JP6757786B2 - 航空機における氷の形成を検出するための装置 - Google Patents

航空機における氷の形成を検出するための装置 Download PDF

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Description

本開示は、航空機における氷の形成を検出するための方法及び装置に関し、特に、焦電材料を備える氷検出器に関する。
航空機の重要な飛行面(flight surface)に氷が蓄積すると、安全面でかなりのリスクが発生する。航空機の主翼や他のエーロフォイル面の前縁などの重要な面に氷が蓄積すると、少量でも当該面の揚力特性及び抗力特性に重大な影響を及ぼす。従って、航空機における着氷をリアルタイムで検出することは、飛行の安全性のためには重要な要素である。しかし、リアルタイム氷検出のための既存のシステム及び方法では、偽陰性判定が起こりやすい。このような場合、実際には1つ又はそれ以上の重要な飛行面に氷の蓄積が起こっているにもかかわらず、氷検出システムは、誤って、航空機に氷の蓄積は無いという判定を示すことがある。偽陰性判定は、約27〜32°Fといった水の凝固点に近い温度及び約1500〜13000フィートの高度で航空機が飛行中に、特に起こりやすい。このような状況下では、航空機の前部胴体セクションなど、航空機の代表的な場所に設けられた氷検出器に氷が形成される前に、航空機の翼やその他の重要な飛行面の前縁に氷が形成され得る。
従って、より確実に、及び/又は、より広範囲の大気条件下において、航空機の着氷状況及び/又は氷の形成を検出するための方法及び装置が必要とされている。
一側面においては、氷検出器を備える装置が説明される。当該装置は、いくつかの実施形態において、これまでの氷検出器よりも有利な点を1つまたはそれ以上有するであろう。例えば、いくつかのケースにおいて、本明細書に記載された氷検出器は、他の氷検出器が航空機表面における氷の形成を検出できない大気条件下において、航空機表面における氷の形成を検出することができる。また、いくつかの実施形態において、本明細書に記載された氷検出器は、連邦規則集第14編25、付属書(Appendix)C(1−1−12版)で説明されている着氷エンベロープ(icing envelope)に含まれるあらゆる温度、圧力、水分レベルにおいて、氷の形成を検出することができる。従って、いくつかのケースにおいて、本明細書に記載された氷検出器は、航空機の重要な飛行面における氷の形成を早期に検出することができ、これによって、危険な偽陰性判定が起こる可能性を減らすことができる。また、本明細書に記載された氷検出器は、航空機の実質的なデザイン変更や改良を行う必要なく、上記の1つまたは複数の利点を達成することができる。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書に記載された氷検出器は、航空機の空気力学的特性を実質的に変えることなく、航空機に取り付けることができる。いくつかのケースにおいては、本明細書に記載された氷検出器は、航空機の前部胴体セクションの外面又は外板に取り付けることができ、この位置に設けられた既存の氷検出器に代えて取り付けることもできる。従って、いくつかの実施形態において、本明細書に記載された氷検出器を用いて、商用ジェット旅客機あるいはその他の飛行機などの航空機を、費用効果的及び/又は効率のよい方法で改良することができる。
本明細書に記載された氷検出器は、いくつかの実施形態において、プローブ表面と、当該プローブ表面の少なくとも一部に設けられた焦電材料層とを備える。いくつかのケースにおいて、焦電材料層はプローブ表面に直接設けられている。他の例においては、1つまたは複数の追加の層が、プローブ表面と焦電材料層との間に設けられている。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書に記載された氷検出器は、プローブ表面と焦電材料
層との間に設けられた接着材料層をさらに備える。
本明細書に記載された氷検出器のプローブ表面は、いくつかのケースにおいて、超音波プローブ表面などの振動プローブ表面である。いくつかの実施形態において、プローブ表面は、磁歪検出器構造の一部である。他のケースにおいては、プローブ表面は、光検出器構造、圧電検出器構造、または、キャパシタンス検出器構造の一部を構成している。
本明細書に記載された氷検出器の焦電材料層は、いくつかの実施形態において、結晶層である。他の例において、焦電材料層は準アモルファス層である。また、本明細書に記載された氷検出器の焦電材料層は、実質的に連続する層またはタイル層であってよい。また、いくつかの実施形態において、本明細書に記載された氷検出器の焦電材料層は、セラミック材料などの無機材料、高分子材料などの有機材料、またはこれらの組み合わせ、によって形成してもよい。また、いくつかのケースにおいて、本明細書に記載された氷検出器の焦電材料層の表面は、同一条件下で氷検出器のプローブ表面が示す水の局所的凝固点よりも高い水の局所的凝固点を示す。また、当該水は、過冷却された液体の水であり得る。
他の側面において、航空機における氷の形成を検出する方法が説明される。当該方法は、いくつかの実施形態において、従来の方法よりも有利な点を1つまたはそれ以上有するであろう。いくつかのケースにおいて、例えば、本明細書に記載された方法を用いて、航空機の重要な飛行面に氷が形成される前に、航空機の非重要面における氷の形成を検出することができ、これによって、偽陰性判定が起こる可能性を減らすことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載された方法を用いれば、米国連邦規則集第14編25、付属書(Appendix)C(1−1−12版)で説明されている着氷エンベロープ内の状況のような、潜在的な危険をはらむ飛行条件の存在に対して、早期に警告を与えることができる。
航空機における氷の形成を検出する方法は、本明細書に記載されたいくつかの実施形態において、本明細書に記載された氷検出器を航空機の外面に設けることと、当該氷検出器の焦電材料層の表面に電荷を発生させることによって、焦電材料層の当該表面における水の局所的凝固点を変えることを含む。いくつかのケースにおいては、焦電材料層の表面にける水の局所的凝固点を、上昇させる。他の例において、焦電材料層の表面にける水の局所的凝固点を低下させることも可能である。また、当該水は、過冷却された液体の水であり得る。
また、いくつかの実施形態において、本明細書に記載された方法は、氷検出器の焦電材料層の表面における氷の形成に応じて信号を与えることを含む。また、いくつかのケースにおいて、焦電材料層の表面における水の局所的凝固点は、航空機の1つ又はそれ以上の飛行面における水の局所的凝固点より高い。例えば、いくつかの例において、焦電材料層の表面における水の局所的凝固点は、航空機の主翼前縁、尾翼前縁、またはエンジン吸気口前縁における水の局所的凝固点より高い。従って、いくつかの実施形態において、本明細書に記載された方法を用いることによって、航空機が飛行中のリアルタイムを含めて、1つ又はそれ以上の重要な飛行面で氷が形成される前に、着氷状況の存在を確認することができる。
これら及びその他の実施形態については、以下の詳細な説明においてより詳しく述べる。
