(第1実施例)
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。
また、本実施例では、遊技状態等に応じて選択される複数の演出モードが用意され、実質的な出玉の期待ができる15ラウンド大当り(以下、15R大当りともいう)や時短の終了等を契機として演出モードの移行がなされる。複数の演出モードとして、遊技機の電源投入時に実行される初期モード、遊技状態が通常状態にあるか確変状態にあるかを遊技者に秘匿した状況下で演出が進行する第1秘匿モードおよび第2秘匿モード、遊技状態を遊技者に示した状況下で演出が進行する通常モードおよび確変モードが用意される(後述の図17参照)。15R大当りとなる場合には、大当りとなった演出モードがいずれであるかに応じて移行先の演出モードが決定される。初期モードにて大当りとなる場合は第1秘匿モードへ移行され、第1秘匿モードにて大当りとなる場合は第2秘匿モードへ移行され、第2秘匿モードにて大当りとなる場合は通常モード(時短モード)または確変モードに移行される。したがって、15R大当りが連続する状況では、開発設計時に意図した順序にしたがって複数の演出モードが実行される。なお、特定の演出モードにて時短が終了する場合には初期モードへ移行される。
本実施例においては、それぞれの演出モードの移行先が予め決められることから、移行先との関係を活かした演出を実行できる。この演出モード移行に関して、本実施例は、主に以下三つの特徴を備える。なお、詳細は後述し、ここでは概略を示す。
1.装飾図柄の図柄種類が示唆する確変期待度:
液晶ディスプレイ等に「777」などの組合せで表示される装飾図柄の種類によって、その当りが確変への移行を伴う「確変大当り」であるか、確変への移行を伴わない「通常大当り」であるかを示唆する演出を行う。例えば、装飾図柄が「1」であれば、確変大当りとなる期待度が低く、装飾図柄が「6」であれば、確変大当りとなる期待度が高いことを示唆する。このような装飾図柄による示唆演出を用いる場合に、演出モードに応じて演出の信頼性に差を設けることで、演出表示の多様性を高める。具体的には、秘匿モードでは図柄種類の違いによる期待度差を小さくすることで示唆演出の信頼性を低くし、確変モードでは図柄種類の違いによる期待度差を大きくすることで示唆演出の信頼性を高める。
2.特定種類の装飾表示が示唆する確変期待度:
液晶ディスプレイ等に表示される演出内容に、虹色やキリン柄などの特定種類の装飾表示を含めることで、大当りとなる場合にその当りが「確変大当り」となることを示唆もしくは「確変大当り」となる可能性が高いことを示唆する演出を行う。このような特定種類の装飾表示による示唆演出を用いる場合に、演出モードに応じて演出の信頼性に差を設けることで、演出表示の多様性を高める。具体的には、秘匿モードでは「確変大当り」につながる確率を低くして装飾表示の信頼性を下げ、確変モードでは「確変大当り」につながる確率を高くするか、必ず「確変大当り」となるようにして装飾表示の信頼性を高める。
3.昇格失敗演出により示唆する確変期待度:
確変状態への移行を示唆するために、特別遊技の開始前からその特別遊技の終了までにわたる一連の演出として、特別遊技の開始前に実行される第1報知演出および特別遊技中に実行される第2報知演出の少なくとも一方を含む確変昇格演出を実行する。確変昇格演出がなされる場合、確変状態への移行が確定する。一方、確変昇格演出が実行されない場合には、第1報知演出と第2報知演出のいずれも含まない昇格失敗演出となるが、確変状態へ移行する可能性は残される。このような昇格演出を用いる場合に、演出モードに応じて昇格失敗演出の位置づけに差を設けることで、演出表示の多様性を高める。具体的には、遊技状態が秘匿される演出モードに移行される場合には、昇格失敗演出がなされるにも関わらず確変状態へ移行される確率を高くし、遊技状態が示される演出モードに移行される場合には、昇格失敗演出がなされるにも関わらず確変状態へ移行される確率を低くする。
本実施例では、以上のような特徴を有する演出を用意することで、演出モードの性質に応じて演出内容に差を設けて演出の多様性を高める。また、演出内容に差を設ける場合に、「確変大当り」への期待が高まる演出モードにおいては、確変期待度を示唆する演出の信頼性を高めることで、「確変大当り」を期待する遊技者の期待感をより高める演出とする。また、大当り後に移行される演出モードにおいて遊技状態が確定的に報知されるか否かに応じて移行前の演出モードにおける昇格失敗演出の位置づけに差を設けることで、確変昇格演出および昇格失敗演出の信頼性を高める。このように、演出モードの性質に応じて期待度や信頼度の高さが調整された演出を用意することで、遊技性をより高めることができる。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機100は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機100の遊技機枠は、外枠101、前枠102、透明板103、扉104、上球皿105、下球皿106、発射ハンドル107、スピーカ108、演出ボタン109、十字キー110、装飾ランプ111を含む。外枠101は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠102は、外枠101の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠101へ開閉可能に取り付けられる。前枠102は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板103は、ガラスなどにより形成され、扉104により支持される。扉104は、図示しないヒンジ機構により前枠102へ開閉可能に取り付けられる。上球皿105は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿106への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿106は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。扉104の上部には左右にスピーカ108が設けられており、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた効果音や楽曲の音声を出力する。扉104の外観を構成する樹脂部材の大部分が半透明であり、その透過する内部に装飾ランプ111が設けられる。装飾ランプ111は、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた様々な色で発光するLEDであり、点滅等することで演出の役割を果たす。
遊技盤80は、レール82により区画された遊技領域81上に、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33、アウト口34、演出表示装置60、センター飾り64を含む。センター飾り64は、遊技領域81の略中央部とその上部および右部にわたって演出表示装置60の画面枠を形成するように設けられる装飾的な樹脂部材であり、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の下部には流入した遊技球が転動するステージ65が形成され、その転動の仕方によってステージ65からの落下方向は第1始動口11へ入球する方向と第1始動口11に入球しない側方の方向とに振り分けられる。センター飾り64の上部には、演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物66が設けられる。遊技領域81には、遊技球の流路を形成するための図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
第1始動口11は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口12は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口11と第2始動口12は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によって一方への入球を狙うことが可能となるように構成される。第1始動口11は、遊技領域81における略中央下部に設けられ、第2始動口12は、第1始動口11の直下に設けられる。左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って相対的に弱めに打球した場合は第1始動口11および第2始動口12に入球可能ないし入球容易である一方、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って相対的に強めに打球した場合は第2始動口12には入球可能ないし入球容易であるが第1始動口11には入球不能ないし入球困難となるように遊技釘の配置による流路が形成される。ただし、通常時には第2始動口12の開口部上方が第1始動口11に覆われて遊技球の流入が妨げられることから、第2始動口12の拡開機構が開放されない限り第2始動口12には入球不能ないし入球困難である。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動口11または第2始動口12へ入球があるたびに実行される。
なお、第1始動口11および第2始動口12は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられてもよい。第1始動口11と第2始動口12は、それぞれ遊技領域81の左側と右側に離して設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成としてもよい。たとえば、第1始動口11は、左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って比較的弱めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。第2始動口12は、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って比較的強めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。
第1始動口11は、第1始動入賞検出装置16を備える。第1始動入賞検出装置16は、第1始動口11への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口12は、第2始動入賞検出装置17と、拡開機構である普通電動役物90(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物90を開閉させるための普通電役ソレノイド91を備える。第2始動入賞検出装置17は、第2始動口12への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
普通電役ソレノイド91の駆動力により普通電動役物90が拡開されると、第2始動口12への入球容易性が高まる。普通電動役物90の1回の開放時間は、短開放時は0.1秒程度の短時間であるのに対し、長開放時は普通電動役物90の1回の開放時間が6秒程度と短開放時よりも長く設定されて遊技球が第2始動口12に入球しやすくなる。普通電動役物90の長開放は「開放延長」とも呼ばれる。なお、変形例として、普通電動役物90が拡開するときはその旨を事前に報知してもよく、普通図柄変動の保留を先読みして普通図柄の変動開始前に報知してもよいし、普通図柄の変動中に報知してもよい。
第2始動口12の普通電動役物90を長開放させるときの開放態様の変形例としては、短開放時より長い2秒開放を3回繰り返すことにより総開放時間を6秒程度にまで長くする態様としてもよい。また、開放時間と開放回数の組合せを複数通り用意し、いずれかを選択する構成としてもよい。例えば2秒開放を3回の場合、6秒開放を1回の場合と比較して総開放時間は同じであるが、インターバル期間も含めると前者は後者より長い。そのため、特に第2始動口12を右打ちの方向に配置する変形例の構成では、開放に気がついた遊技者がその時点から打球方向を第2始動口12に合わせたとして前者の方が入球チャンスが長いともいえる。また、普通図柄の当り種類が複数存在するように構成し、その当り種類に応じて拡開機構の開放態様が異なるようにしてもよい。例えば、普通図柄が第1の当りとなった場合、通常状態では0.1秒開放を1回、入球容易状態では1秒開放を3回とし、第2の当りとなった場合、通常状態では6秒開放を1回、入球容易状態では2秒開放を2回としてもよい。
3つの一般入賞口33は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置38をそれぞれ備える。一般入賞検出装置38は、一般入賞口33への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口20は、遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置25と、大入賞口20を開閉させるための大入賞口ソレノイド92を備える。大入賞検出装置25は、大入賞口20への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口20は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口20はアウト口34の右上方の位置に設けられる。なお、変形例として大入賞口を遊技領域81の中央下部や大入賞口20の上方または下方にさらにもう一つ設け、複数の大入賞口が設けられる構成としてもよい。
遊技盤80における遊技領域81の外側左下位置に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置41と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置42とが左右に並設され、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動が表示される。遊技領域81の略中央にはセンター飾り64により形成される画面枠から画面が露出するように演出表示装置60が設けられ、第1特別図柄51または第2特別図柄52に連動する装飾図柄61を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
第1特別図柄51は、第1始動口11への遊技球の入球を契機として行われる第1当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄52は、第2始動口12への遊技球の入球を契機として行われる第2当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42は、例えば「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントの8個のセグメントからなる8セグメントLEDの表示装置である。8セグメントLEDでは、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。セグメントの組合せで表される第1特別図柄51および第2特別図柄52は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42へ表示されることにより、第1特別図柄51および第2特別図柄52の図柄変動表示が実現される。さらに、第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42を8セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄51および第2特別図柄52を表現してもよい。
演出表示装置60は、第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動表示と連動する形で装飾図柄61を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄61は、第1特別図柄51および第2特別図柄52で示される抽選の判定結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄61として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄61を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクターが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄61は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄61の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
なお、第1特別図柄51および第2特別図柄52は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では遊技領域81の左下方の第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を8セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
第1作動口31は、遊技領域81の左側方位置に設けられ、第1通過検出装置36を含む。第1通過検出装置36は、第1作動口31への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第2作動口32は、遊技領域81の右側方位置に設けられ、第2通過検出装置37を含む。第2通過検出装置37は、第2作動口32への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第1作動口31または第2作動口32への遊技球の通過は普通電動役物90を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、開放抽選の判定結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置45に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。普通図柄表示装置45は遊技領域81の外側右下方に設けられ、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物90が拡開される。
普通電動役物90の開放時間は、0.1秒間の短開放と6秒間の長開放の2通りがある。通常状態における開放抽選では、1/50の確率で普通図柄が当りとなって長開放が実行され、1/100の確率で普通図柄が当りとなって短開放が実行される。このように通常状態では長開放となる確率の方が短開放の確率より高いが、変形例では逆に短開放となる確率の方が長開放の確率より高い仕様としてもよいし、両者の確率を同じにする仕様としてもよい。入球容易状態における開放抽選では、普通図柄の当り確率を99/100に高め、さらに開放時間を長開放のみとする。このように入球容易状態では普通図柄の当り確率の変動機能と開放時間の延長機能により、第2始動口12への入球容易性を高める。変形例における入球容易状態では、さらに普通図柄の変動時間の短縮機能を加えた3つの機能を用いて第2始動口12への入球容易性を高める構成としてもよい。その場合の普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では10秒間であり、入球容易状態では2秒間である。
遊技領域81の外側左下位置において、第1特別図柄表示装置41の上方には第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ71が設けられ、第2特別図柄表示装置42の上方には第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ72が設けられる。第1特図保留ランプ71は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第1特図保留ランプ71における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄51の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口11へ入賞した抽選値の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ72も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第2特図保留ランプ72における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄52の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口12へ入賞した抽選値の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選値の保留数は、演出表示装置60の画面下部にも保留ランプ画像の点灯個数で表す形で表示される。
当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。
遊技領域81の外側右下位置において、普通図柄表示装置45の右側には普図保留ランプ75が設けられる。普図保留ランプ75もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に第1作動口31または第2作動口32を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
演出ボタン109は、遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であり、その押下態様に応じて演出内容等に変化が加えられる。演出ボタン109は、上球皿105近傍の外壁面に設けられる。十字キー110は、遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であり、上球皿105の左方の外壁面に設けられる。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル107を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿105に貯留された遊技球が1球ずつレール82に案内されて遊技領域81へ発射される。遊技者が発射ハンドル107の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域81の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口33、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿105または下球皿106に払い出される。一般入賞口33等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口34に落入した遊技球はアウト球として処理される。
第1始動口11または第2始動口12に入球すると、第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42および演出表示装置60において第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が変動表示される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄51および第2特別図柄52は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄61は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄51および第2特別図柄52が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄61が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動が停止される。
装飾図柄61の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄61の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンは、それぞれ通常状態にて表示する通常のパターンと、時短状態において表示する時短用パターンとがある。ただし、通常状態であっても、第2始動口12への入球に対応する第2図柄変動であった場合は、大当りが確変を伴う確率や特別遊技の単位遊技数が多くなる確率が第1始動口11への入球に対応する第1変動より高いチャンス状態といえるため、相対的に有利な大当りが発生するチャンスであることを表示するチャンス演出用のパターンを用いてもよい。なお、実施例では時短状態において時短用のパターンを用いるが、確変状態では時短を伴うため、確変状態においても時短用パターンが用いられる。ただし、変形例では確変状態において時短用とは異なる確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。あるいは、時短用と確変用で共通のパターンを用いる仕様としてもよいし、時短用のパターンは特に用いずに確変状態において確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。
特別遊技には通常特別遊技と短縮特別遊技の2種類があり、それぞれ獲得賞球による利益に大きな差が生じる。通常特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口20が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口20の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口20の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば15回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって通常特別遊技が終了される。通常特別遊技においては、1回の単位遊技あたり9球以上の入球が十分に期待でき、15回分の単位遊技によって十分な賞球(これを「出玉」ともいう)を獲得でき、大きな利益が得られる。15回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「15R大当り」とも称する。
