JP6757868B1 - 高圧cvケーブル絶縁劣化情報取得装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化及び低コスト化を実現し、停電を必要とすることなく、オンラインによって絶縁劣化情報が得られる高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置を提供する。【解決手段】高圧CVケーブルのシース電流に基づく漏れ電流により形成される電圧の位相を取得するシース側取得部と、変圧器を経た低圧側の電圧の位相を取得する低圧側取得部と、低圧側の電圧の位相に基づいて高圧側の電圧の位相を演算する高圧側時間関数演算部と、シース電流に基づく漏れ電流により形成される電圧の位相と、高圧側の電圧の位相と、に基づいて、漏れ電流により形成される電圧の位相が、完全に絶縁されていたと仮定した場合の漏れ電流により形成される電圧の位相からどの程度の位相ずれ量があるか、を演算する位相ずれ量演算部と、演算された位相ずれ量に基づいて高圧CVケーブルの絶縁劣化を示す情報である絶縁劣化情報を取得する絶縁劣化情報取得部と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、電力会社から給電される高圧の電気を高圧気中負荷開閉器から高圧受変電設備に引き込むシース付高圧CVケーブルの絶縁劣化を把握するのに用いられる高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置に関する。
上記したシース付高圧CVケーブルは、導体を中心にしてこの導体を内部半導電層、架橋ポリエチレン絶縁体、外部半導電層、金属遮蔽層及びシース(防食層)で順次被覆して成っている。
電気設備で発生する事故のうち、このシース付高圧CVケーブルの自然劣化に起因する停電事故が多くの割合を占めていることから、このシース付高圧CVケーブルに起因する電気事故を未然に防ぐために、電気保安業界では、様々な絶縁劣化の診断技術が開発されており、高圧や特別高圧等の電圧階級や、現場の実情に応じた実用化が成されている。
その中で、電圧階級が22kV以下の現場に採用される絶縁劣化の診断技術としては、例えば、絶縁抵抗法,直流漏れ電流法,直流電圧重畳法,交流電圧重畳法,低周波重畳法及び活線Tanδ法が挙げられる。
絶縁抵抗法は、検出対象が絶縁抵抗の低下を伴う劣化であり、停電環境下において絶縁抵抗計を用いて絶縁抵抗値を計測する。
直流漏れ電流法は、導体と金属遮蔽層間に直流高圧を印加して(直流高圧をかけて)直流漏れ電流を測定するオフライン診断法であり、絶縁抵抗法と同じく停電環境下において測定され、漏れ電流の大きさや、漸増又は急増現象の有無や、キック現象の有無などから絶縁抵抗の低下を判定する。
直流電圧重畳法は、50Vの直流電圧を高圧母線に重畳し、シース付高圧CVケーブル接地線から検出される直流電流から絶縁抵抗値を算出して劣化の度合いを判定するオンライン診断法である。停電環境が不要であるものの測定に用いる装置が大型且つ高額である。
交流電圧重畳法は、交流電圧が印加された水トリー劣化ケーブルに遮蔽層から商用周波数の2倍+1Hz(101Hz又は121Hz)の交流電圧を重畳すると、1Hzの劣化信号が発生するという原理を利用した方法である。シース付高圧CVケーブル接地線から交流電圧を重畳し、そこに流れる1Hzの信号を検出して劣化の度合いを判定するオンライン診断法である。直流電圧重畳法と同様に、停電環境が不要であるものの測定に用いる装置が大型且つ高額である。
低周波重畳法は、7.5Hz−20Vの低周波電圧を高圧母線から重畳して、シース付高圧CVケーブル接地線から低周波成分の損失電流を分離検出し、交流絶縁抵抗値を算出して水トリー劣化の度合いを算出するオンライン診断法であり、装置が大掛かりで複数の作業員の操作が必要である。
活線Tanδ法は、絶縁体が吸水した場合や水トリーが発生するとTanδが増加するので、劣化状況を推定する有力な手掛かりになる。活線下で測定対象のシース付高圧CVケーブルの電圧信号と充電電流信号を測定器Tanδメータに取り込み、その位相差からシース付高圧CVケーブルのTanδを算出する方式である。測定器Tanδメータが高額である。
なお、上記において、「オンライン診断法」とは、設備の停止を必要としない絶縁劣化の診断であり、「オフライン診断法」とは、設備を停止させて行う絶縁試験である。
また、「キック現象」とは、瞬間的に電流が突出する現象のことである(図13参照。)。
これらの絶縁劣化の診断技術は、それぞれが長所短所を併せ持っているが、需要家のニーズの高度化により、停電状態で行われる絶縁抵抗法,直流漏れ電流法及び活線Tanδ法よりも、停電を伴わない直流電圧重畳法,交流電圧重畳法及び低周波重畳法が主に採用される傾向にある。そして、近年では、例えば、特許文献1に記載された高圧CVケーブルの絶縁劣化診断方法及び絶縁劣化診断装置のような、より需要家のニーズに応え得る活線劣化診断技術が開発されている。
この従来の高圧CVケーブルの絶縁劣化診断方法では、商用三相交流の各相毎のCVケーブルを活線状態としたまま、これらのCVケーブルの遮蔽層に、低周波の診断用三相交流電圧を診断用三相交流電源により印加し、この状態で、各遮蔽層を一括して接地する接地線を流れる電流を測定して、そこに含まれる診断用三相交流電圧と同一周波数の電流成分を観察することによって絶縁劣化の程度を診断するようになっている。
特開2002−250750号公報
上記した高圧CVケーブルの絶縁劣化診断方法では、停電を必要とすることなく、しかもこれまでの低周波重畳法よりも低コストでオンラインによる絶縁劣化診断ができる。
しかしながら、従来の高圧CVケーブルの絶縁劣化診断方法では、三相交流を構成する各相の交流電圧に重畳させて診断用三相交流電圧を印加するための低周波の診断用三相交流電源を必要とすることから、これまでの低周波重畳法よりも低コスト化が成されているとは言え、より一層の低コスト化の要望を満たすまでには至っておらず、これを解決することが従来の課題となっている。
