JP6752813B2 - 信号を処理して解析するための方法、およびそのような方法を実施するデバイス - Google Patents

信号を処理して解析するための方法、およびそのような方法を実施するデバイス Download PDF

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Description

本発明は、解析信号を供給するために初期信号を処理して解析する方法と、解析された周波数のパラメータを提供するために初期信号を解析する方法と、前記方法のいずれかを実施するように構成されたデバイスとに関する。
膨大な情報を有する音声信号(特にボーカル信号および音楽信号)などの信号から始めて情報を抽出する方法は、ますます重要になっている。これらの方法は、詳細には、たとえば音声認識、音楽信号の解析、電話において音声信号が存在するときのサービス通知(DTMF)の検知など、ますます多くの用途に使用されている。
より正確には、これらの用途は、周波数情報(一般的には、信号から抽出された狭い周波数帯の振幅および振幅の変遷)を抽出するためのステップを含み、これらの信号に包含される周波数に対して、大抵の場合この情報を主に使用して認識するかまたは識別するステップが続く。
しかしながら、一般に、一方では信号に包含される周波数を優れた精度で求めることと、他方では調査すべき信号に包含される様々な周波数が出現する時点および消滅する時点を優れた精度で求めることの間には、必然的なトレードオフがあると考えられる。
超音波信号または広帯域無線信号などのより高い周波数を伴う他の信号もまた膨大な情報を有し、音声タイプの信号としての周波数認識のための同じ技術原理から利益を得ることができる。
こうした中、調査すべき信号に包含される周波数と関連する情報の抽出中に収集された情報の性質および豊富さは、その後の、大抵の場合は信号の周波数プロファイルおよび時間プロファイル(たとえば音声認識における音素)によって求められた信号の認識または識別のための信号処理のステップに対して、したがってそのような用途に存在し得る全体の信号処理系統の性能に対して、非常に重要な役割を果たす。
たとえば、音声認識のための信号処理は、実際には(「ボコーダ」の原理に従って)並列で動作する音声フィルタバンクによって、または同様な意味合いで、窓フーリエ変換(前もって窓を乗じた信号に対して作用するフーリエ変換)をスライドさせることによって、主として行われる。音声信号は、300Hzから3,200Hzに及ぶ周波数帯(電話用の周波数帯)を包含している周波数帯にある音声認識または音源識別を可能にするほとんどの情報を包含している周波数を抑制するかまたは増強するために、音声周波数帯域に対して作用するようにフィルタリングされたものでよい。
通常、得られる周波数情報は、音声信号が定常状態(または準定常状態)であると想定される約10〜20ミリ秒の期間を有する時間窓を用いて得られる。
この定常状態の前提は、全体的に尊重されるが、信号が定常状態(または準定常状態)にある期間の間の遷移を十分に調べるのを妨げる。
スライディングフーリエ変換(TFG)ばかりでなく、ウェーブレット解析などの他の技術も用いる信号解析の場合には、時間領域における優れた分解能と周波数領域における優れた分解能とを同時に得るのは不可能であるという事実が知られている。その上、優れたノイズ除去は、周波数領域におけるできる限り正確な解析に関連するものである。
したがって、時間領域と周波数領域のどちらにおいても正確であるばかりでなく、できる限りノイズを除去することも可能にする情報を得るのが特に有利であろう。
本発明の第1の目的は、初期信号を、前記初期信号における複数の解析された周波数を用いて処理するための方法を提供することであり、初期信号は基本信号の和を含んでいる有効な信号を含み、物理的媒体の中を伝搬する波動を表すものであり、これに対して付加ノイズが加算され得る。
前記方法は、初期信号を一定のサンプリング周波数でサンプリングして得られた一連のサンプルに対して実施されるものであり、
前記方法は、初期信号から始めて複数の広帯域解析信号をもたらし、それぞれの広帯域解析信号が、解析された周波数のうちの1つに対応する周波数の選択的解析ステップを含み、前記ステップは以下のサブステップを含む:
− AS1) それぞれが低域通過または帯域通過の周波数フィルタリングと、対応するサンプル抑制とを含む、一連のアンダーサンプリング操作、
− AS2) 対応するサンプル抑制を伴わない、少なくとも1つの低域通過または帯域通過の周波数フィルタリング操作、
− AS3) 解析された周波数を、瞬時振幅を計算するように構成された第1の動作周波数(FTA)と、解析信号の瞬時位相および瞬時周波数を計算するように構成された第2の動作周波数(FTP)とにする、ゼロ以上の複素周波数変換操作。
先の方法の様々な実施モードにおいて、以下の処理のうちの1つおよび/または別のものを使用することができる。
本発明の一態様によれば、ステップAS1)およびAS2)は、以下のAS21)およびAS31)のステップである:
− AS21) ゼロ以上の低域通過または帯域通過の周波数フィルタリング、
− AS31) 解析された周波数を、瞬時振幅を計算するように構成された第1の動作周波数と、広帯域解析信号の瞬時位相および瞬時周波数を計算するように構成された第2の動作周波数(FTP)とに変換する、少なくとも1つの複素周波数変換。
本発明の一態様によれば、ステップAS1)、AS2)、およびAS3)(またはAS11)、AS21およびAS31)は、それぞれ以下のAS10)、AS20)およびAS30)のステップである:
− AS10) それぞれが、ゼロ周波数(F0)のあたりの低域通過の周波数フィルタリングまたはサンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)のあたりの帯域通過の周波数フィルタリングと、対応するサンプル抑制とを含んでいる一連のアンダーサンプリング操作、
− AS20) ゼロ周波数(F0)のあたりの少なくとも1つの低域通過の周波数フィルタリングまたはサンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)のあたりの帯域通過の周波数フィルタリングであって、サンプルの数として表現される有効期間(DUF)が12以下で、有利には8であり、帯域幅がAS1)ステップの出力における信号スペクトルの少なくとも30%を満たす周波数フィルタを用いて実行される、対応するサンプル抑制を伴わない周波数フィルタリング、
− AS30) 解析された周波数を、広帯域解析信号の瞬時振幅、瞬時位相および瞬時周波数を計算するように適合された、サンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)に変換するゼロ以上の複素周波数変換。
本発明の一態様によれば、ステップAS20)は、次のAS200)のステップである:
AS200) サンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)のあたりの帯域通過の周波数フィルタリングであって、サンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)に中心がある周波数チャネルに限定されたハニング窓を用いる長さ12のスライディングフーリエ変換(TFG)を用いて実行され、対応するサンプル抑制を伴わない周波数フィルタリング。
本発明の第2の目的は、初期信号を、前記初期信号における複数の解析された周波数を使用して解析する方法を提供することであり、初期信号は、基本信号の和を含んでいる有効な信号を含み、物理的媒体の中を伝搬する波動を表すものであり、これに対して、複数の解析された周波数の各々の解析された周波数の変調の存在および説明を示すパラメータをもたらすために、付加ノイズが加算されることができ、
前記方法は、初期信号を一定のサンプリング周波数でサンプリングして得られた一連のサンプルに対して実施されるものであり、
前記方法は以下の一連のステップを含む:
1.1) 初期信号から始めて、それぞれが解析された周波数のうちの1つに対応する複数の広帯域解析信号をもたらす、周波数の選択的解析ステップ、
1.2) 複数の広帯域解析信号のそれぞれのサンプルに対する、広帯域解析信号のパラメータの複数の抽出操作であって、これらのパラメータが少なくとも以下の信号を含む、複数の抽出操作:
a) 広帯域解析信号の瞬時振幅、
b) 広帯域解析信号の瞬時位相、
1.3) 信号の変調を推定するための複数の操作であって、それぞれが、複数の解析信号のそれぞれのサンプルと、広帯域解析信号のサンプルの観測期間とに関して、以下のa)およびb)のインジケータを求める複数の操作:
a) 重要でない信号のインジケータであって、デフォルトがりであり、以下の3つの条件のうち少なくとも1つが満たされるとトゥルーになるインジケータ:
a.1) 広帯域解析信号のサンプル期間中に、広帯域解析信号の瞬時振幅が、前もって定義された第1の限度よりも小さい平均値または前もって定義された第2の限度よりも小さい瞬時値である場合、
a.2) 可能な値と変化の速度の両方に関して直接比較可能な少なくとも3つの観測されたインジケータが、最大、最小または高速の遷移などの重要なイベントの出現に関して時間的一致の不良を示す場合、
a.3) 少なくとも、有効な信号の存在および信号対雑音比推定のインジケータが、信号の不在またはあまりにも重大なノイズを示す場合、
b) 可能な値と変化の速度の両方に関して直接比較可能な、以下のic.1)およびic.2)などの少なくとも2つの他のインジケータ:
ic.1) 瞬時振幅情報に由来する直接比較可能なインジケータのうち少なくとも1つ、
ic.2) 瞬時位相または瞬時周波数の情報に由来する直接比較可能なインジケータのうち少なくとも1つ。
これらの機構により、かなりノイズがある可能性のある初期信号において、それぞれの瞬間に出現するかまたは消滅する可能性がある、解析された周波数に関する以下の情報を、高い頻度および短縮された応答時間で確実に検知することができる:
− 瞬時振幅、
− 瞬時周波数、
− 振幅変調、
− 周波数変調、
また、このことは、簡単かつ低コストの手段で可能である。
前出の方法の様々な実施形態において、以下の手段のうちの1つおよび/または別のものが使用され得る。
本発明の一態様によれば、複数の広帯域解析信号のそれぞれのサンプルに関して信号パラメータを抽出するための操作により、以下の6つの信号からの少なくとも2つも供給される:
c) 広帯域解析信号の時間微分に等しい微分信号の瞬時位相、
d) 微分信号の前記瞬時位相の時間微分に等しい微分信号の瞬時周波数、
e) 広帯域解析信号の時間積分に等しい積分信号の瞬時位相、
f) 積分信号の前記瞬時位相の瞬時周波数の時間微分、
g) 微分信号の瞬時振幅、
h) 積分信号の瞬時振幅。
本発明の一態様によれば、少なくとも2つの直接比較可能なインジケータには、次のic.3)などがある:
ic.3) 直接比較可能なインジケータのうち少なくとも1つは、広帯域解析信号の時間微分信号または時間積分信号からの情報からなる。
本発明の一態様によれば、少なくとも2つの直接比較可能なインジケータには、少なくとも以下の3つなどがある:
ic.4) 直接比較可能なインジケータのうち少なくとも1つは、広帯域解析信号の情報に由来するものである、
ic.5) 直接比較可能なインジケータのうち少なくとも1つは、広帯域解析信号の時間微分の情報に由来するものである、
ic.6) 直接比較可能なインジケータのうち少なくとも1つは、広帯域解析信号の時間積分の情報に由来するものである。
本発明の一態様によれば、直接比較可能なインジケータは、以下のインジケータのうち少なくとも1つを含む:
b1) 瞬時振幅の1次の時間微分と瞬時振幅の2次の時間微分がどの程度直角位相であるかを示す正弦波の振幅変調インジケータ、
b2) 瞬時振幅の対数の1次の時間微分がどの程度一定であるかを示す、指数関数的な振幅変調インジケータ、
b3) 瞬時振幅の対数の2次の時間微分が、どの程度、時間的に制限された大きなピークを有するかを示す、振幅変調インジケータのピークの検知、
b4) それ自体が広帯域解析信号の瞬時位相の1次の時間微分である広帯域解析信号の瞬時周波数の1次の時間微分が、どの程度一定であるかを示す周波数変調インジケータ、
b5) 広帯域解析信号の時間積分の瞬時振幅として計算された第1のノイズインジケータであって、重大なノイズがあるときには高速の振動を示す第1のノイズインジケータ、
b6) 広帯域解析信号の時間積分の瞬時位相として計算された第2のノイズインジケータであって、重大なノイズがあるときには高速の振動を示す第2のノイズインジケータ、
b7) 広帯域解析信号の時間積分の瞬時周波数として計算された第3のノイズインジケータであって、重大なノイズがあるときには高速の振動を示す第3のノイズインジケータ。
本発明の一態様によれば、有効な信号の存在および信号対雑音比推定のインジケータは、以下のインジケータ:
b8) 信号の存在および信号対雑音比推定の第1のインジケータであって、広帯域解析信号のサンプルの観測期間中の、信号の時間積分の瞬時位相と信号の瞬時位相の間の瞬時位相の差の分散に等しい第1のインジケータ、
b9) 信号の存在および信号対雑音比推定の第2のインジケータであって、広帯域解析信号のサンプルの観測期間中の、信号の時間積分の瞬時周波数と信号の瞬時周波数の間の瞬時周波数の差の分散に等しい第2のインジケータ、
b.10) 以下の振幅比の比:
> 信号の時間微分の瞬時振幅(AID)と信号の瞬時振幅(AIS)の比、
> 信号の時間積分の瞬時振幅(AIP)と信号の瞬時振幅(AIS)の比、
として計算された、信号の存在および信号対雑音比推定の第3のインジケータであって、
以下のb.10.a)とb.10.b)の2つの信号:
b.10.a) 広帯域解析信号(SAL)の時間積分信号(SAP)の瞬時周波数
b.10.b) 以下の2つの信号のうちの1つ:
> 広帯域解析信号の瞬時周波数
> 広帯域解析信号の時間微分の瞬時周波数
との時間的相関関係の程度が、その以下の特性:
b.10.1) 検知可能な信号がないとき、振幅比の比は、b.10.a)またはb.10.b)で以前に言及された瞬時周波数信号のうちいかなるものにも関連づけられない、
b.10.2) 検知可能な信号があって重大なノイズがないとき、振幅比の比は、b.10.a)またはb.10.b)で以前に言及された3つの瞬時周波数信号に関連づけられる、
b.10.3) 検知可能な信号と、重大なノイズとがあるとき、振幅比の比は、b.10.a)またはb.10.b)で以前に言及された他の2つの瞬時周波数信号ではなく、広帯域解析信号の時間積分の瞬時周波数に関連づけられる、
によって、広帯域解析信号(SAL)の検知可能な信号の存在および信号対雑音比の指示をもたらす第3のインジケータ、
のうち少なくとも1つを含む。
本発明の一態様によれば、以下のことが行われる:
11.1) 2つの重要なイベント間の時間一致が、対応するインジケータを計算するための期間の、可能性のあるシステム的な差を考慮に入れることなく、2つのイベントの出現を分離するサンプルの数として測定されること、
11.2) 0または1つのサンプルの一致であれば優良と見なされ、2つのサンプルの一致であれば平均と見なされ、2つを上回るサンプルの一致は不良と見なされること
11.3) 一致が、2つよりも多くのインジケータに関連するとき、一致インジケータ(ICO)は、5つから7つの連続したサンプルの窓の中で識別された重要なイベントから計算されること。
本発明の一態様によれば、周波数の選択的解析のステップ1.1は、以下のやり方で実施される:
− AS1) それぞれが低域通過または帯域通過の周波数フィルタリングと、対応するサンプル抑制とからなる、一連のアンダーサンプリング操作、
− AS2) 対応するサンプル抑制を伴わない、少なくとも1つの低域通過または帯域通過の周波数フィルタリング操作、
− AS3) 解析された周波数を、瞬時振幅を計算するように構成された第1の動作周波数と、解析信号の瞬時位相および瞬時周波数を計算するように構成された第2の動作周波数とにする、ゼロ以上の複素周波数変換。
本発明の一態様によれば、ステップAS2)およびAS3)は、以下のAS21)およびAS31)のステップである:
− AS21) ゼロ以上の低域通過または帯域通過の周波数フィルタリング操作、
− AS31) 解析された周波数を、瞬時振幅を計算するように構成された動作周波数と、解析信号の瞬時位相および瞬時周波数を計算するように構成された動作周波数とにする、少なくとも1つの複素周波数変換。
本発明の一態様によれば、ステップAS1)、AS2)、およびAS3)(またはAS11)、AS21およびAS31)は、それぞれ以下のAS10)、AS20)およびAS30)のステップによって実施される:
− AS10) それぞれがゼロ周波数のあたりの低域通過の周波数フィルタリングまたはサンプリング周波数の4分の1に等しい周波数のあたりの帯域通過の周波数フィルタリングと、対応するサンプル抑制とからなる、一連のアンダーサンプリング操作、
− AS20) ゼロ周波数のあたりの少なくとも1つの低域通過の周波数フィルタリング操作または4分の1のサンプリング周波数に等しい周波数のあたりの帯域通過の周波数フィルタリング操作であって、サンプルの数として表現される有効期間(DUF)が12以下で、有利には8であり、通過帯域がステップAS1)の出力信号におけるスペクトルの少なくとも30%を占める周波数フィルタを用いて実施される、対応するサンプル抑制を伴わない周波数フィルタリング操作、
− AS30) 解析された周波数を、解析信号の瞬時振幅、瞬時位相および瞬時周波数を計算するように適合された、サンプリング周波数の4分の1に等しい周波数にするゼロ以上の複素周波数変換。
本発明の一態様によれば、ステップAS20)は、以下のAS200)のステップによって実施される:
AS200) サンプリング周波数の4分の1に等しい中心周波数を伴う帯域通過の周波数フィルタリング操作であって、サンプリング周波数の4分の1に等しい周波数に中心がある周波数チャネルに限定されたハニング窓を用いる長さ12のスライディングフーリエ変換によって実施される、対応するサンプル抑制を伴わない周波数フィルタリング操作。
本発明の一態様によれば、広帯域解析信号のサンプルの観測期間(DOB)は、広帯域解析信号の約10〜20程度のサンプルである。
本発明の一態様によれば、この方法は音声信号を処理するために使用され、以下の要素を検知することにより、信号の基本周波数を検知することを可能にするものである:
> VA) 以下のインジケータのうち少なくとも1つの重要な振幅ピーク:
V1) 振幅変調インジケータのピークの検知、
V2) 信号の存在確率のインジケータ、
V3) 周波数変調インジケータ、
> VB) 以前のインジケータの振幅ピークの出現に関する時間一致。
本発明の一態様によれば、複数の次元を有する多次元の初期信号を分解することから結果として生じる次元1の少なくとも1つの基本信号の各々に対して適用され、複数の基本信号をもたらし、そのうち少なくとも1つが次元1を有する。
本発明の一態様によれば、すべての操作は、複数の解析された周波数からのすべての解析された周波数を連続的に処理するように適合された速度で遂行される。
本発明の第3の目的は、初期信号を処理し、かつ/または解析するため、ならびに、前記初期信号の中の、一定のサンプリング周波数でサンプリングされた、かなりノイズが大きい可能性のある複数の解析された周波数を検知するデバイスを提供することであり、前記デバイスが備えるコンピュータプラットフォームは、物理的媒体の中を伝搬する波動を表す初期信号を受け取って、前述の方法のうち1つを実施するように適合されている。
このデバイスの様々な実施形態において、以下の特徴のうちの1つおよび/または別のものが使用され得る。
本発明の一態様によれば、このデバイスは、前記波動から始めて前記初期信号を生成するセンサをさらに備える。
本発明の一態様によれば、コンピュータプラットフォームは固定小数点計算に適合されている。
本発明に関する参考文献
信号処理の分野において、また本発明との関係において、以下の参考文献が引用され得る。
参考文献1. Richard G. Lyons “Understanding Digital Signal Processing ”Third edition, 2011, Prentice Hall publisher,
参考文献2. Jae S. Lim and Allan V. Oppenheim Editors “Advanced Topics in Signal Processing”, Prentice Hall publisher, 1988 et 1989, and in particular chapter 6 ≪Short Time Fourier Transform≫, (authors: Nawab et Quatieri)
参考文献3. The patent application PCT/BE2011/000052 filed on August 12, 2011 ≪ Procede d’Analyse de signaux fournissant des frequences instantanees et des transformees de Fourier Glissantes et dispositif d’analyse de signaux≫
参考文献4. Boualem Boashash “Estimating and Interpreting the Instantaneous Frequency of a Signal---Part 1: Fundamentals” Proceedings of the IEEE Vol 80, No 4, April 1992 Pages 520-538
参考文献5. Sylvain Marchand, Philippe Depaille “Generalization of the derivative analysis method to non stationary sinusoidal modeling” Proceedings of the 11th conference of Digital Audio Effects (DAFx-08), September 2008
参考文献6. Sylvain Marchand “The simplest analysis method for non stationary sinusoidal modeling” Proceedings of the 15th conference of Digital Audio Effects (DAFx-12), September 2012
参考文献7. Francois Auger, Eric Chassande Motin, Patrick Flandrin, “On Phase Magnitude Relationships in the Short Time Fourier Transform” IEEE Signal Processing Letters Vol 6, No 1, January 2012.
