以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
<装置の概略的な動作>
まず、図1を参照して、本実施形態の装置10がバッテリ残量の誤差を考慮してバッテリ残量を運転者に警告する際の概略的な動作を説明する。端末装置70と装置10が通信するシステムを通信システム100という。
図1は、本実施形態の装置10の概略的な動作を説明する図の一例である。なお、装置10と端末装置70は無線で通信しているものとする。まず、一般的な動作について説明する。
(1)端末装置70はバッテリ残量を定期的に装置10に送信している。
(2)装置10には予め警告しきい値が設定されており、バッテリ残量がこの警告しきい値以下である場合、装置10のディスプレイにバッテリ警告を出力する。バッテリ警告とは、バッテリ残量がしきい値未満に低下したことを報知することをいう。例えば、警告しきい値が20%である場合、端末装置70が送信したバッテリ残量が20%以下であるとバッテリ警告を出力する。
続いて、バッテリ残量に誤差が含まれる場合を説明する。
(3)端末装置70が無線で装置10と通信している場合に、起動状態を維持できないほどバッテリ残量が低下すると、端末装置70は電源OFFになり装置10との通信を切断する。
(4)装置10は、通信が切断される直前のバッテリ残量(後述する現バッテリ残量)が警告しきいより大きい場合、警告しきい値を変更する。具体的には、
警告しきい値=切断される直前のバッテリ残量+α
に変更する。例えば、直前のバッテリ残量が30%でありαが5%である場合、警告しきい値は35%に変更される。
運転者が端末装置70を充電し、再度、無線で装置10と通信させた場合を考える。この運転者の端末装置70はバッテリ残量が30%くらいで電源OFFになる。しかし、上記のように、装置10の警告しきい値は35%に変更されているので、端末装置70のバッテリ残量が35%以下になると装置10はバッテリ警告を出力することができる。したがって、運転者の端末装置70のバッテリ残量に誤差が含まれていても、端末装置70が起動状態を維持できない(通信を切断する)バッテリ残量になる前に運転者に警告することができる。
<用語について>
特許請求の範囲のバッテリ残量に関する警告とは、バッテリ残量が通常よりも少なくなっている旨を運転者に報知することをいう。例えば、バッテリを充電した方が好ましいバッテリ残量以下となったこと、このままだとバッテリ切れになるおそれがあることを通知する。本実施形態ではバッテリ警告という用語で説明する。なお、報知は表示、音声、ランプの点滅、又はステアリングホイールの振動など五感のいずれかで運転者に伝わればよい。
<システム構成>
図1を用いて端末装置70と装置10を含んで実現される通信システム100のシステム構成を説明する。端末装置70と装置10は無線で通信可能であるものとする。本実施形態の通信システム100が奏する効果は端末装置70と装置10が無線で通信する場合に有効である。しかし、有線で通信している状態で端末装置70のバッテリが装置10からの電力で充電されない場合、端末装置70と装置10が有線で通信する場合にも同様の効果を奏する。無線で通信する場合、端末装置70と装置10はBluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、無線LAN、NFC(Near Field Communication)、赤外線通信などの通信規格で通信する。また、有線で通信する場合、USBケーブル、HDMIケーブル(登録商標)、又は、LANケーブルなどで通信する。
装置10は、端末装置70と通信する機能と、端末装置70の情報を表示する機能を有していればよい。このような装置10はDA(Display Audio)と呼ばれる。また、車載されている装置10という意味で車載装置と呼ばれる場合がある。DAに明確な定義はないが、表示装置であるディスプレイ及びCD/DVDプレーヤ(ラジオ/テレビチューナを含む)を備えた車載装置である。CD/DVDプレーヤを備えないタイプ(メカレス型)もある。しかしながら、ナビゲーション装置としての機能を有していても、バッテリ残量の誤差を考慮してバッテリ残量に関する情報を提供することに支障はない。
装置10にはディスプレイが接続されており、ディスプレイは車両のセンターコンソールの上方、ダッシュボード上、又は、車室の天井等に設置されている。装置とディスプレイは一体に構成されていても、ディスプレイのみが移動可能に構成されていてもよい。装置10とディスプレイが一体の場合、常態では装置10にディスプレイが収容された状態で、運転者が目視する場合にディスプレイが繰り出されてもよい。また、装置10は車内に固定されている必要はなく、運転者が搬送して車内に持ち込んだり、車両が走行しない場合に車内から持ち出したりしてもよい。
端末装置70は、運転者が携帯する情報処理装置である。端末装置70は装置10と通信する機能、及び、装置10が利用する機能を有していればよい。装置10から利用する機能としては、音楽・動画の再生機能、電話機能、電子メールの送受信機能、ラジオ受信機能、テレビの受像機能、及びナビゲーション機能等であり、これらに制限されるものではない。端末装置70はこれらの1つ以上の機能を有していればよい。更に、音声で操作を受け付ける機能を有していてもよい。
具体的には、端末装置70は例えばスマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、PC(Personal Computer)などである。しかしながら上記の機能を有していればこれらに限られない。