本明細書に記載の実施形態による氷検出器が遭遇し得る着氷条件を示すグラフである。 本明細書に記載の実施形態による氷検出器が遭遇し得る着氷エンベロープを示すグラフである。 本明細書に記載の実施形態による氷検出器が遭遇し得る着氷条件を示すグラフである。 本明細書に記載の実施形態による氷検出器が遭遇し得る着氷条件を示すグラフである。 本明細書に記載の実施形態による氷検出器が遭遇し得る着氷エンベロープを示すグラフである。 本明細書に記載の実施形態による氷検出器が遭遇し得る着氷条件を示すグラフである。 本明細書に記載の実施形態による氷検出器が遭遇し得る着氷エンベロープを示すグラフである。 本明細書に記載の一実施形態による氷検出器の断面図である。 本明細書に記載の一実施形態による氷検出器の斜視図である。 本明細書に記載の実施形態による氷検出器の使用に適した航空機の製造及びサービス方法のフローチャートである。 本明細書に記載の実施形態による氷検出器または方法の使用に適した航空機のブロック図である。
本明細書に記載された実施形態は、以下の詳細な説明、実験例、及び図面を参照することによって、一層理解できるであろう。ただし、本明細書に記載される要素、装置、及び方法は、詳細な説明、実験例、及び図面に記載された特定の実施形態に限定されない。これらの実施形態は、単に、本開示の原理を例示したものである。多くの修正および変更は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、当業者には容易に明らかであろう。
また、本明細書に開示したすべての範囲は、当該範囲に含まれるあらゆる部分的な範囲(subranges)を包含すると理解されたい。例えば、「1.0〜10.0」と記載した範囲
は、1.0またはそれより大きい最小値で始まり10.0又はそれより小さい最大値で終わるすべての部分範囲、例えば1.0〜5.3や4.7〜10.0や3.6〜7.9を含むと考えられるべきである。
本明細書に開示したすべての範囲は、特に別段の記載が無い限り、当該範囲の端点を含むものと理解されたい。例えば、「5と10との間」という範囲は、概して、5及び10という端点を含むと考えられるべきである。
また、量に関して「〜まで」という表現を用いた場合、その量とは、少なくとも検知可能な量であると理解されたい。例えば、ある所定の量「まで」存在する材料は、検知可能な量から当該所定量まで及び当該所定量を含めて存在し得る。
一側面において、氷検出器が説明される。本明細書に記載された氷検出器は、飛行中の航空機を含めて、航空機における氷の形成の有無を検知するために用いることができる。一般的に、異なる2つの発生源からの氷が、飛行中の航空機及びその付近に存在することがあり、これは特に雲の中または雲の近くを飛行中に起こりやすい。第1のタイプの氷は、「着氷」プロセスによって形成される氷であり、これは、過冷却された液体の水が、航空機の表面で凝集又は凝縮し、次に、航空機の表面で凍結するプロセスである。過冷却された液体の水の凝集又は凝縮は、凍結の直前又は実質的に凍結と同時に起こり得る。過冷却された液体の水は、雲の中あるいは雲の近くに存在する過冷却された液体の水であり得る。飛行中の航空機または航空機の近傍に存在し得る第2のタイプの氷は、航空機の外部環境内に固体の氷として既に存在する氷である。例えば、このタイプの氷は、浮遊する氷
の粒子または氷の結晶として、雲の中や雲の近くに存在し得る。本明細書に記載の氷検出器は、特に、浮遊する氷の粒子として存在する氷ではなく、上述した着氷プロセスによって航空機の表面に蓄積した氷の有無を検出するために用いることができる。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書に記載の氷検出器は、1回又は複数回の着氷による氷の蓄積を検出するように動作可能な、いわゆる「集積」または「蓄積」型の氷検出器である。ただし、本明細書に記載の氷検出器は、集積または蓄積型氷検出器に限られない。本明細書に記載の氷検出器は、他の検出器構造を備えていてもよい。本明細書に記載の氷検出器は、以下にさらに詳しく述べるように、本開示の目的と矛盾しない限り、いかなる氷検出構造を含んでいてもよい。
着氷プロセスによる氷の蓄積は、米国連邦規則集第14編25(14 CFR 25)、付属書(Appendix)Cで説明されている条件(以下、「付属書Cの着氷条件」又は「付属書Cの着
氷エンベロープ」という)で航空機が操作されている時に、特に重要である。このような付属書Cの着氷条件または着氷エンベロープは、「連続最大着氷(continuous maximum icing)」条件、「断続最大着氷(intermittent maximum icing)」条件、「離陸最大着氷(takeoff maximum icing)」条件を含み得る。「連続最大着氷」条件は、連続する大気
着氷条件の最大の度合いを意味し、変数である雲の液相水量、雲粒の平均有効径、及び周囲温度と、図1に示したようなこれら3つの変数の相互関係とによって規定される。図1は、付属書Cに掲載された図に一致している。付属書Cで説明されているように、高度及び温度の観点からの限界着氷エンベロープ(limiting icing envelope)は、図2に示し
たとおりである。雲の液相水量と、液滴径および高度との相互関係は、図1及び図2から決まる。ある水平範囲(17.4海里以外)の連続最大着氷条件の雲の液相水量は、図1の液相水量の値に、図3に示す適切な係数を掛けた値によって決まる。図2及び図3も、付属書Cに掲載された図に一致している。
付属書Cで説明されているように、「断続最大着氷」条件は、断続する大気着氷条件の最大の度合いを意味し、変数である雲の液相水量、雲粒の平均有効径、及び周囲温度と、図4に示したようなこれら3つの変数の相互関係とによって規定される。図4は、付属書Cに掲載された図に一致している。高度及び温度の観点からの限界着氷エンベロープは、図5に示したとおりである。雲の液相水量と、液滴径および高度との相互関係は、図4及び図5から決まる。ある水平範囲(2.6海里以外)の断続最大着氷条件の雲の液相水量は、図4の雲の液相水量の値に、図6に示す適切な係数を掛けた値によって決まる。図5及び図6も、付属書Cに掲載された図に一致している。
付属書Cで説明されているように、「離陸最大着氷」条件は離陸の際の大気着氷条件の最大の度合いを意味し、0.35g/m3の雲の液相水量、20ミクロン(μm)の雲の
液滴の平均有効径、及び、地上レベルの周囲温度マイナス9度によって定義される。離陸最大着氷条件は、地上レベルから、離陸面から1500フィートの高さまでにわたっている。
本開示の1つの実施の態様は、氷検出器を提供することであり、当該氷検出器は、いくつかの実施形態において、図1〜図6に示したものを含む付属書Cの着氷条件又は付属書Cの着氷エンベロープ内で航空機が操作される時も含めて、航空機における着氷の有無をより正確に検出することができるものである。先に述べたように、以前の氷検出器の中には、付属書Cの着氷条件又は着氷エンベロープ内のいくつかの条件において、偽陰性判定を行うものがあり、これは氷検出器が航空機の前部胴体またはその近傍に設けられている時に特に起こりやすい。例えば、図7は、付属書Cの着氷エンベロープ内のある条件を示しており、この条件下では、航空機の前部胴体に設けられた従来の氷検出器に氷が形成される前に(従って、従来の氷検出器が氷を検出する前に)、航空機の主翼前縁に氷が形成され得る。図7のプロットは、従来の氷検出器がGoodrich 0781LH1氷検出器などの磁歪
