JP6757984B2 - 水門開閉装置及びその開閉制御方法 - Google Patents

水門開閉装置及びその開閉制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、水門を開閉すると共に扉体を自重で降下させる水門開閉装置及び当該水門開閉装置の開閉制御方法に関するものである。
従来、水門を開閉するには、通常、電動機を開閉方向に駆動させることで、扉体を昇降させている。しかしながら、大規模な災害、例えば、高潮、局地的な豪雨等による洪水や地震等による津波の発生により、水門を扉体の自重によって速やかに閉鎖する必要がある。そのため、水門を速やかに、すなわち水門の閉鎖時間を短縮するために、扉体の自重を利用して、扉体の自重降下速度を調整しつつ比較的高速で降下させる自重降下機能付きの水門開閉装置が多数採用されている。
これに加え、従来の水門開閉装置では、水門を開閉する扉体を昇降させる電動機と、扉体を自重により降下させる際、扉体の自重降下速度を略一定に制動する自重降下制動装置と、を備えた開閉装置本体が、扉体の幅方向両側にそれぞれ独立して一対配置された水門開閉装置が採用されている。そして、この水門開閉装置では、開閉装置本体が、扉体の幅方向両側にそれぞれ独立して一対配置されているので、扉体を各自重降下制動装置の作動により自重降下させる際、扉体の幅方向が水門の幅方向に対して傾斜する状況が発生する場合があり、自重降下の途中にその傾斜姿勢を補正する必要があった。
そして、これを対策した従来技術として、特許文献1には、扉体を自重降下させる際、各開閉装置本体の自重降下制動装置の作動による自重降下を含むように制御して、扉体の降下中、扉体の幅方向が水門の幅方向に対して傾斜した場合、各開閉装置本体の電動機の回転駆動をON,OFFすることで、扉体の降下を継続させながら、その傾斜姿勢を補正する開閉制御方法が開示されている。
特許第5936589号公報
しかしながら、特許文献1の発明では、扉体の自重降下中、扉体の幅方向が水門の幅方向に対して傾斜した場合、扉体の、先行して降下している幅方向一端部に連結される開閉装置本体における電動機の回転駆動をON,OFFしてその幅方向一端部を急激に減速させ、扉体の傾斜姿勢を補正しているが、扉体が比較的高速で自重降下していることもあり、スムーズに(滑らかに)その傾斜姿勢が補正されるように改善する必要があった。しかも、特許文献1の発明では、上述した大規模な災害時などには電力供給が途絶えることが多く、この場合は、三相電源を喪失しており電動機を駆動させることができないために、扉体を一対の自重降下制動装置の作動によって自重降下させる際、扉体の平衡状態を維持することができず、言い換えれば扉体の幅方向が水門の幅方向に対して傾斜した場合、その傾斜姿勢を補正することが困難となる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、扉体をその平衡状態を維持しながら安定して自重降下させることのできる水門開閉装置及びその開閉制御方法を提供することを目的とする。
(発明の態様)
以下に示す発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項分けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれるものである。
(1)水門を開閉する扉体の自重降下に伴って回転する回転軸と、該回転軸からの回転が伝達される差動装置と、該差動装置から延びる一方の出力軸に連結され、該一方の出力軸の回転運動を制動する主制動装置と、前記一方の出力軸の回転運動を制動及び解放する第1ブレーキ手段と、前記差動装置から延びる他方の出力軸に連結され、該他方の出力軸の回転運動を制動する副制動装置と、前記他方の出力軸の回転運動を制動及び解放する第2ブレーキ手段と、を備えた開閉装置本体が、扉体の幅方向両側にそれぞれ独立して一対配置され、
前記各開閉装置本体の前記主制動装置及び/または前記副制動装置の作動により扉体を自重降下させている際、前記扉体の幅方向が前記水門の幅方向に対して傾斜した場合、前記各開閉装置本体の前記第1または第2ブレーキ手段により、前記差動装置から延びる各出力軸のいずれか一方の回転運動を制動及び解放して、その傾斜姿勢を補正する制御装置を備えることを特徴とする水門開閉装置(請求項1の発明に相当)。