<ハードウェア構成例>
図2は、装置10と車載システム30の一例としてのハードウェア構成図である。装置10は、制御部9により制御され、制御部9には、AV(Audio Visual)装置11、ハードキー12、マイク13、GNSS(Global Navigation Satellite Systems)受信機14、無線通信装置15、有線通信装置16、バッファメモリ17、地図描画部18、操作画面・マーク発生部19、誘導経路記憶部20、誘導経路描画部21、記憶部22、及び、音声出力部23が接続されている。また、画像合成部24を介してディスプレイ25が接続され、音声出力部23を介してスピーカ27が接続されている。
ただし、図示されたハードウェア要素は説明のためのものであって、装置10が有する一例のハードウェア要素であるにすぎない。例えば、AV装置11又はGNSS受信機14の少なくとも一方を有していなくてもよいし、ディスプレイ25やスピーカ27が装置10に含まれてもよい。また、加速度センサ、ジャイロセンサ及び地磁気センサ等を有している場合が多い。これは、車両から情報を得られなくても自律航法を可能にするためである。
車載システム30は、DCM31(Data Communication Module)、車速センサ32、及び、ジャイロセンサ33等を有する。車載システム30についても本実施形態の説明に支障がないハードウェア要素は省略されている。
装置10と車載システム30はCAN(Controller Area Network)バス34を介して接続されている。ただし、DCM31、車速センサ32、及びジャイロセンサ33が直接、CANバス34に接続されていなくてもよく、これらは車両のECU(Electronic Control Unit)を介して接続されている場合がある。制御部9は車両の各ECUとCANバス34を介して接続することができる。
制御部9は、マイコン、情報処理装置、又は、コンピュータと呼ばれる機能を有し、情報の入力、処理(加工)及び出力を行う。制御部9は、CPU9a、RAM9b、ROM9c、フラッシュメモリ9d等を有するが、CANコントローラ、タイマ、I/Oポートなど一般的なECUと同様の機能を備えている。
ハードキー12は、運転者による使用頻度が高いスイッチ、ボタン又はタッチセンサ類であり、例えば、電源ボタン、音量の増減ボタン、CD/DVDの取り出しボタン等である。
マイク13は、例えばステアリングスイッチがオンになると集音を開始して、運転者の音声を電気信号としての音声データに変換し制御部9に出力する。制御部9は音声データをテキストデータに変換する音声認識を行うか又はDCM31により音声データをサーバに送信して音声認識の結果を取得する。制御部9には音声コマンドが登録されており、テキストデータが音声コマンドに一致すると音声コマンドに応じた処理を行う。あるいは、制御部9が端末装置70に音声データを送信し、端末装置70がサーバに音声データを送信して音声認識の結果を取得する。どちらの態様が採用されるかは運転者が音声で装置10を直接、操作するのか、装置10を介して端末装置70を操作するかによる。
GNSS受信機14は、人工衛星が発信する電波を用いて車両の座標(緯度、経度、標高)を検出する。制御部9は、GNSS受信機が検出した位置情報を、車速センサ32とジャイロセンサ33が検出した信号に自律航法を適用して車両の現在位置を推定している。
無線通信装置15は、例えばBluetooth(登録商標)の通信装置であり、端末装置70と無線で通信する。運転者は装置10で端末装置70の機能を利用できる。例えば、端末装置70が再生した音楽データを無線通信装置15が受信してスピーカ27から出力する。また、運転者がマイク13に発声した音声を無線通信装置15が端末装置70に送信し、端末装置70が宛先に送信する。また、端末装置70は宛先から受信した音声データを無線通信装置15に送信するのでスピーカ27から出力できる(ハンズフリー通話)。また、無線で十分な帯域が確保されている場合、端末装置70のナビゲーション機能が生成する道路地図画面を無線通信装置15が受信してディスプレイ25に表示したり、進路変更を案内する音声などを無線通信装置15が受信してスピーカ27から出力したりする。
なお、Bluetooth(登録商標)による通信では、装置10と端末装置70がペアリングされているものとする。ペアリングされている場合、端末装置70が装置10との通信範囲に入っていれば両者が通信できる。また、装置10が利用する端末装置70の機能に応じたプロファイルが使用される。
有線通信装置16は、例えばUSBインタフェースやHDMI(登録商標)のインタフェースであり、端末装置70と有線で通信する。
バッファメモリ17には、道路地図データが記憶されたDVDなどの光記憶媒体からAV装置11が読み取った道路地図データの一部が記憶される。バッファメモリ17は、例えばDRAMなどの読み書きが高速な揮発性のメモリ、フラッシュメモリ又はHDD(Hard Disk Drive)などである。光記憶媒体は読み出しに時間がかかる場合があるがバッファメモリ17のアクセス時間は短いので、装置10は高速に道路地図を描画できる。制御部9は、現在地や目的地に至る経路の周囲の道路地図データをAV装置11からバッファメモリ17に記憶させる。
なお、AV装置11は光記憶媒体の再生だけでなく、ラジオ/テレビ放送の受信、音楽再生などを行い、映像をディスプレイ25に、音声をスピーカ27にそれぞれ出力する。