参考文献8. Lawrence Rabiner, Ronald Crochiere “A novel implementation for Narrow band FIR digital filters” IEEE Transactions on Acoustics, Speech and Signal Processing Vol ASSP-23, No 5, October 1975.
参考文献9. Wikipedia article “Pitch Detection Algorithm”, last page updated 24 february 2014.
参考文献10. Thomas F. Quatieri, “Discrete Time Speech Signal Processing”, Prentice Hall publisher, 2002.
参考文献11. Frederic J. Harris “On the use of Windows for Harmonic Analysis with the Discrete Fourier Transform” Proceedings of the IEEE Vol 66, No 1, January 1978 Pages 51-83.
参考文献12. Boualem Boashash “Estimating and Interpreting the Instantaneous Frequency of a Signal---Part 2: Algorithns and Applications” Proceedings of the IEEE Vol 80, No 4, April 1992 Pages 540-568
参考文献13. James B. Tsui “Digital techniques for wideband receivers” 2004 edition, 2011, SciTech Publishing editeur, in particular sections 10.6 et 10.7
以下の説明中に、本発明の他の特徴および利点が、非限定的な例として、添付図を参照しながら示されることになる。
本発明の概要を示す図である。 本発明の作用の様々な態様を説明するブロック図である。 本発明の作用の様々な態様を説明するブロック図である。 本発明の作用の様々な態様を説明するブロック図である。 本発明の作用の様々な態様を説明するブロック図である。 本発明の作用の様々な態様を説明するブロック図である。 何らかのサブサンプリング操作の前に一例として調査される信号を示す図である。 サブサンプリングの後に、付加ノイズなしで、一例として調査される信号を示す図である。 サブサンプリングの後に、付加ノイズを用いて、一例として調査される信号を示す図である。 調査された信号およびパラメータが、対応する前記パラメータの指示とともに表示される様子を示す図である。 一定振幅の、線形に周波数変調された(線形チャープ)入力信号を用いてなされた観測を示す図である。 図7に示された信号および図8に示された信号に対して本発明を用いてなされた観測を示す図である。 図7に示された信号および図8に示された信号に対して本発明を用いてなされた観測を示す図である。 図7に示された信号および図8に示された信号に対して本発明を用いてなされた観測を示す図である。 図7に示された信号および図8に示された信号に対して本発明を用いてなされた観測を示す図である。 本発明にとって重要な、周波数フィルタと見なされるフーリエ変換の周波数応答を示す図である。 本発明に使用される微分フィルタおよび積分フィルタの周波数応答を示す図である。 微分フィルタおよび積分フィルタとともに使用される、図16で説明されたフィルタのインパルス応答を示す図である。 微分フィルタおよび積分フィルタとともに使用される、図16で説明されたフィルタのステップ応答を示す図である。 本発明の方法の入力としての正弦波信号とノイズ信号の比較された振幅を示す図である。 本発明による方法の、様々な入力信号に対する応答を示す図である。 本発明による方法の、様々な入力信号に対する応答を示す図である。 本発明による方法の、様々な入力信号に対する応答を示す図である。 本発明による方法の、様々な入力信号に対する応答を示す図である。 本発明による方法の、様々な入力信号に対する応答を示す図である。 本発明による方法の、様々な入力信号に対する応答を示す図である。 本発明による方法の、様々な入力信号に対する応答を示す図である。 本発明による方法の、様々な入力信号に対する応答を示す図である。 本発明による方法の、様々な入力信号に対する応答を示す図である。 本発明による方法の、様々な入力信号に対する応答を示す図である。
使用される信号および以前の方法の説明
本発明によって処理され得る電気信号に関して、音声信号は、センサ(CA)によって生成される電気信号の特定の事例であり、物理的媒体の中を伝搬する波動を表すことに留意されたい。そのような波動の一例として、音響波、電磁波、地震波、超音波、空気以外の媒体(水、人体または動物体)における音波を挙げることができる。
a) 現在の(従来の)方法の制限
従来、窓フーリエ変換に関連したスペクトログラムなどの従来の時間−周波数解析または短時間フーリエ変換(TFG)は、十分に静止している信号のモデル化は可能であるが、過渡部分を処理するとき問題に直面し、しばしば、非定常信号の処理における制限に直面する。信号対雑音比が悪いとき、これらの制限はより強く、ノイズレベルが重要である。
実際、標準的なフーリエ変換は、時間領域における優れた分解能と周波数領域における優れた分解能を同時に得ることが不可能になるという制限をもたらす。たとえば3〜4ミリ秒の期間の時間窓を用いると、周波数分解能はそれぞれせいぜい300Hzまたは250Hzになる。時間周波数図(一般に「スペクトログラム」と称される)は、明瞭さおよび精度が不十分である。
一般的なやり方では、通常の時間窓を用いると、窓期間が短いとき時間分解能がより優れており、窓期間が長いとき時間分解能がより優れている。
同じ制限が、他の技術に対して、特にウェーブレットに対して存在する。
一例として、約20ミリ秒の時間窓は、信号の解析および表現に関して、様々な異なる制約の間の、多くの場合に許容できるトレードオフを表すので、ボーカル信号を調査するために大抵の場合使用される。電話の等級音声に対応する8KHzのサンプリング周波数を用い、約160サンプルの窓を使用して、フーリエ変換のそれぞれの周波数チャネルによって音声信号の狭帯域解析が行われる。
b) 本発明のために好ましいコンピューティングプラットフォーム
本発明は、これまではあまり経済的でない計算プラットフォームを必要とした特に高性能な信号処理を、特に経済的な計算プラットフォーム(PC)上で実施可能にすることを特に目標とするものである。
本発明と特に関係のある計算プラットフォームには以下のものがある:
a) プログラマブルロジック部品(「FPGA」)、詳細には、それだけではないが、約100MHzのクロック周波数で動作する低コストFPGA、
b) 専用集積回路(「ASIC」)。
これらの計算プラットフォームは、たとえばバッテリーまたは充電式バッテリーによって給電されることにより、自律性の組込みシステムの作製を可能にすることに留意されたい。
加えて、これらのプラットフォームは、非常に高いクロック周波数(数十MHz以上のクロック周波数)を有するが、通常は浮動小数点計算のための手段が備わっていない。
これらのプラットフォーム上で浮動小数点計算を実施することは常に可能であるが、このタイプの計算は(時間的に、または使用される回路面積において)多くのリソースを消費する。
結果として、通常使用される解決策は、固定小数点の計算を遂行するものである。しかしながら、ほとんどの場合において数値精度の深刻な損失を伴う。
プラットフォームの前出のリストは例示であり、他のタイプのコンピューティングプラットフォームが使用され得る。
c) 本発明に関係する主要なタイプの信号
本発明により、いくつかのタイプの変調(組み合わされた振幅変調と周波数変調)および経時変化する変調を有する信号を特に有利なやり方で処理することが特に可能になる。
したがって、これらの信号はボーカル信号または音声信号(用途次第で、一般的には8KHz(電話)から96KHz(高忠実度の専門的音声)まで変化する周波数でサンプリングされる)を含む。
たとえば医用センサから生じる信号(特に身体に関連した音響)または工業用センサから生じる信号といった、その周波数が音声信号以下のすべてのタイプの信号、ならびにその周波数が音声信号の周波数よりも高い信号(特に超音波信号)が、本発明によって有利に処理され得る。
先の信号のリストは例として示されたものであり、本発明の枠組みにおいて他のタイプの信号が処理され得る。
本発明の詳細な説明
様々な図において、同一の参照は、同一または類似の要素を示すのに使用される。
1) 本発明の全般的な目標
本発明による方法の目的は、信号の有無と、信号の様々な変調のタイプ(振幅変調および周波数変調)とを、優れた時間分解能と優れた周波数分解能とを伴って、ノイズに強いやり方で、かなりの確率で検知するために、特定のタイプの信号、解析信号(SAA)または広帯域解析信号(SAL)を使用することである。
かなりノイズが大きい媒体における情報の検知は、古典的に以下の問題を提起する:
P1) 有効な信号と付加ノイズの可能な最善の分離、
P2) 存在するノイズのレベルの可能な最善の推定、
P3) 可能ならそれぞれの瞬間において誤検知(信号が不在の間に検知される信号)の存在の確率を示すインジケータを用いた、誤検知の最大限の回避、
P4) 検知漏れ(信号が存在する間の信号不在の検知)に関するP3と同一の問題。
以下の技術的説明は、本発明がこれらの問題に応えることを示すものである。
2) 本発明の概要
図1は本発明の概要を示す。(A)、(B)および(C)と名付けられた3つの大部分が注目される。初期信号(SI)の処理は、(A)、(B)および(C)と名付けられた部分を連続的に通ることによって遂行される。
部分(B)および(C)により、初期信号(SI)の処理における2つの主要な変形形態を定義することが可能になる。
すべての場合において、第1のステップ(部分(A))は周波数の選択的解析(ASF)のステップであって、広帯域の単一成分タイプおよび制限された自動干渉の解析信号(SAA)の複数(NFA)を出力としてもたらし、そのような信号は前記複数(NFA)のそれぞれの解析された周波数(FA)のためのものである。
広帯域の単一成分タイプおよび制限された自動干渉のこれらの解析信号(SAA)は、後に見られるように、初期信号(SI)の次の処理ステップをかなり助長するいくつかの有利な特性を示す。
部分(B)は、これらの解析信号(SAA)のパラメータの抽出に対応するものであり、これらのパラメータは、前記解析信号(SAA)の各サンプルに対して計算された瞬時の位相および振幅の情報である。信号のパラメータ抽出(PAS)の操作(EXP)は、解析信号(SAA)の瞬時振幅(AIS)および瞬時周波数(FIS)をもたらし、信号の時間微分のパラメータ抽出(PAD)の操作(EXD)は、解析信号(SAA)の時間微分に等しい微分信号(SAD)の瞬時周波数(FID)をさらにもたらす。
信号の瞬時振幅(AIS)を得るためのいくつかの方法がある。しかしながら、解析信号(SAA)からこの情報を得るためには、参考文献3に説明されている方法を使用するのが特に有利である。2011年8月12日に出願された特許出願PCT/BE2011/000052では、その原理のために、さらなるフィルタリング操作は暗示されていない。
部分(C)は、解析信号(SAA)に存在する特定の変調の検知の操作と、そのような解析信号(SAA)の存在の検知のより全般的な操作とに対応するものである。
それぞれの信号変調の推定(EMS)の操作により、初期信号(SI)のサンプルの観測期間(DOB)に対して、特定の変調タイプの変調の存在が求められる。
a) 正弦波タイプの振幅変調は、解析信号(SAA)の信号のパラメータ抽出(PAS)の操作(EXP)によって抽出されたパラメータに由来する2つのパラメータが直角位相(この用語の正確な定義は後に示す)であることを観測することによって検知され得る。
b) 指数関数タイプの振幅変調は、解析信号(SAA)の信号のパラメータ抽出(PAS)の操作(EXP)によって抽出されたパラメータに由来する別のパラメータが一定であることを観測することによって検知され得る。
c) 振幅変調ピークの位置確認は、解析信号(SAA)の信号のパラメータ抽出(PAS)の操作(EXP)によって抽出されたパラメータに由来する別のパラメータの振幅ピークを観測することによって検知され得る。
d) 周波数変調は、解析信号(SAA)の信号のパラメータ抽出(PAS)の操作(EXP)によって抽出されたパラメータに由来する別のパラメータが経時変化することを観測することによって検知され得る。
e) 一定振幅を伴う周波数変調は、信号のパラメータ抽出(PAS)の操作(EXP)によって抽出されたパラメータに由来する別のパラメータを、微分信号(SAD)の、信号の時間微分のパラメータ抽出(PAD)の操作(EXD)によって抽出されたパラメータに由来するパラメータと比較することによって検知され得る。
f) 事前の何らかのタイプの信号の有無は、信号が、その限界ケースを含めて指数関数的なタイプの振幅変調を示さないこと、または一定振幅(数学的正当化は後に提供する)を伴う振幅変調された信号ではないことが確認された後に、解析信号(SAA)の信号のパラメータ抽出(PAS)の操作(EXP)によって抽出されたパラメータに加えて、微分信号(SAD)の、信号の時間微分のパラメータ抽出(PAD)の操作(EXD)によって抽出されたパラメータを使用することによって検知され得る。
先のインジケータは、解析信号(SAA)のそれぞれの新規のサンプル(SAE)に対して利用可能であり、初期信号(SI)のサンプルの観測期間(DOB)に関連するものである。観測の信頼性を改善するために、たとえば初期信号(SI)のサンプルの観測期間(DOB)の3倍または5倍に等しいコヒーレンス検査期間(DMC)において、先のインジケータの変遷を、特に次のa)およびb)を観測することによって観測するのが有利であり得る:
a) それぞれのインジケータの時間変遷(インジケータがほぼ一定であり続けるのはどの期間か?)、
b) いくつかのインジケータの時間における重要な変遷の接合(いくつかのインジケータが重要な変化を同時に示すか?)。
さらに、特に断らない限り、本発明の枠組みの範囲内で以下のことがある。
a) 信号は複素信号であり、時間微分は実部および虚部に対して独立して実行されること、
b) パラメータ(振幅および位相、ならびにそれらの時間微分およびそれらの対数)は実数であること。
初期信号(SI)は実数または複素数であり得る。初期信号(SI)が実数であれば、ゼロ周波数(F0)への周波数変換によって生成されるあらゆる信号が、状況に従って実数または複素数であり得、この信号の別の周波数への周波数変換によって生成されるあらゆる信号が複素数になるはずである。
3) 広帯域の単一成分タイプの解析信号(SAA)および制限された自動干渉
大きな範囲の物理的信号を、過渡期は別として、振幅変調と周波数変調を同時に有する正弦波信号の和としてモデル化するのが通例である。したがって、この観点により、有効な信号(SU)は、解析された周波数(FA)と同一かまたは近い中央周波数を有する基本信号(SEL)から成り、たとえば基本信号(SEL)のエネルギーの90%を包含している帯域幅に対応する有効帯域幅(SEB)を有すると考えられ得る。
広帯域の単一成分タイプおよび制限された自動干渉の解析信号(SAA)は、有効帯域幅(SEB)を有する基本信号(SEL)の和として構成された有効な信号(SU)の解析のために特に有利な以下の特性を示す。
(SAA1):時間および周波数において変調される可能性のある単一の正弦曲線としてモデル化可能な基本的に単一の成分である。そのため、その瞬時周波数は常に同符号である。実際には、解析信号(SAA)の周波数スペクトルで十分であろう。
(SAA2):広帯域であり、すなわち、そのスペクトルが、解析信号(SAA)の生成を可能にした処理の後に、全体の利用可能なスペクトルの重要部分(3分の1超、場合によっては半分超)を満たす。そのため、瞬時の位相情報および周波数情報は大きいダイナミクスを有し、これによって、特に、存在し得る大きな付加ノイズ(BRA)から都合よく取り出されることが可能になる。
(SAA3):自動干渉が有限であり、すなわち初期信号(SI)から始まるそのエラボレーション中に自動干渉がほとんどなく、また特に、たとえばサブサンプリング操作といった、この干渉をそれ自体で≪遮断する≫ことを可能にする操作が後に続く場合以外は、長い平均またはフィルタリングの操作(サンプルの重要な数に関係するものである)を施されていない。
特徴(SAA1)および(SAA2)は、本発明の枠組みの範囲内で、処理して解釈するのが特に簡単な瞬時の位相および周波数の情報を保証するものである。特徴(SAA3)は、これらの瞬時の位相および周波数の情報が、解析された周波数(FA)のあたりの周波数帯における初期信号(SI)の瞬時の位相および周波数の情報を表すことになるのを保証するものである。
あるいは、先の項目の結果として、初期信号(SI)から、解析された周波数(FA)に対応する解析信号(SAA)に至ることを可能にする処理は、解析信号(SAA)のサンプル数、すなわちサブサンプリング操作の後のサンプルの数として表現される自己相関期間を増加させるべきではない、または非常に小さな増加にとどめるべきである、と言うこともできる。
サブサンプリング操作を使用することによる犠牲は、時間的精度が低下することである。この低下は、検討される用途に依拠して、不利益を示す場合があるが、利点を示すこともあり得る。特に、ボーカル信号の観測では、この低下が用途における利点を示すことが見られるはずであり、その実際的な重要性が理解される。
したがって以下のように要約することができ、定性的には、初期信号(SI)を解析信号(SAA)の複数(NFA)に変換する処理の効果は以下のようになる:
> 一方では時間的精度が損なわれ、
> 他方では、既知でない基本信号(SEL)の和である初期信号(SI)が、解析するのが簡単で、(広帯域のために)比較的耐ノイズ性がある複数の解析信号(SAA)に変換され、その(時間的精度が低下した)経時的構造は、(制限された自動干渉のために)対応する基本信号(SEL)のうちの1つに非常に近いものである。
瞬時周波数情報は解釈の難しさを示すことが知られている(たとえば参考文献4、Boualem Boashash、「Estimating and Interpreting the Instantaneous Frequency of a Signal−−−Part 1: Fundamentals」を参照されたい)。その上、周波数または他のものの瞬時値を、それ自体が別の信号の長い平均または長いフィルタリングである信号と定義することは、どうも実質的に矛盾しているように思われる。
4) 観測期間(DOB)
観測期間(DOB)は、この初期信号(SI)の約100サンプル、一般的にはこの初期信号(SI)の100〜200サンプルになるはずであり、この期間は様々な用途において関連するものである。いくつかの用途では、後に見られるように、この期間がより大きくなることがある。
