以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図3は、本発明の一実施例のディスク判別装置1を示す。このディスク判別装置1は、ディスクDの表面または裏面(以下、総称として「表面」という)の撮像画像を取得し、取得された撮像画像に基づいてディスクDの真偽を判別する機能を有する。ディスク判別装置1は、図1に示すように、画像取得部2、撮像タイミングセンサ3、制御部4、画像処理部5、記憶部6、入出力インターフェース(I/F)7、状態表示器8および登録スイッチ9を含んで構成されている。
まず、図1および図2を参照しながら、画像取得部2について説明する。画像取得部2は、図2に示すように、ディスク搬送路31を搬送されるディスクDの表面の撮像画像を取得し、判別対象のディスクDの撮像画像データIDを制御部4に出力する機能を有する。画像取得部2は、投光装置11、二次元撮像装置12およびハーフミラー26を含んでいる。画像取得部2は、ディスク搬送路31においてディスクDの一面を支持するベース板32に開口された撮像窓33に対応して配置されている。
撮像窓33は、ディスク搬送路31を搬送されるディスクDの撮像領域35を画定する。撮像窓33は、ディスク搬送路31を搬送されるディスクDの搬送方向DLにほぼ平行な一対の長辺と、搬送方向DLにほぼ垂直な一対の短辺を有している。撮像窓33には透光性を有する透光板34が配置され、透光板34のディスク搬送路31側の面はベース板32の表面と、換言すればディスク搬送路31の底面とほぼ面一に構成されている。撮像窓33の一対の長辺の長さは、ディスクDの直径よりも大きく設定されている。撮像窓33の長手方向においてディスクDの直径に関する情報を取得するためである。撮像窓33の各短辺の中点を互いに結ぶ直線とディスク搬送路31を搬送されるディスクDの中心の軌跡とがほぼ一致するように撮像窓33の各短辺が配置されている。ディスクDの表面に関する情報を確実に取得するためである。
投光装置11は、ディスク搬送路31を移動するディスクDの表面に投光する機能を有する。投光装置11は、例えば、面投光装置21である。面投光装置21を用いることにより、ディスクDの回転位相が異なっても影の影響のない撮像が可能となるからである。面投光装置21は、発光素子22、導光板23、反射シート24および拡散シート25を含んでいる。なお、本実施形態において、発光素子22はLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)である。
発光素子(すなわち、LED)22は、ディスクDへ光を投光するための光源である。発光素子22には白色LEDが使用され、発光素子22が白色可視光を投光する。しかし、発光素子22として、三色LEDを用いることもできる。発光素子22は、図2に示すように、導光板23の側端面に面して配置されているので、ディスク搬送路31と平行な面内に配置することができ、設置スペースは小さい。なお、図2に示す発光素子22の位置は便宜的に図示したものである。
導光板23は、本実施形態において、低コストの観点から樹脂にて製造された矩形薄板状をしており、ディスク搬送路31に対しその面が平行に配置されている。樹脂は、透明または拡散材の混入により乳白色を呈する。拡散材を混入した場合、拡散シート25は不要となる。導光板23は、ガラス基板によって構成することもできる。本実施形態では、撮像領域35に導光板23が相対している。
反射シート24は、導光板23からディスク搬送路31の反対側へ光が拡散するのを防止し、ディスク搬送路31側に反射する機能を有する。反射シート24は、導光板23のディスク搬送路31の反対側に位置する面に密着されている。なお、反射シート24に代えて、導光板23に銀膜を蒸着しても良い。
拡散シート25は、導光板23のディスク搬送路31側の面から投光される光を面均一に拡散させる機能を有する。したがって、導光板23によって導かれ、または、反射シート24によって反射された発光素子22からの投射光は、拡散シート25によって面全体に亘って均一な光量にされ、ディスク搬送路31に向けて投光される。これにより、ディスクDに均一な投光がなされる。拡散シート25から投射される投射光は、ディスク搬送路31、換言すれば、ディスク搬送路31を移動するディスクDに対し直角に投射される。これは、ディスクDの平面の凹凸による光学的な影を作らないためである。導光板23、反射シート24および拡散シート25は薄いので、投光装置11を小型にすることができる。
なお、本実施形態の面投光装置21は、発光素子22としてのLED、導光板23、反射シート24および拡散シート25を含んで構成されているが、これに限定されない。例えば、複数個のLEDを二次元状に配列させたLEDアレイや、LED等の点光源とレンズとを組み合わせた平行光などを用いることができる。また、本実施形態では、発光素子22としてLEDを用いているが、これに限定されることはなく、冷陰極線管やハロゲンランプなどの光源を用いることもできる。
ハーフミラー26は、入射光の一部を反射すると共に、入射光の一部を透過する機能を有する。具体的には、投光装置11からの投光は透過し、ディスクDからの反射光は反射する機能を有する。換言すれば、ハーフミラー26は、投光装置11からの投光をディスク搬送路31におけるディスクDに対し直角に投光し、かつ、ディスクDからの反射光をディスク搬送路31と平行な方向に反射させる。本実施形態において、ハーフミラー26は厚みが薄い投光性樹脂で形成された有機ガラスにクロムを反射膜として蒸着またはメッキしたものである。しかしながら、これに限定されることなく、有機ガラスにかえて、硼珪酸ガラス、石英ガラス、ジルコニア、ルビーおよびサファイアなどの光学ガラスを基板ガラスとして用いても構わない。また、反射膜として、クロムにかえて、錫および銀などの金属膜や、酸化チタン、酸化シリコン、五酸化ニオブ、五酸化タンタルおよびフッ化マグネシウム等の誘電体材料を用いても構わない。ハーフミラー26は、撮像領域35の側方において、ディスク搬送路31の面に対し45度の角度で傾斜配置されている。
二次元撮像装置12は、集光レンズ41および撮像素子42を含んでいる。集光レンズ41は、ハーフミラー26によって反射された光を所定の小さな範囲に集光する機能を有する。集光レンズ41は、上記機能から、所定の屈折率を有する凸レンズであり、ハーフミラー26の側方、換言すればハーフミラー26が傾斜している方向に配置され、ハーフミラー26と同等または小さい直径を有している。投光装置11等の形状を工夫し、集光レンズ41を小型化することが好ましい。これは、二次元撮像装置12の低価格化および小型化のためである。撮像素子42は、集光レンズ41によって集光された像を撮像する機能を有する。撮像素子42は、集光レンズ41に対してハーフミラー26の反対側、かつ集光レンズ41を介してディスクDの表面像が結像する位置に配置されている。撮像素子42は、小型化のため、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサが採用される。
次に、撮像タイミングセンサ3について説明する。撮像タイミングセンサ3は、ディスク搬送路31を搬送されるディスクDが撮像領域35上を通過するタイミングを検知する機能を有する。撮像タイミングセンサ3は、ディスクDのほぼ全面がハーフミラー26の上方に達したときに撮像タイミングセンサ3がディスクDまたはディスクDを搬送する搬送部(図示せず)を検知できるよう配置されている。そのため、撮像タイミングセンサ3は、ディスクDを最適に撮像できるタイミングを示すタイミング信号TSをディスクDの検知信号として出力する。
制御部4は、撮像タイミングセンサ3から出力されるタイミング信号TSに基づき撮像素子42および発光素子22の作動を制御すると共に、撮像素子42で取得された撮像画像を記憶部6に記憶させ、記憶された撮像画像に基づいて画像処理部5に所定の画像処理を実行させる機能を有する。図3に示すように、制御部4は、画像取得部2から出力されたディスクDの撮像画像データIDを後述する記憶部6の撮像画像保持部55に出力する。さらに制御部4は、画像処理部5に対する画像処理制御信号PCSを画像処理部5に出力する。また、制御部4は、記憶部6に対する記憶部制御信号MCSを記憶部6に出力する。
画像処理部5は、図3に示すように、基準画像生成部51、被判別画像生成部52、画像縮小部53および判別部54を含み、記憶部6に記憶された撮像画像に対して種々の処理を行う機能を有する。画像処理部5は、制御部4から出力される画像処理制御信号PCSによって制御される。画像処理部5の詳細については後述する。
次に、記憶部6について説明する。記憶部6は、図3に示すように、撮像画像保持部55、基準画像保持部56、被判別画像保持部57、縮小基準画像保持部58および縮小被判別画像保持部59を含んでいる。撮像画像保持部55は、制御部4から出力された撮像画像データIDに基づいて、基準ディスクSDおよび判別対象ディスクTDのそれぞれの撮像画像を保持すると共に、保持された基準ディスクSDおよび判別対象ディスクTDのそれぞれの撮像画像データIDを画像処理部5の基準画像生成部51および被判別画像生成部52にそれぞれ出力する機能を有する。基準画像保持部56は、画像処理部5の基準画像生成部51で生成された基準画像を保持すると共に、保持された基準画像を画像処理部5の画像縮小部53および判別部54に基準画像データBDとして出力する機能を有する。被判別画像保持部57は、被判別画像生成部52で生成された被判別画像を保持すると共に、保持された被判別画像を画像処理部5の画像縮小部53および判別部54に被判別画像データCDとして出力する機能を有する。縮小基準画像保持部58は、画像処理部5の画像縮小部53で縮小されてなる縮小基準画像を保持すると共に、保持された縮小基準画像を画像処理部5の判別部54に縮小基準画像データDDとして出力する機能を有する。縮小被判別画像保持部59は、画像処理部5の画像縮小部53で縮小されてなる縮小被判別画像を保持すると共に、保持された縮小被判別画像を画像処理部5の判別部54に縮小被判別画像データEDとして出力する機能を有する。
撮像画像保持部55、被判別画像保持部57および縮小被判別画像保持部59は、例えば、データの読み出し/書き込み速度の観点からRAM(Random Access Memory)により構成される。基準画像保持部56および縮小基準画像保持部58は、例えば、データ保持の持続性の観点からEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性メモリで構成される。撮像画像保持部55、基準画像保持部56、被判別画像保持部57、縮小基準画像保持部58および縮小被判別画像保持部59の動作は、制御部4から出力される記憶部制御信号MCSによって制御される。
入出力インターフェース7は、ディスク判別装置1が組み込まれる本体機器(図示せず)に電気的に接続する機能を有する。入出力インターフェース7を介して本体機器をディスク判別装置1に接続することにより、本体機器に対して所望の信号を入出力可能である。
状態表示器8は、ディスク判別装置1の動作状態を表示する機能を有する。状態表示器8は、例えば、発光色の異なる複数のLED(図示せず)により構成され、それらLEDの発光が制御部4により制御されることにより、ディスク判別装置1の様々な状態(例えば、正常動作やエラー発生等)が報知される。なお、状態表示器8としては、液晶パネルなどのディスプレイ装置も使用可能である。
登録スイッチ9は、後述する基準画像および縮小基準画像の登録において使用され、登録の開始および終了を制御部4に指示する機能を有する。これにより、登録スイッチ9がオンの場合(換言すれば、登録モードの場合)には後述の基準画像および縮小基準画像を登録する処理が実行され、登録スイッチ9がオフの場合(換言すれば、判別モードの場合)には後述の判別対象ディスクの真偽を判別する処理が実行される。
次に、図3を参照しながら画像処理部5について詳細に説明する。画像処理部5は、真正ディスクとして判別すべき複数の基準ディスクSDのそれぞれに対応する複数の基準画像を生成すると共に、当該複数の基準画像のそれぞれを縮小にてなる複数の縮小基準画像を生成する機能を有している。また、画像処理部5は、判別対象ディスクTDに対応する被判別画像を生成すると共に、当該被判別画像を縮小してなる縮小被判別画像を生成する機能を有している。さらに、画像処理部5は、上記複数の縮小基準画像のそれぞれと上記縮小被判別画像との対比結果に基づき上記複数の基準画像のいずれか一つを選択し、当該選択された基準画像と上記被判別画像との対比結果に基づき判別対象ディスクTDの真偽を判別する機能を有している。画像処理部5は、基準画像生成部51、被判別画像生成部52、画像縮小部53および判別部54を含んで構成される。
まず、基準画像生成部51について説明する。基準画像生成部51は、エッジ抽出部61、中心抽出部62、有効領域抽出部63およびマスク処理部64を含んでいる。
エッジ抽出部61は、撮像画像保持部55に保持された基準ディスクSDの撮像画像においてエッジを抽出する機能を有する。エッジ抽出とは、X−Y空間上で明るさの変化が急峻となる部分を抽出する。例えば、プレヴィットフィルタ、ソーベルフィルタ、ロバーツフィルタおよびラプラシアンフィルタなどの公知のフィルタを元の画像に適用することにより、エッジが抽出された画像が得られる。図12(A)は、エッジ抽出された画像の一例を示す。撮像画像IR内には、基準ディスクSDの外周縁PLの全体が含まれる。
中心抽出部62は、エッジ抽出部61でエッジ抽出された画像に基づき、撮像画像におけるディスクの中心位置を抽出する機能を有する。換言すれば、撮像画像IRにおいて基準ディスクSDの中心CP(図12(A)参照)を示す座標値を算出する。中心位置の抽出には公知の方法が用いられ、例えば、撮像画像において縦軸(Y軸)方向に延びる各ラインに対しディスクの周縁部の一方と他方とを検出し、検出された両周縁部の間隔が最大となるラインにおける両周縁部間の中点をディスクの中心位置とする。しかし、中心位置の抽出には他の方法を用いることもできる。
有効領域抽出部63は、中心抽出部62で求められた中心座標を中心としてX−Y空間上で予め設定された所定の画素領域を抽出して有効領域を設定する機能を有する。図12(B)に示すように、有効領域CRの抽出は、基準ディスクSDの外周縁PLの少なくとも一部が含まれる大きさの正方形の画素を公知の方法で切り出すことにより行われる。
マスク処理部64は、有効領域抽出部63により抽出された有効領域において、X−Y空間上で予め設定された所定の画素領域以外の部分をマスクする機能を有する。マスクすることにより、マスク対象領域の画素値には最小値または最大値が設定される。図12(C)に示すように、マスク領域MRは、中心抽出部62で求められた中心座標を中心CPとする所定半径Rmの円MLの外部領域である。この場合の半径Rmは、有効領域CRの一辺の2倍未満に設定される。これにより、外周縁PLおよびその近傍位置する画素がマスク領域MRでマスクされる。こうして、図12(D)に示すような基準画像が生成される。
基準画像生成部51で生成された基準画像は、基準画像データBDとして記憶部6の基準画像保持部56に出力されて基準画像保持部56に保持される。基準画像保持部56に保持された基準画像は、制御部4の記憶部制御信号MCSに基づいて、基準画像データBDとして画像処理部5の画像縮小部53または判別部54に出力される。
基準画像生成部51は、同一種の真正ディスクとして判別すべき複数の基準ディスクSDにそれぞれ対応する複数の基準画像を生成する。すなわち、画像取得部2で複数の基準ディスクSDの撮像画像が取得され、それらの撮像画像に基づき複数の基準画像が生成される。こうして生成された複数の基準画像は、記憶部6の基準画像保持部56に保持される。なお、複数の基準ディスクSDとしては、未使用のディスクD、使用期間に応じて摩耗や汚れ、変質したディスクDなどが適宜に適用される。
次に、被判別画像生成部52について説明する。被判別画像生成部52は、基準画像生成部51と同様に、エッジ抽出部61、中心抽出部62、有効領域抽出部63およびマスク処理部64を含んでいる。そのため、ここでは同じ構成要素に同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。なお、基準画像生成部51および被判別画像生成部52を兼用することにより、一つの構成要素とすることも勿論可能である。
被判別画像生成部52で生成された被判別画像は、被判別画像データCDとして記憶部6の被判別画像保持部57に出力されて被判別画像保持部57に保持される。被判別画像保持部57に保持された被判別画像は、制御部4の記憶部制御信号MCSに基づいて、被判別画像データCDとして画像処理部5の画像縮小部53または判別部54に出力される。
次に、画像縮小部53について説明する。画像縮小部53は、所望の画像を縮小して(画素数を減少させて)、縮小画像を生成する機能を有する。画像の縮小方法としては、バイリニア法、バイキュービック法、最近隣零次補間法、4点線形補間法、3次畳み込み補間法などの公知の方法が適宜採用される。画像縮小部53は、記憶部6の基準画像保持部56に保持された複数の基準画像のそれぞれを縮小することにより複数の縮小基準画像を生成する。画像縮小部53で生成された複数の縮小基準画像は、縮小基準画像データDDとして記憶部6の縮小基準画像保持部58に出力され、縮小基準画像保持部58に保持される。また、画像縮小部53は、記憶部6の被判別画像保持部57に保持された被判別画像を縮小することにより縮小被判別画像を生成する。画像縮小部53で生成された縮小被判別画像は、縮小被判別画像データEDとして記憶部6の縮小被判別画像保持部59に出力され、縮小被判別画像保持部59に保持される。縮小基準画像保持部58に保持された複数の縮小基準画像は、制御部4の記憶部制御信号MCSに基づいて、縮小基準画像データとして判別部54に出力される。縮小被判別画像保持部59に保持された縮小被判別画像は、制御部4の記憶部制御信号MCSに基づいて、縮小被判別画像データEDとして判別部54に出力される。
