図1及び図2は、本発明の実施形態を説明するための、レンズの一例を示す。
レンズ1は、撮像装置の撮像光学系に含まれる略円形状のレンズであり、光軸Xと交差する一方の表面に光学面2と、光学面2の外周に設けられた円環状の平坦なフランジ面3とを有し、光軸Xと交差する他方の表面に光学面4と、光学面4の外周に設けられた円環状の平坦なフランジ面5とを有し、さらに外周面6を有する。
光学面2と光学面4とは、図示の例ではいずれも凸曲面に形成されているが、平坦面であってもよいし、凹曲面であってもよい。フランジ面3とフランジ面5は、図示の例では、光軸Xに対して略垂直となっているが、光軸Xに対して傾斜していてもよい。外周面6は、図示の例では、光軸Xに対して略平行となっているが、光軸Xに対して傾斜していてもよい。
レンズ1の材料としては、特に限定されないが、例えばシクロオレフィンポリマー(Cyclo Olefin Polymer:COP)、ポリメチルメタクリレート(Polymethyl methacrylate:PMMA)、ポリカーボネート(Polycarbonate:PC)、エポキシ等の樹脂材料、又は石英ガラス等のガラス材料を用いることができる。
レンズ1の光学有効径の外側に設けられているフランジ面3と、同じく光学有効径の外側に設けられている外周面6とは、それぞれ遮光膜7によって覆われている。図示は省略するが、同じく光学有効径の外側に設けられているフランジ面5もまた、遮光膜7によって覆われている。
ここで、光学有効径とは、レンズ1の光軸X上の無限遠物点から出てレンズ1を通過する平行光線束の直径を言い、例えばJIS B 7095に規定されるピンホール法によって測定される値とすることができる。ただし、フランジ面3を覆っている遮光膜7とフランジ面5を覆っている遮光膜7との少なくとも一方の遮光膜7が上記方法によって測定される光学有効径の内側に及んでいる場合には、光学有効径は遮光膜7の内径とする。
遮光膜7は、レンズ1の表面に塗布可能な光吸収性の材料によって形成され、例えば有機又は無機の黒色粒子を含有する樹脂(以下、遮光性インクという)を用いることができる。
遮光性インクに用いられる樹脂としては、特に限定されないが、重合反応の開始をコントロールすることが可能な熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂等のエネルギー硬化性樹脂を用いることができ、なかでも光硬化性樹脂が好適である。光硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂に比べて短時間に効率よく重合反応が進行する。光硬化性樹脂としては、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。
黒色粒子は、光硬化性樹脂の硬化用の光によっても退色が生じにくいものとして、カーボン粒子、チタン化合物粒子、酸化鉄粒子、酸化銅粒子、酸化クロム粒子、及びシリコンカーバイド粒子が好適であり、これら列挙した粒子の群から選ばれる一つ以上の粒子を用いることができる。
図2に示すように、フランジ面3と外周面6との間には、フランジ面3に隣設されている第1接続面8と、外周面6に隣設されている第2接続面9とが設けられており、フランジ面3と外周面6とは、第1接続面8と第2接続面9とを介して接続されている。第1接続面8と第2接続面9とには、遮光膜7が形成されておらず、レンズ材料が露出している。
光軸Xを含む断面において、第1接続面8との境界となるフランジ面3の縁3aにおけるフランジ面3の接線と、第2接続面9との境界となる外周面6の縁6aにおける外周面6の接線とは互いに交わっており、フランジ面3の接線と外周面6の接線とによって形成される内角(以下、フランジ面3と外周面6とによって形成される内角という)をαとし、フランジ面3と第1接続面8とによって形成される内角をβとし、外周面6と第2接続面9とによって形成される内角をγとし、第1接続面8と第2接続面9とによって形成される外角をδとしたとき、0<α<180°且つ0<β≦90°且つ0<γ≦90°且つ0<δ≦90°である。
ここで、光軸Xを含む断面とは、面内の一つの直線として光軸Xを含む平面によってレンズ1を切断した場合の切断面を言うものとする。また、フランジ面3と外周面6とによって形成される「内角」とは、フランジ面3と外周面6とによって形成される角のうちレンズ1の内部に向く角を言い、フランジ面3と外周面6とによって形成される「外角」とは、フランジ面3と外周面6とによって形成される角のうちレンズ1の外部に向く角を言うものとする。フランジ面3と第1接続面8とによって形成される「内角」、外周面6と第2接続面9とによって形成される「内角」、第1接続面8と第2接続面9とによって形成される「外角」もまた、同様である。
