JP6758502B2 - スピーカ用の振動板、及び、スピーカ - Google Patents
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Description
しかしながら、上記特許文献1のように裏面において振動板本体の外周端部にまで音質調整部材を設けた場合、振動板の裏面にエッジを貼ろうとしても音質調整部材に干渉してしまうので、エッジを貼ることができない。
また、この発明に係るスピーカは、内周端部から当該内周端部よりも大径の外周端部まで傾斜して伸びる振動板本体と、振動板本体から立ち上がり振動板本体の内周端部から振動板本体の外周端部まで連続して設けられた音質調整部材と、を有する振動板と、振動板本体の外周端部において、振動板本体の裏面に設けられたエッジと、振動板本体の外周端部と振動板本体の内周端部との間の部分で振動板本体の表面に設けられたダストキャップとを備え、音質調整部材は、振動板本体の外周端部において、振動板本体の表面にのみ設けられ、振動板本体の外周端部と振動板本体の内周端部との間の部分において、振動板本体の裏面にのみ設けられていることを特徴とするものである。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るスピーカ1の断面図である。
スピーカ1は、略コーン形状の振動板11を有している。振動板11の詳細については、図2A及び図2Bを用いて後述する。振動板11の外周には、図1中のA方向から見た際の平面視が円環状となるエッジ12が設けられている。エッジ12の内周端部12aは、振動板11の裏面に貼り付けられている。内周端部12aを振動板11の裏面に貼ることで、振動板11の表面に貼る場合よりも振動板11から見たときのエッジ12の高さhを抑えることができるので、音波の放射への干渉を抑えることができる。高さhについては、エッジ12の内周端部12aが仮に振動板11の表面に貼り付けられたとした場合のものを図11Aに示し、図1に示す実施の形態1に係るスピーカ1のようにエッジ12の内周端部12aが振動板11の裏面に貼り付けられた場合のものを図11Bに示している。
エッジ12の外周端部12bは、フレーム14に固定されている。なお、振動板11においては、スピーカ1の外部に向けられている面が表面となり、当該表面の裏側の面であってフレーム14及び後述のダンパ21等に対向する面が裏面となる。振動板11の中心部に形成された開口には、円筒形状のボビン15が挿入されて固定されている。ボビン15の外周面には、ボイスコイル16が巻き付けられて固定されている。
ボビン15の外周面には、ダンパ21の内周端部が固定されている。ダンパ21の外周端部は、フレーム14に固定されている。ダンパ21は、図1中のA方向から見た際の平面視が円環状となる部材である。
振動板11は、振動板本体100と音質調整部材101とを有する。振動板本体100は、内周端部100aから当該内周端部100aよりも大径の外周端部100bまで傾斜して伸びる、略円錐面状の部材である。振動板本体100は、図1のように切断した場合にその断面がカーブを描く形状となっており、実施の形態1では、当該カーブが内周端部100a側で曲率半径60mm、外周端部100b側で曲率半径200mm、そしてスピーカ1の口径が16cmである場合を例に挙げて説明する。
なお、図2A及び図2Bでは、内周端部100aから外周端部100bまで連続する音質調整部材101を計5個、つまり互いに72度ずつ位置をずらしながら設けた場合を示したが、音質調整部材101の個数は図示例のものに限らず適宜増減させてよい。また、各音質調整部材101の配置間隔は、均等でなくてもよい。
図3は、振動板11を用いた場合の音圧周波数特性を示すグラフである。
図4Aは、第1参考例である振動板11Aの断面を示す図、図4Bは、振動板11Aを用いた場合の音圧周波数特性を示すグラフである。
振動板11Aは、振動板本体100と、リブ状の音質調整部材101Aとを有する。つまり、振動板11と振動板11Aとは、音質調整部材の点で異なっている。
振動板11Bは、振動板本体100と、リブ状の音質調整部材101Bとを有する。つまり、振動板11,11Aと振動板11Bとは、音質調整部材の点で異なっている。
振動板11Cは、振動板本体100と、リブ状の音質調整部材101Cとを有する。つまり、振動板11,11A,11Bと振動板11Cとは、音質調整部材の点で異なっている。
振動板11Dは、振動板本体100と、リブ状の音質調整部材101Dとを有する。つまり、振動板11,11A,11B,11Cと振動板11Dとは、音質調整部材の点で異なっている。
なお、図7Aに示す音質調整部材101Dは、ダストキャップ17と音質調整部材101Dとが干渉し合わないような工夫が求められる。
また、音質調整部材101のうち振動板本体100の表面に設けられている部分は、ユーザが触れて破損するなどの可能性はあるが、音圧周波数特性の改善という観点では、図1及び図8Aに示す音質調整部材101のうち内周端部100aと外周端部100bとの間の部分を、振動板本体100の裏面に代えて適宜表面に設けるようにしてもよい。その際、ダストキャップ17との干渉を避けるため、ダストキャップ17が設けられる位置でのみ、音質調整部材101を振動板本体100の裏面に設けるようにするとよい。
既に述べたように、振動板本体100の表面にある音質調整部材101の部分は、スピーカ1の外部へ向けて凸となることから、ユーザが触れて破損するなどの可能性がある。また、音質調整部材101のような細長く狭い形状を射出成形により成形する場合、成形時のガス逃げ不良による充填不足、又は、樹脂詰まり等が発生するため、金型を入れ子構造にする必要がある。しかしながら、振動板本体100の裏面の音質調整部材101の部分を成形する金型に加え、振動板本体100の表面の音質調整部材101の部分を成形する金型も入れ子構造にするとなると、金型の構造が複雑化し、金型の製造が難しくなる。
Claims (4)
- 内周端部から当該内周端部よりも大径の外周端部まで傾斜して伸びる振動板本体と、
前記振動板本体から立ち上がり、前記内周端部から前記外周端部まで連続して設けられた音質調整部材とを備え、
前記音質調整部材は、前記外周端部において、エッジが設けられる前記振動板本体の裏面と反対側の、前記振動板本体の表面にのみ設けられ、
前記外周端部と前記内周端部との間の部分において、ダストキャップが設けられる前記振動板本体の表面と反対側の、前記振動板本体の裏面にのみ設けられていることを特徴とするスピーカ用の振動板。 - 前記音質調整部材は、前記内周端部において、ダンパが設けられる前記振動板本体の裏面側と反対側の、前記振動板本体の表面にのみ設けられていることを特徴とする請求項1記載のスピーカ用の振動板。
- 前記音質調整部材のうち前記振動板本体の表面に設けられた部分は、前記振動板本体と接する幅方向の長さが前記振動板本体から立ち上がる高さ方向の長さに対して60〜100%となることを特徴とする請求項1または請求項2記載のスピーカ用の振動板。
- 内周端部から当該内周端部よりも大径の外周端部まで傾斜して伸びる振動板本体と、前記振動板本体から立ち上がり前記振動板本体の内周端部から前記振動板本体の外周端部まで連続して設けられた音質調整部材と、を有する振動板と、
前記振動板本体の外周端部において、前記振動板本体の裏面に設けられたエッジと、
前記振動板本体の外周端部と前記振動板本体の内周端部との間の部分で前記振動板本体の表面に設けられたダストキャップとを備え、
前記音質調整部材は、前記振動板本体の外周端部において、前記振動板本体の表面にのみ設けられ、
前記振動板本体の外周端部と前記振動板本体の内周端部との間の部分において、前記振動板本体の裏面にのみ設けられていることを特徴とするスピーカ。
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