ボーカル信号の調査の枠組みでは、この信号を基本周波数と同期して調査するのは興味深いことであり(参考文献10、Thomas F. Quatieri、「Discrete Time Speech Signal Processing」、Prentice Hall publisher、2002年を参照されたい)、この基本周波数は、男性については約100Hzであり、女性については約200Hzであって、子供については約350Hzまでであることが知られている。電話(できる限り低いサンプリング周波数の用途)の8,000Hzのサンプリング周波数に対して、すべてのタイプの音声を処理することが望まれる場合には、再びこの値の100サンプルが見いだされる。サンプリング周波数が、40,000Hzよりも高い高忠実度の音声のように8,000Hzよりも高い場合には、この観測期間(DOB)を増加させること、および/または初期信号(SI)をアンダーサンプリングすることができる。
電子妨害手段については、受信された無線信号を識別するための時間は5マイクロ秒未満(一般的には2〜3マイクロ秒)である。100MHzの中間周波数を想定すると、受信された信号を詳細に調査するためには、この観測期間(DOB)もやはり100〜200サンプルと見いだされる。
その上、100〜200サンプルのこの観測期間(DOB)は、変調された信号を詳細に調査するための一般的な数の変調と互換性がある。
5) 古典的スライディングフーリエ変換(TFG)および解析信号(SAA)
注目すべき重要な点は、スライディングフーリエ変換(TFG)は、一般的に使用される長さ(たとえば64〜256サンプル、場合により32〜1024サンプルといった数十〜数百のサンプル)を有する場合、広帯域の単一成分タイプおよび制限された自動干渉の解析信号(SAA)を生成するためには使用され得ないことである。
実際は、時間領域において、レクタンギュラ窓を伴うスライディングフーリエ変換(TFG)のインパルス応答は、この1つのスライディングフーリエ変換(TFG)の長さに等しい期間を有する(たとえば参考文献1、Richard G. Lyons、「Understanding Digital Signal Processing」、第3版、2011年、の図13−48を参照されたい)。窓がレクタンギュラでなければ、時間窓が、その最初と最後において0に近い値を有するので、スライディングフーリエ変換(TFG)のインパルス応答はより短いと考えられ得る。しかしながら、多くの通常の時間窓の試験は、通常の時間窓が、対応するレクタンギュラ窓の期間の少なくとも50%の有効な値を有することを示す(詳細には参考文献11、Frederic J. Harris、「On the use of Windows for Harmonic Analysis with the Discrete Fourier Transform」を参照されたい。
加えて、習慣的に使用されるスライディングフーリエ変換(TFG)が、60〜256サンプル、時には最大で1024サンプル以上の一般的な時間期間を有するので、周波数領域では、スライディングフーリエ変換(TFG)の出力信号は一般的には狭帯域である。これらの期間は制限された自動干渉の制約条件と矛盾しており、行われる観測が、この点を確認するはずである。
6) 解析信号(SAA)を生成するためのスライディングフーリエ変換(TFG)の使用
≪Zoom FFT≫の名称で参考文献1に示されている方法(13.19節、≪The Zoom FFT≫を参照されたい)は、ここでは初期信号(SI)に適用される以下の一連の操作を実行することから成るものである:
ZF1) 複素信号を生成するための、初期信号(SI)のゼロ周波数(F0)への周波数変換、
ZF2) 低域通過フィルタリング、
ZF3) このようにして得られた信号のアンダーサンプリング、
ZF4) フーリエ変換を実行する。
この方法は、ステップZF4のフーリエ変換が、本発明の範囲内で使用されるために適合するように、あらかじめ十分に短縮されていれば、解析信号(SAA)を生成することによく適合することに留意されたい(前述の参考文献では、フーリエ変換の長さに対する制約に言及されていないことに留意されたい)。
本発明の状況では、周波数変換のステップZF1は動作周波数(FTR)に向けて行われることになり、動作周波数(FTR)は先験的に任意の周波数であり得るが、有利には、計算の簡潔さのために、ゼロ周波数(F0)またはサンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)のいずれかである。周波数(F4)の関心は参考文献3に記録されており、後に詳述する。ゼロ周波数(F0)からサンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)への変換、および反対方向への変換は、信号に−1の平方根(j)または−jの連続した平方数を掛ければ十分であるので、非常に簡単であることにも留意されたい。
サンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)への周波数変換の場合には、上記の一連の操作は以下のようになり得る:
ZF1a) 複素信号を生成するための、サンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)に向けた初期信号(SI)の周波数変換(TF)、
ZF2a) 前記周波数(F4)のあたりの帯域通過フィルタリング、
ZF3) このようにして得られた信号のアンダーサンプリング、
ZF4) 参考文献3に従ってフーリエ変換を実行する。
注記:参考文献2、Jae S. LimおよびAllan V、Oppenheim Eitors、「Advanced Topics in Signal Processing」(第6章 ≪Short Time Fourier Transform≫、6.1.2節 ≪Filtering View≫、図6.6、6.2.3節 ≪The Filter Bank Approach≫、図6.14)には、初期信号(SI)に対して実行されるスライディングフーリエ変換(TFG)は、それぞれが解析された周波数(FA)に対して以下の一連の操作を使用して実行される複数(NFA)のフィルタリング操作の結果であると考えられ得ることが示されている:
TF1) 初期信号(SI)に対して実行される、解析された周波数(FA)からゼロ周波数(F0)への複素周波数変換、
TF2) このようにして得られた信号の低域通過フィルタリングおよび以下の一連の操作によって実行される初期信号(SI)の再構成(6.3節 ≪Short Time Fourier Synthesis≫、6.3.1節 ≪The filter Bank Summation Method≫):
TF3) 前述のステップTF2の出力として得られた複数(NFA)の信号に対して実行される、ゼロ周波数(F0)から解析された周波数(FA)への複数(NFA)の複素周波数変換、
TF4) 前述のTF3ステップの出力として得られた複数(NFA)の信号の和。
そのため、前述の≪Zoom FFT≫の操作は、以下の一連の操作と見なされ得る:
ZG1) 第1のスライディングフーリエ変換(TFG)、
ZG2) このようにして得られた信号のアンダーサンプリング操作、
ZG3) アンダーサンプリングされた信号に対して実行される第2のスライディングフーリエ変換(TFG)。
そのため、参考文献3によるフーリエ変換は、上記の操作TF1〜TF4を用いて、ゼロ周波数を、サンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)で置換することによって実行されるスライディングフーリエ変換(TFG)と見なすこともできる。次いで、TF1〜TF4の操作は、それぞれ以下の操作になる:
TF41) 初期信号(SI)に対して実行される、解析された周波数(FA)からサンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)への複素周波数変換、
TF42) このようにして得られた信号の、サンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)のあたりの帯域通過フィルタリング、
TF43) 前述のステップTF42の出力として得られた複数(NFA)の信号に対して実行される、サンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)から解析された周波数(FA)への複数(NFA)の複素周波数変換、
TF44) 前述のステップTF43の出力として得られた複数(NFA)の信号の和。
7) 解析信号(SAA)を生成するための他の可能性
参考文献8、Lawrence Rabiner、Ronald Crochiere、「A novel implementation for Narrow band FIR digital filters」は、(低域通過フィルタのための)以下の一連の操作を用いて狭帯域周波数フィルタリングを得るための方法(したがって、長いフィルタを用いて事前に実行される)を示すものである:
ND1) 以下の操作の交番:
ND11) (ほとんどの場合短いフィルタを用いる)低域通過フィルタリング、
ND12) アンダーサンプリング、
ND2) 以下の操作の交番:
ND21) 交番ZD1の対応するステップにおけるアンダーサンプリング係数に等しい係数によるオーバーサンプリング、
ND22) (ほとんどの場合短いフィルタを用いる)低域通過フィルタリング(詳細には前記参考文献の図2および図5を参照されたい)。
上記で定義されたシーケンスND1の終わりに得られた信号が解析信号(SAA)になり得ることに留意されたい。前述の一連のステップは周波数変換とともに連帯で使用され得、後者は一連の操作ND1の中に自由に配置され得ることにも留意されたい。
特に、低域通過フィルタとして短い平均(たとえば2〜6サンプルの平均)の繰返しを使用する場合、シーケンスND1の出力として解析信号(SAA)が得られ、このようにして得られたフィルタの周波数応答はガウス性であることに留意されたい。
8) 解析信号(SAA)を生成するための様々な可能性の間の共通点
前出の点において、以下の点に留意されたい:
a) 参考文献2は、スライディングフーリエ変換(TFG)の構成要素が複素周波数変換(TF)および低域通過フィルタリングであることを示すこと、
b) 参考文献8は、基本的低域通過フィルタリングとアンダーサンプリング操作の一連の交番に、オーバーサンプリング操作に基本的低域通過フィルタリングが続く対称の交番が後続することによって、狭帯域の低域通過フィルタを実行することが可能であることを示すこと、
c) 本発明の枠組みの範囲内で、広帯域の単一成分タイプであって制限された自動干渉の解析信号(SAA)を生成するために、次のことができること:
c1) スライディングフーリエ変換(TFG)に続けてサブサンプリング操作を行い、次に第2の短いスライディングフーリエ変換(TFG)を実行するか、または
c2) 一連の基本的低域通過フィルタリングとサブサンプリング操作の交番を行い、その中で複素周波数変換(TF)を実行する。
先の観測によれば、これらの2つの実施形態は等価であり、他の実施形態も等価になり得るはずである。
したがって、周波数の選択的解析(ASF)ステップの原理は、以下のように統一して要約され得る:
− AS1) それぞれが低域通過または帯域通過の周波数フィルタリングと、対応するサンプル抑制とから成る、一連のアンダーサンプリング操作、
− AS2) 対応するサンプル抑制を伴わない、ゼロ以上の低域通過または帯域通過の周波数フィルタリング、
− AS3) 解析された周波数(FA)を、瞬時振幅(AIS)を計算するように適合された動作周波数(FTA)ならびに解析信号(SAA)の瞬時位相(PIS)および瞬時周波数(FIS)を計算するように適合された動作周波数(FTP)にする少なくとも1つの複素周波数変換(TF)、
したがって、サブステップAS1)とAS2)を組み合わせた効果は、過渡期は別として、それぞれの解析信号(SAA)が、せいぜい1つの支配的な振幅の基本信号(SEL)を包含し、この支配的な振幅の基本信号(SEL)が、解析信号(SAA)のスペクトルの少なくとも30%を満たすことである。
実際は以下の通りである:
SA1) 1つまたは複数の複素周波数変換(TF)は可逆操作であり、信号の帯域幅または2つの信号の相対振幅は変化しない。
SA2) 低域通過または帯域通過の周波数フィルタリングと、対応するサンプル抑制とから成る、1回のアンダーサンプリング操作の効果は、低域通過または帯域通過の周波数フィルタリングの後にあらかじめ保存された信号の(正規化周波数で表現された)周波数スペクトルが拡大することである、
SA3) 過渡期は特定の場合であり、この間、あらゆる信号が、非常に広い周波数帯において、定常状態のものよりも大きい瞬時振幅を示す。
SA4) (ゼロ周波数(F0)または隣接周波数への周波数変換を除けば)常に同符号の瞬時周波数を示す、解釈が容易な解析信号(SAA)を得るために、単一の基本信号(SEL)が、実際にこの瞬時周波数の計算に包含されていることが重要である。このため、初期信号(SI)からの基本信号(SEL)が、解析信号(SAA)の周波数スペクトルにおいて支配的でなければならない。実際には20dB優勢であれば十分であり、大抵の場合、10〜15dB優勢であれば十分であることに留意されたい。
SA4) 可能な周波数のスペクトルの少なくとも30%を満たす信号は、一般に広帯域の信号と見なされる。
SA5) 本発明の枠組みの範囲内で、そのような広帯域信号の関心事は、以下の2つがある:
> 周波数領域において、瞬時周波数および瞬時位相の情報のダイナミクスはできる限り大きいこと、
> 時間領域において、時間と周波数の間の双対原理により、調査される信号の自己相関は非常に小さいものであり得ること。
こうした中、参考文献8および参考文献2には、複数(NFA)の解析された周波数(FA)のうちの1つにそれぞれ対応する、前記複数(NFA)の解析信号(SAA)から始めて初期信号(SI)を再構成することを可能にするための条件が示されている。
9) 解析信号(SAA)のパラメータの抽出
解析信号(SAA)から瞬時振幅および瞬時位相の情報を抽出することが望まれる。初期信号(SI)から始めてそのような解析信号(SAA)を生成するために、アンダーサンプリング操作が実行されていてよいことが注目される。そのため、解析信号(SAA)の各サンプルについてこの情報を得ることが重要である。こうすると、≪FFT≫(高速フーリエ変換)タイプのアルゴリズムによってフーリエ変換を計算することがあまり有利ではなくなる。
加えて、解析信号(SAA)自体の性質のために、アンダーサンプリング操作を伴わないいかなる長いフィルタリング操作も防止することが重要である。
したがって、古典的な、フーリエ変換によって計算される解析的な信号を用いて瞬時値を計算する方法、またはヒルベルト変換を実行する時間領域フィルタによって瞬時値を計算する、フィルタが長ければ性能がより優れている方法は、先の要素により、あまり有利でなくなる。
それらの条件における、参考文献3の方法によるこれらの瞬時値の計算。2011年8月12日に出願された特許出願PCT/BE2011/000052、≪Procede d’Analyse de signaux fournissant des frequences instantanees et des transformees de Fourier Glissantes et dispositif d’analyse de signaux≫は、信号のそれぞれのサンプルについて、これらの値を容易に計算することができるので特に有利であることが判明しており、周波数の選択的解析の状況ではさらなるフィルタリングは不要である。
参考文献6、Sylvain Marchand、「The simplest analysis method for non stationary sinusoidal modeling」は、同等の方法の性能を評価しており、この方法の性能が、信号に存在する変調の検知の点から、既知の最善の方法に匹敵するものであることを示している。
図4、図5および図6に説明されている一連の操作は、変調の存在または信号の存在を検知するために後に使用される、パラメータの組と情報とを、抽出したり計算したりするものである。
解析信号(SAA)の瞬時位相(PID)または微分信号(SAD)の瞬時位相(PIS)に由来する情報の計算は、いかなる周波数でも可能であるが、ゼロ周波数(F0)またはサンプリング周波数(FE)4分の1に等しい周波数(F4)において、より容易に実行される。
参考文献12、Boualem Boashash、「Estimating and Interpreting the Instantaneous Frequency of a Signal−−−Part 2: Algorithms and Applications」には、参考文献3で説明されているもの以外に、瞬時周波数を計算するための様々な方法が示されている。この文献のシーケンスでは、簡潔さのために、瞬時周波数が瞬時位相の時間微分として計算されることが推測されよう。
参考文献3の方法は、その簡潔さと、追加のフィルタリングが不要であることのために、本発明の範囲内で瞬時振幅を計算するように特に適合されている。多くの場合、X+Yの平方根を計算すれば十分であり、XおよびYは、サンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)に近い周波数の複素信号の実部および虚部である。信号の瞬時周波数が前記周波数(F4)から離れるにつれて、結果はますます不正確になる。本発明の枠組みの範囲内では、検討される信号およびインジケータの計算にとって精度が十分なままであるので、この制限によって問題が生じることはない。
文献のシーケンスでは、瞬時振幅は、参考文献3の方法を用いて、すなわち複素信号の座標の平方の和の平方根として計算されることになる。
注記:
> d/dtおよびDDTの操作は入力信号の時間微分を意味する
> 操作Dは2つの入力信号間の差を意味する
> 操作LOGは入力信号(瞬時振幅であり、したがって正またはゼロであって、瞬時振幅Instantaneeのナル値については、後に見られるように特殊な処理を伴う)の対数を意味する
> 操作ATAは入力における複素信号の逆正接(ArcTangent(Y/X))を意味する
> 操作SQRは入力における複素信号のモジュール(X+Yの平方根)を意味する
10) 解析信号(SAA)の時間微分に由来するパラメータの関心
下記の計算により、以下のパラメータが簡単な関係によって関連づけられ、信号S(t)とは無関係であって、微分可能と想定され、時間間隔において0よりも大きい振幅を有することが示される:
a) 解析信号(SAA)の瞬時位相(PIS)の時間微分である、解析信号(SAA)の瞬時周波数(FIS)、
b) 解析信号(SAA)の信号の瞬時振幅(AIS)の対数の時間微分(ADS)、
c) 解析信号(SAA)の瞬時位相(PIS)と微分信号(SAD)の瞬時位相(PID)の間の位相差(PDD)。
瞬時周波数と信号の瞬時振幅の変化の間の関係:
A(t)≧0の状態で S(t)=A(t)・exp(j・P(t))
A(t)≧0の状態で dS(t)/dt=exp(j・P(t))・[dA(t)/dt+j・A(t)・dP(t)/dt]
微分の書き方を簡単にするために表記法を変更すると、次式を得る:
A(t)≧0の状態で S’(t)=exp(j・P(t))・[A’(t)+j・A(t)・P’(t)]
A(t)>0であれば、次のように書くことができる:
A(t)>0の状態で S’(t)=S(t)・[(A’(t)/A(t))+j・P’(t)]
LA(t)=Log(A(t))と定義すると、次式となる:
A(t)>0の状態で S’(t)=S(t)・[LA’(t)+j・P’(t)]
次式が導出され得る:
Phase(S’(T))=Phase(S(T))+Phase[LA’(t)+j・P’(t)
次のように定義する:
DPhase(t)=Phase(S’(T))−Phase(S(T))
