JP6751587B2 - 培養装置及び培養方法 - Google Patents

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Description

本発明は、血管内皮細胞等を培養して管状の血管様構造を作製することが可能な培養容器、培養装置及び培養方法に関する。
癌細胞の浸潤や転移には血管新生が深く関わっており、この血管新生を抑制する薬剤等の開発が行われている。薬剤等のスクリーニングにおいて血管新生を評価するために、近年、動物実験等に替わり、管状の血管様細胞をin vitroで人工的に作出する技術が注目されている。
例えば、非特許文献1には、ゲル状の細胞足場材にニードルを刺し、引き抜くことで管構造を作製し、その後細胞足場材に血管内皮細胞を播種する方法が開示されている。
また、特許文献1には、複数のマンドレルを使用して複数のチャネルを作り細胞を播種して血管様構造を作製する方法、及び、細胞をマンドレルに事前播種してから当該マンドレルを引き抜いてチャネル内壁に細胞を播種する方法が開示されている。加えて同文献には、マンドレルを用いて管構造を形成した後、さらにチャネルに播種された細胞を血管様に培養するために、シリンジポンプを用いて細胞に力学的負荷を加え、チャネルに培養液を灌流させる方法が開示されている。
さらに、非特許文献2には、ニッケルチタニウムロッドでコラーゲンゲルに管構造をモールドした後に血管内皮細胞を注入する、癌細胞の浸潤や転移をモニタリングするための人工血管構造デバイスの製造方法が開示されている。また、同文献には、血管内皮細胞に力学的負荷を与える方法として、当該細胞を注入した後、デバイスに流路を取り付け、重力フローにより灌流する方法が開示されている。
特許第5725859号
Kenneth M. Chrobak他2名、「Formation of perfused, functional microvascular tubes in vitro」、Microvascular Research、2006年2月、第71巻、第3号、p.185-196 Andrew D. Wong他1名、「Live-Cell Imaging of Invasion and Intravasation in an Artificial Microvessel Platform」、Cancer Research、2014年9月1日、第74巻、第17号、p.4937
しかしながら、非特許文献1に開示の方法では、細胞足場材で管構造を作製してから血管内皮細胞を播種するため、血管内皮細胞自体が密な管状構造を作製することが難しい。
また、特許文献1に開示の方法では、マンドレルの引き抜き方法によっては細胞に損傷を与える可能性がある。また、シリンジポンプを用いた力学的負荷の付与については、複数の薬液サンプルを検討する際にサンプル数と同数のシリンジポンプを用意し接続する必要があり、煩雑である。
また、非特許文献2に開示の方法でも、ゲルに管構造をモールドした後に血管内皮細胞を注入するため、やはり薬剤スクリーニングに用いることができる程度の密な血管様構造を形成することが難しい。また、デバイス作製後に滅菌的に流路とデバイスを接続しなくてはならず、力学的負荷を与える方法についても煩雑である。
このように、いずれの文献に開示された方法であっても、薬剤スクリーニングに用いることができるような所望の血管様構造を形成することが難しい。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、培養細胞を用いて、血管新生の評価が十分可能な管状の血管様構造を形成することが可能な培養容器、培養装置及び培養方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る培養容器は、第1のセルと、第2のセルと、第3のセルとを具備する。
上記第1のセルは、培養液を収容することが可能である。
上記第2のセルは、上記培養液を収容することが可能である。
上記第3のセルは、
上記第1のセルに隣接する第1の隔壁と、
上記第2のセルに隣接する第2の隔壁と、
第1の孔部と、
を有し、上記第1のセル及び上記第2のセルを接続し、上記流路の周囲に細胞足場材が充填されることが可能である。
上記第1の孔部は、上記第1の隔壁及び上記第2の隔壁にそれぞれ対向して形成され上記第1のセル及び上記第2のセルとそれぞれ連通する少なくとも一対の孔を含み、上記培養液の流路を規定することが可能に構成される。
上記構成によれば、第1の孔部によって第1のセルと第2のセルとの間に培養液の流路が規定されることから、当該流路に培養液を灌流することができる。したがって、流路の内面に細胞を播種し、第1のセル及び第2のセルのいずれか一方から他方に向かって培養液を灌流することで、血管様構造を構築するための培養を容易に行うことができる。
上記第3のセルは、上記細胞足場材を注入するための第2の孔部をさらに有していてもよい。
これにより、第3のセルの上記流路の周囲に細胞足場材を充填することができる。
また、上記第3のセルは、透光性材料により形成された周面を含んでいてもよい。
これにより、顕微鏡による血管様構造の観察が容易になる。
また、本発明の他の形態に係る培養装置は、培養容器と、針状部材と、を具備する。
上記培養容器は、培養液を収容することが可能な第1のセルと、上記培養液を収容することが可能な第2のセルと、上記第1のセル及び上記第2のセルを接続する第3のセルと、を有する。
上記第3のセルは、上記第1のセルに隣接する第1の隔壁と、上記第2のセルに隣接する第2の隔壁と、上記第1の隔壁及び上記第2の隔壁にそれぞれ対向して形成され上記第1のセル及び上記第2のセルとそれぞれ連通する少なくとも一対の孔を含み、上記培養液の流路を規定することが可能な第1の孔部と、を有し、上記流路の周囲に細胞足場材が充填されることが可能である。
上記針状部材は、上記第3のセルを貫通する第1の位置と、上記第3のセルから抜去される第2の位置と、の間を移動可能に構成された針状部材であって、上記第1の位置で上記第1の孔部に挿入される。
上記構成によれば、第1の孔部に針状部材が挿入され、その周囲に細胞足場材を充填することができ、針状部材を抜去した空隙に流路を形成することができる。これにより、流路の内面に細胞を播種し、第1のセル及び第2のセルのいずれか一方から他方に向かって培養液を灌流することで、血管様構造を形成するための培養を容易に行うことができる。
上記培養容器は、複数の培養容器を有し、
上記針状部材は、複数の針状部材を有し、
上記複数の針状部材各々は、上記複数の培養容器のうちの一の培養容器の上記第3のセルを貫通することが可能に構成されてもよい。
