以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
以下の実施の形態の図面においては、Z軸方向は、例えば上下方向(鉛直方向)であり、Z軸+側は、上側または光出射側と記載される場合がある。また、Z軸−側は、下側と記載される場合がある。また、X軸方向及びY軸方向は、Z軸に垂直な平面(水平面)上において、互いに直交する方向である。
(実施の形態)
[照明システムの構成]
まず、実施の形態に係る照明システムの構成について説明する。図1は、実施の形態に係る照明システムの機能構成を示す図である。
図1に示されるように、照明システム300は、複数の照明装置(照明装置100、100a、及び、100b)と、照明管理装置150とを備える。図1では、照明装置は3台しか図示されていないが、照明システム300は、例えば、自動車運搬船の船内、または商業施設などの広大な建物内において使用される。このような場合、照明システム300が備える照明装置の数は、例えば、数十台〜数百台程度となる。
照明システム300において、複数の照明装置の各々は、当該照明装置が有する発光部の異常を検知する機能を有する。例えば、照明装置100aは、例えば、1日に1回、当該照明装置100aが有する発光部の異常検知処理を行う。照明装置100aは、異常検知処理によって発光部の異常が検知されたときには、照明装置100aの発光部が異常であることを示す異常情報を無線通信により送信する。
このとき、照明管理装置150から離れた位置に設置された照明装置100aは、照明管理装置150と直接無線通信を行うことができない。そこで、例えば、照明装置100が、照明装置100aの異常情報の照明装置100bへの中継を行う。このような中継が繰り返された後、照明装置100aの異常情報は、最終的には、照明管理装置150に受信される。これにより、複数の照明装置のそれぞれは、当該照明装置が備える発光部に異常が発生したことをユーザに通知することができる。
照明管理装置150は、パーソナルコンピュータまたはサーバ装置などの情報端末であり、照明システム300に含まれる複数の照明装置の状態を管理する。照明管理装置150は、複数の照明装置のそれぞれの状態を示す状態情報を記憶部(図示せず)に記憶し、かつ、状態情報を画像として表示部(図示せず)に表示することができる。これにより、ユーザは、照明管理装置150を通じて、複数の照明装置の状態を管理することができる。
なお、異常情報を中継する複数の照明装置のうちいずれかの照明装置の無線通信機能に異常が発生することにより、照明管理装置150が異常情報を受信できなくなる場合がある。このような場合、照明システム300においては、無線通信に失敗した照明装置の発光部が点滅する。これにより、照明システム300は、無線通信に失敗した照明装置をユーザに通知することができる。
上述のような照明システム300の用途は、特に限定されない。上述のように、照明システム300は、例えば、自動車運搬船などの船舶において使用される。図2は、自動車運搬船において使用される照明システム300の概要を示す図である。
自動車運搬船は、広大な船室内に自家用車などの車両が密集して積載される。車両が積載された後に照明装置を修理することは困難であるため、事前に多数の照明装置の状態が管理されていることが望まれる。したがって、照明システム300のようなシステムが有用である。また、自動車運搬船は、客船としては取り扱われないため、乗組員の人数が制限される。したがって、照明システム300のように、複数の照明装置の状態を1つの照明管理装置150で管理できるシステムが有用である。
[照明装置]
次に、照明装置100の構成について説明する。図3は、照明装置100の構成を示す外観斜視図である。なお、照明装置100a及び照明装置100bの構成は、照明装置100と同様であるため説明が省略される。
図3に示されるように、照明装置100は、2つの照明用光源10と、本体部110とを備える。
本体部110は、天井に固定具によって取り付けられる。本体部110は、照明用光源10と電気的に接続され、かつ、各々に照明用光源10が取り付けられる2組のソケット120を備える。本体部110は、例えばアルミ鋼板をプレス加工等することによって形成することができる。また、本体部110の外面は、照明用光源10が発した光を室内に向けて反射させる反射面となっている。
[照明用光源の構成]
次に、照明用光源10の構成について説明する。図4は、照明用光源10の外観斜視図である。
図4に示されるように、照明用光源10は、直管形蛍光灯の代替照明として使用される直管LEDランプである。照明用光源10は、発光装置20と、カバー30と、第1口金51と、第2口金52と、接着材60とを備える。以下、各構成要素について詳細に説明する。
