれば、入球検知部は、遊技球の入球に際して内部抽選を実行するので、遊技機は、入球手段への入球を契機とした内部抽選を実行することができる。
また、遊技機は、入球手段に入球した遊技球の振り分け先(高価値入球部または低価値入球部)に関わらず、同様の内部抽選を実行することができる。したがって、本発明群の特徴A3によれば、入球手段の構成を簡素にすることができる。
特徴A4.
本発明群の特徴A1から特徴A3のいずれかに記載された遊技機において、
前記高価値入球部は、所定数の遊技球を遊技球の入球に際して払い出すことによって、遊技者に高い価値を付与し、
前記低価値入球部は、前記高価値入球部にて払い出される所定数の遊技球よりも少ない数の遊技球を遊技球の入球に際して払い出すことによって、遊技者に前記高価値入球部にて付与される価値よりも低い価値を付与することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A4によれば、遊技機は、遊技球の入球に際して払い出される遊技球の数の差によって、高価値入球部および低価値入球部の価値の差を明確にすることができるので、入球手段の構成を簡素にすることができる。
特徴A5.
本発明群の特徴A1から特徴A4のいずれかに記載された遊技機において、
前記振分手段は、前記高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合と、前記低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合とを設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A5によれば、遊技機は、高価値入球部に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合には、低価値入球部に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合と比較して、入球手段への遊技球の入球に際して遊技者に付与する価値を増加させることができる。また、遊技機は、低価値入球部に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合には、高価値入球部に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合と比較して、入球手段への遊技球の入球に際して遊技者に付与する価値を減少させることができる。換言すれば、遊技機は、高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合と、低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合とを振分手段にて設定することによって、入球手段への遊技球の入球に際して遊技者に付与する価値を増減させて調整することができる。
特徴A6.
本発明群の特徴A5に記載された遊技機において、
前記振分手段は、前記高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなるとともに、前記低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合が低くなる第1の状態と、前記高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合が低くなるとともに、前記低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなる第2の状態とを設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A6によれば、振分手段は、第1の状態と、第2の状態とを設定可能に構成されることによって、高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合と、低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合とを同時に設定することができる。したがって、本発明群の特徴A6によれば、振分手段の構成を簡素にすることができる。
特徴A7.
本発明群の特徴A1から特徴A6のいずれかに記載された遊技機において、
前記入球手段は、当該入球手段に入球した遊技球を前記振分手段に案内する振分案内部(側壁部363A,364A)を備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A7によれば、入球手段は、振分案内部を備えるので、入球手段に入球した遊技球は、振分案内部にて振分手段に案内される。したがって、本発明群の特徴A7によれば、遊技機は、入球手段に入球した遊技球を高価値入球部および低価値入球部のいずれかに確実に振り分けて入球させることができる。
特徴A8.
本発明群の特徴A7に記載された遊技機において、
前記振分案内部は、
前記遊技領域を流下する遊技球の流下方向に沿って直線状に延在するとともに、自己の延在方向と直交する方向に沿って遊技球1個分よりも広い間隔となるように配設された2つの側壁部(側壁部363A,364A)を有し、
前記各側壁部の内壁は、凹凸面状に形成されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A8によれば、振分案内部は、2つの側壁部を有しているので、入球手段に入球した遊技球は、各側壁部の間を通って、振分手段に案内される。そして、各側壁部の内壁は、凹凸面状に形成されているので、遊技球は、各側壁部の間を通るときに各側壁部の内壁に形成された凹凸に接触し、その流下方向は様々に変化する。したがって、本発明群の特徴A8によれば、遊技機は、入球手段に入球した遊技球を振分案内部にて振分手段に案内する際に遊技球の流下方向に変化を付与することができるので、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
特徴A9.
本発明群の特徴A7に記載された遊技機において、
前記振分案内部は、
前記遊技領域を流下する遊技球の流下方向に沿って直線状に延在するとともに、自己の延在方向と直交する方向に沿って遊技球1個分よりも広い間隔となるように配設された2つの側壁部(釘44x)を有し、
前記各側壁部は、複数の釘を配設することによって形成されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A9によれば、振分案内部は、2つの側壁部を有しているので、入球手段に入球した遊技球は、各側壁部の間を通って、振分手段に案内される。そして、各側壁部は、複数の釘を配設することによって形成されているので、遊技球は、各側壁部の間を通るときに各側壁部を形成する複数の釘に接触し、その流下方向は様々に変化する。したがって、本発明群の特徴A9によれば、遊技機は、入球手段に入球した遊技球を振分案内部にて振分手段に案内する際に遊技球の流下方向に変化を付与することができるので、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
また、各側壁部は、複数の釘を配設することによって形成されているので、例えば、複数の釘を設定することによって、入球手段に入球した遊技球を振分手段にて高価値入球部に振り分けて入球させやすくなるようにすることができ、複数の釘を設定することによって、入球手段に入球した遊技球を振分手段にて低価値入球部に振り分けて入球させやすくなるようにすることもできる。換言すれば、各側壁部は、複数の釘を設定することによって、高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合と、低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合とを設定することができる。
特徴A10.
