JP6750068B2 - 眼底解析装置 - Google Patents
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Description
図1に、実施形態に係る眼底解析装置の光学系の構成例を示す。図1では、被検眼Eの眼底Efと光学的に共役な位置が眼底共役位置Pとして図示され、被検眼Eの瞳と光学的に共役な位置が瞳共役位置Qとして図示されている。
第1照射系110は、被検眼Eに光を照射するための光学系を備えている。光源111は、眼底照明用の光源であり、波長幅が広い光を発する光源であることが望ましい。光源111は、例えば中心波長が840nmの光を発するものが用いられる。光源111として、例えばレーザーダイオード(Laser Diode:以下、LD)、スーパールミネッセントダイオード(Super Luminescent Diode:SLD)、レーザードリブンライトソース(Laser Driven Light Source:LDLS)などが挙げられる。光源111は、眼底(網膜)と光学的に共役な位置(眼底共役位置)P又はその近傍に配置されている。
導光系120は、第1照射系110からの光を被検眼Eに導くと共に、被検眼Eからの反射光を第1検出系140や第2検出系150に導くための光学系を備えている。ビームスプリッタ121は、導光系120の光路を第1照射系110の光路と第2検出系150の光路とに分割する光路分割部材である。ビームスプリッタ121は、ビームスプリッタ116を透過した光を波面補正素子122に向けて反射すると共に、被検眼Eからの眼底反射光を透過させて集光レンズ153に導く。ビームスプリッタ121には、例えば反射率が10%であり、透過率が90%である特性を有するものが用いられる。
第1検出系(波面検出系)140は、被検眼Eからの眼底反射光の波面を検出するための光学系を備えている。第1検出系140は、波面検出部141と、一対のレンズ144とを含む。波面検出部141は、ハルトマン撮像素子142と、その手前に配置されたレンズアレイ143とを含むシャックハルトマンセンサーである。ハルトマン撮像素子142は、レンズアレイ143の焦点位置に配置され、レンズアレイ143によって形成される点像を撮像する。ハルトマン撮像素子142には、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal−Oxide−Semiconductor)イメージセンサが用いられる。レンズアレイ143は、小さなレンズを格子状に配列したもので、入射光を多数の光束(例えば16本の光束)に分割しそれぞれ集光する。レンズアレイ143の焦点をハルトマン撮像素子142により撮像し、各レンズの焦点位置を解析することで、レンズアレイ143に入射した光の波面収差を検出することができる。すなわち、レンズアレイ143を介して被検眼Eの眼底Efからの反射像を観察することで、当該反射像における波面の乱れを検出することができる。ハルトマン撮像素子142により得られた画像は、後述の制御部200等の画像解析部に送られ、この画像解析部で波面の乱れが解析され、その結果に基づく制御信号(フィードバック信号)が、波面補正素子122に送られる。一対のレンズ144の間の眼底共役位置Pに共焦点絞りが配置されていてもよい。
第2検出系(眼底反射光検出系)150は、被検眼Eの眼底Efからの反射光を検出するための光学系を備えている。第2検出系150は、受光器151と、ピンホール152と、集光レンズ153とを含む。ビームスプリッタ121を透過した光は、集光レンズ153により受光器151の検出面に集光される。ピンホール152は、光軸方向に移動可能であり、眼底共役位置Pに孔部が配置されるように移動される。受光器151の検出面は、眼底共役位置Pの近傍に配置されてもよい。受光器151は、例えば、アバランシェフォトダイオード(Avalanche PhotoDiode:APD)又は光電子増倍管(PhotoMultiplier Tube:PMT)により構成されている。
前眼部照明系170は、被検眼Eの前眼部を照明するための光源を備えている。第3検出系(前眼部反射光検出系)160は、前眼部照明系170により照明された被検眼Eの前眼部からの反射光を検出するための光学系を備えている。前眼部照明系170には、例えば、中心波長が950nmの光を発するLEDが用いられる。第3検出系160は、レンズ161と、前眼部撮像素子162とを含む。ビームスプリッタ132を透過した光は、レンズ161により前眼部撮像素子162の検出面に集光される。前眼部撮像素子162の検出面は、瞳共役位置Q又はその近傍に配置されている。前眼部撮像素子162は、例えば、CCD又はCMOSイメージセンサにより構成されている。前眼部撮像素子162による被検眼Eの前眼部からの反射光の検出結果は、前眼部の画像の形成に用いられる。