次に、判別部54について説明する。判別部54は、記憶部6の縮小基準画像保持部58に保持された複数の縮小基準画像のそれぞれと記憶部6の縮小被判別画像保持部59に保持された縮小被判別画像との対比結果に基づいて記憶部6の基準画像保持部56に保持された複数の基準画像のいずれか一つを選択し、選択された基準画像と記憶部6の被判別画像保持部に保持された被判別画像とを対比して判別対象ディスク(換言すれば、画像取得部2で撮像された判別対象ディスクTD)の真偽を判別する機能を有する。判別部54による判別結果は、判別部54から判別信号ISとして制御部4に出力される。判別部54は、基準画像選択部71、画像回転部72、画像移動部73および対比判定部74を含んでいる。
基準画像選択部71は、記憶部6の縮小基準画像保持部58に保持された複数の縮小基準画像のそれぞれと記憶部6の縮小被判別画像保持部59に保持された縮小被判別画像とを対比し、それら対比結果に基づいて記憶部6の基準画像保持部56に保持された複数の基準画像のいずれか一つを選択する機能を有する。縮小基準画像と縮小被判別画像との対比は、後述の画像回転部72により縮小基準画像または縮小批判別画像を回転させて回転ずれを補正しながら実行される。また、当該対比は、縮小基準画像および縮小被判別画像の各画素について画素値を比較し、縮小基準画像および縮小被判別画像の相違する度合い(以下、相違度という)または類似する度合い(以下、類似度という)に基づいて判定される。例えば、類似度で判定する場合、画素単位で画素値の相関係数を求め、相関係数を積算して類似度を算出する。算出された類似度が最大となる(換言すれば、最大類似度となる)ときの縮小基準画像を特定する。相違度で判定する場合、相違度が最小となる(換言すれば、最小相違度となる)ときの縮小基準画像を特定する。そして、特定された縮小基準画像に対応する基準画像を選択する。
画像回転部72は、所望の画像をX−Y空間上で回転させる機能を有する。画像の回転は、公知のアフィン変換を用い、基準画像生成部51の中心抽出部62または被判別画像生成部52の中心抽出部62で抽出されたディスク中心位置を基準に所定の回転角度で実行される。画像回転部72は、記憶部6の縮小基準画像保持部58に保持された縮小基準画像、縮小被判別画像保持部59に保持された縮小被判別画像、基準画像保持部56に保持された基準画像または被判別画像保持部57に保持された被判別画像を回転させる。
画像移動部73は、所望の画像をX−Y空間上で平行移動させる機能を有する。画像の平行移動は、所定の方向および移動距離で実行される。換言すれば、画素で規定されたX軸方向およびY軸方向の移動距離(例えば、X軸方向に1ピクセル、Y軸方向に0ピクセル)に基づき、画像全体が平行移動される。画像移動部73は、記憶部6の基準画像保持部56に保持された基準画像または被判別画像保持部57に保持された被判別画像を平行移動させる。
対比判定部は、基準画像選択部71で選択された基準画像と記憶部6の被判別画像保持部57に保持された被判別画像を対比し、対比結果に基づいて被判別画像に対応する判別対象ディスクTDの真偽を判定する機能を有する。対比判定は、基準画像および被判別画像における回転ずれおよび位置ずれを補正しながら実行される。回転ずれの補正は、画像回転部72により基準画像または被判別画像を回転させることで行われる。位置ずれの補正は、画像移動部73により基準画像または被判別画像を平行移動させることにより行われる。また、対比判定は、基準画像および被判別画像の各画素について画素値を比較し、基準画像および被判別画像の相違度または類似度に基づいて判定される。例えば、類似度で判定する場合、画素単位で画素値の相関係数を求め、相関係数を積算して類似度を算出する。算出された類似度が最大となる最大類似度が所定の閾値以上である場合に一致する(換言すれば、判別対象ディスクTDが真正ディスクである)と判定される。相違度で判定する場合、相違度が最小となる最小相違度が所定の閾値以下である場合に一致する(換言すれば、判別対象ディスクTDが真正ディスクである)と判定される。
なお、画像処理部5を構成するエッジ抽出部61、中心抽出部62、有効領域抽出部63、マスク処理部64、画像縮小部53、基準画像選択部71、画像回転部72、画像移動部73および対比判定部74は、それぞれの機能を有するものであれば、ハードウェアおよびソフトウェアのいずれで構成してもよい。一部をハードウェアとし残りをソフトウェアとすることも可能である。
次に、図4〜図13を参照しながら、ディスク判別装置1の動作について説明する。
まず、図4に示すように、ステップS1において、初期化がなされる。初期化では、撮像素子42のフレームレート、撮像タイミングセンサ3の感度などが設定される。
次のステップS2において、基準画像および縮小基準画像を登録するか否かが判定される。すなわち、登録スイッチ9がオンされたか否かが判定される。登録スイッチ9がオンの場合、ステップS3に進み、後述の基準画像および縮小基準画像の登録が実行される。登録スイッチ9がオフの場合、ステップS4に進む。
ステップS3における基準画像の登録では、図5に示す各ステップが実行される。まず、ステップS21では、登録設定がなされる。登録設定では、登録する基準ディスクSDに関する各種パラメータが設定される。パラメータとしては、同種の真正ディスクと判定すべき複数の基準ディスクSDの枚数、基準ディスクSDの面数が設定される。基準ディスクSDの枚数は、未使用ディスク、使用済みのディスクで使用期間が異なるものなどの表面状態の変化に応じて適宜設定される。ここでは、一例として基準ディスクSDの枚数を「2」に設定し、基準ディスクSDの面数を「2」に設定した場合について説明する。
次のステップS22では、ディスク番号nに「1」が設定される。続くステップS23では、面番号kに「1」が設定される。換言すれば、ステップS22においてディスク番号nが初期化され、ステップS23において面番号kが初期化される。
次のステップS24では、撮像タイミングセンサ3がオンしたか否かが判定される。換言すれば、ディスク搬送路31を移動する基準ディスクSDが撮像位置に到達したか否かが判定される。基準ディスクSDが撮像位置に到達した場合、撮像タイミングセンサ3がオンする。すなわち、ディスク搬送路31における基準ディスクSDの移動に対応して、撮像タイミングセンサ3がオンする。撮像タイミングセンサ3がオンの場合、ステップS25に進む。基準ディスクSDが撮像位置に到達しない場合、撮像タイミングセンサ3がオフの状態に保たれ、ステップS24が繰り返し実行される。換言すれば、基準ディスクSDが撮像位置に到達する迄は、待機状態となる。
次のステップS25では、制御部4が発光素子22に点灯制御信号LCSを出力し、発光素子22が点灯制御信号LCSに基づいて短時間点灯(すなわち、フラッシュ)される。これにより、投光装置11から撮像窓33に向かう拡散光が発せられ、撮像窓33と相対する基準ディスクSDが投光される。
次のステップS26では、制御部4が撮像素子42に撮像制御信号ICSを出力し、撮像素子42が撮像制御信号ICSに基づいて基準ディスクSDを撮像する。換言すれば、二次元撮像装置12により基準ディスクSDの撮像画像が取得される。撮像素子42は、取得された撮像画像データIDを制御部4に出力する。制御部4は、供給された撮像画像データIDを記憶部6に転送する。記憶部6は、送られた撮像画像データIDに基づく基準ディスクSDの撮像画像を撮像画像保持部55に格納し保持する。
次のステップS27では、画像処理部5の基準画像生成部51が撮像画像保持部55に保持された撮像画像に対し前処理を実行する。前処理は、図6に示すように、エッジ抽出、中心抽出、有効領域抽出、マスク処理の順で実行される。
まず、ステップS41では、エッジ抽出が実行される。すなわち、基準画像生成部51のエッジ抽出部61が、記憶部6の撮像画像保持部55に保持された基準ディスクSDの撮像画像に対してエッジ抽出の処理を行う。
次のステップS42では、中心抽出が実行される。すなわち、基準画像生成部51の中心抽出部62が、ステップS41においてエッジ抽出された基準ディスクの撮像画像に基づいて中心位置を抽出(換言すれば、算出)する。抽出された中心位置の座標値は、記憶部6の図示しない記憶領域に格納されて保持される。
次のステップS43では、有効領域が抽出される。すなわち、基準画像生成部51の有効領域抽出部63が、ステップS42において抽出された中心位置に基づいてステップS41でエッジ抽出された基準ディスクSDの撮像画像に対して有効領域を抽出する(換言すれば、画定して切り出す)。
次のステップS44では、マスク処理が実行される。すなわち、基準画像生成部51のマスク処理部64が、ステップS43で抽出された有効領域の画像に対してマスク処理を施す。こうして、記憶部6の撮像画像保持部55に保持された基準ディスクSDの撮像画像に対して、ステップS41〜S44の前処理が実行されることにより、基準画像が生成される。これにより、図5のステップS27が終了する。
図5のステップS27の次に実行されるステップS28では、ステップS27で生成された基準画像が記憶部6の基準画像保持部56に格納され保持される。このとき、基準画像は、ステップS22またはS33で設定されたディスク番号nと、ステップS23またはS31で設定された面番号kと、に対応付けられて、基準画像保持部56に保持される。換言すれば、複数の基準画像のそれぞれは、ディスク番号nおよび面番号kを指定することにより選択可能に保持される。
次のステップS29では、縮小基準画像が生成される。すなわち、画像処理部5の画像縮小部53が記憶部6の基準画像保持部56に保持された複数の基準画像のそれぞれを縮小することにより、複数の縮小基準画像が生成される。縮小率は、後述する縮小基準画像と縮小被判別画像の対比で複数の縮小基準画像のいずれか一つを特定可能であって、且つ、当該対比に要する時間を可及的に減少できる値に設定される。縮小率は、例えば、X軸方向およびY軸方向のそれぞれにおいて1/3に設定される。この場合、画素の総数は1/9に縮小される。
次のステップS30では、ステップS29で生成された複数の縮小基準画像が記憶部6の縮小基準画像保持部58に格納され保持される。複数の縮小基準画像のそれぞれは、基準画像の場合と同様に、ディスク番号nおよび面番号kを指定することにより選択可能に保持される。換言すれば、複数の縮小基準画像は、複数の基準画像のそれぞれに対応付けられて縮小基準画像保持部58に保持される。
次のステップS31では、現在の面番号kに「1」を加算した「k+1」が新たな面番号kとして設定される。換言すれば、面番号kが更新される。
次のステップS32では、面番号kが「3」以上であるか否かが判定される。面番号kが「3」未満である場合(すなわち、「k<3」の場合)にはステップS24に戻り、ステップS24〜S32の処理が繰り返し実行される。これにより、ディスク番号nの基準ディスクSDの両面における基準画像および縮小基準画像が記憶部6の基準画像保持部56および縮小基準画像保持部58に保持される。面番号が「3」以上である場合(すなわち、「k≧3」の場合)には、ステップS33に進む。
ステップS33では、現在のディスク番号nに「1」を加算した「n+1」が新たなディスク番号nとして設定される。換言すれば、ディスク番号nが更新される。
次のステップS34では、ディスク番号nが「3」以上であるか否かが判定される。ディスク番号nが「3」未満である場合(すなわち、「n<3」の場合)にはステップS23に戻り、ステップS23〜S34の処理が繰り返し実行される。これにより、複数の基準ディスクSDの両面における基準画像および縮小基準画像が記憶部6の基準画像保持部56および縮小基準画像保持部58に保持される。ディスク番号nが「3」以上である場合(すなわち、「n≧3」の場合)には図4のステップS3の登録処理が終了し、図4のステップS2に戻る。
図4のステップS2において登録スイッチ9がオフの場合に実行されるステップS4では、撮像タイミングセンサ3がオンしたか否かが判定される。換言すれば、ディスク搬送路31を移動する判別対象ディスクTDが撮像位置に到達したか否かが判定される。判別対象ディスクTDが撮像位置に到達した場合、撮像タイミングセンサ3がオンする。すなわち、ディスク搬送路31における判別対象ディスクTDの移動に対応して、撮像タイミングセンサ3がオンする。撮像タイミングセンサ3がオンの場合、ステップS5に進む。判別対象ディスクTDが撮像位置に到達しない場合、撮像タイミングセンサ3がオフの状態に保たれ、ステップS4が繰り返し実行される。換言すれば、判別対象ディスクTDが撮像位置に到達する迄は、待機状態となる。
次のステップS5では、制御部4が発光素子22に点灯制御信号LCSを出力し、発光素子22が点灯制御信号LCSに基づいて短時間点灯(すなわち、フラッシュ)される。これにより、投光装置11から撮像窓33に向かう拡散光が発せられ、撮像窓33と相対する判別対象ディスクTDが投光される。
次のステップS6では、制御部4が撮像素子42に撮像制御信号ICSを出力し、撮像素子42が撮像制御信号ICSに基づいて判別対象ディスクTDを撮像する。換言すれば、二次元撮像装置12により判別対象ディスクTDの撮像画像が取得される。撮像素子42は、取得された撮像画像データIDを制御部4に出力する。制御部4は、供給された撮像画像データIDを記憶部6に転送する。記憶部6は、送られた撮像画像データIDに基づく判別対象ディスクTDの撮像画像を撮像画像保持部55に格納し保持する。
次のステップS7では、画像処理部5の被判別画像生成部52が撮像画像保持部55に保持された撮像画像に対し前処理を実行する。前処理は、図6に示すように、エッジ抽出、中心抽出、有効領域抽出、マスク処理の順で実行される。
まず、ステップS41では、エッジ抽出が実行される。すなわち、被判別画像生成部52のエッジ抽出部61が、記憶部6の撮像画像保持部55に保持された判別対象ディスクTDの撮像画像に対してエッジ抽出の処理を行う。
次のステップS42では、中心抽出が実行される。すなわち、被判別画像生成部52の中心抽出部62が、ステップS41においてエッジ抽出された判別対象ディスクTDの撮像画像に基づいて中心位置を抽出(換言すれば、算出)する。抽出された中心位置の座標値は、記憶部6の図示しない記憶領域に格納されて保持される。
次のステップS43では、有効領域が抽出される。すなわち、被判別画像生成部52の有効領域抽出部63が、ステップS42において抽出された中心位置に基づいてステップS41でエッジ抽出された判別対象ディスクTDの撮像画像に対して有効領域を抽出する(換言すれば、画定して切り出す)。
次のステップS44では、マスク処理が実行される。すなわち、被判別画像生成部52のマスク処理部64が、ステップS33で抽出された有効領域の画像に対してマスク処理を施す。こうして、記憶部6の撮像画像保持部55に保持された判別対象ディスクTDの撮像画像に対して、ステップS41〜S44の前処理が実行されることにより、被判別画像が生成される。これにより、図4のステップS7が終了する。
図5のステップS8では、ステップS7で生成された被判別画像が記憶部6の被判別画像保持部57に格納され保持される。
次のステップS9では、縮小被判別画像が生成される。すなわち、画像処理部5の画像縮小部53が記憶部6の被判別画像保持部57に保持された被判別画像を縮小することにより、縮小被判別画像が生成される。換言すれば、画像縮小部53が縮小被判別画像を生成する縮小被判別画像生成部として機能する。縮小率は、前述の縮小基準画像を生成する際の縮小率と同一の値に設定される。例えば、X軸方向およびY軸方向のそれぞれにおいて1/3に縮小される。この場合、画素の総数は1/9に縮小される。
次のステップS10では、ステップS9で生成された縮小被判別画像が記憶部6の縮小被判別画像保持部59に格納され保持される。
次のステップS11では、基準画像が選択される。すなわち、判別部54の基準画像選択部71が記憶部6の基準画像保持部56に保持された複数の基準画像のいずれか一つを選択する。基準画像の選択は、図7の各ステップが実行されることによりなされる。
図7の最初のステップS51では、ディスク番号nに「1」が設定される。続くステップS52では、面番号kに「1」が設定される。換言すれば、ディスク番号nおよび面番号kが初期化される。
次のステップS53では、ディスク番号nおよび面番号kの縮小基準画像が選択される。換言すれば、記憶部6の縮小基準画像保持部58に保持された複数の縮小基準画像のうちの一つが選択される。
次のステップS54では、縮小画像対比判定が実行される。すなわち、ステップS53で選択された縮小基準画像と記憶部6の縮小被判別画像保持部59に保持された縮小被判別画像とを対比して、判定結果として判定類似度を求める。縮小画像対比判定の処理は、図8に示す各ステップが実行されることによりなされる。
図8の最初のステップS71では、回転角度θに「0」が設定される。換言すれば、回転角度θが初期化される。
次のステップS72では、画像比較が行われて類似度SMが算出される。すなわち、図7のステップS53で選択された縮小基準画像と記憶部6の縮小被判別画像保持部59に保持された縮小被判別画像とを対比して類似度SMが算出される。前述した通り、類似度SMは、縮小基準画像および縮小被判別画像の各画素について画素値を比較し、画素単位で画素値の相関係数を求め、相関係数を積算することにより算出される。
次のステップS73では、回転角度θが「0」であるか否かが判定される。「θ=0」である場合にはステップS75に進み、「θ≠0」の場合にはステップS74に進む。
ステップS75および次のステップS76では、類似度SMの最大値を示す最大類似度SMmと、類似度SMが最大となる最大類似度回転角度θmとが設定される。すなわち、ステップS75において最大類似度SMmとして現在の類似度SMが設定される。設定された最大類似度SMmは、記憶部6の図示しない領域に格納される。
ステップS73で「θ=0」の場合、ステップS72で算出された類似度SMが最大類似度SMmとして設定される。