一方、短縮特別遊技は、開始デモ時間および終了デモ時間もなく、1回の単位遊技で大入賞口20を0.2秒間だけ開放させる。この単位遊技を2回繰り返して短縮特別遊技が終了される。短縮特別遊技では、ごく短時間の大入賞口20の開放を2回繰り返すだけであるため、大入賞口20にはほとんど入球し得ず、実質的に出玉がほぼゼロに等しい特別遊技である。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「2R大当り」とも称する。
停止時の第1特別図柄51または第2特別図柄52および装飾図柄61が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、大入賞口20が約0.2秒間の開放を2回繰り返すので、外観上は2R大当りと同様の動作態様となる。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。なお、当否抽選の判定結果が特定大当り、すなわち確変を伴う大当りであったことは外観上明示せず、装飾図柄や演出内容として明示的に報知しない潜伏確変状態としてもよい。その場合、確変中であっても確変であるか非確変であるかが演出表示装置60には明示されない。
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技状態の一つである入球容易状態が開始される。入球容易状態では、開放抽選の当り確率を通常より高めるとともに、普通電動役物90の拡開時間を長開放とする開放延長を実行する。一定時間あたりの普通図柄の当り回数が増加し得る上、第2始動口12への入球容易性も増すため、第2始動口12への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第2始動口12への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。
入球容易状態においては、特定遊技状態の一つとして、第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が通常状態よりも短縮される、いわゆる時短がさらに実行される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間は、所定の変動回数、例えば70回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短もいったん終了する。時短において第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。変形例では、入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ150は、ぱちんこ遊技機100の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板200は、ぱちんこ遊技機100の全体動作を制御し、とくに第1始動口11、第2始動口12へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板300は、液晶ユニット151を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板200による判定結果に応じて演出的な表示内容を変動させる。裏セット機構152は、賞球タンク153や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット154等を含む。払出ユニット154は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク153から供給される遊技球を上球皿105へ払い出す。払出制御基板155は、払出ユニット154による払出動作を制御する。発射装置156は、上球皿105の貯留球を遊技領域81へ1球ずつ発射する。発射制御基板157は、発射装置156の発射動作を制御する。電源ユニット158は、ぱちんこ遊技機100の各部へ電力を供給する。
図3は、ぱちんこ遊技機100の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機100は、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御装置としてのメイン基板200と、演出的な動作や処理を制御する副制御装置としてのサブ基板300とに機能を分担させた形態で構成される。メイン基板200は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、一般入賞口33、第1作動口31、第2作動口32、第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42、普通図柄表示装置45と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。サブ基板300は、演出表示装置60、演出ボタン109、スピーカ108、装飾ランプ111と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。メイン基板200とサブ基板300の間におけるデータの送受信はメイン基板200からサブ基板300への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板200とサブ基板300に配置される。メイン基板200からサブ基板300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板300に含まれる構成からメイン基板200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板200で生成された情報は、メイン基板200がサブ基板300へ一方的に送信しない限りサブ基板300から参照することはできない。
なお、メイン基板200に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板200ではなくサブ基板300に搭載されてもよいし、サブ基板300に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板300ではなくメイン基板200に搭載されてもよい。
図4は、メイン基板200の構成を示すブロック図である。メイン基板200は、入球判定手段201、第1抽選手段211、第2抽選手段212、普図抽選手段213、保留制御手段240、メイン表示制御手段250、特別遊技制御手段260、小当り遊技制御手段265、特定遊技制御手段270、開閉制御手段275、特図調整手段276を備える。
入球判定手段201は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段201は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口11に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口12に入賞したと判断する。入球判定手段201は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口20に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口33に入賞したと判断する。入球判定手段201は、通過情報を受け取ると遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断する。
第1抽選手段211は、第1の遊技に係る第1の抽選を実行する機能として、第1抽選値取得手段216、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231を含み、第1始動口11への入球に対応する当否抽選として第1当否抽選を実行する。第1当否抽選の判定結果は、第1特別図柄表示装置41において第1特別図柄51の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示の形で示される。第2抽選手段212は、第2抽選値取得手段217、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232を含み、第2始動口12への入球に対応する当否抽選として第2当否抽選を実行する。第2当否抽選の判定結果は、第2特別図柄表示装置42において第2特別図柄52の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示の形で示される。第1抽選手段211および第2抽選手段212は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の判定結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。
第1抽選手段211および第2抽選手段212は、第1始動口11または第2始動口12への入球時にも事前判定処理として抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行し、その判定結果を演出決定手段303へ送信する。事前判定処理の結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず演出決定手段303へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。そのため、サブ基板300の側にとっては図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。
第1抽選値取得手段216は、第1始動口11への入球を契機に、第1当否抽選のために乱数の値を第1当否抽選値として取得する。第2抽選値取得手段217は、第2始動口12への入球を契機に、第2当否抽選のために乱数の値を第2当否抽選値として取得する。例えば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。第1当否抽選値、第2当否抽選値として取得する値は、保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、所定の保留上限数を超えない範囲で当否抽選値が保留される。
第1当否判定手段221は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第1当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第2当否判定手段222は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第2当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルと事前当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、特に事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。
第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルを複数保持する。複数の当否判定テーブルには、大当りおよび外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、通常確率状態においては通常の当り確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動状態においては通常確率より大当り確率が高くなる当否テーブルを参照する。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段221による第1当否抽選と第2当否判定手段222による第2当否抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0〜299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜299の範囲に該当する場合だけでなく、300〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1当否抽選用と第2当否抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段221が取得する当否抽選値が56500〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段222が取得する当否抽選値が64000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2当否抽選よりも第1当否抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図6は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1当否判定手段221は図6(a)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜56499」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「56500〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第1当否判定手段221は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第1当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
第2当否判定手段222は図6(b)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜63999」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「64000〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第2当否判定手段222は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
図4に戻り、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定するとともに、図柄抽選値がいずれの図柄範囲に該当するかの事前図柄判定を実行する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルと事前図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、特に事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図7は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図7(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図7(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図7(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」〜「4」が大当りに対応し、「5」〜「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図7(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」〜「4」が大当りに対応付けられている。そのうち、種類「0」は特定大当りとして確変を伴う15R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0〜99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜144」に対応付けられる。種類「1」は特定大当りとして確変を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「100〜149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145〜149」に対応付けられる。種類「2」〜「4」は通常大当りとして確変を伴わない15R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に種類「2」が対応付けられ、「190〜229」に種類「3」が対応付けられ、「230〜255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類ごとの選択確率が定まる。
図7(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図7(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」〜「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
なお、事前図柄判定においても図7のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の値を第1当否抽選または第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
図4に戻り、第1変動パターン決定手段231は、第1特別図柄表示装置41および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄表示装置42および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。
図8は、通常状態において参照される変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、通常状態の場合、より詳細には、非確変(低確率)状態かつ非時短状態である場合に、本図のテーブルを参照する。なお、非確変状態かつ時短状態である場合(以下、単に時短状態ともいう)や、時短状態を伴う確変状態である場合(以下、単に確変状態ともいう)には、後述する別の変動パターンテーブルが参照される。
図8の通り、通常状態において当否判定結果が外れとなった場合、パターン抽選値が0〜4であればパターン範囲番号「0」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が5〜9であればパターン範囲番号「1」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が10〜19であればパターン範囲番号「2」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が20〜29であればパターン範囲番号「3」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。パターン抽選値が30〜255であればパターン範囲番号「4」の「リーチなし外れ」を選択する。「リーチなし外れ」としては、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0〜2のときは10秒の変動パターン、保留数が3のときは7秒の変動パターン、保留数が4のときは4秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
本図では、変動時間別に主に5種類に分類した例を説明するが、サブ基板300においてそれらの変動パターンごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類の抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし外れ」に割り当てられたパターン抽選値の範囲もまた保留数に応じて異なる。保留数が0,1のときは本図に示す通りであるが、保留数が増えるほど「ノーマル1」「ノーマル2」の抽選値範囲が狭くなり、「リーチなし外れ」の抽選値範囲が広くなる。保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンの抽選値範囲が広くされており、変動時間の長い変動パターンが選択される確率が高まる。そのため、保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなり、保留数が多いほど平均的な変動時間が短くなる。保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現できる。
通常状態において当否判定結果が15R大当りとなった場合、パターン抽選値が0〜123であればパターン範囲番号「5」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が124〜248であればパターン範囲番号「6」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が249〜252であればパターン範囲番号「7」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が253〜255であればパターン範囲番号「8」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。
通常状態において当否判定結果が2R大当りまたは小当りとなった場合、パターン抽選値が0〜122であればパターン範囲番号「9」のスーパーリーチである「スーパー3」を選択し、パターン抽選値が123〜255であればパターン範囲番号「10」のノーマルリーチである「ノーマル3」を選択する。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、いわゆる先読み結果として事前判定結果を演出決定手段303へ送信する場合は、パターン範囲番号の値(0〜10)を、第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに送信する。
図9は、時短状態において参照される変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、特別遊技の終了後になされた図柄変動の回数に応じて、図9(a)、(b)に示す変動パターンテーブルのいずれか一方を参照する。具体的には、図9(a)に示す時短用第1変動パターンテーブルは、図柄変動の回数が特定回数以外となるときに参照され、図9(b)に示す時短用第2変動パターンテーブルは、図柄変動の回数が特定回数となるときに参照される。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、図柄変動が特定回数以外となるときに時短用第1変動パターンテーブルを参照し、特定回数となるときに時短用第2変動パターンテーブルを参照するように定める「時短用変動パターン選択基準」を保持し、この選択基準にしたがって参照すべき変動パターンテーブルを決定する。なお、特定回数としては、5回、10回、20回、30回、50回、70回などの区切りとなる回数が設定される。
図9(a)に示す時短用第1変動パターンテーブルには、すべて時短用の変動パターンにパターン抽選値が割り当てられている。ただし、パターン抽選値の範囲と変動時間の対応関係は、外れで選択される「リーチなし外れ短縮」以外はすべて図8と同様である。「リーチなし外れ短縮」は、図8において「リーチなし外れ」と同じ抽選値範囲とパターン範囲番号に対応付けられる、相対的に短い変動時間の変動パターンである。「リーチなし外れ短縮」もまた、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0,1のときは10秒の変動パターン、保留数が2〜4のときは1秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
図9(b)に示す時短用第2変動パターンテーブルは、当否結果が当りとなる場合において、(a)に示す時短用第1変動パターンテーブルと同様のパターン抽選値の範囲と変動パターンの対応が定められる。その一方で、当否結果が外れとなる場合には、必ず「特定パターンA」の変動パターンが選択されるようにテーブルが定められている。「特定パターンA」の変動時間は、例えば、15秒や20秒の時間である。これにより、図柄変動が特定回数となり、かつ、当否結果が外れとなる場合には、「特定パターンA」に定める変動時間が確保される。
したがって、時短状態において特定回数となる5回、10回、20回などの図柄変動では、当否結果が外れとなる場合、特定変動パターンとして特定パターンAが選択される。一方、特定回数以外の1〜4回、6〜9回、11〜19回などの図柄変動においては、当否結果が外れとなる場合、概ね「リーチ外れ短縮」の変動パターンが選択され、一定の割合にて時短用リーチ変動パターンが選択されることとなる。
なお、時短用第2変動パターンテーブルは、複数の特定回数のそれぞれにおいて変動時間の異なる変動パターンが選択可能となるように複数用意されてもよい。例えば、時短用第2変動パターンテーブルとして、特定パターンAの代わりに変動時間の異なる特定パターンA’が含まれる変動パターンテーブルを定めてもよい。このとき、特定パターンAには15秒の変動時間が定められ、特定パターンA’には20秒の変動時間が定められる。また、5回、10回、20回、30回の図柄変動において特定パターンAが選択されるようにし、50回、70回において特定パターンA’が選択されるように変動パターン選択基準が定められる。
