JP6757190B2 - 危機回避能力低下抑制剤 - Google Patents

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本発明は危機回避能力低下抑制剤に関し、さらに詳細には、転倒などの危機を回避する能力の低下を有効に防止することが可能な危機回避能力低下抑制剤に関する。
近年、高齢化の進展に伴って、高齢者の転倒事故が増加し社会問題となっている。高齢者が転倒すると骨折などの重傷に至るだけでなく、転倒がきっかけとなって恐怖心が生まれ、日常生活における不安感の増大や活動制限などを招来し、さらに身体機能低下や体力低下が進行するなど悪循環に陥るおそれもある。このような転倒など加齢に伴う危機は様々な要因によって増大する。
転倒は、姿勢を変化させた時や外乱刺激を加えた時など、重心が大きく変化する状況で起こりやすい。立位姿勢は多くの運動系と知覚系からなるシステムの多様な働きにより維持されているが、加齢に伴って体のバランスを保持する能力が低下すると、立位時の重心の動揺が大きくなり、バランスを崩しやすくなる。体のバランスを保つには、多くの筋の協調した活動が必要であるが、加齢に伴って拮抗関係にある筋の活動のタイミングにずれが生じる。また外乱刺激に対して瞬間的に何かを把持するなどの応答が遅延する。そのため、姿勢を変化させた時や外乱刺激を加えた時などに、バランスを崩して転倒しやすくなると考えられる。
さらに、加齢に伴い、意思・欲動が減弱するなど精神機能にも変化が生じ、新たな環境における能動性及び探索行動が低下する。新たな環境の下では従来の行動様式では対処困難な未知の危機が生じうるが、このような環境の変動に伴う危機を回避するためには、まず能動的に活動して積極的に情報収集を行い、起こり得る危機を予見、察知することが必要になる。しかし加齢に伴って、新しい環境における能動性及び探索行動が減退するため、自らの周囲の環境を把握することができず、危機への対応が困難となる。
転倒などの加齢に伴う危機を未然に防止するために、適度な運動習慣を身に付けることなどが推奨されているが、高齢者にとっては負担が大きく、継続して実践することは難しいのが実情である。
本発明は、加齢に伴う転倒などの危機を回避する能力の低下を有効に抑制できる危機回避能力低下抑制剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、乳酸菌を摂取することにより、バランス保持能力の低下を抑制するとともに、新しい環境下で能動的に運動する反応性の減退も有効に防止し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、乳酸菌を有効成分として含有する危機回避能力低下抑制剤である。
また本発明は、乳酸菌を有効成分として含有する危機回避能力低下抑制用飲食品である。
本発明の危機回避能力低下抑制剤及び危機回避能力低下抑制用飲食品は、摂取することによって、加齢に伴う体のバランス保持機能の低下を抑制し、かつ、新しい環境下における能動的な運動を促進する効果を有する。そのため、転倒などの加齢に伴う危機を未然に回避することが可能である。
本発明の危機回避能力低下抑制剤は、乳酸菌を有効成分とするものである。乳酸菌としては、特に限定されず、例えば、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・クレモリス(Lactobacillus cremoris)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・ユーグルティ(Lactobacillus yoghurti)、ラクトバチルス・デルブルッキィー サブスピーシーズ.ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)、ラクトバチルス・デルブルッキィー サブスピーシーズ.デルブルッキィー(Lactobacillus delbrueckii subsp. delbrueckii)、ラクトバチルス・ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・マリ(Lactobacillus mali)等のラクトバチルス属細菌、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)等のストレプトコッカス属細菌、ラクトコッカス・ラクチス サブスピーシーズ.ラクチス(Lactococcus lactis subsp. lactis)、ラクトコッカス・ラクチス サブスピーシーズ.クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)、ラクトコッカス・プランタラム(Lactococcus plantarum)、ラクトコッカス・ラフィノラクチス(Lactococcus raffinolactis)等のラクトコッカス属細菌、エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)等のエンテロコッカス属細菌を挙げることができ、これらの乳酸菌を1種または2種以上用いることができる。