そこで次式となる:
DPhase(t)=Phase[LA’(t)+j・P’(t)]
=ArcTan(P’(t)/LA’(t))
したがって次式の関係(RPA)となる:
P’(t)/LA’(t)=Tangent(DPhase(t))
注記:jは−1の平方根であり、exp()は指数関数を表し、F’(t)は関数F(t)の時間微分を表す。
複素信号とその時間微分の間の関係は知られており、以下の2つの参考文献はこれらの関係を扱うものである:
参考文献5、Sylvain Marchand、Philippe Depaille、「Generalization of the derivative analysis method to non stationary sinusoidal modeling」、Proceedings of the 11th conference of Digital Audio Effects (DAFx−08)、2008年9月、
参考文献7、Francois Auger、Eric Chassande Motin、 Patrick Flandrin、「On Phase Magnitude Relationships in the Short Time Fourier Transform」、IEEE Signal Processing Letters Vol 6、No 1、2012年1月。
重要な点は、本発明では、2つの引用された参考文献(および他の多くのもの)に反して、信号に関連づけられたいかなる種類の量の比も割算も計算されず、計算されるのは信号とその微分の間の瞬時の位相および/または周波数の差のみであり、このことによって、実行される計算の性質が変わることである。
詳細には、信号の時間微分は、一般にその瞬時位相またはその瞬時周波数を通じて包含されるのみである。解析信号(SAA)の定義そのものが、位相情報と、したがってそれから導出される情報とをもたらすことも留意され、特に興味深く、使うのが簡単である。
上記の計算で定義された位相と振幅の関係(RPA)は、本発明の枠組みの範囲内で、解析信号(SAA)の瞬時位相(PIS)と微分信号(SAD)の瞬時位相(PID)の間の位相差(PDD)が経時的に一定である条件、すなわち解析信号(SAA)の瞬時周波数(FIS)が微分信号(SAD)の瞬時周波数(FID)と等しいとき、を定義するのに使用されることになる。
本発明との関係において、DPhase(t)が一定である、特定の位相と振幅の関係(RPA)の場合
A) Tangent(DPhase(t))=0 →
P’(t)=0 → P(t)が一定である:あり得ない
B) Tangent(DPhase(t))=プラス無限大またはマイナス無限大 →
DPhase(t)=+PI/2または−PI/2
LA’(t)=0 → A(t)は一定であり、P(t)は任意である→
> 一定振幅の周波数変調
> 信号とその時間微分は直角位相である
C) P’(t)=一定 → 線形位相の信号
LA’(t)=一定 → A(t)=exp(K・t)またはexp(−K・t)
→ 指数関数的な振幅(極限において一定になり得る)
→ 期間を限定された信号(振幅が一定になる極限を除く)
D) P’(t)=時間に比例 → 直角位相の信号
LA’(t)=時間に比例
→ A(t)=exp(K・t)またはexp(−K・t
→ 指数関数的というよりも変化する振幅
→ インパルス状の信号または一定の信号、一定またはガウス性の信号
11) 変調および存在のインジケータの詳細な計算
11.1) 一般的原理および観測期間
インジケータは解析信号(SAA)のそれぞれの新規のサンプル(SAE)に対して利用可能であり、初期信号(SI)のサンプルの観測期間(DOB)に関連する。
観測の信頼性を増すためには、たとえば初期信号(SI)のサンプルの観測期間(DOB)の3倍または5倍に等しいコヒーレンス検査期間(DMC)において、特に以下のa)〜c)を観測することにより、先のインジケータの変遷を観測するのが有利であり得る:
a) それぞれのインジケータの時間的な変遷(インジケータがほぼ一定であり続けるのはどの期間か?)、
b) いくつかのインジケータの重要な一時的に連同する変遷(いくつかのインジケータが同一時点において重要な変化を示すか?)、
c) 様々なインジケータによってもたらされた情報のコヒーレンス度。
以下の説明では、妥当であれば観測期間をより長くするとどのような改善がもたらされ得るか示すことによって初期信号(SI)のサンプルの観測期間(DOB)に対してなされた観測が、主に興味深いであろう。
11.2) 様々なインジケータの計算の間の共通点
ほとんどのインジケータが、値または定数値(ゼロまたはゼロとの比較に換算され得る±PI/2)に対する差を比較する。すべての場合において、ゼロに対する近接性は、瞬時値と、初期信号(SI)のサンプルの観測期間(DOB)以上の、たとえば初期信号(SI)のサンプルの観測期間(DOB)の3倍または5倍に等しいといった、有利にはコヒーレンス検査期間(DMC)であり得る期間において観測された平均値との間の比(たとえば百分率として表現されたもの)として計算されなければならない。
特別な場合を除けば、瞬時値が、大きさにおいて、以前に定義された平均値の5%または10%未満であれば0に近いと見なされることになる。
インジケータの全般的な様子(特にリップルおよびノイズのレベル)は、観測された有効な信号(SU)の性質、付加ノイズ(BRA)のレベル、対応するサンプル抑制なしで実行された低域通過または帯域通過のフィルタリングのタイプなど、多くの要因に依拠することが注目されよう(たとえば前述の観測では、サンプル抑制の操作の後に実行されるスライディングフーリエ変換(TFG)の性質が、インジケータにおいて観測されるノイズに対して重大な影響を及ぼす)。その観点の範囲内で、一般的な観測の状況におけるインジケータの計算の詳細を定義するのが有利であろう。
11.3) 様々なインジケータの計算の間の論理関係
一般的なやり方において、インジケータは互いに独立して計算され、かつ解釈され得る。この原理には以下の例外がある。
a) 解析信号(SAA)の瞬時振幅(AIS)の値が小さいために、重要でない信号のインジケータ(INS)がトゥルーに設定されたとき、他のインジケータは無効になる。
b) 他のインジケータによって非コヒーレンスが観測されると、重要でない信号のインジケータ(INS)はトゥルーに設定される(そのような非コヒーレンスの一例についてはチャープに対してなされた観測を参照されたい)。
c) コヒーレンス検査期間(DMC)においてインジケータを連同して観測すると、この期間中のその一定の挙動のために、インジケータに与えられる信頼性を増すことができ、または反対に、たとえばインジケータがこの期間中の孤立した瞬間以外は定数値を有する場合には、それは過渡現象であると見なすことができる。
11.4) 重要でない信号のインジケータ(INS)の計算
このインジケータはデフォルトがフォールスであり、以下の条件のうちの1つが満たされるとトゥルーになる:
> 瞬時振幅(AIS)が、初期信号(SI)のサンプルの観測期間(DOB)において、あらかじめ定義された第1の限界(AS1)未満の平均値もしくはあらかじめ定義された第2の限界(AS2)未満の最小の瞬時値を有していること、
> または、他の観測されたインジケータが矛盾した挙動をしていること。
上記の点11.2および11.3は、2つの言及された場合におけるこのインジケータの計算について説明するものである。ほとんどの用途において、一般に、最大の振幅レベルは知られているか少なくとも予想されていることに留意されたい。実際には、最大振幅を調節する自動利得制御(CAG)が存在することがある。
11.5) 正弦波の振幅変調インジケータ(IAS)の計算
このインジケータは、瞬時振幅(AIS)の1次の時間微分(ADS)と瞬時振幅(AIS)の2次の時間微分が、どの程度直角位相であるかを示すものである。
本発明の枠組みの範囲内で、以下の条件が満たされると、2つの信号が直角位相であると明示されることになる:
Q1) それぞれの信号の極大値、極小値、およびゼロ通過が、1つの符号の極値(正の極大値または負の極小値)/ゼロ通過/他の符号の極値(負の極小値または正の極大値)/ゼロ通過/...といった繰返しの形式として示されること、
Q2) それぞれの信号のゼロ通過が、他方の極大値および極小値に対応すること。
目標は正弦波および余弦波と同等の信号を検知することであり、以下のことが知られている:
a) 同一の変数の正弦波および余弦波はこれらの特性を示していること、および
b) 正弦波の時間微分は余弦波であり、逆も成り立つこと。
これらの条件Q1およびQ2によって定義され得る4つのサブインジケータのそれぞれが、2つの信号の各々について、Q1の細目、条件Q1および条件Q2の細目を測定する。次いで、4つのサブインジケータを用いてグローバルなインジケータが構成され得る。
信号の一方が他方の時間微分であるとき、1サンプルの時間シフトを考慮に入れる必要がある。
11.6) 指数関数的な振幅変調インジケータ(IAE)の計算
このインジケータは、瞬時振幅(AIS)の対数の1次の時間微分(ADL)がどの程度一定であるかを示すものである。
上記の点11.2および11.3は、このインジケータの計算を説明するものである。
11.7) 振幅変調インジケータ(IPA)のピークの検知の計算
このインジケータは、瞬時振幅(AIS)の対数の2次の時間微分(AEL)が、時間的に制限された重要な振幅ピークをどの程度提示するかを示すものである。
孤立した振幅ピークの検知は周知の問題である。ここで、最後の4つまたは5つのサンプルの形状を調査して、ピークの有無を推論してよい。
観測されたピークの可能性のある周期性は、一般的には重要な情報を示す。
11.8) 周波数変調インジケータ(IFM)の計算
このインジケータは、それ自体が解析信号(SAA)の瞬時位相(PIS)の1次の時間微分である解析信号(SAA)の瞬時周波数(FIS)の1次の時間微分(FDS)が、どの程度一定であるかを示すものである。
上記の点11.2および11.3は、このインジケータの計算を説明するものである。
11.9) 信号の存在確率のインジケータ(IPS)の計算
このインジケータは、解析信号(SAA)の瞬時周波数(FIS)と、微分信号(SAD)の瞬時周波数(FID)との間の、瞬時周波数の差(FDD)が、どの程度ゼロから異なるかを示すものである。
上記の点11.2および11.3は、このインジケータの計算を説明するものである。
11.10) 一定振幅を伴う周波数変調のインジケータ(IMD)の計算
このインジケータは、解析信号(SAA)の瞬時位相(PIS)と、微分信号(SAD)の瞬時位相(PID)との間の差が、+PI/2または−PI/2に、どの程度知覚されるように等しいかを示すものである。
上記の点11.2および11.3は、このインジケータの計算を説明するものである。
11.11) 信号存在インジケータ(ISP)の計算
このインジケータは、重要でない信号のインジケータ(INS)がフォールスであるとき、以下のやり方で計算される:
4.1) 指数関数的な変調のインジケータ(IAE)が、指数関数的な振幅変調の存在を示す場合、信号存在インジケータ(ISP)がトゥルーになる、
4.2) 信号の存在確率のインジケータ(IPS)がゼロでない場合、信号存在インジケータ(ISP)がトゥルーになる、
4.3) 一定振幅を伴う周波数変調のインジケータ(IMD)がそのような変調を示す場合、信号存在インジケータ(ISP)がトゥルーになる、
4.4) そうでなければ、信号存在インジケータ(ISP)がフォールスになる。
このインジケータは、以前に定義されたインジケータに対して論理テストを適用することに由来するものである。
12) なされた観測および注目される結果
12.1) 行われた処理
観測は、(特に断らない限り)8,000Hzのサンプリング周波数を用いて以下の処理によって生成された情報に対して行われた:
TR1) ゼロ周波数(F0)への複素周波数変換、
TR2) 低域通過フィルタリングおよび係数10の時間的デシメーション、
TR3) 解析された周波数(FA)がサンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)である、ハニング窓を用いる長さ12のスライディングフーリエ変換(TFG)。
周波数スペクトルの50%に対する、ハニング窓を用いる長さ12のスライディングフーリエ変換(TFG)が、5dB未満の減衰を示し、これにより、出力として広帯域の信号を得る一方で、インジケータにおいて観測され得るノイズをかなり低減し得ることに留意されたい。
図10〜図15の最上部の点線曲線は、付加ノイズ(BRA)を表す。
12.2) 結果の提示
図10は、なされた観測を、対応する情報の名称の指示とともに表す様々な曲線を示すものである:
> 水平軸は時間軸である(図は一連の6,000サンプルの範囲内のサンプル番号に対応する)、
> 調査された信号は以下の曲線において表されている:
>> +150と+200の間にはノイズのない有効な信号(SU)が示されている、
>> +200には付加ノイズ(BRA)が示されている、
>> −100にはノイズのない有効な信号(SU)が再び示されている、
> 以下の曲線は、インジケータの計算を可能にするパラメータを説明するものである:
>> +140には、解析信号(SAA)の瞬時振幅(AIS)が、上向き三角形を伴う実線として示されている、
>> +120には、瞬時振幅(AIS)の1次の時間微分(ADS)が、マーカとしての円を伴う実線として示されている、
>> +120には、瞬時振幅(AIS)の2次の時間微分(AES)も、マーカなしの破線として示されている、
>> +95には、瞬時振幅(AIS)の対数(ALS)が、下向き三角形を伴う実線として示されている、
>> +50には、瞬時振幅(AIS)の対数(ALS)の1次の時間微分(ADL)が、マーカとしての正方形を伴う実線として示されている、
>> +50には、瞬時振幅(AIS)の対数(ALS)の2次の時間微分(AEL)も、マーカなしの点線として示されている、
>> 0には、解析信号(SAA)の瞬時周波数(FIS)が、マーカとしての菱形を伴う実線として示されている、
>> 0には、微分信号(SAD)の瞬時周波数(FID)も、マーカなしの破線として示されている、
>> 最後に、0には、解析信号(SAA)の瞬時周波数(FIS)の時間微分(FDS)が、点線として示されている、
>> −50には、瞬時振幅(AIS)の対数(ALS)の2次の時間微分(AES)が、マーカなしの点線として再び示されている、
>> −50には、次の2つのものの間の瞬時周波数の差(FDD)が、マーカとしての星形五角形を伴う実線として示されている:
− 解析信号(SAA)の瞬時周波数(FIS)、
− 微分信号(SAD)の瞬時周波数(FID)。
12.3) 線形≪チャープ≫タイプ信号に対する観測
図11は、一定振幅の、周波数において0から400Hzまで線形に変調された(線形チャープ)信号を用いてなされた観測を示す。以下の点が注目され得る。
CH1) 振幅ピーク(図の中央)の前後に非常に低振幅の2つの区域が存在する。それらの区域では、インジケータは、真実を表さない値を有している
CH2) 瞬時振幅(AIS)の対数の時間微分に対応するインジケータは、強い変化を示し、また構造を示し、一方、瞬時振幅(AIS)の時間微分に関するインジケータは、それほど強くない変化を示し、あまり構造化されていないことが注目される。これら2つのタイプの変化は、調査された信号が非常に低振幅であると見なされる場合以外は互換性がない。
CH3) 同様に、瞬時周波数の変化は、瞬時振幅(AIS)の対数の時間微分に関するインジケータの変化ほど強くなく、これは、解析信号(SAA)の瞬時周波数(FIS)および微分信号(SAD)の瞬時周波数(FID)が、それぞれほぼ一定であり続ける場合には、あまりありそうもないことである。
CH4) したがって、矛盾した挙動を伴うインジケータの例が得られ、それによって、他のインジケータが有効であるためには瞬時振幅(AIS)が十分でない確率が強化される。
CH5) 最後に、以下のことが観測される:
> 瞬時周波数インジケータは、インジケータが有効であるための十分な振幅を有している、信号の一部分において、実際上直線的に増加していること、
> 解析信号(SAA)の瞬時周波数(FIS)と微分信号(SAD)の瞬時周波数(FID)の差に対応する信号インジケータの存在の確率は、調査された信号がこのインジケータに対する例外のうちの1つ(一定振幅を伴う周波数変調)であり、信号の不在を確認するために他のインジケータを試験する必要があるため、予測されたように、信号の、可能性の高い不在を示すこと。
12.4) ボーカル信号に対する観測
図12〜図15は、図7に示された信号および図8に示された信号に対して本発明を用いてなされた観測を示す。以下の点が注目され得る。
VO1) (図12および図13)+120において、サンプル100のあたりに、30サンプルの期間の、弱い直角位相の2つのインジケータの例が見られる。これらの同じインジケータは、サンプル220のあたりでは直角位相にあることがより明らかである。
VO2) (図13)サンプル200とサンプル220の間には、音声の基本周波数を追跡するためのいくつかのインジケータの一致が見られる。正確さが絶対的なものではなく、また、205における音声信号の振幅ピークが他のピークほどうまく検知されていないことが注目される。
VO3) (図14)音声信号の不在が、関係している適用のタイプにおいてあまり信頼できない、わずかな寄生ピークしか示していない、信号存在インジケータによって、全体的にうまく検知されたことが理解される。
VO4) (図15)ノイズ(図の最上部の曲線を参照されたい)と同等の振幅を伴う信号が全体的に検知されたことが理解される。568における音声信号の振幅ピークは、まさにこの瞬間においてノイズと音声信号が逆位相であるため、検知するのが非常に困難であることに留意されたい。
VO5) すべてが、サンプル575と600の間の構造化信号の存在を示すのに寄与する、以下のいくつかのインジケータの間の一致も注目される:
> 直角位相の信号を検知する正弦波振幅変調インジケータ、
> 瞬時振幅(AIS)の対数の時間微分に関するインジケータ、
> 瞬時周波数インジケータ、
この例では、検知の不確かさが(特に、信号が検知され始める時点において)あまり優れていないであろうということが明確に理解される。
13) 音声信号の調査への適用
図7は、8,000Hzのサンプリング周波数(FE)を用いてデジタル化された音声信号の抽出である。
よく知られているように、信号の基本周波数の検知を困難にする複雑な構造が注目され、この基本周波数は≪ピッチ≫と呼ばれる。
それに比べて、図12〜図15の最上部および最下部に表された低域通過フィルタリングおよびサンプル抑制の後の音声信号は、時間の精度がより低いものではあるが、はるかに簡単である。音声の基本周波数の検知を適用するために重要な点は、音声信号の2つの表現(図7および図8)において、振幅変調のピークが効果的に存在していることである。
図12〜図15の最上部および最下部に表された音声信号の振幅ピークと比較していくぶん一定である位置にピークが対応するインジケータが、基本周波数をうまく追跡していることが観測できる。
参考文献9、Wikipediaの記事「Pitch Detection Algorithm」は、基本周波数のこの調査を実行するための既知の方法を総括している。参考文献10、Thomas F. Quatieri、「Discrete Time Speech Signal Processing」、Prentice Hall publisher、2002年、は、音声信号のデジタル処理の多くの態様を詳述している。