図10は、確変状態において参照される変動パターンテーブルを模式的に示す図である。図9に示す時短用の変動パターンテーブルと同様、図10(a)に示す確変用第1変動パターンテーブルは図柄変動の回数が特定回数以外となるときに参照され、図10(b)に示す確変用第2変動パターンテーブルは図柄変動の回数が特定回数となるときに参照される。図10(a)に示す確変用第1変動パターンテーブルは、図9(a)に示す時短用第1変動パターンテーブルと同じである。図10(b)に示す確変用第2変動パターンテーブルは、外れ時に「特定パターンB」が選択されるように定められる以外、図9(b)に示す時短用第2変動パターンテーブルと同じである。しかしながら、「特定パターンB」は、「特定パターンA」と同じ変動時間を有する特定変動パターンとして定められるため、確変用第2変動パターンテーブルも、時短用第2変動パターンテーブルと実質的に同じともいえる。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、時短用の選択基準と同様の「確変用変動パターン選択基準」を保持する。確変用変動パターン選択基準には、特定回数以外の図柄変動において確変用第1変動パターンテーブルを参照し、特定回数の図柄変動において確変用第2変動パターンテーブルを参照する選択基準が定められ、特定回数として、5回、10回、20回、30回、50回、70回が設定される。つまり、時短用変動パターン選択基準と確変用変動パターン選択基準は、変動パターンないし変動時間の選択傾向が互いに同じとなるように定められる。これにより、遊技者が変動パターンまたは変動時間の選択傾向に注目したとしても、遊技状態が時短付きの通常状態であるのか確変状態であるのかを識別困難となるようにする。
図9(a)に示す時短用第1変動パターンテーブルと、図10(a)に示す確変用第1変動パターンテーブルとは、外れ用の変動パターンの選択確率がそれぞれ同じように定められている。変形例においては、外れ用の変動パターンの選択傾向として、時短用スーパーや時短用ノーマルなどのリーチ変動パターンが選択される確率が、確変状態よりも時短状態において高くなるように変動パターンテーブルが定められてもよい。
変動パターンとして、特定パターンAまたは特定パターンBが選択される場合には、特定変動パターンに定める変動時間に対応した「特定演出パターン」にしたがった演出が実行される。特定パターンAまたは特定パターンBが選択される場合に、演出内容が同様の特定演出パターンに定める演出を実行することにより、遊技状態が時短付きの通常状態であるのか確変状態であるのかを識別困難となるようにする。なお、特定演出パターンの詳細は後述する。
図9および図10には、15R大当り用の変動パターンとして、時短用スーパー1、時短用スーパー2を定めているが、15R大当り用の変動パターンとして、これらの変動パターンとは異なる「時短用スーパー4」を定めてもよい。「時短用スーパー4」が選択される場合には、確変大当りとなることが確定的に報知される演出が実行されるようにしてもよい。言いかえれば、15R大当りとなる場合において、所定種類の変動パターンが選択される場合には、その図柄変動中に大当りの確定が報知される演出がなされるようにしてもよい。また、15R大当り用の変動パターンとして所定種類の変動パターンが選択される場合に、「特定演出パターン」と同様の演出もしくは類似した演出またはその一部に含まれる演出を実行した後に、大当りとなることを示す演出がなされる演出過程を表示するようにしてもよい。
図4に戻り、普図抽選手段213は、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過したときに抽選値を取得することにより抽選を実行する。普図抽選手段213による抽選の判定結果は、普通図柄表示装置45において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段213は、普通図柄表示装置45に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段213は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段275が第2始動口12の普通電動役物90を拡開する。拡開時間は、短開放時が0.1秒で、長開放時で6秒である。普通図柄の抽選値は、保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、保留制御手段240により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
保留制御手段240は、特図保留手段241、普図保留手段242を含む。特図保留手段241は、新たに第1当否抽選または第2当否抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1当否抽選または第2当否抽選に対する図柄変動の開始を保留し、その当否抽選値を対応する図柄の変動表示開始まで記憶する。第1当否抽選について4個を上限に当否抽選値と事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を記憶し、第2当否抽選について4個を上限に当否抽選値と事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を記憶する。あるいは、当否抽選値とは別の領域に事前判定の結果を記憶してもよい。普図保留手段242は、普図抽選手段213により取得された普図抽選値を保留球として記憶する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留ランプ71、第2特図保留ランプ72、普図保留ランプ75の点灯数または点滅数により表される。特図保留手段241による保留の数は演出表示装置60にも表示される。
特図保留手段241に保留された第2当否抽選の抽選値は第1当否抽選の抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1当否抽選として大当りの抽選値が保留されていても第2当否抽選として抽選値の保留がある限りは第1当否抽選の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1当否抽選として大当りの保留があっても、さらに第2当否抽選として大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
メイン表示制御手段250は、第1特図制御手段251、第2特図制御手段252、普図制御手段254を含む。第1特図制御手段251は、第1抽選手段211による第1当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄51の変動を第1特別図柄表示装置41に表示させる。第1特図制御手段251は、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段252は、第2抽選手段212による第2当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄52の変動を第2特別図柄表示装置42に表示させる。第2特図制御手段252もまた、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段251は、特図保留手段241により第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段252は、特図保留手段241により第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方に抽選値が保留されていた場合、第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出制御手段304へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出制御手段304へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段254は、普図抽選手段213による抽選の判定結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置45に表示させる。
特図調整手段276は、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段276は、第1始動口11および第2始動口12のうちいずれに遊技球が入球したかの順序に関係なく、第2始動口12への入球に基づく第2特別図柄52の変動表示を、第1始動口11への入球に基づく第1特別図柄51の変動表示より優先させる。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、つねに第2当否抽選値を優先的に消化させ、第2特別図柄52を連続的に変動表示させる。
なお、変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、第1始動口11および第2始動口12への入球順序にしたがって選択的に変動表示させてもよい。例えば、第1始動口11、第1始動口11、第2始動口12の順序で入球したときは、第1特別図柄51、第1特別図柄51、第2特別図柄52の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段276は保留制御手段240を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段240における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
別の変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄51と第2特別図柄52とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
特図調整手段276は、また、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。
特別遊技は、大入賞口20の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を15回繰り返す15R大当りと、15R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。15R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を約0.2秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段260は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、15R大当りと同様の開放態様で大入賞口20を開放させてもよい。
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。
小当り遊技においては、単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において大入賞口20を2回開閉する。小当り遊技制御手段265は、1回の開閉あたり大入賞口20を約0.2秒間だけ開放させ、小当り遊技全体としては約0.4秒間開放させた後、大入賞口20を閉鎖して小当り遊技を終了させる。
特定遊技制御手段270は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段270は、特別図柄が確変への移行を伴う特定大当りの図柄であった場合に、特別遊技の終了後に遊技状態を確変状態、時短状態および入球容易状態へ移行させる。確変状態、時短状態および入球容易状態は、次の大当りが発生するまで継続される。時短状態においては、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段240による当否抽選値の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段240による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の確変および第2始動口12の開放延長の双方、または第2始動口12の開放延長のみが実施される。すなわち、特定遊技制御手段270は、特定大当りとなった場合に第2始動口12を開放延長状態にさせるとともに、その当否抽選が第2当否抽選であった場合に限りさらに開放抽選の当り確率を通常確率状態より高い確変状態へ移行させる。確変状態の間は第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や大入賞口20の開閉を制御する。開閉制御手段275は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電役ソレノイド91に開放指示を送り、第2始動口12の普通電動役物90を開放させる。開閉制御手段275は、通常状態においては開放抽選の結果に応じて短開放または長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させ、入球容易状態においては長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させる。第2始動口12の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段275は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド92に開放指示を送り、大入賞口20を開放させる。
図11は、サブ基板の構成を示すブロック図である。サブ基板300は、図柄態様決定手段301、パターン記憶手段302、演出決定手段303、演出制御手段304を備える。
パターン記憶手段302は、装飾図柄61の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄61の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。また、時短状態または確変状態にて選択される特定変動パターンの変動時間に対応した演出過程が定められる複数の特定演出パターンを含む。これらの演出パターンは、通常遊技中に表示される演出過程を定めるものであるため「通常遊技演出パターン」ともいう。
演出決定手段303は、第1抽選手段211から受け取る第1当否抽選の判定結果または第2抽選手段212から受け取る第2当否抽選の判定結果に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカ108に出力する演出内容を決定する。演出決定手段303は、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段302から読み出す。演出決定手段303は、読み出した変動演出パターンの情報を演出制御手段304へ送る。演出決定手段303は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段301は、装飾図柄61の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段211または第2抽選手段212による抽選の判定結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段301は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出制御手段304へ送信する。図柄態様決定手段301は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄61の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が15R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が15R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄61には、図柄種類を表す「1」や「7」などの数字とともに、その数字に対応付けされるキャラクタの表示が含まれてもよい。本実施例では、様々な演出に登場するキャラクタとして、1人の主人公と5人のヒロインA〜Eが用意されており、それぞれのキャラクタに対して図柄種類を表す数字が割り当てされる。例えば、図柄「1」〜「5」には、ヒロインA〜Eがそれぞれ割り当てられ、図柄「6」には主人公が割り当てられ、図柄「7」には、複数のキャラクタの中からいずれかのキャラクタが割り当てられる。図柄「7」に割り当てられるキャラクタは、図柄変動がなされる前に抽選などにより決定してもよいし、遊技者が操作する十字キー110からの入力により決定してもよい。なお、図柄「7」に割り当てられるキャラクタの選択および決定が可能となるタイミングは、図柄変動がなされていない期間や、図柄変動が終了し、かつ、特図保留手段241に保留がなされていない状態から所定期間が経過した「遊技待機デモ期間」といわれる期間とすることが望ましい。なお図柄変動中であっても、所定の演出が表示されている期間、例えばリーチ態様や後述する仮停止態様が形成されていない期間において、図柄「7」に割り当てるキャラクタの選択および決定を可能としてもよい。
演出決定手段303は、特定の演出モードにおいて、図柄態様決定手段301が決定する装飾図柄61の停止図柄やリーチ態様に含まれる図柄種類と、その図柄変動中に表示される演出に関連するキャラクタとが対応するように変動演出パターンを決定する。例えば、ヒロインAに対応する図柄「1」にてリーチ態様が形成されるように図柄態様が決定される場合、ヒロインAが登場するリーチ演出を定める演出パターンを選択する。なお、リーチ態様が形成される前に表示される予告演出において、ヒロインAに対応する図柄「1」にてリーチ態様が形成される前に、ヒロインAが登場する予告演出やヒロインAに関連した予告演出が表示されるようにしてもよい。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
また、装飾図柄の変動演出パターンとして、リーチ態様を形成した後に、装飾図柄が大当り図柄にて外観上停止しているように見える形で微動する仮停止態様を形成し、その後、仮停止態様にて表示される図柄組合せと異なりうる組合せで停止図柄を表示する特殊演出パターンが用意される。例えば、「111」で仮停止態様を形成した後、3つの図柄が揃った状態で図柄全体がゆっくりと変動される全回転リーチがなされ、その後、「777」で停止表示される表示過程が定義される。なお、仮停止態様における図柄組合せと、停止表示される図柄組合せは同じであってもよく、「111」で仮停止態様を形成し、全回転表示がなされた後に「111」で停止表示がなされてもよい。
図12は、特殊演出パターンにしたがった演出例を模式的に示す図であり、図柄「4」にてリーチ態様が形成される場合を示している。(a)は、左右に表示される図柄が「4」となってリーチ態様が形成され、中央に表示される図柄が変動中である様子を示している。その後(b)に示すように、中央に表示される図柄が「4」となり、大当りとなることを示した状態で仮停止態様を形成する。つづいて(c)に示すように、仮停止態様となった図柄組合せ「444」と「777」が画面中央で衝突し、確変確定を示す「777」への図柄変化を煽る演出がなされる。その後、(d)に示すように図柄「444」で停止表示がなされたり、「777」に変化して停止表示がなされたりする。
図13は、特殊演出パターンにしたがった別の演出例を模式的に示す図であり、図柄が「444」で仮停止態様となった後に「777」に図柄が変化する演出例を示している。(a)は、複数行の図柄組合せのそれぞれが「444」または「777」となった状態で、リール全体がゆっくりと変動している状態を示している。(a)に示す初期状態では、通常大当りを示唆する「444」の行数が多く、確変大当りを示唆する「777」の行数が少ない状態となっている。つづいて、(b)に示すように「777」の行が追加される旨の表示がなされた後、(c)に示すように「777」の行が追加される。最終的に(d)に示すように図柄「777」で停止表示がなされる場合には、確変大当りが確定する。一方、(d)に示す状態で「444」となる場合には、確変大当りではない可能性が示唆されるものの、確変大当りとなる可能性は否定されない。
なお、(b)および(c)に示される「777」の追加演出は複数回行われてもよく、「777」の行数が増えるほど確変大当りとなる期待度が高いことを示唆してもよい。また、初期状態にて示される図柄種類によって、「777」の追加回数が異なる演出パターンが選択されるようにしてもよい。例えば、初期状態の図柄が「111」であれば、「777」の追加回数の少ない演出パターンが選択され、初期状態の図柄が「666」であれば、「777」の追加回数の多い演出パターンが選択される。
本実施例では、リーチ態様や仮停止態様にて表示される図柄種類によって、その図柄変動が大当りとなる場合にその当りが確変大当りとなる可能性が示唆される。例えば、図柄「1」は確変大当りとなる可能性が低いことを示唆し、図柄「6」は確変大当りとなる可能性が高いことを示唆するように、図柄の数字が大きいほど確変大当りとなる期待度が高いことが示唆される。なお、「7」などの特定の図柄については、必ず確変大当りとなることを示してもよい。このような図柄種類による示唆演出を実現するために、通常大当りとなる場合に図柄種類のそれぞれが選択される確率と、確変大当りとなる場合に図柄種類のそれぞれが選択される確率とに差が設けられる。例えば、図柄「1」については、通常大当りとなる場合の選択確率が相対的に高く設定され、確変大当りとなる場合の選択確率が相対的に低く設定される。一方、図柄「6」については、通常大当りとなる場合の選択確率が相対的に低く設定され、確変大当りとなる場合の選択確率が相対的に高く設定される。
なお、上述の特殊演出パターンは、遊技状態が確変状態または時短状態である場合のみ発生させることが望ましい。また、後述する複数の演出モードのうち、確変モード(第3確変モードともいう)において発生させる頻度を高めることが望ましく、秘匿モードにおいて発生頻度を低くすることが望ましい。さらなる変形例では、通常状態よりも確変状態や時短状態において上述の特殊演出パターンが選択される確率が高くなるようにしてもよい。
図14は、第1特定図柄選択テーブルを模式的に示す図であり、当否結果が大当りとなって特殊演出パターンが選択される場合に仮停止態様にて表示される装飾図柄の図柄組合せを決定するために参照されるテーブルである。図14(a)には、確変大当りとなる場合の図柄抽選値と仮停止図柄の種類との対応が定められており、仮停止図柄の図柄種類「1」〜「7」に対して、図柄抽選値の範囲がほぼ同じとなるように定められている。図14(b)には、通常大当りとなる場合の図柄抽選値と仮停止図柄の種類との対応が定められており、図柄の数字が小さいほど図柄抽選値の範囲が大きくなるように定められている。
図14に示すテーブルを用意することにより、数字の大きな図柄が選択される場合には、確変大当りとなる期待度が相対的に高くなり、数字の小さな図柄が選択される場合には、確変大当りとなる期待度が相対的に小さくなる。また、図柄「3」と「7」については図柄抽選値の範囲が設定されておらず、通常大当りとなる場合に「3」または「7」の図柄が選択されないようになっている。これにより、図柄「3」または「7」が選択された場合には、必ず確変大当りとなることが示される。なお、変形例においては、図柄「3」を確変大当りの確定を示す図柄とせず、図柄「3」が示す確変期待度の高さが図柄「2」と図柄「4」の間となるようにしてもよい。つまり、図柄「1」〜「7」の数字が大きくなるにつれて、図柄の数字が示す確変期待度が高まるようにしてもよい。
したがって、上記の特殊演出パターンによる演出において最終停止図柄が「777」となる場合、その装飾図柄により確変大当りとなることが確定する。本明細書において、仮停止態様が確変確定を示す「7」となる演出や、「7」以外の図柄で仮停止態様となった後に停止図柄が「7」に変更される演出を、確変大当りとなることを報知する「報知演出(以下、第1報知演出ともいう)」を含む演出であるともいう。一方、停止図柄が「7」に変更されない場合には、報知演出(第1報知演出)を含まない演出であるともいう。
時短状態において、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により選択された変動パターンが時短用のパターンであった場合、演出決定手段303は時短用の演出内容が定められた変動演出パターンを選択する。時短用の演出内容は、時短または確変により遊技者に有利な状態であることを印象づける背景映像や音声が出力される演出である。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、役物を動作させる演出パターン、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄61の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄61が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
また、予告演出パターンとして、その図柄変動が大当りとなれば、その大当りが確変大当りとなる期待度が高いことを示唆する演出パターンが用意される。この予告演出では、通常の予告演出において表示されるキャラクタの一部分や影、演出表示の背景や画面の一部領域を区切るように表示されるフレーム枠、その他、付加的に表示されるオブジェクトなどに示唆する期待度の高さに応じた特定種類の装飾表示が含められる。示唆する期待度の高さは装飾表示の色や柄などにより決められ、例えば、黒色、緑色、赤色、キリン柄、虹色などの装飾表示により期待度の高さが示唆される。黒色や緑色は、期待度が相対的に低いことを示唆する「低期待度表示」として用いられ、赤色、キリン柄、虹色は、期待度が相対的に高いことを示唆する「高期待度表示」として用いられる。
演出決定手段303は、当否抽選の判定結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段303は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の判定結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の判定結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
パターン記憶手段302は、特別遊技中に表示される演出過程を定める演出パターンとして、「特別遊技演出パターン」を複数保持する。特別遊技演出パターンには、大入賞口の開閉を伴う単位遊技の進行状況を示す表示や、特別遊技の終了後に移行される演出モードを示す表示を含む演出過程が定められる。また、特別遊技演出パターンとして、特別遊技の終了後に移行される遊技状態が確変状態である旨を報知する報知演出(以下、第2報知演出ともいう)を含む演出過程が定められた特別遊技特殊演出パターンが用意される。
