以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
図1は、一実施例による入力装置1の概略を示す外観図である。図2は、図1のX1部の拡大図である。
入力装置1は、車両のステアリングホイール7に設けられる。ステアリングホイール7は、円環状のグリップ部7aを備える。運転者(以下、「ユーザ」とも称する)は、グリップ部7aを握り、ステアリングホイール7を回転させることで車両を操舵できる。
以下の説明においては、ステアリングホイール7の周方向とは、ステアリングホイールの回転軸まわりの周方向を表す。以下の説明においては、ステアリングホイール7に設けられる各部材の位置を表す際、ユーザから視たときの「左右」及び「上下」方向が用いられる。このとき、ステアリングホイール7の周方向の位置は、ステアリングホイール7の中立位置(即ち車両が直進状態のときの回転位置)を基準とする。
入力装置1は、ユーザがグリップ部7aを握りながら操作するのに好適な入力装置である。入力装置1が受け付ける操作入力に応じて実現される機能は、任意であるが、例えば、車両のオーディオ装置や空調装置の設定(操作画面の遷移等を含む)に関する。
入力装置1は、タッチセンサ10と、筒状部材30(操作部材の一例)と、土台部70(図9参照)とを含む。尚、図1に示す例では、筒状部材30は、右側に1つだけ設けられるが、左右に1つずつ設けられてもよい。この場合、左右の筒状部材30において操作入力に応じて実現される機能は、互いに異なってよい。
タッチセンサ10は、シート状の形態であり、2次元に配列される複数のセンサ電極を含む。タッチセンサ10は、グリップ部7aに対して固定される。タッチセンサ10は、グリップ部7aの全周にわたり設けられてもよいが、好ましくは、図1に概略的に示すように、グリップ部7aを握るユーザが操作しやすい領域に設けられる。図1に示す例では、タッチセンサ10は、グリップ部7aの上半分に設けられる。但し、変形例では、タッチセンサ10は、グリップ部7aの上半分のうちの、頂部を除く範囲に設けられてもよいし、後述の可動な筒状部材30と重なり得る範囲に対してのみ設けられてもよい。
タッチセンサ10は、例えば静電容量式のセンサ(静電センサ)である。尚、検出方式は任意であり、例えば自己容量方式であるか、相互容量方式であってもよい。タッチセンサ10は、設置範囲の略全体が検出領域である。タッチセンサ10は、検出領域の各座標に位置するセンサ電極における静電容量の変化量を表す信号(以下、「センサ信号」と称する)を生成し、センサ信号を後述の処理装置100に与える。
筒状部材30は、断面略C字状の筒状の形態であり、グリップ部7aに取り付けられる。筒状部材30は、タッチセンサ10の検出領域上に設けられる。即ち、筒状部材30は、タッチセンサ10を覆う態様で設けられる。筒状部材30は、ステアリングホイール7の周方向における位置は任意であるが、好ましくは、ステアリングホイール7のグリップ部7aのうちの、ステアリングホイール7を中立位置で保持する際にユーザが握る範囲内に設けられる。
筒状部材30は、グリップ部7aの所定位置に固定されてもよいが、好ましくは、グリップ部7aに対してステアリングホイール7の周方向に沿って可動な態様で取り付けられる。筒状部材30がグリップ部7aに可動な態様で取り付けられる場合は、ユーザは、自身のステアリングホイール7のグリップ部7aの握り方に応じて、ステアリングホイール7の周方向に沿って筒状部材30の取り付け位置を調整できる。筒状部材30は、後述のように、操作部42を有する。従って、筒状部材30の取り付け位置が調整可能となることで、操作部42での操作性が向上する。本実施例では、一例として、グリップ部7aに対する筒状部材30の取り付け位置が可変であるものとする。グリップ部7aに対する筒状部材30の取り付け位置の可変機構の例は、土台部70と共に後述する。
図3は、筒状部材30の説明図であり、筒状部材30を単品状態で概略的に示す平面図である。図4は、図3のラインA−Aに沿った断面図である。また、図3及び図4は、説明用の概略図であり、筒状部材30は、実際には、平面視で、ステアリングホイール7の周方向に沿って僅かに湾曲した形状を有する。尚、図3において、方向R1は、ステアリングホイール7の周方向に対応する。
筒状部材30は、本体部40と、金属部50(導電性部の一例)とを含む。
本体部40は、樹脂材料により形成され、導電性を有しない。本体部40は、ステアリングホイール7の周方向に視てC字状の断面を有し(図4等参照)、ステアリングホイール7のグリップ部7aに嵌合される。具体的には、本体部40は、グリップ部7aの外径に略対応する内径を有し、スナップフィットの形態でグリップ部7aに嵌合される。C字状の断面を有することで、スナップフィットの形態でグリップ部7aに嵌合でき、筒状部材30の組み付け性及び位置調整が容易となる。
本体部40は、操作部42(非導電性部の一例)を一部に有する。操作部42は、ユーザにより操作される部位である。具体的には、タッチセンサ10の検出領域のうち、操作部42により覆われる領域(第2領域の一例)は、操作入力が受け付けられる領域、即ち"操作領域"として機能する。尚、本実施例では、上述のように、筒状部材30が可動であるので、操作領域もタッチセンサ10の検出領域内で可動である。