これにより、複数の血管様細胞を同時に形成することができ、培養効率を高めることができる。
この場合に、上記培養装置は、
上記複数の培養容器を保持する第1の保持部材と、
上記複数の針状部材各々を上記複数の培養容器のうちの一の培養容器の上記第3のセルに貫通させることが可能に、上記複数の針状部材を保持する第2の保持部材と、
をさらに具備してもよい。
これにより、複数の培養容器と複数の針状部材との間の位置合わせを容易に行うことができる。
また、上記培養装置は、
上記複数の針状部材各々を上記第1の位置と上記第2の位置との間で移動させることが可能に、上記第2の保持部材を移動させる移動機構をさらに具備していてもよい。
さらに、上記第1の保持部材は、上記少なくとも一対の孔が一軸方向に対向するように上記複数の培養容器を保持し、
上記第2の保持部材は、上記複数の針状部材各々の延在方向を上記一軸方向に一致させるように上記複数の針状部材を保持し、
上記移動機構は、上記第2の保持部材を上記一軸方向に沿って上記第2の保持部材を移動させてもよい。
これにより、針状部材の延在方向と移動方向とを平行に維持したまま針状部材を抜去することができ、一軸方向に沿った管状の流路を精度よく形成することができる。したがって、流路内面に播種されている細胞の構造を乱さずに、管状の血管様構造を形成することができる。
本発明のさらに他の形態に係る培養方法は、培養液を収容することが可能な第1のセルと、上記培養液を収容することが可能な第2のセルと、上記第1のセル及び上記第2のセルを接続する第3のセルと、を有する培養容器を用いた培養方法であって、下地となる細胞が表面に播種された針状部材を、上記第3のセルを貫通するように上記第3のセルに挿入する工程を含む。
上記第3のセルの上記針状部材の周囲に細胞足場材が充填される。
上記針状部材から上記細胞足場材に上記細胞が転写される。
上記第1のセルと上記第2のセルの少なくとも一方に培養液が添加される。
上記針状部材が上記第3のセルから抜去される。
上記第1のセルと上記第2のセルとの上記培養液の液頭差に基づいて、上記針状部材を抜去して形成された流路に上記培養液が灌流される。
上記方法によれば、針状部材に予め細胞が播種されていることから、周囲に充填された細胞足場材にこの細胞を転写することで、細胞が密に播種された管状の血管様構造を形成することが容易になる。また、針状部材を抜去した後の流路に、2つの容器の液頭差に基づいて培養液を灌流することができ、血管様構造を形成するための培養を容易に行うことができる。
上記培養液を添加する工程は、上記第1のセルと上記第2のセルの少なくとも一方に緩衝液を添加し、上記針状部材を上記第3のセルから抜去した後、上記緩衝液を培養液と入れ替えるようにしてもよい。
上記培養容器は、複数の培養容器を有し、
上記針状部材は、複数の針状部材を有し、
上記針状部材を上記第3のセルに挿入する工程では、上記複数の針状部材各々を、上記複数の培養容器のうちの一の培養容器の上記第3のセルに挿入してもよい。
これにより、培養効率を高めることができる。
この場合、上記針状部材を上記第3のセルから抜去する工程では、上記第1のセルと上記第2のセルとが一軸方向に対向するようにそれぞれ配置された上記複数の培養容器に対し、延在方向を上記一軸方向に一致させた上記複数の針状部材を、上記一軸方向に沿ってそれぞれ移動させてもよい。
また、上記流路に上記培養液を灌流させる工程では、上記第1のセルと上記第2のセルとが一軸方向に対向するように上記複数の培養容器をそれぞれ配置し、上記一軸方向と直交する軸まわりに上記複数の培養容器を回動させることにより、上記流路に上記培養液を灌流させてもよい。
これにより、複数の培養容器を用いる場合であっても、簡易な構成の装置で培養液の灌流が可能となる。
また、上記針状部材には、上記表面に結合することが可能な化合物を介して上記細胞が播種されており、上記細胞を転写する工程では、上記針状部材に電圧を印加して上記化合物と上記表面とを離間させることで、上記針状部材から上記細胞足場材に上記細胞を転写してもよい。
これにより、細胞への力学的な負担を抑えつつ細胞を電気化学的に転写することができ、血管様構造の乱れを防止することができる。
さらに、上記針状部材を上記第3の容器に挿入する工程では、上記第1のセルと上記第2のセルとが鉛直方向に対向する第1の姿勢の上記培養容器に、上記針状部材の延在方向が鉛直方向に一致するように上記針状部材を挿入し、
上記培養液を添加する工程では、上記第1のセルと上記第2のセルとが水平方向に対向する第2の姿勢の上記培養容器に、上記培養液もしくは緩衝液を添加してもよい。
これにより、針状部材の挿入時には、針状部材の撓み等の変形を防止して位置合わせを容易に行うことができるとともに、培養液もしくは緩衝液の添加時には第2の姿勢に転換し、針状部材の引抜後の流路に培養液もしくは緩衝液が浸入することによって流路が大気暴露されることを防ぐとともに、液頭差を形成しやすくすることができる。
以上のように、本発明によれば、培養細胞を用いて血管新生の評価が十分可能な管状の血管様構造を形成することが可能な培養容器、培養装置及び培養方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る培養装置を示す図である。 上記培養装置の培養容器を示す斜視図である。 上記培養装置の培養容器を示す平面図である。 上記培養装置の培養容器を示す断面図である。 上記培養装置の複数の培養容器と第1の保持部材とを示す斜視図である。 上記培養装置の複数の針状部材と第2の保持部材とを示す斜視図である。 上記針状部材と上記培養容器との相対位置関係を示す側面図である。 上記針状部材と上記培養容器との相対位置関係を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る培養方法を説明するフローチャートである。 上記培養方法のST11を説明するための斜視図である。 上記培養方法のST11を説明するための斜視図である。 上記培養方法のST11を説明するための斜視図である。 針状部材を用いた細胞の播種と脱離について説明する模式図である。 上記培養方法のST12を説明するための斜視図である。 上記培養方法のST13を説明するための斜視図である。 上記培養方法のST14を説明するための斜視図である。 上記培養方法のST15を説明するための斜視図である。 上記培養方法のST16を説明するための斜視図である。 上記培養方法のST19を説明するための斜視図である。 上記培養方法のST19を説明するための側面図である。 上記実施形態の変形例に係る培養容器の斜視図である。 上記実施形態の変形例に係る培養容器に針状部材を挿入する際の模式的な図である。 上記実施形態の変形例に係る培養容器を用いて細胞培養する際の模式的な図である。 上記実施形態の変形例に係る培養容器を用いて細胞培養する際の模式的な図である。 上記実施形態の変形例に係る培養容器を用いて細胞培養する際の模式的な図である。 上記実施形態の他の変形例に係る培養容器の斜視図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図中のX軸、Y軸及びZ軸方向は、相互に直交する3軸方向を示し、X軸及びY軸は水平方向、Z軸は高さ方向にそれぞれ相当する。