集積型氷検出器であると仮定したものである。
図7に示すように、着氷エンベロープ(100)は、高度及び温度の観点から規定されている。実線(200)は、当該実線より上の条件下では、飛行中の航空機の前部胴体に設けられた従来の集積型氷検出器には氷が形成されないことになる境界を示している。実線(200)より下の条件下では、従来の光検出器に氷が形成され、且つ、従来の氷検出器が適切にこの着氷を検出し、「真陽性」の判定を行う。従って、実線(200)によって、着氷エンベロープ(100)内の真陽性検出領域(110)が規定されている。
図7の破線(300)は、当該破線より上の条件下では、航空機のミッド/インボードウィング(mid/inboard wing)の前縁といった、航空機の代表的な翼部の前縁に氷が形成されなくなる境界を示している。破線(300)より下の条件下では、翼の前縁に氷が形成される。従って、実線(200)と破線(300)とが、着氷エンベロープ(100)内の偽陰性検出領域(120)を規定しており、この領域内では、航空機の胴体前部に位置する従来の氷検出器であれば、翼前縁に着氷が無いという誤った判定を示す。このような既存の氷検出器とは異なり、本明細書に記載の氷検出器は、いくつかの実施形態において、図7の偽陰性検出領域(120)の少なくとも一部において、偽陰性判定を回避することができ、これによって、航空の安全性を改善することができる。このような性能改善は、以下に更に説明する方法及び装置によってもたらすことができる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の氷検出器は、プローブ表面と、当該プローブ表面の少なくとも一部に設けられた焦電材料層とを備える。いくつかのケースにおいて、焦電材料層は、プローブ表面に直接設けられている。他の例においては、プローブ表面と焦電材料層との間に1つ又はそれ以上の追加の層が設けられている。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書に記載の氷検出器は、プローブ表面と焦電材料層との間に設けられた接着材料層をさらに備える。
氷検出器の具体的な構成要素について説明すると、本明細書に記載の氷検出器は、プローブ表面を備える。プローブ表面は、プローブの外面であってもよく、本開示の目的に矛盾しない限り、いかなる方法で氷検出器の表面における氷の凝固又は形成を検出するように構成されていてもよい。また、当業者に周知のあらゆる方法で、プローブ表面を氷検出器内に組み込むことができる。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書に記載の氷検出器プローブ表面は、超音波プローブの表面などの振動プローブ表面である。いくつかの例において、プローブ表面は、磁歪検出器構造の一部である。当業者であれば理解できるように、磁歪検出器構造は、中空管によって形成されるプローブなどの超音波振動プローブを含むことがある。振動プローブは、磁歪材料に取り付けることができる。プローブ表面に氷が蓄積すると、蓄積された氷の質量に応じて、プローブの共振周波数が低下する。プローブ周波数が所定の閾値周波数以下に低下すると、着氷が起こったことを示す信号が出される。このような構成を例えば図8に示す。
図8に示すように、氷検出器(100)はプローブ表面(110)を備える。プローブ表面(110)は、磁歪氷検出器構造に用いられているような超音波振動プローブ表面である。プローブ表面(110)には、焦電材料層(120)が設けられている。氷検出器(100)は、コントローラ(130)をさらに備える。コントローラ(130)は、着氷に応じたデータを受信、送信、及び/又は処理するように構成された回路又はハードウェア及び/又はソフトウェアを含み得る。氷検出器(100)は、プローブ表面(110)の一部が航空機の外部環境(210)内に位置するように、航空機表面(200)に取り付けられる。外部環境(210)は、潜在的な着氷環境であると考えることができる。航空機の電源(220)によって、プローブ表面(110)及び/又はコントローラ(130)に電力及び/又は電荷を供給することができる。
他のケースにおいて、本明細書に記載のプローブ表面は、キャパシタンスプローブなどのキャパシタ検出器構造の一部を構成している。当業者であれば理解できるように、キャパシタンスプローブ構造は、互いに離間した導電性電極を含み、これらが非導電性材料に封入されてプローブを形成している場合もある。この構成では、プローブ表面に蓄積した氷の量によって、プローブのキャパシタンスが変化し、これをキャパシタンス測定回路によって測定することができる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の氷検出器のプローブ表面は、光検出器構造の一部である。例えば、いくつかの例において、プローブ表面は、氷が形成され且つ蓄積することができる材料(例えば金属、半導体、ガラス、又はポリマー)によって形成されており、当該プローブ表面に向けて変調光源が設けられている。このような構造を用いて着氷を検出するには、例えば、光源によってプローブ表面に光を照射し、次にプローブ表面が光を光検出器に送る。光検出器に送られた光の量が、プローブ表面に存在する氷の量を示す。
さらに他の例において、本明細書に記載の氷検出器のプローブ表面は、温度制御された面又は加熱された面であり、当該面が、蓄積した氷の融解時間に基づく氷検出構造の一部を構成し得る。このような構造では、検出器は、プローブ表面を一定の温度に加熱することによって、定期的に動作し得る。マイクロプロセッサが、プローブ表面が2つ又はそれ以上の基準温度を通過するまでにかかった時間を比較することによって、プローブ表面の昇温速度を測定することができる。蓄積された氷の量が多いほど、昇温速度が遅いため、蓄積した氷の量は、昇温速度に基づいて判定することができる。
また、本明細書に記載の氷検出器のプローブ表面は、いくつかの実施形態において、本明細書に記載の焦電材料層の使用に適した1つ又はそれ以上の電気的特性を有していてもよい。例えば、いくつかのケースにおいて、プローブ表面は導電性及び/又は断熱性を有する。いくつかの例において、プローブ表面は、20°Cで少なくとも1メートルあたり約1.0×10-3ジーメンス(S/m)又は20°Cで少なくとも約1.5×10-3ジーメンス(S/m)の導電率を有する。また、いくつかの実施形態において、本明細書に記載の氷検出器のプローブ表面は、約10×10-3cm2/sec以下または約5×10-3
cm2/sec以下の熱拡散率を示す。
本明細書に記載の氷検出器は、本明細書に記載のプローブ表面の少なくとも一部に設けられた焦電材料層をさらに備える。焦電材料層は、本開示の目的に矛盾しないかぎり、プローブ表面のどの部分に設けてもよい。いくつかの例において、例えば、焦電材料層は、プローブ表面の表面積のすべて又は大部分を覆う。いくつかの実施形態において、焦電材料層は、航空機の外部が遭遇する大気条件などの大気条件にさらされるプローブ表面の表面積のすべて又は大部分を覆う。従って、いくつかの実施形態において、本明細書に記載の氷検出器は、上述の氷検出器構造による場合を含めて、氷検出器の焦電材料層上での氷の凝固又は形成を検出するように動作することができる。