まず、カバー30について説明する。カバー30は、発光装置20の少なくとも光出射側を覆う、透光性を有するカバーである。カバー30は、Y軸方向を高さ方向(長手方向)とする長尺円筒状であり、発光装置20を収容する筐体としても機能する。また、カバー30は、照明用光源10の外郭の一部を構成する。
カバー30の基材は、例えば、ガラスであるが、ポリカーボネートなどの樹脂材料であってもよい。カバー30は、非分割型であるが、分割型であってもよい。
カバー30は、発光装置20からの光を拡散させるための光拡散機能を有してもよい。これにより、発光装置20から発せられた光は、カバー30を通過する際に拡散されるため、照明用光源10の明るさの均一化が実現される。
例えば、カバー30の内面及び外面の少なくとも一方には、光拡散膜が形成されてもよい。光拡散膜は、具体的には、シリカや炭酸カルシウム等の光拡散材(微粒子)を含有する乳白色の樹脂材料である。また、カバー30の内部及び外部の少なくとも一方には、光を拡散するためのレンズ構造が設けられてもよいし、光を拡散するための凹凸構造が設けられてもよいし、光を拡散するためのドットパターンが印刷されてもよい。また、カバー30の基材に、光拡散材が含まれてもよい。
次に、第1口金51及び第2口金52について説明する。第1口金51及び第2口金52は、照明用光源10がソケット120を介して給電を受けるために、ソケット120に着脱自在に取り付けられる構造体である。第1口金51及び第2口金52のそれぞれは、例えば、絶縁性を有する樹脂によって形成される。第1口金51及び第2口金52のそれぞれは、略有底円筒形状(キャップ状)であり、第1口金51は、カバー30の一方の端部(Y軸+側の端部)を覆い、第2口金52は、カバー30の他方の端部(Y軸−側の端部)を覆う。第1口金51及び第2口金52は、例えば、G13口金等である。第1口金51は、第1受電端子41を有し、第2口金52は、第2受電端子42を有する。
第1受電端子41及び第2受電端子42のそれぞれは、導電性を有する1組の棒状金属材料によって形成される。第1受電端子41及び第2受電端子42は、照明用光源10の外部から交流電力を受ける。
第1受電端子41は、本体部110に設けられたソケット120に装着されることによって、発光装置20を発光させるための交流電力を本体部110から受電する。第2受電端子42についても同様である。第1受電端子41は、例えば、正極端子であり、第2受電端子42は、例えば、負極端子である。なお、第1受電端子41及び第2受電端子42が受電する交流電力は、電力系統から供給される交流電力と同様に、例えば、周波数が50Hzまたは60Hzの正弦波交流電力である。
このように、照明用光源10は、両側給電方式であるが、片側給電方式であってもよい。片側給電方式の口金としては、日本電球工業会によって規格化されたJEL801に準拠したL形口金が例示される。この場合、第1受電端子41及び第2受電端子42の一方は、アースピンまたはアース機能を有しない取り付け用ピンとなる。
[発光装置]
次に、発光装置20について、図4に加えて図5を参照しながら説明する。図5は、発光装置20の機能構成を示す図である。
発光装置20は、長尺状の基板21に表面実装(SMD:Surface Mount Device)型の発光素子22aが一列に配置されたSMD型の発光モジュールである。発光装置20は、カバー30に向けて光を発する。発光装置20は、例えば、シリコーン樹脂などにより形成された接着材によって、カバー30の内面に接着される。
図5に示されるように、発光装置20は、発光部22と、電源回路23と、制御部24と、無線通信部25と、計時部26と、記憶部27と、抵抗28aと、ヒューズ28bと、ダイオードブリッジ28cとを備える。これらの構成要素は、基板21に配置されるが、一部または全部が基板21とは異なる部材に配置されてもよい。
発光部22は、複数の発光素子22aが直列接続された発光素子群を複数有し、複数の発光素子群が並列接続されることにより形成される。図5の例では、6つの発光素子群が並列接続される。1つ発光素子群を構成する発光素子の数は、特に限定されないが、例えば、18個である。
発光素子22aは、LEDチップと蛍光体とがパッケージ化された、いわゆるSMD型の発光素子であり、例えば、白色光を発する。発光素子22aは、例えば、凹部を有する樹脂製の容器と、凹部の中に配置(実装)されたLEDチップと、凹部内に封入された封止部材(蛍光体含有樹脂)とを備える。複数の発光素子22aは、基板21に配置(実装)され、基板21上に形成された配線(図示せず)によって電気的に接続される。