(1)項に記載した水門開閉装置では、例えば、各開閉装置本体の主制動装置及び副制動装置の作動により扉体をその降下速度を調整して自重降下させる際、扉体の幅方向が水門の幅方向に対して傾斜した場合には、制御装置からの信号により、例えば、扉体の、先行して降下している幅方向一端部に連結される開閉装置本体の第2ブレーキ手段を作動させることで、差動装置から延びる他方の出力軸の回転運動を制動及び解放して、扉体の自重降下を継続させながら、その傾斜姿勢を補正することができる。これにより、扉体の、先行して降下している幅方向一端部の降下速度をスムーズ(滑らか)に減速させることができ、その結果、扉体が高速で自重降下している最中でも、扉体を傾斜姿勢から正常姿勢にスムーズに補正することができ、その応答性を良好にすることができる。
(2)(1)項に記載した水門開閉装置であって、前記制御装置、前記第1ブレーキ手段及び前記第2ブレーキ手段は、単相電源又は直流電源により作動することを特徴とする水門開閉装置(請求項2の発明に相当)。
(2)項に記載した水門開閉装置では、災害時など、三相電源(動力電源)が喪失した場合でも、制御装置、第1ブレーキ手段及び第2ブレーキ手段を、無停電電源装置や小型のポータブル発電機の単相電源、又はバッテリの直流電源を使用して作動させることができる。これにより、三相電源が喪失した場合でも、何ら支障なく、扉体をその平衡状態を維持しながら安定して自重降下させることができる。
(3)(1)または(2)項に記載した水門開閉装置であって、前記制御装置は、前記開閉装置本体の構成として一対備えられ、各制御装置は、無線通信にて互いに接続されることを特徴とする水門開閉装置。
(3)項に記載した水門開閉装置では、大規模な災害時など、扉体の幅方向両側にそれぞれ独立した開閉装置本体の間、言い換えれば、一対の門柱の間の比較的な長い距離に沿わせるケーブルの切断等による信号の伝達不能を抑制することができる。
(4)水門を開閉する扉体の自重降下に伴って回転する回転軸と、該回転軸からの回転が伝達される差動装置と、該差動装置から延びる一方の出力軸に連結され、該一方の出力軸の回転運動を制動する主制動装置と、前記一方の出力軸の回転運動を制動及び解放する第1ブレーキ手段と、前記差動装置から延びる他方の出力軸に連結され、該他方の出力軸の回転運動を制動する副制動装置と、前記他方の出力軸の回転運動を制動及び解放する第2ブレーキ手段と、を備えた開閉装置本体が、扉体の幅方向両側にそれぞれ独立して一対配置された水門開閉装置の開閉制御方法であって、
前記各開閉装置本体の前記主制動装置及び/または前記副制動装置の作動により扉体を自重降下させている際、前記扉体の幅方向が前記水門の幅方向に対して傾斜した場合、前記各開閉装置本体の前記第1または第2ブレーキ手段により、前記差動装置から延びる各出力軸のいずれか一方の回転運動を制動及び解放して、その傾斜姿勢を補正することを特徴とする水門開閉装置の開閉制御方法(請求項3の発明に相当)。
(4)項に記載した水門開閉装置の開閉制御方法では、例えば、各開閉装置本体の主制動装置及び副制動装置の作動により扉体を自重降下させる際、扉体の幅方向が水門の幅方向に対して傾斜した場合、第2ブレーキ手段を作動させることで、各開閉装置本体の差動装置から延びる他方の出力軸の回転運動を制動及び解放して、扉体の自重降下を継続させながら、その傾斜姿勢を補正することができる。これにより、扉体が高速で自重降下している最中でも、扉体を傾斜姿勢から正常姿勢にスムーズに補正することができ、その応答性を良好にすることができる。
本発明の水門開閉装置及びその開閉制御方法によれば、扉体を自重降下させる際、その平衡状態を維持しながら安定して自重降下させることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る水門開閉装置の模式図である。 図2は、本発明の実施形態に係る水門開閉装置に採用した制御装置の制御フローを示した図である。
以下、本発明を実施するための形態を図1及び図2に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る水門開閉装置1は、図1に示すように、後述する開閉装置本体15、15が、扉体3の幅方向両側にそれぞれ独立して一対配置されている。そして、本実施形態に係る水門開閉装置1では、災害時など、水門2を扉体3によって速やかに閉鎖すべく、扉体3を高速で自重降下させる際、扉体3の幅方向が水門2の幅方向に対して傾斜した場合、扉体3の自重降下を継続させながら、その傾斜姿勢を補正することができるものである。
