JP6752527B2 - 電動スライドドアのモータ制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両のスライドドアの開閉動作の駆動源であるモータを制御する制御装置に関する。
ワンボックスタイプやミニバンタイプの車両には、後部サイドドアに前後方向のスライドにより開閉するスライドドアが採用されており、オプションまたはグレードによっては標準で、そのスライドドアをモータの駆動力により開閉する機能、いわゆる電動スライドドア(パワースライドドア)が装備されている。
スライドドアの駆動機構の一例では、モータが減速機および電磁クラッチを介してプーリ(ドラム)に接続されており、モータの駆動力によりプーリが回転されて、スライドドアに接続されているワイヤ(ケーブル)がプーリに巻取/操出されることにより、スライドドアが開方向および閉方向にスライドする。この駆動機構では、電磁クラッチの通電を制御することにより、スライドドアの移動速度を調節することができ、また、スライドドアの停止状態を維持することができる。電磁クラッチによりモータとプーリとを切り離せば、ドアを手動で開閉操作することが可能となる。
かかる構成から電磁クラッチを廃止することにより、駆動機構のコストの低減を図ることができる。ただし、そのクラッチレスの駆動機構では、モータの通電制御により、スライドドアの移動速度を調節しなければならない。また、モータとプーリ(スライドドア)とが常に接続されているので、スライドドアを手動で開閉操作可能にするためには、モータのフリクションおよび減速機の減速比を低減せざるを得ない。そのため、スライドドアが開閉途中で停止した状態を保持するためには、モータに制動電流を供給して、モータを制動させる必要がある。
特開平10−266691号公報
ところが、モータに供給される制動電流が大きいと、スライドドアが開閉途中で停止した状態を長時間保持する場合に、消費電力が大きくなり、バッテリ上がりが生じやすく、モータの経年劣化を助長するおそれがある。
本発明の目的は、スライドドアが開閉途中で停止した状態を保持する場合に、その保持状態でモータに供給される電流の低減を図ることができる、電動スライドドアのモータ制御装置を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る電動スライドドアの制御装置は、車両のスライドドアの開閉動作の駆動源であるモータを制御する制御装置であって、モータの回転速度の目標値を0に設定して、モータの回転速度が0に一致するようフィードバック制御するフィードバック制御手段と、モータの回転速度が0に保持される範囲内で、モータに供給される電流を低減させる電流低減手段とを含む。
この構成によれば、モータの回転速度の目標値を0に設定して、モータの回転速度をその目標値、つまり0に一致させるフィードバック制御を行うことにより、スライドドアを停止した状態に保持することができる。そして、モータの回転速度が0に保持される範囲内において、モータに供給される電流を低減させることにより、スライドドアが停止した状態を保持しつつ、その保持状態でモータに供給される電流の低減を図ることができる。その結果、モータへの低電流の供給で、スライドドアを停止状態に安定して保持することができる。
本発明によれば、スライドドアが開閉途中で停止した状態を保持する場合に、その保持状態でモータに供給される電流の低減を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る電動スライドドア制御装置が搭載される車両の右側面図である。 スライドドアの開閉動作の制御に関する電気的構成を示すブロック図である。 スライドドアの開閉動作中に実行されるドア一時保持処理の流れを示すフローチャート(その1)である。 ドア一時保持処理の流れを示すフローチャート(その2)である。 ドア一時保持処理の流れを示すフローチャート(その3)である。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<車両の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る電動スライドドア制御装置が搭載される車両1の右側面図である。
