以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、遊技を行なうことが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
[第1実施形態]
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機1では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な表示手段としての演出表示装置9が設けられている。識別情報としての演出図柄は、第1情報としての数字情報(たとえば数字)と、第2情報としての装飾情報(たとえばキャラクタ)から構成される。第1識別情報や第2識別情報は、変動表示に対応して表示態様が変化する。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
より具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア、図示せず)が設けられる。合算保留記憶表示部では、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、演出表示装置9のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
また、演出表示装置9の上方には、役物12が設けられている。役物12は、遊技盤6と演出表示装置9との間に位置し、役物モータ17によって位置を変位することが可能である。役物12は、通常は遊技者から視認し難い場所に位置し、所定の演出が実行されるときに遊技者から視認可能な位置(たとえば、演出表示装置9の前方の位置)に移動する。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図3は、主基板(遊技制御基板)および演出制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。また、演出制御用CPU101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して役物モータ17を駆動して役物12を動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動表示時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動表示時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」(SPリーチ)は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ50秒〜80秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (80秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が80秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(50秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図6(a),図6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数が1減算されることを示す合算保留記憶数減算指定コマンドである。この実施の形態では、合算保留記憶数指定コマンドは、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への遊技球の始動入賞時(たとえば、後述する始動口スイッチ通過処理の実行時)に、演出制御用マイクロコンピュータ100に送られる。また、合算保留記憶数減算指定コマンドは、変動表示開始時(たとえば、後述する特別図柄変動表示中処理の実行時)に演出制御用マイクロコンピュータ100に送られる。なお、合算保留記憶指定コマンドおよび保留記憶数減算指定コマンドを兼用してもよい。たとえば、合算保留記憶数指定コマンドを、減算後の保留記憶数を特定可能なコマンドとして用いてもよい。なお、合算保留記憶数としてではなく、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを特定可能なコマンドをそれぞれ送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値を合算保留記憶数として特定してもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM55に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時に抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理の判定結果を示すコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図8は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図9は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第1」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第2」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図10は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3等)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数SR1−1〜SR1−3のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図11は、図10に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S700)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S700)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
[識別情報について]
次に、本実施の形態で用いられる識別情報について説明する。本実施の形態では、演出表示装置9において、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄が変動表示される。識別情報としての演出図柄は、第1情報としての数字情報(数字)と、第2情報としての装飾情報(キャラクタ)から構成される。第1情報としての数字を示す画像と第2情報としてのキャラクタを示す画像とは、それぞれ1対1に対応付けられている。なお、第1情報は、漢字、英字、所定のマークやシンボル等であってもよい。また、第2情報は、キャラクタ以外のエフェクト表示等でもよく、第1情報のモチーフに合った装飾表示であればよい。
図12は、第1情報と第2情報との関係を示す図である。図12に示すように、数字の「1」に対応して「キャラクタA」が対応付けられ、数字の「2」に対応して「キャラクタB」が対応付けられ、数字の「3」に対応して「キャラクタC」が対応付けられ、数字の「4」に対応して「キャラクタD」が対応付けられ、数字の「5」に対応して「キャラクタE」が対応付けられ、数字の「6」に対応して「キャラクタF」が対応付けられ、数字の「7」に対応して「キャラクタG」が対応付けられ、数字の「8」に対応して「キャラクタH」が対応付けられ、数字の「9」に対応して「キャラクタI」が対応付けられている。
識別情報の表示パターンには、装飾情報(キャラクタ)を表示せず数字情報(数字)を表示する第1表示パターンと、数字情報(数字)および装飾情報(キャラクタ)を表示する第2表示パターンとが設けられている。第1情報としての数字情報(数字)および、第2情報としての装飾情報(キャラクタ)は、変動表示において第1表示パターンや第2表示パターンに変化することにより、表示態様が変化するようになっている。変動表示における第1情報としての数字および第2情報としてのキャラクタの表示態様の変化について、以下に説明する。
[変動表示の表示態様について]
図13は、変動表示の態様を示す図である。特に図13では、短縮変動時の表示態様を示している。短縮変動時には3つの全図柄が一斉に変動を開始するとともに、短い変動時間内に全図柄が一斉に変動を停止する。それに対し、通常の変動時には3つの図柄一斉に変動を開始するとともに、左図柄、右図柄、中図柄の順番で変動を停止する。なお、短縮変動時に、通常の変動時と同じ図柄の停止順としてもよく、変動開始時に図柄が1つずつ動き出すようにしてもよい。
図13では、図13(a)〜(e)の順に変動表示における時間の経過を示している。図13(a)は、変動開始時の演出表示装置9の表示画面を示している。図13(a)に示す変動開始時とは、演出図柄が停止しており、これから変動表示が開始される直前の状態を示す。演出表示装置9の表示画面には、数字とキャラクタとから形成される識別情報としての演出図柄が表示される。数字とキャラクタとで形成される演出図柄は、演出表示装置9の表示画面に対して広い表示範囲に表示される。また、数字とキャラクタとでは、キャラクタの方が表示範囲が広い。
図13(a)のように数字とキャラクタとで形成されていた演出図柄が、変動開示時図柄アクションとして図13(b)のように、数字のみとなる。このように、変動開始時には、演出図柄が下方向へ変動を開始した後に、第1表示パターンである数字による変動表示が開始される。図13(a)から図13(b)においては、キャラクタが拡大する等、変動開始時の動作を実行した後、消去され、数字が変動開始前よりも大きくなり、下方向への数字のみによる変動表示が実行される。図13(c)は、変動中の演出図柄の表示態様を示している。下向きの矢印は、数字が下方向に変動している様子を示している。
図13(d)は、演出図柄の変動表示時が停止するときの図柄アクションを示している。変動停止時には、高速で変動していた3つの数字が表示画面の中央の停止位置に停止する動作が実行される。その後、3つの数字図柄が図柄の停止位置よりも下方向へ移動する。このときの変動停止時図柄アクションとして、図13(e)の点線で示す停止位置の図柄を下方向に押下げるように、キャラクタB,C,Hが演出表示装置9の画面を正面から見たときの奥行き方向から前方に向かって飛出すように表示される演出が実行される。その演出に伴い、数字が下方向へさらに移動し縮小した表示態様で表示される。
その後、図13(f)のように、変動停止時においては、演出図柄が数字とキャラクタとからなる第2表示パターンにより表示される。ここで、変動開始時図柄アクションとして数字とキャラクタとからなる第2表示パターンから数字のみからなる第1表示パターンへ変化するときの表示態様と、変動停止時図柄アクションとして数字のみからなる第1表示パターンから数字とキャラクタとからなる第2表示パターンへ変化するときの表示態様とは、異なっている。たとえば、変動開始時にキャラクタが前方へ拡大表示され、消去されるときの動きと、変動停止時にキャラクタが演出表示装置9の画面を正面から見たときの奥行き方向(後方)から前方へ出現し、数字を押下げる動きとで表示態様が異なっている。このようにすれば、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
なお、変動停止時の動作は、キャラクタA〜キャラクタIにより各々異なるが、変動開始時に数字のみになるときの動作は、全図柄で共通となるようにしてもよい。このようにすれば、変動開始時には、3つの図柄が同時に動き出すので、図柄アクションの統一がとれて見栄えをよくすることができる。
また、図13に示すように、第2表示パターンにより表示するときの数字の大きさと第1表示パターンにより表示するときの数字の大きさが異なっている。たとえば、第2表示パターンにより表示される変動開始時や変動停止時に表示される数字の大きさは、第1表示パターンにより表示される変動中の数字の大きさより表示範囲が小さい。このようにすれば、変動開始時や変動停止時には、数字とキャラクタとからなる表示態様に遊技者を注目させることができるとともに、変動表示中は、変動停止時よりも大きな表示範囲で数字のみによる変動表示を実行することで、変動表示中の演出図柄の移り変わりを認識させやすくすることができ、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
また、図13に示すように、変動停止時図柄アクションとして数字を下方向に移動させることによりキャラクタを数字より大きく表示するパターンにより変動表示を停止する演出が実行される。このようにすれば、数字とキャラクタとを表示するときの表示態様に面白みを持たせ、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
また、図13に示すように、変動表示を停止するときに、キャラクタを停止前の数字の表示範囲より広くして出現させる表示を行なう表示を実行する。このようにすれば、第1表示パターンから第2表示パターンに変化するときの違和感を軽減することができる。よって、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
また、図13(d),(e)に示すように、変動停止時図柄アクションとして、キャラクタが演出表示装置9を正面から見たときの奥行き方向から前方に飛出すように表示する演出が実行される。このようにすれば、キャラクタを用いた迫力のある表示を行なうことができる。
また、図12に示すような数字とキャラクタとの対応関係があり、図13に示すように、数字に応じたキャラクタを表示するパターンで変動表示が停止される。このようにすれば、数字に応じて各々別々のキャラクタが出現することとなるので、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
[非リーチはずれ時図柄表示パターンについて]
図14は、非リーチはずれ時図柄表示パターンのタイミングチャートである。図13に示す変動表示が図14に示すようなタイミングで実行される。時間t0において、変動表示が開始される(図13(a)参照)。次いで、時間t0〜t1にかけて変動開始時アクションが実行される(図13(b)参照)。変動開始時アクションでは、数字とキャラクタとから成る演出図柄が数字のみとなり、数字が下方向に動く変動表示が実行される。その後、T1の期間において、数字のみによる変動表示が実行される(図13(c)参照)。