したがって、以下の要素を検知することにより、音声信号の基本周波数を検知することができる:
VA) 以下のインジケータのうち少なくとも1つの重要な振幅ピーク:
V1) 振幅変調ピークインジケータ(ITA)の検知、
V2) 信号の存在確率のインジケータ(IPS)、
V3) 周波数変調インジケータ(IFM)、
VB) 先の各インジケータの振幅ピークの出現の時間的一致。
このように、上記に示された本発明の要素は、初期信号(SI)における複数(NFA)の解析された周波数(FA)を用いて前記初期信号(SI)を処理する方法を説明するものであり、初期信号(SI)は、基本信号(SEL)の和によって構成された有効な信号(SU)から成り、物理的媒体の中を伝搬する波動を表し、これに対して付加ノイズ(BRA)が加算されることができ、
前記方法は、初期信号(SI)を一定のサンプリング周波数(FE)でサンプリングして得られた一連のサンプル(SE)に対して実行され、
前記方法は、初期信号(SI)から始めて、広帯域の単一成分タイプであって自動干渉が制限された複数(NFA)の解析信号(SAA)をもたらす周波数の選択的解析(ASF)ステップを含み、それぞれの解析信号(SAA)が、解析された周波数(FA)のうちの1つに対応し、前記ステップは以下のサブステップを含み:
− AS1) それぞれが低域通過または帯域通過の周波数フィルタリングと、対応するサンプル抑制とから成る、一連のアンダーサンプリング操作、
− AS2) 対応するサンプル抑制を伴わない、ゼロ以上の低域通過または帯域通過のフィルタリング操作、
− AS3) 解析された周波数(FA)を、瞬時振幅(AIS)を計算するように適合された動作周波数(FTA)ならびに解析信号(SAA)の瞬時位相(PIS)および瞬時周波数(FIS)を計算するように適合された動作周波数(FTP)にする少なくとも1つの複素周波数変換(TF)、
したがって、サブステップAS1)とAS2)を組み合わせた効果は、過渡期は別として、それぞれの解析信号(SAA)がせいぜい1つの支配的な振幅の基本信号(SEL)を包含し、支配的な振幅のこの基本信号(SEL)が、解析信号(SAA)のスペクトルの少なくとも30%を満たすということである。
この方法の一態様によれば、瞬時振幅(AIS)を計算するように適合された動作周波数(FTA)は、サンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)に等しいものである。
この方法の一態様によれば、解析信号(SAA)の瞬時位相(PIS)および瞬時周波数(FIS)を計算するように適合された動作周波数(FTP)は、ゼロ周波数(F0)またはサンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)のいずれかに等しいものである。
上記で示された本発明の要素は、初期信号(SI)における複数(NFA)の解析された周波数(FA)を用いて前記初期信号(SI)を解析するための方法も説明するものであり、初期信号(SI)は、物理的媒体の中を伝搬する波動を表し、基本信号(SEL)の和を含んでいる有効な信号(SU)を含み、初期信号(SI)には、存在パラメータおよび複数(NFA)の解析された周波数(FA)の各々の変調の説明をもたらすために付加ノイズ(BRA)が加算されることができ、
前記方法は、初期信号(SI)を一定のサンプリング周波数(FE)でサンプリングして得られた一連のサンプル(SE)に対して実施され、
前記方法は以下の一連のステップ:
1.1) 初期信号(SI)から始めて、広帯域の単一成分タイプであって自動干渉が制限された複数の解析信号(SAA)をもたし、それぞれの解析信号(SAA)が、解析された周波数(FA)のうちの1つに対応する、周波数の選択的解析(ASF)ステップ、
1.2) 複数(NFA)の解析信号(SAA)の各サンプル(EAA)に対する、解析信号(SAA)の、少なくとも以下の信号を含むパラメータの抽出(PAS)の複数(NFA)の操作(EXP):
a) 解析信号(SAA)の瞬時振幅(AIS)、
b) 解析信号(SAA)の瞬時位相(PIS)、
1.3) それぞれが、複数(NFA)の解析信号(SAA)の各サンプル(EAA)と、初期信号(SI)のサンプルの期間(DOB)に関する以下のインジケータとを求める、信号変調の推定(EMS)のための複数(NFA)の操作:
a) 重要でない信号のインジケータ(INS)であって、デフォルトがフォールスであり、瞬時振幅(AIS)が、初期信号(SI)のサンプルの観測期間(DOB)中の平均値があらかじめ定義された第1の限界(AS1)よりも小さい場合、もしくは瞬時値があらかじめ定義された第2の限界(AS2)よりも小さい場合、または他の観測されたインジケータが、矛盾した挙動と、他の以下のインジケータのうち少なくとも1つとを有する場合、のいずれかでトゥルーになるインジケータ、
b1) 瞬時振幅(AIS)の1次の時間微分(ADS)と瞬時振幅(AIS)の2次の時間微分がどの程度直角位相であるかを示す正弦波の振幅変調インジケータ(IAS)、
b2) 瞬時振幅(AIS)の対数の1次の時間微分(ADL)が、どの程度一定であるかを示す、指数関数的な振幅変調のインジケータ(IAE)、
b3) 瞬時振幅(AIS)の対数の2次の時間微分(AEL)が、どの程度、時間的に制限された大きなピークを有するかを示す、振幅変調インジケータ(IPA)のピークの検知、
b4) それ自体が解析信号(SAA)の瞬時位相(PIS)の1次の時間微分である、解析信号(SAA)の瞬時周波数(FIS)の1次の時間微分(FDS)が、どの程度一定であるかを示す、周波数変調インジケータ(IFM)、
を含む。
本発明の一態様によれば、周波数の選択的解析(ASF)のステップ1.1は以下のやり方:
− AS1) それぞれが低域通過または帯域通過の周波数フィルタリングと、対応するサンプル抑制とからなる、一連のアンダーサンプリング操作、
− AS2) ゼロ以上の低域通過または帯域通過の周波数フィルタリング操作、
− AS3) 解析された周波数(FA)を、瞬時振幅(AIS)を計算するように適合された動作周波数(FTA)ならびに解析信号(SAA)の瞬時位相(PIS)および瞬時周波数(FIS)を計算するように適合された動作周波数(FTP)にする少なくとも1つの複素周波数変換、
で実施され、
したがって、サブステップAS1)とAS2)を組み合わせた効果は、過渡期は別として、それぞれの解析信号(SAA)が、せいぜい1つの支配的な振幅の基本信号(SEL)を包含し、この支配的な振幅の基本信号(SEL)が、解析信号(SAA)のスペクトルの少なくとも30%を満たす。
この方法の一態様によれば、瞬時振幅(AIS)を計算するように適合された動作周波数(FTA)は、サンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)に等しい。
この方法の一態様によれば、解析信号(SAA)の瞬時位相(PIS)および瞬時周波数(FIS)を計算するように適合された動作周波数(FTP)は、ゼロ周波数(F0)またはサンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)のいずれかに等しい。
この方法の一態様によれば、複数(NFA)の解析信号(SAA)の各サンプル(EAA)に対する、解析信号(SAA)のパラメータ抽出(PAS)の操作(EXP)は以下の2つの信号をさらにもたらし、パラメータは少なくとも以下の信号:
c) 解析信号(SAA)の時間微分に等しい時間微分信号(SAD)の瞬時位相(PID)、
d) 時間微分信号(SAD)の前記瞬時位相(PID)の時間微分に等しい瞬時周波数(FID)、
を含み、
信号の変調の推定(EMS)のための操作は、他の2つの以下のインジケータ:
b5) 解析信号(SAA)の瞬時周波数(FIS)と微分信号(SAD)の瞬時周波数(FID)の間の、瞬時周波数の差(FDD)が、どの程度ゼロから異なるかを示す、信号の存在確率のインジケータ(IPS)、
b6) 解析信号(SAA)の瞬時位相(PIS)と微分信号(SAD)の瞬時位相(PID)の間の差が、+PI/2または−PI/2に、どの程度知覚されるように等しいかを示す、一定振幅を伴う周波数変調のインジケータ(IMD)、
のうち少なくとも1つを求める。
本発明の一態様によれば、重要でない信号のインジケータ(INS)がフォールスであるとき、信号存在インジケータ(ISP)は以下のやり方で計算される:
4.1) 指数関数的な変調のインジケータ(IAE)が、指数関数的な振幅変調の存在を示す場合、信号存在インジケータ(ISP)がトゥルーになり、
4.2) 信号の存在確率のインジケータ(IPS)がゼロでない場合、信号存在インジケータ(ISP)がトゥルーになり、
4.3) 一定振幅を伴う周波数変調のインジケータ(IMD)がそのような変調を示す場合、信号存在インジケータ(ISP)がトゥルーになり、
4.4) そうでなければ、信号存在インジケータ(ISP)がフォールスになる。
本発明の一態様によれば、初期信号(SI)の観測期間(DOB)のサンプルは、初期信号(SI)の約100〜200程度のサンプルである。
本発明の一態様によれば、周波数の選択的解析(ASF)のステップ1.1は、初期信号(SI)から始めて複数(NFA)の解析信号(SAA)をもたらすものであり、少なくとも以下のステップを含む:
11.1) それぞれの解析された周波数(FA)を動作周波数(FTR)にするように適合させた周波数変換操作(TFR)、
11.2) 中央周波数が動作周波数(FTR)に等しく、有効帯域幅(FBW)がサンプリング周波数(FE)の数分の1(FBP)に等しい帯域通過フィルタ(FPB)によって実行される、帯域通過の周波数フィルタリング操作(FFP)、
11.3) アンダーサンプリングされた信号(SAS)をもたらす帯域通過フィルタ(FPB)の有効帯域幅(FBW)によって満たされた、サンプリング周波数(FE)の数分の1(FBP)以下のアンダーサンプリング係数(IDN)を用いるアンダーサンプリング操作(DNS)。
本発明の一態様によれば、周波数の選択的解析(ASF)のステップ1.1は、初期信号(SI)から始めて複数(NFA)の解析信号(SAA)をもたらすものであり、各解析信号(SAA)について、以下のステップをさらに含む:
12.4) スライディングフーリエ変換(TFG)であって、アンダーサンプリングされた信号(SAS)のサンプルの数として表現されたその長さ(TFN)が、アンダーサンプリング操作(DNS)のアンダーサンプリング係数(IDN)の2倍以下であるスライディングフーリエ変換(TFG)。
本発明の一態様によれば、初期信号(SI)から始めて複数(NFA)の解析信号(SAA)をもたらす周波数の選択的解析(ASF)のステップ1.1は、請求項11の一連の操作11.1)、11.2)および11.3)の繰返しからなる。
本発明の一態様によれば、このステップは音声信号を処理するために使用され、以下の要素を検知することにより、信号の基本周波数(FFV)を検知することを可能にする:
> VA) 以下のインジケータのうち少なくとも1つの重要な振幅ピーク:
V1) 振幅変調インジケータ(ITA)のピークの検知、
V2) 信号の存在確率(IPS)のインジケータ、
V3) 周波数変調インジケータ(IFM)、
> VB) 以前のインジケータの振幅ピークの出現に関する時間一致。
本発明の一態様によれば、すべての操作は、複数(NFA)の解析された周波数からのすべての解析された周波数(FA)を連続的に処理するように適合された速度で遂行される。
上記に示された本発明の要素は、先の方法を実施する解析デバイスも説明するものである。
14) 文献の継続の提示
本文献の継続は、以下のことを連続的に提示する:
a) 上記に示された要素に関する説明、
b) 上記に示された要素の完成または改善を可能にするさらなる要素。
15)(説明)本発明の他の技術との比較
ここで、上記で説明されたように広帯域のスライディングフーリエ変換(≪TFG BL≫)と見なされ得る本発明が、以下の2つの他の技術と比較されることになる:
1/ 参考文献1の13.9節に説明されている、≪Zoom FFT≫として知られている技術、
2/ F4を中心とするスライディングフーリエ変換、すなわち≪TFG F4≫と呼ばれ得る、参考文献4に説明されている技術。
表1および表2は、この後、本発明と、2つの技術の各々との、実行される一連の操作を要約するも。
表1にはサブサンプリング操作までの操作が列記されており、表2には、それに続く操作が列記されている。
Figure 0006752813
本発明(≪TFG BL≫)および≪Zoom FFT≫は、サブサンプリング操作を含む。反対に、≪TFG F4≫はサブサンプリング操作を含まない。結果として、本発明(≪TFG BL≫)と≪TFG F4≫は、このように異なる方法である。
Figure 0006752813
ZoomFFT技術は、一般的原理として説明されていることに留意されるが、フーリエ変換または高速フーリエ変換(FFT)を与える信号前処理であるので、十分に規定されているわけではない。
後に続く3つの節は以下のことを説明する:
1/ 参考文献1で説明されているように一般的には当業者によって実行されるものなどのズームFFTタイプの処理に対する本発明の特別な特徴
2/ インジケータと本発明におけるその特殊性の間の対応の概念
3/ 本発明で注目される目覚ましい効果
16)(説明)本発明の特別な特徴
16.1) 広帯域の操作
本発明の特別な特徴は、次のことに関連する:
1/ 上記で検討された3つの技術の各々を用いて計算することが可能になる、インジケータの帯域幅および立上り時間の特性の重要な差。
下の表3の(≪特性≫)は、本発明と前述の2つの技術の各々の、これらの差を要約する:
2/ 古典的な≪Zoom FFT≫の枠組みの範囲内の、付加値をもたらさない操作である、本発明において実行されるアンダーサンプリング操作の後のスライディングフーリエ変換(TFG)。
この最後の点は、後の18)節の≪本発明の目覚ましい効果≫で扱われるので、この節では発展されない。
16.2) 広帯域の処理
本発明の重要な点は以下のことである:
> 最大振幅を2・Piの値へ正規化すると(こうしても一般性は失われない)、
> 信号の瞬時振幅(AIS)から始めて計算されたインジケータの変遷と、この同一の信号の瞬時周波数(FIS)から始めて計算されたインジケータの変遷とは、これらのインジケータの可能な値と変化速度の両方が比較可能であるので、直接比較可能である。
下の表3に列記された振幅および周波数の特性は、上記で調査された3つの技術の各々の仕様または仕様の欠如に由来するものである。
Figure 0006752813
実際は以下の通りである:
1/ 瞬時振幅(AIS)は0と2・Piの間で変化することができ、一般的には最大値の0〜60%の間の値を有する。
2/ 上記で、周波数フィルタと見なされる、ハニング窓を用いる長さ12のスライディングフーリエ変換(TFG)の有効な期間(DUF)は約8サンプルであり、すなわち、ゼロとは著しく異なる瞬時振幅(AIS)と、この振幅の最大値の間の立上り時間は約4サンプルであることが理解されている。
3/ 瞬時周波数(FIS)は、図17と同一の単位で表現されたとき、−Piと+Piの間で変化することができ、構成によって、この変化の期間の少なくとも30%を満たす。したがって、スペクトルの約15%の瞬時周波数(FIS)の変化が可能であり、しかも実際に観測されている。
直接比較のこの特性は、文献では考慮されていない。この特性は、上記で見られたように、広帯域の動作によってのみ得られ得るものである。
結果として、本発明の先の説明では、広帯域の単一成分タイプの解析信号(SAA)の最も重要な点は、広帯域であること、すなわち広帯域解析信号(SAL)であるという事実である。
これらの信号の自動干渉が制限されているという事実は、機械的に以下の2つの要素に由来するものである:
1/ これらの信号が広帯域であること(これはステップ(AS1)のアンダーサンプリング操作によって可能になる)、
2/ 対応するサンプルの抑制を伴わない低域通過または帯域通過の周波数フィルタリング操作(ステップ(AS2))が、サンプル数で表現された期間が非常に短いフィルタ(たとえば、有利には、以前に言及されたようにそのようなハニング窓を用いる長さ12のスライディングフーリエ変換(TFG))を用いて実行されるという事実。
これらの信号が単一成分であるという事実は、解析された周波数(FA)と、解析された周波数(FA)のあたりの帯域幅を、処理の連続したステップからもたらされるように選択することによって得られ得るものである。
以下では、広帯域の単一成分タイプの解析信号(SAA)を生成するために、広帯域解析信号(SAL)の生成が前述の手段を用いて実行されるものと想定する。
本発明により、以下のような異なる性質のインジケータ間の直接比較が可能になり、したがって、異なる性質のインジケータ間の一致測定が可能になることが理解される:
1/ 瞬時振幅(AIS)の情報に対する処理に由来するインジケータ、
2/ 瞬時位相(PIS)または瞬時周波数(FIS)の情報に対する処理に由来するインジケータ。
結果として、本発明の枠組みの範囲内で、可能な値および変化率に関して直接比較可能なインジケータ(INC)を論じることができる。
17) (説明)インジケータ間の一致の概念
17.1) 一致の概念および広帯域幅の処理とのリンク
インジケータ間の一致の概念は、様々なインジケータの、所与の時点または所与の時点の近隣、一般的には所与の瞬時のあたりを中心とする±2〜5サンプルの近隣において比較された値または比較された時間変遷の、時間一致である。
これは、時間一致が約±1サンプルの精度で計算され得ると想定しており、それには次のことが必要である:
1/ 広帯域幅の処理(上記の≪本発明の特殊性≫を参照されたい)、
2/ 適合されたアンダーサンプリング係数(IDN)の使用。
3)節の≪広帯域の単一成分タイプの解析信号(SAA)および制限された自動干渉≫は、アンダーサンプリングのいくつかの効果を説明している。ここで、信号理論(たとえば参考文献1を参照されたい)に従って、アンダーサンプリング操作(DNS)における以下のことが、最初に注目されよう:
> アンダーサンプリング係数(IDN)(すなわちアンダーサンプリングの後に残ったサンプルの数とサンプルの初期の数の間の比)は、
> サンプル抑制操作に先行する帯域通過フィルタ(FPB)の有効帯域幅(FBW)によって満たされたスペクトルの部分以下でなければならない。
本発明の枠組みの範囲内で最適な広帯域処理を得るために、本文献の残りの部分では、アンダーサンプリング係数(IDN)が、サンプル抑制操作に先行する帯域通過フィルタ(FPB)の有効帯域幅(FBW)によって満たされたスペクトルの部分に等しい場合を扱うことにする(たとえば、10サンプルのうち1サンプルしか維持しなければ、サンプル抑制操作に先行する帯域通過フィルタ(FPB)の有効帯域幅(FBW)は、スペクトル幅の1/10になる)。
先の条件では、インジケータのそれぞれのサンプルが重要と考えられ得る。
本発明は他の状況に適合可能であるが、ここでは説明されない。
結果として、この状況では、サンプルの観測期間(DOB)を、広帯域解析信号のサンプルの数として規定するほうが有利であり得る。上記のように1/10のアンダーサンプリング係数(IDN)を用いると、初期信号(SI)の約100〜200サンプルの期間は、広帯域解析信号(SAL)の10〜20サンプルの期間に等価である。本文献の残りではそのような期間を使用する。そうでなければ、観測または計算は、サンプルのこの観測期間(DOB)の範囲内で、広帯域解析信号(SAL)の5〜7サンプルの時間窓を用いて行われ得る。
17.2) 一致に関係し得る要素
一致に関係し得る要素には以下のものがある:
Co1) (任意のインジケータについて)最大、最小、ゼロ通過または(1つ、2つまたは3つの連続したサンプルにおいて測定された)高速の遷移など、重要なイベント(EVS)の出現の瞬間、
Co2) (値の間で数学的関係が見いだされたかまたは観測されたインジケータについて)所与の時点に比較された値(VCI)、
Co3) (任意のインジケータについて)インジケータの変化曲線の5〜7サンプルの一般的な期間において比較された変遷(ECO)。
この最後のCo3)の場合、2つ以上のインジケータ間のこの一致を確立するために重要な点は以下の通りである:
1/ 第1に、局部的に所与の時点のあたりにおける、これらのインジケータの曲線の形状間の(正または負の)強い相関であり、各サンプルは重要なものと考えられているサブサンプリングの後に得られること、
2/ 第2に、連続した時点において、これらのインジケータ間の相関が常に(正または負の)同じ向きであるという事実。
高い時間精度で1つもしくは2つ程度のサンプルで識別され得るイベントの近くのインジケータ曲線の比較された変遷が主として興味深いであろう。
所与の時点において所与の相関が正または負であるという事実は、先験的に、特別な意味はない。
所与の時間におけるインジケータの遷移が重要であるという事実は、有利には、先行する5〜15サンプルである比較期間(DCO)における平均値およびその平均変化に対して評価することである。
18)(説明)本発明を用いて観測された目覚ましい効果
6つの目覚ましい効果がある。4つの効果は、本発明を実施することによって得られたインジケータに関するものである:
1/ 高レベルのノイズの中の信号の有無を判定するために、信号の瞬時振幅(AIS)の対数(ALS)の2次の時間微分として計算されたインジケータ(AEL)の妥当性、
2/ 高レベルのノイズの中の信号の有無を判定するために、解析信号(SAA)の瞬時周波数(FIS)の1次の時間微分として計算された、それ自体が解析信号(SAA)瞬時位相(PIS)の1次の時間微分であるインジケータ(FDS)の妥当性、
3/ 高レベルのノイズの中の信号の有無を判定するために、解析信号(SAA)の瞬時周波数(FIS)と、微分信号(SAD)の瞬時周波数(FID)の間の、瞬時周波数の差として計算されたインジケータ(FDD)の妥当性、
4/ これら3つのインジケータの間の非常に優れた一致(実際には外見上の重ね合せ)。
図12〜図15には信号およびインジケータが図10と同一の配置で示されており、様々なインジケータは、同一のボーカル信号の解析された周波数(FA)と、サンプル40〜400(図12〜図14)および510〜640(図15)とに対して計算されたものである。
実際に以下のことが留意される:
1/ 信号が存在するとき(サンプル40〜260および570〜600)、まさしく異なるアルゴリズムを用いて計算されたこれら3つのインジケータが、局部的に非常に有意な正または負の時間的相関関係を示すこと、
2/ 信号が存在しないとき、これらのインジケータは、いずれもゼロにとどまるか、またはしばしば(たとえばサンプル295、338、366、542のあたりに、それほどよくない時間的相関関係を有すること。
注記:サンプル564〜576は、ノイズ(+200における点線)と信号(+180における連続曲線)が、この期間において逆位相であって互いに打ち消しあうので、避けられない特定の場合である。したがって、いかなる計算方法を使用しても、信号を検知するのは非常に困難である。
繰返しになるが、まさしく異なる方法を用いて計算されたこれらのインジケータの各々が、準周期的インパルスまたは類似の遷移を用いて周期信号の存在を示し、孤立した位置にしか現れないそのようなインパルスによってノイズの存在を示すことに留意されたい。
第5の効果は、サブサンプリング操作(12.1節のステップTR3)の後に実行される、ハニング窓を用いる長さ12のスライディングフーリエ変換に関するものである。
図16は、ハニング窓を用いる長さ12のスライディングフーリエ変換(TFG)を周波数フィルタと見なした振幅応答(曲線)および位相応答(直線)を示す。
さらに、そのようなフィルタのインパルス応答を試験すると(後に示される図18を参照されたい)、その公称の期間が12サンプルであれば、インパルス応答の振幅ピークを中心とする7〜9サンプルのみが有効な振幅を有するので、その有効期間(DUF)は約8サンプルであると観測される(それぞれ最大振幅の約10%または25%であり、振幅によって測定された最大のエネルギーの1%または6.25%に対応する)。
実際に以下のことが観測される:
1/ 振幅減衰が周波数スペクトルの約50%(0〜1に広がる周波数スペクトルについては0.25〜0.75)において弱いので、周波数応答(図16を参照されたい)は弱い効果を示すこと、
2/ そのような周波数応答は、他のチャネルと著しく異なる振動数成分を有するこのスライディングフーリエ変換(TFG)の周波数チャネルの数が、スライディングフーリエ変換の長さよりも非常に小さい(長さ12に対して意味深長に異なる1〜3の周波数チャネル)という点で、スライディングフーリエ変換(TFG)に関して普通ではないこと、
3/ 関心があるのは、異なる情報を有する多数の周波数チャネルを出力として得ることであるため、そのような応答曲線はズームFFTタイプの処理においてほとんど役に立たないこと。
したがって、そのようなハニング窓を用いる長さ12のスライディングフーリエ変換(TFG)は、異常であるうえに、先験的に魅力的のない結果のためにリソースを消費するものである。
しかしながら、そのようなハニング窓を用いるスライディングフーリエ変換(TFG)を使用すると、レクタンギュラ窓を用いるスライディングフーリエ変換(TFG)を使用するのと比較して、本発明のノイズに対する排除性が非常に有効なやり方で向上し、したがって、本発明に関して以下のものが観測される:
> ノイズ排除性のための重要な要素、
> ≪Zoom FFT≫タイプの古典的処理に対する差別化の有効な要素。
最後の第6の効果は、本文献の最後に考察する。実際に、22節〜24節は、大きな付加ノイズがない状態とある状態における、振幅変調された正弦曲線の、および線形に周波数変調された一定振幅の正弦曲線の、処理後に測定されたインジケータ、ならびに、いかなる他の信号もない純粋なノイズの、処理後の同一のインジケータを説明するものである。
次いで、
> 瞬時振幅情報から計算されたインジケータと、
> いくつかの瞬時周波数インジケータと、
の間の時間的相関関係の程度が出現することになり、検知可能な信号の存在および信号対雑音比の推定のインジケータをもたらすことになる。
19) (説明)本発明の処理方法の再編成
先の要素を考慮して、できる限り一般的であるように努め、また、あらゆる複素周波数変換(TFR)が可逆的操作であってしたがって信号の情報内容が変化しないことに注目して、本発明による処理方法は、以下のやり方で再編成され得る。
基本信号(SEL)の和を含んでいる有効な信号(SU)を含む初期信号(SI)を、前記初期信号(SI)の中の複数(NFA)の解析された周波数(FA)を用いて処理する方法であって、初期信号(SI)は、物理的媒体の中を伝搬する波動を表し、付加ノイズ(BRA)を加算されることができ、
前記方法は、初期信号(SI)を一定のサンプリング周波数(FE)でサンプリングして得られた一連のサンプル(SE)に対して実施され、
前記方法は、初期信号(SI)から始めて複数(NFA)の広帯域解析信号(SAL)をもたらし、それぞれの広帯域解析信号(SAL)が、解析された周波数(FA)のうちの1つに対応する周波数の選択的解析(ASF)ステップを含み、前記ステップが以下のサブステップ:
− AS1) それぞれが低域通過または帯域通過の周波数フィルタリングと、対応するサンプル抑制とを含む、一連のアンダーサンプリング操作、
− AS2) 対応するサンプル抑制を伴わない、少なくとも1つの低域通過または帯域通過の周波数フィルタリング操作、
− AS3) 解析された周波数を、瞬時振幅を計算するように構成された第1の動作周波数(FTA)と、解析信号の瞬時位相および瞬時周波数を計算するように構成された第2の動作周波数(FTP)とにする、ゼロ以上の複素周波数変換操作、
を含む方法。
その上、ステップAS2)の周波数フィルタリング操作は、サンプルの数として表現された有効期間(DUF)が12以下であって有利には8に等しく、その帯域幅が、ステップAS1)の出力信号のスペクトルの少なくとも30%を満たす周波数フィルタを用いて実施されるのが特に有利である。
多くの場合、むしろ一般的な、実際的な状況において、特に簡単な以下の処理が非常に有利であり得る:
− AS10) それぞれが、ゼロ周波数(F0)のあたりの周波数の低域通過の周波数フィルタリングまたはサンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)のあたりの帯域通過の周波数フィルタリングと、対応するサンプル抑制とからなる一連のアンダーサンプリング操作、
− AS20) 少なくとも1つの、ゼロ周波数(F0)のあたりの低域通過の周波数フィルタリング操作またはサンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)のあたりの帯域通過の周波数フィルタリング操作であって、サンプルの数として表現されたその有効期間(DUF)が12以下であり、有利には8に等しく、その帯域幅がステップAS1)の出力信号のスペクトルの少なくとも30%を満たす周波数フィルタを用いて実施される周波数フィルタリング操作において、対応するサンプル抑制を伴わない周波数フィルタリング操作、
− AS30) 解析された周波数を、解析信号の瞬時振幅、瞬時位相および瞬時周波数を計算するように適合された、サンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)にするゼロ以上の複素周波数変換。
最後に、やはり有利には、先のステップAS20)は、次のAS200)のやり方で、サンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)のあたりで実施されることができ、また、ステップAS30)は、この場合、複素周波数変換が不要であり得る:
AS200) サンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)を中心とする帯域通過の周波数フィルタリング操作であって、サンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)を中心とする周波数チャネルに限定された、ハニング窓を用いる長さ12のスライディングフーリエ変換(TFG)によって実施され、対応するサンプル抑制を伴わない周波数フィルタリング操作(このスライディングフーリエ変換(TFG)の周波数応答については図16を参照されたい)。
したがって、AS10)およびAS200)のたった2つのステップを使用する方法を用いて本発明を実施することができ、計算の容易さの点では有利である。この場合、以下のことにも留意されたい:
1/ 複素周波数変換の後に、必要に応じて、信号の中央周波数をゼロ周波数(F0)にするために、ゼロ周波数(F0)のあたりのサブサンプリング操作(周波数フィルタリング+サンプル抑制)を遂行するのは、計算の容易さの点では普通のことであって有利であること、
2/ ゼロ周波数(F0)からサンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)への変換は、0、+1または−1以外の数による乗算を必要としないので、有効な複素変換周波数(TFR)を意味しない。したがって、この方法は、この実装形態において唯一の有効な複素変換周波数(TFR)を示唆し、これら2つの周波数は、実際上、周波数フィルタリング操作に関して等価なものと見なされ得ること。
しかしながら、周波数変換とサブサンプリング操作の組合せには、それぞれが特定の状況において有利であり得る様々なやり方が多数存在する。参考文献1は、この目的を達成するためのいくつかの方法を説明するものである。
20) (説明)信号の時間微分を使用することの制約および利点
20.1) 時間微分の特性および実施
図17(連続曲線)は、1次の時間差分(時点Nのサンプル値から時点N−1のサンプル値を引いたもの)である数値フィルタの振幅応答(曲線)および位相応答(直線)を示すものであって、縦座標が対数目盛であり、横座標が線形目盛(+Piと−Piの間で変化する正規化された周波数)である。
このフィルタは、微分フィルタの、可能で簡単な実装形態である。複素信号については、このフィルタは、X成分とY成分に対して独立して適用される。
垂直の点線はサンプリング周波数の4分の1に等しい周波数F4を表し、水平の点線は振幅における1の利得およびゼロの位相遅れを表す。
以下のことが注目される:
1/ 位相応答は線形であること、
2/ フィルタはゼロ周波数においてゼロを有すること、
3/ フィルタは、サンプリング周波数の4分の1に等しい周波数F4の近くでは、振幅においてほぼ線形であること。
したがって、微分される信号は、ゼロ周波数(F0)に近い周波数をできるだけ包含しないことが必要である。たとえば、サンプリング周波数の4分の1に等しい周波数F4(図17における0.5)を中心とする帯域幅を有する信号に対するこの簡単な微分器の応答は、周波数0.3から周波数0.7まで及ぶ帯域幅(すなわち可能なスペクトルの40%)を有し得、線形位相になるはずであり、かなり線形なモードで変化する振幅利得を有するはずであることが注目される。
20.2) 時間微分の利用
したがって、本発明により、以下の2つの処理に由来する瞬時振幅(AIS)のインジケータ、瞬時位相(PIS)のインジケータまたは瞬時周波数(FIS)のインジケータの間の直接比較が可能になり、したがって、以前に定義された一致測定が可能になる:
1/ 広帯域解析信号(SAL)に対して実行された処理、
2/ この広帯域解析信号(SAL)の時間微分信号(SAD)に対して実行された処理。
注記:参考文献1(7.1.1節≪簡単な微分器≫は、1次の差分フィルタの群遅延が1/2サンプルであることを示している。この遅延は、たとえば広帯域解析信号(SAL)の瞬時振幅、瞬時位相または瞬時周波数と、この広帯域解析信号(SAL)の時間微分信号(SAD)の瞬時振幅、瞬時位相または瞬時周波数との間の差を計算するとき、特に考慮に入れる必要がある。
21) (追加)信号の時間積分の利用およびその特性
21.1) 時間積分の定義および実施形態
信号とその時間微分を比較すると、信号の、詳細には大きなノイズを加算された正弦波信号の、検知および解析に関する情報およびインジケータをもたらすことが以前に理解されている。詳細には、信号とその時間微分の間の位相差(信号とその時間微分の比の位相に相当する)が詳細に考察された。
信号とその時間積分を比較すると、同じ分野に関する他の情報およびインジケータがもたらされる。
時間微分演算子が第1の差分演算子(信号の、時点Nにおける値と時点N−1における値の間の差、差の計算は、複素信号のX成分およびY成分に対して独立して実行される、によって実施されたのと同様に、時間積分演算子は、信号の、時点0とNの間の蓄積された和によって実施され、和の計算は、複素信号のX成分およびY成分に対して独立して実行される。
これら2つの演算子(差分演算子および蓄積された和の演算子)は、互いに逆の演算子であり、2つのうちの一方を適用してから他方を適用すると初期の信号に戻ることが注目される。
21.2) 時間積分の特性
周波数フィルタと考えられる蓄積された和の特性は、図17の破線の曲線(曲線は振幅応答であり、直線は位相応答である)によって示されている。フィルタの特性は、詳細には差分フィルタの特性の反対であることが観測される。
蓄積された和の演算子が、以下の特性を有していることが特に注目される:
> サンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)において、振幅利得が差分演算子の振幅利得に類似していること、
> ゼロ周波数(F0)において利得が無限である(極)こと。
結果として、蓄積された和の演算子は、ゼロ周波数(F0)においていかなる周波数成分も示さない信号、すなわちDC成分がない信号に対して作用する必要があり、サンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)を中心とする信号に対して作用するのが特に有利であることが判明している。
蓄積された和の演算子の関心事は、そのインパルス応答を試験するとき、また、いかなるDC成分もない信号のステップに対するその応答を主として試験するとき、一層よく理解されよう。
21.3) インパルス応答
図18は、本発明の出力における応答、すなわち、アンダーサンプリング操作の出力における、時間微分または時間積分のフィルタを使用する前のインパルスに対して、アンダーサンプリング操作の出力に配置されている(ここではハニング窓を用いる長さ12の)スライディングフーリエ変換(TFG)の出力における応答を示すものであり、以下の通りである:
1/ 最上部の(ゼロから始まる)曲線は、サンプル750から始まるインパルス(アンダーサンプリング操作の出力としての値)に続く、広帯域解析信号(SAL)の瞬時振幅(AIS)の変遷を示す、
2/ 下の(−2から始まる)3つの曲線は、それぞれ以下の通りである:
2.a/ マーカとしての三角形を伴う中央の曲線は、ゼロから始まる曲線(広帯域解析信号(SAL)の瞬時振幅(AIS))と同一のものである、
2.b/ マーカとしての正方形を伴う上の方の曲線は、広帯域解析信号(SAL)の時間微分信号(SAD)の瞬時振幅(AID)の曲線である、
2.c/ マーカとしての円を伴う下の方の曲線は、広帯域解析信号(SAL)の時間積分信号(SAP)の瞬時振幅(AIP)の曲線である。
以下の点が注目される:
1/ ゼロから始まる曲線は、ハニング窓を用いる長さ12のスライディングフーリエ変換(TFG)のためのフィルタの有効な期間(DUF)を計算することを可能にする値を示すこと、
2/ −2から始まる3つの曲線は、同一の全体的な形状を有し、期間は類似しているが、広帯域解析信号(SAL)の瞬時振幅(AIS)の曲線に対して±1だけずれていること。
結果として、本発明を構成する方法の入力としてのインパルスに対して、以下の信号の応答は質的に同一である:
> 広帯域解析信号(SAL)、
> 広帯域解析信号(SAL)の時間微分信号(SAD)、
> 広帯域解析信号(SAL)の時間積分信号(SAP)。
21.4) ステップ応答
図19は、(図18と同じレイアウトに、中央の曲線を追加して)本発明の出力における応答、すなわち、アンダーサンプリング操作の出力における、時間微分または時間積分のフィルタを使用する前のステップに対して、アンダーサンプリング操作の出力に配置されている(ここではハニング窓を用いる長さ12の)スライディングフーリエ変換(TFG)の出力における応答を示すものであり、以下のとおりである:
1/ 最上部の(ゼロから始まる)曲線は、サンプル900において始まってサンプル950において終結するステップ(アンダーサンプリング操作の出力としての値)に続く、広帯域解析信号(SAL)の瞬時振幅(AIS)の変遷を示す、
2/ 下の(−2から始まる)3つの曲線は、それぞれ以下のとおりである:
2.a/ マーカとしての三角形を伴う中央の曲線は、ゼロから始まる曲線(広帯域解析信号(SAL)の瞬時振幅(AIS))と同一のものである、
2.b/ マーカとしての正方形を伴う上の方の曲線は、広帯域解析信号(SAL)の時間微分信号(SAD)の瞬時振幅(AID)の曲線である、
2.c/ マーカとしての円を伴う下の方の曲線は、広帯域解析信号(SAL)の時間積分信号(SAP)の瞬時振幅(AIP)の曲線である。