本発明群の特徴A1から特徴A9のいずれかに記載された遊技機において、
前記入球手段は、
前記振分手段にて前記高価値入球部に振り分けられた遊技球を当該高価値入球部に案内する高価値案内部(湾曲壁部364B)と、
前記振分手段にて前記低価値入球部に振り分けられた遊技球を当該低価値入球部に案内する低価値案内部(湾曲壁部363B)とを備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A10によれば、入球手段は、高価値案内部および低価値案内部を備えるので、振分手段にて振り分けられた遊技球は、高価値入球部および低価値入球部のいずれかに確実に案内される。したがって、本発明群の特徴A10によれば、遊技機は、入球手段に入球した遊技球を高価値入球部および低価値入球部のいずれかに確実に振り分けて入球させることができる。
特徴A11.
本発明群の特徴A10に記載された遊技機において、
前記高価値案内部および前記低価値案内部は、それぞれ個別の部材として形成されるとともに、前記振分手段を挟んで対称となるように前記遊技盤に取り付けられることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A11によれば、高価値案内部および低価値案内部は、それぞれ個別の部材として形成されるとともに、振分手段を挟んで対称となるように遊技盤に取り付けられるので、高価値案内部および低価値案内部を同一形状の部材とすることができ、ひいては入球手段の製造コストを低減することができる。
特徴A12.
本発明群の特徴A10に記載された遊技機において、
前記入球手段は、前記振分手段が取り付けられるとともに、前記高価値案内部および前記低価値案内部を接続する接続部(接続部365)を備え、
前記高価値案内部および前記低価値案内部は、前記振分手段とともに前記遊技盤に取り付けられることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A12によれば、高価値案内部および低価値案内部は、振分手段とともに遊技盤に取り付けられるので、入球手段は、遊技盤に容易に取り付けることができる。
このような本発明の特徴A群によれば、入球手段に遊技球が入球したときの遊技機の挙動を多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができるので、次のような課題を解決することができる。
従来、複数の絵柄を変動表示する表示装置を備えた遊技機が知られている。この遊技機は、遊技領域に設けられた一般入賞口、作動口、および可変入賞装置などの各種入賞口を備え、この各種入賞口に遊技球が入球することによって、所定数の遊技球を払い出している(賞球)。また、遊技機は、作動口(入球手段)に遊技球が入球することによって、大当たり抽選などの内部抽選を実行するとともに、絵柄の変動表示を開始する。遊技機は、例えば、大当たり抽選に当選した場合には、特定の絵柄の組み合わせ等を表示装置に最終的に停止表示させるとともに、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する。この特定制御状態では、遊技機は、例えば、遊技球が入球可能な状態に可変入賞装置を移行させることによって、大量の遊技球を払い出している。
しかしながら、このような遊技機は、入球手段に遊技球が入球することによって、所定数の遊技球を払い出すとともに、大当たり抽選などの内部抽選を実行しているので、入球手段に遊技球が入球したときの遊技機の挙動は単調になってしまい、遊技者の注目度は低下してしまうという問題がある。
<特徴B群>
特徴B1.
遊技盤に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル27)と、前記遊技領域に設けられるとともに、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球手段(上作動口36A)とを備える遊技機(パチンコ機10)であって、
前記入球手段は、
遊技球の入球に際して内部抽選を実行するとともに、遊技者に高い価値を付与する高価値入球部(右上作動口366)と、
前記高価値入球部への入球を契機とした内部抽選にて付与される価値よりも低い価値を付与する内部抽選を遊技球の入球に際して実行することによって、遊技者に前記高価値入球部にて付与される価値よりも低い価値を付与する低価値入球部(左上作動口361)と、
当該入球手段に入球した遊技球を前記高価値入球部および前記低価値入球部のいずれかに振り分けて入球させる振分手段(釘44b)とを備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B1によれば、入球手段に入球した遊技球は、振分手段にて振り分けられることによって、高価値入球部および低価値入球部のいずれかに入球することになるので、入球手段に遊技球が入球したときの遊技機の内部抽選を多様化することができる。また、高価値入球部は、遊技球の入球に際して遊技者に高い価値を付与し、低価値入球部は、遊技球の入球に際して遊技者に高価値入球部にて付与される価値よりも低い価値を付与するので、遊技者は、遊技球の行方に注目することになる。したがって、本発明群の特徴B1によれば、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴B2.
本発明群の特徴B1に記載された遊技機において、
前記高価値入球部は、所定の期待度を有する内部抽選を遊技球の入球に際して実行することによって、遊技者に高い価値を付与し、
前記低価値入球部は、前記高価値入球部への入球を契機とした内部抽選の期待度よりも低い期待度を有する内部抽選を遊技球の入球に際して実行することによって、遊技者に前記高価値入球部にて付与される価値よりも低い価値を付与することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B2によれば、遊技機は、遊技球の入球に際して実行される内部抽選の期待度の差によって、高価値入球部および低価値入球部の価値の差を明確にすることができるので、入球手段の構成を簡素にすることができる。
特徴B3.