T1の後のt2〜t3にかけて、変動停止時図柄アクションが実行される(図13(d),(e)参照)。変動停止時図柄アクションでは、数字のみで表示されていた図柄が変動を停止するときに停止位置よりも下方に移動し、その空いた空間にキャラクタが演出表示装置9の画面を正面から見たときの奥行き方向から前方に飛出す演出が実行される。また、変動停止時図柄アクションでは、数字が下に移動したときにキャラクタを数字よりも大きく表示する。そして、t3において、変動表示が数字とキャラクタとから成る第2表示パターンにより停止する(図13(f)参照)。
図14に示すように、変動停止時アクションとして数字のみから数字とキャラクタとに変更する第1変更演出を実行し、変動開始時アクションとして数字とキャラクタとから数字のみに変更する第2変更演出を実行する。第1変更演出と第2変更演出とでは、実行態様が異なっている。第1変更演出として実行される変動停止時図柄アクションでは、キャラクタが演出表示装置9の画面を正面から見たときの奥行き方向から前方に飛出し、数字が下に移動し、数字よりもキャラクタを大きく表示し、第2変更演出として実行される変動開始時図柄アクションでは、数字とキャラクタからキャラクタが消去され変更前より大きく表示された数字のみが下方向に変動する。このようにすれば、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
[SPリーチ大当り時図柄表示パターンについて]
次に、スーパーリーチ(SPリーチ)が発生し、大当りとなるときの図柄表示パターンについて説明する。図15は、SPリーチ大当り時図柄表示パターンのタイミングチャートである。時間t0において、変動表示が開始される。次いで、時間t0〜t1にかけて変動開始時アクションが実行される。変動開始時アクションでは、数字とキャラクタとから成る演出図柄が数字のみとなり、数字が下方向に動く変動表示が実行される。その後、T1の期間において、数字のみによる変動表示が実行される。
その後、t2において、左図柄変動停止時図柄アクションとして、演出図柄が数字のみから成る第1表示パターンから数字とキャラクタとから成る第2表示パターンとなり、仮停止した状態(完全に図柄が停止せずに、上下に僅かに動く状態)となる。このときの数字とキャラクタの動きは、前述した変動停止時アクションと同様である。ついで、t3において、右図柄変動停止時アクションとして、演出図柄が数字のみから成る第1表示パターンから数字とキャラクタとから成る第2表示パターンとなり、仮停止した状態となる。このときの数字とキャラクタの動きも、前述した変動停止時アクションと同様である。
そして、t3の状態からt4にかけてリーチ形成時アクションが実行される。リーチ形成時アクションでは、第2表示パターンとして表示されるキャラクタを大きく動く演出が実行される。たとえば、リーチ状態となった後にキャラクタが横方向に回転する演出が実行されることにより、キャラクタの前面および背面を見せる演出が実行される。なお、キャラクタのリーチ形成時アクションの動作は、各キャラクタ毎に異なるようにすればよい。また、キャラクタの動きを大当り期待度により異ならせてもよい。また、リーチ状態となるまでのt2およびt3の段階では数字図柄のままとし、t4のタイミングにおいて左右の数字図柄(リーチ図柄)を数字とキャラクタとから成る第2表示パターンとしてもよい。
その後、数字図柄のみで実行される通常のリーチ演出から中図柄が高速スクロールし、t5において、SPリーチへとリーチが発展する。SPリーチへ発展するときに、数字で示される演出図柄が演出表示装置9の画面の隅(たとえば、右隅)で縮小した表示態様の小図柄として表示される。
SPリーチへ発展した後のT2における期間では、小図柄アクションパターンが実行される。小図柄アクションパターンの期間では、SPリーチ演出が実行され、小図柄が激しく動く演出が実行される。たとえば、小図柄アクションパターン中は、SPリーチ演出において流れる演出音に合わせて小図柄が上下に飛び跳ねる演出や縦方向および横方向に回転する演出が実行されればよい。そして、t6において、SPリーチが終了し大当りとなったことが、小図柄から拡大され通常の大きさとなった数字のみの図柄揃いにより表示される。
なお、SPリーチの種類(第1スーパーリーチ〜第4スーパーリーチ等)により、小図柄アクションのパターンが変化するようにしてもよい。また、SPリーチ中に流れる曲の種類により小図柄の動作が異なるようにしてもよい。また、SPリーチ中の途中で小図柄の動作が変化するようにしてもよい。また、大当り期待度により小図柄の動作態様を異ならせてもよい。また、SPリーチに発展する前に小図柄を表示してもよく、SPリーチの種類により、SPリーチ発展前と発展後とで、小図柄の動作態様が異なるようにしてもよい。このようにすれば、小図柄の動作態様が多様になり、遊技の興趣を向上させることができる。
その後、t7において、SPリーチの背景から通常背景に戻る演出が実行される。さらに、その後、図柄が変動を停止し、確定表示(完全に図柄が停止した状態)となるまでに、数字のみの第1表示パターンから数字とキャラクタとから成る第2表示パターンで表示され、キャラクタが決め動作を実行する。キャラクタの決め動作としては、たとえば、キャラクタがVサインをして大当り表示結果となる数字が確定したことが示される演出が実行される。
図15に示すように、リーチ形成時アクションとしてキャラクタが大きく動く表示が行われるので、キャラクタの動きに注目させることができ、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
また、図15に示すように、SPリーチ終了時に数字のみで図柄揃いし、通常背景に戻った後の確定表示時に数字とキャラクタで決め動作をする。このようにすれば、演出の各場面に適した演出図柄の表示態様とすることができ、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
また、図15に示すように、小図柄アクションパターンBとしてSPリーチ中の演出音に応じて小図柄を激しく動かす演出が実行される。このようにすれば、縮小させて表示さした小図柄としての数字を好適に表示することができる。
なお、SPリーチ前は、小図柄を表示させないようにしてもよい。具体的には、SPリーチへ発展する前は、簡単に数字のみでリーチはずれとする演出を実行し、その後SPリーチ発展したときに数字図柄を小図柄で表示するようにしてもよい。
次に図柄表示パターン等を決定するための処理について説明する。図16は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(S601のN)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616へ進む。
S603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理を行なう演出設定処理(S616)を実行した後、S617に進む。演出設定処理では、S603〜S605において決定された図柄の種類に基づいて図柄表示パターン等を決定する。図柄表示パターンの決定の際には、今回の変動表示が通常変動はずれであるか、短縮変動はずれであるか、リーチを伴うものであるか、SPリーチへ発展するものであるか等により、演出図柄の表示パターンや表示態様を決定する。なお、これらの情報は、RAM103の記憶領域に設けられたコマンド格納領域に記憶されている変動パターン指定コマンドにより判定されるようにすればよい。
S617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。S617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616の処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、S616の処理で決定された演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S622)。そして、演出図柄変動開始処理が終了する。
[その他の演出について]
前述した実施の形態において、次のような演出を実行してもよい。たとえば、全画面予告演出を実行してもよい。全画面予告演出とは、変動開始時に演出表示装置9の表示画面の全域に暗転画像DGなどの被覆画像を表示して飾り図柄(演出図柄)の表示態様を視認困難とするブラックアウト演出といった全画面を覆う予告演出のことである。なお、被覆画像は、暗転画像DGや黒画像に限るものではなく、発光態様の画像やフリーズ態様の画像など、所定の色や模様などの画像であってもよく、飾り図柄の表示形態(特に飾り図柄の表示内容)が視認困難または視認不可能になる画像であればよい。また、全画面予告演出などの所定の予告演出は、パネル型(パネル表示形式)のステップアップ予告、カットイン予告、ストーリー予告、ミニゲーム予告、発展予告などであってもよく、表示画面の全域または部分(少なくとも飾り図柄を隠すことが可能な部分)に表示される予告演出であって、少なくとも飾り図柄(たとえば、飾り図柄の表示形態または表示内容など)が全く見えない(透過性がゼロ)などの視認不可能とする予告演出や、表示画面や飾り図柄が透けて見える(透過性が低い)などの視認困難とする予告演出であってもよい。
図17、図18を参照して、全画面予告演出の有無の場合における図柄予告演出と逆変動が表示される場合の一例を説明する。図17は飾り図柄の変動と各予告演出等の関係を示すタイミングチャートであって、(A)では全画面予告演出の実行が無く、(B)では全画面予告演出の実行が有る場合を示す。図18は、スーパーリーチ変動表示の開始期間において図17に示す場合の演出実行例を示している。具体的には、図18(A)、(B1)〜(E1)は図17(A)の場合の演出実行例であり、図18(A)、(B2)〜(E2)は図17(B)の場合の演出実行例である。
図17(A)に示すように、飾り図柄の変動表示についてみれば、その変動開始時(タイミングT01)に全ての飾り図柄の逆方向変動が開始され、逆方向変動の終了時(タイミングT03)に飾り図柄の順方向への変動が開始されてから高速変動となり、その後に左右の飾り図柄の変動が減速され、リーチの表示態様となり(リーチ成立)、リーチ演出が実行される。また、各予告演出などについてみれば、図17(A)では、全画面予告演出の実行が無しに決定されており、タイミングT01において飾り図柄の逆方向始動表示と図柄予告演出とが開始される。図柄予告演出はタイミングT02にて終了し、逆方向変動はタイミングT03に終了する。この逆方向変動の終了時(タイミングT03)には飾り図柄の順方向への変動が開始される。このときの演出実行例を見てみると、図18(A)に示すように前回の変動表示において飾り図柄が基準位置Refに確定表示された状態から、図18(B1)に示すように順方向(下方向)とは反対の逆方向(上方向)変動が開始されるとともに、図18(B1)に示すような図柄予告演出、つまり、飾り図柄の周囲に所定色(たとえば、青色、緑色、赤色など)のオーラ(後光)の画像Gが表示される予告演出も開始される。そして、図17(A)に示す逆方向変動の終了時(タイミングT03)にて、図18(C1)に示すように飾り図柄の逆変動が停止し、図18(D1)に示すように飾り図柄の順方向への変動が開始され、図18(E1)に示す基準位置Refを越えて飾り図柄が順方向へ変動表示されていく。
これに対して、図17(B)では、全画面予告演出の実行が有りに決定されているので、図柄予告演出が、初期値としてのタイミングT01からタイミングT03に変更される。このときの演出実行例を見てみると、図18(B2)に示すように全画面予告演出(ブラックアウト演出)が開始され、図18(C2)に示すように全画面予告演出に含まれる「チャンス!」などの報知画像が表示され、図18(C2)の全画面予告演出の終了後、つまり、図18(D2)に示すように飾り図柄の順方向変動が開始されたときに図柄予告演出が開始されるように変更されている。つまり、図柄予告演出の開始が、図18(B1)に示す変動開始時ではなく、図18(D2)に示す全画面予告演出(ブラックアウト演出)の終了後に変更されている。これにより、図柄予告演出が全画面予告演出に隠れて非表示となることを防止できる。なお、飾り図柄の逆方向始動表示は変更なく実行されているが、図18(B2)、(C2)に示す全画面予告演出(ブラックアウト演出)の背後に隠れているため、遊技者からは見えない。また、図18(C2)に示す報知画像は、全画面予告演出に含まれるとしているが、全画面予告演出とは別途に実行される予告としてもよいし、報知画像を表示しないとしてもよい。また、図18(D2)に示すように飾り図柄が基準位置Refに到達する前から図柄予告演出を開始しているが、一点鎖線矢印で示すように、飾り図柄が基準位置Refに戻った状態から図柄予告演出を実行するようにしてもよい。また、図柄予告演出の実行期間は、図17(A)に示すように逆方向変動の実行期間よりも短いが、逆方向変動の実行期間と同じまたはそれよりも長くしてもよい。図17(B)のように開始がタイミングT03に変更された場合も、前記と同様である。
次に、図19、図20を参照して、図柄予告演出の実行が無く、全画面予告演出の有無の場合において逆変動が表示される場合の一例を説明する。図19は飾り図柄の変動と各予告演出等の関係を示すタイミングチャートであって、(A)では図柄予告演出と全画面予告演出との実行が無く逆変動が実行される場合、(B)では図柄予告演出の実行が無く全画面予告演出と逆変動が実行される場合を示す。図20は、スーパーリーチ変動表示の開始期間において図19に示す場合の演出実行例を示している。具体的には、図20(A)、(B1)、(C1)、(D)、(E)は図19(A)の場合の演出実行例、図20(A)、(B2)、(C2)、(D)、(E)は図19(B)の場合の演出実行例である。
図19(A)に示す飾り図柄の変動表示は、前述の図17(A)と同じであるためここでの説明を省略する。また、各予告演出などについてみれば、図19(A)では、全画面予告演出と図柄予告演出の実行が無しに決定されており、タイミングT01において飾り図柄の逆方向始動表示が開始され、逆方向変動はタイミングT03にて終了する。この逆方向変動の終了時(タイミングT03)には飾り図柄の順方向への変動が開始される。このときの演出実行例を見てみると、図20(A)に示すように前回の変動表示において飾り図柄が基準位置Refに確定表示された状態から、図20(B1)に示すように順方向(下方向)とは反対の逆方向(上方向)変動が開始され、図19(A)に示す逆方向変動の終了時(タイミングT03)にて、図20(C1)に示すように飾り図柄の逆変動が停止し、図20(D1)に示すように飾り図柄の順方向への変動が開始され、図20(E1)に示す基準位置Refを越えて飾り図柄が順方向に変動表示されていく。