いくつかの例において、本明細書に記載の氷検出器の焦電材料層は、プローブ表面の表面積、又は、プローブ表面の外部大気条件にさらされる部分の表面積の約99パーセントまで、約95パーセントまで、約90パーセントまで、約80パーセントまで、約70パーセントまで、約60パーセントまで、約50パーセントまで、約40パーセントまで、約30パーセントまで、約20パーセントまで、又は約10パーセントまで、に設けられる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の氷検出器の焦電材料層は、プローブ表面の表面積、又は、プローブ表面の外部大気条件にさらされる部分の表面積の約10パーセント〜約99パーセント、約20パーセント〜約90パーセント、約30パーセント
〜約80パーセント、約40パーセント〜約99パーセント、約50パーセント〜約99パーセント、約60パーセント〜約99パーセント、約70パーセント〜約99パーセント、約70パーセント〜約95パーセント、約80パーセント〜約95パーセント、約80パーセント〜約99パーセント、又は、約90パーセント〜約99パーセント、に設けられる。
また、本明細書に記載の氷検出器の焦電材料層は、本開示の目的と矛盾しない限り、いかなる構造を有していてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、焦電材料層は連続する層または実質的に連続する層である。連続する層または実質的に連続する層は、いくつかのケースにおいて、当該層の部分間またはセグメント間において、実質的な切れ目又は不連続部分を有しない。従って、連続する層または実質的に連続する層は、焦電材料の1つの連続部分によって形成された層であり得る。これに代えて、他の例においては、焦電材料層は、1つ又はそれ以上の個別の焦電材料のタイルを、層を形成するように互いに隣接して配置することによって形成したタイル層であってもよい。
また、いくつかの実施形態において、本明細書に記載の氷検出器の焦電材料層は、結晶層又は実質的な結晶層であってもよい。「結晶」層は、ここでの参考のために述べると、結晶微細構造を有する層である。結晶層または実質的な結晶層は、単結晶であっても多結晶であってもよい。また、ここでの参考のために述べると、「実質的な結晶」層は、焦電材料の全質量に対して、少なくとも約60パーセント、少なくとも約70パーセント、少なくとも約80パーセント、少なくとも約90パーセント、または少なくとも約95パーセントの結晶度を有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の氷検出器の焦電材料層は、準アモルファス層である。「準アモルファス」層は、ここでの参考のために述べると、焦電効果を示し、部分的に結晶性で部分的に非晶質の微細構造を有する層である。
本明細書に記載の氷検出器の焦電材料層は、本開示の目的に矛盾しないかぎり、いかなる焦電材料によって形成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、焦電材料層は、セラミック材料、分極セラミックス、または半導体材料などの無機材料によって形成される。いくつかのケースにおいて、焦電材料層は、窒化ガリウム、硝酸セシウム、タンタル酸リチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコン酸ストロンチウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸バリウムストロンチウム、ジルコン酸鉛、ニオブ酸ストロンチウム、ニオブ酸バリウム、ニオブ酸バリウムストロンチウム、またはこれらの組み合わせによって形成される。いくつかのケースにおいて、本明細書に記載の氷検出器の焦電材料層は、LiTaO3、SrTiO3、BaTiO3、(SrxBa1-x)TiO3、SrZrO3、BaZrO3、(SrxBa1-x)ZrO3、PbZrO3、SrNb26、BaNb26、(SrxBa1-x)Nb26、Pb(Sc0.5Ta0.5)O3、またはこれらの組み合わせによって形成され、ここで、0<x<1
である。
他の実施形態において、焦電材料層は、高分子材料などの有機材料によって形成される。いくつかの例において、焦電材料層は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)又はポリフッ化ビニリデン―トリフルオロエチレン(PVDF−TrFE)によって形成される。また、いくつかの実施形態において、本明細書に記載の氷検出器の焦電材料層は、複合材料、例えば上述の高分子材料中に上述の無機材料が分散した複合材料、によって形成される。例えば、いくつかのケースにおいて、本明細書に記載の氷検出器の焦電材料層は、PVDF又はPVDF−PrTEマトリックス中に分散したタンタル酸リチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコン酸ストロンチウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸バリウムストロンチウム、ジルコン酸鉛、ニオブ酸ストロンチウム、ニオブ酸バリウム、又は、ニオブ酸バリウムストロンチウム、を
含む複合材料によって形成される。
また、本明細書に記載の氷検出器の焦電材料層は、本開示の目的に矛盾しない限り、いかなる焦電係数を有する材料によって形成してもよい。いくつかの実施形態において、焦電材料層は、大きな焦電係数を有する材料によって形成される。例えば、いくつかの例において、焦電材料層の焦電材料は、約−20C/m2K〜約−800C/m2Kの合計焦電係数を有し、ここで、合計焦電係数(p)は、下記式(1)によって決まる。
p=ΔPS/ΔT (1)
同式において、PSは、焦電材料の自発分極であり、Tは温度である。さらに、式(1)の合計焦電係数pは、例えば、Sidney B.Langの「Pyroelectricity: From Ancient Curiosity to Modern Imaging Tool」、Physics Today、August2005に記載されているよ
うに、一定の電界及び一定の弾性応力で決定される。「一定の弾性応力」とは、ここでの参考のために述べると、焦電材料が、測定が行われる間クランプされずに、自由に熱的に膨張又は収縮可能な状態にあることを意味する。いくつかの実施形態において、焦電材料層を形成するために用いられる焦電材料は、約−20C/mK〜約−600C/mK、約−25C/mK〜約−400C/mK、約−75C/mK〜約−600C/mK、約−75C/mK〜約−300C/mK、約−100C/mK〜約−600C/mK、約−100C/mK〜約−40C/mK、又は約−100C/mK〜約−300C/mKの合計焦電係数を有する。