操作部42でのタッチ操作により実現可能な機能は、任意であるが、本実施例では、一例として、オーディオ装置の音量(ボリューム)の設定に関する。
操作部42は、本体部40における任意の部位であってよいが、本実施例では、一例として、操作部42は、本体部40の中央部により形成される。
本体部40の操作部42の表面は、ユーザに操作時の触感を与えるための凹凸を有する。凹凸は、突起又は溝若しくはこれらの組み合わせにより形成されてもよい。本実施例では、一例として、操作部42の表面には、複数の突条420が形成される。凹凸の他の態様は、図15以降を参照して後述する。突条420は、ユーザに操作時の触感を与えることができる高さ及び間隔(突条420間のピッチ)で形成される。各突条420は、ステアリングホイール7の周方向(図3のR1方向)に沿って直線状に延在し、ステアリングホイール7の回転軸を中心とした径方向(図3のR2方向)に沿って互いに離間して並ぶ。
突条420は、好ましくは、ユーザに触感で操作方向を伝達できる態様で形成される。図3に示す例では、突条420の形成範囲(突条420が設けられる範囲)は、該形成範囲の中心(本例では、本体部40の操作部42の中心であり、操作部42を平面状に展開したときの外形の図心)まわりで非対称な外形である。具体的には、突条420は、ステアリングホイール7の周方向(図3のR1方向)の幅Dが、ステアリングホイール7の回転軸を中心とした径方向(図3のR2方向)で外側に行くほど大きくなる態様で、形成される。これにより、例えば、ユーザは、操作部42に触れた指をR2方向でスライドさせた際、R22に向かう方向では幅Dが広がり、R21に向かう方向では幅Dが狭まることを、触覚を介して認識できる。本実施例では、一例として、R22に向かう方向のなぞる形態の操作入力に応じて、オーディオ装置の音量が増加され、R21に向かう方向のなぞる形態の操作入力に応じて、オーディオ装置の音量が減少される。これにより、幅Dの増減と音量の増減が相関するので、ユーザにとって直感的に理解し易い操作性を実現できる。
金属部50は、本体部40に設けられる。従って、金属部50は、本体部40を介してタッチセンサ10の検出領域の一部(第1領域の一例)を覆う。金属部50は、操作部42に対して所定の位置関係で設けられる。所定の位置関係は、操作部42でのタッチ操作の際のユーザの手が金属部50にも触れるような関係であることが望ましい。即ち、金属部50及び操作部42は、操作部42でのタッチ操作が金属部50への手の接触を伴うように、互いに対して配置される。これは、後述のように、操作部42でのタッチ操作が金属部50への手の接触を伴う場合、操作部42での操作状態(操作の有無やタッチ位置)を精度良く検出できるためである。例えば、所定の位置関係は、ステアリングホイール7の周方向で隣り合う関係である。このとき、金属部50は、好ましくは、操作部42に対して周方向における下側から隣接する。この場合、操作部42でのタッチ操作が金属部50への手の接触を伴う可能性が高くなるためである。
本実施例では、一例として、金属部50は、操作部42を囲繞する態様で設けられる。具体的には、金属部50は、図3に示すように、中央部に開口52を有する矩形状であり、開口52を介して本体部40の操作部42(第1部位の一例)の表面を露出させつつ操作部42の周辺部(第2部位の一例)の表面を覆う。金属部50は、図4に示すように、シート状であり、例えば、金属シートや金属箔、導電性ゴム等により形成されてよい。尚、金属部50は、接着等により本体部40に固定される。
図5は、センサ信号における金属部50を表す情報の説明図である。図5には、筒状部材30が設けられる検出領域の部分に係るセンサ信号が概略的に示される。図5には、金属部50にユーザの手が触れた状態で得られるセンサ信号が示される。図5において、縦軸は、容量を表し、x軸及びy軸は、それぞれ方向R1及びR2に対応し、各位置での静電容量の各値(センサ信号)が波形で示される。
センサ信号は、タッチセンサ10の検出領域にわたり、2次元の座標情報(位置情報)と静電容量の情報とを含む。図5において、xy平面は、平面状に展開したタッチセンサ10の検出領域に対応し、以下では、センサ信号における"領域"とも称する。以下の説明において、センサ信号における"波形"とは、図5に示すように、センサ信号における領域にわたる静電容量の各値を結ぶ線分の集合により形成される起伏の形状を指す。
金属部50は、導電性を有するので、ユーザの手が触れた際に、タッチセンサ10の検出領域における金属部50に対応する領域において、静電容量の変化を起こす。従って、金属部50にユーザの手が触れると、センサ信号には、金属部50の位置を特定できる情報が含まれることになる。具体的には、金属部50にユーザの手が触れると、センサ信号には、金属部50に対応する領域に、金属部50の形状に応じた静電容量の波形特徴が生じる。金属部50の形状は、上述のように、中央部に開口52を有する矩形であるので、中央領域942だけが低くなり周囲領域950が高くなる特徴的な静電容量の波形を生む。以下、このような特徴的な静電容量の波形を「金属部50に対応する波形特徴」と称する。尚、金属部50に対応する波形特徴における中央領域942は、開口52に対応し、従って、操作部42に覆われる検出領域(操作領域)に対応する。