これに対して、図19(B)では、図柄予告演出の実行が無しに決定され、全画面予告演出と逆方向変動の実行が有りに決定されており、全画面予告演出と逆方向変動とが変動開始時(タイミングT01)に開始され、タイミングT03にて共に終了する。この逆方向変動の終了時(タイミングT03)には飾り図柄の順方向への変動が開始される。このときの演出実行例を見てみると、図20(B2)に示すように全画面予告演出(ブラックアウト演出)が開始され、図20(C2)に示すように全画面予告演出に含まれる「チャンス!」などの報知画像が表示され、図20(C2)の全画面予告演出の終了後、つまり、図20(D)に示すように飾り図柄の順方向変動が開始されている。なお、飾り図柄の逆方向始動表示は実行されているが、図20(B2)、(C2)に示す全画面予告演出(ブラックアウト演出)の背後に隠れているため、遊技者からは逆方向変動が見えない。また、図20(C2)に示す報知画像は、全画面予告演出に含まれるとしているが、全画面予告演出とは別途に実行される予告としてもよいし、報知画像を表示しないとしてもよい。また、図20(D)に示すように飾り図柄が基準位置Refに到達する前から順方向への変動表示が視認可能であるが、一点鎖線矢印で示すように、飾り図柄が基準位置Refに戻った状態から順方向への変動表示が視認可能としてもよい。
ここで、図21、図22を参照して、逆方向変動の実行が無く、全画面予告演出の有無の場合における図柄予告演出が実行される場合の一例を説明する。図21は飾り図柄の変動と各予告演出等の関係を示すタイミングチャートであって、(A)では全画面予告演出と逆方向変動の実行が無く、(B)では逆方向変動の実行が無く、全画面予告演出と図柄予告演出の実行が有る場合を示す。図22は、スーパーリーチ変動表示の開始期間において図21に示す場合の演出実行例を示している。具体的には、図22(A)、(B1)は図21(A)の場合の演出実行例であり、図22(A)、(B2)、(C2)、(D2)は図21(B)の場合の演出実行例である。
図21(A)に示す飾り図柄の変動表示は、前述の図17(A)と同じであるためここでの説明を省略する。また、各予告演出などについてみれば、図21(A)では、全画面予告演出と飾り図柄の逆方向変動との実行が無しに決定されており、変動開始時(タイミングT01)において図柄予告演出が開始される。図柄予告演出はその後のタイミングT02にて終了する。なお、飾り図柄の順方向への変動も変動開始時(タイミングT01)に開始される。このときの演出実行例を見てみると、図22(A)に示すように前回の変動表示において飾り図柄が基準位置Refに確定表示された状態から、図22(B1)に示すように順方向(下方向)への変動が開始されるとともに、図22(B1)に示すような図柄予告演出、つまり、飾り図柄の周囲に所定色(たとえば、青色、緑色、赤色など)のオーラ(後光)の画像Gが表示される予告演出も開始される。
これに対して、図21(B)では、図柄予告演出と全画面予告演出の実行が有りに決定されているので、図柄予告演出が、初期値としてのタイミングT01からタイミングT03に変更される。このときの演出実行例を見てみると、図22(B2)に示すように全画面予告演出(ブラックアウト演出)が開始され、図22(C2)に示すように全画面予告演出に含まれる「チャンス!」などの報知画像が表示され、図22(C2)の全画面予告演出の終了後、つまり、図22(D2)に示すように飾り図柄の順方向変動が開始されたときに図柄予告演出が開始されるように変更されている。つまり、図柄予告演出の開始が、図22(B1)に示す変動開始時ではなく、図22(D2)に示す全画面予告演出(ブラックアウト演出)の終了後に変更されている。これにより、図柄予告演出が全画面予告演出に隠れて非表示となることを防止できる。なお、図21(B)に示すように図柄予告演出と全画面予告演出の実行が有りに決定され、飾り図柄の逆方向変動の実行無しに決定されているので、図22(B2)、(C2)に示す全画面予告演出(ブラックアウト演出)の実行期間中では、図21(B)に示すように飾り図柄の揺動が実行されているが、全画面予告演出の背後に隠れているため、遊技者からは飾り図柄の揺動が見えない。飾り図柄の順方向への変動開始は、全図柄予告演出の実行期間の終了後に変更されている。また、図22(C2)に示す報知画像は、全画面予告演出に含まれるとしているが、全画面予告演出とは別途に実行される予告としてもよいし、報知画像を表示しないとしてもよい。
(1) 上記目的を達成するため、本発明の遊技機は、
遊技が可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1など)であって、
識別情報(たとえば、飾り図柄など)を所定方向へと変動表示する変動表示手段(たとえば、演出表示装置9など)と、
所定の予告演出(たとえば、全画面予告演出など)を実行可能な予告演出実行手段(たとえば、演出制御用CPU101など)と、
を備え、
前記所定の予告演出は、変動表示の開始時に識別情報の表示態様を視認不可または視認困難とするように実行され(たとえば、図18(B2)、図20(B2)または図22(B2)に示すような飾り図柄が視認不可になるブラックアウト演出など)、
識別情報は、前記所定の予告演出が実行される際に、該所定の予告演出の実行期間の経過後に前記所定方向への変動表示の開始が可能である(たとえば、図18(B2)、図20(B2)または図22(B2)に示すブラックアウト演出の実行期間の経過後に図18(D2)、(E2)、図20(D)、(E)または図22(D2)に示すように飾り図柄の順方向への変動が開始されるなど)。
このような構成によれば、識別情報の動き出しがわかりにくくなってしまうことを防止でき、遊技の興趣を向上できる。
(2) 上記(1)の遊技機において、
前記所定方向は通常方向である(たとえば、図18(D1)、(D2)、(E1)、(E2)に示すように飾り図柄の順方向など)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、識別情報の動き出しがわかりにくくなってしまうことを防止できる。
(3) 上記(1)または(2)の遊技機において、
前記所定の予告演出は、有利状態となる期待度を示唆する演出であって、識別情報の一部分または全体を隠す態様で実行される演出である(たとえば、全画面予告演出は、はずれの場合よりも大当りの場合の方が表示されやすく、飾り図柄の全体を隠す態様の演出(図18(B2)参照)であるなど)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、識別情報の動き出しがわかりにくくなってしまうことを防止できる。
(4) 上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
前記変動表示手段は、識別情報を前記所定方向とは異なる特定方向(たとえば、逆方向など)へと変動表示することが可能である(たとえば、図18(B1)、図20(B1)に示すように飾り図柄が順方向とは異なる逆方向へと変動表示されるなど)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、変動表示の方向が多様になり、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 上記(4)の遊技機において、
前記変動表示手段は、少なくとも前記所定の予告演出の実行期間中において、識別情報を前記特定方向へ変動表示する(たとえば、図17(B)、に示すように少なくとも全画面予告演出の実行期間において、飾り図柄を逆方向へ変動表示することなど)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、識別情報を特定方向に変動表示させてから、特定方向とは異なる所定方向に変動表示させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、
前記所定方向への変動表示の開始時に識別情報予告が実行可能である(たとえば、演出制御用CPU101により、図18(B1)、図22(B1)に示すように図柄予告演出が実行可能であるなど)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、識別情報予告を実行することにより、遊技の興趣を向上できる。
(7) 上記(1)から(6)のいずれかの遊技機において、
前記識別情報予告と前記所定の予告演出とを実行するときには、前記所定の予告演出の終了後に前記識別情報予告を実行する(たとえば、図18(C2)、図22(C2)に示す全画面予告演出の終了後に、図18(D2)、図22(D2)に示すように図柄予告演出を実行するなど)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、識別情報予告と所定の予告演出とが同時期に重複して実行されることを防止でき、識別情報予告が所定の予告演出によって視認不可または視認困難になることを防止できる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図13に示すように、第2表示パターンにより表示するときの数字の大きさと第1表示パターンにより表示するときの数字の大きさが異なっている。たとえば、第2表示パターンにより表示される変動開始時や変動停止時に表示される数字の大きさは、第1表示パターンにより表示される変動中の数字の大きさより表示範囲が小さい。このようにすれば、変動開始時や変動停止時には、数字とキャラクタとからなる表示態様に遊技者を注目させることができるとともに、変動表示中は、変動停止時よりも大きな表示範囲で数字のみによる変動表示を実行することで、変動表示中の演出図柄の移り変わりを認識させやすくすることができ、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
(2) 図12に示すような数字とキャラクタとの対応関係があり、図13に示すように、数字に応じたキャラクタを表示するパターンで変動表示が停止される。このようにすれば、数字に応じて各々別々のキャラクタが出現することとなるので、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
(3) 図13に示すように、変動停止時図柄アクションとして数字を下方向に移動させることによりキャラクタを数字より大きく表示するパターンにより変動表示を停止する演出が実行される。このようにすれば、数字とキャラクタとを表示するときの表示態様に面白みを持たせ、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
(4) 図15に示すように、リーチ形成時アクションとしてキャラクタが大きく動く表示が行われるので、キャラクタの動きに注目させることができ、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
(5) 図14に示すように、変動停止時アクションとして数字のみから数字とキャラクタとに変更する第1変更演出を実行し、変動開始時アクションとして数字とキャラクタとから数字のみに変更する第2変更演出を実行する。第1変更演出と第2変更演出とでは、実行態様が異なっている。第1変更演出として実行される変動停止時図柄アクションでは、キャラクタが演出表示装置9の画面を正面から見たときの奥行き方向から前方に飛出し、数字が下に移動し、数字よりもキャラクタを大きく表示し、第2変更演出として実行される変動開始時図柄アクションでは、数字とキャラクタからキャラクタが消去され変更前より大きく表示された数字のみが下方向に変動する。このようにすれば、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
(6) 図15に示すように、SPリーチ終了時に数字のみで図柄揃いし、通常背景に戻った後の確定表示時に数字とキャラクタで決め動作をする。このようにすれば、演出の各場面に適した演出図柄の表示態様とすることができ、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
(7) 図13に示すように、変動表示を停止するときに、キャラクタを停止前の数字の表示範囲より広くして出現させる表示を行なう表示を実行する。このようにすれば、第1表示パターンから第2表示パターンに変化するときの違和感を軽減することができる。よって、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
(8) 図13(d),(e)に示すように、変動停止時図柄アクションとして、キャラクタが演出表示装置9の画面を正面から見たときの奥行き方向から前方に飛出すように表示する演出が実行される。このようにすれば、キャラクタを用いた迫力のある表示を行なうことができる。
(9) 図15に示すように、小図柄アクションパターンとしてSPリーチ中の演出音に応じて小図柄を激しく動かす演出が実行される。このようにすれば、縮小させて表示さした小図柄としての数字を好適に表示することができる。
[図柄を用いた演出に関する他の例]
次に、演出表示装置9に表示可能な図柄を用いた演出に関する他の例を説明する。図23は、変動パターン設定処理(S301)において設定可能な変動パターンの一例を示す図である。
前述した図6(a)に示した例では、通常状態はずれ時判定テーブルにおいて選択可能な「通常」の変動パターン種別として、変動時間が7秒の「通常変動(7秒)」の変動パターンが設けられている例について説明したが、図23(a)に示す例のように、通常状態はずれ時判定テーブルにおいて選択可能な「通常」の変動パターン種別として、(1)変動時間が7秒の「通常変動(7秒)」の変動パターンの他、(2)変動時間が17秒であり且つ擬似連演出の実行を伴い、その擬似連演出における擬似連図柄の仮停止回数が1回である「通常変動(17秒)擬似連演出(仮停止1回)」の変動パターンと、(3)変動時間が30秒であり且つ擬似連演出の実行を伴い、その擬似連演出における擬似連図柄の仮停止回数が2回である「通常変動(30秒)擬似連演出(仮停止2回)」の変動パターンと、(4)変動時間が17秒であり且つ画面変化演出の実行を伴う「通常変動(17秒)画面変化演出」の変動パターンと、を設けるようにしても良い。
また、前述した図6(a)に示した例では、通常状態はずれ時判定テーブルにおいて選択可能な「スーパーリーチ」の変動パターン種別として、変動時間が50秒の「第1スーパーリーチ(50秒)」の変動パターン等が設けられている例を示したが、図23(a)に示す例のように、通常状態はずれ時判定テーブルにおいて選択可能な「スーパーリーチ」の変動パターン種別として、(1)変動時間が30秒の「第1スーパーリーチ(30秒)」の変動パターンと、(2)変動時間が40秒であり且つ擬似連演出の実行を伴い、その擬似連演出における擬似連図柄の仮停止回数が1回である「第1スーパーリーチ(40秒)擬似連演出(仮停止1回)」の変動パターンと、(3)変動時間が50秒であり且つ擬似連演出の実行を伴い、その擬似連演出における擬似連図柄の仮停止回数が2回である「第1スーパーリーチ(50秒)擬似連演出(仮停止2回)」の変動パターンと、(4)変動時間が40秒であり且つ画面変化演出の実行を伴う「第1スーパーリーチ(40秒)画面変化演出」の変動パターンと、を設けるようにしても良い。