固視系180は、被検眼Eを固視させるための光学系を備えている。固視系180は、視度調整レンズ181と、ビームスプリッタ182と、固視標183とを含む。視度調整レンズ181は、被検眼Eの屈折度に応じて光軸方向に移動可能なレンズである。視度調整レンズ181は、眼底Efと固視標183とが光学的に共役な位置になるように移動される。ビームスプリッタ182は、第2照射系190の光路を固視系180の光路に結合する光路結合部材である。ビームスプリッタ182には、例えば反射率が50%であり透過率が50%であるハーフミラーが用いられる。ビームスプリッタ182は、光の反射面の一部にミラーが形成されたものであってもよい。固視標183は、例えば中心波長が400nm〜700nmの光で被検眼Eの眼底Efに被検眼Eを固視させるための指標を投影する。固視標183には、例えばフィルムや有機ELやLCDなどが用いられる。ビームスプリッタ182は、固視標183からの光を透過させてビームスプリッタ133に導くと共に、第2照射系190からの光をビームスプリッタ133に向けて反射する。
第2照射系(照射系、光刺激系)190は、被検眼Eの眼底Efに対し所定波長の光を照射するための光学系を備えている。第2照射系190は、視野絞り191と、開口絞り192と、レンズ193と、波長選択フィルタ194と、レンズ195と、ブリーチング用光源196とを含む。ブリーチング用光源196は、被検眼Eに刺激光を照射するための光源である。ブリーチング用光源196には、例えばハロゲンランプやキセノンランプなどが用いられる。レンズ195は、ブリーチング用光源196からの光を平行光束にする。波長選択フィルタ194は、ブリーチング用光源196からの光のうち所定波長の光を透過させる。波長選択フィルタ194は、例えば中心波長が650nmの光を透過させ、他の波長成分を反射する特性を有するバンドパスフィルタ−などが用いられる。レンズ193は、波長選択フィルタ194を通過した光を集光する。開口絞り192は、レンズ193を通過した光の光量を調整するために用いられる。視野絞り191は、開口絞り192を通過した光のうち眼底Efを照明する範囲を制限するために用いられる。
図2に、実施形態に係る眼底解析装置の処理系の構成例を示す。図2において、図1と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
実施形態に係る眼底解析装置の処理系は、制御部200を中心に構成される。制御部200は、眼底解析装置の各部の制御を行う。制御部200は、主制御部201と、記憶部202とを含む。主制御部201は、表示制御部201Aを含む。主制御部201の機能は、例えばマイクロプロセッサにより実現される。記憶部202には、眼底解析装置を制御するためのコンピュータプログラムがあらかじめ格納される。このコンピュータプログラムには、各種の光源制御用プログラム、視度補正機構制御用プログラム、光スキャナ制御用プログラム、各種の検出系制御用プログラム、画像形成用プログラム、データ処理用プログラム、表示制御用プログラム及びユーザインターフェイス用プログラムなどが含まれる。このようなコンピュータプログラムに従って主制御部201が動作することにより、制御部200は制御処理を実行する。
画像形成部210は、受光器151による眼底反射光の検出結果に基づいて時系列画像を形成する。例えば、画像形成部210は、受光器151から入力される受光信号と、制御部200から入力される画素位置信号とに基づいて、時系列画像の画像データを形成する。時系列画像には、動画像や所定の時間をおいて形成された複数の静止画像群などがある。また、画像形成部210は、前眼部撮像素子162による被検眼Eの前眼部からの反射光の検出結果に基づいて前眼部画像を形成する。画像形成部210により形成された各種の画像(画像データ)は、例えば記憶部202に保存される。
データ処理部220は、各種のデータ処理を実行する。データ処理の例として、画像形成部210又は他の装置により形成された画像データに対する処理がある。この処理の例として、各種の画像処理や、画像に対する解析処理や、画像データに基づく画像評価などの診断支援処理がある。
ユーザインターフェイス(User Interface:以下、UI)部230は、ユーザと眼底解析装置との間で情報のやりとりを行うための機能を備える。UI部230は、表示デバイスと操作デバイス(入力デバイス)とを含む。表示デバイスは、表示部を含んでよく、それ以外の表示デバイスを含んでもよい。操作デバイスは、各種のハードウェアキー及び/又はソフトウェアキーを含む。制御部200は、操作デバイスに対する操作内容を受け、操作内容に対応した制御信号を各部に出力することが可能である。操作デバイスの少なくとも一部と表示デバイスの少なくとも一部とを一体的に構成することが可能である。タッチパネルディスプレイはその一例である。
実施形態に係る眼底解析装置の動作について説明する。以下では、前述のブリーチング用光源196による刺激光によりL錐体とM錐体とを分類する場合について説明する。
光受容体は、種別ごとに互いに異なる波長感度を有している。具体的には、図4に示すように、光の吸収率が最大となる波長がL錐体、M錐体、桿体、S錐体の順序で短くなるように波長感度が互いに異なる。このような光受容体に対して所定波長の光を照射すると、ブリーチング反応によって光受容体の反射率が変化する。そこで、制御部200は、光学系100などを制御することにより被検眼Eの眼底Efに対して光刺激のための光を照射し、ブリーチング反応前後の眼底Efの画像を時系列画像として取得する(S1)。S1では、例えば、次のように眼底Efの時系列画像が取得される。
