JP6750613B2 - プリノン誘導体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、医薬品の製造中間体または医薬品原薬として有用なプリノン誘導体の製造方法に関する。とりわけ、6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オンを、工業的生産スケールであっても反応収率良く提供できる製造方法に関する。
6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン(以下、本化合物と略記することがある。)に代表されるプリノン誘導体は、Btk阻害活性を有し、B細胞リンパ腫等の予防および/または治療剤として有用な医薬品として知られている(特許文献1または2参照)。
本化合物を医薬品原薬として提供するにあたり、種々の製造方法が検討されてきた。例えば、特許文献2の実施例1〜9に記載の本化合物の製造方法(以下、公知製法と略記することがある。)が知られている。しかしながら、公知製法には、以下の4つの課題がある。すなわち、(1)出発物質である4,6−ジクロロ−5−ニトロピリミジンに潜在的な爆発性があること、(2)高価な原料であるtert−ブチル (3R)−3−アミノピロリジン−1−カルボキシラートを合成ルートの初期段階で使用しているため合成コストが高価であること、(3)アミノ基を導入する原料としてジベンジルアミンを用いているため分子効率が悪いこと、(4)合成途中で経由するp−フェノキシフェニルホウ酸を用いたウルマン縮合では本化合物の合成量の増加に伴い反応収率の低下が見られること等の課題があることが分かった。公知製法には、このような課題があることから、本化合物を工業的生産スケールで製造するにあたり、合成コストが高価となることに加え、反応収率が低下することが考えられた。そこで、公知製法の課題を解決した、合成コストが安価であり、反応収率が高く、かつ安定的に供給可能な工業的生産スケールに適した本化合物の製造方法が望まれていた。
国際公開第2011/152351号パンフレット 国際公開第2013/081016号パンフレット
本発明の課題は、公知製法の種々の課題を解決し得る工業的生産スケールに適した本化合物の製造方法、および当該製造方法に適した新規中間体を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、出発物質を変更し、ウルマン縮合を回避する等の改良を加えることにより、驚くべきことにこれらの課題を解決した本化合物の製造方法を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
[1] 一般式(H)
Figure 0006750613
(式中、R1は(1)ハロゲン原子、(2)C1〜4アルキル基、(3)C1〜4アルコキシ基、(4)C1〜4ハロアルキル基、または(5)C1〜4ハロアルコキシ基を表し、R2は(1)ハロゲン原子、(2)C1〜4アルキル基、(3)C1〜4アルコキシ基、(4)ニトリル、(5)C1〜4ハロアルキル基、または(6)C1〜4ハロアルコキシ基を表し、ring1はアゼチジン、ピロリジン、またはピペリジン環を表し、mは0〜4の整数を表し、nは0〜5の整数を表す。)で示される化合物、またはその塩を製造する方法であって、下記工程(iv)〜(vii):
工程(iv):一般式(D)
Figure 0006750613
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその塩を用いて、塩基の存在下、一般式(a)
Figure 0006750613
(式中、ring1は前記と同じ意味を表し、Bocはtert−ブトキシカルボニル基を表す。)で示される化合物、またはその塩と反応に付した後、アルカリ加水分解を行うことによって、一般式(E)
Figure 0006750613
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその塩を製造する工程、
工程(v):工程(iv)で得られた一般式(E)で示される化合物、またはその塩を用いて、塩基の存在下、1,1’−カルボニルジイミダゾールと反応に付し、一般式(F)
Figure 0006750613
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその塩を製造する工程、
工程(vi):工程(v)で得られた一般式(F)で示される化合物、またはその塩を用いて、保護されたアミン、またはその塩と反応に付し、一般式(G)
Figure 0006750613
(式中、R15およびR16はそれぞれ独立して、水素原子、ベンジルオキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、1−メチル−1−(4−ビフェニル)エトキシカルボニル基、トリフルオロアセチル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、ベンジルオキシメチル基、または2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基を表し、ただしR15およびR16は同時に水素原子を表さず、その他の記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその塩を製造する工程、
工程(vii):工程(vi)で得られた一般式(G)で示される化合物、またはその塩を用いて、脱保護反応に付し、上記一般式(H)で示される化合物、またはその塩を製造する工程;
を含む製造方法、
[2] 一般式(D)
Figure 0006750613
(式中、R1は(1)ハロゲン原子、(2)C1〜4アルキル基、(3)C1〜4アルコキシ基、(4)C1〜4ハロアルキル基、または(5)C1〜4ハロアルコキシ基を表し、R2は(1)ハロゲン原子、(2)C1〜4アルキル基、(3)C1〜4アルコキシ基、(4)ニトリル、(5)C1〜4ハロアルキル基、または(6)C1〜4ハロアルコキシ基を表し、mは0〜4の整数を表し、nは0〜5の整数を表す。)で示される化合物またはその塩を製造する方法であって、下記工程(i)〜(iii):
工程(i):臭化物塩、相間移動触媒、および塩基の存在下、一般式(A)
Figure 0006750613
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその塩を、ハロマロン酸ジエステル化合物と反応に付し、一般式(B)
Figure 0006750613
(式中、R3およびR4はそれぞれ独立して、C1〜3アルコキシ基を表し、その他の記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその塩を製造する工程、
工程(ii):工程(i)で得られた一般式(B)で示される化合物、またはその塩を用いて、塩基の存在下、ホルムアミジン塩と反応に付し、一般式(C)
Figure 0006750613
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその塩を製造する工程、
工程(iii):工程(ii)で得られた一般式(C)で示される化合物、またはその塩を用いて、N,N−ジメチルホルムアミドの存在下、オキシ塩化リンと反応に付し、上記一般式(D)で示される化合物、またはその塩を製造する工程;
を含む製造方法、
[3] 一般式(I)
Figure 0006750613