このように、金属部50にユーザの手が触れた状態では、センサ信号に、金属部50に対応する波形特徴が含まれるので、かかる波形特徴に基づいて、金属部50にユーザの手が触れた状態を精度良く検出できるとともに、金属部50の位置(可動な筒状部材30の位置)を精度良く検出できる。金属部50は、操作部42に対して所定の位置関係で設けられるので、金属部50の位置を精度良く検出できることは、操作部42の位置を精度良く検出できることを意味する。即ち、金属部50は、センサ信号に表れる自身の位置情報に基づいて、操作部42での操作状態(操作の有無やタッチ位置)を精度良く検出できるようにする機能を有する。
金属部50は、好ましくは、自身に対応する波形特徴の識別性を高めるために、比較的広範囲わたり延在する。これにより、センサ信号において、金属部50に対応する波形特徴が認識し易くなる。例えば、金属部50は、操作部42の面積よりも広い面積を有する。また、金属部50は、好ましくは、自身に対応する波形特徴の識別性を高めるために、ユーザがタッチセンサ10に直接触れたときに表れる静電容量の波形に対して有意に異なる波形特徴を生むように形成される。これにより、センサ信号において、金属部50に対応する波形特徴が認識し易くなる。例えば、金属部50は、上述のような開口52や他の形状的な特徴を有してもよい。
図6は、操作部42でのタッチ操作があるときのセンサ信号の説明図である。図6には、図5と同様、筒状部材30が設けられる検出領域の部分に係るセンサ信号が概略的に示される。図6には、操作部42にユーザの手(指)が触れた状態で得られるセンサ信号が示される。
操作部42は、導電性を有さないので、金属部50にユーザの手が触れただけでは、タッチセンサ10の検出領域における操作部42に対応する領域において、静電容量の有意な変化は起きない。即ち、金属部50にユーザの手が触れた状態であって、操作部42に手が触れていない状態では、図5に示すセンサ信号の波形が実現される。
他方、操作部42にユーザの手が触れると、タッチセンサ10の検出領域における操作部42に対応する領域内のタッチ位置において、静電容量の変化を起こす。従って、ユーザが金属部50に手を触れた状態で操作部42においてタッチ操作を行うと、センサ信号には、金属部50に対応する波形特徴における中央領域942において、タッチ位置に係る情報が含まれることになる。具体的には、操作部42にユーザの手が触れると、センサ信号には、金属部50に対応する波形特徴における中央領域942において、タッチ位置に対応する位置で静電容量のピーク値(図6の領域960参照)が生じる。
ここで、中央領域942は、上述のように開口52に対応し、従って、操作部42に対応する。従って、タッチ位置が操作部42内で変化すると、静電容量のピーク値の位置も中央領域942内において変化することになる。これにより、操作部42内でのタッチ位置(指の座標)を検出できる。
本実施例では、ステアリングホイール7のグリップ部7aに設けられるタッチセンサ10を用いてユーザのタッチ操作を検出できるので、ユーザは、ステアリングホイール7を握りながらの操作が可能である。即ち、ユーザは、ステアリングホイール7をしっかりと握りながら操作部42でのタッチ操作を行うことができ、操作性が良好である。特に、本実施例では、筒状部材30は、ステアリングホイール7の周方向に沿って取付位置が可変であるので、ユーザは、自身の握り方に応じた所望の位置に筒状部材30を取り付けることで、操作部42での操作性を高めることができる。
ところで、グリップ部7aに比較的広範な検出領域を有するタッチセンサ10を設ける場合、多様なユーザの握り方に対応できる反面、ユーザの意図しないタッチ入力に基づき操作入力が受け付けられやすくなる(誤検出が生じやすくなる)。これは、ステアリングホイール7は運転中に握られるので、ユーザは、操舵時(ステアリングホイール7を握る手の状態を変化させる際等)、意図せずにタッチセンサ10の検出領域内で手の接触位置を変化させる場合などがあるためである。
かかる誤検出を低減する方法として、タッチセンサ10の検出領域のうちの、ユーザのグリップ領域を検出し、その近傍を操作領域として機能させる方法(以下、「比較例」と称する)が有り得る。しかしながら、比較例では、ユーザの意図する操作領域と、装置側で認識する操作領域との間にずれが生じやすく、誤検出を十分に低減できない。これは、ユーザによるステアリングホイール7の握り方は多様であり、ユーザの手の大きさなども多様であり、ステアリングホイール7に対するユーザの手の握りの有無や、ユーザのグリップ領域を、精度良く検出することは難しいためである。また、比較例では、かかるずれに起因して、誤検出のみならず、ユーザの意図したタッチ入力に基づき操作入力が受け付けられない不動作も生じる虞がある。