本発明群の特徴B1に記載された遊技機において、
前記高価値入球部は、遊技球の入球に際して遊技者に有用な情報を付与することによって、遊技者に高い価値を付与し、
前記低価値入球部は、遊技球の入球に際して遊技者に有用な情報を付与しないこと、または前記高価値入球部にて付与される情報よりも有用でない情報を付与することによって、遊技者に前記高価値入球部にて付与される価値よりも低い価値を付与することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B3によれば、高価値入球部は、遊技球の入球に際して遊技者に有用な情報を付与することによって、遊技者に高い価値を付与し、低価値入球部は、遊技球の入球に際して遊技者に有用な情報を付与しないこと、または高価値入球部にて付与される情報よりも有用でない情報を付与することによって、遊技者に高価値入球部にて付与される価値よりも低い価値を付与するので、遊技者は、遊技球の行方に注目することになる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴B4.
本発明群の特徴B1から特徴B3のいずれかに記載された遊技機において、
前記高価値入球部は、所定数の遊技球を遊技球の入球に際して払い出し、
前記低価値入球部は、前記高価値入球部にて払い出される所定数の遊技球と同数の遊技球を遊技球の入球に際して払い出すことを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B4によれば、遊技機は、遊技球の入球に際して払い出される遊技球の数の差に起因する高価値入球部および低価値入球部の価値の差はないので、遊技球の入球に際して実行される内部抽選の差に起因する高価値入球部および低価値入球部の価値の差のみとすることができる。したがって、本発明群の特徴B4によれば、遊技者は、高価値入球部および低価値入球部の価値の差を容易に把握することができる。
特徴B5.
本発明群の特徴B1から特徴B4のいずれかに記載された遊技機において、
前記振分手段は、前記高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合と、前記低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合とを設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B5によれば、遊技機は、高価値入球部に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合には、低価値入球部に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合と比較して、入球手段への遊技球の入球に際して遊技者に付与する価値を増加させることができる。また、遊技機は、低価値入球部に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合には、高価値入球部に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合と比較して、入球手段への遊技球の入球に際して遊技者に付与する価値を減少させることができる。換言すれば、遊技機は、高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合と、低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合とを振分手段にて設定することによって、入球手段への遊技球の入球に際して遊技者に付与する価値を増減させて調整することができる。
特徴B6.
本発明群の特徴B5に記載された遊技機において、
前記振分手段は、前記高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなるとともに、前記低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合が低くなる第1の状態と、前記高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合が低くなるとともに、前記低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなる第2の状態とを設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B6によれば、振分手段は、第1の状態と、第2の状態とを設定可能に構成されることによって、高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合と、低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合とを同時に設定することができる。したがって、本発明群の特徴B6によれば、振分手段の構成を簡素にすることができる。
特徴B7.
本発明群の特徴B1から特徴B6のいずれかに記載された遊技機において、
前記入球手段は、当該入球手段に入球した遊技球を前記振分手段に案内する振分案内部(側壁部363A,364A)を備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B7によれば、入球手段は、振分案内部を備えるので、入球手段に入球した遊技球は、振分案内部にて振分手段に案内される。したがって、本発明群の特徴B7によれば、遊技機は、入球手段に入球した遊技球を高価値入球部および低価値入球部のいずれかに確実に振り分けて入球させることができる。
特徴B8.
本発明群の特徴B7に記載された遊技機において、
前記振分案内部は、
前記遊技領域を流下する遊技球の流下方向に沿って直線状に延在するとともに、自己の延在方向と直交する方向に沿って遊技球1個分よりも広い間隔となるように配設された2つの側壁部(側壁部363A,364A)を有し、
前記各側壁部の内壁は、凹凸面状に形成されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B8によれば、振分案内部は、2つの側壁部を有しているので、入球手段に入球した遊技球は、各側壁部の間を通って、振分手段に案内される。そして、各側壁部の内壁は、凹凸面状に形成されているので、遊技球は、各側壁部の間を通るときに各側壁部の内壁に形成された凹凸に接触し、その流下方向は様々に変化する。したがって、本発明群の特徴B8によれば、遊技機は、入球手段に入球した遊技球を振分案内部にて振分手段に案内する際に遊技球の流下方向に変化を付与することができるので、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
特徴B9.
本発明群の特徴B7に記載された遊技機において、
前記振分案内部は、
前記遊技領域を流下する遊技球の流下方向に沿って直線状に延在するとともに、自己の延在方向と直交する方向に沿って遊技球1個分よりも広い間隔となるように配設された2つの側壁部を有し、
前記各側壁部は、複数の釘を配設することによって形成されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B9によれば、振分案内部は、2つの側壁部を有しているので、入球手段に入球した遊技球は、各側壁部の間を通って、振分手段に案内される。そして、各側壁部は、複数の釘を配設することによって形成されているので、遊技球は、各側壁部の間を通るときに各側壁部を形成する複数の釘に接触し、その流下方向は様々に変化する。したがって、本発明群の特徴B9によれば、遊技機は、入球手段に入球した遊技球を振分案内部にて振分手段に案内する際に遊技球の流下方向に変化を付与することができるので、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
また、各側壁部は、複数の釘を配設することによって形成されているので、例えば、複数の釘を設定することによって、入球手段に入球した遊技球を振分手段にて高価値入球部に振り分けて入球させやすくなるようにすることができ、複数の釘を設定することによって、入球手段に入球した遊技球を振分手段にて低価値入球部に振り分けて入球させやすくなるようにすることもできる。換言すれば、各側壁部は、複数の釘を設定することによって、高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合と、低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合とを設定することができる。
特徴B10.
