以下に、本発明の実施の形態にかかるメンテナンス支援プログラム、メンテナンス支援装置、およびメンテナンス支援方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらの実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかるメンテナンス支援装置を備えたメンテナンス支援システムの構成を示す図である。メンテナンス支援システム1Xは、被制御機器47の状態を監視装置50によって監視するとともに、被制御機器47の状態を監視するための支援を行うシステムである。メンテナンス支援システム1Xは、コントローラによって制御される被制御機器47から特定の周期でデータを収集し、収集したデータの値が継続する期間に基づいて、データの収集周期が適切か否かを解析する。すなわち、メンテナンス支援システム1Xは、特定の時間毎に収集されたデータに基づいて、収集されたデータの値が変動するまでの時間の間隔である変動間隔を算出し、算出結果に基づいて、データの収集周期が適切であるか否かを判定する。コントローラの一例は、PLC(プログラマブルロジックコントローラ:Programmable Logic Controller)46である。
メンテナンス支援システム1Xは、1または複数のユーザシステムと、上位サーバ40Aとを備えている。実施の形態1では、メンテナンス支援システム1Xが備えるユーザシステムが、ユーザシステム2A〜2Cである場合について説明する。
上位サーバ40Aは、ネットワーク3を介して、ユーザシステム2A〜2Cに接続されたコンピュータであり、ユーザシステム2A〜2Bから種々の情報を収集する。上位サーバ40Aは、ユーザシステム2A〜2Cから収集した情報に基づいて、種々の管理を行う。上位サーバ40Aは、クラウドコンピューティングを用いることによって、ユーザシステム2A〜2C内の装置を制御することができる。
ユーザシステム2A〜2Cは、同様の構成を有しているので、ここでは、ユーザシステム2Aの構成について説明する。ユーザシステム2Aは、メンテナンス支援装置10Aと、表示装置45と、監視装置50と、通信装置30と、PLC46と、被制御機器47とを備えている。
被制御機器47は、PLC46によって制御される機器である。被制御機器47の例は、インバータ、サーボ機構、モータなどである。
PLC46は、被制御機器47を制御するとともに、被制御機器47から被制御機器47のデータを収集する。また、PLC46は、ネットワーク4を介して通信装置30に接続されている。なお、PLC46に制御される被制御機器47は、複数であってもよい。また、通信装置30に接続されるPLC46は、複数であってもよい。
通信装置30は、メンテナンス支援装置10Aから見た第1の外部装置であり、通信を実行するための通信プログラムを用いてPLC46から被制御機器47のデータを取得する。以下の説明では、通信装置30がPLC46から収集するデータを収集データという。通信装置30の例は、OPC(OLE(Object Linking and Embedding) for Process Control)サーバである。OPCサーバは、国際標準のアプリケーション間通信インタフェースの統一仕様を用いたサーバである。収集データの例は、被制御機器47の状態を示すデータである。収集設定装置である通信装置30は、収集データの収集条件が設定された収集設定情報を記憶している。収集設定情報では、収集データのデータ名、収集データを収集する周期(以下、収集周期という)などが設定されている。
監視装置50は、メンテナンス支援装置10Aから見た第2の外部装置であり、ユーザシステム2Aの監視およびプロセス制御を行う。監視装置50は、ユーザシステム2Aを監視するための監視プログラムを用いてシステム監視を実行するとともに、ユーザシステム2Aによるプロセスを制御するための制御プログラムを用いてプロセス制御を実行する。監視装置50の例は、システム監視およびプロセス制御を行う監視制御システムであるSCADA(Supervisory Control and Data Acquisition)である。監視装置50は、PLC46を介して被制御機器47を監視するためのデータを収集するとともに、PLC46を介して被制御機器47を制御する。また、本実施の形態の監視装置50は、通信装置30から収集データを読み出して記憶する。
メンテナンス支援装置10Aは、PLC46が被制御機器47から収集データを収集する収集周期が適切か否かを解析するコンピュータである。メンテナンス支援装置10Aは、収集周期が適切であるか否かを解析する際に用いる解析ルールを記憶している。メンテナンス支援装置10Aは、監視装置50から収集データを読み出し、通信装置30から収集設定情報を読み出す。メンテナンス支援装置10Aは、収集データと、収集設定情報と、解析ルールとを用いて、収集周期が適切であるか否かを判定する。
メンテナンス支援装置10Aは、収集周期を解析するためのプログラムであるメンテナンス支援プログラムを用いて収集周期を解析する。メンテナンス支援装置10Aは、解析結果を表示装置45に送る。解析結果の例は、現在の収集周期が適切であるか否かの判定結果、算出した新たな収集周期である。判定結果には、現在の収集周期を変更することを提案するコメント、または収集処理に異常が発生していることを示すコメントが含まれている。表示装置45は、解析結果を表示する。表示装置45の例は、液晶モニタである。
メンテナンス支援装置10Aは、解析結果を、上位サーバ40A、通信装置30といった外部装置に送信する。通信装置30は、解析結果として、新たな収集周期を受信すると、新たな収集周期を通信装置30の収集設定情報に設定する。
また、ユーザシステム2Aのユーザは、図示しないユーザ端末などによって解析結果を受信すると、解析結果に基づいて、新たな収集周期を通信装置30の収集設定情報に設定してもよい。この場合、新たな収集周期は、通信装置30が備えるユーザインタフェース(UI:User Interface)を用いて収集設定情報に設定される。また、メンテナンス支援装置10Aが、通信装置30に新たな収集周期を送信した場合、通信装置30は、新たな収集周期を自動で収集設定情報に設定してもよい。
なお、ユーザシステム2Aのユーザは、表示装置45に表示された情報を参照し、通信装置30が備えるユーザインタフェースを用いて収集周期を収集設定情報に設定してもよい。このように、メンテナンス支援システム1Xは、被制御機器47の状態を監視制御するための環境のメンテナンスを支援する。
また、ユーザシステム2Aは、表示装置45を備えていなくてもよい。この場合、表示装置45は、ユーザシステム2Aの外部に配置されてもよい。また、メンテナンス支援システム1Xは、ユーザシステム2A以外の構成要素を備えていなくてもよい。また、メンテナンス支援システム1Xが備えるユーザシステムは、ユーザシステム2A〜2Cの3つに限らず、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
また、メンテナンス支援装置10Aは、監視装置50内に配置されていてもよいし、通信装置30内に配置されていてもよい。また、メンテナンス支援装置10Aは、上位サーバ40A内といった、ユーザシステム2Aの外部に配置されていてもよい。
図2は、実施の形態1にかかるメンテナンス支援装置を備えたユーザシステムの構成を示す図である。前述したように、ユーザシステム2A〜2Cは、同様の構成を有しているので、ここでは、ユーザシステム2Aの構成について説明する。図2では、ユーザシステム2Aの構成要素のうち、表示装置45、PLC46および被制御機器47の図示を省略しており、ユーザシステム2Aの構成要素のうち、メンテナンス支援装置10A、監視装置50、および通信装置30を図示している。