車両1は、たとえば、ミニバンタイプの自動車である。図1には、車両1の右側面のみが示されているが、車両1の左右の両側面には、フロントドア開口2およびリヤドア開口3が形成されており、そのフロントドア開口2およびリヤドア開口3をそれぞれ開閉するヒンジドア4およびスライドドア5が設けられている。
ヒンジドア4は、その前端部に配置されたヒンジを支点とする揺動により、フロントドア開口2を開閉する。スライドドア5は、図1に二点鎖線と実線とで示されるように、前後方向のスライドにより、リヤドア開口3を開閉する。ヒンジドア4の外表面には、ヒンジドア4を開閉するために操作されるアウトドアハンドル6が設けられている。また、スライドドア5の外表面には、スライドドア5を開閉するために操作されるアウトドアハンドル7が設けられている。
なお、図示されないが、ヒンジドア4およびスライドドア5の車室内側の面にも、それぞれヒンジドア4およびスライドドア5を開閉するために操作されるドアハンドル(インドアハンドル)が設けられている。以下の説明において、スライドドア5のアウトドアハンドル7とインドアハンドルとを区別する必要がないので、これらを総称して「ドアハンドル7」という。
<電動スライドドア>
図2は、スライドドア5の開閉動作の制御に関する電気的構成を示すブロック図である。
スライドドア5には、電動スライドドア(パワースライドドア)が採用されており、電動開閉のためのドアモータユニット11が設けられている。ドアモータユニット11には、たとえば、ドアモータ12と、ドアモータ12の動力によりスライドドア5を前後方向にスライドさせるドア駆動機構13と、スライドドア5の位置を取得するためのドア位置センサ14と、ドアモータ12に供給される電流を取得するためのモータ電流センサ15と、ドアモータ12の回転速度などを取得するためのモータ回転センサ16とが備えられている。ドア駆動機構13は、電磁クラッチを備えておらずドアモータ12の駆動力がスライドドア5に常に伝達可能なクラッチレスの構成である。
車両1には、マイコン(マイクロコントローラユニット)を含む構成のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)が搭載されている。マイコンには、たとえば、CPU、ROMおよびRAM、データフラッシュ(フラッシュメモリ)などが内蔵されている。図2には、スライドドア5の開閉動作を制御するためのECU(スライドドアECU)21のみが示されているが、車両1には、各部を制御するため、複数のECUが搭載されている。スライドドアECU21を含む複数のECUは、CAN(Controller Area Network)通信プロトコルによる双方向通信が可能に接続されている。
スライドドアECU21には、ドア位置センサ14、モータ電流センサ15およびモータ回転センサ16の各検出信号が入力される。
ドア位置センサ14は、たとえば、スライドドア5の移動に伴って回転する回転体(ローラなど)に関連して設けられ、その回転体の回転に同期したパルス信号を検出信号として出力する。スライドドアECU21は、ドア位置センサ14から入力されるパルス信号の数に基づいて、スライドドア5の位置を取得する。
モータ電流センサ15は、ドアモータ12に供給される電流に応じた検出信号を出力する。スライドドアECU21は、モータ電流センサ15の検出信号からドアモータ12に流れる電流値を取得する。
モータ回転センサ16は、ドアモータ12のロータの回転に同期したパルス信号を検出信号として出力する。スライドドアECU21は、モータ回転センサ16の検出信号からドアモータ12の回転数(回転速度)を演算により取得し、さらに、その回転数からドアモータ12の回転加速度を演算により取得する。
また、スライドドアECU21には、ドアハンドルスイッチ31、ドア開閉スイッチ32、ワンタッチスイッチ33およびキーレススイッチ34などのオン/オフ信号が入力される。ドアハンドルスイッチ31、ドア開閉スイッチ32、ワンタッチスイッチ33およびキーレススイッチ34は、いずれもモーメンタリ動作式のスイッチである。
ドアハンドルスイッチ31は、ユーザによりドアハンドル7(図1参照)を手前に引き寄せる操作(以下、単に「操作」という。)がなされている間はオンに保持され、その操作がなされていない間はオフに保持される。
ドア開閉スイッチ32は、ユーザが運転席に着座した状態で操作可能な位置に配置されている。ドア開閉スイッチ32は、スライドドア5の開動作を指示するために押操作される開スイッチと、スライドドア5の閉動作を指示するために押操作される閉スイッチとで構成される。