本発明群の特徴B1から特徴B9のいずれかに記載された遊技機において、
前記入球手段は、
前記振分手段にて前記高価値入球部に振り分けられた遊技球を当該高価値入球部に案内する高価値案内部(湾曲壁部364B)と、
前記振分手段にて前記低価値入球部に振り分けられた遊技球を当該低価値入球部に案内する低価値案内部(湾曲壁部363B)とを備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B10によれば、入球手段は、高価値案内部および低価値案内部を備えるので、振分手段にて振り分けられた遊技球は、高価値入球部および低価値入球部のいずれかに確実に案内される。したがって、本発明群の特徴B10によれば、遊技機は、入球手段に入球した遊技球を高価値入球部および低価値入球部のいずれかに確実に振り分けて入球させることができる。
特徴B11.
本発明群の特徴B10に記載された遊技機において、
前記高価値案内部および前記低価値案内部は、それぞれ個別の部材として形成されるとともに、前記振分手段を挟んで対称となるように前記遊技盤に取り付けられることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B11によれば、高価値案内部および低価値案内部は、それぞれ個別の部材として形成されるとともに、振分手段を挟んで対称となるように遊技盤に取り付けられるので、高価値案内部および低価値案内部を同一形状の部材とすることができ、ひいては入球手段の製造コストを低減することができる。
特徴B12.
本発明群の特徴B10に記載された遊技機において、
前記入球手段は、前記振分手段が取り付けられるとともに、前記高価値案内部および前記低価値案内部を接続する接続部を備え、
前記高価値案内部および前記低価値案内部は、前記振分手段とともに前記遊技盤に取り付けられることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B12によれば、高価値案内部および低価値案内部は、振分手段とともに遊技盤に取り付けられるので、入球手段は、遊技盤に容易に取り付けることができる。
このような本発明の特徴B群によれば、入球手段に遊技球が入球したときの遊技機の挙動を多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができるので、次のような課題を解決することができる。
従来、複数の絵柄を変動表示する表示装置を備えた遊技機が知られている。この遊技機は、遊技領域に設けられた一般入賞口、作動口、および可変入賞装置などの各種入賞口を備え、この各種入賞口に遊技球が入球することによって、所定数の遊技球を払い出している(賞球)。また、遊技機は、作動口(入球手段)に遊技球が入球することによって、大当たり抽選などの内部抽選を実行するとともに、絵柄の変動表示を開始する。遊技機は、例えば、大当たり抽選に当選した場合には、特定の絵柄の組み合わせ等を表示装置に最終的に停止表示させるとともに、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する。この特定制御状態では、遊技機は、例えば、遊技球が入球可能な状態に可変入賞装置を移行させることによって、大量の遊技球を払い出している。
しかしながら、このような遊技機は、入球手段に遊技球が入球することによって、所定数の遊技球を払い出すとともに、大当たり抽選などの内部抽選を実行しているので、入球手段に遊技球が入球したときの遊技機の内部抽選は単調になってしまい、遊技者の注目度は低下してしまうという問題がある。
<特徴C群>
特徴C1.
遊技盤に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル27)と、前記遊技領域に設けられるとともに、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球手段(上作動口36B)とを備える遊技機(パチンコ機10)であって、
前記入球手段は、
遊技球の入球に際して遊技者に高い価値を付与する高価値入球部(右上作動口362)と、
遊技球の入球に際して遊技者に前記高価値入球部にて付与される価値よりも低い価値を付与する低価値入球部(左上作動口361)と、
当該入球手段に入球した遊技球を自己の回転方向に倣った方向に振り分けることによって、前記高価値入球部および前記低価値入球部のいずれかに振り分けて入球させる回転振分手段(風車ユニット48)とを備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C1によれば、入球手段に入球した遊技球は、回転振分手段にて振り分けられることによって、高価値入球部および低価値入球部のいずれかに入球することになるので、入球手段に遊技球が入球したときの遊技機の内部抽選を多様化することができる。また、回転振分手段は、入球手段に入球した遊技球を自己の回転方向に倣った方向に振り分けることによって、高価値入球部および低価値入球部のいずれかに振り分けて入球させるので、遊技者は、回転振分手段の回転方向に注目することになる。さらに、高価値入球部は、遊技球の入球に際して遊技者に高い価値を付与し、低価値入球部は、遊技球の入球に際して遊技者に高価値入球部にて付与される価値よりも低い価値を付与するので、遊技者は、遊技球の行方に注目することになる。したがって、本発明群の特徴C1によれば、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴C2.
本発明群の特徴C1に記載された遊技機において、
前記高価値入球部は、遊技球の入球に際して内部抽選を実行し、
前記低価値入球部は、前記高価値入球部にて実行される内部抽選と同様の内部抽選を遊技球の入球に際して実行することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C2によれば、高価値入球部および低価値入球部は、遊技球の入球に際して同様の内部抽選を実行するので、遊技機は、入球手段への入球を契機とした内部抽選を実行することができる。
特徴C3.