また、本明細書に記載の氷検出器の焦電材料層の表面は、帯電させることができる。当該電荷は、正の電荷または負の電荷であり得る。また、焦電材料層の表面は、帯電すると、焦電材料の非帯電面が示す水の局所的凝固点とは異なる水の局所的凝固点を示す。また、いくつかのケースにおいて、焦電材料層の帯電面は、焦電材料層が設けられていない状態でプローブ表面が示す水の局所的凝固点とは異なる水の局所的凝固点を示す。また、いくつかの実施形態において、焦電材料層の帯電面は、本明細書に記載の氷検出器に関連する航空機の表面が示す水の局所的凝固点とは異なる水の局所的凝固点を示す。このような航空機表面は、1つ又はそれ以上のエーロフォイル面など、本明細書に記載の1つ又はそれ以上の重要な飛行面を含み得る。いくつかの例において、本明細書に記載の氷検出器の焦電材料層の帯電面が示す水の局所的凝固点は、焦電材料層の非帯電面、プローブ表面、及び/又は航空機表面などの上述の他の面が示す水の局所的凝固点より高い。あるいは、他の例において、本明細書に記載の氷検出器の焦電材料層の帯電面が示す水の局所的凝固点は、上述の他の面が示す水の局所的凝固点より低い。水の「局所的」凝固点とは、ここでの参考のために述べると、表面における約10μm内、約5μm内、約1μm内、約0.5m内の範囲の水の凝固点を意味する。
また、いくつかのケースにおいて、本明細書に記載の焦電材料層の表面の水の局所的凝固点を上昇させるか下降させるかは、焦電材料層の帯電によって選択することができる。例えば、いくつかの実施形態において、焦電材料層の正に帯電された面は、航空機の表面など、本明細書に記載の他の面が示す水の局所的凝固点よりも高い水の局所的凝固点を示す。また、焦電材料層の表面の水の局所的凝固点と、他の面の水の局所的凝固点との差は、水が過冷却された液体の水である場合も含めて、約15℃まで、約10℃まで、約8℃まで、約5℃まで、約2℃まで、約1℃まで、又は約0.5℃までとすることができる。いくつかのケースにおいて、焦電材料層の表面における水の局所的凝固点と、本明細書に記載の他の面における水の局所的凝固点との差は、約0.1℃と約15℃との間、約0.5℃と約10℃との間、約0.5℃と約8℃との間、約0.5℃と約5℃との間、約1℃と約15℃との間、約1℃と約10℃との間、約1℃と約8℃との間、約1℃と約5℃との間、約3℃と約15℃との間、約3℃と約10℃との間、約5℃と約15℃との間、又は、約5℃と約10℃との間、とすることができる。
また、本明細書に記載の氷検出器の焦電材料層は、本開示の目的と矛盾しない限り、いかなる厚みを有していてもよい。例えば、いくつかのケースにおいて、焦電材料層は、約500μmまで、約100μmまで、約10μmまで、約1μmまで、約500nmまで、または、約100nmまでの平均厚みを有する。いくつかの実施形態において、焦電材料層は、約10nm〜約500μm、約10nm〜約500nm、約10nm〜約100nm、約50nm〜約500μm、約50nm〜約500nm、約100nm〜約100μm、約100nm〜約10μm、約100nm〜約1μm、約500nm〜約500μm、約500nm〜約100μm、約500nm〜約10μm、約500nm〜約1μm、約1μm〜約500μm、約1μm〜約100μm、又は約1μm〜約10μmの平均厚みを有する。
本明細書に記載の氷検出器は、いくつかの実施形態において、氷検出器のプローブ表面と焦電材料層との間に設けられた1つまたはそれ以上の追加の層をさらに備える。本開示の目的と矛盾しない限り、いかなる追加の層を用いてもよい。いくつかのケースにおいて、1つまたはそれ以上の追加の層は、所望の電気的及び/又は熱的特性をもたらす。例えば、いくつかのケースにおいて、1つ又はそれ以上の追加の層は、導電性及び/又は断熱性を有する。いくつかの例において、1つまたはそれ以上の追加の層は、20°Cで少なくとも約1.0×10-3S/m又は20°Cで少なくとも約1.5×10-3S/mの導電率を示す。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の追加の層は、約10×10-3cm2/sec以下または約5×10-3cm2/sec以下の熱拡散率を示す。
本明細書に記載の氷検出器のプローブ表面と焦電材料層との間に設けられた追加の層によって、プローブ表面と焦電材料層との連結又は接合を促進することもできる。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書に記載の氷検出器は、プローブ表面と焦電材料層との間に設けられた接着材料層をさらに備える。本開示の目的と矛盾しない限り、いかなる接着材料を用いてもよい。いくつかのケースにおいて、本明細書に記載の接着材料層の接着材料は、上述した導電率及び/又は熱拡散率を示す。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書に記載の接着材料層の接着材料は、20℃で少なくとも約1.0×10-3S/m又は20°Cで少なくとも約1.5×10-3S/mの導電率を示し、且つ、約10×10-3cm2/sec以下または約5×10-3cm2/sec以下の熱拡散率を示す。
また、本明細書に記載の接着材料層の接着材料は、流体材料であっても固体材料であってもよい。いくつかの実施形態において、接着材料は、コラーゲン接着剤、アルブミン接着剤、カゼイン接着剤、または肉接着剤などの動物性タンパク質系接着材料を含む。接着材料はまた、例えば、樹脂やデンプン等の植物系接着材料を含み得る。接着材料は、合成モノマー接着剤または合成ポリマー接着剤のような合成接着材料を含み得る。いくつかの実施形態において、接着剤材料は、アクリロニトリル、シアノアクリレート、アクリル接着剤またはこれらの組み合わせを含む。いくつかのケースにおいて、接着材料は、エポキシ樹脂、エポキシパテ、エチレン‐酢酸ビニル、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド、ポリエステル樹脂、ポリエチレンホットメルト接着剤、ポリプロピレン接着剤、多硫化物、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルピロリドン、ゴムのり、シリコーン、スチレンアクリレート共重合体、またはこれらの組み合わせあるいは混合物を含む。いくつかの実施形態では、接着材料はGorilla GlueまたはLoctite 3888である。
また、本明細書に記載の氷検出器の1つ又はそれ以上の追加の層は、これが設けられている場合、本開示の目的と矛盾しない限り、いかなる厚みを有していてもよい。例えば、いくつかのケースにおいて、接着材料層などの追加の層は、約1mmまで、約0.5mmまで、又は約500μmまでの平均厚みを有し得る。いくつかの実施形態において、接着材料層などの追加の層は、約500nm〜約1mm、約1μm〜約500μm、又は約1
0μm〜約500μmの平均厚みを有する。
本明細書に記載の氷検出器は、本開示の目的と矛盾しない限り、いかなる態様で作製されるまたは組み立てられてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、氷検出器は、以下に説明するように、市販の氷検出器などの既存の氷検出器を変更することによって作製することができる。いくつかのケースにおいて、既存の氷検出器は、当該既存の光検出器のプローブ表面に焦電材料層を形成することによって変更することができる。プローブ表面は、上述した方法を含めて、プローブ表面上の氷の形成または凝固を検出するように動作可能となる。本明細書に記載のいくつかの実施形態における使用に適した市販の氷検出器には、例えばGoodrich 0781LH1、Goodrich 0781ND、及び、Meggitt/Vibro-Meter EW-140といった氷検出器があるが、これらに限定されない。