(式中、R1は(1)ハロゲン原子、(2)C1〜4アルキル基、(3)C1〜4アルコキシ基、(4)C1〜4ハロアルキル基、または(5)C1〜4ハロアルコキシ基を表し、R2は(1)ハロゲン原子、(2)C1〜4アルキル基、(3)C1〜4アルコキシ基、(4)ニトリル、(5)C1〜4ハロアルキル基、または(6)C1〜4ハロアルコキシ基を表し、R5は(1)NR6R7、(2)ハロゲン原子、(3)CONR8R9、(4)CO2R10および(5)OR11からなる群より選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい、C2〜4アルケニル基またはC2〜4アルキニル基を表し、ring1はアゼチジン、ピロリジン、またはピペリジン環を表し、mは0〜4の整数を表し、nは0〜5の整数を表す。)で示される化合物、またはその塩を製造する方法であって、
下記工程(viii):
工程(viii):請求項1記載の一般式(H)で示される化合物、またはその塩を用いて、2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスホリナン−2,4,6−トリオキシドの存在下、一般式(b)
Figure 0006750613
(式中、R5は前記と同じ意味を表し、R6およびR7はそれぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)OR12またはCONR13R14で置換されていてもよいC1〜4アルキル基を表し、R6およびR7は結合する窒素原子と一緒になって、オキソ基または水酸基で置換されていてもよい4〜7員の含窒素飽和ヘテロ環を形成してもよく、R8およびR9はそれぞれ独立して(1)水素原子、(2)C1〜4アルキル基、または(3)フェニル基を表し、R10は(1)水素原子、または(2)C1〜4アルキル基を表し、R11は(1)水素原子、(2)C1〜4アルキル基、(3)フェニル基、または(4)ベンゾトリアゾリル基を表し、R12は(1)水素原子、または(2)C1〜4アルキル基を表し、R13およびR14はそれぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜4アルキル基を表す。)で示される化合物、またはその塩とアミド化反応に付し、上記一般式(I)で示される化合物、またはその塩を製造する工程;
を含む製造方法、
[4] 前記[3]記載の一般式(I)で示される化合物、またはその塩を製造する方法であって、
前記[2]記載の工程(i)〜(iii)に従って、一般式(A)で示される化合物、またはその塩から、一般式(D)で示される化合物、またはその塩を製造し、
前記[1]記載の工程(iv)〜(vii)に従って、前記一般式(D)で示される化合物、またはその塩から、一般式(H)で示される化合物、またはその塩を製造し、
前記[3]記載の工程(viii)に従って、前記一般式(H)で示される化合物、またはその塩から、前記一般式(I)で示される化合物を製造することを含む製造方法、
[5] 一般式(I)で示される化合物が、6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オンである前記[3]または[4]に記載の製造方法、
[6] N−(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)−N−(4−フェノキシフェニル)ホルムアミド、
[7] tert−ブチル (3R)−3−[6−(ベンジルアミノ)−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル]ピロリジン−1−カルボキシラート、
[8] 6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オンを製造するためのN−(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)−N−(4−フェノキシフェニル)ホルムアミドの使用、および
[9] 6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オンを製造するためのtert−ブチル (3R)−3−[6−(ベンジルアミノ)−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル]ピロリジン−1−カルボキシラートの使用等に関する。
本発明によれば、出発物質を変更することにより、ウルマン縮合を回避することが可能となり、安全に、反応収率が高く、安定的に本化合物を供給できることから、本発明は医薬品原薬である本化合物の工業生産性の観点から極めて有用な製造方法となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、本化合物とは、下記式
Figure 0006750613
で示される化合物、6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オンを意味する。
本発明において、工程(i)とは、臭化物塩、相間移動触媒、および塩基の存在下、一般式(A)
Figure 0006750613
(式中、R1は(1)ハロゲン原子、(2)C1〜4アルキル基、(3)C1〜4アルコキシ基、(4)C1〜4ハロアルキル基、または(5)C1〜4ハロアルコキシ基を表し、R2は(1)ハロゲン原子、(2)C1〜4アルキル基、(3)C1〜4アルコキシ基、(4)ニトリル、(5)C1〜4ハロアルキル基、または(6)C1〜4ハロアルコキシ基を表し、mは0〜4の整数を表し、nは0〜5の整数を表す。)で示される化合物、またはその塩を、ハロマロン酸ジエステル化合物と反応に付し、一般式(B)
Figure 0006750613
(式中、R3およびR4はそれぞれ独立して、C1〜3アルコキシ基を表し、その他の記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその塩を製造する工程を意味する。
工程(i)における反応には、当業者にとって明らかなように、適切な溶媒(例えば、水、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、トルエン、ベンゼン、エタノール、メタノール、2−プロパノール)を用いてもよい。
工程(i)において、臭化物塩としては、例えば、臭化カリウム、臭化ナトリウム、臭化リチウムが挙げられる。
工程(i)において、相間移動触媒としては、例えば、臭化テトラブチルアンモニウム(TBAB)、臭化トリブチルメチルアンモニウム、臭化ベンジルトリメチルアンモニウム、臭化フェニルトリブチルアンモニウム、臭化ベンジルトリエチルアンモニウム、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム、臭化ドデシルエチルジメチルアンモニウム、臭化ミリスチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、硫酸水素ブチルアンモニウムが挙げられ、TBABが好ましい。
工程(i)における塩基としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、フッ化カリウム、酢酸ナトリウム、トリエチルアミン、N−エチル−N,N−ジイソプロピルアミン、N,N−ジメチルアニリンが挙げられ、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムが好ましい。
工程(i)において、ハロマロン酸ジエステル化合物としては、例えば、クロロマロン酸ジメチル、クロロマロン酸ジエチル、ブロモマロン酸ジメチル、ブロモマロン酸ジエチルが挙げられる。
本発明において、工程(ii)とは、前記工程(i)で得られた一般式(B)で示される化合物、またはその塩を用いて、塩基の存在下、ホルムアミジン塩と反応に付し、一般式(C)
Figure 0006750613
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその塩を製造する工程を意味する。
工程(ii)における反応には、当業者にとって明らかなように、適切な有機溶媒(例えば、アセトニトリル、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、トルエン、キシレン、ベンゼン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン)を用いてもよい。