ステップS73で「θ≠0」の場合、ステップS74において、ステップS72で算出された類似度SMが最大類似度SMmを超えるか否かが判定される。「SM>SMm」である場合、すなわち、ステップS72で算出された類似度SMが既に設定されている最大類似度SMmを超える場合、ステップS75に進み、算出された類似度SMが最大類似度SMmに設定されることにより、最大類似度SMmが更新される。他方、「SM≦SMm」である場合、ステップS76に進み、現在の最大類似度SMmが維持される。
次のステップS76では、現在の回転角度θに回転角度増分θdを加算した「θ+θd」が新たな回転角度θとして設定される。換言すれば、回転角度θが更新される。本実施形態では、縮小被判別画像を1回転させたときに「θ=0」の場合を含めて全100枚の画像が得られるように回転角度増分θdが設定される。この場合の回転角度増分θdは「3.6°」である。
次のステップS77では、回転角度θが「360°」以上であるか否かが判定される。「θ<360°」の場合にはステップS78に進み、「θ≧360°」の場合にはステップS79に進む。
ステップS78では、判別部54の画像回転部72により、記憶部6の縮小被判別画像保持部59に保持された縮小被判別画像が回転角度θで回転された後、ステップS72に戻り、ステップS72〜S78が繰り返し実行される。これにより、縮小被判別画像および回転角度を変えながら回転された縮小被判別画像のそれぞれと図7のステップS53で選択された縮小基準画像とが対比された結果、類似度SMが最大となる最大類似度SMmを求めることができる。そして、ステップS79では、最大類似度SMmが類似度SMとして設定される。換言すれば、縮小基準画像および縮小被判別画像の相対的な回転ずれが補正された状態での最大類似度SMmが類似度SMとして設定される。ステップS79の実行後、図7のステップS55に進む。
図7のステップS55では、面番号kが「1」およびディスク番号nが「1」であるか否かが判定される。面番号kが「1」およびディスク番号が「1」である場合にはステップS57に進み、それ以外の場合にはステップS56に進む。
ステップS57および次のステップS58では、類似度SMの最大値を示す最大類似度SMmと、類似度SMが最大となる最大類似度面番号Kmおよび最大類似度ディスク番号Nmとが設定される。すなわち、ステップS57において最大類似度SMmとして現在の類似度SMが設定され、ステップS58において最大類似度面番号Kmおよび最大類似度ディスク番号Nmとして現在の面番号kおよびディスク番号nがそれぞれ設定される。設定された最大類似度SMm、最大類似度面番号Kmおよび最大類似度ディスク番号Nmは、記憶部6の図示しない領域に格納される。
ステップS55で「k=1」および「n=1」の場合、ステップS54で算出された類似度SMが最大類似度SMmとして設定され、最大類似度面番号Kmおよび最大類似度ディスク番号Nmとして「1」がそれぞれ設定される。
ステップS55において「k≠1」または「n≠1」の場合、ステップS56において、ステップS54で算出された類似度SMが最大類似度SMmを超えるか否かが判定される。「SM>SMd」である場合、ステップS57に進み、算出された類似度SMが最大類似度SMmに設定されることにより、最大類似度SMmが更新される。さらに、ステップS58では、ステップS60またはステップS62で設定された面番号kまたはディスク番号nが最大類似度面番号Kmまたは最大類似度ディスク番号Nmに設定されることにより、最大類似度面番号Kmまたは最大類似度ディスク番号Nmが更新される。他方、「SM≦SMm」である場合、ステップS59に進み、現在の最大類似度SMm、最大類似度面番号Kmおよび最大類似度ディスク番号Nmが維持される。
次のステップS59では、面番号kが「3」以上であるか否かが判定される。面番号kが「3」未満の場合(すなわち、「k<3」の場合)にはステップS60に進み、面番号kが「3」以上である場合(すなわち、「k≧3」である場合)にはステップS61に進む。
ステップS60では、現在の面番号kに「1」を加算した{k+1」が新たな面番号kとして設定される。換言すれば、面番号kが更新される。その後、ステップS53に戻り、ステップS53〜S59が繰り返し実行される。これにより、基準ディスクSDの両面のそれぞれに対応する縮小基準画像と縮小被判別画像との対比が行われる。
ステップS61では、ディスク番号nが「3」以上であるか否かが判定される。ディスク番号nが「3」未満の場合にはステップS62に進み、ディスク番号nが「3」以上の場合にはステップS63に進む。
ステップS62では、現在のディスク番号nに「1」を加算した「n+1」が新たなディスク番号nとして設定される。換言すれば、ディスク番号nが更新される。その後、ステップS52に戻りステップS52〜S61が繰り返し実行される。これにより、複数の基準ディスクSDのそれぞれに対応する縮小基準画像と縮小被判別画像との対比が行われる。
ステップS63では、ディスク番号Nmおよび面番号Kmの基準画像が選択される。これにより、複数の基準画像のうちの類似度SMが最大となる(換言すれば、最も類似する)一つの基準画像が選択される。こうして、基準画像が選択された後、図4のステップS12に進む。
この基準画像選択処理では、複数の縮小基準画像と縮小被判別画像との対比により行われる。例えば、X軸方向およびY軸方向の縮小率を縦横それぞれ1/3に設定した場合、画素数は1/9に減少するので、画像を縮小せずに対比するときに比べて約9倍の速度で基準画像を選択することができる。2つの基準画像のそれぞれと被判別画像とを対比する場合に比べると、判別に要する時間は「(1+2/9)/2≒0.61」となり、約40%短縮される。
図4のステップS12では、ステップS11において選択された基準画像と判別対象ディスクTDの被判別画像とが対比判定される。対比判定は、図9および図10の各ステップが実行されることにより行われる。
まず、図9のステップS81では、回転角度θに「0」が設定される。換言すれば、回転角度θが初期化される。
次のステップS82では、図4のステップS11において選択された基準画像と被判別画像とが比較されて、類似度SMが算出される。類似度SMは、基準画像および被判別画像の各画素について画素値を比較し、画素単位で画素値の相関係数を求め、相関係数を積算することにより算出される。
次のステップS83では、回転角度θが「0」であるか否かが判定される。「θ=0」である場合にはステップS85に進み、「θ≠0」である場合にはステップS84に進む。
ステップS85および次のステップS86では、類似度SMの最大値を示す最大類似度SMmと、類似度SMが最大となる最大類似度回転角度θmとが設定される。すなわち、ステップS85において最大類似度SMmとして現在の類似度SMが設定され、ステップS86において最大類似度回転角度θmとして現在の回転角度θが設定される。設定された最大類似度SMmおよび最大類似度回転角度θmは、記憶部6の図示しない領域に格納される。
ステップS83において「θ=0」の場合、ステップS82で算出された類似度SMが最大類似度SMmとして設定され、最大類似度回転角度θmとして「0」が設定される。
ステップS83で「θ≠0」の場合、ステップS84において、ステップS82で算出された類似度SMが最大類似度SMmを超えるか否かが判定される。「SM>SMm」である場合、ステップS85に進み、算出された類似度SMが最大類似度SMmに設定されることにより、最大類似度SMmが更新される。さらに、ステップS86では、現在の回転角度θが最大類似度角度θmに設定されることにより、最大類似度回転角度θmが更新される。他方、「SM≦SMm」である場合にはステップS76に進み、現在の最大類似度SMmおよび最大類似度回転角度θmが維持される。
次のステップS87では、回転角度θに回転角度増分θdを加算した「θ+θd」が新たな回転角度θとして設定される。換言すれば、回転角度θが更新される。本実施形態では、被判別画像を1回転させたときに「θ=0」の場合を含めて全100枚の画像が得られるように回転角度増分θdが設定される。この場合の回転角度増分θdは「3.6°」である。
次のステップS88では、ステップS87で更新された回転角度θが「360°」以上であるか否かが判定される。「θ<360°」の場合、ステップS89に進み、判別部54の画像回転部72により、記憶部6の被判別画像保持部57に保持された被判別画像がステップS87で設定された回転角度θで回転された後、ステップS82に戻る。これにより、回転角度θが「360°」になるまでステップS82〜S88が繰り返し実行される。換言すれば、「θ=0」の場合を含めて回転角度の異なる複数の被判別画像と基準画像との対比がなされる。こうして、基準画像に対する被判別画像の凡その回転角度ずれ量である最大類似度回転角度θmが算出される。算出された最大類似度回転角度θmは、記憶部6の図示しない領域に格納される。ステップS88において、「θ≧360°」の場合には図10のステップS91に進む。
図10のステップS91では、回転角度カウント数iに「0」が設定される。換言すれば、回転角度カウント数iが初期化される。
次のステップS92では、回転角度カウント数iが「0」であるか否かが判定される。「i=0」の場合、ステップS93において回転角度θとして最小相違度回転角度θmが設定された後、ステップS97に進む。「i≠0」の場合、ステップS94に進む。
次のステップS94では、回転角度カウント数iが「1」であるか否かが判定される。「i=1」の場合、ステップS95において回転角度θとして最小相違度回転角度θmから回転角度微調整量θsを減算した「θm−θs」が設定された後、ステップS97に進む。「i≠1」の場合、ステップS96において回転角度θとして最小相違度回転角度θmに回転角度微調整量θsを加算した「θm+θs」が設定された後、ステップS97に進む。本実施形態では、回転角度微調整量θsは「1°」である。
次のステップS96では、記憶部6の被判別画像保持部57に保持された被判別画像がステップS93、S95、S96で設定された回転角度θで判別部54の画像回転部72により回転される。その後、ステップS98に進む。
次のステップS98では、画像移動カウント数jに「0」が設定される。換言すれば、画像移動カウント数jが初期化される。その後、ステップS99に進む。
次のステップS99では、基準画像と被判別画像とが比較され、類似度SMが算出される。類似度SMは、基準画像および被判別画像の各画素について画素値を比較し、画素単位で画素値の相関係数を求め、相関係数を積算することにより算出される。
次のステップS100では、ステップS99で算出された類似度SMが所定の閾値以上であるか否かが判定される。類似度SMが閾値以上の場合、ステップS101に進み、ステップS99で比較された基準画像と被判別画像とが一致すると判定され、図4のステップS13に進む。他方、類似度SMが閾値未満の場合、ステップS102に進む。
ステップS102では、被判別画像が平行移動される。平行移動は、図11の平行移動処理が実行されることにより行われる。図11の平行移動処理では、図10のステップS97で回転された被判別画像が画像移動カウント数jに対応した所定の方向に平行移動される。すなわち、ステップS111では、画像移動カウント数jが「0」か否かが判定され、「j=0」の場合、ステップS118において被判別画像が右上方に1ピクセル移動(図13(A)の位置P1に移動、すなわち、X軸方向およびY軸方向に各「+1」ピクセル移動)された後、図10のステップS103に進む。「j≠0」の場合、ステップS112に進み、画像移動カウント数jが「1」か否かが判定される。「j=1」の場合、ステップS119において被判別画像が上方に1ピクセル移動(図13(B)の位置P2に移動、すなわち、Y軸方向に「+1」ピクセル移動)された後、図10のステップS103に進む。「j≠1」の場合、ステップS113に進み、画像移動カウント数jが「2」か否かが判定される。「j=2」の場合、ステップS120において被判別画像が左上方に1ピクセル移動(図13(C)の位置P3に移動、すなわち、X軸方向に「−1」およびY軸方向に「+1」ピクセル移動)された後、図10のステップS103に進む。「j≠2」の場合、ステップS114に進み、画像移動カウント数jが「3」か否かが判定される。「j=3」の場合、ステップS121において被判別画像が左方に1ピクセル移動(図13(D)の位置P4に移動、すなわち、X軸方向に「−1」ピクセル移動)された後、図10のステップS103に進む。「j≠3」の場合、ステップS115に進み、画像移動カウント数jが「4」か否かが判定される。「j=4」の場合、ステップS122において被判別画像が右方に1ピクセル移動(図13(E)の位置P5に移動、すなわち、X軸方向に「+1」ピクセル移動)された後、図10のステップS103に進む。「j≠4」の場合、ステップS116に進み、画像移動カウント数jが「5」か否かが判定される。「j=5」の場合、ステップS123において被判別画像が右下方に1ピクセル移動(図13(F)の位置P6に移動、すなわち、X軸方向に「+1」およびY軸方向に「−1」ピクセル移動)された後、図10のステップS103に進む。「j≠5」の場合、ステップS117に進み、画像移動カウント数jが「6」か否かが判定される。「j=6」の場合、ステップS124において被判別画像が下方に1ピクセル移動(図13(G)の位置P7に移動、すなわち、Y軸方向に「−1」ピクセル移動)された後、図10のステップS103に進む。「j≠6」の場合、ステップS125に進み、二値サンプル画像が左下方に1ピクセル移動(図13(H)の位置P8に移動、すなわち、X軸方向およびY軸方向に各「−1」ピクセル移動)された後、図10のステップS103に進む。なお、図10では、平行移動の方向を明瞭に示すため、便宜的に移動距離を大きく示している。
図10のステップS103では、画像移動カウント数jに「1」が加算され、新たな画像移動カウント数jが設定される。換言すれば、画像移動カウント数jが更新される。
次のステップS104では、画像移動カウント数jが「8」以上であるか否かが判定される。画像移動カウント数jが「8」以上でない場合(すなわち、「j<8」の場合)、ステップS99に戻り、ステップS99〜S104が繰り返し実行される。これにより、平行移動の方向を変えながら被判別画像が平行移動され、その都度基準画像と平行移動された被判別画像とが比較されて類似度SMが算出される。換言すれば、基準画像および被判別画像の相対的な位置ずれを補正しつつ基準画像および被判別画像が対比される。
ステップS104において画像移動カウント数jが「8」以上である場合(すなわち、「j≧8」の場合)に実行されるステップS105では、回転角度カウント数iに「1」が加算され、新たな回転角度カウント数iが設定される。換言すれば、回転角度カウント数iが更新される。
次のステップS106では、回転角度カウント数iが「2」以下であるか否かが判定される。回転角度カウント数iが「2」以下である場合(すなわち、「i≦2」の場合)、ステップS92に戻り、ステップS92〜S106が繰り返し実行される。これにより、最大類似度SMmが得られる被判別画像およびそれを回転角度微調整量θs分回転された2つの被判別画像のそれぞれについて移動方向を変えながら平行移動されることになる。そして、その都度基準画像および被判別画像が比較されて類似度SMが算出される。換言すれば、基準画像および被判別画像の相対的な回転ずれおよび位置ずれを補正しつつ、基準画像および被判別画像が対比され、類似度SMが所定の閾値以上になったときに基準画像および被判別画像が一致すると判定される。
ステップS106において、回転角度カウント数iが「2」を超えた場合(すなわち、「i>2」の場合)、ステップS107に進み、基準画像および被判別画像が一致しない(すなわち、基準画像および被判別画像が不一致である)と判定され、図4のステップS13に進む。
図4のステップS13では、判別結果が出力される。すなわち、画像処理部5が制御部4に判別部54における判別結果を判別信号ISとして出力する。なお、図4において、ステップS11の基準画像選択とステップS12の対比判定とが判別ステップS14を構成する。
上述した通り、本発明の第1実施形態のディスク判別装置1では、同一種の真正ディスクとして判別すべき複数の基準ディスクSDにそれぞれ対応する複数の基準画像が基準画像保持部56に保持されると共に、複数の基準画像のそれぞれを縮小してなる複数の縮小基準画像が縮小基準画像保持部58に保持される(登録ステップS3)。判別対象ディスクTDの撮像画像が取得された場合、被判別画像生成部52が撮像画像に基づき被判別画像を生成し(被判別画像生成ステップS7)、画像縮小部(縮小被判別画像生成部)53が被判別画像を縮小してなる縮小被判別画像を生成する(縮小被判別画像生成ステップS9)。そして、判別部54が、縮小基準画像保持部58に保持された複数の縮小基準画像のそれぞれと画像縮小部53で生成された縮小被判別画像との対比結果に基づき基準画像保持部56に保持された複数の基準画像のいずれか一つを選択し、当該選択された基準画像と被判別画像とを対比することにより判別対象ディスクTDの真偽を判別する(判別ステップS14)。
複数の基準ディスクとしては、未使用のディスク、使用期間に応じて摩耗や汚れ、変質したディスクなどが適宜に適用される。これにより、複数の基準画像は、未使用のディスク、使用期間に応じて摩耗や汚れ、変質したディスクなどに対応した画像となる。換言すれば、基準ディスクの表面状態に応じて基準画像が変化する。縮小基準画像は基準画像を縮小した画像であるため、縮小基準画像においても基準ディスクの表面状態が反映される。これらのことは、判別対象ディスクにおいても同様である。すなわち、被判別画像および縮小被判別画像は判別対象ディスクの表面状態が反映される。そのため、複数の縮小基準画像のそれぞれと縮小被判別画像とを対比することにより、複数の基準画像の中から判別に適した基準画像を予め選択することができる。こうして選択された一つの基準画像と被判別画像を対比することによって判別対象ディスクTDの真偽が判別される。その結果、長期間の使用によるディスクの摩耗や傷などの影響を受け難く、高い精度での判別が可能となる。基準画像の選択は、複数の縮小基準画像と縮小被判別画像との対比により行われるので、縮小率を適宜に設定することで、選択に要する時間を短縮できる。また、複数の基準画像のうちの一つと被判別画像とを対比するため、対比に要する時間が短縮される。換言すれば、判別に要する時間を短縮でき、比較的高い速度で判別することができる。