演出決定手段303は、当否結果が当りとなって特別遊技が実行される場合に、複数の特別遊技演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段302から読み出し、読み出した特別遊技演出パターンの情報を演出制御手段304へ送る。演出決定手段303は、特別遊技演出パターンを選択するために参照すべきパターン選択テーブルを保持する。このパターン選択テーブルとして、特別遊技の開始前に表示されていた演出と、特別遊技中に表示される演出とが互いに関連した内容となるように、通常遊技演出パターンと特別遊技演出パターンとの対応関係を定める特殊演出選択テーブルが含まれる。例えば、ヒロインAに対応する図柄「111」で当りとなる場合に参照される特殊演出選択テーブルには、ヒロインAが登場するリーチ演出を定める演出パターンと、ヒロインAが登場する特別遊技演出を定める演出パターンとが設定される。したがって、特殊演出選択テーブルを参照することにより、特別遊技の開始前からその特別遊技の終了までにわたって内容が関連した一連の演出が実行される。
パターン記憶手段302は、メイン基板200またはサブ基板300において検知したエラーを遊技者に通知するためのエラー報知演出パターンが定められる。このエラー報知演出パターンは、エラー報知をするキャラクタの種類に応じて複数用意され、例えば、5人のヒロインA〜Eに対応させて5種類が用意される。また、それぞれのヒロインの声による音声を用いてエラー内容を通知できるよう、5人のヒロインA〜Eのそれぞれに対応するエラー通知音声データが用意される。用いられるエラー報知演出パターンの種類は、エラー発生時の演出モードや大当り時の図柄種類等により決められる。ヒロインAに対応する図柄「1」にてリーチ態様が形成される場合や、その後「111」の停止表示にて大当りとなってヒロインAに関連した特別遊技演出が実行される場合には、ヒロインAの音声にてエラー報知がなされる。また、それぞれのヒロイン毎に演出内容が用意される演出モード(第1秘匿モード、第2秘匿モード、確変モードなど)においては、そのモードにて選択されたヒロインの音声にてエラー報知がなされる。なお、エラー報知演出パターンの種類は、遊技者が操作する十字キー110からの入力により決定できるようにしてもよい。例えば、特定のヒロインとの関連付けがなされていない演出モードにおいては、遊技者が決定したヒロインの音声でエラー報知がなされてもよい。
演出制御手段304は、第1抽選手段211または第2抽選手段212による当否抽選の判定結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄61を含む演出画像を変動表示させる。演出制御手段304は、装飾図柄61の変動開始コマンドを受け取ったことと、それ以前の第1当否抽選および第2当否抽選に対応する装飾図柄61の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。演出制御手段304は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段303により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。
演出制御手段304は、第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保し、第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方について抽選値が保留されていた場合は第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出制御手段304は、装飾図柄61の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
演出制御手段304は、装飾ランプ111の点灯および消灯や、可動役物66の動作をさらに制御する。演出制御手段304は、演出表示制御手段305および音声制御手段306を有する。演出表示制御手段305は、演出表示装置60への表示を制御し、音声制御手段306は、スピーカ108からの音声出力を制御する。
図15は、メイン基板200およびサブ基板300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。メイン基板200は、メインCPU290、メインRAM291、メインROM292などの電子部品を含む。メインROM292には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM292からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM291へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU290によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。各入球口からの入球信号や払出制御基板155からの払出信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU290により取得される。メインCPU290は、図示しない各種駆動回路により各入賞口ソレノイドや第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42などの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU290からサブ基板300へは、演出制御に必要な命令が当否抽選の結果や図柄の決定結果、変動パターンの決定結果などの情報とともに送信される。メイン基板200からサブ基板300へは、一方向通信で信号が送信される。
メイン基板200からサブ基板300へ送信する命令データは、いわゆるMODEデータと呼ばれる1バイトの命令種別データと、いわゆるEVENTデータと呼ばれる1バイトの命令内容データとの組合せによる2バイト構成である。メイン基板200は、命令種別データおよび命令内容データを対応付けてサブ基板300へ送信することで一命令を送ることができる。命令種別データは、命令の種別を示すビット列であり、あらかじめ命令の種別ごとに開発段階で一意の種別コードを割り当ててある。命令内容データは、命令の内容を示すビット列である。命令種別データおよび命令内容データの最上位ビットは命令種別データと命令内容データのいずれであるかを示す識別ビットであり、最上位ビットが1のときは命令種別データであることを示し、最上位ビットが0のときは命令内容データであることを示す。
メイン基板200からサブ基板300への通信は、1回のデータ送信につき1バイトのデータを送信する仕様のため、2バイトの命令データを送信するために1バイトずつ2回の送信が必要となる。1回目の通信で上位バイトであるMODEデータを送信し、2回目の通信で下位バイトであるEVENTデータを送信する。ノイズ等の影響による通信失敗の可能性を考慮し、メイン基板200は同じデータを連続で送信し、サブ基板300により同じデータが2連続で読み込まれた時点でそのデータの送受信の完了を確定する。2連続で読み込まれるまではメイン基板200は同じデータを繰り返し送信し、最大5回まで送信する。
サブ基板300は、サブCPU310、サブRAM311、サブROM312、演出表示制御装置313、音声制御装置314などの電子部品を含む。サブROM312は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つである。サブROM312から演出パターンデータ、表示パターンデータ、音声パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM311へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU310によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。演出ボタン109などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU310により取得される。サブCPU310は、演出パターンデータにしたがって、演出表示制御装置313、音声制御装置314、図示しない各種駆動回路や制御回路により演出表示装置60、スピーカ108、装飾ランプ111、可動役物66などの外部装置を駆動して表示出力、音声出力、ランプ点灯、役物動作による演出を制御する。サブCPU310は、表示パターンデータを演出表示制御装置313へ送信し、音声パターンデータを音声制御装置314へ送信する。なお、本実施例ではサブ基板300が演出表示制御装置313および音声制御装置314を内包する例を説明するが、サブ基板300と演出表示制御装置313および音声制御装置314とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図16は、演出表示制御装置313のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出表示制御装置313は、表示CPU320、表示RAM322、データROM324、表示制御回路326を含む。データROM324は、演出表示に用いられる演出画像データやモーションデータなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つである。演出画像データは、当否抽選の判定結果などを示す演出オブジェクトとして変動表示や演出表示に用いられる画像であり、例えば装飾図柄変動に用いる装飾図柄のスプライト画像、予告演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。
サブCPU310から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータがデータROM324から表示RAM322へ読み出され、その演出画像データやモーションデータを用いた演出表示が表示CPU320によって実行される。その結果、表示CPU320から表示制御回路326へ演出表示に関するコマンド、演出画像データ、モーションデータが送信され、表示制御回路326により表示制御がなされる。
表示制御回路326は、デコーダ332、描画メモリ334、描画回路336、フレームバッファ338、表示回路340を含み、それぞれがバス330を介して接続される。本図のバス330は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
表示CPU320から送られた演出画像データやモーションデータは描画メモリ334に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ332によって復号される。描画メモリ334は、演出画像データやモーションデータをデコーダ332により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路336による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路336は、描画メモリ334に格納されたデータを用い、表示CPU320から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ338に格納する。フレームバッファ338は、演出表示装置60へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。
表示回路340は、フレームバッファ338に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置60へ出力する。フレームバッファ338は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路340が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路336が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
なお、データROM324には、表示制御回路326によりなされる表示制御過程が定義された「詳細表示パターンデータ」が保持されている。このとき、サブCPU310から送られる表示パターンデータは、演出表示過程の概要が定義される「概略表示パターンデータ」ということができる。例えば、概略表示パターンデータには、装飾図柄の変動開始および変動停止タイミングや、複数の動画像の再生順序や、再生開始および停止のタイミングなど、一連の演出表示過程の大まかな流れが定義される。一方、詳細表示パターンデータには、装飾図柄の変動表示を実現するためのスプライト画像の表示順序や、モーションデータに基づく動画像を表示するためのフレーム単位での表示処理順序など、細かな表示制御過程が定義される。
演出表示制御装置313は、サブCPU310から送られた「概略表示パターンデータ」に基づく表示制御をする場合、その処理に必要な「詳細表示パターンデータ」をデータROM324から読み出し、双方の表示パターンデータを用いて表示処理を実行する。したがって、演出表示制御装置313は、「概略表示パターンデータ」および「詳細表示パターンデータ」を含む表示パターデータに基づいて表示制御処理を実行するということができる。そこで、本明細書においては、明示的に言及しない限り、サブROM312に格納される「概略表示パターンデータ」とデータROM324に格納される「詳細表示パターンデータ」を区別せず、単に「表示パターンデータ」という。例えば、演出制御表示手段が、データ格納手段に保持される表示パターンデータに基づき特定の処理をするという場合、この表示パターンデータには、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」を含むものとする。なお、変形例においては、表示パターンデータが、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」とに分かれておらず、双方を兼ねる表示パターンデータがサブROM312またはデータROM324に保持されていてもよい。
本実施例では、演出表示制御装置313のハードウェア構成として、表示CPU320、表示RAM322、データROM324および表示制御回路326が含まれる構成を示している。変形例においては、表示CPU320、表示RAM322、データROM324および表示制御回路326が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、表示制御回路326によって実行されるとした処理が、表示CPU320、表示RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。例えば、演出表示制御装置313に含まれる表示CPU320が、表示制御回路326に含まれるデコーダ332、描画回路336、表示回路340により実行されるとした処理を実行してもよい。また、演出表示制御装置313に含まれる表示RAM322が描画メモリ334やフレームバッファ338の機能を兼ねてもよい。その他、演出表示制御装置313に表示制御回路326が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、表示制御回路326により実行されるとした処理が、表示CPU320、表示RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。
また、本実施例では、サブ基板300のハードウェア構成として、サブCPU310、サブRAM311およびサブROM312の他に、演出表示制御装置313が含まれる構成を示している。変形例においては、サブCPU310、サブRAM311、ROM312および演出表示制御装置313が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、演出表示制御装置313によって実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。例えば、サブCPU310が表示CPU320の処理を実行してもよいし、サブRAM311が表示RAM322の機能を兼ねてもよいし、サブROM312がデータROM324の機能を兼ねてもよい。その他、サブ基板300に演出表示制御装置313が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、演出表示制御装置313により実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。
図17は、演出全体の概略構成を示す図であり、複数用意される演出モードの移行の流れを示している。冒頭で述べたように、本実施例では複数の演出モードが用意され、15R大当りを契機として次の演出モードへ移行する。初期モード600にて大当りとなる場合は第1秘匿モード601へ移行され、第1秘匿モード601にて大当りとなる場合は第2秘匿モード602へ移行され、第2秘匿モード602にて大当りとなる場合は時短モード603または確変モード604に移行される。したがって、本実施例では、15R大当りの連続により、第1ステージ、第2ステージ、第3ステージと演出ステージが進んでいく演出構成となっている。また、第1秘匿モード601、第2秘匿モード602および確変モード604は、5人のヒロインA〜Eのそれぞれに対応した演出内容が用意されており、初期モード600の大当り時に決められたヒロインが第1秘匿モード601、第2秘匿モード602および確変モード604まで引き継がれるようになっている。これにより、特定のヒロインに関する一連の演出が初期ステージ〜第3ステージにわたって実行される。なお、途中のステージにて時短状態が終了した場合には、初期ステージに戻る。
それぞれの演出モードにおける遊技状態は、「通常」、「時短」または「確変」に該当する。ここで、「通常」とは、大当りとなる確率が相対的に低い低確率状態であり、かつ、時短が付与されていない遊技状態である。「時短」とは、低確率状態であり、かつ、時短が付与されている遊技状態である。なお「時短」は、その終期が定められており、本実施例では、特別遊技の終了から70回の図柄変動がなされた時点で時短状態が終了し、通常状態へと移行する。「確変」は、大当りとなる確率が相対的に高い高確率状態(確率変動状態)であり、かつ、時短が付与されている遊技状態である。
(初期ステージ)
初期モード600は、遊技状態が「通常」となる場合に選択される演出モードである。初期モード600では、15R大当りとなる場合の装飾図柄61の図柄種類によってヒロインが決定され、例えば、ヒロインAに対応する図柄「1」にて大当りとなる場合には、第1秘匿モード601以降の演出内容がヒロインAに対応する内容となる。つまり、初期モード600にて大当り(初回大当りともいう)となった場合の図柄種類に応じて、それ以降の第1ステージ〜第3ステージに登場するヒロインが決定される。なお、図柄「7」にて大当りとなる場合には、図柄「7」に割り当てられているヒロインがそれ以降のステージにて登場する。また、初期モード600にてリーチ演出がなされる場合には、リーチ態様を示す図柄種類に対応したキャラクタの演出が実行される。初期モード600は、遊技状態が「通常」であるため、図8に示す通常用の変動パターンテーブルが参照される。
初期モード600にて確変大当りとなると遊技状態が「確変」である第1秘匿モード601に移行し、初期モード600にて通常大当りとなると遊技状態が「時短」である第1秘匿モードに移行する。したがって、初期モード600において15R大当りとなる場合には、第1秘匿モード601に必ず移行されることとなる。なお、初期モード600にて2R大当りとなる場合には、第1秘匿モードへ移行せず、特殊モード605に移行する。
特殊モード605は、初期モード600にて2R大当りとなる場合に移行される演出モードであり、遊技状態は「確変」である。特殊モード605は、初期モード600と同じく初期ステージに属する。特殊モード605においても、特殊モード605にて大当りとなった図柄種類に応じてそれ以降の第1ステージ〜第3ステージに登場するヒロインが決定される。ヒロインの決定方法は、初期モード600と同様である。また、演出モードの移行先も初期モード600と同じであり、確変大当りとなると、遊技状態が「確変」である第1秘匿モード601に移行し、通常大当りとなると、遊技状態が「時短」である第1秘匿モードに移行する。
(第1ステージ)
第1秘匿モード601は、初期ステージである初期モード600または特殊モード605にて15R大当りとなる場合に移行される「第1ステージ」に該当する演出モードである。第1秘匿モード601は、遊技状態が「確変」または「時短」となる演出モードであり、遊技状態が「確変」と「時短」のいずれにあるのか遊技者に秘匿した状況下で演出が進行する。第1秘匿モード601では、遊技状態が「時短」であれば図9に示す時短用の変動パターンテーブルが参照され、遊技状態が「確変」であれば図10に示す確変用の変動パターンテーブルが参照される。それぞれの変動パターンテーブルは、変動パターンの選択傾向が実質的に同じとなるように定められており、また、選択された変動パターンに対応する変動演出パターンが同様の基準で選択される。そのため、図柄の変動時間や表示される演出内容に着目したとしても、どちらの遊技状態にあるのか識別困難となる。
第1秘匿モード601では、図柄変動が特定回数(5回、10回、20回、30回、…)となる場合に、「特定パターンA」または「特定パターンB」の特定変動パターンが選択され、特定変動パターンに定める変動時間(例えば、15秒)に対応する特定演出パターンが選択される。特定演出パターンは、それぞれの特定回数において異なる演出が表示されるように複数用意され、例えば、第1話、第2話、第3話、…のようにしてストーリー性を持たせた特定演出パターンが順番に選択される。また、複数の特定演出パターンは、5人のヒロインA〜Eに対してそれぞれ用意されており、第1秘匿モード601への移行前に初期モード600または特殊モード605にて決定されたヒロインに対応した特定演出パターンが選択される。
第1秘匿モード601にて選択される特定演出パターンの一部には、現在の遊技状態が「確変」(高確率状態)であるか否かを示唆する「高確率示唆演出」が含まれる。この高確率示唆演出では、上述した予告演出と同様に、期待度の高さに応じた種類の装飾表示が含められ、表示される装飾表示の種類および表示回数により現在の遊技状態が「確変」であることを示唆または報知する。例えば、赤色の装飾表示により「確変」である期待度が高いことを示唆し、キリン柄の装飾表示により「確変」であることを確定的に報知する。この高確率示唆演出は、複数の特定回数にわたってなされてもよく、例えば、5回、10回、20回、30回の特定回数のそれぞれにおいて表示された特定種類(例えば赤色)の装飾表示の合計数が多いほど「確変」にある期待度が高いことを示唆してもよい。この場合、特定種類の装飾表示がなされるたびに画面の一部領域に表示されるゲージの値を増やす演出表示を行い、ゲージにたまる数が所定の閾値を超えた場合に「確変」にあることを確定的に報知してもよい。確変である旨を確定的に報知した後は、それぞれの特定回数において高確率示唆演出が実行されないようにしてもよい。例えば、確変確定が報知された場合には、それ以降の演出過程において赤色やキリン柄などの装飾表示を行わず、デフォルトの表示とする。
本実施例において、「時短」の遊技状態は図柄変動70回で終了し、「通常」の遊技状態に移行する。遊技状態が「通常」になると初期モード600に移行するため、第1秘匿モード601において図柄変動が70回なされた後に初期モード600に移行するか否かによって、第1秘匿モード601の遊技状態が「確変」であるか「時短」であるかが判明する。そこで、図柄変動が70回の特定回数となる場合には、「時短」が終了して初期ステージに戻ってしまうのか、それとも、「確変」が継続して第1ステージにとどまるのかを煽る演出を表示するための特定演出パターンが選択されるようにする。この特定演出パターンには、70回目の図柄変動後の遊技状態が「確変」または「通常」のいずれであるかを確定的に報知する報知演出が含まれる。
第1秘匿モード601にて70回目の図柄変動が終了し、遊技状態が「確変」であることが報知された場合には、第1確変モード(不図示)へ移行される。この「第1確変モード」は、演出内容が第1秘匿モード601と同様であり、第1秘匿モード601と同じ第1ステージに属する。一方、第1確変モードは、遊技状態が「確変」であることを遊技者に示している状況下でなされる点において第1秘匿モード601と相違する。
なお、第1確変モードへの移行は、70回の図柄変動終了とは異なる条件を契機にしてなされてもよい。例えば、第1秘匿モード601において2R大当りとなって遊技状態が「確変」となることが確定する場合には、第1秘匿モード601を継続するのではなく、第1確変モードへ移行してもよい。また、上述の高確率示唆演出において遊技状態が「確変」であることが報知される場合には、その報知後に第1確変モードへ移行してもよい。この場合、そのまま第1秘匿モード601が継続した場合と同様の演出が第1確変モードにおいて実行される。また、初期ステージにおいて装飾図柄が「777」の組合せとなって確変確定の大当りとなる場合に、第1秘匿モード601へ移行する代わりに「第1確変モード」へ移行してもよい。
第1秘匿モード601において15R大当りとなった場合、第2秘匿モード602へ移行される。第1秘匿モード601における遊技状態が「確変」または「時短」のいずれであっても、確変大当りとなる場合には、遊技状態が「確変」の第2秘匿モード602へ移行し、通常大当りとなる場合には、遊技状態が「時短」の第2秘匿モード602へ移行する。なお、第1確変モードにおいて15R大当りとなる場合も同様に、確変大当りとなる場合には、遊技状態が「確変」の第2秘匿モード602へ移行し、通常大当りとなる場合には、遊技状態が「時短」の第2秘匿モード602へ移行する。したがって、第1ステージにて15R大当りとなる場合には、遊技状態が秘匿的な第2ステージへと移行する。第1ステージでは、確変大当りと通常大当りのいずれであっても第2秘匿モードに移行されるため、15R大当りとなることを狙う遊技性が実現される。つまり、第1ステージでは、大当りとなるか否かを重要視した演出および遊技性が実現される。