工程(ii)における塩基としては、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドが挙げられ、ナトリウムメトキシドが好ましい。
工程(ii)におけるホルムアミジン塩としては、例えば、ホルムアミジン酢酸塩、ホルムアミジン塩酸塩、ホルムアミジン臭化水素塩、ホルムアミジンヨウ化水素塩が挙げられ、ホルムアミジン酢酸塩が好ましい。
本発明において、工程(iii)とは、前記工程(ii)で得られた一般式(C)で示される化合物、またはその塩を用いて、N,N−ジメチルホルムアミドの存在下、オキシ塩化リンと反応に付し、一般式(D)
Figure 0006750613
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその塩を製造する工程を意味する。
工程(iii)における反応には、当業者にとって明らかなように、適切な有機溶媒(例えば、トルエン、ベンゼン、クロロホルム)を用いてもよい。
本発明において、工程(iv)とは、前記工程(iii)で得られた一般式(D)で示される化合物、またはその塩を用いて、塩基の存在下、一般式(a)
Figure 0006750613
(式中、ring1はアゼチジン、ピロリジン、またはピペリジン環を表し、Bocはtert−ブトキシカルボニル基を表す。)で示される化合物、またはその塩と反応に付した後、アルカリ加水分解を行うことによって、一般式(E)
Figure 0006750613
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその塩を製造する工程を意味する。
工程(iv)における反応には、当業者にとって明らかなように、適切な有機溶媒(例えば、2−プロパノール、メタノール、エタノール、1−ブタノール、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル)を用いてもよい。
工程(iv)における塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N−エチル−N,N−ジイソプロピルアミン、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムが挙げられ、トリエチルアミンが好ましい。
工程(iv)におけるアルカリ加水分解の溶媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムを用いてもよい。
本発明において、工程(v)とは、前記工程(iv)で得られた一般式(E)で示される化合物、またはその塩を用いて、塩基の存在下、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)と反応に付し、一般式(F)
Figure 0006750613
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその塩を製造する工程を意味する。
工程(v)における反応には、当業者にとって明らかなように、適切な有機溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル)を用いてもよい。
工程(v)における塩基としては、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、トリエチルアミン、N−エチル−N,N−ジイソプロピルアミンが挙げられ、DBUが好ましい。
本発明において、工程(vi)とは、前記工程(v)で得られた一般式(F)で示される化合物、またはその塩を用いて、保護されたアミン、またはその塩と反応に付し、一般式(G)
Figure 0006750613
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその塩を製造する工程を意味する。
工程(vi)における反応には、当業者にとって明らかなように、無溶媒か、適切な有機溶媒(例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ブタノール、2−プロパノール)を用いてもよい。
工程(vi)における保護されたアミンとは、NHR15R16(R15およびR16は前記と同じ意味を表す。)を意味する。例えば、ベンジルアミンが挙げられる。
本発明において、工程(vii)とは、前記一般式(G)で示される化合物、またはその塩を用いて、脱保護反応に付し、一般式(H)
Figure 0006750613
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその塩を製造する工程を意味する。
工程(vii)における脱保護反応としては、酸条件下での脱保護反応およびパラジウム触媒の存在下、加水素分解による脱保護反応を意味する。
工程(vii)において、酸条件下での脱保護反応は、有機溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ジオキサン、酢酸エチル、メタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、アニソール)中、有機酸(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トシル酸)、または無機酸(例えば、塩酸、硫酸)もしくはこれらの混合物(例えば、臭化水素/酢酸)中、2,2,2−トリフルオロエタノールの存在下または非存在下、0〜100℃で行なわれる。
工程(vii)において、加水素分解による脱保護反応は、例えば溶媒(例えば、エーテル系(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチルエーテル等)、アルコール系(例えば、メタノール、エタノール)、ベンゼン系(例えば、ベンゼン、トルエン)、ケトン系(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、アミド系(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)、水、酢酸エチル、酢酸またはそれらの2以上の混合溶媒)中、パラジウム触媒(例えば、パラジウム−炭素、パラジウム黒、水酸化パラジウム−炭素)の存在下、有機酸(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸)、または無機酸(例えば、塩酸、硫酸、臭化水素酸、リン酸)もしくはこれらの混合物(例えば、臭化水素/酢酸)の存在下または非存在下、常圧または加圧下の水素雰囲気下またはギ酸アンモニウム存在下、0〜200℃で行なわれる。
本発明において、工程(viii)とは、前記一般式(H)で示される化合物、またはその塩を用いて、一般式(b)
Figure 0006750613
(式中、R5は(1)NR6R7、(2)ハロゲン原子、(3)CONR8R9、(4)CO2R10および(5)OR11からなる群より選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい、C2〜4アルケニル基またはC2〜4アルキニル基を表し、R6およびR7はそれぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)OR12またはCONR13R14で置換されていてもよいC1〜4アルキル基を表し、R6およびR7は結合する窒素原子と一緒になって、オキソ基または水酸基で置換されていてもよい4〜7員の含窒素飽和ヘテロ環を形成してもよく、R8およびR9はそれぞれ独立して(1)水素原子、(2)C1〜4アルキル基、または(3)フェニル基を表し、R10は(1)水素原子、または(2)C1〜4アルキル基を表し、R11は(1)水素原子、(2)C1〜4アルキル基、(3)フェニル基、または(4)ベンゾトリアゾリル基を表し、R12は(1)水素原子、または(2)C1〜4アルキル基を表し、R13およびR14はそれぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜4アルキル基を表す。)で示される化合物、またはその塩とアミド化反応に付し、一般式(I)