本発明は、上記した従来の課題を解決するために成されたものであり、装置の小型化及びより一層の低コスト化を実現したうえで、停電を必要とすることなく、遠隔操作によって絶縁劣化情報を得ることが可能である高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、以下の高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置を提供する。
すなわち、本発明の第一の態様は、シース付高圧CVケーブルのシース電流の時間関数又はシース電圧の時間関数を取得するシース側取得部と、前記シース付高圧CVケーブルの交流の変圧器を経た低圧側の電圧の時間関数又は電流の時間関数を取得する低圧側取得部と、低圧側取得部にて取得された低圧側の電圧の時間関数又は低圧側の電流の時間関数に基づいて高圧側の電圧の時間関数又は高圧側の電流の時間関数を演算する高圧側時間関数演算部と、前記シース側取得部で取得されたシース電流の時間関数又はシース電圧の時間関数と、前記高圧側時間関数演算部にて演算された高圧側の電圧の時間関数又は高圧側の電流の時間関数と、に基づいて、シース電流の位相又はシース電圧の位相が、完全に絶縁されていたと仮定した場合のシース電流の位相又はシース電圧の位相からどの程度の位相ずれ量があるか、を演算する位相ずれ量演算部と、演算された位相ずれ量に基づいて前記シース付高圧CVケーブルの絶縁劣化を示す情報である絶縁劣化情報を取得する絶縁劣化情報取得部と、を有する構成としている。
また、本発明の第二の態様において、前記絶縁劣化情報取得部は、演算された位相ずれ量に基づいて絶縁劣化情報を取得するための位相ずれ量・絶縁劣化情報取得ルールを保持する位相ずれ量・絶縁劣化情報取得ルール保持手段を有する構成としている。
さらに、本発明の第三の態様において、前記絶縁劣化情報取得部は、実際にケーブルを調査して入手した絶縁劣化情報である実測絶縁劣化情報を取得する実測絶縁劣化情報取得手段と、取得した実測絶縁劣化情報に基づいて位相ずれ量・絶縁劣化情報取得ルールを修正するルール修正手段と、をさらに有する構成としている。
さらにまた、本発明の第四の態様に係るコンピュータである高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置の動作方法おいて、シース付高圧CVケーブルのシース電流の時間関数又はシース電圧の時間関数を取得するシース側取得ステップと、前記シース付高圧CVケーブルの交流の変圧器を経た低圧側の電圧の時間関数又は電流の時間関数を取得する低圧側取得ステップと、前記低圧側取得ステップにて取得された低圧側の電圧の時間関数又は低圧側の電流の時間関数に基づいて高圧側の電圧の時間関数又は高圧側の電流の時間関数を演算する高圧側時間関数演算ステップと、前記シース側取得ステップで取得されたシース電流の時間関数又はシース電圧の時間関数と、前記高圧側時間関数演算ステップにて演算された高圧側の電圧の時間関数又は高圧側の電流の時間関数と、に基づいて、シース電流の位相又はシース電圧の位相が、完全に絶縁されていたと仮定した場合のシース電流の位相又はシース電圧の位相からどの程度の位相ずれ量があるか、を演算する位相ずれ量演算ステップと、演算された位相ずれ量に基づいて前記シース付高圧CVケーブルの絶縁劣化を示す情報である絶縁劣化情報を取得する絶縁劣化情報取得ステップと、を有する構成としている。
さらにまた、本発明の第五の態様において、前記絶縁劣化情報取得ステップは、演算された位相ずれ量に基づいて絶縁劣化情報を取得するための位相ずれ量・絶縁劣化情報取得ルールを保持する位相ずれ量・絶縁劣化情報取得ルール保持サブステップを有する構成としている。
さらにまた、本発明の第六の態様において、前記絶縁劣化情報取得ステップは、実際にケーブルを調査して入手した絶縁劣化情報である実測絶縁劣化情報を取得する実測絶縁劣化情報取得サブステップと、取得した実測絶縁劣化情報に基づいて位相ずれ量・絶縁劣化情報取得ルールを修正するルール修正サブステップと、をさらに有する構成としている。
一方、上記課題を解決するために、本発明は、以下の高圧CVケーブル絶縁劣化測定装置を提供する。
すなわち、本発明の第七の態様に係る高圧CVケーブル絶縁劣化測定装置は、シース付高圧CVケーブルのシース電流の時間関数又はシース電圧の時間関数を測定するシース側測定部と、測定されたシース電流の時間関数又はシース電圧の時間関数を蓄積するシース側蓄積部と、前記シース付高圧CVケーブルの交流の変圧器を経た低圧側の電圧の時間関数又は電流の時間関数を測定する低圧側測定部と、測定された低圧側の電圧の時間関数又は電流の時間関数を前記シース側測定部で測定されたシース電流の時間関数又はシース電圧の時間関数と同じ時間軸を用いて蓄積する低圧側蓄積部と、を有する構成としている。
さらにまた、本発明の第八の態様において、前記シース付高圧CVケーブルは、単心形又は三心一括形のケーブル、あるいはトリプレックスケーブルである構成としている。
また、別の解決手段としては、シース電流の時間関数で得られるシース電流又はシース電圧由来の位相情報であるシース由来位相情報を取得するシース由来位相情報取得部と、
高圧CVケーブルからの交流の変圧器を経た低圧側の低圧電流又は低圧電圧由来の位相情報である低圧由来位相情報を取得する低圧由来位相情報取得部と、
前記シース由来位相情報取得部で取得されたシース由来位相情報と、前記低圧由来位相情報取得部で取得された低圧由来位相情報と、に基づいて、前記シース由来位相情報で示される位相が、高圧CVケーブルが完全に絶縁されていたと仮定した場合のシース由来位相情報で示される位相からどの程度の位相ずれ量があるか、を演算する位相ずれ量演算部と、
演算された位相ずれ量に基づいて前記シース付高圧CVケーブルの絶縁劣化を示す情報である絶縁劣化情報を取得する絶縁劣化情報取得部と、を有する高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置を提供する。