α、β、γ、δが上記範囲にある場合に、フランジ面3の縁3aと外周面6の縁6aとを結ぶ線分LSに対し、第1接続面8と第2接続面9とはレンズ1の内部側に配置されており、フランジ面3と外周面6との間の角部は凹形状となる。
なお、本例では、フランジ面3と外周面6とが、第1接続面8と第2接続面9との二つの接続面によって接続されているが、三つ以上の接続面によって接続さていてもよく、例えば第1接続面8と第2接続面9との間に第3接続面が介在してもよい。第1接続面8と第2接続面9との間に他の接続面が介在する場合に、第1接続面8と第2接続面9とによって形成される外角δは、第1接続面8の縁における第1接続面8の接線と第2接続面9の縁における第2接続面9の接線とによって形成されるものとする。
図示は省略するが、フランジ面5と外周面6との間の角部は、フランジ面3と外周面6との間の角部と同様に構成されている。すなわち、フランジ面5と外周面6との間には、フランジ面5に隣設されている第1接続面と、外周面6に隣設されている第2接続面とが設けられており、光軸Xを含む断面において、フランジ面5と外周面6とによって形成される内角αは0<α<180°であり、フランジ面5と第1接続面とによって形成される内角βは0<β≦90°であり、外周面6と第2接続面とによって形成される内角γは0<γ≦90°であり、第1接続面と第2接続面とによって形成される外角δは0<δ≦90°である。
次に、レンズ1の角部の形状とゴーストの低減効果との関係について説明する。なお、上記のとおり、フランジ面5と外周面6との間の角部は、フランジ面3と外周面6との間の角部と同様に構成されており、以下では、フランジ面3と外周面6との間の角部を例にして説明する。
ゴーストを低減するには、レンズ1の内部で反射される光線の強度を低下させることが肝要である。フランジ面3と外周面6とで反射される光線の強度は遮光膜7によって低下され得るが、レンズ材料が露出している第1接続面8と第2接続面9とでは遮光膜7による吸収が望めず、特に第1接続面8と第2接続面9とで全反射された光線の強度は、反射の前後で維持される。そこで、第1接続面8と第2接続面9とで全反射された光線の強度を低下させることが効果的である。
まず、フランジ面3と外周面6とで反射された光線が第1接続面8と第2接続面9とに入射する場合に、光線の強度はフランジ面3を覆う遮光膜7と外周面6を覆う遮光膜7とによって予め低下されている。フランジ面3が光軸Xに対して垂直であり、外周面6が光軸Xに対して平行であるものとして、フランジ面3と外周面6とで反射されることなく第1接続面8と第2接続面9とに直接入射する光線として、光軸Xに対して0°〜90°の角度で第1接続面8と第2接続面9とに入射する光線の反射を検討する。
さらに、全反射は、第1接続面8と第2接続面9とに臨界角以上の角度で光線が入射した場合に発生する。臨界角はレンズの屈折率に関連しており、レンズの屈折率が高いほど臨界角は小さくなる。一般的なレンズの屈折率は最大で約2であり、屈折率を2とした場合のレンズと空気との界面の臨界角は30°である。そこで、光軸Xに対して0°〜90°の角度で第1接続面8と第2接続面9とに入射する光線のうち、図3においてθで示される30°以上の角度で第1接続面8と第2接続面9とに入射する光線の反射を検討する。
図4は、α=90°、β=90°、γ=90°、δ=90°である場合の、第1接続面8と第2接続面9とにおける光線の反射を示し、図5はα=90°、0<β<90°、0<γ<90°、δ=90°である場合の、第1接続面8と第2接続面9とにおける光線の反射を示す。
図4に示すように、上記θの範囲で第1接続面8に入射した光線は第1接続面8で全反射され、第1接続面8で全反射された光線はフランジ面3に入射する。フランジ面3に入射した光線の強度はフランジ面3を覆っている遮光膜7によって低下され、フランジ面3で反射されてレンズ1の中心部に戻る光線の強度が低下する。
そして、図5に示すように、0<β<90°である場合には、光軸Xに対する角度が同じ光線であっても、フランジ面3に入射する光線の入射角度φ2が、β=90°である場合の入射角度φ1より小さくなる。この結果、フランジ面3における反射率が低下し、フランジ面3で反射されてレンズ1の中心に戻る光線の強度が一層低下する。