Figure 0006750613
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその塩を製造する工程を意味する。
工程(viii)におけるアミド化反応としては、縮合剤を用いる方法が好適である。縮合剤を用いる方法は、例えば、一般式(b)で示されるカルボン酸化合物と一般式(H)で示されるアミン化合物を、有機溶媒(例えば、アセトニトリル、クロロホルム、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ピリジン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル)中、または無溶媒で、塩基(例えば、N−メチルモルホリン、ピリジン、トリエチルアミン、N−エチル−N,N−ジイソプロピルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン)の存在下または非存在下、縮合剤(例えば、2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスホリナン−2,4,6−トリオキシド(PPACA)、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMT−MM)、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩(BOP)、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩(PyBOP)、O−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(HATU)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(HBTU)、1−エチル−3−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド(EDC)、N,N−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨウ素、2−クロロ−4,6−ジメトキシトリアジン(DMT))を用い、1−ヒドロキシベンズトリアゾール(HOBt)を用いるか用いないで、0〜40℃で反応させることにより行なわれる。とりわけ、塩基としてN−メチルモルホリン、縮合剤としてPPACAを用いることが好ましい。
本明細書において、本発明の製造方法とは、上記の工程(i)〜(viii)のうち一つまたは連続する二つ以上の工程を実施することにより、本化合物またはその任意の製造中間体化合物を製造するあらゆる方法を包含するが、特に以下の製造方法を含むものとする。
(1)上記の一般式(A)で示される化合物、またはその塩を用いて、上記の工程(i)→工程(ii)→工程(iii)を順に実施することにより、本化合物の製造中間体化合物を含む一般式(D)で示される化合物、またはその塩を製造する方法。
(2)上記の一般式(D)で示される化合物、またはその塩を用いて、工程(vi)→工程(v)→工程(vi)→工程(vii)を順に実施することにより、本化合物の製造中間体化合物を含む一般式(H)で示される化合物、またはその塩を製造する方法。
(3)上記の一般式(H)で示される化合物、またはその塩を用いて、工程(viii)を実施することにより、本化合物を含む一般式(I)で示される化合物、またはその塩を製造する方法。
(4)上記の一般式(A)で示される化合物、またはその塩を用いて、上記の工程(i)〜(viii)を順に実施することにより、本化合物を含む一般式(I)で示される化合物、またはその塩を製造する方法。
ここで、本化合物、一般式(I)で示される化合物およびその任意の製造中間体化合物は、必要に応じて、常法にしたがって塩に変換してもよい。
本発明において、ring1としてはピロリジン、またはピペリジン環が好ましい。
本発明において、「保護されたアミン」としては、ベンジルアミンが好ましい。
本発明において、各工程で製造できる中間体はいずれも好ましく、一般式(D)で示される化合物、一般式(G)で示される化合物がより好ましい。一般式(D)で示される化合物としては、N−(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)−N−(4−フェノキシフェニル)ホルムアミドが好ましい。一般式(G)で示される化合物としては、tert−ブチル (3R)−3−[6−(ベンジルアミノ)−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル]ピロリジン−1−カルボキシラートが好ましい。また、一般式(I)としては、6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オンが好ましい。
本発明の製造方法は、上記した本化合物に限定されることなく、例えば、特許文献1に記載の実施例にも適用することができる。例えば、特許文献1に記載の実施例8、実施例8(1)〜8(13)、実施例8(15)〜8(17)、および実施例8(20)は、本発明の一般式(I)で示される化合物に含まれることから、当業者にとって明らかなように、当該化合物群についても本発明の製造方法を適用することができる。
本発明においては、特に断わらない限り、当業者にとって明らかなように記号:
Figure 0006750613
は紙面の向こう側(すなわちα−配置)に結合していることを表し、記号:
Figure 0006750613
は紙面の手前側(すなわちβ−配置)に結合していることを表し、
記号:
Figure 0006750613
はα配置、β配置またはそれらの任意の比率の混合物であることを表す。
本発明において、塩としては、薬学的に許容される塩が好ましく、例えば、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム等)の塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム塩、薬学的に許容される有機アミン(トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、リジン、アルギニン、N−メチル−D−グルカミン等)の塩、酸付加物塩(無機酸塩(塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等)、有機酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、グルコン酸塩等)等が挙げられる。
以下、実施例によって本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
クロマトグラフィーによる分離の箇所およびTLCに示されているカッコ内の溶媒は、使用した溶出溶媒または展開溶媒を示し、割合は体積比を表す。
NMRデータは特に記載しない限り、1H−NMRのデータである。
NMRの箇所に示されているカッコ内は測定に使用した溶媒を示す。
本明細書中に用いた化合物名は、一般的にIUPACの規則に準じて命名を行なうコンピュータプログラム、Advanced Chemistry Development社のACD/Name(登録商標)を用いるか、または、IUPAC命名法に準じて命名したものである。
実施例1:ジエチル [(4−フェノキシフェニル)アミノ]プロパンジアート