(第2実施形態)
図14は、本発明の第2実施形態のディスク判別装置における画像処理部5および記憶部6の構成を示す。第2実施形態のディスク判別装置は、回転角度の異なる縮小基準画像を含む複数の縮小基準画像群と縮小被判別画像とを対比することにより、回転角度の異なる複数の基準画像を含む複数の基準画像群のいずれか一つを選択し、選択された基準画像群と被判別画像とを対比することにより判別対象ディスクの真偽を判別する点が第1実施形態のディスク判別装置1と相違する。そのため、ここでは、図14において第1実施形態と同じ構成要素には同一の符号を付して、それらの詳細な説明を省略する。
図14に示すように、画像処理部5の基準画像生成部51Aは、図3の基準画像生成部51と同様に、エッジ抽出部61、中心抽出部62、有効領域抽出部63およびマスク処理部64を含み、さらに画像回転部65を含んでいる。画像回転部65は、図3の判別部54の画像回転部72と同様に、所望の画像をX−Y空間上で回転させる機能を有する。画像の回転は、公知のアフィン変換を用い、基準画像生成部51の中心抽出部62の中心抽出部62で抽出されたディスク中心位置を基準に所定の回転角度で実行される。画像回転部65は、記憶部6の基準画像保持部56に保持された回転前の複数の基準画像のそれぞれを複数の回転角度で回転させる。これにより、基準画像生成部51Aは、複数の基準ディスクSDのそれぞれに対応する複数の基準画像を生成すると共に、それら基準画像を回転してなる複数の回転角度に対応した回転後の複数の基準画像を生成する。換言すれば、基準画像生成部51Aは、複数の基準ディスクSDにそれぞれ対応し、且つ、対応する基準ディスクSDの撮像画像に基づく画像および当該画像をそれぞれ異なる回転角度で回転された画像からなる複数の基準画像をそれぞれ含む、複数の基準画像群を生成する。
基準画像生成部51Aで生成された複数の基準画像群は、記憶部6の基準画像保持部56に保持される。各基準画像群に含まれる複数の基準画像は、基準画像データBDとして、基準画像保持部56から画像縮小部53に出力される。画像縮小部53は、各基準画像群に含まれる複数の基準画像のそれぞれを縮小し、複数の縮小基準画像を生成する。換言すれば、画像縮小部53は、複数の基準画像群に含まれる複数の基準画像のそれぞれを縮小してなる複数の縮小基準画像をそれぞれ含む複数の縮小基準画像群を生成する。各縮小基準画像群に含まれる複数の縮小基準画像は、縮小基準画像データDDとして、画像縮小部53から縮小基準画像保持部58に出力される。画像縮小部53で生成された複数の縮小基準画像群は、記憶部6の縮小基準画像保持部58に保持される。
基準画像保持部56に保持された複数の基準画像群に含まれる複数の基準画像は、基準画像データBDとして、基準画像保持部56から判別部54に出力される。縮小基準画像保持部58に保持された複数の縮小基準画像群に含まれる複数の縮小基準画像は、縮小基準画像データDDとして、縮小基準画像保持部58から判別部54に出力される。
次に、図15〜図18を参照しながら、第2実施形態のディスク判別装置の動作について説明する。第2実施形態のディスク判別装置では、図4に示す第1実施形態のディスク判別装置1の動作における基準画像の登録ステップS3、基準画像選択ステップS11および対比判定ステップS12が相違する。そのため、ここでは基準画像の登録ステップS3、基準画像選択ステップS11および対比判定ステップS12についてのみ説明する。
まず、図15を参照しながら、基準画像の登録ステップS3について説明する。最初のステップS201では、図5のステップS21の場合と同様に、登録設定がなされる。登録設定では、登録する基準ディスクに関する各種パラメータが設定される。ここでは、一例として基準ディスクSDの枚数を「2」に設定し、基準ディスクSDの面数を「2」に設定した場合について説明する。
次のステップS202では、ディスク番号nに「1」が設定される。換言すれば、ディスク番号nが初期化される。次のステップS203では、面番号kに「1」が設定される。換言すれば、面番号kが初期化される。
次のステップS204では、撮像タイミングセンサ3がオンしたか否かが判定される。換言すれば、ディスク搬送路31を移動する基準ディスクSDが撮像位置に到達したか否かが判定される。基準ディスクSDが撮像位置に到達した場合、撮像タイミングセンサ3がオンする。すなわち、ディスク搬送路31における基準ディスクSDの移動に対応して、撮像タイミングセンサ3がオンする。撮像タイミングセンサ3がオンの場合、ステップS25に進む。基準ディスクSDが撮像位置に到達しない場合、撮像タイミングセンサ3がオフの状態に保たれ、ステップS24が繰り返し実行される。換言すれば、基準ディスクSDが撮像位置に到達する迄は、待機状態となる。
次のステップS205では、制御部4が発光素子22に点灯制御信号LCSを出力し、発光素子22が点灯制御信号LCSに基づいて短時間点灯(すなわち、フラッシュ)される。これにより、投光装置11から撮像窓33に向かう拡散光が発せられ、撮像窓33と相対する基準ディスクSDが投光される。
次のステップS206では、制御部4が撮像素子42に撮像制御信号ICSを出力し、撮像素子42が撮像制御信号ICSに基づいて基準ディスクSDを撮像する。換言すれば、二次元撮像装置12により基準ディスクSDの撮像画像が取得される。撮像素子42は、取得された撮像画像データIDを制御部4に出力する。制御部4は、供給された撮像画像データIDを記憶部6に転送する。記憶部6は、送られた撮像画像データIDに基づく基準ディスクSDの撮像画像を撮像画像保持部55に格納し保持する。
次のステップS207では、画像処理部5の基準画像生成部51が撮像画像保持部55に保持された撮像画像に対し前処理を実行する。前処理は、第1実施形態の場合と同様に、図6に示すように、エッジ抽出、中心抽出、有効領域抽出、マスク処理の順で実行される。これにより、基準画像が生成される。
次のステップS208では、回転角度θに「0」が設定される。換言すれば、回転角度θが初期化される。
次のステップS209では、基準画像が格納される。すなわち、基準画像が基準画像保持部56に格納され保持される。このとき、基準画像は、ステップS202またはS217で設定されたディスク番号nと、ステップS203またはS215で設定された面番号kと、ステップS208またはS212で設定された回転角度θに対応付けられて、基準画像保持部56に保持される。換言すれば、複数の基準画像のそれぞれは、ディスク番号n、面番号kおよび回転角度θを指定することにより選択可能に保持される。
次のステップS210では、縮小基準画像が生成される。すなわち、画像処理部5の画像縮小部53が記憶部6の基準画像保持部56に保持された複数の基準画像のそれぞれを縮小することにより、複数の縮小基準画像が生成される。縮小率は、後述する縮小基準画像と縮小被判別画像の対比で複数の縮小基準画像のいずれか一つを特定可能であって、且つ、当該対比に要する時間を可及的に減少できる値に設定される。縮小率は、例えば、X軸方向およびY軸方向のそれぞれにおいて1/3に設定される。この場合、画素の総数は1/9に縮小される。
次のステップS211では、縮小基準画像が格納される。すなわち、ステップS210で生成された複数の縮小基準画像が記憶部6の縮小基準画像保持部58に格納され保持される。このとき、基準画像の場合と同様に、複数の縮小基準画像のそれぞれは、ディスク番号n、面番号kおよび回転角度θを指定することにより選択可能に保持される。
次のステップS212では、現在の回転角度θに回転角度増分θdを加算した「θ+θd」が新たな回転角度θとして設定される。換言すれば、回転角度θが更新される。本実施形態では、縮小被判別画像を1回転させたときに「θ=0」の場合を含めて全100枚の画像が得られるように回転角度増分θdが設定される。この場合の回転角度増分θdは「3.6°」である。
次のステップS213では、回転角度θが「360°」以上であるか否かが判定される。「θ<360°」の場合にはステップS214に進み、「θ≧360°」の場合にはステップS215に進む。
ステップS214では、基準画像生成部51Aの画像回転部65により、記憶部6の基準画像保持部56に保持された基準画像が回転された後、ステップS209に戻り、ステップS209〜S214が繰り返し実行される。これにより、回転角度θが「0°〜360°」の間で異なる複数の基準画像および複数の縮小基準画像が記憶部6の基準画像保持部56および縮小基準画像保持部58に格納され保持される。換言すれば、回転角度の異なる複数の基準画像を含む基準画像群が基準画像保持部56に保持されると共に、回転角度の異なる複数の縮小基準画像を含む縮小基準画像群が縮小基準画像保持部58に保持される。
ステップS213において「θ≧360°」判定された場合に実行されるステップS215では、現在の面番号kに「1」を加算した「k+1」が新たな面番号kとして設定される。換言すれば、面番号kが更新される。
次のステップS216では、面番号kが「3」以上であるか否かが判定される。面番号kが「3」未満の場合(すなわち、「k<3」の場合)にはステップS204に戻り、ステップS204〜ステップS216が繰り返し実行される。これにより、基準ディスクSDの両面のそれぞれに対応する基準画像群および縮小基準画像群が基準画像保持部56および縮小基準画像保持部58にそれぞれ保持される。面番号kが「3」以上の場合(すなわち、「k≧3」の場合)には、ステップS217に進む。
次のステップS217では、ディスク番号nに「1」が加算した「k+1」が新たなディスク番号nとして設定される。換言すれば、ディスク番号nが更新される。
次のステップS218では、ディスク番号nが「3」以上であるか否かが判定される。ディスク番号nが「3」未満の場合(すなわち、n<3」の場合)にはステップS203に戻り、ステップS203〜S218が繰り返し実行される。これにより、複数の基準ディスクSDのそれぞれに対応すると共にそれら基準ディスクSDの両面に対応する基準画像群および縮小基準画像群が基準画像保持部56および縮小基準画像保持部58にそれぞれ保持される。この場合、複数の縮小基準画像群は、複数の基準画像群のそれぞれに対応付けられて保持される。ディスク番号nが「3」以上の場合(すなわち、「n≧3」の場合)には、図4のステップS3の登録処理が終了し、図4のステップS2に戻る。
次に、図16を参照しながら、基準画像選択ステップS11について説明する。最初のステップS221では、ディスク番号nに「1」が設定される。換言すれば、ディスク番号nが初期化される。次のステップS222では、面番号kに「1」が設定される。換言すれば、面番号kが初期化される。次のステップS223では、回転角度θに「0」が設定される。換言すれば、回転角度θが初期化される。
次のステップS224では、縮小基準画像保持部58に保持された縮小基準画像群のうちのディスク番号n、面番号kおよび回転角度θの縮小基準画像が選択される。
次のステップS225では、画像比較が行われて類似度SMが算出される。すなわち、ステップS224で選択された縮小基準画像と記憶部6の縮小被判別画像とを対比して類似度SM算出される。類似度SMの算出は、本発明の第1実施形態のディスク判別装置1における図8のステップS72と同様にして行われる。
次のステップS226では、ディスク番号nが「1」、面番号kが「1」および回転角度θが「0」であるあるか否かが判定される。「n=1」、「k=1」および「θ=0」である場合にはステップS228に進み、それ以外の場合にはステップS227に進む。
ステップS228および次のステップS225では、類似度SMの最大値を示す最大類似度SMmと、類似度SMが最大となる最大類似度面番号Kmおよび最大類似度ディスク番号Nmとが設定される。すなわち、ステップS228において最大類似度SMmとして現在の類似度SMが設定され、ステップS229において最大類似度面番号Kmおよび最大類似度ディスク番号Nmとして現在の面番号k、ディスク番号nおよび回転角度θがそれぞれ設定される。設定された最大類似度SMm、最大類似度面番号Kmおよび最大類似度ディスク番号Nmは、記憶部6の図示しない領域に格納される。
ステップS226において「n=1」、「k=1」および「θ=0」の場合、ステップS225で算出された類似度SMが最大類似度SMmとして設定され、最大類似度面番号Kmおよび最大類似度ディスク番号Nmとして「1」がそれぞれ設定される。
ステップS226において「n≠1」、「k≠1」または「θ≠0」の場合、ステップS227において、ステップS225で算出された類似度SMが最大類似度SMmを超えるか否かが判定される。「SM>SMm」である場合、すなわち、ステップS225で算出された類似度SMが既に設定された最大類似度SMmを超える場合、ステップS228に進み、算出された類似度SMが最大類似度SMmに設定されることにより、最大類似度SMmが更新される。他方、「SM≦SMm」である場合、ステップS230に進み、現在の最大類似度SMmが維持される。
次のステップS230では、回転角度θに回転角度増分θdを加算した「θ+θd」が新たな回転角度θとして設定される。換言すれば、回転角度θが更新される。本実施形態では、縮小被判別画像を1回転させたときに「θ=0」の場合を含めて全100枚の画像が得られるように回転角度増分θdが設定される。この場合の回転角度増分θdは「3.6°」である。
次のステップS231では、回転角度θが「360°」以上であるか否かが判定される。「θ<360°」の場合にはステップS224に戻り、ステップS224〜ステップS231の処理が繰り返し実行される。これにより、互いに回転角度θの異なる複数の縮小基準画像からなる縮小基準画像群のそれぞれと縮小被判別画像との比較が行われる。他方、「θ≧360°」の場合には、ステップS232に進む。
次のステップS232では、面番号kが「3」以上であるか否かが判定される。面番号kが「3」未満の場合(すなわち、「k<3」の場合)にはステップS233に進み、面番号kが「3」以上である場合(すなわち、「k≧3」である場合)には、ステップS234に進む。
ステップS233では、現在の面番号kに「1」を加算した「k+1」が新たな面番号kとして設定される。換言すれば、面番号kが更新される。その後、ステップS223に戻り、ステップS223〜S232が繰り返し実行される。これにより、基準ディスクSDの両面のそれぞれに対応する縮小基準画像群と縮小被判別画像との比較が行われる。
ステップS234では、ディスク番号nが「3」以上であるか否かが判定される。ディスク番号nが「3」未満の場合にはステップS235に進み、ディスク番号nが「3」以上の場合にはステップS236に進む。
ステップS235では、現在のディスク番号nに「1」を加算した「n+1」が新たなディスク番号nとして設定される。換言すれば、ディスク番号nが更新される。その後、ステップS222に戻り、ステップS222〜S234が繰り返し実行される。これにより、複数の基準ディスクSDのそれぞれに対応する縮小基準画像群と縮小被判別画像との比較が行われる。
ステップS236では、ディスク番号Nmおよび面番号Kmの基準画像群が選択される。これにより、複数の基準画像群のうちの類似度SMが最大となる(換言すれば、最も類似する)一つの基準画像群が選択される。こうして、基準画像群が選択された後、図4のステップS12に進む。
次に、図17および図18を参照しながら、対比判定ステップS12について説明する。最初のステップS241では、回転角度θに「0」が設定される。換言すれば、回転角度θが初期化される。
次のステップS242では、図4の基準画像選択ステップS11で選択された基準画像群のうちの回転角度θの基準画像が選択される。
次のステップS243では、ステップS242で選択された基準画像と被判別画像とが比較されて、類似度SMが算出される。類似度SMは、本発明の第1実施形態のディスク判別装置1における図10のステップS99の場合と同様にして行われる。
次のステップS244では、回転角度θが「0」であるか否かが判定される。「θ=0」である場合にはステップS246に進み、「θ≠0」の場合にはステップS245に進む。
ステップS246および次のステップS247では、類似度SMの最大値を示す最大類似度SMmと、類似度SMが最大となる最大類似度回転角度θmとが設定される。すなわち、ステップS246において最大類似度SMmとして現在の類似度SMが設定され、ステップS247において最大類似度回転角度θmとして現在の回転角度θが設定される。設定された最大類似度SMmおよび最大類似度回転角度θmは、記憶部6の図示しない領域に格納される。
ステップS244において「θ=0」の場合、ステップS243で算出された類似度SMが最大類似度SMmとして設定され、最大類似度回転角度θmとして「0」が設定される。
ステップS244において「θ≠0」の場合、ステップS245において、ステップS243で算出された類似度SMが最大類似度SMmを超えるか否かが判定される。「SM>SMm」である場合、ステップS246に進み、算出された類似度SMが最大類似度SMmに設定されることにより、最大類似度SMmが更新される。さらに、ステップS247では、現在の回転角度θが最大類似度回転角度θmに設定されることにより、最大類似度回転角θmが更新される。他方、「SM≦SMm」である場合にはステップS248に進み、現在の最大類似度SMmおよび最大類似度回転角度θmが維持される。