地図描画部18は、バッファメモリ17に記憶された道路地図データを使って道路地図を描画する。例えば、都道府県などの区画、緑地や河川、道路や鉄道、記号や注記などをそれぞれレイヤに描画してそれらを重ねることで道路地図を描画する。
操作画面・マーク発生部19は装置10を操作するためのメニュー(ソフトキー)や自車両の現在位置や目的地のマークを描画する。運転者が目的地までの経路を探索すると、誘導経路記憶部20には、現在地又は任意の位置から目的地までの誘導経路が記憶される。経路はノードとリンクが連結された情報として表される。誘導経路描画部21はこの誘導経路を描画する。
画像合成部24は、道路地図、メニュー・マーク及び誘導経路を1つの画面に合成してディスプレイ25に出力する。これにより、運転者は自車両の位置、目的地及び誘導経路が表示された道路地図をディスプレイ25で見ることができる。
記憶部22は、例えばHDDやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶装置であり、光記憶媒体の代わりに道路地図データを記憶する場合がある。音声出力部23は、テキストデータを音声データに合成してスピーカ27から出力する。制御部9は自車両の現在位置と誘導経路とを比較して、進路変更の手前などで経路を誘導するためのテキストデータを読み出す。音声出力部23はこのような誘導のためのテキストデータを音声データに合成する。
DCM31は、携帯電話会社などの通信事業者の基地局と通信する通信装置であり、携帯電話、PHS又はWiMAXと同様の通信方法で通信する。これにより、各種のサーバに接続しサーバ経由でインターネット上の各種の情報を取得できる。また、車両の位置情報を送信すれば、位置に応じた施設情報などを取得できる。例えば、車両の位置に応じた施設情報、Webページなどを取得できる。
車速センサ32は車輪の回転をパルス信号により検出するセンサであり、制御部9は単位時間当たりのパルス信号の数から車輪の回転速度を検出する。単位時間当たりのパルス信号の数や車輪の回転速度は車速と相関するため車速情報ということができる。ジャイロセンサ33は車両のヨー角、ピッチング角、及び、ロール角の角速度を検出するセンサである。
なお、図示したハードウェア要素のうちソフトウェアにより実現可能な機能は、ソフトウェアで実現してよく、ハードウェアとソフトウェアを厳密に区別しなくてもよい。
<<端末装置70のハードウェア構成>>
図3は、端末装置70のハードウェア構成図の一例である。図示する端末装置70は、CPU201、フラッシュROM202、RAM203、無線通信モジュール204、アンテナ205、カメラ206、LCD207、GNSS受信機208、外部I/F209、マイク210、スピーカ211、近距離無線通信装置212、加速度センサ213、ジャイロセンサ214、及び、地磁気センサ215を備えている。これらはバス220に接続され、データのやり取りが可能である。また、端末装置70はバッテリ217を備えており、上記の各デバイスへ電力を供給している。バッテリ217はバッテリIC217aを有し、バッテリIC217aによりバッテリ残量が監視されている。
CPU201は、フラッシュROM202に記憶されたプログラム202pにしたがって、各種データの演算処理などにより端末装置70全体を制御する。フラッシュROM202はプログラム202pを記憶すると共に、各種データを記憶するストレージとしても機能する。プログラム202pはOS及び各種のアプリ等を含む。
RAM203は、CPU201のワークメモリとして使用される。フラッシュROM202に記憶されたプログラムはRAM203に読み込まれて、CPU201により実行される。無線通信モジュール204は携帯電話回線を利用したデータ通信(音声の送受信も含む)を行う。
カメラ206は端末装置70の背面側とLCD側に設けられ、撮像素子に入射した光を光電変換し画像信号に変換する。LCD側のカメラ206により運転者の顔が撮像される。
LCD207は、端末装置70を操作するためのアイコンや、アプリが生成するGUIを表示する表示装置である。LCD207はタッチパネル216を一体に有し運転者の手指が接触した位置を検出する。GNSS受信機208は装置10と同様の機能を有する。
外部I/F209は、装置10と有線で接続するためのケーブルのインタフェース、充電用のインタフェース、又は、外部メモリを装着するためのインタフェースである。例えば、USBインタフェースやHDMI(登録商標)のインタフェースである。マイク210は入力された音声を電気信号に変換し、スピーカ211は音データをD/A変換して可聴信号として出力する。
近距離無線通信装置212は、装置10側の無線通信装置15とBluetooth(登録商標)、無線LAN、NFC、赤外線通信などの通信規格で通信する。加速度センサ213は端末装置70に生じる3軸の加速度を検出し、ジャイロセンサ214は3軸のそれぞれに対し端末装置70が回転する回転角角度を検出する。地磁気センサ215は、端末装置70の向きの方角を検出する。
<装置と端末装置の機能について>
図4は、端末装置70及び装置10が有する機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。端末装置70は、通信部71、ナビ機能部72、バッテリ監視部73、表示制御部74、処理制御部75、電波強度検出部76、及びAV機能部77の各機能部を有する。端末装置70は図示する以外にも多くの機能を有するが本実施形態と関連が低い機能については省略されている。