[培養装置]
図1は、本発明の一実施形態に係る培養装置を示す図である。
同図に示すように、培養装置100は、複数の培養容器10と、容器保持部材(第1の保持部材)20と、複数の針状部材30(図6参照)と、針状部材30を保持するホルダ(第2の保持部材)40と、移動機構50と、を備える。
本実施形態の培養装置100は、血管新生を評価するための血管様構造をin vitroで作製することが可能な装置である。例えば血管内皮細胞(以下、単に「細胞」とも称する)を用いて血管様構造を作製するためには、まず、管状の細胞構造体を作製し、続いて、当該管状の細胞構造体の内部に培養液を灌流する。これにより、管状構造を構成する細胞が増殖し、血管新生を擬似的に再現した血管様構造が形成される。管状の細胞構造体の内部に培養液を灌流する処理を、以下、「灌流培養」とも称する。さらに灌流培養時、当該培養液中にスクリーニング対象の薬剤を加えることにより、当該薬剤の血管新生に対する作用を評価できる。
培養装置100によれば、細胞を予め播種した針状部材30を培養容器10に挿入し、針状部材30周囲に充填された細胞足場材に細胞を転写することができる。そして、針状部材30を抜去して形成された流路に培養液を灌流させ、血管様構造を形成させるとともに、血管新生の評価を行うことができる。
「細胞足場材」は、典型的にはゲル化することが可能な細胞足場材であり、加温、化学的架橋、光架橋等により容易にゲル化する材料を用いることができる。このような細胞足場材の例としては、コラーゲンをはじめとしてゼラチン、エラスチン、プロテオグリカン、グリコサミノグリカン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン、ペクチン、ヒアルロン酸、キチン、キトサン、アルギン酸、デンプン、ポリエチレングリコール、ポリジメチルシロキサン、ポリ乳酸、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリグルタミン酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリアクリル酸などからなるポリマーゲル及びそれらを適宜修飾させてなるポリマーゲルを用いることができる。
(培養容器)
図2〜4は、培養容器10を示す図であり、図2は斜視図、図3は平面図、図4は断面図である。なお図中、x軸、y軸及びz軸方向は、相互に直交する3軸方向を示している。
これらの図に示すように、培養容器10は、第1のセル11と、第2のセル12と、第3のセル13とを有する。第1のセル11及び第2のセル12は、例えば同一の容積を有していてもよく、第3のセル13は、例えば第1のセル11及び第2のセルよりも小さい容積を有していてもよい。
培養容器10は、本実施形態において、全体として透光性材料で形成される。培養容器10の材料は特に限定されず、例えばアクリル樹脂等の透光性樹脂材料やガラス等を用いることができる。
第1のセル11及び第2のセル12は、いずれも、培養液を収容することが可能に構成され、第3のセル13を挟んで例えばy軸方向に対向して配置される。第1のセル11及び第2のセル12は、後述する第1の孔部131を介して第3のセル13と連通し、第3のセル13に培養液を供給することができる。
第1のセル11及び第2のセル12は、例えばz軸方向に直交する開口11a,12aを含み、略直方体状に構成される。この開口11a,12aは、図2A,Bにおいて上方側から例えば培養液を添加するために用いられる。
また、図2A,Bに示すように、本実施形態において、第1のセル11は、第3のセル13に隣接する面に対向する面に、孔111と、孔111を密閉することが可能なプラグ112とを有する。この孔111は、後述するように、開放状態において針状部材30及びそれを保持するホルダ40を挿入させることが可能に構成される。また、孔111は、プラグ112によって密閉されることにより、灌流培養時に第1のセル11内に収容され得る培養液の漏出を防止することができる。
なお、ここでいう「培養液」とは、細胞培養に用いられる液体培地であってもよいし、当該培地にスクリーニング対象の薬剤や成長因子等を適宜添加したものであってもよい。また、第1のセル11及び第2のセル12には、必要に応じて、培養液以外の緩衝液、生理食塩水等が収容されてもよい。
第3のセル13は、第1のセル11及び第2のセル12を相互に接続する。第3のセル13では、図3及び図4において仮想的に示すように細胞足場材によって流路Fが形成され、流路Fの周囲に配置された細胞を灌流培養することにより、血管様構造が形成される。
図3及び図4に示すように、第3のセル13は、第1の隔壁13aと、第2の隔壁13bと、周面13cと、天面13dと、第1の孔部131と、第2の孔部132とを有する。
第1の隔壁13aは、第1のセル11に隣接する隔壁(第1のセル11と第3のセル13とを区画する画壁)である。
第2の隔壁13bは、第2のセル12に隣接する隔壁(第2のセル12と第3のセル13とを区画する画壁)である。
第1の隔壁13a及び第2の隔壁13bは、相互にy軸方向に対向している。
周面13cは、灌流培養時に第3のセル13の底部を構成する面(底面)と、x軸方向に対向する2側面とを含み、第1の隔壁13a及び第2の隔壁13bに連接して配置される。本実施形態において、第3のセル13の底面は、第1のセル11及び第2のセル12の底面と略同一平面上に形成される。また、周面13cが透光性材料により形成されることにより、光学顕微鏡や蛍光顕微鏡等による血管様構造の観察が容易になる。
天面13dは、周面13cに連接し、第1のセル11と第2のセル12とを連結する。天面13dは、z軸方向に関して、開口11a,12aの高さよりも低い位置に配置される(図4参照)。
第1の孔部131は、第1の隔壁13a及び第2の隔壁13bにそれぞれy軸方向に対向して形成された少なくとも一対の孔131aを含む。各孔131aは、第1のセル11及び第2のセル12とそれぞれ連通し、第3のセル13を貫通するように針状部材30を挿入させることが可能に構成される。