これに対して、本実施例によれば、タッチセンサ10を覆う筒状部材30を設けることで、タッチセンサ10の検出領域において、金属部50で覆われる領域と、該領域に対して所定の位置関係に、操作部42で覆われる領域(操作領域)とを設定できる。金属部50は、ユーザに手とは異なり、多様性がなく、ユーザの手が触れられると金属部50全体で静電容量が変化するため、金属部50をタッチセンサ10に基づき精度良く検出できる。この点を利用して、本実施例によれば、タッチセンサ10の検出領域のうちの、金属部50に対して所定の位置関係の操作部42に覆われる領域を、操作領域として機能させることで、操作領域以外での誤検出や、操作領域内での不動作を低減できる。
より具体的には、本実施例によれば、タッチセンサ10を覆う筒状部材30が設けられ、筒状部材30が操作部42及び金属部50を有する。金属部50は、操作部42でのタッチ操作の際にユーザの手が触れ易い位置に設けられるので、操作部42でのタッチ操作が金属部50への手の接触を伴う可能性が高い。例えば、ユーザは、グリップ部7a上の筒状部材30を握りかつ金属部50に手が接触した状態で、指を伸ばして(あるいは手を僅かに動かして)操作部42でのタッチ操作を行うことになる。従って、本実施例によれば、センサ信号における金属部50に対応する波形特徴の有無に基づいて、ユーザの操作部42での操作意図を精度良く検出できる。即ち、センサ信号における金属部50に対応する波形特徴が発生していない状態では、ユーザの操作意図がない可能性が高く、かかる状態において、ユーザの意図しないタッチ入力に基づき操作入力が受け付けられることを防止できる(即ち誤検出を防止できる)。
また、本実施例によれば、金属部50は、一定の形状であるが故に、ユーザごとに形状やサイズ等が異なる手と異なり、多様性がない。従って、本実施例によれば、センサ信号において、金属部50に対応する波形特徴を精度良く検出できる。この結果、上述のように筒状部材30が可動である場合でも、センサ信号における金属部50に対応する波形特徴の発生位置に基づいて、金属部50の位置や操作領域の位置を精度良く検出できる。また、操作部42は金属部50に対して所定の位置関係にあるので、上述のように筒状部材30が可動である場合でも、金属部50に対応する波形特徴の発生位置に基づいて、操作領域の位置を精度良く検出できる。この結果、上述のように筒状部材30が可動である場合でも、誤検出や不動作を低減できる。
また、本実施例によれば、金属部50にユーザの手が触れている状態では、その手の触れ方に関係なく、センサ信号において、金属部50に対応する略一定の波形特徴が生じる。即ち、金属部50にユーザの手が触れている状態では、センサ信号における金属部50に対応する波形特徴は、ステアリングホイール7の握り方が変化しても実質的に変化しない。従って、本実施例によれば、ユーザのステアリングホイール7の握り方に影響を受けることなく、誤検出や不動作を低減できる。
また、本実施例によれば、操作部42に突条420が設けられるので、ユーザは、タッチ操作に対する触覚的なフィードバックを得ることができる。これにより、ユーザは、操作できたことの別の確認が不要となり、操作性が向上する。
次に、図7及び図8を参照して、入力装置1の制御系について説明する。
入力装置1は、タッチセンサ10からのセンサ信号を処理する処理装置100を備える。
処理装置100は、コンピュータにより形成される。例えば、処理装置100は、ECU(Electronic Control Unit)として形成される。図7は、処理装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。図7には、処理装置100のハードウェア構成に関連付けて、タッチセンサ10及びオーディオ装置80が模式的に図示されている。
処理装置100は、ステアリングホイール7に内蔵されてもよいし、ステアリングホイール7の外部に設けられてもよい。処理装置100がステアリングホイール7に内蔵される場合、入力装置1は、ステアリングホイール7において実現できる。
処理装置100は、バス19で接続されたCPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、ROM(Read Only Memory)13、補助記憶装置14、及び通信インターフェース17、並びに、通信インターフェース17に接続された有線送受信部25を含む。
有線送受信部25は、CAN(controller area network)やLIN(Local Interconnect Network)などの車両ネットワークを利用して通信可能な送受信部を含んでもよい。尚、処理装置100は、有線送受信部25に加えて、通信インターフェース17に接続される無線送受信部(図示せず)を備えてもよい。この場合、無線送受信部は、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)部、ブルーツース(Bluetooth、登録商標)通信部、Wi−Fi(Wireless-Fidelity)送受信部、赤外線送受信部などを含んでもよい。
処理装置100には、タッチセンサ10からセンサ信号が入力される。処理装置100は、センサ信号における金属部50に対応する波形特徴に基づいて、センサ信号に基づく操作入力を受け付ける。具体的には、処理装置100は、センサ信号において金属部50に対応する波形特徴が存在する場合に、タッチセンサ10の検出領域のうちの、操作部42に対応する領域(操作領域)における操作入力を受け付ける。この際、処理装置100は、センサ信号における金属部50に対応する波形特徴に基づいて、波形特徴の中央領域942に、操作部42に対応する領域(操作領域)を認識(設定)する。処理装置100は、操作入力を受け付けると、操作入力に応じた信号(音量設定信号)をオーディオ装置80に送信する。