通信装置30は、収集情報設定部31と、設定情報記憶部32と、通信部33とを有している。設定情報記憶部32は、収集設定情報152を記憶するメモリなどである。収集設定情報152では、収集データの「データ名」と、収集データの「データ型」と、収集データの収集先を示す「収集先情報」と、収集データの「収集周期」とが規定されている。「データ名」は、収集データの名称であり、「データ型」は、収集データの型式である。「収集先情報」では、収集先の情報として、通信装置30から収集先の端末までの接続関係の情報、または収集先の端末のアドレスが設定されている。「収集周期」では、例えば1分のように特定の時間が設定されている。PLC46は、収集設定情報152に従って収集データを収集する。したがって、収集データは、「収集周期」で設定されている特定の時間毎に収集される。
収集情報設定部31は、ユーザからの指示に基づいて、収集設定情報152を設定する。ユーザは、収集データが収集される前に収集設定情報152を設定しておく。収集設定情報152は、メンテナンス支援装置10Aによる解析の結果に基づいて、変更可能である。
通信部33は、収集設定情報152に基づいて、PLC46から収集データを読み出して監視装置50に送る。また、監視装置50から通信装置30に、監視対象のデータの要求があった場合には、通信部33が監視対象のデータをPLC46から収集して監視装置50に送る。
監視装置50は、監視部51と、収集データ記憶部52と、通信部53とを有している。監視部51は、監視対象のデータの要求を通信部33に送る。通信部53は、通信装置30の通信部33との間で通信を行う。通信部53は、監視対象のデータの要求を通信部33に送信する。通信部53は、監視対象のデータを通信部33から受信し、監視装置50内に記憶させる。また、通信部53は、通信部33から収集データを受信すると、収集データを収集データ記憶部52に記憶させる。監視装置50が通信装置30から取得する収集データは、監視対象のデータの一部であってもよい。
収集データ記憶部52は、収集データを記憶するメモリなどである。収集データでは、収集データの「データ名」と、収集データが収集された日時を示す「タイムスタンプ」と、収集データの「値」とが対応付けされている。収集データ記憶部52は、複数種類の収集データを記憶する。
メンテナンス支援装置10Aは、収集データ読出部11と、収集設定情報読出部12と、ルール記憶部13と、収集データ解析部14Aと、解析結果通知部15と、表示制御部16と、ネットワーク接続部17とを有している。
収集データ読出部11は、収集データ記憶部52から判定対象となる特定の種類の収集データを読み出して、収集データ解析部14Aに送る。収集設定情報読出部12は、設定情報記憶部32から収集設定情報152を読み出して、収集データ解析部14Aに送る。
ルール記憶部13は、収集周期を解析する際に用いられる解析ルール201Aを記憶するメモリなどである。解析ルール201Aには、判定情報210Aと出力メッセージ情報211Aとが含まれている。判定情報210Aは、収集データを収集する際に用いられる収集周期が適切であるか否かを判定する際に用いられる情報である。出力メッセージ情報211Aには、収集周期が適切でなかった場合に、表示または出力されるメッセージである。出力メッセージ情報211Aには、収集周期が適切であるか否かの判定に用いられる判定条件毎に出力メッセージが設定されている。
解析ルール201Aでは、収集データの変動間隔といった判定対象と、収集設定情報152内の収集周期と、収集周期が適切であるか否かを判定するための判定条件と、出力メッセージと、が対応付けされている。なお、以下の説明では、収集データの変動間隔を、単に変動間隔という場合がある。解析ルール201Aにおける、判定対象、収集周期、および判定条件が、判定情報210Aであり、解析ルール201Aにおける出力メッセージが、出力メッセージ情報211Aである。判定条件は、収集周期が不適切であると判定するための条件である。例えば、収集データが、5分連続で同じ値を示す場合の変動間隔は5分である。
収集データ解析部14Aは、収集データの収集周期を解析し、収集周期が適切であるか否かを判定する。収集データ解析部14Aは、判定部21Aと、収集データ加工部22と、ルール読出部23とを有している。
収集データ加工部22は、収集データを解析用のデータにするため、収集データを加工する。収集データ加工部22は、加工した収集データを判定部21Aに送る。ルール読出部23は、ルール記憶部13から解析ルール201Aを読み出して判定部21Aに送る。
判定部21Aは、解析ルール201Aと、加工された収集データとを用いて、収集周期が適切であるか否かを判定する。具体的には、判定部21Aは、加工された収集データに基づいて、収集データの「値」が連続して同じとなる期間の長さである変動間隔、または収集データが実際に収集された時間間隔であるタイムスタンプの時間間隔を算出する。タイムスタンプの時間間隔は、N(Nは自然数)番目の「値」が収集された際に記録されたN番目のタイムスタンプが示す時間と、(N+1)番目の「値」が収集された際に記録された(N+1)番目のタイムスタンプが示す時間と、の間の時間差である。以下の説明では、タイムスタンプの時間間隔、すなわち収集データの収集時間間隔をタイムスタンプ間隔という場合がある。
判定部21Aは、収集データの値の変化に基づいて変動間隔を算出し、「タイムスタンプ」に基づいてタイムスタンプ間隔を算出する。さらに、判定部21Aは、現在設定されている収集周期と、算出した間隔情報(変動間隔またはタイムスタンプ間隔)と、収集周期が適切であるか否かを判定するための判定条件と、に基づいて、現在設定されている収集周期が適切であるか否かを判定する。
収集周期が1分に設定されている場合に、収集データの変動間隔の最大値が5分であれば、1分という収集周期が短すぎる可能性が高いので、判定部21Aは、1分という収集周期が不適切であると判定する。また、収集周期が1分に設定されている場合に、実際のタイムスタンプ間隔に1分よりも長い時間間隔が含まれていれば、1分という収集周期が短すぎる可能性が高いので、判定部21Aは、1分という収集周期が不適切であると判定する。
判定情報210Aには、変動間隔の最大値との比較に用いられる収集設定情報152内の現在の収集周期が含まれている。また、判定情報210Aの判定条件では、収集周期が不適切であると判定する場合の条件として、変動間隔の最大値と収集周期との関係が規定されている。例えば、判定条件では、収集周期が不適切であると判定する条件として、変動間隔の最大値が収集周期を超えていること、が規定されている。
判定部21Aは、収集周期が1分に設定されている場合に、変動間隔の最大値が5分であり、収集周期が不適切であると判定すると、収集周期を延ばすことを提案する出力メッセージを、解析結果通知部15、表示制御部16、およびネットワーク接続部17に出力する。
また、判定部21Aは、変動間隔、変動間隔の最大値、またはタイムスタンプ間隔を、解析結果通知部15、表示制御部16、およびネットワーク接続部17に出力する。また、判定部21Aは、現在の変動間隔が不適切な場合、現在の変動間隔に対応する収集周期を算出し、算出した収集周期を新たな収集周期に設定する。例えば、判定部21Aは、変動間隔の最大値を新たな収集周期に設定し、解析結果通知部15、表示制御部16、およびネットワーク接続部17に出力する。
なお、判定部21Aは、出力メッセージ、変動間隔、変動間隔の最大値、タイムスタンプ間隔、設定した新たな収集周期の少なくとも1つを、解析結果通知部15、表示制御部16、およびネットワーク接続部17の少なくとも1つに出力すればよい。