本発明によれば、装置の小型化及びより一層の低コスト化を実現することができ、そのうえで、停電を必要とすることなく、遠隔操作によって高圧CVケーブル絶縁劣化情報を得ることが可能であるという非常に優れた効果が得られる。
本発明の実施形態1に係る高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置の三相変圧器に対する位置関係を示すシステム構成図 図1Aにおける三相変圧器の高圧側と低圧側との結線の一例を示すスター・デルタ結線説明図 図1Aにおける三相変圧器の高圧側と低圧側との結線の他の例を示すデルタ・デルタ結線説明図 図1Aにおける三相変圧器の高圧側と低圧側との結線のさらに他の例を示すデルタ・スター結線説明図 図1Aにおける三相変圧器の高圧側と低圧側との結線のさらに他の例を示すスター・スター結線説明図 図1Aにおける単心形の高圧CVケーブルの拡大断面図 実施形態1の高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置の機能ブロック図 実施形態1の高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置により取得される漏れ電流の位相と高圧側の電圧の位相との関係を示す位相差比較図 実施形態1の高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置のハードウェア構成例を示す図 実施形態1の高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置のハードウェアによる動作処理フローチャート 実施形態1の高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置が絶縁劣化情報取得対象とする他の高圧CVケーブルである三心一括形の高圧CVケーブルの拡大断面図 実施形態1の高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置が絶縁劣化情報取得対象とするさらに他の高圧CVケーブルであるトリプレックスケーブルの拡大断面図 実施形態2の高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置の機能ブロック図 実施形態2の高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置に演算により取得される絶縁劣化情報と実測絶縁劣化情報との関係を示す比較図 実施形態2の高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置のハードウェア構成例を示す図 実施形態2の高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置のハードウェアによる動作処理フローチャート 本発明の実施形態3に係る高圧CVケーブル絶縁劣化測定装置の三相変圧器に対する位置関係を示すシステム構成図 本発明の実施形態3に係る高圧CVケーブル絶縁劣化測定装置の機能ブロック図 絶縁劣化した高圧CVケーブルの漏れ電流に表れるキック現象の説明図
以下に、本発明の実施形態を説明する。実施形態と請求項の相互の関係は以下のとおりである。実施形態1は主に請求項1,2,4,5,8に関し、実施形態2は主に請求項3,6に関し、実施形態3は主に請求項7に関する。なお、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。
<ハードウェアの説明>
以下に記載する本発明の計算機は、一例としてマザーボード上などに備えられる、CPU、不揮発性メモリ、メインメモリ、グラフィックカード、さらにI/Oコントローラ、USBやIEEE。LANなどのインターフェースや、BIOS、PCIスロット、リアルタイムクロックなど、及び、これらを相互に接続するバス並びにバスを接続するチップセット(ノースブリッジ、サウスブリッジ)から構成される。
「バス」は、CPU(MPU)と、周辺機器や各種制御部を繋ぐために備えられる。又、バスは前述のチップセットによって連結される。
「CPU」(MPU)は、メインメモリ上にあるプログラムと呼ばれる命令列を順に読み込んで解釈・実行することで信号からなる情報を同じくメインメモリ上に出力する。この「CPU」は計算機内での演算を行なう中心として機能する。
「不揮発性メモリ」(HDD)の一例はハードディスクドライブである。基本構造は、磁気ディスク、磁気ヘッド、および磁気ヘッドを搭載するアームから構成される。
なお、不揮発性メモリとしては「NANDフラッシュ」から構成されるSSDをHDDとともに採用してもよいし、HDDに置き換えて採用してもよい。
メインメモリは、揮発性のメモリで構成される。最も代表的なものはダイナミックラムである。
I/Oコントローラは、外部機器との接続に利用される。USBコネクタもその一例である。
IEEE1394コネクタは、最も代表的な通信規格のインターフェースである。
OS(オペレーティングシステム)は、コンピュータを稼働するための基本ソフトウェアである。ユーザやアプリケーションプログラムに対してインターフェースを提供し、ハードウェアなどの機能部や、各リソースに対して効率的な管理を行う役割を果たす。
デバイスドライバは、オペレーティングシステムを介して計算機に付属する各種のデバイスをユーザやアプリケーションに利用可能等するためのデバイスのハードウェアを制御するためのプログラムである。
<実施形態1(主に請求項1,2に対応)>
<概要>
本実施形態に係る高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置は、高圧受変電設備への引込ケーブルとして使用される高圧CVケーブルの絶縁劣化を把握する装置である。この高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置は、高圧CVケーブルが絶縁劣化を起こした場合に、その高圧CVケーブルに施されたシースアースを流れるシース電流の時間関数又はシース電圧の時間関数と、高圧側の電圧の時間関数又は高圧側の電流の時間関数と、に基づいて、シース付高圧CVケーブルが完全に絶縁されている場合と比較して、シース電流の時間関数又はシース電圧の時間関数の中・長期(1ヶ月〜数ヶ月)における変動漸増傾向から、シース付高圧CVケーブルの絶縁劣化の程度を判定するようにしたことを主たる特徴とする。