ワンタッチスイッチ33は、ドアハンドル7またはドアハンドル7の近傍に配置されている。
キーレススイッチ34は、キーをキーシリンダに差し込まずにドアのロック(施錠)/アンロック(開錠)を行えるシステム、いわゆるキーフリーシステム(キーレスエントリシステム)における携帯用のリモートコントローラに設けられている。
たとえば、スライドドア5が全閉位置に位置する全閉状態で、ドアハンドル7の操作、または、ドア開閉スイッチ32の開スイッチ、ワンタッチスイッチ33もしくはキーレススイッチ34の押操作がなされると、スライドドアECU21により、ドアモータ12に流れる電流値およびドアモータ12の回転加速度などに基づいて、スライドドア5が開動作するように、車両1に搭載されているバッテリからドアモータ12に供給される電流が制御される。また、スライドドア5が全開位置に位置する全開状態で、ドアハンドル7の操作、または、ドア開閉スイッチ32の閉スイッチ、ワンタッチスイッチ33もしくはキーレススイッチ34の押操作がなされると、スライドドアECU21により、ドアモータ12に流れる電流値およびドアモータ12の回転加速度などに基づいて、スライドドア5が閉動作するように、車両1に搭載されているバッテリからドアモータ12に供給される電流が制御される。
<ドア一時保持処理>
スライドドア5の開閉動作中は、スライドドアECU21により、図3Aおよび図3Bに示されるドア一時保持処理が実行される。
ドア一時保持処理では、スライドドア5を開閉動作の途中で一時停止した状態に保持(一時保持)する要因が発生したか否かが判別される(ステップS1)。スライドドア5を途中停止状態で一時保持する要因は、たとえば、スライドドア5の開閉動作中に、ドアハンドル7の操作、または、ドア開閉スイッチ32、ワンタッチスイッチ33もしくはキーレススイッチ34の押操作が行われると発生する。また、スライドドア5を途中停止状態で一時保持する要因は、スライドドア5と他部材(たとえば、ヒンジドア4、Bピラーなど)との間での異物の挟み込みが検出されると発生する。
スライドドア5を途中停止状態で一時保持する要因が発生すると(ステップS1)、PID(Proportional-Integral-Derivative:比例−積分−微分)制御により、ドアモータ12の回転速度が0に一致するように、ドアモータ12に供給される電力が調節される(ステップS2)。具体的には、ドアモータ12の回転速度の目標値が0に設定されて、その目標値とモータ回転センサ16の検出信号からドアモータ12の回転速度(実回転速度)との偏差が求められ、比例動作、積分動作および微分動作により、その偏差に応じた制御指示値が設定される。そして、その制御指示値に基づいて、PWM(Pulse Width Modulation)制御により、ドアモータ12に供給される電力が調節される。
ドアモータ12の回転速度が0になり、モータ回転センサ16からのパルス信号の出力が停止すると(ステップS3のYES)、タイマが作動される(ステップS4)。タイマにより、ドアモータ12の回転速度が0になってからの経過時間、つまりドアモータ12の停止によるスライドドア5の途中停止状態での一時保持の開始からの経過時間が計測される。
その後、PWM制御のデューティが分解能で定まる1段階だけ低減される(ステップS5)。
デューティの低減後、モータ回転センサ16からのパルス信号の出力が未だ停止しているか否かが判別される(ステップS6)。
モータ回転センサ16からのパルス信号の出力の停止が続いている場合(ステップS6のYES)、モータ電流センサ15の検出信号から取得される電流値が0であるか否かが判別される(ステップS7)。
電流が0でない場合(ステップS7のNO)、PWM制御のデューティがさらに1段階低減されて(ステップS5)、それでもなおモータ回転センサ16からのパルス信号の出力が停止しているか否かが判別される(ステップS6)。
デューティの低減により、ドアモータ12に供給される電流が低減し、モータ電流センサ15の検出信号から取得される電流値が0になると(ステップS7のYES)、ドアモータ12の駆動回路が閉回路に切り替えられて、発電ブレーキ(回生ブレーキ)により、ドアモータ12が制動される(ステップS8)。