表示制御部16は、判定部21Aから送られてきた情報を表示装置45に表示させる。表示制御部16は、例えば、判定部21Aから出力メッセージおよび新たな収集周期が送られてきた場合、出力メッセージおよび新たな収集周期を表示装置45に表示させる。
解析結果通知部15は、判定部21Aから送られてきた情報を通信装置30またはユーザ端末に送信する。解析結果通知部15は、例えば、判定部21Aから出力メッセージおよび新たな収集周期が送られてきた場合、出力メッセージおよび新たな収集周期をユーザ端末に送信する。また、解析結果通知部15は、例えば、判定部21Aから新たな収集周期が送られてきた場合、新たな収集周期を通信装置30に送信する。通信装置30は、判定部21Aから新たな収集周期を受信すると、受信した収集周期を収集設定情報152内の収集周期に上書きする。ネットワーク接続部17は、判定部21Aから送られてきた情報を上位サーバ40Aに送信する。
このように、解析結果通知部15、表示制御部16、またはネットワーク接続部17といった出力部は、判定部21Aから送られてきた解析結果を、ユーザ端末、通信装置30、表示装置45または上位サーバ40Aといった外部装置に出力する。
図3は、実施の形態1にかかるメンテナンス支援装置による収集周期の解析処理手順を示すフローチャートである。図4は、実施の形態1にかかるメンテナンス支援装置による収集周期の解析処理手順を説明するための図である。
収集情報設定部31は、ユーザからの指示に従って、収集設定情報152を設定情報記憶部32に設定する。すなわち、通信装置30が備える通信プログラムが、ユーザからの指示に従って、収集設定情報152を設定情報記憶部32に記憶させる。収集設定情報152には、収集周期の初期値が含まれている。したがって、通信装置30は、収集周期の初期値を収集設定情報152に設定し(ST1)、収集設定情報152を設定情報記憶部32に記憶させる。収集周期の初期値の例は、1分である。ユーザシステム2Aでは、収集設定情報152に従って収集され、監視装置50に格納される。
この後、メンテナンス支援装置10Aの収集データ読出部11は、収集データ記憶部52から収集データを読み出す(ステップS10)。すなわち、収集データ読出部11は、第1の読み出しステップを実行する。収集設定情報読出部12は、設定情報記憶部32から収集設定情報152(収集周期を含む)を読み出す(ステップS20)。すなわち、収集設定情報読出部12は、第2の読み出しステップを実行する。このとき、収集データ読出部11が読み出す収集データの「データ名」と、収集設定情報読出部12が読み出す収集設定情報152の「データ名」とは同じである。すなわち、メンテナンス支援装置10Aは、特定の「データ名」に対応する、収集データおよび収集設定情報152を読み出す。また、ルール読出部23は、ルール記憶部13から判定条件を含んだ解析ルール201Aを読み出す(ステップS30)。なお、ステップS10からS30の処理は、何れの順番で実行されてもよい。
収集データ加工部22は、収集データを解析用のデータにするため、収集設定情報152の「データ型」に従って、収集データを加工する(ステップS40)。判定部21Aは、収集設定情報152、解析ルール201A、および加工された収集データである加工データを用いて、収集データを解析する。すなわち、判定部21Aは、収集データを解析して、間隔情報である変動間隔またはタイムスタンプ間隔を算出する(ステップS50)。さらに、判定部21Aは、収集設定情報152内の収集周期と、算出した間隔情報と、判定条件を含んだ解析ルール201Aと、加工データとを用いて、収集データを解析し、収集設定情報152内の収集周期が適切であるか否かを判定する(ステップS60)。このとき、判定部21Aは、解析ルール201Aに含まれる後述の第1のルールから第5のルールの何れかを用いて収集周期が適切であるか否かを判定する。
例えば、判定部21Aは、収集データから変動間隔を算出し、変動間隔の最大値が、現在の収集周期を超えている場合に、現在の収集周期は適切であると判定する。判定部21Aは、収集周期が不適切である場合、収集データの変動間隔に基づいて、新たな収集周期を算出する。すなわち、メンテナンス支援装置10Aは、収集データから変動間隔を算出し、変動間隔に基づいて現在の収集周期が不適切であると判定した場合には、収集データの変動間隔に対応する新たな収集周期を算出する(ST2)。このように、判定部21Aは、間隔情報を算出する算出ステップと、収集周期が適切であるか否かを判定する判定ステップとを実行し、判定ステップで現在の収集周期が不適切であると判定した場合には、新たな収集周期を算出する。
判定部21Aは、解析結果を表示制御部16に出力する。解析結果には、収集データの変動間隔、変動間隔の最大値、変動間隔の最小値、タイムスタンプ間隔、タイムスタンプ間隔の平均値、タイムスタンプ間隔の最大値、算出した新たな収集周期、現在の収集周期が適切であるか否かの判定結果、出力メッセージ等が含まれている。表示制御部16は、解析結果を外部装置の一例である表示装置45に出力することによって、解析結果を表示装置45に表示させる(ステップS70)。また、判定部21Aは、算出した新たな収集周期を、解析結果通知部15を介して通信装置30に送信する。これにより、通信装置30は、収集設定情報152内の現在の収集周期を、判定部21Aから受信した新たな収集周期に更新する(ST3)。例えば、現在の収集周期が1分であり、通信装置30がメンテナンス支援装置10Aから受信した新たな収集周期が5分である場合、通信装置30の収集情報設定部31は、収集設定情報152に対し、収集周期を1分から5分に変更する。
なお、図3では、解析ルール201Aに変動間隔の最大値を用いる場合について説明したが、解析ルール201Aには、種々のルールを設定することができる。ここで、解析ルール201Aに設定されるルールの例について説明する。
図5は、実施の形態1にかかるメンテナンス支援装置が用いる解析ルールの構成を示す図である。解析ルール201Aでは、判定対象と、収集設定情報152内の収集周期と、判定条件と、出力メッセージとが対応付けされている。判定対象は、収集周期が適切であるか否かを判定する際に用いられる材料である。判定対象は、判定対象となる特定の種類の収集データに基づいて算出される。判定対象は、収集設定情報152の収集周期または収集周期から算出された情報と比較され、比較結果が判定条件を満たすか否かが判定される。判定対象の例は、収集データの変動間隔の最大値、タイムスタンプの平均間隔、タイムスタンプの最大間隔、収集データの変動間隔の最小値である。
タイムスタンプの平均間隔は、収集データが実際に収集されたタイムスタンプ間隔の平均値である。換言すると、タイムスタンプの平均間隔は、タイムスタンプ間隔の各時間差の平均値である。タイムスタンプの最大間隔は、タイムスタンプ間隔の時間差ののうちの最大値である。
解析ルール201Aのうちの第1のルール(ルールNo.1)では、判定対象が変動間隔の最大値である場合の判定条件が設定されている。この第1のルールにおける判定条件は、変動間隔の最大値が収集周期を超えていることである。すなわち、判定部21Aは、変動間隔の最大値が収集周期を超えている場合に、現在の収集周期は不適切であると判定する。
変動間隔の最大値が収集周期を超えている収集データは、変動が少ない収集データである。このため、解析ルール201Aでは、変動間隔の最大値が収集周期を超えていることと、「収集周期を延ばすことを提案します」という出力メッセージとが、対応付けされている。したがって、変動間隔の最大値が収集周期を超えている場合、判定部21Aは、「収集周期を延ばすことを提案します」という出力メッセージを出力する。