図8は、処理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す処理は、例えばイグニッションスイッチがオン状態である間、所定周期毎に繰り返し実行される。
ステップS800では、処理装置100は、タッチセンサ10からセンサ信号を取得する。
ステップS802では、処理装置100は、ステップS800で得たタッチセンサ10からのセンサ信号に基づいて、ステアリングホイール7のグリップ部7aがユーザにより握られているか否かを判定する。ステアリングホイール7のグリップ部7aがユーザにより握られている状態は、タッチセンサ10からのセンサ信号の波形に基づいて検出できる。処理装置100は、所定時間以上、ステアリングホイール7のグリップ部7aへのユーザの接触状態を検出した場合に、ステアリングホイール7のグリップ部7aがユーザにより握られていると判定する。この際、処理装置100は、グリップ部7aがユーザにより両手で握られているか否かを判定してもよい。判定結果が"YES"の場合は、ステップS804に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理は終了する。
ステップS804では、処理装置100は、ステップS800で得たタッチセンサ10からのセンサ信号に基づいて、センサ信号において金属部50に対応する波形特徴を検出したかを判定する。金属部50に対応する波形特徴は、上述のとおりである(図5及び図6参照)。上述のように、金属部50へのユーザの手の接触がある状態では、センサ信号が金属部50に対応する波形特徴を有する。判定結果が"YES"の場合は、ステップS806に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理は終了する。
ステップS806では、処理装置100は、ステップS800で得たタッチセンサ10からのセンサ信号に基づいて、タッチセンサ10の検出領域のうちの、操作部42に対応する領域(操作領域)におけるタッチ入力を検出したか否かを判定する。操作領域におけるタッチ入力の有無は、上述のように、金属部50に対応する波形特徴の中央領域942における静電容量のピーク値(図6の領域960参照)の有無に基づいて判定できる。判定結果が"YES"の場合は、ステップS808に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理は終了する。
ステップS808では、処理装置100は、静電容量のピーク値が生じる座標値(以下、「指座標」と称する)を算出する。そして、処理装置100は、算出した指座標(x1(k)、y1(k))を所定の記憶装置(例えばRAM12)に記憶する。尚、x1等の後に付される括弧内の"k"は、k番目の処理周期であることを表す。
ステップS810では、処理装置100は、今回周期の指座標のy成分(y1(k))から前回周期の指座標のy成分(y1(k−1))を引いた差分Δy(k)(=y1(k)−y1(k−1))を算出する。
ステップS812では、処理装置100は、ステップS810で算出した差分Δy(k)が所定閾値Th以上であるか否かを判定する。所定閾値Thは、例えば、操作部42の表面上の複数の突条420における一ピッチ分に相当する距離である。判定結果が"YES"の場合は、ステップS814に進み、それ以外の場合は、ステップS816に進む。
ステップS814では、処理装置100は、オーディオ装置の音量Voを所定量ΔVoだけ増加させる。所定量ΔVoは、オーディオ装置の音量Voの調整幅の最小単位であってよい。
ステップS816では、処理装置100は、ステップS810で算出した差分Δy(k)が、負であり、且つ、その絶対値が所定閾値Th以上であるか否かを判定する。即ち、処理装置100は、Δy≦−Thであるか否かを判定する。判定結果が"YES"の場合は、ステップS818に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理は終了する。
ステップS818では、処理装置100は、オーディオ装置の音量Voを所定量ΔVoだけ減少させる。
図8に示す処理によれば、処理装置100は、センサ信号における金属部50に対応する波形特徴に基づいて、ユーザの意図しないタッチ入力に基づき操作入力が受け付けられる可能性を、低減できる。具体的には、図8に示す処理によれば、ステップS804での判定結果が"YES"とならない限り、操作部42でのタッチ入力に基づき操作入力が受け付けられることがないので、ユーザの意図しないタッチ入力に基づき操作入力が受け付けられる可能性を、低減できる。また、処理装置100は、センサ信号における金属部50に対応する波形特徴に基づいて、波形特徴の中央領域942に操作領域を認識するので(ステップS806)、認識した操作領域(中央領域942)が、ユーザの意図する操作領域と一致する可能性が高くなる。このようにして、図8に示す処理によれば、センサ信号における金属部50に対応する波形特徴に基づいて、ユーザの操作部42での操作意図を精度良く検出でき、上述のように筒状部材30が可動である場合でも、誤検出や不動作を低減できる。