第1の孔部131は、本実施形態において、複数対(例えば2対)の孔131aを含む。これにより、1つの第3のセル13に複数本の針状部材30が挿入され、かつ複数本の流路Fが形成される。したがって、1種類の培養液に対し、複数本の血管様構造の血管新生を評価することができ、効率よく、精度のよい評価を行うことができる。
第1の孔部131は、培養液の流路Fを規定することが可能に構成される。培養装置100を用いた培養方法では、後述するように、針状部材30が第1の孔部131に挿入されている間に、針状部材30の周囲にゲル状の細胞足場材が充填される。すなわち、針状部材30の抜去後に、針状部材30が挿入されていた領域は、細胞足場材が充填されていない空隙となる。これにより、針状部材30抜去後に形成された一対の孔131a間を結ぶ管状の空隙が、培養液の灌流時の流路Fとなり得る。
第2の孔部132は、第1の隔壁13aに形成され、細胞足場材を注入するための孔として構成される。第2の孔部132は、1つの孔を有していてもよいし、本実施形態のように複数の孔132aを有していてもよい。複数の孔132aを有している場合には、各孔132aとも、細胞足場材を注入することが可能であってもよく、また少なくとも一つの孔132aが第3のセル13内の排気等の機能を担っていてもよい。
また、第2の孔部132は、本実施形態において、後述するホルダ40の細胞足場材注入口412と係合可能に構成される。これにより、細胞足場材が第1のセル11側に漏れることなく、第2の孔部132を介して第3のセル13内に注入され得る。
このような構成の培養容器10により、第1の孔部131によって第1のセル11と第2のセル12との間に培養液の流路Fが規定され、第1のセル11及び第2のセル12の一方から他方に培養液を灌流させることができる。したがって、ポンプ等の構成を用いることなく、簡易な方法で血管様構造を培養することができる。
(容器保持部材(第1の保持部材))
図5は、複数の培養容器10と容器保持部材20とを示す斜視図である。
図5及び図1に示すように、容器保持部材20は、複数の培養容器10を保持する。
容器保持部材20は、本実施形態において、少なくとも一対の孔131aがZ軸方向に対向するように複数の培養容器10を保持する。これにより、各培養容器10において、流路Fの延在方向を規定することができる。
また、容器保持部材20は、複数の培養容器10を例えばX軸方向に沿って配列させる。
容器保持部材20は、上述のような所望の姿勢及び配列で複数の培養容器10を保持できればよく、その構成は特に限定されない。
本実施形態において容器保持部材20は、各培養容器10のうち、第3のセル13の天面13d、第1のセル11及び第2のセル12にそれぞれ係合する角柱体で構成される。このような構成により、各培養容器10のX軸まわりの姿勢を規定することができる。
(針状部材)
図6は、針状部材30とホルダ40とを示す斜視図である。図7及び図8は、針状部材30を保持するホルダ40と培養容器10との相対位置関係を示す側面図である。
針状部材30は、導電性を有し、複数の培養容器10のうちの一の培養容器10の第3のセル13を貫通することが可能に構成される。具体的には、各針状部材30は、一対の孔131aに挿入される。
針状部材30は、導電性材料により形成され、針状部材30の表面30aは、例えば金(Au)により形成される。これにより、後述するように、表面30aに播種された細胞の脱離を円滑に行うことができる。
針状部材30は、例えば一軸方向(例えばZ軸方向)に延在する棒状に構成され、針状部材30の横断面(延在方向に直交する断面)は、典型的には円形で構成される。当該横断面の径は、作製する血管様構造の径に応じて適宜設定することができ、例えば0.1mm〜1.0mm程度で構成され得る。
図7及び図8に示すように、針状部材30は、第3のセル13を貫通する第1の位置と、第3のセル13から抜去される第2の位置と、の間を移動可能に構成される。なお、図7は針状部材30が第1の位置にある状態を示し、図8は針状部材30が第2の位置にある状態を示す。
(ホルダ)
図6〜図8を参照し、ホルダ40は、複数の針状部材30各々を複数の培養容器10のうちの一の培養容器10の第3のセル13に貫通させることが可能に、複数の針状部材20を保持することができる。
ホルダ40は、複数の本体41と、本体保持具42と、を有する。
本体41は、各針状部材30の変形や本体41に対する変位を防止するように、各針状部材30を保持する。すなわち本体41は、各針状部材30の本体41に対する相対的な姿勢を規定することが可能に構成される。
各本体41は、本実施形態において、それぞれ1つの培養容器10に対応するように構成され、例えば針状部材30を2本ずつ保持するように構成される。本体41は、例えば各針状部材30が挿入される孔を有していてもよい。あるいは、本体41は、図示はしないが、各針状部材30を把持することが可能なクリップなどの把持具を有していてもよい。
本体41は、細胞足場材導入口411と、細胞足場材注入口412とを有する。
細胞足場材導入口411は、第3のセル13に注入され得る細胞足場材を、本体41内に導入するための構成である。細胞足場材導入口411は、図6に示すような管状の構成であってもよく、あるいは図示はしないが、本体41に形成された開口であってもよい。
図7及び図8に示すように、細胞足場材注入口412は、第3のセル13に細胞足場材を注入するための構成である。細胞足場材注入口412は、細胞足場材導入口411から本体41内に導入された細胞足場材の排出口として構成され、細胞足場材導入口411と本体41内で連通する。
細胞足場材注入口412は、例えば第2の孔部132を介して第3のセル13に細胞足場材を注入する。細胞足場材注入口412は、例えば、第3のセル13の第2の孔部132と係合可能な突起を有していてもよいが、これに限定されず、本体41に形成された開口であってもよい。
図6に示すように、本体保持具42は、それぞれ複数の本体41を保持することが可能に構成される。本体保持具42は、各培養容器10に対応させるように各本体41の本体保持具42に対する位置を規定するとともに、各本体41の本体保持具42に対する相対的な姿勢を規定する。
上記構成のホルダ40は、本体41及び本体保持具42により、複数の針状部材30各々の延在方向を規定することができる。これにより、ホルダ40は、複数の針状部材30各々の延在方向を孔131aの対向方向であるZ軸方向に一致させるように、複数の針状部材30を保持することができる。
(移動機構)