また、解析ルール201Aのうちの第2のルール(ルールNo.2)では、判定対象がタイムスタンプの平均間隔である場合の判定条件が設定されている。この第2のルールにおける判定条件は、タイムスタンプの平均間隔が収集周期を超えていることである。
タイムスタンプの平均間隔が収集周期を超えている収集データは、収集周期が短すぎるために所望のタイミングで収集できていない可能性がある。このため、解析ルール201Aでは、タイムスタンプの平均間隔が収集周期を超えていることと、「収集周期を延ばすことを提案します」という出力メッセージが、対応付けされている。したがって、タイムスタンプの平均間隔が収集周期を超えている場合、判定部21Aは、「収集周期を延ばすことを提案します」という出力メッセージを出力する。
また、解析ルール201Aのうちの第3のルール(ルールNo.3)では、判定対象がタイムスタンプの最大間隔である場合の判定条件が設定されている。この第3のルールにおける判定条件は、タイムスタンプの最大間隔が収集周期を超えていることである。
タイムスタンプの最大間隔が収集周期を超えている収集データは、収集周期が短すぎるために所望のタイミングで収集できていない可能性がある。このため、解析ルール201Aでは、タイムスタンプの最大間隔が収集周期を超えていることと、「収集周期を延ばすことを提案します」という出力メッセージとが、対応付けされている。したがって、タイムスタンプの最大間隔が収集周期を超えている場合、判定部21Aは、「収集周期を延ばすことを提案します」という出力メッセージを出力する。
また、解析ルール201Aのうちの第4のルール(ルールNo.4)では、判定対象が変動間隔の最大値である場合の判定条件が設定されている。この第4のルールにおける判定条件は、変動間隔の最大値が収集周期のP倍の値を超えていることである。Pの値は、被制御機器47の仕様に基づいて設定される。例えば、被制御機器47の仕様上、変動間隔の最大値が収集周期のP倍の値を超えないことが分かっている場合には、被制御機器47の仕様に従ってPの値が設定される。
解析ルール201Aでは、変動間隔の最大値が収集周期を超えていることと、「変動が起きていない状態です」という出力メッセージとが、対応付けされている。したがって、変動間隔の最大値が収集周期のP倍の値を超えている場合、判定部21Aは、「変動が起きていない状態です」という出力メッセージを出力する。
また、解析ルール201Aのうちの第5のルール(ルールNo.5)では、判定対象が変動間隔の最小値である場合の判定条件が設定されている。この第5のルールにおける判定条件は、変動間隔の最小値が収集周期を超えていることである。すなわち、判定部21Aは、変動間隔の最小値が収集周期を超えている場合に、収集周期は不適切であると判定する。
変動間隔の最小値が収集周期を超えている収集データは、変動が少ない収集データである。このため、解析ルール201Aでは、変動間隔の最小値が収集周期を超えていることと、「収集周期を延ばすことを提案します」という出力メッセージとが、対応付けされている。したがって、変動間隔の最小値が収集周期を超えている場合、判定部21Aは、「収集周期を延ばすことを提案します」という出力メッセージを出力する。
判定部21Aは、現在の変動間隔が不適切な場合は、現在の変動間隔に対応する新たな収集周期を算出し、現在のタイムスタンプ間隔が不適切な場合は、現在のタイムスタンプ間隔に対応する新たな収集周期を算出する。
上述したように、解析ルール201Aでは、複数種類の判定条件(ルール)を設定することができる。そして、判定条件を用いた解析で得られる、変動間隔またはタイムスタンプ間隔に対応する収集周期は、判定条件毎に異なる場合がある。このため、判定部21Aへは、予め何れの判定条件を優先的に用いるかを設定しておく。これにより、判定部21Aは、優先度の高い判定条件を用いた解析で得られた収集周期を通信装置30等に提示する。
ここで、収集データ加工部22による収集データの加工処理、および判定部21Aによる収集周期の解析処理について説明する。図6は、実施の形態1にかかるメンテナンス支援装置が作成する加工データの第1例を示す図である。
加工データ151Aは、1分の収集周期で収集された収集データの集合である。加工データ151Aに含まれる収集データは、「タイムスタンプ」および「値」である。収集データ加工部22は、収集データが測定または検出された時間の順番で収集データを並べる。具体的には、収集データ加工部22は、収集データの「タイムスタンプ」で示された時間が早い時間の順番で、「タイムスタンプ」と、収集データの「値」とが対応付けされた情報を並べる。
「タイムスタンプ」は、例えば「A:BC:DE」のように5つの数字で示される。「DE」が秒を示し、「BC」が分を示し、「A」が時間を示している。
加工データ151Aでは、「タイムスタンプ」の「0:00:00」と、「値」の「1」とが第1行目の収集データであり、「タイムスタンプ」の「0:01:00」と、「値」の「1」とが第2行目の収集データである。
加工データ151Aでは、「タイムスタンプ」の「0:00:00」から「0:04:00」まで、連続して「値」が「1」となっている。したがって、「タイムスタンプ」の「0:00:00」から「0:04:00」までの収集データ群D1は、変動間隔が5分である。
加工データ151Aにおいて、変動間隔の最大値が5分であるとする。この場合、第1のルールに従うと、変動間隔の最大値が、現在の収集周期である1分を超えているので、判定部21Aは、現在の収集周期である1分は不適切であると判定する。そして、メンテナンス支援装置10Aは、「収集周期を延ばすことを提案します」という出力メッセージを上位サーバ40A、通信装置30、表示装置45、およびユーザ端末の少なくとも1つに送信する。なお、以下の説明では、上位サーバ40A、通信装置30、表示装置45、およびユーザ端末の少なくとも1つを結果受信装置という場合がある。
メンテナンス支援装置10Aは、不適切であると判定した判定条件のうち、第1のルールの優先度が一番高い場合には、変動間隔の最大値である5分を新たな収集周期に設定する。メンテナンス支援装置10Aは、設定した収集周期を、解析結果通知部15、表示制御部16、およびネットワーク接続部17から結果受信装置に送信する。メンテナンス支援装置10Aの判定部21Aは、変動間隔の最大値以外の期間を新たな収集周期に設定してもよい。判定部21Aは、例えば、変動間隔の最大値と、現在の収集周期との中間の期間を、新たな収集周期に設定してもよい。
なお、メンテナンス支援装置10Aは、第4のルールが設定されている場合には、第4のルールで規定されているP倍の値を超えない収集周期を新たな収集周期に設定するものとする。
通信装置30は、メンテナンス支援装置10Aから収集周期を受信すると、収集設定情報152内の現在の収集周期を、受信した新たな収集周期で置き換える。また、ユーザは、結果受信装置が判定部21Aから受信した情報に基づいて、通信装置30の収集情報設定部31に、新たな収集周期を入力してもよい。これにより、収集設定情報152において、現在の収集周期が、入力された収集周期で置き換えられる。
また、「タイムスタンプ」の「0:05:00」から「0:07:00」までの収集データ群D2は、変動間隔が3分である。加工データ151Aにおいて、変動間隔の最小値が3分であるとする。この場合、第5のルールに従うと、変動間隔の最小値が、現在の収集周期である1分を超えているので、判定部21Aは、現在の収集周期である1分は不適切であると判定する。そして、メンテナンス支援装置10Aは、「収集周期を延ばすことを提案します」という出力メッセージを結果受信装置に出力する。