−0.75から始まる曲線は、その特別な形状を強調するために、広帯域解析信号(SAL)の時間積分信号(SAP)の瞬時振幅(AIP)の曲線をコピーしたものである。
注記:これらの応答を得るために使用した信号および処理の直感的な説明は、以下のとおりである:
a) サブサンプリング操作の出力から始まり、時間微分または時間積分のフィルタを使用する前に、ゼロ振幅のDC成分(したがってゼロ周波数(F0)を有する)、次いで一定振幅、次いで再びゼロ振幅となる、
b) ゼロ周波数(F0)を、サンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)にするために複素周波数変換を適用する、
c) 次いで、サンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)を中心とする周波数チャネルに限定されたスライディングフーリエ変換(TFG)を適用する。
本発明を構成する方法の入力の初期信号(SI)としてパルスまたはステップを使用すると、得られるインパルス応答は、非常に類似した形状および非常に類似した期間を有するものになり、得られるステップ応答は、非常に類似した期間を有し、最初と最後にやはり2つのピークがあって、最初のピークまたは最後のピークよりも大きい振幅のプラトーを伴う。
以下の点が注目される:
1/ 広帯域解析信号(SAL)の瞬時振幅(AIS)の曲線および広帯域解析信号(SAL)の時間微分信号(SAD)の瞬時振幅(AID)の曲線は、ステップの最初のインパルスとステップの最後のインパルスとに対応する2つのピークを示す、
2/ 広帯域解析信号(SAL)の時間積分信号(SAP)の瞬時振幅(AIP)の曲線は、以下のように、特別な、質的に異なる形状を有する:
2.1/ ハニング窓を用いる長さ12の(12サンプルの呼び長さの)スライディングフーリエ変換(TFG)のインパルス応答の期間の範囲内では、応答は上方に向かうステップおよび振動を示す、
2.2/ ハニング窓を用いる長さ12のスライディングフーリエ変換(TFG)のインパルス応答の期間の外部ではあるがステップの期間の内部(サンプル910〜950)では、広帯域解析信号(SAL)の時間積分信号(SAP)の瞬時振幅(AIP)が、一定ではあるがゼロとは異なる値を有している(プラトーが存在する)。
21.5) 時間積分の利用
結果として、本発明を構成する方法の入力としてのステップに対して、振幅が、ステップの最初と最後において2つの通常のピークを示し、ステップの内部でゼロになるので、以下の信号の応答は質的に同一である:
> 広帯域解析信号(SAL)、
> 広帯域解析信号(SAL)の時間微分信号(SAD)。
それと反対に、広帯域解析信号(SAL)の時間積分信号(SAP)の応答は質的に異なるものであって、上記2つの特別な特徴2.1/および2.2/を示し、これは新規のインジケータを開発するのに役立つはずである。
このように、本発明によって、以下の1/と2/の間の比較が可能になり、したがって、これらの一致測定が可能になることが理解される:
1/ 広帯域解析信号(SAL)に対して実行された処理からもたらされる瞬時振幅(AIS)、瞬時位相(PIS)または瞬時周波数(FIS)のインジケータ、
2/ この広帯域解析信号(SAL)の時間積分(SAP)に対して実行された処理からもたらされる瞬時振幅(AIS)、瞬時位相(PIS)または瞬時周波数(FIS)のインジケータ。
注記:図17は、1次の差の周波数応答曲線と蓄積された和の周波数応答曲線とが、互いに逆であることを示している。結果として、蓄積された和のデジタルフィルタは、1次の差の数値フィルタのものに対して反対の符号である、1/2サンプルの群遅延を有する。この遅延も、たとえば広帯域解析信号(SAL)の瞬時振幅、瞬時位相または瞬時周波数と、この広帯域解析信号(SAL)の時間積分信号(SAP)の瞬時振幅、瞬時位相または瞬時周波数との間の差を計算するとき、特に考慮に入れる必要がある。
21.6) 時間積分演算子の特別な特徴
時間積分演算子は、その原理において、時間微分演算子に対して以下のような重要な相違を示す:
> 時間微分演算子を用いると、以前に見られたように、一般的な場合において、信号とその時間微分の間の明瞭な数学的関係を得ることができる、
> 時間積分演算子を用いると、一般的な場合において、信号とその時間微分の間の明瞭な数学的関係を得ることができない。
蓄積された和による時間積分演算子の実装形態は、1次の差による時間微分の実装形態に対して、以下のような重要な質の相違も示す:
> 1次の差は有限の応答時間を有するフィルタであり、非常に短い記憶装置を有する、
> 蓄積された和は可能性として無限の応答時間を有するフィルタであり、かなりの期間の記憶装置を有する。したがって、振動するタイプの挙動が可能である。
22) (説明および補足)本発明による、振幅変調された正弦曲線の処理
22.1) 有効な信号(SU)
初期信号(SI)の有効な信号(SU)は、以下の1/および2/から成る:
1/ サンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)の1/10の、搬送周波数(FPO)と呼ばれる周波数(後の説明を参照されたい)であって、一定振幅1の正弦曲線、
2/ 以下の信号を掛けられた(振幅変調操作)、振幅変調信号(SMA)と呼ばれるもの:
(1+(直線ランプ)×(正弦曲線)
ここで、
> 直線ランプは、最初はゼロであって最後は1になる、
> 振幅変調周波数(FMA)と呼ばれる正弦曲線は、サンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)の1/35に等しい一定周波数である。
対応する一連のサンプル(SE)は、8,000Hzのサンプリング周波数(FE)でサンプリングされた6,000サンプルからなる。
図21は以下のものを示す:
> (上の方の曲線)係数10によるサブサンプリングの後の信号(その後、信号は600サンプルからなる)、
> (下の方の曲線)広帯域解析信号(SAL)の瞬時振幅(AIS)。
この瞬時振幅(AIS)には以下の2つの成分が見られる:
1/ 搬送周波数(FPO)を表す一定振幅の成分、
2/ 先の成分に対して加減される可変成分であって、振幅変調信号(SMA)を表し、この場合は、増加する振幅を有する正弦曲線。
22.2) 付加ノイズ(BRA)
加算される、または加算されない付加ノイズ(BRA)は、乱数発生器を用いて得られ、周波数がサンプリング周波数(FE)の半分の10%と90%に制限されており、ピーク値が64以下になるように正規化されている。
本発明によって、有効な信号(SU)のみの処理を試験し、次いで有効な信号(SU)と付加ノイズ(BRA)の和の処理を試験することになる。
22.3) 信号対雑音比(SNR)
初期信号(SI)において、有効な信号(SU)は±2の限度の間で変化し、付加ノイズは、±64の間で変化し、すなわち32の信号対雑音比(SNR)であり、すなわち2であり、すなわち30dBである。
しかしながら、図21に示されるように、信号の最初では、有効な信号(SU)は±1の間で変化し、これは信号対雑音比(SNR)が32であること、すなわち36dBであることを意味し、この値は周波数搬送波(FPO)の信号対雑音比(SNR)に相当するものである。振幅変調信号(SMA)については、この振幅変調(SMA)が信号の始まりにおいて非常に弱いので、信号対雑音比(SNR)はより悪いものになる。この振幅変調信号(SMA)が、信号の始まりにおいて搬送周波数(FPO)よりも8倍弱いと見なされる場合、振幅変調信号(SMA)に対する信号対雑音比(SNR)は、36dB+18dB=54dBである。
22.4) 観測された情報
図22は広帯域解析信号に関する観測情報を示すものであり、横座標が線形時間目盛であって縦座標が線形目盛である。情報は、以下のO1/〜O8/のすべてである:
O1/ ゼロ周波数(F0)で実行されたサブサンプリング操作の後の有効な信号(SU)、
O2/ 瞬時振幅(AIS)、
O3/ 以下の3つの瞬時周波数:
O31/ 円形のマーカを伴う、信号の時間積分の瞬時周波数(FIP)、
O32/ 三角形のマーカを伴う、信号の瞬時周波数(FIS)、
O33/ 正方形のマーカを伴う、信号の時間微分の瞬時周波数(FID)、
O4/ 瞬時位相の、以下の2つの差:
O41/ 信号の時間微分の瞬時位相(PID)と、信号の瞬時位相(PIS)の間の、瞬時位相の差(PIC)、
O42/ 信号の時間積分の瞬時位相(PIP)と、信号の瞬時位相(PIS)の間の、瞬時位相の差(PIQ)、
O5/ 以下の3つの瞬時振幅:
O51/ 円形のマーカを伴う、広帯域解析信号(SAL)の時間積分(SAP)の瞬時振幅(AIP)、
O52/ 三角形のマーカを伴う、広帯域解析信号(SAL)の瞬時振幅(AIS)、
O53/ 正方形のマーカを伴う、広帯域解析信号(SAL)の時間微分(SAD)の瞬時振幅(AID)、
O6/ 以下の3つの瞬時振幅に関する2つの比:
O61/ 正方形のマーカを伴う、信号の時間微分の瞬時振幅(AID)と、信号の瞬時振幅(AIS)の間の比(QAD)、
O62/ 円形のマーカを伴う、信号の瞬時振幅(AIS)と、信号の時間積分の瞬時振幅(AIP)の間の比(QAP)、
O7/ O61/およびO62/において定義された2つの振幅比の比(QQA)。
O8/ この振幅比の比(QQA)の時間微分(QQD)。
注記:信号の瞬時振幅と、信号の時間微分の瞬時振幅と、信号の時間積分の瞬時振幅との間の比較は、比の形で上記に示されている。瞬時位相または瞬時周波数の間の比較が、差によってなされたのと同一のやり方で、これらの瞬時振幅の対数の差の形式の下に、数学的に等価なやり方で、これらの比較がなされ得ることに注目することが重要である。
22.5) ノイズがない状態で観測された結果
図23および図25は、それぞれ信号の最後および信号の最初において、付加ノイズなしで前述の有効な信号(SU)を用いてなされた観測を示す(図23〜図26のサンプル番号は対応している)。
以下のことが特に注目される:
RA1/ 垂直の点線によって強調された、インジケータ間の非常に優れた一致、
RA2/ 振幅変調が強いとき(図23)と、それほど重要でない振幅変調が弱いとき(図25)との、観測の間の非常に著しい変化、
RA3/ 円形のマーカを伴う、信号の時間積分(FIP)の瞬時周波数(FIP)の、高さが増加するインパルス、
RA4/ 2つの振幅比の比(QQA)の時間微分(QQD)の、高さが増加するインパルス(最上部から始まる最後の曲線)、
RA5/ 2つの振幅比の比(QQA)の時間微分(QQD)が示すインパルスの高さが、信号の時間積分の瞬時周波数(FIP)と並行して変化するという事実、
RA6/ 3つの瞬時振幅曲線の同一の形状、
RA7/ 瞬時位相の差の小さい変化(対応する瞬時周波数の差は、ゼロまたは非常に弱いものである)。
注記:瞬時周波数、詳細には信号(FIP)の時間の原始関数の瞬時周波数(FIP)の曲線において観測されたピークは、2つの周波数を含む瞬時周波数の観測の代表的なものである(特に参考文献13、10.6節および10.7節を参照されたい)。
22.6) ノイズがある状態で観測された結果
図24は、前述の有効な信号(SU)と付加ノイズとを用いて行われた、この大きな付加ノイズ(図20を参照されたい)がもたらす変更が小さい場合の観測を示すものである(観測されたサンプルは図23のものと同一であって強い振幅変調に対応するものであり、図21を参照されたい)。
以下のことが特に注目される:
RAB1/ 垂直の点線によって明示された、インジケータ間のそれほどよくない(実際の)一致
RAB2/ インジケータ(垂、直の点線)と振幅変調信号(SMA)の有効な周波数の間のかなりよい一致、
RAB3/ 広帯域解析信号(SAL)の時間積分(SAP)の瞬時振幅(AIP)の曲線が、振幅変調信号(SMA)(最下部の曲線)のものと異なる周波数を伴う変調を示すこと、
RAB4/ 2つの他の瞬時振幅曲線は、新規の変調なしの、ノイズのないバージョンの少し歪んだバージョンであること。
RAB5/ 瞬時位相の2つの差の間の変化に差があり(時間積分を含むものは変化が大きく、含まないものは変化が小さいままである)、瞬時周波数の対応する差に関して、同一の注釈がなされ得ること。
図25は、前述の有効な信号(SU)と付加ノイズとを用いて行われた、この大きな付加ノイズ(図20を参照されたい)が重大な変更をもたらす場合の観測を示すものである(観測されたサンプルは図23のものと同一ではなく、小さい振幅変調に対応するものであり、図21を参照されたい)。
以下のことが特に注目される:
RAB3/ 垂直の点線によって明示された、インジケータ間のそれほどよくない一致、
RAB4/ 垂直の点線によって明示された、インジケータ間のそれほどよくない(検知可能であるが正確ではない)一致、
RAB5/ インジケータ(垂直の点線)と振幅変調信号(SMA)の有効な周波数の間のそれほどよくない一致、
RAB6/ 広帯域解析信号(SAL)の時間積分(SAP)の瞬時振幅(AIP)の曲線が、振幅変調信号(SMA)(最下部の曲線)のものと異なる周波数を伴う変調を示すこと、
RAB7/ 2つの他の瞬時振幅曲線は、新規の変調なしの、ノイズのないバージョンの顕著に歪んだバージョンであること(RAB4/を参照されたい)、
RAB8/ 瞬時位相の2つの差の間の変化に差があり(時間積分を含むものは変化が大きく、含まないものは変化が小さいままである)、瞬時周波数の対応する差に関して、同一の注釈がなされ得ること(RAB5/を参照されたい)。
23) (追加)本発明による、線形に周波数変調された正弦曲線(線形チャープ)の処理
23.1) 有効な信号(SU)
有効な信号(SU)は、6,000サンプルの一定振幅の正弦曲線であり、その周波数は0Hzから240Hzまで直線的に変化する。
23.2) 付加ノイズ(BRA)
付加ノイズ(BRA)は、上記の正弦波信号に関するものと同一である。
23.3) 信号対雑音比(SNR)
信号対雑音比(SNR)は、信号周波数の変遷の結果として変化し、信号周波数は、当初は周波数フィルタの遮断周波数未満であり、次いで同等になり、次いで周波数フィルタの遮断周波数よりも高くなる。
したがって、信号対雑音比(SNR)は、信号の最初と最後(瞬時振幅が小さいか、または非常に小さいとき)において非常に悪く、次いで、信号の中間の少し後に(瞬時振幅が最大のとき)、それほど悪くはなくなる。
23.4) 観測された情報
観測された情報は、前出の信号に関するものと同じであり、図22に表示されている。
23.5) ノイズがない状態で観測された結果
図27は、付加ノイズなしで、前述の有効な信号(SU)を用いてなされた観測の概要を示すものである。
以下のことが特に注目される:
RC1/ 3つの瞬時周波数インジケータの間の非常によい一致、これらの曲線は平行であること、
RC2/ 振幅比(QQA)のインジケータの曲線の挙動は、3つの瞬時周波数インジケータ曲線に対して平行であるが、このインジケータはもっぱら瞬時振幅情報から計算されるものであること、
RC3/ 3つの瞬時振幅インジケータの曲線は、形状は類似しているが、それらの間に時間遅延があること、
RC4/ 2つの瞬時位相の差の非常に小さい変化(対応する瞬時周波数の差は、ゼロまたは非常に小さいものである)こと。
23.6) ノイズがある状態で観測された結果
図28および図29は、前述の有効な信号(SU)を用いて、信号の最初と最後において大きい(図20を参照されたい)付加ノイズを用いてなされた観測を示すものである(図27、図28および図29におけるサンプル番号は対応している)。
以下のことが特に注目される:
RCB1/ 信号の最初において以下のいくつかのインジケータの変化が強く、このとき信号対雑音比(SNR)が特に悪いこと:
> 瞬時周波数インジケータ、
> 位相差インジケータ、
> 振幅比の比(QQA)およびその時間微分(QQD)のインジケータ、
RCB2/ 信号の中間に向かって、これら同一のインジケータの変化が低下し(このとき、信号対雑音比(SNR)はそれほど悪くはなく)、次いで、信号の最後に向かって、これら同一のインジケータの変化が増加する(このとき、信号対雑音比(SNR)が再び悪くなる)こと、
RCB3/ (たとえば5つの連続したサンプルの窓においてピーク値を測定することにより)各時点において、これら同一のインジケータのピーク値が非常に類似していること、
RCB4/ 瞬時振幅信号の変化は、信号の中央において、最初または最後よりもより大きいこと、
RCB5/ 広帯域解析信号(SAL)の時間積分(SAP)の瞬時振幅(AIP)の曲線(最下部の曲線)は、いかなる明白な理由もなく、変調を示すこと、
RCB6/ 振幅比の比(QQA)およびその時間微分(QQD)の曲線は、いかなる明白な理由もなく、同一の変調を示すこと。
24)(追加)純粋なノイズ信号の処理
24.1) 有効な信号(SU)
有効な信号(SU)は存在しない。
24.2) 付加ノイズ(BRA)
付加ノイズ(BRA)は、上記の正弦波信号に関するものと同一である。
24.3) 信号対雑音比(SNR)
有効な信号(SU)がないので、信号対雑音比(SNR)は無限大である。
24.4) 観測された情報
観測された情報は、前出の信号に関するものと同じであり、図22に表示されている。
24.5) 観測された結果
図30は、なされた観測を示す。
以下のことが特に注目される:
RB1/ 広帯域解析信号(SAL)の信号時間積分(SAP)の瞬時周波数(FIP)の強い変化は、振動タイプの挙動であること、
RB2/ 広帯域解析信号(SAL)の信号時間微分(SAD)の瞬時周波数(FID)および広帯域解析信号(SAL)の瞬時周波数(FIS)の変化は小さいこと、
RB3/ 信号の時間積分の瞬時位相(PIP)と、信号の瞬時位相(PIS)の間の、瞬時位相の差(PIQ)の変化が強いこと、
RB4/ 信号の時間微分の瞬時位相(PID)と、信号の瞬時位相(PIS)の間の、瞬時位相の差(PIC)の変化が小さいこと、
RB5/ 以下のインジケータの変遷の間の時間的一致が悪いこと:
> 広帯域解析信号(SAL)の信号の時間積分(SAP)の瞬時周波数(FIP)、
> 振幅比の比(QQA)およびその時間微分(QQD)、
RB6/ 広帯域解析信号(SAL)の信号の時間積分(SAP)の瞬時振幅(AIP)の曲線(最下部の曲線)は、明白な理由のない変調を示すが、2つの他の瞬時振幅曲線はそのような変調を示さないこと、
RB7/ 2つの瞬時振幅曲線の小さい値および小さい変化は、明白な理由のない変調は示さないこと。
25) (説明および追加)本発明の枠組みの範囲内で可能になる新規のインジケータおよびそれらの計算
25.1) 時間積分の情報の利用
上記の3つの例では、ノイズがある状態で、広帯域解析信号(SAL)の信号時間積分(SAP)の瞬時振幅、瞬時位相および瞬時周波数が観測された。
したがって以下の3つのインジケータを定義することができる:
b5) 広帯域解析信号(SAL)の信号時間積分(SAP)の瞬時振幅(AIP)として計算された第1のノイズインジケータ(IBA)であって、重大なノイズがある状態で高速振動を示す第1のノイズインジケータ(IBA)、
b6) 広帯域解析信号(SAL)の信号時間積分(SAP)の瞬時位相(PIP)として計算された第2のノイズインジケータ(IBP)であって、重大なノイズがある状態で高速振動を示す第2のノイズインジケータ(IBP)、
b7) 広帯域解析信号(SAL)の信号時間積分(SAP)の瞬時周波数(FIP)として計算された第3のノイズインジケータ(IBP)であって、重大なノイズがある状態で高速振動を示す第3のノイズインジケータ(IBP)。