第2接続面9における光線の反射も同様であり、上記θの範囲で第2接続面9に入射した光線は第2接続面9で全反射され、第2接続面9で全反射された光線は外周面6に入射し、外周面6に入射した光線の強度は外周面6を覆っている遮光膜7によって低下され、外周面6で反射されてレンズ1の中心部に戻る光線の強度が低下する。
参考例として、図6と図7とは、フランジ面3と外周面6との間の角部の形状が凸形状である場合(α=90°、β=180°、γ=180°、δ=270°)の、角部に形成された接続面における光線の反射を示し、図8と図9とは、フランジ面3と外周面6との間の角部の形状が面取り形状である場合(α=90°、β=135°、γ=135°、δ=180°)の、角部に形成された接続面における光線の反射を示し、図10から図13は、フランジ面3と外周面6との間の角部の形状が曲面形状である場合の、角部に形成された接続面における光線の反射を示す。
いずれの参考例においても、接続面に対する光線の入射角として、接続面で全反射された光線がフランジ面3又は外周面6に入射することなくレンズ1の中心部に戻ってしまう、すなわち強度を保ってレンズ1の中心部に戻ってしまう入射角の範囲ωが存在する。
フランジ面3と外周面6との間の角部の形状を0<α<180°且つ0<β≦90°且つ0<γ≦90°且つ0<δ≦90°とすることにより、第1接続面8と第2接続面9とで全反射された光線の強度を、フランジ面3を覆っている遮光膜7と外周面6を覆っている遮光膜7とによって低下させ、レンズ1の中心に戻る光線の強度を低下させることができる。これにより、ゴーストを低減し、画質を向上させることができる。
そして、フランジ面3を覆っている遮光膜7がフランジ面3の縁3aからはみ出し、及び/又は外周面6を覆っている遮光膜7が外周面6の縁6aからはみ出したとしても、フランジ面3と外周面6との間には第1接続面8と第2接続面9とが介在しており、フランジ面3を覆っている遮光膜7と外周面6を覆っている遮光膜7とが互いに重なり合うことが防止される。これにより、遮光膜7の厚みのムラを抑制し、撮像光学系におけるレンズ1の位置決め精度を高め、画質を向上させることができる。
なお、フランジ面3が光軸Xに対して平行であり、外周面6が光軸Xに対して垂直であるものとして説明したが、図14に示すように、フランジ面3が光軸Xに対して非垂直であり、及び/又は外周面6が光軸Xに対して非平行であっても、0<α<180°且つ0<β≦90°且つ0<γ≦90°且つ0<δ≦90°を満たす限りにおいて、第1接続面8と第2接続面9とで全反射される光線を遮光膜7によって覆われたフランジ面3と外周面6とに入射させることができ、ゴーストを低減することができる。
上述したレンズ1は、レンズ材料が樹脂材料であれば射出成形法又は圧縮成形法を用いて製造することができ、ガラス材料であれば圧縮成形法又は削り出し法を用いて製造することができる。フランジ面3と外周面6との間の角部は、射出成形法又は圧縮成形法では成形型によって上記凹形状に成形され、削り出し法では切削及び/又は研削によって上記凹形状に成形される。
フランジ面3と外周面6との間の角部が削り出し法によって上記凹形状に成形される場合に、好ましくは30°≦α≦150°である。α、β、γ、δの間には、α=β+γ−δの関係が成り立ち、β、γが小さい程にαも小さくなる。βが過度に小さいとフランジ面3と第1接続面8とによって形成される角が先鋭になり、γが過度に小さいと外周面6と第2接続面9とによって形成される角が先鋭になり、脆弱となる虞がある。レンズ1の強度を考慮すれば、β≧30°、γ≧30°であることが好ましく、β=γ=30°の場合、α、β、γ、δの関係式からα=60°−δとなる。そして、δはレンズ1を削る刃物の先端角度によって決定され、レンズ1の加工精度を考慮すれば刃物に剛性が必要となり、刃物の先端角度は30°以上が好ましい。したがって、α≧30°が好ましい。また、β=γ=90°の場合、α、β、γ、δの関係式からα=180°−δとなり、δが小さいほどαは大きくなる。δを小さくするには、レンズ1を削る刃物の先端角度を小さくする必要があるが、やはり、レンズ1の加工精度を考慮すれば刃物に剛性が必要となり、刃物の先端角度は30°以上が好ましい。したがって、α≦150°が好ましい。
フランジ面3を覆う遮光膜7と、外周面6を覆う遮光膜7とは、例えば成形されたレンズ1のフランジ面3と外周面6とに遮光性インクが塗布されることによって形成される。遮光性インクの塗布方法としては、刷毛塗、スクリーン印刷法、パッド印刷法、及びインクジェット法を例示できる。なお、レンズ1が削り出し法によって製造される場合には、フランジ面3と外周面6とに遮光膜7が形成された後に、フランジ面3と外周面6との間の角部が上記凹形状に成形されてもよい。