バッテリ監視部73は、CPU201がフラッシュROM202からRAM203に展開されたプログラム202pを実行し、バッテリIC217aを制御すること等により実現される。バッテリ監視部73は、バッテリIC217aが監視しているバッテリ残量を定期的に又は任意のタイミングで取得する。バッテリ残量の測定方式は、主に、電圧測定方式、クーロン・カウンタ方式、電池セル・モデリング方式、又は、インピーダンス・トラック方式の4つがあるが、本実施形態ではどの方式でバッテリ残量が測定されてもよい。
ナビ機能部72は、CPU201がフラッシュROM202からRAM203に展開されたプログラム202pを実行すること等により実現され、ナビゲーション機能を提供する。例えば、自車両の位置に応じた道路地図の作成、目的地までの案内、交通情報の表示等を行う。
表示制御部74は、CPU201がフラッシュROM202からRAM203に展開されたプログラム202pを実行しLCD207を制御すること等により実現され、道路地図や再生している音楽の情報や動画などをLCDに表示する。
電波強度検出部76は、CPU201がフラッシュROM202からRAM203に展開されたプログラム202pを実行し無線通信モジュール204及びアンテナ205を制御すること等により実現される。電波強度検出部76はアンテナ205の受信信号強度(RSSI)を検出する。
AV機能部77は、CPU201がフラッシュROM202からRAM203に展開されたプログラム202pを実行する等により実現され、音楽や動画の再生を行い、スピーカ211やLCD207に出力する。
処理制御部75は、CPU201がフラッシュROM202からRAM203に展開されたプログラム202pを実行する等により実現され、装置10と連携して端末装置70の機能を装置10に提供する。
通信部71は、CPU201がフラッシュROM202からRAM203に展開されたプログラム202pを実行し無線通信装置15を制御すること等により実現され、装置10と各種の情報の通信を行う。なお、Bluetooth(登録商標)を用いた通信では、端末装置70の機能に応じた1つ以上のプロファイルが予め決まっている。例えば、バッテリ残量を送信するBattery Service Profile というプロファイルがある。また、音楽や動画の再生をリモートコントロールするためにAVRCPというプロファイルがあり、オーディオを送信するためにA2DPというプロファイルがある。なお、送受信される情報とプロファイルの対応はあくまで一例に過ぎず、本実施形態ではバッテリ残量を装置10に送信できればよい。
装置10は、通信部41、操作受付部42、端末情報表示処理部43、端末連携部44、画面作成部45、及びバッテリ警告部46の各機能部を有する。装置10は図示する以外にも多くの機能を有するが本実施形態と関連が低い機能については省略されている。
操作受付部42は、制御部9のCPU9aがフラッシュメモリ9dからRAM9bに展開されたプログラムを実行し、ハードキー12及びタッチパネル26を制御すること等により実現され、運転者の各種の操作を受け付ける。
端末情報表示処理部43は、制御部9のCPU9aがフラッシュメモリ9dからRAM9bに展開されたプログラムを実行すること等により実現され、端末装置70から送信されたバッテリ残量と電波強度を用いてディスプレイ25に表示するための端末状態情報を作成する。
端末連携部44は、制御部9のCPU9aがフラッシュメモリ9dからRAM9bに展開されたプログラムを実行すること等により実現され、端末装置70が有する機能を問い合わせたり、端末装置70が有する機能の提供を要求したりする。また、端末装置70から送信された情報を端末情報表示処理部43、画面作成部45、及び、バッテリ警告部46に振り分ける。
画面作成部45は、制御部9のCPU9aがフラッシュメモリ9dからRAM9bに展開されたプログラムを実行すること等により実現され、ディスプレイ25に表示する画面を作成する。例えば、端末装置70が有する機能に対応したアイコンを配置したメニュー画面を作成したり、任意のアイコンが選択されると該アイコンの機能に対応した画面を作成したりする。また、バッテリ警告を表示中の画面に重畳して表示する。
バッテリ警告部46は、制御部9のCPU9aがフラッシュメモリ9dからRAM9bに展開されたプログラムを実行すること等により実現され、基準値52又は警告しきい値51とバッテリ残量を比較して、比較結果に応じてバッテリ警告の表示を画面作成部45に要求する。また、バッテリ警告部46は、しきい値変更部47としきい値復帰部48を有する。しきい値変更部47は警告しきい値51を変更し、しきい値復帰部48は警告しきい値51を基準値52に復帰させる。基準値52は、バッテリ残量が少ないため充電することが好ましいと考えられる一般的なバッテリ残量(例えば5、10、20%など)である。警告しきい値51の初期値はこの基準値52(例えば5、10、20%のいずれか)と同じである。運転者又は装置10のメーカ等は所望の基準値52を設定することができる。
通信部41は、制御部9のCPU9aがフラッシュメモリ9dからRAM9bに展開されたプログラムを実行し無線通信装置15を制御すること等により実現され、端末装置70と各種の情報の通信を行う。なお、装置10は端末装置70と同じプロファイルを有している。
なお、図示した機能はソフト的に実現されなければならないものではなく、論理回路などのハードウェアにより実現されてよい。
<バッテリ警告に関する処理>
図5は、装置10が端末装置70と通信して行う処理を示すシーケンス図の一例である。図5の処理は装置10の電源がONとなる例えば車両の電源状態がアクセサリー又はIG(イグニッション)−ONになるとスタートする。