以下に、本実施形態に係る水門開閉装置1を詳しく説明する。図1に示すように、本実施形態に係る水門開閉装置1は、水門2を構成する左右一対の門柱5、5間に扉体3を昇降自在に支持している。扉体3の上部には左右一対のシーブ6、6がそれぞれ配置されている。左右一対の門柱5、5の上方にはワイヤロープ巻取ドラム7、7がそれぞれ配置されている。各シーブ6、6には、独立したワイヤロープ10、10がそれぞれ巻回されている。一方のワイヤロープ10は対応するシーブ6に巻回されて、そのワイヤロープ10の一端が一方の門柱5の上端に係止され、その他端が対応するワイヤロープ巻取ドラム7に巻回されている。同様に、他方のワイヤロープ10は対応するシーブ6に巻回されて、そのワイヤロープ10の一端が他方の門柱5の上端に係止され、そのワイヤロープ10の他端が対応するワイヤロープ巻取ドラム7に巻回されている。なお、本実施形態では、ワイヤロープ10及びワイヤロープ巻取ドラム7が採用されているが、チェーン及びスプロケットを採用してもよい。
本実施形態に係る水門開閉装置1では、上述したように、扉体3の幅方向両側にそれぞれ独立して一対配置される開閉装置本体15、15と、作業者等からの操作が入力される操作盤45と、を備えている。開閉本体装置15は、回転軸17と、第1及び第2差動装置19、27と、電動機用ブレーキ手段25と、第1及び第2ブレーキ手段32、33と、電動機23と、主制動装置35と、副制動装置36と、開度偏差計40と、制御装置42と、を備えている。回転軸17は、対応するワイヤロープ巻取ドラム7に一体的に連結される。回転軸17には平歯車17aが一体的に連結されている。後述する第1差動装置19から延びる出力軸18に平歯車18aが一体的に連結されている。これら回転軸17の平歯車17aと、出力軸18の平歯車18aとが噛み合っており、回転軸17と、第1差動装置19の出力軸18とが相互に回転トルクを伝達するように構成される。
第1差動装置19は、出力軸18と、第1入力軸21と、第2入力軸22と、を備えている。第1差動装置19の第1入力軸21には、電動機23が連結される。電動機23は、操作盤45からの信号伝達のために、該操作盤45に接続されている。電動機23は、三相電源(動力電源)によって駆動する。該電動機23の駆動によって、第1入力軸21が回転する。本実施形態では、電動機23が採用されているが、油圧モータまたは水圧モータを採用してもよい。第1入力軸21には、第1差動装置19と電動機23との間に、電動機用ブレーキ手段25が設けられている。該電動機用ブレーキ手段25は、第1入力軸21の回転運動を拘束及び解放するためのものである。該電動機用ブレーキ手段25は、油圧押上げブレーキ、電磁ブレーキやディスクブレーキ等が採用される。電動機用ブレーキ手段25は、三相電源又は単相電源によって作動する。電動機用ブレーキ手段25は、操作盤45からの信号伝達のために、該操作盤45に接続されている。操作盤45は、単相電源又は直流電源にて作動する。
第1差動装置19の第2入力軸22は、第2差動装置27に連結される。第2差動装置27は、扉体3の自重降下に伴う第2入力軸22の回転を受け入れ、この回転を第1出力軸30及び第2出力軸31に出力するものである。第2差動装置27の第1出力軸30には、主制動装置35が連結されている。主制動装置35は、第1出力軸30の回転速度を適宜速度に抑えるものであり、液圧ブレーキとしての油圧ブレーキ(油圧ポンプ)及び水圧ブレーキ(水圧ポンプ)、遠心ブレーキやファンブレーキ等が採用される。第1出力軸30には、第2差動装置27と主制動装置35との間に第1ブレーキ手段32が設けられている。該第1ブレーキ手段32は、第1出力軸30の回転運動を制動(拘束)及び解放するためのものである。該第1ブレーキ手段32には、油圧押上げブレーキ、電磁ブレーキやディスクブレーキ等が採用される。第1ブレーキ手段32は、単相電源又は直流電源によって作動する。第1ブレーキ手段32は、制御装置42からの信号伝達のために、該制御装置42に接続されている。