一方、デューティの低減後、ドアモータ12が回転し、モータ回転センサ16からパルス信号が出力された場合には(ステップS6のNO)、PID制御により、ドアモータ12の回転速度が0に一致するように、ドアモータ12に供給される電力が調節される(ステップS9)。これにより、ドアモータ12の回転速度が再び0になる。
こうして、ドアモータ12の回転速度が0に保持され、また、ドアモータ12に供給される電流が低減された後、モータ保護条件が成立したか否かが判別される(ステップS10)。モータ保護条件は、たとえば、ドアモータ12の回転速度が0に保持されている期間、つまりスライドドア5の途中停止状態での一時保持が継続している期間にドアモータ12に供給される電流の積算値がドアモータ12の損傷および寿命低下を考慮して設定された電流積算閾値を超えるという条件である。
モータ保護条件が成立していない場合(ステップS10のNO)、タイマによる計測時間が所定時間以上になったか否か、つまりスライドドア5の途中停止状態での一時保持が継続している時間が所定時間以上になったか否かが判別される(ステップS11)。
タイマによる計測時間が所定時間未満である場合(ステップS11のNO)、ドアハンドル7の操作、または、ドア開閉スイッチ32、ワンタッチスイッチ33もしくはキーレススイッチ34の押操作が行われたか否かが判別される(ステップS12)。
いずれの操作も行われていない場合には(ステップS12のNO)、モータ回転センサ16からのパルス信号の出力が停止しているか否かが判別される(ステップS13)。
モータ回転センサ16からのパルス信号の出力が停止している場合(ステップS13のNO)、モータ保護条件が成立しているか否かが再び判別され(ステップS10)、モータ保護条件が成立してない場合には(ステップS10のNO)、タイマによる経過時間が所定時間以上になったか否かが判別されるというようにして、ステップS10〜S13の処理が繰り返される。
この間に、たとえば、ユーザによりスライドドア5が手動操作されると、モータ回転センサ16からパルス信号が出力される。この場合(ステップS13のYES)、PID制御により、ドアモータ12の回転速度が0に一致するように、ドアモータ12に供給される電力が調節される(ステップS2)。これにより、ドアモータ12の回転速度が再び0になり、スライドドア5が停止する。
また、モータ保護条件が成立するか(ステップS10のYES)、または、タイマによる計測時間が所定時間以上になった場合には(ステップS11のYES)、ドアモータ12を損傷から保護するため、スライドドア5の途中停止状態での一時保持が解除される。その解除に先立ち、解除を報知するため、ブザー41(図2参照)が吹鳴される(ステップS14)。
ブザー41の吹鳴後、スライドドア5の途中停止状態での一時保持に至った要因がスライドドア5と他部材との間での異物の挟み込みであったか否かが判別される(ステップS15)。
挟み込みが一時保持に至った要因であった場合には(ステップS15のYES)、スライドドア5が一時保持前の動作方向と反転方向(逆方向)に動作するよう、ドアモータ12に供給される電流が制御される(ステップS16)。このとき、スライドドア5が通常よりも低速で開閉動作するよう、ドアモータ12に供給される電流が制御される(低速モード)。
一方、挟み込み以外が一時保持に至った要因でなかった場合には(ステップS15のNO)、スライドドア5が開動作するよう、ドアモータ12に供給される電流が制御される(ステップS17)。このときにも、スライドドア5が通常よりも低速で開動作するよう、ドアモータ12に供給される電流が制御される(低速モード)。
その後、スライドドア5の動作中に挟み込みが発生したか否かが判別される(ステップS18)。
スライドドア5の開閉動作中に、スライドドア5と他部材との間で異物の挟み込みが発生した場合、スライドドア5の開閉速度が急減し、これに伴って、ドアモータ12の回転加速度が変化する。このドアモータ12の回転加速度の変化に応じて、ドアモータ12の回転速度が所定速度に保持されるように、ドアモータ12に供給される電流が増大する。したがって、ドアモータ12に供給される電流が所定の挟み込み判定閾値を超えたか否かにより、挟み込みが発生したか否かを検出することができる。
挟み込みが発生せずに(ステップS18のNO)、スライドドア5が全開位置または全閉位置に達すると(ステップS19のYES)、ドア一時保持処理が終了される。