このうち、ラクトバチルス・カゼイが好ましく、ラクトバチルス・カゼイの中でもラクトバチルス・カゼイ YIT9029株(FERM BP−1366)がさらに好ましい。ラクトバチルス・カゼイYIT9029は、本出願人が既に1987年5月18日付で通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所(微生物工業技術研究所は、現在では独立行政法人製品評価技術基盤機構特許生物寄託センターとなり、新住所〒292−0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2丁目5番地8 120号室に移転している。)にFERM BP−1366として寄託している。
乳酸菌の形態は特に限定されず、生菌体であっても死菌体であってもよく、また湿潤菌体でも乾燥菌体でもよい。また培養物やその濃縮物、乾燥物等として用いてもよく、菌体の破砕物や抽出物等の菌体処理物であってもよい。危機回避能力低下抑制効果の観点からは、生菌体が好適に用いられる。
本発明の危機回避能力低下抑制剤は、上記乳酸菌に、必要に応じ、薬学的に許容される担体と組み合わせて製剤化できる。
薬学的に許容される担体としては、例えば、グルコース、乳糖、ショ糖、澱粉、マンニトール、デキストリン、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルデンプン、エチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アミノ酸、ゼラチン、アルブミン、水、生理食塩水等が挙げられる。さらに必要に応じて、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、結合剤、等張化剤、賦形剤等の慣用の添加剤を適宜添加することもできる。
本発明の危機回避能力低下抑制剤の剤型は特に限定されないが、例えば、液剤、粉剤、顆粒剤、カプセル剤、錠剤、坐剤、外用剤等が挙げられ、常法に従って調製することができる。
本発明の危機回避能力低下抑制剤における乳酸菌の含有量は特に限定されるものではないが、乾燥菌体重量として、例えば0.0001〜50質量%(以下、単に「%」で示す)である。また危機回避能力低下抑制効果がより有効に発揮されることから、危機回避能力低下抑制剤に含まれる生菌数は10cfu/g以上であることが好ましく、特に10cfu/g〜1010cfu/gであることが好ましい。投与方法は経口投与及び非経口投与のいずれでもよいが、投与が容易であり、長期の投与に適しているため経口投与が好ましい。また、その投与量も特に限定されるものではないが、乳酸菌の生菌数として、好ましくは1日当たり10cfu以上、より好ましくは1010cfu以上であり、さらに好ましくは1011cfu以上であり、特に好ましくは1011〜1012cfuである。
本発明の危機回避能力低下抑制用飲食品(以下、単に「飲食品」ということがある)は、上記乳酸菌に、公知の食品添加物及び/又は食品素材を配合し、常法に従って調製することができる。その形態は特に限定されず、例えば、液状、錠剤、カプセル、ペースト、顆粒等とすることができる。飲食品としては、発酵乳飲食品、発酵豆乳、発酵果汁、発酵野菜汁等の発酵飲食品、パン、ビスケット、ホットケーキ、麺、錠菓等のデンプンを主体とする食品、ガム、キャンディー、和菓子等の菓子類、ハム、ソーセージ等の畜肉食品、ちくわ、かまぼこ等の魚肉食品、魚介類食品、ドレッシング、醤油、ジャム、ふりかけ等の調味料、茶、ジュース、清涼飲料、酒類等の飲料等が挙げられる。これらの中でもラクトバチルス・カゼイを生菌の状態で含有する発酵飲食品が好ましく、発酵乳飲食品がより好ましい。
本発明の発酵乳飲食品は常法に従って製造することができる。例えば、牛乳、山羊乳などの生乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、生クリーム等の乳製品からなる獣乳培地に、ラクトバチルス・カゼイと必要に応じ他の微生物を接種して培養し、これを均質化処理して発酵乳ベースを得て、この発酵乳ベースにシロップ溶液を添加・混合し、更にフレーバーや食品素材を添加して最終製品とすることができる。
本発明の発酵乳飲食品は、乳等省令により定められている発酵乳には限定されず、乳製品乳酸菌飲料、乳酸菌飲料、ケフィア、ヨーグルト等が含まれる。またその形態としては、プレーンタイプ、フレーバードタイプ、フルーツタイプ、甘味タイプ、ソフトタイプ、ドリンクタイプ、ハードタイプ、フローズンタイプ等が例示される。