第2差動装置27の第2出力軸31には、副制動装置36が連結されている。副制動装置36は、第2出力軸31の回転速度を適宜速度に抑えるものであり、液圧ブレーキとしての油圧ブレーキ(油圧ポンプ)及び水圧ブレーキ(水圧ポンプ)、遠心ブレーキやファンブレーキ等が採用される。第2出力軸31には、第2差動装置27と副制動装置36との間に第2ブレーキ手段33が設けられている。該第2ブレーキ手段33は、第2出力軸31の回転運動を制動(拘束)及び解放するためのものである。該第2ブレーキ手段33には、油圧押上げブレーキ、電磁ブレーキやディスクブレーキ等が採用される。第2ブレーキ手段33は、単相電源又は直流電源によって作動する。第2ブレーキ手段33は、制御装置42からの信号伝達のために、該制御装置42に接続されている。なお、主制動装置35及び副制動装置36の作動により扉体3が自重降下する際の降下速度αは、主制動装置35だけの作動により扉体3を自重降下させる際の降下速度βよりも大きく設定されている。
開度偏差計40は、水門2の開放領域が左右のいずれかに偏った状態、すなわち、扉体3が平衡状態に維持されておらず、扉体3の幅方向が水門2の幅方向に対して傾斜している状態を検出するものである。開度偏差計40は、対応する制御装置42への信号伝達のために、該制御装置42に接続されている。開度偏差計40と制御装置42とは、有線通信により接続されている。そして、開度偏差計40は、開閉装置本体15の回転軸17の位相を測定して、その測定結果を対応する制御装置42に伝達する。そして、各制御装置42、42にて、共有した各開閉装置本体15、15の回転軸17、17の位相に基づいて、各回転軸17、17の位相差を算出して、扉体3の傾斜姿勢を算出する。開度偏差計40は、単相電源又は直流電源によって作動する。実質的に同様であるが、各開閉装置本体15、15の回転軸17、17の回転速度の差を測定して、扉体3の傾斜姿勢を算出するようにしてもよい。
制御装置42は、扉体3を自重降下させる際の扉体3の下降動作を制御するものである。本実施形態では、各制御装置42、42は、互いに無線通信により接続されている。なお、各制御装置42、42を、有線通信により互いに接続してもよい。制御装置42は、信号伝達のために、操作盤45、第1ブレーキ手段32及び第2ブレーキ手段33に接続されている。制御装置42は、単相電源又は直流電源により作動する。制御装置42の詳しい制御フローは以下に説明する。
次に、本実施形態に係る水門開閉装置1を使用した開閉制御方法を図2に基づいて、図1も適宜参照しながら説明するが、特に、災害時などに、三相電源を喪失したときに扉体3を自重降下させる際の開閉制御方法を詳細に説明する。
三相電源が喪失した状態では電動機23は機能しないが、操作盤45、制御装置42、第1ブレーキ手段32、第2ブレーキ手段33及び開度偏差計40は、無停電電源装置や小型のポータブル発電機の単相電源、又はバッテリの直流電源にて作動させることができる。
ステップS1において、作業者が、操作盤45にて、扉体3を自重降下させるためのスイッチ操作等を行う。すると、この信号が各開閉装置本体15、15の制御装置42、42に伝達されて、扉体3の自重降下が開始される。続いて、ステップS2において、各開閉装置本体15の制御装置42からの信号により、各開閉装置本体15の第1及び2ブレーキ手段32、33が解除されて、第1及び第2出力軸30、31の回転運動が解放される。その結果、扉体3の自重降下に伴う、第1差動装置19の第2入力軸22の回転によって、第2差動装置27の第1及び第2出力軸30、31が回転する。一方、第1差動装置19の第1入力軸21は、電動機23が電源喪失により機能せず、電動機用ブレーキ手段25(非通電時、第1入力軸21の回転運動を拘束)によって回転不能となる。
そして、ステップS3において、扉体3は、主制動装置35及び副制動装置36の作動により、その降下速度が適切な速度αに抑えられて自重降下する。すなわち、扉体3は、第2差動装置27の第1出力軸30の回転速度が主制動装置35により適宜速度に抑えられ、同様に、第2差動装置27の第2出力軸31の回転速度が副制動装置36により適宜速度に抑えられることで、その降下速度が適切な速度αに抑えられて自重降下する。