次のステップS248では、回転角度θに回転角度増分θdを加算した「θ+θd」が新たな回転角度θとして設定される。換言すれば、回転角度θが更新される。
次のステップS249では、ステップS248で更新された回転角度θが「360°」以上であるか否かが判定される。「θ<360°」の場合、ステップS242に戻り、ステップS242〜S249の処理が繰り返し実行される。これにより、「θ=0」の場合を含めて回転角度θの異なる複数の基準画像と被判別画像との比較がなされる。こうして、被判別画像に対する基準画像の凡その回転角度ずれ量である最大類似度回転角度θmが算出される。算出された最大類似度回転角度θmは、記憶部6の図示しない領域に格納される。ステップS249において、「θ≧360°」の場合には図18のステップS261に進む。
図18のステップS261では、基準画像保持部56に保持された基準画像群のうちの回転角度θmの基準画像が選択される。
次のステップS262では、回転角度カウント数iに「0」が設定される。換言すれば、回転角度カウント数iが初期化される。
次のステップS263では、回転角度カウント数iが「0」であるか否かが判定される。「i=0」の場合にはステップS268に進み、「i≠0」の場合にはステップS264に進む。
次のステップS264では、回転角度カウント数iが「1」であるか否かが判定される。「i=1」の場合にはステップS265に進み、ステップS265において回転角度θとして「−θs」が設定された後、ステップS267に進む。「i≠1」の場合にはステップS266に進む。θsは、回転角度微調整量であり、本実施形態では回転角度微調整量θsは「1°」である。
次のステップS266では、回転角度θとして「θs」が設定された後、ステップS267に進む。
次のステップS267では、ステップS265またはS266で設定された回転角度θで、被判別画像保持部57に保持されたディスク番号Nmおよび面番号Kmの基準画像群のうちのステップS261で選択された被判別画像が判別部54の画像回転部72により回転される。
次のステップS268では、画像移動カウント数jに「0」が設定される。換言すれば、画像移動カウント数jが初期化される。
次のステップS269では、図17のステップS225の場合と同様に、被判別画像と基準画像とが比較され、類似度SMが算出される。
次のステップS270では、ステップS269で算出された類似度SMが所定の閾値以上であるか否かが判定される。類似度SMが閾値以上の場合、ステップS271に進み、ステップS269で比較された被判別画像および基準画像が一致すると判定され、図4のステップS13に進む。他方、類似度SMが閾値未満の場合、ステップS272に進む。
次のステップS272では、図11の平行移動処理が実行される。この平行移動処理は本発明の第1実施形態のディスク判別装置1と同様であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
次のステップS273では、画像移動カウント数jに「1」を加算した値が新たな画像移動カウント数jとして設定される。換言すれば、画像移動カウント数jが更新される。
次のステップS274では、画像移動カウント数jが「8」以上であるか否かが判定される。画像移動カウント数jが「8」以上でない場合(すなわち、「j<8」の場合)、ステップS269に戻り、ステップS269〜S274が繰り返し実行される。これにより、平行移動の方向を変えながら被判別画像が平行移動され、その都度基準画像と平行移動された被判別画像とが比較されて類似度SMが算出される。換言すれば、基準画像および被判別画像の相対的な位置ずれを補正しつつ基準画像および被判別画像が対比される。
ステップS274において画像移動カウント数jが「8」以上である場合(すなわち、「j≧8」の場合)に実行されるステップS275では、回転角度カウント数iに「1」が加算され、新たな回転角度カウント数iが設定される。換言すれば、回転角度カウント数iが更新される。
次のステップS276では、回転角度カウント数iが「2」以下であるか否かが判定される。回転角度カウント数iが「2」以下である場合(すなわち、「i≦2」の場合)、ステップS263に戻り、ステップS263〜S276が繰り返し実行される。これにより、被判別画像およびそれを回転角度微調整量θs分回転された2つの被判別画像とのそれぞれについて移動方向を変えながら平行移動されることになる。そして、その都度、予め選択された最大類似度SMmが得られる基準画像と比較されて類似度SMが算出される。換言すれば、基準画像および被判別画像の相対的な回転ずれおよび位置ずれを補正しつつ、基準画像および被判別画像が対比され、類似度SMが所定の閾値以上になったときに基準画像および被判別画像が一致すると判定される。
ステップS276において、回転角度カウント数iが「2」を超えた場合(すなわち、「i>2」の場合)、ステップS277に進み、基準画像および被判別画像が一致しない(すなわち、基準画像および被判別画像が不一致である)と判定され、図4のステップS13に進む。
上述した通り、本発明の第2実施形態のディスク判別装置では、同一種の真正ディスクとして判別すべき複数の基準ディスクSDにそれぞれ対応し、且つ、対応する基準ディスクSDの撮像画像に基づく画像および当該画像をX−Y空間上でそれぞれ異なる回転角度θで回転させた画像からなる複数の基準画像を含む、複数の基準画像群を基準画像保持部56に保持すると共に、複数の基準画像群に含まれる複数の基準画像のそれぞれを縮小してなる複数の縮小基準画像をそれぞれ含む複数の縮小基準画像群を複数の基準画像のそれぞれに対応付けて縮小基準画像保持部58に保持する(登録ステップS3)。判別対象ディスクTDの撮像画像が取得された場合、被判別画像生成部52が撮像画像に基づき被判別画像を生成し(被判別画像生成ステップS7)、画像縮小部(縮小被判別画像生成部)53が被判別画像を縮小してなる縮小被判別画像を生成する(縮小基準画像生成ステップSS9)。そして、判別部54が、縮小基準画像保持部58に保持された縮小基準画像群のそれぞれと画像縮小部53で生成された縮小被判別画像との対比結果に基づき基準画像保持部56に保持された複数の基準画像群のいずれか一つを選択し、当該選択された基準画像群と被判別画像保持部57に保持された被判別画像とを対比することにより判別対象ディスクTDの真偽を判別する(判別ステップS14)。
複数の基準画像群のそれぞれは互いに回転角度θの異なる複数の基準画像を含み、複数の縮小基準画像群のそれぞれは互いに回転角度θの異なる複数の縮小基準画像を含む。また、複数の縮小基準画像群は、複数の基準画像群と対応付けられている。そのため、複数の縮小基準画像群のそれぞれと縮小被判別画像とを対比することにより、複数の基準画像群の中から判別に適した基準画像群を予め選択することができる。こうして選択された一つの基準画像群と被判別画像とを対比することによって判別対象ディスクの真偽が判別される。その結果、第1実施形態のディスク判別装置1の場合と同様に、長期間の使用によるディスクの摩耗や傷などの影響を受け難く、高い精度での判別が可能となる。基準画像群の選択は、複数の縮小基準画像群と縮小被判別画像との対比により行われるので、縮小率を適時に設定することで、選択に要する時間を短縮できる。また、複数の基準画像群のうちの一つと被判別画像とを対比するため、対比に要する時間が短縮される。換言すれば、判別に要する時間を短縮でき、比較的高い速度で判別することができる。しかも、縮小基準画像群には互いに回転角度の異なる複数の縮小基準画像が含まれているため、それら複数の縮小基準画像と縮小被判別画像とを対比することにより、縮小被判別画像と縮小基準画像との間で生じる回転ずれを容易に解消することができる。また、基準画像群には互いに回転角度θの異なる複数の基準画像が含まれているため、それら複数の基準画像と被判別画像とを対比することにより、基準画像と被判別画像との間で生じる回転ずれを容易に解消することができる。換言すれば、縮小基準画像群と縮小被判別画像との対比および基準画像と被判別画像との対比において、回転ずれの補正を効率良く行うことができ、ひいては判別速度をさらに高めることが可能となる。
(第3実施形態)
図19および図20は、本発明の第3実施形態のディスク判別装置における基準画像選択ステップおよび対比判定ステップを示す。第3実施形態のディスク判別装置は、図4の基準画像選択ステップS11において最大類似度回転角度θmに基づいて図14の基準画像保持部56に保持された基準画像群のうちの一つを選択する点において第2実施形態のディスク判別装置と相違する。また、それに伴い、図4の対比判定ステップS12における図17のステップS241〜S249および図18のステップS261を省略した点で第2実施形態のディスク判別装置と相違する。そのため、ここでは、基準画像選択ステップS11および対比判定ステップS12についてのみ説明し、それ以外の説明は省略する。
まず、図19を参照しながら、基準画像選択ステップS11について説明する。最初のステップS301では、ディスク番号nに「1」が設定される。換言すれば、ディスク番号nが初期化される。次のステップS302では、面番号kに「1」が設定される。換言すれば、面番号kが初期化される。次のステップS303では、回転角度θに「0」が設定される。換言すれば、回転角度θが初期化される。
次のステップS304では、縮小基準画像保持部58に保持された縮小基準画像群のうちのディスク番号n、面番号kおよび回転角度θの縮小基準画像が選択される。
次のステップS305では、画像比較が行われて類似度SMが算出される。すなわち、ステップS304で選択された縮小基準画像と記憶部6の縮小被判別画像とを対比して類似度SMが算出される。類似度SMの算出は、本発明の第1実施形態のディスク判別装置1における図8のステップS72と同様にして行われる。
次のステップS306では、ディスク番号nが「1」、面番号kが「1」および回転角度θが「0」であるあるか否かが判定される。「n=1」、「k=1」および「θ=0」である場合にはステップS308に進み、それ以外の場合にはステップS307に進む。
ステップS308および次のステップS309では、類似度SMの最大値を示す最大類似度SMmと、類似度SMが最大となる最大類似度面番号Km、最大類似度ディスク番号Nmおよび最大類似度回転角度θmとが設定される。すなわち、ステップS308において最大類似度SMmとして現在の類似度SMが設定され、ステップS309において最大類似度面番号Km、最大類似度ディスク番号Nmおよび最大類似度角度θmとして現在の面番号k、ディスク番号nおよび回転角度θがそれぞれ設定される。設定された最大類似度SMm、最大類似度面番号Km、最大類似度ディスク番号Nmおよび最大類似度回転角度θmは、記憶部6の図示しない領域に格納される。
ステップS306において「n=1」、「k=1」および「θ=0」の場合、ステップS305で算出された類似度SMが最大類似度SMmとして設定され、最大類似度面番号Kmおよび最大類似度ディスク番号Nmとして「1」が設定され、最大類似度回転角度θmとして「0」が設定される。
ステップS306において「n≠1」、「k≠1」または「θ≠0」の場合、ステップS307において、ステップS308で算出された類似度SMが最大類似度SMmを超えるか否かが判定される。「SM>SMm」である場合、ステップS308に進み、算出された類似度SMが最大類似度SMmに設定されることにより、最大類似度SMmが更新される。他方、「SM≦SMm」である場合、ステップS310に進み、現在の最大類似度SMmが維持される。
次のステップS310では、回転角度θに回転角度増分θdを加算した「θ+θd」が新たな回転角度θとして設定される。換言すれば、回転角度θが更新される。本実施形態では、縮小被判別画像を1回転させたときに「θ=0」の場合を含めて全100枚の画像が得られるように回転角度増分θdが設定される。この場合の回転角度増分θdは「3.6°」である。
次のステップS311では、ステップS310で更新された回転角度θが「360°」以上であるか否かが判定される。「θ<360°」の場合にはステップS304に戻り、ステップS304〜ステップS311の処理が繰り返し実行される。これにより、互いに回転角度θの異なる複数の縮小基準画像からなる縮小基準画像群のそれぞれと縮小被判別画像との比較が行われる。他方、「θ≧360°」の場合には、ステップS312に進む。
次のステップS312では、面番号kが「3」以上であるか否かが判定される。面番号kが「3」未満の場合(すなわち、「k<3」の場合)にはステップS313に進み、面番号kが「3」以上である場合(すなわち、「k≧3」である場合)には、ステップS314に進む。
ステップS313では、現在の面番号kに「1」を加算した「k+1」が新たな面番号kとして設定される。換言すれば、面番号kが更新される。その後、ステップS303に戻り、ステップS303〜S312が繰り返し実行される。これにより、基準ディスクSDの両面のそれぞれに対応する縮小基準画像群と縮小被判別画像との比較が行われる。
ステップS314では、ディスク番号nが「3」以上であるか否かが判定される。ディスク番号nが「3」未満の場合にはステップS315に進み、ディスク番号nが「3」以上の場合にはステップS316に進む。
ステップS315では、現在のディスク番号nに「1」を加算した「n+1」が新たなディスク番号nとして設定される。換言すれば、ディスク番号nが更新される。その後、ステップS302に戻り、ステップS302〜S314が繰り返し実行される。これにより、複数の基準ディスクSDのそれぞれに対応する縮小基準画像群と縮小被判別画像との比較が行われる。
ステップS316では、ディスク番号Nm、面番号Kmおよび回転角度θmの基準画像が選択される。これにより、複数の基準画像群のうちの類似度SMが最大となる(換言すれば、最も類似する)一つの基準画像が選択される。こうして、基準画像が選択された後、図4のステップS12に進む。
次に、図20を参照しながら、対比判定ステップS12について説明する。最初のステップS321では、回転角度カウント数iに「0」が設定される。換言すれば、回転角度カウント数iが初期化される。
次のステップS322では、回転角度カウント数iが「0」であるか否かが判定される。「i=0」の場合にはステップS327に進み、「i≠0」の場合にはステップS323に進む。
次のステップS323では、回転角度カウント数iが「1」であるか否かが判定される。「i=1」の場合にはステップS324に進み、ステップS324において回転角度θとして「−θs」が設定された後、ステップS326に進む。「i≠1」の場合にはステップS325に進む。θsは、回転角度微調整量であり、本実施形態では回転角度微調整量θsは「1°」である。
次のステップS325では、回転角度θとして「θs」が設定された後、ステップS326に進む。
次のステップS326では、ステップS324またはS325で設定された回転角度θで、被判別画像保持部57に保持されたディスク番号Nm、面番号Kmおよび回転角度θmの被判別画像が判別部54の画像回転部72により回転される。
次のステップS327では、画像移動カウント数jに「0」が設定される。換言すれば、画像移動カウント数jが初期化される。
次のステップS328では、図17のステップS225の場合と同様に、被判別画像と基準画像とが比較され、類似度SMが算出される。
次のステップS329では、ステップS328で算出された類似度SMが所定の閾値以上であるか否かが判定される。類似度SMが閾値以上の場合、ステップS330に進み、ステップS328で比較された被判別画像および基準画像が一致すると判定され、図4のステップS13に進む。他方、類似度SMが閾値未満の場合、ステップS331に進む。
次のステップS331では、図11の平行移動処理が実行される。この平行移動処理は本発明の第1実施形態のディスク判別装置1と同様であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
次のステップS332では、現在の画像移動カウント数jに「1」を加算した「j+1」が新たな画像移動カウント数jとして設定される。換言すれば、画像移動カウント数jが更新される。
次のステップS333では、画像移動カウント数jが「8」以上であるか否かが判定される。画像移動カウント数jが「8」以上でない場合(すなわち、「j<8」の場合)、ステップS328に戻り、ステップS328〜S333が繰り返し実行される。これにより、平行移動の方向を変えながら被判別画像が平行移動され、その都度基準画像と平行移動された被判別画像とが比較されて類似度SMが算出される。換言すれば、基準画像および被判別画像の相対的な位置ずれを補正しつつ基準画像および被判別画像が対比される。
ステップS333において画像移動カウント数jが「8」以上である場合(すなわち、「j≧8」の場合)に実行されるステップS334では、回転角度カウント数iに「1」が加算され、新たな回転角度カウント数iが設定される。換言すれば、回転角度カウント数jが更新される。
次のステップS335では、回転角度カウント数iが「2」以下であるか否かが判定される。回転角度カウント数iが「2」以下である場合(すなわち、「i≦2」の場合)、ステップS322に戻り、ステップS322〜S335が繰り返し実行される。これにより、被判別画像およびそれを回転角度微調整θs分回転された2つの被判別画像とのそれぞれについて移動方向を変えながら平行移動されることになる。そして、その都度、予め選択された最大類似度SMmが得られる基準画像と比較されて類似度SMが算出される。換言すれば、基準画像および被判別画像の相対的な回転ずれおよび位置ずれを補正しつつ、基準画像および被判別画像が対比され、類似度SMが所定の閾値以上になったときに基準画像および被判別画像が一致すると判定される。
ステップS335において、回転角度カウント数iが「2」を超えた場合(すなわち、「i>2」の場合)、ステップS336に進み、基準画像および被判別画像が一致しない(すなわち、基準画像および被判別画像が不一致である)と判定され、図4のステップS13に進む。