臭化ナトリウム(204.4kg)の水(219L)溶液に、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム(40kg)、炭酸水素ナトリウム(114.7kg)、クロロマロン酸ジエチル(290.1kg)と4−フェノキシアニリン(CAS登録番号:139−59−3)(230.0kg)を加え、75℃で13時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(230L)を加えた後、撹拌しながら3.6%塩酸(460L)を加えた。有機層にエタノール(690L)を加え、結晶が析出後、50℃で30分間熟成した。水(437L)を加え、5℃に冷却して2時間熟成した。得られた結晶はろ取し、75%エタノール水溶液、水、75%エタノール水溶液で順次洗浄し、60℃で減圧乾燥することで下記物性値を有する標題化合物(402.8kg)を得た。
TLC:Rf 0.49(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)。
実施例2:5−[(4−フェノキシフェニル)アミノ]ピリミジン−4,6−ジオール
実施例1で製造した化合物(200.5kg)、ホルムアミジン酢酸塩(66.9kg)、及びメタノール(501L)の混合物を5℃以下に冷却し、28%ナトリウムメトキシド/メタノール溶液(405.5kg)を加えた。40℃で2時間撹拌した後、水(301L)を加え、10%塩酸でpH8付近に調整した。アセトニトリル(201L)を加えて60℃に加熱し、10%塩酸でpH4〜5に調整して1時間熟成した。得られた結晶はろ取し、90%メタノール水溶液、水、90%メタノール水溶液で順次洗浄し、75℃で減圧乾燥することで下記物性値を有する標題化合物(149.3kg)を得た。
TLC:Rf 0.35(酢酸エチル:メタノール:酢酸=9:1:0.1)。
実施例3:N−(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)−N−(4−フェノキシフェニル)ホルムアミド
Figure 0006750613
オキシ塩化リン(385.6kg)のトルエン(37L)溶液を冷却し、50℃以下でN,N−ジメチルホルムアミド(110.3kg)を加えた。次いで実施例2で製造した化合物(148.5kg)を加え、90℃で4時間撹拌した。別の反応釜に水(1040L)を入れ、40℃でpH1付近を保ちながら上記反応混合物と35%炭酸カリウム水溶液を同時に加えた。さらに35%炭酸カリウム水溶液を加えてpH2〜3に調整し、2時間熟成した。得られた結晶はろ取し、水と2−プロパノールで順次洗浄し、50℃で減圧乾燥することで下記物性値を有する標題化合物(163.1kg)を得た。
TLC:Rf 0.40(ヘキサン:酢酸エチル=3:1);
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6):δ 9.06, 8.89, 7.45-7.33, 7.20-7.13, 7.10-7.00。
実施例4:tert−ブチル (3R)−3−({6−クロロ−5−[(4−フェノキシフェニル)アミノ]ピリミジン−4−イル}アミノ)ピロリジン−1−カルボキシラート
Figure 0006750613
実施例3で製造した化合物(163.0kg)、2−プロパノール(489L)とトリエチルアミン(68.7kg)の混合物を55℃に加熱し、tert−ブチル (3R)−3−アミノピロリジン−1−カルボキシラート(CAS登録番号:147081−49−0)(101.2kg)を加えた。4時間撹拌した後、1.5mol/L水酸化ナトリウム水溶液(702.8kg)を加えて50℃で2時間撹拌した。室温に冷却して水層を抜き出し、有機層にトルエン(653L)を加え、1mol/L塩酸を加えて水層のpHを2付近に調整した。有機層を20%食塩水(163L)と8%重曹水(82L)の混液で洗浄し、溶媒留去することで下記物性値を有する標題化合物(218.1kg)を得た。
TLC:Rf 0.45(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)。
実施例5:tert−ブチル (3R)−3−[6−クロロ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル]ピロリジン−1−カルボキシラート
Figure 0006750613
実施例4で製造した化合物(218.1kg)、トルエン(436L)と1,1’−カルボニルジイミダゾール(78.5kg)の混合物に1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ―7−エン(DBU)(6.86kg)を加え、45℃に加熱して2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却した後、5%食塩水(872L)、2mol/L塩酸(872L+436L)、20%食塩水(327L)と8%重曹水(109L)の混液で順次洗浄し、溶媒留去することで下記物性値を有する標題化合物(229.9kg)を得た。
TLC:Rf 0.56(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)。
実施例6:tert−ブチル (3R)−3−[6−(ベンジルアミノ)−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル]ピロリジン−1−カルボキシラート
Figure 0006750613
実施例5で製造した化合物(229.9kg)とベンジルアミン(242.1kg)の混合物を115℃に加熱して7時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、水(345L)を加えてトルエン(690L)で抽出した。有機層に1mol/L塩酸を加えて水層のpHを2付近に調整し、水層を分離した。有機層を8.5%食塩水(298L)で洗浄し、溶媒留去することで下記物性値を有する標題化合物(261.9kg)を得た。
TLC:Rf 0.35(ヘキサン:酢酸エチル=1:1);
1H-NMR (CDCl3):δ 8.36-8.28, 7.45-7.25, 7.24-7.13, 7.10-6.95, 5.23-5.06, 4.64, 4.30-4.21, 4.06-3.90, 3.88-3.68, 3.55-3.35, 3.05-2.80, 2.33-2.15, 1.53-1.43。
実施例7:6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−9−[(3R)−ピロリジン−3−イル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン 二塩酸塩
Figure 0006750613
実施例6で製造した化合物(261.9kg)とメタノール(1310L)の混合物に、36%塩酸(229.2kg)を加え、65℃に加熱して2時間撹拌した。反応液を室温に冷却して5分割し、それぞれに対して20%水酸化パラジウム−炭素(含水率50%、4.2kg)を加えて、0.3MPaの水素加圧下60℃で約7時間撹拌した。反応液をろ過し、ろ液をあわせて濃縮した。濃縮残渣にメタノールを加え、液量を786Lに調整した。65℃で2−プロパノール(786L)を加え、65℃で30分間、5℃で2時間熟成した。得られた結晶はろ取し、メタノールと2−プロパノールの混液(1/1)で洗浄し、50℃で減圧乾燥することで下記物性値を有する標題化合物(190.4kg)を得た。
TLC:Rf 0.30(ジクロロメタン:メタノール:28%アンモニア水=9:1:0.1)。
実施例8:6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
Figure 0006750613