電源回路23は、本体部110(電力系統)から供給される交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力を発光部22に供給する。電源回路23は、具体的には、発光部22に一定の電流を供給する定電流駆動を行う。また、電源回路23は、制御部24、無線通信部25、計時部26、及び、記憶部27にも直流電力を供給する。なお、電源回路23は、発光部22が消灯中であっても、制御部24、無線通信部25、計時部26、及び、記憶部27に直流電力を供給することができる回路構成を有する。
電源回路23は、具体的には、例えば、4つのダイオードで構成されるブリッジ型全波整流回路などを含む回路により実現されるが、AC−DCコンバータIC及びDC−DCコンバータICなどによって実現されてもよい。
電源回路23は、ユーザによってリモートコントローラなどを介して行われる点灯指示を、例えば、有線通信によって取得すると、直流電力を発光部22に供給する。これにより、発光部22が点灯する。
また、電源回路23は、制御部24から異常検知用の電力供給の指示を取得すると、発光部22を点灯させるための直流電力よりも少ない異常検知用の直流電力を発光部22に供給する。電源回路23は、具体的には、閾値電圧よりも低い直流電圧を発光部22に供給する。閾値電圧は、例えば、1つの発光素子群に含まれる発光素子22aのそれぞれが発光を開始する順方向電圧(Vf)の合計である。これにより、制御部24は、発光部22を発光させずに発光部22の異常検知処理を行うことができる。
また、電源回路23は、無線通信部25が無線通信に失敗した場合に、制御部24の制御に基づいて発光部22を通常の照明用途の発光とは異なる所定の態様で発光させる。電源回路23は、具体的には、発光部22を点滅させる。なお、電源回路23が調光機能に対応しているような場合は、電源回路23は、発光部22を暗く発光させてもよい。電源回路23は、ユーザが無線通信の失敗を認識できるように、通常の発光(点灯)とは異なる態様で発光部22を発光させればよい。
制御部24は、電源回路23によって発光部22に電力供給が行われているときに発光部22の異常を検知するための異常検知処理を行う。制御部24は、例えば、電源回路23に異常検知用の電力供給を行わせ、異常検知用の電力供給が行われているときに発光部22の異常検知処理を行う。また、制御部24は、電源回路23によって発光部22を発光させるための電力供給(ユーザの点灯指示に基づく電力供給)が行われているときに発光部22の異常検知処理を行ってもよい。
制御部24による異常検知処理の内容は、特に限定されないが、実施の形態では、制御部24は、異常検知処理において複数の発光素子群のうち1つの発光素子群に流れる電流を計測する。異常検知処理の詳細については後述される。
制御部24は、異常検知処理によって発光部22の異常が検知された場合に発光部22の異常を示す異常情報を無線通信部25に送信させる。また、制御部24は、異常検知処理によって発光部22の異常が検知されなかった場合に発光部22の正常を示す正常情報を無線通信部25に送信させる。
また、制御部24は、無線通信部25が無線通信に失敗した場合に、電源回路23を制御することにより発光部22を所定の態様で発光させる。無線通信の失敗には、無線通信による情報の受信に失敗した場合、及び、無線通信による情報の送信に失敗した場合の両方が含まれる。制御部24は、具体的には、無線通信部25が照明装置100の正常情報の送信において無線通信に失敗した場合、または、無線通信部25が照明装置100の異常情報の送信に失敗した場合に、発光部22を所定の態様で発光させる。また、制御部24は、無線通信部25が照明装置100aの異常情報の中継において無線通信に失敗した場合、または、照明装置100aの正常情報の中継において無線通信に失敗した場合に、発光部22を所定の態様で発光させる。
制御部24は、具体的には、マイクロコンピュータ、プロセッサ、または専用回路によって実現される。制御部24は、マイクロコンピュータ、プロセッサ、または専用回路の組み合わせによって実現されてもよい。なお、電源回路23及び制御部24が調光機能に対応している場合、制御部24は、チョッパ制御回路を含む。
無線通信部25は、照明システム300に含まれる他の照明装置と無線通信を行う。無線通信部25は、例えば、異常検知処理によって発光部22の異常が検知された場合に、制御部24の制御に基づいて、発光部22の異常を示す異常情報を照明装置100bに送信する。また、無線通信部25は、異常検知処理によって発光部22の異常が検知されなかった場合に、制御部24の制御に基づいて、発光部22の正常を示す正常情報を照明装置100bに送信する。