本発明群の特徴C1に記載された遊技機において、
前記入球手段は、当該入球手段への入球を検知する入球検知部を備え、
前記入球検知部は、遊技球の入球に際して内部抽選を実行することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C3によれば、入球検知部は、遊技球の入球に際して内部抽選を実行するので、遊技機は、入球手段への入球を契機とした内部抽選を実行することができる。
また、遊技機は、入球手段に入球した遊技球の振り分け先(高価値入球部または低価値入球部)に関わらず、同様の内部抽選を実行することができる。したがって、本発明群の特徴C3によれば、入球手段の構成を簡素にすることができる。
特徴C4.
本発明群の特徴C1から特徴C3のいずれかに記載された遊技機において、
前記高価値入球部は、所定数の遊技球を遊技球の入球に際して払い出すことによって、遊技者に高い価値を付与し、
前記低価値入球部は、前記高価値入球部にて払い出される所定数の遊技球よりも少ない数の遊技球を遊技球の入球に際して払い出すことによって、遊技者に前記高価値入球部にて付与される価値よりも低い価値を付与することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C4によれば、遊技機は、遊技球の入球に際して払い出される遊技球の数の差によって、高価値入球部および低価値入球部の価値の差を明確にすることができるので、入球手段の構成を簡素にすることができる。
特徴C5.
本発明群の特徴C1から特徴C4のいずれかに記載された遊技機において、
前記回転振分手段は、前記高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合と、前記低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合とを設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C5によれば、遊技機は、高価値入球部に多くの遊技球を振り分けるように回転振分手段を設定した場合には、低価値入球部に多くの遊技球を振り分けるように回転振分手段を設定した場合と比較して、入球手段への遊技球の入球に際して遊技者に付与する価値を増加させることができる。また、遊技機は、低価値入球部に多くの遊技球を振り分けるように回転振分手段を設定した場合には、高価値入球部に多くの遊技球を振り分けるように回転振分手段を設定した場合と比較して、入球手段への遊技球の入球に際して遊技者に付与する価値を減少させることができる。換言すれば、遊技機は、高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合と、低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合とを回転振分手段にて設定することによって、入球手段への遊技球の入球に際して遊技者に付与する価値を増減させて調整することができる。
特徴C6.
本発明群の特徴C5に記載された遊技機において、
前記回転振分手段は、前記高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなるとともに、前記低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合が低くなるように回転する第1の回転状態(自由回転状態)と、前記高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合が低くなるとともに、前記低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなるように回転する第2の回転状態(規制回転状態)とを切り替えて設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C6によれば、回転振分手段は、第1の回転状態と、第2の回転状態とを切り替えて設定することによって、高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合と、低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合とを設定することができる。したがって、本発明群の特徴C6によれば、回転振分手段の構成を簡素にすることができる。
特徴C7.
本発明群の特徴C6に記載された遊技機において、
前記回転振分手段は、前記第1の回転状態では、前記高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなる方向と、前記低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなる方向との双方向に回転し、前記第2の回転状態では、前記低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなる方向の一方向にのみ回転することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C7によれば、回転振分手段は、第2の回転状態では、低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなる方向の一方向にのみ回転するので、回転振分手段の構成を簡素にすることができる。
特徴C8.
本発明群の特徴C7に記載された遊技機において、
前記回転振分手段は、ラチェット機構(回転軸482およびラチェット部483)を備え、前記第2の状態では、前記ラチェット機構にて前記低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなる方向の一方向にのみ回転することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C8によれば、回転振分手段は、第2の回転状態において、ラチェット機構にて高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなる方向に回転させないようにすることができるので、回転振分手段の構成を簡素にすることができる。
特徴C9.
本発明群の特徴C1から特徴C8のいずれかに記載された遊技機において、
前記入球手段は、当該入球手段に入球した遊技球を前記回転振分手段に案内する振分案内部(側壁部367A,368A)を備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C9によれば、入球手段は、振分案内部を備えるので、入球手段に入球した遊技球は、振分案内部にて回転振分手段に案内される。したがって、本発明群の特徴C9によれば、遊技機は、入球手段に入球した遊技球を高価値入球部および低価値入球部のいずれかに確実に振り分けて入球させることができる。
特徴C10.
本発明群の特徴C8に記載された遊技機において、
前記振分案内部は、
前記遊技領域を流下する遊技球の流下方向に沿って直線状に延在するとともに、自己の延在方向と直交する方向に沿って遊技球1個分よりも広い間隔となるように配設された2つの側壁部(側壁部367A,368A)を有し、
前記各側壁部の内壁は、凹凸面状に形成されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C10によれば、振分案内部は、2つの側壁部を有しているので、入球手段に入球した遊技球は、各側壁部の間を通って、回転振分手段に案内される。そして、各側壁部の内壁は、凹凸面状に形成されているので、遊技球は、各側壁部の間を通るときに各側壁部の内壁に形成された凹凸に接触し、その流下方向は様々に変化する。したがって、本発明群の特徴C10によれば、遊技機は、入球手段に入球した遊技球を振分案内部にて回転振分手段に案内する際に遊技球の流下方向に変化を付与することができるので、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
特徴C11.