扉体3が、主制動装置35及び副制動装置36の作動により、適宜降下速度αで自重降下している際、常時、各開度偏差計40、40によって、各開閉装置本体15、15の回転軸17、17それぞれの位相が測定され、その測定結果が制御装置42、42にそれぞれ伝達されて、その測定結果が各制御装置42、42にて共有される。続いて、ステップS4において、各制御装置42にて、各開度偏差計40からの測定結果に基づく各開閉装置本体15、15の回転軸17、17の位相差が基準値を超え、扉体3の傾斜補正が必要であると判定されると、ステップS5に進む。一方、ステップS4において、各制御装置42にて、各開度偏差計40からの測定結果に基づく各開閉装置本体15、15の回転軸17、17の位相差が基準値を超えておらず、扉体3の傾斜補正は必要ではないと判定されると、ステップS9に進む。該ステップS9では、扉体3が着床する。続いて、ステップS10では、扉体3の着床を検知センサ(図示略)にて検知すると、各開閉装置本体15の制御装置42からの信号により、各開閉装置本体15の第1及び第2ブレーキ手段32、33が作動されて、第2差動装置27の第1及び第2出力軸30、31の回転運動が拘束される。そして、ステップS11にて、扉体3の自重降下を完了する。
一方、ステップS4における判定結果によりステップS5に進むと、該ステップS5では、扉体3の、先行して降下している幅方向一端部に連結される開閉装置本体15の制御装置42からの信号により、第2ブレーキ手段33を作動させて、第2差動装置27の第2出力軸31の回転運動を制動する。この結果、ステップS6にて、扉体3の、先行して降下している幅方向一端部が、主制動装置35及び副制動装置36の作動による降下速度αから、主制動装置35だけの作動による降下速度βに滑らかに減速されて自重降下する。続いて、ステップS7において、各制御装置42にて、各開度偏差計40からの測定結果に基づいて、扉体3の傾斜補正が完了したか否かが判定される。この結果、ステップS7において、制御装置42にて、扉体3の傾斜姿勢が補正されていないと判定された場合には、ステップS7の手前に戻る。一方、ステップS7において、各制御装置42にて、扉体3の傾斜姿勢が補正されていると判定された場合には、ステップS8に進む。続いて、ステップS8では、扉体3の、先行して降下していた幅方向一端部に連結される開閉装置本体15の制御装置42からの信号により、作動させていた第2ブレーキ手段33を解除して、第2差動装置27の第2出力軸31への制動を解除する。その結果、扉体3の幅方向一端部は、速やかに、適宜の降下速度αで自重降下を継続する。その後、ステップS4の手前に戻る。
ところで、本実施形態に係る水門開閉装置1において、三相電源が供給されている通常時に水門2を開閉する際には、操作盤45からの信号により、電動機用ブレーキ手段25を解除すると共に第1差動装置の第1入力軸21の回転運動だけを解放する(第2差動装置27の第1及び第2出力軸30、31の回転運動は、第1及び第2ブレーキ手段32、33の作動により拘束された状態)。そして、操作盤45からの信号により、各電動機23を開閉方向に駆動させることで、扉体3を昇降させるようにしている。また、扉体3の昇降時、各制御装置42において、各開度偏差計40からの測定結果に基づいて、扉体3の幅方向が水門2の幅方向に対して傾斜していると判定された場合には、操作盤45からの信号により、扉体3の、先行して昇降している幅方向一端部に連結される開閉装置本体15の電動機23をON,OFFして、扉体3を傾斜補正するようにしている。
以上説明したように、本発明の実施形態に係る水門開閉装置1では、三相電源を喪失した場合でも、扉体3を主制動装置35及び副制動装置36の作動により比較的高速で自重降下させることができる。そして、各制御装置42が、各開度偏差計40からの測定結果に基づいて、扉体3の幅方向が水門2の幅方向に対して傾斜していると判定した場合には、扉体3の、先行して降下している幅方向一端部に連結される開閉装置本体15の制御装置42からの信号に基づいて、第2ブレーキ手段33により第2差動装置27の第2出力軸31の回転運動を制動及び解放することで、扉体3の自重降下を継続させながら、その傾斜姿勢を補正することができる。これにより、扉体3の、先行して降下している幅方向一端部の降下速度をスムーズに減速させることができ、比較的高速で自重降下している扉体3を、その傾斜姿勢から正常姿勢へスムーズに補正することができる。