なお、照明装置100が照明管理装置150の近傍に設置されているような場合、無線通信部25は、異常情報または正常情報を照明管理装置150に直接送信する場合もある。
また、異常情報及び正常情報の両方が送信されることは必須ではない。例えば、無線通信部25が異常情報のみを送信することにより、照明管理装置150は、異常情報が受信されなかった照明装置100が正常であると判断できる。同様に、無線通信部25が正常情報のみを送信することにより、照明管理装置150は、正常情報が受信されなかった照明装置100を異常であると判断できる。このように、無線通信部25は、異常検知処理の結果に基づいて、発光部22の異常を示す異常情報及び発光部22の正常を示す正常情報の少なくとも一方を送信すればよい。
また、無線通信部25は、照明装置100aの正常情報の、照明装置100aから照明装置100bへの中継を行う。同様に、無線通信部25は、照明装置100aの異常情報の、当該一の照明装置100aから他の照明装置100bへの中継を行う。なお、照明装置100が照明管理装置150の近傍に設置されているような場合、無線通信部25は、照明装置100aの異常情報または正常情報を照明管理装置150に中継する場合もある。
無線通信部25は、光よりも周波数が低い電波を用いて無線通信を行ってもよいし、赤外線などの光を用いた無線通信を行ってもよい。無線通信部25は、例えば、特定小電力無線、bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、または無線LAN(例えば、Wi−Fi(登録商標))などの通信規格に対応した通信モジュール(通信回路)である。赤外線により通信を行う通信モジュールであってもよいし、微弱無線通信を行うUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)モジュールであってもよい。
計時部26は、時間を計測し、制御部24に通知する。計時部26は、単位時間ごとに、当該単位時間が経過したことを示すタイマ信号を制御部24に通知する。これにより、制御部24は、時間を計測することができる。計時部26は、具体的には、汎用のタイマIC(タイマ回路)である。なお、計時部26は、制御部24の一部として実現されてもよい。
記憶部27は、半導体メモリなどの記憶装置である。記憶部27には、異常検知処理に用いられる上限値及び下限値が記憶される。なお、記憶部27には、異常検知用の電力供給が行われた場合の異常検知処理に用いられる第1上限値及び第1下限値と、発光部22を発光させるための電力供給が行われた場合の異常検知処理に用いられる第2上限値及び第2下限値との2種類が記憶される。記憶部27には、その他に、制御部24がプロセッサとして実現される場合に当該プロセッサにより実行されるプログラムなども記憶される。なお、記憶部27は、制御部24の一部として実現されてもよい。
抵抗28aは、電源回路23の出力に取り付けられる、回路保護用の抵抗である。
ヒューズ28bは、回路に過電流が流れた場合に、回路を開放することによって保護する保護素子である。
ダイオードブリッジ28cは、電源回路23から出力される直流電力をさらに整流する回路である。
なお、以上説明した抵抗28a、ヒューズ28b、及び、ダイオードブリッジ28cなどの回路部品は必須でない。
[発光部の異常検知処理]
次に、制御部24によって行われる発光部22の異常検知処理について説明する。上述のように、発光部22は、複数の発光素子が直列接続された発光素子群を6つ有し、6つの発光素子群は、並列接続されている。制御部24は、異常検知処理において、6つの発光素子群の全てについて電流を計測してもよい。しかしながら、実施の形態では、制御部24は、異常検知処理において、6つの発光素子群のうち1つの発光素子群のみを計測対象とし、当該発光素子群に流れる電流を計測する。
計測対象の発光素子群に含まれる発光素子22aがオープン不良、つまり、計測対象の発光素子群に含まれる1以上の発光素子22aにおいてカソードとアノードとがオープン状態である場合、計測対象の発光素子群に流れる電流は、ほぼ0となる。つまり、制御部24は、電流値がほぼ0であるときに、発光部22に異常があると判定することができる。制御部24は、具体的には、記憶部27に記憶された下限値(第1下限値または第2下限値)を参照し、計測した電流値が参照した上限値よりも高いときに、発光部22に異常があると判定することができる。