尚、図8に示す処理では、ステップS802でユーザによるステアリングホイール7の握り状態の有無が判定されるが、これに限られない。例えば、ステップS802が無くされてもよい。
また、図8に示す処理では、差分Δy(k)の絶対値が所定閾値Th以上である場合に、オーディオ装置の音量Voが所定量ΔVoだけ増減されるが、これに限られない。例えば、差分Δy(k)の絶対値が所定閾値Th以上である場合に、差分Δy(k)の大きさに応じた量だけオーディオ装置の音量Voが増減されてもよい。
また、図8に示す処理では、差分Δy(k)は、今回周期の指座標のy成分(y1(k))から前回周期の指座標のy成分(y1(k−1))に基づいて処理周期毎に更新されるが、これに限られない。例えば、k番目の処理周期での差分Δy(k)の絶対値が所定閾値Th以下である場合、次の処理周期(k+1)では、前回周期の指座標のy成分に代えて、前回周期よりも前の指座標のy成分(例えばy1(k−1))が用いられてもよい。即ち、差分Δy(k)は、例えば、以下のように算出されてもよい。
Δy(k)=y1(k)−y1(m)
この場合、y1(m)は、差分Δy(k)の絶対値が所定閾値Th以上である場合に、y1(m)=y1(k)として更新される。
次に、図9乃至図14を参照して、グリップ部7aに対する筒状部材30の取り付け位置の可変機構の例について説明する。
図9は、筒状部材30が取り外された状態の入力装置1の概略を示す外観図である。図10は、図9のX2部の拡大図である。図11は、筒状部材30及び土台部70が取り外された状態の入力装置1の概略を示す外観図である。図12は、土台部70の裏面を視る斜視図である。図13は、筒状部材30の斜視図である。図14は、筒状部材30及び土台部70の嵌合状態を示す斜視図である。
土台部70は、例えば樹脂材料により形成され、グリップ部7aに固定される。土台部70は、接着剤又は両面テープによりグリップ部7aに固定されてよい。土台部70は、例えば図9及び図10に示すように、グリップ部7aの部位であって、ステアリングホイール7の回転軸を中心とした径方向の内側の部位に固定される。この場合、図10に示すように、筒状部材30が土台部70に嵌合されると、操作部42は、ステアリングホイール7の回転軸を中心とした径方向の外側に向くため、ステアリングホイール7を握りながら行う操作部42でのタッチ操作の操作性が良好となる。
土台部70は、図12に示すように、ステアリングホイール7の周方向に沿って複数の凹部72(第1凹部の一例)を備える。これに対応して、筒状部材30の本体部40は、図13に示すように、内周面に、凹部72に嵌る凸部34(第2凸部の一例)を有する。ステアリングホイール7の周方向に沿った複数の凹部72のうちの、凸部34を嵌合させる凹部72を選択することで、土台部70に対する筒状部材30の位置(ステアリングホイール7の周方向に沿った位置)を変化させることができる。
図9乃至図14に示す可変機構によれば、ユーザは、スナップフィット式で筒状部材30を最適な位置に組み付けることができ、ステアリングホイール7の周方向に沿った筒状部材30の位置調整が容易となる。また、凸部34と凹部72との嵌合により土台部70に対する筒状部材30が拘束されるので、筒状部材30に対してステアリングホイール7の周方向に沿った外力(せん断方向の力)が作用しても、筒状部材30が土台部70からずれ難い。これにより、グリップ部7aに対して筒状部材30を比較的強固に保持できる。
尚、図9乃至図14に示す可変機構では、筒状部材30の本体部40が凸部34を有し、土台部70が凹部72を有しているが、逆であってもよい。即ち、筒状部材30の本体部40が、周方向に沿って複数の凹部(第2凹部の一例)を有し、土台部70が凸部(第1凸部の一例)を有してもよい。
また、図9乃至図14に示す可変機構では、筒状部材30の本体部40は、ステアリングホイール7の周方向に沿って1つだけ凸部34を有しているが、ステアリングホイール7の周方向に沿って複数の凸部34を有してもよい。この場合、凸部34と凹部72との嵌合箇所が増加するので、グリップ部7aに対して筒状部材30を更に強固に保持できる。
また、図9乃至図14に示す可変機構では、土台部70は、グリップ部7aとは別体で設けられるが、土台部70は、グリップ部7aに一体的に設けられてもよい。即ち,グリップ部7aに、土台部70の凹部72に対応する凹部が形成されてもよい。
次に、図15乃至図17を参照して、本体部40の操作部42の表面に形成できる凹凸の他の態様について説明する。
図15は、筒状部材30(図3参照)に対する代替例に係る筒状部材30Aの説明図であり、筒状部材30Aを単品状態で概略的に示す平面図である。