ここで擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語であり、擬似連演出とは擬似連を伴う演出である。
本実施形態では、擬似連演出が実行されるときには、まず左図柄の表示領域及び右図柄の表示領域に、それぞれ数字図柄が仮停止した状態となった後、中図柄の表示領域に擬似連図柄(本例では、後述する図26の(3)及び(6)に示す「NEXT」と表示されている擬似連図柄1000)が仮停止した状態となる。その後、左図柄、中図柄、及び右図柄の各表示領域における図柄の変動表示が再開される(所謂再変動が行われる)ことにより、1の保留記憶に対応した1の変動パターン指定コマンドに基づく演出図柄の変動表示期間内で、あたかも複数回の演出図柄の変動表示が実行されているように見せることが可能となる。ここで、「図柄が仮停止した状態」とは、前述したように完全に図柄が停止せずに、上下に僅かに動く状態であるが、これに限らず、図柄が揺動している状態、図柄が拡大・縮小を繰り返している状態、及び、図柄が最終停止時(図柄確定時)とは異なる形態となっている(変形している)状態等であっても良い。
また、画面変化演出とは、後述する図28及び図30に示すように、数字図柄が演出表示装置9の画面奥側から画面手前側に向けて移動してくる態様の画像を表示した後、その数字図柄が演出表示装置9の画面を構成する透明部材(ガラス板等)に衝突して該透明部材にヒビ(細いヒビ2000a又は太いヒビ2000b)が入った態様の画像を表示可能な演出である。この画面変化演出においては、数字図柄が画面奥側から画面手前側に向けて移動してくる態様(徐々に拡大する態様)で表示されることにより、数字図柄の変動表示が行われており、その数字図柄が画面に衝突して画面にヒビが入った態様の画像が表示されるときに、当該数字図柄の仮停止表示が行われることになる。
前述した図6(c)に示した例では、通常大当り時判定テーブルにおいて選択可能な「スーパーリーチ」の変動パターン種別として、変動時間が50秒の「第1スーパーリーチ(50秒)」の変動パターン等が設けられている例を示したが、図23(b)に示す例のように、通常大当り時判定テーブルにおいて選択可能な「スーパーリーチ」の変動パターン種別として、(1)変動時間が30秒の「第1スーパーリーチ(30秒)」の変動パターンと、(2)変動時間が40秒であり且つ擬似連演出の実行を伴い、その擬似連演出における擬似連図柄の仮停止回数が1回である「第1スーパーリーチ(40秒)擬似連演出(仮停止1回)」の変動パターンと、(3)変動時間が50秒であり且つ擬似連演出の実行を伴い、その擬似連演出における擬似連図柄の仮停止回数が2回である「第1スーパーリーチ(50秒)擬似連演出(仮停止2回)」の変動パターンと、(4)変動時間が40秒であり且つ画面変化演出の実行を伴う「第1スーパーリーチ(40秒)画面変化演出」の変動パターンと、を設けるようにしても良い。
また、前述した図6(d)に示した例では、確変大当り時判定テーブルにおいて選択可能な「スーパーリーチ」の変動パターン種別として、変動時間が50秒の「第1スーパーリーチ(50秒)」の変動パターン等が設けられている例を示したが、図23(c)に示す例のように、確変大当り時判定テーブルにおいて選択可能な「スーパーリーチ」の変動パターン種別として、(1)変動時間が30秒の「第1スーパーリーチ(30秒)」の変動パターンと、(2)変動時間が40秒であり且つ擬似連演出の実行を伴い、その擬似連演出における擬似連図柄の仮停止回数が1回である「第1スーパーリーチ(40秒)擬似連演出(仮停止1回)」の変動パターンと、(3)変動時間が50秒であり且つ擬似連演出の実行を伴い、その擬似連演出における擬似連図柄の仮停止回数が2回である「第1スーパーリーチ(50秒)擬似連演出(仮停止2回)」の変動パターンと、(4)変動時間が40秒であり且つ画面変化演出の実行を伴う「第1スーパーリーチ(40秒)画面変化演出」の変動パターンと、を設けるようにしても良い。
このように本実施形態では、変動パターン毎に、当該変動パターンが擬似連演出を伴うものであるか否か、及び当該変動パターンが擬似連演出を伴う場合における擬似連図柄1000の仮停止回数(再変動の実行回数)が定められている。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で実行される変動パターン設定処理(S301)で、変動パターンの決定が行われることにより、これに対応した擬似連演出の実行の有無及び擬似連演出が実行される場合の擬似連図柄1000の仮停止回数も決定されることになる。
また本実施形態では、変動パターン毎に、当該変動パターンが画面変化演出を伴うものであるか否かが定められている。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で実行される変動パターン設定処理(S301)で、変動パターンの決定が行われることにより、これに対応した画面変化演出の実行の有無も決定されることになる。
なお、画面変化演出の実行の有無が変動パターンにより決定されている形態に限らず、例えば、演出制御用CPU101が、変動パターン指定コマンドを受信したときに、その変動パターン指定コマンドが指定する変動パターンの変動時間や、当該変動パターンに基づく変動表示の表示結果に応じて、画面変化演出を実行するか否かを決定するようにしても良い。例えば、所定時間以上(30秒以上)の変動パターンである場合に、表示結果がはずれの場合には10%の割合で画面変化演出を実行し、表示結果が通常大当りの場合には50%の割合で画面変化演出を実行し、表示結果が確変大当りの場合には80%の割合で画面変化演出を実行するようにしても良い。
(擬似連演出の具体例)
演出制御用CPU101は、図16に示される演出図柄変動開始処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、擬似連演出を実行するか否か、及び、擬似連演出を実行する場合の擬似連図柄1000の仮停止回数(即ち再変動の実行回数)を特定する。そして、変動パターン指定コマンドにより指定される変動パターンが擬似連演出の実行を伴うものである場合には、仮停止を行うときの仮停止図柄(本例では、仮停止させる左図柄及び右図柄の組み合わせであり、後述する図26(3)の例では「4」及び「6」の組み合わせ、後述する図26(6)の例では「5」及び「7」の組み合わせが該当する)を決定する。複数回の仮停止を行う場合には、複数回分の仮停止図柄を決定する。
図26は、擬似連図柄が2回仮停止する擬似連演出の実行後にリーチ状態となり、大当りが発生するときの演出画像の一例を示す図である。本例では、表示結果が確変大当りとなる場合に「第1スーパーリーチ(50秒)擬似連演出(仮停止2回)」の変動パターンが選択された場合に実行される演出を示している。
図26(1)は、演出表示装置9の画面において、左、中、右の各演出図柄がいずれも変動表示している状態を示している。その後、図26(2)に示すように、左図柄の表示エリアに「4」の数字図柄NPが仮停止し、右図柄の表示エリアに「6」の数字図柄NPが仮停止したものとする。次いで、図26(3)に示すように、中図柄の表示エリアに、数字図柄とは異なる特殊図柄として「NEXT」と表示された擬似連図柄1000が仮停止したものとする。これにより、遊技者は演出図柄の変動表示が継続すること(1回目の再変動が実行されること)を把握する。
次いで、図26(4)では、左、中、右の各演出図柄の変動表示が再開され(1回目の再変動が実行され)、その後、図26(5)に示すように、左図柄の表示エリアに「5」の数字図柄NPが仮停止し、右図柄の表示エリアに「7」の数字図柄NPが仮停止したものとする。次いで、図26(6)に示すように、中図柄の表示エリアに、数字図柄とは異なる特殊図柄として「NEXT」と表示された擬似連図柄1000が仮停止したものとする。これにより、遊技者は演出図柄の変動表示が継続すること(2回目の再変動が実行されること)を把握する。
次いで、図26(7)では、左、中、右の各演出図柄の変動表示が再開され(2回目の再変動が実行され)、その後、図26(8)に示すように、左図柄の表示エリアに「7」の数字図柄が停止し、右図柄の表示エリアにも「7」の数字図柄が停止したことにより、リーチ状態が成立したものとする。このとき、画面上部に「リーチ!!」という文字の画像が表示されるリーチ演出が実行されている。
そして、図26(9)に示すように、中図柄の表示エリアに「7」の数字図柄が停止したことにより、左図柄、中図柄、及び右図柄が「7,7,7」という奇数のゾロ目の組合せとなり、この状態で演出図柄が確定停止することで、確変大当りが発生する。
図23(a)〜(c)に示されるように、擬似連演出が実行される場合には、擬似連演出が実行されない場合よりも大当りが発生する割合が高い。また、擬似連演出が実行される場合において、擬似連図柄の仮停止回数が1回のときよりも、擬似連図柄の仮停止回数が2回のときの方が大当りが発生する割合が高い。さらに、擬似連演出が実行される場合において、擬似連図柄の仮停止回数が1回のときよりも、擬似連図柄の仮停止回数が2回のときの方が確変大当りが発生する割合が高い。従って、遊技者は、遊技中に数字図柄とは異なる特殊図柄である擬似連図柄1000が停止することを期待することになる。
(画面変化演出の具体例)
演出制御用CPU101は、図16に示される演出図柄変動開始処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、画面変化演出を実行するか否かを特定する。そして、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドにより指定される変動パターンが画面変化演出の実行を伴うものである場合には、後述する図24及び図25(A)に示す画面変化演出の実行態様を決定するためのテーブルに基づいて画面変化演出の実行態様(表示するヒビの太さ、並びに、出現させる図柄及び背景色)を決定すると共に、図25(B)に示す発光色決定テーブルに基づいて画面変化演出の実行中における枠LED28の発光色を決定する。そして、決定した演出態様で画面変化演出を実行すると共に、画面変化演出の実行中は、決定した発光色で枠LED28を発光させる。
図27〜図29を用いて、画面変化演出の具体的態様に関して説明する。図27(1)は、変動開始時の演出表示装置9の表示画面を示しており、前述した図13(a)の状態に相当する表示画面である。即ち、図27(1)は、左、中、右の演出図柄が確定停止している状態を示しており、これから変動表示が開始される直前の状態を示す。
演出制御用CPU101が、画面変化演出を伴う変動パターンに応じたプロセステーブルを選択して、プロセスデータの内容に従って演出装置を制御することで、図27(1)のように数字図柄NPとキャラクタ部CPとで形成されていた演出図柄が、変動開示時図柄アクションとして図27(2)のように、数字図柄NPのみとなる。このように、変動開始時には、演出図柄が下方向へ変動を開始した後に、第1表示パターンである数字図柄NPによる変動表示が開始される。図27(1)から図27(2)においては、キャラクタ部CPが拡大する等、変動開始時の動作を実行した後、消去され、数字図柄NPが変動開始前よりも大きくなり、下方向への数字図柄NPのみによる変動表示が実行される。図27(3)は、変動中の演出図柄の表示態様を示している。下向きの矢印は、数字図柄NPが下方向に変動している様子を示している。
次いで、演出制御用CPU101は、図27(4)に示すように、画面変化演出の実行に先立ってブラックアウト演出を実行する。即ち、演出表示装置9の表示画面の全域に暗転画像DGなどの被覆画像を表示して飾り図柄(演出図柄)及び背景画像の表示態様を視認困難とする。そして、図27(5)に示すように、飾り図柄(演出図柄)及び背景画像の表示態様を視認困難な状態のまま、「画面が割れればリーチ成立!!」という文字の画像を画面中央に視認し易い態様で表示することにより、画面変化演出が実行されることを報知する。
次いで、演出制御用CPU101は、画面変化演出の実行に伴い、図28(A)に示すように、被覆画像である暗転画像DGの表示を終了する(これに伴い飾り図柄(演出図柄)及び背景画像等が視認容易となる)と共に、画面上部に「連打して図柄を画面に当てろ!」という文字の画像1500を表示する。また、画面下部左側には、下から順に、プッシュボタン120を模した画像、下向きの矢印の画像、及び「連打!」という文字の画像からなる連打示唆画像1600を表示すると共に、連打示唆画像1600の右側に、10秒(0sec〜10sec)に相当するタイムバー1700を表示する。
これらの情報表示により、遊技者は、10秒間の操作有効期間内にプッシュボタン120を連打することで、演出図柄が出現し、該出現した演出図柄が画面に当たる態様の演出が実行されることを把握する。さらに、演出制御用CPU101は、図28(A)に示すように、画面中央に「START!」という文字の画像1800を表示することにより、操作有効期間の開始を報知する。
タイムバー1700が示す操作有効期間の残り時間は、当初(図28(A)の時点)は10秒であるが、時間経過に従って減少してゆき、操作有効期間の開始から(「START!」という文字の画像1800が表示されてから)10秒経過後には0秒となる(図28(H1)を参照)。そのため、遊技者は、タイムバー1700が示す残り時間が0になる前に、できるだけ多くプッシュボタン120を操作しようとする。
操作有効期間内にプッシュボタン120が操作されると(1回目の操作)、演出制御用CPU101は、図28(B1)に示すように、演出図柄として数字図柄NP(本例では偶数図柄である「2」)を演出表示装置9の画面中央に表示させる(1回目の図柄出現)。そして、図28(C1)に示すように、[該出現した数字図柄が、演出表示装置9の画面に向かってきて(画面奥側から画面手前側に移動してきて)、当該画面を構成する透明部材(ガラス板等)に衝突して、該透明部材にヒビ(本例では細いヒビ2000a)が入った態様の画像]を演出表示装置9に表示させる。即ち、遊技者にとっては、プッシュボタン120を操作することにより、数字図柄が出現し、その数字図柄があたかも遊技者側に向かってくる途中で演出表示装置9の画面に衝突して、その画面にヒビが入ったかのように認識することになる。