計測対象の発光素子群に含まれる発光素子22aがショート不良である場合、つまり、計測対象の発光素子群に含まれる1以上の発光素子22aにおいてカソードとアノードとがショート状態である場合、計測対象の発光素子群に流れる電流は、通常よりも多くなる。つまり、制御部24は、電流値が通常よりも高いときに、発光部22に異常があると判定することができる。制御部24は、具体的には、記憶部27に記憶された上限値(第1上限値または第2上限値)を参照し、計測した電流値が参照した上限値よりも高いときに、発光部22に異常があると判定することができる。
計測対象外の発光素子群に含まれる発光素子22aがオープン不良である場合、当該発光素子22aを含む発光素子群に電流が流れなくなることから、計測対象の発光素子群に流れる電流は、通常よりも多くなる。したがって、この場合も、制御部24は、計測した電流値が参照した上限値よりも高いか否かに基づいて発光部22の異常を検知することができる。
計測対象外の発光素子群に含まれる発光素子22aがショート不良である場合、当該発光素子22aを含む発光素子群に集中的に電流が流れることから、計測対象の発光素子群に流れる電流は、通常よりも少なくなる。したがって、この場合も、制御部24は、計測した電流値が参照した下限値よりも低いか否かに基づいて発光部22の異常を検知することができる。
[照明装置の動作例1]
次に、照明システム300における照明装置100の動作例1について説明する。図6は、照明装置100の動作例1のフローチャートである。
照明装置100の制御部24は、計時部26からタイマ信号を取得することにより(S11)、所定時間が経過したか否かを判定する(S12)。所定時間は、例えば、24時間である。制御部24は、所定時間が経過していないと判定した場合(S12でNo)、所定時間が経過するまでタイマ信号の取得を継続する(S11)。
所定時間が経過したと判断した場合(S12でYes)、発光部22が発光中であるか否かを判定する(S13)。発光部22が発光中であるか否かの判定は、例えば、計測対象の発光素子群に電流が流れているか否かに基づいて行われるが、電源回路23の出力を検知する方法など、その他の方法が用いられてもよい。
発光部22が発光中でないと判定された場合(S13でNo)、制御部24は、電源回路23に異常検知用の電力供給を行わせ(S14)、異常検知用の電力供給が行われているときに発光部22の異常検知処理を行う(S15)。制御部24は、具体的には、計測対象の発光素子群に流れる電流値を計測し、かつ、記憶部27に記憶された第1上限値及び第1下限値を読み出す。計測した電流値が第1下限値以上であって、かつ、第1上限値以下であると判定された場合、制御部24は、発光部22が正常であると検知(判定)する(S15で異常なし)。計測した電流値が第1下限値よりも低い、または、第1上限値よりも高いと判定された場合、制御部24は、発光部22が異常であると検知(判定)する(S15で異常あり)。
発光部22が発光中であると判定された場合(S13でYes)、制御部24は、電源回路23に異常検知用の電力供給を行わせることなく、発光部22の異常検知処理を行う(S15)。言い換えれば、制御部24は、電源回路23によって発光部22を発光させるための電力供給が行われているときに発光部22の異常検知処理を行う。制御部24は、具体的には、計測対象の発光素子群に流れる電流値を計測し、かつ、記憶部27に記憶された第2上限値及び第2下限値を読み出す。計測した電流値が第2下限値以上であって、かつ、第2上限値以下である場合、制御部24は、発光部22が正常であると検知する(S15で異常なし)。計測した電流値が第2下限値よりも低い、または、第2上限値よりも高い場合、制御部24は、発光部22が異常であると検知する(S15で異常あり)。
ステップS15において発光部22の異常が検知された場合(S15で異常あり)、制御部24は、無線通信部25に異常情報を送信させる。言い換えれば、無線通信部25は、発光部22の異常が検知された場合に、発光部22の異常を示す異常情報を送信する(S16)。この場合、動作は終了となる。
一方、ステップS15において発光部22の異常が検知されない場合(S15で異常なし)、制御部24は、無線通信部25に正常情報を送信させる。言い換えれば、無線通信部25は、発光部22の異常が検知されなかった場合に、発光部22の正常を示す正常情報を送信する(S17)。
次に、制御部24は、正常情報の送信における無線通信が失敗したか否かを判定する(S18)。制御部24は、例えば、正常情報の送信自体に失敗した場合、または、正常情報の送信後、送信先の照明装置から送信に対する応答が得られなかった場合などに、無線通信が失敗であると判定し(S18でYes)、発光部22を所定の態様で発光させる(S19)。つまり、制御部24は、正常情報の送信において無線通信部25が無線通信に失敗した場合に、電源回路23を制御することにより発光部22を所定の態様で発光させる。制御部24は、具体的には、発光部22を点滅させる。
