JP6749563B2 - 黄色ブドウ球菌抑制溶液、アトピー性皮膚炎治療液、化粧品、洗浄液及び消毒液 - Google Patents
黄色ブドウ球菌抑制溶液、アトピー性皮膚炎治療液、化粧品、洗浄液及び消毒液 Download PDFInfo
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Description
そのような中で、入浴剤や温泉治療が知られている。例えば、特許文献1にはアトピー性皮膚炎の治療法として海水入浴法が知られていることから、無機塩類を海水に添加した入浴剤がある。また、アトピーに効く温泉として、大分県別府市の明礬温泉の山田屋旅館の緑礬泉(PH1.7 泉温67.5℃)には、効能としてアトピー性皮膚炎が挙げられている。
また、アトピー性皮膚炎疾患患者に対して、化粧水として疾患箇所へ常用する商品もあるが保水性・保湿性を維持するのみで、本質的な治癒効果は得られず、一時的な効果しか得られなかった。
この様に、40℃前後のお湯に浸からなくても、常温(室温)で日常習慣的に使用していくことで根本的にアトピー性皮膚炎が治癒する方法が求められていた。
また、請求項2に係るアトピー性皮膚炎治療液は、請求項1に記載の黄色ブドウ球菌抑制溶液を有効成分として含むことを特徴とするアトピー性皮膚炎治療液である。
また、請求項5に係る消毒液は、請求項1に記載の黄色ブドウ球菌抑制溶液を含むことを特徴とする消毒液である。
ここで、天然明礬は、大分県別府市の明礬温泉より採取した所謂、湯の花を乾燥し篩にかけたものである。
また、この有効濃度以上の天然明礬溶液をアトピー性皮膚炎以外にも、黄色ブドウ球菌の減少、除去作用を、化粧品(化粧料)、洗浄液、消毒液などにも使用できる。
(試験サンプルの作成方法)
(1)明礬濃度は温度25℃以下の減菌精製水100mlに0.1g、0,5g、1.0g、2.0g、3.0g添加溶解したものを試験に供する。また、0.1g/100ml溶液は、別途ティートリー精油を下記(2)の様に加えた溶液を試験に供する。
(2)天然明礬でティートリー精油を添加した溶液の作成方法は、以下の通り。
天然明礬0.1g/100mlにティートリー精油を2μl添加・撹拌し、相分離を確認する。相分離していない場合は更に2μlを添加・撹拌を繰り返し相分離が確認された時点の濃度をティートリー精油添加系の飽和溶液とする。(試験区D)尚、相分離の確認方法は撹拌後10分放置した後に目視で判断する。
A:減菌精製水(コンロール)(菌接触)
B:天然明礬2.0g/100ml溶液(菌非接触)
C:天然明礬0.1g/100ml溶液(菌接触)
D:天然明礬(ティートリー精油添加系)0.1g/100ml溶液(菌接触)
E:天然明礬0.5g/100ml溶液(菌接触)
F:天然明礬1.0g/100ml溶液(菌接触)
G:天然明礬2.0g/100ml溶液(菌接触)
H:天然明礬3.0g/100ml溶液(菌接触)
A〜H:減菌精製水使用
(1)原液の作成
step1
25℃に制御した減菌精製水100mlに、篩掛けした天然明礬を0.1g(明礬のみ及び明礬+精油用)、0.5g、1.0g、2.0g、3.0gを加えた試験溶液を作成する。
step2
試験区Aは、減菌精製水10mlを試験管に入れ、これを原液とする。
step3
試験区B〜H(試験区Dは除く)は、各10mlを試験管に入れ、これを原液とする。
step4
試験区Dのティートリー精油入れ溶液から10mlを試験管に入れ、これを原液とする。
(2)試験液の作成
前述の原液A〜HがA〜Hの試験液とする。
(1)試験方法
試験区A〜Hの各試験液10mlに対しBは減菌精製水を、A及びC〜Hは指標菌である黄色ブドウ球菌の菌液(1.0×107/ml程度)をそれぞれ100μl接種し、開始時直後及び25℃で1時間保持後の生菌数(CFU)を培養法にて測定する。
(2)培養方法
使用菌株 Staphylococcus aureus NBRC13276
使用培地 卵黄加マンニット食塩寒天培地
培養温度 37℃
培養時間 48±2時間