好ましくは、第1接続面8と第2接続面9とは、算術平均粗さRaで0.5μm以上の粗面とされる。第1接続面8と第2接続面9の算術平均粗さRaを0.5μm以上とすることにより、第1接続面8と第2接続面9の反射率を、ゴースト低減の目安となる2%以下とすることができ、ゴーストを一層低減することができる。なお、レンズ1の寸法精度を考慮すれば、第1接続面8と第2接続面9の算術平均粗さRaは5μm以下が好適である。
ここで、算術平均粗さRaは、JIS B 0601に規定される方法によって求められる。すなわち、三次元測定機によって光学面2の断面曲線が測定され、測定された断面曲線に高域フィルタ(カットオフ値λc)が適用されることにより、断面曲線から長波長成分(うねり曲線)が除かれた粗さ曲線が取得される。カットオフ値λcは、特に限定されないが、光学有効径40mmでは例えば5mmとすることができる。
第1接続面8と第2接続面9との粗面化は、レンズ1が射出成型法又は圧縮成形法によって製造される場合には、成形型の対応する面を粗面として、成形型の粗面をレンズ1に転写すればよい。レンズ1が削り出し法によって製造される場合は、例えば粒度#200〜800の範囲の砥石を用いて第1接続面8と第2接続面9とを研削すればよい。
ここまで、光学有効径の外側に設けられ、遮光膜7によって覆われる第1面がフランジ面3であるものとして説明したが、図15に示すように、第1面を光学面2の外径部とすることもできる。この場合に、光学面2の外径部と外周面6との間に第1接続面8と第2接続面9とを設け、光軸Xを含む断面において、光学面2の外径部と外周面6とによって形成される内角をαとし、光学面2の外径部と第1接続面8とによって形成される内角をβとし、外周面6と第2接続面9とによって形成される内角をγとし、第1接続面8と第2接続面9とによって形成される外角をδとして、0<α<180°且つ0<β≦90°且つ0<γ≦90°且つ0<δ≦90°とすることにより、第1接続面8と第2接続面9とで全反射される光線を遮光膜7によって覆われた光学面2の外径部と外周面6とに入射させることができ、ゴーストを低減することができる。
フランジ面3と外周面6との間の角部の上記凹形状は、形状の大きさにかかわらず、第1接続面8と第2接続面9とで全反射される光線を遮光膜7によって覆われたフランジ面3と外周面6とに入射させることができ、角部が小さくともゴーストを低減する効果が得られる。このため、レンズ1の径に対して角部の占める割合を小さくでき、例えば遮光膜7によって覆われるフランジ面3の径方向の幅W(図2参照)を1mm以下として、レンズ1の光学有効径を拡大できる。なお、レンズ材料の加工限界を考慮すれば、幅Wは0.05mm以上が好適である。
同様に、光学面2の外径部と外周面6との間の角部の上記凹形状もまた、形状の大きさにかかわらず、第1接続面8と第2接続面9とで全反射される光線を遮光膜7によって覆われた光学面2の外径部と外周面6とに入射させることができ、角部が小さくともゴーストを低減する効果が得られる。そこで、例えば遮光膜7によって覆われる光学面2の外径部の径方向の幅W(図15参照)を0.05mm以上1mm以下として、レンズ1の光学有効径を拡大できる。
光学有効径を拡大できることから、レンズ1は、例えばスマートフォンに搭載される撮像装置等の、比較的小型の撮像装置の撮像光学系に好適に用いることができる。
図16は、スマートフォン200の外観を示す。
図16に示すスマートフォン200は、平板状の筐体201を有し、筐体201の一方の面に表示部としての表示パネル202と、入力部としての操作パネル203とが一体となった表示入力部204を備えている。また、この様な筐体201は、スピーカ205と、マイクロホン206と、操作部207と、カメラ部208とを備えている。なお、筐体201の構成はこれに限定されず、例えば、表示部と入力部とが独立した構成を採用したり、折り畳み構造やスライド機構を有する構成を採用したりすることもできる。
図17は、図16に示すスマートフォン200の構成を示す。
図17に示すように、スマートフォンの主たる構成要素として、無線通信部210と、表示入力部204と、通話部211と、操作部207と、カメラ部208と、記憶部212と、外部入出力部213と、GPS(Global Positioning System)受信部214と、モーションセンサ部215と、電源部216と、主制御部220とを備える。また、スマートフォン200の主たる機能として、図示省略の基地局装置と図示省略の移動通信網とを介した移動無線通信を行う無線通信機能を備える。