焦電材料層は、本開示の目的と矛盾しない限り、既存のプローブ表面にいかなる方法で形成または配置されてもよい。いくつかのケースにおいては、例えば、プローブ表面の少なくとも一部を覆うように構成された、焦電材料を成形した「キャップ」によって、プローブ表面の少なくとも一部を覆うあるいは「キャッピング(capping)」することによっ
て、プローブ表面に焦電材料層を設けてもよい。所望の場合は、まず、プローブ表面及び/又はキャップの内部に接着剤を塗布してもよい。次に、焦電材料のキャップをプローブ表面につける。焦電材料層をプローブ表面に設けるためのこのような方法を図9に示している。当業者であればわかるように、図9に示した種々の要素は、再現的なものであり、必ずしも正確な縮尺率で描かれていない。
図9に示したように、氷検出器(100)は、プローブ表面(110)を備える。プローブ表面(110)は、上述した磁歪氷検出器構造に用いられるような超音波振動プローブ表面であってもよい。また、氷検出器(100)は、航空機の飛行中に氷検出器(100)が方向(A)に移動するように、航空機(図示せず)に取り付けることができる。ただし、他の構成も可能である。焦電材料によって形成されたキャップ(120)を、図9に矢印(B)で示すように、プローブ表面(110)に対して摺動又は嵌合させることによって、焦電材料層をプローブ表面(110)に設けることができる。キャップ(120)は、本開示の目的と矛盾しない限り、いかなる形状および寸法を有していてもよい。例えば、いくつかのケースにおいて、キャップ(120)は中空の円筒形または円錐形である。また、いくつかの実施形態において、中空のキャップ(120)は、約0.05インチ以下の壁厚を有していてもよい。
また、所望の場合は、接着材料層(図示せず)をキャップ(120)とプローブ表面(110)との間に設けることによって、キャップ(120)とプローブ表面(110)との接合をより確実なものとしたり、及び/又は、詳しく上述したような1つ又はそれ以上の電気的又は熱的特性をもたせたりすることができる。
図9に示した方法に加えて、他の方法で焦電材料層を既存のプローブ表面に設けることもできる。例えば、いくつかの実施形態において、溶融焦電高分子材料または溶融焦電セラミック材料などの溶融焦電材料に、プローブ表面を浸漬する、あるいは他の方法で接触させる。焦電材料は、真空蒸着、プラズマスパッタリング、物理蒸着などの蒸着またはプラズマ堆積技術、あるいは化学蒸着技術によって、プローブ表面上に設けることができる。
また、いくつかの実施形態においては、焦電材料層をタイル張りの手法で既存のプローブ表面に設ける。例えば、いくつかのケースにおいて、焦電材料によって形成されたタイルを、上述した接着材料を含め、接着材料を用いてプローブ表面に設ける。タイルは、本開示の目的と矛盾しない限り、いかなる寸法を有していてもよい。いくつかの実施形態に
おいて、焦電材料タイルの寸法は、プローブ表面の形状及び/又は表面積、プローブ表面の化学組成、光検出器のタイプ、及び/又は、焦電材料の化学組成または焦電特性に基づいて選択される。
一般に、本明細書に記載の焦電材料層をプローブ表面に設ける方法は、焦電材料の機械的性質(脆性または所望の形状への機械加工のしやすさなど)、焦電材料の物理的性質(融点など)、焦電材料の化学組成、プローブ表面の化学組成、プローブ表面の構造、及び/または、氷検出器のタイプに基づいて選択することができる。
また本明細書に記載するように既存の氷検出器を変更することによって、光検出器の1つまたはそれ以上の性能特性を改善することができる。例えば、いくつかのケースにおいては、光検出器の性能特性を改善することは、光検出器の偽陰性判定を減らすこと、及び/または、光検出器が適切に動作する大気条件範囲を拡大することを含む。
別の側面において、本明細書では、航空機上での氷の形成を検出する方法が説明される。いくつかの実施形態においては、航空機上での氷の形成を検出する方法は、航空機の外面上に、本明細書に記載の氷検出器を配置し、当該氷検出器の焦電材料層の表面に電荷を発生させることによって焦電材料層の表面における水の局所的凝固点を変更することを含む。いくつかのケースにおいては、焦電材料層の表面に電荷を発生させることによって、当該表面における水の局所的凝固点を上昇させる。他の例においては、焦電材料層の表面に電荷を発生させることによって、当該表面における水の局所的凝固点を低下させる。また、当該表面は、航空機の外部環境にさらされる外面を含め、焦電材料層の外面であり得る。また、いくつかの実施形態においては、電荷は、航空機の飛行中に焦電材料層の表面に形成される。
また、いくつかの実施形態において、本明細書に記載された方法は、氷検出器の焦電材料層の表面における氷の形成に応じて信号を与えることを含む。また、いくつかのケースにおいて、焦電材料層の表面における水の局所的凝固点は、航空機の1つ又はそれ以上の飛行面における水の局所的凝固点より高い。例えば、いくつかの例において、焦電材料層の表面における水の局所的凝固点は、航空機の主翼前縁、尾翼前縁、またはエンジン吸気口前縁における水の局所的凝固点より高い。従って、いくつかの実施形態において、本明細書に記載された方法を用いることによって、航空機が飛行中のリアルタイムを含めて、1つ又はそれ以上の重要な飛行面で氷が形成される前に、着氷状況の存在を検出することができる。
本明細書に記載の方法の具体的な工程について説明すると、航空機における氷の形成を検出する方法は、航空機の外面または外板に本明細書に記載の氷検出器をもうけることを含む。上述したいずれの氷検出器を用いてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、氷検出器は、プローブ表面と、当該プローブ表面の少なくとも一部に設けられた焦電材料層とを備える、集積型の氷検出器である。また、いくつかのケースにおいて、氷検出器の焦電材料層は、連続する層または実質的に連続する層である。他の例において、焦電材料層はタイル層である。また、いくつかの実施形態において、本明細書に記載の氷検出器の焦電材料層は、LiTaO3、SrTiO3、BaTiO3、(SrxBa1-x)TiO3、SrZrO3、BaZrO3、(SrxBa1-x)ZrO3、PbZrO3、SrNb26、BaNb26、(SrxBa1-x)Nb26、Pb(Sc0.5Ta0.5)O3、またはこれらの
組み合わせによって形成される。
また、本明細書に記載の氷検出器は、本開示の目的と矛盾しない限り、航空機の外面または外板のいかなる位置に、いかなる態様で設けてもよい。例えば、いくつかのケースにおいて、氷検出器は、航空機の前部胴体セクションの外面に配置される。ただし、当業者
であれば理解できるように、他の構成も可能である。