本実施形態に係る高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置では、装置の小型化及びより一層の低コスト化を実現したうえで、停電を必要とすることなく、遠隔操作によって高圧CVケーブルの絶縁劣化の程度を把握することが可能になるという効果を奏する。
<構成>
図1Aに示すように、本実施形態の高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置0100は、電源である電力会社から電流又は電圧の位相を互いにずらした3系統の単相交流を組み合わせた三相交流の高圧(例えば、6600V)の電気が給電される三相変圧器0120に付設されて、この三相変圧器0120の電源側に位置する3個の高圧側端子0121,0121,0121に電気を引き込む3本の単心形の高圧CVケーブル0130,0130,0130の絶縁劣化を把握するのに用いられる。
この場合、三相変圧器0120は、降圧用の変圧器として用いられ、その電源側に位置する一次側である高圧側と二次側である低圧側との結線は、スター結線とデルタ結線を組み合わせた図1Bに示すスター・デルタ結線となっている。
ここで、「スター結線」とは、三相交流の三相各相をその一端の中性点で接続する結線であり、「デルタ結線」とは、三相交流の三相各相を相電圧が加わる向きに接続して閉回路とする結線である。
なお、高圧側と低圧側との結線は、スター・デルタ結線に限定されるものではなく、図1Cに示すデルタ・デルタ結線や、図1Dに示すデルタ・スター結線や、図1Eに示すスター・スター結線であってもよい。
上述のスター結線とデルタ結線を組み合わせた「スター・デルタ結線」では、第3高調波の環流・吸収が可能であり、ひずみ波の発生が少なくなる。
また、デルタ結線同士を組み合わせた「デルタ・デルタ結線」では、回路の一部が第3高調波を環流して吸収するため、ひずみ波が少なくなる。
さらに、デルタ結線とスター結線を組み合わせた「デルタ・スター結線」では、やはり第3高調波の環流回路があるので、ひずみ波が発生しにくくなる。
さらにまた、スター結線同士を組み合わせた「スター・スター結線」では、電源側(1次側)及び負荷側(2次側)の双方に中性点を有するので、どちらでも接地が可能であり、回路の保守及び保護が容易である。
この三相変圧器0120の低圧側には、3本の低圧側ケーブル0122,0122,0122が接続された3個の低圧側端子0123,0123,0123が配置してあり、本実施形態の高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置0100は、これらの低圧側端子0123,0123,0123から引いた電圧ケーブル0124,0124,0124を介して低圧電源(200V)を取得するようにしている。
三相変圧器0120の端子0121に電気を引き込む高圧CVケーブル0130は、図1Fに示すように、導体0131を中心にしてこの導体0131を内部半導電層0132、架橋ポリエチレン絶縁体0133、外部半導電層0134、金属遮蔽層(遮蔽用銅テープ)0135及び防食層0136で順次被覆して成っている。
高圧CVケーブル0130の金属遮蔽層0135にはシースアース0137が施してあり、3本の高圧CVケーブル0130,0130,0130の各シースアース0137,0137,0137は、リング状の零相変流器0138に一括して通してある。
3本の高圧CVケーブル0130,0130,0130のいずれにも絶縁劣化(漏電)が生じていない場合には、この零相変流器0138の二次側には電流が流れないが、1本の高圧CVケーブル0130に絶縁劣化が生じてこれに接続するシースアース0137を通して他の2本のシースアース0137,0137とは異なるシース電流が大地Eに流れた場合は、三相間のシース電流のバランスが崩れて零相変流器0138の二次側に交流の電流が流れることになる。
つまり、この零相変流器0138は、3本の高圧CVケーブル0130,0130,0130のうちの1本の高圧CVケーブル0130に絶縁劣化が生じて、これに対応するシースアース0137に他の2本のシースアース0137,0137とは異なるシース電流が流れた際に、二次側に流れる電流を検出して測定するようになっている。
加えて、この零相変流器0138では、二次側に流れる電流の位相差と三相各相の電圧の位相差とから、絶縁劣化が生じている高圧CVケーブル0130の特定も可能となっている。
図2に示すように、本実施形態の高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置0200は、シース側取得部0201と、低圧側取得部0202と、高圧側時間関数演算部0203と、位相ずれ量演算部0204と、絶縁劣化情報取得部0205と、を有している。
シース側取得部0201は、1本の高圧CVケーブルに絶縁劣化が生じて対応するシースアースにシース電流が流れた場合に、零相変流器の二次側に流れる電流の時間関数又はシース電圧の時間関数を取得する。
この実施形態において、高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置0200は、デジタル信号処理技術の帯域通過フィルタ回路(図1Aの0107)を内蔵しており、シース側取得部0201では、上記のように零相変流器の二次側に流れる交流の電流に含まれている高調波成分から不要高調波成分を除去して、商用周波数成分の零相電流I(t)を抽出するようにしている。なお、この商用周波数成分以外の高調波の不要成分は、帯域通過フィルタ回路で除去されるものの計測はされている。この高調波の不要成分の計測値は、後述のごとく、高圧CVケーブルの絶縁劣化の程度を判定する際に、より細かく変動漸増傾向等を観察するのに利用される。