図1を参照し、移動機構50は、複数の針状部材30各々を第1の位置と第2の位置との間で移動させることが可能に、ホルダ40を移動させる。移動機構50は、本実施形態において、各針状部材30の延在方向をZ軸方向に一致させつつ、ホルダ40の本体保持具42をZ軸方向に沿って移動させる。
ここで、ホルダ40は、複数の針状部材30が第2の位置のとき、移動機構50のトップ位置に移動されるものとし、複数の針状部材30が第1の位置のとき、移動機構50のボトム位置に移動されるものとする。
移動機構50は、図1に示すように、例えばボールねじで構成されてもよい。これにより、Z軸方向に沿った精度の高い直進運動が可能となる。また、移動機構50は、ホルダ40を上述のように移動させることができれば、構成は限定されない。
例えば、移動機構50は、本体51と、可動部材52と、載台53とを有する。
可動部材52は、ホルダ40を保持し、本体51内をZ軸方向に沿って移動することが可能に構成される。
載台53は、容器保持部材20等を配置する。本体51には、載台53に配置された容器保持部材20等の位置を固定するための構成が形成されていてもよい。このような構成としては、例えば、容器保持部材20と係合可能な突起や孔、ネジ等が挙げられる。
以上のように構成された培養装置100は、以下の培養方法で用いることができる。
[培養方法]
図9は、本実施形態に係る培養方法を説明するフローチャートであり、図10〜図20は、培養方法の各工程を説明するための図である。これらの図に沿って培養方法の各工程について説明する。
まず、針状部材30の表面30aに、下地となる細胞を播種する(ST11)。
図10に示すように、まず複数のウェル61を有する容器60を準備する。各ウェル61は、ホルダ40の各本体41とZ軸方向に対向するように配置されており、各ウェル61には、細胞を含む細胞含有液L1が収容されている。ここでいう細胞含有液L1は、例えば、細胞を培養するための液体培地に細胞を含有させた液であってもよい。
なお、ホルダ40は、複数の針状部材30を保持した状態で移動機構50のトップ位置に準備されている。
続いて、図11に示すように、各ウェル61が各本体41に対応するように容器60を移動機構50の載台53に固定する。固定の方法は特に限定されない。
そして、図12に示すように、ホルダ40を移動機構50のボトム位置に移動させ、各針状部材30を各ウェル61中の細胞含有液L1に浸漬させる。
細胞の播種は培養容器10を移動機構50に取り付けずに行われてもよい。別途用意した培養容器に細胞含有液L1を入れておき、針状部材30を浸漬し、細胞が十分吸着した後、移動機構50に取り付けてもよい。移動機構50への取り付けは細胞の乾燥を防止するため、迅速に行われることが好ましく、移動機構50に仕込まれたクランプ機構でクランプするかホルダ40と移動機構50に磁石を取り付けて磁力で取り付けてもよい。
本実施形態において、針状部材30の表面30aに播種された細胞は、電気化学的に表面30aから脱離させる。このため、表面30aに結合することが可能であり表面30aに所定の電圧が印加されることで当該結合が脱離するような化合物を用いて、細胞の播種及び脱離を行う。
図13は、細胞の播種と脱離について説明する模式図である。
図10、図11の播種の準備段階においては、各針状部材30の表面30aには、表面30aに結合することが可能な化合物Pが結合されている(図13A参照)。本実施形態において、この化合物は、オリゴペプチド(以下、単に「ペプチド」と称する)Pとすることができる。針状部材30の表面がAuで形成される場合、ペプチドPは含硫アミノ酸(例えばシステイン)を含んでいてもよい。これにより、ペプチドPのイオウ(S)と表面30aのAuとが結合を形成することができる。
そして、各針状部材30を細胞含有液L1に浸漬させることにより、各針状部材30の表面30aのペプチドPと、細胞Cとが接着され(図13B参照)、針状部材30の表面30aに、ペプチドPを介して細胞Cが播種される。
続いて、培養容器10を準備する(ST12)。なお、本工程において、培養容器10には、培養液、細胞足場材等が充填されておらず、孔111を密閉するためのプラグ112は外されている。
図14に示すように、例えば容器保持部材20に複数の培養容器10を保持させ、この容器保持部材20を移動機構50の載台53に固定する。
一方、本工程において、ホルダ40は、複数の針状部材30を保持した状態で移動機構50のトップ位置に準備されている。各針状部材30は、図8に示す第2の位置に配置されており、Z軸方向に沿って延在するようにホルダ40にセットされる。
本工程における培養容器10は、針状部材30(本体41)に対して、例えば以下のように配置される。すなわち、各培養容器10は、移動機構50にセットされた各本体41と、Z軸方向に対向するように配置される。具体的には、各培養容器10は、第3のセル13の第1の孔部131が針状部材30とZ軸方向に対向し、かつ、第3のセル13の第2の孔部132が細胞足場材注入口412とZ軸方向に対向するように配置される。
このときの各培養容器10は、例えば以下の姿勢をとるように配置される。すなわち、各培養容器10は、第1のセル11と第2のセル12とがZ軸方向に対向するようにそれぞれ配置され、さらに、対になる孔131aがZ軸方向に対向するように配置される。また、培養容器10は、第1のセル11と第2のセル12とが鉛直方向に対向する第1の姿勢で配置されている。第1の姿勢においては、各容器10は、図2A,Bに示すx軸方向がZ軸方向に向けられる。
続いて、第3のセル13を貫通するように、針状部材30を第3のセル13に挿入する(ST13)。本実施形態において、複数の針状部材30各々を、複数の培養容器10のうちの一の培養容器10の第3のセル13に挿入する。各針状部材30は、第2の位置から、第3のセル13を貫通する第1の位置へ移動する(図7参照)。また、本工程においても、培養容器10は、第1の姿勢に維持されている。
図15及び図7に示すように、本実施形態において、ホルダ40を移動機構50のボトム位置に移動させ、各針状部材30を一対の孔131aにそれぞれ挿入させる。このとき、各針状部材30は、ホルダ40及び移動機構50により姿勢と移動方向を規定されていることから、延在方向をZ軸方向に維持したままZ軸方向に移動される。
また、針状部材30が第1の位置に移動することで、図7に示すように、細胞足場材注入口412が第3のセル13の第2の孔部132に係合される。
続いて、第3のセル13の針状部材30の周囲に細胞足場材Sを充填する(ST14)。