本明細書に記載の方法は、氷検出器の焦電材料層の表面に電荷を発生させることによって、焦電材料層の表面における水の局所的凝固点を変更することを含む。本開示の目的と矛盾しない限り、いかなる方法で焦電材料層の表面に電荷を発生させてもよい。いくつかのケースにおいて、焦電材料層の表面に形成される電荷は、正の電荷である。他の例において、焦電材料層の表面に形成される電荷は、負の電荷である。また、形成される電荷の符号は、いくつかの実施形態において、どちらのタイプの電荷が焦電材料層における水の局所的凝固点を上昇させるかに基づいて、使用者が所望の方を選択することができる。例えば、いくつかの実施形態において、焦電材料層の正に帯電した表面は、より高い水の局所的凝固点を示し、焦電材料層の負に帯電した表面は、より低い水の局所的凝固点を示す。従って、そのような実施形態においては、焦電材料層の表面に電荷を発生させることは、当該表面における水の局所的凝固点を上昇させるために正の電荷を発生させることを含む。
また、いくつかのケースにおいて、本明細書に記載の氷検出器の焦電材料層の表面に電荷を発生させることは、焦電材料層またはその近傍に電圧を印加することを含む。例えば、いくつかの例において、焦電材料層の表面に電荷を発生させることは、焦電材料層に接触している導体材料に電圧を印加することを含み、この導体材料は、例えば、氷検出器のプローブ表面、または、プローブ表面と焦電材料層との間に設けられた導電性接着材料層である。
他の実施形態において、焦電材料層の表面に電荷を形成することは、焦電材料層の表面を電界にさらすことを含む。本開示の目的と矛盾しない限り、いかなる強度の電界を用いてもよい。例えば、いくつかのケースにおいて、当該電界は、約1kV/cm〜約1000kV/cm、約1kV/cm〜約500kV/cm、約10kV/cm〜約1000kV/cm、約10kV/cm〜約500kV/cm、約100kV/cm〜約1000kV/cm、又は、約100kV/cm〜約500kV/cmの強度を有する。また、電界は、本開示の目的と矛盾しない限りいかなる方法で形成してもよく、上述したように電圧を印加することによって形成する場合も含む。
また、焦電材料層を加熱又は冷却することにより、焦電材料層の表面に電荷を形成することも可能である。いくつかのケースにおいては、表面上に正負の電荷のどちらを所望するかよって、焦電材料層の加熱または冷却のいずれかを行う。例えば、いくつかの実施形態においては、焦電材料層を加熱することによって当該層の表面に正の電荷が形成され、焦電材料層を冷却することによって当該層の表面に負の電荷が形成される。また、焦電材料層の加熱または冷却は、本開示の目的と矛盾しない限り、いかなる方法で行ってもよい。いくつかのケースでは、例えば、加熱は、焦電体層と熱的に接触する電気発熱体を用いて行われる。
本明細書に記載の方法は、いくつかのケースにおいて、本明細書に記載の氷検出器の焦電材料層の表面上の氷の形成に応じて信号を与えることを含む。信号は、本開示の目的と矛盾しない限り、いかなる方法で与えてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、氷検出器に所定量の着氷が起こった時に、航空機のオペレーターに信号が与えられ、この所定量とは、例えば、最大着氷量に対応する量または飛行が安全に行えると考えられる最大量よりも少ない着氷量である。他の例では、氷検出器にいかなる着氷が起こった時でも、航空機のオペレーターに信号が与えられる。また、当業者であれば理解できるように、当該信号は、点滅光又は他の表示インジケータなどの視覚信号、あるいは、ブザー音、ビープ音、チャイム音、言葉による信号など聴覚信号であってもよい。また、他の信号を使用してもよい。
再び図面を参照すると、本開示の実施形態を、図10に示すように航空機の製造及びサービス方法(100)に関連させ、図11に示すように航空機(102)に関連させて説明してもよい。生産開始前の工程として、典型的な方法(100)は、航空機(102)の仕様決定及び設計(104)と、材料調達(106)とを含む。生産中の工程としては、部品及び小組立品(subassembly)の製造(108)、及び、航空機(102)のシス
テムインテグレーション(110)が行われる。その後、航空機(102)は、例えば認証及び納品(112)の工程を経て、就航(114)に入る。顧客によるサービス中は、航空機(102)は、定例のメンテナンス及びサービス(116)(調整、変更、再磨き上げなども含む場合もある)のスケジュールに組み込まれる。
方法(100)の各工程は、システムインテグレーター、第三者、及び/又はオペレーター(例えば顧客)によって実行または実施することができる。説明のために言及すると、システムインテグレーターは、航空機メーカー及び主要システム(majority-system)
下請業者をいくつ含んでいてもよいが、これに限定されない。第三者は、売主、下請業者、供給業者をいくつ含んでいてもよいが、これに限定されない。オペレーターは、航空会社、リース会社、軍事団体(military entity)、サービス組織(service organization
)などであってもよい。
図11に示すように、典型的な方法(100)によって製造される航空機(102)は、例えば、複数のシステム(120)と内装(122)とを備えた機体(118)を含む。ハイレベルシステム(120)の例としては、1つ又はそれ以上の駆動系(124)、電気系(126)、油圧系(128)、環境系(130)が挙げられる。また、その他のシステムをいくつ含んでいてもよい。また、航空産業に用いた場合を例として説明したが、本開示の原理は、例えば自動車産業などの他の産業に適用してもよい。
本明細書に記載した装置及び方法は、製造及びサービス方法(100)における、1つ又はそれ以上のどの段階において採用してもよい。例えば、本明細書に記載した1つまたはそれ以上の氷検出器を、航空機(102)の性能を実質的に向上させるためを含めて、部品及び小組立品製造工程(108)において利用してもよい。また、本明細書に記載した1つまたはそれ以上の氷の検出器または方法を、航空機(102)の就航(114)中に利用してもよい。同様に、本明細書に記載した1つまたはそれ以上の氷検出器を、メンテナンス及びサービス(116)において用いてもよく、これは、航空機(102)を実質的に再設計または再構成する必要なく、航空機(102)の安全性を向上させるために、航空機(102)を修理する及び/又は効率的に改良するために行う場合も含む。
本明細書に記載のいくつかの実施形態を、さらに下記の実験例に示すが、当該実験例に限定されるものではない。
実験例
氷検出器
本明細書に記載の一実施態様による氷検出器は、以下のように作製される。まず、商用の磁歪氷検出器を入手する。例えば、当該氷検出器は、Goodrich 0781LH1、Goodrich 0781ND、又はMeggitt/Vibro-Meter EW-140といった氷検出であってもよい。氷検出器は、超
音波振動プローブを含む。次に、LiTaO3のブロックを、図9に示すように、中空の
実質的に円錐形または円筒形のキャップに機械加工する。このLiTaO3のキャップは
、最大壁厚が0.05インチ、高さが1.05インチ、外径が0.35インチである。
使用の前に、トルエンの超音波浴中に4分間置くことによって、LiTaO3のキャッ
プを洗浄する。トルエンで超音波処理した後、水の超音波浴中にキャップを4分間置く。次に、キャップを、プラズマアッシャー(34%Ar、66%O2、250ワット、0.