制御部24は、例えば、正常情報の送信に成功し、かつ、正常情報の送信後、送信先の照明装置から送信に対する応答が得られた場合に、無線通信が成功であると判定し(S18でNo)、動作は終了となる。
以上、照明装置100の動作例1について説明した。動作例1によれば、照明装置100は、発光部22の異常検知処理を定期的に行い、発光部22に異常が発生したことを異常情報の送信によってユーザに通知することができる。また、照明装置100は、無線通信部25が無線通信に失敗した場合には、発光部22を所定の発光態様で発光させることにより、無線通信に異常が発生したことをユーザに通知することができる。
なお、無線通信部25が異常情報を送信した場合にも、ステップS18の処理、及び、ステップS19の処理が行われてもよい。しかしながら、図8のフローチャートでは、無線通信部25が異常情報を送信した場合には、ステップS18の処理、及び、ステップS19の処理は行われない。つまり、制御部24は、異常情報の送信において無線通信部25が無線通信に失敗した場合には、電源回路23を制御することにより発光部22を所定の態様で発光させない。
これは、異常情報を送信する場合には、発光部22に異常が生じていると考えられるため、発光部22を使用しないほうがよいと考えられるからである。同様の理由で、ステップS15で発光部22が異常であると検知された場合、制御部24は、電源回路23を制御することにより発光部22を消灯させてもよい。
[照明装置の動作例2]
次に、照明システム300における照明装置100の動作例2について説明する。図7は、照明装置100の動作例2のフローチャートである。
動作例1では、制御部24は、定期的に(例えば、24時間ごとに)、発光部22の異常検知処理を行ったが、このような動作は一例である。例えば、制御部24は、以下の動作例2のように、ユーザが点灯指示を行うごとに、発光部22の異常検知処理を行ってもよい。なお、以下の動作例2の説明では、動作例1で既に説明された内容については適宜省略される。
ユーザが点灯指示を行うと、発光部22は発光する。そこで、制御部24は、発光部22が発光中であるか否かを判定する(S13)。
発光部22が発光中でないと判定された場合(S13でNo)は、発光部22が発光中であるか否かの判定(検出)が継続される(S13)。発光部22が発光中であると判定された場合(S13でYes)、制御部24は、発光部22の異常検知処理を行う(S15)。制御部24は、計測した電流値が第2下限値以上であって、かつ、第2上限値以下である場合、制御部24は、発光部22が正常であると検知する(S15で異常なし)。計測した電流値が第2下限値よりも低い、または、第2上限値よりも高い場合、制御部24は、発光部22が異常であると検知する(S15で異常あり)。以降は、動作例1と同様の動作となる。
このように、制御部24は、ユーザが点灯指示を行うごとに、発光部22の異常検知処理を行ってもよい。動作例2によれば、照明装置100は、発光部22の異常検知処理を照明装置100が点灯されるごとに検知し、異常が発生したことを異常情報の送信によってユーザに通知することができる。
[照明装置の動作例3]
次に、照明システム300における照明装置100の動作例3について説明する。図8は、照明装置100の動作例3のフローチャートである。
上記動作例1及び2では、制御部24は、照明装置100自身の異常情報及び正常情報の送信において無線通信部25が無線通信に失敗した場合に、発光部22を所定の態様で発光させた。これに対し、動作例3では、他の照明装置100aの異常情報及び正常情報の中継において無線通信部25が無線通信に失敗した場合に、発光部22を所定の態様で発光させる例について説明する。なお、以下の動作例3の説明では、動作例1及び動作例2で既に説明された内容については適宜省略される。
まず、無線通信部25は、他の照明装置100aの異常情報または正常情報を受信する(S21)。そして、無線通信部25は、受信した異常情報または正常情報を別の照明装置100bに送信する(S22)。つまり、無線通信部25は、他の照明装置100aの異常情報または正常情報の中継を行う。