S1:端末装置70の通信部71と装置10の通信部41が通信接続を行う。Bluetooth(登録商標)の場合、ペアリングの後、リンクキーを交換することで通信接続できる。無線LAN(インフラストラクチャードモード)の場合、SSIDと暗号キーの入力によるアクセスポイントへの接続により通信接続され、無線LAN(ダイレクトWi−Fi)の場合、SSIDと暗号キーの入力によるアクセスポイントへの接続、WPSやPINコードの入力により通信接続される。なお、一度、通信接続状態となったことがある装置10と端末装置70は、電波が到達可能な範囲に接近するだけで通信接続する。
S2:通信が接続されると、端末装置70の通信部71は定期的に端末装置情報を装置10に送信する。端末装置情報は、バッテリ監視部73が監視しているバッテリ残量及び電波強度検出部76が検出している電波強度などである。通信のタイミングは、処理制御部75が予め決定している定期的なタイミングでもよいし、装置10からの要求があった場合でもよいし、運転者が操作したタイミングでもよい。また、端末装置70はバッテリ残量が起動状態を維持できないほど小さくなると通信の切断要求を装置10に送信する。
S3:装置10の通信部41は端末装置情報を受信すると端末連携部44に送出する。
S4:端末連携部44はバッテリ残量と電波強度を端末情報表示処理部43に送出する。
S5:端末情報表示処理部43はバッテリ残量と電波強度をそれぞれアイコンに変換した端末状態情報を作成し、画面作成部45に送出する。なお、端末状態情報の表示例を図6に示す。
S6:画面作成部45は端末状態情報をディスプレイ25に表示する。詳細は図6にて説明する。
S7:また、端末連携部44はバッテリ残量をバッテリ警告部46に送出する。また、切断要求を端末装置70から受信した場合は、切断要求をバッテリ警告部46に送出する。
S8:バッテリ警告部46は、A.バッテリ残量に基づくバッテリ警告出力、B.切断要求に基づく警告しきい値51の変更、又は、C.バッテリ残量に基づく警告しきい値51の復帰、を行う。詳しくは、図7にて説明する。
図6(a)は、ディスプレイ25に表示される端末状態情報の一例を示す。図6(a)では、ナビ画面301に端末状態情報302が重畳して又は合成して表示されている。装置10の画面作成部45は、端末装置70から送信されたナビ画面(又は、装置10が作成したナビ画面)301の視認性を極力阻害しない場所に端末状態情報302を表示する。図6(a)の端末状態情報302は、端末装置名303(端末装置の商品名など)、再生音楽情報304(曲名やアーティスト名など)、バッテリ状態アイコン305、電波状態アイコン306、及び、現在時刻307を表示している。端末状態情報302は帯状に形成されており、図示するナビ画面301の上部の他、ナビ画面301の下部、右端、又は左端などに配置されてよい。また、例えば半透明にしてナビ画面301に重畳して表示してもよい。
端末情報表示処理部43は、端末装置70から取得した端末装置名303と再生音楽情報304を端末状態情報302の予め決定されている場所に配置する。また、端末装置70から取得したバッテリ残量(数値又はレベル)をバッテリ状態アイコン305に変換し、電波強度(数値又はレベル)を電波状態アイコン306に変換して予め決定されている場所に配置する。バッテリ残量は予め5段階くらいに区分され、それぞれの段階に応じたバッテリ状態アイコン(gifファイルなど)が用意されている。バッテリ残量を5段階のいずれかに割り当てることでバッテリ状態アイコン305を決定できる。電波状態アイコン306についても同様に決定できる。
図6(b)は、比較のため示した端末装置70のバッテリ残量312と電波強度311に関する図である。端末装置70では88%という数値で表示されているバッテリ残量312が、装置10ではバッテリ状態アイコン305により表示されている。このように、バッテリ状態アイコン305が車載されたディスプレイ25に表示されるので、運転者は常に端末装置70のバッテリ残量を確認できる。なお、装置10は、バッテリ状態アイコン305ではなく、バッテリ残量を数値のまま表示することも可能である。
<バッテリ警告部が行う警告しきい値の変更等について>
図7は、バッテリ警告部46が行う警告しきい値の変更、バッテリ警告の出力、及び、警告しきい値の復帰の処理手順を説明するフローチャート図の一例である。
A.バッテリ警告の出力
装置10は無線での通信中にバッテリ警告するため、バッテリ警告部46は無線により通信接続中か否かを判定する(S8−1)。無線で通信中でなければバッテリ警告は行われない。
無線により通信接続中の場合、バッテリ警告部46はバッテリ残量を取得する(S8−2)。バッテリ警告部46は端末装置70から受信したバッテリ残量を現バッテリ残量49として保持しておく。
バッテリ警告部46は、バッテリ残量が警告しきい値以下か否かを判定する(S8−3)。
バッテリ残量が警告しきい値以下の場合、バッテリ警告部46は画面作成部45にバッテリ警告を出力するよう要求する(S8−4)。これにより、画面作成部45は表示中の画面にバッテリ残量を警告する旨のバッテリ警告情報321を表示する。バッテリ警告情報321の表示例を図8(a)に示す。