これらの発酵乳飲食品には、必要に応じて、各種食品素材、例えば、各種糖質、増粘剤、乳化剤、各種ビタミン剤等の任意成分を配合することができる。これらの食品素材として具体的なものは、ショ糖、グルコース、フルクトース、パラチノース、トレハロース、ラクトース、キシロース、麦芽糖等の糖質、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、パラチニット、還元水飴、還元麦芽糖水飴等の糖アルコール、アスパルテーム、ソーマチン、スクラロース、アセスルファムK、ステビア等の高甘味度甘味料、寒天、ゼラチン、カラギーナン、グァーガム、キサンタンガム、ペクチン、ローカストビーンガム、ジェランガム、カルボキシメチルセルロース、大豆多糖類、アルギン酸プロピレングリコール等の各種増粘(安定)剤、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン等の乳化剤、クリーム、バター、サワークリームなどの乳脂肪、クエン酸、乳酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸等の酸味料、ビタミンA、ビタミンB類、ビタミンC、ビタミンE類等の各種ビタミン類、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、マンガン等のミネラル分、ヨーグルト系、ベリー系、オレンジ系、花梨系、シソ系、シトラス系、アップル系、ミント系、グレープ系、アプリコット系、ペア、カスタードクリーム、ピーチ、メロン、バナナ、トロピカル系、ハーブ系、紅茶、コーヒー系等のフレーバー類を挙げることができる。
本発明の飲食品における乳酸菌の含有量は特に限定されるものではないが、乾燥菌体重量として、例えば0.0001〜50%である。また危機回避能力低下抑制効果がより有効に発揮されることから本発明の飲食品に含まれる生菌数は10cfu/g以上であることが好ましく、特に10cfu/g〜1010cfu/gであることが好ましい。その摂取量は特に限定されないが、乳酸菌の生菌数として、好ましくは1日当たり10cfu以上、より好ましくは1010cfu以上であり、さらに好ましくは1011cfu以上であり、特に好ましくは1011〜1012cfuである。
本発明の危機回避能力低下抑制剤及び危機回避能力低下抑制用飲食品は、拮抗関係にある筋の協調した活動を保持し、また刺激に対して瞬間的に把持するなど外部刺激に対する応答性の遅延を抑制することによって、バランス保持機能の低下を防止し得る。また新しい環境下で能動的に運動する反応性の低下を抑制し、起こり得る危機を予見、認識する能力を保持できる。そのため、危機を察知、認識して、これを回避する行動をとることができ、転倒などの危機を未然に回避することが可能となる。本発明において、危機回避能力とは、バランス保持機能及び/又は反応性を意味する。バランス保持機能とは、体のバランスを維持する能力であり、上記のように運動協調機能や瞬発力の低下を抑制することにより保持される。また、握力を増強することにより瞬発力を必要とするバランス感覚が改善することが知られていることから(参考文献1:第50 回日本理学療法学術大会 O-0686「高齢者の足指握力増強が身体機能に与える影響」)、握力はバランス保持機能の低下抑制の1つの指標となると考えられる。反応性とは、新しい環境において能動的に運動する能力であり、住み慣れた環境下での運動能力とは区別される。
以下、本発明を実施例等を挙げて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例等に何ら限定されるものではない。
実 施 例 1
4週齢の雄の通常の老化過程を示す(SAMR1/Ta Slc(SAMR1)マウス)13個体、4週齢の雄の老化促進マウス(SAMP8/Ta Slc(SAMP8)マウス)34個体(以上、日本エスエルシー(株))を個別飼いにて、実験期間を通じて恒温(23±1℃)、恒湿(60±5%)、明暗周期12時間で飼育した。馴化飼育2〜3週目に、体重、自発運動量、握力等を測定し、馴化終了後、SAMP8マウスを各指標が均等になるように2群に分け、下記に示す方法によって調製したラクトバチルス・カゼイYIT9029(以下、「LcS」と略記することがある)生菌混合飼料(SAMP8 LcS群)またはCE-2飼料((日本クレア(株))、対照飼料;SAMP8群)を10か月間(44週間)給餌した。SAMR1マウスにはCE-2飼料を給餌した(SAMR1群)。飼料の交換頻度は週に2回とした。飼育期間中に反応性、自発運動量及び握力を下記方法により経時的に測定した。反応性の測定結果を表1、自発運動量の測定結果を表2、握力の測定結果を表3に示す。
(LcS生菌混餌飼料)
CE-2飼料にLcS生菌を約1×108cfu/g含む飼料を使用した。また、対照飼料はCE-2飼料を使用した。なお、SAMP8 LcS群の飼育期間における平均摂餌量は約4g/日であり、平均体重は約30gであった。
(反応性の評価)