次に、制御部24は、中継における無線通信が失敗したか否かを判定する(S18)。制御部24は、例えば、異常情報または正常情報の送信自体に失敗した場合、及び、異常情報または正常情報の送信後、送信先の照明装置100bから送信に対する応答が得られなかった場合などに、無線通信が失敗であると判定する(S18でYes)。そして、制御部24は、発光部22を所定の態様で発光させる(S19)。つまり、制御部24は、異常情報または正常情報の中継において無線通信部25が無線通信に失敗した場合に、電源回路23を制御することにより発光部22を所定の態様で発光させる。
異常情報または正常情報の中継に成功した場合には、制御部24は、無線通信が成功であると判定し(S18でNo)、動作は終了となる。
以上、照明装置100の動作例3について説明した。動作例3によれば、照明装置100は、無線通信部25が異常情報または正常情報の中継において無線通信に失敗した場合に、発光部22を所定の発光態様で発光させることにより、無線通信に異常が発生したことをユーザに通知することができる。
なお、異常情報または正常情報の中継においては、より具体的には、マルチホップ通信などの技術が用いられる。
[照明装置の変形例]
上記実施の形態で説明された照明装置100(照明用光源10)の構成は、一例である。例えば、上記実施の形態では、照明用光源10は、第1口金51及び第2口金52によって本体部110に取り付けられたが、照明用光源10は、コネクタによって本体部110に取り付けられてもよい。以下、このような変形例に係る照明装置について説明する。図9は、変形例に係る照明装置の外観斜視図である。
図9に示されるように、照明装置200は、照明用光源10aと、本体部210とを備える。
本体部210は、天井に固定具によって取り付けられる。本体部210は、照明用光源10aが埋設される凹部220を有する。例えば、照明用光源10aが有する金具(図示せず)が、凹部220の内面に形成された孔と係合することで、照明用光源10aが本体部210に着脱自在可能に取り付けられる。また、本体部210から延設された電線の端部にはコネクタ240が設けられている。
照明用光源10aは、発光装置20と筐体30aとを備える。筐体30aは、かまぼこ形の筐体であって、発光装置20を収容する。筐体30aのうち発光装置20の光出射側を覆う部分(湾曲した部分)は、カバーの一例であり、この部分は、ポリカーボネートなどの樹脂、または、ガラスなど透光性を有する材料によって形成される。この部分は、上記実施の形態で説明したような光拡散構造を有することにより、光拡散性を有してもよい。
筐体30aから延設された電線の端部にはコネクタ40が設けられている。コネクタ40がコネクタ240と嵌め合わされることで、本体部210から発光装置20(照明用光源10a)への交流電力の供給が可能となる。このように、コネクタ40内の端子には、外部から交流電力を受ける第1受電端子及び第2受電端子が含まれる。
以上、変形例に係る照明装置200及び照明用光源10aについて説明した、このような照明装置200及び照明用光源10aも本発明に含まれる。
[効果等]
以上説明したように、照明装置100は、発光部22と、発光部22に電力供給を行う電源回路23と、電源回路23によって発光部22に電力供給が行われているときに発光部22の異常を検知するための異常検知処理を行う制御部24と、異常検知処理の結果に基づいて、発光部22の異常を示す異常情報及び発光部22の正常を示す正常情報の少なくとも一方を送信する無線通信部25とを備える。制御部24は、無線通信部25が無線通信に失敗した場合に、電源回路23を制御することにより発光部22を所定の態様で発光させる。
これにより、照明装置100は、発光部22に異常が発生したことを異常情報及び正常情報の少なくとも一方の送信によってユーザに通知することができる。また、照明装置100は、無線通信部25が無線通信に失敗した場合には、発光部22を所定の発光態様で発光させることにより、無線通信に異常が発生したことをユーザに通知することができる。
また、制御部24は、電源回路23に異常検知用の電力供給を行わせ、異常検知用の電力供給が行われているときに異常検知処理を行い、異常検知用の電力供給は、発光部22を発光させなくてもよい。
これにより、発光部22を発光させずに発光部22の異常検知処理を行うことができる。
また、制御部24は、定期的に異常検知処理を行ってもよい。
これにより、制御部24は、発光部22の異常検知処理を定期的に行うことができる。
また、制御部24は、電源回路23によって発光部22を発光させるための電力供給が行われているときに異常検知処理を行ってもよい。
これにより、制御部24は、発光部22が発光している期間を利用して、発光部22の異常検知処理を行うことができる。