特定部221Aは、記憶部202に保存されたブリーチング反応前後の眼底Efの時系列画像を解析することにより錐体(錐体領域)を検出する。S1では、中心波長が650nmの光の照射により、主にL錐体及びM錐体の輝度が変化するため、特定部221Aは、L錐体及びM錐体を検出する。
位置合わせ部221Bは、S1において取得された時系列画像の位置合わせを行う。時系列画像がn(nは2以上の正の整数)枚の画像により構成される場合、位置合わせ部221Bは、n枚の画像の位置合わせを行う。それにより、図5に示すように、時系列画像に含まれるそれぞれの画像中のL錐体L1〜LnとM錐体M1〜Mnについて位置合わせが行われる。
変化算出部221Cは、S3の位置合わせが行われた各画像において、S2で検出されたL錐体及びM錐体のそれぞれの輝度を取得する。それにより、錐体ごとに、図6に示すような輝度の時系列変化が求められる。変化算出部221Cは、S3の位置合わせが行われた2以上の画像を平均化した画像から、S2で検出されたL錐体及びM錐体のそれぞれの輝度を取得するようにしてもよい。
変化算出部221Cは、S4において輝度が取得されたL錐体及びM錐体から所定の基準に従ってクラスタリング対象外の錐体を除外する処理を行う。クラスタリング対象外の錐体として、血管領域に重なる位置に配置された錐体や、輝度の変化が明らかに大きい(又は小さい)錐体などがある。
分類部222Aは、S5において除外されなかった錐体に対してk平均法によりクラスタリングを行い、L錐体とM錐体とに分類する。すなわち、分類部222Aは、n枚の画像から検出された錐体の輝度の時系列変化の仕方をクラスタリングすることにより当該錐体をL錐体又はM錐体に振り分ける。
分布情報生成部222は、S6におけるクラスタリング結果に基づいて錐体の分布情報を生成する。表示制御部201Aは、分布情報生成部222により生成された分布情報をUI部230に表示させる。
実施形態に係る眼底解析装置の効果について説明する。
以上に示された実施形態は、この発明を実施するための一例に過ぎない。この発明を実施しようとする者は、この発明の要旨の範囲内において任意の変形、省略、追加等を施すことが可能である。
110 第1照射系
120 導光系
140 第1検出系
150 第2検出系
160 第3検出系
170 前眼部照明系
180 固視系
190 第2照射系
200 制御部
201 主制御部
201A 表示制御部
202 記憶部
210 画像形成部
220 データ処理部
221 解析部
221A 特定部
221B 位置合わせ部
221C 変化算出部
222 分布情報生成部
222A 分類部
230 UI部
Claims (8)
- 被検眼の眼底の時系列データを解析することにより光刺激に対する光受容体の反応の時系列変化を求める解析部と、
前記時系列変化に基づいて前記光受容体の分布情報を生成する分布情報生成部と、
を含み、
前記解析部は、
前記時系列データに含まれる複数のデータのそれぞれを解析することにより複数の光受容体に相当する複数の光受容体領域を特定する特定部と、
前記特定部により特定された前記複数の光受容体領域を前記複数のデータ間において対応付ける対応付け部と、
前記対応付け部により対応付けられた光受容体領域ごとに前記時系列変化を求める変化算出部と、を含み、
前記分布情報は、全光受容体の個数、前記光受容体の種別ごとの個数、前記光受容体の第1種別の個数に対する前記光受容体の第2種別の個数の比、又は所定の基準値を基準とした前記全光受容体の個数又は前記光受容体の種別ごとの個数に対する判定結果を表す情報を含む、眼底解析装置。 - 前記眼底に所定波長の光を照射する照射部と、
前記所定波長の光の照射期間を含む期間における前記時系列データを取得する時系列データ取得部と、
を含む請求項1に記載の眼底解析装置。 - 前記時系列データは、前記眼底に対する所定波長の光の照射期間を含む期間において取得された前記眼底の時系列画像である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の眼底解析装置。 - 前記分布情報生成部は、前記変化算出部により算出された前記光受容体領域ごとの前記時系列変化に基づいて前記複数の光受容体領域の分類を行う分類部を含む
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の眼底解析装置。 - 前記分類部による分類結果を表すマップを表示手段に表示させる表示制御部を含む
ことを特徴とする請求項4に記載の眼底解析装置。 - 前記分類部による分類結果に基づくヒストグラムを表示手段に表示させる表示制御部を含む
ことを特徴とする請求項4に記載の眼底解析装置。 - 前記光受容体は、錐体を含む
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の眼底解析装置。 - 前記反応の時系列変化は、輝度の時系列変化を含む
ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の眼底解析装置。
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