無線通信部210は、主制御部220の指示にしたがって、移動通信網NWに収容された基地局装置に対し無線通信を行うものである。この無線通信を使用して、音声データ、画像データ等の各種ファイルデータ、電子メールデータなどの送受信や、Webデータやストリーミングデータなどの受信を行う。
表示入力部204は、主制御部220の制御により、画像(静止画像および動画像)や文字情報などを表示して視覚的にユーザに情報を伝達するとともに、表示した情報に対するユーザ操作を検出する、いわゆるタッチパネルであって、表示パネル202と、操作パネル203とを備える。
表示パネル202は、LCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic Electro−Luminescence Display)などを表示デバイスとして用いたものである。
操作パネル203は、表示パネル202の表示面上に表示される画像を視認可能に載置され、ユーザの指や尖筆によって操作される一又は複数の座標を検出するデバイスである。このデバイスをユーザの指や尖筆によって操作すると、操作に起因して発生する検出信号を主制御部220に出力する。次いで、主制御部220は、受信した検出信号に基づいて、表示パネル202上の操作位置(座標)を検出する。
図16に示すように、本発明の撮影装置の一実施形態として例示しているスマートフォン200の表示パネル202と操作パネル203とは一体となって表示入力部204を構成しているが、操作パネル203が表示パネル202を完全に覆うような配置となっている。
係る配置を採用した場合、操作パネル203は、表示パネル202外の領域についても、ユーザ操作を検出する機能を備えてもよい。換言すると、操作パネル203は、表示パネル202に重なる重畳部分についての検出領域(以下、表示領域と称する)と、それ以外の表示パネル202に重ならない外縁部分についての検出領域(以下、非表示領域と称する)とを備えていてもよい。
なお、表示領域の大きさと表示パネル202の大きさとを完全に一致させても良いが、両者を必ずしも一致させる必要は無い。また、操作パネル203が、外縁部分と、それ以外の内側部分の2つの感応領域を備えていてもよい。更に、外縁部分の幅は、筐体201の大きさなどに応じて適宜設計されるものである。更にまた、操作パネル203で採用される位置検出方式としては、マトリクススイッチ方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式などが挙げられ、いずれの方式を採用することもできる。
通話部211は、スピーカ205やマイクロホン206を備え、マイクロホン206を通じて入力されたユーザの音声を主制御部220にて処理可能な音声データに変換して主制御部220に出力したり、無線通信部210あるいは外部入出力部213により受信された音声データを復号してスピーカ205から出力させたりするものである。また、図16に示すように、例えば、スピーカ205を表示入力部204が設けられた面と同じ面に搭載し、マイクロホン206を筐体201の側面に搭載することができる。
操作部207は、キースイッチなどを用いたハードウェアキーであって、ユーザからの指示を受け付けるものである。例えば、図16に示すように、操作部207は、スマートフォン200の筐体201の側面に搭載され、指などで押下されるとオンとなり、指を離すとバネなどの復元力によってオフ状態となる押しボタン式のスイッチである。
記憶部212は、主制御部220の制御プログラムや制御データ、アプリケーションソフトウェア、通信相手の名称や電話番号などを対応づけたアドレスデータ、送受信した電子メールのデータ、WebブラウジングによりダウンロードしたWebデータや、ダウンロードしたコンテンツデータを記憶し、またストリーミングデータなどを一時的に記憶するものである。また、記憶部212は、スマートフォン内蔵の内部記憶部217と着脱自在な外部メモリスロットを有する外部記憶部218により構成される。なお、記憶部212を構成するそれぞれの内部記憶部217と外部記憶部218は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、MicroSD(登録商標)メモリ等)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などの格納媒体を用いて実現される。