低圧側取得部0202は、電源側の高圧CVケーブルと接続する三相変圧器の低圧側において、電圧ケーブルを介して低圧電圧の時間関数又は低圧側の電流の時間関数を取得する。
高圧側時間関数演算部0203は、低圧側取得部0202にて取得した三相変圧器の低圧側における低圧電圧の時間関数又は電流の時間関数に基づいて、三相変圧器の高圧側における高圧電圧の時間関数又は高圧側の電流の時間関数を演算により取得する。
ここで、三相変圧器の高圧側と低圧側との間には既知の位相差が発生しており、高圧側時間関数演算部0203では、ソフトウェアによって低圧側の電圧の位相角を高圧側の電圧の位相角に変換して等価と見做すこととしている。
位相ずれ量演算部0204は、シース側取得部0201で取得したシース電流の時間関数又はシース電圧の時間関数、この実施形態では、シース電流に基づく零相変流器の二次側に流れる交流の漏れ電流(IO(t))(以降(t)は省略する)に基づいて形成される電圧の位相と、高圧側時間関数演算部0203にて演算により取得した高圧側の高圧電圧の時間関数又は高圧側の電流の時間関数、この実施形態では、高圧側の電圧の位相と、に基づいて、漏れ電流(IO)によって形成される電圧の位相が、完全に絶縁されていたと仮定した場合の漏れ電流(IO)によって形成される電圧の位相からどの程度の位相ずれ量があるかを演算する。
シース側取得部0201で取得した漏れ電流(IO)は、抵抗性漏れ電流(IOR)及び容量性漏れ電流(IOC)を含んでおり、図3の位相差比較図に示すように、高圧側時間関数演算部0203で演算されて得た高圧側の電圧の位相を横軸とした場合、抵抗性漏れ電流(IOR)によって形成される電圧の位相は横軸上に重ねて示され、容量性漏れ電流(IOC)によって形成される電圧の位相は縦軸上に重ねて示される。
つまり、完全に絶縁されていたと仮定した場合の漏れ電流(IO)によって形成される電圧の位相V(IOC)は、抵抗性漏れ電流(IOR)がゼロなので、縦軸上の容量性漏れ電流によってのみ形成される電圧の位相になる。そして、絶縁が完全でない場合には、シースには抵抗性の漏れ電流成分(IOR)と、容量性の漏れ電流成分(IOC)との合成による漏れ電流成分により形成される電圧の位相V(IO)(=((IOR)2+(IOC)21/2)が決定される。
したがって、完全に絶縁されていたと仮定した場合の漏れ電流(IO)に基づく電圧の位相に対する図3に仮想線で示す漏れ電流(IO)成分に基づく電圧の位相V(IO)のずれ量は、容量性漏れ電流(IOC)に基づく電圧の位相V(IOC)と成す角度θということになる。
絶縁劣化情報取得部0205は、位相ずれ量演算部0204で演算された位相ずれ量に基づいて高圧CVケーブルの絶縁劣化を示す情報である絶縁劣化情報を取得するが、この実施形態において、絶縁劣化情報取得部0205は、絶縁劣化情報を取得するための位相ずれ量・絶縁劣化情報取得ルールを保持する位相ずれ量・絶縁劣化情報取得ルール保持手段0205aを有している。
具体的には、位相ずれ量演算部0204で演算された容量性漏れ電流(IOC)により形成される電圧の位相と漏れ電流(IO)により形成される電圧の位相とが成す角度θから、以下に示す表1のNo3〜No9の項目(漏れ電流(IO)、及び、デジタル信号処理技術の帯域通過フィルタ回路で除去された高調波成分電流)を計測して、他のNo1,No2,No10,No11の項目はすべてNo3〜No9の計測値から算出する。
Figure 0006757868
すなわち、高圧CVケーブルの絶縁抵抗に関係するシース電流又はシース電圧の位相を算出すると共に、高圧CVケーブルの完全絶縁状態と想定した場合のシースに発生する三相の電圧における各位相間の位相差が角度θである場合の抵抗性漏れ電流(IOR)によって形成される電圧の絶対値を容量性漏れ電流(IOC)によって形成される電圧の絶対値で除した値である誘電正接(Tanθ)及び誘電正接角θを算出する。
そして、これらの高圧CVケーブルの絶縁劣化を示す情報である各電流の数値や、時系列の変動傾向や、各電流の数値の相互関係性等を監視することによって、高圧CVケーブルの絶縁劣化の程度を判定する。例えば、位相ずれ量演算部0204で演算された位相ずれ量である角度θが大きい場合、或いは、これと同義の角度(90°−θ)が小さい場合には、高圧CVケーブルの絶縁劣化の程度が進んでいると言える。
図4に示すように、本実施形態の高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置0400は、CPU0411と、HDD、ROM等の不揮発性メモリ0412と、D−RAM等のメインメモリ0413と、インターフェースとから構成されている。不揮発性メモリ0412には、シース側取得プログラム、低圧側取得プログラム、高圧側時間関数演算プログラム、位相ずれ量演算プログラム、絶縁劣化情報取得プログラム、位相ずれ量・絶縁劣化情報取得ルール保持サブプログラムが格納されている。データとしては、電流信号や位相角の情報であり、これらのプログラムやデータは、メインメモリ0413の保持領域に読み込まれて作動領域で実行される。
<処理の流れ>
本実施形態の高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置では、まず、図5に示すように、1本の高圧CVケーブルに絶縁劣化が生じてこれに対応するシースアースに他の2本のシースアースとは異なるシース電流が流れると、シース側取得ステップS0501が実行されて、零相変流器の二次側に流れる電流に含まれている高調波成分から不要高調波成分を除去して、商用周波数成分の零相電流、すなわち、漏れ電流(IO)が抽出される。
次に、低圧側取得ステップS0502が実行されて、電源側の高圧CVケーブルと接続する三相変圧器の低圧側において、電圧ケーブルを介して低圧電圧の位相が取得される。
続いて、高圧側時間関数演算ステップS0503が実行されて、低圧側取得ステップS0502にて取得した三相変圧器の低圧側における低圧電圧の位相角に基づいて、三相変圧器の高圧側における高圧電圧の位相角を演算する。