また、メンテナンス支援装置10Aは、不適切であると判定した判定条件のうち、第5のルールの優先度が一番高い場合には、変動間隔の最小値である3分を新たな収集周期に設定し、結果受信装置に送信する。メンテナンス支援装置10Aの判定部21Aは、変動間隔の最小値以外の期間を新たな収集周期に設定してもよい。判定部21Aは、例えば、変動間隔の最小値と、現在の収集周期との中間の期間を、新たな収集周期に設定してもよい。
図7は、実施の形態1にかかるメンテナンス支援装置が作成する加工データの第2例を示す図である。加工データ151Bは、1分の収集周期で収集された収集データの集合である。加工データ151Bに含まれる収集データは、「タイムスタンプ」および「値」である。収集データ加工部22は、図6で説明した処理と同様の処理によって、「タイムスタンプ」で示された時間が早い時間の順番で、「タイムスタンプ」と、収集データの「値」とが対応付けされた情報を並べる。
加工データ151Bでは、「タイムスタンプ」の「0:01:00」と、「値」の「15」とが第2行目の収集データであり、「タイムスタンプ」の「0:03:00」と、「値」の「30」とが第3行目の収集データである。また、加工データ151Bでは、「タイムスタンプ」の「0:05:00」と、「値」の「20」とが第5行目の収集データであり、「タイムスタンプ」の「0:07:00」と、「値」の「30」とが第6行目の収集データである。すなわち、収集データが1分の収集周期で収集されているにもかかわらず、「タイムスタンプ」の「0:02:00」では、収集データD3が収集されておらず、「0:06:00」では、収集データD4が収集されていない。このため、「0:03:00」に対応する収集データの「タイムスタンプ」の間隔は2分であり、「0:07:00」に対応する収集データの「タイムスタンプ」の間隔は2分である。
判定部21Aは、加工データ151Bに対して「タイムスタンプ」の平均間隔を算出する。加工データ151Bにおける「タイムスタンプ」の平均間隔は、1.33分である。この場合、第2のルールに従うと、「タイムスタンプ」の平均間隔が、現在の収集周期である1分を超えているので、判定部21Aは、現在の収集周期である1分は不適切であると判定する。そして、メンテナンス支援装置10Aは、「収集周期を延ばすことを提案します」という出力メッセージを結果受信装置に出力する。
メンテナンス支援装置10Aは、不適切であると判定した判定条件のうち、第2のルールの優先度が一番高い場合には、「タイムスタンプ」の平均間隔である1.33分を新たな収集周期に設定し、結果受信装置に送信するメンテナンス支援装置10Aの判定部21Aは、「タイムスタンプ」の平均間隔以外の期間を新たな収集周期に設定してもよい。判定部21Aは、例えば、「タイムスタンプ」の平均間隔と、現在の収集周期との中間の期間を、新たな収集周期に設定してもよい。
また、加工データ151Bにおける「タイムスタンプ」の最大間隔が2分であるとする。この場合、第3のルールに従うと、「タイムスタンプ」の最大間隔が、現在の収集周期である1分を超えているので、判定部21Aは、現在の収集周期である1分は不適切であると判定する。そして、メンテナンス支援装置10Aは、「収集周期を延ばすことを提案します」という出力メッセージを結果受信装置に出力する。
メンテナンス支援装置10Aは、不適切であると判定した判定条件のうち、第3のルールの優先度が一番高い場合には、「タイムスタンプ」の最大間隔である2分を新たな収集周期に設定し、結果受信装置に送信する。メンテナンス支援装置10Aの判定部21Aは、「タイムスタンプ」の平均間隔以外の期間を新たな収集周期に設定してもよい。判定部21Aは、例えば、「タイムスタンプ」の最大間隔と、現在の収集周期との中間の期間を、新たな収集周期に設定してもよい。
図8は、実施の形態1にかかるメンテナンス支援装置が作成する加工データの第3例を示す図である。加工データ151Cは、1分の収集周期で収集された収集データの集合である。加工データ151Cに含まれる収集データは、「タイムスタンプ」および「値」である。収集データ加工部22は、図6で説明した処理と同様の処理によって、「タイムスタンプ」で示された時間が早い時間の順番で、「タイムスタンプ」と、収集データの「値」とが対応付けされた情報を並べる。
加工データ151Cでは、「タイムスタンプ」の「0:00:00」から「0:05:00」までの収集データ群D5は、「値」が全て「0」のままである。すなわち、収集データ群D5は、変動間隔が5分である。
被制御機器47の仕様上、特定期間の間に収集データの「値」が変化する場合がある。例えば、1分間の間に収集データの「値」が変化する被制御機器47がある。このような被制御機器47において5分の間「値」が変化しない場合は、何らかの異常が発生している場合がある。
加工データ151Cにおいて、変動間隔の最大値が5分であるとする。また、第4のルールにおける判定条件のPが、P=4であるとする。この場合、第4のルールに従うと、変動間隔の最大値が、現在の収集周期の4倍の値である4分を超えているので、判定部21Aは、現在のデータ収集の状態に異常が発生していると判定する。そして、メンテナンス支援装置10Aは、「変動が起きていない状態です」という出力メッセージを結果受信装置に出力する。
このように、メンテナンス支援装置10Aは、データ解析用の解析ルール201Aを記憶する機能と、解析ルール201Aに従って収集データを解析する機能と、解析した結果を出力する機能とを備えている。メンテナンス支援装置10Aは、収集データの変動間隔またはタイムスタンプに基づいて、現在設定中の収集周期が適切であるか否かを判定するので、メンテナンス支援システム1X内の通信時に発生する、収集データの取りこぼし、収集データの不要な通信を検出することができる。
メンテナンス支援装置10Aが記憶している解析ルール201Aは、他の環境で用いることも可能である。例えば、第1の環境であるユーザシステム2Aで解析ルール201Aが用いられた後、解析ルール201Aを別環境である他のユーザシステムに移行させてもよい。また、ユーザシステム2A内の監視装置50、通信装置30、メンテナンス支援装置10Aの何れかが劣化または故障した場合、ユーザシステム2Aと同様のユーザシステムが構築される。この新たに構築されたユーザシステムに対して、解析ルール201Aを適用することが可能である。また、ユーザシステム2Aの周辺の環境であるユーザシステム2B,2Cに対して解析ルール201Aを適用してもよいし、ユーザシステム2B,2Cで用いられる解析ルールをユーザシステム2Aの解析ルール201Aに適用してもよい。
また、ユーザシステム2A〜2Cよりも上位のシステムである上位システムに対して解析ルール201Aを適用してもよい。上位システムで解析ルール201Aを用いた収集データの解析を行う場合の処理については、実施の形態2で説明する。
このように実施の形態1では、メンテナンス支援装置10Aは、収集データの変動率を用いるのではなく、収集データの値が変動するまでの時間の間隔である変動間隔、または収集データが収集された時間の間隔であるタイムスタンプ間隔に基づいて、収集データの収集周期が適切であるか否かを判定している。したがって、収集データが適切な収集周期で収集されたものであるか否かを正確に判定することが可能となる。
また、メンテナンス支援装置10Aは、複数の環境(ユーザシステム2A〜2C)に適用することが可能であるので、クラウドコンピューティングを用いることによって、上位システムで網羅的に被制御機器47の通信状況を確認することができる。
実施の形態2.