図16に示すように、本工程では、まず、液状の細胞足場材Sを各本体41の細胞足場材導入口411に導入する。これにより、細胞足場材Sは、各本体41の内部を通り、細胞足場材注入口412から排出される。排出された細胞足場材Sは、第2の孔部132を介して第3のセル13内に充填される。
そして、細胞足場材Sをゲル化させる。細胞足場材Sをゲル化させる方法は、細胞足場材Sの性状に応じて、加温、光の照射、化学反応等、適宜選択することができる。これにより、図13Cに示すように、表面30aに播種された細胞Cがゲル状の細胞足場材Sに被覆される。
なお、本工程においても、第1のセル11が第1の姿勢に維持されている。
続いて、針状部材30から細胞足場材Sに細胞を転写する(ST15)。
本工程では、針状部材30に電圧を印加してペプチドPと表面30aとを離間させることで、針状部材30から細胞足場材Sに細胞Cを転写する。具体的には、図17に模式的に示すように、針状部材30の電位と細胞足場材Sの電位との間で電位差を生じさせるように電気回路を構築する。
なお図17では、説明のため、一つの針状部材30に対して電圧を印加しているが、全ての針状部材30を並列に接続し、すべての針状部材30に同時に同一の電圧を印加してもよい。電圧の大きさや時間等の条件も特に限定されず、例えば−1Vで5分間の電圧を印加することができる。
これにより、図13Dに示すように、針状部材30の表面30aとペプチドPとの結合が脱離し、針状部材30から細胞足場材Sに細胞Cを転写させることができる。
続いて、図18に示すように、第1のセル11と第2のセル12とが水平方向に対向する第2の姿勢となるように、培養容器10の姿勢を転換する(ST16)。第2の姿勢では、各容器10は、図2A,Bに示すz軸方向がZ軸方向に向けられる。
さらに本実施形態では、培養容器10のみならず、培養装置100全体の姿勢が転換される。
続いて、図18を参照し、第1のセル11と第2のセル12の少なくとも一方(好ましくは第2のセル12)に培養液を添加する(ST17)。次の針状部材30を抜去する工程の前に培養液を添加することで、抜去時に、流路Fに気泡が入る等の不具合を防止することができる。
本実施形態において、第1のセル11と第2のセル12の一方に培養液を添加すればよく、例えば孔111を有さない第2のセル12に培養液を添加することができる。添加される培養液の量は、例えば第3のセル13を貫通している針状部材30を十分被覆する程度の量であればよい。
また、培養容器10が第2の姿勢であるため、培養液は、開口11a及び開口12aの少なくとも一方から添加することができる。
図18及び図8を参照し、針状部材30を第3のセル13から抜去する(ST18)。本工程で針状部材30が抜去されることで、対となる孔131aによって規定される第3のセル13内の領域に、細胞足場材Sが充填されていない空隙が形成される。この空隙が、流路Fとなり得る。
本工程では、複数の培養容器10に対し、延在方向をY軸方向に一致させた複数の針状部材30を、Y軸方向に沿ってそれぞれ移動させる。このとき、複数の培養容器10は、第1のセル11と第2のセル12とがY軸方向に対向し、一対の孔131aもY軸方向に対向するようにそれぞれ配置されている。このため、Y軸方向に延在する管状の流路Fを形成することができる。
本実施形態では、針状部材30の延在方向及び移動方向がホルダ40及び移動機構50によって規定されており、培養容器10の姿勢及び位置が容器保持部材20によって規定されている。このため、ホルダ40を移動機構50のボトム位置からトップ位置に移動させるだけで、上記動作が可能となる。
最後に、第1のセル11と第2のセル12との培養液L2の液頭差に基づいて、針状部材30を抜去して形成された流路Fに培養液L2を灌流させる(ST19)。ここでいう「液頭差」とは、第1のセル11と第2のセル12に収容された培養液の鉛直方向に沿った液面の高さの差を意味する。本工程では、培養容器10を移動機構50から灌流装置200に移し、灌流装置200を用いて灌流培養する。
図19及び図20は、本工程を説明するための図であり、図19は斜視図、図20は模式的な側面図である。
これらの図に示すように、灌流装置200は、支持部材210と、駆動機構220とを有する。
支持部材210は、培養容器10を配置する。本実施形態において、支持部材210は、複数の培養容器10を配置するトレイ状に構成される。各培養容器10の第1のセル11及び第2のセル12は、水平方向(図示の例ではX軸方向)に対向して配置される。
図20に示すように、駆動機構220は、支持部材210を配置する載台221と、例えばX軸方向に沿った軸部222と、図示しない駆動部とを有する。軸部222は、例えば載台221のX軸方向に沿った中央部に配置され、載台221は、駆動部により、軸部222を中心としてY軸まわりに回動することが可能に構成される。このような駆動機構220により、複数の培養容器10をY軸まわりに回動させ、流路Fに培養液L2を灌流させることができる。
灌流装置200を用いた灌流培養は、例えば以下のように行われる。
すなわち、まず培養容器10を、水平状態から所定の回転角となるまでY軸まわりに回動させる。各培養容器10には、第1のセル11及び第2のセル12の少なくとも一方に培養液L2が添加されている。上記回動により、第1のセル11と第2のセル12との培養液L2の液頭差が生じ、高い位置まで培養液L2が添加されている方のセルから他方のセルに対し、流路Fを介して培養液L2が流入する。培養容器10が傾斜した状態を維持することにより、流路Fに培養液L2が継続的に灌流される。そして、鉛直方向上方に配置されていたセル内の培養液L2がなくなるまでに再び培養容器10を回動させることで、鉛直方向上方に配置されるセルを他方のセルに切り替えることができ、継続的に流路Fに培養液L2を灌流させることができる。
流路F中の流速は、例えば流路Fの断面積や回転角の大きさ、回転の角速度等に相関を有する。このため、主に灌流装置200の回動に関する条件を検討することで、培養容器10を用いた場合の流速を制御することができる。
ここで、生体内における血管新生は、血液からの力学的刺激などの様々な因子が関わっていることが知られている。本実施形態によれば、流路Fに継続的に培養液L2が灌流されることで、流路Fの内周面に管状に配置された細胞Cに適切な力学的刺激を与えることができ、血管新生の状態を擬似的に再現することができる。
灌流培養後、各培養容器10を第3のセル13を顕微鏡等で観察することにより、血管様構造を評価することができる。