また、本発明の実施形態に係る水門開閉装置1では、各開閉装置本体15の電動機23以外、操作盤45、制御装置42、第1及び第2ブレーキ手段32、33及び開度偏差計40は、単相電源又は直流電源により作動するので、災害時など、三相電源が喪失した場合でも、無停電電源装置や小型のポータブル発電機の単相電源、又はバッテリの直流電源を使用することで、扉体3をその平衡状態を維持しながら安定して自重降下させることができる。
さらに、本発明の実施形態に係る水門開閉装置1において、扉体3の幅方向両側にそれぞれ独立した開閉装置本体15、15の制御装置42、42の間、言い換えれば、一対の門柱5、5の間の比較的長い距離を有線通信で接続した場合は、大規模な災害が発生したときに、そのケーブルが切断されてしまうことが想定される。これを対策するために、本水門開閉装置1では、各開閉装置本体15、15の制御装置42、42を互いに無線通信にて接続しており、ケーブルの切断による信号の伝達不能を抑制するようにしている。
なお、上述した実施形態に係る水門開閉装置1において、主制動装置35に液圧ブレーキ(油圧ポンプまたは水圧ポンプ)が採用され、副制動装置36に遠心ブレーキまたはファンブレーキが採用されてもよいし、主制動装置35に遠心ブレーキまたはファンブレーキが採用され、副制動装置36に液圧ブレーキが採用されてもよい。また、主制動装置35及び副制動装置36共に、液圧ブレーキが採用されてもよく、主制動装置35及び副制動装置36共に、遠心ブレーキまたはファンブレーキが採用されてもよい。要するに、主制動装置35及び副制動装置36における各種ブレーキ装置の組み合わせについては、特に限定されることはない。
1 水門開閉装置,2 水門,3 扉体,15 開閉装置本体,17 回転軸,23 電動機,27 第2差動装置,30 第1出力軸(一方の出力軸),31 第2出力軸(他方の出力軸),32 第1ブレーキ手段,33 第2ブレーキ手段,35 主制動装置,36 副制動装置,40 開度偏差計,42 制御装置

Claims (3)

  1. 水門を開閉する扉体の自重降下に伴って回転する回転軸と、
    該回転軸からの回転が伝達される差動装置と、
    該差動装置から延びる一方の出力軸に連結され、該一方の出力軸の回転運動を制動する主制動装置と、
    前記一方の出力軸の回転運動を制動及び解放する第1ブレーキ手段と、
    前記差動装置から延びる他方の出力軸に連結され、該他方の出力軸の回転運動を制動する副制動装置と、
    前記他方の出力軸の回転運動を制動及び解放する第2ブレーキ手段と、
    を備えた開閉装置本体が、扉体の幅方向両側にそれぞれ独立して一対配置され、
    前記各開閉装置本体の前記主制動装置及び/または前記副制動装置の作動により扉体を自重降下させている際、前記扉体の幅方向が前記水門の幅方向に対して傾斜した場合、前記各開閉装置本体の前記第1または第2ブレーキ手段により、前記差動装置から延びる各出力軸のいずれか一方の回転運動を制動及び解放して、その傾斜姿勢を補正する制御装置を備えることを特徴とする水門開閉装置。
  2. 前記制御装置、前記第1ブレーキ手段及び前記第2ブレーキ手段は、単相電源又は直流電源により作動することを特徴とする請求項1に記載の水門開閉装置。
  3. 水門を開閉する扉体の自重降下に伴って回転する回転軸と、
    該回転軸からの回転が伝達される差動装置と、
    該差動装置から延びる一方の出力軸に連結され、該一方の出力軸の回転運動を制動する主制動装置と、
    前記一方の出力軸の回転運動を制動及び解放する第1ブレーキ手段と、
    前記差動装置から延びる他方の出力軸に連結され、該他方の出力軸の回転運動を制動する副制動装置と、
    前記他方の出力軸の回転運動を制動及び解放する第2ブレーキ手段と、
    を備えた開閉装置本体が、扉体の幅方向両側にそれぞれ独立して一対配置された水門開閉装置の開閉制御方法であって、
    前記各開閉装置本体の前記主制動装置及び/または前記副制動装置の作動により扉体を自重降下させている際、前記扉体の幅方向が前記水門の幅方向に対して傾斜した場合、前記各開閉装置本体の前記第1または第2ブレーキ手段により、前記差動装置から延びる各出力軸のいずれか一方の回転運動を制動及び解放して、その傾斜姿勢を補正することを特徴とする水門開閉装置の開閉制御方法。
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