本発明群の特徴C9に記載された遊技機において、
前記振分案内部は、
前記遊技領域を流下する遊技球の流下方向に沿って直線状に延在するとともに、自己の延在方向と直交する方向に沿って遊技球1個分よりも広い間隔となるように配設された2つの側壁部を有し、
前記各側壁部は、複数の釘を配設することによって形成されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C11によれば、振分案内部は、2つの側壁部を有しているので、入球手段に入球した遊技球は、各側壁部の間を通って、回転振分手段に案内される。そして、各側壁部は、複数の釘を配設することによって形成されているので、遊技球は、各側壁部の間を通るときに各側壁部を形成する複数の釘に接触し、その流下方向は様々に変化する。したがって、本発明群の特徴C11によれば、遊技機は、入球手段に入球した遊技球を振分案内部にて回転振分手段に案内する際に遊技球の流下方向に変化を付与することができるので、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
また、各側壁部は、複数の釘を配設することによって形成されているので、例えば、複数の釘を設定することによって、入球手段に入球した遊技球を回転振分手段にて高価値入球部に振り分けて入球させやすくなるようにすることができ、複数の釘を設定することによって、入球手段に入球した遊技球を回転振分手段にて低価値入球部に振り分けて入球させやすくなるようにすることもできる。換言すれば、各側壁部は、複数の釘を設定することによって、高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合と、低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合とを設定することができる。
特徴C12.
本発明群の特徴C1から特徴C11のいずれかに記載された遊技機において、
前記入球手段は、
前記回転振分手段にて前記高価値入球部に振り分けられた遊技球を当該高価値入球部に案内する高価値案内部(湾曲壁部368B)と、
前記回転振分手段にて前記低価値入球部に振り分けられた遊技球を当該低価値入球部に案内する低価値案内部(湾曲壁部367B)とを備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C12によれば、入球手段は、高価値案内部および低価値案内部を備えるので、回転振分手段にて振り分けられた遊技球は、高価値入球部および低価値入球部のいずれかに確実に案内される。したがって、本発明群の特徴C12によれば、遊技機は、入球手段に入球した遊技球を高価値入球部および低価値入球部のいずれかに確実に振り分けて入球させることができる。
特徴C13.
本発明群の特徴C12に記載された遊技機において、
前記高価値案内部および前記低価値案内部は、それぞれ個別の部材として形成されるとともに、前記回転振分手段を挟んで対称となるように前記遊技盤に取り付けられることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C13によれば、高価値案内部および低価値案内部は、それぞれ個別の部材として形成されるとともに、回転振分手段を挟んで対称となるように遊技盤に取り付けられるので、高価値案内部および低価値案内部を同一形状の部材とすることができ、ひいては入球手段の製造コストを低減することができる。
このような本発明の特徴C群によれば、入球手段に遊技球が入球したときの遊技機の挙動を多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができるので、次のような課題を解決することができる。
従来、複数の絵柄を変動表示する表示装置を備えた遊技機が知られている。この遊技機は、遊技領域に設けられた一般入賞口、作動口、および可変入賞装置などの各種入賞口を備え、この各種入賞口に遊技球が入球することによって、所定数の遊技球を払い出している(賞球)。また、遊技機は、作動口(入球手段)に遊技球が入球することによって、大当たり抽選などの内部抽選を実行するとともに、絵柄の変動表示を開始する。遊技機は、例えば、大当たり抽選に当選した場合には、特定の絵柄の組み合わせ等を表示装置に最終的に停止表示させるとともに、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する。この特定制御状態では、遊技機は、例えば、遊技球が入球可能な状態に可変入賞装置を移行させることによって、大量の遊技球を払い出している。
しかしながら、このような遊技機は、入球手段に遊技球が入球することによって、所定数の遊技球を払い出すとともに、大当たり抽選などの内部抽選を実行しているので、入球手段に遊技球が入球したときの遊技機の挙動は単調になってしまい、遊技者の注目度は低下してしまうという問題がある。
<特徴D群>
特徴D1.
遊技盤に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル27)と、前記遊技領域に設けられるとともに、前記遊技領域を流下する遊技球の振り分け状態を設定する振分設定手段(釘44b)とを備える遊技機(パチンコ機10)であって、
前記遊技盤に設けられるとともに、前記振分設定手段にて遊技球の振り分け状態を設定するための目標を示唆する目標示唆手段(目盛部31C)と、
前記遊技盤に着脱自在に設けられるとともに、前記遊技盤に取り付けることによって、前記目標示唆手段を遮蔽し、前記遊技盤から取り外すことによって、前記目標示唆手段を露出させる遮蔽手段(接続部365C)とを備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D1によれば、遮蔽手段は、遊技盤に取り付けることによって、目標示唆手段を遮蔽するので、遊技球の振り分け状態の設定を遊技者には見えないようにすることができる。また、遮蔽手段は、遊技盤から取り外すことによって、目標示唆手段を露出させるので、遊技場の管理者などは、目標示唆手段を見ることによって、遊技球の振り分け状態を容易に設定することができる。
特徴D2.