以上、本実施形態によれば、針状部材30の周囲に予め播種された細胞Cを細胞足場材Sに転写することで、細胞Cが密に配置された管状の血管様構造を容易に作製することができる。また、針状部材30抜去時における血管様構造の破損を防止することができる。そして、2つのセル間の培養液L2の液頭差に基づいて流路Fに培養液L2を灌流することにより、灌流培養における流速を容易に制御することができ、細胞に与える力学的刺激の条件を容易に検討することができる。したがって、より長尺の血管様構造を培養することが可能となり、in vitroにおいて精度の高い血管新生の評価を行うことができる。
また、本実施形態によれば、血管様構造の大量培養が可能となる。したがって、多量の検体の評価を容易に行うことができる。
さらに、上記培養方法によれば、灌流のための煩雑な操作を不要とすることができるとともに、培養容器10内部に灌流のための装置を設置する必要がないため、コンタミネーションの可能性も低減することができる。また、灌流培養中の培養液の交換も容易になる。
以上説明した培養装置100及び培養方法は、以下のように適用され得る。
[適用例1:薬剤のスクリーニング]
培養装置100及び上記培養方法を用いて、薬剤のスクリーニングを実施することができる。
ここでいう薬剤とは、主に、血管新生を抑制又は促進する薬剤であり、具体的には血管新生を抑制する抗癌剤等を挙げることができる。
本適用例では、まずST19の灌流培養工程において、培養液にスクリーニング対象の薬剤を添加して、灌流培養を行う。本実施形態によれば、上述のようにin vitroにおいて精度の高い血管新生の評価を行うことができるため、薬剤の血管新生に対する作用を十分に検討することができる。また、大量培養が可能であることから、複数の条件や複数の薬剤を用いて、多量のスクリーニングを効率よく行うことができる。
[適用例2:血管再生治療]
培養装置100及び上記培養方法は、血管の再生治療の研究に用いられてもよい。
血管の閉塞等に対しては、従来は投薬、バルーンカテーテル又はステント等を用いた血管を拡張する治療、外科的なバイパス手術等が適用されていたが、組織工学の技術を用いて新しい血管を作り出す治療の研究が進められている。
本実施形態に係る培養装置100及び培養方法は、長尺の血管様構造を培養することができることから、このような治療の研究に用いられることも可能である。
[適用例3]
培養装置100及び上記培養方法は、再生医療における立体的組織再生の手法として用いられてもよい。細胞を用いた再生医療において立体的な大きさと形を持った組織を作るためには、組織加工と同時に酸素や栄養を供給するための血管構造を付与する必要がある。本法を用いることにより簡便に培養液を潅流可能な立体的な組織を構築することができる。例えば細胞足場材とともに肝細胞を加えることによって肝臓機能を保持した状態で立体的な組織構造を作成することが可能となる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
図21A,Bは、本実施形態の変形例に係る培養容器10A,10Bの斜視図である。
上述の実施形態では、培養容器10の第1のセル11及び第2のセル12が同一の容積を有する略直方体状であると説明したが、これに限定されない。
図21Aに示すように、例えば、第1のセル11A及び第2のセル12Aが、いずれもチューブ状に構成されてもよい。第1のセル11A及び第2のセル12Aの材料は、例えばシリコーン樹脂等の変形可能な材料で形成されていてもよい。第1のセル11A及び第2のセル12Aの横断面形状も、円形状、楕円形状、矩形状等、特に限定されない。また、第3のセル13Aもチューブ状に構成されていてもよく、例えばガラス、透光性を有する樹脂(例えばアクリル樹脂)等の材料で構成されていてもよい。図示はしないが、第3のセル13Aは、第1の隔壁、第2の隔壁、第1の孔部等を含む。
また図21Bに示すように、第1のセル11B及び第2のセル12Bの容積が異なっていてもよい。図示はしないが、第3のセル13Bは、第1の隔壁、第2の隔壁、第1の孔部等を含む。
図22A,Bは、図21Bに示す培養容器10Bの第3のセル13Bに対して針状部材30を挿入する際の模式的な図である。
図22Aに示すように、第1のセル11Bが第3のセル13Bと着脱自在に構成され、第1のセル11Bを外して第3のセル13Bに針状部材30を挿入してもよい。
あるいは、図22Bに示すように、第1のセル11Bを接続した状態の第3のセル13Bに針状部材30を挿入してもよい。
培養容器10Bを用いても、第1のセル11Bと第2のセル12Bの培養液L2の液頭差に基づいて、灌流培養をすることができる。
図23〜図25は、培養容器10Bを灌流培養する際の模式的な図である。
図23に示すように、灌流装置200と同様に、第3のセル13Bを挟んで第1のセル11Bと第2のセル12Bとが対向するZ軸方向に直交する軸まわりに培養容器10Bを回動させる灌流装置200Aを用いることができる。灌流装置200Aは、載台221Aと、軸部222Aとを有する。この場合、図24に示すように、培養容器10Bの第3のセル13Bの軸芯が、例えば灌流装置200Aの載台221Aの平面に対して直交していてもよいし、あるいは、灌流装置200Aの載台221Aの平面に対してX軸まわりに所定の角度で傾斜していてもよい。培養容器10Bを上記のように載台221Aに対してX軸まわりに傾斜して配置することで、第3のセル13B内の静水圧上昇を招くこと無く、セル13Bを流れる培養液の流量も十分確保する事ができる。
あるいは、図25に示すように、第1の軸部210Bと、第2の軸部220Bと、培養容器20Bを把持する把持部材230Bとを有する灌流装置200Bを用いてもよい。第1の軸部210Bは、Y軸方向に沿って配置されている。第2の軸部220Bは、第1の軸部210B上に、X軸方向に沿って配置されている。把持部材230Bは、第2の軸部220Bに取り付けられており、培養容器10Bを把持する。このような構成の灌流装置200Bによっても、第1の軸部210B(Y軸)まわりに培養容器10Bを回動させることで、灌流培養をすることができる。
図26は、培養容器の他の変形例を示す図である。同図に示すように、培養容器10Cは、第1のセル11C、第2のセル12C、及び第3のセル13Cを有する。培養容器10Cは、例えば全体が透光性材料により形成され、内部に培養容器10Bと同様の位置関係の各容器11C,12C,13Cが形成されている。このような構成によっても、培養容器10と同様の作用効果を得ることができる。
また、上述の培養方法においては、ST17で培養液を添加してからST18で針状部材30を抜去すると説明したが、これに限定されない。例えば、針状部材30を抜去した後、培養液を添加してもよい。あるいは、針状部材抜去前には、培養液ではなく緩衝液や生理食塩水等を添加し、針状部材を抜去し、その後、これらの溶液を培養液と入れ替えてもよい。