外部入出力部213は、スマートフォン200に連結される全ての外部機器とのインターフェースの役割を果たすものであり、他の外部機器に通信等(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)、IEEE1394など)又はネットワーク(例えば、インターネット、無線LAN、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association:IrDA)(登録商標)、UWB(Ultra Wideband)(登録商標)、ジグビー(ZigBee)(登録商標)など)により直接的又は間接的に接続するためのものである。
スマートフォン200に連結される外部機器としては、例えば、有/無線ヘッドセット、有/無線外部充電器、有/無線データポート、カードソケットを介して接続されるメモリカード(Memory card)やSIM(Subscriber Identity Module Card)/UIM(User Identity Module Card)カード、オーディオ・ビデオI/O(Input/Output)端子を介して接続される外部オーディオ・ビデオ機器、無線接続される外部オーディオ・ビデオ機器、有/無線接続されるスマートフォン、有/無線接続されるパーソナルコンピュータ、有/無線接続されるPDA、有/無線接続されるパーソナルコンピュータ、イヤホンなどがある。外部入出力部213は、このような外部機器から伝送を受けたデータをスマートフォン200の内部の各構成要素に伝達することや、スマートフォン200の内部のデータが外部機器に伝送されるようにすることができる。
GPS受信部214は、主制御部220の指示にしたがって、GPS衛星ST1〜STnから送信されるGPS信号を受信し、受信した複数のGPS信号に基づく測位演算処理を実行し、スマートフォン200の緯度、経度、高度からなる位置を検出する。GPS受信部214は、無線通信部210や外部入出力部213(例えば、無線LAN)から位置情報を取得できる時には、その位置情報を用いて位置を検出することもできる。
モーションセンサ部215は、例えば、3軸の加速度センサなどを備え、主制御部220の指示にしたがって、スマートフォン200の物理的な動きを検出する。スマートフォン200の物理的な動きを検出することにより、スマートフォン200の動く方向や加速度が検出される。係る検出結果は、主制御部220に出力されるものである。
電源部216は、主制御部220の指示にしたがって、スマートフォン200の各部に、バッテリ(図示しない)に蓄えられる電力を供給するものである。
主制御部220は、マイクロプロセッサを備え、記憶部212が記憶する制御プログラムや制御データにしたがって動作し、スマートフォン200の各部を統括して制御するものである。また、主制御部220は、無線通信部210を通じて、音声通信やデータ通信を行うために、通信系の各部を制御する移動通信制御機能と、アプリケーション処理機能を備える。
アプリケーション処理機能は、記憶部212が記憶するアプリケーションソフトウェアにしたがって主制御部220が動作することにより実現するものである。アプリケーション処理機能としては、例えば、外部入出力部213を制御して対向機器とデータ通信を行う赤外線通信機能や、電子メールの送受信を行う電子メール機能、Webページを閲覧するWebブラウジング機能などがある。
また、主制御部220は、受信データやダウンロードしたストリーミングデータなどの画像データ(静止画像や動画像のデータ)に基づいて、映像を表示入力部204に表示する等の画像処理機能を備える。画像処理機能とは、主制御部220が、上記画像データを復号し、この復号結果に画像処理を施して、画像を表示入力部204に表示する機能のことをいう。
更に、主制御部220は、表示パネル202に対する表示制御と、操作部207、操作パネル203を通じたユーザ操作を検出する操作検出制御を実行する。表示制御の実行により、主制御部220は、アプリケーションソフトウェアを起動するためのアイコンや、スクロールバーなどのソフトウェアキーを表示したり、あるいは電子メールを作成したりするためのウィンドウを表示する。なお、スクロールバーとは、表示パネル202の表示領域に収まりきれない大きな画像などについて、画像の表示部分を移動する指示を受け付けるためのソフトウェアキーのことをいう。