つぎに、図9から図12を用いてこの発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、上位システムにメンテナンス支援装置を配置し、上位システムで収集データの収集周期を解析する。
図9は、実施の形態2にかかるメンテナンス支援装置を備えたメンテナンス支援システムの構成を示す図である。メンテナンス支援システム1Yは、メンテナンス支援システム1Xと同様に、被制御機器47の状態を監視装置50によって監視するとともに、被制御機器47の状態を監視するための支援を行うシステムである。図9の各構成要素のうち図1に示す実施の形態1のメンテナンス支援システム1Xと同一機能を達成する構成要素については同一符号を付しており、重複する説明は省略する。
メンテナンス支援システム1Yは、複数のユーザシステムと、上位サーバ40Bとを備えている。実施の形態2では、メンテナンス支援システム1Yが備えるユーザシステムが、ユーザシステム2D〜2Fである場合について説明する。
上位サーバ40Bは、上位サーバ40Aが備える構成要素に加えて、メンテナンス支援装置10Bと、表示装置45とを備えている。メンテナンス支援装置10Bは、メンテナンス支援装置10Aと同様の機能を有している。なお、表示装置45は、上位サーバ40Bの外部に配置されてもよい。
上位サーバ40Bは、ネットワーク5を介して、ユーザシステム2D〜2Fに接続されている。ユーザシステム2D〜2Fは、同様の構成を有している。ユーザシステム2Dは、監視装置50と、通信装置30と、PLC46と、被制御機器47とを備えている。
メンテナンス支援装置10Bは、各ユーザシステム2D〜2FのPLC46が被制御機器47から収集したデータを、各ユーザシステム2D〜2Fから取得する。メンテナンス支援装置10Bは、ユーザシステム2D〜2Fに対し、ユーザシステム2D〜2F間で、収集データの変動間隔を比較し、収集データの変動間隔に異常が無いか否かを判定する。
例えば、メンテナンス支援装置10Bは、ユーザシステム2Dが収集した収集データの変動間隔が、全ユーザシステム2D〜2Fが収集した収集データの変動間隔と比較して特定値以上の差があるか否かを判定する。
具体的には、メンテナンス支援装置10Bは、ユーザシステム2Dが収集した収集データの変動間隔の最大値が、全ユーザシステム2D〜2Fが収集した収集データの変動間隔の最大値と比較して第1の基準値以上の差があるか否かを判定する。ユーザシステム2Dが収集した収集データの変動間隔の最大値と、全ユーザシステム2D〜2Fが収集した収集データの変動間隔の最大値との差が、第1の基準値以上である場合、メンテナンス支援装置10Bは、ユーザシステム2Dにおける変動間隔の傾向が全ユーザシステム2D〜2Fにおける変動間隔の傾向と異なっていることを示す出力メッセージを、通信装置30などの外部装置に送信する。
なお、ユーザシステム2Dのユーザは、ユーザ端末などによって変動間隔の傾向が他と異なっていることを示す出力メッセージを受信すると、ユーザシステム2Aのユーザと同様に、出力メッセージに基づいて、通信装置30内の収集周期を修正してもよい。また、メンテナンス支援システム1Xのユーザは、表示装置45に表示された情報を参照し、通信装置30が備えるユーザインタフェースを用いて収集周期を収集設定情報152に設定してもよい。また、メンテナンス支援システム1Yが備えるユーザシステムは、ユーザシステム2D〜2Fの3つに限らず、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
図10は、実施の形態2にかかるメンテナンス支援装置の構成を示す図である。図10の各構成要素のうち図2に示す実施の形態1のメンテナンス支援装置10Aと同一機能を達成する構成要素については同一符号を付しており、重複する説明は省略する。
メンテナンス支援装置10Bは、収集データ読出部11と、収集設定情報読出部12と、ルール記憶部13と、収集データ解析部14Bと、解析結果通知部15と、表示制御部16とを有している。
収集データ読出部11は、各ユーザシステム2D〜2Fから収集データを読み出して収集データ解析部14Bに送る。収集設定情報読出部12は、各ユーザシステム2D〜2Fから収集設定情報152を読み出して収集データ解析部14Bに送る。
メンテナンス支援装置10Bのルール記憶部13は、各ユーザシステム2D〜2Fの収集周期が適切であるか否かを解析する際に用いられる解析ルール201Bを記憶するメモリなどである。解析ルール201Bには、判定情報210Bと出力メッセージ情報211Bとが含まれている。判定情報210Bは、各ユーザシステム2D〜2Fで用いられている収集周期が適切であるか否かを判定する際に用いられる情報である。出力メッセージ情報211Bには、収集周期が適切でないと判定された場合に、表示または出力される種々のメッセージが含まれている。出力メッセージ情報211Bには、判定条件毎に出力メッセージが設定されている。
解析ルール201Bでは、収集データの変動間隔といった判定対象と、判定条件と、出力メッセージと、が対応付けされている。解析ルール201Bにおける、判定対象および判定条件が、判定情報210Bであり、解析ルール201Bにおける出力メッセージが、出力メッセージ情報211Bである。
収集データ解析部14Bは、各ユーザシステム2D〜2F間で収集周期を比較し、変動間隔が、他のユーザシステムと比較して適切であるか否かを判定する。収集データ解析部14Bは、ユーザシステム2D〜2Fのうちの特定のユーザシステムの変動間隔が、全ユーザシステム2D〜2Fと比較して特異な傾向を示す場合に、特定のユーザシステムの収集周期が適切でないと判定する。収集データ解析部14Bは、判定部21Bと、収集データ加工部22と、ルール読出部23とを有している。
収集データ加工部22は、ユーザシステム2D〜2F毎に収集データを加工し、加工した収集データを判定部21Bに送る。ルール読出部23は、ルール記憶部13から解析ルール201Bを読み出して判定部21Bに送る。
判定部21Bは、解析ルール201Bと、ユーザシステム2D〜2F毎に加工された収集データとを用いて、収集周期が適切であるか否かを判定する。このとき、判定部21Bは、ユーザシステム2D〜2F毎の収集データに基づいて、何れかのユーザシステムで収集された収集データが、特異な傾向を示しているか否かを判定する。具体的には、判定部21Bは、各ユーザシステム2D〜2Fに対し、変動間隔の最大値を算出し、各ユーザシステム2D〜2Fにおける変動間隔の最大値の平均値と比較する。すなわち、判定部21Bは、ユーザシステム2D〜2F内の特定のユーザシステムの変動間隔の最大値と、ユーザシステム2D〜2Fの変動間隔の最大値の平均とを比較する。換言すると、判定部21Bは、特定のユーザシステムにおける変動間隔の最大値と、各ユーザシステムにおける変動間隔の最大値それぞれを平均した値とを比較する。
以下の説明では、ユーザシステム2D〜2F内の特定のユーザシステムの変動間隔の最大値を特定環境Xでの変動間隔の最大値という場合がある。また、ユーザシステム2D〜2F内の変動間隔の最大値の平均を全環境での平均値という場合がある。
判定部21Bは、特定環境Xでの変動間隔の最大値と、全環境での平均値との差が、特定の基準値以上であれば、特定環境Xにおいて、データ収集の状態に何らかの異常が発生していると判定する。
判定情報210Bの判定条件では、収集周期が特異な傾向を示していると判定する場合の条件として、特定環境Xでの変動間隔の最大値と、全環境での平均値との関係が規定されている。例えば、判定条件では、特定環境Xにおける収集周期が特異な傾向を示していると判定する条件として、特定環境Xでの変動間隔の最大値と、全環境での平均値との差が特定の基準値以上であること、が規定されている。判定部21Bは、特定環境Xでの変動間隔の最大値と、全環境での平均値との比較結果である差が特定の基準値以上である場合、特定環境Xでの収集周期が特異な傾向を示していると判定する。判定部21Bは、特定環境Xでの収集周期が特異な傾向を示していると判定した場合、特定環境Xでの収集周期が特異な傾向を示していることを示す出力メッセージを、解析結果通知部15、および表示制御部16に出力する。