また、上述の培養方法においては、ST16で姿勢を転換すると説明したが、これに限定されない。例えば、Z軸方向及びX軸方向が水平方向を示し、Y軸方向が鉛直方向を示すような姿勢で、ST13の針状部材30を第3のセル13に挿入する工程を行い、ST14以降も、同一の姿勢で各工程を行ってもよい。あるいは、上述のように針状部材30抜去前に培養液を添加しない場合は、針状部材30抜去後に姿勢を転換してもよい。
また、培養容器10の第3のセル13が、細胞足場材を注入するための第2の孔部132を有すると説明したが、第3のセル13内に細胞足場材を注入できる構成であればこれに限定されない。また、ホルダ40の本体41を介して細胞足場材を注入する構成にも限定されず、別途の装置又は器具を用いて細胞足場材を注入してもよい。
10…培養容器
11…第1のセル
12…第2のセル
13…第3のセル
13a…第1の隔壁
13b…第2の隔壁
131…第1の孔部
131a…孔
132…第2の孔部
20…容器保持部材(第1の保持部材)
30…針状部材
30a…表面
40…ホルダ(第2の保持部材)
50…移動機構
100…培養装置

Claims (11)

  1. 培養液を収容することが可能な第1のセルと、前記培養液を収容することが可能な第2のセルと、前記第1のセル及び前記第2のセルを接続する第3のセルと、を有する複数の培養容器と、
    前記第3のセルを貫通する第1の位置と、前記第3のセルから抜去される第2の位置と、の間を移動可能に構成された複数の針状部材と、
    前記複数の培養容器を保持する第1の保持部材と、
    前記複数の針状部材各々を前記複数の培養容器のうちの一の培養容器の前記第3のセルに貫通させることが可能に、前記複数の針状部材を保持する第2の保持部材と
    を具備し、
    前記第3のセルは、
    前記第1のセルに隣接する第1の隔壁と、
    前記第2のセルに隣接する第2の隔壁と、
    前記第1の隔壁及び前記第2の隔壁にそれぞれ対向して形成され前記第1のセル及び前記第2のセルとそれぞれ連通する少なくとも一対の孔を含み、前記培養液の流路を規定することが可能な第1の孔部と、
    を有し、前記流路の周囲に細胞足場材が充填されることが可能であり、
    前記複数の針状部材各々は、前記第1の位置で前記第1の孔部に挿入される
    培養装置。
  2. 請求項に記載の培養装置であって、
    前記複数の針状部材各々を前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させることが可能に、前記第2の保持部材を移動させる移動機構
    をさらに具備する培養装置。
  3. 請求項に記載の培養装置であって、
    前記第1の保持部材は、前記少なくとも一対の孔が一軸方向に対向するように前記複数の培養容器を保持し、
    前記第2の保持部材は、前記複数の針状部材各々の延在方向を前記一軸方向に一致させるように前記複数の針状部材を保持し、
    前記移動機構は、前記第2の保持部材を前記一軸方向に沿って前記第2の保持部材を移動させる
    培養装置。
  4. 請求項1から3のうちいずれか一項に記載の培養装置であって、
    前記第3のセルは、前記第1の隔壁及び前記第2の隔壁に連接して配置される周面と、前記周面に連接して配置される天面を有する
    培養装置。
  5. 培養液を収容することが可能な第1のセルと、前記培養液を収容することが可能な第2のセルと、前記第1のセル及び前記第2のセルを接続する第3のセルと、を有する培養容器を用いた培養方法であって、
    下地となる細胞が表面に播種された針状部材を、前記第3のセルを貫通するように前記第3のセルに挿入し、
    前記第3のセルの前記針状部材の周囲に細胞足場材を充填し、
    前記針状部材から前記細胞足場材に前記細胞を転写し、
    前記第1のセルと前記第2のセルの少なくとも一方に培養液を添加し、
    前記針状部材を前記第3のセルから抜去し、
    前記第1のセルと前記第2のセルとの前記培養液の液頭差に基づいて、前記針状部材を抜去して形成された流路に前記培養液を灌流させる
    培養方法。
  6. 請求項に記載の培養方法であって、
    前記培養液を添加する工程は、
    前記第1のセルと前記第2のセルの少なくとも一方に緩衝液を添加し、
    前記針状部材を前記第3のセルから抜去した後、前記緩衝液を培養液と入れ替える
    培養方法。
  7. 請求項又はに記載の培養方法であって、
    前記培養容器は、複数の培養容器を有し、
    前記針状部材は、複数の針状部材を有し、
    前記針状部材を前記第3のセルに挿入する工程では、前記複数の針状部材各々を、前記複数の培養容器のうちの一の培養容器の前記第3のセルに挿入する
    培養方法。
  8. 請求項に記載の培養方法であって、
    前記針状部材を前記第3のセルから抜去する工程では、前記第1のセルと前記第2のセルとが一軸方向に対向するようにそれぞれ配置された前記複数の培養容器に対し、延在方向を前記一軸方向に一致させた前記複数の針状部材を、前記一軸方向に沿ってそれぞれ移動させる
    培養方法。
  9. 請求項又はに記載の培養方法であって、
    前記流路に前記培養液を灌流させる工程では、前記第1のセルと前記第2のセルとが一軸方向に対向するように前記複数の培養容器をそれぞれ配置し、前記一軸方向と直交する軸まわりに前記複数の培養容器を回動させることにより、前記流路に前記培養液を灌流させる
    培養方法。
  10. 請求項からのうちいずれか一項に記載の培養方法であって、
    前記針状部材には、前記表面に結合することが可能な化合物を介して前記細胞が播種されており、
    前記細胞を転写する工程では、前記針状部材に電圧を印加して前記化合物と前記表面とを離間させることで、前記針状部材から前記細胞足場材に前記細胞を転写する
    培養方法。
  11. 請求項から10のうちいずれか一項に記載の培養方法であって、
    前記針状部材を前記第3のセルに挿入する工程では、前記第1のセルと前記第2のセルとが鉛直方向に対向する第1の姿勢の前記培養容器に、前記針状部材の延在方向が鉛直方向に一致するように前記針状部材を挿入し、
    前記培養液を添加する工程では、前記第1のセルと前記第2のセルとが水平方向に対向する第2の姿勢の前記培養容器に、前記培養液を添加する
    培養方法。
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