また、操作検出制御の実行により、主制御部220は、操作部207を通じたユーザ操作を検出したり、操作パネル203を通じて、上記アイコンに対する操作や、上記ウィンドウの入力欄に対する文字列の入力を受け付けたり、あるいは、スクロールバーを通じた表示画像のスクロール要求を受け付ける。
更に、操作検出制御の実行により主制御部220は、操作パネル203に対する操作位置が、表示パネル202に重なる重畳部分(表示領域)か、それ以外の表示パネル202に重ならない外縁部分(非表示領域)かを判定し、操作パネル203の感応領域や、ソフトウェアキーの表示位置を制御するタッチパネル制御機能を備える。
また、主制御部220は、操作パネル203に対するジェスチャ操作を検出し、検出したジェスチャ操作に応じて、予め設定された機能を実行することもできる。ジェスチャ操作とは、従来の単純なタッチ操作ではなく、指などによって軌跡を描いたり、複数の位置を同時に指定したり、あるいはこれらを組み合わせて、複数の位置から少なくとも1つについて軌跡を描く操作を意味する。
カメラ部208は、レンズ1を含む撮像光学系と、撮像素子と、を備える。カメラ部208によって生成された画像データは、記憶部212に記録したり、外部入出力部213や無線通信部210を通じて出力したりすることができる。
図16に示すスマートフォン200において、カメラ部208は表示入力部204と同じ面に搭載されているが、カメラ部208の搭載位置はこれに限らず、表示入力部204の背面に搭載されてもよい。
また、カメラ部208はスマートフォン200の各種機能に利用することができる。例えば、表示パネル202にカメラ部208で取得した画像を表示することや、操作パネル203の操作入力のひとつとして、カメラ部208の画像を利用することができる。
また、GPS受信部214が位置を検出する際に、カメラ部208からの画像を参照して位置を検出することもできる。更には、カメラ部208からの画像を参照して、3軸の加速度センサを用いずに、或いは、3軸の加速度センサと併用して、スマートフォン200のカメラ部208の光軸方向を判断することや、現在の使用環境を判断することもできる。勿論、カメラ部208からの画像をアプリケーションソフトウェア内で利用することもできる。
その他、静止画又は動画の画像データにGPS受信部214により取得した位置情報、マイクロホン206により取得した音声情報(主制御部等により、音声テキスト変換を行ってテキスト情報となっていてもよい)、モーションセンサ部215により取得した姿勢情報等などを付加して記憶部212に記録したり、外部入出力部213や無線通信部210を通じて出力したりすることもできる。
なお、レンズ1は、スマートフォンに組込まれるカメラ用のレンズに限らず、他の電子機器(タブレット端末、デスクトップパーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯ゲーム機、カメラ付きインターフォン等)組込みカメラ用のレンズ、車載カメラ用のレンズ、デジタルカメラ用のレンズ、ビデオカメラ用のレンズ、内視鏡カメラ用のレンズ、監視カメラ用のレンズ、工業カメラ用のレンズとして、広く適用できる。
以上、説明したように、本明細書に開示されたレンズは、光学有効径の外側に設けられており、遮光膜によって覆われている第1面と、上記光学有効径の外側に設けられており、遮光膜によって覆われている第2面と、上記第1面に隣設されている第1接続面と、上記第2面に隣設されている第2接続面とを含み、上記第1面と上記第2面とを接続している複数の接続面と、を備え、光軸を含む断面において、上記第1面と上記第2面とによって形成される内角をαとし、上記第1面と上記第1接続面とによって形成される内角をβとし、上記第2面と上記第2接続面とによって形成される内角をγとし、上記第1接続面と上記第2接続面とによって形成される外角をδとして、0<α<180°且つ0<β≦90°且つ0<γ≦90°且つ0<δ≦90°である。
また、本明細書に開示されたレンズは、0<β<90°且つ0<γ<90°である。
また、本明細書に開示されたレンズは、光学面の外周に設けられている平坦なフランジ面を有し、上記第1面は、上記フランジ面に設けられている。
また、本明細書に開示されたレンズは、上記第1面は、光学面の外径部に設けられている。
また、本明細書に開示されたレンズは、上記第1面の径方向の幅が0.05m以上1mm以下である。
また、本明細書に開示されたレンズは、上記複数の接続面の算術平均粗さRaは、0.5μm以上5μm以下である。
また、本明細書に開示された撮像装置は、上記レンズを含む撮像光学系を備える。