図15に示す筒状部材30Aは、操作部42Aに、方向R1に沿って直線状に延在する複数の突条420Aをそれぞれ含む2組の突条群421A,422Aと、方向R2に沿って直線状に延在する複数の突条420Aをそれぞれ含む2組の突条群423A,424Aとが設けられる。各突条群421A,422A,423A,424Aは、突条420Aの形成範囲の中心C(本例では、本体部40の操作部42の中心)に関して対称に配置される。各突条群421A,422A,423A,424Aにおいて、各突条420Aは、同一の長さを有するが、例えば外側に向かうにつれて長くなる態様であってもよい。各突条群421A,422A,423A,424Aには、4方向に対応する異なる機能が割り当てられてもよい。例えば突条群421A,422A,423A,424Aには、オーディオ装置80で再生するディスク選択用のスクロール機能とディスク内の楽曲選択用のスクロール機能が割り当てられてもよい。この場合、処理装置100は、例えば、突条群421Aに対する中心Cから外側へのなぞる形態の操作入力に応じて、ディスク選択用のスクロール機能を実現する。或いは、突条群421A,422A,423A,424Aの一部には、オーディオ装置80以外の装置(例えば空調装置やナビゲーション装置)に係る操作機能が割り当てられてもよい。
図16は、筒状部材30(図3参照)に対する他の代替例に係る筒状部材30Bの説明図であり、筒状部材30Bを単品状態で概略的に示す平面図である。
図16に示す筒状部材30Bは、操作部42Bに、円柱状に突出する突条420Bが複数個設けられる。各突条420Bは、それぞれボタンとして機能してもよい。即ち、各突条420Bには、それぞれ異なる機能が割り当てられてもよい。この場合、処理装置100は、例えば、所定の一の突条420Bをタッチする形態の操作入力に応じて、オーディオ装置80のオン/オフを実現する。尚、突条420Bは、円柱状の形態に代えて、円筒状(内部が中空であり、端部で開口する形態)であってもよい。
図17は、筒状部材30(図3参照)に対する他の代替例に係る筒状部材30Cの説明図であり、筒状部材30Cを単品状態で概略的に示す平面図である。
図17に示す筒状部材30Cは、操作部42Cに、円柱状に突出する突条420C−1と、方向R1に沿って直線状に延在する複数の突条420C−2をそれぞれ含む2組の突条群421C,422Cと、方向R2に沿って直線状に延在する複数の突条420C−2をそれぞれ含む2組の突条群423C,424Cとが設けられる。尚、突条420C−1は、円柱状の形態に代えて、円筒状であってもよい。
突条420C−1は、図16に示した突条420Bと同様、ボタンとして機能してもよい。突条群421C,422C,423C,424Cは、図15に示した突条群421A,422A,423A,424Aと同様、それぞれ異なる機能が割り当てられてもよい。
このように、本体部40の操作部42の表面には多様な態様で凹凸を形成することができる。また、各凹凸に割り当てる機能についても多様な態様で設定できる。
次に、図18以降を参照して、変形例について説明する。以下の変形例の説明において、上述した実施例と同一であってよい構成要素については同一の参照符号を付して説明を省略する場合がある。
[変形例1]
図18は、変形例1による筒状部材30Dの説明図であり、筒状部材30Dを単品状態で概略的に示す平面図である。
変形例1による筒状部材30Dは、上述した実施例による筒状部材30に対して、金属部50Dは、開口52に代えて、切欠き52Dを有する点が異なる。具体的には、金属部50Dは、方向R1の端部(上側端部)に切欠き52Dを有する矩形状であり、切欠き52Dを介して本体部40の操作部42D(第1部位の一例)の表面を露出させつつ操作部42Dの3辺側の周辺部(第2部位の一例)の表面を覆う。従って、筒状部材30Dは、金属部50Dの切欠き52Dに対応した領域に操作部42Dを有する。
かかる変形例1によっても、上述した実施例による筒状部材30を用いる場合と同様の効果が得られる。即ち、変形例1によれば、金属部50Dにユーザの手が触れると、センサ信号には、金属部50Dに対応する領域に、金属部50Dの形状(切欠き52Dを有する矩形形状)に対応する波形特徴が生じるので、該波形特徴を利用して、操作領域以外での誤検出や、操作領域内での不動作を低減できる。
尚、変形例1において、操作部42Dにおける突条420は、上述した実施例による筒状部材30の操作部42と同様であるが、操作部42Dにおける凹凸の形態は、図15乃至図17を参照して上述したような多様な態様で実現可能である。
[変形例2]
図19は、変形例2による筒状部材30Eの説明図であり、筒状部材30Eを単品状態で概略的に示す平面図である。
変形例2による筒状部材30Eは、上述した実施例による筒状部材30に対して、本体部40が本体部40Eで置換され、金属部50Eは、開口52を備えない点が異なる。具体的には、本体部40Eは、方向R1の端部(上側端部)に上側に延出する部位を有し、該部位が操作部42Eとなる。金属部50Eは、開口や切欠きのない矩形状であり、隣接する操作部42E(第1部位の一例)の表面を露出させつつ操作部42Eに隣接する部位(第2部位の一例)の表面を覆う。
かかる変形例2によっても、上述した実施例による筒状部材30を用いる場合と同様の効果が得られる。即ち、変形例2によれば、金属部50Eにユーザの手が触れると、センサ信号には、金属部50Eに対応する領域に、金属部50Eの矩形形状に対応する波形特徴が生じるので、該波形特徴を利用して、操作領域以外での誤検出や、操作領域内での不動作を低減できる。