上述した通り、本発明の第3実施形態のディスク判別装置では、同一種の真正ディスクとして判別すべき複数の基準ディスクSDにそれぞれ対応し、且つ、対応する基準ディスクSDの撮像画像に基づく画像および当該画像をX−Y空間上でそれぞれ異なる回転角度θで回転させた画像からなる複数の基準画像を含む、複数の基準画像群を基準画像保持部56に保持すると共に、複数の基準画像群に含まれる複数の基準画像のそれぞれを縮小してなる複数の縮小基準画像をそれぞれ含む複数の縮小基準画像群を複数の基準画像のそれぞれに対応付けて縮小基準画像保持部58に保持する(登録ステップS3)。判別対象ディスクTDの撮像画像が取得された場合、画像縮小部(被判別画像生成部)53が撮像画像に基づき被判別画像を生成し(被判別画像生成ステップS7)、画像縮小部53が被判別画像を縮小してなる縮小被判別画像を生成する(縮小被判別画像生成ステップS9)。そして、判別部54が、縮小基準画像保持部58に保持された縮小基準画像群のそれぞれと画像縮小部(縮小被判別画像生成部)53で生成された縮小被判別画像との対比結果に基づき基準画像保持部56に保持された複数の基準画像群に含まれる複数の基準画像のいずれか一つを選択し、当該選択された基準画像と被判別画像保持部57に保持された被判別画像とを対比することにより判別対象ディスクの真偽を判別する(判別ステップS14)。
複数の基準画像群のそれぞれは互いに回転角度の異なる複数の基準画像を含み、複数の縮小基準画像群のそれぞれは互いに回転角度の異なる複数の縮小基準画像を含む。また、複数の縮小基準画像群は、複数の基準画像群と対応付けられている。そのため、複数の縮小基準画像群のそれぞれと縮小被判別画像とを対比することにより、複数の基準画像群の中から判別に適した基準画像群に含まれる複数の基準画像のうちの判別に適した基準画像を予め選択することができる。こうして選択された一つの基準画像群と被判別画像とを対比することによって判別対象ディスクの真偽が判別される。その結果、第1および第2実施形態のディスク判別装置と同様に、長期間の使用によるディスクの摩耗や傷などの影響を受け難く、高い精度での判別が可能となる。基準画像群の選択は、複数の縮小基準画像群と縮小被判別画像との対比により行われるので、縮小率を適時に設定することで、選択に要する時間を短縮できる。また、複数の基準画像群に含まれる複数の基準画像のうちの一つと被判別画像とを対比するため、対比に要する時間が短縮される。換言すれば、判別に要する時間を短縮でき、比較的高い速度で判別することができる。しかも、縮小基準画像群には互いに回転角度の異なる複数の縮小基準画像が含まれているため、それら複数の縮小基準画像と縮小被判別画像とを対比することにより、縮小被判別画像と縮小基準画像との間で生じる回転ずれを容易に解消することができる。また、基準画像群には互いに回転角度の異なる複数の基準画像が含まれており、複数の縮小基準画像群と縮小被判別画像との対比において、縮小基準画像の回転角度を特定し、当該特定された回転角度に対応する基準画像を選択する。これにより、基準画像と被判別画像との間で生じる回転ずれを容易に解消することができる。換言すれば、縮小基準画像群と縮小被判別画像との対比および基準画像と被判別画像との対比において、回転ずれの補正を効率良く行うことができ、ひいては判別速度をさらに高めることが可能となる。
(第4実施形態)
図21は、本発明の第4実施形態のディスク判別システム100を示す。このディスク判別システム100は、本発明の第1実施形態のディスク判別装置1における基準画像および縮小基準画像を生成する機能を外部装置である基準画像生成装置101に持たせるようにしたものである。すなわち、ディスク判別システム100は、ディスク判別装置1Aおよび基準画像生成装置101を含んでいる。ディスク判別装置1Aは、第1実施形態のディスク判別装置1から基準画像を生成する機能を省略したものに相当する。そのため、第1実施形態のディスク判別装置1と同一の構成要素には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
基準画像生成装置101は、ディスク判別装置1Aの画像取得部2により取得された複数の基準ディスクSDの撮像画像に基づいて複数の基準画像および複数の縮小基準画像を生成する。基準画像生成装置101は、図21に示すように、入力部102、表示部103、制御部104、画像処理部105、記憶部106および入出力インターフェース(I/F)107を含んで構成されている。基準画像生成装置101の制御部104、画像処理部105および記憶部106は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、ハードディスクなど有する一般的なコンピュータ装置により実現することができる。その場合、例えば、入力部102はキーボード、表示部103は液晶ディスプレイによって構成することができる。
まず、制御部104について説明する。制御部104は、入出力インターフェース107に入力された撮像画像データIDを記憶部106に出力すると共に、記憶部106に保持された基準画像および縮小基準画像を基準画像データBDおよび縮小基準画像データDDとして入出力インターフェース107に出力する。制御部104は、図22に示すように、画像処理部105に画像処理制御信号PCSを出力すると共に、記憶部106に記憶部制御信号MCSを出力する。
次に、画像処理部105について説明する。画像処理部105は、図22に示すように、基準画像生成部151および画像縮小部153を含んでいる。画像処理部105は、制御部104から出力される画像処理制御信号PCSによって制御される。画像処理部105の詳細については後述する。
次に、記憶部106について説明する。記憶部106は、図22に示すように、撮像画像保持部155、基準画像保持部156および縮小基準画像保持部157を含んでいる。撮像画像保持部155は、制御部104から出力された撮像画像データIDに基づいて、複数の基準ディスクSDのそれぞれの撮像画像を保持すると共に、保持された撮像画像を撮像画像データIDとして画像処理部105の基準画像生成部151に出力する機能を有する。基準画像保持部156は、画像処理部105の基準画像生成部151で生成された基準画像を保持すると共に、保持された基準画像を画像処理部105の画像縮小部153または制御部104に基準画像データBDとして出力する機能を有する。縮小基準画像保持部157は、画像処理部105の画像縮小部153で縮小されてなる縮小基準画像を保持すると共に、保持された縮小基準画像を制御部104に縮小基準画像データDDとして出力する機能を有する。
撮像画像保持部155、基準画像保持部156および縮小基準画像保持部157は、データの長期の保存の観点からハードディスクまたはSSD(Solid State Drive)等により構成される。撮像画像保持部155、基準画像保持部156および縮小基準画像保持部157の動作は、制御部104から出力される記憶部制御信号MCSによって制御される。
次に、入出力インターフェース107について説明する。入出力インターフェース107は、図21に示すように、ディスク判別装置1Aの入出力インターフェース7に接続されている。これにより、基準画像生成装置101とディスク判別装置1Aとの間で相互にデータ交換が可能である。ディスク判別装置1Aの画像取得部2で取得された撮像画像は、撮像画像データIDとして入出力インターフェース7から出力され、基準画像生成装置101の入出力インターフェース107に入力される。基準画像生成装置101で生成された基準画像および縮小基準画像は、基準画像データBDおよび縮小基準画像データDDとして入出力インターフェース107から出力され、ディスク判別装置1Aの入出力インターフェース7に入力される。
次に、図22を参照しながら、画像処理部105について詳細に説明する。画像処理部105は、真正ディスクとして判別すべき複数の基準ディスクSDのそれぞれに対応する複数の基準画像を生成すると共に、当該複数の基準画像のそれぞれを縮小してなる縮小基準画像を生成する機能を有する画像処理部105は、基準画像生成部151および画像縮小部153を含んでいる。
基準画像生成部151は、エッジ抽出部161、中心抽出部162、有効領域抽出部163およびマスク処理部164を含んでいる。エッジ抽出部161、中心抽出部162、有効領域抽出部163およびマスク処理部164は、第1実施形態のディスク判別装置1の基準画像生成部51におけるエッジ抽出部61、中心抽出部62、有効領域抽出部63およびマスク処理部64にそれぞれ対応する。そのため、ここではそれらの詳細な説明を省略する。基準画像生成部151には、撮像画像保持部155に保持された撮像画像が撮像画像データIDとして入力される。基準画像生成部151は、撮像画像のそれぞれについてエッジ抽出処理、中心抽出処理、有効領域抽出処理およびマスク処理を実行することにより基準画像を生成する。生成された基準画像は、基準画像データBDとして基準画像保持部156に出力されて基準画像保持部156に保持される。
画像縮小部153は、第1実施形態のディスク判別装置1の画像縮小部53と同様の機能を有する。画像縮小部153には、基準画像保持部156に保持された基準画像が基準画像データBDとして入力される。画像縮小部153は、基準画像を縮小して(画素数を減少させて)、縮小基準画像を生成する機能を有する。画像縮小部153で生成された縮小基準画像は、縮小基準画像データDDとして記憶部106の縮小基準画像保持部157に出力されて縮小基準画像保持部157に保持される。
次に、ディスク判別装置1Aについて説明する。ディスク判別装置1Aでは、登録スイッチ9がオンの場合(すなわち、登録モードの場合)、画像取得部2から出力される撮像画像データIDが入出力インターフェース7に出力されるように制御部4が制御する。また、登録スイッチ9がオンの場合において入出力インターフェース7に基準画像データBDまたは縮小基準画像データDDが入力されたときには、制御部4が基準画像データBDまたは縮小基準画像データDDを記憶部6に出力する。
記憶部6は、図23に示すように、撮像画像保持部55、被判別画像保持部57、縮小被判別画像保持部59、基準画像保持部56および縮小基準画像保持部58を含んでいる。制御部4は、入出力インターフェース7から出力される基準画像データBDを基準画像保持部56に出力し、入出力インターフェース7から出力される縮小基準画像データDDを縮小基準画像保持部58に出力する。これにより、基準画像保持部56に複数の基準画像が保持されると共に、縮小基準画像保持部58に複数の縮小基準画像が保持される。また、制御部4は、画像取得部2から出力される撮像画像データIDを撮像画像保持部55に出力する。これにより、撮像画像保持部55に判別対象ディスクTDの撮像画像が保持される。記憶部6は、制御部4から出力される記憶部制御信号MCSによって制御される。
画像処理部5Aは、図23に示すように、被判別画像生成部52、画像縮小部53および判別部54を含んでいる。画像処理部5Aは、制御部4から出力される画像処理制御信号PCSによって制御される。被判別画像生成部52は、第1実施形態のディスク判別装置1と同様に、エッジ抽出部61、中心抽出部62、有効領域抽出部63およびマスク処理部64を含んでいる。被判別画像生成部52は、記憶部6の撮像画像保持部55に保持された判別対象ディスクTDの撮像画像に対し前処理(すなわち、エッジ抽出、中心部抽出、有効領域抽出およびマスク処理)を実行することにより被判別画像を生成する。被判別画像生成部52は、被判別画像データCDを被判別画像保持部57に出力する。これにより、被判別画像は被判別画像保持部57に保持される。画像縮小部53は、記憶部6の被判別画像保持部57に保持された被判別画像を縮小して、縮小被判別画像を生成する。画像縮小部53は、縮小被判別画像データEDを縮小被判別画像保持部59に出力する。これにより、縮小被判別画像は縮小被判別画像保持部59に保持される。判別部54は、第1実施形態のディスク判別装置1と同様に、基準画像選択部71、画像回転部72、画像移動部73および対比判定部74を含んでいる。判別部54は、記憶部6の縮小基準画像保持部58に保持された複数の縮小基準画像のそれぞれと記憶部6の縮小被判別画像保持部59に保持された縮小被判別画像との対比結果に基づいて記憶部6の基準画像保持部56に保持された複数の基準画像のいずれか一つを選択し、選択された基準画像と記憶部6の被判別画像保持部に保持された被判別画像とを対比して判別対象ディスク(換言すれば、画像取得部2で撮像された判別対象ディスクTD)の真偽を判別する。判別部54による判別結果は、判別部54から判別信号ISとして制御部4に出力される。
次に、図24〜図27を参照しながら、ディスク判別システム100の動作について説明する。まず、ディスク判別装置1Aの動作について説明する。ディスク判別装置1Aは、第1実施形態のディスク判別装置1における図4の登録処理ステップS3のみが相違する。そのため、ここでは登録処理ステップS3についてのみ説明し、その他の動作についての説明を省略する。
図24および図25は、ディスク判別装置1Aの登録ステップS3の詳細を示す。最初のステップS401では、登録設定がなされる。登録設定では、第1実施形態のディスク判別装置1と同様に、登録する基準ディスクに関する各種パラメータが設定される。パラメータとしては、同種の真正ディスクと判定すべき複数の基準ディスクSDの枚数、基準ディスクSDの面数が設定される。基準ディスクSDの枚数は、未使用ディスク、使用済みのディスクで使用期間が異なるものなどの表面状態の変化に応じて適宜設定される。ここでは、一例として基準ディスクSDの枚数を「2」に設定し、基準ディスクSDの面数を「2」に設定した場合について説明する。
次のステップS402では、ディスク番号nに「1」が設定される。続くステップS403では、面番号kに「1」が設定される。換言すれば、ステップS402においてディスク番号nが初期化され、ステップS403において面番号kが初期化される。
次のステップS24では、撮像タイミングセンサ3がオンしたか否かが判定される。撮像タイミングセンサ3がオンの場合、ステップS405に進む。撮像タイミングセンサ3がオフの場合、ステップS404が繰り返し実行される。換言すれば、基準ディスクSDが撮像位置に到達する迄は、待機状態となる。
次のステップS405では、投光装置11が短時間点灯(すなわち、フラッシュ)され、基準ディスクSDが投光される。続くステップS406では、二次元撮像装置12により基準ディスクSDの撮像画像が取得される。
次のステップS406では、ステップS405で取得された基準ディスクSDの撮像画像が撮像画像データIDとして入出力インターフェース7に出力される。すなわち、制御部4が画像取得部2から出力された撮像画像データIDを入出力インターフェース7に出力する。入出力インターフェース7は、基準画像生成装置101の入出力インターフェース107に撮像画像データIDを出力する。
次のステップS408では、面番号kに「1」を加算した値が新たな面番号kとして設定される。換言すれば、面番号kが更新される。
次のステップS409では、ステップS408で更新された面番号kが「3」以上であるか否かが判定される。面番号が「3」未満である場合(すなわち、「k<3」の場合)にはステップS404に戻り、ステップS404〜S409の処理が繰り返し実行される。これにより、ディスク番号nの基準ディスクSDの両面における撮像画像データIDが入出力インターフェース7に出力される。他方、面番号kが「3」以上である場合(すなわち、「k≧3」の場合)には、ステップS410に進む。
次のステップS410では、ディスク番号nに「1」を加算した値が新たなディスク番号nとして設定される。換言すれば、ディスク番号nが更新される。
次のステップS411では、ディスク番号nが「3」以上であるか否かが判定される。ディスク番号nが「3」未満である場合(すなわち、「n<3」の場合)にはステップS403に戻り、ステップS403〜S411が繰り返し実行される。これにより、複数の基準ディスクSDの両面における撮像画像データIDが入出力インターフェース7に出力される。他方、ディスク番号nが「3」以上である場合(すなわち、「n≧3」の場合)には、図25のステップS412に進む。
次のステップS412では、ディスク番号nに「1」が設定される。換言すれば、ディスク番号nが初期化される。次のステップS413では、面番号kに「1」が設定される。換言すれば、面番号kが初期化される。
次のステップS414では、基準画像データBDが入出力インターフェース7に入力されたか否かを制御部4が判定する。基準画像データBDが入力されたと判定された場合にはステップS415に進み、基準画像データBDが入力されてないと判定された場合にはステップS414が繰り返し実行される。換言すれば、基準画像データBDが入力される迄は待機状態となる。
次のステップS415では、制御部4が記憶部6の基準画像保持部56に基準画像データBDを出力することにより、基準画像が基準画像保持部56に格納されて保持される。基準画像は、ディスク番号nおよび面番号kに対応付けられて保持される。
次のステップS416では、縮小基準画像データDDが入出力インターフェース7に入力されたか否かを制御部4が判定する。縮小基準画像データDDが入力されたと判定された場合にはステップS417に進み、縮小基準画像データDDが入力されてないと判定された場合にはステップS416が繰り返し実行される。換言すれば、縮小基準画像データDDが入力される迄は待機状態となる。
次のステップS417では、制御部4が記憶部6の縮小基準画像保持部58に縮小基準画像データDDを出力することにより、縮小基準画像が縮小基準画像保持部58に格納されて保持される。縮小基準画像は、ディスク番号nおよび面番号kに対応付けられて保持される。
次のステップS418では、面番号kに「1」を加算した値が新たな面番号kとして設定される。換言すれば、面番号kが更新される。