第1秘匿モード601において15R大当りとなる場合、所定の特殊演出選択テーブルが参照され、所定の割合で第1報知演出を含む通常遊技特殊演出パターンが選択される。第1報知演出では、例えば、大当りとなる図柄変動中に確変確定を意味する「777」の図柄組合せに変化する演出がなされる。第1秘匿モード601においては、この報知演出を含む演出パターンの選択確率が低く設定され、レア演出に位置づけられる。また、一部の特殊演出パターンには、特定種類の装飾表示を用いてその大当りが確変大当りとなる期待度が高いことを示唆する予告演出が含まれる。例えば、キリン柄や虹色の装飾表示を含む予告演出により、確変大当りとなる可能性が高いことの示唆や、確変大当り確定の報知がなされる。第1秘匿モード601では、遊技状態が「通常」である初期モード600と比べて、特定種類の装飾表示により示唆される確変期待度の高さが高くなるように予告演出が実行される。具体的には、初期モード600においてキリン柄や虹色の表示がなされた場合に確変大当りとなる確率が低く設定される一方、第1秘匿モード601では、キリン柄や虹色の表示がなされた場合に確変大当りとなる確率が高く設定される。第1秘匿モード601において、キリン柄や虹色の表示がなされた場合に必ず確変大当りとなるようにしてもよい。
(第2ステージ)
第2秘匿モード602は、第1ステージである第1秘匿モード601または第1確変モードにおいて15R大当りとなる場合に移行される「第2ステージ」に該当する演出モードである。第2秘匿モード602は、第1秘匿モード601と同様、遊技状態が「確変」または「時短」となる演出モードであり、遊技状態が「確変」と「時短」のいずれにあるのか遊技者に秘匿した状況下で演出が進行する。また、第2秘匿モード602においても、図柄変動が特定回数(5回、10回、20回、30回、…)となる場合に、特定変動パターンに定める変動時間(例えば、15秒)に対応する特定演出パターンが選択され、どちらの遊技状態にあるのか遊技者が識別困難となる態様で演出がなされる。遊技状態が秘匿的であることを利用し、特定回数において高確率示唆演出が実行される。
第2秘匿モード602は、第1秘匿モード601とほぼ同様の構成を有する演出モードであり、初期モードで決定され、第1モードで選択されたヒロインの種類を引き継いだ演出がなされる。また、第1秘匿モード601の特定回数にて実行された演出の続きとなるような内容の演出がなされる。したがって、第1秘匿モード601を秘匿モードの「前編」ということができ、第2秘匿モード602を秘匿モードの「後編」ということもできる。
第2秘匿モード602において、70回目の図柄変動が終了して遊技状態が「確変」である旨が報知された場合には、第2確変モード(不図示)へ移行される。この「第2確変モード」は、演出内容が第2秘匿モード602と同様であり、第2秘匿モード602と同じ第2ステージに属する一方、遊技状態が「確変」であることを遊技者に示している状況下でなされる点において第2秘匿モード602と相違する。
第2秘匿モード602において15R大当りとなった場合、その大当りの種類に応じて、時短モード603または確変モード604へ移行される。確変大当りとなる場合には遊技状態が「確変」の確変モード604へ移行し、通常大当りとなる場合には遊技状態が「時短」の時短モード603へ移行する。なお、第2確変モードにおいて15R大当りとなる場合の移行先も同様である。したがって、第2ステージにて15R大当りとなる場合には、遊技状態が確定的な第3ステージへ移行する。また、第2ステージにおいては、次のステージに進むために15R大当りとなることを狙うともに、確変モードへ移行される確変大当りを期待する遊技性が実現される。
第2秘匿モード602において15R大当りとなって特別遊技が実行される場合、その特別遊技において次の移行先が「確変」であるか「時短」であるかを報知する演出が行われる。第2秘匿モード602において確変大当りとなる場合、特別遊技特殊演出パターンが選択され、移行先が「確変」であることを特別遊技中に報知する第2報知演出がなされる。一方、通常大当りとなる場合には、第2報知演出が含まれない特別遊技演出パターンが選択され、確変への昇格が失敗した旨を示す昇格失敗演出がなされる。
なお、第2秘匿モード602は、特別遊技中に第2報知演出がなされる可能性がある点で第1秘匿モード601と異なるが、それ以外については第1秘匿モード601と同様である。したがって、第2秘匿モード602は、第1秘匿モード601と実質的に同じ演出構成を有し、第1秘匿モード601と同様の遊技性を実現する。
(第3ステージ)
時短モード603は、第2ステージである第2秘匿モード602または第2確変モードにおいて通常大当りとなる場合に移行される「第3ステージ」に該当する演出モードである。時短モード603は、遊技状態が「時短」であり、時短である旨が遊技者に示される状況下で進行する演出モードである。時短モード603において確変大当りまたは2R大当りとなる場合、同じ第3ステージの確変モード604へ移行し、時短モード603において通常大当りとなる場合、時短モード603が新たに開始される。一方、図柄変動が70回なされるまでに大当りとならない場合には「時短」が終了し、初期モード600へ移行する。したがって、時短モード603は、時短が継続する期間内に確変大当りとなって、確変モードへ移行されることを目指す遊技性を実現する。
時短モード603では、時短用の変動パターンテーブルが選択され、図柄変動が特定回数(5回、10回、20回、30回、…)となる場合に「特定パターンA」の特定変動パターンが選択され、対応する特定演出パターンが選択される。その一方で、上述の第1ステージや第2ステージとは異なり、特定のヒロインに依存しない演出内容が定められる。また、遊技状態が「時短」であることが既に示されているため、選択される特定演出パターンには、第1秘匿モード601や第2秘匿モード602にてなされるような高確率示唆演出が含まれない。
確変モード604(上述の第1、第2確変モードと区別するために第3確変モードともいう)は、第2ステージである第2秘匿モード602または第2確変モードにおいて確変大当りとなる場合に移行される「第3ステージ」に該当する演出モードである。確変モード604は、遊技状態が「確変」であり、確変である旨が遊技者に示される状況下で進行する演出モードである。確変モード604において確変大当りまたは2R大当りとなる場合には、基本的に確変モード604が新たに開始され、通常大当りとなる場合には時短モード603が開始される。したがって、確変モード604は、確変大当りの連続を狙い、確変を継続させる遊技性を実現する。
なお、確変モード604において所定の移行条件を満たすとともに確変大当りとなる場合には、特殊モード605や第1秘匿モード601(または第1確変モード)に移行される。例えば、初期モード600での15R大当り(初回大当り)を起点として、初期モード600へ移行されることなく15R大当りが所定回数以上なされた場合、つまり、「確変」または「時短」において15R大当りが所定回数以上連続した場合に、遊技者への特典的な位置づけとして、確変大当り後に移行される演出モードを遊技者が選択できるようにする。このとき、移行先の演出モードの演出に登場するヒロインを誰にするのかを選択できるようにしてもよい。これにより、大当りが連続する場合において時短モード603や確変モード604が繰り返し実行されることを防ぐとともに、遊技者の好みに応じたヒロインの演出を提供することができる。
確変モード604は、確変用の変動パターンテーブルが参照され、図柄変動が特定回数(5回、10回、20回、30回、…)となる場合に「特定パターンB」の特定変動パターンが選択され、対応する特定演出パターンが選択される。この特定演出パターンとして、第1ステージおよび第2ステージと同様に、複数のヒロインごとに異なる内容の演出が用意され、第2ステージまでに選択されているヒロインの種類がそのまま引き継がれるように特定演出パターンが選択される。確変モード604では、例えば、第1秘匿モード601における前編、第2秘匿モード602における後編に続く、後日談のような位置づけの演出表示がなされる。なお確変モード604では、遊技状態が開示されているため高確率示唆演出は行われない。
確変モード604は、遊技状態が「確変」であることが確定されている演出モードであるため、遊技者は、単に15R大当りとなることよりも、次の大当りが確変大当りとなることに高い関心を寄せる。そこで、確変モード604では、大当り発生時にその大当りが確変大当りとなる期待度を示唆する演出の信頼性を高め、他の演出モードよりも確変大当りとなることの期待感がより高められるような演出態様とする。具体的には、(1)装飾図柄の図柄種類を用いた示唆演出、(2)特定種類の装飾表示を用いた示唆演出、(3)確変確定を報知する報知演出の3種類の演出について、他の演出モードとは性質の異なる演出内容とする。
(1)装飾図柄の図柄種類を用いた示唆演出
図18は、第2特定図柄選択テーブルを模式的に示す図であり、確変モード604において参照される特定図柄選択テーブルを示す。図18(a)には、確変大当りとなる場合の図柄抽選値と仮停止図柄の種類との対応が定められており、数字の小さな図柄に対して図柄抽選値の範囲が小さく設定され、数字の大きな図柄に対して図柄抽選値の範囲が大きく設定されている。一方、図18(b)には、通常大当りとなる場合のテーブルが設定されており、確変大当りとなる場合と対照的に、数字の小さな図柄に対して図柄抽選値の範囲が大きく設定され、数字の大きな図柄に対して図柄抽選値の範囲が小さく設定されている。したがって、第2特定図柄選択テーブルを参照する場合においても、図14に示す第1特定図柄選択テーブルと同様に、数字の大きな図柄が選択される場合には確変大当りとなる期待度が相対的に高くなり、数字の小さな図柄が選択される場合には確変大当りとなる期待度が相対的に小さくなる。例えば、仮停止図柄が「1」となる場合に確変大当りとなる確率を第1確率、仮停止図柄が「6」となる場合に確変大当りとなる確率を第2確率とすると、第1確率よりも第2確率の方が大きい。
その一方で、第2特定図柄選択テーブルでは、図14に示す第1特定図柄選択テーブルと比べて仮停止図柄の種類に応じた期待度差が大きくなるように抽選値の範囲が設定されている。例えば、上述の第1確率および第2確率を比較すると、第1特定図柄選択テーブルよりも第2特定図柄選択テーブルにおいて、第1確率と第2確率の差が大きくなっている。つまり、第2特定図柄選択テーブルでは、仮停止図柄の数字の大きさの違いと、確変大当りとなる確率の違いとの相関が強くなるように抽選値の範囲が設定される。これにより、第2特定図柄選択テーブルが参照される確変モード604において、装図種類により確変大当りとなる期待度を示唆する演出の信頼性が高められる。これにより、確変大当りとなる関心が高まる確変モード604において、遊技者の期待感をより高める演出とすることができる。
一方、第1特定図柄選択テーブルが参照される第1秘匿モード601や第2秘匿モード602において、装図種類によって確変大当りとなる期待度を示唆する演出の信頼性は相対的に低くなる。しかしながら、第1秘匿モード601や第2秘匿モード602では、15R大当りとなれば次のステージに移行できるため、確変大当りとなることに対する遊技者の関心は確変モード604と比べると小さいといえる。そのため、第1秘匿モード601や第2秘匿モード602では、確変大当りへの期待感を高める演出の必要性は低く、装図種類によって確変大当りとなる期待度を示唆する演出の信頼性を低くしたとしても遊技者へ違和感を与えにくいと言える。また、第1秘匿モード601や第2秘匿モード602において、あえて演出の信頼性を下げることで、確変モード604との違いを際立たせることができる。これにより、演出の多様性を高めることができる。
(2)特定種類の装飾表示を用いた示唆演出
図19は、予告演出選択テーブルを模式的に示す図である。予告演出選択テーブルには、装飾表示の表示態様である「表示なし」「低期待度表示」「高期待度表示」に対してパターン抽選値が対応付けられている。図19(a)は、第1秘匿モード601や第2秘匿モード602において参照される第1予告演出選択テーブルである。第1予告演出選択テーブルでは、特定種類の装飾表示が含まれない「表示なし」の割合が多くなるように設定され、また、当否結果が確変大当り、通常大当り、外れのいずれであっても「高期待度表示」がされるように設定されている。このため、第1秘匿モード601や第2秘匿モード602では、「高期待度表示」がされて大当りとなる場合であっても、必ずしも確変大当りとはならない。
図19(b)は、確変モード604において参照される第2予告演出選択テーブルである。第2予告演出選択テーブルでは、特定種類の装飾表示が含まれない「表示なし」の割合が第1予告演出選択テーブルよりも少なくなるように設定される。これにより、確変モード604では、装飾表示を伴う予告演出となる割合が多くなり、遊技者が装飾表示を用いた示唆演出に注目しやすくする。また、当否結果が通常大当りとなる場合には、「高期待度表示」が選択されないように設定される。これにより、15R大当りとなる場合に「高期待度表示」がされれば必ず確変大当りとなる「当たれば確変確定」の示唆演出を実現できる。これにより、確変大当りとなる関心が高まる確変モード604において、遊技者の期待感をより高める演出とすることができる。
なお、変形例においては、確変モード604において「当たれば確変確定」の演出が実現されなくてもよく、「当たればほぼ確変確定」となる演出が実行されるようにしてもよい。この場合、通常大当りとなる場合に「高期待度表示」が非常に低い確率で選択されるように第2予告演出選択テーブルが定められ、例えば、第1予告演出選択テーブルよりも通常大当りとなる場合に「高期待度表示」となる確率が低く定められる。これにより、確変モード604では、第1秘匿モード601や第2秘匿モード602と比べて、通常大当りとなる場合に「高期待度表示」が含まれる確率が低くなる。
さらなる変形例においては、確変モード604において外れとなる場合に「高期待度表示」が選択されないようにし、「高期待度表示」がなされた場合には「確変大当り」が確定するようにしてもよい。同様に、第1秘匿モード601や第2秘匿モード602において外れとなる場合に「高期待度表示」が選択されないようにし、「高期待度表示」がなされた場合には「大当り」が確定するようにしてもよい。このとき、第1秘匿モード601や第2秘匿モード602では「確変大当り」が確定されない(通常大当りとなる場合がある)のに対し、確変モード604では「確変大当り」が確定されるようにして、演出モード間で「高期待度表示」の意味合いに差を設けることとしてもよい。
(3)確変確定を報知する報知演出
本実施例では、確変確定を報知する演出として、上述したように、特別遊技開始前の図柄変動中になされる第1報知演出と、特別遊技中になされる第2報知演出とが用意される。第1報知演出は、装飾図柄が確変確定を示す「777」の図柄組合せとなる演出表示や、キリン柄や虹色などの確変確定を示す装飾表示などにより実現される。第2報知演出は、例えば、特別遊技の終了時に移行先の演出モードを示す場合において、遊技状態が「確変」となる演出モードへの移行を示す演出や、特定の役物を動作させる演出などにより実現される。第1報知演出および第2報知演出の少なくとも一方がなされる場合には、特別遊技終了後に移行される遊技状態が「確変」であることが確定する「確変昇格演出」となる。一方、第1報知演出および第2報知演出のいずれもなされない場合には、「昇格失敗演出」となる。つまり、「昇格失敗演出」には、特別遊技の開始前および特別遊技の実行中において、確変状態への昇格を煽る演出が一切なされない演出過程が含まれるとも言える。確変昇格演出または昇格失敗演出のいずれかを一方を実行するために、特殊演出選択テーブルが用意される。
図20は、特殊演出選択テーブルを模式的に示す図である。特殊演出選択テーブルには、特別遊技の開始前に実行される第1報知演出と特別遊技中に実行される第2報知演出の少なくとも一方を含む確変昇格演出の実行に必要な演出パターンの組合せと、第1報知演出および第2報知演出の双方を含まない昇格失敗演出の実行に必要な演出パターンの組合せが設定される。図20(a)は、第1秘匿モード601にて参照される第1特殊演出選択テーブルであり、図20(b)は、第2秘匿モード602にて参照される第2特殊演出選択テーブルであり、図20(c)は、確変モード604にて参照される第3特殊演出選択テーブルである。
図20(a)〜(c)に共通して、通常大当りとなる場合に参照されるテーブルには、昇格失敗演出となる組合せのみが設定され、確変昇格演出となる組合せは設定されない。これにより、確変状態へ移行されない場合に、確変昇格演出が実行されないようにする。一方で、確変大当りとなる場合に参照されるテーブルには、昇格失敗演出となる組合せと、確変昇格演出となる組合せの双方が設定される。なお、図20における「第1報知なし」または「第2報知なし」とは、特別遊技の開始前または実行中において、確変状態であることを確定的に報知する演出が含まれないことをいう。例えば、確変状態であるか否かを報知する前に確変への昇格を煽るような事前演出が行われる場合であっても、その事前演出の実行後に確変昇格の確定が報知されない場合には、「報知なし」の演出に該当する。
図20(a)に示す第1特殊演出選択テーブルは、第2報知演出を含む特別遊技演出パターンが選択されないように定められる。これにより、第1秘匿モード601から第2秘匿モード602へ移行する間に実行される特別遊技中に第2報知演出がなされないようにし、次に移行される第2秘匿モード602の遊技状態を秘匿的とする。また、確変大当りとなる場合に第1報知演出を含む通常遊技演出パターンの選択確率が極めて低く設定される。第1秘匿モード601は、確変大当りとなることへの遊技者の関心がそれほど高くないため、確変大当りとなる期待度を高める第1報知演出の選択確率を低くし、第1秘匿モード601の位置付けに合わせた演出がなされるようにする。その結果、第1秘匿モード601では、確変大当りとなるにも関わらず、昇格失敗演出となる確率が高く設定されることとなる。
一方、図20(b)に示す第2特殊演出選択テーブルは、確変大当りとなる場合に、第2報知演出を含む特別遊技演出パターンが必ず選択されるように定められている。第2特殊演出選択テーブルを参照する第2秘匿モード602にて確変大当りとなる場合には、遊技状態が開示される確変モードに移行されるため、その移行前に遊技者の期待感を高める第2報知演出を実行することが望ましいためである。その結果、第2秘匿モード602では、確変大当りとなる場合には昇格失敗演出が実行されないこととなる。なお、変形例においては、第2秘匿モード602において、確変大当りとなる場合に昇格失敗演出が非常に低確率で実行されるように特殊演出選択テーブルを定めてもよい。さらなる変形例において、確変大当りとなる場合に第1報知演出がなされる場合には、第2報知演出がなされないように特殊演出選択テーブルを定めてもよい。
図20(c)に示す第3特殊演出選択テーブルは、確変大当りとなる場合に、第1報知演出を含む通常遊技演出パターンが選択される確率が比較的高く設定される。第3特殊演出選択テーブルを参照する確変モード604では、高確率状態であることが示されているため、遊技者は、他の演出モードと比べて確変大当りとなることに高い期待感を持つ。そこで、第1報知演出が実行される確率を高め、確変大当りとなる期待感がより高められる演出モードする。その結果、確変大当りとなるにも関わらず昇格失敗演出となる確率が低く設定される。第3特殊演出選択テーブルをこのように設定することで、確変大当りとなる場合には高確率で確変昇格演出となるようにし、確変モード604において遊技者が高い関心を寄せる確変大当りとなるか否かに重点に置いた演出がなされるようにする。
なお、確変モード604と同じ第3ステージに時短モード603においても、第1報知演出が実行される確率を高め、確変大当りとなる期待感がより高められる演出モードとしてもよい。時短モード603は、通常大当りになると時短モード603に再度移行し、確変大当りとならなければ確変モード604に移行されないため、遊技者は、確変大当りとなることに高い期待感を持つ。そこで、時短モード603においても、第1報知演出が実行される確率を高め、遊技者の最大の関心事である確変大当りとなるか否かに重点に置いた演出がなされるようにする。
以上のように、確変確定を報知する演出について、図20に示すパターンテーブルを用意することで、各演出モードにおける昇格失敗演出の位置づけに差を持たせることができる。また、確変大当りとなるにも関わらず昇格失敗演出となる確率の高さが、第1秘匿モード>第3確変モード>第2秘匿モードとなるように設定することで、それぞれの演出モードの性質に合った確変昇格演出および昇格失敗演出を実行できる。これにより、多様な演出モードを提供しつつ、それぞれの演出モードにおいて遊技者が抱く確変大当りへの期待度に合わせた演出内容とすることができ、遊技性をより高めることができる。
また、本実施例によれば、初期ステージの15R大当りを起点として、その後、15R大当りが何回されるかに応じて移行先の演出モードが決定されるため、初期ステージ〜第3ステージにわたって設計者が意図する順序で演出を実行することができる。従来の弾球遊技機において複数の演出モードを用意する場合、変動パターンの選択基準を複数設けるとともに、当りの種類に応じて参照すべき選択基準を異ならせることで、複数の演出モードへの移行を可能とする場合があった。この場合、遊技中の当りの種類により次のモードの種類が決定されるため、各モードが実行される順序を設計段階で決めておき、その順序にしたがって演出を実行させることは難しい。そのため、複数用意されるモードがどのような順序で実行されても不都合がないように各モードの演出内容を定める必要があり、演出設計上の制約となることがあった。
一方、本実施例では、当りの種類に応じて「確変」「時短」のいずれかの遊技状態へ移行させることとし、演出モードを第1秘匿モード、第2秘匿モード、確変モードまたは時短モードのいずれへと移行するかは、移行前の演出モードがいずれであるかによって決定している。そのため、当りの種類によらずに設計時に意図した順序でモード移行を実現できる。また、移行前と移行先との関係がそれぞれのモードにて明確になるため、その移行の前後関係に応じた位置づけの演出内容を用意することができる。これにより、当りの種類によって移行先の演出モードを決定する場合において発生しうる演出設計上の制約を取り払うことができ、演出の多様性をより高めることができる。
なお変形例においては、確変モード604において確変大当りとなる場合に、必ず昇格成功演出が実行されるように第3特殊演出選択テーブルを定めてもよい。言いかえれば、確変モード604において確変大当りとなる場合に、「第1報知なし」と「第2報知なし」の組み合わせが設定されない図20(b)に示すテーブルを用いてもよい。確変モード604において確変大当りとなる場合、確変モード604、特殊モード605または第1ステージにおける第1確変モードに移行され、これらのモードはいずれも遊技状態が開示されている。したがって、確変モード604において確変大当りとなる場合には、第2ステージと同様、確変確定である旨を事前に通知した方が望ましいとも言える。
また確変モード604では、上述したように、「確変」または「時短」において15R大当りが所定回数以上連続した場合に、遊技者への特典的な位置づけとして、確変大当り後に移行される演出モードを遊技者が選択できる。また、移行先を第1ステージとする場合には、第1ステージ以降の演出に登場するヒロインを誰にするのかを選択できる。この選択操作は、特別遊技が終了して次の演出モードに移行される前に行う必要があるため、特別遊技実行中のタイミングで選択操作が可能となることが望ましい。その一方で、移行先等の選択操作が可能であるということは確変大当りであることを意味するため、選択操作が可能となる前に確変確定の報知をすることが望ましい。そこで、確変モード604にて第1報知演出がなされる場合、つまり、特別遊技の実行前に確変確定報知がなされる場合に限り、次に移行される演出モードやヒロインの種類が選択できるようにしてもよい。一方、確変モード604にて第1報知演出がなされず、第2報知演出がなされる場合には、演出モード等の選択操作は不可とし、再度確変モード604に移行されるようにしてもよい。
図21は、ぱちんこ遊技機におけるメイン基板200の制御開始処理を示すフローチャートである。電源スイッチ150が投入されると、メインCPU290は、スタックポインタを設定し(S100)、メインRAM291へのアクセスを許可し(S102)、メインCPU290の内蔵レジスタの設定などのハードウェアに関する初期設定を実行する(S104)。
つづいて、RAMクリアスイッチの操作状態、電源断情報フラグの値、及びメインRAM291に格納されているデータの状態に応じて、電源断復帰処理又はメインRAM291の初期化処理を実行する。具体的には、RAMクリアスイッチがONされず、かつ、電源断情報フラグの値と、メインRAM291に格納されているデータとの双方が正常であった場合は、電源断復帰時の処理を実行する。それ以外の場合、すなわち、RAMクリアスイッチがONされた場合、又は、RAMクリアスイッチがONされなかった場合でも、電源断情報フラグと、メインRAM291に格納されているデータとのいずれかが正常でなかった場合は、メインRAM291の初期化処理を実行する。
メインCPU290は、RAMクリアスイッチの操作状態を確認し、RAMクリアスイッチがONされた場合(S106のY)、メインRAM291を初期化する(S116)。RAMクリアスイッチがONされなかった場合(S106のN)、メインCPU290は、電源断情報フラグの値を確認する(S108)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致しなければ(S108のN)、メインRAM291を初期化する(S116)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致すれば(S108のY)、メインRAM291に格納されているデータを検査する(S110)。後述するように、前回の電源断時に処理が正常に終了していれば、メインRAM291に格納されていたデータのチェックサムがメインRAM291に格納されているので、メインCPU290は、チェックサムを用いてメインRAM291のデータを検査する。メインRAM291に格納されているデータが正常でなければ(S112のN)、メインRAM291のデータを初期化する(S116)。メインRAMに格納されているデータが正常であれば(S112のY)、電源断前の状態に復帰するための処理を実行する(S114)。
電源断復帰処理(S114)において、電源投入が正常に行われたことを示す電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、各種エラーの初期設定及び払出制御基板155との通信初期設定を実行する。つづいて、電源断前の未送信分のコマンド要求をクリアし、遊技状態を示す各種情報のコマンド送信を要求する。つづいて、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。つづいて、第2始動口12及び大入賞口20の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。つづいて、特別図柄の確率変動機能の作動状態を報知するための処理を実行する。