また、判定部21Bは、比較結果である差と、特定環境Xでの変動間隔の最大値と、全環境での平均値とを、解析結果通知部15、および表示制御部16に出力する。
なお、判定部21Bは、出力メッセージおよび比較結果である差の少なくとも一方を、解析結果通知部15および表示制御部16の少なくとも一方に出力すればよい。
表示制御部16は、判定部21Bから送られてきた情報を表示装置45に表示させる。解析結果通知部15は、判定部21Bから送られてきた情報を通信装置30またはユーザ端末に送信する。
図11は、実施の形態2にかかるメンテナンス支援装置による収集周期の解析処理手順を示すフローチャートである。図12は、実施の形態2にかかるメンテナンス支援装置による収集周期の解析処理手順を説明するための図である。なお、実施の形態1の図3で説明した処理と同様の処理については、重複する説明を省略する。図11および図12では、収集データ解析部14Bが、各ユーザシステム2D〜2Fの変動間隔が、他のユーザシステムと比較して適切であるか否かを判定する場合について説明する。
各ユーザシステム2D〜2Fでは、ユーザからの指示に従って、収集情報設定部31が収集設定情報152を設定情報記憶部32に設定する。ユーザシステム2Aでは、収集設定情報152に従って収集され、監視装置50に格納される。
この後、メンテナンス支援装置10Bの収集データ読出部11は、各ユーザシステム2D〜2Fから収集データおよび収集設定情報152を収集する(ステップS110)。収集データは、メンテナンス支援装置10Bが監視装置50から読み出してもよいし、監視装置50が、メンテナンス支援装置10Bに送信してもよい。また、収集設定情報152は、メンテナンス支援装置10Bが通信装置30から読み出してもよいし、通信装置30が、メンテナンス支援装置10Bに送信してもよい。ルール読出部23は、ルール記憶部13から解析ルール201Bを読み出す(ステップS120)。なお、ステップS110およびS120の処理は、何れの順番で実行されてもよい。
収集データ加工部22は、各ユーザシステム2D〜2Fの収集データを解析用のデータにするため、収集設定情報152の「データ型」に従って、収集データを加工する(ステップS130)。具体的には、判定部21Bは、図6等で説明したように、収集データの値をタイムスタンプの順番に並べる。判定部21Bは、解析ルール201Bに従って、各ユーザシステム2D〜2F間で加工後の収集データ(加工データ)を比較し、各ユーザシステム2D〜2Fの変動間隔に対し、特異な傾向の有無を判定する(ステップS140)。このとき、判定部21Bは、解析ルール201Bに含まれる後述の第6のルールから第9のルールの何れかを用いて、特定のユーザシステムの変動間隔に特異な傾向があるか否かを判定する。
例えば、メンテナンス支援装置10Bの判定部21Bは、各ユーザシステム2D〜2Fに対して加工後の収集データから変動間隔を算出することによって、各ユーザシステム2D〜2Fにおける収集データの変動間隔を取得する(ST11)。そして、判定部21Bは、各ユーザシステム2D〜2Fの変動間隔を比較することによって、各ユーザシステム2D〜2Fの変動間隔に対し、特異な傾向の有無を判定する(ST12)。
変動間隔に特異な傾向があるか否かを判定する場合、判定部21Bは、各ユーザシステム2D〜2Fに対し、収集データの変動間隔の最大値を算出する。すなわち、判定部21Bは、収集データの変動間隔の最大値をユーザシステム2D〜2F毎に算出する。また、判定部21Bは、ユーザシステム2D〜2Fに対して算出した各変動間隔の最大値の平均値を算出する。
ユーザシステム2Dの異常の有無を判定する場合、判定部21Bは、ユーザシステム2Dの変動間隔の最大値と、ユーザシステム2D〜2Fに対して算出した各変動間隔の最大値の平均値との差を算出する。判定部21Bは、ユーザシステム2Dの変動間隔の最大値と、全ユーザシステム2D〜2Fの変動間隔の平均値との差が、第1の基準値以上であるか否かに基づいて、ユーザシステム2Dにおける収集データの変動間隔が、全ユーザシステム2D〜2Fにおける収集データの変動間隔に対して特異な傾向を示しているか否かを判定する。なお、判定部21Bは、全ユーザシステム2D〜2Fの変動間隔の平均値を算出する際には、ユーザシステム2Dの変動間隔の最大値を除外してもよい。すなわち、全ユーザシステムの変動間隔の平均値は、ユーザシステム2E,2Fの変動間隔の平均値であってもよい。
判定部21Bは、判定結果を表示制御部16などに出力する。表示制御部16などに出力される判定結果の例は、収集データの変動間隔が全ユーザシステム2D〜2Fの平均的な傾向と比較して特異な傾向を示していることを示す出力メッセージである。表示制御部16は、判定結果を表示装置45に表示させる(ステップS150)。
なお、図11では、解析ルール201Bに変動間隔の最大値を用いる場合について説明したが、解析ルール201Bには、種々のルールを設定することができる。ここで、解析ルール201Bに設定されるルールの例について説明する。
図13は、実施の形態2にかかるメンテナンス支援装置が用いる解析ルールの構成を示す図である。解析ルール201Bでは、判定対象と、判定条件と、出力メッセージとが対応付けされている。判定対象の例は、収集データの変動間隔の最大値、収集データの変動間隔の最小値、タイムスタンプの平均間隔、タイムスタンプの最大間隔である。
解析ルール201Bのうちの第6のルール(ルールNo.6)では、判定対象が変動間隔の最大値である場合の判定条件が設定されている。この第6のルールにおける判定条件は、特定環境Xにおける変動間隔の最大値と、全環境における変動間隔の最大値の平均値との差が第1の基準値以上を示すことである。
なお、ユーザシステム2D〜2Fは、同様のユーザシステムであるので、ここではユーザシステム2Dが、全体のユーザシステム2D〜2Fと比較される場合について説明する。判定部21Bは、特定環境Xであるユーザシステム2Dにおける変動間隔の最大値と、全環境であるユーザシステム2D〜2Fにおける変動間隔の最大値の平均値との差を算出する。判定部21Bは、特定環境Xにおける変動間隔の最大値と、全環境における変動間隔の最大値の平均値(全環境での平均値)との差(以下、第1の環境差分という)が、第1の基準値以上である場合に、特定環境Xにおける変動間隔は特異な傾向を示していると判定する。
また、解析ルール201Bでは、第1の環境差分が第1の基準値を超えていることと、「特定環境Xの収集データの変動傾向が他と異なっています」という出力メッセージとが、対応付けされている。したがって、第1の環境差分が第1の基準値を超えている場合、判定部21Bは、「特定環境Xの収集データの変動傾向が他と異なっています」という出力メッセージを、解析結果通知部15および表示制御部16に出力する。
また、解析ルール201Bのうちの第7のルール(ルールNo.7)では、判定対象が変動間隔の最小値である場合の判定条件が設定されている。この第7のルールにおける判定条件は、特定環境Xにおける変動間隔の最小値と、全環境における変動間隔の最小値の平均値との差が第2の基準値以上を示すことである。
判定部21Bは、特定環境Xにおける変動間隔の最小値と、全環境における変動間隔の最小値の平均値との差を算出する。判定部21Bは、特定環境Xにおける変動間隔の最小値と、全環境における変動間隔の最小値の平均値との差(以下、第2の環境差分という)が、第2の基準値以上である場合に、特定環境Xにおける変動間隔は特異な傾向を示していると判定する。第2の環境差分が第2の基準値を超えている場合、判定部21Bは、解析ルール201Bの第7のルールに設定されている出力メッセージを、解析結果通知部15および表示制御部16に出力する。
