JP6755173B2 - 消磁コイル配置導出装置、消磁コイル配置導出方法、船舶の製造方法およびプログラム - Google Patents
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Description
例えば特許文献1に記載の、船体の消磁コイル組み合わせ導出方法では、船体の数値計算モデルと、船体内に設ける候補となるn本の消磁コイル(以下、消磁コイルの候補と称する)の数値計算モデルとを作成する。そしてこの方法では、n本の消磁コイルの中からm本を選択し、選択したm本の消磁コイル通電時の船体外部磁場が最小となる消磁電流値を特定する。この方法では、m本の消磁コイルの組合せを変更して、消磁コイル通電時の船体外部磁場が最小となる消磁電流値の特定を複数回実行し、船体外部磁場が最も小さくなるm本の消磁コイルの組合せを導出する。
図1は、本発明の実施形態に係る消磁コイル配置導出装置の機能構成を示す概略ブロック図である。図1に示すように、消磁コイル配置導出装置100は、データ取得部110と、出力部120と、記憶部180と、制御部190とを備える。制御部190は、モデル生成部191と、最適化処理部192と、通電量決定部193とを備える。
消磁コイル配置導出装置100は、例えばパソコン(Personal Computer;PC)など汎用コンピュータを用いて構成される。あるいは、消磁コイル配置導出装置100が専用のハードウェアを用いて構成されていてもよい。
制御部190は、消磁コイル配置導出装置100の各部を制御して各種処理を実行する。制御部190は、例えば消磁コイル配置導出装置100が備えるCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が、記憶部180からプログラムを読み出して実行することで構成される。
消磁対象の船舶の磁場を算出するための数値シミュレーションとして、例えば有限要素法又は積分方程式法など既知のシミュレーション方法を用いることができる。
具体的には、最適化処理部192は、船体モデルにおける消磁コイルを設置可能な領域が分割された消磁コイル設置領域を取得する。消磁コイルを設置可能な領域の消磁コイル設置領域への分割が、ユーザ操作によって行われてもよい。あるいは、データ取得部110が、消磁コイル設置領域を示す情報を含む船体の情報を取得するようにしてもよい。あるいは、データ取得部110が、船内の凹凸の位置情報など船内の構造情報を含む船体の情報を取得し、最適化処理部192が、船体モデルにおける消磁コイルを設置可能な領域を船体の構造に基づいて分割するようにしてもよい。
例えば、消磁コイル設置領域毎に1つずつ消磁コイルを設置することが予め定められており、最適化処理部192は、消磁コイル設置領域毎に消磁コイルの配置の初期値、及び、消磁コイルへの通電量の初期値を決定する。消磁コイルの配置は、例えば消磁コイルの中心の位置座標で示されていてもよい。
最適化処理部192が用いる最適化計算方法は、特定の方法に限定されない。最適化処理部192が勾配法など既存の最適化計算方法を用いるようにしてもよい。
評価対象位置が複数の点、線または面で設定されている場合、最適化処理部192は、評価対象位置における磁場の大きさの最大値を最小化する。評価対象位置に含まれる任意の位置で磁場の大きさを許容上限値以下にするためである。
例えば、出力部120が表示装置を備えて図5のグラフを表示する。そして、データ取得部110が、入力デバイスを備えて線L11上の点を指定するユーザ操作をうける。このユーザ操作によって消磁コイルの総重量が指定され、最適化処理部192は、消磁コイルの総重量に基づいて各消磁コイルへの通電量を決定する。
これにより、最適化処理部192は、評価対象位置における磁気の大きさの許容上限値、及び、消磁コイルの総重量の許容上限値を満たし、かつ、ユーザの意図を反映させて消磁コイルの配置及び消磁コイルへの通電量を決定することができる。
図6は、消磁コイル配置導出装置100が消磁コイルの配置及び消磁コイルへの通電量を算出する処理手順の例を示すフローチャートである。
図6の処理でモデル生成部191は、データ取得部110が取得した船体のデータに基づいて船体モデルを生成する(ステップS101)。
さらに、最適化処理部192は、ステップS105で得られた配置を用いる場合の消磁コイルへの通電量と磁気シグネチャーとの関係を算出する(ステップS106)。
ステップS107の後、図6の処理を終了する。
最適化処理部192が最適化計算により各消磁コイルの配置を算出するので、ユーザは、個々の消磁コイルの配置の候補を決定する必要がない。この点で、消磁コイル配置導出装置100によれば、消磁コイルの位置に関する設定を行う作業者の負担を低減させることができる。
図7は、船体における鋼材の分布に基づいて設定された消磁コイル設置領域の例を示す図である。