試験結果を以下の表1に示す。差異の有無の判定結果は、「JIS Z 2801:2010 抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果又は洗剤・石けん公正取引協議会から18年9月1日に発出された「洗剤の除菌表示」に関する公正競争規約、施行規則及び解説」に基づいている。
尚、今回は25℃で1時間保持した後に測定したが、本試験の反応は短時間で生じていることを確認しており、時間的には十分と考えられる。また、本試験では25℃で有効濃度以上の天然明礬溶液の黄色ブドウ球菌に対する抗菌、殺菌効果を確認したが、下限温度として当然、温度誤差も含まれ、同時に上限温度として、強度のアトピー性皮膚炎患者が無理なく使用に耐えられる温度として有効使用温度範囲を22℃から35℃とした。
勿論、他の成分を他の目的で添加することも構わない。例えば、消毒液の使用目的で保湿剤として、グリセリン、オイル、ハーブエキス等を添加することも出来る。同様に、化粧品、洗浄液の用途に応じて、必要な成分を加えることができる。
本願発明の黄色ブドウ球菌抑制溶液から、具体的に作成されたクリームと石鹸とを用いた複数のモニターリング例を示す。
まず、クリームは、以下の様に作成した。クリームは、クリームの体積中の天然明礬が0.1g/dl濃度になるように調整した。つまり、天然明礬水溶液24mlと、ティートリー0.5mlとを有効成分とし、その他として植物オイル類、香り調整用精油、無水クエン酸水溶液を用いて、95.9mlのクリームを作成した。
1)オイル類を65℃まで昇温し溶解を確認してから、一旦、温度を50℃まで下げて、予め50℃に調整していた天然明礬水溶液及び無水クエン酸水溶液の混合液を入れる。
2)50℃を維持した状態でホモジナイザーを使い、乳化を開始する(回転条件は7500RPM又は必要に応じてそれ以上)。
3)ホモジナイズ開始してから、約5分継続しながら温度を45℃に冷却する。
4)乳化状態になっていることが確認できた段階で、精油(ティートリー、タイム、ラベンダーの混合液)を投入しホモジナイズを約3分間継続する。
5)精油が均一になったことを確認後に、流動性のある状態の温度45℃で、準備しているPP製容器(ジャー)に48ml(約46g)づつ分注する。
得られたクリームの粘度は70dPa.s(ビスコテスタ VT−06)であった。
水はオイル(重量)に対して水分率を35(W/W%)として石鹸製造の条件とした。水分率35%の内訳は、鹸化反応に必要な苛性ソーダ水溶液量と鹸化反応時、トレース状態になってから添加する天然明礬水溶液量の合計が、水分率35%になるように各水溶液を調整した。具体的には、1000gのオイル(油脂)を石鹸にするために、水分率35%は350mlが水である。そのうち苛性ソーダ溶解に210ml、天然明礬水溶液に140mlの水を使用した。天然明礬が石鹸の体積100ml当たり0.2gになるようにする為、天然明礬2.89gを140mlの水に溶解し、この水溶液をトレース状態になった時点で添加した。
尚、クリーム及び石鹸ともに0.6μm補足粒子フィルターを使用したろ過液を用いた。また、クリームも石鹸も、pHはアルカリで、本願発明の黄色ブドウ球菌抑制溶液自体は、酸性であるが、それを用いる用途に応じて、個別にpH調整される。
(クリーム塗布条件)2回/日の頻度で塗布(就寝前と起床洗顔後塗布)した。
(性別)男
(年齢)1歳10か月
(アトピー歴)幼少より現在まで続いている。
(投薬)クリーム塗布までに投薬していた薬剤は、スタデルム(抗炎症鎮痛剤)とワセリン使用していた。クリーム使用開始と同時に投薬を中止しモニターリングを開始した。
(クリーム使用前の重症度)中等症:投薬していたにも関わらず、顔面には痒みを伴い、腫れ(紅斑)、ぶつぶつ(丘疹)があった。
(結果)クリーム使用開始してから、痒みが治まり、皮膚の表面が滑らかになり、塗布35日目には通常の皮膚になった。2016年7月3日(45日)では赤みが出たりする時があったが、痒みはなく皮膚の状態も良好状態を継続している。塗布前2016年5月20日(0日)と、塗布中 2016年6月23日(35日)の写真を図2(a)、(b)に示す。