実施例7で製造した化合物(185.0kg)、2−ブチン酸(CAS登録番号:590−93−2)(40.5kg)とアセトニトリル(463L)の混合物を40℃に加熱し、N−メチルモルホリン(243.4kg)を加えた。次いで、2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスホリナン−2,4,6−トリオキシド(PPACA)の50%酢酸エチル溶液(306.2kg)を加え、3時間撹拌した。反応混合物に水(740L)を加え、酢酸エチル(740L)で2回抽出した。有機層をあわせて水(740L)、15%食塩水(740L)で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムとシリカゲルを加えて乾燥し、溶媒留去した。残渣にアセトン(235L)と水(26L)を加え、50℃に加熱した。メタノール(185L)を加え、種晶を加えた後、さらにメタノール(370L)を加え、50℃で30分間熟成した。次いで水(1110L)を加え、50℃で1時間、5℃で3時間熟成した。得られた結晶はろ取し、メタノールで洗浄後、65℃で減圧乾燥することで、下記物性値を有する標題化合物(160.9kg)を白色結晶として得た。
TLC:Rf 0.68(酢酸エチル:メタノール=9:1);
1H-NMR (CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.23-2.39, 2.80-3.01, 3.50-3.63, 3.67-3.80, 3.86-4.02, 4.03-4.18, 4.23-4.33, 4.42-4.51, 5.11-5.25, 7.04-7.23, 7.34-7.45, 8.20-8.23。
実施例9:6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン 塩酸塩
Figure 0006750613
実施例8で製造した化合物(160.5kg)とアセトン(1364L)の混合物を50℃に加熱し、実施例8で製造した化合物を完全に溶解させた。次いで水(16L)とアセトン(32L)を加えた後、4mol/L 塩化水素/酢酸エチル溶液(27L)を加えた。種晶を加えて1.5時間熟成させた後、さらに4mol/L 塩化水素/酢酸エチル溶液(88L)を加え、アセトン(32L)で洗い込んだ。30分間熟成した後、内温25℃まで冷却した。得られた結晶はろ取し、酢酸エチルとアセトンの混液(2/1)で洗浄後、50℃で減圧乾燥することで、下記物性値を有する標題化合物(169.7kg)を白色結晶として得た。
TLC:Rf 0.55(テトラヒドロフラン:酢酸エチル:28%アンモニア水=20:12:1);
1H-NMR (CD3OD):δ 1.97-2.07, 2.38-2.52, 2.63-2.80, 3.51-3.63, 3.77-3.94, 4.00-4.19, 4.27-4.35, 5.26-5.38, 7.08-7.23, 7.38-7.52, 8.44-8.47。
また、本化合物は、下記に示す実施例によっても製造することができる。
実施例1(1):ジエチル [(4−フェノキシフェニル)アミノ]プロパンジアート
臭化ナトリウム(106.7kg)の水(102L)溶液に、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム(20.9kg)、炭酸水素ナトリウム(59.9kg)、クロロマロン酸ジエチル(151.3kg)と4−フェノキシアニリン(CAS登録番号:139−59−3)(120.0kg)を加え、75℃で5時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(120L)を加えた後、撹拌しながら3.6%塩酸(240L)を加えた。有機層にエタノール(360L)を加え、結晶が析出後、50℃で30分間熟成した。水(228L)を加え、5℃に冷却して2時間熟成した。得られた結晶をろ取し、75%エタノール水溶液、水、75%エタノール水溶液で順次洗浄し、60℃で減圧乾燥することで下記物性値を有する標題化合物(212kg)を得た。
TLC:Rf 0.49(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)。
実施例2(1):5−[(4−フェノキシフェニル)アミノ]ピリミジン−4,6−ジオール
実施例1(1)で製造した化合物(208.0kg)のアセトニトリル(208L)、及びメタノール(208L)溶液に、28%ナトリウムメトキシド/メタノール溶液(420.7kg)及びメタノール(20.8L)の混合物を加えた。次いでホルムアミジン酢酸塩(69.4kg)及びメタノール(478L)の混合物を加え、40℃で1時間撹拌した後、水(312L)を加え、10%塩酸でpH8付近に調整した。60℃に加熱し、10%塩酸を加えpH4〜5に調整して1時間熟成した。得られた結晶はろ取し、90%メタノール水溶液、水,90%メタノール水溶液で順次洗浄し、75℃で減圧乾燥することで下記物性値を有する標題化合物(164.3kg)を得た。
TLC:Rf 0.35(酢酸エチル:メタノール:酢酸=9:1:0.1)。
実施例3(1):N−(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)−N−(4−フェノキシフェニル)ホルムアミド
オキシ塩化リン(402.4kg)のトルエン(37L)溶液を冷却し、50℃以下でN,N−ジメチルホルムアミド(121.3kg)を加えた。次いで実施例2(1)で製造した化合物(155.0kg)を加え、90℃で3時間撹拌した。別の反応釜に水(1085L)を入れ、40℃でpH1付近を保ちながら上記反応混合物と35%炭酸カリウム水溶液を同時に加えた。さらに35%炭酸カリウム水溶液を加えてpH2〜3に調整し、2時間熟成した。得られた結晶はろ取し、水と2−プロパノールで順次洗浄し、50℃で減圧乾燥することで下記物性値を有する標題化合物(173.0kg)を得た。
TLC:Rf 0.40(ヘキサン:酢酸エチル=3:1);
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6):δ 9.06, 8.89, 7.45-7.33, 7.20-7.13, 7.10-7.00。
実施例4(1):tert−ブチル (3R)−3−({6−クロロ−5−[(4−フェノキシフェニル)アミノ]ピリミジン−4−イル}アミノ)ピロリジン−1−カルボキシラート
実施例3(1)で製造した化合物(171.0kg)、2−プロパノール(513L)とトリエチルアミン(72.1kg)の混合物を55℃に加熱し、tert−ブチル (3R)−3−アミノピロリジン−1−カルボキシラート(CAS登録番号:147081−49−0)(106.1kg)を加えた。4時間撹拌した後、1.5mol/L水酸化ナトリウム水溶液(737.8kg)を加えて50℃で2時間撹拌した。室温に冷却して水層を抜き出し、有機層にトルエン(684L)を加え、1mol/L塩酸(834.5kg)を加えた。有機層を20%食塩水(196.4kg)と8%重曹水(90.4kg)の混液で洗浄し、溶媒留去することで下記物性値を有する標題化合物(228.8kg)を得た。
TLC:Rf 0.45(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)。
実施例5(1):tert−ブチル (3R)−3−[6−クロロ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル]ピロリジン−1−カルボキシラート