図7の例では、船首に近い部分に鋼材が多く、比較的磁場が強い。そこで、最適化処理部192は、船首側の領域A123及びA124を、船尾側の領域A121よりも小さめにとる。これにより、鋼材が多いところに比較的多数の消磁コイルが配置されるようになり、より確実に消磁を行うことができる。
式(1)基づいて算出した磁化Mから鋼材の各部の磁化量を推定することができる。例えば、船体各部の磁化量を表すパラメータとして、磁化Mと鋼材厚さとの積m_sを設定する。m_sは式(2)のように表される。
以上のように、消磁コイル設置領域が、消磁コイルを設置可能な領域が船体における鋼材の分布に基づいて分割された領域であってもよい。例えば、鋼材の量が多く磁場が大きいところは消磁コイル設置領域を小さめにとって消磁コイルを多数配置し、より確実に消磁することができる。
図8は、磁界の強さが要求を満たしていない例を示す図である。図8の例では、消磁コイル設置領域A111の付近で、磁気の強さが許容上限値を上回っており、要求を満たしていない。
そこで、最適化処理部192は、消磁コイル設置領域A111をさらに分割して最適化計算をし直す。
図9の例では、図8の消磁コイル設置領域A111が、消磁コイルA131及びA132と、2つの領域に分割されている。そして、分割後の消磁コイル設置領域A321、A322にも、他の消磁コイル設置領域と同様、1つずつ消磁コイルが配置される。これにより、分割前に磁場が大きかった箇所に対応して消磁コイルの数を増やし、より確実に消磁を行うことができる。
これに対し、最適化処理部192が消磁コイル設置領域を再分割して消磁コイルの数を増やすことで、磁場の偏りを比較的小さくすることができる。
図10のステップS201〜S206は、図6のステップS101〜S106と同様である。ステップS206の後、最適化処理部192は、要求を満たす通電量の有無を判定する(ステップS207)。要求を満たす通電量有りと判定した場合(ステップS207:YES)、ステップS221へ遷移する。ステップS221は、図6のステップS107と同様である。
一方、ステップS207で、要求を満たす通電量無しと判定した場合(ステップS207:NO)、最適化処理部192は、消磁コイル設置領域を更に分割する(ステップS211)。例えば、最適化処理部192は、磁気が大きい場所に近い消磁コイル設置領域をさらに分割する。
ステップS211の後、ステップS201へ遷移する。
例えば、磁場の大きさが許容上限値を上回っている場合、最適化処理部192は、消磁コイル設置領域を細分化して消磁コイルの数を増やすことで、磁場の大きさを低下させることができる。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
110 データ取得部
120 出力部
180 記憶部
190 制御部
191 モデル生成部
192 最適化処理部
193 通電量決定部
200 船舶
210 船体
Claims (6)
- 船体のシミュレーションモデルにおける消磁コイルを設置可能な領域が分割された消磁コイル設置領域毎の、前記消磁コイルの配置及び前記消磁コイルへの通電量をパラメータとして、前記船体の外部に設定された評価対象位置における磁場を小さくする最適化計算により、各消磁コイルの配置及び各消磁コイルへの通電量を算出する最適化処理部を備える、消磁コイル配置導出装置。
- 前記消磁コイル設置領域は、前記消磁コイルを設置可能な領域が前記船体における鋼材の分布に基づいて分割された領域である、請求項1に記載の消磁コイル配置導出装置。
- 前記最適化処理部は、前記消磁コイル設置領域のうち少なくとも1つをさらに分割する再分割後の消磁コイル設置領域毎に、前記消磁コイルの配置及び前記消磁コイルへの通電量を算出し直す、
請求項1または請求項2に記載の消磁コイル配置導出装置。 - 船体のシミュレーションモデルにおける消磁コイルを設置可能な領域が分割された消磁コイル設置領域毎の、前記消磁コイルの配置及び前記消磁コイルへの通電量をパラメータとして、前記船体の外部に設定された評価対象位置における磁場を小さくする最適化計算により、各消磁コイルの配置及び各消磁コイルへの通電量を算出する、消磁コイル配置導出方法。
- 請求項4に記載の消磁コイル配置導出方法で算出された配置で船体に消磁コイルを設置する、船舶の製造方法。
- コンピュータに、船体のシミュレーションモデルにおける消磁コイルを設置可能な領域が分割された消磁コイル設置領域毎の、前記消磁コイルの配置及び前記消磁コイルへの通電量をパラメータとして、前記船体の外部に設定された評価対象位置における磁場を小さくする最適化計算により、各消磁コイルの配置及び各消磁コイルへの通電量を算出させるためのプログラム。
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JP2016251839A JP6755173B2 (ja) | 2016-12-26 | 2016-12-26 | 消磁コイル配置導出装置、消磁コイル配置導出方法、船舶の製造方法およびプログラム |
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