RAM初期化処理(S116)において、電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、メインRAM291の全領域を0でクリアし、メインRAM291の初期設定及び演出表示器の初期化を実行する。
電源断復帰処理(S114)又はRAM初期化処理(S116)が終了すると、後述する割込処理を起動するためにカウント値をセットし、割込タイマの動作を開始させる(S118)。これにより、以降、所定の時間(例えば4ミリ秒)ごとにタイマ割込が発生し、後述する割込処理が実行される。つづいて、メインCPU290は、遊技機を管理するためのメイン処理を実行する(S120)。
図22は、図21におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。メインCPU290は、タイマ割込をいったん禁止し(S200)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させ(S202)、電源断を監視する(S204)。図示しない電源電圧監視回路において電源ユニット158から供給される電源電圧の低下が検出されると、電源電圧監視回路からメインCPU290に無条件割込要求信号が入力されることにより実行される電源断記憶処理において、電源断確認データが電源断確認フラグに格納される。したがって、メインCPU290は、電源断確認フラグの値を監視し(S204)、電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致する場合は(S206のY)、電源断のための処理を実行するために、S212に進む。電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致しない場合は(S206のN)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新処理を実行し(S208)、タイマ割込を許可して(S210)、S200に戻る。以降、S200〜S210が繰り返される。タイマ割込が禁止されている間(S202〜S208)にタイマ割込が発生した場合、S210においてタイマ割込が許可された後に、後述する割込処理を実行する。
S206において電源断が検知されると(S206のY)、メインCPU290は、ウォッチドッグタイマをリスタートさせ(S212)、電源断情報フラグの内容を確認する(S214)。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致しない場合は(S214のN)、電源投入時のデータが正常に保存されていないと判断し、電源断異常データを電源断情報フラグに格納して(S216)、S222に進む。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致する場合は(S214のY)、電源投入時のデータが正常に保存されていると判断し、電源断正常データを電源断情報フラグに格納する(S218)。つづいて、次回の電源投入時に、バックアップされたメインRAM291のデータを検査するために、メインRAM291に格納されているデータのチェックサムを算出してメインRAM291に格納する(S220)。つづいて、メインRAM291へのアクセスを禁止して(S222)、電源が落ちるまでループする。
図23は、割込処理の詳細を示すフローチャートである。メイン処理(S120)においてタイマ割込が発生すると、メインCPU290は割込処理を実行する。まず、割込動作条件を設定し(S300)、ウォッチドッグタイマをリスタートさせる(S302)。つづいて、遊技機を管理するため、入力処理(S304)、各種乱数更新処理(S306)、初期値更新型乱数更新処理(S308)、初期値乱数更新処理(S310)、タイマ減算処理(S312)、第2始動口有効期間設定処理(S314)、入賞監視処理(S316)、賞球制御処理(S318)、普通図柄作動ゲート監視処理(S320)、普通図柄制御処理(S322)、普通図柄変動開始監視処理(S324)、始動口監視制御処理(S326)、特別図柄制御処理(S328)、特別電動役物制御処理(S330)、大入賞口有効期間設定処理(S332)、特別図柄変動開始監視制御処理(S334)、異常検知処理(S336)、入球通過時間異常検出処理(S338)、遊技状態表示処理(S340)、ハンドル状態信号検査処理(S342)、LED出力処理(S344)、発射制御信号出力処理(S346)、試験信号出力処理(S348)、ソレノイド出力処理(S350)、演出制御コマンド送信処理(S352)、外部情報出力処理(S354)を順に実行し、次回のタイマ割込を許可して(S356)、リターンする。
入力処理(S304)において、遊技盤面に取り付けられているスイッチ、断線短絡電源異常検知信号、扉・枠の開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、及びタッチ状態信号の入力を監視し、入力状態を示すデータを作成してメインRAM291に格納する。
各種乱数更新処理(S306)において、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値が所定の最大値未満である場合は値をインクリメントして格納し、値が所定の最大値以上である場合は0を格納する。また、変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値から所定値を減算した結果が0以上である場合は減算結果を格納し、0未満である場合は所定の最大値を格納する。これにより、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新される。
初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。それぞれの乱数の値、最大値、及び初期値をメインRAM291から読み出し、乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、最大値を超えた場合は、乱数の値を0とする。また、インクリメントした結果が、初期値に一致した場合は、初期値乱数をメインRAM291から読み出し、初期値を更新する。これにより、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新され、乱数の値が初期値に戻ると、すなわち乱数の範囲を一巡すると、新たに初期値を設定し直して乱数が生成される。
初期値乱数更新処理(S310)において、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。メインRAM291の初期値乱数更新テーブルから初期値乱数を読み出し、初期値乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、上限値を超えていた場合は、初期値乱数の値を0とする。メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)においても、同様の処理が実行される。
タイマ減算処理(S312)において、2バイトタイマを更新する。タイマの値をメインRAM291から読み出し、タイマの値が0以外である場合、値をデクリメントして格納する。タイマの値が0である場合、タイマの更新は実行しない。
第2始動口有効期間設定処理(S314)において、第2始動口12の有効期間を設定する。第2始動口12には、遊技球の入球により賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行される有効期間と、遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行されない無効期間が設定される。後述するように、始動口監視制御処理(S326)において、第2始動口12の無効期間には、第2始動口入賞の監視処理を実行しないので、第2始動口12に遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選は実行されない。第1始動口11、大入賞口20、作動口30、一般入賞口33などに、有効期間及び無効期間が設定される場合についても同様である。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」である場合、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納する。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」でない場合、第2始動口有効延長タイマの値が0でなければ、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納し、第2始動口有効延長タイマの値が0であれば、第2始動口有効期間フラグに第2始動口が無効期間であることを示すデータを格納する。
入賞監視処理(S316)において、遊技球のスイッチ通過を検査し、遊技球がスイッチを通過したとき、そのスイッチに無効期間がない、又は、現在有効期間である場合で、かつ、賞球払い出しがある場合、入賞カウンタを更新する。また、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成及びコマンドの送信を要求する。
賞球制御処理(S318)において、払出制御基板155からのデータ受信の監視、払出制御基板155へのコマンド送信要求、払出制御基板155へのコマンド送信、及び払出制御基板155からの受信データの検査を、順に実行する。
普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球の作動口30の通過を監視し、遊技球が作動口30を通過したと判断したとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合は、普通図柄の保留数を更新し、普通図柄に係る乱数をメインRAM291に格納する。
普通図柄制御処理(S322)において、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合、普通図柄表示装置45又は普通電動役物90に係る処理を実行する。普通図柄の状態が「普通図柄変動中」である場合、普通図柄変動中処理を実行し、「普通図柄停止図柄表示中」である場合、普通図柄停止図柄表示中処理を実行し、「普通電動役物作動中」である場合、普通電動役物作動中処理を実行し、「普通電動役物作動終了デモ中」である場合、普通電動役物作動終了デモ中処理を実行する。普通図柄変動中処理において、普通図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、普通図柄の変動時間終了と判断した場合、普通図柄の変動停止設定を行って、普通図柄の状態を「普通図柄停止図柄表示中」に設定する。普通図柄停止図柄表示中処理において、普通図柄の停止図柄表示時間を監視し、普通図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した普通図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、普通図柄の状態を「普通電動役物作動中」に設定し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態を保存し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態に対応した普通電役ソレノイド91の作動設定を実行する。はずれの場合は、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。普通電動役物作動中処理において、遊技球の普通電動役物90に係る入賞口の入賞を監視し、普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達していないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の監視、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定を行い、一連の普通電動役物90の入口の開放が終了したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。なお、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の終了でないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定は実行しない。普通電動役物作動終了デモ中処理において、普通電動役物90の作動終了デモ時間の監視を行い、普通電動役物90の作動終了デモ時間終了と判断した場合、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。
普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の状態を監視し、「普通図柄変動待機中」であり、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外である場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄作動保留球数をデクリメントし、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動パターン番号の設定、及び普通図柄の変動時間の設定を実行する。その後、普通図柄の状態を「普通図柄変動中」に設定し、普通図柄の状態設定、当り判定、及び変動パターン決定に使用したメインRAM291の領域をクリアする。
始動口監視制御処理(S326)において、遊技球の第1始動口11入賞及び第2始動口12入賞を監視する。第1特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合は、内蔵乱数を取得し、取得した内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数の値を加算した値を、大当り判定で使用する特別図柄当り乱数としてバッファに格納する。また、特別図柄に係る乱数として、図柄乱数及び変動パターン乱数を取得して記憶する。第2特別図柄の保留を第1特別図柄の保留に優先して消化する場合は、当該入賞に係る保留の更新のみを実行するが、特別図柄の保留の消化順序が入賞順である場合は、当該入賞に係る保留の更新のほか、合計保留数の更新及び入賞順序の記憶を実行する。つづいて、始動口入賞時に記憶する乱数に対応した予告演出コマンドを要求するため、遊技機の状態を確認し、コマンド送信期間と判断した場合、当り予告演出要求、当り図柄予告演出要求、パターン予告演出要求を順に実行する。ここで、(1)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第1特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(2)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合のいずれかに該当する場合に、コマンド送信期間であると判断する。つづいて、特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の作動保留球数が更新されたことが、サブ基板300に通知される。以上のように、先読みにおいては、当り、当り図柄、変動パターン、保留球数の4つがセットとしてサブ基板300に送信される。つづいて、第2始動口有効期間フラグの値を検査し、第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が有効期間であることを示すデータである場合、第1始動口入賞の場合と同様に、第2始動口入賞の監視処理を実行する。第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が無効期間であることを示すデータである場合、第2始動口入賞の監視処理は実行しない。なお、保留球数が0であったときに遊技球の入賞を確認した場合には、ここでいったん保留球数を0から1にした上で、後述する変動開始に係る制御処理が実行される。
特別図柄制御処理(S328)において、当り待ち状態の検査を行い、特別電動役物が作動中、すなわち、大当り中又は小当り中である場合、特別図柄制御処理を終了する。特別電動役物が未作動である場合、特別図柄の状態を検査し、「特別図柄変動待機中」であれば、特別図柄制御汎用処理を終了し、「変動開始」であれば、特別図柄変動開始処理を実行し、「特別図柄変動中」であれば、特別図柄変動中処理を実行し、「特別図柄停止図柄表示中」であれば、特別図柄停止図柄表示中処理を実行する。特別図柄変動開始処理において、変動パターン乱数に基づいて特別図柄変動パターンの選択番号を取得し、特別図柄変動パターン番号に対応した変動時間を決定し、サブ基板300に演出表示を開始させるため、変動付加図柄情報、変動パターン、及びキャラクタの情報のコマンドを要求し、特別図柄の状態を「特別図柄変動中」に設定し、特別図柄変動パターンの決定に使用した変動パターン判定領域を0でクリアする。特別図柄変動中処理において、特別図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、特別図柄の変動時間終了と判断した場合、特別図柄の変動停止設定を行って、特別図柄の状態を「特別図柄停止図柄表示中」に設定する。特別図柄停止図柄表示中処理において、特別図柄の停止図柄表示時間を監視し、特別図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した特別図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、特別電動役物が連続して作動する回数の設定を行い、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物の開放延長機能を未作動にし、遊技機の状態を大入賞口開放準備中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果が小当りである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、遊技機の状態を小当り開始デモ中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果がはずれである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。
特別電動役物制御処理(S330)において、特別電動役物に係る処理を実行するため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。特別電動役物の作動状態に応じて、大入賞口開放準備中処理、特別電動役物作動中処理、大入賞口閉鎖中処理、大当り終了デモ中処理、小当り開始デモ中処理、小当り特電作動中処理、小当り大入賞口閉鎖中処理、小当り終了デモ中処理を実行する。
大入賞口有効期間設定処理(S332)において、大入賞口20の有効期間判定の結果を保存するため、大入賞口有効時間の値が0である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口無効期間データを格納し、0以外である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口有効期間データを格納する。
特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、特別図柄の作動状態を監視し、特別図柄が変動開始できる状態であるか否かを判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、第2特別図柄の優先消化である場合、(1)大当り中又は小当り中でないこと、(2)第1特別図柄が変動待機中であること、(3)第2特別図柄が変動待機中であること、(4)当該特別図柄の作動保留球数が0以外であること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、入賞順である場合、上記(1)〜(3)に加えて、(5)特別図柄の保留球数の合計が0以外であること、(6)当該判定が消化順序すなわち入賞順と一致すること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。
特別図柄が変動開始できる状態であると判定された場合、当該特別図柄の作動保留球数を減算し、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の保留球数が更新されたことがサブ基板300に通知される。
つづいて、特別図柄の当り判定を実行する。当り判定において、特別図柄当り乱数により、大当り、小当り、はずれのいずれであるかが判定され、判定結果が、特別図柄判定フラグに格納される。つづいて、図柄を決定する。図柄の決定において、当り判定が大当りであった場合、特別図柄当り図柄乱数に基づいて大当り図柄が決定され、小当りであった場合、小当り図柄が決定され、はずれであった場合、はずれ図柄が決定される。
当り判定の結果が大当りであった場合、図柄の決定処理において決定された当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて、特別図柄の確率変動機能の作動内容を判定し、特別図柄の変動時間短縮機能の作動内容や、普通図柄の入賞容易状態を設定など、大当り終了後の遊技状態を設定する。つづいて、特別電動役物が連続して作動する回数や、大入賞口の開放時間の内容など、大当り中の設定を実行する。つづいて、当り判定の結果と、普通図柄の確率変動機能の作動状態に基づいて、大当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定する。つづいて、遊技状態及び当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて選択されたテーブルを参照して、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定する。つづいて、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアし、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
当り判定の結果が小当りであった場合、小当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定し、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定し、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。当り判定の結果がはずれであった場合、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
異常検知処理(S336)において、磁気検知信号、断線短絡電源異常検知信号、電波検知信号、扉・枠の開放信号を検査し、エラー状態に変化があった場合は、エラー状態を記憶して、サブ基板300に遊技機のエラー状態演出の表示を要求する。エラー状態に変化がなかった場合は、エラー状態の記憶及びエラー状態演出の表示要求は実行しない。
入球通過時間異常検出処理(S338)において、入球通過時間異常を検出するため、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行い、その結果、前回から変化があったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に実行する。連続オン時間が異常ではないと判断した場合は、セキュリティの出力要求の作成は実行しない。
遊技状態表示処理(S340)において、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄の作動保留球数、及び特別図柄の作動保留球数の表示を要求するため、それぞれの表示データを作成する。
ハンドル状態信号検査処理(S342)において、ハンドルのタッチ状態を監視するため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及びハンドル状態演出のコマンド送信要求を実行する。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を実行する。ハンドル状態監視タイマの値をデクリメントした結果が0以外の場合、タイマ減算中と判断して、以降の処理は実行しない。
LED出力処理(S344)において、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動状態の表示、打ち分けの表示及びエラーの表示を実行するために、表示の初期化、表示データの取得及び出力を順に実行する。
発射制御信号出力処理(S346)において、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板155との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定、及び発射の禁止/許可データの取得を行った後、発射の禁止/許可の信号の出力を実行する。
試験信号出力処理(S348)において、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。
ソレノイド出力処理(S350)において、普通電役ソレノイド91及び大入賞口ソレノイド92の出力データを出力するために、普通電役ソレノイド91の出力データの取得、大入賞口ソレノイド92の出力データの取得及び出力データの出力を実行する。それぞれのソレノイドの作動フラグ及び作動タイマを取得し、取得したソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマに対応した出力データを取得する。つづいて、ソレノイド作動タイマを更新し、出力データをソレノイド出力ポートへ出力する。
演出制御コマンド送信処理(S352)において、サブ基板300へ送信するコマンドの送信要求の有無を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファを0でクリアし、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順に実行する。