ここで、図28(B1)において出現した数字図柄は、図28(C1)にかけて段階的に拡大されることにより、あたかも画面奥側から画面手前側に向けて移動しているかような視覚効果を生じさせており、これが数字図柄の変動表示に相当する。そして、図28(C1)において、ヒビが表示されたタイミング(数字図柄が画面を構成する透明部材に衝突したことを想起させるタイミング)で、数字図柄の拡大が停止されることにより、数字図柄が仮停止されることになる(1回目の図柄仮停止)。このように、画面変化演出においても、演出図柄の変動表示及び演出図柄の仮停止が行われている。
ここで、画面変化演出は、演出表示装置9の表示領域の少なくとも一部の領域(又は該領域に表示されている画像)に、演出図柄が作用する演出でもある。このように、演出図柄の作用を複数回発生させることにより迫力のある演出を実現できる。
次いで、演出制御用CPU101は、図28(D1)に示すように、仮停止した数字図柄(遊技者が、画面に衝突したと認識した数字図柄「2」)を消去する。この状態では、仮停止した数字図柄が消去された後も、今回の数字図柄の仮停止(1回目の図柄仮停止)に伴い表示されたヒビ(本例では細いヒビ2000a)が残った状態となっている。
操作有効期間内にプッシュボタン120が再度操作されると(2回目の操作)、演出制御用CPU101は、図28(E1)に示すように、演出図柄として数字図柄NP(本例では偶数図柄である「4」)を演出表示装置9の画面中央に表示させる(2回目の図柄出現)。そして、図28(F1)に示すように、[該出現した数字図柄が、演出表示装置9の画面に向かってきて(画面奥側から画面手前側に移動してきて)、当該画面を構成する透明部材(ガラス板等)に衝突して、該透明部材にヒビ(本例では細いヒビ2000a)が入った態様の画像]を演出表示装置9に表示させる。即ち、前述したように、図28(F1)において、ヒビが表示されたタイミング(数字図柄が画面を構成する透明部材に衝突したことを想起させるタイミング)で、数字図柄が仮停止されることになる(2回目の図柄仮停止)。
ここで、本例においては、今回の数字図柄(「4」)の仮停止(2回目の図柄仮停止)に伴い表示されるヒビは、前回の数字図柄(「2」)の仮停止(1回目の図柄仮停止)に伴い表示されたヒビとは異なる範囲に表示されるようになっている。従って、図28(G1)に示すように、仮停止した数字図柄(遊技者が、画面に衝突したと認識した数字図柄「4」)を消去した後も、前回の数字図柄の仮停止(1回目の図柄仮停止)に伴い表示されたヒビ(細いヒビ2000a)と今回の数字図柄の仮停止(2回目の図柄仮停止)に伴い表示されたヒビ(細いヒビ2000a)とが何れも残った状態となっているため、結果として、ヒビ(細いヒビ2000a)の表示範囲が拡大している。
このように、遊技者が操作有効期間内にプッシュボタン120を連打することにより、数字図柄が次々と出現して変動表示及び仮停止を行うことにより、ヒビの表示範囲が徐々に拡大してゆく表示制御が実行されるようになっている。図28(H1)に示す例では、操作有効期間内に連打が中断されることなく行われたことにより、ヒビの表示範囲が図28(G1)(2回の操作が行われた場合)と比較してさらに広範囲となっている。操作有効期間が経過すると(タイムバー1700が示す残り時間が0秒になると)、演出制御用CPU101は、実行している変動表示の変動パターンがリーチを伴うものであるか否かに応じて、異なる演出を実行する。
演出制御用CPU101は、変動パターンがリーチ演出を伴うものである場合、即ち、通常状態はずれ時判定テーブルにおいて選択可能な「第1スーパーリーチ(40秒)画面変化演出」、通常大当り時判定テーブルにおいて選択可能な「第1スーパーリーチ(40秒)画面変化演出」、及び、確変大当り時判定テーブルにおいて選択可能な「第1スーパーリーチ(40秒)画面変化演出」の何れかである場合には、図29(I1)に示す成功パターンの演出を実行する。
図29(I1)に示す成功パターンの演出では、演出表示装置9の画面を構成する透明部材(ガラス板等)が割れて、その破片が飛び散る態様の画像2100aが表示される。なお、画像2100a(図31(I2)に示す画像2100b)の表示に伴い「成功!」という文字を画面に表示して、画面変化演出が成功態様で終了したことを報知しても良い。
次いで、演出制御用CPU101は、図29(I1’)に示すように、画面変化演出の終了に伴いブラックアウト演出を実行する。即ち、演出表示装置9の表示画面の全域に暗転画像DGなどの被覆画像を表示して画像2100a等(暗転前に飾り図柄(演出図柄)及び背景画像が表示されていた場合には、これらの画像を含む)の表示態様を視認困難とする。
そして、演出制御用CPU101は、リーチ演出の実行に伴い、図29(J1)に示すように、被覆画像である暗転画像DGの表示を終了する(これに伴い飾り図柄(演出図柄)及び背景画像等が視認容易となる)と共に、左図柄及び右図柄として同じ数字図柄NP(本例では6)が停止すると共に、中の図柄表示エリアで図柄が停止していないリーチ状態が成立する。そして、画面上部に「リーチ!!」という文字の画像が表示されるリーチ演出を実行する。このように、数字図柄が変動表示する方向が、画面奥行き方向から画面上下方向に戻るときにも、再びブラックアウト演出が実行されることにより、変動表示の方向が変化する際の不自然さを感じさせないようにしている。
なお、図29(I1)において、画像2100a(図31(I2)に示す画像2100b)と演出図柄とを重畳表示させるようにしても良い。ここで、図28に示した成功パターンであるか否かが不明な状態では、数字図柄とヒビの画像(透明部材の画像でもある)が重畳表示される際に、数字図柄よりもヒビの画像の方を優先して表示する(即ち、数字図柄よりもヒビを視認し易い表示制御を行う)ようにしていたが、図29(I1)に示すように、成功パターンであることを報知するとき(あるいは成功パターンであることが報知された後)は、これとは逆に、ヒビの画像よりも数字図柄(リーチ図柄)の方を優先して表示させるようにする(即ち、ヒビよりも数字図柄を視認し易い表示制御を行う)。
即ち、成功パターンであるか否かが不明な演出段階では、数字図柄の表示レイヤよりもヒビの画像(透明部材の画像)の表示レイヤが上位となっており、互いの表示領域が重複するときには、ヒビの画像の方が数字図柄よりも画面手前側に位置する態様となる表示制御が行われるのに対して、成功パターンであることを報知するとき(あるいは成功パターンであることが報知された後)は、ヒビの画像(透明部材の画像)の表示レイヤよりも数字図柄の表示レイヤが上位となっており、互いの表示領域が重複するときには、数字図柄の方がヒビの画像よりも画面手前側に位置する態様となる表示制御が行われる。そのため、画面変化演出が成功態様で終了したことを遊技者が把握しやすい。
一方、演出制御用CPU101は、変動パターンがリーチ演出を伴わないものである場合、即ち、通常状態はずれ時判定テーブルにおいて選択可能な「通常変動(17秒)画面変化演出」である場合には、成功パターンを報知する画像2100aを表示することなく、図29(K1)に示すように、演出図柄変動開始処理のS604で決定した非リーチの停止図柄となる数字図柄の組み合わせ(本例では、左、中、右が2、4、6の組み合わせ)を確定させる。この際に、図13(d)〜(f)等に示したように、演出図柄の変動表示が停止するときの図柄アクションを行うようにしても良い。なお、変動パターンがリーチ演出を伴わないものである場合に、「失敗」という文字を画面に表示して、画面変化演出が失敗態様で終了したことを報知した後に演出図柄を確定させても良い。
このように、特殊図柄としての擬似連図柄1000を複数回仮停止させることが可能な擬似連演出と、非特殊図柄としての数字図柄を複数回仮停止させることが可能な画面変化演出とを実行可能とすることにより、図柄を用いた演出、特に図柄を仮停止させる演出を多様化して、興趣を向上させることができる。
ここでいう特殊図柄とは、大当り図柄となる演出図柄の組み合わせ(本例では1〜9の何れかの数字のゾロ目)を構成可能な図柄(本例では1〜9の数字)とは異なる図柄としても良い。また、特殊図柄は、特定の変動パターン(本例では擬似連演出を伴う変動パターン)においてのみ表示可能又は仮停止可能な図柄としても良い。また、特殊図柄は、変動表示が開始されてから所定期間(例えば変動開始直後の10秒間)は画面に表示されておらず、仮停止の所定時間前(例えば仮停止の3秒前)又は仮停止と同時に画面に出現する図柄としても良い。即ち、変動表示が開始されてから所定期間は、変動表示される識別情報に含まれておらず、変動表示が開始されてから所定期間経過後に、変動表示される識別情報又は仮停止される識別情報に含まれるようにしても良い。
また、特殊図柄は、プッシュボタン120やスティックコントローラ122等の遊技者が操作可能な操作部を模した画像により構成される図柄であっても良い。例えば、左、中、右の各図柄表示エリアに当該図柄が揃って仮停止したときに、遊技者が仮停止図柄に対応する操作部(プッシュボタン120やスティックコントローラ122等)を操作することで、これに応じて演出図柄の再変動(及び再変動に伴う発展演出)が実行可能となるものであっても良い。
また、特殊図柄は、リーチ演出を伴う変動パターンの変動表示において中図柄表示エリアに出現可能な図柄(数字図柄を除く)であって、リーチ状態で中図柄表示エリアに仮停止することでノーマルリーチからスーパーリーチに発展する(これに伴い変動表示が再開される)発展図柄であっても良い。例えば、特殊図柄は、「VS」という文字により構成される図柄であって、リーチ状態で当該図柄が中図柄表示エリアに仮停止することで、味方キャラクタと敵キャラクタがバトルを行うバトル演出を伴うスーパーリーチに発展するものであっても良い。また、特殊図柄は、キャラクタの画像により構成される図柄であって、リーチ状態で当該図柄が中図柄表示エリアに仮停止することで、当該仮停止図柄に対応したキャラクタが登場するストーリー演出を伴うスーパーリーチに発展するものであっても良い。
図28に示したように、画面変化演出において仮停止される図柄は数字図柄である。即ち、図27(1)のように識別情報部としての数字と装飾部としてのキャラクタとを含む演出図柄とは異なり、装飾部としてのキャラクタは含まず識別情報部としての数字のみを含む図柄となっている。仮に、画面変化演出において仮停止される図柄にキャラクタまでも含めると、画面内に表示される情報が過度に多くなってしまい、却って演出効果を損ねることになりかねない。そこで、本実施形態では、画面変化演出において仮停止させる図柄を数字図柄として、適切な演出効果を生じさせるようにしている。
また、本実施形態では、図28の(C1)及び(F1)等に示すように、数字図柄を仮停止させる際に、[出現した数字図柄が画面奥側から画面手前側に移動してきて演出表示装置9の画面を構成する透明部材に衝突して画面にヒビが入った態様の画像]を表示するようにしている。これにより、遊技者は、自らの操作に応じて出現した数字図柄の変動状況に注目することになり、数字図柄を用いた画面変化演出の興趣を向上させることができる。
なお、数字図柄ではなく、キャラクタ図柄を用いて画面変化演出を実行するようにしても良く、数字図柄とキャラクタ図柄とが結合した図柄(例えば、図27(1)に示す態様の図柄)を用いて画面変化演出を実行するようにしても良い。キャラクタ図柄を画面変化演出に使用する場合には、キャラクタ図柄を構成するキャラクタの態様が変化して演出表示装置9の画面に複数回作用する(キャラクタ図柄が複数回仮停止する)ような演出態様としても良い。例えば、キャラクタが画面を割るようなアクションを実行することにより画面にヒビが入り、アクションを複数回実行することにより画面に入ったヒビが拡大するような演出態様としても良い。
このように本実施形態では、遊技者が操作有効期間内にプッシュボタン120を操作する毎に、数字図柄が出現し、その数字図柄があたかも演出表示装置9の画面に衝突して画面にヒビが入ったかのような視覚効果を奏する演出が実行される。そのため、遊技者がプッシュボタン120を操作する動機付けが存在している。遊技者は、できるだけヒビを拡大させて画面が割れ易くなるように(リーチ状態となり易くするために)、操作有効期間内に多くプッシュボタン120を操作しようとすることになる。これにより、画面変化演出の興趣を一層向上させることができる。
なお、本実施形態では、遊技者が操作有効期間内にプッシュボタン120を一切操作しなければ、数字図柄が出現せずヒビが発生しない(図28(B1)〜(H1)の画像が表示されない)ものとする。このとき、演出制御用CPU101は、実行している変動表示の変動パターンがリーチ演出を伴うものである場合(リーチ変動パターンである場合)には、図29の(I1)に示す成功態様の画像を表示することなく、図29(J1)に示すリーチ演出を実行する。この際、リーチ演出を実行する前にブラックアウト演出を実行して、画面変化演出に係る画像(文字画像1500、並びに、連打示唆画像1600及びタイムバー1700等)の視認性を低下させるようにしても良い。このような表示制御により、遊技者が要求された操作を一切行わなかったにもかかわらずリーチ演出が実行されることの違和感を防止することができる。
また、本実施形態では、操作有効期間内にプッシュボタン120が操作されなくなると(例えばプッシュボタン120が1回しか操作されない場合)、それ以降は数字図柄が新たに出現せず表示されているヒビが拡大しないものとする。このとき、演出制御用CPU101は、実行している変動表示の変動パターンがリーチ演出を伴うものである場合(リーチ変動パターンである場合)には、ヒビの範囲が所定段階に達している(即ち、プッシュボタンの操作回数が所定回数(例えば5回)に達している)ことを条件として、図29の(I1)に示す成功態様の画像を表示した後、図29(J1)に示すリーチ演出を実行する。一方、ヒビの範囲が所定段階に達していない(即ち、プッシュボタンの操作回数が所定回数(例えば5回)に達していない)場合には、図29の(I1)に示す成功態様の画像を表示することなく、図29(J1)に示すリーチ演出を実行する。この際、リーチ演出を実行する前にブラックアウト演出を実行して、画面変化演出に係る画像(文字画像1500、並びに、連打示唆画像1600及びタイムバー1700等)の視認性を低下させるようにしても良い。このような表示制御により、遊技者の操作が所定条件を満たさないにもかかわらずリーチ演出が実行されることの違和感を防止することができる。
なお、画面変化演出を伴うリーチ変動パターンの場合には、操作有効期間内における遊技者の操作状況によらず(操作が一切行われなかった場合等、遊技者の操作が所定条件を満たしていない場合にも)、成功態様の画像(2100a又は2100b)を演出表示装置9に表示させてからリーチ演出を実行するようにしても良い。このような構成において、さらに、操作有効期間内における遊技者の操作状況によらず、数字図柄を次々と出現させて仮停止させると共に、表示するヒビの範囲を段階的に拡大させるようにしても良い。