次のステップS419では、ステップS418で更新された面番号kが「3」以上であるか否かが判定される。面番号kが「3」未満である場合(すなわち、「k<3」の場合)にはステップS414に戻りステップS414〜S419が繰り返し実行される。これにより、ディスク番号nの基準ディスクSDの両面における基準画像および縮小基準画像のそれぞれが基準画像保持部56および縮小基準画像保持部58に保持される。面番号kが「3」以上である場合(すなわち、「k≧3」の場合)には、ステップS420に進む。
次のステップS420では、ディスク番号nに「1」を加算した値が新たなディスク番号nとして設定される。換言すれば、ディスク番号nが更新される。
次のステップS421では、ディスク番号nが「3」以上であるか否かが判定される。ディスク番号nが「3」未満である場合(すなわち、「n<3」の場合)にはステップS413に戻り、ステップS413〜S421の処理が繰り返し実行される。これにより、複数の基準ディスクSDの両面における基準画像および縮小基準画像が記憶部6の基準画像保持部56および縮小基準画像保持部58に保持される。ディスク番号nが「3」以上の場合(すなわち、「n≧3」の場合)には図4の登録ステップS3が終了し、図4のステップS2に戻る。
次に、図26および図27を参照しながら、基準画像生成装置101の動作について説明する。最初のステップS431では、登録設定がなされる。登録設定では、登録する基準ディスクに関する各種パラメータが設定される。パラメータには、ディスク判別装置1Aにおける登録設定(図24のステップS401)と同じ値が設定される。
次のステップS432では、ディスク番号nに「1」が設定される。続くステップS433では、面番号kに「1」が設定される。換言すれば、ステップS432においてディスク番号nが初期化され、ステップS433において面番号kが初期化される。
次のステップS434では、基準ディスクSDの撮像画像データIDが入出力インターフェース107に入力されたか否かが制御部104により判定する。撮像画像データIDが入力されたと判定された場合にはステップS435に進み、撮像画像データIDが入力されていないと判定された場合にはステップS434が繰り返し実行される。換言すれば、撮像画像データIDが入力される迄は、待機状態となる。
次のステップS435では、入力された撮像画像データIDに基づいて基準ディスクSDの撮像画像が記憶部106の撮像画像保持部155に格納され保持される。
次のステップS436では、面番号kに「1」が加算された値が新たな面番号kとして設定される。換言すれば、面番号kが更新される。
次のステップS437では、面番号kが「3」以上であるか否かが判定される。面番号kが「3」未満の場合(すなわち、「k<3」の場合)にはステップS434に戻り、ステップS434〜S437の処理が繰り返し実行される。これにより、基準ディスクSDの両面における撮像画像が記憶部106の撮像画像保持部155に保持される。面番号kが「3」以上の場合(すなわち、「k≧3」の場合)には、ステップS438に進む。
次のステップS438では、ディスク番号nに「1」を加算した値が新たなディスク番号nとして設定される。換言すれば、ディスク番号nが更新される。
次のステップS439では、ディスク番号nが「3」以上であるか否かが判定される。ディスク番号nが「3」未満の場合(すなわち、「n<3」の場合)にはステップS433に戻り、ステップS433〜S439の処理が繰り返し実行される。これにより、複数の基準ディスクSDの両面における撮像画像が記憶部106の撮像画像保持部155に保持される。ディスク番号nが「3」以上の場合(すなわち、「k≧3」の場合)には、図27のステップS441に進む。
図27のステップS441では、ディスク番号nに「1」が設定される。続くステップS442では、面番号kに「1」が設定される。換言すれば、ステップS441においてディスク番号nが初期化され、ステップS442において面番号kが初期化される。
次のステップS443では、記憶部106の撮像画像保持部155に保持された複数の撮像画像のうちのディスク番号nおよび面番号kの撮像画像が選択される。
次のステップS444では、基準画像が生成される。すなわち、画像処理部105の基準画像生成部151におけるエッジ抽出部161、中心抽出部162、有効領域抽出部163およびマスク処理部164によって、ステップS443で選択された撮像画像に対して図6の前処理のステップS41〜S44が実行されることにより、基準画像が生成される。
次のステップS445では、ステップS444で生成された基準画像が記憶部106の基準画像保持部156に格納されて保持される。この場合、ディスク番号nおよび面番号kに対応付けられて保持される。
次のステップS446では、縮小基準画像が生成される。すなわち、画像処理部105の画像縮小部153によって、ステップS444で生成された基準画像が縮小されることにより縮小基準画像が生成される。
次のステップS447では、ステップS446で生成された縮小基準画像が記憶部106の縮小基準画像保持部157に格納されて保持される。この場合、ディスク番号nおよび面番号kに対応付けられて保持される。
次のステップS448では、面番号kに「1」を加算した値が新たな面番号kとして設定される。換言すれば、面番号kが更新される。
次のステップS449では、面番号kが「3」以上であるか否かが判定される。面番号kが「3」未満である場合(すなわち、「k<3」の場合)にはステップS443に戻り、ステップS443〜S449の処理が繰り返し実行されることにより、基準ディスクSDの両面における基準画像および縮小基準画像が基準画像保持部156および縮小基準画像保持部157にそれぞれ保持される。面番号kが「3」以上の場合(すなわち、「k≧3」の場合)には、ステップS450に進む。
次のS450では、ディスク番号nに「1」を加算した値が新たなディスク番号nとして設定される。換言すれば、ディスク番号nが更新される。
次のステップS451では、ディスク番号nが「3」以上であるか否かが判定される。ディスク番号nが「3」未満である場合(すなわち、「n<3」の場合)にはステップS442に戻り、ステップS442〜S451の処理が繰り返し実行される。これにより、複数の基準ディスクSDの両面における基準画像および縮小基準画像が記憶部106の基準画像保持部156および縮小基準画像保持部157にそれぞれ保持される。ディスク番号nが「3」以上の場合(すなわち、「n≧3」の場合)には、図28のステップS461に進む。
図28のステップS461では、ディスク番号nに「1」が設定される。続くステップS462では、面番号kに「1」が設定される。換言すれば、ステップS461においてディスク番号nが初期化され、ステップS462において面番号kが初期化される。
次のステップS463では、基準画像保持部156に保持された複数の基準ディスクのうちのディスク番号nおよび面番号kの基準画像が選択される。
次のステップS463では、ステップS463で選択された基準画像がディスク判別装置1Aに送出される。すなわち、制御部104によって基準画像データBDが入出力インターフェース107に出力される。これにより、ディスク判別装置1Aの入出力インターフェース7に基準画像データBDが入力される。
次のステップS465では、縮小基準画像保持部157に保持された複数の縮小基準画像のうちのディスク番号nおよび面番号kの縮小基準画像が選択される。
次のステップS466では、ステップS465で選択された縮小基準画像がディスク判別装置1Aに送出される。制御部104によって縮小基準画像データDDが入出力インターフェース107に出力される。これにより、ディスク判別装置1Aの入出力インターフェース7に縮小基準画像データDDが入力される。
次のステップS467では、現在の面番号kに「1」を加算した値が新たな面番号kとして設定される。換言すれば、面番号kが更新される。
次のステップS468では、面番号kが「3」以上であるか否かが判定される。面番号kが「3」未満の場合(すなわち、「k<3」の場合)にはステップS463に戻り、ステップS463〜S468の処理が繰り返し実行される。これにより、基準ディスクSDの両面の基準画像および縮小基準画像が基準画像生成装置101からディスク判別装置1Aに送出される。面番号kが「3」以上である場合(すなわち、「k≧3」の場合)には、ステップS469に進む。
次のステップS469では、現在のディスク番号nに「1」を加算した値が新たなディスク番号nとして設定される。換言すれば、ディスク番号nが更新される。
次のステップS470では、ディスク番号nが「3」以上であるか否かが判定される。ディスク番号nが「3」未満の場合(すなわち、「n<3」の場合)にはステップS462に戻り、ステップS462〜S470の処理が繰り返し実行される。これにより、複数の基準ディスクSDの両面の基準画像および縮小基準画像が基準画像生成装置101からディスク判別装置1Aに送出される。ディスク番号nが「3」以上の場合(すなわち、「n≧3」の場合)には、基準画像生成装置101における処理が完了する。
上記の通り、基準画像生成装置101で生成された複数の基準ディスクSDの基準画像および縮小基準画像は、ディスク判別装置1Aに送出され、ディスク判別装置1Aの記憶部6における基準画像保持部56および縮小基準画像保持部58に保持される。ディスク判別装置1Aでは、第1実施形態のディスク判別装置1と同様に、図4のステップS4〜S13、図7のステップS51〜S63、図8のステップS71〜S79、図9および図10のステップS81〜S89、ステップS91〜S107、図11のステップS111〜S125が実行されることにより、判別対象ディスクTDの真偽が判別される。そのため、ここではディスク判別装置1Aの判別対象ディスクTDの真偽判別処理についての説明を省略する。
上述した通り、本発明の第4実施形態のディスク判別システムでは、基準画像生成装置101が、同一種の真正ディスクとして判別すべき複数の基準ディスクSDにそれぞれ対応する複数の基準画像を生成してディスク判別装置1Aに送出すると共に、複数の基準画像のそれぞれを縮小してなる複数の縮小基準画像を生成してディスク判別装置1Aに送出する。ディスク判別装置1Aでは、基準画像生成装置101から送出された複数の基準画像を基準画像保持部56に保持すると共に、基準画像生成装置101から送出された複数の縮小基準画像を複数の基準画像のそれぞれに対応付けて縮小基準画像保持部58に保持する(登録ステップS3)。さらに、判別対象ディスクTDの撮像画像が取得された場合、被判別画像生成部52が撮像画像に基づき被判別画像を生成し(被判別画像生成ステップS7)、画像縮小部(縮小被判別画像生成部)53が被判別画像を縮小してなる縮小被判別画像を生成する(縮小被判別画像生成ステップS9)。そして、判別部54が、縮小基準画像保持部58に保持された複数の縮小基準画像のそれぞれと画像縮小部53で生成された縮小被判別画像との対比結果に基づき基準画像保持部56に保持された複数の基準画像のいずれか一つを選択し、当該選択された基準画像と被判別画像とを対比することにより判別対象ディスクTDの真偽を判別する(判別ステップS14)。
複数の基準ディスクとしては、未使用のディスク、使用期間に応じて摩耗や汚れ、変質したディスクなどが適宜に適用される。これにより、複数の基準画像は、未使用のディスク、使用期間に応じて摩耗や汚れ、変質したディスクなどに対応した画像となる。換言すれば、基準ディスクの表面状態に応じて基準画像が変化する。縮小基準画像は基準画像を縮小した画像であるため、縮小基準画像においても基準ディスクの表面状態が反映される。これらのことは、判別対象ディスクにおいても同様である。すなわち、被判別画像および縮小被判別画像は判別対象ディスクの表面状態が反映される。そのため、複数の縮小基準画像のそれぞれと縮小被判別画像とを対比することにより、複数の基準画像の中から判別に適した基準画像を予め選択することができる。こうして選択された一つの基準画像と被判別画像を対比することによって判別対象ディスクTDの真偽が判別される。その結果、長期間の使用によるディスクの摩耗や傷などの影響を受け難く、高い精度での判別が可能となる。基準画像の選択は、複数の縮小基準画像と縮小被判別画像との対比により行われるので、縮小率を適宜に設定することで、選択に要する時間を短縮できる。また、複数の基準画像のうちの一つと被判別画像とを対比するため、対比に要する時間が短縮される。換言すれば、判別に要する時間を短縮でき、比較的高い速度で判別することができる。
また、基準画像生成装置101で生成された複数の基準画像および複数の縮小基準画像は、基準画像生成装置101の記憶部106に保持されている。そのため、基準画像生成装置101を他のディスク判別装置1Aに入出力インターフェース107、7を介して接続することにより、当該ディスク判別装置1Aにも複数の基準画像および複数の縮小基準画像を送出することができる。換言すれば、複数のディスク判別装置1Aにおいて、共通の複数の基準画像および複数の縮小基準画像を適用することが可能となるという利点がある。
(第5実施形態)
図29は、本発明の第5実施形態のディスク判別システムの画像処理部105および記憶部106の構成を示す。第5実施形態のディスク判別システムは、基準画像生成装置101において、回転角度の異なる複数の基準画像を含む複数の基準画像群と回転角度の異なる複数の縮小基準画像を含む複数の基準画像群を生成し、ディスク判別装置1Aにおいて、当該縮小基準画像群と縮小被判別画像とを対比することにより、当該複数の基準画像群のいずれか一つを選択し、選択された基準画像群と被判別画像とを対比することにより判別対象ディスクの真偽を判別する点が第4実施形態のディスク判別システム100と相違する。そのため、ここでは、図29において第4実施形態と同じ構成要素には同一の符号を付して、それらの詳細な説明を省略する。
図29に示しように、画像処理部105の基準画像生成部151Aは、図22の基準画像生成部151と同様に、エッジ抽出部161、中心抽出部162、有効領域抽出部163およびマスク処理部164を含み、さらに画像回転部165を含んでいる。画像回転部165は、図14の画像回転部65と同様に、所望の画像をX−Y空間上で回転させる機能を有する。画像回転部165は、記憶部106の基準画像保持部156に保持された回転前の複数の基準画像のそれぞれを複数の回転角度で回転させる。これにより、基準画像生成部151は、複数の基準ディスクSDのそれぞれに対応する複数の基準画像を生成すると共に、それら基準画像を回転してなる複数の回転角度に対応した回転後の複数の基準画像を生成する。換言すれば、基準画像生成部151Aは、複数の基準ディスクSDにそれぞれ対応し、且つ、対応する基準ディスクSDの撮像画像に基づく画像および当該画像をそれぞれ異なる回転角度で回転された画像からなる複数の基準画像をそれぞれ含む、複数の基準画像群を生成する。
基準画像生成部151Aで生成された複数の基準画像群は、記憶部106の基準画像保持部156に保持される。各基準画像群に含まれる複数の基準画像は、基準画像データとして、基準画像保持部156から画像縮小部153に出力される。画像縮小部153は、各基準画像群に含まれる複数の基準画像のそれぞれを縮小し、複数の縮小基準画像を生成する。換言すれば、画像縮小部153は、複数の基準画像群に含まれる複数の基準画像のそれぞれを縮小してなる複数の縮小基準画像をそれぞれ含む複数の縮小基準画像群を生成する。各縮小基準画像群に含まれる複数の縮小基準画像は、縮小基準画像データDDとして、画像縮小部153から縮小基準画像保持部157に出力される。画像縮小部153で生成された縮小基準画像群は、記憶部106の縮小基準画像保持部157に保持される。
基準画像保持部156に保持された複数の基準画像群に含まれる複数の基準画像は、ディスク判別装置1Aに送出される。すなわち、複数の基準画像群に含まれる複数の基準画像は、基準画像データBDとして、制御部104によって入出力インターフェース107に出力され、ディスク判別装置1Aの入出力インターフェース7に入力される。縮小基準画像保持部157に保持された複数の縮小基準画像群に含まれる複数の縮小基準画像は、ディスク判別装置1Aに送出される。すなわち、複数の縮小基準画像群に含まれる複数の縮小基準画像は、縮小基準画像データDDとして、制御部104によって入出力インターフェース107に出力され、ディスク判別装置1Aの入出力インターフェース7に入力される。
次に、図30〜図34を参照しながら、第5実施形態のディスク判別システムの動作について説明する。まず、ディスク判別装置1Aの動作について説明する。ディスク判別装置1Aは、第1実施形態のディスク判別装置1における図4の登録処理ステップS3のみが相違する。そのため、ここでは登録処理ステップS3についてのみ説明し、その他の動作についての説明を省略する。
図30および図31は、ディスク判別装置1Aの登録ステップS3の詳細を示す。図30のステップS401〜S410の各処理は、第5実施形態の場合と同じである。そのため、ここでは、図30において図24と同じステップについては同一の符号を付してその説明を省略する。
図31において、図30のステップS410の次に実行されるステップS501では、ディスク番号nに「1」が設定される。続くステップS502では、面番号kに「1」が設定される。さらにステップS503では、回転角度θに「0」が設定される。換言すれば、ステップS501においてディスク番号nが初期化され、ステップS502において面番号が初期化され、ステップS503において回転角度θが初期化される。
次のステップS504では、基準画像データBDが入出力インターフェース7に入力されたか否かを制御部4が判定する。基準画像データBDが入力されたと判定された場合にはステップS505に進み、基準画像データBDが入力されてないと判定された場合にはステップS504が繰り返し実行される。換言すれば、基準画像データBDが入力される迄は待機状態となる。