図8(a)では「端末装置のバッテリ残量が少なくなっています。バッテリ残量はあと20%です。有線で端末装置を接続してください。」というメッセージ322とOKボタン323が表示されている。運転者はこれを見て端末装置70を充電すべきことを把握できる。このメッセージ322は運転者がOKボタン323を押下しないと消去されないため、運転者はバッテリ警告情報321に気づきやすい。なお、メッセージ322を運転者が読むために十分な時間の表示の後、消去してもよい。また、バッテリ残量が警告しきい値以下であることが判明した直後にバッテリ警告情報321を表示してもよいが、車両が停止した後に表示してもよい。これにより、運転者は余裕を持ってバッテリ警告情報321を確認できる。
図7に戻って説明する。続いて、処理はステップS8−5〜S8−7に進むが、説明の便宜上、これらの処理については後述する。
B.警告しきい値の変更
ステップS8−3でバッテリ残量が警告しきい値以下でない場合、しきい値変更部47は端末装置70から通信が切断されたか否かを判定する(S8−8)。端末装置70から通信が切断される場合は主に2つあり、1つは図5のシーケンス図で説明した切断要求を端末装置70から受信した場合である。端末装置70は、バッテリ残量が起動状態を維持できない程度に低下したため電源をOFFする場合、通信相手にその旨(電源をOFFすることにより通信できなくなること)を通知する。しきい値変更部47は切断要求としてこの通知を取得する。
2つめの方法は、端末装置70との通信が途絶することを検知する方法である。端末装置70によっては切断要求を送信しない又はできない場合がある。この場合は、端末装置70が無線通信に対し無応答であることを通信部71が検出することで、端末装置70から通信が切断されたと判定する。
端末装置70から通信が切断されたのでない場合(S8−8のNo)、処理はステップS8−3に戻り、バッテリ残量の監視を継続する。
端末装置70から通信が切断された場合(S8−8のYes)、しきい値変更部47は、警告しきい値51を「現バッテリ残量+α」に変更する(S8−9)。ステップS8−3の判定により、現バッテリ残量49は警告しきい値51より大きいので、「+α(プラスα)」することで警告しきい値51を現バッテリ残量49よりも大きい値に変更することができる。したがって、バッテリ残量が起動状態を維持できない程度に低下する前に、バッテリ警告することが可能になる。なお、αは0より大きな値であればよい。αの最大値は警告しきい値51が100%を超えない範囲であるが、数%〜10%程度であれば十分である。
なお、バッテリ警告部46は警告しきい値51が変更されたこと、又は、変更後の警告しきい値51をディスプレイ25に表示したり音声により出力したりしてもよい。
ステップS8−9が実行された場合は通信が切断されているので、図7の処理はいったん終了する。この後、運転者は端末装置70を使用するため端末装置70を充電すると考えられる。例えば、端末装置70を装置10と有線で接続させる。この充電により、端末装置70と装置10が再度、無線で通信可能になる。
C.警告しきい値の復帰
図7のステップS8−1〜S8−3については上記と同様になる。しかし、ステップS8−9により、警告しきい値51が起動状態を維持できない程度のバッテリ残量よりも大きくなっているので、ステップS8−3でNoと判定されてもS8−8で通信が切断される前に、ステップS8−4の処理が実行される。したがって、通信切断される前にバッテリ警告を出力できる。
図8(b)は、警告しきい値51が変更された後に出力されるバッテリ警告の一例を示す。なお、図8(b)では図8(a)との相違を説明する。図8(b)ではメッセージ322のバッテリ残量が変更後の警告しきい値51(図では35%)になっている。警告しきい値51が大きくなることで、端末装置70のバッテリ残量の誤差が大きくなっていても、起動状態を維持できない程度のバッテリ残量になる前にバッテリ警告することができる。
なお、警告しきい値51が変更された場合、警告しきい値51は基準値52よりも大きな値になるので、運転者がまだバッテリ残量に余裕があると誤解するおそれがある。そこで、図9(a)に示すように、通信が切断された時のバッテリ残量をメッセージ322に含めることが有効になる。図9(a)はバッテリ警告情報321の別の表示例を示す図である。図9(a)では、メッセージ322に「バッテリ残量はあと35%です。前回、バッテリ残量が30%の状態で通信が切断されました。」と表示されている。通信が切断されるバッテリ残量と現在のバッテリ残量が表示されるので運転者は緊急性を把握できる。
また、一時的に通信が切断されるバッテリ残量を表示するのでなく、端末状態情報302に通信が切断された時のバッテリ残量と現バッテリ残量49を端末情報表示処理部43が常に表示してもよい。図9(b)は端末状態情報302の一例を示す。通信が切断された時のバッテリ残量と現バッテリ残量49が表示されている。これにより、運転者はいつでも現バッテリ残量49と通信が切断されるバッテリ残量を把握できる。
図7に戻って説明する。ステップS8−5では通信接続が継続中か否かが判定される。通信していない場合、バッテリ残量が起動状態を維持できない程度に低下した可能性があり、警告しきい値51を復帰せずに処理が終了する。
通信接続が継続中の場合、しきい値復帰部48はバッテリ残量が基準値52以下か否かを判定する(S8−6)。基準値52は一般的にバッテリ残量が少なく充電することが好ましい値である。
警告しきい値51の変更の際に装置10と通信していた端末装置70はバッテリ残量が基準値52よりも大きくても通信接続を維持できない状態に陥る可能性が高い。したがって、単に充電されただけの端末装置70に対してはバッテリ残量が基準値52以下であると判定されることが生じにくい。このため、ステップS8−6の判定はNoになり、警告しきい値51の復帰は行われない。