実施例4(1)で製造した化合物(228.8kg)、トルエン(458L)と1,1’−カルボニルジイミダゾール(82.4kg)の混合物に1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ―7−エン(DBU)(7.23kg)を加え、45℃に加熱して2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却した後、5%食塩水(948kg)、2mol/L塩酸(948kg+473kg)、20%食塩水(395kg)と8%重曹水(121kg)の混液で順次洗浄し、溶媒留去することで下記物性値を有する標題化合物(241.2kg)を得た。
TLC:Rf 0.56(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)。
実施例6(1):tert−ブチル (3R)−3−[6−(ベンジルアミノ)−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル]ピロリジン−1−カルボキシラート
実施例5(1)で製造した化合物(241.2kg)とベンジルアミン(254.3kg)の混合物を115℃に加熱して7時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、2mol/L塩酸(849kg)を加えてトルエン(723L)で抽出した。有機層を溶媒留去することで下記物性値を有する標題化合物(274.7kg)を得た。
TLC:Rf 0.35(ヘキサン:酢酸エチル=1:1);
1H-NMR (CDCl3):δ 8.36-8.28, 7.45-7.25, 7.24-7.13, 7.10-6.95, 5.23-5.06, 4.64, 4.30-4.21, 4.06-3.90, 3.88-3.68, 3.55-3.35, 3.05-2.80, 2.33-2.15, 1.53-1.43。
実施例7(1):6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−9−[(3R)−ピロリジン−3−イル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン 二塩酸塩
実施例6(1)で製造した化合物(274.7kg)とメタノール(1648L)の混合物に、36%塩酸(247.3kg)を加え、65℃に加熱して2時間撹拌した。反応液を室温に冷却して5分割し、それぞれに対して20%水酸化パラジウム−炭素(含水率50%、22.0kg)を加えて、0.3MPaの水素加圧下60℃で約7時間撹拌した。反応液をろ過し、ろ液をあわせて濃縮した。濃縮残渣にメタノールを加え、液量を824Lに調整した。65℃で2−プロパノール(824L)を加え、65℃で30分間、5℃で2時間熟成した。得られた結晶はろ取し、メタノールと2−プロパノールの混液(1/1)で洗浄し、50℃で減圧乾燥することで下記物性値を有する標題化合物(185.4kg)を得た。
TLC:Rf 0.30(ジクロロメタン:メタノール:28%アンモニア水=9:1:0.1)。
実施例8(1):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
実施例7(1)で製造した化合物(185.0kg)、2−ブチン酸(CAS登録番号:590−93−2)(40.5kg)とアセトニトリル(463L)の混合物を10℃に冷却し、N−メチルモルホリン(243.4kg)と2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスホリナン−2,4,6−トリオキシド(PPACA)の50%酢酸エチル溶液(306.2kg)の混合物を加え、40℃に加熱し3時間撹拌した。反応混合物に水(740L)を加え、酢酸エチル(370L)で2回抽出した。有機層をあわせて水(740L)、15%食塩水(740L)で順次洗浄後、85%リン酸(4.62kg)を加えて、溶媒留去した。残渣にアセトン(222L)と水(26L)を加え、50℃に加熱した。水(463L)とメタノール(555L)を加え、種晶を加えた後、50℃で60分間熟成した。次いで水(648L)を加え、50℃で1時間、5℃で1時間熟成した。得られた結晶はろ取し、メタノールで洗浄後、65℃で減圧乾燥することで、下記物性値を有する標題化合物(167.7kg)を白色結晶として得た。
TLC:Rf 0.68(酢酸エチル:メタノール=9:1);
1H-NMR (CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.23-2.39, 2.80-3.01, 3.50-3.63, 3.67-3.80, 3.86-4.02, 4.03-4.18, 4.23-4.33, 4.42-4.51, 5.11-5.25, 7.04-7.23, 7.34-7.45, 8.20-8.23。
実施例9(1):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン 塩酸塩
実施例8(1)で製造した化合物(160.0kg)とアセトン(1280L)の混合物を50℃に加熱し、実施例8(1)で製造した化合物を完全に溶解させた。次いで水(32L)とアセトン(112L)を加えた後、4mol/L 塩化水素/酢酸エチル溶液(26L)を加えた。種晶を加えて5時間熟成させた後、さらに4mol/L 塩化水素/酢酸エチル溶液(88L)を加え、酢酸エチル(160L)で洗い込んだ。30分間熟成した後、内温25℃まで冷却した。得られた結晶はろ取し、酢酸エチルとアセトンの混液(2/1)で3回洗浄後、50℃で減圧乾燥することで、下記物性値を有する標題化合物(165.9kg)を白色結晶として得た。
TLC:Rf 0.55(テトラヒドロフラン:酢酸エチル:28%アンモニア水=20:12:1);
1H-NMR (CD3OD):δ 1.97-2.07, 2.38-2.52, 2.63-2.80, 3.51-3.63, 3.77-3.94, 4.00-4.19, 4.27-4.35, 5.26-5.38, 7.08-7.23, 7.38-7.52, 8.44-8.47。
上記した実施例1→実施例2→実施例3→実施例4→実施例5→実施例6→実施例7→実施例8→実施例9によれば、本化合物の収率は例えば、出発物質(4−フェノキシアニリン)が230kgのとき、60%であった。同様に、実施例1(1)→実施例2(1)→実施例3(1)→実施例4(1)→実施例5(1)→実施例6(1)→実施例7(1)→実施例8(1)→実施例9(1)によれば、本化合物の収率は例えば、出発物質(4−フェノキシアニリン)が120kgのとき、61%であった。これに対し、公知製法によれば、本化合物の収率は例えば、出発物質(4,6−ジクロロ−5−ニトロピリミジン)が19gのとき、20%であり、880gのとき、19%であった。したがって、本発明の製造方法によれば、工業生産的スケールにおいても、公知製法と比較して本化合物の収率が高く、安定的に本化合物を供給できることが明らかとなった。
本発明によれば、反応収率が高く、安定的に本化合物を供給できることから、本発明は工業生産的スケールにおいても使用できる、本化合物の有用な製造方法となり得る。

Claims (6)

  1. 一般式(H)
    Figure 0006750613
    (式中、R1は(1)ハロゲン原子、(2)C1〜4アルキル基、(3)C1〜4アルコキシ基、(4)C1〜4ハロアルキル基、または(5)C1〜4ハロアルコキシ基を表し、R2は(1)ハロゲン原子、(2)C1〜4アルキル基、(3)C1〜4アルコキシ基、(4)ニトリル、(5)C1〜4ハロアルキル基、または(6)C1〜4ハロアルコキシ基を表し、ring1はアゼチジン、ピロリジン、またはピペリジン環を表し、mは0〜4の整数を表し、nは0〜5の整数を表す。)で示される化合物、またはその塩を製造する方法であって、下記工程(iv)〜(vii):
    工程(iv):一般式(D)
    Figure 0006750613
    (式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその塩を用いて、塩基の存在下、一般式(a)