本発明群の特徴D1に記載された遊技機において、
前記遊技領域に設けられるとともに、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球手段(上作動口36C)を備え、
前記入球手段は、
遊技球の入球に際して遊技者に高い価値を付与する高価値入球部(右上作動口362)と、
遊技球の入球に際して遊技者に前記高価値入球部にて付与される価値よりも低い価値を付与する低価値入球部(左上作動口361)とを備え、
前記振分設定手段は、前記入球手段に入球した遊技球を前記高価値入球部および前記低価値入球部のいずれかに振り分けて入球させるとともに、遊技球の振り分け状態を設定することによって、前記高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合と、前記低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合とを設定することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D2によれば、入球手段に入球した遊技球は、振分設定手段にて振り分けられることによって、高価値入球部および低価値入球部のいずれかに入球することになるので、入球手段に遊技球が入球したときの遊技機の挙動を多様化することができる。また、高価値入球部は、遊技球の入球に際して遊技者に高い価値を付与し、低価値入球部は、遊技球の入球に際して遊技者に高価値入球部にて付与される価値よりも低い価値を付与するので、遊技者は、遊技球の行方に注目することになる。したがって、本発明群の特徴D2によれば、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
そして、遊技機は、高価値入球部に多くの遊技球を振り分けるように振分設定手段を設定した場合には、低価値入球部に多くの遊技球を振り分けるように振分設定手段を設定した場合と比較して、入球手段への遊技球の入球に際して遊技者に付与する価値を増加させることができる。また、遊技機は、低価値入球部に多くの遊技球を振り分けるように振分設定手段を設定した場合には、高価値入球部に多くの遊技球を振り分けるように振分設定手段を設定した場合と比較して、入球手段への遊技球の入球に際して遊技者に付与する価値を減少させることができる。換言すれば、遊技機は、高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合と、低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合とを振分設定手段にて設定することによって、入球手段への遊技球の入球に際して遊技者に付与する価値を増減させて調整することができる。
また、振分設定手段は、遊技球の振り分け状態を設定することによって、高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合と、低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合とを設定するので、これらの割合を目標示唆手段にて明確に示唆することができる。
特徴D3.
本発明群の特徴D2に記載された遊技機において、
前記振分設定手段は、前記高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなるとともに、前記低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合が低くなる第1の状態と、前記高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合が低くなるとともに、前記低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合が高くなる第2の状態とを設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D3によれば、振分設定手段は、第1の状態と、第2の状態とを設定可能に構成されることによって、高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合と、低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合とを同時に設定することができる。したがって、本発明群の特徴D3によれば、振分設定手段の構成を簡素にすることができる。
特徴D4.
本発明群の特徴D2または特徴D3に記載された遊技機において、
前記高価値入球部は、遊技球の入球に際して内部抽選を実行し、
前記低価値入球部は、前記高価値入球部にて実行される内部抽選と同様の内部抽選を遊技球の入球に際して実行することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D4によれば、高価値入球部および低価値入球部は、遊技球の入球に際して同様の内部抽選を実行するので、遊技機は、入球手段への入球を契機とした内部抽選を実行することができる。
特徴D5.
本発明群の特徴D2または特徴D3に記載された遊技機において、
前記入球手段は、当該入球手段への入球を検知する入球検知部を備え、
前記入球検知部は、遊技球の入球に際して内部抽選を実行することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D5によれば、入球検知部は、遊技球の入球に際して内部抽選を実行するので、遊技機は、入球手段への入球を契機とした内部抽選を実行することができる。
また、遊技機は、入球手段に入球した遊技球の振り分け先(高価値入球部または低価値入球部)に関わらず、同様の内部抽選を実行することができる。したがって、本発明群の特徴D5によれば、入球手段の構成を簡素にすることができる。
特徴D6.
本発明群の特徴D2から特徴D5のいずれかに記載された遊技機において、
前記高価値入球部は、所定数の遊技球を遊技球の入球に際して払い出すことによって、遊技者に高い価値を付与し、
前記低価値入球部は、前記高価値入球部にて払い出される所定数の遊技球よりも少ない数の遊技球を遊技球の入球に際して払い出すことによって、遊技者に前記高価値入球部にて付与される価値よりも低い価値を付与することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D6によれば、遊技機は、遊技球の入球に際して払い出される遊技球の数の差によって、高価値入球部および低価値入球部の価値の差を明確にすることができるので、入球手段の構成を簡素にすることができる。
特徴D7.
本発明群の特徴D6に記載された遊技機において、
前記目標示唆手段は、前記入球手段に入球した遊技球に基づく賞球数の期待値を示唆することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D7によれば、目標示唆手段は、入球手段に入球した遊技球に基づく賞球数の期待値を示唆するので、遊技場の管理者などは、目標示唆手段を見ることによって、入球手段に入球した遊技球に基づく賞球数の期待値を容易に調整することができる。
特徴D8.