次のステップS505では、制御部4が記憶部6の基準画像保持部56に基準画像データBDを出力することにより、基準画像が基準画像保持部56に格納されて保持される。基準画像は、ディスク番号n、面番号kおよび回転角度θに対応付けられて保持される。換言すれば、ディスク番号n、面番号kおよび回転角度θを指定することにより選択可能に保持される。
次のステップS506では、縮小基準画像データDDが入出力インターフェース7に入力されたか否かを制御部4が判定する。縮小基準画像データDDが入力されたと判定された場合にはステップS507に進み、縮小基準画像データDDが入力されてないと判定された場合にはステップS505が繰り返し実行される。換言すれば、縮小基準画像データDDが入力される迄は待機状態となる。
次のステップS507では、制御部4が記憶部6の縮小基準画像保持部58に縮小基準画像データDDを出力することにより、縮小基準画像が縮小基準画像保持部58に格納されて保持される。縮小基準画像は、ディスク番号n、面番号kおよび回転角度θに対応付けられて保持される。換言すれば、ディスク番号n、面番号kおよび回転角度θを指定することにより選択可能に保持される。
次のステップS508では、現在の回転角度θに回転角度増分θdを加算した「θ+θd」が新たな回転角度θとして設定される。換言すれば、回転角度θが更新される。本実施形態では、縮小被判別画像を1回転させたときに「θ=0」の場合を含めて全100枚の画像が得られるように回転角度増分θdが設定される。この場合の回転角度増分θdは「3.6°」である。
次のステップS509では、回転角度θが「360°」以上であるか否かが判定される。回転角度θが「360°」未満の場合(すなわち、「θ<360°」の場合)にはステップS504に戻り、ステップS504〜S509の処理が繰り返し実行される。これにより、回転角度θが「0°〜360°」の間で異なる複数の基準画像および複数の縮小基準画像が記憶部106の基準画像保持部156および縮小基準画像保持部157に格納されて保持される。換言すれば、回転角度の異なる複数の基準画像を含む基準画像群が基準画像保持部156に保持されると共に、回転角度の異なる複数の縮小基準画像を含む縮小基準画像群が縮小基準画像保持部157に保持される。回転角度θが「360°」以上の場合(すなわち、「θ≧360°」の場合)には、ステップS510に進む。
次のステップS510では、現在の面番号kに「1」を加算した「k+1」が新たな面番号kとして設定される。換言すれば、面番号kが更新される。
次のステップS511では、面番号kが「3」以上であるか否かが判定される。面番号kが「3」未満の場合(すなわち、「k<3」の場合)にはステップS503に戻り、ステップS503〜S511が繰り返し実行される。これにより、基準ディスクSDの両面にそれぞれ対応する基準画像群および縮小基準画像群が記憶部106の基準画像保持部156および縮小基準画像保持部157にそれぞれ保持される。面番号kが「3」以上の場合(すなわち、「k≧3」の場合)には、ステップS512に進む。
次のステップS512では、現在のディスク番号nに「1」を加算した「n+1」が新たなディスク番号nとして設定される。換言すれば、ディスク番号nが更新される。
次のステップS513では、ディスク番号nが「3」以上であるか否かが判定される。ディスク番号nが「3」未満の場合(すなわち、「n<3」の場合)にはステップS502に戻り、ステップS502〜S513が繰り返し実行される。これにより、複数の基準ディスクSDの両面にそれぞれ対応する複数の基準画像群および複数の縮小基準画像群が記憶部106の基準画像保持部156および縮小基準画像保持部157にそれぞれ保持される。ディスク番号nが「3」以上の場合(すなわち、「n≧3」の場合)には、図4のステップS2に戻る。
次に、図32〜図34を参照しながら、基準画像生成装置101の動作について説明する。図32に示すステップS431〜S439の各処理は、第4実施形態の場合と同じである。そのため、ここでは、図32において図26と同じステップについては同一の符号を付してその説明を省略する。
図33において、図32のステップS439の次に実行されるステップS521では、ディスク番号nに「1」が設定される。続くステップS522では、面番号kに「1」が設定される。換言すれば、ステップS521においてディスク番号nが初期化され、ステップS522において面番号kが初期化される。
次のステップS523では、記憶部106の撮像画像保持部155に保持された複数の撮像画像のうちのディスク番号nおよび面番号kの撮像画像が選択される。
次のステップS524では、基準画像が生成される。すなわち、画像処理部105の基準画像生成部151におけるエッジ抽出部161、中心抽出部162、有効領域抽出部163およびマスク処理部164によって、ステップS523で選択された撮像画像に対して図6の前処理のステップS41〜S44が実行されることにより、基準画像が生成される。
次のステップS525では、回転角度θに「0」が設定される。換言すれば、回転角度θが初期化される。
次のステップS526では、基準画像が記憶部106の基準画像保持部156に保持される。この場合、ディスク番号n、面番号kおよび回転角度θに対応付けられて保持される。
次のステップS527では、縮小基準画像が生成される。すなわち、画像処理部105の画像縮小部153によって、ディスク番号n、面番号kおよび回転角度θの基準画像が縮小されることにより縮小基準画像が生成される。
次のステップS528では、ステップS527で生成された縮小基準画像が記憶部106の縮小基準画像保持部157に格納されて保持される。この場合、ディスク番号n、面番号kおよび回転角度θに対応付けられて保持される。
次のステップS529では、回転角度θに回転角度増分θdを加算した「θ+θd」が新たな回転角度θとして設定される。換言すれば、回転角度θが更新される。
次のステップS530では、回転角度θが「360°」以上であるか否かが判定される。回転角度θが「360°」未満の場合(すなわち、「θ<360°」の場合)にはステップS531に進み、回転角度θが「360°」以上の場合(すなわち、「θ≧360°」の場合)にはステップS532に進む。
ステップS531では、ステップS529で更新された回転角度θで基準画像が回転される。すなわち、ステップS532で生成された基準画像が画像処理部105の基準画像生成部151の画像回転部165によって回転される。その後、ステップS526に戻り、ステップS526〜S531が繰り返し実行される。これにより、回転角度θの異なる複数の基準画像および複数の縮小基準画像が記憶部106の基準画像保持部156および縮小基準画像保持部157にそれぞれ保持される。換言すれば、回転角度θの異なる複数の基準画像を含む基準画像群が基準画像保持部156に保持されると共に、回転角度θの異なる複数の縮小基準画像を含む縮小基準画像群が縮小基準画像保持部157に保持される。
ステップS532では、現在の面番号kに「1」を加算した「k+1」が新たな面番号kとして設定される。換言すれば、面番号kが更新される。
次のステップS533では、面番号kが「3」以上であるか否かが判定される。面番号kが「3」未満の場合(すなわち、「k<3」の場合)にはステップS523に戻り、ステップS523〜S533が繰り返し実行される。これにより、基準ディスクSDの両面のそれぞれに対応する複数の基準画像群および複数の縮小基準画像群が記憶部106の基準画像保持部156および縮小基準画像保持部157にそれぞれ保持される。面番号kが「3」以上の場合(すなわち、「k≧3」の場合)には、ステップS534に進む。
次のステップS534では、現在のディスク番号nに「1」を加算した「n+1」が新たなディスク番号nとして設定される。換言すれば、ディスク番号nが更新される。
次のステップS535では、ディスク番号nが「3」以上であるか否かが判定される。ディスク番号nが「3」未満の場合(すなわち、「n<3」の場合)にはステップS522に戻り、ステップS522〜S535が繰り返し実行される。これにより、複数の基準ディスクSDに対応する複数の基準画像群および複数の縮小基準画像群が記憶部106の基準画像保持部156および縮小基準画像保持部157にそれぞれ保持される。複数の基準画像群に含まれる複数の基準画像はディスク番号n、面番号kおよび回転角度θに対応付けられて保持され、複数の縮小基準画像群に含まれる複数の縮小基準画像はディスク番号n、面番号kおよび回転角度θに対応付けられて保持される。ディスク番号nが「3」以上の場合(すなわち、「n≧3」の場合)には、図34のステップS541に進む。
ステップS541では、ディスク番号nに「1」が設定される。続くステップS542では、面番号kに「1」が設定される。次のステップS543では、回転角度θに「0」が設定される。換言すれば、ステップS541においてディスク番号nが初期化され、ステップS542において面番号kが初期化され、ステップS543において回転角度θが初期化される。
次のステップS544では、基準画像が選択される。すなわち、制御部104によって、記憶部106の基準画像保持部156に保持された複数の基準画像群に含まれる複数の基準画像のうちのディスク番号n、面番号kおよび回転角度θに対応する基準画像が選択される。
次のステップS545では、ステップS544で選択された基準画像がディスク判別装置1Aに送出される。すなわち、制御部104によって基準画像データBDが入出力インターフェース107に出力される。これにより、ディスク判別装置1Aの入出力インターフェース7に基準画像データBDが入力される。
次のステップS546では、縮小基準画像が選択される。すなわち、制御部104によって、記憶部106の縮小基準画像保持部157に保持された複数の縮小基準画像群に含まれる複数の縮小基準画像のうちのディスク番号n、面番号kおよび回転角度θに対応する縮小基準画像が選択される。
次のステップS547では、ステップS546で選択された縮小基準画像がディスク判別装置1Aに送出される。すなわち、制御部104によって縮小基準画像データDDが入出力インターフェース107に出力される。これにより、ディスク判別装置1Aの入出力インターフェース7に縮小基準画像データDDが入力される。
次のステップS548では、現在の回転角度θに回転角度増分θdが加算された「θ+θd」が新たな回転角度θとして設定される。換言すれば、回転角度θが更新される。
次のステップS549では、回転角度θが「360°」以上であるか否かが判定される。回転角度θが「360°」未満の場合(すなわち、「θ<360°」の場合)にはステップS544に戻り、ステップS544〜S549が繰り返し実行される。これにより、回転角度θが異なる複数の基準画像および複数の縮小基準画像が基準画像生成装置101からディスク判別装置1Aに送出される。換言すれば、回転角度θの異なる複数の基準画像を含む基準画像群がディスク判別装置1Aに送出されると共に、回転角度の異なる複数の縮小基準画像を含む縮小基準画像群がディスク判別装置1Aに送出される。回転角度θが「360°」以上の場合(すなわち、「θ≧360°」の場合)には、ステップS550に進む。
次のステップS550では、現在の面番号kに「1」を加算した「k+1」が新たな面番号kとして設定される。換言すれば、面番号kが更新される。
次のステップS551では、面番号kが「3」以上であるか否かが判定される。面番号kが「3」未満の場合(すなわち、「k<3」の場合)にはステップS543に戻り、ステップS543〜S551が繰り返し実行される。これにより、基準ディスクSDの両面に対応する複数の基準画像および複数の縮小基準画像が基準画像生成装置101からディスク判別装置1Aに送出される。面番号kが「3」以上の場合(すなわち、「k≧3」の場合)には、ステップS552に進む。
次のステップS552では、現在のディスク番号nに「1」を加算した「n+1」が新たなディスク番号nとして設定される。換言すれば、ディスク番号nが更新される。
次のステップS553では、ディスク番号nが「3」以上であるか否かが判定される。ディスク番号nが「3」未満の場合(すなわち、「n<3」の場合)にはステップS542に戻り、ステップS542〜S553が繰り返し実行される。これにより、複数の基準ディスクSDの両面にそれぞれ対応する複数の基準画像群および複数の縮小基準画像群が基準画像生成装置101からディスク判別装置1Aに送出される。ディスク番号nが「3」以上の場合(すなわち、「n≧3」の場合)には、基準画像生成装置101における処理が完了する。
上記の通り、基準画像生成装置101で生成された複数の基準ディスクSDに対応する複数の基準画像群および複数の縮小基準画像群は、ディスク判別装置1Aに送出され、ディスク判別装置1Aの記憶部6における基準画像保持部56および縮小基準画像保持部58にそれぞれ保持される。ディスク判別装置1Aでは、第2実施形態のディスク判別装置と同様に、図4のステップS4〜S13、図16のステップS221〜S236、図17および図18のステップS241〜S246、ステップS261〜S277、図11のステップS111〜S125が実行されることにより、判別対象ディスクTDの真偽が判別される。そのため、ここではディスク判別装置1Aの判別対象ディスクTDの真偽判別処理についての説明を省略する。
上述した通り、本発明の第5実施形態のディスク判別システムでは、基準画像生成装置101が、同一種の真正ディスクとして判別すべき複数の基準ディスクSDにそれぞれ対応し、且つ、対応する基準ディスクSDの撮像画像に基づく画像および当該画像をX−Y空間上でそれぞれ異なる回転角度θで回転させた画像からなる複数の基準画像を含む、複数の基準画像群を生成してディスク判別装置1Aに送出すると共に、複数の基準画像群に含まれる複数の基準画像のそれぞれを縮小してなる複数の縮小基準画像をそれぞれ含む複数の縮小基準画像群を生成してディスク判別装置1Aに送出する。ディスク判別装置1Aでは、基準画像生成装置101から送出された複数の基準画像群を基準画像保持部56に保持すると共に、基準画像生成装置101から送出された複数の縮小基準画像群を複数の基準画像群のそれぞれに対応付けて縮小基準画像保持部58に保持する(登録ステップS3)。さらに、判別対象ディスクTDの撮像画像が取得された場合、被判別画像生成部52が撮像画像に基づき被判別画像を生成し(被判別画像生成ステップS7)、画像縮小部(縮小被判別画像生成部)53が被判別画像を縮小してなる縮小被判別画像を生成する(縮小基準画像生成ステップSS9)。そして、判別部54が、縮小基準画像保持部58に保持された縮小基準画像群のそれぞれと画像縮小部53で生成された縮小被判別画像との対比結果に基づき基準画像保持部56に保持された複数の基準画像群のいずれか一つを選択し、当該選択された基準画像群と被判別画像保持部57に保持された被判別画像とを対比することにより判別対象ディスクTDの真偽を判別する(判別ステップS14)。
複数の基準画像群のそれぞれは互いに回転角度θの異なる複数の基準画像を含み、複数の縮小基準画像群のそれぞれは互いに回転角度θの異なる複数の縮小基準画像を含む。また、複数の縮小基準画像群は、複数の基準画像群と対応付けられている。そのため、複数の縮小基準画像群のそれぞれと縮小被判別画像とを対比することにより、複数の基準画像群の中から判別に適した基準画像群を予め選択することができる。こうして選択された一つの基準画像群と被判別画像とを対比することによって判別対象ディスクの真偽が判別される。その結果、第4実施形態のディスク判別システム100の場合と同様に、長期間の使用によるディスクの摩耗や傷などの影響を受け難く、高い精度での判別が可能となる。基準画像群の選択は、複数の縮小基準画像群と縮小被判別画像との対比により行われるので、縮小率を適時に設定することで、選択に要する時間を短縮できる。また、複数の基準画像群のうちの一つと被判別画像とを対比するため、対比に要する時間が短縮される。換言すれば、判別に要する時間を短縮でき、比較的高い速度で判別することができる。しかも、縮小基準画像群には互いに回転角度の異なる複数の縮小基準画像が含まれているため、それら複数の縮小基準画像と縮小被判別画像とを対比することにより、縮小被判別画像と縮小基準画像との間で生じる回転ずれを容易に解消することができる。また、基準画像群には互いに回転角度θの異なる複数の基準画像が含まれているため、それら複数の基準画像と被判別画像とを対比することにより、基準画像と被判別画像との間で生じる回転ずれを容易に解消することができる。換言すれば、縮小基準画像群と縮小被判別画像との対比および基準画像と被判別画像との対比において、回転ずれの補正を効率良く行うことができ、ひいては判別速度をさらに高めることが可能となる。
また、第4実施形態のディスク判別システム101の場合と同様に、複数のディスク判別装置1Aにおいて、共通の複数の基準画像および複数の縮小基準画像を適用することが可能となるという利点がある。
(変形例)
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、第1〜第5実施形態では、同一種の真正ディスクとして判別すべきディスクとして2つのディスクを使用しているが、3以上のディスクを使用することもできる。例えば、第1実施形態のディスク判別装置1において3つのディスクを使用する場合には、図5のステップS33および図7のステップS61の「n≧3」を「n≧4」に変更すれば可能となる。第4〜第5実施形態においても同様である。
また、図9の対比判定ステップでは被判別画像を回転させているが、基準画像を回転させてもよい。換言すれば、被判別画像および基準ディスクにおける相対的な回転角度ずれを補正することができれば、回転する対象を被判別画像および基準画像のうちのいずれか一方を適宜に選択できる。このことは、図11の平行移動ステップについても同様であり、平行移動の対象を被判別画像および基準画像のうちのいずれか一方を適宜に選択できる。
さらに、第4および第5実施形態では、ディスク判別装置1Aの画像取得部2で取得された撮像画像に基づいて基準画像および縮小基準画像を生成しているが、基準画像生成装置101自体に画像取得部を設ける構成とすることもできる。