上記の例において、これらの振動の周波数は、パラメータを抽出するための動作周波数に使用されてきた、サンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)に近いものである。他の動作周波数を使用する場合、適合は可能である。
25.1) 他の情報を有する時間積分情報の利用
上記の3つの例では、時間積分信号からの瞬時情報を、広帯域解析信号(SAL)および/またはその時間微分の瞬時情報と比較することによって、より正確なインジケータを得ることができることも注目され得る。実際、信号の存在および信号対雑音比の推定の、以下の3つのインジケータを定義することができる。
b8) 信号の存在および信号対雑音比の推定の第1のインジケータ(ISP)であって、広帯域解析信号(SAL)のサンプルの観測期間(DOB)中の、広帯域解析信号(SAL)の信号時間積分(SAP)の瞬時位相(PIP)と、この信号の瞬時位相(PIS)の間の、瞬時位相の差の分散に等しい第1のインジケータ(ISP)。
b9) 信号の存在および信号対雑音比の推定の第2のインジケータ(ISF)であって、広帯域解析信号(SAL)のサンプルの観測期間(DOB)中の、広帯域解析信号(SAL)の信号時間積分(SAP)の瞬時周波数(FIP)と、この信号の瞬時周波数(FIS)の間の、瞬時位相の差の分散に等しい第2のインジケータ(ISF)。
これら2つのインジケータは位相または周波数の情報しか使用せず、第2のインジケータは実際には第1のインジケータの結果である。
第3のインジケータは、以下のような意外なやり方で、瞬時振幅情報と瞬時周波数情報とを、同時に比較し、かつ使用するものである:
b.10) 以下の振幅比の比(QQA)として計算された信号の存在および信号対雑音比の推定の第3のインジケータ(ISA):
> 信号の時間微分の瞬時振幅(AID)と、この信号の瞬時振幅(AIS)の間の比(QAD)、
> 信号の瞬時振幅(AIS)と、この信号の時間積分の瞬時振幅(AIP)の間の比(QAP)、
そして、以下のb.10.a)とb.10.b)の2つの信号との時間的相関関係の程度が:
b.10.a) 広帯域解析信号(SAL)の信号時間積分(SAP)の瞬時周波数(FIP)、
b.10.b) 以下の2つの信号のうちの1つ:
> 広帯域解析信号(SAL)の瞬時周波数(FIS)、
> 広帯域解析信号(SAL)の信号時間微分(SAD)の瞬時周波数(FID)、
その、以下のb.10.1)〜b.10.3)の特徴によって、広帯域解析信号(SAL)の検知可能な信号および信号対雑音比(SNR)の存在の指示をもたらす:
b.10.1) 検知可能な信号がないとき、振幅比の比(QQA)は、上記b.10.a)またはb.10.b)で言及された瞬時周波数信号のうちいかなるものにも関連づけられない、
b.10.2) 検知可能な信号があって重大なノイズがないとき、振幅比の比(QQA)は、上記b.10.a)またはb.10.b)で言及された前記3つの瞬時周波数信号に関連づけられる、
b.10.3) 検知可能な信号と重大なノイズとがあるとき、振幅比の比(QQA)は、上記b.10.a)で言及された広帯域解析信号(SAL)の信号時間積分(SAP)の瞬時周波数(FIP)に関連づけられるが、上記b.10.b)で言及された2つの他の瞬時周波数信号には関連づけられない
26) (追加)いくつかの次元への一般化
複数(NDI)の次元を有する多次元の初期信号(SIM)が、少なくとも1つが次元1を有する複数(NSD)の基本信号(SLM)へ分解され得るとき、本発明の方法の目的は、次元1の少なくとも1つの基本の信号(SLM)の各々に適合する。
例:XとYまたは極(原点からの距離および軸に対する角度)へのデカルトの分解を伴う画像
この場合、複数(NDI)の次元を有する多次元の初期信号(SIM)を、少なくとも1つが次元1を有する複数(NSD)の基本信号(SLM)へ分解することからもたらされる、次元1の少なくとも1つの基本の信号(SLM)の各々に対して、先の形態のうちの1つによる方法が適用される。

Claims (18)

  1. 基本信号(SEL)の和を含んでいる有効な信号(SU)を含む初期信号(SI)を、前記初期信号(SI)の中の複数(NFA)の解析された周波数(FA)を使用して解析する方法であって、前記初期信号(SI)が、物理的媒体の中を伝搬する波動を表し、前記複数(NFA)の前記解析された周波数(FA)の各々の存在および変調の説明を示すパラメータをもたらすために付加ノイズ(BRA)を加算されることができ、
    前記方法は、初期信号(SI)を一定のサンプリング周波数(FE)でサンプリングして得られた一連のサンプル(SE)に対して実施され、
    前記方法は、以下の一連のステップ:
    1.1) 前記初期信号(SI)から始めて複数の広帯域解析信号(SAL)をもたらす、周波数の選択的解析(ASF)ステップであって、それぞれの広帯域解析信号(SAL)が、前記解析された周波数(FA)のうちの1つに対応する、周波数の選択的解析(ASF)ステップ、
    1.2) 前記複数(NFA)の広帯域解析信号(SAL)の各サンプル(EAA)に対する、前記広帯域解析信号(SAL)の、少なくとも以下の信号を含むパラメータの抽出(PAS)の複数(NFA)の操作(EXP):
    a) 前記広帯域解析信号(SAL)の瞬時振幅(AIS)、
    b) 前記広帯域解析信号(SAL)の瞬時位相(PIS)、
    1.3) それぞれが、前記複数(NFA)の広帯域解析信号(SAL)の各サンプル(EAA)と、広帯域解析信号(SAL)の所定数のサンプルの観測期間(DOB)に関する以下のインジケータとを求める、前記信号の前記変調の推定(EMS)のための複数(NFA)の操作:
    a) 重要でない信号のインジケータ(INS)であって、デフォルトがフォールスであり、以下の3つの条件のうち少なくとも1つが満たされるとトゥルーになるインジケータ:
    a.1) 前記広帯域解析信号(SAL)の前記所定数のサンプルの前記観測期間(DOB)中に、前記広帯域解析信号(SAL)の前記瞬時振幅(AIS)が、あらかじめ定義された第1の限界(AS1)よりも小さい平均値であるか、またはあらかじめ定義された第2の限界(AS2)よりも小さい瞬時値である場合、
    a.2) 可能な値と変化の速度の両方に関して直接比較可能な少なくとも3つの観測されたインジケータ(INC)が、最大、最小または高速の遷移イベントを含む重要なイベントの出現に関して時間的一致の不良を示す場合、
    a.3) 少なくとも、有効な信号の存在および信号対雑音比推定のインジケータ(IPX)が、信号の不在またはあまりにも重大なノイズを示す場合、
    b) 可能な値と変化の速度の両方に関して直接比較可能な、以下のic.1)およびic.2)である少なくとも2つの他のインジケータ(INC):
    ic.1) 瞬時振幅情報に由来する前記直接比較可能なインジケータ(INC)のうち 少なくとも1つ、
    ic.2) 瞬時位相または瞬時周波数の情報に由来する前記直接比較可能なインジケー タ(INC)のうち少なくとも1つ、
    を含む方法。
  2. 前記複数(NFA)の広帯域解析信号(SAL)の各サンプル(EAA)に対するパラメータの抽出(PAS)の操作(EXP)が、以下の6つの信号:
    c) 広帯域解析信号(SAL)の時間微分に等しい微分信号(SAD)の瞬時位相(PID)、
    d) 前記微分信号(SAD)の前記瞬時位相(PID)の時間微分に等しい微分信号の瞬時周波数(FID)、
    e) 広帯域解析信号(SAL)の信号時間積分(SAP)の瞬時位相(PIP)、
    f) 前記時間積分信号(SAP)の前記瞬時位相(PIP)の時間微分である瞬時周波数(FIP)、
    g) 前記微分信号(SAD)の瞬時振幅(AID)、
    h) 前記時間積分信号(SAP)の瞬時振幅(AIP)、
    のうち少なくとも2つをさらにもたらす請求項に記載の方法。
  3. c.3) 前記直接比較可能なインジケータ(INC)のうち少なくとも1つが、前記広帯域解析信号(SAL)の前記時間微分信号(SAD)または前記時間積分信号(SAP)からの情報からなる、
    求項に記載の方法。
  4. c.4) 前記直接比較可能なインジケータ(INC)のうち少なくとも1つは、前記広帯域解析信号(SAL)の情報に由来するものである、
    ic.5) 前記直接比較可能なインジケータ(INC)のうち少なくとも1つは、前記広帯域解析信号(SAL)の時間微分(SAD)の情報に由来するものである、
    ic.6) 前記直接比較可能なインジケータ(INC)のうち少なくとも1つは、前記広帯域解析信号(SAL)の時間積分(SAP)の情報に由来するものである、
    求項からのいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記直接比較可能なインジケータ(INC)が、以下のインジケータ:
    b1) 瞬時振幅(AIS)の1次の時間微分(ADS)と瞬時振幅(AIS)の2次の時間微分がどの程度直角位相であるかを示す正弦波の振幅変調インジケータ(IAS)、
    b2) 前記瞬時振幅(AIS)の対数の1次の時間微分(ADL)が、どの程度一定 であるかを示す、指数関数的な振幅変調インジケータ(IAE)、
    b3) 前記広帯域解析信号(SAL)の前記瞬時振幅(AIS)の前記対数の2次の時間微分(AEL)が、どの程度、時間的に制限された大きなピークを有するかを示す、振幅変調インジケータ(IPA)のピークの検知、
    b4) それ自体が前記広帯域解析信号(SAL)の前記瞬時位相(PIS)の前記1次の時間微分である、前記広帯域解析信号(SAL)の前記瞬時周波数(FIS)の前記1次の時間微分(FDS)が、どの程度一定であるかを示す、周波数変調インジケータ(IFM)、
    b5) 前記広帯域解析信号(SAL)の時間積分(SAP)の瞬時振幅(AIP)として計算された第1のノイズインジケータ(IBA)であって、重大なノイズがあるときには高速の振動を示す第1のノイズインジケータ(IBA)、
    b6) 前記広帯域解析信号(SAL)の時間積分(SAP)の瞬時位相(PIP)として計算された第2のノイズインジケータ(IBP)であって、重大なノイズがあるときには高速の振動を示す第2のノイズインジケータ(IBP)、
    b7) 前記広帯域解析信号(SAL)の時間積分(SAP)の瞬時周波数(FIP)として計算された第3のノイズインジケータ(IBF)であって、重大なノイズがあるときには高速の振動を示す第3のノイズインジケータ(IBF)、
    のうち少なくとも1つを含む請求項からのいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記有効な信号の存在および信号対雑音比(SNR)の推定のインジケータ(IPX)が、以下のb8)〜b.10)のインジケータ:
    b8) 信号の存在および信号対雑音比推定の第1のインジケータ(ISP)であって、前記広帯域解析信号(SAL)の前記所定数のサンプルの前記観測期間(DOB)中の、前記広帯域解析信号の時間積分の瞬時位相(PIP)と前記広帯域解析信号の瞬時位相(PIS)の間の瞬時位相(PIQ)の差の分散に等しい第1のインジケータ(ISP)、
    b9) 信号の存在および信号対雑音比推定の第2のインジケータ(ISF)であって、前記広帯域解析信号(SAL)の前記所定数のサンプルの前記観測期間(DOB)中の、前記広帯域解析信号の時間積分の瞬時周波数(FIP)と前記広帯域解析信号の瞬時周波数(FIS)の間の瞬時周波数の差の分散に等しい第2のインジケータ(ISF)、
    b.10) 以下の振幅比の比(QQA):
    > 前記信号の時間微分(SAD)の瞬時振幅(AID)および前記瞬時振幅(AIS)の比(QAD)、
    > 前記信号の時間積分(SAP)の瞬時振幅(AIおよび前記瞬時振幅(AIS)の比(QAP)、
    として計算された信号の存在および信号対雑音比推定の第3のインジケータ(ISA)であって、
    以下のb.10.a)とb.10.b)の2つの信号:
    b.10.a) 前記広帯域解析信号(SAL)の時間積分信号(SAP)の瞬時周波数(FIP)、
    b.10.b) 以下の2つの信号のうち1つ:
    > 広帯域解析信号(SAL)の前記瞬時周波数(FIS)、
    前記広帯域解析信号(SAL)の時間微分(SAD)の瞬時周波数(FID)、
    との時間的相関関係の程度が、その以下の特性:
    b.10.1) 検知可能な信号がないとき、前記振幅比の比(QQA)は、b.10.a)またはb.10.b)で以前に言及された前記瞬時周波数信号のうちいかなるものにも関連づけられない、
    b.10.2) 検知可能な信号があって重大なノイズがないとき、前記振幅比の比(QQA)は、b.10.a)またはb.10.b)で以前に言及された前記3つの瞬時周波数信号に関連づけられる、
    b.10.3) 検知可能な信号と、重大なノイズとがあるとき、前記振幅比の比(QQA)は、b.10.a)またはb.10.b)で以前に言及された他の2つの瞬時周波数信号ではなく、前記広帯域解析信号(SAL)の時間積分(SAP)の瞬時周波数(FIP)に関連づけられる、
    によって、広帯域解析信号(SAL)の検知可能な信号の存在および信号対雑音比(SNR)の指示をもたらす第3のインジケータ(ISA)、
    のうち少なくとも1つを含む請求項または2に記載の方法。
  7. 11.1) 2つの重要なイベント間の時間一致が、対応するインジケータを計算するための期間の可能性のあるシステム的な差を考慮に入れることなく、2つのイベントの出現を分離するサンプルの数として測定され、
    11.2) 0または1つのサンプルの一致であれば優良と見なされ、2つのサンプルの一致であれば平均と見なされ、2つを上回るサンプルの一致は不良と見なされ、
    11.3) 前記一致が2つよりも多くのインジケータに関連するとき、一致インジケータ(ICO)が、5つから7つの連続したサンプルの窓の中で識別された重要なイベントから計算されることになる、請求項からのいずれか一項に記載の方法。
  8. 周波数の選択的解析(ASF)のステップ1.1が以下のやり方:
    − AS1) それぞれが低域通過または帯域通過の周波数フィルタリングと、対応するサンプル抑制とからなる、一連のアンダーサンプリング操作、
    − AS2) 対応するサンプル抑制を伴わない、少なくとも1つの低域通過または帯域通過の周波数フィルタリング操作、
    − AS3) 前記解析された周波数を、瞬時振幅を計算するように構成された第1の動作周波数(FTA)と、解析信号の瞬時位相および瞬時周波数を計算するように構成された第2の動作周波数(FTP)とにする、ゼロ以上の複素周波数変換、
    で実施される請求項からのいずれか一項に記載の方法。
  9. ステップAS2)およびAS3)が、以下のAS21)およびAS31)のステップ:
    − AS21) ゼロ以上の低域通過または帯域通過の周波数フィルタリング操作、
    − AS31) 解析された周波数を、瞬時振幅を計算するように構成された動作周波数と、解析信号の瞬時位相および瞬時周波数を計算するように構成された動作周波数とに する、少なくとも1つの複素周波数変換、
    である請求項に記載の方法。
  10. ステップAS1)、AS2)、およびAS3)(またはAS11)、AS21およびAS31)が、それぞれ以下のAS10)、AS20)およびAS30)のステップ:
    − AS10) それぞれが、ゼロ周波数(F0)のあたりの周波数の低域通過の周波数フィルタリングまたはサンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)のあたりの帯域通過の周波数フィルタリングと、対応するサンプル抑制とからなる一連のアンダーサンプリング操作、
    − AS20) 少なくとも1つの、ゼロ周波数(F0)のあたりの低域通過の周波数フィルタリング操作またはサンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)のあたりの帯域通過の周波数フィルタリング操作であって、サンプルの数として表現されたその有効期間(DUF)が12以下であり、有利には8に等しく、その帯域幅がステップAS1)の出力信号のスペクトルの少なくとも30%を満たす周波数フィルタを用いて実施される周波数フィルタリング操作において、対応するサンプル抑制を伴わない周波数フィルタリング操作、
    − AS30) 前記解析された周波数を、前記解析信号の前記瞬時振幅、前記瞬時位相および前記瞬時周波数を計算するように適合された、前記サンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい周波数(F4)にするゼロ以上の複素周波数変換、
    よって実施される請求項またはに記載の方法。
  11. ステップAS20)が、次のAS200)のステップ:
    AS200) 前記サンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい前記周波数(F4)を中心とする帯域通過の周波数フィルタリング操作であって、前記サンプリング周波数(FE)の4分の1に等しい前記周波数(F4)を中心とする周波数チャネルに限定された、ハニング窓を用いる長さ12のスライディングフーリエ変換によって実施され、対応するサンプル抑制を伴わない周波数フィルタリング操作、
    によって実施される請求項10に記載の方法。
  12. 前記広帯域解析信号(SAL)の前記所定数のサンプルの観測期間(DOB)が、前記広帯域解析信号(SAL)の約10〜20サンプルである請求項1から1のいずれか一項に記載の方 法。
  13. 音声信号を処理するために使用され、以下の要素:
    > VA) 以下のインジケータ:
    V1) 振幅変調インジケータ(ITA)のピークの検知、
    V2) 信号の存在確率(IPS)のインジケータ、
    V3) 周波数変調インジケータ(IFM)、
    のうち少なくとも1つの重要な振幅ピーク、
    > VB) 以前のインジケータの振幅ピークの出現に関する時間一致、
    を検知することによって前記信号の基本周波数(FFV)を検知することを可能にする請求項1から1のいずれか一項に記載の方法。
  14. 複数の次元(NDI)を有する多次元の初期信号(SIM)を分解してもたらされた次元1の少なくとも1つの基本信号(SLM)の各々に適用されて、複数(NSD)の、少なくとも次元1が得られる基本信号(SLM)にする請求項1から1のいずれか一項に記載の方法。
  15. すべての操作が、前記複数(NFA)の解析された周波数からのすべての解析された周波数(FA)を連続的に処理するように適合された速度で遂行される請求項1から1のいずれか一項に記載の方法。
  16. 一定のサンプリング周波数(FE)でサンプリングされた、ノイズがかなり大きい可能性のある初期信号(SI)を解析して、前記初期信号(SI)の中の複数(NFA)の解析された周波数(FA)を検知するデバイスであって、物理的媒体の中を伝搬する波動を表す初期信号(SI)を受け取って、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法を実施するように適合されたコンピューティングプラットフォーム(PC)を備えるデバイス。
  17. 前記波動から前記初期信号(SI)を生成するセンサをさらに備える請求項16に記載のデバイス。
  18. 前記プラットフォーム(PC)が固定小数点計算に適合されている請求項16または17に記載のデバイス。
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