本発明群の特徴D2から特徴D7のいずれかに記載された遊技機において、
前記入球手段は、当該入球手段に入球した遊技球を前記振分設定手段に案内する振分案内部(側壁部363A,364A)を備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D8によれば、入球手段は、振分案内部を備えるので、入球手段に入球した遊技球は、振分案内部にて振分設定手段に案内される。したがって、本発明群の特徴D8によれば、遊技機は、入球手段に入球した遊技球を高価値入球部および低価値入球部のいずれかに確実に振り分けて入球させることができる。
特徴D9.
本発明群の特徴D8に記載された遊技機において、
前記振分案内部は、
前記遊技領域を流下する遊技球の流下方向に沿って直線状に延在するとともに、自己の延在方向と直交する方向に沿って遊技球1個分よりも広い間隔となるように配設された2つの側壁部(側壁部363A,364A)を有し、
前記各側壁部の内壁は、凹凸面状に形成されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D9によれば、振分案内部は、2つの側壁部を有しているので、入球手段に入球した遊技球は、各側壁部の間を通って、振分設定手段に案内される。そして、各側壁部の内壁は、凹凸面状に形成されているので、遊技球は、各側壁部の間を通るときに各側壁部の内壁に形成された凹凸に接触し、その流下方向は様々に変化する。したがって、本発明群の特徴D9によれば、遊技機は、入球手段に入球した遊技球を振分案内部にて振分設定手段に案内する際に遊技球の流下方向に変化を付与することができるので、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
特徴D10.
本発明群の特徴D8に記載された遊技機において、
前記振分案内部は、
前記遊技領域を流下する遊技球の流下方向に沿って直線状に延在するとともに、自己の延在方向と直交する方向に沿って遊技球1個分よりも広い間隔となるように配設された2つの側壁部(釘44x)を有し、
前記各側壁部は、複数の釘を配設することによって形成されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D10によれば、振分案内部は、2つの側壁部を有しているので、入球手段に入球した遊技球は、各側壁部の間を通って、振分設定手段に案内される。そして、各側壁部は、複数の釘を配設することによって形成されているので、遊技球は、各側壁部の間を通るときに各側壁部を形成する複数の釘に接触し、その流下方向は様々に変化する。したがって、本発明群の特徴D10によれば、遊技機は、入球手段に入球した遊技球を振分案内部にて振分設定手段に案内する際に遊技球の流下方向に変化を付与することができるので、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
また、各側壁部は、複数の釘を配設することによって形成されているので、例えば、複数の釘を設定することによって、入球手段に入球した遊技球を振分設定手段にて高価値入球部に振り分けて入球させやすくなるようにすることができ、複数の釘を設定することによって、入球手段に入球した遊技球を振分設定手段にて低価値入球部に振り分けて入球させやすくなるようにすることもできる。換言すれば、各側壁部は、複数の釘を設定することによって、高価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合と、低価値入球部に遊技球を振り分けて入球させる割合とを設定することができる。
特徴D11.
本発明群の特徴D2から特徴D10のいずれかに記載された遊技機において、
前記入球手段は、
前記振分設定手段にて前記高価値入球部に振り分けられた遊技球を当該高価値入球部に案内する高価値案内部(湾曲壁部364B)と、
前記振分設定手段にて前記低価値入球部に振り分けられた遊技球を当該低価値入球部に案内する低価値案内部(湾曲壁部363B)とを備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D11によれば、入球手段は、高価値案内部および低価値案内部を備えるので、振分設定手段にて振り分けられた遊技球は、高価値入球部および低価値入球部のいずれかに確実に案内される。したがって、本発明群の特徴D11によれば、遊技機は、入球手段に入球した遊技球を高価値入球部および低価値入球部のいずれかに確実に振り分けて入球させることができる。
特徴D12.
本発明群の特徴D11に記載された遊技機において、
前記遮蔽手段は、前記高価値案内部および前記低価値案内部を接続し、
前記高価値案内部および前記低価値案内部は、前記遮蔽手段とともに前記遊技盤に取り付けられることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D12によれば、遮蔽手段は、高価値案内部および低価値案内部を接続しているので、高価値案内部および低価値案内部とともに遊技盤に容易に取り付けることができる。
このような本発明の特徴D群によれば、遊技球の振り分け状態を容易に設定することができるので、次のような課題を解決することができる。
従来、複数の絵柄を変動表示する表示装置を備えた遊技機が知られている。この遊技機は、遊技領域に設けられた一般入賞口、作動口、および可変入賞装置などの各種入賞口を備え、この各種入賞口に遊技球が入球することによって、所定数の遊技球を払い出している(賞球)。また、遊技機は、作動口(入球手段)に遊技球が入球することによって、大当たり抽選などの内部抽選を実行するとともに、絵柄の変動表示を開始する。遊技機は、例えば、大当たり抽選に当選した場合には、特定の絵柄の組み合わせ等を表示装置に最終的に停止表示させるとともに、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する。この特定制御状態では、遊技機は、例えば、遊技球が入球可能な状態に可変入賞装置を移行させることによって、大量の遊技球を払い出している。
このような遊技機は、遊技領域に設けられた釘や役物などによって、遊技球の振り分け状態を設定している。しかしながら、釘や役物などにて遊技球の振り分け状態を設定するための目標は存在していないので、遊技場の管理者などは、遊技球の振り分け状態を容易に設定することができないという問題がある。