5ミリバール)で30分間処理する。最後に、キャップをデシケーター内に約4時間置く。
氷検出器を作製するには、接着剤の薄い層を、磁歪氷検出器のプローブの全表面積に塗布する。接着剤は、約5×10-3cm2/sec未満の熱拡散率および20℃で少なくと
も約1.5×10-3S/mの電気伝導率を有する。次に、ゴム手袋を着用したユーザーによって、あるいは、組立中に人の皮膚が装置に接触するのを回避する他の方法で、LiTaO3のキャップを、注意深くプローブに押し付ける。プローブが取り付けられた支柱(strut)表面または他の支持面に隙間無く嵌合するように、キャップをプローブに押し付ける。次に、キャップの開放端から押し出された余分な接着剤を、拭き取りにより除去する。
付記1 航空機における氷の形成を検出する方法であって、航空機の外面に氷検出器を設けることを含み、前記氷検出器は、プローブ表面と、前記プローブ表面の少なくとも一部に設けられた焦電材料層とを含んでおり、前記焦電材料層の表面に電荷を形成することによって、前記焦電材料層の前記表面における水の局所的凝固点を上昇させること、を更に含む、方法。
付記2 前記焦電材料層の前記表面における氷の形成に応じて信号を与えることをさらに含む、付記1に記載の方法。
付記3 前記氷検出器は、前記航空機の前部胴体セクションの外面に設けられる、付記1に記載の方法。
付記4 前記氷検出器は、集積型氷検出器である、付記1に記載の方法。
付記5 前記焦電材料層は、連続する層または実質的に連続する層である、付記1に記載の方法。
付記6 前記焦電材料層はタイル層である、付記1に記載の方法。
付記7 前記焦電材料層は、LiTaO3、SrTiO3、BaTiO3、(SrxBa1-x)TiO3、SrZrO3、BaZrO3、(SrxBa1-x)ZrO3、PbZrO3、SrNb26、BaNb26、(SrxBa1-x)Nb26、Pb(Sc0.5Ta0.5)O3、ま
たはこれらの組み合わせによって形成されている、付記1に記載の方法。
付記8 前記焦電材料層の前記表面における水の局所的凝固点は、1つまたはそれ以上の航空機飛行面における水の局所的凝固点より高い、付記1に記載の方法。
付記9 前記1つまたはそれ以上の航空機飛行面は、主翼前縁、尾翼前縁、またはエンジン吸気口前縁を含む、付記8に記載の方法。
付記10 前記焦電材料層の前記表面に形成される電荷は、正の電荷である、付記1に記載の方法。
付記11 プローブ表面と、前記プローブ表面の少なくとも一部に設けられた焦電材料層と、を備え、前記焦電材料層の表面は、帯電させると、焦電材料層が無い場合にプローブ表面が示す水の局所的凝固点より高い水の局所的凝固点を示すように構成されている、氷検出器。
付記12 前記プローブ表面と前記焦電材料層との間に設けられた接着材料層をさらに備える、付記11に記載の検出器。
付記13 前記氷検出器は集積型氷検出器である、付記11に記載の検出器。
付記14 前記プローブ表面は、磁歪検出器構造の一部である、付記11に記載の検出器。
付記15 前記焦電材料層は結晶層である、付記11に記載の検出器。
付記16 前記焦電材料層は準アモルファス層である、付記11に記載の検出器。
付記17 前記焦電材料層は、連続する層または実質的に連続する層である、付記11に記載の検出器。
付記18 前記焦電材料層はタイル層である、付記11に記載の検出器。
付記19 前記焦電材料層は、LiTaO3、SrTiO3、BaTiO3、(SrxBa1-x)TiO3、SrZrO3、BaZrO3、(SrxBa1-x)ZrO3、PbZrO3、SrNb26、BaNb26、(SrxBa1-x)Nb26、Pb(Sc0.5Ta0.5)O3
またはこれらの組み合わせによって形成されている、付記11に記載の検出器。
付記20 前記焦電材料層は、正に帯電される、付記11に記載の検出器。
本開示の様々な実施形態を、本開示のさまざまな目的を達成するように記載したが、これらの実施形態は、本開示の原理の単なる例示であることを理解されたい。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、多くの修正及び応用が可能であることは、当業者には明らかであろう。

Claims (10)

  1. 航空機の外面に設けられる氷検出器であって、プローブ表面と、前記プローブ表面の少なくとも一部に設けられた焦電材料層と、を備え、前記焦電材料層の表面は、帯電させると、当該焦電材料層の表面における水の局所的凝固点が航空機の飛行面における水の局所的凝固点よりも高くなるように構成されている、氷検出器。
  2. 前記プローブ表面と前記焦電材料層との間に設けられた接着材料層をさらに備える、請求項1に記載の検出器。
  3. 前記氷検出器は集積型氷検出器である、請求項1又は2に記載の検出器。
  4. 前記プローブ表面は、磁歪検出器構造の一部である、請求項1又は2に記載の検出器。
  5. 前記焦電材料層は結晶層である、請求項1〜4のいずれかに記載の検出器。
  6. 前記焦電材料層は準アモルファス層である、請求項1〜4のいずれかに記載の検出器。
  7. 前記焦電材料層は、連続する層または実質的に連続する層である、請求項1〜6のいずれかに記載の検出器。
  8. 前記焦電材料層はタイル層である、請求項1〜6のいずれかに記載の検出器。
  9. 前記焦電材料層は、LiTaO、SrTiO、BaTiO、(SrBa1−x)TiO、SrZrO、BaZrO、(SrBa1−x)ZrO、PbZrO、SrNb、BaNb、(SrBa1−x)Nb、Pb(Sc0.5Ta0.5)O、またはこれらの組み合わせによって形成されている、請求項1〜8のいずれかに記載の検出器。
  10. 前記焦電材料層は、正に帯電される、請求項1〜9のいずれかに記載の検出器。
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