尚、変形例2において、操作部42Eにおける突条420は、上述した実施例による筒状部材30の操作部42と同様であるが、操作部42Eにおける凹凸の形態は、図15乃至図17を参照して上述したような多様な態様で実現可能である。
[変形例3]
図20は、変形例3による筒状部材30Fの説明図であり、筒状部材30Fを単品状態で概略的に示す平面図である。図20には、タッチセンサ10の検出領域の一部である領域42Fが併せて示される。
変形例3による筒状部材30Fは、上述した実施例による筒状部材30に対して、金属部50Fは、開口52を備えない点が異なる。具体的には、金属部50Fは、開口や切欠きのない矩形状であり、筒状部材30Fの本体部40全体を覆う。
変形例3による筒状部材30Fは、更に、上述した実施例による筒状部材30に対して、操作部42が設けられない点が異なる。操作部42に代えて、タッチセンサ10には、操作領域として機能する領域42F(第2領域の一例)が設定される。具体的には、処理装置100は、タッチセンサ10の検出領域のうちの、金属部50Fで覆われる領域に隣接する領域42Fにおける操作入力を受け付ける。
かかる変形例3によっても、上述した実施例による筒状部材30を用いる場合と同様の効果が得られる。即ち、変形例3によれば、金属部50Fにユーザの手が触れると、センサ信号には、金属部50Fに対応する領域に、金属部50Fの形状に対応する波形特徴が生じるので、該波形特徴を利用して、領域42F以外での誤検出や、領域42F内での不動作を低減できる。
図21は、領域42Fでのタッチ操作があるときのセンサ信号の説明図である。図21には、筒状部材30Fが設けられる検出領域の部分及び領域42Fに係るセンサ信号が概略的に示される。図21には、操作部42にユーザの手(指)が触れた状態で得られるセンサ信号が示される。
領域42Fにユーザの手が触れると、タッチセンサ10の検出領域における領域42Fに対応する領域内のタッチ位置において、静電容量の変化を起こす。従って、ユーザが金属部50Fに手を触れた状態で操作部42Fにおいてタッチ操作を行うと、センサ信号には、金属部50Fに対応する波形特徴に隣接する領域968(領域42Fに対応する領域)において、タッチ位置に係る情報が含まれることになる。具体的には、領域42Fにユーザの手が触れると、センサ信号には、金属部50Fに対応する波形特徴に隣接する領域968において、タッチ位置に対応する位置で静電容量のピーク値(図21の領域970参照)が生じる。従って、操作部42が存在しない場合でも、金属部50Fに対応する波形特徴を利用して、領域42F以外での誤検出や、領域42F内での不動作を低減できる。
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
例えば、上述した実施例では、操作部42の表面に凹凸が設けられるが、かかる凹凸は省略されてもよい。この場合、ユーザは、操作部42におけるタッチ操作に対する触覚的なフィードバックを得ることができなくなるが、依然として操作部42における高い操作性の利点を得ることができる。
また、上述した実施例では、操作部42の表面に凹凸が設けられるが、これに限られない。この場合、ユーザは、操作部42におけるタッチ操作に対する触覚的なフィードバックを得ることができなくなるが、例えば、操作部42の表面と、金属部50の表面との間のテクスチャを有意に異ならせることで、操作部42の位置を手触りで認識し易くすることも可能である。
また、上述した実施例では、グリップ部7aに対する筒状部材30の取り付け位置の可変機構が設けられるが、これに限られない。筒状部材30は、グリップ部7aに直接固定されてもよい。この場合、ユーザは、自身のステアリングホイール7の握り方に応じた最適な位置に筒状部材30を調整できなくなるものの、依然として操作部42における高い操作性の利点を得ることができる。
また、上述した実施例では、金属部50は、本体部40に設けられることで、本体部40を介してタッチセンサ10の検出領域の一部を覆うが、これに限られない。例えば、金属部50は、タッチセンサ10を直接覆う態様で設けられてもよい。この場合、金属部50は、開口52や切欠き52Dを有し、開口52や切欠き52Dに対応する領域に、操作部42(本体部40の一部)が設けられてよい。この場合、金属部50や操作部42はグリップ部7aに対して可動に設けることができないものの、依然として操作部42における高い操作性の利点を得ることができる。
また、上述した実施例では、断面略C字状の筒状部材30が用いられるが、筒状部材30は、閉断面形状であってもよい。また、筒状部材30の表面は、必ずしも曲面状である必要はなく、平面部を有してもよい。例えば、操作部42や金属部50は、平面状に形成されてもよい。
また、上述した実施例では、ステアリングホイール7が操舵部材の一例であるが、操舵部材は、他の形態であってもよい。例えば、操舵部材は、U字状や、W字状等の形態であってもよい。
また、上述した実施例では、車両用の入力装置1が例示されているが、本発明は、車両用以外の入力装置にも適用可能である。例えば、本発明は、航空機や船舶等における入力装置にも適用可能である。