外部情報出力処理(S354)において、外部端子に出力する信号を作成し、作成した信号を外部情報出力ポートに出力する。
上述したメイン基板200の動作過程において使用される乱数について、より詳細に説明する。メイン基板200において使用される乱数には、主に、普通図柄に係る乱数として、普通図柄当り乱数、及び普通図柄変動パターン乱数があり、特別図柄に係る乱数として、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数がある。また、初期更新値型乱数である、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数の初期値を与えるための乱数として、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数がある。
普通図柄当り乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が作動口30を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、当り判定及び停止図柄の決定のために使用される。
普通図柄変動パターン乱数は、例えば0〜232の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が作動口30を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、普通図柄の変動パターンの決定のために使用される。
特別図柄当り乱数は、割込処理の始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、内蔵乱数と特別図柄当りソフト乱数の値を取得し、両者を加算することにより生成され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、大当り判定及び小当り判定を実行するために使用される。
特別図柄当りソフト乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当りソフト乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、上述したように、特別図柄当り乱数を生成するために使用される。
特別図柄当り図柄乱数は、例えば0〜999の値をとり、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、当り判定が大当りであった場合に、大当り図柄を決定するために用いられる。
変動パターン乱数は、例えば0〜49999の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。変動パターン乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。変動パターン乱数は、割込処理の特別図柄制御処理(S328)において、特別図柄変動パターンを決定するために用いられる。
普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、それぞれ、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数と同じ範囲の値をとり、メイン処理(S120)の初期値乱数更新処理(S208)及び割込処理の初期値乱数更新処理(S310)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するときに、それぞれの乱数の初期値として用いられる。
割込処理は、タイマ割込により一定時間ごとに実行されるので、割込処理に含まれる各種乱数更新処理(S306)及び初期値更新型乱数更新処理(S308)も、一定時間ごとに実行される。すなわち、普通図柄当り乱数、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数は、一定時間ごとに更新される。これに対して、メイン処理(S120)は、割込処理が終了してから次のタイマ割込が発生するまでの間、すなわち、タイマにより計測される一定時間から割込処理に要した時間を減じた時間だけ繰り返される。割込処理に要する時間は、遊技状態などに応じて異なるので、メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)は、各種乱数更新処理(S306)や初期値更新型乱数更新処理(S308)と異なり、一定時間ごとに実行されるわけではない。これにより、初期値更新型乱数更新処理(S308)において初期値を設定する際に取得される初期値乱数を毎回ランダムにすることができる。
図24は、ぱちんこ遊技機におけるサブ基板300の制御開始処理を示すフローチャートである。サブ基板300の制御を開始すると、サブCPU310はスタックポインタを設定し(S500)、各種の初期設定が完了するまですべての割込を禁止し(S502)、サブCPU310のレジスタ設定やポート初期化といったハードウェアに関する初期設定を実行する(S504)。サブROM312から制御プログラムを読み出してサブRAM311に配置するとともに、制御プログラムにおける各種の変数のうち、初期値のある変数については初期値を設定し、初期値のない変数についてはゼロクリアのデータを設定することにより、サブRAM311を初期化する(S506)。なお、サブ基板300における割込処理は、最優先で実行される割込処理として、電源立ち上げ時の処理と、ウォッチドッグ機能が有効な場合における各種異常発生時のリセット処理とがある。次に実行優先度の高い優先レベル7の割込処理として、メイン基板200から受信するコマンド処理があり、その次に優先度の高い優先レベル3の割込処理として、ウォッチドッグタイマによるCPU暴走検知時のリセット処理がある。次に優先される優先レベル2の割込処理として、表示CPU320との間で送受信されるコマンドに係る処理があり、最も優先度の低い優先レベル1の割込処理として、リアルタイムクロックとの通信処理やランプ、ソレノイド、モータ等の各種デバイス制御処理等がある。以上の各種処理に関する割込が仮に同時に発生した場合には、割込の種類ごとにあらかじめ設定された優先度の高いものから優先して実行される。なお、本図に示す処理は、最優先レベルの割込である電源立ち上げ時の処理および各種異常発生時のリセット処理と、優先レベル3の割込であるCPU暴走検知時のリセット処理とを含む。
メイン基板200から受信するコマンド以外の割込(優先レベル7)を禁止し(S510)、あらかじめ記憶された全機種用のすべてのエラー情報から当該機種で使用する各種エラー情報を設定する(S512)。装飾ランプ111などのすべてのランプを消灯し(S514)、ウォッチドッグタイマの動作を開始し(S516)、メイン処理を実行する(S518)。通常はS518のメイン処理から本フローへ戻ることはないが、戻ったときはスリープ(小消費電力モード)へ移行する(S520)。
図25は、図24におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。図24のS506においてサブRAM311に配置された制御プログラムが正確に配置されているかを本図のメイン処理内でチェックするためにそのチェックを開始する先頭アドレスを取得し(S530)、以降の処理においてすべての割込を許可し(S532)、モータやソレノイド等のデバイスの初期化動作を実行する(S534)。
ウォッチドッグタイマを使用する設定であればウォッチドッグタイマをクリアし(S536)、装飾図柄の外れの組合せがランダムの組合せになるように装飾図柄のカウンタを更新し(S540)、サブCPU310の入力ポートを監視する(S542)。なお、S540はカウンタを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式における処理であるため、外れ図柄となる全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式の場合にはS540の処理は実行しない。その抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する処理は、S552で後述する通りメイン基板200から特別図柄の停止図柄を示すコマンドを受信したときに実行する。エラー状態を監視して各種エラーを検知したときはそのエラーを報知し(S544)、演出ボタン109の入力状態に応じた処理を実行し(S546)、予告抽選を実行する(S548)。なお、S548における予告抽選は、特に図柄変動開始直後に出現させる予告演出のコマンドをできる限り早期に演出表示制御装置313へ送信するため、抽選処理を1回のループで処理するのではなく複数回のループに分け、図柄変動開始直後に出現させる予告演出を先のループで抽選する。リアルタイムクロック、ランプ、モータ、ソレノイド等のデバイスに対する動作要求があればその動作を実行し(S550)、コマンドバッファに保存されたコマンドを解析し(S552)、コマンド解析直後の場合はS536の処理へ戻り(S554のY)、コマンド解析直後でないときは(S554のN)、空き時間で行えばよい低優先度の処理として抽選用ソフト乱数を更新し(S556)、S536の処理に戻る。なお、S552において、解析するコマンドが特別図柄の変動パターンを示す場合は装飾図柄の変動演出パターンをこのS552の処理にて決定し、解析するコマンドが特別図柄の停止図柄を示す場合は抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式であれば装飾図柄の停止図柄をこのS552の処理にて決定する。
図26は、メイン基板200からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。メイン基板200から受信するメインコマンドは、リセット割込やエラー割込に次いで優先度の高い優先レベル7の割込命令である。メイン基板200から受信したデータを入力ポートへ読みに行き、2回連続で同じデータが読み込まれたときにそのデータを新たなコマンドとして確定し(S600のY)、その確定したコマンドが第1コマンド(MODEデータ)であれば(S602のY)、その第1コマンドを一時記憶領域に保存する(S604)。ハード乱数を後続の処理のために取得し(S606)、元のルーチンに戻る。このようにメイン基板200からメインコマンドの割込があるたびにハード乱数を取得しておくことにより、乱数の取得タイミングに周期性を生じさせず、値のランダム性を高める。S600において読み込まれたデータが2回連続で一致しなければ(最高5回まで読み込み可能)、S602をスキップして元のルーチンに戻る(S600のN)。
S602において、確定したコマンドが第1コマンドではなく第2コマンドの場合は(S602のN)、第1コマンドがすでに適切に受信済みであることが確認できれば(S608のY)、コマンドバッファ(コマンドデータ用のリングバッファ)における読み取り位置であるコマンドライトポインタを取得し(S610)、第1コマンドと第2コマンドとをコマンドバッファに保存する(S612)。コマンドバッファに保存されたコマンドデータは、図25のS552において解析される。コマンドライトポインタを更新し(S614)、一時記憶領域に保存させていた第1コマンドをクリアして(S616)、元のルーチンに戻る。S608において第1コマンドが受信済みでないときはS610以降をスキップして(S608のN)、元のルーチンに戻る。
図27は、演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、サブCPU310から表示CPU320へ演出表示に関するコマンドを送信するための優先レベル2の割込であり、500μs周期で発生する。この割込では、バッファをチェックし(S620)、バッファに送信用のコマンドデータがあれば(S622のY)、そのコマンドデータを読み込み(S624)、表示CPU320へ送信する(S626)。なお、表示CPU320へのコマンドデータの送信は、表示CPU320側で正常受信された旨を示すコマンドをサブCPU310が表示CPU320から受信するまで所定時間間隔で最大3回まで送信を試みる。送信後、バッファの読み出しアドレスの設定を更新し(S628)、元のルーチンに戻る。バッファに送信用のデータがなければ(S622のN)、S624以降をスキップして元のルーチンに戻る。
図28は、サブCPU310が表示CPU320からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。この割込もまた優先レベル2の割込である。サブCPU310が表示CPU320から受信するコマンドは、主にサブCPU310から表示CPU320へ送信したコマンドが正常受信された旨を示すコマンドである。表示CPU320からコマンドを受信した場合、受信したコマンドデータを読み出し(S630)、コマンドを解析し(S632)、コマンドバッファに保存して(S634)、元のルーチンに戻る。
図29は、各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、装飾ランプ111などのランプ制御、可動役物66を駆動するソレノイドやモータの制御、各種タイマの管理制御のための割込であり、1ms周期で発生する。優先度が最も低い優先レベル1の割込であるため、優先レベル2以上の割込を許可し(S640)、演出ボタン109からの入力を示す信号、エラー検知を示す信号、電断を示す信号、モータやソレノイド等の制御対象デバイスへの駆動信号等を入出力するポートの入出力を処理する(S642)。このとき、電断を示す信号が入力された場合は直ちにバックアップ処理へ移行する。モータやソレノイド等のデバイスの制御パターンに基づくカウント処理やS642でポートにデータを書き込むためのバッファのオンオフ制御など、デバイス制御に係るデータを更新し(S644)、演出のタイミングを計るためのタイマを更新し(S646)、演出ボタン109の入力有効時間を管理するためのタイマを更新し(S648)、装飾ランプ111の点灯切換制御や表示CPU320の暴走監視制御等のためのタスク制御用カウンタを更新して16ms周期を作成する(S650)。
なお、装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位は16msである。画像表示制御の1フレームが16msまたは32msであり、その整数倍を装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位としておくことで、ランプ制御と画像表示制御を同期させやすくできる。また、例えば30秒間のエラー報知といった、比較的長時間の期間をカウントする場合に、仮に1割込(1ms)周期のカウントを用いてしまうとカウント値が必要以上に長くなってしまうが、16ms周期のカウント値とすることによってカウント値を短くすることもできる。
タスク制御には処理0〜15までの16種類のタスクがあり、そのうち1つのタスクが装飾ランプ111の点灯切換制御であり、2つのタスクが表示CPU320の暴走監視制御である。装飾ランプ111の点灯切換制御は、タスク制御用カウンタのカウント値に応じて16割込に1回実行することで16ms周期での切換を実現する。表示CPU320の暴走監視制御は、例えば処理0と処理8に割り当て、タスク制御用カウンタのカウント値が0と8のとき、すなわち8割込に1回、表示CPU320からのトグル信号を監視(S652)することで、8ms周期での監視を実現する。
なお、表示CPU320からは1フレームごとにオンオフ反転するトグル信号が出力されており、このトグル信号が1600ms連続して同じ値のまま変化しない場合に表示CPU320が暴走していると判断し、サブCPU310から表示CPU320へリセット信号を送信し、リセット信号を受信した表示CPU320はリセットを実行する。表示CPU320からは1フレーム(16msまたは32ms)周期でトグル信号を受信するため、その周期より短い8ms周期で監視する。最後に、上述のような例えば30秒間のエラー報知といった比較的長時間のエラー報知期間を管理するタイマを減算し(S654)、そのタイムアウト時にエラー報知が終了する。
図30は、特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。第2当否抽選値の保留がなされている場合(S700のY)、第2当否判定手段222が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄52の当否を判定し(S702)、第2当否判定手段222が第2特別図柄52の停止図柄を決定し(S704)、第2変動パターン決定手段232が第2特別図柄52の変動パターンを決定し(S706)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第2特別図柄52の図柄変動を開始する(S716)。
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S700のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S708のY)、第1当否判定手段221が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄51の当否を判定し(S710)、第1当否判定手段221が第1特別図柄51の停止図柄を決定し(S712)、第1変動パターン決定手段231が第1特別図柄51の変動パターンを決定し(S714)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第1特別図柄51の図柄変動を開始する(S716)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS710からS722までの処理をスキップする(S708のN)。
特別図柄の図柄変動表示を処理し(S718)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達するまでS718を繰り返し(S720のN)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S720のY)、変動停止コマンドをサブ基板300へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S722)、特別図柄の変動表示を終了する。
図31は、装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。サブ基板300の演出決定手段303がメイン基板200から変動開始および演出表示内容を示すコマンドを受信し(S750)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S752)、変動パターンに対応する変動演出パターンを決定する(S754)。ここで、事前判定により前兆設定がオンになっている場合(S756のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S758のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S760のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S764)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S760のY)、前兆設定をオフする(S762)。前兆設定がオンでない場合や(S756のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S758のY)、S760からS764の処理をスキップする。
その後、装飾図柄の変動演出表示を開始し(S766)、装飾図柄の変動演出表示処理と(S768)、予告演出の表示処理を実行し(S770)、メイン基板200から変動停止コマンドを受信するまでS768とS770を繰り返し(S772のN)、変動停止コマンドを受信したときに(S772のY)、S752で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止し(S774)、装飾図柄の変動演出を終了する(S776)。
図32は、特別遊技の過程を示すフローチャートである。まず、演出表示制御手段305が特別遊技の演出処理を開始し(S800)、開閉制御手段275が大入賞口20を開放する(S802)。所定の開放時間が経過せず(S804のN)、大入賞口20への入球数も9球以上に達していなければS804に戻り(S806のN)、所定の開放時間が経過したか(S804のY)、開放時間が経過していないものの(S804のN)、大入賞口20への入球数が9球以上に達した場合(S806のY)、開閉制御手段275が大入賞口20を閉鎖させる(S810)。
単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S810のN)、ラウンド数に1を加算してS802に戻り(S812)、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合は(S810のY)、演出表示制御手段305は特別遊技の演出処理を終了させ(S814)、特別遊技制御手段260は特別遊技を終了させ(S816)、特定遊技、すなわち確変、時短、入球容易状態の実行を開始する(S818)。
図33は、小当り遊技の過程を示すフローチャートである。まず、大入賞口20を開放させ(S820)、所定の開放時間を経過するまで開放を継続させ(S822のN)、開放時間を経過した場合(S822のY)、大入賞口20を閉鎖し(S824)、設定回数分の開閉が終了していなければ(S826のN)、開閉回数に1を加算してS820に戻り(S828)、設定回数分の開閉が終了していれば(S826のY)、小当り遊技を終了する。
(第2実施例)
図34は、第2実施例におけるぱちんこ遊技機10の前面側における基本的な構造を示す図である。本実施例におけるぱちんこ遊技機10は、振分口501を有する振分機構502をさらに備える点で第1実施例と相違する。振分機構502は、振分口501に入球する遊技球を第1の遊技に対応する第1始動口11と第2の遊技に対応する第3始動口13の交互に振り分ける。また、第2の遊技に対応する第2始動口12は、振分口501よりも右側に設けられ、いわゆる右打ちをした場合に遊技球が入球容易となっている。第2始動口12の入口には、普通電動役物90が設けられている。
振分機構502は、第1始動口11および第3始動口13の入口をふさぐように形成されており、振分機構502を通過しなければ第1始動口11および第3始動口13に遊技球が入球されない構造となっている。振分機構502は、遊技球が入球する振分口501を有し、振分口501に入球した遊技球を交互に第1始動口11または第3始動口13へと導く。例えば、第1始動口11および第3始動口13の入口にそれぞれ設けられた開閉部材を交互に作動させる可動部材により振分口501に入球した遊技球を交互に振り分ける。
第3始動口13は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第3始動入賞検出装置18を備える。第3始動入賞検出装置18は、第3始動口13への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って相対的に弱めに打球した場合は振分口501に入球可能ないし入球容易となる。一方、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って相対的に強めに打球した場合は、通路503を経由して第2始動口12に入球可能ないし入球容易となる一方、振分口501を経由した第1始動口11または第3始動口13への入球は不能ないし困難となる。
特図調整手段276は、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、第1始動口11、第2始動口12および第3始動口13への入球順序にしたがって選択的に変動表示させる。例えば、左打ちを行う場合には、振分機構502の振り分けにより第1始動口11と第3始動口13に交互に入球がなされるため、第1特別図柄51と第2特別図柄52が交互に変動表示される。また、右打ちを行う場合には、基本的に第2始動口12への入球がされるため、第2特別図柄52が変動表示される。特図調整手段276は保留制御手段240を監視して当否抽選値の保留順序を記憶し、どちらの特別図柄を変動させるべきかを遊技球の入球順、すなわち保留制御手段240における当否抽選値の保留順序にしたがって決定する。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を挙げる。
上述の実施例では、出玉のある特別遊技として15R特別遊技のみを設定する例を示したが、変形例では、設定ラウンド数が異なる7R特別遊技を追加するなど、出玉のある特別遊技を複数種類設定してもよい。また変形例においては、15Rに統一するなど、共通のラウンド数を有するものの、所定ラウンドで単位遊技の態様が異なるように変化する特別遊技を含めてもよい。例えば、大入賞口の開放時間が相対的に短い短開放単位遊技のみからなる種類の特別遊技と、所定回数のラウンド以降において大入賞口の開放時間が相対的に長い長開放単位遊技に切り替わる種類の特別遊技とを含めてもよい。例えば、短開放単位遊技の大入賞口の開放時間を3秒とし、長開放単位遊技の大入賞口の開放時間を30秒としてもよい。その他、特定のラウンド数において、長開放単位遊技と短開放単位遊技とが切り替えられるように双方が組み合わされた特別遊技を用意してもよい。
上述の実施例では、第1特別図柄51に係る第1の遊技と第2特別図柄52に係る第2の遊技との間で、賞球獲得期待値に差を設けないこととしたが、変形例においては、第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方がおおむね多くなるように設計されてもよい。例えば、第2の遊技の方が確変を伴う大当りとなる確率が高く、また、第2の遊技の方が特別遊技を構成する単位遊技数が多い(長開放単位遊技と短開放単位遊技とが一つの特別遊技中に混在し、同一単位遊技数であっても第2の遊技の方が第1の遊技よりも長開放単位遊技の数が多い場合を含む)など、第2の遊技の方が第1の遊技より相対的に利益が高くなる設計がされてもよい。これにより、最初は第1の遊技にて初当りを狙い、第1の遊技における大当りで時短が付与された後は第2の遊技を繰り返し狙って多くの出玉を得る、という遊技性を実現してもよい。この場合、第1の遊技と第2の遊技とは、入球順に実行されてもよいし、一方の遊技が優先的に実行されてもよい。また、上述の第2実施例に示す振分機構を組み合わせてもよい。