また、遊技者の操作を一切要しない態様で画面変化演出を実行するようにしても良く、例えば、図28(A)に示した文字の画像1500、連打示唆画像1600、及びタイムバー1700を表示しないようにしても良い。このような構成においては、操作有効期間内における遊技者の操作状況によらず、数字図柄を次々と出現させて仮停止させると共に、表示するヒビの範囲を段階的に拡大させるようにしても良い。また、数字図柄が画面に作用する間隔(数字図柄が仮停止する間隔)を変化させるようにしても良く、数字図柄が画面に作用する間隔が長い程ヒビの範囲が拡大し難く、数字図柄が画面に作用する間隔が短い程ヒビの範囲が拡大し易くなるようにしても良い。
また、本実施形態では、図26に示すように、擬似連演出を伴う変動パターンの変動表示が実行される場合や、図27に示すように、画面変化演出を伴う変動パターンの変動表示において画面変化演出に移行する前は、左、中、右の各図柄表示エリアにおいて、各演出図柄が上下方向に変動表示を行っている。これに対して、図28に示す画面変化演出の実行中は、数字図柄が出現してから仮停止されるまで、その数字図柄が段階的に拡大される。これにより、遊技者からは、画面奥行き方向に(画面奥側から画面手前側に向けて)数字図柄が変動表示しているように見える。
このように、画面変化演出においては、通常の演出図柄の変動表示が行われる方向とは異なる方向に変動表示が行われることにより、数字図柄の変動方向に関心を持たせることができる。
(各演出の実行割合)
図23(a)に示した例では、通常状態はずれ時判定テーブルにおいて選択可能な「通常変動」の変動パターンとして、(1)「通常変動(7秒)」の変動パターンが80%の割合で選択され、(2)「通常変動(17秒)擬似連演出(仮停止1回)」の変動パターンが10%の割合で選択され、(3)「通常変動(30秒)擬似連演出(仮停止2回)」の変動パターンが5%の割合で選択され、(4)「通常変動(17秒)画面変化演出」の変動パターンが5%の割合で選択されるようになっている。
また、通常状態はずれ時判定テーブルにおいて選択可能な「第1スーパーリーチ」の変動パターンとして、(1)「第1スーパーリーチ(30秒)」の変動パターンが73%の割合で選択され、(2)「第1スーパーリーチ(40秒)擬似連演出(仮停止1回)」の変動パターンが12%の割合で選択され、(3)「第1スーパーリーチ(50秒)擬似連演出(仮停止2回)」の変動パターンが8%の割合で選択され、(4)「第1スーパーリーチ(40秒)画面変化演出」の変動パターンが7%の割合で選択されるようになっている。
また、図23(b)に示した例では、通常大当り時判定テーブルにおいて選択可能な「第1スーパーリーチ」の変動パターンとして、(1)「第1スーパーリーチ(30秒)」の変動パターンが30%の割合で選択され、(2)「第1スーパーリーチ(40秒)擬似連演出(仮停止1回)」の変動パターンが15%の割合で選択され、(3)「第1スーパーリーチ(50秒)擬似連演出(仮停止2回)」の変動パターンが15%の割合で選択され、(4)「第1スーパーリーチ(40秒)画面変化演出」の変動パターンが40%の割合で選択されるようになっている。
また、図23(c)に示した例では、確変大当り時判定テーブルにおいて選択可能な「第1スーパーリーチ」の変動パターンとして、(1)「第1スーパーリーチ(30秒)」の変動パターンが15%の割合で選択され、(2)「第1スーパーリーチ(40秒)擬似連演出(仮停止1回)」の変動パターンが15%の割合で選択され、(3)「第1スーパーリーチ(50秒)擬似連演出(仮停止2回)」の変動パターンが17%の割合で選択され、(4)「第1スーパーリーチ(40秒)画面変化演出」の変動パターンが53%の割合で選択されるようになっている。
ここで、画面変化演出を経てリーチ状態が成立するケースとは、通常状態はずれ時に「第1スーパーリーチ(40秒)画面変化演出」の変動パターンが選択される場合(7%)、通常大当り時に「第1スーパーリーチ(40秒)画面変化演出」の変動パターンが選択される場合(40%)、確変大当り時に「第1スーパーリーチ(40秒)画面変化演出」の変動パターンが選択される場合(53%)、である。
一方、画面変化演出を経ずにリーチ状態が成立するケースとは、通常状態はずれ時に「第1スーパーリーチ(30秒)」、「第1スーパーリーチ(40秒)擬似連演出(仮停止1回)」及び「第1スーパーリーチ(50秒)擬似連演出(仮停止2回)」の何れかの変動パターンが選択される場合(73%,12%,8%)、通常大当り時に「第1スーパーリーチ(30秒)」、「第1スーパーリーチ(40秒)擬似連演出(仮停止1回)」及び「第1スーパーリーチ(50秒)擬似連演出(仮停止2回)」の何れかの変動パターンが選択される場合(30%,15%,15%)、確変大当り時に「第1スーパーリーチ(30秒)」、「第1スーパーリーチ(40秒)擬似連演出(仮停止1回)」及び「第1スーパーリーチ(50秒)擬似連演出(仮停止2回)」の何れかの変動パターンが選択される場合(15%,15%,17%)、である。
画面変化演出を経てリーチ状態が成立する場合には、画面変化演出を経ずにリーチ状態が成立する場合よりも大当りが発生する割合が高くなっている。特に、画面変化演出を経てリーチ状態が成立する場合には、画面変化演出を経ずにリーチ状態が成立する場合よりも確変大当りが発生する割合が高くなっている。そのため、遊技者は、画面変化演出が実行されるか否かに関心を持つことになる。
また、擬似連演出を経てリーチ状態が成立するケースとは、通常状態はずれ時に「第1スーパーリーチ(40秒)擬似連演出(仮停止1回)」又は「第1スーパーリーチ(50秒)擬似連演出(仮停止2回)」の何れかの変動パターンが選択される場合(12%,8%)、通常大当り時に「第1スーパーリーチ(40秒)擬似連演出(仮停止1回)」又は「第1スーパーリーチ(50秒)擬似連演出(仮停止2回)」の何れかの変動パターンが選択される場合(15%,15%)、確変大当り時に「第1スーパーリーチ(40秒)擬似連演出(仮停止1回)」又は「第1スーパーリーチ(50秒)擬似連演出(仮停止2回)」の何れかの変動パターンが選択される場合(15%,17%)、である。
画面変化演出を経てリーチ状態が成立する場合には、擬似連演出を経てリーチ状態が成立する場合よりも大当りが発生する割合が高くなっている。特に、画面変化演出を経てリーチ状態が成立する場合には、擬似連演出を経てリーチ状態が成立する場合よりも確変大当りが発生する割合が高くなっている。そのため、遊技者は、画面変化演出及び擬似連演出の何れの演出が実行されるかに関心を持つことになる。
(画面変化演出の実行態様)
図28に示したように、画面変化演出においては、数字図柄の仮停止表示に伴いヒビの画像が表示される。演出制御用CPU101は、受信した変動パターン指定コマンドにより指定される変動パターンが、画面変化演出を伴うものである場合には、演出図柄変動開始処理において、決定されている表示結果に基づいて、当該画面変化演出における演出態様を決定する。この演出態様とは、具体的には、当該画面変化演出において表示させるヒビの太さの他、当該画面変化演出において出現させる数字図柄の種別及び背景画像の色である。さらに、当該画面変化演出を実行している期間における枠LED28の発光色も決定する。
具体的には、演出制御用CPU101は、図24に示すように、表示結果が「はずれ」となる場合には、80%の割合で細いヒビ2000a(図28を参照)を表示させ、20%の割合で太いヒビ2000b(後述する図30を参照)を表示させることに決定する。また、表示結果が「通常大当り」となる場合には、40%の割合で細いヒビ2000aを表示させ、60%の割合で太いヒビ2000bを表示させることに決定する。また、表示結果が「確変大当り」となる場合には、20%の割合で細いヒビ2000aを表示させ、80%の割合で太いヒビ2000bを表示させることに決定する。
即ち、画面変化演出において太いヒビ2000bが表示される場合には、細いヒビ2000aが表示される場合よりも大当りが発生する割合が高い。特に、画面変化演出において太いヒビ2000bが表示される場合には、細いヒビ2000aが表示される場合よりも確変大当りが発生する割合が高い。そのため、遊技者は、数字図柄が仮停止したとき(数字図柄が画面に当たったと認識したとき)に表示されるヒビの画像に注目することになり、画面変化演出の興趣が高められる。
また、演出制御用CPU101は、図25(A)に示すように、表示結果が「はずれ」となる場合には、75%の割合で偶数図柄(2,4,6,8)を出現させ、25%の割合で奇数図柄(1,3,5,7,9)を出現させることに決定する。また、表示結果が「通常大当り」となる場合には、50%の割合で偶数図柄を出現させ、50%の割合で奇数図柄を出現させることに決定する。また、表示結果が「確変大当り」となる場合には、25%の割合で偶数図柄を出現させ、75%の割合で奇数図柄を出現させることに決定する。
本実施形態では、画面変化演出において奇数図柄が出現する場合には、偶数図柄が出現する場合よりも大当りが発生する割合が高い。特に、画面変化演出において奇数図柄が出現する場合には、偶数図柄が出現する場合よりも確変大当りが発生する割合が高い。本実施形態では、偶数図柄を青色で表示し、奇数図柄を赤色で表示する。そのため、遊技者は、画面変化演出において青色の偶数図柄が出現するか又は赤色の奇数図柄が出現するかに関心を抱くことになり、画面変化演出の興趣が高められる。
ここで、本実施形態では、画面変化演出における背景画像(変動表示される演出図柄の背景となる画像)の色として、「青」及び「赤」の2つが存在する。ここでは図25(A)に示すように、青色の偶数図柄が出現するときには背景画像の色を赤色とし、赤色の奇数図柄が出現するときには背景画像の色を青色とすることで、遊技者が数字図柄を視認し易くなるようにしている。即ち、予め定められている背景画像の色のうち、決定された数字図柄の色とは異なる色(より色差が大きい色)を背景画像の色として決定することで、偶数図柄及び奇数図柄のいずれの図柄が決定された場合であっても、遊技者が数字図柄を視認し易くなるようにしている。これにより、画面変化演出の演出効果が高められることになる。
即ち、表示結果が「はずれ」となる場合には、75%の割合で背景画像の色を赤とし、25%の割合で背景画像の色を青とする。また、表示結果が「通常大当り」となる場合には、50%の割合で背景画像の色を赤とし、50%の割合で背景画像の色を青とする。また、表示結果が「確変大当り」となる場合には、25%の割合で背景画像の色を赤とし、75%の割合で背景画像の色を青とする。
このように、画面変化演出において背景画像の色が青である場合には、背景画像の色が赤である場合よりも大当りが発生する割合が高い。特に、画面変化演出において背景画像の色が青である場合には、背景画像の色が赤である場合よりも確変大当りが発生する割合が高い。そのため、遊技者は、画面変化演出において背景画像の色に関心を抱くことになり、画面変化演出の興趣が高められる。
このように、大当りが発生する割合、特に確変大当りが発生する割合に応じて、画面変化演出の態様(ヒビの太さ、数字図柄の種別(色)、背景画像の色)を異ならせることにより、画面変化演出が実行されるときの態様に関心を持たせることができ、画面変化演出の興趣を向上させることができる。なお、図28に示した例では、細いヒビ2000aが表示されており、出現する数字図柄は青色の偶数図柄(「2」及び「4」)であり、背景画像の色は赤となっている。
また、演出制御用CPU101は、演出図柄変動開始処理において、決定されている表示結果に基づいて、画面変化演出が実行されている期間における枠LED28の発光色を決定する。具体的には、図25(B)に示すように、表示結果が「はずれ」となる場合には、70%の割合で発光色を白とし、20%の割合で発光色を青とし、10%の割合で発光色を赤とする。また、表示結果が「通常大当り」となる場合には、30%の割合で発光色を白とし、50%の割合で発光色を青とし、20%の割合で発光色を赤とする。また、表示結果が「確変大当り」となる場合には、10%の割合で発光色を白とし、30%の割合で発光色を青とし、60%の割合で発光色を赤とする。
このように、画面変化演出が実行されているときに、枠LED28の発光色が青となっている場合には、白である場合よりも大当りとなる割合が高く、枠LED28の発光色が赤となっている場合には、青である場合よりも大当りとなる割合が高い(即ち、大当り期待度が白<青<赤となっている)。特に、画面変化演出が実行されているときに、枠LED28の発光色が青となっている場合には、白である場合よりも確変大当りとなる割合が高く、枠LED28の発光色が赤となっている場合には、青である場合よりも確変大当りとなる割合が高い(即ち、確変大当り期待度が白<青<赤となっている)。
これにより、遊技者は、画面変化演出が実行されている演出表示装置9以外の演出装置である枠LED28の発光色に関しても関心を持つことになり、画面変化演出の興趣が高められる。
なお、本実施形態では、画面変化演出が実行されている演出表示装置9以外の演出装置として枠LED28を例示したが、このような形態に限らず、例えば、画面変化演出が実行されている期間に動作する可動役物が設けられている場合に、当該可動役物の動作態様が表示結果に応じて異なるようにしても良い。また、独立して動作可能な複数の可動役物が設けられている場合には、表示結果に応じて異なる可動役物が動作するようにしても良い。また、画面変化演出が実行されている期間にスピーカ27から所定の楽曲又は効果音が出力される場合に、出力される楽曲又は効果音が表示結果に応じて異なるようにしても良い。また、演出表示装置9とは異なる(演出表示装置9よりも小型の)サブ表示装置が設けられている場合に、そのサブ表示装置に、表示結果に応じて異なる画像を表示させるようにしても良い。
次に、図30及び図31を用いて、画面変化演出の他の態様に関して説明する。演出制御用CPU101は、画面変化演出の実行に伴い、図30(A)に示すように、画面上部に「連打して図柄を画面に当てろ!」という文字の画像1500を表示する。また、画面下部左側には、連打示唆画像1600を表示すると共に、連打示唆画像1600の右側にタイムバー1700を表示する。さらに、演出制御用CPU101は、図30(A)に示すように、画面中央に「START!」という文字の画像1800を表示することにより、操作有効期間の開始を報知する。
操作有効期間内にプッシュボタン120が操作されると(1回目の操作)、演出制御用CPU101は、図30(B2)に示すように、演出図柄として数字図柄NP(本例では奇数図柄である「1」)を演出表示装置9の画面中央に表示させる(1回目の図柄出現)。そして、図30(C2)に示すように、[該出現した数字図柄が、演出表示装置9の画面に向かってきて(画面奥側から画面手前側に移動してきて)、当該画面を構成する透明部材(ガラス板等)に衝突して、該透明部材にヒビ(本例では太いヒビ2000b)が入った態様の画像]を演出表示装置9に表示させる(1回目の図柄仮停止)。ここで、出現した数字図柄は赤色の奇数図柄であるため、背景画像の色は青となっている。