このとき、三相変圧器の高圧側と低圧側との間には既知の位相差が発生しており、高圧側時間関数演算ステップS0503では、ソフトウェアによって低圧側の低圧電圧の位相角を高圧側の高圧電圧の位相角に変換して等価とするべく演算する。
次いで、位相ずれ量演算ステップS0504が実行されて、シース側取得ステップS0501で取得したシース電流の時間関数又はシース電圧の時間関数、この実施形態では、シース電流に基づく零相変流器の二次側に流れる交流の漏れ電流(IO)によって形成される電圧の位相と、高圧側時間関数演算ステップS0503にて演算により取得した高圧側の電圧の時間関数又は高圧側の電流の時間関数、この実施形態では、高圧側の電圧の位相と、に基づいて、漏れ電流(IO)によって形成される電圧の位相が、完全に絶縁されていたと仮定した場合の漏れ電流(IO)によって形成される電圧の位相からどの程度の位相ずれ量があるかを演算する。
この際、完全に絶縁されていたと仮定した場合の漏れ電流(IO)によって形成される電圧の位相は、抵抗性漏れ電流(IOR)がゼロなので、容量性漏れ電流(IOC)によってのみ形成される電圧の位相になる。そして、絶縁が完全でない場合には、シースには抵抗性の漏れ電流成分(IOR)と、容量性の漏れ電流成分(IOC)との合成による漏れ電流成分により形成される電圧の位相(IO)が決定され、完全に絶縁されていたと仮定した場合の漏れ電流(IO)に基づく電圧の位相に対する漏れ電流(IO)成分に基づく電圧の位相のずれ量は、容量性漏れ電流(IOC)に基づく電圧の位相と成す角度θになる。
この後、絶縁劣化情報取得ステップS0505が実行されて、位相ずれ量演算ステップS0504で演算された位相ずれ量である角度θに基づいて高圧CVケーブルの絶縁劣化を示す情報である絶縁劣化情報が取得される。
この絶縁劣化情報取得ステップS0505では、位相ずれ量・絶縁劣化情報取得ルール保持サブステップS0505aが実行されて、位相ずれ量である角度θから、表1のNo3〜No9の項目が計測され、これらの計測値から、高圧CVケーブルの絶縁抵抗に関係するシース電流又はシース電圧の位相が算出されると共に、高圧CVケーブルの完全絶縁状態と想定した場合のシースに発生する各相間の電圧の位相の位相差が角度θである場合の抵抗性漏れ電流(IOR)によって形成される電圧の絶対値を容量性漏れ電流(IOC)によって形成される電圧の絶対値で除した値である誘電正接(Tanθ)及び誘電正接角(θ)が算出される。
そして、これらの高圧CVケーブルの絶縁劣化を示す情報である各電流の数値や、時系列の変動傾向や、各電流の数値の相互関係性等を監視することによって、高圧CVケーブルの絶縁劣化の有無、及び、絶縁劣化が生じている場合にはその程度の判定が成されることとなる。
本実施形態では、高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置の絶縁劣化情報取得対象が、単心形の高圧CVケーブルである場合を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、図6Aに示すように、3本の小径CVケーブル0630Sを防食層0636で被覆して成る三心一括形の高圧CVケーブル0630Aであってもよいし、図6Bに示すように、3本の単心形の高圧CVケーブル0630をより合わせて成るトリプレックスケーブル0630Bであってもよい。
<効果>
上記したように、本実施形態に係る高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置では、高圧CVケーブルの絶縁劣化情報を得るための電圧を三相変圧器の高圧側から直接取得するのではなく低圧側から取得するようにしているので、安全にそして停電を必要とすることなく絶縁劣化情報を得ることが可能である。
また、本実施形態に係る高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置では、高圧CVケーブルに施したシースアースを流れるシース電流から絶縁劣化情報を得るようにしているので、遠隔での測定が可能である。
さらに、本実施形態に係る高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置では、絶縁劣化情報を得るための電源を別途必要としないので、装置の小型化及びより一層の低コスト化を実現することができるという効果を奏する。
さらにまた、本実施形態に係る高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置では、絶縁劣化情報取得部が、絶縁劣化情報を取得するための位相ずれ量・絶縁劣化情報取得ルールを保持する位相ずれ量・絶縁劣化情報取得ルール保持手段を有しているので、確度の高い絶縁劣化情報を数多く取得できる。
<実施形態2(主に請求項3に対応)>
<概要>
本実施形態は実施形態1を基本とし、絶縁劣化情報取得部が、実際に高圧CVケーブルを調査して入手した絶縁劣化情報である実測絶縁劣化情報を取得する実測絶縁劣化情報取得手段と、取得した実測絶縁劣化情報に基づいて位相ずれ量・絶縁劣化情報取得ルールを修正するルール修正手段と、をさらに有する構成としたことを特徴としている。
このように、本実施形態では、実際の高圧CVケーブルから実測絶縁劣化情報を取得し、その実測絶縁劣化情報に基づいて位相ずれ量・絶縁劣化情報取得ルールを修正するので、取得する絶縁劣化情報の確度を高め得るという効果を奏する。
<構成>
図7に示すように、本実施形態に係る高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置0700において、先の実施形態と相違するところは、絶縁劣化情報取得部0705が、実測絶縁劣化情報取得手段0705bを有しているのに加えて、ルール修正手段0705cをさらに有している点にあり、他の構成は先の実施形態と同じである。
実測絶縁劣化情報取得手段0705bは、図8に示すように、実際に高圧CVケーブルを調査して入手した絶縁劣化情報である実測・絶縁劣化情報Bを取得し、ルール修正手段0705cは、実測絶縁劣化情報取得手段0705bで取得した実測・絶縁劣化情報Bに基づいて位相ずれ量・絶縁劣化情報取得ルールを修正する。