    Figure 0006750613
    (式中、ring1は前記と同じ意味を表し、Bocはtert−ブトキシカルボニル基を表す。)で示される化合物、またはその塩と反応に付した後、アルカリ加水分解を行うことによって、一般式(E)
    Figure 0006750613
    (式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその塩を製造する工程、
    工程(v):工程(iv)で得られた一般式(E)で示される化合物、またはその塩を用いて、塩基の存在下、1,1’−カルボニルジイミダゾールと反応に付し、一般式(F)
    Figure 0006750613
    (式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその塩を製造する工程、
    工程(vi):工程(v)で得られた一般式(F)で示される化合物、またはその塩を用いて、保護されたアミン、またはその塩と反応に付し、一般式(G)
    Figure 0006750613
    (式中、R15およびR16はそれぞれ独立して、水素原子、ベンジルオキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、1−メチル−1−(4−ビフェニル)エトキシカルボニル基、トリフルオロアセチル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、ベンジルオキシメチル基、または2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基を表し、ただしR15およびR16は同時に水素原子を表さず、その他の記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその塩を製造する工程、
    工程(vii):工程(vi)で得られた一般式(G)で示される化合物、またはその塩を用いて、脱保護反応に付し、上記一般式(H)で示される化合物、またはその塩を製造する工程;
    を含む製造方法。
  2. 一般式(D)
    Figure 0006750613
    (式中、R1は(1)ハロゲン原子、(2)C1〜4アルキル基、(3)C1〜4アルコキシ基、(4)C1〜4ハロアルキル基、または(5)C1〜4ハロアルコキシ基を表し、R2は(1)ハロゲン原子、(2)C1〜4アルキル基、(3)C1〜4アルコキシ基、(4)ニトリル、(5)C1〜4ハロアルキル基、または(6)C1〜4ハロアルコキシ基を表し、mは0〜4の整数を表し、nは0〜5の整数を表す。)で示される化合物またはその塩を製造する方法であって、下記工程(i)〜(iii):
    工程(i):臭化物塩、相間移動触媒、および塩基の存在下、一般式(A)
    Figure 0006750613
    (式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその塩を、ハロマロン酸ジエステル化合物と反応に付し、一般式(B)
    Figure 0006750613
    (式中、R3およびR4はそれぞれ独立して、C1〜3アルコキシ基を表し、その他の記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその塩を製造する工程、
    工程(ii):工程(i)で得られた一般式(B)で示される化合物、またはその塩を用いて、塩基の存在下、ホルムアミジン塩と反応に付し、一般式(C)
    Figure 0006750613
    (式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその塩を製造する工程、
    工程(iii):工程(ii)で得られた一般式(C)で示される化合物、またはその塩を用いて、N,N−ジメチルホルムアミドの存在下、オキシ塩化リンと反応に付し、上記一般式(D)で示される化合物、またはその塩を製造する工程;
    を含む製造方法。
  3. 一般式(I)
    Figure 0006750613
    (式中、R1は(1)ハロゲン原子、(2)C1〜4アルキル基、(3)C1〜4アルコキシ基、(4)C1〜4ハロアルキル基、または(5)C1〜4ハロアルコキシ基を表し、R2は(1)ハロゲン原子、(2)C1〜4アルキル基、(3)C1〜4アルコキシ基、(4)ニトリル、(5)C1〜4ハロアルキル基、または(6)C1〜4ハロアルコキシ基を表し、R5は(1)NR6R7、(2)ハロゲン原子、(3)CONR8R9、(4)CO2R10および(5)OR11からなる群より選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい、C2〜4アルケニル基またはC2〜4アルキニル基を表し、ring1はアゼチジン、ピロリジン、またはピペリジン環を表し、mは0〜4の整数を表し、nは0〜5の整数を表す。)で示される化合物、またはその塩を製造する方法であって、
    請求項2記載の工程(i)〜(iii)に従って、一般式(A)で示される化合物、またはその塩から、一般式(D)で示される化合物、またはその塩を製造し、
    請求項1記載の工程(iv)〜(vii)に従って、前記一般式(D)で示される化合物、またはその塩から、一般式(H)で示される化合物、またはその塩を製造し、
    工程(viii):請求項1記載の一般式(H)で示される化合物、またはその塩を用いて、2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスホリナン−2,4,6−トリオキシドの存在下、一般式(b)
    Figure 0006750613
    (式中、R5は前記と同じ意味を表し、R6およびR7はそれぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)OR12またはCONR13R14で置換されていてもよいC1〜4アルキル基を表し、R6およびR7は結合する窒素原子と一緒になって、オキソ基または水酸基で置換されていてもよい4〜7員の含窒素飽和ヘテロ環を形成してもよく、R8およびR9はそれぞれ独立して(1)水素原子、(2)C1〜4アルキル基、または(3)フェニル基を表し、R10は(1)水素原子、または(2)C1〜4アルキル基を表し、R11は(1)水素原子、(2)C1〜4アルキル基、(3)フェニル基、または(4)ベンゾトリアゾリル基を表し、R12は(1)水素原子、または(2)C1〜4アルキル基を表し、R13およびR14はそれぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜4アルキル基を表す。)で示される化合物、またはその塩とアミド化反応に付し、上記一般式(I)で示される化合物またはその塩を製造する工程に従って、前記一般式(H)で示される化合物、またはその塩から、前記一般式(I)で示される化合物、またはその塩を製造することを含む製造方法。
  4. 一般式(I)で示される化合物が、6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オンである請求項3記載の製造方法。
  5. N−(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)−N−(4−フェノキシフェニル)ホルムアミド。
  6. 6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オンを製造するためのN−(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)−N−(4−フェノキシフェニル)ホルムアミドの使用。
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