これに対し、運転者が端末装置70のバッテリ残量の誤差を解消する作業を行う場合がある。例えば、電源OFF状態で0%から100%まで充電する作業を2回行うと、バッテリ残量の誤差を解消することができる。運転者がバッテリ残量の誤差を解消する作業を行った場合を考える。
運転者がバッテリ残量の誤差を解消する作業を行ったので、バッテリ残量が変更後の警告しきい値以下かつ基準値52以下になっても、端末装置70は装置10との通信を継続できる。このため、ステップS8−6でYesと判定される値以下にバッテリ残量が低下することができ、ステップS8−6でYesと判定される。これにより、しきい値復帰部48は警告しきい値51を基準値52に復帰させる(S8−7)。なお、バッテリ警告部46は警告しきい値51が復帰されたこと、又は、復帰後の警告しきい値51をディスプレイ25に表示したり音声により出力したりしてもよい。
このように、警告しきい値51が変更されても、運転者がバッテリ残量の誤差を解消する作業を行った場合、装置10は警告しきい値51を元の値に復帰することができる。
なお、復帰後の警告しきい値51は基準値でなくてもよく、変更後の警告しきい値(例えば35%)よりも小さい値であればよい。また、基準値よりも小さい値でもよい。しかし、バッテリ残量が十分に高い場合にバッテリ警告することは不要警告になり、バッテリ残量がかなり低い場合にバッテリ警告すると充電が間に合わないおそれが生じる。
<ユーザごとの警告しきい値の保持>
一台の車両を家族などの複数の運転者が共通に使用する場合がある。説明のため、運転者をユーザという。一台の車両を複数のユーザが使用する場合、バッテリ残量の誤差はユーザによって様々であると考えられる。そこで、装置10がユーザごとに警告しきい値51を保持することが有効になる。この場合、装置10は例えば電子キー(無線で車両と通信しエンジン始動等を可能にする)のキーID、端末装置70の識別情報、又は、生体認証などでユーザを特定する。警告しきい値51が変更された場合、ユーザIDに対応付けて警告しきい値51を保持することで、各ユーザの端末装置70に固有のバッテリ残量の誤差に応じてバッテリ残量を警告できる。
なお、IDはIdentificationの略であり識別子や識別情報という意味である。IDは複数の対象から、ある特定の対象を一意的に区別するために用いられる名称、符号、文字列、数値又はこれらのうち1つ以上の組み合わせをいう。
<バッテリ警告の出力>
図8では、装置10はディスプレイ25にバッテリ警告を表示したが、音声によりスピーカ27からバッテリ警告を出力してもよい。バッテリ警告部46は、音声合成装置に上記のメッセージ322を入力し、スピーカ27からバッテリ警告を音声で出力する。
バッテリ警告は、ディスプレイ25への表示と音声による出力の少なくとも一方を行ってもよいし、両方を行ってもよい。また、ディスプレイ25への表示の後、一定時間が経過しても端末装置70が有線で接続されない場合に、スピーカ27から音声により警告してもよい。有線で接続したことは有線通信装置16が検出して制御部9に通知する。
また、バッテリ警告の図8のメッセージをディスプレイ25に表示するのでなく、HUD(Head Up Display)に表示してもよい。HUDに表示することで、運転者は少ない視線移動でメッセージを目視できる。この場合も、ディスプレイ25への表示、音声出力、及び、HUDによる表示を全て行ってもよいし、1つ以上を行ってもよい。複数行う場合は、同時に行ってもよいし時間差を設けて行ってもよい。
<バッテリ残量の誤差の解消方法の出力>
また、バッテリ警告を出力するだけでなく、装置10がバッテリ残量の誤差の解消方法を出力することも有効である。バッテリ残量に誤差があることは知られていても、バッテリ残量の誤差の解消方法は一般に知られていない。
警告しきい値51を変更する場合、しきい値変更部47は図8のメッセージと共に又は図8のメッセージに続いてバッテリ残量の誤差の解消方法を表示する。例えば以下のように表示する。
「バッテリ残量の誤差が大きくなっています。
電源OFF状態で0%から100%まで充電する作業を2回行ってください。」
メッセージを読んだ運転者はバッテリ残量の誤差の解消方法を知ることで、誤差を解消する作業を行うことができる。
<端末装置への警告>
端末装置70から通信が切断された場合、もはや装置10と端末装置70は通信していないので、装置10は端末装置70のバッテリ残量に誤差があることを端末装置70に通知できない。しかし、端末装置70が充電され、再度、端末装置70と装置10が無線(又は有線でもよい)で通信した場合、装置10はバッテリ残量に誤差があることを端末装置70に通知できる。端末装置70は図8のようなメッセージ322をLCD207に表示する。運転者はメッセージ322を見て充電したり、バッテリ残量の誤差の解消を実行したりできる。
図10は、装置10が端末装置70にバッテリ状態に関する警告を行う場合のフローチャート図の一例である。図10の処理は、例えば車両がアクセサリー又はIG−ONになるとスタートする。また、図10の処理のため、しきい値変更部47は図7のステップS8−9で警告しきい値51を変更した場合、警告しきい値変更フラグをONに設定しておく。
そして、装置10のバッテリ警告部46は端末装置70と通信接続したか否かを判定する(S10)。すなわち、通信していない状態から通信したか否かを判定する。ステップS10の判定がNoの場合、通信接続まで待機する。