つまり、演算された位相ずれ量に基づいて取得した演算・絶縁劣化情報Aと実測・絶縁劣化情報Bとを比較して、実測・絶縁劣化情報Bが演算された位相ずれ量に基づく演算・絶縁劣化情報Aよりも確度が高い場合には、ルール修正手段0705cによって位相ずれ量・絶縁劣化情報取得ルールを修正し、実測・絶縁劣化情報Bに基づいて高圧CVケーブルの絶縁劣化の程度の判定を行う。
図9に示すように、この高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置0900は、CPU0911と、HDD、ROM等の不揮発性メモリ0912と、D−RAM等のメインメモリ0913と、インターフェースとから構成されている。不揮発性メモリ0912には、シース側取得プログラム、低圧側取得プログラム、高圧側時間関数演算プログラム、位相ずれ量演算プログラム、絶縁劣化情報取得プログラム、位相ずれ量・絶縁劣化情報取得ルール保持サブプログラム、実測絶縁劣化情報取得サブプログラム、ルール修正サブプログラムが格納されている。データとしては、電流信号や位相角の情報であり、これらのプログラムやデータは、メインメモリ0913の保持領域に読み込まれて作動領域で実行される。
<処理の流れ>
本実施形態に係る高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置では、図10に示すように、絶縁劣化情報取得ステップS1005が実行される場合において、実測絶縁劣化情報取得ステップS1005bが実行されて、実際に高圧CVケーブルを調査して入手した絶縁劣化情報である実測絶縁劣化情報が取得され、続いて、ルール修正ステップS1005cが実行されて、実測絶縁劣化情報取得ステップS1005bで取得された実測絶縁劣化情報に基づいて位相ずれ量・絶縁劣化情報取得ルールを修正するようになっている。
つまり、本実施形態では、実際の高圧CVケーブルから取得した実測絶縁劣化情報と、演算された位相ずれ量に基づいて取得した絶縁劣化情報とを比較して、演算された位相ずれ量に基づく絶縁劣化情報よりも実測絶縁劣化情報の確度が高い場合には、実測絶縁劣化情報に基づいて高圧CVケーブルの絶縁劣化の程度の判定を行ので、取得する絶縁劣化情報の確度が高まることとなる。
<効果>
上記したように、この実施形態2に係る高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置では、確度の高い絶縁劣化情報を取得することができるという効果を奏する。
<実施形態3(主に請求項7に対応)>
<概要>
本実施形態に係る高圧CVケーブル絶縁劣化測定装置は、高圧CVケーブルのシース電流の時間関数又はシース電圧の時間関数を測定するシース側測定部と、測定されたシース電流の時間関数又はシース電圧の時間関数を蓄積するシース側蓄積部と、高圧CVケーブルの交流の変圧器を経た低圧側の電圧の時間関数又は電流の時間関数を測定する低圧側測定部と、測定された低圧側の電圧の時間関数又は電流の時間関数をシース側測定部で測定されたシース電流の時間関数と同じ時間軸を用いて蓄積する低圧側蓄積部と、を有することを特徴としている。
本実施形態に係る高圧CVケーブル絶縁劣化測定装置では、高圧CVケーブルの絶縁劣化状態を測定することができると共に、絶縁劣化状態データを管理することができるという効果を奏する。
<構成>
図11に示すように、本実施形態に係る高圧CVケーブル絶縁劣化測定装置1100は、電源である電力会社から電流又は電圧の位相を互いにずらした3系統の単相交流を組み合わせた三相交流の高圧(例えば、6600V)の電気が給電される三相変圧器1120に付設されて、この三相変圧器1120の電源側に位置する3個の高圧側端子1121,1121,1121に電気を引き込む3本の単心形の高圧CVケーブル1130,1130,130の絶縁劣化状態を測定するのに用いられる。
この場合、三相変圧器1120は、降圧用の変圧器として用いられ、その電源側に位置する一次側である高圧側と二次側である低圧側との結線は、スター結線とデルタ結線を組み合わせたスター・デルタ結線となっている。
この三相変圧器1120の低圧側には、3本の低圧側ケーブル1122,1122,1122が接続された3個の低圧側端子1122,1122,1122が配置してあり、本実施形態の高圧CVケーブル絶縁劣化測定装置1100は、これらの低圧側端子1122,1122,1122から引いた電圧ケーブル1123,1123,1123を介して低圧電源(200V)を取得するようにしている。
高圧CVケーブル1130の金属遮蔽層(図示省略)にはシースアース1137が施してあり、3本の高圧CVケーブル1130,1130,1130の各シースアース1137,1137,1137は、リング状の零相変流器1138に一括して通してある。
この零相変流器1138は、3本の高圧CVケーブル1130,1130,1130のうちの1本の高圧CVケーブル1130に絶縁劣化が生じて、対応する1本のシースアース1137に他の2本のシースアース1137,1137とは異なるシース電流が流れた際に、二次側に流れる交流の電流を検出して測定するようになっている。
図12に示すように、本実施形態の高圧CVケーブル絶縁劣化測定装置1200は、シース側測定部1201と、シース側蓄積部1202と、低圧側測定部1203と、低圧側蓄積部1204と、を有している。
シース側測定部1201は、高圧CVケーブルのシース電流の時間関数又はシース電圧の時間関数、例えば、シース電流に基づく零相変流器の二次側に流れる交流の漏れ電流によって形成される電圧の時間関数を測定し、シース側蓄積部1202は、シース側測定部1201で測定された漏れ電流によって形成される電圧の時間関数を蓄積する。
一方、低圧側測定部1203は、高圧CVケーブルの交流の変圧器を経た低圧側の電圧の時間関数又は電流の時間関数、例えば、低圧側の電圧の時間関数を測定し、低圧側蓄積部1204は、低圧側測定部1203で測定された低圧側の電圧の時間関数をシース側測定部1201で測定された漏れ電流によって形成される電圧の時間関数と同じ時間軸を用いて蓄積する。