反応性は、ケージからマウスを取り出し、測定用のケージに移した後、興奮状態が治まったところで動きの状態を目視により観察し、以下の基準により評価し、スコアが高いほど反応性が低いと判定した。評価は投与開始後4、6、8および10か月目に行った。
[反応性]
0.若齢時(16〜24週まで)に見られる状態
(ケージに移された後、探索行動(歩き回る、立ち上がる等)を盛んに行う)
1.爪先立ち歩き(チョコチョコ歩き)または興奮状態
2.ゆっくりのそのそ動く
3.動かない、おしりを押すと動きだす
4.全く動かない
(自発運動量の測定)
放出赤外線検出型自発運動センサー(NS-AS01)10台およびデータ収録ソフト(DAS system;以上、ニューロサイエンス(株))を用いて自発運動量を24時間測定した。自発運動量は住み慣れた環境下での運動能力を測定できる。測定は、投与開始前ならびに投与開始後1、4、8および10か月目に行った。
(握力の測定)
マウスの4肢の握力を、室町機械(株)製の齋藤式マウス用握力測定器を用いて引張力(ニュートン,N)として測定した。機械に連結した格子状の金属棒をマウスが握れるようにして、マウスの尾をゆっくり引っ張り、マウスが耐えられずに金属棒を離すまでの最大の力を握力として記録した。各動物につき、試験あたり3回測定し、平均値を握力とした。測定は投与開始前ならびに投与開始後7.5、9および10か月目に行った。
(統計処理)
SAMR1群とSAMP8群およびSAMP8群とSAMP8 LcS群における群間の検定を行った。経時的に測定した項目は、各時点の生存個体を解析対象とした。反応性のスコアは、Wilcoxonの順位和検定で検定した。その他のデータは、分散に有意差がなかった場合にはStudent's t-test、有意差があった場合にはAspin-Welch's t-testで解析した。いずれも危険率5%未満の場合に有意差ありと判断した。データは平均値±標準偏差で示した。
Figure 0006757190
Figure 0006757190
SAMP8群の反応性に関するスコアはSAMR1群と比較して投与6、8および10か月目に有意に高値であり、老化傾向が確認された。また、SAMP8 LcS群の反応性は、SAMP8群と比較して投与6および10か月目に有意に低値を示し、投与8か月目で低値傾向を示した。一方、自発運動量は、全期間を通じてSAMR1群、SAMP8群とSAMP8 LcS群の間に有意差は認められなかった。この結果から、ラクトバチルス・カゼイの摂取は、住み慣れた環境下での運動能力には影響がないのに対し、新しい環境において能動的に運動する反応性については、その低下を抑制することが示された。
Figure 0006757190
SAMP8 LcS群の握力は、SAMP8群と比較して投与7.5か月目に有意に高値を示し、投与9および10か月目で高値傾向を示した。このことから、LcSの摂取により、SAMP8マウスの握力の低下を抑制することが示された。よって、ラクトバチルス・カゼイの摂取により握力の低下が抑制されることが確認された。握力を発揮するためには、筋力のみならず、刺激に応答して筋の活動を協調させて把持することが必要である。また、上述のとおり、握力はバランス保持機能の1つの指標となることから、ラクトバチルス・カゼイの摂取により、バランス保持機能の低下が抑制されたことが示唆された。なお、SAMP8 LcS群のマウスは1日あたりおおよそLcSを4×108cfu摂取しており、体重から60kgのヒトの摂取量に換算すると1日あたり約8×1011cfuとなる。
実 施 例 2
ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)YIT9029株を接種し、37℃で発酵させた脱脂粉乳溶液にシロップを混合し、香料を添加した後、均質化して容器に充填して発酵飲料を得た。この発酵乳製品100mL中のラクトバチルス・カゼイの生菌数は1×1011cfuであった。
以 上

Claims (6)

  1. ラクトバチルス・カゼイYIT9029株を有効成分として含有する危機回避能力低下抑制剤。
  2. 危機回避能力がバランス保持機能および/または反応性である請求項1記載の危機回避能力低下抑制剤。
  3. ラクトバチルス・カゼイYIT9029株が生菌であることを特徴とする請求項1または2記載の危機回避能力低下抑制剤。
  4. ラクトバチルス・カゼイYIT9029株の生菌を10cfu/g以上含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかの項記載の危機回避能力低下抑制剤。
  5. ラクトバチルス・カゼイYIT9029株を有効成分として含有する危機回避能力低下抑制用飲食品。
  6. 飲食品が発酵飲食品である請求項記載の危機回避能力低下抑制用飲食品。
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