次いで、演出制御用CPU101は、図30(D2)に示すように、仮停止した数字図柄(遊技者が、画面に衝突したと認識した数字図柄「1」)を消去する。この状態では、仮停止した数字図柄が消去された後も、今回の数字図柄の仮停止(1回目の図柄仮停止)に伴い表示されたヒビ(本例では太いヒビ2000b)が残った状態となっている。
操作有効期間内にプッシュボタン120が再度操作されると(2回目の操作)、演出制御用CPU101は、図30(E2)に示すように、演出図柄として数字図柄NP(本例では奇数図柄である「3」)を演出表示装置9の画面中央に表示させる(2回目の図柄出現)。そして、図30(F2)に示すように、[該出現した数字図柄が、演出表示装置9の画面に向かってきて(画面奥側から画面手前側に移動してきて)、当該画面を構成する透明部材(ガラス板等)に衝突して、該透明部材にヒビ(本例では太いヒビ2000b)が入った態様の画像]を演出表示装置9に表示させる(2回目の図柄仮停止)。
そして、図30(G2)に示すように、仮停止した数字図柄(遊技者が、画面に衝突したと認識した数字図柄「3」)を消去した後も、前回の数字図柄の仮停止(1回目の図柄仮停止)に伴い表示されたヒビ(太いヒビ2000b)と今回の数字図柄の仮停止(2回目の図柄仮停止)に伴い表示されたヒビ(太いヒビ2000b)とが何れも残った状態となっているため、結果として、ヒビ(太いヒビ2000b)の表示範囲が拡大している。
そして、図30(H2)に示す例では、操作有効期間内に連打が中断されることなく行われたことにより、ヒビの表示範囲が図30(G2)(2回の操作が行われた場合)と比較してさらに広範囲となっている。操作有効期間が経過すると(タイムバー1700が示す残り時間が0秒になると)、演出制御用CPU101は、実行している変動表示の変動パターンがリーチを伴うものであるか否かに応じて、異なる演出を実行する。
演出制御用CPU101は、変動パターンがリーチ演出を伴うものである場合、図30(I2)に示す成功パターンの演出を実行する。図30(I2)に示す成功パターンの演出では、演出表示装置9の画面を構成する透明部材(ガラス板等)が割れて、その破片が飛び散る態様の画像2100bが表示される。
次いで、演出制御用CPU101は、図31(I2’)に示すように、画面変化演出の終了に伴いブラックアウト演出を実行する。即ち、演出表示装置9の表示画面の全域に暗転画像DGなどの被覆画像を表示して画像2100b等(暗転前に飾り図柄(演出図柄)及び背景画像が表示されていた場合には、これらの画像を含む)の表示態様を視認困難とする。
そして、演出制御用CPU101は、リーチ演出の実行に伴い、図31(J2)に示すように、被覆画像である暗転画像DGの表示を終了する(これに伴い飾り図柄(演出図柄)及び背景画像等が視認容易となる)と共に、左図柄及び右図柄として同じ数字図柄NP(本例では7)が停止すると共に、中の図柄表示エリアで図柄が停止していないリーチ状態が成立する。そして、画面上部に「リーチ!!」という文字の画像が表示されるリーチ演出を実行する。
なお、画像2100bは、太いヒビ2000bが表示されていたことに応じた態様の演出画像であり、前述した画像2100a(細いヒビ2000aが表示されていたことに応じた態様の演出画像)とは異なる態様であるものとする。例えば、画像2100aは、細いヒビが一部に残っている態様であり、画像2100bは、太いヒビが一部に残っている態様であるものとする。なお、このような形態に限らず、成功態様の演出画像(2100a及び2100bに相当する画像)は、実行されていた画面変化演出の態様によらず共通態様であるようにしても良い。
一方、演出制御用CPU101は、変動パターンがリーチ演出を伴わないものである場合、成功パターンを報知する画像2100bを表示することなく、図31(K2)に示すように、演出図柄変動開始処理のS604で決定した非リーチの停止図柄となる数字図柄の組み合わせ(本例では、左、中、右が3、5、7の組み合わせ)を確定させる。
以上に説明したように、画面変化演出において使用される演出図柄は、疑似連図柄等の特殊図柄とは異なる数字図柄(1〜9)のみであり、さらに、1の変動表示に伴って実行される画面変化演出において使用される数字図柄は、その中でも一部の種別の数字図柄(青色の偶数図柄又は赤色の奇数図柄のいずれか一方のみ)となっている。従って、遊技者は、特殊図柄が表示されない場合でも数字図柄を用いた演出に関心を持つことになり、さらに表示される数字図柄の種別にも注目することになる。
即ち、本実施形態では、画面変化演出を伴う変動表示において表示される演出図柄の種別(数字図柄のみであり特殊図柄を含まない)が、擬似連演出を伴う変動表示において表示される演出図柄の種別(数字図柄及び特殊図柄の両方を含む)よりも少ない。さらに、1の画面変化演出において表示される数字図柄の種別は、一部の種別の数字図柄(青色の偶数図柄又は赤色の奇数図柄のいずれか一方のみ)であるため、遊技者は出現した数字図柄を注視することになり、数字図柄に対しての関心を高めることができる。
ここで仮に、画面変化演出においても疑似連図柄等の特殊図柄を仮停止させるような演出構成を採用したとすると、擬似連演出及び画面変化演出の何れも伴わない変動表示と比較した場合の特殊性が過度になってしまう。その結果、遊技者にとっては、演出の意図を把握することが困難になると共に、過度な演出を却って煩わしく感じることになり、演出効果を損ねることになりかねない。そこで、本実施形態では、画面変化演出において数字図柄のみを用いることとし、且つ、1の変動表示において一部の種別(偶数又は奇数,青色又は赤色)の数字図柄のみを用いることによって、遊技者が数字図柄の変動表示に注目するような構成としている。
(画面変化演出に関する他の形態)
上記の実施形態では、操作有効期間内にプッシュボタン120が操作される毎に数字図柄が出現して、出現した図柄の仮停止に応じてヒビの範囲が拡大する例を示したが、画面変化演出における数字図柄の仮停止回数に上限を設けるようにしても良い。ここで、数字図柄の仮停止回数の上限がnである場合には、操作有効期間内にプッシュボタン120がn回操作されたことに応じて数字図柄がn回仮停止し、ヒビの範囲をn段階まで拡大させることが可能であるが、n+1回目以降の操作が行われたとしても、ヒビの範囲はn+1段階以降には拡大しないものとする。
具体的には、演出制御用CPU101は、図32に示すように、演出図柄変動開始処理において、決定されている表示結果に基づいて、画面変化演出における数字図柄の仮停止回数の上限を決定する。例えば、表示結果が「はずれ」となる場合には、出現図柄の仮停止回数の上限を、60%の割合で1に決定し、25%の割合で5に決定し、10%の割合で10に決定し、5%の割合で20に決定する。また、表示結果が「通常大当り」となる場合には、出現図柄の仮停止回数の上限を、20%の割合で1に決定し、25%の割合で5に決定し、25%の割合で10に決定し、30%の割合で20に決定する。また、表示結果が「確変大当り」となる場合には、出現図柄の仮停止回数の上限を、10%の割合で1に決定し、20%の割合で5に決定し、30%の割合で10に決定し、40%の割合で20に決定する。
このように、画面変化演出における数字図柄の仮停止回数が多いほど、大当りが発生する割合が高い。特に、画面変化演出における数字図柄の仮停止回数が多いほど、確変大当りが発生する割合が高い。これにより、遊技者は、画面変化演出においてプッシュボタン120を連打することにより、数字図柄が何回まで仮停止するか(ヒビが何段階まで拡大するか)に関心を持つことになり、画面変化演出の興趣が高められる。
ここで、画面変化演出において、遊技者は、ヒビの範囲が大きいほど画面変化演出が成功態様となる(成功パターンである画像2100a又は画像2100bが表示される)こと及び大当りの発生を期待するものである。図32に示す割り振りでは、数字図柄の仮停止回数が多いほど、操作に応じてヒビが拡大可能な範囲が大きくなり、大当り(特に確変大当り)が発生する割合も高くなるため、このような遊技者の期待に即した演出構成となっている。
なお、1回の画面変化演出において、同一の数字図柄を複数回出現させることが可能である。ここで、出現頻度が高い数字図柄がリーチ図柄となり易いように出現図柄の割り振りが行われても良い。例えば、図31(I2)及び(J2)の例では、リーチ図柄として「7」が決定されているため、プッシュボタン120が操作されたことに応じて「7」の数字図柄を他の奇数図柄よりも高い割合で出現させるようにしても良い。
なお、上記の例では、画面変化演出において画面内に数字図柄を1個ずつ出現させて仮停止させるようにしているが、画面変化演出において画面内に同時に1又は複数(例えば1〜4個)の数字図柄を表示させるようにしても良い。このような構成とした場合には、同時に表示される数字図柄の数が多いほど、大当り(特に確変大当り)が発生する割合が高くなるようにしても良い。また、画面変化演出において同時に1又は複数(例えば1〜4個)の数字図柄を仮停止させるようにしても良く、同時に仮停止される数字図柄の数が多いほど、大当り(特に確変大当り)が発生する割合が高くなるようにしても良い。
また、画面変化演出において、(a)1回目のプッシュボタン120の操作が行われたときにヒビの範囲が第1段階で表示され、2回目のプッシュボタン120の操作が行われたときにヒビの範囲が第1段階よりも広い第2段階で表示される場合と、(b)1回目のプッシュボタン120の操作が行われたときにヒビの範囲が当初から第2段階で表示される場合とで、後者(b)の方が、大当りが発生する割合(特に確変大当りが発生する割合)が高くなるようにしても良い。
即ち、画面変化演出において、ヒビの画像がn段階を経てn+1段階に達する場合と、ヒビの画像がn段階を経ることなくn+1段階に達する場合とで、後者の方が期待度が高くなるようにしても良い。遊技者にとっては、同じ操作(n回目の操作)を行った場合に、ヒビがn段階で表示される場合と、ヒビがn+1段階で表示される場合とがあり、ヒビがより広範囲に達する後者の場合の方が期待度が高いと認識することになる。また、特定段階(n+1段階)のヒビが表示された場合に、n+1回の操作を要した場合と、n回の操作で済んだ場合とがあり、操作回数がより少ない後者の場合の方が期待度が高いと認識することになる。
これにより、遊技者は、操作を行った後のヒビの画像の表示態様に注目することになり、画面変化演出の興趣が高められる。
なお、遊技者の操作を要しない態様で画面変化演出を実行可能である場合(例えば、図28(A)に示した文字の画像1500、連打示唆画像1600、及びタイムバー1700を表示しない場合)においても、即ち、操作有効期間内における遊技者の操作状況によらず、数字図柄を次々と出現させて仮停止させると共に、表示するヒビの範囲を段階的に拡大させるようにした場合においても、ヒビの画像がn段階を経てn+1段階に達する場合と、ヒビの画像がn段階を経ることなくn+1段階に達する場合とで、後者の方が期待度が高くなるようにしても良い。
上記の実施形態では、ヒビの太さに応じて大当りが発生する割合(特に確変大当りが発生する割合)が異なる例を示したが、ヒビの色に応じて有利状態に制御される割合が異なるようにしても良い。例えば、ヒビの色が赤色である場合には、ヒビの色が青色である場合よりも有利状態に制御される割合が高くなるようにしても良い。また、ヒビの形に応じて有利状態に制御される割合が異なるようにしても良い。例えば、ヒビの形が特定の文字又はキャラクタをあらわしている場合には、そうではない場合と比較して有利状態に制御される割合が高くなるようにしても良い。
また、遊技者にプッシュボタン120の連打を促す連打示唆画像1600の態様に応じて、有利状態に制御される割合が異なるようにしても良い。例えば、連打示唆画像1600が大きく表示されている場合には、連打示唆画像1600が小さく表示されている場合と比較して有利状態に制御される割合が高くなるようにしても良い。
上記の実施形態では、演出図柄の種別(青色の偶数図柄、赤色の奇数図柄)を決定すると、これに対応した背景画像の種別(赤色の背景画像、青色の背景画像)が自ずと決定される例を示したが、このような形態に限らず、演出図柄の種別と、背景画像の種別が独立して決定されるように構成しても良い。例えば、背景画像の色として、演出図柄の種別数よりも多い色数(例えば白、青、緑、赤、虹の5色)が設けられており、演出図柄の種別によらず、変動表示の表示結果に応じて背景画像の色が決定されるようにしても良い。例えば、有利状態に制御される割合が、白<青<緑<赤<虹の関係になる(虹が最も期待度が高い)ようにしても良い。
また、演出図柄の種別や背景画像の態様を、画面変化演出の実行中に変化させるようにしても良い。例えば、1の画面変化演出において出現させる1個目〜5個目の図柄を青色の偶数図柄(このときの背景画像は赤色)とし、6個目以降の図柄を赤色の奇数図柄(このときの背景画像は青色)としても良い。このように、画面変化演出の実行中に期待度の低い図柄(期待度の低い背景画像)から期待度の高い図柄(期待度の高い背景画像)に変化した場合には、当初から期待度の高い図柄(期待度の高い背景画像)である場合よりも高い割合で有利状態に制御されるようにしても良い。また、演出図柄の種別や背景画像の態様を、画面変化演出の実行中に変化させる構成において、期待度の高い図柄(期待度の高い背景画像)から期待度の低い図柄(期待度の低い背景画像)には変化させないようにしても良い。即ち、期待度が高くなる変化に対して期待度が低くなる変化を低い割合としても良い。
上記の実施形態では、1の変動表示において擬似連演出及び画面変化演出のうち、何れか一方のみを実行可能である例を示したが(図23を参照)、これに限らず、1の変動表示において擬似連演出及び画面変化演出の両方を実行可能としても良い。例えば、1の変動表示において画面変化演出の実行後にリーチ状態となり、該リーチ状態で中図柄表示エリアに擬似連図柄が仮停止して再変動表示が行われる変動パターンを設けても良い。そして、このように擬似連演出及び画面変化演出の両方を伴う変動パターンで変動表示が実行される場合には、擬似連演出及び画面変化演出のうち何れか一方のみを伴う変動パターンで変動表示が実行される場合と比較して有利状態に制御される割合が高くなるようにしても良い。この場合に、擬似連演出を実行せずに画面変化演出を実行する変動パターンに関しては、擬似連演出及び画面変化演出の何れも実行しない変動パターンよりも有利状態に制御される割合が高いものとする。