また、発光部22は、複数の発光素子22aが直列接続された発光素子群を複数有し、複数の発光素子群は、並列接続されてもよい。制御部24は、異常検知処理において、複数の発光素子群のうち1つの発光素子群に流れる電流を計測してもよい。
これにより、制御部24は、複数の発光素子群のうち1つの発光素子群に流れる電流を計測することにより、発光部22の異常検知処理を行うことができる。
また、無線通信部25は、異常検知処理によって発光部22の異常が検知されなかった場合に、正常情報を送信し、制御部24は、正常情報の送信において無線通信部25が無線通信に失敗した場合に、電源回路23を制御することにより発光部22を所定の態様で発光させてもよい。
これにより、照明装置100は、照明装置100の正常情報の送信において無線通信部25が無線通信に失敗したことをユーザに通知することができる。
また、無線通信部25は、他の照明装置100aの正常情報の中継を行い、制御部24は、中継において無線通信部25が無線通信に失敗した場合に、電源回路23を制御することにより発光部22を所定の態様で発光させてもよい。
これにより、照明装置100は、照明装置100aの正常情報の中継において無線通信部25が無線通信に失敗したことをユーザに通知することができる。
また、無線通信部25は、他の照明装置100aの異常情報の中継を行い、制御部24は、中継において無線通信部25が無線通信に失敗した場合に、電源回路23を制御することにより発光部22を所定の態様で発光させてもよい。
これにより、照明装置100は、照明装置100aの異常情報の中継において無線通信部25が無線通信に失敗したことをユーザに通知することができる。
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態に係る照明装置について説明したが、本発明は、このような実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、直管LEDランプに用いられる発光装置について説明が行われた。しかしながら、本発明は、電球形ランプなどの他の照明用光源に用いられる発光装置として実現されてもよいし、ダウンライト、または、光源が取り外しできない光源一体型の照明装置などの他の照明装置に用いられる発光装置として実現されてもよい。また、他の照明用光源及び他の照明装置に用いられる発光装置が備える基板の形状は、適宜定められればよい。つまり、基板の形状は長尺状に限定されない。
また、上記実施の形態においては、発光素子としてSMD型のLED素子が用いられた。しかしながら、半導体レーザ等の半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)または無機EL等の固体発光素子が発光素子として用いられてもよい。
また、上記実施の形態においては、発光装置は、SMD型であったが、発光装置は、COB(Chip On Board)型であってもよい。
また、上記実施の形態においては、照明装置が有する発光素子の全てが1つの基板に配置されたが、照明装置が有する発光素子は、複数の基板に分かれて配置されてもよい。また、電源回路、制御部、及び、無線通信部などの構成要素が、発光素子と同一の基板に配置されることは必須ではない。例えば、一部の構成要素が本体部に設けられてもよく、各構成要素は、照明装置内のどこかに配置されればよい。
また、上記実施の形態において、発光装置は、青色光を発するLEDと黄色蛍光体粒子を含有する蛍光体含有樹脂とを用いて白色光を出射したが、発光装置は、このような構成に限定されるものではない。発光装置は、例えば、青色光を発するLEDと、赤色蛍光体粒子及び緑色蛍光体粒子を含有する蛍光体含有樹脂とを用いて白色光を出射してもよい。
また、青色光を発するLEDに代えて、青色光以外の光を発するLEDが用いられてもよい。発光装置は、例えば、紫外光を発するLEDチップと、紫外光によって励起されて三原色(赤色、緑色、青色)に発光する各色蛍光体粒子を含有する蛍光体含有樹脂とを用いて白色光を出射してもよい。発光装置には、蛍光体粒子以外の波長変換材が用いられてもよく、例えば、波長変換材として、半導体、金属錯体、有機染料、顔料など、ある波長の光を吸収し、吸収した光とは異なる波長の光を発する物質を含んでいる材料が用いられてもよい。
以上、一つまたは複数の態様に係る照明装置について、実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態及び変形例に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
例えば、本発明は、上記実施の形態に係る照明システム、照明用光源、または発光装置などとして実現されてもよい。