ステップS10の判定がYesの場合、バッテリ警告部46は前回の接続時に警告しきいを変更したか否かを判定する(S20)。この判定のため、警告しきい値変更フラグを参照する。ステップS20の判定がNoの場合、すでに端末装置70に通知済みであると考えられ、図10の処理は終了する。
ステップS20の判定がYesの場合、バッテリ警告部46は通信部41を介して端末装置70にバッテリ状態に関する警告を送信する(S30)。例えば、バッテリ残量の精度が低下しているおそれがある旨を端末装置70に送信する。なお、送信により警告しきい値変更フラグをOFFにしておく。
これにより、端末装置70はバッテリ残量の精度が低下していることをLCD207に表示したり、音声出力して運転手に通知したりすることができる。なお、運転者の電子メールアドレスにバッテリ状態に関する警告を送信してもよい。
単に、バッテリ残量の精度が低下しているおそれがある旨を通知するのでなく、バッテリ残量の誤差の解消方法を装置10が端末装置70に送信してもよい。運転者は運転中に端末装置70を目視することは少ないが、運転後に端末装置70を見ることで誤差の解消方法を知り、誤差を解消する作業を行うことができる。端末装置70の処理制御部75は例えば待ち受け画面に誤差の解消方法を表示したり、運転者が所定のアプリを起動させたりした際に誤差の解消方法を表示する。なお、運転者のメールアドレス宛に電子メールを送信してもよい。
<端末装置70におけるバッテリ残量の精度の低下の検知>
装置10が行った警告しきい値51の変更等を端末装置70も行うことができる。端末装置70は装置10と同様の処理を行う。これにより、運転者は装置10だけでなく、端末装置70によってもバッテリ残量の精度の低下が考慮されたバッテリ警告を受けることができる。
図11は、端末装置70の機能ブロック図の一例である。なお、装置10の機能ブロック図は図4と同様なので省略した。図11の説明では主に図4との相違についてのみ説明する場合がある。
図11の端末装置70はバッテリ警告部46を有している。バッテリ警告部46の機能は装置10のものと同様である。しかし、端末装置70のバッテリ警告部46はしきい値変更フラグ53を有している。しきい値変更フラグ53は、警告しきい値51を変更した場合にONになるフラグであり、警告しきい値51の変更を運転者に報知するとOFFになる。運転者への報知はメッセージの表示又は音声出力のどちらでもよい。
図12は、端末装置70が行う警告しきい値51の変更、バッテリ警告の出力、及び、警告しきい値51の復帰の処理手順を説明するフローチャート図の一例である。図12は端末装置70の処理であるが、装置10と共通の処理があるため、主に図7との相違を説明する。図12の処理は端末装置70の電源ONによりスタートする。
説明の便宜上ステップS8−8から説明する。バッテリ警告部46は、バッテリ残量が警告しきい値以下でないにも関わらず端末装置70が電源OFFするか否かを判定する(S8−8)。この電源OFFは、起動状態を維持できないほどバッテリ残量が低下した場合に生じる電源OFFであり、運転者の操作による電源OFFを含まない。この場合、しきい値変更部47は警告しきい値51を「現バッテリ残量+α」に変更する(S8−9)。
そして、バッテリ警告部46はしきい値変更フラグ53をONに設定する(S8−9−2)。これにより、端末装置70の電源がOFFになった理由が、起動状態を維持できないほどバッテリ残量が低下したためであることが記録される。
次に、端末装置70が充電され電源ONされるとステップS7−1が実行される。バッテリ警告部46はしきい値変更フラグ53がONか否かを判定する(S7−1)。
しきい値変更フラグ53がONの場合、バッテリ警告部46は警告しきい値51が変更された旨をLCDに表示したり、スピーカ27から音声で出力したりする(S7−2)。この時、バッテリ警告部46はバッテリ残量の精度が低下していることや、バッテリ残量の精度の低下の解消方法を出力してもよい。以降のステップS8−1〜S8−7の処理は図7と同様でよいため、説明を省略する。
このように、端末装置70においても警告しきい値51を変更するので、運転者は早期に端末装置70を充電できるようになる。
<まとめ>
本実施形態の通信システム100は、通信が切断された場合に装置10の警告しきい値を変更前より大きな値に変更するので、運転者の端末装置70のバッテリ残量に誤差が含まれていても、端末装置70が通信を切断するバッテリ残量になる前に運転者に警告することができる。
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、運転者がバッテリ残量の誤差を解消しないまま更に誤差が大きくなった場合、図7の処理により、装置10は変更後の警告しきい値を更に大きくしてよい。この場合、警告しきい値の復帰は、バッテリ残量が基準値以下であるかどうかに基づき行われてもよいし、1回目の変更時の警告しきい値以下であるかどうかに基づき行われてもよい。
また、装置10は車両8に搭載される他、自動二輪車又は自転車に装置10が搭載されてもよい。
また、図5、13などの構成例は、装置10及び端末装置70の処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。また、装置10及び端末装置70の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
なお、通信部41はバッテリ残量取得手段の一例であり、バッテリ警告部46は警告手段の一例であり、しきい値変更部47はしきい値変更手段の一例であり、しきい値復帰部48はしきい値復帰手段の一例である。