また、画面変化演出において使用される数字図柄数に応じて、大当り(特に確変大当り)が発生する割合が異なるようにしても良い。具体的には、演出制御用CPU101は、図33に示すように、演出図柄変動開始処理において、決定されている表示結果に基づいて、画面変化演出に用いられる数字図柄数(使用される数字図柄の種別数)を決定する。例えば、表示結果が「はずれ」となる場合には、使用される数字図柄数を、80%の割合で1個に決定し、10%の割合で2個に決定し、7%の割合で3個に決定し、3%の割合で4個に決定する。また、表示結果が「通常大当り」となる場合には、使用される数字図柄数を、30%の割合で1個に決定し、15%の割合で2個に決定し、25%の割合で3個に決定し、30%の割合で4個に決定する。また、表示結果が「確変大当り」となる場合には、使用される数字図柄数を、10%の割合で1個に決定し、20%の割合で2個に決定し、30%の割合で3個に決定し、40%の割合で4個に決定する。
ここで、使用される図柄数が1個の場合には、例えば、奇数図柄であれば「1」のみ、偶数図柄であれば「2」のみが出現する。また、使用される図柄数が2個の場合には、例えば、奇数図柄であれば「1」及び「3」、偶数図柄であれば「2」及び「4」が出現する。また、使用される図柄数が3個の場合には、例えば、奇数図柄であれば「1」、「3」及び「5」、偶数図柄であれば「2」、「4」及び「6」が出現する。また、使用される図柄数が4個の場合には、例えば、奇数図柄であれば「1」、「3」、「5」及び「7」、偶数図柄であれば「2」、「4」、「6」及び「8」が出現する。なお、数字図柄の仮停止回数に応じて、同じ図柄が複数回出現する場合がある。
このように、画面変化演出において使用される数字図柄の種別数が多いほど、大当りが発生する割合が高い。特に、画面変化演出において使用される数字図柄の種別数が多いほど、確変大当りが発生する割合が高い。これにより、遊技者は、画面変化演出において幾つの種別の数字図柄が用いられているかに関心を持つことになり、画面変化演出の興趣が高められる。このように、画面変化演出において使用される演出図柄数に制限を設ける(一部の種別の数字図柄のみを表示させる)ことによって、遊技者に提示する情報量を削減し、表示される演出図柄に遊技者を注目させるようにすることで、演出効果を向上させることができる。
上記の実施形態では、リーチ状態が成立する場合には、画面変化演出が成功態様で終了し、リーチ状態が成立しない場合には、画面変化演出が失敗態様で終了する例を示したが、このような形態に限らず、例えば、リーチ状態成立後に画面変化演出を実行する演出構成として、画面変化演出が成功態様で終了した場合には大当りを報知し、失敗態様で終了した場合にははずれを報知するようにしても良い。また、リーチ状態が成立することなく画面変化演出が実行される演出構成としても良く、画面変化演出が成功態様で終了した場合には、リーチ状態を経由することなく数字図柄がゾロ目で揃った状態となり大当りが報知され、画面変化演出が失敗態様で終了した場合には、リーチ状態を経由することなく数字図柄がはずれの組み合わせとなるようにしても良い。
また、例えば、偶数図柄のゾロ目が揃った後に画面変化演出を実行する演出構成として、画面変化演出が成功態様で終了した場合には偶数図柄のゾロ目から奇数図柄のゾロ目への変化演出(通常大当りが報知されている状態から確変大当りが報知される状態への所謂昇格演出)が実行され、失敗態様で終了した場合には変化演出が実行されずに偶数図柄のゾロ目が揃ったままの状態(通常大当りが報知されている状態)としても良い。このような画面変化演出は、大当り遊技状態に制御される直前の変動表示における終盤の演出(偶数図柄のゾロ目が揃った後の演出)として実行されるようにしても良く、大当り遊技状態に制御された後のラウンド中の演出として実行されるようにしても良い。
同様に、少ないラウンド数(例えば5R)の大当りが報知された後に画面変化演出を実行する演出構成として、画面変化演出が成功態様で終了した場合には少ないラウンド数の大当りが報知されている状態から最高ラウンド数(例えば15R)の大当りが報知される変化演出が実行され、失敗態様で終了した場合には変化演出が実行されずに少ないラウンド数の大当りが報知されたままの状態としても良い。
また、例えば、高確率状態であるか否かを遊技者が認識困難な秘匿状態において画面変化演出を実行する演出構成として、画面変化演出が成功態様で終了した場合には高確率状態が報知され、失敗態様で終了した場合には低確率状態が報知されるようにしても良い。例えば、秘匿状態とは、高確率状態且つ高ベース状態と、低確率状態且つ高ベース状態とで共通の演出モードに制御可能な遊技機における、当該共通の演出モードに制御されている状態である。また、秘匿状態は、高確率状態且つ低ベース状態と、低確率状態且つ低ベース状態とで共通の演出モード(所謂潜伏モード)に制御可能な遊技機における、当該共通の演出モード(潜伏モード)に制御されている状態であっても良い。
なお、特別可変入賞球装置20が、通常大当りや確変大当りよりも短い期間(例えば0.5秒間)及び少ない回数(例えば2回)の少なくとも一方で開放制御される特定パターンの開放制御が行われた後に、特定演出モードに制御される遊技機が存在する。小当りが発生した場合には、特定パターンの開放制御が行われた後に特定演出モードに移行し、小当りの発生前後において遊技状態が変化しない(小当りが発生する前に低確率状態であった場合には小当り終了後も低確率状態が継続する)。一方、突然確変大当りが発生した場合には、特定パターンの開放制御が行われた後に高確率状態に制御されると共に、特定演出モードに移行する。小当りが発生した場合及び突然確変大当りが発生した場合の何れの場合であっても、共通の開放制御が行われて共通の演出モードに制御されることにより、遊技者にとっては何れの遊技状態であるかを把握し難い態様となっている。このような遊技機において、特定演出モードにおいて画面変化演出が実行される演出構成として、画面変化演出が成功態様で終了した場合には高確率状態が報知され(即ち突然確変が発生していたことが報知され)、画面変化演出が失敗態様で終了した場合には低確率状態が報知される(即ち小当りが発生していたことが報知される)ようにしても良い。
また、先読み演出の1種別として画面変化演出が実行されるようにしても良い。例えば、始動入賞時又は保留表示のシフト時に画面変化演出が実行され、成功態様で終了したときには保留表示が通常態様から特殊態様に変化し、失敗態様で終了したときには保留表示が通常態様のまま変化しないようにしても良い。また、複数回数の変動表示にわたって実行可能な先読み演出の1種別として画面変化演出が実行されるようにしても良く、画面変化演出が成功態様で終了したときには画面変化演出が次の変動表示まで継続し、失敗態様で終了したときには画面変化演出が当該変動表示で終了するようにしても良い。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、確変大当り状態と通常大当り状態とが設けられていた。また、演出図柄としては、確変大当りに対応して奇数図柄、通常大当りに対応して偶数図柄が設けられていた。ここで、第2表示パターンで表示されるのは、確変大当りに対応した数字のみであってもよい。たとえば、確変大当りに対応した数字においてのみ、数字とキャラクタとで表示し、通常大当りに対応した数字は、キャラクタを表示させず数字のみを表示するようにしてもよい。このようにすれば、確変大当りに対応した奇数図柄について特別感を出すことができ、有利度の高い奇数図柄に特別な印象を与えることができる。なお、奇数図柄のうち、「3」図柄や「7」図柄のみを確変図柄としてもよく、第2表示パターンで表示する図柄の数は、適宜変更可能である。
(2) 前述した実施の形態では、大当りの終了後の変動表示100回転までは、時短状態(高ベース状態)となっていた。このような時短状態においては、数字のみで変動を開始するとともに数字のみで変動を停止するようにしてもよい。時短状態においては、変動時間が通常状態よりも短いので、動作を伴うキャラクタが表示されると、キャラクタを表示したり消去したりすることで、図柄の動きが慌ただしくなり、煩雑な見え方となってしまい、変動表示が見え難くなる虞がある。そこで、時短状態においては、通常状態と異なり数字のみの第1表示パターンにより変動表示を実行するようにしてもよい。このようにすれば、時短状態において、好適に数字を表示することができる。
(3) 前述した実施の形態では、数字のみで表示する第1表示パターンと、数字とキャラクタとで表示する第2表示パターンとで、数字の表示態様が異なる場合として数字の大きさが異なる場合を説明した。しかしながら、数字の表示態様が異なる場合としては、数字の大きさではなく、数字の位置や数字の色、数字の種類等であってもよく、また、いずれか2つ以上の組合せで合ってもよい。また、大当り期待度により、数字の表示態様が異なるようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態では、小図柄を演出表示装置9の画面の隅に表示する場合を示した。しかしながら、リーチとなっている小図柄のうち、一方を画面の左上隅、他方を画面の右上隅に表示するようにしてもよい。また、小図柄アクションパターンとして、小図柄を上下に動かす場合等を説明した。小図柄の動きはこれらに限定されるものではなく、音楽に合わせて図柄を揺らしたり、横方向に回転させたり、ダンスを踊るように跳ねる動作をしてもよい。また、小図柄の周囲にエフェクト画像(たとえば、炎の画像)を付加するようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態では、変動停止時図柄アクションとして数字を下方向に移動させることによりキャラクタを数字より大きく表示するパターンにより変動表示を停止する演出が実行されていた。しかしながら、変動停止時の図柄アクションとしては、数字を下方向に動かすのではなく、斜め方向に動かすものであってもよい。具体的には、変動表示の停止時に、左図柄に関しては右斜めに動かし、中図柄に関しては真下に動かし、右図柄に関しては、左斜めに動かしてもよい。このようにすれば、変動停止時に小さく表示される数字図柄が中央に集まるように表示されて見栄えがよい。なお、変動停止時の図柄アクションの動きは、これらに限定されず、どのような方向に動かすものでもよい。
(6) 前述した実施の形態では、数字とキャラクタとが1対1に対応するものを示した。しかしながら、数字とキャラクタとは、1対1に対応していなくてもよい。たとえば、複数の数字に対して同一のキャラクタが対応するようにしてもよいし、背景によって、対応するキャラクタが変化するものでもよい。また、先読み予告を実行する場合に先読みの対象となるターゲットの変動表示が実行されるまでの複数回の変動表示について特殊なステージへ変更するようにしてもよい。この場合には、通常は表示されない特別な数字やキャラクタを表示するようにしてもよい。また、このときの数字やキャラクタの表示パターンは、通常時とは異なるものとすることが望ましい。なお、数字のみで変動表示が実行されるステージを設けるようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態では、変動表示中は、数字のみで図柄を変動させることで、遊技者に変動表示中か否かを認識できるようにしていた。このような変動表示中の数字は、変動開始時や変動停止時の表示態様よりも薄く表示させることが望ましい。このようにすれば、変動開始時等と同様の濃さとすることで、背景で実行される演出が視認困難となることを防ぐことができる。そして、数字およびキャラクタで表示するよりも数字のみで表示することにより、図柄の表示面積を小さくすることができ、図柄を変動していることを示しつつ、他の予告の妨げになることを低減することができる。
(8) 前述した実施の形態では、リーチ中の図柄は、変動表示中の第1表示パターンで示される図柄と同じであってもよい、第1表示パターンで示される図柄とは異なる図柄であってもよい。
(9) 前述した実施の形態では、変動停止時アクションとして数字のみから数字とキャラクタとに変更する第1演出を実行し、変動開始時アクションとして数字とキャラクタとから数字のみに変更する第2変更演出を実行する場合について説明した。変更演出の実行時には、キャラクタが動作したが、別のエフェクト画像が追加されるようなものであってもよく。表示態様に対し、何らかの変更が加えられるものであってもよい。
(10) 前述した実施の形態では、変動停止時図柄アクションとして、停止する数字を一旦前方に拡大表示させ、その後縮小させるようにしてもよい。そして、拡大された数字の後ろからキャラクタを出現させるようにしてもよい。このようにすれば、拡大された数字の後ろからキャラクタがいきなり大きな表示態様で示されるように表示されるので、より迫力のあるキャラクタの表示とすることができ、遊技者に驚きを与えることができる。
(11) 前述した実施の形態では、SPリーチの種類を複数設けるようにしてもよい。そして、SPリーチの種類により小図柄アクションが異なるようにしてもよい。
(12) 前述した実施の形態では、1つの数字に対して1人のキャラクタが表示される場合を示した。しかしながら、1つの数字に対してキャラクタ以外の画像が付加されるようにしてもよい。たとえば、変動停止時アクションとして、数字が停止するときにキャラクタとともに保留表示が変化することを示す画像(大当り期待度の高い保留表示に変化することを示す画像)が表示されるようにしてもよい。このようにすれば、変動停止時アクションにより注目させることができる。そして、当該画像が表示されることにより保留表示が変化する先読み予告とすることができる。
(13) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(14) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(15) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。ここで擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
(17) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(18) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(19) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。たとえば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、たとえば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(20) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(21) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(22) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。