挟み込みが発生した場合には(ステップS18のYES)、ドアモータ12の保護よりも挟み込みによる異物へのダメージの軽減を優先して、ドアモータ12の回転速度が0になるように、ドアモータ12に供給される電流が制御される(ステップS20)。このとき、ドアモータ12に供給される電流値に上限が設けられてもよい。
また、スライドドア5が途中停止状態で一時保持されている間に、ドアハンドル7の操作、または、ドア開閉スイッチ32、ワンタッチスイッチ33もしくはキーレススイッチ34の押操作が行われた場合(ステップS12のYES)、スライドドア5の一時保持が解除される(ステップS21)。
そして、ユーザにより行われた操作がインドアハンドルの操作またはドア開閉スイッチ32の押操作であった場合には(図3CのステップS22のYES)、その操作により指示される方向にスライドドア5が動作するよう、ドアモータ12に供給される電流が制御される(ステップS23)。その後は、図3BのステップS18以降の処理が実行される。
ユーザにより行われた操作がアウトドアハンドル7の操作またはワンタッチスイッチ33もしくはキーレススイッチ34の押操作であった場合には(ステップS22のNO)、スライドドア5が開動作するよう、ドアモータ12に供給される電流が制御される(ステップS24)。
スライドドア5の開動作中に、アウトドアハンドル7の操作またはワンタッチスイッチ33もしくはキーレススイッチ34の押操作が再び行われた場合には(ステップS25のYES)、スライドドア5の動作方向が反転するよう、ドアモータ12に供給される電流が制御される(ステップS26)。その後は、図3BのステップS18以降の処理が実行される。アウトドアハンドル7の操作またはワンタッチスイッチ33もしくはキーレススイッチ34の押操作が行われない場合は(ステップS25のNO)、そのまま開動作が継続されて、図3BのステップS18以降の処理が実行される。
<作用効果>
以上のように、スライドドア5を途中停止状態で一時保持する要因が発生すると、PID制御により、ドアモータ12の回転速度が0に一致するように、ドアモータ12に供給される電力が調節される。ドアモータ12の回転速度を0に保持することにより、スライドドア5を停止した状態に保持することができる。そして、ドアモータ12の回転速度が0に保持される範囲内において、ドアモータ12に供給される電流が低減される。これにより、スライドドア5が停止した状態を保持しつつ、その保持状態でドアモータ12に供給される電流の低減を図ることができる。その結果、ドアモータ12への低電流の供給でスライドドア5を停止状態に安定して保持することができる。ドアモータ12に流れる電流が低電流であるから、通電によるドアモータ12の損傷の発生を抑制でき、ひいては、損傷の発生による寿命の短縮を抑制することができる。
また、ドアモータ12のロータが停止した状態では、たとえ低電流であってもその通電による発熱が局所的に発生して、ドアモータ12(とくに、ロータ)が損傷したり、その寿命が低下したりするおそれがある。そのため、ドアモータ12の回転速度が0に保持されている状態で、モータ保護条件が成立するか、または、その保持の開始から所定時間が経過した場合には、スライドドア5の途中停止状態での一時保持が解除される。これにより、ドアモータ12を損傷から保護することができ、ドアモータ12の寿命を長期化することができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、スライドドアECU21がそれ単独で1つのECUとして構成されているが、1つのECUにスライドドアECU21の機能と他のECUの機能とが組み込まれてもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1:車両
5:スライドドア
12:ドアモータ(モータ)
21:スライドドアECU(モータ制御装置、フィードバック制御手段、電流低減手段)

Claims (1)

  1. 車両のスライドドアの開閉動作の駆動源であるモータを制御する制御装置であって、
    前記モータの回転速度の目標値を0に設定して、前記モータの回転速度が0に一致するようフィードバック制御するフィードバック制御手段と、
    前記モータの回転速度が0に保持される範囲内で、前記モータに供給される電流を低減させる電流低減手段とを含む、電動スライドドアのモータ制御装置。
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