上述の実施例では、仮停止態様を形成する図柄の数字の大きさによって、確変大当りとなる期待度の高さを示唆することとした。変形例においては、仮停止態様または停止態様を形成する図柄の数字の大きさによって、その大当り後に実行される特別遊技において長開放単位遊技がなされるラウンド数の大小を示唆することとしてもよい。例えば、長開放単位遊技がなされる回数がそれぞれ5回(5R)、10回(10R)、15回(15R)となる特別遊技を用意した場合において、図柄「1」「2」の場合には5R大当りとなる確率が高いことを示唆し、図柄「3」「4」の場合には10R大当りとなる確率が高いことを示唆し、図柄「5」「6」の場合には15R大当りとなる確率が高いことを示唆してもよい。また、図柄「7」は、15R大当りが確定すること示してもよい。このようにして、図柄の数字によって、確変期待度の代わりに特別遊技中の実質的なラウンド数を示唆し、遊技者に与える利益の高さを示唆することとしてもよい。
上述の実施例では、仮停止態様を形成する図柄の数字の大きさによって、確変大当りとなる期待度の高さを示唆することとした。変形例においては、仮停止態様または停止態様を形成する図柄の数字の大きさによって、大当り(通常大当りと確変大当りの双方を含む)となる期待度の高さを示唆してもよい。例えば、図柄「1」は大当りとなる可能性が低いことを示唆し、図柄「6」は大当りとなる可能性が高いことを示唆するように、図柄の数字が大きいほど大当りとなる期待度が高いことを示唆してもよい。また「7」などの特定の図柄については、必ず大当りとなることを示してもよい。さらに、図柄「7」などの特定の図柄について、遊技状態が「通常」である場合には必ずしも大当りとならないが、遊技状態が「時短」または「確変」である場合に必ず大当りとなるようにしてもよい。
上述の実施例では、(1)装飾図柄の図柄種類にて期待度を示唆する演出と、(2)特定種類の装飾表示により期待度を示唆する予告演出とをそれぞれ別に示した。変形例においては、それぞれの演出が示唆する期待度の高さが整合するようにして、装飾図柄の図柄種類に応じた予告演出パターンが選択されるようにパターン選択基準を定めてもよい。例えば、仮停止図柄の図柄種類が「1」となる場合、装飾表示が表示されない演出過程や、「低期待度表示」の中でも期待度がより低いとされる「黒色」の表示がされる演出過程を定める演出パターンが選択されるようにする。仮停止図柄の図柄種類が「4」となる場合、「低期待度表示」の中でも期待度が「黒色」よりも高い「緑色」の表示がなされる演出過程を定める演出パターンが選択されるようにする。また、仮停止図柄の図柄種類が「7」となる場合、「高期待度表示」がなされる演出過程を定める演出パターンが選択されるようにする。このように示唆演出を組み合わせて用いることにより、遊技者の期待感をより高める演出とすることができる。
以下に、変形例の構成例を示す。
[構成1]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動口と、
前記始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための当否判定を抽選値に基づいて実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための特別図柄が変動表示される特別図柄表示装置と、
前記特別図柄の変動開始から停止までの変動時間が定められた複数種の変動パターンから前記当否判定の結果に応じていずれかを抽選で選択するとともに、その選択において参照する選択基準として前記変動パターンと抽選値との対応関係が定められた変動パターン選択基準を複数保持する変動パターン決定手段と、
前記当否判定の結果が大当りであった場合に、前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りとなり、所定の移行条件が成立した場合に、特別遊技の終了後に前記当否判定の結果が大当りとなる確率が通常状態よりも高い確率変動状態へ移行させる特定遊技実行手段と、
前記当否判定の結果を演出的に示すための複数の装飾図柄が変動表示される演出表示装置と、
前記複数の装飾図柄の変動表示を伴う演出過程が定められた演出パターンとして、前記複数の装飾図柄のあと一つが揃えば特定図柄組合せとなって大当りとなることを示すリーチ態様を形成した後に、当該複数の装飾図柄が前記特定図柄組合せにて外観上停止しているように見える形で微動する仮停止態様を形成し、その後、当該仮停止態様とは異なりうる図柄組合せにて当該複数の装飾図柄を停止させる表示過程が定められる特殊演出パターンを含む、複数種類の演出パターンを保持するパターン記憶手段と、
遊技状態が前記通常状態である場合において遊技状態が前記通常状態である旨を遊技者に示した状況下で演出が進行する通常モードと、遊技状態が前記確率変動状態である場合において遊技状態が前記確率変動状態である旨を遊技者に示した状況下で演出が進行する確変モードと、遊技状態が前記通常状態または前記確率変動状態である場合において遊技状態がそのいずれにあるかを遊技者に秘匿した状況下で演出が進行する秘匿モードとを含む複数の演出モードのいずれかを遊技状態に応じて選択し、選択した演出モードおよび選択された変動パターンに応じて前記複数種類の演出パターンからいずれかを選択する演出決定手段と、
前記当否判定の結果に応じて前記複数の装飾図柄の停止態様を決定するとともに、前記特殊演出パターンが選択される場合に、前記仮停止態様にて表示される特定図柄組合せを選択された演出モードに応じて決定する図柄態様決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出モードにしたがう演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記変動パターン決定手段は、前記変動パターン選択基準として、前記特別遊技の終了後に前記通常状態へ移行された場合に参照する第1変動パターン選択基準と、前記特別遊技の終了後に前記確率変動状態へ移行された場合に参照する第2変動パターン選択基準とを保持し、前記第1変動パターン選択基準および前記第2変動パターン選択基準は、前記特別遊技の終了からの前記特別図柄の変動回数が特定回数となる場合に、当該特定回数における前記特別図柄の変動時間が互いに同等となる特定変動パターンが選択されるようにその選択基準が定められており、
前記演出決定手段は、前記秘匿モードにおいて前記特別図柄の変動回数が前記特定回数となる場合に、遊技状態が前記通常状態と前記確率変動状態のいずれにあるかに関わらず前記特定変動パターンに定められる変動時間にしたがった演出内容を表示させる演出パターンを選択可能とし、当該秘匿モードの遊技状態が前記通常状態と前記確率変動状態のいずれにあるかを遊技者に識別困難な状態とし、
前記図柄態様決定手段は、前記特殊演出パターンが選択される場合に、前記仮停止態様にて表示される特定図柄組合せに含まれる図柄種類として、第1図柄と、前記第1図柄よりも前記確率変動状態への移行を伴う確変大当りとなる期待度が相対的に高いことを示唆する第2図柄とを含む複数の図柄種類のいずれかを抽選で選択し、
前記第1図柄にて形成される仮停止態様により示唆される前記確変大当りとなる期待度の高さと、前記第2図柄にて形成される仮停止態様により示唆される前記確変大当りとなる期待度の高さとの差が、前記秘匿モードに滞在する状況下よりも前記確変モードに滞在する状況下において大きくなるように定められる弾球遊技機。
[構成2]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動口と、
前記始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための当否判定を抽選値に基づいて実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための特別図柄が変動表示される特別図柄表示装置と、
前記特別図柄の変動開始から停止までの変動時間が定められた複数種の変動パターンから前記当否判定の結果に応じていずれかを抽選で選択するとともに、その選択において参照する選択基準として前記変動パターンと抽選値との対応関係が定められた変動パターン選択基準を複数保持する変動パターン決定手段と、
前記当否判定の結果が大当りであった場合に、前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りとなり、所定の移行条件が成立した場合に、特別遊技の終了後に前記当否判定の結果が大当りとなる確率が通常状態よりも高い確率変動状態へ移行させる特定遊技実行手段と、
前記当否判定の結果を演出的に示すための複数の装飾図柄が変動表示される演出表示装置と、
前記複数の装飾図柄の変動表示を伴う演出過程が定められた演出パターンとして、前記確率変動状態への移行を伴う確変大当りとなる場合に表示されうる特定種類の装飾表示を含む演出過程が定められた複数の予告演出パターンを含む、複数種類の演出パターンを保持するパターン記憶手段と、
遊技状態が前記通常状態である場合において遊技状態が前記通常状態である旨を遊技者に示した状況下で演出が進行する通常モードと、遊技状態が前記確率変動状態である場合において遊技状態が前記確率変動状態である旨を遊技者に示した状況下で演出が進行する確変モードと、遊技状態が前記通常状態または前記確率変動状態である場合において遊技状態がそのいずれにあるかを遊技者に秘匿した状況下で演出が進行する秘匿モードとを含む複数の演出モードのいずれかを遊技状態に応じて選択し、選択した演出モードおよび選択された変動パターンに応じて前記複数種類の演出パターンからいずれかを選択する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出モードにしたがう演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記変動パターン決定手段は、前記変動パターン選択基準として、前記特別遊技の終了後に前記通常状態へ移行された場合に参照する第1変動パターン選択基準と、前記特別遊技の終了後に前記確率変動状態へ移行された場合に参照する第2変動パターン選択基準とを保持し、前記第1変動パターン選択基準および前記第2変動パターン選択基準は、前記特別遊技の終了からの前記特別図柄の変動回数が特定回数となる場合に、当該特定回数における前記特別図柄の変動時間が互いに同等となる特定変動パターンが選択されるようにその選択基準が定められており、
前記演出決定手段は、前記秘匿モードにおいて前記特別図柄の変動回数が前記特定回数となる場合に、遊技状態が前記通常状態と前記確率変動状態のいずれにあるかに関わらず前記特定変動パターンに定められる変動時間にしたがった演出内容を表示させる演出パターンを選択可能とし、当該秘匿モードの遊技状態が前記通常状態と前記確率変動状態のいずれにあるかを遊技者に識別困難な状態とし、
前記秘匿モードに滞在する状況下において前記確率変動状態への移行を伴わない通常大当りとなる場合に前記予告演出パターンが選択可能となるように定められ、前記確変モードに滞在する状況下において前記通常大当りとなる場合に前記予告演出パターンが選択される確率が前記秘匿モードに滞在する状況下よりも低確率となるように定められる弾球遊技機。
[構成3]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動口と、
前記始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための当否判定を抽選値に基づいて実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための特別図柄が変動表示される特別図柄表示装置と、
前記特別図柄の変動開始から停止までの変動時間が定められた複数種の変動パターンから前記当否判定の結果に応じていずれかを抽選で選択するとともに、その選択において参照する選択基準として前記変動パターンと抽選値との対応関係が定められた変動パターン選択基準を複数保持する変動パターン決定手段と、
前記当否判定の結果が大当りであった場合に、前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りとなり、所定の移行条件が成立した場合に、特別遊技の終了後に前記当否判定の結果が大当りとなる確率が通常状態よりも高い確率変動状態へ移行させる特定遊技実行手段と、
前記当否判定の結果を演出的に示すための複数の装飾図柄が変動表示される演出表示装置と、
前記複数の装飾図柄の変動表示を伴う演出過程が定められた複数種類の通常遊技演出パターンと、前記特別遊技の実行中に表示される演出過程が定められた複数種類の特別遊技演出パターンとを含む、複数種類の演出パターンを保持するパターン記憶手段と、
遊技状態が前記通常状態である場合において遊技状態が前記通常状態である旨を遊技者に示した状況下で演出が進行する通常モードと、遊技状態が前記確率変動状態である場合において遊技状態が前記確率変動状態である旨を遊技者に示した状況下で演出が進行する確変モードと、遊技状態が前記通常状態または前記確率変動状態である場合において遊技状態がそのいずれにあるかを遊技者に秘匿した状況下で演出が進行する秘匿モードとを含む複数の演出モードのいずれかを遊技状態に応じて選択し、選択した演出モードおよび選択された変動パターンに応じて前記複数種類の通常遊技演出パターンからいずれかを選択し、前記特別遊技が実行される場合には前記複数種類の特別遊技演出パターンからいずれかを選択する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出モードにしたがう演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記変動パターン決定手段は、前記変動パターン選択基準として、前記特別遊技の終了後に前記通常状態へ移行された場合に参照する第1変動パターン選択基準と、前記特別遊技の終了後に前記確率変動状態へ移行された場合に参照する第2変動パターン選択基準とを保持し、前記第1変動パターン選択基準および前記第2変動パターン選択基準は、前記特別遊技の終了からの前記特別図柄の変動回数が特定回数となる場合に、当該特定回数における前記特別図柄の変動時間が互いに同等となる特定変動パターンが選択されるようにその選択基準が定められており、
前記演出決定手段は、前記秘匿モードにおいて前記特別図柄の変動回数が前記特定回数となる場合に、遊技状態が前記通常状態と前記確率変動状態のいずれにあるかに関わらず前記特定変動パターンに定められる変動時間にしたがった演出内容を表示させる通常遊技演出パターンを選択可能とし、当該秘匿モードの遊技状態が前記通常状態と前記確率変動状態のいずれにあるかを遊技者に識別困難な状態とし、
前記パターン記憶手段は、前記通常遊技演出パターンとして、前記確率変動状態への移行を伴う確変大当りとなることを報知する第1報知演出を含む演出過程が定められた通常遊技特殊演出パターンを保持するとともに、前記特別遊技演出パターンとして、その特別遊技の終了後に前記確率変動状態へ移行される旨を報知する第2報知演出を含む演出過程が定められた特別遊技特殊演出パターンを保持し、
前記特別遊技の開始前からその特別遊技の終了までにわたる一連の演出として、当該特別遊技の開始前に実行される前記第1報知演出および当該特別遊技中に実行される前記第2報知演出の少なくとも一方を含む確変昇格演出の実行に必要な演出パターンの組合せと、前記第1報知演出および前記第2報知演出の双方を含まない昇格失敗演出の実行に必要な演出パターンの組合せが設けられており、
前記秘匿モードに滞在する状況下にて前記昇格失敗演出がなされる場合であっても前記特別遊技後に前記確率変動状態へ移行する確率が、前記確変モードに滞在する状況下にて前記昇格失敗演出がなされる場合であっても前記特別遊技後に前記確率変動状態へ移行する確率よりも高くなるように定められる弾球遊技機。
[構成4]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動口と、
前記始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための当否判定を抽選値に基づいて実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための特別図柄が変動表示される特別図柄表示装置と、
前記特別図柄の変動開始から停止までの変動時間が定められた複数種の変動パターンから前記当否判定の結果に応じていずれかを抽選で選択するとともに、その選択において参照する選択基準として前記変動パターンと抽選値との対応関係が定められた変動パターン選択基準を複数保持する変動パターン決定手段と、
前記当否判定の結果が大当りであった場合に、前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りとなり、所定の移行条件が成立した場合に、特別遊技の終了後に前記当否判定の結果が大当りとなる確率が通常状態よりも高い確率変動状態へ移行させる特定遊技実行手段と、
前記当否判定の結果を演出的に示すための複数の装飾図柄が変動表示される演出表示装置と、
前記複数の装飾図柄の変動表示を伴う演出過程が定められた複数種類の通常遊技演出パターンと、前記特別遊技の実行中に表示される演出過程が定められた複数種類の特別遊技演出パターンとを含む、複数種類の演出パターンを保持するパターン記憶手段と、
遊技状態が前記通常状態である場合において遊技状態が前記通常状態である旨を遊技者に示した状況下で演出が進行する通常モードと、遊技状態が前記確率変動状態である場合において遊技状態が前記確率変動状態である旨を遊技者に示した状況下で演出が進行する確変モードと、遊技状態が前記通常状態または前記確率変動状態である場合において遊技状態がそのいずれにあるかを遊技者に秘匿した状況下で演出が進行する秘匿モードとを含む複数の演出モードのいずれかを遊技状態に応じて選択し、選択した演出モードおよび選択された変動パターンに応じて前記複数種類の通常遊技演出パターンからいずれかを選択し、前記特別遊技が実行される場合には前記複数種類の特別遊技演出パターンからいずれかを選択する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出モードにしたがう演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記変動パターン決定手段は、前記変動パターン選択基準として、前記特別遊技の終了後に前記通常状態へ移行された場合に参照する第1変動パターン選択基準と、前記特別遊技の終了後に前記確率変動状態へ移行された場合に参照する第2変動パターン選択基準とを保持し、前記第1変動パターン選択基準および前記第2変動パターン選択基準は、前記特別遊技の終了からの前記特別図柄の変動回数が特定回数となる場合に、当該特定回数における前記特別図柄の変動時間が互いに同等となる特定変動パターンが選択されるようにその選択基準が定められており、
前記演出決定手段は、前記秘匿モードにおいて前記特別図柄の変動回数が前記特定回数となる場合に、遊技状態が前記通常状態と前記確率変動状態のいずれにあるかに関わらず前記特定変動パターンに定められる変動時間にしたがった演出内容を表示させる通常遊技演出パターンを選択可能とし、当該秘匿モードの遊技状態が前記通常状態と前記確率変動状態のいずれにあるかを遊技者に識別困難な状態とし、
前記演出決定手段は、前記秘匿モードにおいて前記特別遊技へ移行される結果となった場合、その特別遊技の終了後に移行される遊技状態に対応させて前記通常モードまたは前記確変モードへ移行させ、前記確変モードにおいて前記特別遊技へ移行される結果となった場合、その特別遊技の終了後に移行される遊技状態に対応させて前記通常モードまたは前記確変モードへの移行を可能とし、
前記パターン記憶手段は、前記通常遊技演出パターンとして、前記確率変動状態への移行を伴う確変大当りとなることを報知する第1報知演出を含む演出過程が定められた通常遊技特殊演出パターンを保持するとともに、前記特別遊技演出パターンとして、その特別遊技の終了後に前記確率変動状態へ移行される旨を報知する第2報知演出を含む演出過程が定められた特別遊技特殊演出パターンを保持し、
前記特別遊技の開始前からその特別遊技の終了までにわたる一連の演出として、当該特別遊技の開始前に実行される前記第1報知演出および当該特別遊技中に実行される前記第2報知演出の少なくとも一方を含む確変昇格演出の実行に必要な演出パターンの組合せと、前記第1報知演出および前記第2報知演出の双方を含まない昇格失敗演出の実行に必要な演出パターンの組合せが設けられており、
前記秘匿モードに滞在する状況下にて前記昇格失敗演出がなされる場合であっても前記特別遊技後に前記確率変動状態に移行する確率が、前記確変モードに滞在する状況下にて前記昇格失敗演出がなされる場合であっても前記特別遊技後に前記確率変動状態に移行する確率よりも低くなるように定められる弾球遊技機。
[構成5]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動口と、
前記始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための当否判定を抽選値に基づいて実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための特別図柄が変動表示される特別図柄表示装置と、
前記特別図柄の変動開始から停止までの変動時間が定められた複数種の変動パターンから前記当否判定の結果に応じていずれかを抽選で選択するとともに、その選択において参照する選択基準として前記変動パターンと抽選値との対応関係が定められた変動パターン選択基準を複数保持する変動パターン決定手段と、
前記当否判定の結果が大当りであった場合に、前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りとなり、所定の移行条件が成立した場合に、特別遊技の終了後に前記当否判定の結果が大当りとなる確率が通常状態よりも高い確率変動状態へ移行させる特定遊技実行手段と、
前記当否判定の結果を演出的に示すための複数の装飾図柄が変動表示される演出表示装置と、
前記複数の装飾図柄の変動表示を伴う演出過程が定められた複数種類の通常遊技演出パターンと、前記特別遊技の実行中に表示される演出過程が定められた複数種類の特別遊技演出パターンとを含む、複数種類の演出パターンを保持するパターン記憶手段と、
遊技状態が前記通常状態である場合において遊技状態が前記通常状態である旨を遊技者に示した状況下で演出が進行する通常モードと、遊技状態が前記確率変動状態である場合において遊技状態が前記確率変動状態である旨を遊技者に示した状況下で演出が進行する確変モードと、遊技状態が前記通常状態または前記確率変動状態である場合において遊技状態がそのいずれにあるかを遊技者に秘匿した状況下で演出が進行する第1秘匿モードおよび第2秘匿モードとを含む複数の演出モードのいずれかを遊技状態に応じて選択し、選択した演出モードおよび選択された変動パターンに応じて前記複数種類の通常遊技演出パターンからいずれかを選択し、前記特別遊技が実行される場合には前記複数種類の特別遊技演出パターンからいずれかを選択する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出モードにしたがう演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記変動パターン決定手段は、前記変動パターン選択基準として、前記特別遊技の終了後に前記通常状態へ移行された場合に参照する第1変動パターン選択基準と、前記特別遊技の終了後に前記確率変動状態へ移行された場合に参照する第2変動パターン選択基準とを保持し、前記第1変動パターン選択基準および前記第2変動パターン選択基準は、前記特別遊技の終了からの前記特別図柄の変動回数が特定回数となる場合に、当該特定回数における前記特別図柄の変動時間が互いに同等となる特定変動パターンが選択されるようにその選択基準が定められており、
前記演出決定手段は、前記秘匿モードにおいて前記特別図柄の変動回数が前記特定回数となる場合に、遊技状態が前記通常状態と前記確率変動状態のいずれにあるかに関わらず前記特定変動パターンに定められる変動時間にしたがった演出内容を表示させる通常遊技演出パターンを選択可能とし、当該秘匿モードの遊技状態が前記通常状態と前記確率変動状態のいずれにあるかを遊技者に識別困難な状態とし、
前記演出決定手段は、前記第1秘匿モードにおいて前記特別遊技へ移行される結果となった場合、その特別遊技の終了後に前記第2秘匿モードへ移行させ、前記第2秘匿モードにおいて前記特別遊技へ移行される結果となった場合、その特別遊技の終了後に移行される遊技状態に対応させて前記通常モードまたは前記確変モードへ移行させ、前記確変モードにおいて前記特別遊技へ移行される結果となった場合、その特別遊技の終了後に移行される遊技状態に対応させて前記通常モードまたは前記確変モードへの移行を可能とし、
前記パターン記憶手段は、前記通常遊技演出パターンとして、前記確率変動状態への移行を伴う確変大当りとなることを報知する第1報知演出を含む演出過程が定められた通常遊技特殊演出パターンを保持するとともに、前記特別遊技演出パターンとして、その特別遊技の終了後に前記確率変動状態へ移行される旨を報知する第2報知演出を含む演出過程が定められた特別遊技特殊演出パターンを保持し、
前記特別遊技の開始前からその特別遊技の終了までにわたる一連の演出として、当該特別遊技の開始前に実行される前記第1報知演出および当該特別遊技中に実行される前記第2報知演出の少なくとも一方を含む確変昇格演出の実行に必要な演出パターンの組合せと、前記第1報知演出および前記第2報知演出の双方を含まない昇格失敗演出の実行に必要な演出パターンの組合せが設けられており、
前記第1秘匿モードに滞在する状況下にて前記昇格失敗演出がなされる場合であっても前記特別遊技後に前記確率変動状態へ移行する確率が、前記確変モードに滞在する状況下にて前記昇格失敗演出がなされる場合であっても前記特別遊技後に前記確率変動状態へ移行する確率よりも高くなるように定められており、
前記第2秘匿モードに滞在する状況下にて前記昇格失敗演出がなされる場合であっても前記特別遊技後に前記確率変動状態に移行する確率が、前記確変モードに滞在する状況下にて前記昇格失敗演出がなされる場合であっても前記特別遊技後に前記確率変動状態に移行する確率よりも低くなるように定められる弾球遊技機。