また、解析ルール201Bのうちの第8のルール(ルールNo.8)では、判定対象がタイムスタンプの平均間隔である場合の判定条件が設定されている。この第8のルールにおける判定条件は、特定環境Xにおけるタイムスタンプの平均間隔と、全環境におけるタイムスタンプの平均間隔の平均値との差が第3の基準値以上を示すことである。
判定部21Bは、特定環境Xにおけるタイムスタンプの平均間隔と、全環境におけるタイムスタンプの平均間隔の平均値との差を算出する。判定部21Bは、特定環境Xにおけるタイムスタンプの平均間隔と、全環境におけるタイムスタンプの平均間隔の平均値との差(以下、第3の環境差分という)が、第3の基準値以上である場合に、特定環境Xにおけるタイムスタンプ間隔は特異な傾向を示していると判定する。
また、解析ルール201Bでは、第3の環境差分が第3の基準値を超えていることと、「特定環境Xの収集間隔の傾向が他と異なっています」という出力メッセージとが、対応付けされている。したがって、第3の環境差分が第3の基準値を超えている場合、判定部21Bは、「特定環境Xの収集間隔の傾向が他と異なっています」という出力メッセージを、解析結果通知部15および表示制御部16に出力する。
また、解析ルール201Bのうちの第9のルール(ルールNo.9)では、判定対象がタイムスタンプの最大間隔である場合の判定条件が設定されている。この第9のルールにおける判定条件は、特定環境Xにおけるタイムスタンプの最大間隔と、全環境におけるタイムスタンプの最大間隔の平均値との差が第4の基準値以上を示すことである。
判定部21Bは、特定環境Xにおけるタイムスタンプの最大間隔と、全環境におけるタイムスタンプの最大間隔の平均値との差を算出する。判定部21Bは、特定環境Xにおけるタイムスタンプの最大間隔と、全環境におけるタイムスタンプの最大間隔の平均値との差(以下、第4の環境差分という)が、第4の基準値以上である場合に、特定環境Xにおけるタイムスタンプ間隔は特異な傾向を示していると判定する。第4の環境差分が第4の基準値を超えている場合、判定部21Bは、解析ルール201Bの第9のルールに設定されている出力メッセージを、解析結果通知部15および表示制御部16に出力する。
解析結果通知部15、表示制御部16といった出力部は、判定部21Bから送られてきた判定結果に対応する情報(出力メッセージ)を、ユーザ端末、通信装置30、または表示装置45といった外部装置に出力する。
このように、メンテナンス支援システム1Yでは、上位サーバ40Bにメンテナンス支援装置10Bが配置されているので、メンテナンス支援装置10Bは、クラウドコンピューティングによって、メンテナンス支援システム1Yの全体を網羅的に監視することができる。
すなわち、メンテナンス支援システム1Yは、複数環境間における収集データの実際の変動間隔を比較することによって、各ユーザシステム2D〜2Fにおける通信の特異性を検出することができる。また、メンテナンス支援システム1Yは、複数環境間における収集データの実際の収集間隔を比較することによって、各ユーザシステム2D〜2F通信の特異性を検出することができる。
例えば、特定環境Xだけ、他の環境と比較して収集間隔が長い(通信頻度が低い)場合、特定環境Xで用いられているネットワークのトラブル、特定環境Xで用いられているシステムのトラブル、特定環境X内の配線ミス等の疑いがある。メンテナンス支援システム1Yは、第9のルールを適用することによって、このような疑いを検出できるので、ユーザは、出力メッセージに従ってメンテナンス支援システム1Y内の調査を実行することが可能となる。
また、特定環境Xだけ、他の環境と比較して収集間隔が短い(通信頻度が高い)場合、特定環境Xで用いられているネットワークのトラブル、特定環境Xで用いられているシステムのトラブル、外部からの不正アクセスの疑いがある。メンテナンス支援システム1Yは、第8のルールを適用することによって、このような疑いを検出できるので、ユーザは、出力メッセージに従ってメンテナンス支援システム1Y内の調査を実行することが可能となる。
なお、ユーザシステム2D〜2Fに、メンテナンス支援装置10Aを配置しておき、メンテナンス支援装置10Bが、ユーザシステム2D〜2Fの各メンテナンス支援装置10Aから変動間隔またはタイムスタンプ間隔を取得してもよい。すなわち、ユーザシステム2D〜2Fのメンテナンス支援装置10Aが、変動間隔またはタイムスタンプ間隔を算出し、メンテナンス支援装置10Bが、ユーザシステム2D〜2Fの変動間隔またはタイムスタンプ間隔に特異な傾向があるか否かを判定してもよい。
ここで、メンテナンス支援装置10A,10Bのハードウエア構成について説明する。図14は、実施の形態1,2にかかるメンテナンス支援装置を実現するハードウエア構成を示す図である。なお、メンテナンス支援装置10A,10Bは、同様のハードウエア構成を有しているので、ここではメンテナンス支援装置10Aのハードウエア構成について説明する。
メンテナンス支援装置10Aは、プロセッサ601、メモリ602、出力装置603、およびインタフェース回路604で実現される。プロセッサ601は、メモリ602、出力装置603、およびインタフェース回路604を制御する。インタフェース回路604は、通信装置30、監視装置50、および上位サーバ40Aといった外部装置との間で通信を行う。メモリ602は、情報を記憶し、出力装置603は、表示装置45に情報を出力する。
プロセッサ601の例は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)またはシステムLSI(Large Scale Integration)である。メモリ602の例は、RAM(Random Access Memory)またはROM(Read Only Memory)である。
収集データ読出部11、収集設定情報読出部12、解析結果通知部15、およびネットワーク接続部17は、インタフェース回路604を用いて実現される。表示制御部16は、出力装置603を用いて実現される。ルール記憶部13は、メモリ602を用いて実現される。収集データ解析部14Aは、プロセッサ601を用いて実現される。
メンテナンス支援装置10Aは、プロセッサ601が、メモリ602で記憶されているメンテナンス支援装置10Aの動作を実行するためのメンテナンス支援プログラムを読み出して実行することにより実現される。また、このメンテナンス支援プログラムは、メンテナンス支援装置10Aの手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。メモリ602は、プロセッサ601が各種処理を実行する際の一時メモリにも使用される。
プロセッサ601が実行するメンテナンス支援プログラムは、コンピュータで実行可能な、データ処理を行うための複数の命令を含むコンピュータ読取り可能かつ非遷移的な(non-transitory)記録媒体を有するコンピュータプログラムプロダクトであってもよい。プロセッサ601が実行するメンテナンス支援プログラムは、複数の命令がデータ処理を行うことをコンピュータに実行させる。
また、メンテナンス支援装置10Aを専用のハードウエアで実現してもよい。また、メンテナンス支援装置10Aの機能について、一部を専用のハードウエアで実現し、一部をソフトウエアまたはファームウエアで実現するようにしてもよい。
このように実施の形態2では、メンテナンス支援装置10Bは、特定の閾値を用いるのではなく、収集データの変動間隔またはタイムスタンプ間隔をユーザシステム2D〜2F間で比較することによって、特定のユーザシステムで収集データの変動傾向または収集間隔に特異な傾向が発生しているか否かを判定している。これにより、複数環境内の何れかの環境で特異な動向が発生しているか否かを正確に判定することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。