(クリーム塗布条件)2回/日(就寝前と起床洗顔後塗布する)。
(性別)男
(年齢)30歳
(アトピー歴)幼少から現在まで続いている。
(クリーム使用前の重症度)重症:肘外側に痒みを伴い、皮膚にごあごあ(苔癬:たいせん)した紅斑、かさぶた(痂皮)、ぶつぶつ(丘疹)、つごつ(痒疹)が多発している状況にあった。
(投薬)なし(幼少よりアトピー皮膚炎の投薬を続けていたが、改善しないため塩を塗っている状況にあった。)
(結果)塗布開始時の就寝前に塗布した次の日より、痒みが止まり、塗布33日目では苔癬、痂疲がなくなり丘疹も大半が改善した。塗布前2016年6月12日(0日)、塗布中2016年6月19日(8日)、2016年7月25日(33日)の写真を図3(a)〜(c)に示す。
(クリーム塗布条件)2回/日(就寝前と起床洗顔後塗布する)。
(性別)女
(年齢)17歳
(アトピー歴)小学校高学年から現在まで続いている。
(投薬)2016.3.22〜3.31までの10日間、ミノマイシン(テトラサイクリン系抗生剤)とフラビタン服用、フラビタン(ビタミンB2)はクリーム使用直前まで服用していた。しかし、改善が見られない状況にあった。2016.5.14〜クリーム塗布、薬剤は使用していない。
(クリーム使用前の重症度)中等症:痒みが伴い、腫れ(紅斑)、ぶつぶつ(丘疹)、掻きこわしがあった。
(結果)就寝前の塗布により、次の日は丘疹が減少し、使用開始47日目には紅斑、丘疹が改善された。しかし、少しであるが痒みが続いている状況にある。塗布前2016年5月14日(0日)、塗布中 2016年5月21日(8日間)、塗布中2016年7月9日(47日)の写真を図4(a)〜(c)に示す。
(クリーム塗布条件)2回/日(就寝前、起床後)
(性別)女
(年齢)50歳
(症状)顔面頬
(結果)箇所A:クリーム塗布を継続して使用した。箇所B:クリーム塗布同日日に「オロナインH軟膏(登録商標)」を塗布継続。2016年4月26日より中止し、クリームの塗布を開始した。使用前2016年4月21日(0日)、塗布中2016年4月25日(5日)、塗布終了2016年7月9日(80日)の写真を図5(a)〜(c)に示す。
(クリーム塗布条件)2回/日(就寝前・起床後に洗顔後塗布する)。
(性別)女
(年齢)17歳
(症状)額のニキビ
(投薬)なし
(クリーム使用前の状態)眉毛から上側に大きなニキビが5か所存在していた。
(結果)1回の塗布で改善された。頬はニキビ跡である。使用前2016年5月14日、塗布完了2016年5月15日の写真を図6(a)、(b)に示す。
(クリーム塗布及び洗顔条件)2回/日(就寝前・起床後に洗顔後塗布する)。
(性別)女
(年齢)17歳
(症状)頬にニキビとニキビ跡が存在している。
(投薬)なし
(結果)紅斑が若干残っているが、丘疹が改善され滑らかな状態の皮膚に改善された。洗顔開始前2016年7月4日、洗顔2016年7月16日、洗顔とクリーム2016年9月11日の写真を図7(a)〜(c)に示す。
Claims (6)
- 天然明礬を0.1g/dl以上の濃度で含むpHが3.99以下の天然明礬液と、該天然明礬液に対して0.002%オーダーの濃度のティートリー精油飽和液とを含む黄色ブドウ球菌を抑制する室温使用用の黄色ブドウ球菌抑制溶液。
- 請求項1に記載の黄色ブドウ球菌抑制溶液を有効成分として含むことを特徴とするアトピー性皮膚炎治療液。
- 請求項1に記載の黄色ブドウ球菌抑制溶液を含むことを特徴とする化粧品。
- 請求項1に記載の黄色ブドウ球菌抑制溶液を含むことを特徴とする洗浄液。
- 請求項1に記載の黄色ブドウ球菌抑制溶液を含むことを特徴とする消毒液。
- 天然明礬を0.1g/dl以上の濃度で含むpHが3.99以下の天然明礬液と、該天然明礬液に対して0.002%のオーダーのティートリー精油飽和液とを含み、グラム陽性菌に属するアクネ菌を抑制するアクネ菌抑制溶液。
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