<効果>
上記したように、この実施形態に係る高圧CVケーブル絶縁劣化測定装置では、高圧CVケーブルの絶縁劣化状態を測定することができるだけでなく、高圧CVケーブルの絶縁劣化に係る情報をデータ化することができるという効果を奏する。
0100 高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置
0120 三相変圧器
0130 高圧CVケーブル
0137 シースアース
0201 シース側取得部
0202 低圧側取得部
0203 高圧側時間関数演算部
0204 位相ずれ量演算部
0205 絶縁劣化情報取得部

Claims (8)

  1. シース付高圧CVケーブルのシース(本来高圧ケーブルと絶縁されて高圧ケーブルを巻回している金属遮蔽層を言う。以下同じ。防食層を指していない。以下同じ。)電流の時間関数又はシース電圧の時間関数を取得するシース側取得部と、
    前記シース付高圧CVケーブルの交流の変圧器を経た低圧側の電圧の時間関数又は電流の時間関数を取得する低圧側取得部と、
    低圧側取得部にて取得された低圧側の電圧の時間関数又は低圧側の電流の時間関数に基づいて高圧側の電圧の時間関数又は高圧側の電流の時間関数を演算する高圧側時間関数演算部と、
    前記シース側取得部で取得されたシース電流の時間関数又はシース電圧の時間関数と、前記高圧側時間関数演算部にて演算された高圧側の電圧の時間関数又は高圧側の電流の時間関数と、に基づいて、シース電流の位相又はシース電圧の位相が、完全に絶縁されていたと仮定した場合のシース電流の位相又はシース電圧の位相からどの程度の位相ずれ量があるか、を演算する位相ずれ量演算部と、
    演算された位相ずれ量に基づいて前記シース付高圧CVケーブルの絶縁劣化を示す情報である絶縁劣化情報を取得する絶縁劣化情報取得部と、
    を有する高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置。
  2. 前記絶縁劣化情報取得部は、
    演算された位相ずれ量に基づいて絶縁劣化情報を取得するための位相ずれ量・絶縁劣化情報取得ルールを保持する位相ずれ量・絶縁劣化情報取得ルール保持手段を有する請求項1に記載の高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置。
  3. 前記絶縁劣化情報取得部は、
    実際にケーブルを調査して入手した絶縁劣化情報である実測絶縁劣化情報を取得する実測絶縁劣化情報取得手段と、
    取得した実測絶縁劣化情報に基づいて位相ずれ量・絶縁劣化情報取得ルールを修正するルール修正手段と、をさらに有する請求項1又は請求項2に記載の高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置。
  4. シース付高圧CVケーブルのシース電流の時間関数又はシース電圧の時間関数を取得するシース側取得ステップと、
    前記シース付高圧CVケーブルの交流の変圧器を経た低圧側の電圧の時間関数又は電流の時間関数を取得する低圧側取得ステップと、
    前記低圧側取得ステップにて取得された低圧側の電圧の時間関数又は低圧側の電流の時間関数に基づいて高圧側の電圧の時間関数又は高圧側の電流の時間関数を演算する高圧側時間関数演算ステップと、
    前記シース側取得ステップで取得されたシース電流の時間関数又はシース電圧の時間関数と、前記高圧側時間関数演算ステップにて演算された高圧側の電圧の時間関数又は高圧側の電流の時間関数と、に基づいて、シース電流の位相又はシース電圧の位相が、完全に絶縁されていたと仮定した場合のシース電流の位相又はシース電圧の位相からどの程度の位相ずれ量があるか、を演算する位相ずれ量演算ステップと、
    演算された位相ずれ量に基づいて前記シース付高圧CVケーブルの絶縁劣化を示す情報である絶縁劣化情報を取得する絶縁劣化情報取得ステップと、
    を有するコンピュータである高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置の動作方法。
  5. 前記絶縁劣化情報取得ステップは、
    演算された位相ずれ量に基づいて絶縁劣化情報を取得するための位相ずれ量・絶縁劣化情報取得ルールを保持する位相ずれ量・絶縁劣化情報取得ルール保持サブステップを有する請求項4に記載のコンピュータである高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置の動作方法。
  6. 前記絶縁劣化情報取得ステップは、
    実際にケーブルを調査して入手した絶縁劣化情報である実測絶縁劣化情報を取得する実測絶縁劣化情報取得サブステップと、
    取得した実測絶縁劣化情報に基づいて位相ずれ量・絶縁劣化情報取得ルールを修正するルール修正サブステップと、をさらに有する請求項4又は請求項5に記載のコンピュータである高圧CVケーブル絶縁劣化情報取得装置の動作方法。
  7. シース付高圧CVケーブルのシース電流の時間関数又はシース電圧の時間関数を測定するシース側測定部と、
    測定されたシース電流の時間関数又はシース電圧の時間関数を蓄積するシース側蓄積部と、
    前記シース付高圧CVケーブルの交流の変圧器を経た低圧側の電圧の時間関数又は電流の時間関数を測定する低圧側測定部と、
    測定された低圧側の電圧の時間関数又は電流の時間関数を前記シース側測定部で測定されたシース電流の時間関数又はシース電圧の時間関数と同じ時間軸を用いて蓄積する低圧側蓄積部と、
    を有する高圧CVケーブル絶縁劣化測定装置。
  8. 前記シース付高圧CVケーブルは、単心形又は三心一括形のケーブル、あるいはトリプレックスケーブルである請求項7に記載の高圧CVケーブル絶縁劣化測定装置。
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